太臓もて王サーガでエロパロ 第二章at EROPARO
太臓もて王サーガでエロパロ 第二章 - 暇つぶし2ch550:名無しさん@ピンキー
07/07/01 17:57:29 qHbX5MDa
「阿久津、彼女できたんだって?」
「なんで谷にまで伝わってるんだ……」
「よし、じゃあ本番の前に筆下ろししとこう!」
「はあ!?」
「修学旅行の時の貸し、まだ返してもらってないしな!」

というネタを思いついたが形になりませんブラザー。

551:名無しさん@ピンキー
07/07/01 18:33:36 vihrJrZW
なんというパイズリトゥヘル…

552:名無しさん@ピンキー
07/07/02 21:03:24 g1sIY49D
そうか、パイズリなら入ってないから浮気になら……ないか?

553:名無しさん@ピンキー
07/07/05 01:27:56 7N6TJpvS
やっぱり宏海矢射子はイイなぁ
原作終わっても好きだ!!!

554:名無しさん@ピンキー
07/07/05 18:39:27 k+Dju4n7
ケサ×あいすまだー?

555:名無しさん@ピンキー
07/07/05 23:17:38 lfvEphOC
百合ものといえばスピンと透瑠も見てみたいな

556:宏海×矢射子(エロ抜き)「これからの あなたへ…」 16
07/07/06 12:47:12 mMWgjL5s
(そりゃ確かに、矢射子に初めて会ったときは
   『 何 て ブ ッ 飛 ん だ 女 だ 』…って思った。実際1階から2階までブッ飛んで来たし。

 あれは1年の3学期辺りからだったか。
 いきなりワイシャツ破いたのを皮切りに、
 何かってーと 太臓にかこつけてはオレにまで因縁付けて来るようになって、
 オレを前にして鼻血出したり、予測もつかない行動に出たりして。

 然るに、今はどうだ。
 オレの胸ん中で縮こまって、その頃の事を詫びる彼女は
 下手に触ったら砕け散っちまいそうなぐらいに儚げで…)

「…べつに矢射子(オマエ)ひとりが気に病むコトでもねえさ。
 『降りかかった火の粉を払う』やら『妹を守る』やら、いくら大義名分並べ立てたところで
 片っ端から暴力でねじ伏せて来た、ってのァ曲げようもねえ事実だし。
 ましてや お前の気持ちも解ってやれずに
 ひでえ事言っちまったのは オレだって同じか、それ以上だものな。
 おあいこ、ってワケにも行かねーだろうけど、オレからも謝る。
           …ごめんな」

(――ああ。
     宏海は本当に優しい。あたしなんかには勿体無いほどに…)
         …無論、他の何ぴとにも譲る気など更々無い矢射子なのだが。

手の下の頭が もぞ、と動く気配に 宏海が問う。
「ん?どうした…もう大丈夫なのか…?」
「うん。だいぶ落ち着いた…ありがと」
 支えられながらも頭を離し、座り直す矢射子。顔は俯いたままに。
   ―“言いたいこと”は もうひとつ。ふたりで歩いて行きたいから―

557:宏海×矢射子(エロ抜き)「これからの あなたへ…」 17
07/07/06 12:49:41 mMWgjL5s
「昔はね…『自分に釣り合った彼氏なんか そうそういる訳無い』だなんて
 笑っちゃうくらい傲慢なコト考えてた…」
( あ あ 、 そ り ゃ 知 っ て る 。 ……けど口には出さんどこう)

「 ・・・ で も 今 は ・・・ !!! 」 と、顔を上げた途端に
     目 が 合 っ た 。

   ふたりの間に、暫しの沈黙。
ごくり。という息を呑む音さえもが、異様に響く。
しかも矢射子にとって間の悪いことには、
この瞬間 頭に血が上ってしまったからさあ変態…いや大変。

(どどどどどうしよどうしよ、言葉が続かない…
 このままじゃ宏海の視線に射抜かれて脳細胞ひとつ残らず焼き潰されちゃう…
 でもここで目を逸らしたりつむったりなんかしたら、もう一歩も前に踏み出せない…!!!
 傷付く事恐れてたら、地球が悪の手に沈むのよ!!
 ああッ太陽よ!愛に勇気を与えてェェェ~~~~!!!!)

顔は赤熱、目はグルグル、脳天からは湯気。
百手矢射子、今まさに思考回路はショート寸前、ハートは万華鏡であった。

「あ…」
「…あ?」


「…宏海(あなた)に見合った…私に…なりたい…」

558:名無しさん@ピンキー
07/07/07 15:49:42 oNfsasnc
>>556-
ktkr!
歌詞ネタワロス

559:名無しさん@ピンキー
07/07/08 01:18:27 Z64F6Btu
うほっGJ!!
毎回楽しみだぁー!!

560:名無しさん@ピンキー
07/07/13 00:33:10 APFIFL6r
ほすっとくか

紋様と太臓の誌面に乗せられないSMプレイが見てみたい

561:名無しさん@ピンキー
07/07/13 09:20:10 mVYHzBd4
間界の王子が標本になっても誰も悲しまなさそうなのがなぁ

562:宏海×矢射子(エロ抜き)「これからの あなたへ…」 18
07/07/13 13:42:14 L8UU8+UH
( 効 い た 。 矢射子の今の一言はどんな拳よりも。
 相当にヤバい兆候だったってのァ 顔見りゃ解った。
 長いこと肩肘張ってきた、そのプライドを 最後の薄皮一枚までも振り捨てたってのも。
 “あん時”が 正にそうだったから。

 …以前のオレだったら
 『だったら、鼻血グセ抑えて テンパって奇行に走んのも控えて…』と
 間髪入れずに混ぜっ返し 笑い飛ばしていたかも知れねえ…
           が!
 今 この局面でンな事言っちまったらオレはアホ以下の以下だ!!!!)
   ここが正念場と定め、宏海は 意を決した。
「…正直 そこまで買い被られるって程、
 ご大層な人間だなんて自覚 やっぱオレにゃどう考えても湧きそうにねえ。
 だから…お前もお前でいてくれ。自分落としたりとかナシにさ。
 そりゃ感情表現は人よりほんの少し(……壊滅的に)不器用かも知れねーけど
 一本通った芯はどこまでも真っ直ぐな…

 そんな矢射子(おまえ)だから 何もかもひっくるめて
 あの日あの時、付き合ってこうって決めたんだからな。今も、これからも。
       好 き に な っ た ん だ 」

563:宏海×矢射子(エロ抜き)「これからの あなたへ…」 19
07/07/13 13:45:48 L8UU8+UH
臨界点、突破。感情が堰を切った。

   「 ・・・ 宏 海 !!! 」

その名を言うが早いか、矢射子は宏海の首に手を回し、抱き付いていた。
「あたしも好き。 大 好 き 。 前よりも、もっと。この先も、ずっと…!」

知らずしらず、宏海も矢射子を掻き抱く。鼻腔をくすぐる、桃の香り。
   「やっと…言えたな。お互い」

宏海の瞳の中に、矢射子。矢射子の瞳の中に、宏海。

     もう 言葉は要らない。

おずおずと触れ合い、そして確かさを持って重なり合う…唇と唇。

564:名無しさん@ピンキー
07/07/14 15:20:36 jx8n/6H+
>>562-

( *´д`)

565:名無しさん@ピンキー
07/07/14 23:17:52 48CjheKD
GJ

566:名無しさん@ピンキー
07/07/15 00:35:20 7tvTdaof
いつもぐっじょです。

今気付いたけど、投稿日は木金限定なんだね

たまにチョコチョコ投下してくれてるなとは思ってたけど

567:宏海×矢射子(エロ抜き)「これからの あなたへ…」 20
07/07/18 13:36:21 NAUjiMK7
永遠にも思えた十数秒ののち、
唇が そっと離れる。お互いを名残惜しむように。
それでもまだ ふたり 抱き合ったままで。

(こうして 宏海にきゅーってされてると…
 何だか お日さまに抱かれてるみたい…温かさに包まれて…心まで融けそう…)
(雪崩ン時ゃ無我夢中で抱きすくめてたし、
 コイツもカチンカチンに固まっちまってたけど…
 今は触れてる部分(トコ)全てが柔らけぇ…これが女…これが矢射子…なんだな…)

背中からうなじへと移った宏海の右手に
「…ん…………はぁ…」
矢射子の唇から漏れる、甘やかな声。

「…悪ィ。力加減、マズっちまったか…?」
「ううん…どうして?」
「イヤおかしな声出すから 痛かったのかと思って
   …って、なに急に笑ってんだよ?」
きょとん、とした表情からややあって 
くすくす笑い出した矢射子に 宏海は問う。
「(こんな時にも紳士なんだから…でも嬉しいな…)
   違うわよ。気持ち良くって、幸せで…だから…」 

     だから、もう一度 口付けを交わした。

568:宏海×矢射子(エロ抜き)「これからの あなたへ…」 21
07/07/18 13:39:20 NAUjiMK7
「ようやく…スタートラインに立てたのかな…あたし達」
「そーかもな…ずいぶん長かった。
 オレが朴念仁の鈍感野郎で無きゃ
 矢射子も浪人しねえで済んだのかと思うと慙愧に堪えねえ…」
「ううん、宏海のせいじゃない。
 あたしがもっと早いうちから 自分の気持ちに素直になれてたら…」

「いや オレが……!」
「いいえ あたしが……!」
     お互い 顔を見合わせ…
・・・・・・・・・・・・・・・・・ぷふっ。
           思わず 吹き出して…
「「 あ は は は は は は は は は は は は は ! 」」
 ((こんな風に 心の底から笑うなんて、何年ぶりだろうな(かしら)…))
                 …そう 思った。

「――無くしたもの 奪われたもの…
 利子込みで取り返して行こうや。ふたりでな」
「うん!」

569:名無しさん@ピンキー
07/07/19 18:56:52 1WHs8kgo
乙!(*´Д`)

570:名無しさん@ピンキー
07/07/19 19:32:54 QkMIulgR
>>567-
GJ!いいねえ……この2人……

571:名無しさん@ピンキー
07/07/21 20:56:42 7yQraKB0
誰か真白木さん主役のヤツ書いてやれよ

572:名無しさん@ピンキー
07/07/22 12:15:36 X/vLtayV
そろそろエロ有りのも見たいね

573:名無しさん@ピンキー
07/07/22 18:18:01 DIMT7XGI
真白木さんだとやはり相手はあいすなんだろうが……想像できんな……

574:名無しさん@ピンキー
07/07/22 23:55:44 fq4TWO1r
>>572
最近では宏矢と仁温以来エロないね

>>431の宏矢は初々しさがたまらなかったし(ラストは萌えた)、
>>520の仁温はエロいながらも純愛で良かった

575:名無しさん@ピンキー
07/07/26 00:25:18 raY1sqUN
ほす
エロ有りなら、あまり見たこと無い組み合わせのも読んでみたいなあ

576:名無しさん@ピンキー
07/07/26 01:55:57 q/yt+OzV
紋・太臓と言ってみる


「太臓くん……あのね、私、太臓くんの事を考えるだけで、体が……熱くなって……もう我慢できないの!」
「何……だと。紋!それじゃあ、俺と今すぐ合」
「でも触れると私ああなっちゃうから、踏んでもいいかしら?」
「快性感に変わって折檻ーー?!」



太臓ハードル高いよ太臓

577:名無しさん@ピンキー
07/07/27 23:03:01 BL4i3WO7
太臓頭でかすぎて邪魔そう

578:名無しさん@ピンキー
07/07/28 03:13:46 OG6ww6tg
普通の女にはパフパフさえさせてもらえなさそうだな、物理的に

洋式トイレも普通だと何か補助具が無いと尻が嵌りこんだりしそう

579:名無しさん@ピンキー
07/07/28 03:29:43 9SCF7Ofi
太臓はTシャツも着れない頭のデカさなんだろ

580:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 20:10:51 4sIgl6lM
アレは小さいのにな

581:名無しさん@ピンキー
07/07/31 03:03:34 5xWIeQCI
寄って集ってバカにされる間界の王子の明日は…どっちだ。

582:名無しさん@ピンキー
07/08/01 23:55:25 X4zz/e3s
なあに、太臓も大きくなったら父上のように立派な…


余計に女に相手にされなくなりそうな悪寒が

583:名無しさん@ピンキー
07/08/02 11:18:38 6EYRkPrT
しょんぼり

584:名無しさん@ピンキー
07/08/02 22:13:28 5qTyeSeb
あいすの声は俺の中のイメージでは林原めぐみなんだが
他のキャラはどうだろう?

585:名無しさん@ピンキー
07/08/02 22:24:07 s3EC1FgY
>>584
おお!!!
激しく同意!


586:名無しさん@ピンキー
07/08/03 08:50:33 O81DGBB3
たいぞうは…くまいもとこかな?
紋は甲斐田サンとか(。・ω・)

587:名無しさん@ピンキー
07/08/03 09:05:00 DNM6R/VX
前にあった声優予想のスレでは太臓は山口勝平てのが多かった
作者のイメージでは、まわるが金田朋子で一緒が千葉繁らしい

588:名無しさん@ピンキー
07/08/05 19:48:05 TVEQqo5M
ドライマンが若本で
エロガードが大塚だったか

589:名無しさん@ピンキー
07/08/06 10:06:52 sOwu1koS
俺のイメージでは宏海が檜山修之で伊舞が平野綾で
二人の父親をもし生きていらしたら鈴置洋孝さんに
やってもらいたかった。

590:名無しさん@ピンキー
07/08/06 11:26:40 EKaofk/H
俺のなかで悠は朴さんだな…翠は…田村ゆかり?

591:名無しさん@ピンキー
07/08/06 16:18:02 SzCIgs7I
みんな忘れてはいないか、此処はエロパロ…
雑談もエロパロちっくな会話にした方がいろいろと良いのでは。

592:名無しさん@ピンキー
07/08/07 01:18:59 CcpB0HmU
>>588
エロリップは俺的には子安……


593:名無しさん@ピンキー
07/08/07 17:39:30 NWD9tOCv
じゃあ上で想像したキャスティングの声ネタとかどうだろ?

594:名無しさん@ピンキー
07/08/07 22:36:58 MQ/svINE
0夜が女体化してることを最終巻で思い出したーっ!?

595:名無しさん@ピンキー
07/08/07 23:04:11 uZ75QWzR
8巻読んで,やっぱ良い漫画だったなーって
寂しくなった

596:sage
07/08/09 23:36:34 QwUGBG+9
私の中ではあいすは宍戸留美さんだよな~。

597:名無しさん@ピンキー
07/08/10 22:06:05 tv7G4QSZ
林原ではあわないと?

