07/07/18 13:36:21 NAUjiMK7
永遠にも思えた十数秒ののち、
唇が そっと離れる。お互いを名残惜しむように。
それでもまだ ふたり 抱き合ったままで。
(こうして 宏海にきゅーってされてると…
何だか お日さまに抱かれてるみたい…温かさに包まれて…心まで融けそう…)
(雪崩ン時ゃ無我夢中で抱きすくめてたし、
コイツもカチンカチンに固まっちまってたけど…
今は触れてる部分(トコ)全てが柔らけぇ…これが女…これが矢射子…なんだな…)
背中からうなじへと移った宏海の右手に
「…ん…………はぁ…」
矢射子の唇から漏れる、甘やかな声。
「…悪ィ。力加減、マズっちまったか…?」
「ううん…どうして?」
「イヤおかしな声出すから 痛かったのかと思って
…って、なに急に笑ってんだよ?」
きょとん、とした表情からややあって
くすくす笑い出した矢射子に 宏海は問う。
「(こんな時にも紳士なんだから…でも嬉しいな…)
違うわよ。気持ち良くって、幸せで…だから…」
だから、もう一度 口付けを交わした。