【貴方が居なければ】依存スレッド【生きられない】at EROPARO
【貴方が居なければ】依存スレッド【生きられない】 - 暇つぶし2ch550:名無しさん@ピンキー
07/06/18 11:26:50 leTVnvfY
確かに少ないかもしれないね。あんまり一般的な属性でもないし
◆x/Dvsm4nBI氏の続きやら新しい投下があれば
ちょっとはまた盛り上がるとは思うけど

551:名無しさん@ピンキー
07/06/19 10:42:51 sa50GeOm
書き込む住人だけでも10人はいるかと思っていましたが・・・。
◆x/Dvsm4nBI 氏の他、過去に投下された方の数も少ないわけではありませんし。

と言うわけで期待保守

552:名無しさん@ピンキー
07/06/19 10:59:54 FukrR9yb
パンツ下ろしたまま淫魔先輩を待ち続けているオレがここにいる

553:名無しさん@ピンキー
07/06/19 11:08:58 n+W2N/Cm
ゼロの使い魔とかでやられた人もここを覗いてそうなんだけどなぁ。

554:名無しさん@ピンキー
07/06/19 21:37:11 sa50GeOm
あれって依存とかありましたっけ?
いやまあ、主人公がいないと主が何回死んでいるかわかりませんが。

555:名無しさん@ピンキー
07/06/19 22:03:46 n+W2N/Cm
>>554
ルイズ

556:名無しさん@ピンキー
07/06/20 00:55:13 Q37X2l61

そういえば後追い自殺未遂をやらかしていましたねw
アレはこのスレ的にも良かった。

557:名無しさん@ピンキー
07/06/21 06:35:53 bvNqkDs5
未亡人が遺骨or位牌でオナるに死者への依存をみたい、24時間入れたままでないと生きられない…みたいな
喪服とリスカそして位牌

558:名無しさん@ピンキー
07/06/23 03:37:14 rwB8zzNc
投下待ち上げ

559:名無しさん@ピンキー
07/06/24 00:55:38 tiM9YQ/J
このスレ見つけて一気に読みふけっちまった。
サクサク読めるのから重厚な奴まで素晴らしい品揃えだぜ。

560:名無しさん@ピンキー
07/06/25 01:50:52 DAxRvl0J
凄くいいシチュだと思うんだが伸びないな

561:名無しさん@ピンキー
07/06/25 01:51:42 DAxRvl0J
すまん誤爆した

562:名無しさん@ピンキー
07/06/25 05:33:29 4It0A5ny
狙ったな

563:名無しさん@ピンキー
07/06/26 06:25:46 oj8aeOGT
ヤンデレ(notヤンキー)やキモウト等との競合
鉈っぽい打ち切りフラグ処理
が遠因か

564:名無しさん@ピンキー
07/06/28 13:22:57 MvFCGile


565:名無しさん@ピンキー
07/06/28 15:03:16 RR8vzRJZ
保守なんてしなくても落ちないから

566:名無しさん@ピンキー
07/06/28 19:51:06 NkM+pg3z
もうこのスレ無しでは生きていけない…

567:名無しさん@ピンキー
07/06/30 22:30:43 1phadcpN
けれど私達たちにはしてあげる事がコレ(保守)くらいしかッ……

568:名無しさん@ピンキー
07/07/01 07:32:23 EA36+iPh
頼む・・・投下を・・・

569:名無しさん@ピンキー
07/07/01 13:42:13 qUUSrgIb
「お願い……捨てないで……」

幼なじみの奏が、僕に抱きつきながらそう言った。
はっきり言って意味が分からない。
捨てるも捨てないも、そもそも僕らは付き合ってはいないし、僕には昨日彼女が出来たばっかりだ。

「お願い…愛してくれなくてもいいからぁっ…」

僕の胸に顔を押し付けながら、泣き出す奏。

「美紀の次でいいから、お願い……」

美紀ってのは彼女の事で──

「そばに居させて──」

そう、悲痛な表情で言う奏を突き放す事など出来る筈もなく、僕は奏に言う



「保守」

570:名無しさん@ピンキー
07/07/01 19:51:04 IOYlWJ8N
俺は今日もこのドアを開ける。

「よぉ…元気にしてるか?」

安アパートの部屋に入ると奥から女性が飛び出てきた。
飛び切りの美人だ…。俺の思い人。そして俺が手に入れてしまった女性。
飛び出てきた女性は俺を力いっぱい抱きしめ言った。

「お願い、欲しいの…頂戴!何でもするから!」

事の始まりは一ヶ月前だった。片思いの女性に告白する勇気が無かった俺は、先輩に相談した。
暴力団や裏組織などとのつながりがあると噂されていたが、頼りになる兄貴分だった。
俺の思いを聞いた先輩は、後日妙な液体の入ったビンをくれた。先輩曰く「最高の惚れ薬」だと。
俺は片思いの女性に飲ませた。こんな事になるとは知らずに。

先輩がくれた「最高の惚れ薬」は麻薬だった。普通の麻薬とは違い、肉体はぼろぼろにならず幻聴や幻視も無い。
薬物検査に引っかからず法的に規制されても居ない。ただ、あるのは強すぎる精神依存と快楽だけ。
思い人は一瞬にしてこの薬の虜になっていった。飲めばありとあらゆる刺激が強烈な快楽となり、効果が切れれば
ありとあらゆる事が負の感情となり心を蝕む。薬無しの生活など彼女にはありえない。薬を手に入れるためならば、
すなわち俺から薬をもらうためならば何でもやるようになった。

裕福な家庭のお嬢様だった彼女は親の金に手を出し家を追い出され安アパートに引っ越してきた。-俺の隣に。
薬無しの…いや、薬だけの生活になっている彼女は仕事など出来るはずも無く、一日中家に篭っていた。やることといえば、
寝て、起きて、食事して、トイレに行って、後は薬だけだった。親から勘当されている彼女に仕送りが来るはずも無く、生活費は
すべて俺が面倒を見ていた。薬もだ。薬は先輩から買っている…頑張れば変えなくも無い高額で、だ。薬を買うために、彼女を
養うために俺は朝から晩まで働いた。薬が無ければ彼女を手放さなければならなくなってしまう。その意味では俺もこの薬に依存
しているのかも知れない…。

俺に抱きついている彼女の頬に一粒の水が落ちた。…俺の涙だった。確かに彼女は手に入れることが出来ただろう。
彼女の腰まで届く美しい髪も、豊満な胸も、女神のような顔立ちも。しかし、手に入れたのは体だけで心は…。

「ねえ!薬頂戴!お願いだから!」

俺は彼女を力いっぱい抱きしめた。いつの間にかあふれるように涙が出ていた。彼女はもう元に戻らない。
俺が壊したんだ。俺は申し訳ない気持ちが一杯でこう言った。

「保守」

571:名無しさん@ピンキー
07/07/01 22:37:00 G9K/bmHy
>>569-570
乙とGJ
投下して下さる神が少ないのは、まとめがないからだと思いはじめてきた今日この頃。

572:名無しさん@ピンキー
07/07/01 23:31:04 QNohkfRm
>>571
じゃあ作ればいいジャマイカ

573:名無しさん@ピンキー
07/07/01 23:33:39 CmkeYpRR
前にだれかHTML落としてった人が居たなぁ……。



どう見ても最近更新停滞してるあそこの管理人っぽかったが。

574:名無しさん@ピンキー
07/07/01 23:40:04 Zamv8YiL
ショチョウGJ

575:瀬錬
07/07/02 00:34:28 9qPHFr+z
ちょっと投下してみます。

576:身体の関係
07/07/02 00:37:13 9qPHFr+z
 ―ある女の子は、目が生まれつき不自由でした。
 ―ある男の子は、身体が生まれつき不自由でした。

「―さ。行きましょ」
「ちょ、ちょっと待って。まだボタンが……」
「大丈夫よそんなの。一個や二個、ボタンが止まってないからって」
「そうじゃなくて…… 掛け違えてる。一個ずつ」
「……」

 二人はある時出会いました。
 二人は自分の不自由な部分が相手の自由な部分である事を羨ましく思いました。

「は、速い速い! そんなに速く押さないで! ぶつかる!」
「何言ってるの! 今日遅れたら減俸なのよ!?」
「それはそうだけど……! あ、前方十五メートル先、右!」
「了解!」

 ある時、女の子は言いました。目が見えていいわよね。身体だけ動いてもどうしようもないわ、と。
 ある時、男の子は言いました。身体が自由でいいよね。目だけ見えてもどうしようもないよ、と。
 二人は壮絶な口喧嘩を繰り広げました。

「―で、上官どのは何て?」
「連続遅刻の上に器物破損で減俸は覚悟しておけって。はいこれ始末書」
「面倒ねぇ…… 文面、君が考えてよ。私が打つから」
「そう来ると思ったよ」

 紆余曲折あって、二人は仲直りしました。
 そして気付いたのです。

「今日は随分とキレがいいね。どうしたの? ―左三十度上二十度、一機」
「さっきので三機目でしょ? ―捉えた?」
「そう。 ―捉えた。ちょっと右。そう、そのまま」
「じゃあスコア更新。あの馬鹿コンビが自慢してきたから見返してやろうかと思って。 ―落とした?」
「なるほど。 ―落ちた。いい動きだった」

 女の子の身体。
 男の子の目。
 二人が一緒なら、ほら。こんなにも―

「ん…… ヘンじゃない? 私の身体」
「そんな事ないよ。とても…… 綺麗だ」
「ふふ…… ありがと。どう? 眼帯、着けたままの方がいい?」
「? なんで?」
「目が人形みたいで気持ち悪い、って言われた事、あるから」
「そんな事ないよ。宝石みたいで綺麗だと思う」
「ホントに?」
「好きな人に―自分の身体に、嘘なんか吐かないよ」
「……ありがとう。自分の目の言う事だもんね。信じる」


577:身体の関係
07/07/02 00:39:18 9qPHFr+z
 こんなにも満たされて。
 こんなにも幸せで。

「―っ! はっ、はっ、っっ、く……!」
「だ、大丈夫……? もっとゆっくりした方が……」
「だ、大丈夫…… どう? 気持ちいい?」
「う、うん…… 暖かくて、なんだか、すごいや……」
「そう、良かった…… んっ、動く、わね」
「む、無理しちゃ……! う、あっ、くあっ!」
「ふふ…… 声、もっと聞かせて…… っ!」
「う、あ、あああッ!」

 君は私で、私は君で。
 僕は君で、君は僕で。

「私の中が、君で一杯ね」
「そういう事言うかな、普通」
「三回も出した癖に。この早漏」
「そ、それは、気持ち良かったし…… それに」
「それに?」
「き、綺麗だったから。君がイった時とか」
「それを言うなら君がイった時だって可愛かったわよ。女の子みたいだったし」
「止めてよ……」
「ふふっ……」

 この命尽きるまで。
 君と一緒に歩んで行く。


 ―はずだった。
 君が「私を」「僕を」裏切りさえしなければ―


「―どうして、こうなってしまったのかな」
 何処で間違えたのか。
 何を間違えたのか。
「さあ……? 私には分からないわ」
「まぁ、いいか」
「ええ。どうでもいい」
 敵は眼前。
 目は、身体は「二人」の時ほどではないけれど。
 「一人」の己に引導を渡すには十分に過ぎる。


 ―その事に気付いてから、女の子と男の子はお互いに支え合って生きていきました。
 いつまでも、いつまでも―



578:瀬錬
07/07/02 00:40:34 9qPHFr+z
以上です。

579:名無しさん@ピンキー
07/07/02 14:42:49 0BrV69kk
短いけど作品がktkr!
なんだか目からしょっぱい水が出てきたよ。

次はもっと濃厚なのを頼むッ!

580:名無しさん@ピンキー
07/07/04 19:14:53 DS3TTeUu
このままだと一年一スレッドになりそうだな。

581:名無しさん@ピンキー
07/07/06 02:04:13 99xDVg/p
一時期はふつうににぎわったんだがな・・・
またあの時の再現が起こらないもんか・・・

582: ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:23:39 xIArd9B9
久々に書いてみた。百合百合になったが反省してない。
というか、強化人間系の薬物依存を書こうと思ったのに、なんでこうなったんだろうか?
EXEs-R.A.C.E.に関しては読み方も姿も想像にお任せする

では投下、全9レスで百合

583:1/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:25:41 xIArd9B9
 西暦二〇七七年、人がスペースコロニーに住むようになった時代。人は宇宙に進出して尚、戦うことをやめていなかった。
 それまで宇宙の影に隠れていた生命体が、自らの生息域を侵犯されたと考えたのか、人間に襲い掛かってきたのである。
 話し合いの通じぬ彼らへ対抗する為、全人類規模で戦いを挑んだが、彼らの力は強く人類の半数が死滅するに到る。
 彼らに対抗する為、人類側は宙間機動戦闘用躯体EXEs-R.A.C.E.を開発し、反抗作戦を展開し始めた。
 だがEXEs-R.A.C.E.には厳しい使用制限が備わっていた……

***

 半年前までただの高校生だった私は、EXEs-R.A.C.E.の装者(レイサー)に選抜され、いつの間にやら
『地球統合軍第八機動艦隊二番艦宙間機動戦闘用躯体試験部隊所属三等空尉』
 という、いつまで経っても覚えられない肩書きを与えられた。
 私が統合軍の秘密兵器の試験装者となったのには、当然理由がある。
 確かに私の年代でも、志願兵として前線に行っている子たちはいるけれど、私はそういうことにはできるだけ関わりたくなかった。
 こんなことを言えば、人類の危機だと怒られるかも知れないが、私には戦いがひどく恐ろしいものに感じられたのだ。
 朝テレビを点けると昨日の戦死者の数を発表している。
 それを見ると毎日のように百単位の人が死んでいる、その中に私も入ってしまうかと考えると寒気がした。
 戦うことというより、死への恐れかもしれない。とにかく戦いや、それにまつわることが怖かった。
 なのに私が地球統合軍第八機動(略)試験装者になった理由、それは酷く単純だ。
 軍に入れば戦災によって重傷を負った母さんの医療費を、軍が払ってくれる―そのために、私は軍の戦闘兵器の一部となった。
「どうしたんです? 暗い顔して」
「―へっ?」
 声をかけられ気づくと、私の前には私と同じ肩書きを持つ、つまりEXEs-R.A.C.E.の装者であるリラ・キリュウが立っていた。
 そんなに暗い顔をしていただろうか?
「ああいや、なんでもない。それより、リラもお昼―って、凄い量」
 リラが手に持つトレイには、山盛りのパスタやマッシュポテト、それにデザートのゼリーが重なるようにして載っていた。
 リラは白磁の頬を赤く染めると、トレイで顔を隠し、小さな声で答えた。
「……だって、テストのあとはお腹が空くんです。フランは大丈夫なんですか、それしかなくて」
「ああ、うん。私はあんまりお腹空かないかなぁ」
 私のトレイにはチーズと合成肉のハムが挟まったハムサンドとオレンジジュースのパックだけ。
 ここに来た時にはもっと食べたような気がしたけれど、最近はあまりお腹が空かなくなってきていた。