598:名無しさん@ピンキー
07/08/11 06:30:36 vxS7A+9u
Exactly(その通りでございます)

599:名無しさん@ピンキー
07/08/11 09:48:13 yKc/fuJ4
矢射子は破瓜の時も鼻血出してるんだろうか
もう上も下も血だらけだな!

600:名無しさん@ピンキー
07/08/11 09:59:14 LU6jo4QR
>>594
ラストの玲夜の女体化は恒久的なものなのか、だったらそれ以降は対男でエロが
妥当なのか、それとも対男はやはり数字行きなのか

迷う

601:杉下 (仮名)
07/08/12 09:35:17 xUO4fwXM
ウッフンアッハンスッポンポォ~ン

602:名無しさん@ピンキー
07/08/14 17:32:04 4HHjXnXS
タンタンッタタン

ベチコベチコベベ

ゴイヤゴイヤナァームー

チーン

603:名無しさん@ピンキー
07/08/15 14:44:55 idbq/Q5m
125841411100022222

604:名無しさん@ピンキー
07/08/15 21:57:01 idbq/Q5m
| ̄| ∧∧
ニニニ(゜Д゜∩コ
|_|⊂  ノ
   / 0
   し´

えっ…と、
糞スレはここかな…、と
 ∧∧ ∧∧
∩゜Д゜≡゜Д゜)| ̄|
`ヽ   /)ニニニコ
  |_ i~  |_|
  ∪ ∪

  ∧∧ ミ ドスッ
  (  ) _n_
  /  つ 終了|
~′

605:名無しさん@ピンキー
07/08/15 21:59:02 idbq/Q5m
荒らすぞゴルァ
     ◎
     |
    γ"⌒ヽ
    i ○○i
   /i ∀ i\
  ⊂/i 荒 i\つ
    ゝ  ノ
   ~/  \
   / /~\ \
   / /  > )
  / ノ  / /
 / /   / /
`/ /   ( ヽ、
(_)    \_つ


606:名無しさん@ピンキー
07/08/16 02:49:06 4viAiSKO
    ____
   / / /|
 _| ̄ ̄ ̄ ̄| |__
/ |____|/ /
 ̄ ̄ |し |  ̄ ̄
   し⌒J

     ∧∧
誰だ!! (・ω・ )
    _| ⊃/(__
   / ヽ-(___/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ____
   / / /|
 _| ̄ ̄ ̄ ̄| |__
/ |____|/ /
 ̄ ̄ |し |  ̄ ̄
   し⌒J
気のせいか…
       

607:名無しさん@ピンキー
07/08/16 03:07:39 38/+0pR2
ドラクロワは童貞か否か

608:名無しさん@ピンキー
07/08/16 08:48:02 4viAiSKO
否 だろう

もちろん

609:名無しさん@ピンキー
07/08/16 08:49:45 4viAiSKO
荒らすぞゴルァ
     ◎
     |
    γ"⌒ヽ
    i ○○i
   /i ∀ i\
  ⊂/i 荒 i\つ
    ゝ  ノ
   ~/  \
   / /~\ \
   / /  > )
  / ノ  / /
 / /   / /
`/ /   ( ヽ、
(_)    \_つ

荒らすぞゴルァ
     ◎
     |
    γ"⌒ヽ
    i ○○i
   /i ∀ i\
  ⊂/i 荒 i\つ
    ゝ  ノ
   ~/  \
   / /~\ \
   / /  > )
  / ノ  / /
 / /   / /
`/ /   ( ヽ、
(_)    \_つ



610:名無しさん@ピンキー
07/08/16 13:37:43 4viAiSKO
乂1000取り合戦場乂

1000取り合戦、 /
 いくぞゴルァ!!/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄
  \∧_ヘ
   /\〇ノゝ∩
""" /ニ√゜Д゜)ノ
  /三/|゜U゜|\ """
  U(:::::)
""" //三/|三|\"""
   ∪ ∪
 """    """
\オ――ッ!!/""
"" ∧_∧∧_∧∧_∧
 (   )  (   )
"∧_∧∧_∧∧_∧_∧
(   )  (   ) )

611:名無しさん@ピンキー
07/08/16 17:26:13 4viAiSKO
ココに 1000取り合戦場
の価値はありません

やっぱや~めたっと/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄
  \∧_ヘ
   /\〇ノゝ
""" /ニ√ ゜Д)
  /三/|゜U゜|\ """
  U(::::)U
""" //三/|三|\"""
   ∪ ∪
 """    """
  \エ――ッ!?/""
"" ∧_∧∧_∧∧_∧
 (   )  (   )
"∧_∧∧_∧∧_∧_∧
(   )  (   ) )

612:名無しさん@ピンキー
07/08/16 18:42:43 4viAiSKO
うるさいハエだなぁ。
逝ってよし!
        ブーン
      ∴ ・~
 ∧ ∧  ∴∴ ↑
( ゜Д゜) ∴∴∴ >>1
 ∪ ⊃自
~| |  プシュー
 ∪∪


613:名無しさん@ピンキー
07/08/16 18:44:24 4viAiSKO
うるさいハエだなぁ。
逝ってよし!
        ブーン
      ∴ ・~
 ∧ ∧  ∴∴ ↑
( ゜Д゜) ∴∴∴ >>1
 ∪ ⊃自
~| |  プシュー
 ∪∪

         /ヾ
        ヽイノ
ひゃっほう!   / /
        / /
  ∧ ∧   / /
  ( ゜Д゜)  / /
 /   \ / /
( ) ゜ ゜/、/⊂//
 \\ ( /⊂//
シコ \⌒つ /
  (  ̄/ /
シコ | O○\
  | | \ ヽ
  | ) 


614:名無しさん@ピンキー
07/08/17 20:02:33 rKuc2pJx
>>607
あれで童貞だったらビックリするわ

615:スレ1>>483
07/08/18 02:16:35 BZVTxRZQ
もう落ちるのを待つだけなのかな…

このスレッドでこれ以上職人さんの投下もないなら
サイトの更新は停止して(閉鎖はしません)、通常とお絵かきの
両掲示板は閉鎖しようと思うのですが、どうでしょうか。

616:名無しさん@ピンキー
07/08/18 08:17:15 ETRDmMQU
そうしろ そうしろ!

ぎゃははは!

うるさいハエだなぁ。
逝ってよし!
        ブーン
      ∴ ・~
 ∧ ∧  ∴∴ ↑
( ゜Д゜) ∴∴∴ >>1
 ∪ ⊃自
~| |  プシュー
 ∪∪


617:名無しさん@ピンキー
07/08/18 10:26:01 VACycxKk
ずっと携帯からROMってました。
最近、過疎&荒れているみたいですので、SS一本投下しようかと思います。
最初は木嶋×吉下を書こうと思いましたが、別のを思い付いてしまったのでそれを書きます。
まずは序文のみですが投下させて頂きます。
携帯メールで書いたものをコピペでアップしますので読み辛かったら申し訳ありません。
続きのペースはどのくらいで書けるか分かりませんが完結はしっかりさせるつもりですのでよろしくお願いします。

618:花子の長い一日
07/08/18 10:26:52 VACycxKk
ある晴れた昼下がり。
窓辺で一人ため息をつく一人の幼い少女がいた。

少女の名は花子。座敷童子である。
彼女は、阿久津という、年上の男性に恋をしていた。
だが阿久津は、旅行の最中に彼女を作ってしまった。
その旅行には花子も同行する予定だったのだが、たまたま引いてしまった風邪で行けなくなってしまったのである。
もし、あの時風邪なんか引かずに旅行について行けていたら、運命は変わっていたかも知れない。

そう思うと、胸が痛むのだった。

このままこの恋を終わらせていいの?
自分に対して何度も問い掛けるものの、結局心は諦めの方向に動いてしまう。
その理由の一つは、前述の阿久津に彼女が出来てしまったという事実。

そしてもう一つは、自分がまだ幼い子供であるという事実だった。

阿久津の彼女になった女性は、少々変わっているものの、花子の目から見ても美人で、スタイルも抜群。幼い子供では相手にならないことは歴然だった。

(私がもし大人だったら…)

そう考えていた花子は、ある事に気付いた。
前に一度だけ食べた事があるメルモンキャンディ。
今こそそれを使って、大人の姿になるべき時だと。


その行動にどれほどの意味があるのかは分からなかったが、少なくとも何も行動しないよりはマシだろう。

時計は、都合よくドキ校の授業終了の30分前を指していた。
今から向かえばちょうど下校時間に間に合うだろう。
花子はメルモンキャンディを口に放り投げると、すぐさま着替え、部屋を出た。


619:花子の長い一日2
07/08/18 11:33:06 VACycxKk
ガタンゴトン…

大人の姿になった花子は、電車に揺られていた。

ドキ校までは一駅ほど。
けして歩けない距離ではないのだが、大人の姿で街を歩くのは危険だと前に言われたことがあるし、大人の姿では座敷童子の能力である貧乏くじが使えない。
だったら、少しでも早く安全に辿り着くために電車に乗るのが得策だと踏んだのだった。

だが、花子は知らなかった。
この逢魔市と集英市を結ぶ路線、「東英線」が、痴漢が多いということで有名だという事を。

「!!」

ふと、花子の尻に何者かの手が触れる。
慌てて辺りを見回すも、周りの乗客はこちらを気にする素振りも無い。
気のせいか、はたまた偶然か、そう思った花子は、気にせず向き直った。

「!!?」

しかしその刹那、またしても花子の尻に手が触れる。

しかも今度は明らかにスカートをたくしあげ、花子の尻をショーツ越しに撫で回しているのだ。

元々内気な花子は、あまりのことに声も出せずただ俯いて駅に到着するまで耐えることしかできない。

するとその手は調子に乗ってショーツの中に侵入し、直接尻をまさぐり始める。

未知の感覚に、花子はびくんっと身を震わせた。

その反応に喜んだのか、その手は更に花子の足の間に滑り込み、プライベートな部分に指を這わせた。

「ふぁっ…!」

思わず漏れてしまった声を慌てて噛み殺す。
まだ心は子供で、経験も知識も無い花子に対して、大人になった身体は次々と未知の感覚を送り込んでくる。

何がなんだか分からない花子は、ただただその感覚に翻弄され、なすがままにされるより仕方なかった。

ショーツの中がじっとりと湿り気を帯びてくる。
花子自身は、それが汗によるものだと思っているが、実際は花子が分泌した愛液によるものだった。

花子を愛撫する手は、更に激しさを増し、本人の意思とは無関係に潤滑油で満たされた穴に指を入れて執拗に刺激する。

花子は意識が飛びそうになる激感に悶えながらも、周りに悟られぬよう平静を努めなければならなかった。

それはまだ子供である花子にすれば、とても辛く、耐えがたい苦行だった。

やがて永遠とも思える時間が経った頃、花子にとって待望のアナウンスが流れた。

「間もなくドキ校前。ドキ校前でございます。」

地獄の底から、蜘蛛の糸にすがるが如く、花子はガタガタになった足に鞭を入れ、開くドアから慌てて外に出た。
地獄の時間はようやく終わりを告げた。

620:名無しさん@ピンキー
07/08/18 11:35:45 VACycxKk
そろそろ仕事ですので、一旦ここまでとさせて頂きます。
エロシーンとか書いたこと無いので、うまく書けてるか分かりませんが、何もしないで落ちるのを待つよりは書いてみようと思ったまでですので、どうかご容赦下さい。
続きはいずれアップします。
なるべく早く書くように努力しますので、どうぞよろしくお願いします。

621:名無しさん@ピンキー
07/08/18 13:02:25 1NHvt23Y
乙!

622:名無しさん@ピンキー
07/08/18 14:37:18 ETRDmMQU
 _n グッジョブーン!!
( l
 \\ (^ω^ )
  ヽ ̄ ̄ ノ
   フ   /
   |  /
   ( ヽノ
   ノ>ノ
 三レレ

 グッジョブーン!!
    ∩
   ( ⌒)    ∩_
   / ノ   i E)
  / /    //
  / /    //
 / /^ω^)//
(    /
 ヽ   |
  |  /
  ( ヽノ
  ノ>ノ
三レレ


623:スレ1・483
07/08/18 23:15:06 uqKn7u8p
>>620
gjです。
脅迫じみた真似をした形になって申し訳ありません。

昨日から考え直しまして、もし次のスレッドが立たないことになっても
掲示板は両方残しておこうかと。
お絵かきの方も投下して下さる方がいらっしゃいますので。

624:名無しさん@ピンキー
07/08/19 09:10:51 2CiwwaOU
>>623
花子を書いてる者です。
脅迫じみた真似だとは思っていませんよ。
むしろ書くきっかけを与えてくれた事に感謝です。
今日明日は続き投下できるか分かりませんが、出来る限り早くに投下できるように頑張ります。

あと、応援して下さった方々、ありがとうございます。
不慣れなもので、うまく書けるか分かりませんが、精一杯頑張りますね。

625:名無しさん@ピンキー
07/08/19 18:55:00 ehOgGMQN
連載終了してもまだやっているのかと覗いてみたら新作が投下されていました。
運がいい。頑張って下さい。

626:名無しさん@ピンキー
07/08/21 11:47:26 bzn1bSG0
花子を書いてる者です。

あと少しで投下できそうでしたが、仕事の時間になってしまいました。

今日の夕方には間違えなく投下できますので今しばらくお待ち下さい。
どうもすみません。

627:花子の長い一日3
07/08/21 15:44:31 bzn1bSG0
電車を降りた花子は、慌ててトイレに駆け込み、ベトベトになってしまったショーツを丹念に拭き取る。

(気持ち悪い…。
でも、もうすぐでこうみおにいちゃんに会えるんだ!)

電車の中での出来事で、気分的にかなり落ち込んでいた花子だったが、これから想い人に会えるという事実は、その気持ちを回復させるに充分だった。
それは、花子がそれほど阿久津の事が好きだという証明に他ならなかった。

駅を出た花子は、遠くから、歩いて来る阿久津の姿を見つけた。

(こうみおにいちゃんだ!)

隣りには相変わらず悠と太臟の姿もあったが、構わず花子は、想い人に声をかけようと走り出した。


だがその時、花子は何者かに腕を引かれ、ビルとビルの間の狭い空間に引き込まれてしまう。

「!?」

何がなんだか分からず、戸惑う花子の口に丸めたハンカチが押し込まれる。

「むぐぅっ!」

慌てて、腕を掴む人物の方に向き直ると、そこには頭の禿げ上がった、見るからにスケベそうな中年オヤジの姿があった。

「き、君可愛いね…。さっきの電車からずっと後を着けてきたんだよ。ウヒヒッ!」

そう、この男こそ電車内でしつこく痴漢を働いてきた男だった。

普通は、痴漢など電車内だけで終わるものだが、花子の初々しい反応と、内気で声をあげられない性格が、意図せずにこの男の暴走を招いてしまったらしい。

(いやっ…誰か…)

慌てて周りを見る花子の瞳に、すぐ側を通り過ぎる阿久津達の姿が写った。

(助けてっ!こうみおにいちゃん!ゆうおにいちゃん!)

