【女体化】TS系小説総合スレ【男体化】4話目 at EROPARO
【女体化】TS系小説総合スレ【男体化】4話目 - 暇つぶし2ch221:アイシールド21でお邪魔します
07/03/11 04:31:17 WMY7jU4p
あの事件から三日が経っていた。

「おーい!セナ」
陸はセナの様子を見に毎日放課後学校に立ち寄った。

「リク、・・・また部活を」
「だから!いいんだって、お前が気にする事じゃない」

セナを家まで送り届けてから部活に参加する毎日を繰り返していた。
その事を彼女はとても気にしている。

「それより、セナ最近顔色悪いぞ?」
「・・・そう、かな? 気のせいじゃないかな。」

はにかみながら彼女は言うが事情は蛭魔から聞いている。 
部活を休んで、ろくに食わず休まずで答えを出そうと悩みぬいているらしい。
どうにかしてやりたいが、自分には見守る事しか出来ない。

「あ、そうそう リク聞いて。私またやちゃった・・・。」
「ん?」

「携帯が見つからないの。いつもはすぐ出てくるんだけど、今回は中々見つからなくって、
もしかしたら外に落としたのかも」

「・・・。」

あの日セナの荷物を部室の前に置いて帰ったのだが、鞄から携帯を抜き取ってしまった。
暫く彼女の手元に無い方がいいのではないかという思いから咄嗟にやってしまった事。
どんな理由にしろ許されるものでは無い。

それにメールの中身を見てしまえば彼女があんなになってしまった訳が分かるかもしれない。と
この三日間悩んだ挙句、それは良心が止めた。
結局何をするでもなく手元に置いたまま三日が過ぎてしまった。

(俺は何をやってるんだ・・・。早く謝って返さないと)
「リク?」
「あぁ。ごめん」

すでに保護欲を通り越してしまっている事にまだ彼は気づかない。

222:アイシールド21でお邪魔します
07/03/11 04:31:57 WMY7jU4p
次の日学校から帰ってきて自室で休んでいると、1階にいる母親から声をかけられた。
「セナーー 友達が来てるわよ」
「あ、うん。今行きますーー!」
予想もしない来訪者の知らせに慌てて玄関に向かう

訪ねてきた人間を見て声が出なかった。
母親に耳打ちをされる。

「長身でかっこいい子ねぇ、体格もがっちりしてるし。セナと同級生なんでしょ?」
「・・・。」
「セナと約束してたんですが、お母さんちょっと行って来てもいいでしょうか?」
「何々!?セナの彼氏なの?」
「いや、違いますよ。 今日は三人で遊ぶ約束をしてて」
「なんだー、そうなの?残念 」

二人は好き勝手に盛り上がり、セナは会話についていけない。

「ほら、セナ行こう」
「あ、」
「行ってらっしゃいー」

母親に心配をかけさせてはいけないと思い、取りあえず外に出る。

「セナ久しぶり。中々連絡取れないから家に来ちまったよ。」
「・・・筧君、私言わなくちゃいけない事が」
口も利いてくれないだろうと思っていた彼女からの予想外な言葉に驚く。

「それなら調度良いや、うちの学校に行こう。もう一人も来るから。」
「・・・。」

この前の出来事がフラッシュバックし足が動かない。
筧にこの事を話せるチャンスだというのに、二人になると言葉すら出てこない。

「もう何もしないよ話したいことがあるだけ。それに俺と二人じゃないから安心して」
とても優しい笑みをセナに向ける。

(・・・疑っちゃ駄目だ。行ってみて話しをしよう。)

筧の後ろを無言で歩き始めた。

223:アイシールド21でお邪魔します
07/03/11 04:36:19 WMY7jU4p
日が落ちかかった頃学校に着いた。
グラウンドにサッカー部が残っているだけで、殆どの学生は下校しているようだった。
部室の中にセナを招く。

(言わなくちゃ・・・)
「・・・筧君、 聞いて下さい。」

「ん、何?」
「私はアメフトを続けます。2年生達は皆今年で大会最後なんです。こんな形で終わらせられない。
この前の、・・・あんな事以外なら何でもします。だから」

進の為ではなく、チームの為を必死で考えた彼女の答えだった。

「セナは自分の事大切じゃないの?」

「あんな事以外なら、俺は望んでないよ」
「・・・。」
「今日もそのために来てもらったんだから」
「!!」
警鐘が鳴っている。
本能的に逃げようと走るが
すれ違いざまに腕を掴まれた。

「残念。」

筧はセナの耳元で楽しそうに呟いた。
筧の腕を振りほどこうにもびくともしない。
自分の非力さを呪った。

224:アイシールド21でお邪魔します
07/03/11 04:37:11 WMY7jU4p
「逃げても無駄じゃない?追っかけてて犯すからさ。」
もうどうしていいか分からない。

「嫌・・・」
セナは静かにパニックに陥っていた。

「これ着てみて。凄く似合うと思うんだ。」
着ていたTシャツとズボンを勢いよく脱がされ、遠くへ放り投げられる。

「きゃぁ!、」
「久しぶりに見るけど、相変わらずエロい身体してるねセナ。」
「見ないで・・・ください」
顔を赤らめ体をよじり懸命に隠そうと努力する。
「恥ずかしいなら、ほらこっち着てみて」
渡されたのは可愛らしいブラウスと短いスカート
下着姿よりはマシなためそれを身に纏っていく。

「セナ可愛い・・、やっぱり凄い似合うよ。」
「・・・。」
あまりにも短いスカートの丈が気になり、裾を引っ張るしぐさを繰り返す。

「そういえばさ、生理終わったんだ。」
急に視界が奪われた。タオルで目隠しをされたためだ。

腕を再度掴まれ椅子に座るよう促される。
右足のふくらはぎと椅子の足をタオルできつく縛られた。
左足も同じ様にされる。
そして最後に両腕を縛られ完全に自由を失ってしまった。

「もう一人来るまで、ちょっと待ってようね。」
その待っている時間がセナには何時間にも感じた。
どうにか打開する方法を考えていると

扉ががらりと開き人の気配がした。

「!!」

それと同時に筧に両手で耳を硬く塞がれる。

225:アイシールド21でお邪魔します
07/03/11 04:38:03 WMY7jU4p
暫くすると耳と両足が解放された。
確かに目の前に気配はするのだが、第三者は全く口を開かない。
その事がとても恐ろしい。

「誰、?」
「セナ。ちょっと口開けてごらん。」
「・・・」
「開けて。」

言われた通り恐る恐る口を開けば、温かいぬめりとした物質が口内を満たした。
「ん、、ん」
(・・・大きくて苦しい、それにニガイ。何、これ?)
「歯、立てるなよ?・・・それペニスだから」

「?!ん゛、――っん、ん゛!!!」
「そんな驚くなよ。俺のおいしそうにしゃぶってくれたじゃないか。」

あの時のセナは子猫の様にちろちろと筧の雄を舐めていただけだったのだが
薬で正気を失っていた為その事を一切覚えていない。
咄嗟に首を振り、咥えてしまったペニスを吐き出し口を硬く閉じる。

「そんなに暴れないで、フェラしてくれないといつまでたっても終わらないよ?」
子供をたしなめる様な口調で言い、セナの鼻を軽く摘む。
これでは息が出来ない。
「ほら、口開けないと。」

「!!・・・・、、っふ、ん、ん゛!」
耐え切れず口を開けた瞬間ペニスを突き立てられた。

「さっきみたいに抵抗したら、セナの可愛いここに俺の突っ込むよ。」
女性器をするりと撫でられ、それが何を意味しているのか理解する。
以前味わったあれを思い出し恐怖で固まった。

226:アイシールド21でお邪魔します
07/03/11 04:38:35 WMY7jU4p
「そうそ、良い子だね。そのまま咥えて」
「・・・っ、」
「どうしたらいいのか分からない?舐めたり吸ったり、舌で転がしたり。ともかくイかせればいいんだよ。」

信じられないものを聞かされたがそれしか方法は無いらしい。

ちゅぷ、
筧の言われた通り怯えながら舐めてみる
しかし戸惑いながらの拙い口淫では達するところまではいくはずがない。
「・・・っん!?」
急に肉塊で喉奥を突かれ、苦悶の声を上げる。
だがそれを無視して、男はペニスを抽送させる。

じゅっ、じゅぽっ、ちゅぽ
「っん、ん っむ ふ・・・ぅ、ん!」

唇と肉棒が擦れ、そこから湿った音が聞こえてくる。
部室には卑猥な水音と彼女の苦しげな吐息が響く

男は散々口内を犯しつくした後、限界まで張り詰めたペニスをセナの口から引き抜いた。
一瞬の呻き声と共に白濁液が飛び散り綺麗な少女の顔を汚す。

「、ん!!・・・は、はぁ」

解放された唇から懸命に空気を求め呼吸を繰り返す。
目からは生理的な涙がこぼれ、ごほごほと咽かえした。

227:アイシールド21でお邪魔します
07/03/11 04:39:08 WMY7jU4p
顔に飛び散った精液を優しく拭われる。

「・・・セナ」

聞き覚えのある声で名前を呼ばれ
ふいに男に目隠しと腕の拘束を外された。
視界が自由になる。

押し黙ったままの彼からは感情を読み取ることが出来ない。
男の姿を見て頭が真っ白になった。

「リク、?」
(しらない、こんなリク・・・知らない。)

呆然とへたり込んでいるセナの腕を掴んで立ち上がらせると壁際に押さえつけ
荒々しくスカートを捲くり上げる。
薄桃色のショーツが剥き出しになった。

「リク!!リクッ!!!お願い、やめて!!!!!」
慌ててスカートを押さえようとするが、すでに片手はブラウスに手を掛けてボタンを外しにかかっている。
今度は胸元をガードしようとしたが、その手を払いのけ

陸は思い切り力を入れた。

ブチブチッという音と共にブラウスのボタンは弾け飛び
ブラジャーが露わになる。

「!!」

そのまま手を突っ込み胸を揉みしだく。

先端を指の腹でぐりぐりと押しつぶされた。
「きゃぁっ!、、だ、め 、・・リク、っ!や、ぁ、・・こんな、・やめ・・よぅ・・」
「・・・止めない、ごめんセナ」
乳首を軽く引っ掻かれ身体中に激しい甘い痺れが走る。
「っああぁ!・・ふ・あ、リク・・・リク 」
「ずっとこうやって抱きたかった。」

全力で抵抗しているのに、びくともしてくれない。

228:アイシールド21でお邪魔します
07/03/11 04:40:20 WMY7jU4p

「セナ、ここ少し濡れてる。」
ショーツは股間に食い込んでおり、割れ目が浮き出していた。
しっとりと濡れているその上から指を擦りつけ責め立てる。

「は、っ、ぁ・・あ・・や・」

「俺の咥えて興奮した?・・・可愛い。」
「っ、ん、・・あ・・ちが・・ぅ、・」

下着を横にずらし直接秘所に触れる。
愛液で多少湿ったそこを同じ様に執拗に責め続ける。
乳首を貪る手も止めない。

手つきは乱暴だが、徐々に徐々にセナを追い立て快楽を引き出そうとする。

ちゅく、くちっ

「直接触るともっと気持ちいいだろ。」
擦れば擦るほど秘所からは、愛液がはしたなく滴り落ちる。
ぬめるそれを利用して割れ目をすり続ける。

「ほら、挿れてもいないのにこんなに濡らして。」
「・・・あ、、ぁあ・・だ・・め・、や、ぁ」
こんなに身体は喜んでいるというのに、まだ抵抗の意思をみせるその姿に陸は苛立ちを隠せない。

セナの小振りな尻にいきり立った肉棒を押し付ける。

ぐちゅ

「いやぁ・・・もう、それ・・いや・・ぁ!!」
ずくずくと突き上げられ、掻き混ぜられたあの時の様に
何も考えられなくなってしまう自分を想像すると、とても恐ろしい。

229:アイシールド21でお邪魔します
07/03/11 04:40:52 WMY7jU4p
泣き叫ぶセナの尻を抱き寄せ、ずぶずぶと肉棒を中にめり込ませていく。
濡れてはいるがほぐしてもいないそこは、進入してくるたびに痛みを感じる。
「・・・ひ、ああぁあっ!!!!い、いや、いやぁあ!!リクっ だ、めぇ!」
びくんと体を震わせ、悲鳴を上げた。

ずちゅ、ずっ、ぷっ…。

やがて子宮口にまで欲棒が達したことを告げた。

「セナ、ほら、凄・・・きついけど全部入った」
「あっ・あっ・・・あっ、」
うっすらと涙を浮かべ、小さく息を漏らすセナ。  

「っ、中狭くてぎゅうぎゅう締めつめてくる。」
つぶやくとゆっくりと腰を動かし始めた。

「!!っぅ、く・・・い、いたい・・ぁ、う、・・い・・たい、よ・ぅ」
「・・・ごめん、痛いか?」

接合したまま大きめの机へと倒れこむ
痛みを訴えるセナを仰向けで寝かせ、いっぱいに足を開かせ正上位で挿入を再開する。

・・・じゅっ、ずっちゅっ、ずちょっ、ぐっちょっ

「ん、ぃあ、ぁあ・・・ひ、ぁ、!あ・・あぅ・・やっ・リ、ク・・」
痛みは薄れていき、徐々に悲鳴から艶やかな喘ぎ声へと変わっていく。
ピストン運動に合わせて、セナの唇から嬌声が零れる。

「好きだよ。セナ、ずっと言いたかった・・・。」

その言葉が届いたようで彼女は懸命に何かを言おうとしている
だが激しく突いているせいか意味の無い喘ぎ声しか出てこない。
何度も何度も奥をすりあげ高みに昇っていく。

「あ、っあ、っあ、・・・っは、、や、や・・・ぁ!!」

一際高い声で鳴いた後、膣内の激しい締め付けを感じ咄嗟に肉棒を引き抜いた。
「・・・、」
中への射精は避けたが、白い太ももに思い切り精液がかかる。

綺麗なピンク色の膣口はぱくりと開きひくひくと動いていた。

230:アイシールド21でお邪魔します
07/03/11 04:55:02 WMY7jU4p
補足:221と222の間について
   筧が夜中にセナの携帯へ電話したのですが、陸はとうとう出てしまいます。
   色々吹き込まれ、例の卑猥画像も見せられ呼び出されてしまうわけです。