584:2/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:27:44 xIArd9B9
 何故だろうか? と考えてもしょうがないことだ、おそらくストレスとかそんなのだろう。
「ここ座ってもいい?」
「どうぞ」
 リラは私の隣に座ると、小さく神へ祈りを捧げてから、食べ始めた。
 私は黙々と食べるリラの横顔を見つめ、この細い身体のどこにこれだけのパスタが収まるのだろうかと考えた。
 学生時代、特に背が高くなく身体の小さかった私よりも、リラは更に一回りくらい小さい。
 長いプラチナブロンドのおかげで、シルエットにはボリュームがあるが、それを一つにまとめてしまうと、折れてしまいそうなほどにリラは細く小さい。
 胸にいくというジョークを胸しか取り得のないアメリカ女が言っていたが、リラはそんなことはない。
 胸にも背丈にも志望にもいかないのなら、どこへ行くのだろうか。
 そう思って見ていると、リラの頬がじわじわ赤くなってきて、困ったようにこちらを見つめてきた。
「……あんまり見つめないでください」
 もじもじしながらリラが言うのに、私の中にある悪戯心がどうしようもなく沸いてしまう。
「どうして? リラがかわいいから見てるだけよ、気にしないで、ほら食べて」
「…………うう。イジワル言うときのフランは嫌いです」
「イジワルじゃないって、本心よ」
 そういってリラの髪に触れ、撫でると。リラの困り顔がほぐれ、とろんと弛んだ。
 そんなリラの素直なリアクションに、私はちょっとだけリラの貞操が心配になった。
 特に何かしたわけでもない私にこんなに懐くのなら、優しい言葉をかけられたら、飢えた男にあっさり食べられてしまうのではないかと。
 いや、私が心配するようなことではないか。心配するくらいなら、この子が一人でも大丈夫なように手助けしてやった方がましだ。
 それよりも、こうして女同士でベタベタしているせいで、同性愛者と言われないかを心配するべきか。
 ……でも、今の世の中同性愛者の女性は珍しくなくなっている。
 それは戦争最初期に男性の半数以上が死んだからであり、私たち女の身体から受胎機能が失われたせいでもある。
 現在、子供は自然受胎は不可能といわれており、人工授精がポピュラーだ。
 そのせいで子作りとしての生殖行為は失われ、本当の意味で好きなもの同士、ただ快楽を求める行為へと変質していた。
 だからそれまでは忌避され陰のものだった同性間でのそうした行為は、否定されることがなくなり。
 四分の三が女性で占められるこの艦の、同性愛者率は結構なことになっていたりする。
 この私ですら寝込みを襲われそうになったことがある。なんとか追っ払ったが。
 だが、リラは私同様に同性愛者でないと言い切れる。彼女は以前、同室の相手から犯されそうになった経緯があり。
 その時のことを怖そうに語った彼女が、同性愛者であるはずはない。私と一緒にいることでそう呼ばれないか、かなり不安だ。
 そういえば、何故かEXEs-R.A.C.E.の装者には、同性愛者が多く―あれ?

585:3/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:29:46 xIArd9B9
「なに? 風邪でもひいたの?」
 大量のパスタたちを食べ終えたリラが、ポケットから小さなケースを取り出し、そこから錠剤を四つ取り出すと飲下していた。
 リラは咽ながら、小さく首を振った。
「違いま、けほっ……すよ」
「なら今なに飲んだの?」
「これは……あれ? フランは飲んでないの?」
 頷いた。病気にでもならない限り、薬なんて飲みたいものではない。
「そっかぁ……」
 リラは一人で納得すると、ケースをポケットにしまい。
「そうだ、シャワー浴びにいこう、今の時間なら他に人いないよ」
「え、あ、うん」
 私はリラに引っ張られるようにシャワールームへと向かった。

***

 十二のブースに区切られたシャワールームは、男女それぞれ一つずつしかなく、混んでいるのが通常だが。
 昨日、新型のEXEs-R.A.C.E.が搬入され、その組み立てと調整のために、格納庫の人口密度は酷いことになっていたが。
 そのおかげでそれ以外の場所は、いつになく閑散としていた。
 新型の試験装者に選抜されたものたち以外―つまり私たちのような装者には更にその恩恵があり。
 普段はテストとレポートで一日が潰れるのに、今日明日は呼ばれない限りは休みなのだ。
 昔のこと、入隊の経緯を思い出してしまったのも暇だったからかもしれない。
 私はリラが服を脱ぐのを手伝ってやり、それから自分も脱ぎ、適当なブースに入ると、当然のようにリラも入ってきた。
「今日は混んでないから他使ったら」
 意地悪をいってやると、リラは私を睨み上げ。
「……一人ではいるの、怖いから、その……」
 今にも泣きそうな声でいった。
 もうその姿が愛玩動物かそれに類するものにしか見えなくなった私は、思わず抱きつきそうになったが、なんとか自重した。
 そんなことをしてリラに嫌われたくなかった。
「どうしたの……?」
 リラが不安そうな視線を向けてくる、私はにっと笑うと。

586:4/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:31:49 xIArd9B9
「なんでもないよ。ほら洗ってあげるから、背中向けて」
「あ、うん」
 いつものようにリラの小さな背中を洗ってやることにした。
 シャワーから艦の動力炉の余熱で暖められたお湯を出し、頭からお湯をかけてやると、リラは身体を縮めた。
「あ、熱い?」
「んーん、だいじょうぶ」
 共用のスポンジもあるが、何に使われたか分からないので私物のスポンジにボディソープをかけ、泡立てると、リラの肌を傷つけないように、そっと触れた。
「ふぇっ」
 驚いて声をあげるリラの背中を、そっとそっと、静かに擦る
「ひゃ、あはっ―や、やめてよ。くすぐったいよぉ、っ」
「えー、なにー、聞こえなーい」
 リラの背中というか肌は人並み外れて敏感なせいで、ちょっとくすぐってやると、直ぐに反応してしまう。
 リラは自分を抱きしめ、身悶えする。
「やめてやめてっ、くすぐったいよっ、あははっ、やぁ」
 そんなリラを見て、にやにや口元を弛めている私はかなり駄目な人かもしれない。
 リラはちょっと肉のついたわき腹付近も弱いが、首筋を軽く撫でてやるだけで、簡単にあられもない声をあげる。
「―ひゃんっ、あっ、やめっ、ううう……」
 逃れようとするリラの小さな身体を片腕で引き寄せると、腋の下を指先でこちょこちょとくすぐってやる。
 リラはまるで水揚げされた魚のように暴れまわるものだから、二人して滑って転んでしまった。
 打ったのが頭じゃなくお尻で良かったなんて思っていると、リラは楽しそうに笑い始め、釣られて私も笑っていた。
 重なった笑い声が途切れるまで、少しの時間が必要だった。

***

 予定していた装者が新型EXEs-R.A.C.E.に適合できず、その代わりとしてリラが新型の装者となった。
 リラが駆る新型は圧倒的なもので、偶然遭遇した彼らの艦隊をリラ一人で葬ってしまった。
 私はそれを見ていることしかできず、ただただ凄いなあと、そう考えていた。

 しかし、その翌週には私の考えは変わっていた。
***

587:5/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:33:57 xIArd9B9
 新型の装者としてあちことにひっぱりだこにされていた、リラと三日ぶりに会ったのはシャワールームの中だった。
 シャワールームのブースの中で、リラが糸の切れた人形のように倒れていた。
 私は直ぐに医務室まで行き、軍医を連れてきて、リラの容態を診させた。
「どうなの? 大丈夫なの」
 訊くと、軍医はため息を吐き。
「なんだ、ただのフィードバックじゃないですか」
 軽い口調でそう言った。フィードバック?
「これなら、いつもの対抗剤さえあれば……」
「ただのって何よ、教えなさいよ、なんなのよっ」

 軍医から聞き出したことによると。
 EXEs-R.A.C.E.の装者にはある特定の遺伝子が必要であり、それが選抜の理由となるのだが。
 その遺伝子は年齢と共に減少するし、EXEs-R.A.C.E.をまとって出撃するたびに減少する、だからいつかは乗れなくなるのだが。
 その減少を抑えるための薬物があり、それを服用することによって装者としての寿命を延ばせるらしく。
 リラが服用していた薬はそれらしく、リラのレイサーとしての寿命は幾許もなく、今は薬の力で乗っている状態らしい。
 だが、その薬は決して人体に無害と言えるものではなく、少しずつ寿命が磨り減っていくのだそうだ。
 私はその事実を聞き、それ以外の方法がないのかと訊くと、医師は意外にもあると答え、更に予想外の答えを言った。

***

 私は今、新型の装者として個室を与えられたリラの部屋へ来ていた。
 私物の殆どないリラの部屋は閑散としていて、もの寂しい。私はリラが目覚めるのを待った。
「……ん」
 リラの穏かな寝顔が崩れ、呻き声を上げるのを聞きつけ、声をかけた。
「おはよう、リラ」
「おはよぅ……あれ、なんでフランがいるの……」
 不思議そうにするリラ、私はリラの髪を撫でてやりながら答えた。
 EXEs-R.A.C.E.のレイサーとして戦う代償を知ったこと、それへ抗う手段を知ったこと、そして
「これからは私がリラの対抗剤になるから、だから、薬に頼らないでリラ」
「……え?」

588:6/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:36:01 xIArd9B9
 対抗剤以外による遺伝子減少への対抗策、それは―性的快楽。
 性的快楽を得たときに分泌されるそれは遺伝子の減少を抑えてくれる。
 軍人に同性愛者が多いのは、対抗剤を使用しないでの遺伝子減少へ対抗するためでもあるらしい。異性とするより気軽で、後腐れないから推奨されているのだそうだ。
 私がそのことを知らなかったのは、入隊してから半年は知らせないという規則があったため。私にも、もう少しで教えるところだったのだそうだ。
 驚いたように私を見上げるリラの視線に耐え切れず、私は視線を逸らした。
「リラが、そういうの怖いってのは分かるよ。でも薬で身体ぼろぼろにするよりいいじゃない、だから……怖いけど、私と、しよう」
「……フラン……フランはそれでいいの?」
「私だって怖いよ、怖いけど。身体がぼろぼろになるくらいなら、したほうがいいし。それに、リラだからこんなこと言えるんだ。ううん、リラじゃなきゃ、ダメなんだ。私の相手は」
 そう私にだって、いつかはリラと同じ様な症状に襲われる時が来る。
 それに対抗する為に薬を飲むか、しなければならないというのなら、身体がぼろぼろになる薬なんか服用したくない。
 だけど、相手が誰でもいいというわけじゃない。
 この艦にいる人で、リラ以上に親密な人はいないし、リラ以外に親友と呼べるものはいない。
 だから、というわけだけでもない。
 リラとならば、未知のその行為も怖くないように、そうお風呂でふざけ合うのと同じ様に出来るのではないかと考えたのだ。
「フラン、こっち向いて」
 リラの言葉に、そのお人形のような顔を見る。リラは僅かに涙していた。
「私もフランとしたかった。キスして、フラン」
「……うん」
 初めてのキスが寝ている少女相手など、全く予想しなかったが、考えていたよりは自然とできた。
 唇を重ね、どちらからともなく唇を割り、リラの舌が私の上唇を舐めた。
 積極的なリラに多少驚いていると、私の唇はリラの唇に甘噛みされ、そうかと思うと舌と舌が絡み合っていた。
「……んっ……んん……」
 唇よりも敏感な舌が絡み合う感触に、思わず声が漏れ出し、息が乱れてしまっていた。
 気持ちいいなあと思う反面、リラを気持ちよくしてあげたくなって、舌を動かしてみたが、リラほど器用に動かない。
 リラの舌はどうしてそんなに自在に動くのか、雑な動きしか出来ない私の舌を自在に操る。
 涎が舌に乗り、リラの口の中へ零れるのが分かった。
 リラは嫌がらず、瞑っていた瞳を開くと、小さく微笑み私の腰に手を回して引き寄せた。
 重なる身体に、私は妙なことを考えてしまった。
 唇を一旦離すと。
「ちょっと待って、私が上だとリラ潰れない」

589:7/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:38:10 xIArd9B9
 本気で不安だったから聞いたというのに、リラはまぶたをぱちくりと開いたり閉じたりしてから、笑った。
「ふ、ふふふ。だいじょうぶだよフラン、フランそんなに重たくないよ」
「いやでもほら、十キロ―いや、五キロくらい体重違うしさあ」
 別に私が太っているからではなく、体格差の問題だ。この体勢だと、リラを押し潰してしまいかねない。
 リラはひとしきり笑うと。
「そうだね。じゃあ、フランが下になって」
「うん。そうだ、服脱いだほうがいい?」
 そう訊くと、リラは頷いて肯定し、一旦ベッドから降りた。
 私は服を脱ぎ、ベッドの上に寝転がるとリラを待った。
 リラはクローゼットから何かを取り出してくると、服を着たまま私の上に跨った。
「あれ、リラは―ひっ」
 リラの手には、不思議なものが握られていた。
「ふふ、でも嬉しいなあ。フランから来てくれるなんて」
「ね、ねえリラ。その手に持ってるのは、なあに?」
 訊くと、リラは愉しそうに笑った。それだけで答えは充分だった。
「わたしがいつも使ってるの、今からフランにも挿入てあげるね」
 それはかわいらしいピンク色の、でこぼこがついた、リラが使うというにはあまりにも巨きすぎるディルドーだった。
 リラはそれをぺろぺろと舌先で舐めながら答えた。
「そ、そんなのはいっちゃうの、リラって」
「うん。フランはね知らなかったと思うけど、わたしフランのことずっと好きだったんだ。フランてお姉ちゃんみたいに優しくて、美人で、綺麗なおっぱいしてて、いつもしたいって思ってたの」
「……な、なに言ってるの」
 リラは恋する乙女な瞳でにっこり微笑むと。
「フランのこと、姦したいって思ってたの」
「で、でもリラって、女からレイプされて人間嫌いに……」
 リラは不思議そうに首を傾げ「わたしそんなこといったっけ」と言った。
「でも、されたときのこと辛そうに言ってたじゃない」
「―ああ、だってそれは、あの子上じゃなきゃやな子で、反りが合わなかったの」
「な……それだけなの?」
「うん」
 リラは天使の微笑みで答えた。

