とある魔術の禁書目録 2フラグ目at EROPARO
とある魔術の禁書目録 2フラグ目 - 暇つぶし2ch901:クロキス~鉄矢でしか伝わらない思い~
07/01/07 14:57:45 rY2khwcE
「黒子もいつまでも止まってないで、早くどきなさい!この馬鹿黒コゲにするから!」
「ひぃ!それは実質的な死刑宣告!?上条さんはまさにデッドオアダイな状況んっ!?」
 彼の顔がこちらを向いた。
 同時に、なんだかよくわからないけど身体が勝手に動いた気がする。
「!?」
……あれ?わたくし、何をやってるんですの?
 状況証明。
 唇には再び生暖かい感触が。
 目の前には先程と同じくらい大きく見える当麻の顔がある。
 つまり―、
「……?」
 首を傾げるがその先が出て来ない。
 はて、何をやったのやら、と美琴を見て見れば顔を真っ赤に染めて眉を立てて震えていた。
「あ、えあ、ななななななっ?!」
 なんであんなに舌が足りてないのだろうか。
……だけど、そんなお姉さまも可愛らしくてグッと来るものが―で、なんで殿方の顔がこんな近くにあるんですの?
 簡単な事だ。またキスして―、
「――ッ!?」
 その事実に気づくや否や顔を離して立ち上がる黒子。
 現実が身に染みてくるようにやって来てはそれを否定しようと頭の中で何かが弾ける。
 ついには自分でも何をしたのかわからなくなり、呆然としている当麻を見てから美琴を見て、出口へと走り始めた。
 自分の口を両手で塞ぎつつ顔を真っ赤にして靴も穿かずに部屋を飛び出す。
 そのまま寮の出口へと走り、自動ドアが開くのも待たずに空間移動で寮の外に出てまた走り出す。
 正直、自分でもどこに行くのかわからないまま、白井黒子は夜の闇へと消えて行った。

  ○◇○

 上条当麻は床に倒れ伏したまま、停止していた。
 記憶喪失になって以来、自分はキスなんてした覚えがない。
 つまり、もしかして、これは正真正銘のファーストキスになるのだろうか、と思考は取り敢えず現実逃避していた。
 それもそうだ、この目の前でビリビリと凄まじい電力を発揮している御方と目を合わせたい等という変わり者は
 居るだろうか。いや、居まい。
「というわけで、上条さんは命乞いをしてみようと思うのですが、駄目でしょうか?」
 俯いていたビリビリ娘こと御坂美琴は顔を上げる。
 そこにある表情は意外にも笑顔だった。
 何か一線を越えてしまったような笑顔だったが。
「だめよ」
 語尾に音符マークが付きそうな程清々しく優しくそして楽しそうな声。
 まるでそれは当麻を迎えに来た天使のラッパの音色の様でもあり、同時に鎮魂歌の様にも聞こえた。
 上条当麻がそれに対して笑顔で頷く。

 瞬間、世界は白い閃光に包まれた。

 ○◇○

 確かに上条当麻という人物は恋敵という事以外では悪い人ではない、と白井黒子は思う。
 しかし、それとこれとは話が別だ。
 どうして自分はあんな行動に出たのか、ブランコに揺られつつ考えるものの全く検討もつかない。
 初めてのキスでなにやら変な方向に目覚めてしまったのかとも思うが、それは即座に否定。
 そんな性癖が自分にあったのだとしたら由々しき事態だ。
 いや、それはそれで御坂美琴にそれを理由にしてキスを迫ることも出来なくもないような気もする。
「はぁ……出来るわけないですのに……」
 思考がようやく冷却されてきた。
 詰まるところ熱に浮かされてついつい非常識な行動を取ってしまっただけなのだ。そうなのだ。
 よし、と黒子は立ち上がる。
 まずは美琴への弁解と、当麻への対応だ。
 ついついその場の勢いでやっちゃいましたの、テヘ☆とでも言えば平気だろう。
 うんうん、と頷いたところで誰かが公園の入り口から走ってくるのが見えた。
 おや、と首を傾げてみればそれは目的の人物の一人である上条当麻だった。
 これは好都合とばかりに手を振ってみれば彼の後ろから―修羅が追ってきていた。

902:クロキス~鉄矢でしか伝わらない思い~
07/01/07 15:00:24 rY2khwcE
「はい?」
 思わず声を出すが、次の瞬間には疾風と化した当麻に体ごと掻っ攫われていた。
「って、なんでお姫様抱っこですの!?」
「そこにツッコミますか!?というか危険だから!とっても危険だから!今は逃げなきゃ死んじゃうー!」
 なんでこんな必死なんだろう、と思ったその時だ。
 馬鹿みたいにドデカイ閃光が黒子達の横を抜けていった。
「二番煎じですけど、なんですのー!?」
 当麻の肩越しに見て見ればその修羅は黒子も良く知っている人物であった。
 それは黒子の尊敬する人物であった。
 それは体中に閃光を纏わせつつ凄まじい速度で走る御坂美琴であった。
 天使の翼の様に広げた雷の光を纏った美琴を見つつ黒子は思わず息を呑む。
 あれ程の雷撃は今まで長い間一緒に居た黒子とて見た事がない。
 今ならレベル5を超えて6にいってるんじゃないだろうか、と思える程の気迫と圧倒的なプレッシャー。
 恐らく触れようとすればその高熱と電流で即死。
 そうでなくても放たれる雷撃を喰らえば一撃で死亡。
 まさに無敵。
「って、そうではなく。なぜゆえお姉さまが超本気というか限界ぶち抜いてあんな状態になってますの!?」
 今の美琴に勝ちたいなら核ミサイルの一つや二つ持って来いといった感じだ。
 恐らく近づく前に雷撃の羽で叩き落とされるだろうが。
「誰のせいだと思ってるんでございますかー!?とにかく暴れるなって、うお!?」
「きゃっ!?」
 爆発。
 恐らく美琴の放った一撃が当麻の足元をぶち抜いたのだろう。
 なんとか体勢を立て直した当麻の手の中で身を動かす黒子。
 爆発のせいで出来た煙幕のおかげで、どうやら美琴は黒子達を見失っているようだ。
 それを好機と判断した黒子は即座に当麻の耳を引っ張りつつ小声で耳打ちをする。
「今ですの。お姉さまに見つかる前に逃げるんですわよ……っ!」
「あだだだ……お、おうっ」
 今の美琴はどうやら冷静さをかいているようだ。
 当麻は黒子の指示を受けて全力疾走を始める。
「どこいったぁー!」
 美琴の鬼のような叫びに「こわー!」と二人して心の中で叫びつつ、当麻と黒子は必死に逃げるのであった。

  ○◇○

 先程の公園から2kmほど離れた場所にある公園。
 黒子はその公園の隅にある自動販売機からジュースを二本取り出しつつ少し離れた場所にあるベンチを見た。
 そこには自分を一応、助けてくれた恩人である上条当麻が息を荒げながらよりかかっている。
……しかし、お姉さまがあそこまで怒るだなんて思ってもいませんでしたわ……。
 視線を逃げてきた方向に向けてみれば未だに雷の柱が天に向かって突き立っている。
 恐らく美琴はまだ暴走しているのだろう。
 停止しているところから、何者かが足止めしてくれているのか、もしくは冷静さを取り戻しつつあるのか。
 後者であることを祈りつつ、黒子はベンチに座る当麻の元へと向かった。


