【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合8at EROPARO
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合8 - 暇つぶし2ch200:魔王
06/11/25 02:41:54 0nmWgt15

「とまあこんな感じかねえ。いやあずいぶん長いこと話してた気がするよ。具体的には一ヶ月ぐらい。
 なに、短ぇ上にまだ序章みたいな感じじゃないか、だと。
 馬鹿野郎、元々これ以上は話す気なんかねえっつーの。
 この先はドロドロのグチャグチャだ。胸糞悪すぎて思い出すのも気が滅入るってもんだ。
 まあ大まかに説明しとくとだな。あの後はほとんど相棒の思い通りになって、
 一ヶ月後にはトリステイン女王のアンリエッタっつー嬢ちゃんが世にも恐ろしい方法でぶち殺されて、
 晴れて魔王ヒラガサイトが統一帝国の王位についたのさ。
 で、相棒は俺に宣言したとおりのことをやったよ。反乱鎮圧やらメイジ狩りやらな。
 その方法があんまりにも残酷だったもんで、五年もする頃には相棒に逆らおうって奴は一人もいなくなってたっけなあ。
 ところが、この頃になってうまく逃げ延びてたカトレア嬢ちゃんとジュリオの小僧っ子が反撃に出てくる訳だ。
 同じく逃げ延びてた旧トリステイン銃士隊の隊長さんと一緒にな。
 まあこの辺りは血湧き肉踊る合戦がなくもなかったんで、暇なときになら話してやらんこともないぜ。
 どうだい、聞いててあんまり愉快な話じゃあなかっただろうが。
 なに、それなら話す方もあまり愉快じゃないだろうに、何故教えてくれたのかって。
 いいところに気がついた。実はな、他人に意見を聞いてみたかったんだよ。
 何かって、まあ馬鹿馬鹿しいと思うかもしれんが、笑わないで聞いてくれよ。
 俺は相棒に『メイジはルイズ以外全員殺す』って言われたとき、一瞬思ったのさ。
 『ひょっとしたら、この男は本当にルイズ・ド・ラ・ヴァリエールを愛していて、
  彼女を蔑ろにしたメイジって存在を心底憎んでるんじゃないのか。それで今回みたいな
  イカレた行動に踏み切ったんじゃないか』ってな。
 いやそんなはずはねえんだ。だから相棒にも直接尋ねたことはなかったんだがな。
 でもなあ、こんなところで埃を被ってると、ついつい『やっぱりそうだったんじゃないか』って思ったりもするわけさ。
 なにせ、あんなことになる前の相棒は本当にいい奴だったし、一途に嬢ちゃんにほれ込んでたからね。
 そんなこと考えてるところにお前さんたちが来たんだ。これは聞いてみねえといけねえなと、こう思ってな。
 で、どうだね、兄ちゃん、姉ちゃん。あんたたちの思うとおりに答えてくれよ。
 ほう。
 ふんふん。
 そうかそうか。
 なるほど、あんたたちの考えはよく分かったよ。
 いやいいんだ弁解しなくても。俺も本当はそう思ってたんだからさ。
 今日は本当にありがとうよ。また気が向いたら続きも話してやらんでもないぜ。
 本当かって。さあ、分からんね。何しろ俺は見ての通りオンボロだから、話の内容忘れちまうかもしれんねえ。
 無責任? 知らねえよ馬鹿野郎。
 まあいいや。そんじゃ、またその内会いに来てくれや。
 ああちょっと待て。最後に、もう一つだけ聞いておきたいことがあったんだ。
 どうやら相棒の念願は叶って、メイジのいない、魔法が存在しない世界ってやつがやってきてるようだが。
 その世界は、魔法があった頃の世界よりも楽しいかい?」

 男は答えた。

201:205
06/11/25 02:49:06 0nmWgt15

以上、終了です。グダグダだぜチクショウ!
なんか続きがありそうな雰囲気ですが俺の脳内にしかないです。
続きを書くつもりは今のところありませんのでこれはこれで完結ということに。

ちなみに全体量80KB.これでもまだ「少女の~」の半分もいってません。
個人的にはあっちよりも余程長く書いてた気がするんですが、うーむ。
やっぱ苦手なジャンルは書いちゃいかんっつーことですかね。いや書くのは楽しかったですけどね
具体的にはシエスタ殺すシーンとかシエスタ潰すシーンとかシエスタ転がすシーンとか。
……いやシエスタは好きですよ? ふたなりのシエスタがルイズを犯すSS書きたいと思ってるぐらいに。

とまあグダグダなまま終了。正直な感想を頂けると個人的にとても嬉しいです。ではまた次回。

追伸・>>前スレ276へ
了解。頑張ってみる。だが期待はするな。

202:コリコリ
06/11/25 03:03:27 hc3StxMP
寝てるふりルイズー!

203:名無しさん@ピンキー
06/11/25 03:15:16 UFSIpKjL
アニエスさんが生き残ったのならもう何も言うまい言わないよ言うもんか末路を知りたい言わない

204:名無しさん@ピンキー
06/11/25 03:57:22 H5zANUOR
>>201
できれは続きを読みた(ry
あのタバサが簡単にやられるわけがない!!きっと色々あったはず…妄想が止まらねぇ!!
ってことでルイズとシエスタの話wktkしながら待ってます!!

205:名無しさん@ピンキー
06/11/25 04:10:03 yM0JtHQ8
猟奇好きってロクなのが居ないな

206:名無しさん@ピンキー
06/11/25 08:56:51 Ieuhbj4L
彼もまた、立派なへんたいである

207:名無しさん@ピンキー
06/11/25 11:23:50 J1cpATx8
手足切り落とされたちい姉様が見知らぬ男達に代わる代わる犯されてゆく様子を見たいです。
むしろルイズが切断していく様子を堪能した(ry


208:188
06/11/25 12:25:52 240vgeWt
スレ的にはタバサが殺されちゃうってのはどうなんだろ
BADとHAPPY二通り考えてるけど

209:名無しさん@ピンキー
06/11/25 15:19:15 0ob++a/r
>201
お疲れ様。

中世以前の社会では、絶対権力が確立されたほうが安定した社会が維持されるから、
反乱鎮圧やメイジ狩りが終わった後のサイトの統治する世界は、一般民衆にとっては
平和で住みよい環境になったかもわからんね。サイトの政治次第だが。

210:名無しさん@ピンキー
06/11/25 17:38:26 7Rtwy2Vf
>>201
GJ!
潰すのなら臼と杵で粉砕くらいまでしてほしかったとかいうと引かれそうなので言わない(ry
続きが脳内から漏れてくることを願ってやみません。(ぉ

211:名無しさん@ピンキー
06/11/25 23:45:29 yM0JtHQ8
ここって猟奇スレだっけ?

212:205
06/11/26 00:20:55 cpHdCncf
>>211
違いますよ、ゼロの使い魔スレですよ。猟奇SSなんか書いた人いるんですか? 怖いですねえ。
全くこのスレはロリコンのへんたいさんといい>>210さんみたいな猟奇好きといい、ロクな性癖の持ち主がいませんね。
至ってノーマルな属性の自分には到底信じられませんよ。全く日本はこの先どうなってしまうんでしょうね!

それはそうと投下しますね。

213:名無しさん@ピンキー
06/11/26 00:21:57 phInwfmA
かもん

214:少女の苦悩、少年の怒り
06/11/26 00:22:00 cpHdCncf

 小さな音を立てて飛び爆ぜる火の粉が、才人と自分の間で舞い踊っている。
 その光景を、タバサはただ静かに見つめていた。
 ルイズへの思いを語ったあとほどなくして、才人は深い眠りに落ちた。
 一日中走り通しで溜まった疲労のためだろう、今はわずかな身じろぎもせずに泥のように眠り込んでいる。
 揺らぐ焚き火の向こうに見え隠れする才人の寝顔を見みつめていると、タバサの胸が小さく痛み出した。
(ごめんなさい)
 心の中で謝罪し、タバサは抱え込んだ膝の間に顔を埋めた。
 自分はなんて馬鹿なことをしているんだろう、という思いが、胸を圧迫せんばかりに膨れ上がってくる。
 国王暗殺などという途方もなく無謀な企てに、赤の他人を巻き込んでしまっている。
 失敗すればもちろんのこと、成功したとしてもその後どうなるかは分かったものではない。
 自分が暗殺を企てたのだということが知れようものなら、協力してくれた友人たちにも咎が及ぶ。
 たとえどれ程位の高い大貴族であろうとも、一国の国王暗殺に協力したとなれば無罪では済まされないだろう。
 それを知りつつも、タバサは友人たちに頼ってしまっているのだ。
 他人を巻き込んではいけないと、頭では理解しつている。
 しかし、もう耐えられないと感じていたのも事実だった。
 自分の背に埋め込まれた宝玉は、昼夜問わず体を芯から疼かせ、心を責め苛む。
 そのタイミングは不規則で、予測することなど到底不可能だ。
 だからタバサは、誰と一緒にいるときでも、常に気を張っていなければならなかった。
 二十四時間絶えることなく拷問にさらされているようなものだ。
 仮面のような無表情の下で、タバサの精神は徐々に磨り減らされ、疲弊の一途を辿っていた。
 この悪夢のような日常から一刻も早く逃れたいと、体と心が悲鳴を上げ始めていたのだ。
 その苦痛に拍車をかけたのが、故郷から時折届く手紙だった。
 心を狂わされ、今は屋敷に閉じ込められている母の近況を知らせる手紙である。
 いいことなど書いてあろうはずもないが、最近はそれがさらに悪化してきていた。
 一年ほど前から、タバサの母親はロクに食事も取らないようになってしまっていた。
 手紙には、徐々に痩せ細り衰弱していく母の様子が刻々と記されていたのだ。
 おそらく、母はもう長くはないのだろう。その事実が、タバサをますます焦らせた。
 せめて母が死んでしまう前に、復讐を果たさなければならない。
 そんな風に急いでいたからこそ、巻き込んでしまうと知りつつ友人たちの助力を受け入れてしまったのだ。

215:少女の苦悩、少年の怒り
06/11/26 00:22:56 cpHdCncf

(それだけじゃない)
 タバサは焚き火の向こうの才人の寝顔に目を移す。
 今は疲れ果てて眠り込んでいる少年の顔を見ていると、どうしようもなく胸が高鳴ってくる。
 この胸の高鳴りこそが、自分がこうして愚かな行動ばかりしている一番の理由なのかもしれなかった。
 だから、差し伸べられた手を振り払うことができなかった。
 他の誰でもない、この人にこそ助けてもらいたいと、願ってしまったのだ。
(本当に、馬鹿なわたし)
 自虐的な感情が暴れ出してどうにもならなくなり、タバサは唇を噛んで傍らにあった道具袋を引っ掻き回し始める。
 特に意味のある行為ではない。だが、何かしていないと気が落ち込んで仕方がなかったのだ。
 そんなことをしていたとき、タバサはふと袋の底に妙な物を発見した。
 薄汚れた布に包まれた、固い物体である。
 出発の際シエスタが余分な物を取り除いてしまったはずなのに、何故こんな物が入っているのか。
 タバサは不思議に思いながら、その物体を手にとって布を取り去る。そして、布の下から出てきたものを見て息を呑んだ。
 それには一枚手紙が添付されていて、そこには見覚えのある字でその贈り物の効果が記されてあり、最後はこんな文章で結ばれていた。
「あなたの呪いを解くには至りませんが、あなたの心を守る最後の砦になってくれるはずです。
 こんな形でしか手助けができない無力なわたしを許してください。
 親愛なるタバサへ。キュルケ・フォン・ツェルプストー」
 タバサはキュルケの贈り物を複雑な心情と共に見つめた。
 親友の心遣いを有難いと思うと同時に、申し訳なくも感じてしまう。
 贈り物をそっと懐に収めて、タバサはこみ上げてくる自己嫌悪の念に顔を歪めた。
(わたしは、こんなことをしてもらえるような人間じゃないのに)
 そうしてタバサがため息を吐き出したとき、不意にのんびりとした声が聞こえてきた。
「悩んでるねえ」
 思わず顔を上げる。声は才人の方から聞こえたが、もちろん彼のものではない。
「俺だよ、デルフだよ」
「知ってる」
 一応そう答えてから、タバサはわずかに顔をしかめた。
 ずっと黙っていたせいで、この剣のことをすっかり忘れてしまっていたのだ。
 デルフリンガーは今まで喋らなかったのが嘘だったかのように、急に饒舌に喋り始めた。

216:少女の苦悩、少年の怒り
06/11/26 00:23:55 cpHdCncf
「いいねえ、青春だねえ」
「何の話」
「相棒に惚れてんだろ、嬢ちゃんよう」
「だから、なに」
 否定するのは無駄だと思ったので、止めておいた。デルフリンガーは剣のくせに口笛のような音を鳴らしてみせる。
「こりゃ驚いた、相棒のご主人様とはえらく反応が違うねえ。ああ安心しなよ、相棒はニブチンだ、全然気付いてないぜ」
「知ってる」
 出来る限り素っ気なく答える。自分であれこれと思い悩んでいる問題を、この剣に茶化されるのはいかにも不愉快だった。
 そんなタバサの思いを知ってか知らずか、デルフリンガーはほんの少し声のトーンを落とした。
「まあなんだな、悩むのはそういう年相応の問題だけにとどめときなよ。
 その様子じゃまだ迷ってるんだろ。相棒や他の連中を自分の事情に巻き込んじまったんじゃないかって」
 まさに先程考えていたことを正確に言い当てられ、タバサは目を瞬いた。デルフリンガーは苦笑混じりに言う。
「そりゃ分かるさ、嬢ちゃんの表情見てりゃね。
 昼間相棒に抱えられてたときだって、ずっと同じことばっかりぐるぐる考えてたんだろうが」
「巻き込んでしまったのは、事実だから」
「そりゃ違うよ。あの連中は巻き込まれたんじゃなくて、自分から好きで首突っ込んできたのさ」
「それを拒まずに受け入れたのは、わたし」
「拒むことなんかできやしなかっただろ。強引だからね、相棒もあの連中も」
「でも」
「いいんだって。皆、好きでやってることなんだからよ。嬢ちゃんが気に病むことじゃねえさ」
 デルフリンガーの声はあくまでも陽気で、ついその優しさに甘えてしまいそうになる。タバサは唇を噛んだ。
「どうして、皆こんなに優しいの」
 それは罪悪感の発露とでも言うべき、ほとんど独り言に等しい言葉だった。だが、デルフリンガーは目ざとく問い返してきた。
「さて、何でだと思うね」
 そう言われて、タバサはちらりと才人の寝顔を見た。
「きっと、お兄ちゃんのため」
「相棒のため、かい」
「そう。お兄ちゃんがいい人だから、皆心配してる。わたしは、そんな人をこんなことに巻き込んで」
「いいや、それだけじゃないね」
 力強い否定の言葉に、俯きかけたタバサは思わず顔を上げる。
「確かに相棒がいい奴だってのもあるだろうが、あの連中が手を貸したのは、それだけが理由じゃないだろうさ」
「他に、どんな理由が」
「決まってんだろ。あんただよ、嬢ちゃん」
 予想だにしない答えだった。驚くタバサに、デルフリンガーは苦笑いするような口調で続ける。