花子は必死で阿久津達に助けを求めるが、あまりにも目立たない隙間のせいか、はたまた期待すらされなかった太臟の呪いか、阿久津達は花子に気付かずに通り過ぎてしまった。

(そ、そんな…)

「ふう、危ない危ない。見つからないようにもっと奥へ行こうね。」

痴漢はそう言うと、暗闇の奥まで花子を運ぶ。
ここまで来ると、外からはほとんど見えない。

声も出せない。外からは見えない。
花子にとって、絶望的な状況になってしまったのである。


628:花子の長い一日4
07/08/21 15:47:20 bzn1bSG0
「じゃ、じゃあ行くよ。いただきまーす!」

痴漢は一気に花子の服を破いた。

「~~~っ!!」

服の下に隠れていた、可愛らしいピンク色の下着が顔を出す。

「ピ、ピンク色のブブブラ…うひょほホーっ!ウゲラモシロガバッ!」

よほど普段女性に縁が無いのだろう。
痴漢は、意味の分からない奇声を上げ、花子のブラジャーに手をかけ、一気に上にずらす。形も大きさも申し分ない乳房が、露になった。

「~~~!」

慌てて胸を覆い隠す手を、痴漢が乱暴に引きはがす。

「はあ…はあ…お、おいしそうなおっぱいだね…。」

痴漢は、恥ずかしげも無く涎を垂らし、花子の胸にむしゃぶりついた。
痴漢の大量の唾液が、胸をつたい、首筋までをベトベトにする。

(やだ…気持ち悪いよ…。誰か…助けて!)

涙を流す花子の姿などお構いなしに、痴漢は花子の柔らかい乳房を乱暴に揉みしだき、ピンク色の乳首を思いっきり吸い上げる。

「あれ?君の乳首、起ってきたよ。
清純そうな顔して意外と感じやすいんだね。」

乳首が起ったのは痴漢に思いっきり吸い上げられたためであって、感じているからではないのだが、花子はそんな事を知る由も無い。
ただ、自分の恥ずかしい部分を、じっくりと観察されていることが何よりも耐えがたい羞恥だった。

「じゃ、じゃあそろそろ本番行くよ!」

そう言うと、痴漢はズボンを下ろし、そそり立つ怒張を花子に見せつける。

(な、なにこれ…気持ち悪い…)

実際その部分は、太臟に何度も見せられたことはあるが、それよりも遥かに大きくグロテスクなモノに、耐え切れず花子は目を閉じた。

「これを、君のアソコにぶち込んだら、気持ちいいだろうな~。ウヒヒッ!」

そう言うと、痴漢はそそり立ったモノで、花子の秘部をショーツ越しにツンツンと刺激した。
その度に、花子はびくんっと身を震わせる。

「可愛らしい反応だねえ。ウヒヒッ!
じゃあ、そろそろ入れるよ。」

痴漢はにやにやしながら花子のショーツを下ろし、花子の秘部に自分のモノをあてがった。
花子は目をとじたまま、いやいやと首を降り続けるが、痴漢はそんなことを意に介してもくれない。

「じゃ、行くよ。それっ!」

花子は覚悟を決めて、歯を食いしばった。

「い、痛いっっ!」

ビルの隙間に悲鳴がこだまし、鮮血が飛び散った。

629:名無しさん@ピンキー
07/08/21 15:50:14 bzn1bSG0
とりあえず、ここまでです。
続きも少し書いてあるのですが、家に帰ってコミックを読み直して確認したい部分がありますので、その後投下します。
待たせた割に小出しで申し訳ありません。

630:名無しさん@ピンキー
07/08/21 20:26:32 VKlY0npe
>>629
オゥツ!!

乙なんだぜ。

631:名無しさん@ピンキー
07/08/22 00:24:56 FhUSHR4L
GJ!!続きまってるよ!

632:名無しさん@ピンキー
07/08/22 00:58:16 45zvoFOU
花子を書いてる者です。
お待たせしました。
急遽明日が仕事になってしまったので、まだ僅かしか書けてませんが、一本だけ続きを投下して寝る事にします。


633:花子の長い一日5
07/08/22 00:58:57 45zvoFOU
しかし、その声の主は花子では無く、痴漢のオヤジのものであった。

「間一髪ってとこか。」

聞き覚えのある声に、花子は目を開いた。

そこには、最近花子のいるアパートに入居してきた、間界人のドラクロワの姿があった。

(た、助かったんだ…。)

花子は、ほっと胸をなで下ろした。

「よう、アンタ。大丈夫か?学校の窓から、お前が変なオヤジに捕まるのが見えたんで補習サボって助けに来てやったんだぜ。」

「…ありがとうございます。」

花子は口のハンカチを取り出し、ドラクロワに礼を言う。

「礼なんざいらねえよ。それより…アンタいい女だな。
俺の女にならねえか?」

ドラクロワの言葉に花子は顔を真っ赤にしながら…

「あ、あの…実は私…」

「あん?な、なんだってーっ!!
お前、管理人と一緒にいたガキンチョか!?」

ガキンチョという言葉にカチンときた花子だったが、ここは冷静に聞き流す。

「なんだよ、せっかく補習サボってまで来たのによー。
しゃーねー、こんな格好じゃ家にも帰れないだろ。
ついでだから送ってやるよ。」

そう言うと、ドラクロワは自分の学ランを花子に羽織わせると、タクシーを呼びアパートまで花子を乗せて帰ったのだった。

634:名無しさん@ピンキー
07/08/22 01:02:49 45zvoFOU
今日はここまでです。

せっかく太臟のパロなので、本当はギャグなどを織り交ぜて楽しい作品を書きたいのですが、花子オンリーでギャグは俺の技量では無理でした^^;

一応ここまでは前フリと、俺自信のエロシーンの練習です。
ここからは、もっと臨場感あるエロシーンを書けるよう頑張りますのでよろしくお願いします。

635:名無しさん@ピンキー
07/08/22 22:17:29 FfzwnTNI
スピンちゃん読み直してたらスピンものを読みたくなってきた…

636:B (くそっ!落ち着かねえ!) ドラクロワはイライラしながら、煩悩を誤魔化そうとテーブルの煎餅をバリバリと貪る。 すると、花子がじーっとドラクロワの顔を覗き込んでいるのに気が付いた。 「あ?なんだよ。」 花子は、答えるかわりに、今度は煎餅の方をじっと見つめる。 「あ、なんだよ。 食いたきゃ勝手に食え!」 ドラクロワの言葉を聞いた花子は、嬉しそうにこくこくと頷き、前屈みになってテーブルの煎餅に手を伸ばす。 その時、大きめのシャツから花子の豊かな胸が覗いた。 (おいおい! なんだよこの「お約束」は! いつからヤングジャンプになったんだ、おい! あんな寸止めのちょっとドキドキ程度で我慢できるか!) ドラクロワの理性がちぎれた瞬間であった。 バタンッ!! ドラクロワが花子を押し倒す。 花子の持っていた煎餅がコロコロと床を転がっていく。 いきなりの事に驚き、きょとんとしてる花子に、ドラクロワは一言言い放つ。 「お前、今だけ俺の女になれ。」



637:名無しさん@ピンキー
07/08/24 23:26:08 Zr3jyTOo
今日はここまでです。
正直自分の文章の下手さをかなり痛感して、かなり挫けそうになってきたところですが、書き始めた以上、この作品だけは最後まで完成させるつもりです。
どうぞよろしくお願いします。

638:名無しさん@ピンキー
07/08/24 23:47:04 KlidU24X
>>636-
wktkして待ってるぜ……!

639:名無しさん@ピンキー
07/08/26 10:36:57 0Wmv98UK
は…裸Tシャツ!!!

やるな…

640:名無しさん@ピンキー
07/08/27 22:33:44 E7An2pp5
test

641:名無しさん@ピンキー
07/08/30 01:27:50 MdneqA5B
wktk

642:名無しさん@ピンキー
07/08/31 00:58:02 jbHToKT4
うわーーー!!!!ドラ!!!!!
続き激しくwktk

643:名無しさん@ピンキー
07/08/31 13:40:26 Q2jEGM18
花子を書いてる者です。
大変お待たせして申し訳ありません。
リアルでイベントが発生して生活のリズムが大いに狂ってしまい、執筆がなかなか出来ませんでした。

今、ようやく続きの執筆にとりかかった所です。
今日…明日位には、少しでも投下できればと思ってます。
相変わらず小出しになってしまうかも知れませんがご容赦下さい。
よろしくお願いします。

644:名無しさん@ピンキー
07/09/02 20:47:27 eCMYsran
花子を書いてる者です。
お待たせしました。
今から少しだけ続きを投下します。
昨日の内に書けなくて本当に申し訳ありませんでした。

645:花子の長い一日9
07/09/02 20:50:13 eCMYsran
意味が分からず混乱する花子だったが、とにかく身の危険を感じ、ドラクロワの体を振りほどこうとする。

だが、力で勝てる訳はなく、手を押さえ付けられて身動きが取れなくなってしまった。

「ちっ、これじゃあの変態と同じじゃねえか…。」

瞳に涙を貯めて、じっと自分を見つめる花子を見て、ドラクロワは呟いた。

だが、一瞬取り戻しかけた理性もすぐに消えさってしまう。

まず、ドラクロワは花子の唇に自分の唇を重ねる。

「んっ!むぅっ~!」

花子は必死で抵抗するも、全くかなわない。
すると、ドラクロワは必死で閉じられている唇をこじあけて、舌を差し入れる。

「んーっ!んーっ!」

必死で逃げ回る花子の舌を無理矢理絡めとり、弄ぶ。

ぐちゅっ…くちゅ…。

狭い部屋に唾液の音が響き渡る。
花子も抵抗を諦め、なすがままにされていた。
テレビでは、未だにお笑い芸人が馬鹿笑いをしているが、二人の耳には全く入らなかった。

やがて、長い唾液の糸を引いて、唇が離される。

顔を真っ赤にして涙ぐむ花子。
恐らくは初めてであっただろうキスはいとも簡単に奪われてしまった。

そんな花子の心中などお構いなしに、ドラクロワが花子のTシャツを捲りあげようとする。

「!!…だ、だめえっ!」

花子は必死でTシャツを足で挟んで抵抗する。

「へっ!じゃあこっちを頂くぜ。」

するとドラクロワは、Tシャツの上から、花子の豊かな乳房を揉みしだく。

「ひゃうっ!!」

先程、痴漢に揉まれたばかりの胸だが、ドラクロワのテクニックは、痴漢のそれを遥かに凌駕していた。

「もう起ってきやがった。
まったく…本当はガキのくせにエロい身体してるぜ。」

ドラクロワの言葉に花子は顔を真っ赤にしていやいやと首を振る。
ドラクロワの言うとおり、Tシャツにはぷっくりと二つの突起が浮上っていた。

「やだ…もうやめてよぉ…。」

花子の懇願を無視して、ドラクロワはその突起の回りにゆっくりと舌を這わせた。

646:花子の長い一日10
07/09/02 20:51:40 eCMYsran
「ひゃあああんっ!!」

Tシャツで見えないにも関わらず、ドラクロワは巧みに一番敏感な先っぽの部分を避け、回りの部分だけを執拗に舐め回す。

「やっやああっ!」

ドラクロワの舌がもたらす快感と、一番気持ちの良い部分に触れて貰えないもどかしさが一気に花子を襲う。

「やっやだっ!もうやなのぉっ!らめっ!おかしくっ…おかしくなっひゃうっ!」

まだ子供で、経験も何も無い花子が、この刺激を受けて、力を入れ続けられようはずは無かった。

「よっと!」

「やああっ!」

花子の足から力が抜けた隙に、ドラクロワが花子のTシャツを一気に捲りあげる。

メルモンキャンディの効果で見事に成熟した花子の肢体が、ドラクロワの眼前に晒される。

「お願い…もう許してぇ…」

手で顔を覆い、泣きながら懇願する花子。

さっきまでドラクロワを信頼しきっていた花子の表情が、今はまるで狼に追い詰められた羊のように、絶望の色に染められている。

もっと…もっと…こいつを…

ドラクロワの中で、今まで表に出たこともない黒い欲望が、ふつふつと湧き上がり始めていた。

647:名無しさん@ピンキー
07/09/02 20:53:23 eCMYsran
今日はここまでです。
本当に短くて申し訳ありません。
次はもう少し長めに投下できるよう頑張りますので、よろしくお願いします。

648:名無しさん@ピンキー
07/09/02 22:00:05 kS0KmgMh
>>650
gj 続きが気になるが待つよ。
個人的には花子が敬語だと萌える。

649:花子書き
07/09/03 00:33:49 qJGCOF1k
>651
敬語の方が良かったですか~。申し訳ありません。
原作では全くしゃべらないので迷ったんですが、今の形にしちゃいました^^;
敬語は…終盤になると話すかも知れません…w


650:名無しさん@ピンキー
07/09/03 00:42:20 qzCKlYdV
続き頑張って!

651:名無しさん@ピンキー
07/09/04 22:46:42 9FoKG8Fz
花子を書いてる者です。
また少しですが、続きが書けたので、投下します。
毎回小出しですみません。

652:花子の長い一日11
07/09/04 22:52:18 9FoKG8Fz
「……。」

ふと、ドラクロワが花子の頭を静かに撫でる。

「…ドラクロワ…さん?」

許して貰える…?
そう思った花子は、顔を覆っていた手を下ろす。
その瞬間。

「むぐうっ!!」

ドラクロワが、すかさず花子の口にペニスを突っ込んだ。いきなりの不意打ちに、花子は抵抗することもできない。

「へっ!許すわけねえだろ?もう、止まらねえよ!」

ドラクロワが花子の頭を掴んで起こし、激しく揺さぶる。

「んぐぅっ!んんっ!」

ドラクロワの巨大なペニスに喉を突かれ、苦痛に顔を歪ませる花子。だが、そんなことはお構いなしに、ドラクロワは花子の口内を激しく犯し続ける。

「よしっ!出すぜ…。」

出すと言われても、まだ子供の花子には何が出て来るのかも分からない。未知の恐怖に震える花子に、ドラクロワは容赦なく精を放つ。

「むぐうっ!
うげっ…ゲホッ!ゴホッ!」

いきなり口内を満たした苦い粘性の液体に、花子は思わずむせ返る。

「いでっ!!
てめえっ!噛むんじゃねえよ!」

むせ返った拍子に、モノを噛まれてしまったドラクロワが、花子を叱責する。

「ゴホッ…ごめんなさい…ゲホッ!」

理不尽といえばあまりに理不尽な叱責だが、花子は逆らう元気も勇気も失ってしまっていた。

「ケッ!まあいい。
まだ俺は満足してからな。
元に戻っちまう前に早いとこやっちまうぜ。」

そう言うと、ドラクロワは花子を畳に押し倒す。

「やだっやだっ!もう許してっ!」

具体的に何をされるのか分からなかったが、いや、むしろ分からないからこそ、花子の頭は恐怖心でいっぱいになっていた。

「おい、お前は人に物を頼む時の言葉使いも教わってねえのか?」

「ふぇっ…ひぐっ…。お願いします…許してくださいぃぃ…。」

恐怖で泣きじゃくりながら、懇願する花子。それを見て、ドラクロワはにこっと笑い、言葉を返す。

「やだ。」

653:花子の長い一日12
07/09/04 22:53:31 9FoKG8Fz
「…えっ?」

ズンッ!!