903:クロキス~鉄矢でしか伝わらない思い~
07/01/07 15:01:54 rY2khwcE
「あー、疲れたぁー。もー、一歩も歩けねぇー」
 ぐでー、とベンチに背を預ける当麻に向かって黒子は冷えたジュースの缶を近づけ、頬にくっつけた。
「うひゃぁっ!?」
 突然の冷たさに跳ね上がる当麻を見て黒子はくく、と思わず笑みを漏らす。
 当麻が振り返り半目で見て来るが、それに対して黒子は今度こそ缶を差し出して渡す。
 それから当麻の横に座り、自分の分の缶を開けた。
 今日のチョイスは【ベースボールジュース・フォーク味】だ。
 予想の真下を行く味というキャッチフレーズが特徴だが、その味は如何に。
 プルタブに指を引っ掛けて開けると、空気が漏れる音と共に蓋が開く。
 そして、両手で缶を持ちつつ口に当てて傾けて少しだけ口に含んでから飲み込んだ。
 ふぅ、と息を付くと同時に感想を一つ。
「……不味いですわ……」
「……」
 なら買うなよという視線が当麻から向けられるが黒子は構わず更に一口。
 微妙にシュワシュワとする液体の味に眉を顰めつつそれでも必死に飲み干す。
 基本的に一度買った物は無駄にはしない主義なのだ。
「けふ……」
「……大丈夫か?」
 当麻が心配そうに見て来るが、黒子は両手で缶を持ったまま涙で潤んだ横目でそれを見やり、
「えぇ、この程度でしたら……うあー、余計なチャレンジ精神なんて出すものではありませんですの……」
「飲むか?」
 是非に、と黒子は差し出された当麻のジュースを一口。
「って、これ、貴方飲んでいたヤツじゃないですの!?」
「ん、ああ、そうだけど……なんか駄目だったか?」
 本当に不思議といった表情で首を傾げる当麻。
 嗚呼、そういえばこういう性格でしたわね、と黒子は微妙に虚ろな瞳で当麻を見つつ思った。
 ともあれ、もう口を付けてしまったのだから構うまいとばかりに一気に飲んで嫌な味を洗い流す。
 それを見ながら当麻は頬を掻いて一言。
「ところで……その、なんだ。なんであんとき、そっちから……キ、キスしてきたんだ?」
 吹き出した。
 当麻の顔に向かって思いっきり吹き出した。
「うぼばー!?」
「――っ!」
 思い出して顔を真っ赤に染めながら口元を制服の裾で拭う黒子。
「いや、ほら、その場の勢いと言いますの!?なんとなくこう勢いですのよ!そうですの!」
 あわあわとあらかじめ用意しておいた言葉を口に出すがどうにもいい訳がましい。
 自分でもそれはわかったのでうぅ、と少し身を縮めつつも両手で持った缶の中身を見つつ言う。
「……実際、わたくしもなんでしたのかなんてわかりませんの……でも、まぁ、貴方のは不可抗力だった事は認めますわ」
「あー……あれは本当に悪かった。それは謝る」
 結構、と黒子は当麻へと掌を差し出して頭を下げるのを止める。
「でも、貴方も酔狂ですわね。わざわざわたくしを抱えて逃げるだなんて……一歩間違えば黒コゲですのよ?」
「俺があんな危険地帯に誰かを置いて逃げると思うか?」
「思いませんわ」
 思わず微笑すると同時にベンチから立ち上がってクルリと当麻の方へ向き直る。
「さて、どうしますの?お姉さまは暴走中、下手に動けば今度こそ本当にドカンとやられますわよ?」
「うーん、そうだな……どこか隠れるのに丁度いい場所、か」
 腕を組みつつ唸る当麻を見つつ、黒子もどこか良い隠れ場所はないかと記憶の中を探る。
 そして、暫く考え込んだ結果。
「あ、そうですの」
「?」
 良い案を思いついて手を打つ黒子。


 それがとんでもない結果へと二人を誘う選択の道である事を当麻も黒子もまだ知らなかった。


904:891
07/01/07 15:06:10 rY2khwcE
需要があるようなので投下させていただきましたーっ!
え?エロシーン?えぇっと一応、後半でゴニョゴニョな展開にはなりますよ?

文才がないので乱文になってしまいましたが……それでは、今回はこれにて失礼させていただきます。

905:名無しさん@ピンキー
07/01/07 18:27:24 Hp8lWlCL
GJ

906:名無しさん@ピンキー
07/01/07 18:39:03 37jcQxKe
GJ
しかし学園都市はUCAT商品の巣窟だな・・・

907:名無しさん@ピンキー
07/01/07 19:34:25 h6vup0AM
服だけテレポート

908:名無しさん@ピンキー
07/01/07 21:24:21 kE3t0D+B
下着だけテレポート

909:名無しさん@ピンキー
07/01/07 23:40:10 Wi1vJdHX
中身だけテレポート

910:名無しさん@ピンキー
07/01/08 00:00:34 xejJWdgS
GJ
デレの心を持ちながら激しいツンによって目覚めた
スーパーレールガン御坂美琴の爆誕か。
ガタガタ。

911:名無しさん@ピンキー
07/01/08 02:14:15 NWObSzQf
白黒ってロリに分類されるんだっけ?

912:名無しさん@ピンキー
07/01/08 02:22:08 qMM7Yy8d
お前……つるぺたの中学1年性だぞ?
ロリ以外のなんだっつーんだ?

913:名無しさん@ピンキー
07/01/08 07:29:33 W+myDdNG
おいおい、中一がメインターゲットの奴だっているさw

914:名無しさん@ピンキー
07/01/08 10:06:31 j2Gpy1nS
幼女嗜好とは、天の理に背く道。
そこに踏み出す者をロリコンという。
そこに住まう者をペドという。
許されざる禁忌の向こう側に、決して届かなかったはずの願望が待ち受ける……
それを知ってしまったとき、人は人であることをやめる。

915:名無しさん@ピンキー
07/01/08 12:16:18 wqEVmPLH
やりぃ
リクエストした禁書キャラのエロ画描いてもらったぞい。

916:名無しさん@ピンキー
07/01/08 19:02:29 zII8/Z9U
残念それは白木あえかだ

917:名無しさん@ピンキー
07/01/08 19:31:26 T5I4ck/6
誰だよつーか見てぇから出来ればうp

918:名無しさん@ピンキー
07/01/08 19:32:51 9/pFWV4M
そいえば冬コミに禁書の同人出てたらしいが買った香具師いる?うわあ香具師なんて久しぶりに書いた

919:名無しさん@ピンキー
07/01/08 20:21:22 sZctNAof
>>917
URLリンク(www15.ocn.ne.jp)
サイト捜してリクエスト攻撃は止めようね。
一段落ついてからにしよう。

920:名無しさん@ピンキー
07/01/08 20:22:39 9/pFWV4M
デカすぎキメェ

921:名無しさん@ピンキー
07/01/08 20:29:45 V419penW
>>919
ああ、あのサイトね。
ちぺろ屋でググレ。
基本はメロン並にデカイからロリコンの人は駄目よ。

922:名無しさん@ピンキー
07/01/08 20:38:43 V419penW
不安になって来たんだが
小さい者好き=ロリコンだよな?
ロリコンを侮辱するような事を言ってしまったかもしれん

923:名無しさん@ピンキー
07/01/08 20:40:33 9/pFWV4M
貧乳好きと幼女好きは違うぞ?
前者はただの貧乳スキー後者はロリコン。
俺?乳の無い幼女が大好きです。でも、ねーちんはもっと好きです

924:名無しさん@ピンキー
07/01/08 20:46:40 V419penW
大きい事は良い事だ。と思えないのかしら?
ま、あロリも好物なんですがー。

925:名無しさん@ピンキー
07/01/08 20:54:32 wohjBxPp
なんだっけ、突っ込まずに愛でるのがロリコンで
突っ込みたいと思うのがペドフィリアだっけ?

926:名無しさん@ピンキー
07/01/08 21:00:58 T5I4ck/6
ファミレスバイトの小鳥遊君がロリコン。
俺がペド。

927:名無しさん@ピンキー
07/01/08 21:05:38 p3C733eL
>>919
通常の2倍以上か!
学園都市でそう言う薬売ってるかな?

