.hackのエロパロ vol.10at EROPARO
.hackのエロパロ vol.10 - 暇つぶし2ch200:名無しさん@ピンキー
06/10/27 04:40:02 mU6u/LlW
もうvol.3にカール出せよ

201:名無しさん@ピンキー
06/10/27 19:04:58 IPcN7ft1
もし本当にvol3にカール出たら3本買うよ

202:名無しさん@ピンキー
06/10/27 19:27:36 aeH0GcbM
店舗特典のテレカ目当てなら3本もありかなw
メッセ、祖父、メディアランドで

203:名無しさん@ピンキー
06/10/27 20:41:04 2CnHrLLm
揺光×ボルドーのレイプ物を投稿しようと思うんですがどうでしょう?

204:名無しさん@ピンキー
06/10/27 20:50:01 QLAMqgi4
頼む

205:名無しさん@ピンキー
06/10/27 21:02:51 wq9Rs6So
>>203
いいぜぇ…来い!来いよ!
俺はここにいる!

206:名無しさん@ピンキー
06/10/27 21:59:57 T1qwapQZ
カプの順序はそれでいいのか?
遥光攻めのレイプ物?

207:名無しさん@ピンキー
06/10/27 22:43:18 5tFnIAUP
逆希望

208:名無しさん@ピンキー
06/10/28 01:06:11 OwuFptcU
>>174の続き出来た!

「はう~この子可愛い~! お持ち帰りした~い!」
一人の婦女子が望に抱きついた。
「うわあ!」
いきなり抱きつかれ、望はびっくりした。
「こら、明美! 何やってるの! 駄目でしょ!」
望に抱きついた明美を叱ったのは彼女の親友、奈緒である。
「お持ち帰りにはちゃんと順序があるんだから、ちゃんと順序を踏まないと」
「ええ!?」
てっきり明美を叱るのだとばかり思っていた望は意表を突かれた。
「あ、そうだよね~。では、改めて… お持ち帰りさせてください」
明美はまじめな顔で言った。
「えっと、ごめんなさい」
望は謝った。
「何故!?」
明美は素でびっくりしていた。ちなみに明美は17歳。奈緒も同様である。
「まあ、普通に考えればそうよね。こんな可愛い子、じゃない、こんな可愛い男の子、じゃなくて、普通はお持ち帰りさせてくださいって言っても、断られるわよね」
「え~、じゃあ、お菓子あげるから、お姉ちゃん達とちょっと一緒に遊ばない?」
「だから、そうじゃないでしょ。口説き落とすにも順序があるんだって。見てなさい」
奈緒は咳払いをすると、望に向き直った。そして、言おうとしたその時である。
「あの、僕、知り合いのお姉ちゃんに店番頼まれてて、それで、帰ってくるまでここから動けないんです。だから、お姉ちゃん達と遊ぶことは出来ません。ごめんなさい!」
望は深々と頭を下げ、侘びた。
「…お姉ちゃん。…いい響きだわ…もう1回言ってもらえない?」
奈緒はちょっと興奮気味だった。
「え…いいですけど…えっと……お姉ちゃん」
それを聞いた奈緒は何故かプルプルと震えていた。そして。
「来たあああああああああああああ!」
叫んだ。それはもう思いっきり。
「最高…お姉ちゃんって呼ばれるの最高…これはもう、男子が妹に「お兄ちゃん」って呼ばれるのと同じくらい最高よ!」
「私も来たああああああ! 私一人っ子だから、なんか良い!」
二人のいきなりの暴走に、望はちょっとびっくりした。と同時に、
(この人たち、大丈夫かな…)
と、思った。
「はあ…はあ…最高…良すぎ…私なんだか鼻血が出てきそうだわ…」
「私も…」
いや、二人とももう出ている。周りの者はそう思ったが何も言わないことにした。
「私の弟になってください!」
奈緒は望の肩を掴むとそう言った。
「え!? えっと…それは出来ません」
「何故に!?」
「僕、双子のお姉ちゃんがいるし、それにハセヲにいちゃんって言う、お兄ちゃんみたいな人がいますから」
「くううう~! 私があなたの双子のお姉ちゃんになりたかった!」
「ハセヲって男子が憎い!」
明美と奈緒はたいそう悔しがった。
(本当に大丈夫かなこの人たち…)
望は更に心配していた。

以上。今日はここまで。



209:名無しさん@ピンキー
06/10/28 03:23:57 +QaPOPVo
変態が たくさんで うれしい! 


実にうれしい

210:名無しさん@ピンキー
06/10/28 08:45:37 3RbOV+qz
腐女子達に萌えた

211:名無しさん@ピンキー
06/10/28 12:59:28 5v01XHc5
しのぉぉぉぉぉぉぉ!

212:悲しみの揺光
06/10/28 20:30:28 qcYj5JDI

揺光に匿名のメールが入った。
内容は、天楼(漢字不明)が変になった、原因を教えてくれるというものだった。
「天楼が変になった理由が解る・・・」
揺光は、何も疑わず、指定された、エリアへと行った
エリアに着き、奥へ進むと
「ようこそ」
完全にアイダ感染者となっていたボルドーに背後をとられた
アイダを知らない揺光でも、こいつが天楼と同じようになっていることが、一目でわかった
そこで
「誰だ!」
揺光が少し距離をとって双剣を出そうとしたが・・・
黒い斑点が腕に絡み付いて拘束されてしまい、身動きがとれない
ボルドーは、ゆっくりと揺光に歩み寄り頬を撫でた。
「何をする気だ!」
揺光は、必死にボルドーを睨み付けた
しかし、ボルドーはその声を無視した
ボルドーの手が揺光の胸に触れた
「ひゃん!」
揺光は、ビクッとなった。
「やめろ!」
しかしボルドーに触るのをやめない
「あんたが・・・」
ボルドーは呟いた
「え?」
「あんたが、この胸で、私のハセヲを誑かしたんだね~!」
と揺光に服を破りとった


今日は疲れているのでここまでです。

残酷な天使達の続き書こうかな~・・・と思う今日この頃


213:名無しさん@ピンキー
06/10/28 20:35:19 bTzVVPTp
最初の明美のセリフが笑えた

214:名無しさん@ピンキー
06/10/28 20:51:00 R4e6wimt
不覚にもボルドーに萌えた

215:名無しさん@ピンキー
06/10/28 21:56:50 KDRPYN5a
>>212
天楼じゃなく天狼だお

216:名無しさん@ピンキー
06/10/28 22:40:27 yaRqZggb
ハセヲのXthフォームいいww

217:名無しさん@ピンキー
06/10/28 23:12:55 3RbOV+qz
>>212
GJ!期待大!
天楼って中華料理屋さんみたいだね。

218:名無しさん@ピンキー
06/10/28 23:30:38 bBjqURCs
つまり、北京ダックがある。

219:名無しさん@ピンキー
06/10/28 23:52:17 xtlrjx84
>>212
残酷な天使達の続きも楽しみにしているものがここに


220:名無しさん@ピンキー
06/10/29 00:42:43 q71GJeLN
>>208の続き~

明美と奈緒は何故か立ち去ろうとはしなかった。それどころか、色々質問攻めにしていた。
「ねえ、君のお姉ちゃんってどんな人?」
「優しい…のかな。ゲームの中で僕が貯めたお金を勝手に使ったりはするけど、でも、僕の事をちゃんと心配してくれたりしてくれるよ」
「ふむふむ」
「で、ハセヲにいちゃんって人はどんな人?」
「いい人だよ。死の恐怖って恐れられてるけど、僕はそうは思わないな。だって優しいし。なんだかんだ言ってお姉ちゃんを助けてくれたりするし。あ、あの人だよ」
ちょうど、ぐったりとした亮が智香と帰ってきた。心なしか智香は嬉しそうだ。
「あのぐったりしてる人?」
「うん」
「望、ただいま」
「おかえり、揺光姉ちゃん。あれから結構売れたよ」
その言葉のとおり、用意していた同人詩は結構売れていた。
「おお~、ほんとだ。ありがとう望。はい、これ、約束していたジュース」
「ありがとう」
「結構様になってるじゃないか、望」
明美と奈緒はじーーーーーーーーーっと、亮を見た。
「な、何だよ……」
亮は思わず後ずさった。
「「じい~~~~~~~~~~~~~~」」
明美と奈緒はそれはもう、穴が開くくらい亮を見つめた。
「だから、何だよ……」
「どうしたのあの二人?」
智香は何故明美と奈緒が亮を見つめているのか分からず望に聞いた。
「さあ…あれ? お姉ちゃんは?」
「トイレに行ってからくるって」
「そうなんだ…僕も、トイレに行ってこようかな」
「行って来なよ。店番はもういいからさ」
「うん、ありがとう」
望は用を足すべくトイレに向かった。
「あ、私他のサークルも回るんだった。それじゃ」
「そういえば私も。それじゃ」
望がトイレに向かった姿を見た明美と奈緒はわざとらしくその場を去った。後には訳の分からないでいる亮と智香が残った。


221:名無しさん@ピンキー
06/10/29 00:44:11 q71GJeLN
さあ、果たしてこれからどうなるか… 続きは今度~

222:名無しさん@ピンキー
06/10/29 02:06:23 Ar+YVKnv
どうなるんだ…気になるじゃないか…
ともあれGJ!

223:パック ◆JuT3jsxZbo
06/10/29 05:57:01 3svhN0Yj
激しく遅レスですが、感想くださった方、待つと言ってくださった方本当にありがとうございます。
ただ、申し訳ありませんが今書いてる話ではBセットのエロはなしです。
要望があれば会社の同僚に口説かれてそのまま・・・・・・みたいな小話なら出来ますけど。
あと誤字脱字の指摘、ありがとうございます。今度があったら修正しときます。

>>178
最近の新作ラッシュの中、言及していただきありがとうございます。
せっかく志乃PTインも確定したことだし例のやつ編集して上げたいんですが、
パソコン吹っ飛んだおかげでファイルが残ってないんですよね。
自分の話が自分で読めないというこのジレンマ・・・・・

>>179
えーと、勘違いだったら恥ずかしいんですが俺の話のことですよね?
俺の場合ハセヲは完全に志乃ありきのキャラクターとして書いてるんで、
そういってもらえると嬉しいです。

さて、ずいぶん久しぶりな気もしますが今回の分行きます。

224:痛みの果てに 25
06/10/29 05:58:18 3svhN0Yj
「くそっ……」
M2Dを乱暴な手つきで外して、三崎リョウは握り締めた拳を机に叩きつけた。
低い音とともに拳が鈍く痛み、それが過敏になった神経を逆撫でする。
大聖堂を訪れたあの日以来、リョウはひたすらディスプレイに向かい続けていた。
目的はただ一つ、三爪痕の追跡である。
追跡といっても、検索エンジンに語句を打ち込んで掲示板の過去ログを総ざらいする程度ではない。
リョウが行使した手段は、より積極的なもの―The WorldでのPKKだった。
PKを専門に狙うPK、PKK。
一見調査とは程遠い、ともすれば単なる八つ当たりにも見える行為だったが、リョウは聡明な少年である。
少なくとも、学校の成績は良い。だからこの選択にも、ちゃんとした理由があった。
三爪痕がロストグラウンドに出没するPKである以上、それに近い存在から探っていくのが適当な追跡線である。
必然的に情報収集の主な対象はPKとなるが、
彼らは特に必要がないにもかかわらず他のプレイヤーを攻撃して楽しむ悪趣味な好事家、
現実でいえば職業犯罪者のような存在である。
「教えてください」と聞いても素直に答えることはないだろうし、運良く情報を得られてもそれが真実とは限らない。
従って彼らから嘘偽りのない情報を聞き出すには、
力の差を誇示し彼らが本音を吐かざるを得ない状況に追い詰めなければならない。
リョウにとってPKKは、必要に迫られた結果だったのである。
しかし、Δ・ΘサーバのめぼしいPKをほぼ全員狩り出したにもかかわらず得られた情報は皆無だった。
レベル差が大きかったおかげで経験値を稼ぐことも出来ず、結局成果といえば
BBSに「おかしなプレイヤーがいる」という話題を提供したぐらいである。

225:痛みの果てに 27
06/10/29 05:58:50 3svhN0Yj
淡い眠りを、甲高い電子音が破る。
曖昧な意識のまま手を動かし、リョウは電子音を鳴らし続ける携帯電話を掴んだ。
反射的に通話ボタンを押し、耳に当てる。
「もしもし」
「ちーっす、ハッセヲー!……って、もしかして寝てた?」
「何だ萌か……」
「何だって何よー!なんか全然連絡ないから、心配して電話したのにさー!」
「ああ……」
そういえば、彼女の声を久しぶりに聞いた気がした。
ここ一週間殆ど外に出ず、携帯にも触れていなかったのだから当然と言えば当然だが。
「忙しかったんだよ、色々。それよりお前はどうなんだよ、宿題終わったか?」
後ろめたさから、リョウは話題をそらす。
正直言えば、彼女のことは完全に忘れていた。
The Worldで想うのは黄昏の旅団とオーヴァン、そして志乃の事ばかりだった。
「まーそこそこかな。あーあ、ハセヲは良いよねー、なんでも器用に出来て」
「別に……これぐらい普通だろ。で、何の用事なんだ?」
「だから、心配になったんだよ。ハセヲって意外と体力ないし、夏バテしてないかなと思って」
「平気だって、これでも病気はほとんどしてないんだから。それより自分のこと心配しろよ、
新学期まで十日もないんだぜ」
いつも通りの、軽口の応酬。
ただそれだけなのに、リョウは心が安らぐのを感じた。
単に気分転換と言うだけではない。
萌の明るい声は、まるで麻酔か何かのようにリョウの痛みを消してくれる。
思えば、付き合いだしたきっかけもそうだった。
一ヶ月前、志乃を失って腑抜けになっていた自分が萌の快活な声にどれだけ救われたか。
それなのに……