何日かお時間いただいた後またお邪魔します。
ゲロ長ですが・・・良かったら最後までお付き合いくださいませ。

231:名無しさん@ピンキー
07/03/11 10:45:17 BgvqRl6Y
>>211
GJ!!!!
ロデオとの絡み、もの凄くヨカッタ…
続き待ってます~(^ω^)

232:名無しさん@ピンキー
07/03/11 11:40:34 srOhpGU6
愛汁キテターーーーーーーーーーーーー超乙!超GJ!
エロもいいけど女であることを隠してアメフトを続けるか辞めるかの
葛藤の部分がヘビーでイイネ!!!只の女体化じゃないのがGJ!
続きと分岐ストーリーも鬼楽しみにしてるよ

233:名無しさん@ピンキー
07/03/11 15:53:10 9gDjQ7D+
>>211GJ!
ちゃんと外出しするロデオは偉いな

234:名無しさん@ピンキー
07/03/11 18:12:04 pF4jzZHk
>>209
URLリンク(bpanda.fc2web.com)
とかお勧めかも。
だれの女体が好きかは知らないんだけど

235:ステテコ女王
07/03/12 22:10:19 4Uet8su3
一之瀬巧は、身を切るような寒さを感じ、目を覚ました。頭の後ろの辺りに鈍痛が
あり、ぼんやりとした今の気分は、宿酔いの時に良く似ている。
(俺、どれだけ飲んだんだ?)
周りを良く見るとそこは繁華街の一角で、ネオンこそ消えてはいるが、飲み屋の
女やらポン引きなどが、まだうろついていた。時間にすると午前三時くらいだろう
か、タクシーが客を拾うべく表通りを埋め尽くしている。

巧はまず懐に手を入れた。携帯電話と財布、何はともあれ泥酔した時は、この二
つがあるか無いかを確かめねばならない。しかし、どちらも持ってはいなかった。
「やれやれ、そうとう飲んだらしい。記憶がな・・・い」
巧はぎょっとした。懐の中にあるはずの財布の代わりに、艶かしい肉の塊がある。

「なんだ、こりゃ?」
それは、乳房だった。女にしかついていないはずの豊満な果実が、巧の胸にこん
もりと山を作っているのだ。おまけに装いをあらためてみると、いつも愛用している
よれよれの背広を着ていなかった。ピンクのワンピース、ただ一枚限りである。
「まずいぞ、これ。まだ酔いが覚めてないな」
少し歩いて酔いを覚ます必要がある。そう考えて立ち上がると、妙に下半身が心
許ない。何というかあるべきものが無くなって、バランスを欠いているような感じだ
った。巧は反射的にワンピースの裾をたぐっていた。

「な、ない!チンポコがない!」
そんな馬鹿な─とてつもない不安が全身を覆い、冷や汗が出た。酔ってはいな
かった。本人の知らぬ間に巧の体からはあるべきものが消え、無いはずのものが
ついていたのだ。
「一体、どうしたんだ・・・俺、何やってたんだっけ」
懸命に記憶の糸を手繰る巧。まず、自分の素性から思い出してみた。

236:ステテコ女王
07/03/12 22:27:26 4Uet8su3
一之瀬巧、二十九歳。地方紙のすっぱおいC新聞の記者で、主に刑事事件を
担当。妻子なし。酒をこよなく愛し、また正義感に溢れたジャーナリストのはず
─と、ここまでは簡単に思い出せた。しかし、昨晩、同僚と別れてからの記
憶が曖昧だった。痛飲した覚えもなく、気がつけば女のように、いや、女そのも
のになっていたのである。

「おかしい。おかしいぞ」
僅かな時間で男が女になりうる事は可能だろうか。いや、無い。あったら、魔法
とかそういう話になる。巧はまず、自宅へ戻る事を考えた。この繁華街から駅五
つ向こうの街に、彼の住まいはあった。まだ電車は出てないので、当然、タクシ
ーを拾う事になる。巧は大通りに出て、タクシーを拾った。
「落日町の三丁目まで」
「はい」
驚いた事に、巧は声まで女性になっていた。

タクシーが動き出した時、バックミラーに映った自分の姿を見て、巧は思わず我
が目を疑った。
(な、何だ、これ・・・)
そこには見慣れた男らしい顔が無く、どちらかといえば男に媚を売る感じの女の
顔があった。鏡の向きから考えて、それは今の自分だと認めざるを得なかった。
(どうなってるんだ・・・悪い夢なら覚めてくれ!)
巧は頭を抱え、これが悪夢である事を願った。しかし、肌を撫でるタクシーのエア
コンの風も、夢で覚える感じとは程遠い。これは紛れも無く現実だった。巧はほ
とんど絶望的な気持ちになった。

我が家へ戻ると、とりあえず巧は着ているものをすべて脱いで、自分の体を確か
める事にした。驚いた事に、ワンピースの下にはピンクのブラジャーにパンティ、
そしてストッキングも着けていた。勿論、これらの物を着た覚えはない。おまけに
体はまるで女性化し、男らしさは微塵も残っていなかった。

237:ステテコ女王
07/03/12 22:51:43 4Uet8su3
「こんな馬鹿な・・・」
姿見に映った己の姿は、悲しいほどに女だった。肩幅も狭くなり、手足が細長くて
やたらと華奢。太っても無いのに胸の谷間が出来て、腰はくびれ、腹の辺りに脂が
少しだけ乗り、尻ばかりが大きくなっている。毛深かった下半身も今は若草がちょろ
りと生えた程度で、脛毛その他が皆、産毛のように細く柔らかい。昨日まで、身長
百七十五センチ体重七十キロ、大学では柔道部でならした自分が、如何にしたらこ
うなってしまうのか、どう考えても異常だった。

巧はここ数日、自分の行動を振り返ってみた。生活の中に何か手がかりが隠され
ているような気がするからだ。いきなり女性になるなど、あり得ない。
「そういえば俺、ここしばらくボスコニアン製薬の聞き込み取材やってたっけ・・・」
先日、巷に溢れる覚せい剤の一部が、どうもボスコニアン製薬の研究室から流れ出
ているらしいと馴染みの刑事から聞かされ、巧は単独で裏を取りに行っていた。

まだ手探りの状態で、デスクにも内密で繁華街に溶け込み、聞き込みに回っていた
のだ。その中で、地回りのギャラガ一家のやくざ者から、有力な手がかりを得た。
「そうだ。それで昨夜、ボスコニアン製薬の研究主任とアポを取って・・・」
樋渡という製薬会社の主任に狙いをつけ、巧は迫った。樋渡は借金があり、覚せい剤
をやくざ者に流しているという疑いが濃厚だった。その裏を取る為に、繁華街のスナッ
クに呼び出して・・・

「何か、おかしな薬を飲まされたんだ!」
水割りを何杯かあおった時、巧は急に眩暈を覚えた。酒豪の部類に入る自分が、これ
しきの酒で酔うはずが無い・・・そう思った時には、意識が消えてしまった。そして気が
つけば、この有り様である。
「とすると、あの薬に何かが」
樋渡はDNAの研究に長年携わり、様々な結果を残しているという。それらは今後の医
療に画期的な治療法を齎す事を期待されているらしい。

238:ステテコ女王
07/03/12 23:06:00 4Uet8su3
巧は樋渡に一服、盛られたと確信した。そうとなれば行動に出る。そろそろ夜が明
ける。この体を元に戻して貰わなければならない。そして、樋渡の犯罪を世間に知
らしめる必要があった。
「やってやる」
巧は部屋を出た。体が女なので、着ている物はそのままで行く。これらは恐らく、
樋渡が寄越してくれた物だろう。復讐を兼ねて御礼をせねばなるまい。巧にジャー
ナリスト魂が戻っていた。

しかし、駅まで歩き始めてはたと気がついた。
(俺はどこへ行けば良い?)
女の体ですっぱおいC新聞のデスクか─とても、行けない。一晩で女になった
理由を、いかに好奇心に満ち溢れた記者仲間でも、信じる事は出来ないだろう。
第一、内偵だったので誰一人として、樋渡やボスコニアン製薬の事を知らない。
それ以上に、すっぱおいC新聞本社の玄関を通しては貰えないだろう。社員証は
持っているが、以前の面影は少しもないのだ。

(俺は、誰だ?)
通勤時間が迫り、人々が行き交う街中で巧は自問した。自分には、自分を証明する
物がない。ただの女でしかない。誰がどうやって自分を一之瀬巧と証明してくれる
のか。妻子は─無い。父母は田舎にいるが、この姿を見て我が息子と思うだろう
か。友人は─顔なじみのスナックの女は─考えれば考えるほど、巧は自分が
孤独である事を知った。
「どうしようも・・・ない」
無力だった。ただの女がひとりで何が出来よう。昇りかけた日の光に照らされなが
ら、巧は絶望し、体中から力が抜けていくのを感じた。

239:ステテコ女王
07/03/12 23:19:53 4Uet8su3
繁華街の裏通りに落ち武者という名の、安ソープがある。最近、そこに真理奈と
いう名前で、美しい女が入店したと、風俗好きの間でちょっと話題になっていた。
素性は分からないが飛び込みで店へ来たといい、経営者は良い拾い物をしたと
顔を綻ばせた。
「いらっしゃいませ」
真理奈は客が来ると、三つ指ついて出迎えるのを常としている。柔らかで乳白色
の肌に、ピンクのキャミソールを着ていた。

今日はこれで三人目。しかし、真理奈は疲れた顔もせず、にっこりと客を出迎える。
「失礼します」
真理奈は客をマットに寝かせ、自分の体にローションを塗って洗う。大ぶりな乳房
で背を洗われた男は皆、マットに突き刺さらんばかりに男根を昂ぶらせる。そして
一刻も早く、真理奈に濃厚なサービスを求めるのだ。

「真里菜ちゃん、しゃぶってくれる?」
「はい」
ローションをシャワーで流してから、客を湯船につからせて波間に浮かぶ潜望鏡
の如き男根を、唇で愛撫する。ここで長湯をすると肌が荒れるので、客を急かさな
ければならない。真理奈は男根を深く咥え込み、切ない眼差しを客に向けて媚び
を売った。早く欲しいと思わせなければ、肌は油分を失いカサカサになる。それが、
辛かった。

「ベッドに行きません?」
「いいよ」
サービス時間の九十分のうち、いかに長く体を使わせないかが、泡姫には長生き
の条件になる。真理奈はなるべく早く客を終わらせ、後は楽しいお話で凌ぐので
あった。

240:ステテコ女王
07/03/12 23:33:27 4Uet8su3
午前二時、落ち武者の看板は電源を落とされ、真理奈も漸く仕事を終える。今日は
四人の客を取り、疲れ果てていた。店の方からあてがわれた部屋へ戻り、タバコに
火をつけてビールを煽った時、経営者がやって来た。
「ご苦労だったな、真理奈」
「いいえ」
「悪いがもう一仕事、頼めるか」
そう言って経営者は、ズボンのチャックをおろした。山田という醜い五十男で、顔はあ
ばたまみれ、結婚はしているが飲む、打つ、買うのどうしようもない人間だった。

「いいけど、心臓の方、大丈夫なの?」
山田は心臓を患っており、あまり激しい運動をするべきではない。真理奈はその辺
の事を慮っているのだ。
「大丈夫だって。さ、わしもあまり時間がないんだ」
青畳の上に押し倒され、真理奈は足を開いた。

(エロジジイめ)
今日、五人目の男を受け入れながら、真理奈こと一之瀬巧は腹の中で毒づいた。
「いいか、真理奈」
「いいわ、山田さん!素敵よ!」
女にされてから数ヶ月が過ぎ、男に抱かれる日々が続いていた。いや、実はほとん
ど、巧は女になりかけていた。

自分という存在を失い、孤独に苛まれた巧は行き場を求めて街をさ迷った。そのうち
金も尽き、借りていた部屋も追い出されて路頭に迷う。冷たい雨に体を責められ、つ
いには風俗店へ飛び込まざるを得なくなった。女一人、身元も保証されないとなれ
ば、働ける所など限られている。巧はここで、泡姫として懸命に働いた。後が無いの
で、それこそ死に物狂いだった。

241:ステテコ女王
07/03/12 23:49:17 4Uet8su3
山田が体を入れ替え、巧の両腕を馬の手綱でも引くようにとった。山田はこうして
後ろから女を責めるのが好きだった。
「いいか、いくんだ、真理奈!」
「いくわ、私!山田さんので!」
初めは嫌で嫌で仕方が無かった男根の感触も、今は愛しい物だった。最近は尻
の穴での性交も覚え、女としての自分に目覚めてしまっている。

「わしもいくぞ、真理奈!」
「いって!」
高い階段を一気に駆け上るような感覚が巧の腰から、背中を通った。頭の中が
白くなり、素晴らしい瞬間が訪れる。
「ああッ!いくッ!」
この時ばかりは、膣内へ大量に出される山田の子種の温みも心地良かった。巧
は腰を使い、男根を奥へ奥へと飲み込もうとした。そういう習慣が身についていた。

「良かったぞ、真理奈。じゃあ、わしは帰るからな」
「・・・おやすみなさい」
「明日は休みだったな。しっかり体を労われよ」
「ありがとう」
帰り支度をする山田に巧は口づけを捧げた。もう、おべっかなのか本心からなの
か、分からなくなっていた。女という物の本質的な部分は、こういう物だと思うしか
無かった。

山田が消えてから、再びタバコとビールを口にする。新聞を見ると、ボスコニアン
製薬についての記事があった。巧の目が光った。
「再生医療に救世主。樋渡教授、DNAを自在に操る研究成果を発表・・・か」
紫煙をくゆらせながら、巧は膣から流れ出る山田の子種を、指で拭き取った。

242:名無しさん@ピンキー
07/03/14 01:20:53 pInDLlg0
ステテコさん久々ですね。楽しませて頂きました。

243:名無しさん@ピンキー
07/03/15 18:03:47 a2HBXzDp
定期age
ご利用はご計画的に


いろんな方GJ!!

244:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 04:38:45 8CBCgLaH
GJ鬼ありがとうございますー!!
生きる気力がわいてきますヽ(`Д´)ノ
こんなぐだぐだ話のストーリを、気にして見てくださったなんて恐縮です。

では、「続ける」のつづきから、スタートです。

245:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 04:39:24 8CBCgLaH
いっそのこと

もう、いっそのこと……


行為の最中筧はそっと部室の外へ出た。
陸をけしかけたのは自分だというのに、途中から見ていられなくなった。

(俺は何を考えていた?)