928:579
07/01/08 22:01:56 Vj6FN/kQ
『超電磁砲はお年頃』が推敲で詰まっててー。
気分転換に吹寄さんを書きました。投下します。

929:579
07/01/08 22:02:39 Vj6FN/kQ
『鋼鉄の女の電撃作戦 Blitzkrieg』

「あ、そうそう、上条ちゃんは放課後居残りですけすけ見る見るですよー?」
 授業が終わり、クラス委員の青髪ピアスが『起立』の号令をかけると、教壇にいた月詠
小萌が唐突にそんなことを言った。
「ちょっと小萌先生、なんで俺だけ居残り?」
 不満の声を上げたのはもちろん名指しを受けた上条当麻その人である。が、クラスの生
徒たちはそんな様子にも慣れっこなのか、一部から微かに「上条、またか…」とか「小萌
センセーも上条が好きだねー」とか言う軽口が聞こえた程度だ。
 そんな軽口が聞こえたか聞こえなかったか、月詠小萌は反論する上条に繰り返す。
「文句を言ってもダメなのですよ? とにかく今日の放課後補習! いいですねー!」
 反論するだけ無駄と悟ったか上条は肩を落とす。と、その時自分に強烈な視線が向けら
れていたことに気付いた。顔を上げて、視線の方を向く。その先にいたのは―

 吹寄制理である。じっと上条の顔を見つめている。
 上条が顔を向けたことで目と目が合う。目が合った瞬間、吹寄はビクッ、と身体を震わ
せ、目を見開いたまま顔を紅潮させていく。怒っているとかでは無く、何かに動揺したよ
うな―そんな様子だ。上条が吹寄に注意を奪われていると、
「上条ちゃん! 聞いてますか? すけすけ見る見るですからねー!」
 という月詠小萌の声が再び響いた。
 その声で我に返ったか、吹寄は一瞬教壇の方を向き、また上条に視線を戻し目が合うと、
さらに強く顔を火照らせて一歩後ろに躙り―自分の椅子に足を引っかけて、

 盛大にコケた。

 その音に、クラス中の視線が吹寄に集中する。近くの女子生徒が吹寄を助け起こそうと
する中、土御門元春が叫んだ。
「かっ、カミやん! 吹寄さんに何をしたんぜよっ! 吹寄さん、カミやんに見られて動
揺してたにゃー! ま、まさかカミやんっ!」
 目が合ったのは事実だが、『何かした』などと言われたところで上条にはまるっきり身
に覚えがない。
「ちょっと待て土御門! 俺が一体……」
 反論しようとするが、クラスメイト達の声に遮られる。
「おのれ、かっ、上条! ついに吹寄までっ!」
「カミジョー属性の魔の手が俺たちの最後の砦をおおおおおっ!」
「ゆ、許さんぞ上条っ!」
「怨敵退散、怨敵退散じゃあっ!!」
 クラスの男子生徒達の制裁―むしろ私刑と言った方が正しいだろう―で上条がボロ
ボロになっている間に、吹寄制理は姿を消す。
 その後、吹寄制理が初めて授業をサボった。
 吹寄が姿をくらませたことで、上条も再び制裁の対象となったのだが、まあそれはそれ
ということにしておこう。

930:579
07/01/08 22:03:25 Vj6FN/kQ


(あー、なんか今日の上条さんは特に酷い目に遭っているような気がしますが……ううっ、
気のせい、気のせいだよねこんな状況ウソだと言ってよバーニィ!)
 クラスメイトからの制裁によってボロボロになった上条だが、それで補習が中止になる
と言うこともなく、結局学校を出ることが出来たのはとうに終バスも過ぎた午後6時半ご
ろだった。携帯電話の電池が切れてしまっていたため、学生寮で待つインデックスへの連
絡は出来ていない。今日は買い物にも行かないといけないはずだったから、夕食は遅くな
りそうだ。銀髪のシスターさんが不機嫌になっていく様が手に取るように思い浮かぶ。
「……居候に、しかも女の子なのに、夕食が遅いって家主が叱られて噛み付かれるっての
もレアな経験だよな…でも、嬉しくない…」
 うだー、と肩を落としつつ公園の角を曲がる。
 曲がった先に、セーラー服姿の髪の長い少女が立っていた。
 吹寄制理。
 午後から姿を消していた少女である。現れたのが誰かを確認するようにジロリと上条の
全身を一瞥すると、今度は打って変わって弱々しげに上条と目を合わせる。
「か、上条…」
「吹寄! こんな時間まで家にも帰らずにいたのか? しかし、午後はどうしたんだよ…
って、俺のせいか。土御門のヤツがワケ判らんこと言うから吹寄には迷惑かけちまったな、
悪かったよ」
 なんと言ったら良いのか、いかにもそんな風に上条は頭を掻きつつ少女に話しかける。
事実がどうかはともかく、自分が迷惑をかけたような気がするし、それを何事も無かった
かのようにやり過ごすのも上条のやり方では無い。自分に幾らかでも非があるなら、誠意
だけでも見せるべきだろうと上条は頭を下げた。
 しかし、吹寄制理は怒りの言葉を発するでもなく、ましてや手を上げるでもなく、

 突然、上条に抱きついてきた。
 上条の脇から背中に手を回し、きつく少年にしがみつく。あまり背の高い方では無い上
条と、女の子としては背が高い吹寄とだと胸に顔を埋めると言うわけにも行かず、少女は
少年の首筋に顔を落とす。
「ふ、吹寄ぇ?! どうしたんだ一体全体これはどういう風の吹き回しで…」
「…良いから貴様は黙ってっ……しばらくじっとしてなさいっ…」
 言い様はきついが、普段の勢いはない。むしろ弱々しいと言うか、自分の行動に途惑っ
てさえいるかのような様子である。さすがに上条も息を飲んで黙り込む。
 ただ、黙り込んだは良いが、抱きついてきているのは抜群にスタイルの良い吹寄制理で
ある。『美人なのにちっとも色っぽくない鉄壁の女』などとはとんでもない話だ。背中へ
と伸びる腕はいかにも女の子らしく柔らかくなめらかだし、太股はズボン越しにもその張
りが伝わる。何より、彼女の大きな胸が上条の胸板に押しつけられてその弾力を強く主張
しているのは耐え難いの一言で換えられるものではない。しかも、
「ふっ、くふぅ・・・」
 と、吹寄がなんだか乱れた吐息を首筋に吹きかけてくるというか、当たる。このままで
は色々と耐えられなくなってくるところが出てきそうだし、この密着状態でそれを隠すの
は100%不可能だ。思わず少女の両肩に手を伸ばす。
「あっ・・・」
 肩に手を触れられ、少女は身体を震わせる。なんだか艶っぽい吐息が首筋に掛かった。
上条の背筋にゾクゾクと電流が走る。吹寄の肩に置いた手を離そうとしながら慌てて問い
かけた。
「すっ、すまん吹寄、だ、だいじょ…」
「は、離さないでっ…良いからそのままで居なさいっ」
 言われて再び肩に手を戻す。とにかく今は言うとおりにしつつ、少年の(一部の)主張
に耐えなければならないだろう。
 吹寄が呟く。
「なんで…こんな……大覇星祭の時は見られたってただイヤだっただけなのに…なんで今
は貴様のことを考えると気分がモヤモヤしてくるのっ…? なんで今、こんなにドキドキ
してるのよ……っ…」
 少年を抱き留める両手の力が強くなる。押しつけられた胸の弾力もさらに強くなり、
 少女の胸の動悸が伝わってきた。
 首筋に当たる吐息と伝わってくる動悸に、上条の胸もドキンと跳ねる。

931:579
07/01/08 22:05:03 Vj6FN/kQ

「なんなのよカミジョー属性って…っ! ホントは判っててやってるんでしょう貴様は?
姫神さんだって、クラスの子も、それにあの常盤台の子も…、あんたを捜して彷徨いてた
外国人の子もそうだし…、貴様のこと気にしてる女の子が何人いるのか自覚してるんでし
ょ? き、貴様は、お、女の子の気持ちを天秤に架けて…、ヤなヤツよねほんと…」
「ちょっと待ってください吹寄サン! その不穏当な発言はなんですのっ!! と上条さ
んは悲鳴を上げますよ!? て、天秤ってなんですかっっっ!!」
 胸板に押しつけられた絶妙の弾力感にドギマギしながらも、本人としては全く自覚のな
い上条が叫ぶ。しかし、吹寄制理はさらに強く上条のうなじに顔を埋めると、
「わざと言ってるの貴様はっ…。それともホントに自覚が無いの…っ?」
 と喘ぐように詰問する。何とか反論しようと、上条は少しだけ吹寄の顔に向かって首を
曲げたのだが―
 突然、顔を上げた吹寄制理に両の頬を捕まれた。
 大覇星祭初日、不幸な事故で濡れ透けになった時でさえクールな表情を崩さなかった少
女の瞳は。
 上条の目を見据えながらも潤んでいた。

「ホントに自覚がないのなら―後先は関係ないわよね……そう、こっちがイニシアチブ
を取ればいいのよ…」

 瞳を潤ませたクラスメイトの少女はそう言うと。
 その柔らかい感触とか、緊張して震える指先とか、慌てて目を閉じる前に見えた潤んだ
瞳とか、飛び跳ねて胸を突き破っていきそうな心臓の動悸とかに上条が硬直している間。
 たっぷり10秒間、強引に唇を重ねて。
「あたしのファーストキスなんだからね? 貴様もしっかり覚悟しときなさいよっ…」
 そう告げて走り去った。

 少女の走り去る姿を見つめながら、上条当麻はその場にへたり込む。正直言って何が起こったのかもよく判らない。
 少年が我に返ったころには、もう星も高かった。

932:579
07/01/08 22:07:21 Vj6FN/kQ
ホントに気分転換で書いただけなので乱文許されて。
『超電磁砲はお年頃』も頑張って書きますー。需要あるなら。

933:名無しさん@ピンキー
07/01/08 22:24:40 NWObSzQf
GJGJGJGJGJGJ!!!!!
需要があるかって、当然ございますとも!