226:痛みの果てに 26
06/10/29 05:59:23 3svhN0Yj
「未帰還者が出た」という噂からクエスト「痛みの森」に参加してもみたが、それも特に進展はなく徒労に終わった。
狂った難易度のダンジョンはいい修行になったし、
クリアリザルトでジョブエクステンドできたのはよかったが、その程度は通常のプレイの延長に過ぎない。
クエスト自体も連動の伏線なのか何なのか知らないが消化不良気味な内容だったし、
途中で三郎とか名乗る変なPCには付きまとわれたし……
思い返したことで沈んでいく気分を振り払うように、リョウは目を閉じて伸びをした。
瞬間、目眩が走り体を椅子ごと倒しそうになる。
何とか体勢を立て直しながら、リョウは最後に休憩したのを思い出そうとした。
今が夜中の一時、起きて朝飯食ったのが十時だったから……
気がつくと、半日以上ほぼ不休でPCに向かっていた計算になる。
一応細かい休憩はしているはずだが、食事は食べていない。
というか、時間の経過を認識していなかった。
「ははは……」
思わず声に出して笑って、リョウは机に倒れこんだ。
心身ともに磨耗しているのが、自分でもわかる。
「やべーな、こりゃ寝ないと」
ぼさぼさの髪を掻きながら、リョウは椅子から立ち上がった。
両親は不在だから別に規則正しい生活を演出する必要はなかったが、無理して徹夜する必要もない。
それに、後十日もして夏休みが明ければ学校が始まる。
三爪痕の追跡がいつ終わるかはわからないが、それに引きずられてリアルの生活が破綻しては本末転倒だ。
自分の行動を鈍い頭で吟味しながら、リョウは農業用トラクターのような足取りでベッドへ歩く。
倒れこんで目を閉じると、すぐに睡魔がやって来た。
志乃の顔を思い浮かべながら、リョウは眠りに落ちていった。

227:名無しさん@ピンキー
06/10/29 06:00:17 3svhN0Yj
送信順をミスしました。
タイトル横のナンバリングに従って読んでください。

228:痛みの果てに 28
06/10/29 06:01:11 3svhN0Yj
「ちょっとハセヲー、聞いてる!?」
「ああ、わりぃ。ちょっとぼうっとしてた。なんだ?」
自己嫌悪に沈みかけたリョウの意識を、萌の声が現実に引き戻す。
「まったく、ほんとに重症みたいだね。ご飯作りに行ってあげようか、って聞いたの」
「あ、それは……」
萌のこういう申し出は、ここ一ヶ月では珍しくない。
場合によっては用事が勉強会やら新メニューの味見だったりするし、場所は萌の家だったりすることもあが、それは結局どうでもいい。
二人が会うときの符丁のようなものである。
両親は仕事で家を空けており、しばらくは帰ってこない。
普段だったら茶化しながらも頷く所だ。
だが―
「あれ?もしかして、親御さんいるの?」
「いや、そういうわけじゃないんだが……」
「どっか出てるの?」
「家にいるけど……」
躊躇いがちだったのでごまかす事が出来ず、馬鹿正直に答える。
それでも、頷くことは出来ない。
「だったら別にいいじゃん。決まりねー!それじゃ、すぐ行くから!」
「おい!ちょっと待て!」
リョウが慌てて叫んだときには、既に通話は終わっていた。
携帯からは抑揚のない電子音しか聞こえない。
「くそっ」
小さく吐き捨てて、リョウは携帯をベッドに投げ捨てた。
まったく、あいつは所々でどうしてこうも強引なんだ?

229:痛みの果てに 29
06/10/29 06:01:55 3svhN0Yj
「ちゃーっす、ハセヲー!」
萌はそれから三十分ほどでやってきた。
玄関を開けた瞬間その満面の笑顔が目に入って、寝起きのリョウは思わずげっそりしてしまった。
黒いタンクトップの上に白いキャミソールワンピという服装は彼女の華奢な体つきを魅力的に見せていたが、
ショルダーバッグから覗く長ネギが全てを台無しにしている。
「あれ?なんかテンション低くない?」
「起きたばっかなんだよ。つーか、前から思ってたんだけどお前どうしてそんなに元気なんだ」
「いやー、それだけが取り柄だからね。それじゃ、あたしの料理で元気にしてあげる。キッチン借りるね」
笑顔のままそういうと、萌は勝手知ったる他人の家と言わんばかりに上がりこむ。
暑気当たりではない頭痛を感じながら、リョウはとりあえず食堂で待つことにした。
椅子に座って待っていると、隣接したキッチンからは作業の音が聞こえてくる。
この間、リョウはすることがない。
そんなに料理がしたければ自分の家でやらば良いんじゃないかと思うのだが、
彼女に言わせるとリョウの家のほうが設備が整っているからやりやすいらしい。
単に家に招きたがらないリョウを説き伏せるための口実のような気もするが、真偽はいまだわからない。
退屈を紛らわそうと、滅多に見ないテレビをつける。
たまたま映ったチャンネルでは、昼下がりという時間らしくソープオペラを流していた。
念のため追記するが、
ソープオペラとは石鹸会社がメインスポンサーを務める事から付けられた主婦向け昼ドラのことである。
決していかがわしい意味ではない。
やることもないので、しばらくの間リョウはドラマに見入った。

230:痛みの果てに 30
06/10/29 06:02:27 3svhN0Yj
「夏生、僕には君が必要なんだ!」
「やめて、英明さん!私の心を乱さないで!」
どうやら昔別れた女のところに、未練を持った男が押しかけてきているという状況らしい。
見苦しいものだと思った瞬間、リョウは苦笑した。
人のことは言えない、自分の志乃に対する想いの方がよほど見苦しい。
気持ちを認められず、好きだとわかったら嫉妬と自己嫌悪から当り散らして。
休まず待ってくれていた彼女の心遣いでやっと仲直りできたと思ったら、衝動的に告白して逃げた。
自分が志乃に惹かれた理由は数え切れないほど挙げる事が出来るが、志乃は自分の何処に惹かれたのだろうか。
付き合いだしてから何度か聞いてみたが、彼女ははぐらかすばかりで教えてくれなかった。
そして今、自分は見舞いにも行かず他の女に手料理など振舞われている。
本当に、北岡秀一でも弁護のしようがなく、最低だ。
「どうしても帰らないというのなら……私にも考えがあるわ!!」
感想に浸っていたリョウの耳を、テレビのスピーカーから響く甲高い女の叫び声がついた。
思わず画面を見ると、女がマンションに備え付けられていた消火器を手に持っていた。
そのまま栓を引き抜き、二酸化炭素の白粉を男に向かって噴射する。
リョウは思わず口を開けたままドラマに見入ってしまった。
いくらストーカーを撃退するためとはいえ、そこまでするか?
「うわー、壮絶だね」
料理を手に抱えてきた萌が、リョウの心を代弁する。
振り返ると、その左手には大柄なナイフが握られていた。

231:痛みの果てに 32
06/10/29 06:53:57 EUZORraS
「な、何だよそれ!」
「何って、ナイフだけど」
「何に使うんだよ!怖ぇぇよ!」
「ああ……ローストビーフ焼いたから。いやー、ハセヲの家はすばらしいね。うちとはオーブンの格が違うよ」
「キッチンで切って来ればいいだろ!」
「いや、食べる直前に切り分けたほうが美味しいから」
「いいから!頼むから仕舞ってくれ!!!」
「むー、しょうがないなー。じゃあ向こうで切って来るよ。
ちなみにその場合味・香り・見た目その他一切に関するクレームは受け付けないから、そのつもりでね!」
不満そうに唇を尖らせながら、萌は再びキッチンへ消えた。
(心臓に悪い……)
まだリズムが戻らない胸を押さえながら、リョウは視線をテレビに移した。
既にドラマ本編は終わったらしく、やけに大仰な音楽とともに真っ赤なタイトルバックだけが映っている。
「はいはいー、ハッセヲー、ご飯だよ」
テレビの映像が洗剤のコマーシャルに切り替わると同時に、
萌がにこにこと笑いながら切り分けられた肉が乗った大皿を持ってきた。
起伏の薄い胸には、ブチネコがプリントされたエプロンがかかっている。
「まだまだあるよー、夏バテしないように色々作ったから!」
皿を置いた萌が踵を返し、キッチンへとんぼ返りする。
今度は先ほどよりは少し小さい皿を両手に抱えている。
それを何度か繰り返し、最後に透明のグラスを置いて萌はリョウの向かいに腰をおろした。
テーブルには先ほどのローストビーフのみならず茄子のお浸し中華風、ゴーヤチャンプルー、
韓国風ニンニクスープなど無国籍で多彩な料理が並んでいる。
「よく作ったな、こんなに」
「えへへー、ハセヲに元気になって欲しくて」
頬を僅かに赤らめながら、萌がはにかむ。
付き合いだしてから見せるようになった、心底愛らしい表情。
ともすれば媚びているようにも見えるが、
大輪のひまわりのような彼女の明るさはそんな嫌らしさを微塵も感じさせない。
「……まあ、どうせ食いきれないけどな。どう見ても作り過ぎだ」
「もー!どうしてそういう事言うのー!?」
リョウはそんな本心を素直に出せず、いつものように減らず口を叩く。
萌はそれが気に入らず、小さい拳を丸めて抗議する。
そんなやり取りは、この夏休みの間数え切れないぐらい繰り返されたものだった。

232:パック ◆JuT3jsxZbo
06/10/29 06:55:14 EUZORraS
今度はナンバリングミス。
さっきのは31です。何度も申し訳ありません。

233:痛みの果てに 32
06/10/29 07:01:05 EUZORraS
三十分後。
「ふぅ……意外と食えるもんだな」
椅子にもたれたままテーブルを見て、リョウはぽつりと呟いた。
萌が運んできた料理は明らかに二人分を超えていたが、結局全部平らげてしまった。
母親や志乃程ではないにしても、やはり萌は料理が上手い。
「でしょー!これもやっぱり料理人の腕がいいからかな」
リョウの独り言を、食器を片付けるためにキッチンと食堂を行き来していた萌が耳ざとく聞きつける。
「腹減ってたからな。何食ったってこういうときは何食っても上手く感じるもんだ」
「どうして素直に褒めてくれないのかなぁ……まあ、そういうところも好きだけど」
好きと言う言葉に、リョウの背筋が一瞬凍る。
「お前、そういうこと口に出すなよ」
「別にいいじゃない、本当のことだし」
「本当のことでも口に出さないほうがいいこともあるだろ」
「それじゃ、口より態度で示した方がいい?」
そう言った瞬間、萌は素早くリョウに体を近づけ唇を重ねた。
華奢な右手が肩に触れ、唇を割って舌が侵入してくる。
リョウは何とか離れようとするが、唇で伝わる快感が感覚を麻痺させ、結局足を痙攣させることしか出来ない。
「ふふ、どう?こっちも料理ぐらい上手くなったでしょ」
唇を離した萌が、猛禽のように目を細めてリョウを見つめる。
言葉を紡ぐ度に唇から唾液が滴り落ち、それがリョウの欲望を刺激した。
「お前、真昼間から……」
「ふっふー、いつぞや朝からあたしに襲い掛かってきたのは誰だったかな?それに……」
肩を抑えたまま、萌が左手をリョウの体に滑らせていく。
滑らかな掌の感触が薄いTシャツ越しに素肌を撫で、情動が疼き始める。
萌は顔を少しずつ近づけながら腕を少しずつ降ろし―
「ここはしっかり反応しているみたいだけど?」
硬く熱を帯び始めた下腹部で、動きを止めた。


234:おまけ@志乃PTIN確定記念
06/10/29 07:06:10 EUZORraS
それは記憶の中でダイヤモンドのように輝く、今は遠い蜃気楼。

「おはよう、ハセヲ」

天から響くような、ウィスパーボイス。
見上げれば、初夏の明るい日差しが彼女を照らしていた。
真昼の光に照らされたその微笑みは、余りに眩しくて――

「どうしたんだよ、その服」
「……一種の決意表明かな。それに……」
「?」
「ハセヲとおそろいでしょ?ペアルック、ふふ、リアルじゃ恥ずかしくて出来ないからね」
「な、なんだよそれ!」

架空の世界で刻まれる、真実の日々。

「スイカズラの花言葉……知ってる?」

「愛の絆……」

恋は心を溶かす、砂糖の甘さ。

「なあ、その……俺のこと、どうして好きになったんだ?」
「それはね……ふふっ、やっぱり内緒」

蜜月は夏至の夜のように過ぎ―

「ごめん、私、行かなきゃ……」

終わりは突然に訪れる。

「泣いちゃ駄目だよ、男の子でしょ」

どんなに遠く、儚くても。
一度その夢に魅せられた少年は、追い続けるしかない。
永遠の輝き、人はそれをフローレンスと名づけた。

Addition Track:Slightly Mirage Comming sonn.

235:パック ◆JuT3jsxZbo
06/10/29 07:06:46 EUZORraS
以上。
途中時間が空いてIDが変わってるのは連投規制に引っかかったせいです。
次回は11/1、水曜日(予定)。

236:名無しさん@ピンキー
06/10/29 11:15:26 /uOMS9nE
>>235
乙です!
いつもいつも素晴らしい小説を本当にありがとうございます!
パックさんの小説が大好きです!
次回も楽しみに待ってます。
あと質問なんですが、出来たらパックさんの今までの作品を
まとめてゆっくり読み返したいのですが、個人サイトとか作成される予定はありますか?

ここで聞くのがまずかったらすみません

237:名無しさん@ピンキー
06/10/29 13:43:03 tIyVgbTi
>>235
GJです
続きwktk

238:名無しさん@ピンキー
06/10/29 14:32:10 r6u1eNqw
>>パックさん
GJGJGJ

タビー・・・いい娘だなー(´;ω;`)

239:名無しさん@ピンキー
06/10/29 23:23:43 5FCF34pF
ハセヲ×揺光がよみたい・・

240:名無しさん@ピンキー
06/10/30 00:18:43 ptmr4EDc
>>235
読んだの途中からだけど、毎度神!
ハセヲと志乃大好きな人間なんで、美味しい所が
ちらほらみられて最高だったよ。
勿論タビーも良い味だしててGJ!
おまけも楽しめましたお腹一杯。
続きもwktkしてます。

>>236
同じく、このスレに来たのが今の10スレ目で初めてなんだけど
過去の作品もぜひ見たいね。
保管庫があるっぽいし、そこに保存とかじゃ駄目なんだろうか?
今は更新止まっちゃってるようだけど・・・

241:名無しさん@ピンキー
06/10/30 00:58:25 Dyj4tdUJ
過去スレならにくちゃんねるで最近のは全部見られるんじゃね?