「い、いやあああああっ!!
痛っ…痛い痛い!いたいよぉぉっ!」

途端に花子を貫く激しい痛み。
飛び散った鮮血が畳を紅く染める。

「ちっ!やっぱりまだ滑りが悪いな。」

痛みに耐える花子に対して、辛辣な言葉を吐くドラクロワ。

「痛っっ…お、お願いしますっ!許してくだっ…痛いっっ!
もぉ…もぉ許してぇっ!
いやっ、痛いいっ!!
だずげてっ…こーみお兄ちゃんっ!!
うあああっ!いたいよぉぉっ!


花子はあまりの痛みにパニック状態に陥っていた。
処女だった挙げ句、まだ濡れも不完全な状態で思いっきり挿入されたのだから無理も無いだろう。

「おいおい…これじゃ死んじまうな。
仕方ねえ。」

そう言うと、ドラクロワはおもむろに自分のモノを引き抜いた。

「い、いやあああああっ!!」

すかさず逃げようともがく花子だったが、元々力で敵うはずも無い上に、処女を散らされた痛みで動くこともままならない。

「おとなしくしやがれっ!
この俺様が気持ち良くしてやるって言ってるんだよ!」

そんな事は全然言ってないのだが、迫力だけはすごいドラクロワの言葉に、花子はびくんっと身を震わせ、動けなくなってしまう。

「俺ばっか気持ち良くなっても仕方ねえからな。お前も気持ち良くしてやるよ。」

花子の懇願を散々無視しといて、いきなり紳士ぶった発言をするドラクロワ。
これぞ自己中の自己中たる所以だろう。

だが、花子にとっては苦痛から解放されるならもう何でも良かった。
全ての気力を失った花子にできることは、ただドラクロワの次の行動を待つ事しか無かった。

654:名無しさん@ピンキー
07/09/04 22:58:40 9FoKG8Fz
今日はここまでです。
毎回短くて申し訳ありません。
なるべくお待たせしないように頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

あと、もし自分に遠慮して投下を待っている職人さんがいらっしゃったら、お気になさらず投下して下さいね。
自分は少しでもスレを盛り上げたいだけですので…
どうぞよろしくお願いします。

655:名無しさん@ピンキー
07/09/05 20:06:08 HXw3erXb
Z、いや、乙と言わざるを得ない

656:名無しさん@ピンキー
07/09/06 01:10:06 ibYmVQNE
乙乙!!

657:名無しさん@ピンキー
07/09/11 12:22:16 X0BurZE7
464です。
>>568からの続きについて、またこちらに投下して良いものかと悩んでます。
正直『Gガン』の46話以降や『ΑGITΩ』の47話以降(←わかりにくい例えを…)にしか
ならなそうな気もしますが、矢張り自分の手でエンドタイトルは打ちたいし…

「エロ書いてみてぇ…」という気持ちも鎌首もたげてはいるものの
(↑と言いつつ、うぬは体の一部分が鎌首もたげておろうが、けしからん!)
一つ事に決着付けない内から次に取っ掛かれそうに無いしで…


て言うか、自分これから数日、手術入院です…orz

658:名無しさん@ピンキー
07/09/11 12:57:21 uH4sh05a
盲腸か?美人看護婦さんに剃ってもらえるといいな。

659:名無しさん@ピンキー
07/09/12 04:30:27 ozMegd8+
>>660
取り敢えずは自分が書きたいようにするのが一番……
いや、突き放す意味で無くってね。

まあ、今は手術頑張ってくれ…って、もう見られないか。

660:名無しさん@ピンキー
07/09/16 18:22:33 pSv64SPR
ほしゅ

661:名無しさん@ピンキー
07/09/22 23:17:01 AZWxf0/w
真白木×あいすとか、悠×あいすの続きが気になってるんだけど、
もう読めないんだろうか…

662:名無しさん@ピンキー
07/09/23 11:12:29 xNuml0tr
連載終わってるし、職人氏も別の作品の二次書きたかったりもするだろ。
仕方ないといえば仕方ない。

663:名無しさん@ピンキー
07/09/29 00:31:00 e9M4+hid
>>664
いいえ
スレには来ています
今止まってる話終わったら書きたいネタもあるんです
今まで、話の途中でここでの投下をやめた事ないっす
今作も頑張ります

664:名無しさん@ピンキー
07/09/29 15:00:21 GiQHMGTl
>>666
おお!続きさえ読めるなら、気長に待ちますともっ!
楽しみにしてます!!

665:名無しさん@ピンキー
07/10/06 23:49:49 RUO4ZVtH
保守

666:名無しさん@ピンキー
07/10/12 00:17:08 xMbDRHt+
ほっしゅ

エロ絵板も寂しいのう

667:名無しさん@ピンキー
07/10/16 09:16:16 PW8CAqZl
保守がてら、投下いたします。カップリングは乾×一口で。
ですがうっかり84章の内容を失念していたので暴走役が一口になっております。
「原作と状況が違うなんてけしからん!」という方はNGワード「イヌイチ」でお願いします。
では。

668:イヌイチ・1
07/10/16 09:18:05 PW8CAqZl
*******
「乾早くっ!早くしないとお姉さまの純潔が散らされちゃうよ!」
「分かってるって!…ええ、ですから本当に18歳超えてますから」
 ホテル『アクエリオン』のフロントにてオレ、乾一は連れ、一口夕利に対し物凄く不審気な目を向ける係のオバちゃんと少々問答を
した末、ようやく部屋の鍵を手に入れた。―一口、後で半分休憩料金払えよ。
 部屋ナンバーは、『一万と二千年前からアイシテル』号室。
 そしてその隣は『八千年を超えたころから以下略』号室。
「はあ、はあ…ここに入ってっちゃったんだ…お姉さま」
 『八千年を超えたころから以下略』号室の扉の前で、一口は息を切らしながら呟いた。
 そう、この部屋の中には―。
 オレと、コイツの好きな人と、あの男が居るんだ。


669:イヌイチ・2
07/10/16 09:24:20 PW8CAqZl
*
 話は少し前に遡る。
 あの人…オレと一口の憧れの女(ひと)百手矢射子先輩と、同級生、阿久津宏海が付き合いだしたのは、先輩が卒業して間もない頃
だった。
 オレたち(というか一口)は彼女の気持ちが阿久津に一途に向けられていた事を知っていたが、問題は阿久津である。
 外見に似合わず状況に流される性質である(一口:談)あの男が、本当に矢射子先輩の事が好きなのか分かったもんじゃない、との
理由で二人のデートをこっそり付け回すようになって、今回で早五回目。
 相変わらず、二人の間は近いんだか遠いんだか分からなくて、かと言って、オレたちがどうこう言って何が変わるんだろう、と心に
迷いが生じ始めた、そんな時だった。
 ―ぽつん。アスファルトを小さく叩く、水音。
『え…雨?』映画のパンフレットを抱えた先輩が空を見上げる。
 つられて、阿久津と、路地一つ向こうの電信柱の影で様子を見ていたオレたちも空を見上げた。
 ぱらたたたたっ。途端に顔に大粒の雨の滴が顔にかかる。
「やだっ。いつの間にか曇っちゃったんだ」
 傍の一口が自分の頭を押さえながら困惑顔になる。
 目の前の二人も、おそらくそんな会話をしているのだろう。どんどん強まる雨の中を二人は手を繋ぎ、走り出した。
 阿久津はちゃんと先輩に自分のジャケットをかぶせて―まあ、この辺は当然だよn「ちょっと乾!!何ボーっとしてんの!?」
 はっと気付くと、一口が、オレの一つ括りにした後ろ髪を引っ張り怒鳴っていた。
 イデデ。それ取っ手じゃないんスけど。
「追うよ!」
「お…おう!」
 後ろ髪を押さえながら、二人の後に付いて走る。途中一口がぼそっと「さぶっ」と口にしたような気がするが、多分気のせいだ。
「ほらっ、さっきあの路地に入ってったから!」
「ああ―って、この辺…」
 一口に促されるまま脚を踏み入れた小道に、オレは目を疑った。
 あちこちに散見する『ご休憩****円・宿泊****円』の文字。
 時間はまだ暗くなる前だったので、あの夜目にどぎつい桃色なネオンは鳴りを潜めていたが…ここは…。
 ラブホ街じゃないか。
 いや、何の不自然もない。(高校生がラブホテルに立ち寄るのは不自然だが)恋人同士がデートの末に一線を越えることは…あって
も不思議ではないのかも。
 だが、相手があのひとなら話は別だ。
 特に、傍らの小さな連れにしてみれば。
「ふ…ふしだらだわっ!あの男、雨に乗じてお姉さまにツッコミ三昧だなんてっ!!」
 一口の頭から蒸気が昇る。もうすっかり濡れ鼠だがお構いなしだ。
何を想像しているかなど、問うまでもないだろう。
 二人はそんなオレたちの事など知らぬまま、一軒のラブホテルの前でしばらく会話した後―…えっ、矢射子先輩が引っ張ってった
よ。
「い…一口…」
「ますます許せない!普通ああいうのって男がリードするモンでしょう!?何女の子に恥ずかしいことさせてんの!?」
 どっちやねん。いや、それより。
「そうじゃないだろ。どーすんだよ一口、いくらオレたちだってホテルの中まで…」
「もちろん追うに決まってんじゃない!」
「そうだよなー。オレもそろそろ不毛だって…ええっ!?」
「何よ、諦める気?」
 ぎろり、目の据わった一口がオレを睨む。何が彼女を駆り立てるのか。プティ・スールのポの字も分からないオレにはさっぱりだ。
「乾が行かないなら、あたし一人でも行くんだから!」
「わあっ!!待て待てっ!」
 さすがにそれは無謀すぎる。いくら4月に18歳になったとはいえ、コイツはどう見ても○学生高学年がいいとこの外見しかもってな
いのだから、門前払いがオチである。
「ええいわかったよ、オレも行くから早まるな!」
*

670:イヌイチ・
07/10/16 09:25:57 PW8CAqZl
 なりゆきだ。なりゆきじゃなかったら漫画によくある御都合展開だ。
 きっと最後のページには『俺達の戦いはまだ始まったばかりだ!』とか、ミカンの絵が描かれてたりするんだ。あれ?それって打ち
切りじゃね?
「一人で何ブツブツ言ってんの?乾」
「へあっ!?オレ何か言ってた?」
「何かプリンセスがどうとかって…それより黙っててよ。お姉さまの声が聞こえないじゃない」
 言いながら一口は濡れた服もそのままに、壁におそらく備え付けであろうコップを押し付け隣の音に集中している。白いシャツの下か
らかすかに透ける水色のキャミソールにオレは少々居心地の悪さを感じていた。
「…風邪ひくぞ」
 オレはバスルームからタオルを数枚拝借し、一口に向け放り投げた。返事は無い。期待してないけど。
 ついでに、服を乾かすハンガーを借りようとクロゼットを開ける。
―が。
「ぶっ」
 中を見て慌ててドアを閉めた。―中にあったのは、おそらくオプションであろう、ボンテージ衣装と九尾鞭をはじめとする数々の
SM小道具だった。
 こ…これ、隣の部屋にもあんのかな。
 クロゼットの扉を押さえつつも、激しい動悸と妄想が止まらない。

―艶やかな黒革の衣装に身を包んだ、はちきれんばかりの先輩の肢体。
『ほら、何が欲しいの?』
 鞭の先端がゆっくり空気を撫で、触れるか触れないかギリギリの快楽が背中を走る。…けれど答えられない。口に噛まされたギャグ
ボールが、人の言葉を喋らせてくれない。
 そこに居るのは、一匹の忠実な獣。ヨダレと荒い息を漏らしながら血を流しそうな位痛い主の愛を待つ、哀れで卑しい畜生の姿だ。
 そして主はそんな畜生を見下ろしながら、ゆっくりと笑みを湛えこう言うだろう。
『いい子ね…愛してるわ。―宏海』

「すないぱぅっ!?」
 畜生の図が妄想のオレから阿久津の姿に変わった瞬間、オレは弾かれたようにクロゼットから離れ、一口の隣で壁にへばりついた。
「い、乾?急にどうしたの?」
 唖然とした表情で一口が問う。だがそれに答える余裕など今のオレにはない。
「…許せねえ」
「?」
 そうだ。矢射子先輩が阿久津の彼女になったって事は、あの爪先から脳天まで駆け抜ける先輩の愛のムチを、アイツが独占しちまう
って事だ。
 そんなの。
 そんなの、許せるかよ。
「ヘンジン!」
「きゃっ!」
 装着した首輪のバックルを回し、辺りが光に包まれる。その隙にオレは、サイボーグ乾へと姿を変えた。「キモっ」近くで声が聞こ
えた気がするが、気のせいである。
「…待っててください矢射子先輩。貴女の愛のムチを受けるのは…このオレだぁーーーーっ!!!!!!」
「乾!?」
 一口の声もおかまいなしにオレは壁に向け、拳を放つ。サイボーグ乾と化したオレのパワーは通常の約7倍。それ位あれば、ラブホ
テルの壁などやすやすと壊せるだろう。
 …が、壁に拳が当たる直前、オレは動きを止めてしまった。
 犬の聴力は約16倍―それにより聞こえる会話が、犬型サイボーグのオレの耳にも届いてしまったのだ。
*