590:8/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:40:12 xIArd9B9
 何がなんだか分からなくなってきた、これはいったい。まさか
「リラって女の子好き?」
「うん、大好き」
 即答した。
「ああ、でもね。フランが一番好きだよ、誰よりも好きなの。だからフランの裸を他の子たちに見せないように、守ってあげてたんだから」
 混乱した私は何も考えられず、そこへリラは最終宣告のように告げた。
「じゃあ、挿入るね」
「……え―ええ、ちょっ」
 抵抗する間もなく、リラは私の秘部にそれをあてがうと。
「少しずついくより、一気にやった方が後が楽だから。ちょっと痛いけど我慢してね」
 リラは言うや、それを私の中に押し込んだ。
「――っっ!!?」
 膣から一気に脳天まで貫かれたかのような衝撃と痛みが走り、意識が一瞬飛んだ。
「ごめんね、いたかったよね」
 リラは耳元でそう囁いてくれたが、抜いてはくれず、挿したまま、私の下腹部をゆっくりと撫でた。
「今ね、ここくらいまではいってるんだよ。ふふ、フランは食いしん坊さんだ」
「……い、痛いの、抜いてよ」
「もう少し待ってね、今に気持ちよくなるよ」
 リラはそう言いながら手を這わせて、股間に伸ばすとそれをピストンさせるのかと思いきや、違う部分に触れた。
 そこに触れられると、先程とは違う、電流に似た、上手く言葉に出来ない感覚が体中に溢れた。
「ねえ、フランってオナニーするときって、どこら辺触るの?」
 リラはクリトリスをくすぐりながらも、耳元で囁き続ける。
「ナカ? それともこっち?」
 私は首を振った。
「じゃあどこで……あれ? もしかして、オナニーもしたことなかった、とか」
 その問いに答えるのは辛かったが、私は小さく頷いた。
 すると、リラが愉しそうに笑い。
「じゃあ、わたしフランも触ったこともなかった場所に触ってるんだ。なんか、うれしいねぇ」
 クリトリスが抓まれ思わず腰が浮き、その振動が膣内のそれにも伝わって微妙に動いてむずがゆいような感触。
「いいから、早く抜いてよっ」

591:9-1/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:42:14 xIArd9B9
「……そんなに嫌なの?」
 私が頷くと、リラは残念そうにため息を吐き、抜いてくれた。
 異物が入っていたせいで拡がっていた膣が元に戻り、落ち着けたけど、何故か物足りなさを感じた。
 リラは今まで私の中にはいっていたそれを、口に含み蕩けた表情で味わって、言った。
「じゃあ、今日はわたしがこれ使うね」
 口から抜くと、私の上に跨ったままスカートをたくし上げ、パンツをずらして挿入した。
「くっ……あ……ぁんっ」
 リラは苦痛そうに顔を歪め、身体を痙攣させると、しかし直ぐに顔の緊張を解いた。
「ねえ、フラン。自分で動かすのって辛いの、だから……おねがい」
 リラはくたっと倒れ、足を広げたまま辛そうに体を動かす。
 私はごくっと唾を飲むと、身体を起こし。
「いいの?」
 と確認した。
 リラは頷き、やりやすいようにか、更に足を広げた。
 私は自分が先程された苦しみを理解しながらも、リラの膣に突き立つそれを掴み、まずは引き抜いてみた。
 するとリラは上体をくねらせ、自らを抱いた。
 私はいつのまにやら、ほしがりな涎で濡れたピンク色の唇へ押し込む。
「あ、ああ、う、擦ってる、こすってるよぉっ。あ、……ああああっ」
 挿し方が拙かったらしいと思い、引き抜き再び突き刺す。自分の感覚の届かないディルドーがどう進んでいるのかわからない。
 前後に押し出しするだけでも、リラは喜んでくれるが、動かしているうちに、リラが特に好きな場所がなんとなくわかった。
 こうした経験はなくとも、リラをくすぐることにかけては経験豊富な私だ、リラの表情や声の出し方で、どこを触られたら気持ちよくて不快かくらいは判る。
「いっ……やっ……そこ…もっと……ううう……フランすごいのぉ……」
 リラは奥まで突き立てられるよりも、膣壁を抉るように進ませた方がいいようで。奥まで入れると、痛いだけのようだ。だからこそ。
「ひゃんっ―またっ、っ、いっ。ひど、いよっ」
 奥を重点的に突いた、先程のお返しだ。
 奥を突かれると痛みも強いがその分、快感も強いらしく、リラの小さな肢体が激しく悶えた。
 痙攣し、いちいち表情を歪めるリラに、なんだか愉しくなってきてどんどん攻める動きが激しくなっていくのが自分でも分かった。
「ねえリラ気持ちいいの? ねえ答えてよ、ねえ、ねえ」
 リラの胸を撫でながらいうと、リラは涙ぐんだ目で私を責めた。
 リラの気持ちなど、応えてもらわずとも、手に感じる心臓の鼓動で理解できた。

592:9-2/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:44:20 xIArd9B9
 だから、それまでの身勝手な責め方から変更し、リラが気持ちいように膣襞を抉ってやる。
 リラは手で、顔を隠し、言葉を洩らした。
「も、……だめ」
 リラの身体が一段と激しく痙攣し、リラは勢いよく尿道からおしっこを飛ばし、ベッドへ、なにより私の顔へかけた
 リラの熱い迸りに、私はそれが汚いものだと判りながらも、何故か少しだけ嬉しかった。
 それが何故なのかわからないけれど、
「お漏らししちゃったね」
「……ばか」
 というリラがとてもいとおしい存在に想えた。
 私はリラの唇に唇を重ねると。
「じゃあ、今度は私にして」
 と言い、リラが嬉々として目を光らせたのを見て。
「でも、先にお風呂に入ろう。臭いままじゃいやでしょ」
 そういってベッドから降りた。


  完

593: ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:46:41 xIArd9B9
先生! エロい文章の書き方も判りませんが、
行数が横に出るエディタ使ってるくせに、総レス数間違えた自分の脳みそが理解できません!

以上、保守。

594:名無しさん@ピンキー
07/07/07 18:06:34 XeKURn6w
GJ!
なんと言うクォリティwww
これはもう既にエロパロとかの域を遥かに超えているwww

595:名無しさん@ピンキー
07/07/08 06:10:50 5OePNicn
アゲ

596:名無しさん@ピンキー
07/07/09 18:51:29 d05hlNFO
>>593
GJ!
職人が降臨されたのにGJが一つしかないとは…。かく言う私も二日遅れだがw

597:名無しさん@ピンキー
07/07/11 00:54:04 WASHpHqr
百合だ!百合だぞ!
最高だ!!

598:名無しさん@ピンキー
07/07/12 20:53:19 vR0YZJnQ


599:名無しさん@ピンキー
07/07/15 05:06:28 nxHSp54x
補者

600:名無しさん@ピンキー
07/07/16 14:21:44 BOj/CVXV
これだろ?!
URLリンク(jggj.net)
URLリンク(jggj.net)
URLリンク(jggj.net)

601:名無しさん@ピンキー
07/07/16 20:13:42 qsstGIeJ
普段は女に相手にもされない虚しい住人どもの巣窟か
キモヲタは、くたばれ・消えろ・失せろ・潰れろ・馬鹿・あほ・間抜け・ドジ。
ポンコツ・トンチキ・ガラクタ・クズ・ゴミ・カス・最低以下の下劣・下等種族。
劣等種族・下衆野郎・腐れ外道・邪道・外道・非道・ウジ虫・害虫・ガン細胞。
ソマン・マスタードガス・ダイオキシン・イペリット・クソブタ・悪魔・電波・殺人犯・ブタ野郎・畜生・鬼畜・悪鬼。
ライトニングロードローラーの餌食になってしまえ・マンキンEXE・欠陥住宅・寄生虫・大虐殺者。
邪気・邪鬼・ストーカー・クレイジー・ファッキン・サノバビッチ・原爆・水爆・核ミサイル・シット・ゴキブリ・ガッデム。
小便・便所の落書き・サルモネラ菌・サディスト・不要物・障害物・産業廃棄物・邪魔者・除け者・不良品・カビ・腐ったミカン。
土左衛門・腐乱・腐臭・落伍者・犯人・ならず者・いんぽ・チンカス・膿・垢・フケ・化膿菌・О157。
放射能・放射線・鬼っ子・異端者・包茎・妄想・邪宗・異教徒・恥垢・陰毛・白ブタ・愚か者・下水道。
ケダモノ・ボッコ・ろくでなし・VXガス・ヒ素・青酸カリ・地獄逝き・ウンコウマー・監獄・獄門・さらし首。
打ち首・市中引きずり回し・戦犯・絞首刑・斬首・乞食・浮浪者・ルンペン・物乞い・下等生物・アフォ。
放射性廃棄物・余命1年・アク・割れたコップ・精神年齢7歳・裁判は必要なし。
不良品・規格外・欠陥品・不要物・チムポの皮が3メートル近くある・糞スレ・埃・掃き溜め・吹き溜まり・塵埃・インチキ・居直り。
ふてぶてしい・盗人・盗賊・残忍・残酷・冷酷・非情・薄情者・ガキ・クソガキ・哀れな奴。
ファッキン・ガッデム・サノバビッチ・シット・ブルシット・ボロ・反省する気も謝罪する気もゼロのDQN・ボッコ・妄信。
狂信者・有害物質・毒薬・猛毒・発ガン物質・誇大妄想狂。他人の悪口は山ほどほざくが反省は一切しないガキ根性野郎・腐れ根性。
腐って歪んだプライドの持ち主・狭量・ボケ・ボケナス・アホンダラ・たわけ。
怠け者・無能・無脳・狂牛病・脳軟化症・思考停止・アメーバ・単細胞・蠅・蚊・カビ・排気ガス。
腐敗・膿・下劣・下等生物・劣等種族・クレイジー・マッド・ストーカー。
人格障害・守銭奴・見栄っ張り・ええ格好しい・粗製濫造品・偽物・似非・ブォケ。
イカレ・乞食・浮浪者・ルンペン・狼藉者・放蕩息子・道楽息子・極道息子・要らぬ存在・ヘッポコ。
迷惑・困りもの・厄介者・村八分・異端者・アウトサイダー・死人・水死体・お前はもう死んでいる。
ナチスドイツ・アルカイダ・ビンラディン・三菱自動車・麻原・731部隊・ポルポト派らと同類。
宇宙一馬鹿で間抜けで弱い種族と同類・下品マン、ギロチン、永遠地獄行き、
ฺღ〠ᩬǛとか意味不明な言葉を発する種族と同類。
他人にばっかり迷惑をかけて自分は迷惑をかけられてないのに.くらいの反省すらしない馬鹿餓鬼。
クソガキ、悪趣味、麻薬売人、首飛び、違反行為、エログロ好き、池沼。
王様に迷惑、伝説に伝わる程の馬鹿、壊れたフロッピーディスク、激極大癌細胞。
しつこいコケ、キモヲタ、グロヲタ、エロヲタ、異常な売買、客としてキムチ.ぐらいも渡せない。
\_WW/|WWWWWWWWWWWWWW/
≫そして、こんな数の悪口を考え、≪
≫作る精神と体力が.ぐらいもなく ≪
≫馬鹿という悪口すら言えないグズ≪
/MMMMMMMMMMMMMMMMM、\
    ∧_∧
    (  ´A`)
    (     )
    |  |  |
   .(__)_)

602:名無しさん@ピンキー
07/07/17 19:24:47 Jyn8q5/k
>>601
ツンデレまで読んだ

603:名無しさん@ピンキー
07/07/17 22:13:52 sNBGhq5D
ライトニングロードローラーって何だろうな。かっこいい。

604:名無しさん@ピンキー
07/07/18 17:44:25 LY526u6d
>>603
よく見つけたなwww
ほんとだww カコイイww

605:名無しさん@ピンキー
07/07/18 18:11:59 00ObQZOn
ライトニングロードローラーだ!

606:名無しさん@ピンキー
07/07/19 02:53:08 hBxQWNCF
屁種

607:名無しさん@ピンキー
07/07/19 09:42:48 iGw/3Cs2
 ガッデム・ボッコ・クレイジーとか二回出てきているのがいくつかあるな。字数稼ぎかな?
 あとガッデムとか三菱自動車とか今ひとつ悪口として分からないものもある。

 なんか見ていて中学校のころ隣に住んでた女の子を思い出した。
 当時小学校ぐらいのその子はいつも俺に遊んでくれとねだってきていたな。
 でもいつも遊べるわけじゃなくて、そんなときは彼女にひたすら罵られたんだが、小さい子供のいうことだから今ひとつ悪口になりきっていないところとか同じ言葉を繰り返すとかそういうところがあったんだ。
 友達とか見たことなかったし、今考えると寂しかったんだろうな。

608:名無しさん@ピンキー
07/07/19 09:53:44 vknAnOzF
それ依存フラグだな

609:名無しさん@ピンキー
07/07/19 17:50:50 88/MFZFt
>>607

.      ,.r''´      ; ヽ、
    ,ri'  、r-‐ー―'ー-、'ヽ、
   r;:   r'´        ヽ ヽ
  (,;_ 、  l          ::::i 'i、
 r'´    i'   _,   _,.:_:::i  il!
 ヾ ,r  -';! '''r,.,=,、" ::rrrテ; ::lr ))
  ! ;、 .:::;!    `´'  :::.   ' .::i: ,i'
  `-r,.ィ::i.      :' _ :::;:. .::::!´
     .l:i.     .__`´__,::i:::::l
     r-i.     、_,.: .::/
      !:::;::! ::.、     .:::r,!
     l::::::::ト __` 二..-',r'::::-、
     l;::i' l:     ̄,.rt':::::::/   ` -、
    ,r' ´  ヽr'ヽr'i::::::::;!'´

 ソレナンテ=エ=ロゲ[Sorenant et Roage]
     (1599~1664 フランス)

610:名無しさん@ピンキー
07/07/24 12:44:45 HwkH1EEj
>>607
早く連絡を取れ。今ならまだ遅くないかも試練

611:名無しさん@ピンキー
07/07/25 04:45:57 DGXcwKNa
保守

612:名無しさん@ピンキー
07/07/27 13:20:54 EkOUgvb9
つーかこのスレ見てるやつ今何人居る?