242:名無しさん@ピンキー
06/10/30 01:03:45 +hvfjh6K
>>220のつづき~
友達に聞いて確認した。望のしゃべり方はばっちりだ。たぶん…

「あ、おねえちゃん」
「なんや、望もトイレかいな」
「うん」
「そうか、ウチは先に戻っとるで」
「うん、分かった」
数分後、用を足し終わり、揺光達の元へ戻ろうとする望の腕を掴む者がいた。望が振り向こうとすると、人気のない入り組んだスペースへと連れ込まれた。
「え? あ、あの…」
何が起こったか分からない望の前にいたのは、明美と奈緒の二人だった。
「えっと、何か…?」
「ちょっとお姉ちゃん達と一緒に遊ぼう。いい事してあげるから」
「え?」
明美はそれだけ言うと、望を思いっきり抱きしめた。
「!? な、なんですか!?」
いきなり抱きしめられ、望は驚いた。
「ん~、やっぱり可愛い~。男にしておくのは勿体無いくらい」
「ちょっと、いつまで抱きついてんの明美」
「もうちょっとだけ~」
明美は望を放そうとはしなかった。望は何か喋りたいが、明美の胸の間に顔があるため思うように喋ることが出来なかった。
「ったく、仕方ないわねえ…あんた、当初の目的忘れてるでしょ?」
「覚えてるって」
当初の目的。どうやら明美達の目的は自分にあるようだと望は思った。しかし、彼女達が自分に何の目的があるのかと言うことは流石に分からなかった。
明美は望の耳に息を吹きかけると、そのまま片手を下半身へ移動させた。
「な、なにしてるんですか!?」
「何って…ナニだよねえ?」
明美は奈緒に確認を取った。
「うん、ナニだね」
奈緒はうなずいた。望は二人が言っていることをすぐには理解できなかった。そんな知識もないからだ。
「大丈夫だよ、優しくしてあげるから」
「そうそう。お姉さん達に任せてれば全部大丈夫だよ」
「だから、なにがですか!」
「だから、ナニ」
望は明美の片腕に抱かれながらも、抵抗しようと少し暴れた。
「もう、仕方ないなあ」
しかし、相手は女子と言えども自分より年上で背も高い。あっという間に明美に羽交い絞めにされてしまった。
「奈緒」
「オッケ~」
明美は望のズボン状丸めているスカートの裾を掴むと、そのまま裾を引っ張り出し、スカートの形状に戻した。
「ふふふ~、君のここはどんな大きさかなあ」
「は、はなしてください!」
望は何とか抵抗を試みようとはしたものの、羽交い絞めにされていたため、それは出来なかった。
奈緒は望のスカートに手をかけると、そのままめくりあげた。

243:名無しさん@ピンキー
06/10/30 01:03:48 cyTRSq3o
>>241
初期、2、3、9辺りしか見つからなかった

244:名無しさん@ピンキー
06/10/30 01:04:50 +hvfjh6K
望が明美達に襲われていたころ、智香はご機嫌だった。理由は簡単。亮が隣にいるからである。では何故亮が隣にいるのか。それは、智香の手伝いをするためである。
「なあ」
「何? 亮」
「俺、手伝いに来たんだよな」
「そうだよ」
「じゃあ、何で腕組んでんだよ」
「せっかく亮と二人っきりなんだ。良いだろこれくらい」
智香は亮の肩に自分の頭をもたれさせた。が、それもそう長くは続かない。
「あーーーーーー! 人がおらん隙に何しとんねん!」
トイレから帰ってきた朔に現場を見られた。
「っち…」
智香はばつが悪そうに舌打ちした。
「今、舌打ちしなかったか?」
「してないよ」
「……そうか」
亮は舌打ちのことを智香に尋ねたが、智香の何故か恐怖を感じさせるような笑顔に何も言えなくなってしまった。
「お帰り朔、早かったじゃねえか」
「ウチがトイレに行っとる間にハセヲいちゃいちゃするたぁええ度胸や!」
「いちゃいちゃ? してたか?」
「ウチに聞くな!」
何故かハセヲに思いっきり当たった。
「…何怒ってんだよ」
「別に、ウチはハセヲが誰といちゃいちゃしようがかまへん。けど、時と場所を考ええや」
「お前、さっきと言ってる事違うぞ」
「なんや?」
「何でもありません」
亮は朔の今にも「お前の首根っこ引っ掻いてやろうか」的な目に何もいえなかった。

とりあえずはここまで。つづきは今度~

245:名無しさん@ピンキー
06/10/30 01:05:39 cyTRSq3o
乙!望大丈夫か?www
それと割り込みスマソ

246:名無しさん@ピンキー
06/10/30 01:40:12 HZtlyVzA
>>242
書くこと字体は否定しないのでせめて書き始める前にオリキャラ×望がある、位いってくださいorz

247:名無しさん@ピンキー
06/10/30 01:58:27 hPpSeA1N
おまいら乙
ハセヲ×揺光+カール投下

248:名無しさん@ピンキー
06/10/30 01:59:32 hPpSeA1N

「で、どうだったんだ。100位以内には入れた?」
「何とかね……」
「くっくっく。どした、もっと喜びなよ」
「この2週間ばっかし徹夜で勉強してたから、喜ぶ気力も残ってませーん……」
「ほほう」

2018年・1学期末の定期試験。
智香は何とか両親との約束通り100位以内に入ることができた。
100位以内に入れば夏休みに東京に行ってもよいと約束し、死に物狂いで勉強した結果である。
特に苦手な英語を重点的に復習、分からないとことろは恥を忍んで1学年上の潤香に見てもらった。
《The World》もログインをしばらくしていない。夜食のカップ麺も食べていない。
それだけ自身を追い詰め、ついに勝ち取ったのだ。自由を。

「親も驚いてたなぁ……」
「当然。あたしが勉強見てやったんだ」
「その点については感謝してるよ……んで、潤香はどうだったのさ」
「いつも通り。学年10位以内にゃ入ってた」
「その余裕ぶりがムカツク……ぬぬぬ……アタシの遥か上じゃん……」

涼しい顔でそう言ってのける潤香の余裕は、やはりさすが。
世の中は不公平だ。
智香ではどう頑張っても100位以内に入るのがやっとなのに潤香は普通に20位以内。
この差は何なのか。できることなら少しそのIQを分けてほしい。ついでに背も。

「元気がない時はアレだ。カラオケにでも行くか?」
「珍しー。潤香から誘うなんて」
「行くの? 行かないの?」
「……行く」




**********************




「もう言わないで 呪文めいたその言葉 愛なんて鎖のように重い
 囁いて パパより優しいテノールで どんな覚悟もできるならばー!」

歌っているのは智香。誘ったはずの潤香はすでに2時間以上マイクも持たず静観。
スイッチの入ってしまった智香は放っておくのが一番だと潤香はよく分かっている。
しばらく歌わせてやれば、そのうちいつものテンションに戻るはずだろうし。

「さあ誓ってよ その震える唇で 蜜を摘む狩人のトキメキ
 触っていい この深い胸の奥底を 射抜く勇気があるのならばー!
 貴方捕まえたら 決して逃がさないようにしてー! …………ふぅ~」
「おつ。あんたもローゼン……ってかアリプロ好きだな」
「まだまだ、こんなもんじゃないからね……次は亡國覚醒カタルシスいくよ!」

熱唱を続ける智香を傍らで見つつ室内電話を手に取り、
延長を願い出る潤香の顔は―――何故か1曲も歌っていないにも関わらず満足気だった。


249:名無しさん@ピンキー
06/10/30 02:00:48 hPpSeA1N

「うぉ~す……」
「よ、揺光? どした、何か声が変だぞ」
「カラオケで歌い過ぎちゃって……はは」

ハセヲだ。
定期試験も終わって久々にログインしてみると、揺光の声が随分としゃがれててビビった。
俺らの他にもアトリやガスパーももう定期試験が終わった頃だろう。
シラバスの奴は8月上旬まで大学の試験が長引くってよ。ご苦労なことで。

「何か……久しぶりだよね。こうやって会うの」
「2週間ぶりってとこか」
「試験勉強してたからさ、全然ログインする暇なかったもん」
「お前んとこも試験終わったのか」

コイツの口から試験勉強なんて単語が出るとはな。
揺光も今年で高2だし受験のこととかも考えてんだろうけど。
でも塾とか行ってる気配はないな、独学か?

「あ、それでね。東京行き、親の許可もらえたよ」
「そか」
「そか、で済ますなよなぁ~。大変だったんだぞ、学年100位以内に入るのが条件でさ……」
「てコトはお前、今まで100位以内に入ったことなかったんだw」
「うっ」

こりゃマジでなかったっぽいな。
メールでも勉強の話すると機嫌悪くなるし。
……別に頭悪くても俺は構わねぇけど。

「な、何だよー! ハセヲのために頑張ったんだぞー!」
「あん? 俺のため?」
「あ、ち、違う! もう飛行機のチケット予約してあるし! 
 その……行けなかったら勿体無いし……キャンセル代とられるのもシャクだし……!」
「へいへい。そーいうコトにしといてやる」

揺光なりの照れ隠しなんだろうけど……バレバレ。
まぁでも、これで正式に東京行きが決まったワケだ。
補習のこととかも考えると7月下旬か8月初旬ってとこか?

「とにかく! ……ちゃんと迎えに来てくれよ。
 アタシ、東京行くの初めてで右も左も分かんないし……」
「成田に着いたら携帯でゲートの場所教えろ。俺もお前がこっちに着く頃に迎えに行ってやっから」
「荷物、一旦ハセヲの家に置いていい?」
「あぁ」
「じゃ、そのあと遊びに連れてってくれる?」
「いーぜ」
「あは。やったw」


揺光の……智香の顔も知ってるし、大丈夫だろ。
その日の服装とか聞いてりゃすぐ見つかるだろうし。……空港が混んでなけりゃの話だが。
でもこれって……オフだよな? いや、宿泊オフ?
家に女の子泊めるってもの初めてだしな……やっぱ掃除くらいはしといた方がいーんだろうか。
晩飯は……やっぱラーメンか?


250:名無しさん@ピンキー
06/10/30 02:02:21 hPpSeA1N

「どーする? 久々にクスエトでもやるか」
「ん……そだね……どうしよっか」

こういう時って会話に困る。
リアルで会った時もこういう感じの流れになっちゃマズイな。
何か会話しねぇと間が持たねぇっつーかさ。

「あーやっぱ……ハセヲと一緒なら……どこでもいいや」
「……」
「……アタシ、何か変なこと言った?」
「いや……」

こいつはたまにドキリとさせるセリフを平気で言う。
今のは聞いてた俺の方が恥ずいんだが……。
最初に会った頃に比べるとだいぶ親しみやすくなった気はするっちゃするが、何かこう……
上手く言葉にできねぇ……。

「ね。ハセヲ」
「ん」
「アタシと一緒に遊んでてさ、楽しい?」
「……」
「アタシはさ、アンタと一緒に遊んでる時が一番楽しいよ」
「……」
「ハセヲは……どう?」

どうって……答えは一つだろ、そりゃ。

「……楽しい」
「ホント?」
「ホントだ」
「ホントにホントにホント?」
「嘘ついてどーする」

子供みてぇな奴。
いつもと態度違うと何か調子狂うな。
……俺の前でだけオープンなだけか?

「そっか、楽しいか……エへへ、良かった」
「何だ、それが聞きたかったのか?」
「会う前に聞いておきたかっただけ」
「あんまリアルに期待すんな。何処にでもいそうな奴だし、俺」
「そだっけ?」
「前に写メで写真送ったろ」
「あ、ゴメン。見てない」

コイツは……。
自分から写メ交換しようって言ってきたクセに……しょうがねぇなぁ。
俺は智香を知ってるけど、智香は三崎亮を知らないってか。


251:名無しさん@ピンキー
06/10/30 02:03:28 hPpSeA1N

「どうせならさ、初対面の方が感動するじゃん」
「感動求めてどーすんだ」
「分かってないなぁ……男と女の感性の違いかな?」
「感性……なぁ」

そんなもんか?
たまにオフ会とかのレポ見たりするけど、結構普通だって聞くけどな。
や、俺と揺光の場合はまたケースが違うんだが……感動するか?


「やっと進展したと思ったのに……相変わらずだな」


「カール!」
「よぉ」
「ちゃお。ハセヲ、揺光」

カール……そう言や、この女も揺光と同じ学校だったっけな。
てかセリフから察するに、隠れて一部始終見てやがったなコイツ……。

「喉の具合はどうだ?」
「おかげさまで。のど飴なめてる」
「4時間もぶっ続けで歌うからだよ、お馬鹿」
「カールも一緒にカラオケ行ってたのか?」
「そゆこと。この子が始終歌ってるだけだったケド」

揺光……マイク持ったら離さないタイプと見た。
でもカールはカラオケってイメージじゃないな。
この黒服見てると……カラオケってよりは鎮魂歌の方が合ってる、絶対。

「揺光。手ぶらで東京行こうなんて考えんじゃないよ」
「わ、分かってるさ」
「かと言って手ぶらで帰って来るのも許さない。東京限定のお菓子各種をみやげとして買ってきな」
「えぇ~~~」
「カラオケの延長料金とジュース代は誰が出してやったんだ? あと期末の助っ人」
「……カールお姉様です」

やっぱコイツら面白っ。揺光も姉御肌って感じだけどカールはその上行ってんな。
もう姉御ってか女王様気質って感じになっちまってるが。大したロールだぜ。

「ハセヲ。こんな子だけど世話よろしく」
「ん。分かってる(この前の決闘でも言われたけどな)」
「あとね。この子ゲームじゃこんなに乳デカイけど、リアルでもキャストオフすると結構―――」
「わーわーわー!!!」

……脱ぐとスゴイってことか? ……ま、それは置いといて、だ。

「……カールは夏休み、どうすんだ?」
「大学受験あるし適当に勉強して過ごすよ。ハセヲも受験生だろ」
「あぁ」
「なるべくなら偏差値低い大学受けてくんない? あんまエリート校だと揺光が入れないよ」
「は?」
「2年後、この子をハセヲと同じ大学に入れて同棲させる……それがあたしの計画だから」

……やっぱこの女、変。


252:名無しさん@ピンキー
06/10/30 02:05:38 hPpSeA1N

************************




「こんなもんかなぁ」

夏休みに入り、7月も終わりに差し掛かったある日。
キャリーバッグに荷物を詰め終え、智香は他に入れ忘れたものがないか再チェックしていた。
こんな大掛かりの準備をするのは中学の修学旅行以来のことで、何だかワクワクする。
ワクワクはするのだが……。。

「他には……」

念のため風邪薬や酔い止め、腹痛止めの医薬品なども。
旅先では何が起こるか分からない、万全の準備をしておくに越したことはない。

「これは……どうしよっかな……」

潤香も扱いに困る餞別をくれたものだ、と智香が憤る。
彼女が智香にくれたのはピル……いわゆる経口避妊薬だった。
親切なカールお姉様は可愛い智香がハセヲと不順異性交遊をしてしまった際の
アフターケアを考えてくれているらしいが、こんなものを服用したことのない智香はどうにも躊躇してしまう。
と言うか、副作用とか大丈夫なのだろうか?