671:イヌイチ・4
07/10/16 09:27:09 PW8CAqZl
キィ…。ガラス戸―おそらくシャワールームの扉が開く音がした。
『宏海』どきん。矢射子先輩の声だ、隣の部屋に居るオレの鼓動が高鳴る。
『おう、体あったまったか。こっちも服干しといたか…ぶえっくしゅん!!』
『あ…ご、ごめんっ、宏海の方が体冷えてたのに』
『構わねえよ。風邪引きゃテキトーにサボれる口実が出来るからな。アイツらのお守りより、そっちの方が楽だ』
 ずびずびと鼻をかみながら、阿久津が返す。
『それより、服乾くまでシーツ被っててくんねえか?―その、目のやり場に困る』
『えっ…っ!!』
 先輩が息を呑み、ぎこちない衣擦れ音―おそらくベッドシーツを身に纏っているのだろう―がした後、微妙な沈黙が二人を包ん
だ。
 困るって言っている割に、少し落ち着いてる風な阿久津の口調が、なんだかムカついた。
『ごめんね、宏海…迷惑だったでしょ?』
『あ?』
『…雨だからって、急にこんなところ連れ込んで…軽蔑したよね。女の子なのに』
『…また反省してたのか。やけにシャワー長いと思ってたが』
『だって…』先輩の声が、涙声に変わっていく。―壁をブチ壊すなら今か?オレは右手に作った握り拳に力を込める。一口も眉間に
皺を寄せ、壁の向こうを睨んでいた。―その時。
 ぎしり。ベッドのスプリングが軋む。無論、向こうの部屋のだ。
『…!』
『泣き止んだか』
『こ、ここ宏海、今のって…』
『…好きな女にじゃなきゃ、しねえよ』
 キス、だ。目に見ることは出来なくとも、オレも一口も確信していた。
『こっちこそ、ごめんな。アンタには告白の時からリード取られっぱなしでさ。そういうの気にする方だってのも知ってんのに…本当、
情けねえ』
『そんなの…情けなくなんか、ないよ。だってあたしはそう言って人の事を思ってくれる宏海を見てたから…大事にしてくれる宏海
がっ、すっすすすすす…』
 …先輩、言えてません。

 ことん。突然近くで音がした。隣の様子を伺うのに夢中になっていたオレは、音の正体に気付くのに少し時間がかかった。
「乾、もう聞くのやめよ」
 音の正体は、一口が置いたコップだった。
「…一口?」
「もう、これ以上聞くの辛くなってきちゃったよ…。ゴメン乾、あたしもう帰るね」
「えっ…あっ、待てよそう言えば休憩代…」
 半分出して貰ってないぞ。一口の腕を掴み、言いかけてオレは言葉を止めた。―一口は、大きな目一杯に涙を溜めて、必死に泣く
のを堪えていた。
「バカ…なんで顔見んのよ。空気読んでよバカ犬…うっ、く…」
 わああああああん。
 腕を掴まれたまま一口はその場にへたり込み、大声で泣き出した。
「な、泣くなよおい…」
 こういう時どうすればいいんだ。オレは自分の胸の痛みを吐き出そうにも吐き出せないまま、豪快な子供泣きをする一口の前に同じ
ように座り込んだ。
 小さく結った一口の前髪が、しゃくり上げる度にぴこぴこと揺れる。本当、子供みたいだな。そう思ってオレは子供をあやすように
一口の頭にそっと手を置いた。―が。
 バキィッ!!「そのキモい格好のまま触んなーーーーーーっ!!!!!!!!」
 ええーーーーーっ!!!?これなんてリバーサルアタック!?マスクをしたままの顎にギャラクティカマグナムを喰らい、横向きに吹っ飛
びながらオレは心でツッコんだのだった。
*

672:イヌイチ・5
07/10/16 09:28:35 PW8CAqZl
「…これでも飲んで落ち着けよ」
 備え付けの冷蔵庫から缶ジュースを出し、ベッドの上に座った一口に向けて放る。缶は放物線を描きつつ、顔を両手で押さえながら
泣き続ける一口の横にぼすん、と音立てて着地した。
「まだ雨は止んでないみたいだから、止んでから出ようぜ。この辺ホントに雨宿りできる建物無かったし、オレたちまで風邪引いたら
怪しまれちまう」
 窓の外は、まだ大粒の雨で白くけぶっている。今の季節にありがちな夕立かと思っていたが、どうも少し違うみたいだった。
「…随分、余裕だね乾…」
 ぐしゅっ、と鼻をすすりながら一口が呟いた。余裕なんかじゃねーよ。手に持ったミネラルウォーターの蓋を開けながら返す。
 本当のことだ。
「そりゃ泣けるなら、泣いてるよ。…けど何でか知んねーけど、涙が出ないんだ」
「…冷めたの?」
「違う」
 即答に、心なしか一口は小さく身をこわばらせたようだった。…キツイ言い方だったかな。
「けど、矢射子先輩のこと、オレはどの位考えてたかなーって思ってさ。オレが矢射子先輩に求めるばかりで、矢射子先輩が何を求め
ていたか、何を欲しがっているかをオレはずっと気付けなくて…だから駄目だったのかな、なんて思ってた」
 あたしはずっと気付いてたよ。プルタブを開けつつ、一口は答えた。
「でも、しょうがないじゃない。お姉さま以外に好きになれる人がいなかったんだもん。確率がどんなに低くたって、諦められなかっ
たんだもん」
 それは、オレも同じだ。言葉を水と一緒に喉の奥に流し込み、オレは一口の横に座った。―今日が雨でよかった。風にあおられ、
激しく窓を打つ雨の音に、オレは少しだけ感謝した。
「…乾」
「ん?」
「…ありがとね。あんたはバカだけど、今日は近くに居てくれて良かったって思うよ」
「一言余計だ。まあ、オレも思ってるよ。―一人だけだったら、耐えられなかったかも」
 互いに顔も見合さず、壁に向かって続ける会話。けれど、けっして空しいものではない。
 それはきっと、隣がコイツだからだろう。先輩に対する想いを互いに知り尽くし、語り合える、ライバルというよりはむしろ戦友の
ような、小さな、―…大切な存在。
「んふふ」突然一口が笑い出したので、一瞬心を読まれたかとオレの心臓がはねた。
「な、何だよ急に」
「だって乾黙り込んじゃうから何だかおかしくて」
「はあ?」
 そーゆーキャラじゃないじゃーん。自分のセリフがツボにはまったのか、一口の笑い声はさらにボルテージを上げ、ついにはベッド
に倒れ込み、足をバタバタさせながら笑い出した…って、ちょっと待て!
「こ、コラ!見えるぞ一口!!」
 あとベッドにジュースをぶち撒けそうだったので、慌てて缶を取り上げる。
「いいじゃーん別にぃ。減るもんじゃないし」
 それは見られる側のセリフじゃない。ニーソックスと膝上プリーツスカートの絶対領域奥に見えそうなモノの存在にオレはやきもき  
(はしたなさに対する困惑だ。欲情では、断じてない)しつつ、この状態は変だと頭の中で思い始めていた。
「一口、一体どうしたん―げっ」
 嫌な予感に、さっきまで一口が飲んでいたジュースの缶に目をやり、オレは絶句した。
 そこには、割と大きな字で「これはお酒です」と書かれている。

 …言うまでもないが、お酒はハタチになってから、だ。

*

673:イヌイチ・6
07/10/16 09:31:03 PW8CAqZl
「いっ、一口おまっ…これ知ってて飲んだな!?」
 オレの言葉に一口がにへらっ、と笑う。渡してしまったのはオレのミスだが、気付いていながら飲んだのなら、タチが悪い。
「だぁって、18歳はオトナだもーん。パチ屋もレンタルビデオのAVコーナーも、エロパロ板にだって行けるんだもんねー」
 いや…あれ?そうだっけ?最後のが近頃変わったってのは聞いたことあるが。いや、なぜ知ってるかなんて聞いてほしくはないが。
「とにかく、水飲めよ。お前それは酔っ払いすぎだろ」
 ひったくったチューハイの代わりに、オレが今まで飲んでた水を渡すと、一口は赤く染まった頬をさらに真っ赤に染め、間接キスさ
せようとしてるの?と尋ねてきた。
「なっ…!」
「なーんてね。冗談だよ。大体乾にそんな気無いの知ってるし。あたしも範囲外だし」
 とんだ肩透かしである。―…いや、実際そうだけどさ。
「でもさ…あたしだって、そういうコト、出来るんだよ…?」
 ちゃぽん。ペットボトルから口を離し、一口が呟く。水に濡れた唇に不覚にも胸が高鳴ったが、これはさっきのセリフのせいだ。
「ど、どうい…」
「なのにお姉さまったらあんな不自然な髪の色したシスコン野郎なんかにーーーーーーーっ!!!!!!」
 …やっぱりそっちか。再び足をバタバタさせだした一口を尻目に、オレは既に空だった空き缶を手に、くずかごを探していた。
 こういうのって分別すんのかな。でもこの部屋一つしかくずかご無いよなあ。
「いーぬーいー」
「…なんだよ」
 今度は受け流すぞ。と心に決めて、一口の呼びかけに愛想無く返す―が、その意思は
「ね、おちんちん貸して」
 という、水爆発言によりもろくも崩れ去ってしまったのだった。


674:イヌイチ・7
07/10/16 09:32:27 PW8CAqZl
Jack has a bat and two balls.

「…べ」
「べ?」
「べぇーすーぼぉーるはえすえすけー♪」
「…もしもし?」
 もしもーしと呼びかけながら目前でひらひらさせる一口の掌により、オレの意識がもどる。…いけねえ。一瞬なつかしCMの世界に  
飛んでたらしい。
 オレは大きく頭を振り、今なんて言った?と一口に向け問い直した。
「乾のおちん「わーっ!!やっぱ言うな!女の子が!」
 この手のセリフは冷静に喋れば喋るほど相手が恥ずかしく感じるものであり、今もその例に漏れなかった。
「乾、首まで真っ赤だよ」
「オマエ恥ずかしくないのかよ」
「…恥ずかしくないと思ってんの?」
 心外だと言わんばかりに一口が眉間に皺を寄せる。
「や…だったらそんな突拍子も無い事言うなよ…」
「突拍子無くないもん。―…あたし、前にお姉さまが男の姿になったとき思ったの。ああ、あたしお姉さまが相手なら、男でも女で  
も構わない…ううん、今だったらいっそ、あたしが男になったって構わないって」
 そんな時あったっけ?矢射子先輩がやたら体格良かった時の事か?混乱した頭の中で必死に過去の記憶を掘り返す。
「でも、あたしが男になるにしたって、男のカラダを知ってなくちゃ駄目じゃない?だから、乾のおち「ぬわあああああああっ!!!!!」
 それは突拍子無いとは言わないのか?いや、酒が入った人間の論理ってこういうもんなのか?
「だ、大体だな…ぜぇぜぇ…そんな事言われたってオレに何の得があるんだよ」
 喉痛ぇ…。吉田A作ばり(※例えが古いのは仕様です)の絶叫のし過ぎでひりつく喉を押さえつつ、オレはまだ顔の赤い一口に問う。
「あたしの見てもいいよ?」
「オレはロリコン趣味じゃない」
 即答だ。ついでに言えば断言だ。一口はあからさまにムっとした顔になったが、これは譲れない。
「マゾの癖―そうだね」
 言いかけて何か思いついたのか、一口がいたずらを思い浮かべた子供のようにニヤリと笑みを作った。
 ぞくっ。
 オレの背筋に悪寒が走る。ベッドの上でにじり寄ろうとする一口に対し、自然と腰が引けてしまう。
「な、何だよ…」
「乾は、お願いなんかじゃ人の言うこと聞いてくんないんだよね。…じゃあ」
 それまで肩にかけていたタオルを手に持ち、さらに迫ろうとする一口。
 そしてオレはベッドボードに背を押し付けつつ、これから何が起きようとしているのか―きっと、本能で気付いていた。
 一口の、次の言葉には、逆らえない。何故ならば。
「乾―これは『命令』よ。あたしの玩具になりなさい」

 何故ならば、オレは、どうしようもない程のマゾヒストだからだ。

*

675:イヌイチ・8
07/10/16 09:34:10 PW8CAqZl
ぎちり、手を動かせば、後ろ手に縛られたタオルが音を立てた。
「け、結構キツめに縛ってんな…」
「途中でヘンな気起こされたら嫌だもんね。あたしの純潔は心に決めた人にしか捧げないんだから」
 起きねーよ。言いたいのは山々だったが、状況が状況だけに、ありえないとは言い難い。
 悲しいけど、これって性的いたずらなのよね。
「じゃあ、いくよ」
 そう言って、一口はまずオレのタンクトップの上から胸板を触りだした。さするように、ぺちぺちと叩くように掌に質感を覚えさせ  
る行為は、何だか子供の砂場遊びに似ている気がする。
「やっぱり柔らかくないねー」
 タンクトップをまくり上げ、脇腹を触りつつ一口が呟く。
「ちょ…っくく、くすぐってえよ」
「男の人ってこの辺感じないの?」
「え?あー、個人差じゃないの?」
 他人の性感帯なんか知る訳が無い。というか一口、その言い方だと自分は脇腹が感じますと言ってるようなモンだぞ。
 思ったが、今はとりあえず笑いを堪えるのが先だった。
「背中もゴツいね。…あれ?乾ってそんなに汗臭くないんだね。あんな変態な格好するクセに意外」
「大きなお世話だ」
 そりゃ多少は気にするが。
 つか一口、顔近づけ過ぎ。髪の毛の先が乳首に当たってるし。
 オレはくずぐったさに思わずきつく目を閉じる。…それを合図にしたかのように、一口の手は更に下、ベルトの金具へと伸びていっ
た。
 カチャカチャ、…ぶつん、ジー…ッ。
 ジーンズのジッパーが開く音と共に、腰の拘束感がゆるんでいく。―いよいよ、か。目を閉じたままオレは微かな高揚感を味わっ  
ていた。…矢射子先輩、こんな節操の無い犬でスミマセン。
「乾、お尻上げて」
「ん」
 言われたまま腰を上げる―と同時に下半身がひやりとした空気に晒された…って。
「一気に脱がすのかよ!!!!!!」
「ひゃあっ!!」
 オレの反応に一口はジーンズとボクサーパンツを握り締めたまま飛び上がった。
「ば、ばばばバカっ!!急に驚かさないでよ!!」
「お、驚いたのはこっちだ!!オレにだって心の準備ってのがあるんだよ!」
「チンコ丸出しで怒鳴んないでよ下半身靴下だけ男!!」
「だから軽々しく口にすんなって言ってるだろが!!」
 しばし睨み合い、大きく息を吐く。…全く、少しでもドキドキしたオレが間違っていた。
「も、いい。好きにしろ」
「ん。好きにする」
 一口の言葉をきっかけにオレはベッドに仰向けに寝っ転がった。…うわ、この部屋天井に鏡張ってたのか…鏡に映ったオレの間抜け
な姿を眺めつつ、今更そんな事に気付いた自分に苦笑した。
 そんなオレの表情に目もくれず、目の前の少女は自分に無い器官に対し、何とも微妙な表情のままちょんちょん、と指でつついたり  
している。…別に取って食ったりしねーよ。
「ふにゃふにゃしてる」
「勃ってないからな」
「勃たないの?」
「…今の心境で勃てられたらオレはオレを尊敬するよ。男心はファイバードなんだぞ」
「デリケートと太陽の勇者は間違えないんじゃないの乾…」
 一口はそう言うとしばらく思案顔になり、やっぱりあたしも脱ぐね、と自分の着ているシャツのボタンに手を掛けた。
「見ないでよ」
「は?裸をか?」
「違う、脱いでるトコ」
 …?裸を見るのは構わないのに?変な奴。
 わかったよ、と答えつつ、オレは天井の鏡に映った一口の姿を薄目を開いて覗いていた。小さな手が、ゆっくりボタンを外し、シャ
ツを、スカートを、キャミソールを脱がしていく。
 坂田あたりが見たら数年は夜の妄想に困らないだろうなあ。―ふと、そんな考えが頭をよぎり、直後自己嫌悪に陥った。