934:名無しさん@ピンキー
07/01/08 22:39:57 b8CvKLqc
俺ちょっと上条殴りに逝ってくる

935:名無しさん@ピンキー
07/01/08 22:44:16 qMM7Yy8d
今から一緒に これから一緒に 殴りに行こうか

936:名無しさん@ピンキー
07/01/08 23:00:29 6wUmqkkZ
いや待て、俺も行く。奴は一般人よりも強いと聞いた。少しでも多く殴りたい

937:名無しさん@ピンキー
07/01/08 23:17:31 1Xtz4xBz
>>920
ペドきめぇ


と、まあ冗談は置いといて。
人の頭程あるのはさすがにアレだわな。

938:名無しさん@ピンキー
07/01/08 23:33:28 Fcgs52Do
出遅れた
やーやーやー

939:名無しさん@ピンキー
07/01/09 00:37:15 R4NXab/3
つまり、ロリ巨乳ならば誰も文句は出ないだろう。

940:名無しさん@ピンキー
07/01/09 00:37:50 NP4qobdy
ロリは貧乳がいいです

941:名無しさん@ピンキー
07/01/09 00:42:03 qh90gs1L
ステイル「おれは、ロリコンじゃない、小さい胸が好きなだけだ」

942:名無しさん@ピンキー
07/01/09 01:29:49 sYsXQ2CF
胸が大きいのがどんだけ良い事か分からないのか920
争いの原因が半分は消えるんだぜ。

943:名無しさん@ピンキー
07/01/09 02:06:12 H++rkmL4
胸なんてかざりです。えろい人にはそれがわからんのです。

944:891
07/01/09 02:49:51 5tvetSK1
……後編ようやく完成いたしました。
相変わらず拙い作品ですが、無駄に長いです。とっても長いです。

ちなみに私も胸なんて飾りだと思います。胸を付けたら名前の前にパーフェクトがついてしまうじゃないですか!?
閑話休題。

それでは駄文ですが、お楽しみいただけたら幸いです。

945:クロキス~鉄矢でしか伝わらない思い~
07/01/09 02:50:46 5tvetSK1
<2> はじめてのキス略してはじキス 後編

 上条当麻は目を閉じながらも今起こっている事態に混乱していた。
……な、なん……っ!?
「ん、ちゅ、じゅ、んんぅ……」
 艶やかな水音が暗い空間を支配する。
 息が碌に出来ない。というか、息をするための片方の器官が塞がれているのだ。
 そりゃ息も出来なくて当然だ、と思うが、目の前で起こっている事態の重要度はそれを遥かに凌駕する。
 自分の唇を誰かが貪っている、という事態の前では息が出来ない事など些細な事だ。
 そして現在進行形で口付けをしている人物、それを当麻は知っていた。
 その人物とはいつものツインテールを解いて髪を流した少女。今日一日の半分を戦い抜いた戦友でもある少女だ。
 それは、頬を赤く蒸気させてボーッとした虚ろな瞳で当麻を見る―白井黒子であった。

  ○◇○

 そこそこ広い空間。
 様々な家具が設置された、しかし、人が常時住んでいるとは思えない清潔さを保った空間。
 床にはカーペットが敷かれているというのに埃の一つも落ちていない。
 そんな空間内に設置されたソファーに座りつつ上条当麻は言う。
「で、なんでホテルなんだ」
 当麻は半目で言いつつ、隣でテレビのチャンネルをまわす白井黒子を見やる。
 黒子はリモコンを手元でくるくると回しつつ当麻へと向き、
「学生が一番縁のない場所を選んだらこうなっただけですわ。深い意味はありませんのよ?」
 わかってる、と巨大な窓から見える夜景に視線を移す。
 するとそこには巨大な光の柱が走る街といった光景があった。
「……お前のおねーさまっていつもあんな感じだっけか?」
「……いえ、あんな全力全開通り越してゲージを振り切ってるお姉様を見るのはわたくしもはじめてですわ……」
 二人してその柱を虚ろな目で見つつ、心に同じ事を思い浮かべた。
 今の御坂美琴には会ってはならない、つか会ったら殺される、と。
「で、今日はどうすんだ。このまま泊まるのか?」
「まぁ、一日分の宿泊料は払ってしまいましたので、そうなりますわね」
 当麻の疑問の声に黒子はテレビに視線を戻しつつ適当に答える。
 そっか、と言うと同時に当麻は隣に座る少女を改めて見る。
 金銭的余裕の無かった当麻に対して、結構ですわ、の一言で一泊分の料金を払ってしまう様なお嬢様。
 性格も口調も生粋のお嬢様といった感じだが、嫌味ではない。むしろ人の事をよく考えている節もある。
 悪い奴ではない、と当麻は思う。
 そういえば、どんな番組を見ているのか。
 どうやら少し見る限りでは魔法少女が活躍するといった類のアニメらしかった。
 当麻は意外といった表情で黒子を見やり、
「お前もこういうの見るんだな」
「やってる番組で面白いものがありませんの。苦渋の選択というやつですわ」
 その割には凝視しているが、という言葉が出てきそうになるが、言えば金属矢が飛んできそうなので言わない。
 テレビの方に視線を向けてみれば、丁度オープニングを終えてあらすじに入ったところだった。
 タイトルは【新世紀セメント魔法戦士キリングちゃん】。
 名前からして既にバイオレンスさが漂いまくってるあたり、流石学園都市と言ったところか。
 しかし、どこからともなく取り出したガトリングやマシンガンで敵を蹴散らしていくというのは魔法少女としてどうかと思う。
 閑話休題。
 取り敢えず、とある用件を思いだし席を立つ。
「?どこに行きますの?」
「ああ、ちょっと知り合いに連絡をな。今日は帰れねーって」
 素直に『居候しているインデックスに連絡するのを忘れていたから連絡してくる』などとは言えるはずもない。
 黒子に適当に手を振ってから、入り口の近くに設置された電話へと向かう。
 背後からアニメが始まったのか重火器の爆音が響く。
 なんとなくテレビアニメ業界の先行きが心配になる当麻であった。