他の男に抱かれているセナを見て体が急激に冷めていき
暗い暗い感情がわき上がったのだ。

もう、いっそのこと セナを
殺してしまおうか、と

殺してしまえば誰の所へも行かない
自分だけのものになるのでは と 

それはあまりにも身勝手で、非人道的な感情
自覚症状の無いまま、徐々に徐々に病んでいき腐りかけた心

壁を背にし、体がゆっくりと崩れ落ちる。

(このままでは本当に殺してしまいかねない……
………伝えよう。)

切なく鳴いている彼女の声がうっすらともれてくる。
その声を聞きながら、筧は自分のしてきた事を思い起こす。

あまりの罪の深さに涙も出なかった。

246:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 04:40:07 8CBCgLaH
一方的な行為が終わった後、二人の荒い息が部室の中こだましていた。

長い沈黙の後陸が口を開く。
「………セナ」

「……ずっとずっと、会ったときからずっと好きだった。
今まで思い続けてた。 でも俺は臆病で、怖がりで、セナを好きなことを隠してた。
お前の優しさを独占したいのに、思いをぶちまけることでお前との関係がくずれることが怖かった。」

「……」

「俺の事なんて見てないの知ってた。それに、初めてお前が人の為じゃなく自分の為に行動してた。
応援しようって思ったのに……お前の側にいるだけでいいって思ってたのに!なのに俺は!」

セナへの独白は、徐々に陸自身を責めるものへと変わっていった。

「………リク」

「……ごめんね、」
あろうことかセナは謝罪の言葉を口にした。
「馬鹿か!?何でお前が謝るんだよ!こんな酷い事されてなん……」

ふわりと優しい温もりを感じる。
服が破れたまま、ひどい格好のままのセナに陸は抱きしめられていた。

「……セナ」

「身勝手な私は何も見えて無くて、あなたをこんなに追い詰めて
その事に今更気づいてごめんなさい。」

その言葉が体に染み渡り、頬を涙が伝っていた。

普通泣くのはこの場合セナの方だろう。
自分に涙を流す権利など無いと、陸は思う。

「……馬鹿だよ、ホント」
「うん、………私、馬鹿だから」
「……また俺に、襲われるとか思わないわけ?」

彼女は首を横に振る
「信じてるから」
抱きしめられたまま、陸はみっともなく声を上げて泣いた。

愛しいセナ
この体を抱きしめ返したいがそれは許されない。

近くにいて今度こそ守ろう。
もう誰にも傷つけられないように、
俺の願いは、君がずっと笑顔でいてくれること。

247:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 04:40:50 8CBCgLaH
二人が部室から出ててきた。真っ先に筧を警戒する陸。

「実はさ。」
しゃがみ込んだままの体勢でセナに話かけた。

「俺、セナの事好きなんだ」
信じられない程さらりと言われたその言葉だが、内容はセナの予想もしないものだった。

今までのあの行為は
「………」
「死にそうな程好きなんだ。」

憎いからするのでは無かったのだろうか
「…」
俯いてしまってる為、セナが何を思っているか読み取れない。
「大体セナはさぁー。魅力のある女だっていう自覚が無さすぎだって。
俺だって健全な年頃の男なんだから、もうちょっと警戒してくれないと困るって。」

「………」
「……」

「……セナ、今までごめんね。」
「俺の事殺してくれていいよ。」
嘘では無い。
殺されても仕方が無い、それだけの事をしたのだ、と筧は思っている。

セナは俯いていた顔を急に上げた。
二人の瞳がかち合う。

パンッ!
セナは手を振りかざし筧の頬をはたいていた。
「これで、おあいこです」
殴った右手をぎゅっと押さえてそう言った。
「……チャラにするってこと?……せ、セナって、バカ?」
「筧君の方がバカです」
「いやいや、いや!セナには……」負ける、と言おうとして言葉に詰まった。
彼女は嗚咽を堪え、静かにぽろぽろと涙を流していたから

「……我慢しないで、ほら」
もっと殴ればいい、と両手を軽く上げ自分が無抵抗である事を証明する。
(そういえば、……アイスピックが部室にあったよな。)
取りに行こうと、重い腰を上げようとした。
「違います、そうじゃない!」
「?」
「……殺してなんて そんな事…言わないで」
「俺の心配なんてしてるの?」
「……。」
セナは手の甲で一生懸命涙を拭っている。
「ほら、そんなおっきい体で丸くなってないで」
帰りましょう、と筧に小さな手を差し出した。
しかしそれを掴む権利は無い事を彼は知っている。
「ありがとう。先に帰っててよ」

頬を張られたというのに、全く痛みを感じない。
(……思いっきりやればいいのに、あれじゃ叩いた手の方が痛いよな。)

バカで優しい愛しいセナ
この気持ちを諦めるなんて今は無理な話だが
己の欲を叩きつけるだけの行為はもうしない。

248:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 04:41:20 8CBCgLaH
翌日

セナは学校帰りに陸に手を引かれた。
行きたい場所があるからと言われ来たのだが、着いた所はよく見慣れた川沿いの道だった。

「じゃあな!セナ」
「……」

「え? リク!?」

突然別れを告げられ、気づいた時には既彼は遠く離れていた。
どうしていいか分からず、セナはその場で突っ伏す。

ふと空を見上げれば、よく晴れ渡り心地良い風が吹いている。

長い長い道を見渡せば、力強く駆ける男の姿。
それを見つけたセナは何かに弾かれたように走り出す。


進とセナがここで会ったばかりの話

「こんにちはー進さん」
話しかけられたというのに、彼の足は止まらない
セナを一瞥しただけで、すぐに前を向きなおす。
「あぁ、アイシールドか」

(気になる………今日こそ思い切って聞いてみよう)
「進さん。変なこと聞いてもいいですか?」

「、、」
セナはおずおずと小動物の様な瞳で進を見上げ、問いかけた。
「何だ?」
「あの、どうしていつもフードを被ってトレーニングをしてるんですか?」
(進さんのことだから、トレーニングの秘訣なのかな?)

「……こうすると視界が狭まり、多少だが雑音も聞こえなくなる。」
余計な事に気を取られずにすむからだと、冷ややかに言い放つ。

249:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 04:42:11 8CBCgLaH
そんな事で話かけてきたのかと思うと進は溜息が出た。

「だ、だめです!危ないですよ。私の話であれなんですけど……
以前、音楽を聴きながらヘッドフォンをつけて自転車に乗ってたんです。
他の音が聴こえずらいから車が来てるのに気がつかなくて、事故一歩手前の状態になった事があるんです。」

「……あ」
必死になってその危険性を力説するが、自分の失敗を晒す事になった。
今はやってませんよ?と、恥ずかしそうに笑顔を浮かべる。
「………。」
返す言葉が見当たらなかった。
(何を言ってるのだろうかこの少女は、……そうとうズレているのか?)
「お前も邪魔だ」という意味を込めて言のだがセナには伝わらなかった。
伝わらないのなら、露骨に言ってしまえば良かったのだが
不思議とそんな気にはなれなかった。

日課のコースが同じため、二人は何度も顔を合わせここで話をした。
といってもそれはセナからの一方的なもので、話といえるようなものではなかった。

進はその度にペースを乱された。
しかしそれを不快に感じる事は無かった。
やがて彼女の話に耳を傾け、足を止めて会話をするようになった。
会える事が楽しみになった。
そしていつしかセナの声だけは雑音に聞こえなくなっていた。
自分の名前を呼ばれるだけで、心が穏やかになる気持ちに気づいた。

その頃から彼はフードを被ることをやめた。

そして現在

「進さん!!」
セナは声を張り、進に追いつこうと全力で走っていく。

彼はそれに気づき
視界を遮り、雑音を遮断していたそれを外す。

孤独な世界に音が響き、光が差し込んだ。




250:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 04:44:12 8CBCgLaH
「続ける」ED終わりましたー。
この後和姦エロを書きたかったのですが、あまりに長くなってしまった為ここで強制終了です。

目を通して下さった方、本当にありがとうございました。

次は、「辞める」を選んだ場合のEDになります。
流れ的には218からの続きとなっています。
セナ視点で進行し、途中から第三者視点になったりと読みづらい感じです。

後味が悪い&セナが最高に可哀想で救いようの無い話となってます。
(まだこれ以上可哀想なのかよ、って感じですが)
それと露骨なエロ表現がありますので、耐性がある方のみお読みください。

では、平気そうな方のみ
どうぞ

251:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 04:44:42 8CBCgLaH
あの出来事から三日が経っていた。

学校が終わって外に出ると、今日もリクがいてくれた。
また部活を休ませてしまったのかな
もう大丈夫だから、あんまり私に構っちゃダメだよ。
だけど、一緒に帰ろうって言ってくれて 小学校のときみたいで
なんだか凄く嬉しくって、今日も甘えちゃった……
次こそ断ろう、

リクと話をしながら歩いてるとあっという間で、もう私の家が見えてきた。
別れを告げて私達は反対方向に歩き出す。

……立ちくらみがする。
……
ちょっと味わった事が無いくらい酷い。

ご飯あんまり食べてないせいかな
……どうしよう、気持ちが悪い。

その場から動けなかった。

「セナ!危ないっ!!!!」

振り返ると凄いスピードで赤い車が飛び込んできて
キキーィ!!!!!
ブレーキの音とリクの叫び声がした。

―――

「誰か!!救急車呼んでくれ!!!」

しっかりと意識があるけど、声が出ない。
出そうとするんだけど、ひゅーひゅーと音が漏れるだけで声にならない。
それに強打した右肩の痛みですぐに起き上がれない。
ダメだ、痛みが少しでも治まるまでじっとしてよう……。
倒れたまま横向きで目を閉じる。

「クソッ!何だよ!? 何でこんなに血が出るんだよ!!!」
……
リク、制服が汚れちゃってる
大丈夫だから そんな顔しないで、泣かないで

平気だと伝えたくて起き上がろうとしたのに
……!!
右足に激痛が走って立てない

あまりの痛さにセキまで出てくる。
よく見ると吐血していた。

サイレンの音が近づいてきて
……
その音を聞きながら私は気を失った。

252:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 04:53:49 8CBCgLaH
………
ここは……
白い天井
それに、ピ、ピっていうこの音……確か心拍数を計る あれだよね。
……病院かな?

「……先生!目を!……目を開けました!!」
お母さんの声とパタパタと誰かこっちに走ってくる音が聞こえる。
「セナ! もうダメかと……良かった」
その後。自分に何があったのか教えてもらった。
五日間生死の境をさまよったって、そんな事言ってた。
それから三日後。
お医者さんが病室まで来て、私の怪我について話し始めた。
右肩、肋骨、右大腿骨を骨折、右足首を複雑骨折、肺挫傷、その他いろいろ、重体ということで運ばれたらしい。

ちょっと待って……大腿骨と、足首って

「右足、肩は何ヶ月かリハビリをしてもらえれば日常生活になんら支障はありません。」
……
ダメ、それじゃ大会に間に合わない

「ただ、激しいスポーツなどはこれから出来ないでしょう、それより肺挫傷の方なんですが……」
嘘ですよね
激しいスポーツは……できない?

「……、……!!!!!」
叫んでるつもりなのに声が出ない。 
「小早川さん、落ち着いて!肺を損傷してるんだから興奮しないで!!」

もうアメフト出来ないの?

「鎮静剤持ってきて!」

私からこの足を奪わないで……

253:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 04:55:07 8CBCgLaH
リハビリを終え退院をする頃には季節は春になっていた。
学校にも行けるようになって
40ヤード走の測定をヒル魔さんにお願いした。
出来ないって言われたけど、そんなわけが無い。
そんな事やってみなきゃ分からない。

全力で走ったつもりだったのに、6秒4
確か、ベストタイム4秒2だったよね?
それに……もの凄く息が切れる。
この肺のせい?

「………」
「もう、諦めろ。」
「まだ……」
「うるせぇ!!!」
「大会も終わった、……それ以上自分を追い込むな。」

確かに足しか取り得の無い私は、もうアメフトは続けられないのだろう。
たくさんリハビリしたけど
これ以上はよくならないって、自分の体だから分かる。

居ても皆の迷惑になるだけ
なら……これ以上は続けられない

254:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 04:56:45 8CBCgLaH
あれから退部届けを出して、私はアメフト部を辞めた。
学校をずっと休んでたっていうのに、そのまま春休みを迎えてしまって時間を持て余す。
……病院に何度もお見舞いに来てくれた進さん。
リハビリがちょっとつらくて、へこたれそうになったとき
「良くなるから、諦めるな」って励ましてくれた。

私なんかを愛してるって言ってくれた。
私もあなたの事が好きです。どうしようもなくバカみたいに大好きです。
でも、あなたの愛してくれた足はもう無いんです。
伝えたところで困らせて悲しませるだけ。
それならこの気持ちは伝えないままフタをしよう。

進さんの部活が終わるまでちょっとここで待たせてもらおう。 
王城の校門前で暫く待っていると
あ、

「セナ……わざわざ来てくれたのか?」

言わないと
「わたしは……」
「私は!なんにも取り得が無いただの小早川セナです!もうアイシールドじゃありません。
だから!!忘れてください!進さんは私なんかと釣り合わないから!!
だから、……だからもっと素敵な人が見つかります。」

「………忘れろ、だと?お前はそんな事を考えていたのか?俺がお前の足を愛していたとでも?」
なんだろう……進さん凄く 怒ってる
逆鱗に触れてしまったような……そんな気がする。

「来い。」
思いっきり手を引っ張られ、後ろをついて行く。

もう日が落ちてる 辺りは真っ暗で
誰も居ない公園に着いたと思ったら

……進さんにいっぱい、いっぱい抱かれて

255:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 04:58:56 8CBCgLaH
お願いです。進さん
私の事なんて忘れてください。
今はこうやって愛してくれるけど、いつか私に魅力が全く無い事に気づいて
呆れられて、嫌われるのが怖いんです。
だからもう、私を忘れて下さい。

見たことのある部屋が目に入った。
……!
なんではだかなの、それに腕が後ろで包帯かさらしで縛られてる。
………恥ずかしい、これじゃあ体を隠すことが出来ない
「目が覚めたか?
ここは離れの家でな、母屋は同じ敷地にあって家族はそちらに住んでいる。」
俺が何をしようと家族は興味が無いらしくてな
「監禁生活」に付き合ってもらうと、確かにそう言った