217:少女の苦悩、少年の怒り
06/11/26 00:25:11 cpHdCncf
「嬢ちゃんだっていい奴だよ。俺はずーっと相棒にくっついてたから、あんたのことだってちょっとは見てるつもりだぜ。
 嬢ちゃんが他人のことを考えて動いてるってことだって、ちゃんと知ってるのさ」
「そんなことない、わたしは」
「土くれのフーケ捕まえようとしたとき、微熱のねーちゃんや相棒のご主人様を心配してついてきたのは誰だ。
 アルビオンに行ったときだって、自分には大して得もねえのについてきたじゃねえか。
 宝探しにも付き合ったし、水の精霊退治しろって任務でも、自分の都合だけ優先したりはしなかっただろ。
 どうだい、こんだけ並べりゃちょっとは自分がお人よしだって自覚もつくってもんじゃないのかい」
 淡々と過去の事実を並べ立てるデルフリンガーの言葉に、タバサはうまく反論できなかった。
 確かに、客観的に見れば自分には特に利益もない選択ばかりしているように思える。
 かと言って自分は善人だなどと認める気にもなれず、タバサは小さく唸りながら何とか反論しようとする。
 デルフリンガーが口もないのに吹き出した。
「そんなに真面目に考えんなよ。とにかくだ、相棒もあの連中もいくらかは俺と同じように感じてるのさ。
 嬢ちゃんがいい奴だから、出来る限り助けてやりたいと思って協力してるんだろうよ」
 そう言ってから、デルフリンガーは少し真面目な口調で続けた。
「それに何より、嬢ちゃんがいい奴じゃなかったら、あの連中は確実に相棒を止めてただろうよ。
 そうしなかったってことは、結局のところ信頼されてるってことさ。相棒も、嬢ちゃんも。
 『あいつのすることだから、きっと間違ってはいないだろう』ってな」
 反論を重ねようとして、タバサはついに諦めた。
 この剣は何を言ったって自分の論を翻したりはしないだろうし、
 何よりもタバサ自身、デルフの言葉を聞いて胸の奥が熱くなっているのを自覚していた。
(嬉しい)
 タバサはそっと胸を押さえた。心臓が静かに、だが力強く脈打っているのを感じる。
 目蓋を閉じる。鼓動の高まりと共に、友人たちの顔が次々と浮かんでくる。
 その一つ一つが自分の体を温めてくれるように思えて、自然と頬が綻んだ。
 目蓋を開くと、疲れ果てて眠り込んでいる才人の姿が目に映った。
(巻き込んでしまってごめんなさい。助けてくれてありがとう)
 相反する二つの言葉を内心で呟きながら、タバサは目を細める。
 今更どう後悔しようが、ここまで来てしまったのは事実なのだ。
 こうなったら、後は少しでもいい結果に終わるように死力を尽くすしかない。
 それに、目の前で眠っている少年を見ていると、不思議な心強さが全身に満ちてくるのだ。
 どう考えても不可能に思えるこの企ても、彼と一緒ならば成功させられるような気すらしてくる。
(お兄ちゃんと一緒なら)
 才人の姿を見つめながら、タバサは微笑を浮かべた。
 そのとき、不意に背中が不自然に震え始めた。

218:少女の苦悩、少年の怒り
06/11/26 00:26:08 cpHdCncf

 タバサは目を見開く。驚く暇もなく震えが全身に広がり、疼きに変わり始める。
 背中に埋め込まれた宝玉による、唐突な性衝動の昂ぶり。だが、今回の高揚感はいつもよりも段違いに大きい。
 タバサはうめき声を漏らしながら身をよじる。全身が火照り、息が上がる。
 ほとんど反射的に股に手を差し入れると、もう秘所から大量の蜜があふれ出していた。
 意識が混濁し、視界が歪む。タバサは半開きになった唇の隙間から熱い吐息と涎を垂らしながら、ぼんやりと才人を見た。
(繋がりたい)
 唾を飲み干し、ふらふらと才人に近寄る。デルフリンガーが何か喚いていたが、「サイレント」で即座に黙らせた。
 タバサは才人のそばに座り込み、彼の寝顔をじっと眺めながら自分の体を弄り出す。
 指先が弱い部分に触れるたびに、背筋に言いようのない快感が走る。
(お兄ちゃん、お兄ちゃん)
 夢中で体を弄り、タバサはすぐに一度絶頂に達した。
 しかし性衝動は治まるどころかますます昂ぶっていく。もうまともに思考できなくなった意識の片隅で、誰かが囁いた。
(犯せ)
 タバサの脳裏に、一ヶ月ほど前の光景が浮かび上がった。
 暮れゆく空の下、魔法学院の敷地の片隅で獣のようにまぐわった二人の姿。
(犯せ)
 あのときタバサは、一人で体を弄るだけでは絶対に味わえない、天にも昇る最高の快楽を味わったのだ。
(もう一度、あのときみたいに)
 自然と口元に笑みが浮かぶ。タバサは己の欲望の命ずるままに、才人に向かって手を伸ばした。
 あともう少しで才人の顔に指先が触れようというとき、タバサは弾かれたようにその手を引っ込めた。
 交わったときの光景を消し飛ばすほどの強さで、あるものが脳裏に浮かび上がったのだ。
 それは、先程ルイズのことを語っていたときの才人の横顔だった。
 嬉しそうな、あるいは誇らしげな表情を浮かべながら、愛する人のことを話してくれたときの、才人の横顔。
 タバサは砕けるほどの強さで歯を噛み締めながら、半ば無理矢理手を懐に向かって伸ばす。
 その手が、キュルケからの贈り物を思い切り握り締めた。
 すると、タバサの意志を完全に奪い去るほどの勢いで暴れ狂っていた性衝動が、ほんの少しだけ治まった。
 荒い息を吐きながら、タバサは才人を見つめた。
 まだ、彼を求めるように全身が昂ぶっている。性衝動は未だ治まっていないのだ。
 才人の体に抗い難い誘惑を感じながらも、タバサは無理に体を翻した。
 少し彼から離れて、一人でこの体の昂ぶりを治めなければならない。
 歩いていると、瞳の奥から勝手に涙が溢れ出してきた。
 性欲を満たすことができなかったという、単なる欲求不満によるものではない。
 どうしようもなく、胸が痛むのだ。締め付けられるように、あるいは切られるように。
(大丈夫)
 涙を拭う余裕もなく、ずるずると足を動かしながら、タバサは無理矢理笑みを浮かべた。
(きっと、全部この宝玉のせい。体が疼くのも、心が痛むのも。だから、これは恋なんかじゃない。
 だから、わたしは大丈夫。この宝玉さえなくなれば、この痛みも全部消えてなくなるはずだから)
 小さく嗚咽を漏らしながら、タバサは森の方に向かって歩いていった。

「残念だな嬢ちゃん、俺には魔法は効かんのさ」
 タバサの背中が完全に見えなくなったことを確認してから、デルフリンガーはぽつりと呟いた。
 喋る者が一人もいなくなり、野営場所には焚き火が爆ぜる音だけがわずかに響くのみとなった。
「あー」
 その沈黙を持て余すように、デルフリンガーはため息を吐く。
「なんてーのかな。俺としてはこういう根暗な旅もそこそこに盛り上げようとあれこれ頑張ってみるつもりだったんだけどよ」
 誰も聞くことのない声が、淡々と夜の山に響き渡る。
「こりゃダメだね。なんてーか、割と真面目に気に入らねえや」
 デルフリンガーは武者震いするようにかすかに刀身を震わせた。
「ちっとばかり真剣になってみるかねえ。いやあんま変わんねーっちゃ変わんねーんだけど」

219:205
06/11/26 00:27:19 cpHdCncf

今回はここまでで。ではまた次回。

220:名無しさん@ピンキー
06/11/26 00:29:17 7vtJDq+z
わあわあ!寸止めわあわあ!でもGJ!早く続きを書いてくださーい!!

221:名無しさん@ピンキー
06/11/26 00:37:49 phInwfmA
GJ待ってました

222: ◆mitty.ccnw
06/11/26 01:00:39 7mz+p13f
おお、少女の~の続きがキテルー
GJです。

…そんなところにですが、お目汚しを承知で投下をば。
エロなし妄想垂れ流し万歳なので気に入らない方はヌルーしてくだしあ。

223:原作でもこんな展開あったらいいなぁ ◆mitty.ccnw
06/11/26 01:01:55 7mz+p13f
「ルイズ、ルイズ」
サイトが夢中になって私の名前を呼んでいる。それが、それだけでこんなにも心地よいものだということを、わたしは初めて知った。
サイトだからかしら。…きっとそうね。
「サイト…」
ヒラガサイト。異世界からきた、わたしの使い魔。
わたしの、愛しい人。
「サイト、サイトぉ」
もう絶対に、離してあげないんだから。

鼻にかかった甘えるような声で、俺の名を呼ぶルイズはもうどうしようもなく可愛くて、より強くギュッと抱きしめる。
それでも足りなくて、頬擦りをしたらルイズはくすぐったそうに身動ぎした。

サイトの名を呼んだら、またギュッと抱きしめられた。ルイズって呼ばれるのも気持ちが良かったけれど、これはそれと比べられないくらい気持ちいい。病み付きになっちゃいそうなくらい。
ぼうっとしていたら、今度は頬擦りをされた。ちょっとくすぐったいかも。
もう、サイトったら鼻息荒いんだから。
そのままわたしの髪に顔をうずめて、息を吸い込んでいるみたい。さっきちゃんと体中洗ったから、大丈夫よね…。
サイトは、わたしの髪をどう思ってくれるんだろう。気に入ってくれるんだろうか。
ちいねえさまは綺麗って言ってくれるけれど、サイトもそう思ってくれるかな。
…ちいねえさまのことを思い出したら、む、胸のことまで思い出してしまった。むー、こればっかりはどうにもなんない。
だいたい、サイトの周りには胸がおっきいのばっかり集まりすぎよ!
あのテファなんとかとかいうエルフに至ってはー!!
…思い出すだけむなしいわ…。

ルイズの髪っていい匂いがするなぁ、なんて思っているとルイズがぷるぷるし始めた。くすぐったかったかな?

224:原作でもこんな展開あったらいいなぁ ◆mitty.ccnw
06/11/26 01:02:25 7mz+p13f
「サイト」
「ん?」
「えっと…正直に答えてね?」
なんだろう。声の真面目な調子に、体を起こす。ルイズも起き上がってきた。
「えと、その…。サイトは、ややや、やっぱり胸は…大きいほうが好きよね?」
むは。
「お、怒らないから、正直に答えてほしいの」
と、言われましても。そのあの。
だんだん声を小さくしながら、ものすごく答えにくいことを聞いてくるルイズ。ああ、そんなすがるような目をしないでおくれっ。
…やっぱり、ここまで気にするのは俺のせいもあるんだろうなぁ。
でも、どうしてもその。視線が行ってしまうのは仕方ないことなのでして。男の本能であるからして。
…でも、それをルイズに言っても仕方ないわけで。
「サイト?」
「あ、ああ…その…」
ど、どうしよう。
「正直に教えてほしいの。やっぱりその…大きいほうが良いよね?」
「…うん」
ごめんなさいブリミルさま。こんな懇願するようなルイズに、平賀才人はうそなんてつけません。
「やっぱり…。あの時の言葉は嘘だったんだ」
うう、ウエストウッドでのセリフがこんなときに足を引っ張るなんて。
どう言い訳しようかと頭をめぐらしていると、ルイズは両手を胸に当てて、はぁっとため息をついた。
切なそうな顔…うう、見ているこっちの方がもっと切なくなってくるっ。
「どうしたら、大きくなるのかな…」
「ル、ルイズっ」
「な、なによ!」
堪らなくなって、叫んでしまった。
「あ、あのな…」
「…別にもう怒らないわよ。男の子はむ、胸の大きな女の子がすきなんでしょ?そっちのほうが、お、おっぱいたくさん出るもんね?子供が出来たときに」
ル、ルイズってばいつの間にそんな考察を!?
ていうか、全然関係ないけどルイズの口から「おっぱい」なんて言葉を聞くとなんだか妙な気分に…。
「だから、きっとサイトもそうなんだろうなぁって思って。それで、どうしたら大きくできるのかなぁって…。わたし、こんなだからきっとサイトは…」

ああ、なんで俺はこんなにも馬鹿なんだろう。
そして、なんでこいつはこんなにも愛しいんだろう。
「ルイズ」
「なによ」
すねたような表情、そこに見え隠れする不安、そして、目元ににじんだ涙をぬぐう仕草。
その全てが愛しい。
「ごめんな」
「…今更謝ったって、小さいのはしょうがないんだから」
「違うよっ」
「何が違うのよ」
「俺が、はっきりしなくてごめんな」
「そ、そうよ。だいたい使い間の癖に、ご主人様に嘘つくなんて生意気なのよ」
憎まれ口を利くルイズ。今までならきっと、ただ憎たらしいとしか思わなかったんだろうけれど。
「そうじゃないよルイズ。…いや、まぁそれもあるけど、俺が言いたいのはそういうことじゃないよ」
「…言ってみなさいよ、聞くだけ聞いてあげるんだから」
そう言って、ぷいっとそっぽを向いてしまう。でもご主人様、視線がこっちに向いているのが、ばればれですよ?
ついくすっとすると、ルイズは頬を膨らませてしまった。