  ○◇○


946:クロキス~鉄矢でしか伝わらない思い~
07/01/09 02:52:26 5tvetSK1
 テレビのスイッチを切る。
 番組が終わってその余韻に浸りつつ、入り口の方を見てみれば既に当麻は居なかった。
 そういえば、風呂に入るとかなんとか言っていた様な気もする。
 取り敢えずは自分達の寝る部屋だけでも確認しておくかと立ち上がり、移動を開始。
 それほど広くないリビングだったので少し歩いただけでベッドルームの入り口に到着する。
 ドアノブに手をかけ、扉を開けて中を覗きこんでみる。
 ベッドルームもリビングと同じ様に綺麗に清掃されており、埃一つ無いといった感じだった。
 部屋にはクローゼットと鏡つきの机、そしてベッドが一つずつ設置されている。
「あら?」
 黒子は何か違和感を感じ、家具をそれぞれ指差してゆく。
 そして、ベッドを指差したところでとある問題に気づいた。その問題とは―、
「なんでベッドが一つしかありませんの……」
 思わず頭を抱えてしまった。
 なんでここまで頭が回らなかったんだろうと思う。
 元々こういう学園都市内のホテルは一般客用ではなく学会等の発表で来たお偉いさんを止めるための場所だ。
 それ故に複数滞在の場合は複数部屋を取るのが定石、といったところなのだろう。
 黒子は溜息を一つ。
 今更部屋を新しく取り直すのもなんだし、と諦めることにした。
 あの上条当麻なら一緒に寝たところで襲うような真似はすまい、と安易に頷いて結論付ける。
 そうと決まれば彼にも教えなければならないだろう。
 少し嫌がるだろうが、彼は基本的にお願いを断れない人間だ、と黒子は今までの当麻の行動から性格を分析する。
 ベッドルームの扉を閉じて、浴室へと向かって廊下を歩いて行く。
 玄関への道の途中、左手の方に開いた扉があり、そこから連続した水音が聞こえてくる。
 シャワーの音がするところから身体を洗っている最中らしい。
 道を曲がり、浴室の前の脱衣室に入る。
 取り敢えず浴室の曇りガラスの扉の目の前まで来ると中で影が動いてるのが見えた。
 ふぅ、という溜息が聞こえ、ガタンという音が響いた。
 おそらくは浴槽を覆う蓋を開けた音だろう。
 少し悪戯心が働く。
 黒子はシャワー音が止まるのと同時に曇りガラスの前に座り、わざとらしく悪戯っぽい口調で。
「殿方さん、お背中お流しいたしましょう―」
「やー、なんか、こういうところのシャワーって新鮮―」
 言葉を放つと同時、ガチャリと扉が引かれて開き真っ裸の当麻が目の前に立つ。
……?
 思考が停止。
 彼も停止。
 時間が停止。
 なにもかもがモノクロの世界で水の滴る音だけが一つ響いた。
「き―」
 最初に口を開いたのは黒子だった。
 彼女は口から僅かな声を漏らすと顔を引き攣らせて真っ赤に染めあげ、
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
「がとつっ!?」
 当麻のとても言えないような場所へと鋭い一撃を叩きこんだ。

  ○◇○

「……」
 消灯した暗い空間の中、白井黒子は不機嫌そうな顔で、幸せそうにベッドに眠る男を見ていた。
 あの当麻素っ裸事件は当麻が平謝りし続ける事によって解決したのだが、それは別にいい。
……まったく、普通は入る前に体を洗うのが常識ですのにこの殿方は……。
 別にいいのだが、やはりそう簡単に忘れられるものでもない。
 今日はなんだか変な方向で初体験の連続だ、と黒子は今日何度目かわからない溜息を吐く。
 いや、大昔にも見たことがあるので初体験とは言いがたいがとまで考え、頭を振ってその思考を放棄。
 何時までもグダグダ考えるのは淑女らしくないというものだ。
 ここはスッパリと割り切って寝るべきだろう、と黒子は自分の考えに頷いて当麻の横に空いた空間に入る。
「……?」
 そこで気づいた、当麻が薄いタオルしかかけていない事に。
 ああ、そうか、と黒子はその様子を見て思う。
 つまり、本来は一人用であるのに布団が足りなくなるという、ただそれだけの事だ。

947:クロキス~鉄矢でしか伝わらない思い~
07/01/09 02:53:55 5tvetSK1
 彼はそれに気づき、黒子のために布団を残して自分は薄いタオルをかけて寝ているのだろう。
 彼のその優しさと少しばかり過剰な心配性に思わず笑みを漏らす。
 と同時に気づく事があった。
……何時の間にか警戒を忘れていますわねー。わたくしも……。
 思えば彼に会えばお姉様と慕う御坂美琴の事でつっかかってばかりだったような気もする。
 それもこれもお姉様を思っての行動なのだが、彼には悪い事をしていたかもしれない、と黒子は目を瞑り頭の中で
 今までの当麻記憶を回想の如く走らせていく。
 そこでは当麻が美琴に手を引かれていたり、心配されていたり、飲みかけのジュースを渡されていたり―。
……やっぱり此処でトドメを刺しておいた方がよろしいかもしれませんわねー……。
 一瞬どす黒い考えが頭を過ぎるが、今は金属矢も品切れで持っていないのでその案は見送っておく。
 取り敢えずは、当麻の隣に寝転がり足元から器用に足を使って布団を手繰り寄せる。
「……」
 確かに暖かい。
 しかし、同時にどうしても当麻の布団の貧相さが目立ってしまう。
 これでは気になって眠れないではないか。
……しかたないですわね……。
 身を近づけ、自分の布団を当麻にも被せる。
 すると、彼は身を動かし、気持ち良さそうに寝息をたて始めた。
 それを子どもみたいだと思いつつも、黒子も当麻と同じ様に眠りにつこうとする。
 その時だ。
「んんぁー……」
「!?」
 ごろん、と彼が寝返りをうった。
 ただ寝返りをうっただけならば良い。
 しかし、黒子と当麻は今同じ布団をかけている状態。
 つまり超接近状態なのだ。
……ちか、近いですわ……っ!
 当麻の寝息が顔にかかる。
 別にそれを嫌だとは思わない。
 というよりも別のことに今は意識を持っていかれていた。
 眼前には上条当麻の顔。
 正常な状態の黒子ならビンタの一つや二つかまして叩き起こしているところだろう。
 だが、今の黒子の頭の中では今日の夕方に起こった出来事が凄まじいスピードで反芻されていた。
 接吻。
 簡潔に纏めてしまえばそれだけの事だ。
 黒子にとっては違った。
 思い出すように唇に触れる。
 指が唇に触れる。
 記憶の中にあるのは、生暖かい体温を感じて、蕩ける様に―。
「!」
 違う違う!と勢いよく頭を振る。
 その際に髪も一緒に勢い振られるが、顔を真っ赤に染めた黒子にとっては大事ではない。
 目の前では黒子が騒いでるというのに起きる様子すら見せない当麻がゆっくりと寝息をたてていた。
 なんだか憎らしい。
 耳でも引っ張ってやろうかと思うが、それはそれで理不尽な意地悪のような気もする。
 ジッと当麻の顔を凝視が彼はやはり規則的な寝息をたてるだけでコチラに気づいた気配はない。
 その様子を見て、
……もう一度くらいなら……。
 黒子の中で何かが鎌首をもたげた。
 それは段々と強い奔流となり、黒子の理性を侵食してゆく。
 段々と心臓の鼓動が早まる。
 これは自分に変な性癖がないか調べるための実験ですわ、と心の中で呟き決心して一瞬目を閉じる。
 そして、数秒。
 黒子は目を開くと、
「ん……」
 ゆっくりと当麻の唇を奪った。
 最初に感じたのは、やはり唇の温かさだ。
 触れ合った唇から感じる彼の体温と吐息。
 それを黒子は心地よい、気持ち良いと感じた。感じてしまった。