か、監禁?……って、

そのままベットに押し倒されて
叫んでも暴れても、許してくれなくて
……その後はもうあまり思い出したくない。

いつか解放してくれるって、思ってたけど全然そんな気配が無い。
むしろ行為の回数が増していってる、、
時計も外されてしまったから、時間も日にちも正確に分からない。
ここに来てから月を七回見たから、七日経ってるのだろうけど
日中問わず抱かれ続けているせいで時間の感覚が麻痺してきてる。
日にち……きっともう、これ以上覚えていられない。
快楽ばかり与えられて、何が普通なのかよく分からなくなる時がたまにある。
正常な意識を保っていられない……。

256:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 05:00:11 8CBCgLaH
監禁八日目

「……や、やめてください」
身体を支えられ、セナは四つん這いにされている。
進は保温効果のあるハンドクリームを指に多量に塗り、何度か膣へ挿入しぐるりと掻き混ぜる。
そして薬箱から消毒液を取り出し陰裂に数回吹きかけた。
「用事があるのでな、そこで待っててもらえるか?」
そう言って、セナを残し部屋に鍵をかけ出て行ってしまった。
「、っ……」
………
…!?
(な、何? これ)
身体を異変が徐々に襲ってくる。
(……つめたい、ちがう、、あつい……すごく なかが あつ、ぃ、、く、…く、るしい)
はぁはぁ、と切なげな吐息を漏らしながら
身体を支配する熱から逃げる手立ては無いかと虚ろな目を泳がす。
そして目に飛び込んだのは木製の机。
のろのろと足を動かし、セナはその前に立った。

(……、わたしは、な、にを かんがえてるの?)
あろうことか彼女は足を微かに開き、机の角に自分の陰部を押し当てていた。
自分の考えている事の恐ろしさに足が震える。
(だめ、だめ、……だれか…とめて)
そうしていても膣から出てくる粘液は、ポタポタと止まらない。
「は、、っはぁ」
立っているのもやっとなほど甘い快楽の波がセナを襲う。

……そして欲望は理性に勝った。
「………ん、んっ、」
割れ目を擦ろうと健気に腰を揺らす。
酷く艶めかしくて背徳的なその姿。
「あ、ぁっ…ぁ、あっ、は 」
(、こんなこと……、…どうしよう……すごく……きもちいい )
「ん、………はぁ、ぁっぁ、ぁ」

257:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 05:02:17 8CBCgLaH
くっ、ちゅっ

「随分刺激的な光景だな。」

「!?……ん、っん、ん…ぁ」 
くちゅ、ぬちゅ…
厭らしい音を立て机と接触しているそこを、進は表情一つ変えず凝視する。
「気にせず続ければいい。」

「……あ、は…っくぅ、……な、んで、? とまら…ない」
(進さんが見てるのに、腰が止まらない )
「みないで、 お願い、みないでぇ……」
彼女の願いを無視し、つかつかと近寄る。
「ひ、っぅ、こないで……」
「違う、他に言うことがあるだろ?」
豊満な胸に方手を伸ばし、硬くつんと尖らせている乳首を掴む。
「っ、!」
そのまま軽く捻り上げた。
「――!!きゃ、あぁっぁ、、ひゃ、ぁ、ぁ」 
くりくりと捻っては突っ張りぱっと手を離す、そんな事を断続的に続けられた。
「は、はっ、はぁ……」
「以前に教えた言葉があるのだから、言ってみろ」
「っぁ、も……ぅ ムリぃ たすけ て……」
「……まぁ頑張った方か。」
床へ押し倒され、四つん這いの格好で何度も何度も突き上げられる。
声が枯れ果てるまでそれは続けられた。

258:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 05:04:49 8CBCgLaH
監禁九日目

散々指で中を解し、数分放置したら、またそれを繰り返す
セナが一度も達せないまま時間だけが過ぎていく。
「は、……はぁ、はぁ」
仰向けに寝ているセナの両足を肩に担ぎ上げ
自身の雄を女性器にあて
割れ目とクリトリスにその先端部を擦りつける。
「っ んっ! ぁっ……や、ぁ」
ぬりゅっ、にりゅっ
ぬるぬるに濡れているそこに擦れる度、淫猥な接触音が聞こえてくる。
「まだ言えそうにないか?」
「もぅ、、やっ、め、許してぇ、あっ、ひゃっ、あぁんっ!」
そんな淫行を続けられ、尻の方まで愛液がつたってぐしょぐしょになっている。

「お前のように感じやすい身体は直にここだけでイケるようになる。」
クリトリスの皮を剥き愛撫しながら言う。
ぐちゅ、にゅりゅ
「う っん゛、――ぁ、あぁ!ひぃ、ぃ!」
背を反らせ、白い喉もとを曝けだし悲鳴に似た嬌声をあげる。
身体と精神は限界まで追い詰められていた。
「どうして欲しい?言ってみろ」
セナはなけなしの理性を働かせ、首を弱々しく振り拒絶の意思を示す。

「では、今日はどうするか」
「……ここに芋茎でも入れてみるか?」
「!っ」
聞きなれない単語がまた出てきた。
しかしこのまま抵抗をすれば、何が待ってるか容易に想像がつく。
身体に教えられた仕打ちは、昨日だけの事ではない。
それを思い出すだけで、急激に身体は火照りだす。
「……や、やめて」
「言えるか?」
「い……います、だから」

259:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 05:06:36 8CBCgLaH
息を小さく吸い込み、教えられた言葉を搾り出す。
「……わ、わたしの 、い…やらしい、……ここに…
進さんの …ぉ、…ちんちんを いれて、たくさん……ついて ください…」
蚊の鳴く様な声でそういうとセナは泣き崩れた。
「ぁ、こんな 、こんな………!」
「よく言えたな……。」
満足そうに呟き亀頭をめり込ませ
そのまま肉棒をゆっくりと進入させる。
ズ、プ……
「ん、、んん゛ーー!!!!ああ、や、やぁぁぁ――!!!」
髪を振り乱し、きつく目を閉じる。
「自分から強請ったくせに、嫌ではないだろう」

ぐぷぐぷと生々しい音を立て、肉棒は膣へと収まっていく。
(怖い!恐い!!!!!自分が自分でなくなる。あたまがへんになる!!!)
「お前はもう戻れない、逃げられない。」
「………はっ、ぁ」
「大丈夫怖くない」
優しく優しく愛おしい者を抱きしめ、ゆっくりと律動を開始する。
グチュ ヌチュ……
「壊れてしまえばいい。」
ズプ ズッ……
「……俺はとうに壊れているのだから。」

(……しんさんといっしょ……?こわくないの?)
頭の中で何か、糸が切れたような音がした。
―――
「は、っん く……ん い、ぃ…ぁ、あ、っあ」
抵抗をする切ない喘ぎ声ではなく、セナは悦楽まじりの声をあげていた。
こんな声は初めて聞く。縛っていた両手を自由にしてやれば
自分でクリトリスを慰め、胸の突起をくりくりと弄び
嬉しそうに、……悲しそうに身悶える

その姿は目眩がするほど、壮絶に美しい。

260:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 05:08:35 8CBCgLaH
「あ、は、っはぁ、ぃ…い きもちい ぃ…よぉ」
小さな形の良い尻を自ら揺り動かして、咥え込んだペニスをもっと味わおうとする。
ヌプ ヌプ グプ グチュ
「セナ、」
「もっと たくさん、進さんの、おちんちんちょうだぃ、、」
うっとりとした表情を浮かべて、ピストン運動に合わせてがくがくと頭が揺れ、涎を垂らす。
「、あ、っは、奥で どくどく、って、ぁっ…いってる……、」
ずぷっ、じゅぷっ グプ グチュ
「っん、ん、あ、ぁ……は 、すご、ぃ きもちい……ぃ」 
「……っ、そんなにキュウキュウ締め付けるな」
「……いっしょに、きもちよく なって」
一番深いところにまでペニスを挿入して、また引き抜いて
腰の動きも激しさを増していく。
「あ、ぁ、っん……!ん、ん…ぁっあ!!……」

ぐちゅ、ぐちゅ、
「ひ、ァ っぁ あ、っぁっあ!だ、め っあ  ッい、イクぅぅ ――!!」
「っく…」
全身をピクピクと痙攣させセナは絶頂を迎えた。
ズルリと怒張したままの肉棒を引き抜き、軽く扱き外で果てる。
噴出された温かい精液は、虚ろな目をしたセナの腹にぴしゃりと降りかかった。
それをセナは指で絡め取っている。
「……ん、っ」
乳飲み子の様に精液をちゅうちゅうと吸い、愛おしそうにぴちゃぴちゃと舐める。
「っん 、、、ぉぃ ひぃ……」

「……やっと、俺の側に……離さない、もう逃がさない」
頭を撫でれば気持ちよさそうに目を細めた。

狂人は小鳥の羽を折り、行き場を無くした小鳥はとうとう自分から檻の中へ入った。
腕の中、今日も小鳥は悲しく鳴く。



261:アイシールド21でお邪魔します
07/03/16 05:12:55 8CBCgLaH
書いてる人間が楽しいだけの欝話をここまで読んで下さった方
本当にありがとうございます。
精神的にも色々とおつかれさまでした。

補足
進の異常性について:「セナに愛されないと分かっているが、どんな事があっても諦めるつもりは無い」と217でリクに言っていますが
結構これは怖い意味で、「セナの気持ちなんてどうでもいいから、どんな事があっても離さない」っつうことです。

筧の様に感情に任せてセナを抱きません。いつもいたって冷静です。
冷静にとち狂ってます。
最初に路地裏で抱いた時、生理中の女性は安全日だと分かっていた
特に生理二日目など絶対に孕まない事も知ってたわけです。
だから中出し上等だったのですが、それ以降は外出しです。
そこまで考えて行為に及んでたっつう、考えただけでも欝話です。
セナは進に執着されてしまった時点で実はバットエンドなのでは?、っていう話でした。

EDの分岐は3つと言っていたのですが、あまりに全体が長くなってしまった為割愛させていただきます。
(3つめは進視点進行の、これ以上無い最高に欝話でした。)
これから投稿させていただくときには、もっとまとめて短くしてのっけます。
本当に申し訳ありませんでした。

次は、セナ子のほのぼのエロを書く予定ですので、その時はどうぞ、よろしくお願いします。

262:名無しさん@ピンキー
07/03/16 17:20:44 HitP0NmF
♀進×♂セナってのも

263:名無しさん@ピンキー
07/03/16 20:10:51 3iDDhozZ
>>244
GJ!!
個人的には3つ目EDもスンゴイ見たかったです。
次のセナ子の話もwktkしながらまってます。

264:名無しさん@ピンキー
07/03/17 00:53:23 cSUZzzdc
244GJ!!!!!!!!!!!大漁だよ
自分も3つめの鬱話もみてみたかったな。鬱話好きだから
個人的予想でどれかのシナリオで二穴姦があるかなと思ってたから意外だった
もし気が向いたなら是非書いてくれたらとさりげにリクエストしておこう
とにかく乙!

265:名無しさん@ピンキー
07/03/17 05:48:20 Ow7saYCV
>>244超GJ!
俺も3つ目の話読みたい。
元ネタ知らんけど久々に良い女体化SSだった
冷静にとち狂ってる進が凄くツボだわ。

266:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/17 16:22:12 FDZAoLfA
のんびりとした視点の、シャカ女ムウとかはおk?
果てなくのんびりとしてるが。

DQ2、半分までできたら持ってきます。ただ、そっちは長くなるので

267:名無しさん@ピンキー
07/03/18 00:29:06 Q2r1geJj
>>266
ぜひ頼む

268:名無しさん@ピンキー
07/03/18 01:52:34 DV1sFT5X
愛汁さんGJ!乙彼です
自分も3つめの読みたいな~

長くなることを危惧されている方はロダなどにtxtでうpしてみては?
個人的には全然長くてもかまわないけどな

269:名無しさん@ピンキー
07/03/18 20:57:41 EU3qIOj5
>>266
キモいもん関係ない他スレで宣伝すんなボケ
ここに閉じこもって出てくんな

270:名無しさん@ピンキー
07/03/19 02:22:17 BN0bDHJD
>>261
乙!!そしてGJ!!!
清純派セナが堕ちてく所たまらなくいいよいいよ!