225:原作でもこんな展開あったらいいなぁ ◆mitty.ccnw
06/11/26 01:04:05 7mz+p13f
もう、何を笑ってるのよ!
あんたなんかもう知らないって風を装うってはいるけれど、ほんとはなんて言うのか気になって仕方が無い本心を見透かされたような気がして、ついむくれてしまう。
…どうしてわたしってこんなにも可愛げが無いのかしら。いっつもこんな風…。
そう悩んでいると、わたしをそうさせてしまう当のサイトがまたギュッと抱きしめてきた。
ちょちょちょっと、いきなり何なのよっ。
「ルイズ」
もう。何を言ったってごまかされないんだからね。
「確かに、ルイズにもっと胸があればなぁって、思ったことは何度かあるよ」
ほら見なさい。ふんだ、いっつもメイドとか姫様とかあのお化け胸のエルフとかばっかり見て。
「ちいさいほう」なんて言っても、身体が嘘ついてんのよっ。
…でも。分かってはいても、やっぱり悲しいなぁ。
「でもそれは関係ないんだ」
今更関係ないって何よ。
そう問いかけようと、サイトのほうに顔を向ける。息が掛かりそうなほど顔が近い。いつもなら恥ずかしくなって顔を逸らすところだけど、今はきっと見つめてやる。
すると、何故かサイトはふっと微笑みかけてきて、わたしは開きかけていた口を閉じてしまった。
サイト…こんな優しい顔も出来たんだ。
「俺はルイズが好きだから」
なっ!
ななな、なによそれ!
「そっ、そんなの知ってるわよっ。それに、り、理由になってないじゃないの」
顔が熱い。たぶん真っ赤だ。そんな真っ赤な自分を見られるのが恥ずかしくて、今度こそうつむいてしまう。
すると、サイトはわたしの頭を抱えて、胸に押し付けた。そのまま耳元にささやいてくる。
「ルイズは怒りっぽくて理不尽で、怒ったときなんか酷くて、しかもいつも小生意気で、」
な、何よ黙ってれば好き放題にっ
「でも、傷つきやすくて照れ屋で、いつも一生懸命で、…そしてほんとはとっても優しい。そんなルイズが、俺は大好きだから」

「だから、胸が小さいとか、そんなことは気にしなくて良いよ」

「…ルイズ?」
なによ…。ほんとに、勝手なことばかり言って。
「…ルイズ?もしかして泣いてるの?」
「ち、違うわよ馬鹿。な、なんでもないんだから…」
嬉し涙なんて、サイトにはもったいないから見せてあげないんだから。
でも。
うつむいたままのわたしの頭を、サイトは優しくなでてくれた。

fin

226: ◆mitty.ccnw
06/11/26 01:06:59 7mz+p13f
ヤマなしオチなしイミなしな上に中途半端~orz
ほんとはもうちょっと続けたかったのですが、この後のうまい展開がどうしても思いつかず。
というか、こんなの才人じゃねぇええええ

精進せねば。

227:借り物競走~タバサのばあい~ ◆mQKcT9WQPM
06/11/26 01:11:33 Wf0iUZSP
勝負事に勝つ絶対法則。
それは、事前に準備を済ませておくこと。
準備をしてある人間とそうでない人間とでは、勝利への距離が何倍も違う。
その準備において、ライバルと自分では圧倒的な差があった。
だから、遥か先を駆け抜けるシエスタの背を眺めていても、タバサはルイズほど慌ててはいなかった。
足の速さが、決定的な戦力の差ではないことを思い知らせてあげる…。
そして、中盤グループと共に、タバサはお題の載った机に辿り着く。
いくつかの封書を手で上からなぞり、『特殊な折り方』の紙が入った一つを選び出す。
この勝負にタバサそこまでこだわる理由はシンプルだ。
才人を丸一日、合法的に好きに出来る。
それだけである。
開いたその封書の中の紙には。

タバサの筆跡で、『サイト』と書いてあった。

私はお題の紙を握り締めて、サイトの前にやってきた。
サイトはその直前まで、ルイズの応援をしていた。
…むう。
…き、気にしたら負けだもん…。
私は、目の前に立った私を見て動きを止めたサイトに、手を差し出して言った。

「一緒に来て」

サイトは怪訝な顔をしている。
…自分がお題になってるなんて、思ってないんだろうなあ…。
私は紙を広げて、説明する。

「お題」

言ってサイトを指差す。
…大丈夫だよね?サイトならこれで分かってくれるよね?
サイトは一瞬驚いた顔をしてたけど、

「そっか、なら一緒に行こう」

そう言って、私の手を握ってくれた。
…嬉しい。
私はサイトの手を握り締めて、彼と一緒にゴールに向けて走り出した。

228:借り物競走~タバサのばあい~ ◆mQKcT9WQPM
06/11/26 01:12:27 Wf0iUZSP
結論から言うと、借り物競走の一位はシャルロットだった。
…なんか、コース走ってる途中にルイズとシエスタの金切り声が聞こえたけど、気にしたら負けな気がする。
…ていうかね、気にするとこの後の修羅場が…。
だから俺は気にしない。気にしないったら気にしない。
なぜならば俺が生きているのは『今』だから!
先のことなんか知ったこっちゃないのである!
そうして俺が未来の不安と戦っている間に。
俺は何故かシャルロットの部屋にいた。
目の前では、シャルロットが体操服でうれしそーににっこにっこしている。
…チョットマテ、今までの俺の行動を振り返ってみよう?
シャルロットと一緒にゴール、シャルロットが一位の表彰を受ける。
で、シャルロットが俺のところに来て、考え事の真っ最中の俺を引っ張って、女子寮に到着。
まだ考え中の俺をそのまま、部屋に引きずり込んだ。
…あのーう?

「シャルロット?何で俺がここにるのか説明して?」

皆の前だったので、一言も喋らず仏頂面のまま、シャルロットは俺を部屋に連れ込んだのだ。
なので、俺は何で自分がここにいるのか理解できない。
シャルロットは少し照れたように頬を染め、言った。

「競技に勝ったら、一日サイトを好きに出来る」

…そっかー。一日俺を好きに出来るのかー。
なるほどなっと

「納得できるかーーーーーーーーー!!」

俺は思わず叫んでいた。

229:純愛センター
06/11/26 01:13:56 jZje8mnM
皆さんクオリティ高杉…orz
自分のが恥ずかしい…

でも投下

230:借り物競走~タバサのばあい~ ◆mQKcT9WQPM
06/11/26 01:13:58 Wf0iUZSP
思わず叫んだ才人に、タバサは上目遣いになって、悲しそうな目をする。

「わたしじゃ、イヤ…?」

その攻撃は才人のヤバい場所に入った。
いやむしろイヤって言うか。

「い、イヤじゃないけどさ」

慌てて後頭部をぽりぽりと掻く。
かなり効いている。あと一押し。

「…なんていうかさ、本人の意思に関係ないところでそういうの決めるのってどうかなー、って」

無理に理屈をつけて逃げようとしている。
…させない。
タバサはおもむろに才人に抱きつくと、言った。

「じゃ、じゃあ。
 代わりに、私を好きにしていい…」

赤い顔で、潤んだ瞳で、震える声で、そう言った。
才人のヤバい場所は一撃で崩れ去った。

「そ、そんな…そんな…。
 そんな事言う子には…」

俯いてぷるぷる震えている。
暴走の前触れであった。

「お仕置きが必要だなっ!」

ケダモノのできあがりであった。

231:借り物競走~タバサのばあい~ ◆mQKcT9WQPM
06/11/26 01:14:38 Wf0iUZSP
サイトは、私に椅子の上に座るように言ってきた。
でも、普通に座るんじゃない。
椅子の背に身体の前を向けて、立てひざで椅子の上に座る。
よく小さいころ、こうやって椅子を漕いだっけ。
…でも、何する気なんだろ…。
お、お仕置き、なんだよね…。
私の心が、不安に躍る。
…ううん、違う。
サイトを知ってから、このドキドキは不安じゃなくて…期待。
私はサイトにお仕置きされるのが…好き。
だって、お仕置きの後、正気に戻ったサイトが、優しくしてくれるから。
お仕置きの最中は、恥ずかしくて、死にそうになるけど…。
でも、いっつも思うんだけど。
サイトって、どれだけ恥ずかしい『お仕置き』知ってるんだろ…。
そういう本にも載ってないような、すごい恥ずかしいものもあったし…。
ひょっとして、サイトって。
変態さんなの…?
なんて、考えてると、サイトが後ろから『衣装』の上着の背中部分を捲り上げた。
そして。

「やぁんっ!」

私の喉から、いやらしい声が飛び出る。
サイトが、腰の近くから肩甲骨の間まで、背骨を舌で舐めてきた…。
その瞬間、背筋にぞくぞくと電流が走った。
なにこれ、キモチイイ…っ。

「ふゃんっ!やぁっ!ひゃぁっ!」

サイトは私を椅子から落とさないように私の腰を抱え込み、執拗に背骨を舐めまわす。
その度に私の喉は踊り、背筋は弓のようにしなった。
そして今度は。

「やっ!おなかぁっ!」

今度は、腰を抱きかかえて、お腹のあたりを撫で回し始めた…!
胸の下から衣装に包まれた『私』の上まで、満遍なく撫で回す。
背骨を責める舌は、今度は腰骨の上あたりだけを重点的に舐め回している。
今度は逆方向に背中が曲がり、極端な猫背になる。
敏感じゃない部分で感じさせられているせいか…。
その、敏感な部分が、刺激を求めて疼き始めているのが、私にも分かった。
私は振り向いて、目線だけで他の場所もいじってほしい、と訴えるけど…。

「だぁめ。お仕置きだからシャルロットの言う事は聞かない」

…うー、いじわるモードだぁー…。
正直、この時のサイトは、あまり好きじゃない。
で、でも、一番感じてるのはいじわるされてる時、かも…。
…わ、わたしもひょっとして変態さん、なのかなぁ…?

232:借り物競走~タバサのばあい~ ◆mQKcT9WQPM
06/11/26 01:15:41 Wf0iUZSP
背中をさんざんいじめると案の定、シャルロットはもっと違う場所をいじって欲しいとサインを出してきた。
ただ潤んだ瞳で睨みつけてくるだけだけど、だいたい言いたい事は分かってる。
でもだめなのである。
これはシャルロットに対するお仕置きなのだからして。
彼女のためにも、言う事はきいてあげないのである。
さて、さんざんいじめたシャルロットはと言うと。
ちょっと放置したら、泣きそうな顔でこっちを見てる。
椅子の背にしがみついて、立てひざで、真っ赤な顔で、発情しきった目で、幼いシャルロットがこっちを物欲しげに見ている。
しかも体操服でッッッッッ!!
ブルマー夫人。あんたは偉大ダヨ…。
俺はそんなシャルロットの下半身を覆うブルマを、遠慮なくずり下げた。

「やっ…!」

シャルロットは慌ててブルマを抑えようとするが、そうするとバランスが崩れて椅子から落ちそうになる。
そして慌てて椅子の背にしがみつくと、俺の手がぶるまを膝までずり下ろしているわけで。
俺の計画は完璧デシタ!!
ずり落ろされたブルマの中身は、溢れたシャルロットでベタベタだった。

「ホントに、イヤらしい子だよな、シャルロットは」

耳元でそう囁いてやると、シャルロットはトマトみたいに真っ赤になって、俯く。
うはー。かわええええええええええええ。
俺は俯いているとシャルロットの顔が良く見えないので、顔を上げさせる。
どうするかというと。
手で裸になったお尻を撫で回したのである。

「ひゃぁっ!」

シャルロットは案の定、ビクン!と背を逸らせて顔を上げた。
俺はそのまま、イヤらしい手つきでシャルロットのお尻を撫で回す。

「や、やぁ、ふぁ、ふぁんっ」

撫で回すたびに、シャルロットはイヤらしい声で応えてくれる。
さて、本題にまいりますか?

「シャルロットは、お尻されるの、好き?」

233:借り物競走~タバサのばあい~ ◆mQKcT9WQPM
06/11/26 01:17:01 Wf0iUZSP
以前に一度だけ、したことはあった。
薬の効果で、感じやすくなっていたとはいえ、その時の乱れようは尋常ではなかった事を覚えている。

「ふぁ、ぁ、だめ、ひろが、ちゃうっ…!」

タバサは息を吐きながら、才人の一物を受け入れていた。
お尻の穴で。
普段使う穴よりもずっと小さく狭いそこを、才人のモノが無理矢理押し開く。
しかしタバサのそこは、才人が押し入るほどにじわじわと広がり、弾力をもって才人を包み込む。
そして、才人の腰がタバサに密着する。

「全部…入っちゃったよ…」

才人は身体をタバサに密着させ、その耳元で囁く。
タバサは荒い息をつき、頭を振ってイヤイヤをする。

「イヤだったら…」

才人は言いながら腰を引く。

「うあぁっ、はぁっ、らめっ、めくれっ、ちゃうっ」

ソレと同時に、タバサの喉は歓喜を囀る。

「…こんなに、イヤらしい声は出ないと思うけど…?」

そして、またずぶずぶと怒張を沈める。

「やだぁっ、ちがっ、うあっ、はぁっ、だめ、だめぇっ」

涙を流しながら頭を振り、必死に否定するタバサ。
そんなタバサに、才人は怒張を尻に埋めたまま、椅子を抱えて方向を変える。
その正面には、普段タバサが身だしなみを整えるのに使っている、姿見があった。
そこには、尻に男の怒張を埋められ、快感に惚ける、幼い少女の姿が映っていた。

「ほら、あんなにイヤらしい顔してる」

才人はタバサの顎を掴み、正面からタバサの顔を見せ付ける。

「あ…私…あんな…」

そして、そのままあくまでゆっくりと腰を引く。

「うぁっ、はぁっ、あ、あ、あ、や、はぁっ」

234:借り物競走~タバサのばあい~ ◆mQKcT9WQPM
06/11/26 01:17:34 Wf0iUZSP
タバサの目には、鏡の中の青髪の少女が、喜んでいるようにしか映らない。
あれは、私…。
私、あんなに…。
タバサの中で何かが目覚め始めていた。
才人はもう一度、怒張をタバサの腸内に埋める。

「は、あ、あ、い、いいっ、きもちっ、いいよぉっ」

鏡の中の青髪の少女は、今度は口をだらしなく広げ、涎を垂らしながら、感じていた。
才人はもう一度、タバサに語りかけた。

「シャルロットは、イヤらしい子だね?」

その言葉に、タバサは笑顔で頷いた。

「シャルロットは、イヤらしい、いけない子です…。
 だからもっと…たくさん…お仕置き…してぇ…」

235:借り物競走~タバサのばあい~ ◆mQKcT9WQPM
06/11/26 01:18:10 Wf0iUZSP
目が覚めると、お腹に違和感を覚えた。
…そういえば、さんざんお尻で…。
さっきの行為を思い出す。
…恥ずかしくて死にそうになる。
隣を見ると、サイトが満足しきった顔で寝てる。
…もう!なんてことするの!ひどいひどいひどいひどい!
私は涙目で枕を手にして、ぽかぽかとそれで寝ているサイトを叩く。
叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く。
さすがにサイトは目を覚まして異変に気づく。