613:名無しさん@ピンキー
07/07/27 14:45:41 8MWqe+3E
少なくとも、三人以上。

614:名無しさん@ピンキー
07/07/27 15:06:34 WOiNjekp
おるよ

615:名無しさん@ピンキー
07/07/27 18:40:08 tEi2cccM
俺も俺も

616:名無しさん@ピンキー
07/07/27 19:34:42 d/LBHIdv


617:名無しさん@ピンキー
07/07/27 19:41:30 7jtCShDx
ノシ

素直スレの同級生(略

618:名無しさん@ピンキー
07/07/27 19:43:52 7jtCShDx
は良い依存だと思う

スレが切ないのは
デレ≒依存
でアッチが盛況だからかねぇ

619:名無しさん@ピンキー
07/07/28 01:37:37 08M/lKVT
圧縮前ほーしゅ。


620:名無しさん@ピンキー
07/07/28 22:41:25 H1o/blrY
ニャ━━ヽ(゚∀゚)ノ━━ン!!

621:名無しさん@ピンキー
07/07/30 21:31:18 Iwp6O8ra
刻が見える

622:名無しさん@ピンキー
07/07/30 21:56:32 moBV2WSP
結構良くみる台詞だが大本は何なんだろうか?

623:名無しさん@ピンキー
07/07/31 11:55:53 J/VQ72Ph
>>622
 ファースト・ガンダ無
 ララァ・スン嬢のお言葉より

624:名無しさん@ピンキー
07/07/31 11:59:04 /ohhm7+f
>>623
㌧クス

625:名無しさん@ピンキー
07/08/05 04:29:42 XP3GrdhC
何気に毎日覗いてるなぁ

626:名無しさん@ピンキー
07/08/05 20:28:24 XzY0Muq/
俺も。
気の強いヒロインで書いてくれないかな~

627:名無しさん@ピンキー
07/08/05 23:24:18 aJlsL6h/
人はいるのに新作がこないってのが悲しい…

628:名無しさん@ピンキー
07/08/09 02:49:56 Tp6wYkxD
携帯ロム厨の俺が保守アゲ

629:名無しさん@ピンキー
07/08/11 01:07:31 +Y+Yc9ZN
あげてみる

630:名無しさん@ピンキー
07/08/14 20:22:36 L0YrZriI
保守age

631:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:12:25 VfM+guZa
携帯からのカキコは初めてなもんで(これで本当に下げてんのかどうかすらわからん)、うまくいかないかもしれんが・・・、とりあえず投下。

632:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:13:25 VfM+guZa
「別れよう・・・」
 ガシャン、という音がした。下を見ると、私が今まで持っていたコップが、みるも無残に砕けていた。
「な、何でそんなこと言いだすのよッ!」
 表面上だけでも虚勢を張ったが、それもいつまで持つかわからない。
「お前の父さんから聞いた。縁談、あるんだってな」
「だから何なのよッ!?」
「わからないのか?縁談がある人に、彼氏がおかしいんだよ。だから、俺と別れろ」
 さっきより強い彼の口調に、私は思わず口をつぐんでしまった。しかし、このまま黙っていれば、私が黙認したことになってしまう。

633:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:14:27 VfM+guZa
「い、いやだ!」
「お前・・・はぁ」
と、彼は困ったように嘆息する。
「何で、なんで縁談があるからってアンタと別れなくちゃいけないの!?」
 別れる、という恐怖に耐えられなくなって、ついに私は涙を堪えられなくなってしまった。
「私は、ぐずっ、アンタの事が、ひぐっ、死ぬほどすきだよぅ・・・えぐっ、私は、アンタがいない、ひぐっ、と生き、ていけないのに、えぐっ、嫌だよぅ・・・ぐずっ、別れるのだけは、ひぐ、絶対いやぁ・・・」
 私がそう言うと、彼は辛そうな目をしながらも、
「別れよう」
と言った。

634:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:16:34 VfM+guZa
 私の中で、何かが切れた。私は、近くにあった果物ナイフを手に取った。それは、この前買ったばかりで、まだ切れ味は相当良かった。
 私がその切っ先を自分に向けると、彼の顔色が変わった。
「お、おい・・・」
「アンタが、えぐっ、どうしても別れるっていうんなら、ひぐっ、ここで死んでやるッ!!」
 そして、目をつぶり、自分目がけて包丁を突き立てた。
 ぐしゃ!、という肉を切り裂く音が耳に入る、がしかし、自分の体にナイフが突き立った感触はない。
 恐る恐る目を開けると、そこには信じられない光景があった。

635:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:17:39 VfM+guZa
 彼の腕に、ナイフが刺さっていた。完全に貫通している。そこからは、真っ赤な血がどくどくと・・・。
「い、いやぁ・・・な、なんで・・・」
 腰が抜けてしまい、すとん、と床に尻餅をついてしまった。
 床は血で真っ赤。私のお気にのブラウスも真っ赤。彼の体も真っ赤・・・。
 突然、バタン!という音と共に彼が倒れた。彼の顔は、腕からあふれる血とは対称に青白くて、今にも死にそうで・・・。
「いやだぁ!起きて!起きて!やだやだやだやだやだ!私を一人にしないで!私の所為で死なないで!」

636:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:24:12 VfM+guZa
 もう、僕の力じゃここが限界です・・・・・・orz
 非常に拙い文章のうえに、30分で書いたことがバレバレの浅はかなストーリーですみませんでした。

637:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:53:43 thLtn+NQ
>>636死ね。頼むからもう二度と投下もカキコもしないでくれ。

本当に不快な気分になったからさ。

638:名無しさん@ピンキー
07/08/15 03:30:28 +er3rQTV
>>637
クレクレ野郎の癖に態度だけはデカいんだな。
お前が死ねwwwwwwwwww

639:名無しさん@ピンキー
07/08/15 08:02:31 YaSRL00E
せめてヤンデレか修羅場スレに投下するべき内容だったな。

640:名無しさん@ピンキー
07/08/15 14:09:12 Iw13pV6l
>>636
謝るぐらいなら書くな
貴方は神(職人)が見捨てたこのスレに、どのような文にせよ投下したのだから。
誇る事は出来なくとも謝る必要は無いはずだ。


あ、でも誤字脱字はそれ以前の問題な。
ストーリーや文章力の是非はおいといて、携帯だからといって推敲しないのは論外。
>>632
>縁談がある人に、彼氏がおかしいんだよ


641:名無しさん@ピンキー
07/08/15 17:31:06 3WBcHzMl
SSを投下したい気持ちと大まかなプロットはあるんだけど、
今まで短い小ネタみたいのしか書いた事無いから
エロを含めたある程度長いSSを書けるかどうかが不安でたまらん。

642:名無しさん@ピンキー
07/08/15 18:16:33 XWJrwDh9
メモ帳開いてまずは、書け
そしてえぐり込むように、推敲
一晩と言わず3日は寝かせて
自信が無かったら、ひたすら音読
無理に長くしなくても短いSS、十分結構
中途半端なエロを無理矢理ねじ込んだ尻切れ蜻蛉より全然桶

萌え~なほのぼの微エロスキーな自分が言っても
全然説得力ないかもしれんが、神の降臨を心より待ち望む
只、度重なる誘い受けは勘弁な


643:名無しさん@ピンキー
07/08/21 12:40:22 w4ssBgCt
保守
まだ沈ませんぞぉ

644:名無しさん@ピンキー
07/08/21 20:19:52 z/m1iVDb
クレクレのくせにえらそうなやつがいるから過疎るんだよ・・・

645:名無しさん@ピンキー
07/08/22 20:02:29 tcWh85lt
依存キャラがいるネット小説知らね?

646:名無しさん@ピンキー
07/08/23 03:26:08 NNi2Qwzj
hisavisaに来た俺に三文字以上二文字以内のお題プリーズ

647:名無しさん@ピンキー
07/08/23 03:28:17 NNi2Qwzj
ごめ……誤爆orz

648:名無しさん@ピンキー
07/08/23 21:07:27 hd5/dIF0
>>646

マジレスしてやるぜ



物理的にミリだwww
三文字以上二文字以内ってどうしろとwww
ってかどんな感じで書けばそうなるか教えてくれwww

649:名無しさん@ピンキー
07/08/23 21:45:42 BSd4zwwH
    _
イ衣イ子

これなら3文字以上使っても文意は2字だぜ

650:名無しさん@ピンキー
07/08/24 04:37:41 xkToCdBQ
なんかどこに書くべきかよく分からん内容になったけど、
このスレを愛してるのでここに。
短いしエロ無いけど、次はもっと長い尺でヤるので許して下さい。
こういうとこに書くのなれないので
改行で読み難かったらごめんなさい。

「何時?」
鈴の震えるような、か細い声が、饐えた匂いのするこの部屋に響いた。
問われて俺は、古い映画を映すモニターから目をそらさずに答える。
「三時」
古い映画は好きだった。何でかは分からない。
青みがかったフィルムの向こう、売女が笑う。
「あたしお腹すいた。サクちゃんは?」
衣擦れの音、足音、一定のリズムでぱたぱたと響く。
「食べ物は」
リモコンをぱちぱちと弄り、映像を
いったん止めてから、声の方へ歩む。
「ないよ」
少女は小さな頭を振って、黒く長い髪を揺らす。
それが近づいた僕に当たって鬱陶しい。
大きく可愛らしい目、長い睫毛。
食べ物がないと分かるや否や尖らせた口。
「買ってこようか」
「いいよ。あたし外出たくないし」
少女はふるふるとその頭を振って、振って僕の申し出を拒否した。
栄養なんか微塵もとってないような矮躯、
発育の悪さが如実に出た低身長。
遺伝だと少女は言うが、僕は彼女の家族を
見た事が無いので何とも言えない。

「だから僕が買ってくるって言ってるんだけど」
少女は大きな目で僕を見上げて眉根をよせる。
「あたしを残して? だめ、絶対だめだからね」
僕は安心すら覚えた。彼女が僕に、依存してくれている事に。
それは異常だと、大学の知り合いにも言われたりした。
しかしお互いが望んでいて何も困ることなどない。
ある意味これが幸福の形なのだ、僕らにとっての。
少し、だけど、少しほんの少し、僕は嗜虐心をくすぐられた。
その少女の、ひた向きに注いでくれる愛情に対して。
「残してくって言ったら? それでもう帰ってこなかったらどうする?
 僕がさぁ、外に出て車に轢かれでもしてさぁ、
内蔵とかいっぱい出ちゃってさあ」
少女の目には、みるみる雫がたまって行く。
それでも僕はやめない。
「そ、そしたら、あ、ああ、ああたしは全部拾ってくるもん。
……な、内蔵だって、さくちゃんのなら温かくて
良い気持ちに違いないからっ」

狂ってる、のは僕も同じに違いない。
僕は少女を抱きしめて「愛してるよ、ミカ」とささやいた。

651:名無しさん@ピンキー
07/08/24 04:39:45 xkToCdBQ
うわもっと横長くて大丈夫なのか…すいません。

652:名無しさん@ピンキー
07/08/24 06:50:22 0AVN2GZ4
かわいいな…GJ

しかし某大統領夫人を思い出すな

653:名無しさん@ピンキー
07/08/28 12:42:32 YOgH/Qo2
GJ!!

654:名無しさん@ピンキー
07/08/29 19:31:55 iH1N9bAm
 いい病み具合依存具合。
 待ってた甲斐があったぜGJ!!

655:名無しさん@ピンキー
07/09/04 19:38:46 VGywtP9V
保守ねた投下

656:名無しさん@ピンキー
07/09/04 19:39:41 VGywtP9V
「お待たせしました~杏仁豆腐です」
今日は仲間で集まっての飲み会だ。
テーブルに散らばるグラスを除けて杏仁豆腐の置き場所を作る。
「おい、デザート来たぞ。頼んだやつ?」
しかし殆どの奴らが死んでるらしく返事しない。
「たくよー、食っちまっていいのかな……?」
「うぅ……杏仁豆腐?」
陽子が、よろよろと肩に寄りかかってくる。
「お前が頼んだのか?」
「あたし……?」
コイツも結構呑んだな……。
「頼ん……だ気がする………」
「食うか?」
「……む、むり」
「そうか、まあ無理はしなくて良いぞ」
おれは小皿に杏仁豆腐を掬い、箸でつまんでは食べる。
一人で食べるには、ちょっと大変な量な気もする。
「あたしも……食べ………る」
「んん? でもさっき無理って言わなかったか?」
「優太だけに、食べ……させたら、悪い……から」
「わかった。じゃあ小皿はここに置いておくぞ」
おれたちは二人並んで杏仁豆腐をつつく。
しかし食べても食べても白い四角い奴は減らない。
陽子は、おれにしなだれかかりながらも箸を口に、よろよろと繰り返し運んでいく。
「なんで杏仁豆腐を頼んだんだ?」
「ごめん……」
「……すまん。まるで責めるような言い方になってしまったな」
「いいよ、気にしない。……杏仁豆腐を頼んだのはね」
「うん」
「ほら、ここ来る時、ここの杏仁豆腐がおいしいって話をしたじゃない」
「言ったなあ」
「それで………」
「それだけ?」
「………うん」
それだけか。
「優太は、さ。おいしいって思わない?」
「流石に、この状況じゃな」
「そっか……そうだよね」
陽子は少し酔いが覚めたようだ。

おれらは、ようやく杏仁豆腐を食い終わり皆を起こして解散した。
泥酔状態だったように思うのだが、寝てたおかげなのか、それとも一時的なものなのか
みんな割かしピンピンとした状態で駅に帰っていった。
それに比べおれたちはヨロヨロだ。特に陽子は酷い。

657:名無しさん@ピンキー
07/09/04 19:41:02 VGywtP9V
夜空を飾る星々が綺麗だ。酔った頭には特にそう思える。
「夜道を歩くのも悪くねぇなぁ。
 飲み会はハードだったけどさ、ふらふらと自宅に向かうのも良い気分だ。
 ほら、見てみろよ陽子。あの星なんて言うのかな」
おれの肩を借りて歩く陽子が顔を上げる。
「どれ?」
「あれだよ」
「あの辺? さあ………なんて言うのかな……」
空を見上げる陽子の目にも星は輝いていた。しかし、直ぐに陽子は俯いてしまう。
「ごめんね」
「なにが?」
「杏仁豆腐。大半食べてもらっちゃって」
「そんなこと気にす―」
「気にするよ。だって優太には助けてもらってばかりだし」
「………」
「今日だけじゃない。いつだって優太は私に良くしてくれる。それなのに私は……」
「陽子……」
「本当に迷惑掛けちゃってごめん。本当にごめんね。
 だけど………だけど優太ぁ……私を見捨てないでぇ……」
急に涙する陽子におれは戸惑ってしまう。
「見捨てるとか、そんな訳ないだろ」
「本当に? 私迷惑ばかりじゃない?」
「おれら長い付き合いだろ。なにを言い出すかと思えば………」
「う……うぅっ、信じて良いんだね優太ぁ………」
「まだ酒が残っているようだな? 大体おまえが迷惑掛けるのは昔からだろ?」
「……優太のばかぁ」
ハハ、とおれは笑う。

「なにも気を揉む必要なんてないのさ。
 陽子を送ることを面倒に思うわけないだろ。家は直ぐそこなんだし」
「もしも私が遠く離れた家に住んでいたら?」
「引越しでもするつもりか? ま、それでも送ってやんよ」
「優太………」
「ほら、もっと掴まれって」
「うん」
陽子は、おずおずと体を寄せる。
そうしておれたちは肩を並べて夜空の下を帰っていったのだった。

658:名無しさん@ピンキー
07/09/04 19:43:36 VGywtP9V
依存具合が足りない……
けれども保守ネタだから勘弁してくれ

659:名無しさん@ピンキー
07/09/08 02:38:44 /t23LfAy
いえいえ、いいもの読ませていただきました
よりかかっているような感じが良いですね
GJ!!

660:名無しさん@ピンキー
07/09/09 23:10:00 VlpIhV5k
需要過多だな、このスレ。
何回か人大杉になったし。。。

661:名無しさん@ピンキー
07/09/09 23:21:44 avwxSrRN
専ブラはどうした。

662:名無しさん@ピンキー
07/09/10 00:05:59 eK4jBgB3
>>661
あまり2cnやるわけじゃないから入れてないんだ。
便利?

663:名無しさん@ピンキー
07/09/10 01:31:07 9Hj9dmGF
便利

664:名無しさん@ピンキー
07/09/14 07:46:47 Fquo3zId
便利だし負荷軽減にもなるから出来れば使ったほうがいい

665:名無しさん@ピンキー
07/09/15 20:51:00 j8HMDTAy
保守

666:名無しさん@ピンキー
07/09/18 23:49:09 b9MZY+OY
もうすぐこのスレも一周年age

667:名無しさん@ピンキー
07/09/19 18:15:20 iLS9LmrM
保守


668:名無しさん@ピンキー
07/09/20 00:51:57 JlR2caxj
それでもGJと言わせてもらうぞ!

669:名無しさん@ピンキー
07/09/22 15:27:54 L7vY0zU0
保守

670:名無しさん@ピンキー
07/09/23 13:52:46 3eQyx+IJ
ネタ探しに「教えて!goo」の恋愛相談を覗いてみたけど「依存」についての質問結構あったな。
4995件だって。


保守

671:名無しさん@ピンキー
07/09/25 13:43:15 28DfMQAA
無口な女の子とやっちゃうエロSS 二回目
スレリンク(eroparo板)

の599から依存系のSSが投下されてた

672:名無しさん@ピンキー
07/09/25 13:53:39 28DfMQAA
スマン
ageてしまった

673:名無しさん@ピンキー
07/09/25 14:36:33 fdzsi/D8
男のほうが依存とは予想外だった

674:名無しさん@ピンキー
07/09/25 21:21:15 GtTsZFgy
男依存と見せかけて妹はさらに上を行ってたなw

しかしSSは書きたいが依存とヤンデレとの境界がよくわからん。
このスレ的には依存が行き過ぎて病んでしまうのはNGなんだっけ?

675:名無しさん@ピンキー
07/09/25 22:45:42 Nkcfh9xq
NGではない。というか明確な境界は無い。
ここのスレは依存があればOKだから、ヤンデレと重なる部分も出てくる。

676:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:13:52 NRynbSuH
>>674
ヤンデレは男に身体的ダメージを与えるのを許容されているみたいだが、
依存女は、精神的ダメージはともかく身体的ダメージを与えない方がいいと思う。

677:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/09/26 00:39:52 JJ8lnjlY
<社長秘書>

まったく。
世の中、不景気ねえ。
私も遊び疲れたし、そろそろ適当な男を捕まえて家庭にでも納まるかと思ったけれど、
気がつけば、いい男どころか、まあまあの男さえ見なくなっちゃたわね。
セレブ主婦になっちゃえば、もう一生安泰、遊び放題、
年収三千万くらいで妥協してあげるっていうのに。
仕方ないから、転職して大企業に転がり込んだ。
「この街の人間の半分はそこに勤めていて、残りの半分はそこ相手の商売をしている」って大会社に。
すぐに秘書課に配属されたのは、まあ、当然ね。
私、美人だし、頭もいいから。
でもまじめに働くのは面倒くさいのよね。
お偉方の誰かとっ捕まえて愛人にでもなるか。
いざとなれば、その証拠ちらつかせて強請ってやればいいし。
と、思っていたら、いいネタを見つけた。
ここの社長、浮気してる。

相手は、秘書課に配属されたとき、私の事をすごく冷たい目で眺めた、社長秘書。
眼鏡が似合う美人だけど、まあ当然、私のほうが上だ。
歳だって、もう三十路いってるんじゃないの、大年増もいいとこよ。
秘書課の中でも、なんか「別格」みたいに振舞ってるのに、
古株の他の秘書も、見てみぬふりをしている。
社員は着用が義務付けられている名札も、この女は付けてないし、
名前で呼ばれないで、「あの方」とか「あの人」とか言われてる。
他の秘書は、こうして秘書室に全員集められて、
役員のスケジュールを集中的に管理しているって言うのに、
あの女だけ、社長室に机用意されていて、四六時中そこにいる。
私は、こんな女くさい、うざったいところの末席で愛想笑いしてなきゃいけないのに、
あのクソ女だけ特別待遇。あー、思い出しただけでもなんかムカつく。


678:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/09/26 00:40:33 JJ8lnjlY
あの女、絶対社長と寝てる。
こないだ、女子トイレで会った。
このフロアには、役員用の女子トイレもあるんだけど、
ここの会社、女の役員って会長以外いないのよね。
だから、誰も使わないんだけど、広いし、綺麗だし、私、こっそりここ使ってる。
誰も使わなくたって、お掃除は毎日されてるんだから減るもんじゃないし。
で、用を足して、個室から出たら、あの女とばったり。
あいつ、眉をしかめてなんて言ったと思う?
「ここは、役員専用よ」
自分だって使ってるじゃない。
社長秘書は、役員待遇のつもり?
あとで、古株の秘書に、チクってやったけど、
あいまいな笑いを浮かべて「あの方はいいの」って返事。
とことん、別格扱いで、めちゃくちゃムカツクわ。
で、あの女、私にそう言ったあとは、もうこっちも見もしないで、
鏡に向かって、お化粧直しを始めたんだ。
目をそらしてその脇を通り抜けるとき、―ザーメンの匂いがした。
まちがいない。
あれは、男の精液の匂い。
良く見れば、あの女、口紅を塗りなおしていた。
社長室で、フェラチオでもやっちゃってたのか。
あんな「私は貴女たちと違うのよ」って顔してて、よくやるわ。
あの「別格」気取りも愛人だから? 
マジ、ムカツク。
一瞬、あの社長寝取ってやろうかと思ったけど、
ちょっと調べたらここの社長、婿養子ってことがわかってがっかり。
会社の実権は、ふだん会社に姿を現さない
─会長室はあるんだけど、居るのを見たことない─
会長が握っているみたい。
愛人になっても旨味はないわけよね。

679:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/09/26 00:41:15 JJ8lnjlY
だけど、いいこと考えた。
これ、写真に撮って強請れば、いい金になりそうね。
ここの会長って、代々この街の支配者で、やくざともつながりがある家だから、
婿養子社長としたら、絶対バレちゃマズいわよね。
実権ないらしいから、あまりお金持っていないかもしれないけど、
五百万か、一千万くらいは出すでしょう。
ついでに、世界中の人間をジャガイモかカボチャに見ているような
あのクソ女のこともハメられるし。
一石二鳥だわ、ああ、私って頭いい!
……ということで、私は、頃合を見計らって社長室の前に立った。
おあつらえ向きに、分厚い樫のドアには僅かな隙間が開いていた。
カギもかかっていないということだ。
隙間にちょっと耳を寄せる。
「……気持ちいいですか、……さん」
あの女の声。
だけど、それは、別人かと思うくらいに甘く、可愛らしく、媚びを含んだものだった。
「出しても、いいんですよ。我慢しないで、いっぱい……」
僅かだけど荒くなっている呼吸に溶けている甘さ。
女なら、誰でも知っている、あの状態の声だ。
私は、ドアに手をかけ、それを勢い良く開けた。

「……な、何だ、き、君は……」
婿養子どのが素っ頓狂な声を上げる。
かまわずに、携帯で写真を撮る。
「……浮気の現場、押さえましたわ! さあ、社長さん、いくらでこのデータ買い戻します?」
「……?!」
口をあんぐりと開けた社長のバカ面。
─いや、ちがう、この弛緩ぶりは……。
「んっ……んっ……」
その股間に顔をうずめた女が、微塵の動揺も見せずに「続き」をしていた。


680:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/09/26 00:41:59 JJ8lnjlY
「……」
私は、呆然とフェラチオを続ける女を眺めた。
たった今、身の破滅のネタを写真に撮られた社長秘書は、横目で私を眺めた。
いつもと同じ、ジャガイモかカボチャを見るような目で。
すぐに視線を戻した社長秘書は、上目遣いで社長を見つめた。
「あっ、ちょっ……も、もうっ……!!」
社長が身を捩った。
女のような悲鳴を上げる。
その反応を心得ているように、女が舌と唇を使った。
ちゅるる、ちゅるっ。
じゅぽっ、ずるるっ。
風俗の経験もある私でさえ、顔を赤らめるような音を立てた瞬間、
婿養子社長は、女の口の中に射精を始めていた。
「~~~っ!」
快感に身もだえする社長が、女の頭を抑える。
抵抗する素振りも見せず、秘書は口内射精を許した。
こくん、こくん。
女秘書は、ためらいもなく精液を飲み下す。
世界中の人間を見下しているような美女のそんな姿は、
女の私でさえも、ぞくりとするほどに淫らで、妖艶だった。
「……うう……」
上り詰めた後の脱力感にがっくりと肩を落とした社長がこちらに関心を戻すより早く、
女秘書が立ち上がった。
ハンカチで口元を拭いながら、私を一瞥する。
「……それで、何の用なのかしら?」
先ほどの痴態とは絶対に同一人物と思えない冷たい声に、私は我に返った。
「あ、あんたと社長の不倫現場を取らせてもらったわ。
会長に知られたくなければ……わ、分かっているわよね?」


681:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/09/26 00:42:42 JJ8lnjlY
「……え?」
社長が、間の抜けた声を上げた。
ズボンとパンツはまだ下ろしたままの情けない格好だ。
「啓太さんを、強請る気?」
「……な、名前で呼ぶとは、随分なご身分ねえ。
この不倫、会長に知られても、その余裕顔でいられるかしら?」
「え、ちょ、ちょっと君……」
社長が目を白黒させる。
何か言いたいらしいが、まあ、そりゃそうだろう。
私は交渉をはじめるべくそっちを向こうとして、……それが出来なかった。
社長秘書の視線に射すくめられたから。
「私に何を知らせてくれる、ですって?」
眼鏡を外しながら、秘書は静かに聞いた。
あれ。
この顔、どっかで見たことある。
たしか、社長のことを調べようとして読んだ雑誌で。
このグループを切り盛りしている、会長の特集の号の。
でも、それって……。
「私が、社長室で啓太さんにフェラチオをしていて、何か不都合なことがあるのかしら?
……啓太さんの妻で、社長秘書、兼、会長のこの私、道明寺志穂理にとって?」
溺愛する夫といちゃつく時間を邪魔されたこの街の支配者は、
悪魔よりも恐ろしい目で私を睨み見つけながら、そう質問した。

682:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/09/26 00:43:22 JJ8lnjlY
そう。
あとは、よしなにお願いね、敷島。
あの女のことは、お任せするわ。
ええ、私の母が、貴女のお母さまを信頼していたと同じくらい、
私も貴女のことを信頼していますもの。
きっと、私の気が済むように取り計らってくれると思っているわ。
うちの会長秘書は、とっても有能ですもの。
では、お願いね。

ああ、啓太さん、全部済みましたわ。
時間をずいぶん、無駄にしましたね。
さ、続きを、しましょう。
お口で一回しただけじゃ、満足していないのでしょう?
ほら、さっきから、おち×ちん、ビンビンじゃないですか。
うふふ、次は私のここでしたいですか?
いいんですよ。
私は啓太さんの奥さんですから、
啓太さんは、私のおま×こをいつでも自由に使っていいんです。
夫婦ですから、社長室で毎日昼間っからセックスしててもいいんです!
え? 仕事ですか? 大丈夫ですよ。
啓太さんの今日のお仕事は、あと10枚、書類に社長印押すだけです。
始業前に、全部私がチェックしてありますから。
あ、今日は、一時間おきの休憩時間にセックスしていいですよ。
その後は、帰りに私とデートして、お家に帰って晩御飯食べて……。
うふふ、今日は啓太さんの好きなビーフシチュー作りますね。
それから一緒にお風呂に入って、後は……うふふふふ。
ね、啓太さんのスケジュール管理は、完璧ですよ。
だって、私、啓太さんの秘書ですもの。

               fin


683:名無しさん@ピンキー
07/09/26 01:16:03 lhw4PbVJ
俺が人生初の一番槍GJをゲットォォォォォォォ!!!!!1111

684:名無しさん@ピンキー
07/09/26 02:35:58 cKJYZNsg
GJ
秘書なら会長の顔ぐらいわかれw

685:名無しさん@ピンキー
07/09/26 04:25:25 TZ2RB+uq
GJ
やっぱりゲーパロさんの作品はいい!!!

686:名無しさん@ピンキー
07/09/26 08:13:29 2U3/95II
オモロイ…けど…依存?

687:名無しさん@ピンキー
07/09/26 15:07:12 ioFL0C4j
GJ!
相変わらずこの嫁さんはこええw
これだけだと依存っぽくないけど、前の話も含めて考えると、もっと見えてくるかな


688:名無しさん@ピンキー
07/09/26 22:42:37 As6eki8r
きたああああああああああああああああああ!
GJ!

689:名無しさん@ピンキー
07/09/26 23:19:25 wkSKdZnN
>>687に言われるまで気付かんかった  orz

690:名無しさん@ピンキー
07/09/27 01:59:31 ib+nH67x
ダメ社長化してる元公務員男にワロタ

691:名無しさん@ピンキー
07/09/27 11:11:04 OdRiXIsl
GJ!! 相変わらずの嫁だなw

692:名無しさん@ピンキー
07/09/27 19:28:22 epZYNmEy
GJ!!なんという神っぷり!

693:名無しさん@ピンキー
07/09/29 03:57:21 QNdqJCP+



694:名無しさん@ピンキー
07/10/01 19:39:31 dRQc/K5s
↓ここで話題を提供する勇者↓

695:名無しさん@ピンキー
07/10/01 19:48:28 w/47IUVy
最初に言っておく!




特に言う事は無い!

696:名無しさん@ピンキー
07/10/01 19:53:11 hZN1yPQ6
デネヴキャンディ置いてとっととカエレ

697:名無しさん@ピンキー
07/10/01 19:58:58 w/47IUVy
ごめん、調子こいた

「契約が果たされるまで、絶対に離れないからね」
「何で私と契約してるのに、他のと契約するのよ!」
「あなたと契約していいのは私だけ……私だけなの!」

契約と依存を無理やり捏ね合わせて見たけどダメだな!

698:名無しさん@ピンキー
07/10/03 21:01:30 bmXBAHPT
↓ここで話題を提供する勇者↓

699:名無しさん@ピンキー
07/10/03 22:28:03 9u7zz0r5
↑まさに依存↑

700:名無しさん@ピンキー
07/10/03 22:31:30 c+sM+2o3
ここの方向性がイマイチ分からないんだけど、
ダメ亭主を影ながら支える良妻を性別だけ反転させたって感じなのか?
精神的な依存だとヤンデレとかと被るよな

「……うはよー」
「お、起きたか。んじゃ、その辺にでも座っとけ。もう少しでメシ出来るからな」
「うん、いつもあいがとー」
「冷蔵庫にはロクなの無かったからテキトーに作ったチャーハンだ。味はほしょーしねえから」
「……もぐもぐ……じょぶじょぶ、だいじょーぶ。今日もおいひいよ」
「ん、そか」
「…………」
「…………………ん?」
「…………んーん、何でもないよ。ただアタシって、キミがいないと死んじゃうんだろーなってさ」
「……ああ、餓死か。ならメシぐらいテメーで作れよなー」
「違うよ。あ、いや違わないけどさ。餓死もあるけどさ……」
「なんだよ」
「んとね、んとね」
「はっきりしないヤツだなー」
「……くて死んじゃうよ」
「―え?」
「うー……、寂しくて死んじゃうって言ったの! もう、この話はもーお終い!」

こんな感じか?
文才なくてスマン


701:名無しさん@ピンキー
07/10/03 22:34:26 yI3bFee6
今眩い光を目の当たりにした。

702:名無しさん@ピンキー
07/10/04 00:22:31 x4G6dnn7
目!め、メガーッ!ギガーッ!

703:名無しさん@ピンキー
07/10/05 05:54:16 e8G0Q81H
萌える

704:名無しさん@ピンキー
07/10/05 08:10:16 SSiLoa/y
>>700

良妻が、ダメ旦那に
「この人は私がついていないと……」
って形で依存している可能性も……

705:名無しさん@ピンキー
07/10/05 20:01:54 FYFkusQ/
>>704
なんでだろう・・・
どこと無く泥沼可しそうな悪寒が。。。

706:名無しさん@ピンキー
07/10/05 20:56:33 Zjg8KATU
「この人は私がついていないと……」
「こいつには俺がついていないと……」
こうですか?わかりません!

707:名無しさん@ピンキー
07/10/06 00:36:29 rYkJxNi7
>>704
それは、母性本能というか保護欲というか、ともかく依存とはチョイ違うような…

708:名無しさん@ピンキー
07/10/06 00:43:25 WKbjCDsA
分かってないな、自分ではそう思ってるんだけど実はってのがいいんだろ

709:名無しさん@ピンキー
07/10/06 05:29:20 Mi6Bxd+t
>>704
確かそういうのを共依存っていうはず

710:名無しさん@ピンキー
07/10/08 04:23:56 9rESTEl8
今更だが>>700でほんわかしますた

711:名無しさん@ピンキー
07/10/08 17:25:15 tH6XRa61
「すまん、そろそろ行くな」

「や、やだ!いっちゃヤダ!お願いだから行かないで!」

「とは行ってもだなぁ」

「わ、わたしは!あなたがいなきゃダメなの!あなたじゃなきゃダメなの!あなただけなの!」

「仕事始まるし」

「ですよねー」





依存が掴みきれない
下手したら
キシャー!とか
グサッ!とか
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいフラグが立ちそうだ。

712:名無しさん@ピンキー
07/10/08 18:23:25 FL8vQ8qq
ですよねー
吹いたwww

713:名無しさん@ピンキー
07/10/08 22:19:37 d6ex25qv
いいww
こんな感じのやり取り大好きだこんちくしょうww

714:名無しさん@ピンキー
07/10/09 18:20:31 rNf7qABt
そうか!異性への依存は煙草のようにいつの間にか頼ってしまうと言う事か!


715:名無しさん@ピンキー
07/10/10 17:52:20 P9ev1G8n
「ねぇ…」

 驚いた。心底驚いた。気付いたら同棲中である彼女の依子(よりこ)が後ろに立っていた。変な汗が出る。怖い。しかし、いつまでも返事をしないわけにはあるまい。

「なんだ?」

「昨日はなんでしてくれなかったの?」

「はぁ?」

 何の事だ?昨日は普通に仕事して、普通に過ごして、普通に寝ただけだったはずだ。考慮すべき特記事項は確かにあるがそれは致し方がない事なのだ。

「昨日は私たちの一周年記念日だったのよ!私はとても楽しみにしてたの!大好きなあなたと一つになるのを心待ちにしていたの!それなのにあなたがしたのは18時20分31秒のキスだけじゃない!」

「………」

 ちょっと待て、と言おうとしたが声が出ない。依子の迫力に圧されて声帯が変に震える。

「どうして!ねえ、どうして!!私じゃダメなの!?私はあなたの一番になれないの!?私はあなたじゃなきゃイヤなの!あなたじゃなきゃダメなの!あなただけなの!あなたが好き、大好きなの!お願い…ダメな所は直すから見捨てないで…イヤ…あなたが離れるのはイヤ…」



716:名無しさん@ピンキー
07/10/10 17:53:18 P9ev1G8n
 一通り糾弾し終えると依子は俺の足元に崩れ落ちた。そして、俺の足に手を回して拘束し、「イヤ…イヤ…」とジーンズに顔を押し付ける。時折聞こえる嗚咽が心苦しい。
 ああそうか、と納得する。依子は不安だったのだ。俺が良かれ、と思ってした事が知らぬ間に依子を傷付けていたのだ。
 ならば、まずは誤解を解く事から始めようじゃないか。

「いや…昨日の依子は超危険日だったしな。もし俺がお前を求めていたら大変な事になっていたと思うぞ」

 足元の依子がピクリと動く。するとプルプル震えだした。恥ずかしさを隠すように笑っている、そんな震え方だ。

 そうなのだ。昨日の依子は神様が示し合わせたかのように危険日が重なったのだった。
 これを機に身でも固めなさい、という謎の暗示だった気がしなくもないな。

 俺は取りあえず依子の頭を撫でる事にした。

 どれだけ悩んだんだろうな、コイツは。先ほどの依子の顔を思い出すと妙にげっそりしていた気がする。つまらない心配かけてゴメンな。

 1分くらい撫で続けただろうか。依子も幾分かは落ち着いたようだ。
 頃合いか?依子の肩を軽く叩き、立つように促す。



717:名無しさん@ピンキー
07/10/10 17:54:59 P9ev1G8n
 そして…そろり、そろりと立ち上がり気まずそうに視線を合わせる依子。うわっ。目だけじゃなく顔全体が茹で上がったみたいに真っ赤じゃねえか。
 さあて、依子の第一声に期待しようじゃないか。

「し、ししし知ってたよ?」

 嘘つけ。

~~~~~~~~~~~

「でも良かった。私の事を嫌いになっていなくて。あなたがいなくなったら私はもう生きていけないもの」

 それは俺だってそうさ。

「ごめん、さっきの言葉は取り消すね。あなたがいなくなったらこの世界を生きる意味がないの。あなたは私の一部になっているの」

 そうか…そうだな。俺もお前がいなきゃ生きる意味を見いだせんしな。

「うん…ありがとう…」

 そして依子を抱き締める。昨日から甘えたくてもずっと我慢してたんだろうな。両腕を俺の背に回してくる。苦しいくらいに。

「…すき」

 うん。

「…だいすき」

 うんうん。

「ずっと私のそばにいてね…」

 ………うん。



718:名無しさん@ピンキー
07/10/10 17:55:55 P9ev1G8n
 その後の俺達の事を少しだけ語ろうと思う。

 俺は依子にプロポーズをした。あの時のような口約束だけでなく指輪も添えて。そして大学卒業を待って籍を入れる予定だ。

 近い将来、男の片腕にべったりくっ付く栗色の髪の女と、男に手を引かれている小さな女の子がいたらそれは俺達だろう。その女の子は未だお目にかかった事はないが既に存在はしてるんだ。

 …俺の隣にな。


「ずっとずっと大好きだから、あなたも私を離しちゃダメよ?」

「ああ、わかってる」

END


719:名無しさん@ピンキー
07/10/10 18:00:40 P9ev1G8n
一昨日投下した>>711を元に書きました。


これが依存なのかどうかは各々の判断で。

スレ汚し失礼しました。

720:名無しさん@ピンキー
07/10/10 19:56:08 dAQ2YJxS
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

721:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/11 21:32:39 8JhgddIF
<私が私でいられる時>

「お姉ちゃん、今日の夕飯よろしくね」
電話の中から、母さんの声がする。
オネエチャン。
私は、今、この家でそう呼ばれている。
「……どうしたの?」
「ううん、なんでもない。作っておく」
「あと、彩ちゃんの明日の準備もお願い。お母さん、遅くなりそうだら」
アヤチャン。
私の<妹>は、そう呼ばれている─母さんからも。
「……母さん」
「何? お姉ちゃん?」
何の迷いもない、その声に、私は続く言葉を失った。
「ううん。なんでもないわ。やっておくから」
「そう。お父さんとお母さんは遅いから、戸締りちゃんとしてね」
オトウサン。
お母さんは、再婚した相手のあの人を、そう呼ぶ。
「わかってるわ。大丈夫」
違和感にまみれた単語の羅列からなる会話を終え、私は携帯電話を切った。

「あ、龍ヶ崎(りゅうがさき)さん……」
クラスメイトの声は耳に入っていたが、私は通り過ぎた。
聞こえなかったのでもなく、無視したのでもなかった。
ただ─その「記号」が私のことを示す名前だと思わなかったからだ。
「龍ヶ崎さんったら!」
再度の呼びかけに、私はやっとそれが自分のことを言っていると気がつく。
「ごめん、ごめん。何?」
振り向いた笑顔が、自然のもののように思われただろうか。
自信はあまりない。

722:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/11 21:34:13 8JhgddIF
母が再婚して、一年になる。
新しい父住む街に引っ越してから通うようになった高校には、
私の昔の苗字を知る人間はいない。
彼女たちにとって、私は、はじめから「龍ヶ崎」で、そして「お姉ちゃん」なのだ。
なぜなら─。
「彩ちゃんがね、校門で待ってるって!」
無邪気に伝えるクラスメイトに、私は身体の心まで凍りつく感情を外に出すまいと必死になった。
「彩ちゃん、明日コンクールなんですって?」
「頑張って、って伝えて!」
「応援してるからね!」
私を取り囲んで「アヤチャン」を褒め称えることばの嵐を、
氷のように張り付いた笑顔で受け止める。
「……うん、伝えておく!」
誰も、私の心の奥底に詰まった冷たい塊を知らない。
だから─、
「彩ちゃんのピアノはうちらの誇りだからね!」
─そんなセリフを私に吐けるのだ。

龍ヶ崎彩(りゅうがさき・あや)と言えば、誰でも知っている。
日本を代表するピアニスト・龍ヶ崎八郷(りゅうがさき・やさと)の娘で、
本人も高校生ながら天才の名をほしいままにする天才ピアニストだ。
テレビにも何回も出て、一躍有名になった。
誰もが知っていて、誰もが応援するこの街の誇り。
だから、龍ヶ崎八郷が後妻を迎え、その娘が「綾子」という名であっても、
誰もその娘を「あやちゃん」と呼ぶ人間はいない。
それは、天才少女、龍ヶ崎彩が独占すべき名前だから。
高校のクラスメイトにとってもそれが自然であり、彼女の義姉になった
一歳年上の女の子のことは、「龍ヶ崎のお姉ちゃん」と呼ぶのが当たり前のことだった。
だが、それは……。
母の再婚によって「石岡」という苗字をも失った娘から、下の名前までも奪うことだった。

723:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/11 21:35:10 8JhgddIF
石岡綾子(いしおか・あやこ)は、どこに行ってしまったのだろう。
下駄箱から靴を取り出しながら、私はぼんやりと考えた。
この街の誰も、石岡綾子─私を求めていない。
必要なのは、忙しい父母の代わりに家事をし、
天才少女・龍ヶ崎彩をサポートしていく「彩ちゃんのお姉ちゃん」。
苗字も名前も失った私は、一体誰なのだろう。
ぼんやりしたまま私は、校門に向かった。
「遅かったじゃない、オネエチャン」
とげを含んだ声を浴びせられて、はっと我に返る。
校門の前で微笑む少女は、今そんな声を発したことが信じられないほど清楚で可愛い。
テレビで、<奇跡の天才少女>と呼ばれる美少女だ。
ジュニアの世界大会で何度も賞を取った実力もさることながら、
世の中の男の過半数が好きだろう、いかにも「お嬢様」している美貌が、
テレビや週刊誌が賛美してやまないポイントなのだろう。
マスコミのつけた<ホワイトプリンセス>というあだ名は、
私でさえも、納得してしまうものだ。
だけど、
「待ちくたびれちゃったわ。荷物、持ってよ」
遠目で見たら、そんな言葉を吐いているとは到底思えない笑顔のまま、
美少女はカバンの一つに視線を向けた。
大きなかばんと、小さなカバン。
私が持つのは、小さなほう。
だけど、その中身は、大きなカバンはほとんど空っぽで、
小さなカバンはぎゅうぎゅうに詰め込まれた重いもの。
だけど、それは担ぐ私にしか分からない。
他人の目には、「姉に自分の荷物を運ばせる妹」には写らないのだ。
私は表情を殺して、それを担いだ。
<妹>は、大きな、そして軽いカバンを、いかにも大変そうに両手で抱える。
その姿でさえ、週刊誌に賞賛の文章とともに載ったことがある。

724:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/11 21:35:51 8JhgddIF
この娘と出会ってから、私は全てを失った。
苗字も、名前も、母親の愛情も。
生活のためと、あとは女としての見栄とかそういうもののため、
世界的ピアニストと再婚した母さんは、
それから実の娘よりも、義理の娘のことを優先するようになった。
それが、新しい夫の望んだことであり、さらに言えば、
彼女自身の生活や地位やその他もろもろの要求を満たす近道だったからだ。
彩がテレビや週刊誌に載る時、義父も取材されることも多い。
そして、「一家」として紹介されるときは、母もその端っこに写るのだ。
華やかに化粧をして、豪華な服を着て。
それは、再婚前の数年間を苦しんだ母さんが心の底から欲しがっていた生活だった。
私の本当の父さんが生きていた頃、何の疑いもなく手に入っていたものが失われたとき、
母さんは、それを再び手に入れることに必死になった。
そして、それを取り戻したとき、彼女は、それを再び失うことを何より恐れた。
─実の娘を犠牲にしても悔いないくらいに。
私は、忙しい<父>をサポートする母の手が回らない、
<妹>の世話のために高校生活の全てを費やすことになった。
朝夕のカバン持ち。
家に帰ったら、掃除、洗濯、炊事。
コンクールのための旅行の準備。
マッサージさえ、私の仕事だった。
だけど、それは、生活基盤さえも失っていた状況から救われた母娘には当然の代償だった。
でも、私はそのおかげで、全てを失った。
そしてそれは、仕方のないことではなく、全てが悪意によるものだった。
この娘の。
「……ねえ、オネエチャン」
私から「綾子」という名を奪ったのは、この<妹>だった。
「あやちゃん、と呼ばれるのは私だけでしょ」
無邪気な、だがぞっとするほどの憎しみを含んだその一言で、
母さんを含めた家族の全員が私を名前で呼ばなくなり、街の人間もそれに倣った。

725:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/11 21:36:34 8JhgddIF
「オネエチャン。昨日、ピアノ触ったでしょ?」
前を向いたまま、<妹>は冷たい声を私に投げつけた。
「……うん」
「やめてって、言ってるでしょ。あれは、私のピアノなの。
私とパパとしか触っちゃいけないの。
オネエチャン、私の真似でもしたかったの?」
ずきん、と心臓に突き刺さることば。
昨日の夜、義父と母さんと一緒にパーティーに出た彩の目を盗んで、
ほんの少しだけ、私はピアノを弾いた。
誰もいない、一人だけの家で。
哀しくなって、一曲弾き終えることもできずに私はピアノの蓋を閉めた。
「……ちが…う……」
声は自分でも弱々しかった。
弾きはじめたとき、私は彩のかわりにコンクールで拍手喝采を受ける自分を想像しなかっただろうか。
ない、と言いきれるほど私の心は強くなかった。
「何が違うの? まだピアノやってるつもりでいるの?
サイノー、全っ然、ないくせに!!」
ぐらりと私の視界が揺れる。
そう。
私は、ピアノをやっていた。
実父が生きていて、裕福だった頃に。
小学生の頃は、区や市や、そのあたりのレベルのコンクールで何度も入賞した。
地方の新聞に載ったこともある。
それは、私の密かな誇りだった。
でもそれは、彩に比べればほんのちっぽけな、
……普通の人間と何一つ変わらない程度の才能だった。
「だからね、私のピアノに触らないでよね。
オネエチャンの垢が着いたら、音が悪くなっちゃうじゃない」
小さなその声は、私の心臓を何度も容赦なく貫いた。

726:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/11 21:37:28 8JhgddIF
荷物を運び終えた私は、すぐに着替えて家を飛び出した。
すぐ近くの、高級住宅街ご用足しの高級スーパー。
そこが私の唯一の息抜き場所だった。
人参、インゲン、サニーレタス、セロリ、レモングラス。鶏肉。
魚は、今日はいいや。
ぐるぐると店の中を回りながら、食材を買い集める。
お金を気にする必要はないけど、吟味を重ねるのは、
ここにいる時間が長ければ長いほど、家にいる時間が少なくなるからだ。
「あら、龍ヶ崎さん家のお姉ちゃん、えらいわねー」
商品を置くから運び出してくる小母さんたちとも顔見知りだ。
「妹さん、明日コンクールですって、大変ねえ」
「お姉ちゃんがしっかりしているから安心ね」
この人たちも、私の事を、彩をサポートするオネエチャンと見ているんだ。
すっかり慣れたことだけど、私は微笑がこわばっていくのを感じた。
無理をして、その冷たい塊を心の奥底に静める。
「エエ、今日ハ、アヤチャンノ好キナ、鶏肉ノサラダニデモ、シヨウカナ、ッテ」
レジで会計を済ませる。
腕時計を見る。
料理をする時間を考えても、あと五分くらい時間がある。
公園へ─は、行けない。
後妻の連れ子がそんなところで黄昏ていたら、格好の噂だ。
アミューズメントスポット?
さらに駄目。
結局、私は、スーパーのそばにある自販機コーナーに向かった。
バス停の近くだけど、微妙な位置にあるそこは、人がいることがあまりない。
とはいえ、ベンチもあって少し休めるし、バスを待っている言い訳も立つ。
私の重宝する五分だけの隠れ家だ。
そんなところしか「私だけの場所」はなかった。
でも、今日は、そこに先客がいて……。

727:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/11 21:38:12 8JhgddIF
ベンチに腰掛けていたのは、ジージャンにジーパンの男の子だった。
私と同じくらいの男の子。
「……」
私だけの隠れ家を奪われたような気がして、私は立ち止まった。
いつも私が座って、ジュース一本の安息を得る場所に座って、
その男の子は、携帯ゲームをしていた。
どこでもできるゲームなら、ここではない場所でして欲しい。
そこは、私が休める唯一の場所だから。
自分の視線が尖るのが分かる。
でも、画面を食い入るように見つめている彼には伝わらなかった。
小さくため息をついて、ジュースだけでも買おうと自販機に向かう。
コインを入れて、ボタンを押す。
ゴトン。
缶が落ちる音。
維力(ウィリー)。
この近辺ではここでしか売っていないジュースは、昔、地元でよく飲んだ。
この自販機で売っているのは、なぜか濃い目だ。
噂では、出荷の時期によって濃さ薄さが違うらしい。
この味が好きな私にとっては、うれしい。
これを飲みながら、ぼんやりと貴重な五分を過ごすのが私の唯一の楽しみだったのに、
今日はそれを諦めなければならないようだった。
缶を取って、立ち上がる。
また、ため息をつきそうになったけど、それは我慢した。
振り返って、そ知らぬ顔でバス停に向かおうとして─。
「あれ、綾ちゃん?」
声をかけられた。
「え?」
「あ、いや、違ったかな。……えっと、石岡……綾子ちゃん?」
缶が落ちる音で私に気がついたのだろう、
ベンチに座っていた男の子が、私を見つめていた。

728:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/11 21:38:56 8JhgddIF
「そ、そうだけど……どなたですか?」
思わず身構えたけど、返事をしてしまったのは─久しぶりにその名で呼ばれたから。
「ええと……その……、僕、石岡新治(いしおか・しんじ)、覚えてない?」
「あっ……!」
言われてみれば、見覚えがある。
小学生のときの、同級生。
同じ、「石岡」と言う苗字で、親戚だとか冷やかされたけど、全然接点のなかった子だ。
ちっちゃなころから、やっぱりゲームとかアニメとかの「オタク」で、
人気者だった私と違って、クラスでは目立たない男の子だった。
クラスで「石岡」といえば私のほうが有名で、新治君のほうは、
「イシオカモドキ」とか言われて、どちらかというといじめられているほうだった。
でも─。
「ひ、久しぶりだね」
「そ、そうね。すごい偶然! 新治君、この辺に住んでいるの?」
「うん、中学の頃、こっちに引っ越してきたんだ。……あ、綾ちゃんも?」
小学校のクラスは、男女とも仲がいいほうだった。
からかわれることが多い新治君も、私を呼ぶときは皆と同じく「綾ちゃん」だった。
その響きが、耳に心地良かった。
「ええ、高校になってから、こっちに」
「そ、そうなんだ」
新治君はどきまぎしたように黙り込んだ。
もとから、冴えない男の子だったけど、その時私は……。
「い、いつもここに来るの?」
「え?! ……あ、ああ、いつもは塾帰りにだけど、今日は行く前にちょっと」
「わ、私、いつもこの時間に来るんだ。ね、明日も来れない?」
なぜか、そんな言葉がすらすらと出た。
「え……、あ、ああ、大丈夫」
「じゃ、明日、またね!」
ジュースの缶を掴んだまま、そう言って、私は自販機コーナーを飛び出した。

729:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/11 21:39:49 8JhgddIF
走りかけて、止まる。そして振り返った。
「あの……」
「な、何?」
「も、もう一回、綾ちゃんって呼んでくれないかな?」
「え……?」
「お願い」
「う、うん。いいよ。……綾ちゃん」
「……ありがとう!!」
私は、バス停に向かってぱっと駆け出した。
すごく、嬉しかった。
胸がドキドキしていた。
あの子の前では、私は、「石岡綾子」で、「綾ちゃん」なんだ。
あの子の前だけでは。
私は、私でいられるんだ。
そのまま、50メートルくらい先のバス停まで一気に走っていって、
立ち止まったとき、私は股間に違和感を感じた。
「こ、これって……」
ショーツの中が、濡れている。
オナニーするときに、出る、あの粘液で。
「……」
私は頬が染まるのを感じた。
バスが来るまでの間、私は、ぼんやりと、
(新治君と結婚したら、また石岡って苗字に戻れるな……)
とか考えていた。


   Fin ? 

730:名無しさん@ピンキー
07/10/11 22:21:28 frnNLwbV
>>729
おぉぉぉぉぉおお!!!111
これだ!これだよぉ!!

731:名無しさん@ピンキー
07/10/11 23:46:03 Uw7IpRA0
もっと詠みたいDEATH

732:名無しさん@ピンキー
07/10/11 23:58:24 7OAs09ep
>>729
鬱展開のまま終ったらどうしようかと思ってた。
安心させた所でエロ要素を入れるとは、憎い演出をしてくれる。
GodJob!

733:名無しさん@ピンキー
07/10/13 16:38:03 mcZx6dl3
>>729
流石にござりまするな!
続きが読みとうござる!

734:名無しさん@ピンキー
07/10/13 21:35:06 ImQ/2Xr/
GJ……続きますか?ハーレム脳で姉妹丼まで幻視した私は終わった

735:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/14 00:16:13 Mqq95qfl
<私が私でいられる時>2

「んっ……くっ……」
薄暗がりの中で、私の声が漏れる。
常夜灯のオレンジ色の光だけが、小さな世界を照らしている。
私の部屋を。
お屋敷と呼ぶには小さく、普通の家よりはかなり大きいこの家の、
隅っこの四畳半相当のフローリング部屋が私の城だった。
彩―<妹>の隣の十畳サイズの部屋を選ばなかったのは、正解だったと思う。
義父が私のために用意していたそこに入っていたら、
あの娘からどんな嫌がらせを受けていたか、分からないから。
<妹>の部屋はそれよりさらに大きかったけど、<姉妹>の部屋が隣同士に並べば、
彩は絶対にそれを許さないだろう、ということは会ったその日に確信した。

張り合わないこと。
<姉妹>だと思わないこと。
「後妻の連れ子」に徹すること。

それが、一番の処世術だと思ったし、そしてそれは正しかった。
彩の部屋からも、両親の寝室からも遠いこの部屋は、
眠るとき、ある程度はプライベートを与えてくれる。
こんな風に、自慰をする自由くらいは。
「んんっ……ふううっ……」
粘膜の縁(ふち)をさまよう指先は、熱い蜜を絡ませている。
パジャマとショーツを脱がずに手を差し入れて始めてしまったのをちょっぴり後悔する。
ショーツはおろか、パジャマにまで染みとおってきそうなほど、私のあそこは濡れていた。
(私、こんなカラダしてたんだ)
指先から伝わる、後から後からあふれ出てくる蜜の多さに、私はびっくりした。
ここ数日で知った自分の性器や身体の中身の発見。
私のカラダは、すごく牝だった。
ついでに、こんなにオナニーが好きな、いやらしい娘だということも知った。
今まで、自慰なんて数えるくらいにしかしたことなかったし、
何かの際にしてしまったときなど、ベッドの中でひどい罪悪感に包まれた。

736:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/14 00:16:57 Mqq95qfl
でも、今は─。
「んくっ……!!」
布団の中で、身体が跳ねる。
「……んあっ……新治く…んっ!!」
達する瞬間、私は、その男(ひと)の名前を呼んだ。
ぎゅっとつぶった目蓋の裏に、ジージャン姿の男の子が浮かぶ。
そして、その声も。
(綾ちゃん)
「んああっ……!!」
私は強くのけぞった。
毛布の端を強く噛んで必死にあえぎ声を殺す。
甘い絶頂は、長く長く私の心と身体を満たした。
「……ふうっ……ふうっ……」
息をするのも忘れてむさぼった快感がゆっくりと引いていくと、
私は、獣のように荒い呼吸で酸素を取り込もうとした。
(綾ちゃん)
新治君の声がまだ耳に残っている。
その声で、達することが出来て、私は最高に満足だった。
この二週間、毎日オナニーしている。
新治君のことを考えて。
自販機コーナーでの逢瀬は、もうそれだけ続いていた。
新治君と再会したその晩から、私の自慰狂いは始まった。
(綾ちゃん)
その名前、私の本当の姿を認めてくれる呼称は、
私が自己防衛のために身につけていた硬く冷たい鎧をあっさりと素通りし、
ハダカの私を直撃した。
いつの間にか、新治君のことを大好きになっている自分に、私は戸惑った。
新治君が、冴えない子だということはわかってる。
小学生の頃、いじめられっ子だった「オタク」な男の子は、
高校生になっても、やっぱり冴えなくて、
世間一般的には、「モテない男の子」の典型だということも。
でも─だから何?
あの男(ひと)は、私を名前で呼んでくれる。

737:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/14 00:17:34 Mqq95qfl
それは、私にとって、一番大事なことだった。
私を「綾ちゃん」と呼んでくれるということ。
それは、私を「石岡綾子」として認識してくれているということ。
それは、私を「私でない今の私」ではなく、「本当の私」として認めてくれているということ。

……それは、私にとって、世界で一番価値のあることだった。

この家の、この街の、いいえ、今となっては日本中の誰もが呼んでくれない
その名前で呼んでくれるから、私は新治君を大好きになった。
世界中の誰よりも、一番に。
愛している、と言い切れる。
そうでなければ、毎晩、彼のことを考えてオナニーなんかしない。
「好き。大好き。愛してる……新治君……」
脱力感と快感の余韻に火照った身体を預け、
私は天井を見つめながら私はそうつぶやいた。
右手を、ゆっくりパジャマの中から抜く。
指先は、透明な液体にまみれていた。
意外に粘度の少ないそれは、常夜灯の色を受けて妖しく輝く。
「……」
私は、それをぼんやりと見つめる。
透明な雫は、優しい暖色の光を含んで、何か素敵なものに見えた。
無意識に、私はその手を口元に持っていったのだろう。
気がついたとき、私は、そろえた指先を舌で舐めていた。
「……!!」
予想もしていなかった感触に、私は我に返った。
濡れやすい体質だからなのか、多量に分泌される体液は薄く、
味はほとんどしなかったが、匂いは十分に感じ取れた。
フェロモンをたっぷり含んだ、牝の匂い。
同性のそれは、自分のものとはいえ、それほど嬉しくない。
「……男の子の……新治君の精子も、こんな感じなのかな」
つぶやいて、自分の口走った言葉の意味に気がつき、
私は、背筋を電流が走ったようにぞくぞくと身を震わせた。

738:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/14 00:19:16 Mqq95qfl
「……新治君の……精子……?」
薄暗闇の中で、自問する。
音にすると、ぞくぞくは、さらに激しくなった。
「だめ……そんなの、私……」
ソンナノ舐メタラ、キット、理性ヲ、保テナイ。
目をぎゅっとつぶる。
逆効果だった。
先ほど自分の指先にからんでいた愛液が脳裏に浮かび、
それは、もっとどろどろとした白濁の粘液に変わった。

男の人の、精子が、そういう物体だということは知っている。
それが、おち×ちんから出るものだということの知識はある。
でも、実物を見たことなんか、もちろん、ない。
それが即座にこんなにリアルに想像できてしまうとは。
それを─舐める?
さっき、自分の蜜を舐めたように?
背筋の電流は、稲妻のように強くなった。

唇と舌になすりつけられる。
新治君の精液。
見たことも、触ったことも、嗅いだことも、もちろん舐めたこともない粘液は、
現実以上の現実感をもって私の頭の中に押し寄せた。
苦くて、生臭くて、男臭くて、―私を狂わしいほどに魅了する。
「だ、だめっ……新治…くぅんっ!!」
甘くとろける想像に逆らえるはずもなく、
私はショーツの中に手を突っ込み、再びオナニーを始めてしまった。

「……」
30分後、脱衣場にある洗面台で脱いだショーツを広げながら、
私は、ちょっとだけへこんでいた。
あれから、3回、立て続けにしてしまった。
あんなことを想像してオナニーをするなんて。
こんなこと知られたら、……ケーベツされるかな、あの男(ひと)に。

739:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/14 00:20:02 Mqq95qfl
「新治君……」
心の中で、小さくつぶやく。
現実には、私と新治君は、手をつないだこともない。
晩生(おくて)の女の子と男の子との、たわいない会話。
ジュース一本分の時間でも、昔話。
それだけが、新治君とのつながりの全て。
なのに、私の心の中では、あの男(ひと)は、もう離れられない存在になっていた。

でも。
私は。

もっと、新治君とつながりたい。

男と女。
牡と牝として。
なぜなら、それが二人の人間の中で一番強いつながりだから。
母さんは、新しい夫とのつながりを保つために、私を捨てた。
男女の絆は、親子のそれを上回る。
あるいは、その逆もあるのかもしれないけど
それは、私にとって信じられるものではなかった。
一番強イノハ、牡ト牝ノ、ツナガリ。
それが私が得た結論で、今、それを求める対象が目の前に現れたのだ。

740:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/14 00:20:42 Mqq95qfl
新治君。
彼に、私が自慰の中で想像していたことや、
もっともっといやらしくてひどいことを、してほしい。
それで、彼の存在がもっと近くになるのなら
新治君は。
きっと、ううん、絶対に童貞だ。
他の女の子を、まだ知らない。
私以外の女の子とは、親しくしゃべったこともない。
毎日話ができる女の子は、私が最初。
そして、最後。
そう。
私が、新治君を独占する。
彼の「最初」と「最後」と、その間の全部を独占すればいい。
新治君に必要な「牝」を、全部私が満たせば、
私との絆(きずな)は、どんなものよりも強くなる。
母さんのように、私を捨てることもない。
だって。
新治君は、男の子……牡で、私は女の子……牝なんだから。
あの男(ひと)の「唯一」になれば、
絶対に、新治君は、私を捨てられない。

「……」
ぼんやりとした考えがまとまったとき、
私の手の中で、ショーツもきれいに洗い終わっていた。
4回も自慰をしたせいでショーツはぐしょぐしょだったけど、
一家の家事を全て背負わされている私の手にかかれば、
一枚きりの下洗いなんて、何ほどのものではない。
かごの中にある洗濯物の中に入れる。
あとは、全自動洗濯機にかけるだけだけど、それは明日の朝にしよう。
手を洗いなおす。
ふと、顔を上げて、鏡を見た。
髪の毛が、だいぶ伸びていた。

741:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/14 00:21:29 Mqq95qfl
セミロングに揃えていた黒髪は、すばらしい勢いで伸びている気がした。
とくにこの半月─新治君と再会してから。
女性ホルモンが活発化したのだろうか。
毎晩狂ったようにしている自慰行為が、それを助長しているのかも知れない。
私は、恥ずかしくなって顔を伏せた。
「―夜中に何やってるのよ、オネエチャン」
冷たい声は、背後からした。
振り返ると、<妹>がいた。
声と同じくらい冷たい瞳で私を見つめながら。
「ちょっとね、洗濯物の準備を……。目、覚めちゃったから、トイレ行くついでに」
「ふうん」
彩は、私の頭の上からつま先までゆっくりと視線を這わせるようにして眺めた。
誰か他に人がいないときの、彼女のいつもの態度だ。
「ふうん。……あ、私、お台所に飲み物取りに来たんだ。
ちょうどいいわ、オネエチャン。取ってきて」
「……わかったわ」
冷蔵庫に彩ご指定のミネラルウォーターの壜が冷えているはずだ。
一度切らしてしまったことがあって、夜中に大きな声でののしられた。
以来、何はなくとも、それだけは冷蔵庫に入れている。
きびすを返して台所に行きかけたとき、背後で
<妹>がそのときと同じくらいの金切り声を上げた。
「あっ! また私の洗濯物と混ぜてるわね、オネエチャン!!」
彩は洗濯籠を持ち上げて床の上に中身をぶちまけた。
「あっ!」
私は、さっき洗ったショーツが入っていたことを思い出して固まった。
彩は、憤怒の表情で私を睨みつけ、怒鳴り散らす。
「私の下着、あなたやあなたのママのものと混ぜないでって、言ってるでしょ!
汚いじゃない!! 牝臭いのよ、あんたたちはっ!!」
床に散らばったシャツや下着を蹴り飛ばしながら、彩はわめいた。
この娘は、私と同じくらい、私の母さんも嫌っている。

742:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/14 00:22:30 Mqq95qfl
「……ごめんなさい」
謝って、床の洗濯物を拾う。
誰が誰の物かは、照明を半分にしている暗がりでも分かる。
洗濯するのもたたむのも、私だから。
「……このっ!!」
怒りが収まらないのだろう、彩は私の肩を蹴飛ばした。
小柄な、スポーツは得意ではない女の子の蹴りだ。
痛くない、といえば嘘になるけど、我慢できないものではない。
私は、ぐらっとしたけど、黙って下着を拾い続けた。
蹴られた痛みより、メス臭い、と言われたことのほうが私を動揺させている。
彩が、私たち母子をののしるときに使うおきまりのセリフだ。
父親の再婚相手と、その娘に抱く印象は、「女の武器で父親を篭絡した淫婦」なのだろう。
何百回も聞いたことばだけど、あれだけ激しい自慰の直後に浴びせられると、返す言葉もない。
私は、真っ赤になった顔を見せまいと、必死で顔を伏せた。
「……このっ……!!」
彩は、肩透かしをくらったように、ことばにつまった。
抑えきれない怒りが、テレビで絶賛されている国民的美少女の中で渦巻く。
それは、別の方向に噴出さなければ収まりが付かなかった。
「何よ、その髪っ! 私の真似!? 切りなさいよ、うっとおしいっ!!」
私の髪に目を付けた彩は、ひとしきりそれをののしってから、
飲み物のことも忘れて二階に上がっていった。
「……」
私は、下着を拾い集め、彩のものとそれ以外に分けた。
分別が終わって、立ち上がったとき、はらり、と髪が肩にかかった。
「……」
私は、鏡の中の自分を見つめ続けた。

743:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/14 00:23:16 Mqq95qfl
「……お姉ちゃん、髪、伸びたんじゃない? 切りにいってきたらどう?」
めずらしく朝食をいっしょにする母さんが、席に着くなり私に声をかけた。
義父さんは、東京のコンサート・ツアーでホテルに泊まっている。
母さんは、昼間、そのサポートに毎日そこに通い、半々の割合で泊まってくる。
ツアー中のいつものパターンだ。
でも、朝、早々にそんなことを出したのは……。
私は彩のほうを盗み見た。
<妹>は、そ知らぬ顔でミルクのカップに口を付けている。
間違いない。
朝のうちに、あるいは昨晩あれから叩き起こして、母さんに「命令」したのだ。
父親に溺愛されている実娘は、義母よりも立場がずっと強い。
そして、母さんは、義理の娘の言葉に従って私に命令することに躊躇をしてくれない。
「……」
いつもならすぐに承諾の返事をするのだが、私はなぜか押し黙った。
うつむいてテーブルの上を見つめる視界の端に彩の姿が映る。
美しいロングヘアの彩が。
<後妻の連れ子>を姉妹として認めなかった彩は、同時に私のロングヘアも認めなかった。
小さな頃から伸ばし続けた黒髪を天才少女は何よりも誇りに思っていて、
同じようにロングを好んでいた私のそれを憎しみの視線で見つめた。
「家のお手伝いをしてくれるのに、それは邪魔よね」
彩の意を汲んだ母さんが、そう言ったとき、
ピアノと並ぶ私の自慢だった黒髪は、ばさりと切られた。
泣いて抵抗したので、ショートまではいかずセミロングにとどまったけど、
小学生時代の思い出のつまった髪は、美容院のゴミとして捨てられた。
以来、私は、それ以上髪を伸ばせなかった。

でも。
今は。

「―ううん。これから、ちょっと伸ばしてみるわ。小学校のときみたいに」
その返事に愕然としたになった表情の母さんと彩を、私は見ていなかった。
私の瞳には、新治君が映っていた。
長い長い黒髪だった小学生の私を見つめる、新治君が。

744:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/10/14 00:23:57 Mqq95qfl
私の黒髪は、クラスメイトのちょっとした自慢だった。
あの時、私は気がついていなかったけど、他の子と同じように、
きっと新治君も私のロングヘアをまぶしく見つめていたのだろう。
だったら、今だって。
きっと、新治君は、ロングの私を見たいだろう。
それなら、伸ばす。見せてあげる。
あの頃、遠巻きに見ていた「石岡綾子」を、
そのままそっくり新治君に見せてあげる。
ううん。
あれから育った、小学生以上の「石岡綾子」を、
新治君に見せてあげる。
新治君にだけ、全部をあげる。
黒髪は、その第一歩だ。

頬に、痛いくらいの視線を感じた。
彩が、私を睨んでる。
私は目を閉じてそれを無視した。
頭の中は、小学生のとき、見ているだけだった「石岡綾子」の
「何もかも」を捧げられて、喜ぶ新治君の姿だけが浮かんでいたから。

(今日、あの男(ひと)と、キスしよう)

煮えたぎるような憎悪の視線を浴びても、
私は、そう決意しただけで、天国にいるようにうっとりと微笑むことができた。


        ここまで

745:名無しさん@ピンキー
07/10/14 00:36:51 03jVYBmQ
>>744
いいですなぁ。こんだけ先の展開にわくわくする作品は久しぶりです、
続き早く読みたいです。

746:名無しさん@ピンキー
07/10/14 00:57:31 0x4QpzLB
これはやばい、嵐の前の静けさというべきか……どうなるのか楽しみだ。

747:名無しさん@ピンキー
07/10/14 01:28:19 KstSYmRa
ゲーパロ氏降臨!

748:名無しさん@ピンキー
07/10/14 02:48:58 JBvqHn5e
言いたい事は言われてしまったがあえて加えるなら、
744の薄気味悪い構図とか、予想外のエロさも良かった。
期待が高まる!

749:名無しさん@ピンキー
07/10/14 09:58:28 ZU46hC6u
>>744
これは良い心の歪み。




>>748
までで461kBだからおそらく、シリーズが完結する前にこのスレは限界を迎えるな。


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