948:クロキス~鉄矢でしか伝わらない思い~
07/01/09 02:55:09 5tvetSK1
「んぅ、はん……はぁ、んぅぐ、ちゅ……」
 理性がもう止めろと訴えてくる。
 自分でもわからない。流されてはダメだと思うが、なぜだろうか止まれない。
 知らずの内に当麻の首に両手を回していた。
 そのまま自分の体を当麻の近くへと持っていき、更に唇同士を強く重ねあう。
 水っぽい、淫靡な音がベッドルームに響く。
 暫くそれを堪能した後、今度は舌も入れてみよう、と断片的な知識をかき集めて黒子はぼやけた頭で思う。
 そして、いざ入れようとした瞬間。
 上条当麻は目を開けていた。
「あ……」
 なにをやっているんだ、と責められているような気がした。
 慌てて唇を離すと、二人の唇の間に唾液で出来た糸の柱がかかった。
 それは垂れる様にしてベッドに落ち、染みを広げていく。
 それでも、黒子の中で何かがもっと、これでは足りない、と彼を求める。
 嗚呼、自分は本当に変態だったのか、とどこか違うところに思考が行くがその間にも彼の唇から目が離れない。
「あぅ……あの」
 と懇願しかけたところで彼に抱きしめられた。
「え?」
 驚きで我を失う黒子。
 それと同時に欲望を刺激していた何かも去るように消えていった。
「えーっと、なんだ……その、悪い」
「な、何が、ですの……?」
 今まで自分がしていた事に気づき、羞恥で声が小さく、途切れ途切れになる。
 だけど、白井黒子はこの場面に至って、先程の欲望とは違う何かを期待していた。
 少しだけ視線を逸らして言葉を紡ぐ当麻。
「……不謹慎かもしれないけどさ。今のお前……」
 内心ではどんな軽蔑の言葉が放たれるのか、それを恐れながらも、
「すっげぇ可愛かった」
 その言葉を望んでいたのかもしれない。
 思えば確かに白井黒子は上条当麻が嫌いだった。
 だけど、何故自分はあそこまで御坂美琴と上条当麻がくっつく事を嫌がったのか。
 答えはどちらも好きだったからだ。
 好きな人が好きな人にとられるのは嫌というような子どもの様な我侭。
 黒子は当麻が嫌いなままでは居られなかった。
 彼の意思の強さを、その迷いのない輝きを知ってしまったから。
「あ、あはは、わり、何言ってるんでしょうね、上条さんは―って、んっ!?」
 だから、その唇を、今度こそ自分の意志で奪った。
「ふぅ、ん……」
「ん、くふぅ……」
 二人の吐息と唾液の絡み合う音が室内に響き合う。
 彼も最初は驚いていたが、次第にコチラの唇の動きに応える様に舌を絡ませてきた。
 くちゅくちゃという音が黒子の思考を溶かしていく。
 長い長い深い接吻の後、二人はゆっくりと唇を離し、
「……あのさ、白井」
「黒子、と呼んでくださいませ……当麻、さん」
 頬を赤らめながら恥ずかしくなって後半はほとんど小声になってしまう。
「わかった……黒子」
「はい」
 当麻の目は真剣そのものだ。それでいてどこか優しい。
「俺は今からお前をその……」
 少しだけ言いよどむ当麻。
 しかし、彼は決心したかのように黒子を見やり、言葉を放とうとして、
「抱いてくださるんですの?」
 黒子の悪戯っぽい声に先手を取られた。
 当麻はそれに対して困ったような表情で笑い、しかし、答えとして唇を重ねる事で返した。

  ○◇○

949:クロキス~鉄矢でしか伝わらない思い~
07/01/09 02:56:57 5tvetSK1
 決意を固めれば行動は早かった。
 当麻は白井を押し倒すように組み敷き、その唇に貪るようにして自分の唇を重ねる。
 抵抗もせずに黒子はそれを受け入れ、先程と同じ様に当麻の首に腕を回した。
「んぅ……んぐっくぅ……」
 少しばかり舌を絡めとるのが強引だったせいか僅かに苦しそうな息を黒子が漏らす。
 しかし、当麻の理性はすでに決壊寸前、止める事等出来るはずもなかった。
「ん、んんぅ!んぐ……んぁ、ふ、あんんんぅ……!」
 じゅるじゅるるるる、と激しく唾液をすすりあう音がベッドルームに響く。
 黒子も暫くそれを繰り返しているうちに慣れてきたのか、頬を紅潮させ、自分から絡めて来るように舌を動かし始める。
 当麻はそれに応えて舌を絡め、捕らえ、まるで小鳥に餌をやる親鳥の様に黒子の口内の奥で深い接吻を続けた。
 どれくらいそうしていたか、実際には一分も経っていないのに凄く長い間していたようにも感じられる。
 唇を離す。
 それだけで何本もの唾液の糸橋がかかり、ただでさえ艶っぽい今の黒子の淫靡さを増した。
 グッタリと四肢を投げ出し、黒子は当麻に全てを任せる。
 それはつまり当麻を信用してくれているという事だ。
 しかし、その可愛らしげな姿がなんとなく当麻の嗜虐心を刺激して来る。
「や、ん……止めないで欲しいですの……」
「ん、わかってる」
 既に脱がれている上着を残念だと思いつつ純白のブラウスに手をかける。
 丁寧に一個一個ボタンをはずしていくたびに、黒子の胸元の肌が露わになっていく。
 そして、見えた下着の色は、
「……また大人っぽいな……」
 黒だった。しかも下着の方のデザインもかなり大人っぽい代物だ。
 顔を上げて黒子の顔を見てみれば、恥ずかしいのかさっきまで当麻が被っていたタオルで顔を隠していた。
 続いてスカートに取りかかろうと思い、手を動かすとその腕を掴まれた。
 ん?とタオルで隠された黒子の顔を再度見ると、彼女は少しだけタオルの隙間から顔を出しており、
「あ、あの、スカートは出来れば残しておいてくれると嬉しいですの……恥ずかしいので……」
 相変わらず尻すぼみになる言葉。
 しかし、それはそれで、と謎の納得をしつつ当麻は思う。
……俺もダメかもしれんなぁ……。
 これでは青髪ピアスの事を変態呼ばわり出来ないだろう。
 しかし、取り敢えずは黒子の要求通り、スカートだけは残しておこうと思い、まずは上の下着に手をかけた。
 元々、どのような形になっているのかわからないので、取り敢えず、ずらす様にして小ぶりな胸を露わにさせる。
 黒子がまた羞恥でタオルに顔を隠すが、構わず手を乗せてみる。
「ひうっ」
 タオルから声が漏れた。
 暖かい。そして、確かに鼓動を感じた。
 他人の鼓動ってここまで暖かいものなんだなぁ、と感心しつつもその胸を優しく揉み始める。
 此処から先は本当に手探りの領域だ。
「あ、んぅ、ふぁ……く、くすぐったいんぅ、ですの……ふ、んぁあ……」
 黒子の反応を見てやり方を変え、一番反応が良いものを見つけ出す。
「ここか?」
「ひうっ、んっ、やぁっ」
 乳首を摘み上げ、少しだけ引っ張る。
 それだけで黒子の体がビクリと少し仰け反り、タオルが剥がれて顔が露わになった。
 唾液で汚れた顔。まぁ、あれだけ激しい接吻を繰り返したのだから仕方が無いが。
 その顔は赤く染まっており、目尻には少しだけ涙を浮かべていた。
「あー、悪い……痛かったか……?」
 その反応に戸惑って思わず聞いてしまうが、黒子は顔を横に振り、
「う、嬉し涙ですわ……続けてくださいませ」
「……無理はすんなよ?痛くなったらすぐに言え」
 ええ、と答える黒子に頷き、更に愛撫を続ける。
「んぁ、や、あんんぅ、それ、いいっ、ですの……っ」
 乳首を指で摘み、擦るようにしてこねくり回す。
 黒子の反応は面白いほどに良く分かった。
「くんっ」
 乳首を擦る度に身を仰け反らせ、
「ひぁあっ」
 身を捩って悦びの声を上げる。
 当麻にはそれが感じているという事だけしかわからないが、取り敢えず黒子は気持ち良くなってくれているようだ。

950:クロキス~鉄矢でしか伝わらない思い~
07/01/09 02:57:56 5tvetSK1
 ふと、とある事を思いついた。
「はむっ」
「な、ひぁんっ!?」
 片方の乳房を口に含み舌の上で転がす。
「あっ、あひ、それ、すごっ、ああああ、んぁっ!」
 ビクビクと目を見開いた状態で痙攣する黒子を見て当麻は満足し、しかし攻めを止めない。
「も、らめっ!ひぁ、それ、らめですのっ、あ、だめ、胸だけで、ひぁああああっ」
 一際大きな痙攣。
「はあ、はあ、はあ……」
 そして、黒子は身をベッドに投げ出し、グッタリとしてしまった。
 しまった、やりすぎたか、と思う。
 しかし、彼女は暫くして身を起こすと当麻を見やり、
「……初めてじゃ、ないんですの……?」
 半目で頬を赤らめつつ言った。
「へ?いや、初めてだけど」
 確かに当麻は初めてだ。
 なんせ記憶が無くなって以来、キスすらした事がない純情ピュアボーイだったのだから。
 居候シスターからなんどか噛み付きを貰っていたが、あれは接吻のうちには入らないだろう。
「まぁ、いいですわ……次はわたくしがしますので、ん、横になってくださいませ……」
 黒子は息を整えつつ、当麻を押し倒す。
 そして、ズボンのチャックを下ろし、ズボン越しで主張していた男根を取り出し、目を見開いた。