 ばかじゃねーの。オレ。

676:イヌイチ・9
07/10/16 09:44:58 PW8CAqZl
*
「も、もういいよ。目、開けて」
「…うん」
 目を開けると、白い肌が目に飛び込んできた。本当に申し訳程度にしかない胸と、股間を左右それぞれの手で押さえた一口が、真っ
赤な顔でベッドの上にぺたんと座り込んでいた。
「ど、どうかな?」
「…どうって」何と答えろと―言いかけて、この奇妙な状況に至った理由を思い出した。
 しばらく考えて、オレは口を開く。
「そうだなあ。(お世辞にも筋肉は付いてねーけど)肌も綺麗だし(それは欠点じゃないし)、華奢ってのも(ソレが売りってヤツも
いるらしいし。よく知らないけど)…まあ、アリなんじゃねーの?」
 男になりたいんだっけコイツ。…それで矢射子先輩が振り向いてくれるのかと言うと、甚だ疑問だが。
 オレの言葉に一口はちょっと驚いた表情を見せ、その後更に顔を赤くさせながら、そ、そうかな…褒めてんだよね…と小さく呟いた。
 …ひょっとして照れてるんだろうか。その表情は男になるには勿体無いな、とオレは少し残念に思った。
「え、と、…じゃあ、続けるね」
「…ん」
 胸を隠していた手を外し、一口は再びオレの股間に手を這わせた。
 今度はさっきよりも度胸がついたのか、サオ全体を手で持ってみたり、タマの方まで触ってみたりもしている。
「もちょっと強く触ってもいい?」
 返事を待たず握る力が増し、丁度自分でする位の手の力が、下の自分にかかってきた。―あ、やべ。
「あ、乾のぴくってした。…気持ちいいの?」
「…聞くなよ…」
 くそっ、恥ずかしい。いたたまれず、オレは一口から目を逸らした。
 だがオレの根底に流れるM魂は、見られて弄ばれる恥ずかしさに快楽を見出しつつあった。…本当に節操無いな!このバカ息子!
 そんなオレの煩悶など気にしない一口は、手の向きや触れる場所をいろいろ試しつつ、どの触り方に強く反応するかを熱心に探って
いる。
 上気した頬と、手を動かす度にぴこぴこ揺れる結んだ髪。そして、わずかなふくらみの先に色付く桜色と、閉じた脚の間にほんの少
し見える陰り、という幼女と少女と歳相応の女の姿がごちゃ混ぜになった一口の裸。
 心の底に、それを的確に表す言葉があるにもかかわらず、オレの口は言葉を吐き出さず、ただ快楽を堪える為に歯をくいしばってい
た。

677:イヌイチ・10
07/10/16 09:46:15 PW8CAqZl
「乾、痛い?」
 不意に一口が手を止め、心配そうに尋ねてきた。
「え…?何、で」
「ずっと苦しそうな顔してたから。…ごめんね下手で」
 …別に下手じゃねーよ。
 下手かどうかなんて、とっくにヘソ辺りまで反り返っちまったモノを見れば分かるだろうに。
「相手が、お姉さまだったら良かったのにね」
 一口の言葉がみぞおちをえぐり込む。―今、そういう事言うなよ。ズルいじゃないか。
 わざと明るい口調で言っていたが、逆効果なのは明らかだった。
「…お互い様だろ」
 オレの言葉に、一口はまた泣きそうな顔になった。別に泣かしたくて言ってる訳じゃない。ただ、今やっている事がどれだけ不毛か
なんて、二人ともとっくの昔から分かってた。それだけなんだ。
 傷を舐め合うどころか、紙ヤスリで擦り合うような行為なんかでは、傷は広がりこそはすれども、決して癒えはしない。
 くだらない。情けない。…だから、止めるなら今のうちなんだ。
 ―だが。
「…タオル、ほどくね」
「ヘンな気起こされたら嫌なんじゃなかったっけ?」
 ―それでも。
「いいから、体起こして、じっとしてて」
「起こしてもいいのか?…ヘンな気」
 オレの言葉に一口は息をのんだ。冗談で言ってるつもりはない。それくらいは通じるだろうか。
 少しの逡巡、かなりの高揚。沈黙の後、一口が小さく唇を噛むのが見えた。
「…いいから。でも少しの間でいいからさ、乾」
 ―それでも、オレたちは。
「ぎゅって、抱きしめて」

 傍らのぬくもりを、欲しがらずにいられなかったのだ。


678:イヌイチ・11
07/10/16 09:51:02 PW8CAqZl

*
 とくん、とくん。胸に自分のものでない鼓動が伝わってくるという体験は、初めて味わうが、何ともくすぐったい。
 オレは一口の微かに赤く染まった首筋を眺めながら、ぼんやりとそんなことを考えていた。
「乾、手ぇ冷たいよ」
「え?ああ、縛りすぎて血行悪くなってたせいかな」
「お尻のところには熱いの当たってんのにね」
「あーもーそりゃ生理現象っスから。自分男っスから。しょうがないっス」
 でもお前だって腰に当たってる辺り、凄く熱くなってんだぞ?
 返したいのをぐっと堪えて、オレは膝の上に座る小さな背中を抱く腕にそっと力を込めた。
 一口の体は、小さい上に柔らかくて、いいにおいがして、ほんの少しの衝撃で潰れてしまいそうだった。
「んー、こうしたら少し楽になるかな?乾、ちょっと腕ほどいて」
「えっ、もう挿れ…」
 …る訳ではなかった。一口は腰を浮かすとヘソに貼りついていたオレのモノをそっと掴み、自分の股の間に挟み込める位置へと場所
を調節させると、再びオレの腰の上へと尻を落ち着かせた。いわゆる素股の体勢、というヤツである。
「こうかな。ん、あれ?さっきよりゴリゴリしてない?」
「…。」―そりゃするよ。さっき腰を浮かせたときに見えちまったんだもの。何を、なんて問うまでもないだろう。
 乳首よりちょっと濃い目のピンク色した、一口の一番大切なトコロ。
 今抱きしめてる体みたいに、小さくて柔らかそうな肉のつぼみが、オレのすぐ近くにあるなんて。
 …もっと見てみたい。触ってみたい。指とか色々奥まで入れて、どんな感じなのか確かめてみたい。そう思うのは男として正しい心
理だと思う。
 こ、このまま挿れても、いいんじゃないかな?つか、すげー挿れてえ。只でさえ今、一口の熱いトコと太ももに挟まれて、オレは爆
発寸前なのだ。加速する鼓動を胸に抱えるオレを知ってか知らずか、一口は場所の微調整のために小さく腰を動かし、更なる焦らしプ
レイをオレに強要してくる。いや、焦らしも嫌いじゃないけどさ。でも、ああああああ。
 そんなオレの心中一人SMは、一口の「これでよし」という声に中断された。
「えへへ…やっぱり」
「へ?…何がやっぱりなんだよ」
 自分の股間を凝視しながらにまにまと笑う一口に、疑問符しか浮かばず、オレは尋ねてみた。
「こうしてるとさ、その…生えてるみたいに見えない?」
 …。何やってんだオマエ。

679:イヌイチ・12
07/10/16 09:51:56 PW8CAqZl
言われて、渋々一口の薄い陰りからほんの少し顔を出したオレのモノの図(あまりいい図ではない)を見てみる。
「ね、どうかな?」
 …それは多分、一口の未成熟な腰周りのせいかも知れないが、…言われてみれば、少し考える時間を貰えれば見えない事も無い…
「…気がする…ドスッ!!「おふっ!」
 思考が漏れていたらしい。呟き終わると同時に、脇腹にキレのいい肘鉄が飛んできた。
「未成熟で悪かったわねバカ犬!アンタにはデリカシーってもんが無いの!?」
「で、デリカシーって、…言葉の使い方間違えてるだろオマエ!デリカシーってのは人のチンコ股に挟んでる女が使う言葉じゃないん
だぞ!?」
「あーっ!自分だってチンコって言ってる!!」
「オレは男だからいいんだよ!つかまた言うなよ!」
「あたしだって男になるもん!!」
 ―ずきん。真っ赤な顔で見上げながら放つ一口の精一杯の反論が、胸に突き刺さった。
「あたしだって…阿久津くんやアンタに届かなくても、お姉さまに近づけるなら…なるもん…バカ…」
 肩を震わせて言い切ると、一口はそのままうつむき、すん、と小さく鼻を鳴らした。
「…ばかやろう」
 男になったって、あの人に近付ける訳では決してない。今の自分がいい例じゃないか。
 それでも尚一心にあの人の背中を追うって、どんだけ気合入れてんだよ。
 こんな小さな体のどこに。
 …そう思うと急に胸が苦しくなってきた。鼻につんとした痛みが走り、オレはごまかすように一口の体を強く抱きしめた。
「!?…っ、い、痛いよ乾…」
 膝の上の一口が身をよじる。けれどオレは腕をほどけない。
「乾?…泣いてるの?」
「…見るなよ…」
 ずっと泣けなかったのに、どうしてこんな時に限って涙が止まらないんだろう。
 オレは一口の小さな肩にまぶたを押し付け、声を殺して泣いた。
 一口は、何も言わず、黙って肩を貸してくれた。

 二つの心音が重なり合う中、ゆっくり、ゆっくりと時間は過ぎていった。

680:イヌイチ・ラスト
07/10/16 09:52:50 PW8CAqZl
*******
 どしゃ降りだった雨はすっかり上がり、夕暮れの街はひやりと澄んだ空気に包まれていた。
「あー、もう一番星が出てる」
 一口の言葉につられ空を見上げると、ビルの谷間から小さな光の粒が見えた。
「早く帰んないとな。一口んトコ門限早いんだろ?」
「うん。ウチの親、ちょっとだけ過保護だから…乾の家は?」
「そんな厳しくないかな。でもまあ、女の子は早めに帰んないと駄目だろ」
 オレの言葉に一口は、乾って意外と古風だねーと笑った。そうかもしれない。が、特に一口の場合は見た目の問題もあり、夜道など
ホイホイと歩いてたら洒落にならないような気がしたのだ。
「ホント、女の子って損してるよね…」
 はあ、と溜息混じりに一口がぼやく。ぴこん、と大きくはねる髪を横目に、でも損ばかりじゃないんじゃないかな、とオレは小声で
返した。
「少なくとも、男のカラダはあんな柔らかくねーぞ」
 …沈黙。やべっ。オレまずい事言ったかな?いきなり足を止めた一口に、オレは何か言い訳をしないといけない気がして、必死に弁
解の言葉を考えていた。
「あー…えと、今のはだな」
「…乾、続きしなくて良かったの?」
「へ?」
 反応の悪いオレに、一口は顔を真っ赤にさせながら、言いにくそうに口をモゴモゴさせた。
「だからっ、…その…れ…なくて」
「何?挿れなかった事か?」
「大声で言うなーーーーーーーーっ!!!!!!」
 ばちーん。ビル街に盛大なビンタの音がこだました。

 ―結局、オレたちは至るところまで至らぬまま、フロントからの無粋極まりない休憩時間切れコールによって、部屋を追い出され
たのだった。
 残り数分でコトを達成できるほどのボルテージも、延長料金を支払うだけの金銭的余裕も、あいにく持ち合わせていなかったオレた
ちは、まだ半乾きだった服を着込み、早急に、かつ周囲に見知った顔が無いか慎重に、ホテル街を抜け出した。

 挿れたく無かったと言えば、嘘になる。
 ジーンズを穿き直した時、朝勃ちよろしくいきり立ったモノをしまい込むのに四苦八苦したのも、そのモノを濡らしていた自分以外
の体液の存在が、更に行動力を低下させていたのも事実だ。―けれど。
 もしあのまま一口と体を重ねてしまったら。
 本能のおもむくままに蹂躙しつくしてしまったら。
 オレはオレの中に居る、一口夕利という存在を、オレと同じ人をオレ以上に一途に想う仲間を、この手で壊してしまうところだった
のだ。―それは、耐えられない。
 多分、矢射子先輩に嫌われるよりも。
「どうしたの?急に黙っちゃって」
「…いや、何でもない」
 オレの言葉にふーん、と首を傾げ、数歩前をぴょこぴょこ歩く一口のうしろ姿。
 当たり前すぎる風景―だからこそ失うのは、今のオレには辛かった。
「―…」
「え?何か言った?」
 夕暮れの風にかすれてしまった声に、一口が振り返る。その無邪気な表情に、オレはゆっくり頭を振り、酒抜けたのか?と代わりに
尋ねた。
「自販機のジュースならおごってやるぞー」
「んー、もう一声!せめて昇龍軒のネギチャーシュー!」
「どこが一声だよ!…んじゃ、オレより先に店着いたらオゴリな!」
「よし乗ったぁ!!じゃっ、お先!」
「今からかよっ!」
 オレは華麗なスタートダッシュを決める一口の背中にツッコミを入れつつ、追い抜かないようにちょっとだけ加減しながら、夕暮れ
の街を走った。

681:イヌイチの人
07/10/16 09:59:19 PW8CAqZl
…以上です。うわあっ!タイトル、3が抜けてるー!コピー位置もなんか変だー!
自分で書いてみると職人様の偉大さがわかるって、ばあちゃんが言ってたけど本当だったよ…。
微エロ長文失礼しました。では、またROM専に戻ります。


682:名無しさん@ピンキー
07/10/16 21:06:34 6jyYG8fB
乙です!
色々小ネタが利いてて、面白かった。

683:名無しさん@ピンキー
07/10/16 23:40:12 PueBCIeF
>>670-
ちょおま、あなたが神か!?
聴力16倍とか懐かしくて笑い泣きした。GJです!

684:名無しさん@ピンキー
07/10/18 14:57:51 mVvXups/
>670
エロパロではありえないぐらい泣いてしまいました。
一口と乾、本当に二人は矢射子のことを好きだったんだという切なさが
文章から溢れてて、今、息ができないぐらいツボってます。
キャラを大事にされていることが伝わりました。
もて王という作品の素晴らしさも再確認。
また是非投下よろしくお願いします。


685:名無しさん@ピンキー
07/10/19 22:00:20 +yDBiqPz
>670
非常に感動しました!
乾と一口二人の思いが物凄い良かったです!いれないのがイイ!!

宏海と矢射子バージョンも見たい!

686:名無しさん@ピンキー
07/10/20 01:50:46 3xCYXmpc
スレチかもしれませんが、女体化玲夜の自慰ネタとかないですかね?
昔書いたんですが、ネタ的に際どいので迷ってます。


687:670
07/10/20 14:06:29 vOMIQnxn
舌の根も乾かぬうちに戻ってきました。温かな感想、本当にありがとうございました。
御礼代わりにイヌイチの補足じみたおまけを投下いたします。
苦手な方は「イヌイチ」NGワードでお願いします。

688:イヌイチおまけ~雨宿り1
07/10/20 14:07:30 vOMIQnxn
舌の根も乾かぬうちに戻ってきました。温かな感想、本当にありがとうございました。
御礼代わりにイヌイチの補足じみたおまけを投下いたします。
苦手な方は「イヌイチ」NGワードでお願いします。

689:イヌイチおまけ~雨宿り・1
07/10/20 14:08:23 vOMIQnxn
******
「ただいま」
「夕利、いつまで遊んでたの。もう日が暮れてるじゃない」
「ごめんなさい、ちょっと雨宿りしてたから遅くなっちゃった」
 家に入り早々飛んできた母親の小言に、あたしは平気な顔で理由を言う。
「あら…そういえば服濡れてるわね。風邪引いちゃうから、お風呂入っちゃいなさい」
「はーい。あ、今日、晩ご飯いらないよ。外で食べてきたから」
 部屋に入って着替えを手にし、ぺたぺたと足音を立てて風呂場に向かう。そして服を脱ぎ風呂場の鍵を閉めて―あたしは、その場に
へたり込んだ。
「…はあ…」
 理由のどこにも、嘘は無い。雨宿りだって外でラーメン食べて帰ったのだって本当だ。
 なのになんでこんなに胸がドキドキするのだろう。
*
「まあ、男に二言は無いからな。えーと、ネギチャーシューふたつ!あ、オレのは大盛りで!!」
「あ、ずるーい乾!」
 競争の末に駆け込んだ先のラーメン屋で、あたしは水を飲みながら息を整える乾に文句を言った。
「何言ってんだよ。オゴるのはオレなんだから、ズルいも何もねーよ。それに、さっさと食って出ねーと、もう日が暮れてんだぞ?オマ
エ、卒業式ん時だってやたら食うの遅…」
 途中まで口にして乾はしまった、という顔をした。思い出してしまったのだ。

 ―卒業式の日。あたしと乾が、はっきりと分かる形でフラれた日。フラれた者同士、ヤケ食いしてパーっと忘れようぜって乾は誘っ
てくれたけど、苦しさと涙でしょっぱくなったラーメンは、とてもじゃ無いけれど食べられる代物じゃなかった。

「…悪い、無神経だった」
 呟いて、バツの悪そうな顔のまま乾はコップの水を飲み干した。
 賑やかな店の中、あたしと乾の間だけ、しばらく時間が止まったみたいに静かになる。
「…ほんと、あの時のラーメン、おいしくなかったよね」
 水差しに伸びた乾の手が止まる。あたしは、おしぼりを手で弄びながら、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「だからさ、今日は、ちゃんと美味しく食べようよ。前に残しちゃった分も。お腹空いちゃってるし、ね?」
 お待ちどうさん。丁度いいタイミングで、目の前にネギチャーシューメンが二つ並ぶ。ほわほわと立ち昇る湯気の温かさに、あたしは
目を細めた。
「―…強えーな、一口」
 ぱきん、と口で割り箸を割りつつ、乾が呟く。そしておもむろに自分の丼からチャーシューを三枚、あたしの丼によそった。
「やる」
 それだけ言うと、乾は黙々と大盛りのラーメンを啜り始めた。何で、とは思ったけれど、聞いちゃいけないような気がしたので、同じ
ようにあたしも黙って食べることにした。

 乾と食べる二度目の食事は、お腹と胸にじんわり温かくて、こういうのも悪くないなって、ちょっとだけ心の隅で思った。

690:イヌイチおまけ~雨宿り・2
07/10/20 14:10:06 vOMIQnxn
*
「―強えーな、か」
 ノズルを固定し、頭からシャワーを浴びつつ、あたしは乾の言葉を反芻した。
 本当は、そんな事無い。まだ全然振り切れてない。
 だからこそ、今日だってとんでもない理由をつけて乾を振り回していた。きっと断らない。心でそう決め付けて。
「…乾だって傷ついてるくせに」
 つう、と背中に水滴が流れた。―あの時と同じ、温かい滴。強く強く抱きしめながら流していた、涙。
 正直苦しかった。ただでさえ馬鹿力な乾の力一杯の抱擁は、今もあたしの二の腕に痕を残している。
 けれど、嫌じゃなかった。
 乾の体温と、心臓の音がゆっくり体中に伝わってきて…どっちかって言うと気持ちよかった―…え?
「き、気持ちいいって、あたし何考えてんの?」
 自分の思考にツッコミを入れ、シャワーの栓をさらに緩める。
 ざあああああっ。全身に強い飛沫を浴びつつ、あたしは一番思い出すのが恥ずかしい記憶を必死で消そうとした。
 それなのに、忘れようとすればするほど明瞭に思い出してしまう。
 そうだ、あたし、裸の乾に裸のカラダ、抱きしめられてたんだ。…ううん、それだけじゃない。

 ―あたし、乾のおちんちんを自分のアソコにくっつけてたんだ。
 
 途中、乾が「女の子がそんな言葉使っちゃいかーーーーん!!!!」と叫ぶ姿が思い浮かんだが、コンマ1秒で追い払う。
 問題はそこじゃない。
「ちょっ、ちょっとあたし何て事しちゃったのーーーー!!!?」
 あたしはあまりの恥ずかしさに絶叫し、再び風呂場にへたり込んだのだった。
*
「夕利どうしたの?お風呂で叫んだりなんかして」
「…ん、なんでもない。ちょっと変な虫がいて驚いちゃっただけ」
 ふらふらになりつつ、風呂の外で目を丸くさせてた母親にぼんやりと言葉を返す。
「おやすみ」
「あら、もう?昼間に録っといた『アタック25』観ないの?」
「…それ明日観るから。絶対消さないでよ」
 前科のある母親にクギを刺し、自分の部屋に入る。今日のアタックチャンス面白かったのにねーとぼやく親の独り言もそこそこに、あ
たしは部屋の中電気も点けず、ぼふんっと頭からベッドに突っ込んだ。
「はぁ…」
 どうしてくれんのよ。さっきから頭ん中離れてくんないじゃない。
 そりゃあたしが原因だってわかってますよ。ええ。わかっててお酒飲んだのも、乾のチンコ貸してって言ったのも…アソコにくっつ
けたのも全部あたしよ。
 けれど。…けれどねぇ…。
「あんなにおっきいなんて思わなかったわよーーーーっ!!!!乾のバカーーーっ!!」
 足をバタつかせ、枕に顔を押し付けながら、あたしは叫んだ。(もちろん、声は枕の中でモゴモゴとくぐもった声に変わっている)
 ―乾のアレは、大きく、図太く、重く、そして大雑把すぎた。それはまさに肉塊だった。
 更に乾自身はといえば、全く自覚が無かったのだから、本当に始末に負えない話だと思う。 
「あんなの…入らないよね…」
 というか、まず壊れる。『処女殺し』どころの騒ぎではない。となると、あの時フロントから電話がかかったのは自分にとっては正に
天の助けだったとしか言えない。…着替え中に悶絶していた乾には悪く思ったが。
「…」
 ―…それでも。
 それでも、あの時は受け入れていいと、本気で思ったのだ。
「気の迷いだけどっ!!一瞬の幻覚だけどっ!!」
 枕の中で必死に打ち消しても空しさばかりが残る。…ああもう、何でこう思い出したくないことばかり思い出しちゃうんだろう。
「…はあ」
 今日何度目かの大きな溜息で顔を押し付けた枕に熱がこもる。あーあ…これってヤバいのかなあ?
 あたしどんな顔して明日、アイツに会えばいいんだろう。

691:イヌイチおまけ~雨宿り・3
07/10/20 14:11:50 vOMIQnxn
*
『~♪』
 カバンに入れっぱなしだった携帯電話から着メロが鳴ったのは、そんな時だった。曲名は『LA BOHEME』―この曲だと、相手は。
 ピッ。「…乾?」
『出るの遅せーよ一口。どうせまたあのオッサン臭い着メロ聴いてたろ』
 着信ボタンを押して早々、なぜ人の着メロにケチを付けられないといけないのだろう。
「別に中森明菜はオッサンじゃないもん。それより何よ急に」
『ん?あー…まあ、急用って訳でもないんだけどさ…』
 歯切れの悪い乾の言葉に、あたしはだんだんムカムカしてきた。何でこんな奴のことであんなに悩んでたんだろう。
「急用じゃなかったら、明日学校で話せばいいじゃん。じゃあ、切るよ」
『わーっ!待て待て!!…えーと、今日はありがとな』
「え?―…何が?」
 電話の向こうでぐっ、と息を詰まらせる音が聞こえた。
『何がって…その、色々と。…あ、ホラ、矢射子先輩絡みで踏み込んだ話できんの、オマエだけだし』
 どきん。意味は違うってわかってても、最後の言葉に心臓が強く音を立ててしまう。
 本当、勝手だなあ。自分で自分の体のコントロールもできないなんて。
『そ、そうだ!…その、アレ…内緒だからな』
「乾が全裸であたしに抱きつきながら、ボロボロ泣いてた事?」
『っ…!!それもそうだけどっ!!…ヘンな言い方すんなよな。―…先輩が阿久津とラブホ入ってった事だよ。あんなの周りに知られたら
問題じゃねーか』
 内容が内容なだけに、乾の声が小さくなる。そしてあたしはといえば、分かっていた話の筈なのに、なぜか胸に穴が開いたような、
ジェットコースターの下り始めのような、何とも表現しにくい気持ちになった。
 ああ―そうだよね。
 乾の一番好きな人も、お姉さまなんだ。
『聞いてんのか?…一口?』
「…聞いてるよ」
 あたしはあくまでも、同じ相手が好きなライバルで、同好の士とかいう類に過ぎない。
 あの時流した涙だって、お姉さまに向けられたものだった。
 断じて、あたしにじゃない。―やだなぁ。何変な勘違いしてたんだろ。
『…泣いてるのか?おい、泣くなよー』
 沈黙に、電話の向こうから乾のオロオロした声が聞こえる。
 ばか。
「―…泣いてないよ、バカ犬」
 泣く訳ないじゃない。あんたの為なんかに。
 泣くもんか。
 今さっきまで感じていた胸の高鳴りが、嘘のように引いていく。―大丈夫だ。これであたし達はまた、いつも通り。
 何も変わってない、いつもの二人になれる。
「ありがと」
 あたしはそっと目を閉じ、一言だけ礼を言った。乾には上手く伝わらなかったのか、しどろもどろな言葉が返ってきたが。

 それから、明日の小テストの範囲や近く行われる体育祭の事など、他愛もない話をしばらく続け、電話を切った。

 携帯電話のディスプレイを閉じたあとの部屋は真っ暗で、カーテンを開けっ放しにしていた窓から見える星空が、やけにはっきりと見
えた。


692:イヌイチおまけ~雨宿り・4
07/10/20 14:12:57 vOMIQnxn
******
「―…ふう」
 充電器に電話を突っ込み、大きく息を吐く。
 電話先の一口は、オレの心配など不必要なほどに、いつも通りの一口だった。
 …家に帰ってしばらく、今日起こったとんでもない出来事について考えていたらどうにもならなくなり、意を決して電話をかけたのが
1時間前。―結果、一口の態度のおかげで、オレ自身ようやくいつものペースを掴むことが出来た。
 多分、一口にはオレがそれまで何を考えていたかなんて、これっぽっちも伝わってないだろう。
 けれど、これでいいんだ。
 オレと一口が今まで通りの関係であり続けるために。
 いつかは雨が止むと分かっていながら動くことの出来ない、雨宿りの二人で居続けるために。
 ヘタレの言い訳だってのは百も承知だ。―…けれど、オレは本当に馬鹿だから、他に方法が見つからない。
「…」
 オレはしばらく目を閉じ、大きく息を吸い込むと、ベッドの上に散らかしていたスウェットとパーカーを着込み、部屋を出た。
「ちょっと、ランニング行って来る」
 言い残して玄関の鍵を持ち、オレは夜中の住宅街へと足を踏み出した。

 昼間の雨が嘘のように空は晴れ、頭上にはいくつもの星が瞬いている。
 けれど、オレにはその星々が、未だ降り止まぬ雨粒のように見えた。


693:イヌイチの人
07/10/20 14:29:40 vOMIQnxn
…すみません>>691はミスですorz(自分毎度打ち込みミスしてる気がする)
最初にも書きましたが、自分の拙い文章に温かな感想、本当にありがとうございました。
読み手の感想が書き手の原動力になるってばあちゃんが言ってたけど以下略。
また機会があれば(宏海&矢射子の話を含め)投下したいと思います。
では。

追記:>>689さん、個人的には玲夜の女体化はいつものことなので(…。)、OKかどうかは自慰の対象(男か女か)次第かなと思います。
…どうなんでしょう。

694:イヌイチの人(携帯版)
07/10/20 17:58:42 cmp0L7dC
「オマケ・2」でやらかした大ミス:誤「大雑把」→正「超立派」
…って下ネタ(しかもパロディ)でミスやらかすの恥ずかしいーーー!!!!訂正は更に恥ずかしいーーー!!!!

ちょっくら贄になって来ます。生きてたらまたお会いしましょう。
では。

695:名無しさん@ピンキー
07/10/20 18:52:41 /KuC5MXP
乙だ……乙だ!
バラダギ様の乙じゃー!

696:名無しさん@ピンキー
07/10/21 00:23:10 T24wHqk4
>>689
個人的にはありだが、心配なら注意書きやNGワード指定、改行などの
対処してくれると良いかと

>>691-
オマケもGJ!乾の巨根設定こっちで使うとはw

697:名無しさん@ピンキー
07/10/21 15:08:01 j9jZolGu
>>690
今回も切なさMAXで、胸にグッと来ました。
もうこの二人がどうなるのか気になって…
また是非お願いします。楽しみにしています。

>>689
全然アリ。こちらも楽しみに待っております。


698:689
07/10/21 17:01:27 TSqaTrXw
皆様の優しさに甘えて恐る恐る投下します。

杉音をオカズに自慰をする女体化玲夜というキワネタなので、
苦手な方はスルーお願いします。一人称は僕です。


699:女体化玲夜1
07/10/21 17:06:57 TSqaTrXw
一人で使うには広すぎる部屋の中。備えつけの大きな鏡の前に立って、僕は溜め息をついた。
そこには僕とそっくりな顔をした女の子がいた。

僕の通うドキドキ学園高校には学園長をはじめ間界人がたくさんいるから、毎日必ず何かしらの事件が起こる。
太臓と悠が転校してきてから、その回数は確実に多くなっている。まぁ、彼らには助けてもらったこともあるけど。

でもさすがにこれはないと思う。僕の胸には二つの膨らみ。せっかくだから少し触ってみる。

(何これ。すごくやわらかい)
こんなにやわらかいもの触ったことがない。例えるならゴム鞠?それで結構大きいほうだと思う。
元会長には及ばないけど、佐渡さんよりは絶対に大きい、って佐渡さんに失礼だよね。ごめんね、佐渡さん。

そんなことをしていると僕はあることに思い至った。

(姉さんのもこんなにやわらかいのかな?)
僕の顔は真っ赤になる。急に胸の脂肪のかたまりが神聖なもののように思えてきた。
と同時に忘れかけていた罪悪感が僕を襲った。

700:女体化玲夜2
07/10/21 17:12:42 TSqaTrXw
僕は一回だけ姉さんのエッチな妄想でしたことがある。お手伝いさんが畳んで持ってきてくれた洗濯物の中に姉さんの服が混じっていて、
いけないと思ったけど匂いを嗅いでみたら花のような姉さんの匂いがして。そのままベッドでしてしまってすごく後悔した。
純粋できれいな姉さんを汚してしまった罪の意識で、僕はしばらく姉さんの顔をまともに見ることができなかった。

僕は自分が怖い。大好きな姉さんは僕と同じ家に住んでいて。僕はいつか本当に姉さんを穢してしまうかもしれない。
もしそんなことになったら姉さんは僕のせいで傷ついて二度と会えなくなってしまうだろう。
僕にとって姉さんと一緒にいられなくなるのは死ぬほどつらい。でも、姉さんが傷つくのを見るのは死ぬよりつらいだろう。

皮肉にも今の僕の体なら姉さんを傷つけることはない。案外僕はこのままの方がいいのかも。

でも、新しい体にはまだなれない。半日も経ってないんだから当たり前か。声は少し高くなったけど女性にしてはハスキー。
声と胸以外はあまり変わってないみたい。認めたくないけど、もともと僕は女の子と間違われることが多かったから。
小さいころは仕方がないと思うけど高校生にもなってそれは正直酷いと思う。そういえば学ランを着ているのに間違われたこともあった。


701:女体化玲夜3
07/10/21 17:14:41 TSqaTrXw
僕は改めて鏡を眺めた。そこにいるのは女の子の僕。姉妹なのにぜんぜん似てない。姉さんの方が断然美人だ。
そして見たことないけど、ここも姉さんの方が絶対に豊かできれい。

いつのまにか僕の手は制服のシャツをくぐって、胸を触っていた。

(だめ……いけない……)
さっき反省したばかりなのに。僕は姉さんの体を思い浮かべながら、胸に顔をうずめて両手で乳首を弄る。

「はぁ……んっ」
鼻にかかったような声が出て僕は驚いたけど、手は止まらないし声も抑えられない。とても気持ちよくて。
女の子ってこんなところが気持いいんだ。皆触っているのかな。姉さんはしないよね。でも、もしかして。

僕は体温がいっぺんに上昇した気がした。何だか汗もかいていて気持ち悪かったので、僕は中断して着替えることにした。

ズボンを脱いで下着に手をかけたとき、僕は違和感を抱いた。

702:女体化玲夜4
07/10/21 17:17:24 TSqaTrXw
(濡れてる?)
下着を脱いで、恐る恐るそこに手を伸ばして確認する。僕の指には透明な粘液がついていて、それが糸を引いていた。
精液とは濃さが違う。

「……」
僕は鏡に向かって座った。どう考えてもその行動は普通じゃなかったけど、僕は好奇心に勝てなかった。

そして次の瞬間、僕は固まった。

(何、これ)
保健の授業で習ったことがあるけど、教科書に載っていたのと少し違う気がする。ピンク色なのは前と変わらない。
でも形が問題だった。アワビに似ている。やめよう、アワビ好きなのに食べられなくなってしまいそう。
ここに入れるんだろうか。普段見慣れているアレを。

指で周りをなぞってみる。本当に今日の僕は普通じゃない。といっても体自体が普通じゃないんだけど。
人差し指がコリッとした感触の豆のようなものに行きあたった。実は鏡に映したときから気になっていたんだけど、これは何?


703:女体化玲夜5
07/10/21 17:20:06 TSqaTrXw
それを軽く押してみる。ついでに元の体にしていたように擦った。

「!!!」
僕の体に電流が走った。今のは何?知っているけど知らない。頭が混乱してきた。とにかくこんなに強い快感を僕は知らない。
女の子ってこんなに気持ちのいいことをしているの?うらやましいかどうかはわからない。だって僕には刺激が強すぎる。

「あ……あっ……姉さん……!」
姉さん、姉さん、と僕はうわ言のように繰り返す。

想像の中で攻めたてるのは僕。
「あっ……やあっ……!」

そして受け入れるのも姉さんになった僕。

あまりの快感にそこを擦る指が止まらない。

「あっ……あ……あああっ!!!」
頭の中が真っ白になる。イった?一瞬ものすごく気持ちが良くなって、下腹が震えたけど、精液が出ないからよくわからない。
鏡で見ると、そこがまるで口みたいにパクパクとせわしなく開いたり閉じたりしていた。

僕は呆然とそれを見つめ、やがて意を決して収縮を繰り返す隙間に人差し指を入れた。

704:女体化玲夜6
07/10/21 17:22:23 TSqaTrXw
「っ!」
今の僕はまぬけ以外の何者でもないと思う。あまりの痛みに第一関節まで入っていた指を引き抜く。ジンと痺れた感覚がした。

(もうやめよう)
痛みで気持ちが萎えたというのもあるけど、そのとき僕は頭の中で姉さんになっていたから、姉さんが痛がることをこれ以上続けたくなかった。
まったく変な理屈だと僕自身思う。

僕はのろのろと制服を着る。今の行為に何の意味があったんだろう。自分に姉さんを重ねて。結局独り相撲だ。
自慰行為だからそれも仕方がないけど。

僕は急に胸が苦しくなった。この胸の痛みはたぶん姉さんを再び汚してしまったことへの罪悪感。

突然自分の心に降って湧いた疼きに適当な名前をつけて、僕はバスルームに向かう。汗をかき過ぎていた。

(さっきのことは忘れよう。もう二度としない。姉さん、ごめんね)

705:女体化玲夜7
07/10/21 17:23:43 TSqaTrXw
僕がバスルームの引き戸を開けると、姉さんが湯船につかっていた。

「う、うわっ、ごめんなさいっ!!!」

しまった!ぼーっとし過ぎていた!

僕が混乱した頭で謝る間、姉さんは不思議そうな顔で僕を見ていた。僕が慌てて出て行こうとすると、姉さんが意外なことを言った。

「玲ちゃん、一緒にお風呂に入ろうと思って待っていたのよ?」
妹ができたみたいでうれしいな……って姉さんは無邪気に笑った。

広いバスルームで、姉さんに体を洗ってもらったり、洗ってあげたりする間、僕は恥ずかしくて姉さんの顔を見ることができなかった。
そんな僕を見て、姉さんは、玲ちゃん、のぼせちゃった?なんて、その鈴が転がるような声で聞いてくる。

(もう、純粋すぎるよ……)
やっぱり僕は姉さんを傷つけたくない。でも。僕はさっきしたばかりの決意がグラグラと揺れるのを感じた。

僕は今夜もしてしまうかもしれない。


706:あとがき
07/10/21 17:33:50 TSqaTrXw
これで全部です。うっかり女体化玲夜に萌えてこのようなものを書いてしまいました。
お目&スレ汚しすみませんでした!ROMに戻ります。

707:名無しさん@ピンキー
07/10/21 18:57:21 +A1zMrln
>>701
…なんという気持ちイイことパラダイス(SexySexyにちなんで)!乙&GJ!

玲夜の心情が丁寧に書かれていて、見ているこちらまでドキドキさせて頂きました。杉音の天然ぶりもいいなぁ。
よろしければ、またお願いします。

708:名無しさん@ピンキー
07/10/21 20:51:02 oq8zWdE4
久しぶりに来たら神が連続降臨、満を持してしてる…!

709:名無しさん@ピンキー
07/10/22 00:09:13 vKuRNOvL
>>701
待ってました!
玲夜が、杉音を本当に愛しいて、それだから行為を続けられたなかったというのに
胸がキュンといたしました。
素敵な作品を読ませていただきありがとうございます。

本当、神がいっぱいだわー

710:名無しさん@ピンキー
07/10/22 19:25:24 3ybeiL0y


711:名無しさん@ピンキー
07/10/23 21:04:27 4aLnYUzS
ネ申だ…ネ申が立て続けに降臨なさっておった…!!
イヌイチも大木姉弟も大好きすぎるから嬉しい!

712:名無しさん@ピンキー
07/10/27 14:01:54 tGOF/jH1
投下します。
カップリングは宏海×矢射子で、「イヌイチ」の裏的話になっております。(一応、単品でも読めるかと思いますが)
苦手な方はNGワード「モモテウラ」でお願いします。

713:モモテウラ・1
07/10/27 14:02:58 tGOF/jH1
******
 晴れ時々曇り、所により一時雨―今日の天気予報だ。
 ふざけた内容だと思う。立ち食いソバ屋でいきなり『トッピング全部のせ』が出されるようなもんだ。冗談じゃない。下手な鉄砲の例
えでも狙ったつもりか。
 しかもこっちはソバじゃない。人の運命さえ左右させかねない、天候という重要な問題なんだよ。
 その辺分かってんのかそこの太眉ちり毛。
 何テンパってんだって?そりゃテンパりもするだろうよ。
 オレは今、その全部のせな天気予報のおかげで人生の岐路ってヤツに立たされてるんだからよ。

 濡れた髪が頬に、水滴とも脂汗ともつかない雫を滴らせ続けている。
 けれどオレはそれを拭う事すら出来ず、ただ馬鹿でかいベッドの片隅で、誰に言うでもない状況説明を始めていた。
 説明といってもオレはテリーマンやらヤムチャやら、ましてや虎丸のような解説役ではない。れっきとした当事者だ。
 あと例えが古い言うな。

 ―本当、何言ってるんだろな。奥のシャワールームから響く水音をBGMに、オレ、阿久津宏海は、自分のやっている事の間抜けさに、
大きく溜息を吐いた。

714:モモテウラ・2
07/10/27 14:03:56 tGOF/jH1
*
 身にふりかかる火の粉を払うように、喧嘩に明け暮れる日々―いや、ここ数年は災難に振り回される日々の方が多かったが―の中、
オレに彼女と呼べる存在が出来たのは、つい数ヶ月前のことだった。
 とは言えオレは自慢じゃないが、POPEYEやらメンズノンノやら、ましてやデートぴあなど無縁の…この言い回しはさっきも使ったな…
平たく言えば、女との付き合い方など全然まったくわからないまま、5度目のデートへとおもむいたのだった。
「悪い、待ったか?」
「ううん、今来たトコ」
 …には見えねえよなあ…。オレは駅の柱の陰に不自然な感じで倒れ込んでいる数人の男の姿を、チラリと横目で見た。
 これは、付き合いだしてから知った事だったが、コイツ―百手矢射子、オレの彼女だ―は、街を歩けはそれなりに、男から気安く
声を掛けられるらしい。
 ついでにその度に一刀両断にしてきたらしいが。
 ―…別にオレだって、そういう目で矢射子を見た事が無い訳じゃない。
 今だって、隣を歩く矢射子のさらりとなびくポニーテールの髪や、後れ毛が色気をかもす白いうなじ、ぱっちりしたタレ目をふちどる
意外と長いまつげ、薄いカーディガンの下で存在を主張しているボリュームのある胸に、ガラにもなく胸を高鳴らせているのは事実だ。
 …だがなあ。
「ど、どうしたの宏海?」
「え?」
「さっきから髪見てるから…あっ、ひょっとして行きがけに太臓を武装セイバーでぶっ飛ばして来た時、近くの鳩を身につけてたから…
ヤダッ!!あたし、何かヘンな落し物されてる!?」
「―…いや、されてねえよ…」
 朝から武装セイバーって。しかもデートの日に。キャストオフ時に盛大に鳩を飛ばす矢射子の姿を想像し、オレは軽い眩暈を覚えた。
「あ、太臓ならとりあえず持ってたポップコーンと一緒に鳩のエサにしといたから!」
「鳩無残!!」

 最初のデートは花見だった。次は動物園。その後ボウリングやら水族館やら行き、今日のデートは映画。
 『鼻をなくしたゾウさん』とかいう、どこかで聞いたことがあるタイトルの映画の前売券は、公開一ヶ月前に矢射子から手渡されたも
のである。
 ずいぶん楽しみにしてたんだな。…しかしコイツ予備校とか大丈夫なんだろうか?
 映像に集中する矢射子を、オレはそっと盗み見る。青白い光に照らされた、横顔。強い意志の光が宿る瞳。
 ―どきん。
 いつも妙な行動や発言をやらかす印象が強いだけに、黙っていると強烈なギャップを感じてしまう。
 ―ずきん。
 そして同時に、オレの胸は小さなトゲが刺さるような痛みを感じるのだ。

「よ、良かったねあの映画」
「ん…ああ」
 正直オレは内容を覚えていない。矢射子を見ていたのも理由の一つだが、それより矢射子の向こう隣の座席から、妙な気配を感じたか
らだった。その席には誰も居ないようだったのだが…。
 …やめとこう。下手にツッコむと、口に靴を突っ込まれかねない。
 ―気配といえば。オレはもう一つ感じたものに関して、矢射子に尋ねてみる。
「なあ、矢射子お前…映画見てる時、何か頭の辺りチリチリしなかったか?」
「?」
 オレの問いに矢射子は首を傾げた。…気のせいか。
「や、オレの気のせいだ。多分」
「そう…」
 小さな、沈黙。オレたちのデートには時折こういった気まずい空気が流れる。それは、5度目ともなった今回も変わらなかった。
 オレも矢射子も、沈黙を壊そうとそれなりに考えてはいるのだが、上手く言葉が続かない。
 …オレはともかく、矢射子はいいんだろうか。疑問に思う。
 ―ぽつん、大粒の水滴がアスファルトを叩き、沈黙を破ったのは、そんな時だった。


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