「性交渉後……72時間以内に1回目の2錠を服用……12時間後に残りの2錠を……服用してください……」

読んでるだけで顔が熱くなってくる。
空想好きな読書少女の智香にはやや刺激が強いのかもしれない。
あるいは潤香は智香がこういう反応をするだろうと予想して、あえてこんな物をプレゼントしてくれたのか……。
ちなみに何でピルなんてくれたのか、と潤香に聞いてみると

『生でヤった方が気持ちいいんじゃない? あたしヤったことないから知らないけど』

と何とも無責任な答えが返ってきた。
要するにあの後輩いぢめが趣味の先輩は面白ければ何でもいいのである。
どこぞのハルヒなんて比じゃないくらいに仁村潤香は自己中なのだと思い知る。

「(と、とりあえず……持っててみよっかな……)」

イコール、ハセヲとの……つまりは三崎亮とのロマンスを
期待している自分が何となく情けなく思えてくる。何をしに東京まで行くのか分かりゃしない。
確かに智香も17歳、別に異性に興味を持つのはちっともおかしくないことだが……
北海道というやや閉鎖的な土地感覚も手伝って、意外と奥手なのかもしれない。
カールの言う通り、ゲームでの揺光はロールで、やはりリアルの智香こそが地なのだ。
ハセヲとのメールのやりとりでも最近はほぼ地が出てしまっているし、年頃の女の子であることが否応なしに窺える。

「(き、期待なんかしてない……うん、してない……)」

自分とハセヲは飽くまで清い交際をするのだ、と自分に言い聞かせる。
会って間もなく異性と性交するなんてそんなの映画やドラマじゃあるまいし。
……でも好きな人と一緒に居たら、我慢とかできなくなっちゃうんじゃないの?
いつも以上に思考をクロックアップさせながら、智香は出発の準備を進めてゆく――――――。


253:名無しさん@ピンキー
06/10/30 02:07:39 hPpSeA1N
聖少女領域? 禁じられた遊び? 何のことです?
おやすみおまいら


254:名無しさん@ピンキー
06/10/30 02:10:27 Dyj4tdUJ
リアルタイムでキタ━━(゚∀゚)━━!!!!!!!!!!!
うおおおおおお東京編無茶苦茶楽しみだ
アリプロヲタな智香バロスwwwwww

255:名無しさん@ピンキー
06/10/30 02:12:06 cyTRSq3o
ローゼンバロスwwwww
東京編全裸待機致しますwwwwww

256:名無しさん@ピンキー
06/10/30 02:30:53 DlHyxuaV
あの世界では亡國は何のテーマ曲だったんだw

低容量じゃなくて緊急避妊の方渡すってのは…(;´Д`)


257:名無しさん@ピンキー
06/10/30 05:58:58 0apZz216
最高すぐるwwっw

258:名無しさん@ピンキー
06/10/30 06:14:54 3MjglfiL
朝っぱらからニヤけつしまったぜww

259:名無しさん@ピンキー
06/10/30 11:19:18 sEieZuep
>>253
GJ!ハセヲ×カールも書いてw

260:名無しさん@ピンキー
06/10/30 14:15:24 KBr+MOgs
「いいぜ、来いよ、俺はここに居る! 揺光ーぅっ!」

な、展開キターっ! GJ!

261:名無しさん@ピンキー
06/10/30 14:53:27 KspCsn6L
>>253
GJ

俺もハセヲ×カールが読みたくなったぜw

262:悲しみの揺光
06/10/30 15:53:27 mGrT3F4f
服を破り取られた、揺光はその場に蹲った。
しかしアイダによって、揺光は無理矢理立ち上がらせられた
揺光の二つの膨らみが、プルンと揺れる。
「許さないよ~・・・私からハセヲを奪ったことを!」
ボルドーは、怒鳴りながら力のかぎり揺光の胸を掴んだ。
「うぐぅ!」
胸を掴まれて形が変わるたびに、揺光は嘆いた。
・・・
・・

しばらくして、ボルドーの腕が揺光の下半身に動いていった。
                        今日は筋肉痛がひどいのでここまでです。
|||||(ー.ー)|||
昨日よりはましですが、全身が痛いっす。


263:名無しさん@ピンキー
06/10/30 16:26:02 FbD2y7KX
すげぇGJ

264:名無しさん@ピンキー
06/10/30 17:33:00 H6WiEKC7
メモ帳に書き溜めてから投下すればいい。
あとsageて

265:名無しさん@ピンキー
06/10/30 19:58:26 3MjglfiL
俺もボルドー×揺光を書いていたのに

266:名無しさん@ピンキー
06/10/30 20:08:16 2wHeWoyK
>>262
短いけどGJ!ボルドー×揺光とかかなり好みな組み合わせ

>>265
かぶってても構わないから俺は読みたい!

267:名無しさん@ピンキー
06/10/30 20:11:25 2wHeWoyK
sage忘れごめんなし

268:名無しさん@ピンキー
06/10/30 20:15:07 Qpb8VHwL
ニヤケがとマンねwwwww

269:名無しさん@ピンキー
06/10/30 21:17:04 Je9NTPyz
>>253
今更ですがGJ!!ネ申と呼んで良い??最高!あと、
>キャリーバック
ここでクソワロタwwwwww

>>262
練習するんだ!!期待してる!!
>>265
かまわん!!期待してる!!

270:名無しさん@ピンキー
06/10/31 00:50:41 lNK7uo/p
>>244のつづき~

明美と奈緒に捕まった望は、輪されていた。
「我慢しなくていいんだよ? 我慢は身体に悪いし」
「そうそう」
奈緒は望の肉棒からいったん口を放すと言った。
「あう…」
望は身動きもとれず、奈緒と明美にされるがままになるしかなかった。誰かに助けを求めたいが、この賑わいだ。叫んでも聞こえる事はないだろう。おまけにここはちょっと入り組んだスペースだ。人が通りかかることも滅多にない。つまり、望は逃げ出すことが出来ないのである。
「あむ、んん、れろ、んく」
「うあ…はあ…」
限界が近いのだろう。望の息は荒くなっていた。
「んん~、我慢してる顔も可愛い~」
明美は羽交い絞めにしたたまま望に頬ずりした。
「んん、んぷ」
奈緒は望の様子を確認すると、顔の動きを早めた。そして
「う、うあああ!」
望は奈緒の口の中に精を放出した。
「んん? んく…ごく」
奈緒は口の中に放出された精を嚥下した。それを見ていた明美はちょっとむっとした。
「ああ~、奈緒ずる~い!」
明美は望の拘束を解いた。望は壁に寄りかかるように倒れた。
「あんたも、望君に出してもらえばいいじゃない。あたしより胸あるんだからさあ」
奈緒は明美の胸を指差していった。事実、明美は奈緒より2.5センチばかり胸がでかい。おそらく揺光やパイと互角に勝負出来るぐらいに。
「あ、そっか。胸でしてあげればいいんだ」
「そうだよ」
何故か奈緒はちょっと泣きそうだった。
(羨ましくなんかないぞう…)
そう思ったが口にはしなかった。
「よし」
意気込むと、明美は上着を捲りあげた。それを見た奈緒が自分の胸と比べてやはり悔し涙をちょっと流したのは言うまでもない。
明美はまだ呼吸が整っていない望の足元に跪くと、まだ萎えていない望の肉棒を挟み込んだ。

一方そのころ、朔は嫉妬の炎をメラメラと滾らせていた。
「ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ!」
「? どうした朔。どこか具合でも悪いのか?」
亮は朔に熱でもあるんじゃないかと思い、額に手を当てた。
「!」
「熱は…無いみたいだな」
「い、いつまで人の額に触っとんねん!」
朔は真っ赤になって亮の手を振り払った。

271:名無しさん@ピンキー
06/10/31 01:16:30 lNK7uo/p
「顔が真っ赤だぞ。お前、やっぱり熱でもあるんじゃないのか?」
「熱なんかあらへん! ただ単に暑いだけや!」
照れ隠しなのだろうか、朔は必死になって何でも無い事をアピールしていた。
「確かに暑いが…そんな真っ赤になるほどでもないぞ?」
「ウチが暑いって言ったら厚いんや! ハセヲ、だからウチを仰いでや」
「何で俺が…自分でやれよ。ってか、そんなに暑いんなら、それ脱げばいいだろ、そ」
亮はその帽子を脱げと言おうとしていたのだが、朔は勘違いを起こしますます真っ赤になった。
「こ、こんな所で素っ裸になれっちゅうんかい!」
「誰も服を全部脱げと入ってねえだろ。帽子を脱げって言おうとしたんだよ。何勘違いしてんだ」
「え? そうなん? ウチはてっきりこの服を全部脱いで裸を見せろと言うてんのとばかり」
「何をどこでどう勘違いしたらそうなるんだよ。そんな事させたら、俺が警察に捕まっちまうだろうが」
「そうだよ朔! 亮はつるぺたなんかより、あたしみたいなナイスバディーの方が見たいに決まってるさ!」
「待て、何でそうなるんだ智香リン」
亮は話が可笑しな方向に行きかかってる事に気づき、二人を止めようとした。この時、さりげなく智香リンと言った事に二人は気づいていない。
「誰がつるぺたや! ウチはこれからまだまだ大きくなるんや! いずれはあんたを追いぬくで!」
「おい、話が可笑しな方向に行ってないか? おーい」
火花を飛ばしあい、激しく女の戦いを繰り広げる二人の間で板ばさみになりながらも、亮は何とか事態を収拾しようとしていた。
「頼むから落ち着いてくれ二人とも」
「ハセヲ! あんたはどっちがいいんや! 大きいのか小さいのか」
「ええ!? 俺ぇ!? 俺に振るの!?」
まさか自分に話が振られるとは思っていなかった亮はいきなりの事で戸惑った。
「亮、あたしがいいよね? あたしみたいに大きな胸の方がいいよね?」
「何言うとるんや。胸が大きいからってええ気になるな! 小さい方にも小さいなりの良さがるんや! ハセヲ! ウチの方がええやろ?」
亮はどう答えようか迷った。大きい方がいいと答えれば朔に思いっきり殴られるかも知れないし、逆に小さい方が言いと言えば智香に殴られロリコン呼ばわりされるかもしれない。そんな考えが亮の頭をよぎった。
(どうする…どう答えるべきか…)
亮は物凄く悩んだ。頭の中に4つの選択肢カードが現れたりした。①大きい方 ②小さい方 ③両方 ④望
(よし…こうなったら…)
悩みに悩んだ結果、亮は一つの答えを導き出した。それは…


272:名無しさん@ピンキー
06/10/31 01:18:57 lNK7uo/p
と、ここまで書いて今日は終了。ハセヲが選んだ答えのカードは果たしてどれになるんでしょうか。

273:名無しさん@ピンキー
06/10/31 01:26:45 K+t6LS51
GJ
どれを選んでもとんでもないことになりそう
つーか望ってwww

274:名無しさん@ピンキー
06/10/31 01:29:07 Za6Lv6oD
>明美と奈緒


えと・・・誰?

275:名無しさん@ピンキー
06/10/31 01:37:44 1o2QsfuN
>>274
オリキャラ

大きい方→朔に泣きながら殴られる
小さい方→クーン乙
両方→はっきりしろ!で左右から殴られる
望→クー(ry

・・・どれ選んでもいい結果にはならないなw

276:名無しさん@ピンキー
06/10/31 17:57:34 wTuUan6V
オリキャラと絡ませる位なら事前にそう書いとけって話だよな(^ω^♯)

277:名無しさん@ピンキー
06/10/31 18:50:52 dbzy9wa8
上の方に書いてなかったか


278:悲しみの揺光
06/10/31 20:38:24 fJjW6HdH
パソコンがあぼーんしてしまった・・・。
と言う訳で、しばらくの間携帯から、投稿しまっす!


ボルドーの手が、揺光の秘部に触れた。
「ダメ!そこだけはダメ!」
揺光は必死に抵抗しようとするが、ボルドーの手が、揺光の割れ目を撫で上げた
「ひゃん!」
ボルドーは、揺光の反応を楽しむように、撫で続けた


パソコンがあぼーんして超バッドな気分なのでここまでです

279:名無しさん@ピンキー
06/10/31 21:39:46 4+X4Xq1G
毎回その旨書けって事じゃねーの?>オリと~

280:名無しさん@ピンキー
06/10/31 23:26:26 TxdlBc7a
URLリンク(vote.rentalcgi.com)
定期
ブラックローズに清き一票を


281:名無しさん@ピンキー
06/11/01 00:41:46 ECQhuH2I
>>253よ、是非続きを!

282:名無しさん@ピンキー
06/11/01 01:15:26 oGwE+ITH
>>271のつづき~
オリキャラとの絡みあり。

「4番、望でファイナルアンサー!」
「亮の馬鹿ああああ!」
「ハセヲのアホンだらああああああああああああ!」
「ぐえ!」
ハセヲが言い終わると同時に、左右から鉄拳が飛んできた。それは腹と顔にクリーンヒットした。
「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿、亮の馬鹿ああああああ!」
「何でや! 何で望なんや! 冗談や無いでホンマ! 何で望を選ぶんや!」
智香と朔は何度も何度も亮を殴った。これでもかと言うぐらいに。
「イテ! イテテ! 止めろって! マジ痛いから。ちょ、止めろ。止めて。止めてください。ほんとマジで止めてください」
「何でよ! 何であたしって言わないんだよ!あたしの何が不満なんだよ~!」
「何で小さい方って言わないんや! 何でよりによって望なんや!」
二人の怒りは何で自分を選ばなかったんだと言うより、望に負けた悔しさをただハセヲにぶつけていた。
「イテ! いたい! ちょ、マジ痛いんですけど。ねえ、ちょっと、マジ痛いから! ホント止めて、マジ止めて。ホントもう勘弁してください」
憐れ。周りの者はそう思った。本来会場での暴力行為等は禁止されているが、この状況ではとめようにも止められなかった。止めようとすれば自分達が巻き込まれてしまう。そんな危険を冒してまで亮を助けようとする者などいなかった。
「わ、分かった。ちゃんと言うから。どっちが良いかちゃんと言うから許して!」
ハセヲがそういうと、二人は攻撃?するのを止めた。
「で、どっちがいいの? 亮」
「そやそや」
「俺は……巨乳派だ」
「やりい!」
「てえええええええええええええええええええええええええええええい!」
「ぐあ!」
言い終わるや否や、朔のローリングソバットが亮にクリーンヒットした。
「そんなに巨乳がええんか! 男なんて所詮は皆巨乳が好きなんか! ええやないか、つるぺたでも! 巨乳なんて鍛えんと年を取れば垂れてくるだけや! それなんに巨乳がええんか! 
冗談や無い! 胸が小さいもんの気持ち考えた事があるんか! 胸の小さいもんは日々努力しとるんや! 胸が大きい女の子は可愛いとか、胸が大きい女の子はそそられるとか、胸が大きいとあんたらに何の得があるんや! ごっつう色目つこうてからに!」
朔は巨乳に対する恨みを言いながら、これでもかと亮にストンピングをしまくった。 

283:名無しさん@ピンキー
06/11/01 01:18:47 oGwE+ITH
「これでもか! これでもか!」
「ちょ、朔! 痛い! 痛い! マジで痛いって!」
「踏んづけてるんやから当たり前やろ、くぬ! くぬ!」
亮が朔に踏んづけられている横で、智香は心なしか嬉しそうだった。

はい、本日はここまで~ 続きが思いつかない…

284:名無しさん@ピンキー
06/11/01 01:43:28 wONdVj2q
GJ
ハセヲさん4番選んじゃったよwww

285:名無しさん@ピンキー
06/11/01 06:04:48 vSUDXlBw
望可愛いよ望

286:名無しさん@ピンキー
06/11/01 06:36:56 vSUDXlBw
揺光って誰かわからない自分がいる

287:名無しさん@ピンキー
06/11/01 10:03:48 dIFO6OmZ
↑/(^o^)\

288:名無しさん@ピンキー
06/11/01 16:09:16 QJyS3Cw6
>>286
つ[.hack//G.U. Vol.1・2]
つーか公式ページのキャラ紹介くらい見ろwwwwww

289:名無しさん@ピンキー
06/11/01 18:16:03 R9G0nzQA
ちょww ほんとうに望選んだよww

ネ申GJぅ!!