  ○◇○

……で、でかいですわ……。
 黒子には男性器についての知識はない。
 ましてや見たことすらなかったのだが、初めて見るソレに黒子は目を奪われていた。
 本当にこんなのが自分の中に入るのかという不安と共に、彼も我慢していたのだと申し訳なくなる。
「ん」
 まずは先端にキス。
 苦いと思うが、それほど苦ではない。
 むしろこれが彼の味なのだと思うとある種の喜びすら感じる事が出来た。
「んぅ、ふっ、んちゅううううう……」
「くっ、あ、黒子、それは……っ!」
 頭を掴まれる。
 亀頭の先端を吸い上げる。
 それだけで彼の男根は更に膨張し、
「だ、駄目だ、出る……っ」
「へ?きゃっ」
 白濁の液体を放出した。
 大量の白濁液は黒子の顔と体に降り注ぎ、その身を汚す。
 ようやく収まった放出の後、黒子は不機嫌そうな目で当麻を見やり、
「早漏ですの……」
「ぬぁあああー!言われると思ったけど、やっぱり実際に言われるとショックですよー!?」
 まぁ、それも仕方のない事だろうと黒子は思う。
 出した時には既にパンパンの状態だったし、それに彼の男根はまだまだその硬さを失っていない。
「まぁ、まだまだ元気そうですし……」
 心臓の鼓動が早まる。
 これからこれを受け入れるのだと思うと自然と身が強張る。
 しかし、そんな黒子は当麻は抱き締め、
「恐いなら……やめるぞ?」
「……いえ。お願いいたしますわ……わたくしはアナタに今、抱いて欲しいんですの……」
「そうか……なら」
 当麻は再び黒子を押し倒し、
「やっ、汚いですわよぉ……」
「大丈夫。汚いことなんかあるもんか」
 スカートを捲り上げ、黒い大人下着をずり下ろしながら当麻は黒子の綺麗なピンク色の秘所を見つめる。
 黒子は途端に恥ずかしくなり顔を両腕で覆うが、何の意味も持たない。
 彼はそのまま秘所へと顔を近づけ、

951:クロキス~鉄矢でしか伝わらない思い~
07/01/09 02:59:55 5tvetSK1
「じゅる、じゅずずずずず」
 いきなり強く、吸い上げた。
「あひっ!ら、らぁっ!なにこれ、やですわ、あ、だめ、わたくし、へぁああっ」
 両手で当麻の頭を剥がそうとするが力が入らず、彼の頭に手を添えるだけのような状態。
 その間も耐えずやってくる快楽の波に黒子は身を振るわせつつ嬌声を上げる。
「あやぁっ、ひんじゃう、やらぁやらぁやらぁ……っ!」
 碌に舌が回らない。
 もう頭の中など既に真っ白という名の快楽に埋め尽くされている。
 目を見開きつつ、涎をだらしなく垂らしてしまうがそれすら気にかけている余裕はない。
「あ、も、や、ああああ、あ、あ、ああっ、ああっ!」
「じゅるるるるるるるるるるる!」
 黒子が再び達するのと同時に更に勢い良く吸い上げる当麻。
「ぁ―――っ!」
 それによって黒子は快楽の上に更に快楽を上乗せされ、声にならない叫びを叫んだ。
 ドサリと音を立てて、再びベッドに倒れ伏す。
 やられてばかりだ、とどこか頭の冷静な部分が思うが、これ以上の快楽を得たい、彼に任せてしまえ、と何かが囁く。
 黒子がとったのは後者だ。
 彼女は当麻へと抱きつくと、いきりたった男根を見て、次に顔を上げて彼の顔を見つつ言った。
「当麻さん……ひは、黒子を、ん、お願いしますですの……」
「ん、わかってる」
 彼に抱き上げられる。
 頭を撫でられたそれをくすぐったく心地良いと思いつつ、秘所に何か暖かいものが触れたのを感じた。
 恐らくは彼の男根だろう。しかし、黒子は既に身を強張らせることはしない。
 黒子は再び彼の首に手を回して目尻に涙を溜めた危うげな笑顔で彼に懇願した。
 彼はそれに応え、腰を付きだし、
「あ――っ、かはっ……!」
 一気に黒子の再奥まで貫いた。

  ○◇○

「く、ぅううっ」
 きつい、というのがまず第一に感じた事だ。
 続いてくる、気持ち良すぎる自分の性器を締め付ける感覚に必死に抗う。
「だい、じょうぶか、黒子……っ?」
「はっ、ひ、だいじょ、ですの……」
 息を荒げつつも必死に答える黒子を見て、どこが大丈夫なんだと思い、抱き締める。
 黒子は腕の中で何度か震え、痛みの声を上げるが、暫くしてそれも止まった。
「も、大丈夫ですの……動いて、ください……」
 首に回された黒子の腕に力が篭る。
 当麻は頷き、腰を前後に激しく突き出し始めた。
 最初からトップスピード。
 決壊寸前だった理性は、もはや枷をはずされ止まることなど知らず、黒子の未成熟な膣を犯す。
 突き上げるたびに黒子の秘所から血と愛液が混じったものが吹きだす。
 あらかじめタオルを敷いておいたから良かったものの、これを敷いていなければ大参事になっていた事だろう。
 激しい水音が薄暗い部屋の中に響く。
「あ、ひぁっ、や、これ、はじめてなのに、いや、いやぁああ、変になってる、わたくし変ぁああっ!」
 ゴツリと亀頭部分に子宮口がぶつかるのを感じた。
 少し腰を動かしてやると子宮口に亀頭が擦れ、快感が体を走る。
「あっ、かはっ、息、もはひ、壊れ、壊れるぅ……っ!」
 呂律が回っていない叫びが聞こえるが、当麻とて既に余裕はない。
 先ほどから自分自身が爆発しそうになり、しかし、引き抜く事が出来ない。
「く、あ、も、出る……っ!」
「きす、キスをしてくださ、ひが、あはっ、キス……んぅ、んぐふっ」
 頭をぶつける様にして唇を重ね合わせ、そのまま互いに貪りあう。
 それと同時に当麻の分身が膨張の限界を向かえ、
「――ッ!」
 ドクドクドクッと激しく波打ち、黒子の膣内に白濁の液体をぶちまけた。
「じゅ、んんぐ、は、が、出てますの、なか、に出てますのぉ……ん、ちゅっ」
「ぷじゅ、んぐぁ、ふっ、んんぅ……っ!」
 なおも接吻を続ける二人。

952:クロキス~鉄矢でしか伝わらない思い~
07/01/09 03:01:05 5tvetSK1
 その間も当麻の男根は放出を全く止める気配を見せず、ぶちまけ続けていた。
 暫くして黒子が倒れると同時に男根が抜け、アーチを描くように白濁液が黒子の体にかかる。
 そこで漸く射精が止まった。
「はあ、はあ、はあ、はあ……」
 お互いに息絶え絶えと言ったところだ。
 もう既に黒子は限界だろう。

 しかし、しかしだ。
 当麻の中の欲望は未だにその勢いを衰えさせてはいなかった。
 そもそも当麻の生活というのは常にインデックスという居候によって性欲処理が禁じられているような状態にあった。

 簡潔に言ってしまえば溜まっているのだ。

「……」
 グッタリとした様子で荒い息を吐く黒子を見る。
 すると、黒子はコチラの様子に気づいたのか―、

  ○◇○

「はあ、ふ、あ、はひ……」
 凄かった、一言で言ってしまえばそんな漠然とした感想だ。
 しかし、彼に愛されたというのは確かだろう。
 その事を幸せに思いつつ、彼の顔を見ようとして―そこに獣を見た。
「ひはっ!?」
 目を見開いて、涙目のままロクに動かない体を腕を使って僅かに後退させる。
 それでも、あの獣からは逃れられない、と黒子は感じた。
「や、やぁ……」
 だが、彼になら、と納得して、黒子は、上条当麻という名の獣に全てを任せることにした。
「ひゃあああああああ!ひ、そこは、ちが、あんっ!?」