是非三つ目UPして欲しい・・・

ところで質問があるのだが、261さんは原作セナ見ててもハアハア出来ちゃう
方?或いは、原作とはスパッと切り離して考える方ですか?
関係ないこと言ってスマソ。
攻撃で言ってる訳じゃなくて、単なる素朴な疑問なので気に障ったなら答えなくて
いいよ。

エロなのに原作とあんまり性格にブレを感じさせないので、読み込んでるな~と思った。

271:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/19 16:10:29 cy3HKQ9i
261氏の後に投下は緊張しますが……
DQ投下します
飛ばしはトリップ全部で

NGは幸福な死 DQ4です

272:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/19 16:11:14 cy3HKQ9i
◆神とは天空に住まうもの、人とは愛を請うもの◆





「リトリア、ムーンブルクへ行ってきてもらえぬか?」
神官たちとの会議のために、文書を綴っている少女に国王はそう告げた。
「ええ、構いませんが……いったい何のために?」
「いや、先方もこの縁談には乗り気でな。なので……」
「だったらほかをあたってください。僕は忙しいんです。それに、まだまだサマルトリアも
 やらなきゃいけないことだっていっぱいあるんですよ?」
あれから数ヶ月。人々は復興のために日夜汗を流している。
それはリトルも例外ではなく、寝る時間など殆ど無いほど。
まるで全てが夢だったかのように。
それでもあの戦いにも犠牲は多すぎた。
「結婚なんて考えられません。やることが山積です」
伸びた髪を一纏めにして、少女は黙々と筆を滑らせる。
「第一、こっちから行かなくても……勝手に来ます」
うんざりしたようなため息と入れたてのミルクティー。
「アスリアは純粋な魔道師。それでに……僕よりもずっと術に関しては上を行ってます」
少女の言葉通り、青年は日に一度必ずサマルトリアへと姿を見せる。
ふらり、と現れ二、三話をしてはムーンブルクへと帰っていく。
今までが一緒に居すぎたせいで、離れているのが妙だといわんばかりに。
その証拠に、青年はローレシアにも細かに顔を出していた。
「これはこれは、サマルトリア王。ご機嫌のほどは?」
「ほら来た。アスリア、僕は治水工事の計画やってるんだ。遊んであげられないよ」
「んじゃ、俺もついでにムーンペタの水田計画完成させるかな」
差し向かいに座って、青年も持参した書簡を広げる。
慣れた手つきで紐を解き、言葉少なにそれに目を通し始めた。
「さっき、リラのところによってきたんだけど、あっちもあっちで大変みたいだ。
 かといってあのガキがおっさんを説得できるとも思えねぇしな」
竜神とロトは、恋に落ちた。
その障害の多さはいまだ健在。心を許せる仲間は離れ離れ。

273:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/19 16:12:08 cy3HKQ9i
「ムーンぺタはだいぶよくなったの?」
「見てくれは……まずはできることを精一杯にやらねぇとって。ルプガナの方にも
 まわんねぇとなんねーし。忙しいにもほどがある」
カップに口をつけて、少女は小さなため息。
「だったら、こんなところでサボってないで、早く行きなよ」
疎ましいという感情ではなく、彼をどこかしら思う口ぶり。
まだまだ濃いには遠いこの距離。
少しでも詰めたくて青年は必死に手を伸ばすのに。
空回るこの思いはまるで風見鶏を見上げているかのよう。
こっちを見てもすぐに向きを気まぐれに変えてしまう。
「んー、なんかこう……離れると寂しいもんだな……また来るわ」
痛々しい傷は大分癒えた。しかしそれは体だけのこと。
出会った頃の、またはしゃぎあえていたあの日々が今は愛しくて、愛しくて。
「前より顔色よくなったな。良かった」
「………………………」
「俺もあせんないで、じっくりと攻めるからさ。魔道師は体力勝負できねぇし」
「待って」
自然に伸びた手が、成年のそれを捕らえる。
「どうした?」
「明後日は……僕も仕事を休もうと思うんだ。だから……っ……」
「あいつらも誘ってみっか。竜王の城なら誰も文句はつけられねぇだろうし」
どうしても最後の言葉が出てこない。
この扉は押してしまえば簡単に開くのに。
彼は彼であることを受け止めてもう遥か前を歩いている。
なのに自分はいつまでもこのまま立ち止まっているだけ。
どれだけ願ってもこの体が男に戻ることはないのだろう。
それでも。
何もかもを受け入れて女になるにはまだ時間が必要だった。






この恋は決して成就させてはいけなかった。
叶わないままならば美しく終われた。
片道の恋はそれだからこそ美しい。
「久しいな、みんな」
ドラキーを肩に乗せ、竜神は穏やかに笑う。
いまだ人間への感情は拭えないままだが、前よりもずっと笑えるようになった。
「毎日それなりには忙しいよ。リラは元気だった?」
「儂もな。この間、ホビットと海賊がきた。流通の基点にここを使いたいとな。
 儂がいる間に全部準備は終わらせてくれと言うたのだが」
その言葉に三人は顔を見合わせる。
「レイ、お嫁さんにもらうの?」
「馬鹿言え、まだプロポーズもしてねぇっつーの」
「甲斐性の無い男に嫁ぐと、結構後悔すると思うぜ」
相変わらずな三人の言葉。懐かしいと思えるほど離れてしまっていた。
「もう、この世界に竜神は要らぬ。儂は天空(そら)に還る事にした」
唐突な言葉に一斉に視線が竜神へと向かう。
人に触れて、人と出会い、そして、自分が人ではないことを認識する。
「天空には翼をもつものが住まう城がある。そこには竜もいる。儂がいるべき場所じゃきっと
 そこなんだろう」
「ちょ、ちょっと待てよ」
「先に来た連中にも話はした。人間に混じったまま生きるか、儂と天空に行くか」
ベレッタ、ネブラスカ、ラゴスも完全なる人間ではない。
それでも彼女たちはこの世界に残ることを選んだ。
この美しくも儚い世界が、どうなるのか見つめるのも悪くはない、と。

274:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/19 16:13:32 cy3HKQ9i
「死に別れるわけでもない。ただ……住まう場所が違えるだけ」
祈りは光となって地上に降り注ぐ。
どんなに離れても君への思いは変わらない。
春が必ず来るように、木々が芽吹くように。
「ぬしらはここに残り歴史を刻む。竜は天空(そら)に還る。人は愛を紡ぐことのできる
 生物……全てを託すのも悪くはない」
一握りの灰にさえ、想いを乗せることのできる種族。
それが人間。
「待てよ、姫さん。こいつはどうすんだよ」
アスリアの言葉にレイは何もないかのように淡々と答えた。
「ん?俺も行くよ、リラ。そんなすげぇ場所なら俺も行ってみたい」
流れ行く風と輝く緑。大地はこんなにもやさしく清清しい。
竜神が望むような分け隔てのない世界になるには、もっともっと努力が必要。
自分たちが生きているうちにはそれは叶わないだろう。
「そ、そんな簡単に決めていいもんでもっ!!」
「誰かが何か変えなきゃ、世界なんて動かない。それが間違った方にいけばハーゴン
 みたいになるんだろ?だったら、俺はどんな風になるのかリラと一緒に見たいだけだよ」
この戦いで学んだものは、大事なものは自分で守らなければいけないということ。
そして、この手に持持てるものの少なさ。
それをこぼさぬように、漏らさぬように。
「旅は終わらない。空の上だってきっと冒険はできるだろうし」
こぼれる涙をそのままに、竜神は精一杯の笑みを浮かべた。
「言ったろ?一緒にいるって」
少年は気付かない間に男になった。君を知ったその日から。
動けないのは自分だけと、少女はきつく唇をかんだ。
結論を出さなければいけないのはわかっているのに。
涙の代わりに毀れた赤い赤い体液。
ただそうすることしかできなかった。





カーテンの揺れる室内は、小さな明かりだけが目印。
窓際に立つ少女の目線は円より少し欠けた月を見上げていた。
「綺麗なもんだな」
「満月じゃないけどね」
煙管を銜えて、青年がその傍らに立つ。
こうして並んで月を見上げるのは、最後はいつだったか思い出せないほど。
「完全じゃないからこそ綺麗なんだろうな。俺はそっちのほうが好きだ」
月光は彼女を照らしてこんなにも美しくてしまう。
「いつかきちんと話をしなきゃなんねぇのは分かってた。だから、俺から先に言うよ」
少女のほうを振り向いた青年の顔は、これほどにも無いほど優しくて。
そして何よりも悲しげだった。
「俺は男のままに生きていく。あの旅で思ったんだ。誰かを守れるってのは幸せなことだって。
 だからって同じことを強制なんてしない。リトルの人生はリトルが決めることだから……
 でも、憶えててほしいのは……」
小さな手を青年のそれがそっと握る。
「どんな姿でも、どんなに離れても」
それはきっと優しい魔法。
「俺の思いは変わらない。そして、俺たちはずっと仲間だってこと」
彼がもっと自己中心的であったなら。もっと独占欲に塗れた男だったなら。
己の本王と欲望に忠実で嫌味の多い人間だったなら。
嫌いになってこの心の呵責はなくなっていただろう。

275:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/19 16:14:17 cy3HKQ9i
「アスリア」
だからこそ、彼の気持ちにも結論を出さなければならない。
「僕は君のことが好きだよ」
「………………………」
「君と一緒に旅をしたのは僕の一生の宝物だ」
喉の奥で詰まる声。
掠れがちなそれを精一杯に振り絞る。
「けど……君も僕も王位がある。どうやったって僕は君の血を残すことはできない。
 ムーンブルクとサマルトリア、両方が朽ちる選択はできないよ……っ……」
この恋が本物だからこそ胸が痛くて。
君のために死ねたならいっそ楽になれるのに。
「国なんか捨てちまえって言えたら楽なのにな……俺だっていえねぇよ……」
ただ抱きしめることしかできなくて、この思いをとめることもできなくて。
「なぁ……俺はどうしたら良いんだ?何を信じて誰に従えば良い?」
幸せだったのは君を知ることができたこと。
悲しいのは君を愛してしまったこと。
「何だっていいんだ、俺に理由をくれよ……お前を忘れられるだけの……」
手を伸ばして青年の背をそっと抱く。
彼はこんなにも細い身体で自分を絶えず守ってくれた。
どんなときも怯むことなく自信たっぷりに笑う姿。
その青年が今、涙を殺して泣いている。
「前は良く笑ってたな……でも、あれからお前はぜんぜん笑わなくなった……あれも
 俺のせいだよな……」
恋は思いを押し付けるだけではどうにもならない。
互いに努力をしなければ維持もできない。
「君も……笑わなくなってたね……」
似すぎていたからこそ、苦しくて焦がれる。
いっそ鳥かごに閉じ込めてしまえれば楽なのに空を奪うことができないから。
ならばこの空を憎むことを選ぼう。
「好きだけじゃどうにもならねぇんだよな……」
その言葉は紛れも無い真実。
そしてたった一つの答えだった。





「嘘かもしれないよ?」
重なる唇に少女はそんな言葉を吐く。
一枚ずつ法衣が剥ぎ取られて、外気に肌が晒される。
月光の下狂いそうなこの思いを殺しながら青年は首を振った。
「嘘だって構わない。俺にとっては真実だ」
まだ癒えない傷跡を舌先で辿って軽く吸い上げていく。
柔和な肌に咲く小さな花は仮初の支配の証だ。
掌で、指先で、唇で。一つ一つ感触を確かめるように。
乳房に指がかかって先端に唇が触れた。
転がすように舌先が這い回って口中で吸い上げる。
その度に震える肩口を青年の腕が抱いた。

276:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/19 16:16:19 cy3HKQ9i
「……ぅ……ッ!……」
柔らかな乳房を揉み抱いて、形の良い口唇が乳首を嬲る。
舌先が離れるときにぬらぬらと光る糸が隠微に繋ぎとめようと足掻いた。
「……っは……あ……」
細い腰を抱いて窪んだ臍に小さなキスを。
なだらかな曲線を描く腹部で青年は手を止めた。
「俺は、ここに命が宿らなくても良いんだ。リトルが幸せだって笑えるならそれで」
子宮の上の皮膚に誓うような接吻をしてそのまま唇を下ろす。
「!!」
舌先が肉芽に触れて小突くように攻め嬲った。
びりびりとした刺激と奪われていく四肢の力。
「んぅ……あ……ッ!!……」
声を殺そうとして両手で口を覆う。
逃げられないように抱いた腰と溢れ出す愛液が青年の唇を濡らした。
唇全体で飲み込むようにして吸い上げればその度にびくびくと震える身体。
くちゃくちゃと響く淫音がこの身体が女だということをまざまざと実感させた。
「……ひ…ぅ……!!……ぅあ!!……」
きつく吸い上げれると一際大きく身体が跳ねた。
放心したかのように蕩けた視線とだらりと投げ出された細い腕。
はぁはぁと荒い呼吸と早まる脈拍。
「指……血、出てる……」
人差し指を舐め上げる舌先の隠微さ。
薄明かりが照らした彼の裸体はどこまでも綺麗で。
「痛い思いするくらいなら、声出したほうがいいぜ」
耳朶を噛まれて耳元で囁く低い声。
うなじに触れた唇の熱さ。
「んんっっ!!」
ぐちゅ、入り込む指先に声が上がる。
「あ、ヤダ!!やだっ……あ!!」
指の付け根まで飲み込まされて掻き回すように踊るそれ。
親指がクリトリスを押し上げるたびにびくびくと肩が揺れた。
亜麻色の髪がシーツの上で乱れ狂うその姿。
今までの人生で見た一番に妖しい絵。
「……ん…ぅ……」
舌先を絡ませて何度も何度もむさぼるようなキスを繰り返す。
重なった視線に少女が目を逸らせば青年は小さく笑った。
「そういや、ちゃんとリトルのこと抱くのって……初めてなんだな、俺」
額に触れる唇にそっと見上げる。
伸びた髪が頬に触れて優しい闇に変わった。
「月光が狂わせんじゃないんだ、その下にいる女が男を狂わせんだ、多分」
濡れそぼった身体を絡ませて脚を開かせる。
片足を肩に掛けて膣口に肉棒を沈ませていく。
「あ……ン……!!」
押し広げられる重量感とそれを絡め取ろうとする本能が交差して。
突き上げられるたびに感じる熱さとこのもてあます感情の行方が分からない。
ぬらぬらと光る愛液が太茎が出入りするたびに絡まってぐちゃぐちゃと悲鳴を上げた。
「やぁ……やだぁ……っ……」
否定するように何度も呟く。
その声を封じ込めるように降るキスがひどく優しい。
「嫌?」
覗き込んでくる赤紫の瞳が。
「……聞いて……どうするのさ……」
柔らかな緑の瞳に重なる。

277:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/19 16:17:38 cy3HKQ9i
「俺は嫌じゃないってことさ」
細い身体がきしむほど激しく突き動かす。
結合部から溢れ出す愛液は腿を濡らしてシーツへと零れ落ちた。
分かってるのは互いの身体の熱さとこの鼓動。
「あ、あ……う……!!…ッ!!」
ふるふると揺れる乳房と胸板が重なり合う。
身体の奥から生まれるじんじんとした疼き。
認めたくないと何度も何度も首を振った。
「あー……やべ……俺の方が先にイキそ……」
「……ふ…ぁ……?……」
「好きな女抱いてるってだけで、やばいのよ」
どこか泣きそうな笑顔の青年を抱きしめて唇を押し当てる。
とくん、とくんと重なる二つの心音。
「まだ痛い?」
「わかんないよ……そんなの……ッ……」
浮かんだ汗と上がる吐息が室内を染め上げていく。
じゅぷ、ぎゅぷ……繰り返される注入に身体は従順に反応するから。
「ああっっ!!あ……アぅ…!!……」
この腕の中で一枚ずつ剥がれて行く何か。
少しだけ無骨な指が髪を何度も愛しげに撫でる。
耳に、頬に、額に。降り注ぐキスに感じる優しさと暖かさ。
人を狂わせるのは紛れも無く人間なのだ。
「やー……あ……ぅ……」
小さな臀部を掴むように抱いて何度も何度も腰を突き動かす。
数え切れないほどのキスと眩暈がするような抱擁。
「……愛してんぜ……お姫様……」
傷付けないように自分を抱いてくれるのが分かれば分かるほどに苦しくて。
終わらない夜に堕ちて行く様にその瞳を閉じた。







