07/06/28 11:39:36 z4qX1cmr
シャツ越しに感じる体温と 鼓動と。
頭に無造作に乗せられたその手に、重さは無く。
ぽん、ぽん、と指の腹で軽く叩かれ そっと撫でられて。
(宏海の優しさが伝わってくる…)
頭に血が上るより先に、胸の奥が温かさで満たされて行く。
「…おふくろがな」
「?」
「言ってたんだ、おふくろが。
『どんな理由があっても女の子泣かすような男にはなるな、
けど もしも大切な誰かが泣いてる時には
その涙を受け止めてやれる男になれ』…ってな。
…何しろガキの時分に一遍聞かされたッきりだったんで
前半部分だけ漠然と『女子供に手ェ上げんな』ってぐらいにしか捉えてなかった上、
情け無ェことに“その時が来た”んだって解ったのも ついさっきだったんだけどな
――オマケにお前のこと 泣かしちまったし」