 夜はまだまだ長い。

  ○◇○

「……なぁ」
「なんですの、ケダモノ」
 うわきっつー!と心の中で叫びつつ、上条当麻は自分の横で怒った顔をしている白井黒子を見た。
「悪かったって、でも、あんまりお前が可愛かったから……」
 そういうなり彼女は頬を少しだけ赤らめた。
 お、効いたか?と思うとそれを読まれたかのように睨まれたが。
「まったく……一睡もできませんでしたし、腰がガタガタですわ……」
「でも凄かったよなぁ、お前の乱れようってごめんなさい嘘です、でも可愛いというのは本当でして、はいー!」
「……はぁ」
 彼女は溜息を一つ。
 二人とも現在は裸で布団に包まっているような状態だ。染みはなんとかなりそうだから良かったものの、
 タオルは完全にアウト。真っ赤に染まっていた。二重に折っておかなければ下まで染みになっていたかもしれない。
「でも、これで……」
 黒子が腕に抱きついてくる。
「うおっ、な、なんだ!?」
「うふふ、なんでもないですわー」
 本当に幸せそうな顔で当麻を見上げてくる。
 その笑顔が見れたなら少しくらい痛い目にあってもいいかもなぁ、などと思いつつ当麻も笑みを返した。
 その時だ。

953:クロキス~鉄矢でしか伝わらない思い~
07/01/09 03:02:23 5tvetSK1
 インターホンが押されたのか電子的な音が響いた。
「やべ、モーニングコールか何かか?」
「放っておけば大丈夫ですわよ。それよりも―」
「ん?」
 気になって振り向いてみれば、キスをねだるように黒子が顔を差し出していた。
 当麻は苦笑を一つ、愛しさを篭めて黒子と唇を重ねた。
 この愛しい少女と、ずっといられますように、とそんな幻想を抱きながら。





 当麻が祈ると同時――爆発音が響いた。

「「はい?」」
 二人の声が重なる。
 目の前には粉砕された壁とその瓦礫が。
 そして、そこに立っていたのは―。

「みぃ~つ~け~たぁ~」



954:891
07/01/09 03:04:02 5tvetSK1
以上です。
ここまで見ていただいた方には精一杯の感謝を。
それでは、またお会いする事がありましたら、その時はまた宜しくお願いいたします。では。

955:名無しさん@ピンキー
07/01/09 03:14:01 EVt4FgEI
GJです。最高です。続きが読みたいです。




…………白黒かわえええええええええええええええええええ(以下略)

956:名無しさん@ピンキー
07/01/09 04:57:00 K8Q5UqAK
GJ!!
この後は普通に修羅場と化すのか、案外すんなり行くのか、はたまた3Pに突入するのか
凄い気になりますが、GJです

957:名無しさん@ピンキー
07/01/09 05:32:49 VmklX98s
>>942
だから。
ロリ巨乳と言うパーフェクト生命体で我慢しろよ。

958:名無しさん@ピンキー
07/01/09 06:21:24 H++rkmL4
>……で、でかいですわ……。
>「早漏ですの……」
黒子っぽくていい。すごくいい。
やばいです。超GJ。

959:名無しさん@ピンキー
07/01/09 06:40:45 a45b4Y1o
なんて素敵(*´Д`)

960:名無しさん@ピンキー
07/01/09 08:15:05 UxyjyGvO
上条当麻の右腕はあらゆる幻想を殺す。
そう、幸せな事後の恋人達という幻想も(涙)。

961:名無しさん@ピンキー
07/01/09 08:46:05 Tsc9Oxpq
>>954
当然、この後の美琴を含めての3P(修羅場)も書いてくれるんですよね!!

962:名無しさん@ピンキー
07/01/09 14:15:47 IqCAVrIC
3P電流プレイ

963:名無しさん@ピンキー
07/01/09 17:41:43 Hbc0E0Sg
御坂一人だと直流で、ミサカが加わると交流になります

964:名無しさん@ピンキー
07/01/09 18:17:49 YPVI35JU
美琴センサー恐るべし

965:名無しさん@ピンキー
07/01/09 18:56:26 HrMyZt7V
そろそろ次スレだな。
今回はちゃんとテンプレ決めて立てないと。

966:名無しさん@ピンキー
07/01/09 19:07:19 Tsc9Oxpq
誰か禁書の同人書いてるサークル教えてくれないか?

967:名無しさん@ピンキー
07/01/09 19:23:19 BPRhrjT+
クレクレ厨を装って自サークルを宣伝しようとしてやがる君に乙

968:名無しさん@ピンキー
07/01/09 23:40:26 ygROC/0a
もーそろそろ新スレー

969:名無しさん@ピンキー
07/01/10 01:54:16 MrzITY9G
時代に乗り遅れ……orz

久々にスレを見てそう思った。
いい職人さんも多くなっておられる。
そして、
>>891
GJ!白黒大好きな圧死にはたまらん(*´Д`)

ところで、現在(時間がなくて)断筆中な美琴のssですが。
見てる間にだんだんアホらしくなってきたので書き直しちゃっていいですかね?
でもこうなると保管庫とか面倒臭くなると思うのですが……、皆さんの意見を仰ぎたいと思います。
ちなみに感じ的にはかなり長くなります。しかしその分頑張りたいです。

もし再執筆決定となれば、またまた新スレが立った頃に出没すると思いますので。

970:名無しさん@ピンキー
07/01/10 13:44:21 zoUpENCu
やる気あるなら、やるべし。
つーか、全力で保守するからがんがれ。

971:名無しさん@ピンキー
07/01/10 13:59:29 JvkfDxaV
そうか、上条の右手は「幻想殺し(イマジンブレイカー)」で
そしてもしかして唇は「貞操殺し(バージンブレイカー)」だったりするんか

972:名無しさん@ピンキー
07/01/10 14:51:36 NCxxbYWb
>>971
誰がエロい事を言えといった

973:名無しさん@ピンキー
07/01/10 16:38:31 VOykNAV4
おっぱいは正義。

974:名無しさん@ピンキー
07/01/10 21:02:45 hsIcEo8D
アソコは性器。

975:名無しさん@ピンキー
07/01/10 22:30:19 SrPJqzJ7
だれg(ry

976:名無しさん@ピンキー
07/01/10 22:48:53 Nb2uYjFe
次スレは誰の手に。

リクで描かれた吹寄たんの胸って許容範囲内ギリギリの大きさだーなー。

977:名無しさん@ピンキー
07/01/10 23:22:35 d/N9nKxN
    \\  あんまり立て逃げしないで! あなたはだれにもフラグを!   //
     \\  ヒロイン増やすのやめてよ!  私が誰より一番!     //
     _       _              _       _        _
    ,'´  `ヽ   ,'´=[三]ョ          ,´∞ `ヽ    ,'´ `´ヽ     ,´   ヽ
   リソリノ"゙从∩ リソリノ゙"ヽ∩  , -― 、   l ノリ从从.〉∩ ル /ノノハ)〉∩ l ノリjji从〉∩
   ノjid ゚∀゚ノ 彡 ノjid ゚ -゚ノ 彡  リソリ"゙从∩ `(lリ゚∀゚ノリ彡  ヾ(リ゚∀゚ノ 彡  | (lリ゚∀゚ノ 彡
    (  ⊂彡.    (  ⊂彡.   ノid ゚∀ノ彡   (  ⊂彡.    (  ⊂彡    li( †⊂彡
    ビリビリ    ミサカ    打ち止め  百合子ちゃん 小萌せんせー 姫神(仮)
     蓮  __      ,-、-,         _        _       ,、,、,、,、 l≡l
.     || ,'´  `ヽ    / .《   ̄ ヽ    ,'´ .∧ヽ┏    '´  `ヽ〓  ,r ,ィ---ト、┃
     ┃l _ノ二ヽl∩  |〃!/从i.リl)∩.  [( 工∨_]∩ . ノ卯ソノノ从)∩  ly ,'`´'`ヾi∩
      | ノjリ ゚∀゚ノj彡  | ハ|| ゚∀゚ノ|彡  //从リ-ソノ彡  《 il`リ#゚∀゚ノl彡ヽ w(i ゚∀゚ノ'彡
      | (  ⊂彡.   ノ/ (φ⊂彡   ζ ( ┏⊂彡  )) | (〓⊂彡  [[]━( ━⊂彡
      アニェーゼ  (( ねーちん    ミーシャ      白黒      冥途

978:名無しさん@ピンキー
07/01/11 00:03:08 uhZH1oJJ
>>977
一番重要な青ピも入れるべき!

979:名無しさん@ピンキー
07/01/11 00:20:46 ppSHUUrJ
>>977
落ち着け、ミーシャじゃなくてサーシャだ。


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