重い身体をのろのろと起こしてぼんやりと月を見上げた。
「眠れないのか?」
細い肩を抱いて額に贈られるキス。
「煙草の匂いがするよ」
「これだけは止められないっていうか、寛容であってもらえると俺が嬉しいんだけども」
肌を染めて長い影を作る優しい光は、心の中までも染み込みそう。
海のそこで眠る小さな誰かの思いにも似ているから。
「もっと違った風に君と出逢ってたら、どうなってたんだろうね」
ぽつり、ぽつりとこぼれる言葉。
「君は綺麗だからきっと引く手数多だっただろうね」
「いーや、それでも俺はリトルに惚れてたと思う」
姿すら知らなかった少女に思いを馳せて、少年は男になった。
「ごめん……君の思いに応えられない……」
二つの国を滅ぼすわけには行かないと、少女は涙を堪えた。

278:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/19 16:19:23 cy3HKQ9i
何もかも捨てて逃げてしまうにはあまりにも重過ぎる互いの立場。
「王族の血は……絶やせねぇもんな……」
こつん、と触れ合う額。
「例え誰と一緒になっても俺はお前を愛してる」
「ありがとう……」
テーブルの上、小さく光るルビスの守り。
宝玉から光の粉が生まれて室内を一気に照らし上げた。
「な、何なんだっ!?」
「えええええええっっ!!??」
降り注ぐ光の雨。
『お疲れ様、二人とも』
浮かび上がる少女の姿。
『ま、これは俺たちからの気持ちさ』
その傍らの青年が、少女の掌に小さな木の実を乗せた。
「ご先祖様……これは?」
『命の木の実だよ。これを飲み込めば一度だけ命を宿すことができるの』
そして青年の掌には同じ形をした、もう一つの木の実を。
『こっちは自分の身体を元に戻すためのもんだ。どうやって使うかは任せるさ』
決断は自分で出すしかない。
『ま、いつまでも俺らもこうやっては出てこない。これが最後さ』
『もうあたしたちにも時間は無いみたいなの。だから、これをあげるね』
一番大事なものは一番近くにいて時々見失いそうになる。
砂が崩れるように消えていく姿。
「ご先祖様……っ……」
いつか、あの人のようになりたいと思い描いた遥かなる始祖。
「アスリア……」
「俺はこれは……要らない。リトルが持っててくれば良い……」




何度君を閉じ込めてしまいたいと願っただろうか。
それでも自由を奪った鳥はおそらく本当に自分が欲しがったものではなくなる。
君が思ってくれないのならばいっそ憎んでほしかった。忘れられないように。
それでも、君は優しいからいつも隣にいてくれた。





矢鱈滅多ら晴れた空。少年は何も言わずに天空への旅立ちを決めた。
「ローレシアはどうするのさ」
「もう戦争はおきねぇだろ。何かあったら空の上からどーん!で」
「君らしいね」
渡された書簡には少年の思いがひしひしと記されて。
間違いなく届けると少女はそれを大切にしまった。
「じゃあな、アスリア。しょうがねぇからリトルは譲ってやるよ」
銀の竜の背に乗り、少年は最後に一度だけ振り返る。
もう会えないと分かっているから一度だけだった。
遥か天空に還った竜神とロト。
歴史はゆっくりと動き始めた。

279:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/19 16:20:16 cy3HKQ9i
海賊たちは商用として海上都市を作り始める。
サマルトリア、ムーンブルクともに力を注いだ。
「にーさま、いつアスリアさまとご結婚なさるのですか?」
妹の問いにリトルは声を詰まらせた。
「け、結婚なんてしないよ」
「でも、にーさまがご結婚なさらないうちはアレックさまが私と一緒にはなれないと毎晩
 手紙を送ってくるのです」
その名前にリトルは苦笑する。
腑抜けとアスリアに称されたデルコンダルの若き王は、サマルトリアの姫君に恋をした。
あの戦いはそれぞれに違った形の花を咲かせたのだ。
「僕のことは気にしなくてもいいんだよ、レム」
静かに自室に戻って、机の引き出しを開ける。
そこに転がる二つの木の実を見ては何度ため息をついただろうか。
掌の上で転がる二つのそれ。
「あ、やっぱりこっちだったか。妹姫に聞いたらどっかいったっていうから」
「やあ、アスリア」
深紫の木の実を取って、光にかざす。
「…………使うのか、それ…………」
それは自分との完全なる決別の儀式。
「!!」
少女は窓からそれを力一杯に投げ飛ばした。
「……リトル……」
「だからといって今すぐ君とは一緒にはならないよ!!まずはあのデルコンダルの男と
 サシで勝負してからだ!!妹は渡さない!!」





それからどれだけの年月が流れただろう。
サマルトリアには女王が正式に即位した。
亜麻色の髪を綺麗に切りそろえ、腰に携えた美しい長剣。
魔法国家サマルトリアに相応しい美しい君主の誕生だった。
「父上、先日ムーンブルクでもアスリアーナが即位したそうです」
「そうか。世代交代だな」
「ええ。なので、正式に婚姻を結ぼうと思います」
二つの国の間に結ばれた小さな思い。
それは世界を変える魔法だった。




ドレスの組みひもを結ぶのは青年の指先。
「僕は君と違って、こういうのは着慣れてないんだ」
「俺だってこんな服きたことねーよ。男やってるほうがなげーんだから」
国を挙げての婚儀は三日三晩に渡ることとなる。
テラスから笑顔で手を振る二人を優しい光が包み込む。
「……お姫さんとアイツからの祝福だな」
「うん……そうだね……」
夢のようなお話はまだまだ終わらないと青年は笑うだけ。
ゆっくりと動く歯車の音など聞こえなかった。
「すげー綺麗だよ。俺のお姫さん」
「王子なんだけどねぇ、これでも」

280:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/19 16:22:01 cy3HKQ9i
時折デルコンダルから届く手紙に、目を細める。
「妹姫、いじめられてねぇか?あいつ性格悪いから」
「どうかな?君も良い勝負だと思うけれども」
膨らみ始めた下腹部に感じる違和感と重み。
「俺もとうとう父親か。なんていう幸せ」
「馬鹿なこと言ってないで早く書類完成させて宦官に渡して」
良くも悪くも年をとったと女は笑う。
戦友の一人は先日、海に還ったらしい。
最後まで海賊として生きた彼女の意思は小さな命が引き継ぐだろう。
「アスリア」
「んー?」
「その……風邪引くから、あんまり無理はしないで」
「素直じゃねぇな、おれのお姫さんは」
いつまでも彼は彼女を恋人として扱うと誓った。
そのままのありのままの少女を愛したのだからと。





緩やかに時間は流れ行く。
老いには逆らえず、女は病で床に伏した。
「……アスリア……」
少しだけ皺の出始めた手を握る男のそれ。
「僕は……幸せだったよ。君やみんなに出会えて……」
言葉一つ呟くだけで、彼女の命は削られていく。
「ああ……俺も、お前に会えたことが一番の幸せだ……」
二つの国は一つになり、その名を変えた。
いまやこの二人を笑うものも揶揄するものもいない。
「君の事を愛してる。これからもずっと……」
それが最後の言葉だった。
眠るように消えた命を受け取るかのように流れる星たち。
国を挙げての葬儀の間、涙を零さぬ民は誰もいなかった。
それほどまでに彼女は愛されていた。
「リトル、俺も幸せだった。お前のいない一日なんて俺にとって必要ないんだ」
父王と言われた男はその数日後に、静かに息を引き取った。
彼女の後を追いかけるように。
新たに即位した皇女は二人のことを思い出すたびにこう加えていた。
「父は母のこと一度も母さんとは呼びませんでした。その代わりに名前で呼んだり、
 お姫さんと呼んだり。いつか、私も二人のような恋をしたいものです」
二人の愛を受け継いで、皇女は世界を飛び回った。
そのうちに出逢った一人の青年と恋をして。
空を泳ぐ船に乗りながら。

281:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/19 16:23:30 cy3HKQ9i




――――そして、それから千年の月日が流れた―――









「ばあや、なんでこのお姫様は王子さまなの?こっちは王子様がお姫様だよ?」
子供の問いに老女は苦笑した。
「アリーナさま、このお二人はサントハイムの始祖たるお方。アリーナさまのご先祖
 さまにあたる尊きお二人です」
「ブライはあったことあるの?僕もあってみたいよ!!」
アリーナというなの王子は誰に似たのか腕白で城中を走り回る。
その仕付け係として座するのがこの魔道師であるブライ老女だった。
「いえ、私もあったことはございません」
「でも、このお姫様とっても綺麗だね。僕もこんな人をお嫁さんにしたいな。ちょっと
 クリフトにも似てるしね!!」
少年の手を引いて、老女は二人の絵画を見上げた。
若くして夭折した二人の死後、サマルトリアとムーンブルクはその名を「サントハイム」と変えた。
「アリーナさまがもっと大きくなったらこの二人のことを教えて差し上げますよ」
「本当!!楽しみにしてるね!!」




繰り返される歴史は、いつも悲劇を生み出してしまう。
天空に住まう竜の血を持つ少女は、人間と恋をした。
生れ落ちた命だけを残して天に連れ戻されて。
竜神だけは少女を責めることは無かった。
自分の祖となった竜もまた、人間を愛したのだからと。





光と影は密接でどちらも一方だけでは存在できない。
「ロザリー、身体の具合はどう?」
銀の髪を揺らして、少女は青年のそばに佇む。
「ピサロ、お願いだから人間を滅ぼすなんて考え直しておくれ。僕はもう気にしてないから」
ピサロと言う名の少女は魔界に君臨する正当な皇女。
妖精族の青年のロザリーと悲しい恋に落ちた。
「ロザリーは何も気にしなくていいの。私が戦う」
「僕は……ただ君と幸せに二人でいられればそれでいいんだよ……」
真っ赤な月が上る夜。
甘い甘いキスを二人で交わした。

282:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/19 16:24:04 cy3HKQ9i
王宮に住まう女戦士は神隠しの究明に駆り出される。
ライアンという名の女は長剣を物ともせずに魔物を切り倒していく。
「東の空が燃えるような色……何も無いと良いのだけれども……」
胸騒ぎとざわめきを殺して。
ただ生まれ来る不安を消し去るために何度も頭を振った。




モンバーバラでは二人の兄弟が静かに身を潜める。
錬金術師だった父は弟子の裏切りによってその命を失った。
「マーニャ兄さん、東の空が……」
「だな。やばめな感じはしてっけども……」
双子の弟のミネアは水晶を覗き込んでため息をついた。
「そろそろ潮時か」
「うん」
旅立ちを決める何かを探していた。
それが今になっただけだと青年は小さく笑った。





「レイチェル……ここから出ちゃだめだよ、絶対に」
少年は少女を抱きしめて、そっとキスをした。
「シンシア!!待って!!」
「僕はこの日のために生きてきたんだ。良い?君は唯一つの希望なんだ」
少年は石扉を封じて外へと飛び出していく。
明日への光である血を守るために。
それが最後の別れであっても。




壁を蹴り破って、王子は今日も外へと飛び出していく。
それを追いかけるのは老魔道師ブライと女神官のクリフト。
「ブライさま、アリーナ様は活発ですね」
「あれでロトの血を引かれるお方なのだが……私の育て方が間違ったのか……」
「聞かせてくださいませんか?ロトのお話を」
それは導かれし者たちの物語の序章。
遥か昔の恋のお話。




君と出会えて幸せだった。
この旅に出れたことはきっと運命だった。

283:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/19 16:30:16 cy3HKQ9i
以上です。これでDQ2終了になります
途中戦線離脱させてもらいましたが、無事にここに最後を投下できてよかったです
いろいろありましたが自分の文章の基盤を作ってくれたこと、
そし完結まで持ってこれたこと。
たくさんの「名無しさん@ピンキー」に育てられたんだなぁと書き終えて思った次第です

死にネタ、BADENDといろいろ考えましたが自分なりのDQ2にしたかったのでこの形に決めました
せめて最後くらい幸せにしたかった

書き手のエゴ、といえばそれまでですが自分にとって先天的女性化でない後天的女体化の最初のSSです
3年弱書いてきたこの三人と諸々。どうにかして全部詰め込みたっかのが本音です


たたかれて育ちました。んでもやっぱり落ち込みます。ほめられりゃうれしい(゚▽゚*)



初期から見てくれた人も含めてみんなにありがとう、です

284:名無しさん@ピンキー
07/03/19 18:42:01 POm2YXpR
>>271-283
GJ!!