290:名無しさん@ピンキー
06/11/01 18:32:41 VIjUh0Lh
お前こそ本物の漢だwwwwww

291:名無しさん@ピンキー
06/11/01 22:07:11 ECQhuH2I
ハセヲ×揺光の続きまだ~?

292:名無しさん@ピンキー
06/11/01 23:11:23 dFkO8ZSK
期待!

293:名無しさん@ピンキー
06/11/01 23:41:27 bCHMfIVQ
望選んだ時点で、漢じゃねーだろ

294:名無しさん@ピンキー
06/11/01 23:46:16 IpYBso6p
>>293
           _____
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、 ̄\  
           (:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ   \
          Г^^^^^^^^^^ヽ::::::::::::)  |
          |―◎―^ ):::::ノ    |  
          { ノ    \ /イ |、ノ    | お前は…何も解っちゃいない!
          |l ●   ●  | jノ     |
          :ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j .     │  
           //⌒l,、 __, イl.ハ     |
.          /  /ヽ|V|ノ::{ \|.   ノ

295:名無しさん@ピンキー
06/11/02 00:02:35 UeNwO9Sc
あれ? クーンはどうなったんだ?

296:名無しさん@ピンキー
06/11/02 00:13:42 DJ4YKgR7
ハセヲとシラ…いやなんでもない

297:名無しさん@ピンキー
06/11/02 00:14:16 kWfcq/1a
シラバスがおにゃのこだったらって事か?

298:名無しさん@ピンキー
06/11/02 01:16:09 zJwIFd2u
>>283の続き。 オリキャラとの絡みあり~ 実はさっさと朔望お泊りを書きたくてたまらなかったり。

「あれ? そういえば望遅くない?」
智香はふと、望がまだ戻ってきてない事に気づいた。
「そういえば、そやな」
朔はさんざん亮を踏んづけていた足を止めた。
「トイレ、混んでるのかな?」
「ウチが知るわけ無いやろ。ハセヲ、ちょっと見てきてんか」
「何で俺が行かなきゃいけねえんだよ」
頭をさすりながら亮は起き上がった。
「ウチの乙女心を踏みにじった罰や!」
「意味わかんねえよ…ったく。行きゃあいいんだろ」
亮は不服そうな顔をしながら、しぶしぶと望を探しに向かった。頭がまだ痛いと思ったが、その事を言えば「自業自得や!」と言われるに決まってると思ったので、黙っておいた。
「ったく。どこに行っちまったんだ。望のやつ…」
ブツブツと、一人ごちながら亮は男子トイレに向かった。しかし、ふと立ち止まった。これだけ人がいるとはいえ、自分達のいる場所まで戻ってくるのにそんなに迷ったりはするはずが無い。だとしたら…
「まさかとは思うが、さっき売り場にいた女子達に捕まったりしてねえだろうな…望を見る目が何か怪しかったが…」
そんな思いが亮の頭をよぎった。
「念のためだ…一応人が滅多に来なさそうな所も探してみるか…」
亮はそう一人ごちると、とりあえずは今自分がいるトイレの付近を捜す事にした。

「おい。お前ら、何してる…」
「え」
突然の亮の声に驚いた二人は、振り向いた。そこには、二人を見下ろす形で亮が立っていた。
「俺の知り合いの弟に何をしてんのかって、聞いてんだよ。答えろ」
静かにそして怒りをこめた声で亮は二人に問いかけた。
「えっと、これはその…」
亮の怒りに気圧され、明美と奈緒は何と言おうかと答えを詰まらせてしまった。
「まあいい…お前達がやっている事が何であれ、俺はお前達をどうこうしようと言う気はない。ただ…」
亮は二人をしっかりと見据え、そして言った。
「失せろ」
「「はいい!」」
静かだが、確かに二人に対する怒りのこもった亮の声に、明美も奈緒もただ言うとおりにするしかなかった。だから、二人は急いでその場から逃げ出した。
「大丈夫か、望」
亮はしゃがみ込むと、望を抱き起こした。
「ハセヲにいちゃん…」
亮の姿を見た望は、安心したのか、亮に抱きついた。
「ハセヲにいちゃああああん! こわかったよおお!」
「よしよし、もう大丈夫だ…」
亮は望を慰めるためにその頭をなでてやった。
「よし、売り場に戻るぞ。朔達も心配してるしな」
「うん」
亮は立ち上がると、望が立ち上がるのを手伝った。衣服の乱れが目立ったため、それを直してから売り場に戻った。


299:名無しさん@ピンキー
06/11/02 01:16:40 zJwIFd2u
「あ、帰ってきた」
「ただいまおねえちゃん」
「いったい今までどこにいたんや。心配したんやで」
「うん…ちょっとトイレが混んでて」
「そっか」
亮も望もあえて何があったのかは語ろうとはしなかった。語ればきっと「何やて! そんなやつ等、ウチがぶっ飛ばしたる!」と言うに違いないと思ったからだ。

それから数時間後。終了時間も近くなり、だいぶ人が減ってきただした。智香はちらりと腕時計を見るといった。
「亮、もうすぐ終了時間なんだけど、片付け手伝ってくれない?」
「手伝いに呼んだってことは、初めからそのことも計算のうちだったんだろ?」
「実は…そうだったり」
「ったく、しょうがねえなあ」
亮は渋々と、手伝うことに了承した。やがて、終了時間が来た。
「おつかれ~」
「ああ」
「お疲れ様」
「おつかれさん」
口々にそういうと、亮と智香は片づけを始めた。
「智香。お前、今日泊まってくんだろ?」
「うん。よろしく」
「ああ」
そんな二人の会話を、朔は聞き逃さなかった。

よし、今日はここまでっと。

300:名無しさん@ピンキー
06/11/02 01:26:42 yb2CZTjf
GJ
続きに期待!

301:名無しさん@ピンキー
06/11/02 01:27:47 2yN3emaV
>>299
GJ!

302:名無しさん@ピンキー
06/11/02 02:05:18 VIeMI73g
キタキター(゚∀゚)
出てくるキャラのやり取りが面白い。GJ!

303:パック ◆JuT3jsxZbo
06/11/02 03:26:17 /jxxGAsM
>>236
身に余るお言葉、ありがとうございます。
今後も期待と応援に答えられるよう精進いたします。

>>240
SSと呼ぶのもおこがましいような長編連続もの、それも揺光も朔望も出て来ないクラシックな作品を途中から・・・・・
本当にありがとうございます。
お礼というわけではありませんが、おまけは近いうちにちゃんとした形にまとめます。
自分を含む志乃萌えが楽しめる内容に仕上げるつもりですので、ご期待ください。

ご要望いただいたまとめの件ですが、
前述した理由で手元にログもファイルも残ってなくて作れないんですよ。
それさえ解決できれば何とかできるんですが・・・・・・
あつかましいお願いで申し訳ありませんが、
どなたかvol8のログをお持ちの方がいらっしゃたらupローダあたりで頂けないでしょうか。

それでは、今回の分いきます。

304:痛みの果てに 33
06/11/02 03:26:54 /jxxGAsM
「あ、あのな……」
萌に指摘されたように、明るいうちに事に及ぶ事がまずいと思っているわけではない。
若干不調だった体調も、萌が作ってくれた料理のおかげでだいぶ良くなっている。
問題になるのは、リョウ自身の萌に対する気持ちだった。
志乃の事を強く想いながらも萌にだらだらともたれかかっている、
そんな有様で彼女と体を重ねるという事がどういう意味を持つか。
決して女性経験が豊かとは言えないリョウにも、容易に想像は出来た。
「……悪いけど、やめるつもりはないから」
一方萌は、そんな葛藤など知る由もなく生地越しに硬いジーンズの股間を撫で続ける。
リョウはその腕を振り払おうとしたが、体は既に快楽で痺れてまともに動かなくなっていた。
痺れは徐々に疼きに変わり、リョウの心を蝕みはじめていた。
「ふっ、はぁっ、はっ……」
やがてリョウが疼きに耐えられなくなり、されるがままに声を上げ始めた。
判断力や理性が薄れていくのにあわせて、胸の底で土砂崩れのような衝動が沸きあがるのがわかる。
このまま自分の方から萌に襲い掛かるのも時間の問題か。
リョウがぼんやりとそう考えた時――唐突に、萌が手の動きを止めた。
彼女はそのままリョウに体を近づけたまま黙り込む。
先程まで少年の体を這い回っていた手は所在無げに宙に投げ出され、伏せられた目元は潤んでいる。
「ね、ハセヲ……もしかして、あたしのこと嫌いになった?」
「なんだよ、いきなり」
「だって……何だか、心ここにあらず……ってかんじ、だから」
一週間以上戻ってこない猫を気遣う時のような萌の声に、リョウの心が翳る。
自分の心が彼女から離れて始めていたのは、本当だった。
その気持ちを押し隠すように、リョウは萌のガラス細工のような顎に触れた。
「あっ……」
驚いた萌が、小さく声を上げた。
鈴が鳴るような、良く通る可愛い声。
しかしその表情は溢れた感情で歪み、普段の明るい面影はない。
それが、どうしようもなく悲しくて。
リョウは、目の前の事しか考えられなくなった。
「……考えすぎだって。ちょっとまだ疲れててな。でも、まぁ……」
衝動に従い、指を伸ばして僅かに零れた涙を拭う。そして。
「これぐらいの元気は、あるみたいだぜ?」
萌がこれ以上悲しいことを言わないように、今度は自分からキスをした。


305:痛みの果てに 34
06/11/02 03:27:45 /jxxGAsM
「ハ、ハセヲ……」
「何だ?」
唇を離した瞬間、萌が口を開いた。
薄いワンピースを肩から外しながら、リョウが目を開いて彼女を優しく見つめる。
目元の涙はコンクリートの上の夕立のように既に乾いていたが、どうしたわけかその口調は弱々しい。
「その、何をなさってるのかなーってお聞きしてもよろしいですますでしょうか」
おまけに酷く混乱しているらしく、口調が滅茶苦茶になっている。
安心させるように首筋を撫でながら、片手で背中のエプロンの結び目を緩める。
肩から抜けていたワンピースが、するりと床に落ちた。
「服、脱がしてるんだけど」
「そ、それはわかるんだけど……ひゃっ」
太ももを押さえつけながら、リョウは背中の指先をタイツだけになった下半身に移した。
先程のお返しとばかりに足の間を撫でると、萌は僅かに喘いだ。
「じゃあ、何が問題なんだ?」
「その、どうして、エプロンはそのままなの?」
愛撫も早々にタイツに手をかけ脱がそうとするリョウに、萌は息を切らせながら問いかけた。
リョウは無言のままにやりと笑いながら、タイツを一気にずり下ろした。
そのまま手を再び上半身に移し、乳房に触れながらタンクトップを脱がそうとする、
「あ、あの、ハセヲ?」
「こういうのも、たまには面白くね?」
タンクトップを腕から外しながら、リョウはおもむろに口を開いた。
萌は下着の上はエプロンだけという、ある意味‘面白い’格好になってしまっている。
自分の全身を胸から足元まで眺めて、萌はようやくリョウの思惑を悟った。
「は、裸エプロン……って、やつ?」
「嫌か?」
「い、嫌じゃないけど……」
萌はそう言うと、両手を肩に回して視線をそらした。
「そんなに恥ずかしいか?前プールに行った時に着てた水着のほうが、よっぽど肌が出てると思うけど」
「も、もう!勝手にして!」
からかうような言葉に反応して、萌がぷいと横を向く。
唇を尖らせたその表情が可愛くて、リョウの口元が自然と綻んだ。

306:パック ◆JuT3jsxZbo
06/11/02 03:28:39 /jxxGAsM
以上。次回、11月4日(土)。

307:名無しさん@ピンキー
06/11/02 09:52:55 nsQlZUbO
> 「その、どうして、エプロンはそのままなの?」

さっきまでキョドってたのに、男ってヤツァ……w

308:名無しさん@ピンキー
06/11/02 19:36:41 DBnRzrHE
パックさん今回も乙です!
パックさんの書かれるハセヲがほんっとうに好きです!

309:がらす玉
06/11/02 20:35:30 wcP62j/C
朔×ハセヲモノを投下するよ。
とりあえず言っとくけどエロに行き着くまですっごく時間がかかると思う。

その辺ふまえてよんでくれな。
次レスに投下する。

310:がらす玉
06/11/02 20:54:28 wcP62j/C
最近このパターンが定例化しつつある。
朔からメール⇒参加しないと何言われるかわからないから承諾⇒ストレスのたまる(?)冒険。
ハセヲは、アイテム入手をレベル上げも兼ねて行えるためかなりの頻度で参加している。
しかし問題点がない訳ではない。
そう、朔だ。
毎回毎回それはもう羨ましそうで憎らしげにハセヲを睨む。当然悪態の類も飛んでくる。
アイテム&経験値がゲットできることと朔の悪態や行動を我慢することがとてつもなくぎりぎりのバランスで両立されていた。
やはりハセヲも一プレイヤーなので楽しい冒険もしたいのである。

311:がらす玉
06/11/02 21:05:29 wcP62j/C
だが、今日の冒険は普段と趣を異としていた。
エンデュランスがいなかったのである。
朔と二人で草原フィールドを歩く。
「今日は何でエンデュランスがいないんだ?」
ハセヲの二歩先をさっさと歩く朔に向かって聞いた。
「風邪なんやて…はぁ、ツイてへんなぁ…」
普段なら『何でそないなことハセヲに教えなあかんねん』などと言って睨みをプレゼントするはずの朔が、妙に素直になっている。
ハセヲは、
(エンデュランスが来ないからか? それなら中止にすればいいだろうに)
と思ったが、敢えて口には出さなかった。

312:がらす玉
06/11/02 21:19:31 wcP62j/C
戦闘を繰り返すこと数十分。特に話をするでもなく(エンデュランスがいた場合、話というより悪態が先につく)苦戦しながらもモンスターを狩っていく。
宝箱を幾つか開けアイテムを回収すると今回のミッションであるボス討伐に取り掛かった。
通常のバトルとは違い、かなりてこずる。何故か朔ばかりに攻撃が行くためそれをフォローする。
何とか勝利をおさめた二人。
「無茶しすぎだ朔」
武器を仕舞いつつ言う。
ハセヲやエンデュランスは朔より若干レベルが高い。それに(主にエンデュランス)レベルを合わせる為、当然朔は苦労することになる。

313:がらす玉
06/11/02 21:22:41 wcP62j/C
今日はこれにて終了。
駄文スマソ。

314:名無しさん@ピンキー
06/11/02 22:50:09 GGkJpH03
>>313
ぐっじょぶ!!

315:名無しさん@ピンキー
06/11/03 00:38:01 k9xPr8ZC
>>306
今回もGJ!
続きどうなるかドキドキしっぱなしだよ。
つーかktkr!!
おまけを新しい形で見られるとは…
そっちも首長くして待ってます。

まとめのやつは、ログ持ってるヤシが現れるのを待つしかないか。

316:名無しさん@ピンキー
06/11/03 01:43:39 ZbqbeE8J
>126
先が気になってしょうがない、奴はホントにクーンなのかww

317:名無しさん@ピンキー
06/11/03 02:22:16 RtJFsedq
おまいら乙
亮×智香+潤香投下

318:名無しさん@ピンキー
06/11/03 02:23:39 RtJFsedq

「あれだけ成田成田言ってたのに羽田かよ」
「はは……ごめんごめん」

ハセヲだ。
揺光の奴、成田って言ってたのに実際は羽田に着くってギリギリで教えてきやがった。
まぁ……考えてみりゃ、どっちかつぅと羽田の方が東京に近いから楽だけど。

「本州はやっぱ暑いねー」
「そうか?」
「ハセヲも北海道に来たら分かるって」

あっちも夏のはずなんだが……そんなに気温差あんのか、同じ日本なのに。
そういやさっきまで厚着だったのに今は薄着になってるしな、コイツ。
地球温暖化とかも関係してんだろうか。

「でさ。どれくらいでハセヲの家に着くの?」
「なぁ……そのハセヲってのやめね?」
「何で? いいじゃん」
「……」

いや、よくねぇだろ。
プライバシーってか個人情報保護とか……。

「じゃあ聞くけど……お前、俺に街中で“揺光”って呼ばれても平気か?」
「え? えーっと……それはちょっと困る、かなぁ」
「だろ」

ハセヲと揺光なんて互いに呼び合ってる2人組が街なんて歩いてみろ。
コアな《The World》のプレイヤーならすぐ感づくぞ……。
俺にPKKされたことのある奴とかにバッタリ会っちまったりしたら厄介だろ?
もしくはアリーナバトルでお前に負けた奴とか……。

「じゃあ亮でいいよね。あ、アタシより1コ年上か」
「好きなように呼べって」
「それじゃ亮で決定!」
「ん」

さすがにリアルでハセヲハセヲって連呼されるってのはな。
揺光からすりゃ俺=ハセヲなんだろうが、俺にとっちゃ俺=三崎亮だし……。
俺だってリアルとゲームの区別は付けたいワケで。

「だからさ」
「何だ?」
「アタシのコトも揺光じゃなくて……智香って呼んで」
「……」

くそ、可愛い。
すっかり忘れてた……そういや俺、こいつにメールで告ったんだった……。
んでコイツ、一応OKくれたんだけど……その後に意識不明になったから有耶無耶になってたんだよな……。

「……」
「ほら、早く」
「……智香」
「うん!」


319:名無しさん@ピンキー
06/11/03 02:24:35 RtJFsedq

「でもさ、亮すごいね。一発でアタシ見つけちゃうし」
「まーな」
「さては……アタシが送った写メを食い入るように見て覚えたとか?」
「アホか。お前が意識不明になった時、ネットニュースで顔晒したろ。
 あれ覚えてただけだっての」

今思うとあれも問題ありだな。
ただでさえ未成年なんだから……せめて顔にモザイクくらいかけろっての。
ネット配信のニュースってのはどーにもそういう配慮に欠けてる気がするぜ。

「じ、実物見てどう?」
「どうって」
「だからさ、写真より実物を見た感想」
「……リス顔ってかタヌキ顔って感じだな」
「うわ、何それー!」

いや、だって……お前が感想言えって言ったんじゃねぇか。

「もっとさぁ、気の利いたこと言おうよ。可愛いねとか、写真よりも綺麗だよ、とかさ」
「……ぜってぇ無理」
「何でさー」
「どう考えても俺のキャラじゃねぇだろ……無理なもんは無理だっつの」

可愛いとは思うけどな……何か浮いてるだろ、んなコト言う奴って。
恥ずいし。女にそんなセリフ言ったコトもねぇし。
一応、リアルじゃ初対面だし……んな歯の浮くセリフ言えるのはクーンぐれぇだろうし。





*********************





「お邪魔しまーす」
「荷物は居間に置いとけ」
「ん、そうする」

この家に同年代の女連れ込むのって初めてだよな。
……連れ込むってか泊めるんだけど。
寝る場所は……客間に寝かせりゃいいか。客用の布団あるしな。

「冷蔵庫に飲みもん入ってるから適当に飲んでいいぞ」
「はーい」

まずは一段落だな。にしてもコイツの荷物、何だ?
3日だけだってのにこんなに荷物が必要なのか? 
どこぞのメーテルみたくコンパクトに纏めりゃいいのに……。

「亮の家ってでかいなー。アタシんちがウサギ小屋みたい」
「おい。俺の部屋、2階」
「あ、待ってよ!」

320:名無しさん@ピンキー
06/11/03 02:25:42 RtJFsedq

***********************



「まだ昼前だな。智香はどっか行きたいとことかないのか?」
「あのね、レインボーブリッジ見たい! ライトアップされたやつ」 
「レインボーブリッジ……そーいや前にメールで見たいって言ってたっけな」
「うん!」

ロマンスギフトを興味本位で送ったら、確かに智香からそういう返事を貰った気がする。
レインボーブリッジか……どーせ親も帰って来ねぇし、遅くなっても平気っちゃ平気なんだが。
終電に間に合えばいいワケだし。

「でもその前に行きたいとこあるんだよね」
「あん? 何処だよ」
「お台場! デートしたい!」
「……げぇっ」

よりにもよってあそこかよ! そりゃレインボーブリッジとは目と鼻の先だけどよ……。
週末はカップルばっかで居心地悪そうなんだよな……何が日本一のデートスポットだ。
じゃあ日本二は何処なんだよ。ネズミーランドか?

「嫌なの?」
「嫌じゃねぇけど……わざわざ混んでるとこに行く必要あるか?」
「亮と一緒なら混んでてもへーき」
「……」

笑顔でそう言うこと言われるとすげぇ困るんだが。

「亮、いいでしょ?」
「……仕方ねぇなぁ」
「あは。やった」

往復分の電車賃とか各施設の入場料とか考えると……頭痛ぇ。
親からは一応毎月金貰っちゃいるけど、ほとんど貯金に回してるからな……引き出しておいて良かったぜ。
この3日ですっかからかんにならねぇことを祈るか……。

「それじゃ目的地も決まったし、ちょっと休憩~」
「お、おい、それ……俺のベッド……」
「えへへ。亮の匂いがする」
「あのなぁ……ったく」

俺のベッドに智香が寝てる。見慣れた部屋に女が居るってだけで別世界みたいだ。
この部屋に女入れたのも初めてだが、ベッドに女寝かせたのも初めてだし……。
シーツと枕カバー、事前に洗濯しといて良かったぜ。

「あ、でも変なコト考えちゃダメだからな。
 いくらアタシのコト好きでも……えと……寝てる間に襲い掛かるとかってのはダメなんだぞ!」
「ケダモノか俺は」
「だってさ、実際のアタシは《The World》のアタシみたく、強くないしさ……オトコノコの亮には敵わないよ」
「襲わねーっての。朝早く起きてるから眠いんだろ? ちょい寝ろ」
「ん……おみやげの白い恋人、冷蔵庫に入れてあるから……すぅ」
「律儀だな、オイ」

こんなのが今日と明日、俺の家に泊まるのかよ……本当に大丈夫か?
何が大丈夫ってそりゃアレだ。理性とかイロイロ。


321:名無しさん@ピンキー
06/11/03 02:27:05 RtJFsedq

『襲えば? あの子の『襲わないで』は十中八九『襲って!』って意味だし』
「お前は俺の決意を砕く天才だな」
『くっくっく、今のは冗談。寝込みを襲うのはフェアじゃないしね』

カール……やっぱコイツの性格、分かんねぇ。
真面目な時はとことんクールだけどふざけてる時はとことんふざけてるし。
携帯の番号交換しようって言われた時は少し驚いたけどな。

『とりあえず、あの子が居る間は一緒に居てやってよ。きみに会いたがってたんだし』
「お台場でデートしたいんだと」
『マイナーな。あの子らしいと言えばらしいけど』
「妙な入れ知恵してねぇだろうな、カール」
『にょう? あたしには何のことだかさっぱり分かんなぁーい』
「(図星か……)」

最近のカールは策士だ。それもかなり狡猾な。
揺光の話じゃ昔のカールはもっと悪キャラをロールしてたらしいが
今のコイツを見る限りじゃそんな印象は薄く、寧ろ進んで道化を演じてるようにも思える。
どーやら、カールはカールなりに俺達の関係を楽しんでるっぽいし……。

『それじゃ。みやげ忘れないように言っといて』
「って、おい!」
『ツーツーツー……』
「切りやがった……」

面白い奴ではあるけど同時に変な奴だとも思う。
智香は初心者の頃にカールと知り合ったって言ってたな……今度、詳しく聞いてみるか。
個人的に俺もアイツに興味あるしな。……あの紅いスケィスのこととか。

「んぅ……ハセヲ……じゃないや、りょ~」
「智香、起きたのか」
「今……何時ぃ?」
「2時過ぎ。3時に家出ても十分間に合うぞ」
「そだね……ふぁ~~~ぁ」

周りがカップルばっかなのだけは覚悟しとけ。海にゴミが浮かんでてても幻滅すんなよ。
あといくらお前がラーメン好きだからってラーメン国技館には行かねぇぞ。
あそこのラーメンどれも値段高ぇし……もっと安くて美味いところ、いっぱいあら。

「ん~~~っ! 亮のベッド、寝心地いいね」
「気のせいだっつの」
「……ホントに襲わなかったんだ」
「襲ってほしかったのか?」
「そ、そんなワケないじゃん! 寝込みを襲うのは卑怯者のすること!
 あの張飛だって、寝込みを襲われなきゃ張達と范彊なんかには負けなかったね、うん」
「ジャーン ジャーン ジャーン」
「げぇっ、関羽!」

……起きたばっかの割にはノリいいな、コイツ。

「もぅ、つい反応しちゃったじゃん!」
「とっさに反応できるお前が素直にすげぇ」

三国志好きもここまで来るとアレだ……。


322:名無しさん@ピンキー
06/11/03 02:28:41 RtJFsedq

「広いねー!」
「北海道はもっと広いだろ」
「分かってないなぁ、そういう意味じゃなくてさ」

新宿から直通で東京テレレポート駅まで。
そうすりゃお台場にはすぐ着く。……着く前から嫌な予感はしてた。
電車の中はカップルばっか……お台場についてもカップルばっか……頭痛ぇ。

「亮はお台場にはよく来るの?」
「彼女もいねーのに来てどうすんだ」
「いるじゃん、アタシが」
「……まぁ、そりゃそうかもしれねぇけど」

レインボーブリッジ見せるだけだってのに、ここまで気疲れするとは思わなかったぜ。
智香は楽しそうにしてるっちゃしてるが、俺はこれ以上テンション上げるの無理。
とりあえずライトアップまで待つか……とりあえず海浜公園とかブラついて……
って、あそこ昼夜関係なくカップルばっかで尚更気まずいじゃねぇか。

「はい」
「? 何だ、手がどうかしたのか」
「繋ぐの」
「……誰と誰が?」
「アタシと亮が」

おいおいおいおいおい。

「……どうしてもか?」
「どーしても! 不自然じゃん、みんな繋いでるのに」

みんな繋いでるからって、俺達まで繋ぐ必要はないんだぞ。

「アタシ、ちゃんと亮にOKしたつもりなのにさ。
 亮、何か素っ気無いんだもん。アタシの特別になりたいんじゃなかったの?
 かんちがいしちゃえ、って言われたから……アタシ、東京まで来たんだよ……?」
「(……なんちゅう内容のメール送ってんだ、俺は)」

コイツは一途でしつこいらしい。更に、裏切ると怖いとも言っていた。
なら俺がここで取るべき行動は? 決まってる。責任くらいは取ってやるさ。刺されちゃ堪らん。
さもなきゃ事情を知ったカールに半殺しにされかねない。あの女もあの女で怖ぇーし。

「……お前も俺のどこがいーんだが」
「あ……」
「ほら。ちゃんと歩かねぇと転ぶぞ」
「……うん!」

女の手なんてもう何年も触ってねぇ。
智香の手は俺の手より一回りくらい小さくて少し体温は低め。
それでも俺が指と指の間に手を絡めてやると、何かこう……恥ずかしそうに笑うんだ。
熱かった。暑い、じゃなくて熱い。夏の日差しのせいじゃねーな……。


323:名無しさん@ピンキー
06/11/03 02:30:05 RtJFsedq

「亮の手っておっきい」
「そうか?」
「てか、アタシの手がちっちゃいのかな」
「さーな。誰かと手ェ繋ぐなんて……久しぶりだから分かんね」

これで俺も周りのカップルの仲間入りか……絶対ガラじゃねぇ。
しかも悔しいことに俺と智香が手ェ繋いでも全然違和感ない。
何か他の連中も俺らのこと見てるし……いや、気のせいだ。
こー言うのを自意識過剰ってんだ。

「どしたの?」
「いや……何でもねーよ」
「夕方の景色もいいよね。あーでももっと早めに来てれば他にも遊べたかも」
「寝てたもんな、お前」
「……だって、ドキドキして眠れなかったんだもん」

修学旅行前夜の学生かよ。
飛行機の中で寝るって手もあったんじゃないか?
人によっちゃキーンって耳鳴りのせいで眠れねぇって奴もいるらしいけど。

「そーいや」
「ん。何?」
「その服、何つーか……可愛いな。や、お前も……可愛いけど」
「な……」

すげぇ。今自分でも知らないうちに口走ってたぞ。
可愛い? 誰が? そりゃ智香だろ。俺の周りにゃ明らかにいないタイプ。
服も服で故意か他意かは知らねぇけど、アレだ、何かやけに胸元開いてる服だな、オイ。
揺光の時のコスよりやや控えめな感じもするけど胸もカールの言った通り……おっと、それどころじゃねぇよ。

「すまん、今のは忘れろ。いや、忘れてください」
「……亮ってさ」
「な、何?」
「アタシのコト、ドキドキさせるの……上手いよね」

お前の笑顔は俺の心臓に悪い。
ゲームとリアルじゃやっぱ全然違うんだよな……いつもの調子が出ねぇ。
智香は揺光の時と違って、何かこう……女の子っぽい、みたいな?
いや、何か俺の言ってること変だな。初めからコイツは女の子だろ。
でも……実際に揺光が―――智香が隣りに居るってだけで、心のどっかで嬉しがってんだ……俺。

「そ、それよりさ、レインボーブリッジってこんなに長いんだ!
 アレだね、コレ見てるとさ、事件は会議室じゃなくて現場で起きてるって感じするよね!」
「今にもレインボーブリッジ封鎖しそうな勢いだな」

智香……レインボーブリッジを封鎖するのは1じゃねぇ、2だ。
コイツも相当混乱してるな……でも2より1の方が断然面白いと思うの俺だけか?

「あー早く夜にならないかなー」
「その間に飯でも食っとくか?」
「それは大丈夫。ちゃんと亮の家にもう用意してあるから」
「……カップ麺か?」
「すごい。何で分かったの?」

いや……すごいって……お前……。


324:名無しさん@ピンキー
06/11/03 02:31:52 RtJFsedq

****************************




レインボーブリッジには444個のイルミネーションがあるんだと。
季節や曜日でライトアップの色も変化するんだそうだ……来る前にちょっと検索しただけだから
詳しくは知らねぇけど。

「ほら、亮も見なって! すっごいキレー!」
「(ま……本人は満足してるっぽいからいいか)」

つーワケで、夕日が沈みかけたあたりでライトアップが始まった。
夏だから日が沈むのは大体夕方6時以降……このペースならあともうちょいで全部沈むか。
でもあんま海浜公園に長居はしたくねぇんだよな……蚊に刺されたくねぇし、
何より他のカップルどもがイチャつき始めると目も当てられねぇ。
俺はそーいうのに免疫が全然ねーんだ、見てられっか。

「ね、写メ撮ろうよ」
「暗くなってからの方がよくね?」
「そっか。その方がキレイだもんね」

女と写メ撮ったことなんかねぇー。てかどんな顔すりゃいいかも分からん。
クーンにでもアドバイスもらっときゃ……いや、やっぱパス。アイツのは参考にもならねぇ。

《薔薇の首輪つなげて 銀の鎖くわえて 今宵もひとり果てる あなたが憎らしいー》

な、何だ?

「あ、アタシの携帯」
「(ローゼン一期……アリプロ……着うた……)」
「ちょっとごめんね。……はい。もしもーし……って、潤香か」

潤香……カールか。
にゃろう、タイミング見計らったみたいに電話かけてきたな、オイ。
ホントはどっかで俺らのコト見てるんじゃないか? あの女ならやりかねねぇぞ。

「うん……うん……わ、分かってるよ……」
「(ナニ話してんだか)」
「し、しないよっ、そんなコト! も、もう切るからな!」

途中までは普通に(と言うよりゃ恐る恐るって感じだが)話してた智香が慌てた様子で携帯を切る。
「ほんとにもー」とか「アタシがそんなコトするワケないじゃん」とか愚痴こぼしながら。

「カール、何か用だったのか」
「しょーもない用事。亮が気にするコトじゃないって」

じゃあ何で電話かけながらお前の顔が見るからに赤くなって行ったのか小一時間。

「ほら、もう真っ暗だよ。レインボーブリッジ見ながら歩こ!」
「ん」

やれやれだ、もうちょいで帰れそうだな。……無事に帰れりゃいいんだが。


325:名無しさん@ピンキー
06/11/03 02:33:07 RtJFsedq
事件は会議室で起きてるんじゃない? 現場で起きてるんだ? 何のことです?
おやすみおまいら


326:名無しさん@ピンキー
06/11/03 02:38:17 ZDE5Esp4
GJ

>「ジャーン ジャーン ジャーン」
>「げぇっ、関羽!」
ここで吹いたwww

327:名無しさん@ピンキー
06/11/03 02:39:15 kddgz5+I
>>325
GJ!!おやすみ!!
寝る前に最高の作品をありがとう(*´д`*)

328:名無しさん@ピンキー
06/11/03 02:47:19 dZxlh/CY
ききききき来たぁぁぁぁっぁぁぁ!

329:名無しさん@ピンキー
06/11/03 02:57:57 QKC25Xqm
GJ!!

俺も1の方が面白いと思う|д゚)ノ
んじゃ、週末お台場行ってきます。タイムリーで吹きそうになった。

330:名無しさん@ピンキー
06/11/03 03:07:04 0GLBVY3C
乙!!!藻前の書く亮が大好きだぜ

331:名無しさん@ピンキー
06/11/03 03:16:47 Tg0ldS2W
このスレに文豪がいた…

332:名無しさん@ピンキー
06/11/03 03:25:06 J3aHp9ms
>>325
相変わらず最高だ、GJ!

>>326
お前は俺かw

333:名無しさん@ピンキー
06/11/03 04:12:55 Kv2ng0+R
なんかキタ━(゚∀゚≡゚∀゚)━!!
(・∀・)イイ!(・∀・)イイ!(・∀・)イイ!
神キテタ━(゚∀゚)━!!!

334:名無しさん@ピンキー
06/11/03 07:57:38 DB06rstV
もはや文聖

335:名無しさん@ピンキー
06/11/03 10:57:26 mEYVws7b
早く続き読みてぇ・・・

336:名無しさん@ピンキー
06/11/03 11:48:30 lIRD7J8U
いや~、ごめん昨日299の続き書けなくて。まだ思いつかないからもうちょい待ってね。

337:名無しさん@ピンキー
06/11/03 14:59:12 TCu/lnvq
神だ!!

338:名無しさん@ピンキー
06/11/03 15:41:47 YpZGcpbd
七星のリアルの名前をどうするべきか…
揺光視点だから呼ばせ方に困るな

339:名無しさん@ピンキー
06/11/03 16:23:49 cviKFeVB
>>325
続きも楽しみにしてるぜ!GJ!

340:名無しさん@ピンキー
06/11/03 17:03:40 cHjeMow+
>>325
GJ
ホント続き楽しみにしてる

341:名無しさん@ピンキー
06/11/03 17:29:28 QKoqYcmJ
>>325
GJ!続き楽しみにしてる

しかし、このスレ神ばっかで目が離せないから困るw


342:名無しさん@ピンキー
06/11/03 18:37:25 2qCbxVwg
ジャーン ジャーン ジャーン

343:名無しさん@ピンキー
06/11/03 18:40:25 kGRo9vkf
げぇっ関羽!

344:がらす玉
06/11/03 19:21:26 YFnKRJGi
ちょっち問題発生。

実は朔のリアルがわからずにハセヲ×朔の小説を書いてたりする。
誰かおせーて。
つかウィキペディアでもおk。

345:名無しさん@ピンキー
06/11/03 19:31:15 YpZGcpbd
11歳の小学生
本名不明
母子家庭

346:がらす玉
06/11/03 19:35:41 YFnKRJGi
うはぁ、リアルで合わせるの難しい…
パロだから多少公式と設定違うのもありだよな?

347:名無しさん@ピンキー
06/11/03 19:47:05 aM1chxr5
このスレって案外人いるよな

348:名無しさん@ピンキー
06/11/03 20:59:33 2dzkwc5u
一時、恐ろしく過疎ってたけどな

349:名無しさん@ピンキー
06/11/03 21:16:05 79iDSNfC
これも職人様たちのおかげさ

350:がらす玉
06/11/03 21:16:30 YFnKRJGi
310-312の続き


しかも今回は二人だけだ。
エンデュランスとともに前衛が二人いたならば朔のダメージはもっと減っていただろう。
ふと見ると、やけに朔がふらついていることに気付いた。
「おい、大丈夫か朔?」
「何がや?」
「お前…調子悪いんじゃねぇのか?」
声をかけられハセヲを睨んでいた目が、一瞬泳ぐ。
(やっぱり、か…)
腕を組み、小さな溜息を漏らすハセヲ。
「カンケーないやん、ウチの調子がよかろうと悪かろうと…」
朔は悪態を吐くが、どうも覇気に欠ける。

351:がらす玉
06/11/03 21:26:15 YFnKRJGi
安価ミスった(^_^;)

>>310-312

因みに今日は一つだけ。
始まったばっかだけど…感想、もらえると嬉しい。

352:名無しさん@ピンキー
06/11/03 21:31:36 dkpfIwqk
つかみはOKだと思うぞ!朔がちゃんと朔らしいしな
他の職人さんもそうしてるしリアルを多少捏造するのはアリかと

353:名無しさん@ピンキー
06/11/03 21:42:58 79iDSNfC
うん、ほんとの朔っぽくていい
とりあえずGJ!続き楽しみにしてるYO

354:がらす玉
06/11/03 21:49:52 YFnKRJGi
感想ありがとう

やっぱり感想もらえるとやる気出るね
明日また続きを投下するよ

というわけで今日は早めにおやすみ

355:名無しさん@ピンキー
06/11/03 22:51:54 1hl3VMA0
8と9のログ上げといた
URLリンク(a-draw.com)

356:揺光モノ「光の中に咲き誇る花」 ハセヲ?編6
06/11/04 01:01:13 3g2dXoND
>>126の続き
「なっ………!!」
目を、疑った。
揺光のメールに書かれていたエリアに来た瞬間、俺の視界の先に――
夥しい程のAIDAに包まれた「俺」の姿と、その「俺」に今にもイチモツをぶち込まれそうになっている、視線のおぼつかない、狼狽しきった風の揺光の姿があったからだ。
「さぁて、揺光。 お前の欲しがってるコレを………お前の中にブチ込んでやるぜ!」
考えるまもなく、俺の隣で口を抑えてハラハラしているアトリに目もくれず、俺は走り出した。
許さねぇ。 もう二度と、俺の目の前で誰も失いたくはねぇんだ………!!
「!? ハ、ハセ――!?」
「遅ぇよ」
AIDAを使役していた俺の偽者が、走り寄る俺に視線を移した瞬間。
俺は手にした双剣で、すばやく奴の首を掻き切った。
………ドッペルでも何でもねえ、本当に自分と同じ姿をした奴の首を刎ねるってのは、変な気分がするもんだぜ。
「○△Μ$■●οー――!!」
言葉にならない叫び声をあげながら、崩れ落ちる偽者。
AIDAに包まれながら、そしてまるで蜃気楼に包まれるように、ソレは消えていった。
そんなモノに目もくれず、俺は倒れている揺光を抱き起こす。
………ひでぇ。 揺光の視線は焦点が合っておらず虚ろで、顔は大量の白濁液で汚されている。 おまけに耳にはネコミミがついてるなんて始末だ。
「揺光、揺光っ!! しっかりしろ、揺光!!」
必死に、名を呼び続ける。
「揺光、揺光!!」
何度も、何度も。
「いやだ……もう失いたくないんだ……二度と……もう二度と、仲間を……」
返事は、無い。
アトリはいつの間にか俺の背後に近寄ってきていたが、かける言葉も見つからないのが困惑している。
「……くー……」
「……え?」
間の抜けた声がエリア内に響いた。
揺光の、寝息。
どうやら無事だったようだ。
AIDAに襲われていたとは言え、この調子ならおそらくリアルでも無事であると考えていいだろう。
そして次の瞬間には、揺光の体が淡い青で包まれ、その光が消えた頃には、彼女の服はすっかりと元通りになっていた。
無論、白濁液やネコミミもきちんと消滅している。
(大方八咫あたりのシステム管理者が治してくれたんだろうな……この後、揺光の事をレイヴンに報告しに行かねぇと)
安堵の念が心に広がる。 アトリもほっとしているようだ。
とにかく、良かった。 もう二度と、仲間を失いたくは無かったから。
俺の腕の中で、揺光はまだ静かに寝息を立てていた。

357:名無しさん@ピンキー
06/11/04 01:03:30 LSsFgmsC
>>355
お前…、イイ奴だよな…。

358:揺光モノ「光の中に咲き誇る花」 ハセヲ?編7
06/11/04 01:27:55 3g2dXoND
通常のプレイヤーでは入れない、幾重にも張り巡らされたセキュリティを持つ場所。
"知識の蛇"。
The Worldの『すべて』を見通せる機能を持ったこの異様な空間の中に、二人の男が、居た。
「くぅ~、ハセヲのヤツ、いい所で着やがって! もう少しで揺光ちゃんに射れられたのにィ!」
その内の一人――青い長髪を束ね、黄色い民族衣装のような服を着こなした男・クーンは、心底悔しそうに立ち上がる。
「ご苦労だった、クーン。 良いデータが取れた」
そしてそれに答えたのは、褐色の肌をし、丸いサングラスを掛けたミステリアスな男・八咫。
彼は、今まで知識の蛇に映し出されていた揺光の映像を消しながら、静かに笑った。
それにつられ、クーンも静かに笑う。
「しっかし、これでG.U.としてのバイト料貰えるんだから、世の中捨てたもんじゃないよなぁ。
 お金も貰えて、女の子も犯せて、こんな一石二鳥な仕事他には無いぜ。
 しっかし八咫、あんたもえげつない性格だよな………
 俺たちがデータドレインしたAIDAのゲノムデータからAIDA本体を抽出して、それがプレイヤーに与える影響を"観察"する為に俺の『増殖』を利用して女性プレイヤーを襲わせるなんて、な」
「私は様々なデータが取れる、君は気持ちの良い思いが出来る。
 これはお互いの利害が一致した正当な職務契約だと考えるが?」
異様な雰囲気の漂う空間に、二人。
彼らは彼らで、裏で色々とやっていたのだった。
「だが、私の目的はAIDAに関するデータを集めるだけではない………」
「?」
不意に、八咫の声質が変わる。 笑いを無理矢理押し殺している様な、妙な声に。 クーンはそれに僅かに首を傾げる。
そして突如、八咫がダンスマカブルのスキルを使用し、自らの武器である扇子を振り回しながら踊り始めたのだった。
「YATTA! YATTA! ねんがんの『揺光が無理矢理犯されているSS(スクリーンショット)』をてにいれたぞ!
 YATTA! YATTA!」
心底嬉しそうに踊っている八咫。
その姿は、普段クーンが接しているときの彼からは想像出来ない。
やがて、クーンから妙な視線で見られていることに気がついた八咫は踵を返し、普段の真面目な表情に戻る。
「……コホン、これは冗談として、だ。
 実はCC社上層部にも元紅魔宮アリーナチャンピオンである彼女の熱烈なファンが多くてね。
 AIDAの実験がてら、揺光プロマイドを取ってこいと依頼されていたのだよ。
 無論、私も彼女の痴態には随分と興味があったのだが………クク」
「八咫……キャラ変わってないか……?
 そんな事より………八咫! 俺にも揺光ちゃんの痴態を収めたSSくれェェ!!
 『The World』で犯した女の子は数知れず!
 その全ての痴態をSSに収め、保存してきた数約90人!
 だが今回ばかりは、ハセヲの邪魔が入ってSSを撮影出来なかったんだ!
 精液で汚された揺光ちゃんの画像キボン!!」
もはや原型を留めて居ない二人の性格。
実はハセヲ達の前で見せている性格の方がロールで、二人ともこちらが素の顔なのであった。
男特有の厭らしい笑い声を上げる二人。
ソレを、
「はぁ………まったく」
眼鏡の縁を上げながら、溜息を付きながら、そして壁に寄りかがりながら、顔を赤らめて呟く女性PCが、一人。

世界の、『The World』の一日は、こうして、更けていった。

次回から東京編! だが亮×智香は先客が居るし、何か工夫が必要だな………
一応リクエストを(ぇ

359:名無しさん@ピンキー
06/11/04 01:33:09 irNLMX04
>>358
GJ
YATTA自重しろwwwwwwwwwwwwww

360:名無しさん@ピンキー
06/11/04 01:41:01 d7VLnaqz
>>358先客ってそんなに居たかな。俺はハセヲ×朔望だけど、智香はいるよ?

361:名無しさん@ピンキー
06/11/04 01:54:11 t86WroUm
>>360
オリキャラでも何でも構わないけどメモ張に書き溜めてから投下した方がいいんでないのかね、あーたの場合。

362:名無しさん@ピンキー
06/11/04 02:06:31 fVnM1qYN
あーたの亮×智香も読みたい!

亮×智香を頼む!

363:名無しさん@ピンキー
06/11/04 02:08:31 svCgYR9s
>>358
GJ!!!
YATTAマジで吹いたwwwwwwwwwww

東京編は亮×智香でもいいんじゃない? かぶってても全然OKだと思うよ


364:名無しさん@ピンキー
06/11/04 03:40:37 jN24l2m8
>>325
…GJ GJ! GJ!! グッジョォォォブ!!!

365:名無しさん@ピンキー
06/11/04 04:17:18 EP9uC37G
>>358
亮×智香でおk

366:がらす玉
06/11/04 06:48:38 jQb9OuPJ
「二人揃って風邪引きさんかよw」
などと鼻で笑いながら言ったが、
「チッ…さっさとゲームやめて寝ろよ」
一応病人の為、気にかけてしまう。アトリパワー恐るべし、である。
が、
「いやや。ハセヲの言うことなんかきかん…」
朔はそれをはねのける。
「ふざけてねぇでさっさと寝ろ! お前の大好きなエン様と会えなくなってもいいのかよ!」
多少語気を荒げる様に言うハセヲ。しかし朔はふるふると頭を左右に振るだけである。
「いやや、エン様に渡したいもんがあんねん…手に入れるまで帰らへん!」
振りながら言う。

367:がらす玉
06/11/04 06:51:26 jQb9OuPJ
(エン様好きもここまで来ると尊敬に値するな…)
自分のことよりまずエンデュランスのこと。
たかがゲームで。
そう、たかがゲームで、である。
(…俺も人のことは言えねぇか…)
脳裏に志乃の面影が過ぎったが、頭を振ってそれを払う。
「……で、何探してんだ?」
「…え?」
「ここには無かったんだろ?」
頷く朔。
ハセヲは朔の手を掴むと、プラットフォームまで急いだ。
「はやいとこ見つけて休め。俺も手伝ってやる」
本調子でない朔が、多少素直になった朔が可愛かったから一緒に居たい訳じゃない、と自分に言い聞かせるハセヲ。

368:がらす玉
06/11/04 07:58:53 jQb9OuPJ
いったん終わり

とりあえず夜か明日には投下するよ

続きが読みたければ

369:名無しさん@ピンキー
06/11/04 08:02:00 9tmVa40l
読みたい
是非読みたい
風邪ひいてるから全裸では待てないけど半裸で待ってる

370:名無しさん@ピンキー
06/11/04 15:24:41 bJSFWmv8
こんな奴じゃねえ

371:名無しさん@ピンキー
06/11/04 18:26:27 uC6XwnL2
>>356
その状況で眠るとか凄くね?

372:がらす玉
06/11/04 19:53:49 jQb9OuPJ
約束通り投下


朔は手を振りほどくでもなくついて来ている。
その普段とのギャップが妙に可愛くて、アイテムを見つけるまでずっと、手を繋ぎ続けていた。


「やっと見つかった…」
タウンに戻ったハセヲは小さく溜息を吐きながら呟いた。
「…………」
マク・アヌの橋に寄り掛かるハセヲの隣にじっと自分の手を見つめる朔が座っている。
「…アイテムも見つかったんだ、さっさとログアウトして休め」
いつまでも動かない朔に、さらに調子が悪くなったのかと心配してログアウトをすすめた。
しかし動こうとしない。

373:がらす玉
06/11/04 20:34:03 jQb9OuPJ
どうしたものかとハセヲが思案していると、
「…初めてや…望以外の男に手ぇ握られたん…」
ぽつりと朔がもらした。
「悪かったな…どうせ初めてはエンデュランスが、とか思ってたんだろ?」
ハセヲはどこかばつが悪くなり、腰に手を当て明後日の方向に目線をそらす。
「ちゃうわ阿呆…」
ぐっと両膝を抱え込み、呟く朔。
「…そんなんとちゃう…せやけど…初めてでようわからん…」
ハセヲが視線を降ろして見ると、少し頬を朱に染めている朔と目があった。
途端、ばっと反対方向に顔を反らす二人。非常に気まずい状況である。

374:がらす玉
06/11/04 20:47:45 jQb9OuPJ
とりあえず最初の方も読めるようにアンカーうっとくよ。

>>310-312

>>350

>>366-367

今の所これで全部
読んでくれてる人のために頑張ってリアルまで行くよ

今日はかなり早めに、


おやすみ

375:名無しさん@ピンキー
06/11/04 20:58:09 0f+l973d
>>374
期待してるぜ!おやすみ!

376:名無しさん@ピンキー
06/11/04 22:05:47 IhnlYAx8
唐突にハセヲ×揺光投下。
まあ揺光こんな事しないと思うがあの場所でこういうのしてほしいなってのと
まあどうせパラレルでしょって事で一つ。

377:まずプロローグ?
06/11/04 22:06:18 IhnlYAx8
「(……ん? なんだこれ?)」
 彼は久しぶりに覗く揺光のステータス画面を見て唖然とした。
 彼女との関係を示す好感度ゲージの様子が明らかにおかしい。
「(こんな設定あったっか……?)」
 vol.2ではピンク色の丸一つまでしか上がらないはずのゲージに、今では真っ白な球が浮かび始めている。
 自分が知る限りそんな内容があるとは聞いていなかった。

 確かに揺光はすぐ抜け出しちまうから、今の今まで二人でいけるクエストは極力あいつと二人で行って
 ロマンスギフトもフラワーギフトも全部あいつに送って全部メールコンボ成功させて……。
 ……まあその、なんだ。俺の気持ちも伝えたはずだけどよ。
 リアルで頭を振りつつ、もう一度揺光から来たメールを読み返してみる。

『件名:ハセヲへ
 本文:お、おまえと少し話がしたい……! 
    できれば、二人で!
    絶対、絶対来いよな!
    
    場所は、『 隠されし 禁断の 黄泉国 』
    あの変な三角模様からしか行けない、アタシとお前、 二人しか知らない場所だ!』

 ……。
 あの「月の樹」のおっさんに呼ばれていった、三爪痕から行けたエリアか。
 やっぱり二人だけで行ってた。
 レベル上げとは思えないし、そもそもあのエリアにモンスターが出た覚えも無い。
「(確かにあそこなら、他のプレイヤーが来る可能性はかなり低いけど……)」

「……まあ仕方ない、行ってみるか」
 乗せられておこうと判断し、ハセヲはカードの対戦を忘れずに登録してから『The World』にログインした。



378:名無しさん@ピンキー
06/11/04 22:08:53 IhnlYAx8
 揺光に言われるがまま、ハセヲはログイン早々、『 隠されし 禁断の 黄泉国 』へとエリア転送した。
 自分では平然としていたつもりだろうが、一瞬だけ街に写った彼を見た人々からは、相当焦っているように見えただろう。
 視界が一瞬真っ白に輝き、数秒の間を置いてから、月明かりに照らされた古城の様子が浮かび上がっていく。
 ハセヲが一呼吸置いてから首を回してみると案の定、彼女はハセヲがログインしたすぐ近くで待ち構えていた。

「は、ハセヲ!」
「おお。……待ったか?」
「まってなんかいないよ! ハセヲ、メールを送ってからすぐに来てくれたからね」
「まあな。んなことより、なんだよ。話って」

 ハセヲが”表面では”面倒そうに話を切り出すと、揺光は何かを思い出したかのように顔を真っ赤に染め上げて声を荒げる。
 早く話というものを聞きたかった。

「ば、馬鹿! そういう話は、もっと前置きをもってだなぁ」
「そういう話って、お前が話をしたいって呼び出したんじゃねぇか」
「そ、そうだけど……! ……ぅ~……」

 そこまで言って、首を下に下げてしまってからクルリと体を回転させて、ゆっくりと崩れかけた足場へ向かって歩き出した。
 仕方なくハセヲも、彼女のペースに合わせながらその後ろを歩いていく。
 ぎこちない時間。
 やがてエリアの端―もしこれが現実世界なら、今にでも飛び降りてしまいそうなところ―に辿り着いて、再び口を開いた。

「なぁ、アンタの……」
「あ?」
「もう一度聞く事になるけど、あのフラワーギフト……信じて、いいんだよ、な?」

 ドキリ。
 ハセヲは触れられてはいけないところを触られたかのようにたじろぎ、顔を林檎の色に染め上げる。
 彼自身、どちらかといえば感情を表に出さない彼女なら、『The World』で会っている最中ならこの話をしてくる事は無いと思っていた。
 だというのに、こいつはこんなところで……。

「……」
「こ、答えてくれよ! あれからアタシ、ずっと悩んでるんだぞ……」
「……俺は、勘違いしてろって、言ったろ?」
「ほ、本当、か? 信じても、思い込んでも良いんだな!?」
「……」

 振り向いた揺光に対し、チラリとだけ見て顔を背けながらも顔を縦に振ってみせた。
 揺光の顔が月光の下でパァッと光り輝くように笑顔を作る。その瞳には、うっすら涙さえ見せるほど。
 しかし、走り出そうとする自分を抑えるように揺光はゆっくりと、顔を背けたままのハセオの元へ近づいていった。


379:名無しさん@ピンキー
06/11/04 22:09:35 IhnlYAx8
「ハ……セヲ」
「なんだよ……、って、お、おいお前! ちょっとま、て……!」
 
 彼女は止まることなく彼へと近づいていく。
 平行線だったお互いの視線が、二人が近づいていくに連れてその身長差に合わせて上下へと傾いていく。
 ハセヲは一歩だけ後ろに引いたものの、彼女の姿に圧倒されてか、それ以上動く事は無かった。
 二人の横へ延びるシルエットが徐々に重なり、やがてリアルでならぐぅっと揺光の胸がハセオの腹に抑え付けられるぐらいにまでなった頃。
 仕様なのかどうなのか、『接触』と判断したらしいPCは、ハセヲを下に引く形で転げ落ちるモーションへと移った。
 転んだ時に出る小さなエフェクトと同時に、ハセヲの上に揺光が重なる。

「い、いい加減にしろ揺! ……光?」

 反論の一つでも言いたかったハセヲであったが、目の前に広がった彼女の表情に唖然とした。
 ぼぉっと火照る様に髪色と同じように染まった顔の中で、うっとりとした瞳が自分を見入っている。
 予期していなかった、けれどどこかで期待していたような表情。
 そして、小さな口元から少しだけ粗く息が出ているのを知る。

「揺光……?」
「アタシ、限界なの……こ、こんなのアタシは絶対にしないって決めてたんだけど、でも、でもハセヲの事思ってると、もう……」
「何のことだよ!?」
「だ、だからあれだ……そ、そのテレフォン……セ……とか、と、似たような……」

 そこまで話すと、ようやくハセヲにも彼女が何をしたいのかが理解できた。
 仮にも高2だ。既にそれ相応の知識はある。
 テレフォン、セックス?。の事だよな。電話越しでお互いに自慰するやつ。
 実際にネトゲで似たような事をするやつがいるって聞いたことはあったけど・・・・・・よ。まさか、お前から言ってくるなんて。

「だって、お前は東京なんだろ? 会いたくてもそんなお金私に無いし、でも、アンタと……、ハセオともっと一緒にいたくて切なくて……」
「……あ、ああ」
「部屋の鍵かけたし今日はお母さん遅いからここで待っている時からも、ずっと、ずっと……ずっと……・…」

 そういって揺光は彼に顔を見れないようハセヲの胸に顔を沈める(振りをする)。
 すると突然彼女の声代わりに、「クチュ、ピチュッ」と淫乱な音色が鳴り響いた。
 どうやら、今の今まで彼女は片手にコントローラーを持ち、もう片方で自分のアレをいじっていた……らしい。
 きっと今だけ、頭にかけてるFMDを取り外し、マイク部分を自分のそれに近づけたようだ…・・・が。

「お、おぃわかった、わかった揺光!!」

 急なタイミングは彼に刺激がありすぎた。ハセヲは裏声になりつつもなんとかその音を止めさせようと泣き叫ぶ。
 倒れた状態で上に誰かが乗ってしまうと、上のPCが動かない限り身動きが取れない。
 FMDをつけてる限りは、彼女の音が耳に鳴り響いてしまう。聴きたくない……わけではないが、恥じらいを止められない。

「……ハセヲ。ハセヲ、ぉ」

 音が彼女の声に戻ると、揺光のPCは瞳を閉じて、恥じらいも無さそうに無理やりにその顔をハセヲのPCへと埋める。
 本当なら、ここでキス……をしているはず、なんだろうけれど。
 彼女の顔で今度こそハセヲの目の前が一杯に染まるが、FMD越しにはリアルのハセヲ―亮にはなんの感覚も伝わるはずが無い。

「ん……んん……ぁ」

 だというのに、揺光はいかにもキスをしていると言う風に”ロール”を続けていて、その光景と空白の音色が、痛々しく古城へと響く。
  


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