「な、なにすんだよシャルロット!?」

叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く。
恥ずかしかったんだから!すっごい恥ずかしかったんだから!
今も恥ずかしいんだから!もう!
だから私は、サイトを。
叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く。

「わ、悪かったよ、シャルロット」

言ってサイトは、私を枕ごと抱きしめた。
そして、ふわふわと優しく私の髪を撫ぜてくれた。
…こ、こんなので誤魔化されないもん…。
とか思ってると、今度は唇を塞がれた。

「今度は優しくするから、な?」

唇を離すとそう言って、また抱きしめてくれた。
…しょうがないなー。

「じゃあ、今から」

私は言って、自分からサイトに口付ける。
そして唇を離すと、まっすぐ彼の目を見つめて、続けた。

「今からは、絶対、優しくしてね?」

じゃないと、許さないんだから。 ~fin

236:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
06/11/26 01:20:52 Wf0iUZSP
はい借り物競走終了です。
運動会編はあと2ツばかし競技考えてるんで飽きなかったらそっちいきます。

さてここで仕込んだネタを。
作中の、『お題』を考えたのは誰でしょう?
『愛』
『子種』
『若さ』
全て、既存のキャラが考えたものです。さあ、みんなで考えよー。

そして俺は寝る。もやすみポマエラノシ

237:名無しさん@ピンキー
06/11/26 01:23:31 jZje8mnM
>へんたいさん
流れ切ってスイマセンでした(っд`。)

今度こそ投下

238:純愛センター
06/11/26 01:25:01 jZje8mnM
しかもsage忘れ…orz


夜の街はまだ少し肌触かった
「前歩いた時は…シエスタに泣かれちゃったんだっけ」
降臨際の夜に一人あてどなく歩いていた時に泣きながら自分を引き止めてくれた
そして自分に「生きて」と言って眠り薬をくれた優しい女の子
「眠り薬のお礼…してなかったな」
そのおかげで大事な人を守ることが出来た
そんなことを考えていると、デルフリンガーが話しかけてきた
「相棒」
「どうした?」
「実はよぉ。言おうか迷ってたんだが…」
「なんだよ、早く言えばいいだろ」
「いや、もう遅かったみたいだ」
「へ?」
「サイトさん!!」
その声が聞こえた瞬間、ハルケギニアでは珍しい黒髪のメイド服を着た少女に腕を掴まれた
「シ、シエスタ!?」
「見つけ…ました…」
肩で息をして涙目になりながらも握った腕は離さない
「な、なんでここに…」
「探しに来たに決まってるじゃないですか!」
自分を?なんで…
「オレは誰からも必要とされてないよ…」
だからご主人様の記憶も奪った
「それにオレはキミが憧れた貴族に勝てる平民じゃない…ルイズを守る力も無いんだ」
パァーーン!
左頬をひっぱたかれた
「何を言ってるんですか!ミス・ヴァリエールはあなたが死んだと思っていた時、自分も後を追おうとしたんですよ!?」
ルイズが…オレの?
「それだけじゃありません!サイトさんに記憶を奪われた後、ミス・ヴァリエールは泣きました!記憶も無いのに…サイトさんの顔もわからないのにですよ!?」
「な…んで…」
「それに私が好きなのは貴族に勝てるサイトさんじゃありません。どんなことがあっても諦めないサイトさんが好きなんです!」
シエスタは息もつかずにまくし立てた
そして最後に…
「少しは自分が他人にどう想われてるか…考えて…」
そう言ってサイトの胸に頭を預け、泣き出してしまった

239:純愛センター
06/11/26 01:28:18 jZje8mnM
シエスタはしばらくサイトの胸に顔をうずめ泣いていた
サイトは思った
このどうしようもなく優しい子は自分を好いてくれている
今も自分を好きだと言ってくれた
でも…
「ルイズも…来てるの?」
命を賭けると決めた人がいるから
シエスタはそれだけでわかってくれたらしい
「やっぱり…私じゃダメですよね…」
何も言えない。この優しい女の子を悲しませたくはない…
でも自分の心にこれ以上嘘はつけない
「ミス・ヴァリエールは広場にいます。サイトさんのことは忘れたままですが…」
「シエスタ…」
「早く行ってあげて下さい!」
「うん…ありがと」
サイトはそう言って駆け出して行った
「もうちょっとだけ…好きでいても良いですよね…」

広場ではちょっとした混乱が起きていた
混乱のヒドい方向から歩いてきた男を引き止める
「どうしたんですか?」
「ボヤ騒ぎさ。どっかの貴族がかまどを燃やしちまったらしい」
そう聞いた瞬間、サイトは走り出していた
魔法が使える貴族がボヤ騒ぎなんて起こすはずがない
考えられる人物は一人しかいない
そして

見つけた

オレの大事な

全てを賭けて守りたいと願った

大好きなご主人様…

「大丈夫か!?」
彼女は泣いていた

240:名無しさん@ピンキー
06/11/26 01:29:24 itmFQcsW
>236
             ∩
                 | |
                 | |
        ∧_∧   | |    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       (  ´Д`)//  < 先生! シエスタ、ルイズ、タバサの各編に共通しますが、
      /       /     \ 借り物競争そのもののレース結果は、結局どうなるのでしょうか?
     / /|    /        \____________
  __| | .|    |
  \   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
  ||\             \
  ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄
  ||  || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
     .||              ||


241:純愛センター
06/11/26 01:31:08 jZje8mnM
文才が欲しい…

ただそれだけです…orz

242:名無しさん@ピンキー
06/11/26 01:46:00 JL7FJm1z
終わった?一段落した?
それじゃあ・・・・

へんたいさん及び純愛センター氏ぐっっじょおおぉおぉおおおっぶ!!!
このスレの二大職人のSSを、まさかリアルタイムで見れるとは。゜(つд`)゜。

>>236
愛→シルフィード 子種→アニエス 若さ→オスマン   
こんなもんで・・・・・・・・どうすか?

>純愛センター
自分からは少しも下手に見えん、もっと自信を持ってくだされい

243:名無しさん@ピンキー
06/11/26 01:59:29 6EY2D1CS
>>205
すっげえ面白かった。猟奇的な所も上手に書けてたし、
原作にない、ダークな感じなのがよかった。G,J

244:名無しさん@ピンキー
06/11/26 02:27:40 sWPtJRN6
へんたいさん&純愛センター氏超GJ!!!!
>>236
愛・・・・若さ・・・・ギャ○ンネタとガン○ムネタがチラホラと垣間見える
ってかタバサの場合だけ綿密に書かれてる。さすがロリk (ry

>>241
自分をそんな卑下せんで。これからも頑張って下さい

245:名無しさん@ピンキー
06/11/26 03:54:54 YkUDroLK
>>219
愛してるぜ~~~っ!!
続きをお待ちしておりますm( _ _ )m

246:名無しさん@ピンキー
06/11/26 03:55:38 InPHUMNN
愛→キュルケ 子種→シルフィード 若さ→コルベール

と予想・・・
ほら、情熱の人と獣とコッパゲ・・・もとい知性の輝きを持つ漢ですし

247:名無しさん@ピンキー
06/11/26 04:10:59 GotiUMeR
>>236

『愛』…マリコルヌ
『子種』…シルフィード
『若さ』…フーケ

かな?

248:名無しさん@ピンキー
06/11/26 04:26:03 +gS9vV7Z
愛……シュヴルーズ
子種…シュヴルーズ
若さ…シュヴルーズ

という直感

249:名無しさん@ピンキー
06/11/26 06:17:00 KQReXrOg
                 -―- 、
                , ‐'´         \
             /            、 ヽ
             |l l /〃 ヽ ヽ} |  l  ',
    \          .ljハ トkハ  从斗j │ ハ
     \          l∧}ヾソ V ヾソ !  ! ヽ \
      \ __  __ リ.人  v‐┐ /" ト、  ヽ ヽ おはよう平民ども
        {心下ヽ /"  >ゝ-'<{   Vl   } }
        ゝ<}ノ \  (:::::Y Y:::::!   ヽヘ  { {
           7´ ̄ )   )::∨::__::ヽ   }::\ \丶、
          /  /  /ィ'´ヽ:::::::::ノ  /:::::::::ヽ ヽ `ヽ
          ! ≦∠__ノ:::| /ハ::::/   ゝ、:::::::::`、 リ ノ
           |   .:.:::::::::::l  __ヾ\    ≧:::::::::'、ヽ {
          l_ .:.:::::::::/ >v'  l \::ヾ  ̄::::::::::::::::', }>
            ヽ.:::::::::V  |  ! l∧::::::::::::::::::::::::::::Vリ
             i::::::::::::`ドー rL.」 厶::::::::::::::::::::::::::::!
             l::::::::::::::j ̄ 7:::::├‐ ト、::::::::::::::::::::::::!
               \::::::/  :/::::::::::!   !:::`、:::::::::::::::::::!
               `/  :/ー‐‐┤  「¨¨ ヽ::::::::::/
               ,′ :/      !   !   レ' ´
               ┴‐┴━━ゝ-┴


250:名無しさん@ピンキー
06/11/26 06:21:29 ycpK35F2
>>219
ああ、やっぱ最高ですわ、この話。お互いがお互いを信頼してるっつうか
お互いの想いがきちんと相手に伝わってるっつうか
みんなカッコいいしデルフ最高だしもう超GJ!

>>226
原作でサイトに言って欲しいセリフって感じですねぇこの話。
よかったっす。GJ!

>>236
タバサもといシャルロットの攻撃力の高さは以上w
GJ!

>>241
いい感じです、特にシエスタがいい動きしてますね。GJ!

251:名無しさん@ピンキー
06/11/26 13:45:57 iqkcZixM
>>236せんたいさん
毎度GJ!>>244と同じでタバサ編だけ内容が濃いと思いましたぜ
愛→ギーシュ
子種→アニエス
若さ→オスマン


>>241純愛センターさん
同じくGJ!魔法使いでかまどが壊せるのは世界広しとただ一人ですね
続き激しく待ってます!

252:tomo
06/11/26 20:57:03 YNctZ0QI
>>110-111
>>160-164
続き投下します。

253:ルイズ×サイト1/2
06/11/26 20:59:49 YNctZ0QI
 桃色の乳首を何度も舌で転がす。味などあるはずがないが、心なしか甘い感じがした。
 ルイズ……。
 段々才人も乗ってきた。あいている左手で、ルイズの胸を揉む。まだ幼さが残るルイズの胸が形を変える。
 ゆっくり揉みしだく。
「ぁん……」
 ルイズの声。
 また、寝言だろう。やけに艶っぽいけどな。
 才人は、行為を続ける。
 口に含みながら舌で転がす。ふと、気がつくとルイズの乳首がかたくなっていた。
「え?」
 思わず口を離してしまう。
 ちょっと待て、かたくなってるぞ。ルイズ感じてる? いやでも、寝ていながら感じるものなのか?
 才人は行為を止めて考え始めた。
 寝ながら感じるって……。本当にそんなことがあるのだろうか。もしかしてルイズ起きてる? 寝たふり? いやいや、そんなはすまないって。何のために寝たふりなんてするのさ。ありえないって。
 ルイズの顔を見てみる。赤い。耳なんて真っ赤だ。
 疑惑が深まっていく。
 むむむ、本当は起きてるんじゃねえの。しかたない、たしかめてみよう。
 才人はごほんと、咳を一つして呟いた。
「ルイズ……お前起きてるだろ?」
 ルイズの肩がびくんと強張った。だが、いっこうに答える気配はない。
 本当に寝てるのが?
 才人が、何だ寝てるのか、と思ったときに、
「サイト……」
 とルイズの口から声が漏れてきた。
 ルイズの瞳は閉じられたままだ。
 寝言か? ってことは寝てるんだな、よかった。
 頭が悪い才人は、そんなことで簡単に信じてしまった。
 ルイズ、どんな夢見てるんだろう。俺の名前を呼んだってことは俺も出てるんだよな。

254:ルイズ×サイト2/2
06/11/26 21:01:31 YNctZ0QI
 ルイズは顔が赤くなるのを必死で抑えながら、才人の行動を待っていた。才人は、胸をじかに揉んでから何故か行為を止めてしまっていたのだ。
 揉んでいた右手も寝間着から出され、部屋はしんと静まり返っていた。
 するといきなり、寝間着が捲られる感覚がした。肌が冷たい空気に触れて、思わず体を強張らす。
 今、自分の上半身は才人に見られているのだ。その事実がルイズの顔を赤くさせる。
 サイト……。
 羞恥と見られているという快楽にルイズの頭はパンク寸前だった。
 才人の動く音がした。
「……っ」
 乳首を何かに触られた。思わず声が出そうになる。
 ねっとりと水気を含んだそれが、才人の舌だとわかるのには時間がかからなかった。
 才人は執拗に舌でいじってくる。
 ルイズの呼吸が荒くなり始めたとき、今度は才人が乳首を口にくわえてきた。
 才人はそれを口に含んで舌で転がしてくる。何度も何度もそれを繰り返す。
 突然才人が乳首を吸ってきた。
「ぁ……」
 声が漏れる。
 才人の動きが止まった。
 またか、ルイズは自分を心の中で叱咤した。
 もう、声は出さない。そう心に誓った。

255:tomo
06/11/26 21:02:19 YNctZ0QI
以上です。
なんかすごい短い気がするけど……。

256:名無しさん@ピンキー
06/11/26 21:29:50 /GYElVxg
>255
じわじわと期待が高まってまいりましたw

257:名無しさん@ピンキー
06/11/26 21:44:05 7mz+p13f
どこまで寝たふりで通すんだろうw

258:名無しさん@ピンキー
06/11/26 21:47:53 3PR+bUt8
スレの流れ早いな
自分もサッサと考えて続き書かないと

259:名無しさん@ピンキー
06/11/26 21:52:22 3PR+bUt8
質問なんだがタバサとルイズだとどっちをメインにすればいい?

260:名無しさん@ピンキー
06/11/26 22:05:34 QFHbt2ps
タバサタバサ

261:名無しさん@ピンキー
06/11/26 22:16:29 ed14QYOF
ルバサ

262:名無しさん@ピンキー
06/11/26 22:28:36 CeqvHE6F
両方やちっまいな。

263:sage
06/11/26 22:32:19 qWWs3tNG
両方ですな

264:名無しさん@ピンキー
06/11/26 22:42:54 X+PcAcHc
ケティ

265:名無しさん@ピンキー
06/11/26 23:31:57 0lYys0qQ
シエスタ「はきゅ~ん」
審査員「・・・・・・・」
シエスタ「はきゅんワ?」
審査員「・・・・・・・」
シエスタ「チュッチュ~ん」
審査員「・・・・・・・」






266:名無しさん@ピンキー
06/11/26 23:34:58 jZje8mnM
>>265
何が言いたいか全くわからないオレを許してくれ…

267:名無しさん@ピンキー
06/11/26 23:38:13 X+PcAcHc
>>265
8割方理解した

268:名無しさん@ピンキー
06/11/26 23:52:25 KQReXrOg
>>265
懐かしくてふいたwww

269:名無しさん@ピンキー
06/11/27 00:00:30 7mz+p13f
>>265
どこだっけ…pyaで見たような気がする…w

270:名無しさん@ピンキー
06/11/27 00:44:33 FDeHmHAf
元ネタわかんねw
職人さんたちみんなもうお疲れ様です

271:名無しさん@ピンキー
06/11/27 01:35:06 eBomfoqP
唐突だが、アンリエッタを惨殺して、遺体を料理して学院のパーティで
ルイズ以下の皆に喰わせる、というシチュを詳細に思いついた。
これからちょっと書いてみるわ。

272:名無しさん@ピンキー
06/11/27 01:39:58 J7fNdNHe
うわー、黒い。こえーよw
投下する直前に警告頼む。

273:名無しさん@ピンキー
06/11/27 01:51:37 Td4nGIkD
警告というか前書きが欲しいな。
ついでにコテハンとトリップもよろしく。

274:名無しさん@ピンキー
06/11/27 01:54:52 y6o8eJ+k
>>271
怖いもの見たさで期待あげw

275:あらしのよるに ◆mQKcT9WQPM
06/11/27 02:42:20 vx1o4CSl
それは、嵐の夜だった。
「こんな夜には怖い話をするものよ」と、何故か才人を掴まえてキュルケがタバサの部屋にやってきた。
今日は珍しく、メイドは里帰り、ルイズは家族が来て一緒に出かけたとかで、才人は一人で部屋にいた。
そこをキュルケが無理矢理連れてきたのである。

「でね、次の雨の夜…雨の音かと思って窓の外を見ると、窓を叩いていたのは…。
 死んだはずの、その娘だったっていうのよ…!」

蝋燭の明かりに、不気味に照らされたキュルケの話のフィニッシュとともに、稲光が瞬き、雷鳴が轟く。
…え、演出過剰なんじゃねえか…?
才人は軽くビビリが入っていた。
タバサはといえば…ベッドの上で表情も変えずに、ちょこんと座り込んでいる。
ちなみに、タバサだけは寝間着だった。
貫頭衣の薄手の白いワンピースに、三角形の青いナイトキャップをかぶっている。
キュルケの来訪がなかったらとっとと寝るつもりだったのである。

「私の話はおしまい。
 どう?怖かった?」

得意げににんまりと笑い、キュルケは言う。
…どこの世界でも、こういう話好きな奴ってのはいるもんだなあ…。
才人はそう思ったが、口には出さない。
そして、キュルケのその質問に応える。

「まーまーだな。俺の知ってる話はもっと怖いけど」

才人のその言葉に、キュルケの眉がぴくん、と跳ね上がる。

「へえ、だったら話して貰おうじゃないの、その怖い話とやら」

キュルケも、けっこうな負けず嫌いであった。

「おうよ。じゃあ始めるぜ。
 …それはちょうど、こんな雷雨の夜だった…」

才人の語り出しに、雷鳴が合わせた様に鳴り響いた。
…演出、過剰なんじゃない…?

276:あらしのよるに ◆mQKcT9WQPM
06/11/27 02:43:38 vx1o4CSl
「で、だ。
 いくら呼んでも出てこないそいつにしびれを切らした友人は、ドアを開けたんだ…」

そして俺は間を取る。
キュルケの喉がごくりと鳴ったのを聞いてから、俺は最後の締めにかかる。

「そしたらそいつはいなくて、両側の壁に血で出来た爪痕があったんだってさ…」

締めが終わると、それと同時に、風が強くなって窓を揺らし、ガラスに雨粒がたたきつけられる音が響き始めた。
…やっぱ演出過剰だよなあ…。
キュルケはしばらく固まっていたが、しばらくすると一気にため息をつき、体の力を抜いた。

「…こ、怖かったぁ…。
 サイト、なかなかやるわねえ…」

情報化社会日本で育った俺を嘗めてもらっては困る!
怖い話の一つや二つ、知っていなくては合コンの時に困るじゃないか!
…結局合コンなんか出ないまま異世界に来ちゃったけど…。

「ねえタバサ?あなたはどう?」

キュルケはそうシャルロットに語りかける。
話しかけられた当人は、さっきと変わらない様子でベッドの上にちょこんと座り込んだままだ。
…そうだよな。こういう話とか山ほど知ってそうだしな…。
俺がシャルロットが大して怖がっていないのに軽くショックを受けていると、キュルケが急に立ち上がった。

「さてと。そろそろ夜も遅いし、寝る事にするわ。
 それじゃあお休み、二人とも」

言ってキュルケはウインクして、部屋から出て行った。
…ひょっとしてキュルケ、俺たちの関係知ってんのか…?
まあいいか。
俺も帰るかなー。
俺は立ち上がり、ベッドの上のシャルロットに言う。

「俺も、部屋に戻るわ。
 じゃな、お休み、シャルロット」

277:あらしのよるに ◆mQKcT9WQPM
06/11/27 02:45:30 vx1o4CSl
俺がそう言うと。
シャルロットは小さな声で、言った。

「…立てないの」

…?意味が分からん。

「どういう意味?」

俺が尋ねると、シャルロットはその姿勢のまま、真っ赤になって、顔を背けた。

「…怖くて立てない…」

へ?さっきの怪談がそんなに怖かったってこと?
よく見ると、シャルロットは小刻みに震えていた。
…ひょっとして。

「シャルロット、そういう話苦手…?」

シャルロットは涙目で、うんうんと頷く。
…し、知らんかった。
そして、切羽詰った顔で言った。

「お、おしっこ行きたい…」

ちょ、ちょっとまて、おしっこ行きたいけど立てないってことは。

「つ、連れてって…」

言ってシャルロットは両手を広げた。
やっぱりそうなるのかああああああああああああああ!!

いつもなら。
サイトに抱っこされてる時は、物凄く嬉しくて暖かくて、その感覚を楽しむんだけど。
今は違った。
下腹に感じる膨張感。
それに伴う寒気。
…おしっこ、もれちゃう…!
女子寮のトイレは共同で、一階にしかない。私たちはそこへ向かっていた。
私はサイトに抱っこされながら、おしっこを必死にガマンしていた。
もちろん、抱っこの感覚を楽しむ余裕なんてぜんぜんない。
普通だったら、抱っこしてもらわなくても夜のトイレなんか全然平気なんだけど。
今日は違った。
キュルケとサイトに聞かされた怖い話のせいで、腰が抜けていた。
ずっと私はベッドの上に座ってたんだけど、二人とも、気づいてなかったみたい。
キュルケの話の途中から、私の腰は恐怖で抜けていた。
だから、みじろぎ一つできなかったんだけど…。
サイトの話で、完璧に立てなくなった。
…サイトもサイトだ。気づいてくれてもいいのに…。

「ごめんな、シャルロットが怖い話苦手だって知らなくてさ」

…怖い話が苦手なんじゃなくて、おばけがキライなだけなんだけど。
サイトの言葉に反応する様に、稲光が光った。
それと同時に、キュルケの話が思い出される。
私の身体がびくん!と震える。
サイトはそんな私を優しく抱きしめてくれる。
腰の抜けたのは治らないけど、それでも、恐怖を少しは抑える事が出来た。

278:あらしのよるに ◆mQKcT9WQPM
06/11/27 02:46:47 vx1o4CSl
しばらくすると、トイレについた。
才人は入り口のドアを開け、個室の前までやってくる。
そして、タバサを下ろそうとする。
しかしタバサは、頭を振った。

「…まさか、まだ腰抜けてる…?」

才人の言葉に、タバサは頷いて肯定を返した。
…あ、あのーーーう?

「じゃあ、どうすれば…」

しかし、才人のその言葉に返ってきたのは、泣きそうなタバサの声だった。

「もれちゃ、う…っ!」

そう言って才人にしがみつき、ふるふると震える。
ヤバイマズイ。
才人は慌てて個室のドアを開け、タバサと一緒に中に入る。
器用にそのまま個室のドアを閉めると、鍵をかけた。
そして便器のフタを開けると。

「ご、ごめんなシャルロット…」

一旦タバサをまっすぐ立たせ、タバサの身体を便器に正対させて、ショーツを一気に抜き取り、膝の裏に手を回す。
そして、そのまま便器に向かって脚を開くように、膝を抱え上げた。

「や、やだぁっ!」

タバサの顔が羞恥に歪み、手で膝をホールドする才人の手をどけようとする。

「で、でも、おしっこしたいんだろ?」

確かに、今のままじゃ漏らしてしまう。
背に腹は換えられない。
それに、もう膀胱の膨張感も限界だ。

279:あらしのよるに ◆mQKcT9WQPM
06/11/27 02:48:05 vx1o4CSl
「大丈夫…見ないようにするから」

才人のその言葉に、タバサの緊張が少し緩んだ。
その瞬間。

ちょろろっ

小さな水音と共に、琥珀色の線が、アーチを描いてタバサから流れ出た。
…や…出ちゃう…。

ちょぼろろろろろろろろろろろろ

その線は次第に太くなり、勢いを増す。
もう、止められなかった。
…やぁ、出てる、出てるぅっ…!
サイトの居る前で、おしっこ、出てる……!
タバサはその光景から目を逸らすように顔を覆う。
…その背後で、ごくり、と喉の鳴る音がした。
気になって見上げると。
目を見開いた才人が、タバサの放尿に釘付けになっていた。

「や、やだぁっ!」

タバサは必死に、才人に訴える。

「見ないで、見ないでぇぇっ!」

しかし、才人の目は、タバサの迸りが止まるまで、逸らされることはなかった。

280:あらしのよるに ◆mQKcT9WQPM
06/11/27 02:49:56 vx1o4CSl
恥ずかしくて死にそう。
私はベッドの中でサイトに背を向けて横になっていた。
…全部、見られた…。
あの後、私はずっと泣いたまま、サイトに運ばれて部屋に戻った。
…おしっこするところなんて、見られた…。
ホントに、恥ずかしくて、死にそう…。
しかもおしっこの後始末まで、サイトがしてくれた。
怒りなんかより、恥ずかしさの方がずっと大きくて、私はサイトの方を見られない。
そんな私に、突然サイトが話しかけてきた。

「…ご、ごめんな」

…怒ってると思ったのかな…。
サイトは背中から、私を優しく抱きしめる。

「怒ってるよな?見ないでって言われたのに見ちゃったし…」

…そうよ。
…見ないでって言ったのに。恥ずかしかったんだから!
だんだん、私の中に怒りがこみ上げてくる。

「…ほんとに、ごめん」

サイトのその言葉に、私はくるん、と寝返りを打った。
サイトと正面から見詰め合う。
私は、できるだけ仏頂面で、驚いた顔をしているサイトに言った。

「ほんとにすまないって思ってる?」

私の言葉に、サイトは目を伏せて、「うん」と頷いた。
…じゃあ。

「一個だけ、言う事聞いて」

私はサイトの腕の中で、そう言った。
サイトは、少し考えた後、やっぱり「うん」と頷いた。
私は、彼の胸に頭を預けながら、言った。

「朝まででいい。
 優しく、して」

そして、彼の背中に手を回して、そっと彼を見上げた。
彼は、そのまま優しく、私にキスをしてくれた。
…その後?
もちろん、サイトは朝まで優しく「して」くれた。~fin

281:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
06/11/27 02:53:11 vx1o4CSl
正解が出ました。
>>246 さん、大正解です。その通り。

さて、地元で雨降ってたので&タバサの設定でそういうのあったね、と思い出したので突発。
1時間足らずで書いたもんなので少しアラが目立つが。、ご勘弁くだせい(ぁ

さーて、運動会ネタの続き書こう。

んじゃノシ

282:名無しさん@ピンキー
06/11/27 02:58:42 xkO4/QNW
ちくしょー予想外した!

しかし、一時間足らずでこんないやらし…もとい、素敵なお話を……。
せんたいさん、恐ろしい娘…!!

283:名無しさん@ピンキー
06/11/27 03:46:36 y6o8eJ+k
放尿プレイとはまた(ry
さすがへんたいさんGJすぎます

284:名無しさん@ピンキー
06/11/27 09:31:26 fZpB3t++
せんたいさんがへんたいさんで、へんたいさんがせんたいさんで…

どっちでもいいや、ともかくGJ!

285:名無しさん@ピンキー
06/11/27 11:17:55 kVcvPuCC
GJ!
せんたいさん、次は放屁プレイでお願いします。

286:名無しさん@ピンキー
06/11/27 12:49:47 xOkeDaGP
>>285
君は何を言ってるんだ?
タバサにそんな物出す器官があるわけ無いジャマイカ。

287:名無しさん@ピンキー
06/11/27 13:57:54 fD96Vgz5
みなさんGJ!
アニメ終了しても、職人が増えていく怪奇現象に驚愕。
総合的なレベルが常に高いし。
いったい何故なんだ?


いや、他の覗いてるとことの差がすげーのよ


288:名無しさん@ピンキー
06/11/27 14:18:35 QdFKcmW9
       (  _,, -''"      ',             __.__       ____
   ハ   ( l         ',____,、      (:::} l l l ,}      /   こ \
   ハ   ( .',         ト──‐'      l::l ̄ ̄l     l     の  │
   ハ   (  .',         |              l::|二二l     |  ハ ろ  .|
       ( /ィ         h         , '´ ̄ ̄ ̄`ヽ   |  ハ り │
⌒⌒⌒ヽ(⌒ヽ/ ',         l.l         ,'  r─―‐tl.   |  ハ こ │
        ̄   ',       fllJ.        { r' ー-、ノ ,r‐l    |  ! ん │
            ヾ     ル'ノ |ll       ,-l l ´~~ ‐ l~`ト,.  l     め  |
             〉vw'レハノ   l.lll       ヽl l ',   ,_ ! ,'ノ   ヽ  ____/
             l_,,, =====、_ !'lll       .ハ. l  r'"__゙,,`l|     )ノ
          _,,ノ※※※※※`ー,,,       / lヽノ ´'ー'´ハ


289:名無しさん@ピンキー
06/11/27 14:23:52 drIucava
職人さん達GJ!

>>287
ここのゼロの使い魔はアニメでなくノベル中心のスレだからだよ♪正直アニメはノベル読者を増やすために貢献したくらいにしか思ってない。

290:名無しさん@ピンキー
06/11/27 14:45:24 jUWR1634
アニメ版の主人公ってたしかベジータだよな?

291:名無しさん@ピンキー
06/11/27 15:06:59 HgfE5I7c
>>290
( ゚Д゚)ポカーン

ゼロの使い魔ラジオでも聞いて来い

292:名無しさん@ピンキー
06/11/27 15:16:53 HtmGUFXx
>>289
いや、それは減らない説明にはなってるけど、増える説明にはなってないかな?

前スレあたりから流れ込んできた職人さんて、どうして書いてくれる気になったのかな?
とか、投稿無くなった職人さんでもスレ覗いてるのかなとか?


後学のために知りたい。


293:名無しさん@ピンキー
06/11/27 15:26:07 EnRt2dYT
>292
シェスタとタバサとルイズが可愛いから(この順)に決まってるだろ!

294:名無しさん@ピンキー
06/11/27 15:47:48 HtmGUFXx
>>293
それは原作+ここで流れてる話でおk?

いやさ、、現状って
職人が書いて
職人が保管して
職人がスレ立ててる

漏れらに出来ることって、荒らさない程度なわけだが、
あえて、荒れそうなネタふる奴とか、粘着するのとかさ、
同じ読むだけにしても、色々居るし。

新規職人の加入理由とか分かれば、何か貢献できること有るかな?と

そうおもったのさー

考えすぎかもしれんね。
長文スマン

295:純愛センター
06/11/27 17:10:53 J+jZW2wB
確かに流れるの速いですよね(^_^;)

自分が書き始めたのはただ何となくです。パロ板を見て、ネタを思い付いたから投下…という感じでした

書き続けてる理由は…単に感想が嬉しいからですね
この板は投下するとみんな感想をくれるので、書いててとても楽しいです
GJと言ってくれるだけでも小躍りするくらい嬉しいですよ!

てな訳で今日の深夜投下します(・ω・)/

296:名無しさん@ピンキー
06/11/27 17:36:11 SsuwlyG9
書いたのをssとして短くまとめるのに苦労してるんだが、
なんか文を効率よくカットする方法あったら教えてほしい。

削るとどうしても場所によって文章力がバラバラに見えてしまうんだ。

297:名無しさん@ピンキー
06/11/27 17:37:04 SsuwlyG9
スマン、sage忘れた。

298:名無しさん@ピンキー
06/11/27 17:43:38 nFArQ9ry
>>296
書く段階で気をつけるw

冗談はさておき、書き終わってる文章なら、
連続で投下してもらえばそのまま読むので。

そんなに気にせんでも。

待ってる。


299:名無しさん@ピンキー
06/11/27 18:16:22 nt7AEpiI
とてつもない長い話を、まるで月刊連載のようなローペースで書いてる職人もいる。
リアルが忙しくてペースダウンした職人を補うように増えて来た職人やSSは嬉しい。
しかし、たしかに新人職人さんGJ!GJ!で喜ばしい限りではあるのだが、
ここまで盛り上げてくれた先駆者職人達を労う気持ちも忘れてはいけないと思うんだ!
お願いカンバーック!と思う職人も沢山いる。
ここまで寛大に貪欲に新人職人を受け入れる現状が嘘のように荒れていたあの頃、
些細な事で排除した職人達はもう帰ってこない。
現状を見るに付け、それだけが俺は悲しい。


300:名無しさん@ピンキー
06/11/27 20:55:16 xOkeDaGP
>>294
とりあえず、ウザい。

301:名無しさん@ピンキー
06/11/27 21:01:40 BTerMu63
>>294
住人に出来ることって言ったら、
「とりあえず投下された作品は出来るだけ読む」
「面白かったら『GJ!』の一言でいいからコメントつける」
「勝手に派閥とか作ったりして無駄に争わない」
「作者本人でもないのに批判に対して反論したりしない」
ぐらいじゃね? あとこのスレならWikiの編集手伝うってのがあるけど。

302:名無しさん@ピンキー
06/11/27 21:02:52 YvG+ZIyz
>>293
アン様が一番に決まってるだろ!


303:名無しさん@ピンキー
06/11/27 21:31:38 Fbj3A6iz
アメリカンジョーク風ゼロの使い魔

ある朝、いつものように大好きな使い魔のサイトをつれて
授業を受けに行こうと部屋を出たルイズは、少し離れたところにある
モンモランシーの部屋からギーシュとモンモランシーが出てくるのを目撃した。
見ると、ギーシュはなんとモンモランシーにお出かけのキスをしているではないか。
羨ましくなったルイズは傍らのサイトに真っ赤な顔を悟らせないよう言う。

「ね、ねぇ、ギーシュは出かける前にモンモランシーにチチチ、チュ-してるわよ・・・
あああ、あなたはなんで同じことしないの?」

「は?だって俺、出掛けにキスするほどモンモンと親しくないし」

その日一日、悲鳴が途切れることはなかった・・・・・・

終わり

304:名無しさん@ピンキー
06/11/27 21:44:02 ab48DhyK
HAHAHAHAHA!!

305:名無しさん@ピンキー
06/11/27 21:55:54 y6o8eJ+k
面白いことは面白かったけどどの辺がアメリカンなのか分からない私ジャパニーズ。

306:名無しさん@ピンキー
06/11/27 22:18:45 k3LnJ+r6
基本的に、アメリカ男=浮気性=妻による虐待の対象、と覚えていればいい。
まるでサイトそのものだな。

307:名無しさん@ピンキー
06/11/28 00:05:07 Td4nGIkD
ちなみにこっちのネタはいささか勘弁して欲しいが……
アメリカ男=寝取られ男
ってなネタも多いわけだ。
サイトは当てはまって欲しくないと言うか当てはまらん気がするが。

308:205
06/11/28 01:00:40 o8uSz4jC
 俺はローペースじゃねえ! と声を大にして主張してみる。

309:少女の苦悩、少年の怒り
06/11/28 01:02:13 o8uSz4jC

 澄み切った青い空を見上げて、シエスタは一つため息を吐いた。
 授業中という時間帯もあってか、ヴェストリの広場に人の姿はない。
 短い休憩を与えられて広場の隅のベンチに座っているのだが、口から出てくるのはため息ばかりだ。
 頭に思い浮かぶのは、愛しい黒髪の少年のことばかり。
(サイトさん)
 小さく胸が痛む。後悔という名の小さな棘は、未だにシエスタの心に突き刺さったまま抜けてくれない。
 才人とタバサを送り出してから、もう二日も経ってしまった。
 今回彼らが何をしにどこへ行ったのか、シエスタは何も聞いていない。
 ただ、協力を頼んできたキュルケが「絶対に誰にも喋らないでね」と言ったときの真剣な瞳から考えるに、
 少なくとも単なる小旅行に出かけた訳ではないようだった。
 だから、今頃どこにいるんだろう、とか危険な目に遭っていないだろうか、などと考えてみても、
 一向に答えは出ない。出るはずもない。
(わたしの今回の役目は、ただ黙っていること、ですもんね)
 シエスタはもう一度ため息を吐いた。
 一ヶ月間ほど出来る限り才人を避けるように、と言われた以外、シエスタに任せられた仕事は何もなかった。
 それでも彼女自身の意地で一日目のお弁当を拵え、
 自分が知る限り山菜や食べられる草などのリストを作り上げたが、果たしてそれがどれだけ役に立つものか。
(結局、わたしがサイトさんのために出来ることは何もない)
 大きな無力感が胸を痛む。勝手に涙がこみ上げてきて、シエスタは強く唇を噛んだ。
(駄目だわ、こんなことじゃ。笑顔で出迎えるって、サイトさんと約束したんだから)
 涙を拭って、無理に笑顔を作る。そうすると、ほんの少しだけ元気が湧いてきた。
 そろそろ休憩時間も終わる時刻である。ベンチから腰を上げて何気なく広場の隅を見やったシエスタは、目を見開いた。
 少年が一人、何気ない足取りで歩いていく。あまり見ない服装の、黒髪の少年。
「サイトさん」
 シエスタは叫びながら立ち上がり、才人に向かって駆け出した。
 才人はこちらに気付く様子もなく、校舎の影に消える。
 シエスタもその後を追ったが、校舎の角の向こうに飛び込んだとき、既に才人の背中はどこにも見当たらなかった。
 シエスタは困惑して周囲を見回す。隠れられるような場所もないし、曲がれるような小道もない。
(見間違い、かな。ううん、確かにあれはサイトさんだった)
 シエスタは大きく息を吐く。
 もしかしたら、才人会いたさに幻覚を見たのかもしれない。
 だとしたら自分も相当参っているな、とシエスタは自嘲の笑みを浮かべた。

310:少女の苦悩、少年の怒り
06/11/28 01:03:06 o8uSz4jC

 夜、その日の仕事が終わって自室に帰ろうとしていたシエスタは、
 連れ立って広場を歩いてきたキュルケとモンモランシーに呼び止められた。
 二人とも魔法学院の制服姿だったが、モンモランシーは何やら小さな袋を持っていた。
 本来なら貴族に呼び止められたりしたら「何か気に入らないことでもしただろうか」と不安になるところだが、
 この二人ならば顔見知りだから、あまり緊張することもない。
 二人は少し難しそうな顔をして「とにかくついてきて」とシエスタの前を歩き始めた。
 寮の中に入って少し歩き、辿りついた先は見慣れた場所だった。
「ミス・ヴァリエールの部屋じゃないですか」
 どうしてこんなところに、と問うよりも早く、キュルケが扉をノックしていた。
「ルイズ、入るわよ」
 返事を待つこともなく、キュルケはアンロックの魔法で勝手に鍵を開けて部屋に侵入する。
 モンモランシーも躊躇なく後に続き、シエスタ自身も若干迷いつつルイズの部屋の中に踏み入った。
 才人が旅立って以来、この部屋の住人はルイズ一人になっているはずである。
 部屋の中はしんと静まり返っていた。
 窓から月明かりが差し込んでいるとはいえ、ランプすら灯されていないために部屋の中は随分と暗い。
 キュルケが慣れた様子でルイズの机に近づき、その上にあったランプを灯した。
 部屋がぼんやりとした光に照らされ、同時にどこかから甘い匂いが漂い始める。
 シエスタは息を呑んだ。
 ルイズがいた。ベッドの上で布団を被って蹲っている。
 しかし、彼女は二日前とは比べ物にならないぐらいひどい状態だった。
 吊りあがった目は真っ赤に充血してギラギラした光を放っており、
 その周囲に出来た隈は彼女がろくに寝ていないことを如実に示している。
(どうして)
 シエスタは声も出せず、ただルイズを見つめることしか出来なかった。
 ルイズがこんな風になってしまう理由など、一つしかない。才人の不在だ。
 だが、今回は前と違って才人が死んでしまったという訳ではないのだ。
 シエスタ自身彼の不在には気落ちしていたが、それはあくまでも不安というレベルに留まっている。
 何をどうしたら今のルイズのように追い詰められてしまうのか、見当もつかなかった。
 とにかく、こんな状態のルイズを放っておくわけにはいかない。
 シエスタはベッドに駆け寄ると、布団越しにルイズの肩に手をかけた。
「ミス・ヴァリエール、大丈夫ですか」
「別に、なんでもない」
 ルイズはかすれた声でそう答えた。
 間近で見ると唇も乾ききって荒れているのが分かり、さらに痛々しさが増した。
 シエスタはルイズの隣に腰掛けると、彼女の背中に手をやり、努めて穏やかな声で問いかけた。
「一体どうしたんですか、ミス・ヴァリエール」
「うるさいわね、なんでもないったら」
 疲れきった声でそう言ったきり、ルイズは目を見開いたまま黙り込んでしまう。
 いつもならもうシエスタの手など振り払っている頃である。そうしないところを見ると、かなり消耗しているらしい。
「見ての通り、この子ったらあれから少しも寝てないみたいなのよ。
 今日の授業中なんて、いつ倒れるかと心配になったぐらいよ」
 キュルケが呆れたように言う。
 確かに、今のルイズの様子は尋常ではない。このまま放っておいたら本当に衰弱死してしまいそうである。
「だけど、この子ったら少しも事情話さなくて」
 キュルケが肩をすくめる。そういう訳で自分が連れてこられたらしい。シエスタはルイズの顔を覗き込んだ。
「ね、ミス・ヴァリエール。何か悩み事があるなら、私に話してくださいませんか。
 お話し相手ぐらいにならなれると思いますから」
 しかしルイズは唇を引き結んだまま何も話そうとしない。
 これではどんなに話しかけても無駄なのではないだろうか。
 シエスタは困惑してキュルケの方を見る。そこで、おかしなことに気がついた。
 部屋に入ってから一言も発していなかったモンモランシーが、いつの間にやら床に何かを置いている。
 遠目に見るとそれは香炉のようで、ランプを灯すと同時に漂い始めた甘い匂いの出所は、どうやらその香炉らしかった。
 一体何のつもりなのかと問いかけようとしたとき、不意にシエスタの手に震えが伝わってきた。
 驚いて隣を見ると、先程まで厳しい顔をしていたルイズが、突然顔を歪めて泣き始めていた。

311:少女の苦悩、少年の怒り
06/11/28 01:03:51 o8uSz4jC

「急にどうしたんですか、ミス・ヴァリエール」
 慌てて問いかけるが、ルイズは小さくしゃくり上げるばかりで何も答えない。
「凄い効き目ね」
 キュルケが呟いた。はっとしてそちらを見ると、キュルケは呆れ半分に傍らのモンモランシーを見ているところだった。
「違うわよ。これの効果が凄いんじゃなくて、ルイズがもう立っていられないぐらいに疲れ切ってたってだけの話」
 困惑するシエスタの視線に気付いたのか、モンモランシーは苦笑を返してきた。
「そんなに驚くようなことじゃないわ。ちょっと、心を落ち着かせる香を流しただけ」
「水魔法のお香なんでしょ」
 キュルケの呟きに、モンモランシーは肩をすくめた。
「言うほど強いものじゃないわ。でも疲れきった人になら十分効果があるはずよ。
 張り詰めていた精神が落ち着いて、素直に気持ちを現せるようになると思う」
 そう説明してから、「さてと」と言ってモンモランシーは背を向ける。
「あとはあなたに任せるわね」
「え、でも」
「わたしたちがいたら、話しにくいことがあるんじゃないかしら」
 キュルケもまた、悪戯っぽく片目を瞑って入り口に足を向ける。シエスタは何も言えなくなってしまった。
「そのお香、多分明日の朝ぐらいまでなら持つと思うから」
「しっかり慰めてあげなさいな。それじゃお休みなさい、お二人さん」
 それだけ言い残して、モンモランシーとキュルケは部屋を出て行ってしまった。
 途端に静かになった部屋に、ルイズがしゃくり上げる音だけが途切れ途切れに響き渡る。
 シエスタは迷いながらも微笑を浮かべ、ルイズの背中をさすってやった。
「さ、ミス・ヴァリエール。まずは眠りましょう。このままだと体壊しちゃいますよ」
 だが、ルイズは首を振った。鼻を啜り上げながら、かすれた声で呟く。
「寝るの、やだ」
「どうしてですか」
 急かす調子にならないように、シエスタはゆっくりと問いかける。何となく、故郷の弟や妹たちのことを思い出した。
 ルイズは真っ赤に充血した目から止め処なく涙を流しながら、途切れ途切れに話し出した。

312:少女の苦悩、少年の怒り
06/11/28 01:04:24 o8uSz4jC

 夢を、見るのだという。
 その夢の中で、ルイズはそんなに遠くない過去の風景を見ている。
 アルビオンから撤退するトリステイン軍。その殿を命ぜられた自分。薄れてゆく意識と、その向こうにある才人の笑顔。
 本来なら、ルイズの意識はそこで途切れている。だというのに、夢はこの後まで続くのだという。

「サイトがね、怖い怖いって震えながら、でもたくさんの兵隊に向かって真っ直ぐに走っていくの。
 わたしはそれを後ろで見ていて、止めて、行かないでって叫ぶんだけど、サイトは少しも聞いてくれないの。
 サイトは剣を抜いてたくさんの兵隊を倒すんだけど、兵隊たちも弓矢や魔法をたくさん放って、サイトの体はどんどん傷ついていく。
 足を斬られて、手を焼かれて、それでもサイトは止まらないの。
 兵隊たちの指揮官を倒せば敵を足止めできて、それでわたしが生き残れるからって。
 わたしのことはいいから逃げてって、一生懸命叫んで、サイトの腕を引っ張っても、サイトは止まってくれない。
 どんどん傷が増えてどんどん血が出て、それでもサイトは止まらないの。
 だけど、兵隊たちの指揮官まで後一歩っていうところで、サイトは倒れて動かなくなるの。サイトは、死んじゃうの」
 何かに憑かれたように夢中でそこまで喋りとおしたあと、ルイズはまた物も言わずに泣き出してしまった。
 シエスタは黙ってルイズの背中を擦ってやりながら、囁くように問いかける。
「それで、また才人さんが死んじゃうんじゃないかって思って、怖くなるんですか」
「違うの。ううん、それもあるけど、でも違うの。サイトがあんな目に遭ったのは、全部わたしのせいなの。
 わたしが皆に認めてもらいたいなんて思ったから、サイトはあんなに頑張って、痛くて苦しい思いして、死んじゃって。
 全部わたしのせいなの。わたしのせいでサイトが死んじゃう。わたしがサイトを殺してしまう」
 ルイズは両手で顔を覆い、声を上げて泣き出した。手と手の隙間から、耳を塞ぎたくなるような痛々しい泣き声が零れ出す。
 しかしシエスタは耳を塞がず、ただじっとその泣き声に耳を傾けていた。すっと目を閉じて、言う。
「そうですね。確かに、その通りかもしれませんね」
 ルイズの泣き声が更に大きくなる。シエスタはその泣き声を横目に立ち上がり、ルイズの前に跪いた。
 ゆっくりと両手を伸ばし、ルイズの頬を優しく包み込む。泣きはらした真っ赤な瞳と目が合った。
「でも、大丈夫ですよ」
 ルイズが小さく息を呑む。シエスタは笑って続けた。
「サイトさんは、絶対に死にません。今度もちゃんと無事で帰ってきてくれます」
「そんなの分からないわ」
「いいえ、わたしには分かります。サイトさんは絶対に死にません。今度だけじゃありません。この先も、ずっと」
「どうしてそんなにはっきりと言えるの。もっと怖いことが起きるかもしれないし、もっと危険な目に遭うかもしれないじゃない」
「それでもです。サイトさんは何があったって、どんなに危険な目に遭ったって、最後は必ずわたしたちのところへ帰ってきてくれます」
「どうして」
「だって」
 シエスタはそこまで言って躊躇った。目蓋を閉じ、眉根を寄せる。
 今から言おうとしていることは、間違いなく事実だ。変えようのない現実だ。
 だからこそ、口に出してしまえばきっと自分の心は深く傷つくだろう。
(それでも、ちゃんと認めなくちゃならないんだわ、わたしは)
 シエスタは細く、そして深く息を吸い込んだ。
 堂々と胸を張り、力強く顔を上げる。目蓋を押し上げ視線は真っ直ぐルイズの瞳に。そして、口元には深い笑みを。
 シエスタは切り裂かれるような胸の痛みに耐えながら、全身全霊の力を込めて、言った。
「サイトさんは、ミス・ヴァリエールのことを愛しているんですから」

313:少女の苦悩、少年の怒り
06/11/28 01:05:36 o8uSz4jC

 ルイズの目が大きく見開かれた。シエスタは笑みが崩れてしまわないように、顔に力を込める。
 胸の奥で、様々な感情が荒れ狂っていた。
 怒りもある。悲しさもある。悔しさもある。寂しさもある。羨望、悲嘆、嫉妬、憎悪。
 ありとあらゆる感情が、笑みを形作る唇を無理矢理こじ開けてしまいそうなほどに強く荒れ狂っている。
 だが、決してそうはならない。穏やかな深い笑みは、決して崩れはしない。
 嵐のように渦巻く冷たい感情の中に、一つだけ温かい何かがあるのだ。
 それが何なのかは分からない。だが、その何かが今の自分を支えてくれているのだと、シエスタは知った。
(サイトさんはミス・ヴァリエールのことを愛している。
 わたしはサイトさんの気持ちを大切にしてあげたい。
 だからサイトさんが愛するミス・ヴァリエールを助けてみせる。
 だって、わたしはサイトさんのことを愛しているから)
 その瞬間、荒れ狂っていた感情がほんの少しだけ静かになった。
 まだ胸は痛む。しかし、言葉を紡げなくなるほどには痛くない。
 シエスタは目を見開いたまま固まっているルイズに、繰り返し言い聞かせた。
「大丈夫です。サイトさんは必ず帰ってきます。ミス・ヴァリエールのことを愛しているから。
 愛している人を一人残して死んでしまうような人じゃありませんよ、サイトさんは。
 本当はあなただって分かっているんでしょう。サイトさんが、どれだけあなたのことを大切に思っているのか」
 ルイズの顔が崩れ始めた。
 笑っていいのか泣いていいのか分からないような、複雑な表情。
「でも」
 戦慄く唇が、震える声を紡ぎ出す。
「わたしは、そんな風に思ってもらえるような人間じゃない」
 ルイズの瞳から、涙が一筋零れ落ちた。
「サイトにたくさんひどいことしたの。サイトにたくさん痛い思いさせたの。
 それなのに、ごめんなさいもありがとうも一度だって言ったことがないの。
 そんなわたしに、サイトの気持ちを受け入れる資格なんてあるはずない」
 固く閉じられたルイズの目から、次々に涙の筋が零れ落ちる。
 その全てを受け止めるように、シエスタは強くルイズを抱きしめた。
「大丈夫、きっと、全部笑って許してくれますよ」
「だけど、わたしは」
「だから涙を拭きましょう。だから明るく笑いましょう。
 才人さんが帰って来たとき、ごめんなさいって言えるように。才人さんが帰って来たとき、ありがとうって言えるように」
 ルイズは何も言わなかった。
 ただ、涙を拭うように、あるいは泣き声をかみ殺すように、シエスタの体に顔を押し付けて、小さく体を震わせるだけだ。
 シエスタは穏やかな笑みを浮かべたまま、しばらくそうやってルイズを抱きしめていた。
 ルイズはやはり何も言わなかったが、シエスタの胸の中で、一度だけ小さく頷いたような気がした。

314:少女の苦悩、少年の怒り
06/11/28 01:07:41 o8uSz4jC

 泣きはらしたルイズの顔を、窓から差し込む月明かりが仄かに浮かび上がらせている。
 ベッドの中、ルイズの隣に横たわりながら、シエスタは複雑な気持ちでその顔を眺めていた。
(この子は、とても弱い。一人ぼっちでいた時間が長すぎたせいなのかもしれないけど)
 自分を愛してくれる人を求める気持ちが、ルイズは人一倍強い。
 そんなルイズが一度才人と死に別れ、やっと会えたと思ったらまた離れ離れになってしまったのだ。
(可哀想なミス・ヴァリエール)
 シエスタは手を伸ばし、そっとルイズの髪を撫でる。
 一人では生きていけない、か弱い少女。
 だが、そんなルイズも、才人のために頑張ろうとしているのだ。
 出来る限り才人の気持ちに応えよう、彼の気持ちを大事にしようと思っている。
 だからこそ、不安に押しつぶされそうになりながらも才人を送り出したのだ。
 夜眠れないほどの恐怖を感じながら、それでも泣き言を言わずに頑張っていたのだ。
(わたしはこの子を支えてあげたい)
 シエスタは手を伸ばして、ルイズの小さな体をそっと抱きしめた。
(強くなりたいと、愛する人の思いを受け止めたいと思っているこの子の気持ちを、少しでも助けてあげたい)
 もちろん、シエスタ自身才人のことを諦めるつもりはない。
 だが、今は一度だけその気持ちを胸にしまってもいいと思っている。
 せめて、ルイズが何の気兼ねもなく自分の気持ちを素直に表現できるようになるまでは。
 シエスタが決意を新たにしたそのとき、不意にルイズが小さく呻いて薄らと目を開いた。
「あ、ごめんなさい、起こしちゃいましたか」
 慌ててそう言ったが、何故かルイズは何も答えず、目を細めてじっとある一点を凝視している様子だった。
 どこを見ているのだろう、と不思議に思ってその視線を追うと、自分の胸に行き当たった。
「あの、ミス・ヴァリエール」
「おっきい」
 何が、と問う暇もなく、ルイズは素早く腕を伸ばした。避ける間もなく、シエスタの胸がルイズの手に捕まれる。
「ちょ」
「おっきい」
 またも呻くように言いながら、ルイズはやたらと真剣な目つきでシエスタの胸を揉み始める。
 混乱するシエスタの耳に、その声はやたらと大きく響いた。
「いいなあ」
 溢れんばかりの羨望が込められた、怨嗟の声である。シエスタの背筋に悪寒が走った。
 もちろん声の出所はルイズで、相も変わらずやたらと真剣な目つきでシエスタの胸を揉みしだいている。
「いいなあ。おっきいおっぱい、いいなあ」
(え、ちょ、なんなんですかこの状況)
 混乱するシエスタを横目に、ルイズはそれからたっぷり数秒ほどもシエスタの胸を揉みまわしたあと、不意に顔を上げた。
「ねえシエスタ」
「え」
「どうすればこんなにおっきくなるの」
「どうすればって」
「なんてわたしの胸はこんなにちっちゃいの」
「いえ、そんなことは」
「うそつき。だってシエスタ前言ったもん、控えめに言って板だって」
 そんなこと言ったかなあ、と首を傾げるも、長く考えている暇はなかった。
 ルイズが今まで以上の勢いでシエスタの胸をこねくり回し始めたのである。
「ちょ、ミス・ヴァリエール、痛い、痛いですってば」
「いいなあ、ねえシエスタ、わたしにもちょっとちょうだい。おっぱい分けて、ねえ、おっぱい分けてってばあ」
 ほとんど半狂乱で叫ぶルイズに、シエスタは泣きそうになる。
 揺れる視界の片隅に、床に置かれた香炉が映る。
(ミス・モンモランシ)
 シエスタはルイズに胸を弄ばれながら、内心で絶叫した。
(この香、十分に効き目が強いんじゃあないでしょうか)
 しかしその問いに答えるものはなく、シエスタは明け方まで悲鳴を上げ続けることになったのであった。

315:205
06/11/28 01:10:02 o8uSz4jC
俺はローペースじゃねえ! 単にやる気にムラっ気があるだけだと声を大にして(ry

いやごめんなさい、十分遅いですね。本当はタバサの冒険が出るより早く終わらせるつもりだったんですが。
えーと、一応書いておきますと、このSSは八巻までの設定を使っております。
故に九巻やタバサの冒険等の設定は都合のいいところだけ利用させてもらうということに(ry

ではまた次回。

316:純愛センター
06/11/28 01:10:58 BYDRGXFY
明後日からテストなんでこれから投下が遅れるかもしれないのでご勘弁を…

では投下

317:純愛センター
06/11/28 01:13:31 BYDRGXFY
黒髪の彼は私を救ってくれた
燃え盛る炎からではない
孤独、不安、無力感から…
大剣を背負ったその背中は与えてくれた
安心、歓喜そして希望を…

サイトが火を消し止め後もルイズはずっと泣いていた
その涙はさっきまで流していた孤独の涙ではない
歓喜の涙…

しばらくして泣き止んだルイズが口を開く
「アンタ誰よ?」
「お前…恩人に「アンタ誰」は無いだろ!?」
「アンタ平民でしょ?なら貴族に名前を聞かれるだけでも光栄に思いなさい!」
すっかりサイトと出会う以前のルイズである
「ヒラガ…っておい何泣いてんだよ?」
「うるさい!アンタ見てると…」
心が喜んでいる
記憶になくともサイトともう一度会えた、また話せる、その溢れ出す喜びをルイズは止めることが出来なかった
「もう、アンタ訳わかんない…」
サイトはルイズの頭を左手で抱えた
「な、何すんのよ…」
だが言葉とは正反対に体全体に心地よさが走る
「泣いてる女の子はほっとけねぇよ。」
ルイズの精神は不安や緊張で固く強ばっていた
が、この平民の腕に抱えて貰っただけで、それら全ての物が溶けていく
「なんでかしら…アンタがそばにいるだけで…」
「安心して眠くなっちゃうってか?」
「なっ!?ち、ちち違うんだから!へへへへ平民の前で眠るわけないじゃない!」
サイトは吹き出した
やっぱりルイズだ
「なら貴族がこんな所で野宿なんかしちゃダメだろ?」
ルイズは懐かしい…真っ赤にした顔で反論する
「さ、探し物を探しに来たのよ!それでこの街に着いて宿を借りようとしたら満室で…」
「オレは借りれたぞ?」
「わ、わわわ私は貴族よ!アンタ達みたいな平民が泊まる安宿なんかに泊まれるわけないじゃない!」
(ヤバい…可愛いすぎる…)
興奮やら怒りやらで言葉を震わせながら反論するルイズがどうしようもなく可愛い
だからもう少しイジワルをしてみたくなるのも仕方ない
うん、絶対仕方ない
「オレの宿に泊めてあげようかと思ったけど…泊まれないんじゃ仕方ない…」
そう言うと、あわあわと口を開きながら
「で、ででででもどうしてもって言うんなら泊まってあげないこともないわ!」
サイトの予想通りの答えが返ってくる
「いえいえ、平民が泊まる安宿に貴族様を泊めることなど…このしがない平民にはとても…」
「き、気にしなくていいわ!たまには平民の生活を体験するのも良いことだし…」
この言い合いは裏で我慢していたシエスタが出てくるまで続いた

318:純愛センター
06/11/28 01:15:14 BYDRGXFY
「もう、何やってるんですか!」
およそ30分に渡る不毛な言い合いに痺れを切らしたシエスタがそれを止めた
(シ、シエスタ!?まだ言ってないから黙っててくれ)
という信号をジェスチャーでシエスタに送る
シエスタはその信号をなんとか理解してくれたらしい
「ミス・ヴァリエール、この方は?」
「ただの平民。宿に泊めさせてくれるって」
「ちょ、まだ泊めるとは…」
「ありがとうございますね!」
シエスタが大きな声でハッキリと、サイトの声を遮るように言った
後ろから何か黒い物が出ている…
逆らっちゃいけない
逆らっちゃいけない
「どうぞご自由にお使い下さいませ…」
「よかったわ。じゃあ早く案内なさい!」
サイトが奴隷扱いなのはもう彼の運命なのだろう…

宿に案内するとサイトはルイズに追い出された
「平民が貴族と同じ部屋で寝ようなんて何考えてるのかしら」
仕方がないのでサイトがルイズ達が張ったテントの中で野宿することになった
「相棒、楽しそうだねぇ」
「そう見えるか?」
「あぁ。あの娘っ子にどやされてる時なんか至福の顔だった。叩かれて嬉しそうにするなんて相棒はやっぱり変態だねぇ」
「まぁ…確かに楽しかったしな。…やっぱりオレはルイズが好きだわ」
「戻すのかい?」
「…まだ迷ってる」
「言っておくが相棒…娘っ子のあの涙は相棒が流させたんだからな」
「うん…わかってる」

ルイズは部屋のベッドの上でボーっとしていた
「よかったですね。親切な方がいて」
シエスタが話しかけても反応がない…
「ミス・ヴァリエール?」
やっぱり何も反応がない…
シエスタは諦めて、さっき蒸発してしまったヨシェナヴェをもう一度作り直しに行った
ルイズは混乱していた
(なんなのよ!さっきのアイツは!)
楽しかった…あの平民と会うまではどうしようもなくギリギリまで心が追い詰められていたのに
あの平民と話してからは安らかな安心感が溢れてくる
(名前…聞いてなかったな…)
と思った所で本来の目的が頭から飛んでいたことに気がついた
絶対に見つけてやるんだから!
明日はあそこへ行こう
戦争の時に何故行ったか覚えていない…
けど心に一番強く残っているあそこへ…

319:純愛センター
06/11/28 01:17:30 BYDRGXFY
ルイズのツンは書いてて楽しい…

次くらいからクライマックスに入りますね(・ω・)/

320:名無しさん@ピンキー
06/11/28 01:50:38 JaA5B0Yf
>>315
おお、なんか早いぞw
しかもシエスタの悲鳴最高ww
GJ!!!!
設定も微妙な補正なんかも全然OKだっ!

321:名無しさん@ピンキー
06/11/28 03:09:22 Y4e6Mx91
205氏、純愛センター氏もGJです!!
あぁ早く続きを…

322:261のひと
06/11/28 03:17:38 oBQGagYZ
……睡眠時間削れば、いくらでも書けるんだっ
画期的な発見をした気がする、261です。

………なんか書かないと限界……脳からなんか漏れる
あと、ちょっと書いとかないと、運動会終わっちゃいそう……
なので、自分のの続きでなく、運動会ネタ行きます

323:1/8
06/11/28 03:18:11 oBQGagYZ
開会式がつつがなく進んでいるけれど、ルイズも使い魔さんも退屈そう。
「退屈ね、マザリーニ」
「そう思っていても、口に出してはなりませぬ陛下」
女王になろうと口うるさいマザリーニ、彼の言うことは為になるのかもしれないけれど……
「退屈ね」
「ですからっ」
片手でマザリーニを制した後、言い訳をしておく。
「この行事のことではありませんよ、枢機卿」
不思議そうな顔で、まだ何かを言い募るマザリーニを放って、外に注意する。
学園長の挨拶の途中で、一斉に外が沸いた。
苛立たしげなマザリーニは、わたくしに聞こえるように呟いた。
「まったく、学生の行事にしては賞品が豪華すぎますな。」
国庫が厳しい折に……続きは聞かなくても分かった。
散々我侭を通して、この大会の諸経費は王宮も負担。
貴族から取った入場料については、経費分を差し引いて、
戦災孤児の育英に当てることになっていた。
「人気取りにしてはやりすぎでは有りませんかな?」
……彼らに流れたお金が使われれば、税金になって戻ってくるでしょうに……
「国民には少し楽しんでも欲しいのですよ、枢機卿」
わたくしの我侭で国はずいぶん疲弊したのですもの。
「忠誠には報いなければね。」
……本当は、もう一つ目的があるのだけれど。
魔法によって向こうからは見えないけれど、使い魔さんを見つめる。
(少し待っててくださいね……すぐに……)
「しかし、来賓に貴族が妙に多いですな、父兄以外も来ているようですが……」
マザリーニが不思議そうにしている。
(当然よわたくしが、直々に招待したのですもの)
今日の事を思うと、自然に頬が緩む。
ルイズを合法的に処理する……
誰の非難も受けずに。
ヴァリエール公の許可は既に受けているし。
「楽しみですね」
「……陛下?さては先ほどから、お話を聞いてませんね?」
「うふふふふ枢機卿、生徒さんに手を出したらいけませんよ?」
いつもはそんなことを言わないのに、ついマザリーニをからかってしまう。
「なぁっ、あ、あのような、けしからん衣装!!
私は。まーーーったく興味有りませんぞ、陛下!!」
……わたくし衣装の事なんて言ったかしら?
あまり苛めるのも可哀想だから、この辺にしておきましょう。
アニエスが外をとても気にしていた。
生徒と近衛が会うたびに、見て分かるほど緊張していた。
騎士の見習いのうち、十代の前半の者のみ、
ユニフォーム着用の上競技に参加させる事になっていた。
鼻の下を伸ばしながら騎士の選定をしていたオールド・オスマンはそれはそれで凄い人ですわね。
うってかわって真面目に開会の挨拶をしているけれど……
(どいちらが本性なのかしらね?)

324:2/8
06/11/28 03:18:42 oBQGagYZ
長い挨拶もまったく苦にならなかった……
「サイト………」
同じく目じりが下がったままの親友の肩を掴む。
何度も危険な目にあった、
レコンキスタの包囲網から助け出した事も有った。
……だが……こいつを助けて、友達で居てよかった……
「サイト……お前は天才だぁぁぁぁぁ」
目の前に並ぶ、制服とはまったく違う薄手の装い。
(ちちぃぃぃぃ、しりぃぃぃぃぃ、ふとももぉぉぉぉぉ)
血走ったサイトの目が、雄弁に語りかけてくる。
多分僕の目も同じだろう。
「ギーシュ、まだだ、まだ終わらんよ」
「何だとぉぉぉ、親友、まだ何か有るのか?」
一瞬だけこっちを見るサイトだったが、慌てて視線を戻す。
……今は一瞬でも長く、目の前の楽園を見つめて居たかった。
「くっくっく、競技が初めって見れば分かる……分かるのだよ、ギーシュ君」
あまりに異様な、サイトの雰囲気に飲まれてしまう。
「な、何が有るんだ?」
「……ちがうよ、ギーシュ君………ここには無いんだよ」
ニヤニヤと笑うサイトが……素敵だっ!!
何かを想像したサイトの鼻の下が伸びる。
頬が緩む……あ、よだれ。
な、なんだっ?なんなんだ?
「ブラ……それだけ言っておこう、ギーシュ君」
なんだ?なんなんだ?その呪文……
「こ、心ときめくぞ、サイトォォォォ」
「おぉ、分かるかギーシュ……震えるなぁぁ」
心臓が高鳴る。
オールド・オスマンの挨拶が終わった。
競技の開始まで、クラスごとに分かれて座ることになっていた。
『健闘を祈る』
『お互いになっ』
目だけでサイトと会話する。
整列中なら思う様見れたが……
「なに見てるのよぉぉぉぉ、犬ぅぅぅぅぅぅぅ」
……逝ったか……サイト……
迂闊に目移りするとそうなる、愚かな。
「ギーシュ?」
「やぁ、モンモランシー、この衣装はまるで君のためにしつらえたようだ、素晴らしい、よく似合うよ」
「……びみょーに、嬉しくないわね」
顔は正面を見ながら、モンモランシーに向き合う。
至近距離から見た瞬間、僕はサイトの天才性に慄いた。
「………………」
時が止まる。
何も考えることが出来ない。
全ての音が止まり、視線はそこに釘付けになる。
「ちょっ、ギーシュ……大丈夫?様子おかしいわよ?」
ぽ、ぽっちがぁぁぁぁぁぁ
胸ーーーー、おぱーーーーー
「はぁはぁはぁ、モンモランシー……素敵だ」
周りの奴に見せないために、モンモランシーを抱き……しめ……
ふにゅん……
ふにゅりましたぁぁぁぁぁぁぁ
「きゃっ、ギーシュ……大丈夫?医務室……行く?」
僕の余りの挙動不審さに、モンモランシーは心配してくれる。
しかし……
「大丈夫だよ、モンモランシー、さ、応援席に行こう」
一瞬たりとも見逃すものかぁぁぁぁぁぁ

325:3/8
06/11/28 03:19:15 oBQGagYZ
魔法を使って声を送る。
「首尾はいかがですか?」
『上々です、陛下』
この大会に並行して進めている作戦。
これさえ上手く行けば……
今この学園には十代の貴族の子女が大量に居て……
『で、この中から嫁を見繕うわけですな?』
戦争で跡継ぎを失った貴族たちに、嫁探しに来ませんか?
と連絡してみたら、大好評。
「えぇ、お勧めは………」
『うぉぉぉぉ、あのゲルマニアの娘……いぃ』
あの……あのね……お勧めはルイズなの
『まてぇぇぇぇ、あの青い髪のっ……』
『ダマレェェェェ、ロリコンさんめっ、アレは観賞用だろう』
……聞いて……
人選間違えたかしら?
十分に地位もあって、お嫁さんを捜しているのを選別したはずなんですけど……
『なにを言うぁぁぁぁ、育っちゃだめだろおがぁぁぁぁ』
……どうしてこんなに飢えてるのかしら?
『おぱーーー』
「あの……みなさん?」
つ、繋がってるわよね?この通信魔法。
『うおぉぉぉぉぉ、見ろっ』
『ず、ずれた、ぶるまぁを、指できゅって……』
『『『『すーばーらーしーーーーーー』』』
ぜ、絶対人選ミスっちゃった。
でも、ヴァリエール公が納得するような血筋の貴族って、そんなに居ないもの。
少し落ち着いてもらってから、ルイズを勧めることにしよう。
うん。
「あー陛下、ソレはなんですかな?」
「す、枢機卿」
いつの間にか背後にマザリーニ
しまった、妨害されるっ。
「レ、レディの背後に忍ぶなんて……えっち、マザリーニのえっちぃぃぃぃ」
全力で叫ぶ。
「何事ですかっ!!」
私の声を聞きつけたアニエスが駆け込んでくる、計算通り♪
「アニエスっ、枢機卿が……えっちなの……わたくしの背後からっ……あぁっ、これ以上言えないっ」
何も無かったら言えない、うん。
「き、貴様ぁぁぁぁ、陛下の玉体にっ」
「ちょ、まっ」
怒り狂ったアニエスの一撃。
えっちなマザリーニさんは、砕け散った。
「え、冤罪……だ、わーたーし……は、やって……な…ぃ」
結構余裕?
文句を言いながら倒れたマザリーニが、近衛に運び出される。
「ご無事ですか?陛下」
……アニエスにも協力してもらおうかしら?

326:4/8
06/11/28 03:19:46 oBQGagYZ
「はぁ?嘘ですってぇぇっぇえ」
陛下に対する口の聞き方に気を使えなくなった。
う、嘘で枢機卿殴り倒してしまった……
「へ、陛下ドウユウコトデスカ?」
陛下の後ろで魔法装置が何か動いていた。
それに意識を向ける前に、私の手が陛下の手に包まれる。
「聞いて、アニエス。」
陛下の澄んだ瞳が、私を見つめる。
あぁっ、美味しそう。
ちがっ、まだダメだっ。
「ルイズがお嫁に行ったら、使い魔さんは一人になるわよね?」
「……はぁ?」
何か忘れている気がするけど……
なんだろう……
「そうしたら、使い魔さんにはお城に来てもらって、わたくしの近衛にして……きゃっ」
陛下、陛下、よだれ、よだれ。
「ふむ……でしたら、遠くの領地で……」
「えぇ、ヴァリエール公も納得の血筋ばかりよ、グラモン元帥とか」
……元帥だけど、ミス・ヴァリエール位の息子居なかったか?
『萌えー、萌えー』
…何か聞こえてきてるし。
「お部屋は隣が良いわよね?いきなり同室なんて……ですものっ」
…陛下は話聞いてないし。
キャーキャー言いながら妄想にふける陛下を無視して、
さっき気になったことを聞いてみる。
「陛下」
「なーにー、アニエス……式には呼ぶわねー」
……飛んでるし。
小さく溜息を付いてから、質問
「メイジは嫁入りの時、使い魔おいていくものですか?」
「やーねー、そんなはずな……いじゃ……ない……」
一瞬で陛下が真っ青になる。
深く深呼吸して気を取り直して、震えながら私を力強く指差す。
そして……勅が下った。
「何とかしなさいっ、アニエスっ」
……あーもー
「はっ、陛下直ちに」
………私、何してるんだろーなぁ



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