285:名無しさん@ピンキー
07/03/20 01:31:59 HSd3xwEk
>>283
無事完走おめでとうございます。私も楽しませて頂きました。

286: ◆uwAbBDdOYE
07/03/20 23:20:14 Ng6XoaP8
<<271
GJです!!!!
元ネタを知らないのですが読ませていただきました。
儚げで美しい感じが女性っぽい文章だな(271氏)とか生意気にも思ってしまいました。

287:アイシールドでお邪魔します
07/03/20 23:22:00 Ng6XoaP8
(ミスりました↑の投稿と同一人物です。)

GJありがとうございますーーー!!
本編を知らない<<265のような方にまで読んでいただけたなんて、嬉しいなぁ、
重ね重ね感謝です。
ちなみに原作のほうの進 清十郎を簡単に言いますと
指立て伏せが出来たり樹海で遭難した際イノシシを素手で倒したりっつう寡黙なとんでも高校2年です。

それと最後の分岐話をということで折角皆さんにリク頂いたのに、出来上がった段階(下書き)で全て消去してしまいました。
また1からっていうと時間がかかるものですから、何時up出来るか分からないような物をupすると約束したくありません。
なのでごめんなさい、このお話しはこれで完結です。
また次の話で楽しんでいただけたらなと思います。

<<262 ごめん、そのシュチュは思い浮かばない! (でもオモシロそうなので、書いてくれる方を待ってみる)
<<264 二穴姦……最後まで無かったですね、書いた俺も驚きですw 
<<263 <<265 <<268 俺には勿体ないお言葉です。ありがとうございます・・・
<<270 凄い疑問を持ってくれたあなたにモエ
    そうです。ご指摘してして頂いた通り原作のセナを見てもハァハァ出来ちゃう人です。
    原作を、キャラを崩さず下品(爆)なエロをと意気込んでるので最っ高の褒め言葉です。

文章に起こすなんて作業初めての事だったのですが、最後までとても楽しく書かせていただきました。
それも読んでいただいた皆さんのおかげです。
自分の書いたものはまだまだ小説とは言えるようなものでは無いのですが、自分なりの書き方で皆さんに楽しんでいただけたら
という思いは確かです。
こんな未熟者ですが、良かったら書ける場所を与えてやって下さい。

288:名無しさん@ピンキー
07/03/20 23:49:52 szx2St/a
>>287
270です。
気分を害さず答えてくれてありがとう。
モエなんて言ってくれて恐縮です。
>ご指摘してして頂いた通り原作のセナを見てもハァハァ出来ちゃう人です。
・・・仲間だな!(にやり)
287の書くセナが大好き。
また、読める日を気長に待ってる。



289:名無しさん@ピンキー
07/03/21 08:29:35 Uu28gX6F
>>287
支援する。次回作楽しみにしてる。

290:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/21 20:40:00 iKrVB0qh
レスありがとうございます。
のんびりとまた何か書いて投下できればと思いますミ゚∀゚*彡


またよろしゅうにおねがしいます

291:名無しさん@ピンキー
07/03/23 13:18:32 Y6GvDwgU
定期age
ご利用はご計画的に

最近ageてくれる人多くて困らないです^^

292:名無しさん@ピンキー
07/03/23 18:33:22 sswjbmrg
ミッドナイトブリスって便利な技だよな・・・

293:名無しさん@ピンキー
07/03/24 03:32:56 d7KJd6TH
>>290
次は最後に出てきたDQ4ものがいいです!
ライアン姐さんとクリフトちゃんに萌えた

294:名無し
07/03/24 11:12:04 +enJcQ1e
嫌な方はスルー願います。
のだめの峰×女体化千秋ものです。
(千秋はちゃんと指揮者です。オケの女性指揮者も実在するので。)

~雨天の偶然~

「ぐえええ~~。気持ち悪ぃ・・・・。」
「考えもせず飲むからだろうが!」
酔いつぶれた峰を支えつつ、晴れてR☆Sオケの指揮者となった千秋は、暗い路地を歩いていた。
余り人通りがなく、街灯だけが道を照らしている。
峰の実家・裏軒にはまだ遠い。
(第一なんで私が・・・。)
千秋は内心毒づいた。
さっさと帰ってしまった、R☆Sのメンバー達が恨めしい。
真澄に頼ろうとも思ったが、彼(女)も泥酔しきっていて、負担が増えるだけなのでやめた。
酔っ払い二人の面倒を進んで看てやるほど、千秋は優しくない。一人で充分なのだ。
自分のマンションが見えてきた。もう少しだ。
そう思った瞬間、空から滴が落ち、あっという間に道路を濡らした。
「げっ!」
そういえば今日の朝の天気予報、夜から雨が降るとか・・・。
最悪だ。
仕方がなしに、千秋は峰を自分の部屋に入れたのであった。


濡れたブラウスやズボンを洗濯機に放り込み、さっさと着替えた千秋は、台所に行った。
コップに水を注ぎ、ソファの上で屍と化した峰に出してやる。
「ほら。飲めるだろ?」
「ぉぉ・・・。」
危なっかしい手つきでコップを受け取り、峰は一口飲んだ。
「ここで吐いたら即蹴りだすぞ。」
本気である。
聞いているのかいないのか疑わしい返事をした後、峰はトロンとした目で千秋を見つめた。
「・・・?」
千秋も何なのかわからず、しばしの間沈黙が続く。
「千秋ってさ・・・・・・。」
沈黙の後、峰がようやく口を開いた。
「・・・・・・美人だよな。」
「・・・は?」
一体何だ、今更。
そう言おうとした時、千秋は峰に抱きしめられていた。

皆様の反応しだいで続きます。


295:名無しさん@ピンキー
07/03/24 15:47:13 jB2QgZOR
峰…!まだか(*´Д`)ハァハァ

296:名無しさん@ピンキー
07/03/25 19:37:00 VcJxo+W8
>>294
元ネタガわかりません

297:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/26 12:03:21 xnE6v036
デスマスクと女シュラとか投下しても大丈夫だろうか

298:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/26 12:04:46 xnE6v036
書き忘れ。
ライアン姐とクリフト娘好きな人がいてよかった。
ある程度ネタがまとまったら短いのやってみます
自分で考えてたのはピサロナイトと女ピサロとかそんなもんだったので

299:名無しさん@ピンキー
07/03/26 12:44:20 FuLPJWl6
>>297
大丈夫。少なくともおいらは受け取るよ。

300:名無し
07/03/27 17:22:26 gMue0nRh
急に抱きしめられ、千秋は勿論のこと抵抗した。
だが酔っているせいで加減をしていないのか、峰の力はかなり強い。
「おいコラ!何してんだ馬鹿!」
殴るぞ、とか、オケをクビにするぞ、と言っても、峰は千秋を抱く力を緩めない。
今だけ千秋はのだめの到来を待った。
だがのだめは今、ハリセンこと江藤先生の家で猛レッスン中だ。
ならば真澄、とも思ったが、バーでの様子を思い出し、考えを打ち消した。
「千秋・・・いい匂い・・・。」
千秋の心情も露知らず、峰はというと千秋の首に顔をうずめていた。
おまけに手は腰にあり、「細いな~~」とか言っている。
「アホかぁっ!どけ!この手放せ!」
ジタバタする内、二人の体のバランスが崩れ、床に揃って倒れてしまった。
・・・峰が千秋を押し倒す格好で。

ヤバイ。これはヤバイ。
誰かに見られたら、間違いなく変な誤解は免れない。
どかそうとするものの、峰の体重が重くて無理だ。
ふと、峰と目が合う。
さっきよりも、ほんの少しはっきりとしてきた目。
「おい、み――」
峰、といいかけた言葉は、峰が千秋に口付けたことで遮られた。
あまりにも突然のことに、千秋は目を白黒させた。
おまけにあろう事か、舌まで入れてきた。
「んっ!・・・ぅ・・ふ・・・んぅ・・・」
息が苦しい。
何とか逃れようとするものの、頭が酸欠でクラクラしてきた。
何とか退かさないと、と思う傍ら、今のコイツはのだめ以上の変態だな、とどこかで現実逃避していた。
峰がようやく唇を離し、千秋を見つめた。
千秋は何度も咳き込み、峰を睨み付ける。
「・・・・ゴラ峰。大概にしないとオケ辞めさすぞ。」
―――普段ならば。こんな状況で無いなら。
この台詞を発した千秋の後ろには、いつかのSオケの練習の時みたいに背後に
魔王様なり閻魔大王なりいるはずだ。
だが今の千秋の姿は、峰に押し倒され、顔を赤く染め、目尻に涙がついている状態。
この色っぽい姿を見て、やめられる健全男子などいない。
峰自身も、己が高ぶっていくのをはっきりと感じ取った。


301:名無しさん@ピンキー
07/03/28 14:18:25 BFN/ZRs6
>>300の元ネタ誰か教えてくれよ

302:名無し
07/03/28 15:14:02 vDs51pNF
>301さん
元ネタは、「のだめカンタービレ」です。

303:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/28 21:06:40 dcYd1ilK
投下します。
聖闘士星矢、デスマスクと女シュラです。
NGワードはトリップで。

304:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/28 21:07:31 dcYd1ilK
◆新説逆転恋愛論◆





なんともなしに俺とシュラはそんなに悪い関係じゃない。
けれども付き合ってるかって聞かれればそうとは言い切れないわけで。
キスも普通にできるし、セックスだって普通にやってる。
けれどもシュラから俺への気持ちなんてものは聞いたことはないのかもしれない。
同期で聖域に入って、なんとなく気になる存在っちゃそうだった。
ほそっこいのにエクスカリバーなんて技持ってて。
スパニッシュブルーの瞳と真っ黒な髪。
やけに括れた腰とか初めて触ったときには正直びびった。
ほかの女聖闘士はみんな髪伸ばしてる中シュラだけは伸ばしてない。
けど、俺から見てもシュラは短い髪のほうが似合うし色っぽいと思う。






「私の爽やかな朝をぶち壊しにきたのか?デスマスク」
額に浮いた汗とか拭う指先も、ちゃんと見ればすげえ手入れされる。
ネイルとかアフロディーテはごてごてとするのが好きらしいが、俺はシュラみたいに
綺麗に形を整えてるほうが好きだ。サガの趣味は俺にはわからん。

305:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/28 21:08:18 dcYd1ilK
「んなわけねぇだろ。普通にきただけじゃねーか」
「悪いけども今日は遊んでやれないよ。買出しに行くから」
おい、何だよその扱い。
俺は近所のガキか?あん?
「じゃあ、荷物持ってやるよ」
「やだ。あんたの場合見返り要求が大きいもの」
そりゃ、男だったら下心の一つくらいもつだろうよ。
それでなくとも相手が美人ならばなおさらお相手願いったいってもんさ。
「んだよ、その言い方」
「私だって聖闘士だ。荷物くらい自分で持てる」
だから、そのジャケットいつ買ったんだよ。俺見たことねぇよ。
ブーツは知ってるけども、あとそのバングルもしらねぇ。
「じゃあ、私行くから」
「待てよ、俺も行くって。第一小麦とか担ぐ女なんて怪しい以外のなにもんでもねぇよ」
こいつは忘れがちだが、軽々と小麦の入った袋を担いだり驚異的なジャンプは普通の女の
やることじゃない。
まぁ、ムウなんかだったら別に違和感もないんだろうけども、たまには理由つけてくっついていたい。
「そういわれればそうかもしれないけども……」
カミュみたいに爪が長けりゃ折れるからって理由もつく。
でも、それはシュラには通用しない。邪魔になるからって伸ばしやしねぇ。
「たまには良いか。本当に荷物持たせるよ?」
「ああ。まかしとけって」
了解取れれば理由は兎も角万事OK。
さて、たまにゃ楽しくデートと決めますか、シュラさんよ。





野菜やら果物やら買い込むものは尽きることがない。
女ってのはどうしてこうも買い物が好きなんだか。
言ってるそばからまたトマト見てるし。おい、それ赤すぎねぇか?
だからパン屋の男と仲良く話すなって!!

306:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/28 21:08:52 dcYd1ilK
「ちょっと」
「あ、んだよ」
「ブロッコリーとカリフラワーどっちが良い?」
それ、緑か白しか違わねぇんじゃねぇの?
「なんで俺に聞くんだよ」
「ほかに聞く相手がいないからだよ」
待てよ、こんくらいで怒んなよ。綺麗な顔がきつくなるぜ。
じっと見つめてくれんのは嬉しいけども、もっと違うときに見てくれよ。
「白いほう」
「そ」
手早に金払って、またその次へ。マジで荷物もちじゃねぇかよ。
そんでも近場でも、こうやってこいつと街に出るなんてほとんどない。
「なぁ」
「何?」
「アフロみたいにミニスカートか穿いたら似合うんじゃねぇの?」
俺の言葉にシュラは何なんだ?って目をした。
別に脚が太いわけでもなけりゃ、体つきが悪いわけじゃない。
むしろ男だったら一度は抱きたい良い身体してんだからさ。
乳だってでかいし、形の良さはシャツの上からだってはっきりわかる。
腰だって細いし手足だってすらっとしてて見惚れちまう。
「脚とか綺麗だろ」
「……ありがとう。でも、好きじゃなくてね。ロングはダンスドレスで慣れてるけども
 短いのはどうも落ち着かなくって……」
そうやって笑うとまだ俺たち十七だって思い出すよな。
俺よりもシュラはずっと大人っぽく見えて、まぁ、アフロがガキ臭さ満開だからか。
「重くない?」
「あ?俺様を誰だと思ってんだよ」
チラッと投げてくる視線とか、何気ない仕草とか。
俺は多分こういう女が好みなんだろうな。





山羊座の聖衣箱を担いでやってきたのは細身の少女。
地図を片手に聖域の入り口でうろうろ。

307:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/28 21:09:36 dcYd1ilK
(多分、ここであってるはず。間違いじゃないはず……っ……)
不安げに視線を落として、師匠からの手紙をもう一度開いた。
「ん?もしかして山羊座の聖闘士かな?」
朗らかな声に視線を上げれば岩の上に二人の少女。
短く切られたブロンドが太陽に透けてきららと笑う。
まだ少し幼い少女を小脇に抱いて、女は大地に降り立つ。
「私は射手座の聖闘士、アイオロス。こっちは妹のアイオリア」
姉の後ろに隠れながら、アイオリアという名の少女が見つめてくる。
「はい、山羊座の聖衣を授かりましたシュラと申します」
「ようこそ、聖域へ」
人馬宮は少女の住まう磨羯宮の隣。何かを相談したりするうちに尊敬の念が生まれた。
射手座の女は気さくで誰からも愛される。次期教皇候補にすら名前が挙がるほど。
本人は「面倒なことは嫌い」と笑っては双子座の男を悩ませる。
尽きる日まで、朽ちる日までただひたすらに進もうとする姿。
聖衣は誰かを守るためのものと幼い妹に言い聞かせて。
その彼女が聖域に謀反を起こすなどとは信じられなかった。
だからこそ、追撃者として名乗りを上げた。
本当のことを聞きたくて。






「おい、大丈夫か?」
「あ……うん……ちょっと昔のこと思い出してた」
なぁ、憂い顔ってのはものすごくお前の場合色っぽいんだぞ。
うっかりそんな表情で歩いてたら何が寄ってくるかわかったもんじゃねぇ。
「オロスさんのこと思い出してた」
「……………………」
あれは不幸な事故だったんだよ。お前が名乗らなきゃ俺が行くつもりだった。
まるで姉妹みたいだったんだ、何でお前が行ったんだよ。
「私の行動は正しかったのだろうか……もっと、もっとあの人と一緒に居たかった」

308:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/28 21:10:19 dcYd1ilK
あの日から数日間、酷く塞ぎ込んで誰にも会わなかった。
泣きはらした顔と荒れた磨羯宮は見てるだけできつかった。
みんな知ってる。お前が本当にあの人を尊敬してたことを。
「考えんな。アテナ篭絡は立派な犯罪だ」
「理由もなくあの人はそんなことをしない!!」
「こんなとこで言い争ったってアイオロスは生き返りゃしねぇよ」
気まずくなったら煙草に逃げちまうのは俺の悪い癖だ。
でも、俺の吸い刺し奪うのはお前が辛い時の癖だって気付いてんのか?
「わかってる。わかってるけど……」
ああ、そうだ。あの女の命日が近いんだ。
反逆者の汚名を背負った女に花を手向けるのはお前と妹のアイオリアだけ。
それでも一人ではないと笑うんだろ。
泣きそうな顔しても絶対に泣かないお前がさ。
「飯でも食ってくか?」
「え……うん……」
こういうときにどんな言葉をかけたらいいかわからねぇ。
お前にとっての俺は何なんだ?
な、スペインの空って世界で一番綺麗なんだろ?
その空の下で笑ってたはずのお前がそんな顔すんのが俺にとっては一番辛ぇよ。
「笑っとけよ。そのほうが似合うから」
「普段そんなこと言わない癖にね」
意志の固そうな唇にメンソールの煙。
いつからだろうな、俺とお前の煙草の銘柄が一緒になったのは。
「そういえば、あんた背伸びた?」
あ?身長?んなのお前とほとんどかわんねぇよ。
でも、なんかちょっとだけでも見上げてもらえんのは男としちゃ嬉しい。
「どうだかな。俺はサガみたいな色男じゃねぇから」
「あんた、サガと比べること自体が間違ってるよ……」
そのあきれ果てた顔は何なんだよ!?俺はそんなに情けない男か?
あれくらい身長あったら良いとは思うけどよ、それって普通いわねぇだろ。
「そのうちもっと伸びんじゃないかな?」
「あったりめぇだろ」
ようやく笑ってくれてなんつーかほっとしたって言うか……。
な、シュラ。黄道十二宮ってのは太陽の通り道。
だったらそこにいるんだから笑ってくれよ、スペインの空に輝く太陽みたいにさ。





ふと思うのは、こいつ聖闘士になんなかったら何やってたんだろう。
フラメンコとか踊るからやっぱそういうのなんだろうか。
料理だって下手じゃないし、気が付きゃ巨蟹宮も掃除してくれる。

309:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/28 21:11:14 dcYd1ilK
「何見てんの?」
「んー、聖闘士やってなかったらお前って何になってた?」
うわ、このワイン結構きついな。勘だけで選んで失敗した。
色は良いんだがそれ以外のとりえがねぇ。
「そうだねぇ……踊り子かなぁ……そういうあんたは?」
俺なんていいとこその辺のチンピラだろうよ。
「私の予想は、あんたは真面目に学生やってたと思うよ」
「は?」
「私の家って結構貧しくて。踊り子は手っ取り早くお金稼げるから」
でもそれはお前……身体で稼ぐってやつだろ。
目当ての踊り子に大金貢いで抱いてるやつなんて腐るほどいる。
「聖闘士にならなくて、もう少し自由になるものがあったら、そうだな……私も
 学校にちゃんと行って勉強をして……」
でもよ、聖闘士になってなかったら俺はお前と出会ってないわけで。
これってのは俺にとってはすげぇでかいことなんだけども。
「ま、聖闘士になったから我が家には補助金いったはず」
「……お前、命がけで……」
「大事なものは真剣に守んなきゃ。指の隙間からこぼれてくのよ」
そんな風に笑うなよ。どう返したらいいかわかんねぇだろ。
意外と長い睫も、薄くて形の良い唇も。
銀色のフォーク咥えてるだけでも十分エロいし、やばい。
パスタ舐め取るよりかさ、もっと楽しいことしようぜ。シュラ。





唇って名の付くものは旨いもの食うのとエロいことするためにある。
ちょっと苦しそうにしながらしゃぶられんのとかは気持ち的にもりあがっちまう。
「ついでに挟んでくれよ」
張りはあるけども柔らかい乳ってのは身体がある程度鍛えられなければ無理な代物。
舌と口唇どっちも使ってってのはさすがに気持ち良い。
こういう時のシュラは普段よりもずっと女っぽい。

310:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/28 21:11:48 dcYd1ilK
「もう良いから……後ろ向けよ」
そういえば、俺とシュラはセックスの最中ってあんまりキスしねぇ。
「!!」
ちっちゃい顎押さえつけて舐めるようなキス。
そんなに驚いた顔しなくたっていいだろ。
「……ふ、ぅ……ッ……」
舌同士が絡まってぴちゃぴちゃと音を立てて。
俺の親指軽く舐めて離れる口唇がなんか濡れてるから。
でもお前……誰にそれを教え込まれた?
知らない顔が時々ちらつくのは嬉しい反面やっぱりむかつく。
だから結局俺は後ろ向きでこいつとやっちまうんだろうな。
「ア!!」
甲高い声と甘えるような声色が混ざり合う。
揺れる乳房を掴んで後ろからぶち込むとその瞬間に腰が逃げようとする。
十分に濡れてっから挿入るぶんに痛いとかはないだろうけども。
唇開かせて今度は中指しゃぶらせれば素直に舌を絡ませてくるってのさ。
誰なんだろうな、こいつを開花させたやつは。
見つけたら冥界波食らわしてぶっ殺す!!
「……うー……や……!…ッ…」
突き上げるたびにこぼれて来る愛液が俺とシュラの間でぐちゃぐちゃと音を立てる。
小刻みな呼吸と揺れる乳房。
あー、チクショウ。俺はこいつに多分惚れてんだよ!!
腰を掴んでひたすら後ろから犯すように何度も何度も俺も腰を振る。
首に噛み付いて、キスマークなんて可愛いもんじゃないブツ刻み付けて。
「あ!!……うぁ、ン!!…アあっ!!」
お前がやってるときに俺の名前を呼ばないことも。
ぬるぬるになった指でクリトリスを弄ってやればいっそう締め付けてくるってのも。
「ああアッッ!!!!」
やべ、いつもだったら一緒にイッてた……。
崩れ落ちるシュラの背中の線を舌でなぞると、それだけでも肩が震えた。
俺、お前がどんな顔でイクのか知らねぇ。
「!」
ひっくり返して顔を覗き込んだら物凄く驚かれた。

311:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/28 21:12:32 dcYd1ilK
「…ちょ……待て!!待って!!」
まだ硬くなったままの乳首を軽く噛む。
目尻にたまった涙とかそのままにして、左右を交互に舐め嬲る。
「…っは……ん……ッ…」
そんな色っぽい顔してたか?お前。
両手で口を覆ってまで声なんか殺そうとして……そんなに俺に聞かれるのは嫌なのかよ。
だから手首ごと押さえつけて噛み付くようなキスをかました。
「お前ってそういう顔すんのな」
「!!」
飛んでくる手刀を受け止めて手首に吸い付く。
こいつが本気だったら俺の首なんか簡単に飛ぶ。
「イッたばっかりでもう一回って、良いだろ?」
「……後で……ッ……」
脚開かせて、今度は珍しく正常位で。
喘ぎ声と吐息が混ざりあうからこういうのっていいんだろうな。
何よりも顔見れるし。
「んぅ……っ……」
何度も繰り返すキスは俺だって嫌いじゃねぇ。
「後でなんだよ」
「……殺す……ッ……」
んな蕩けきった表情(かお)で言われても死ぬ気配なんてまったくねぇし。
ぐちゃぐちゃと聞こえてくる音が嫌でも盛り上げていく。
「や……アぅ!!あ!!」
何で……泣きそうな顔すんだよ。
手が伸びてきて、俺の頬に触れて。
世界で一番やばめなキス。
抱きつかれて初めて気づいた。こいつの体は細すぎる。
強さと希薄が鎧になって全部隠してただけだったんだ。
しがみつく様にして俺の背中をぎゅっと抱いてくるこの腕の細さ。
紛れも無く女じゃねぇか。
心臓の音。耳に掛かる息。切なげに顰められる眉。
なぁ、お前を最初に抱いた男に嫉妬するぞ。
「……ぁ…ん……」
半分泣きそうな顔で俺に抱かれてんのは不本意か?
こんな風に抱き締めあうことも今まで無かった。
「……シュラ……」
唇の端を舐めて、そのまま舌を絡ませた。
腕の中できれいな顔が歪んで力が抜けていくのを見ながら、俺も同じようにこいつの中に吐き出した。




いつもだったらどっちとも無く煙草に手ぇだせる。
でもって、今俺が考えてるのは腕の中のこいつをどうするか。
こんな風に身体を預けられたことなんか今まで無かったってのがさ。
だから柄にも無くこいつの髪とか撫でたりして。
あ、意外と柔らけぇ……うん。

312:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/28 21:13:18 dcYd1ilK
「な、大丈夫か?」
「……ん……」
俺の胸を押しやって、のろのろと身体を起こす。
どうしたら良いか分からなくなって俺も起きる事にした。
ついでに煙草に火を点ければ隣から手が伸びてそれを奪う。
「大して美味しい物でもないのにね」
咥え煙草の横顔がこいつは綺麗だ。
なぁ、誰のこと考えてんだよ。
「お前っていつから煙草吸ってんだよ」
「聖域(ここ)来てから。初めて覚えたのがこれ」
女が吸うにはきつめのメンソール。ああ、前の男の名残な。
「綺麗な髪だよね。銀色で」
ああ、俺か。綺麗って言われたって男だからなんとも言えねぇっていうか。
そんな視線で見上げんな。
明らかに俺に誰かを重ねてるだろ。
「あー、ムカツク」
「あんたいつも世の中にむかついてない?」
「誰見てんだよ、お前。俺じゃねぇだろ」
ほんの少しだけうつむいて視線が投げ出される。
だからそういう表情されるとどうしたらいいかわからねぇんだ。
なぁ、俺はお前にとっていったい何なんだ?
「うるさい。あんただって私のことなんか単なる人形みたいに抱いてるだろ」
「あ!?俺はお前のこと好きだって前から言ってんだろ!!」
「弱い男は好きじゃない」
とどめの一撃、脳天直下確実死。
「でも、置き去りにする男はもっと好きじゃない……ッ……」
両手で顔を覆って、涙を隠す。
声を殺す癖はこうやって泣き声を消してたからなんだって気が付いた。
「俺だったらしつこいくらい追いかけるぞ」
まだまだお前と心の距離は離れてるよな。
後ろから抱きしめて泣き顔見ないようにするくらいしかできねぇ自分に一番ムカツクんだ。

313:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/28 21:14:45 dcYd1ilK
「知ってる」
今日だけ。今日だけ限定だ。
「誰だよ、お前をそうやって泣かせんのはよ……」
大人になれ、心を広く持て。何がきても動揺するな。
「……言えるわけないでしょう……」
こんなにほそっこくて肌も柔らかくて。
抱え込むことが多すぎんのにまだ何か隠してるってのもさ。
「だからお前は俺の名前呼ばねぇ」
「そうじゃない。そうじゃない……」
だから、両手でこいつの目を覆った。
「誰も見てねぇ。誰も居ねぇよ」
「……ただ、もう一度会いたいだけ……あの人に……」
一つ一つ、区切られる言葉。
「……カノン……」
おい待て!!ちょっと待て!!マジで待て!!
でも、でも、今日だけは俺は何もいわねぇぞ。
飲んで泣いて抱かれて忘れちまえ、そんなやつ。





「これ、まっず……」
相変わらず俺の煙草をこいつは奪い取る。
「きっつ……苦手かも……」
けほけほと咳き込んで、読みかけの本で扇ぐ姿。
「別に銘柄変えただけだぜ?文句あんなら自分の吸えば良いだろ」
「これに慣れるしかないんだろうけどね」
おい、ちょっと待て。それってどういう意味だ?
意味深な視線と深読みさせる言葉だったら俺は確実に乗るぜ。
「ほら、だらしなくしない。ちゃんと片付けろ」





なあ、俺は諦めはめちゃくちゃ悪いぞ?
そんで俺の明日はどっちなんだよ!?

314:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/28 21:17:11 dcYd1ilK
おわりっと。

いや、今までは原作とかアニメとかそうなんだけども脳内でちょっと変換しながら見てたんですよ。
ええ、ハーデス十二宮編借りてきて、アイシールドさんの「原作でも(*´Д`)ハァハァできる」を体験しました。
このDVDやばいですね。しかも絵柄がエロい。
さて次書こう、次と思わせる何かがありますね(゚▽゚*)

315:名無しさん@ピンキー
07/03/28 23:35:01 yf/Nuqcc
>>314
乙鰈。次回作にも期待しています。

316:名無しさん@ピンキー
07/03/29 10:40:37 VwDHOwbg
いいよーいいよー
シリーズ化期待。

317:名無し
07/03/29 14:44:05 g7EnUtX8
峰は、千秋の両手首を頭の上で片手で押さえつけ、もう片方の手で器用に
スポーツシャツのボタンを外していく。
千秋は峰に罵詈雑言を浴びせながらもがくが、ビクともしない。
胸元が露わになるところまでボタンを外すと、峰はその白い肌に手を這わせた。
雪のように白く、きめ細かいすべすべした肌。
大きくもなく小さくも無い、お椀のように形のいい膨らみ。
鎖骨に舌を這わせると、千秋が小さく震えた。
「・・・・ぅ!」
ブラをたくし上げ、そこにも舌を這わした。
空いた手で胸を揉み、舌でその頂を弄る。
くすぐったさと、体中を奔る奇妙な感覚に、千秋は身を捩った。
「峰・・・頼む、やめてくれ・・・。」
懇願の声も無視し、峰は徐々に硬くなってきた乳首を口に含み、もう片方は指で抓った。
「っあ!」
千秋の体がはねる。
その行為を繰り返し続けると、声にならない熱い吐息が漏れる。
「うぁっ、はぁ・・・っ」
「千秋、すっげぇ綺麗だ・・・・。」
硬い乳首を押すと、千秋の体がしなった。連続してやる。
「ひぅっ!んっ!うぁっ!」
もうすでに、手首の戒めは解いていた。
逃げられないようにのしかかり、左手は胸を愛撫し、右手は足の付け根へと伸ばした。
股の部分のデニム生地は、すでに湿り気を帯びていた。
「感じてるのか?」
峰のその言葉に、千秋は怒りとも羞恥ともとれる表情をし、顔を背けた。

誰にだって、過ちというものはある。
例えば、今この時だって。
最初は「こんなの強姦じゃないか」とも思ったが、「峰が相手なら」とも思った。
事実、今自分は抵抗らしい抵抗もせず、峰の手で喘がされている。
――今晩だけ。これが最初で最後だ。
心に決め、千秋は峰に身をゆだねた。


318:KINO ◆v3KINOoNOY
07/03/30 20:53:22 kFvCQL2H
ういっす。リシーズになるんか?とも思いますが書くのは楽しいです。
また何か出来上がったらもってきま(゚¬゚*)


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch