【貴方が居なければ】依存スレッド【生きられない】at EROPARO
【貴方が居なければ】依存スレッド【生きられない】 - 暇つぶし2ch500:名無しさん@ピンキー
07/06/09 14:00:54 7yE6sQBU
失礼。誤爆した。

正直、八代が幸せになってくれればそれが一番良い。

501:名無しさん@ピンキー ◆kraAt17jLU
07/06/09 23:41:20 rBnMk2L3
投下します。今日は短め。

502:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/09 23:42:13 rBnMk2L3
 彼女は夜の街灯の弱い光を受けてこちらを見つめている。影になっているために
表情はわからない。満月の下に立つ彼女はまるで人以外の何かのように不思議な
雰囲気を漂わせている。
先に沈黙を破ったのは菖蒲だった。

「佐久耶…あんたなんでここに…。」
 だが、佐久耶は菖蒲を無視して俺に頭を下げた。

「ごめんなさい。少し心配になって後をつけさせていただきました。」
「佐久耶…俺は…」
「大丈夫です。全部聞いていたのですから。」
 彼女はくすくすと笑っている。自然に、綺麗に、まるで童女のように。

「菖蒲さん、私が後をつけたのは…犬飼君と二人で遊びに行くと聞いていたのに
 偶然駅で三人が一緒にいるところを見てしまったからですよ。」
「私は一志とも友達なの。何もおかしいところなんてないでしょ。」
「はい。偶然八代君たちと会って、偶然犬飼君が昔の彼女の方と出会って、偶然
 二人で遊ぶことになったんですよね。」
「……何が言いたいの?」
「菖蒲さんが一番良くわかっているのではないですか?」
 静かに笑う佐久耶とは対照的に菖蒲は憎憎しげに佐久耶を睨んでいる。

「あんたおかしいわよ。ストーカーじゃない…。」
「おかしいのは菖蒲さんではないですか?」
「どういうことよ。」
「人の恋人を寝取ろうとして…これのどこがおかしくないと?」
 俺は二人のやり取りを止める事も出来ずに見つめている。街灯と月がまるで二人を
スポットライトで照らすかのように浮かび上がらせる。

「佐久耶はもう恋人じゃないでしょ。関係ないじゃない。」
「ふふ…」
 佐久耶は薄く笑って月を一度見上げてから菖蒲に向き直った。

「両思いですから…何の問題もないではありませんか。」
「え……」
 俺と菖蒲は驚いて佐久耶の方を見る。両思い…?俺だけの片思いのはずじゃ…。


503:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/09 23:43:38 rBnMk2L3
「私は先日犬飼君に交際を申し込まれました。でも、迷いなくお断りすることができました。
 仕方ないですよね。今、私は八代君が好きなんですから。」
「う、嘘よ!あんたが八代を好きなわけが!」
「私が誰を好きかなんてわかるのは私だけじゃないですか?」
 そういうと、一志に交際を申し込まれたという新しい事実に驚く俺の手を
佐久耶は両手で掴んだ。そこで、ようやく佐久耶が菖蒲に対して虚勢を張っている
ことがわかった。日中なら恐らく顔にも出ていて見抜かれていただろうと思う。
 虚勢とわかった理由……彼女の両手は震えていた。

「菖蒲さん…私は臆病です。それに男性恐怖症…なんです。初めは八代君の怒ったときの
目が、やっと死んでくれたお父さんみたいな理性のない目で怖かった。だけど、八代君は
そうじゃないってわかったから…。頼ってるっていわれても、寄生してるっていわれても
負担掛けてるっていわれても…暖かい彼を絶対に他の誰にも渡さない!!!」
そこまで一気に言い終えた佐久耶は俺の首に恐怖症で震える手を回し、勢いよく
顔を近づけた。慣れも何もないそのキスは歯が当たって正直痛かった。だが、気持ちと覚悟は
それ以上に強く伝わってきた。唇が離れた後、腰が抜けたように崩れ落ちた。

「ふふ…八代君。私、ちゃんとファーストキスできましたよ。怖いけど嬉しくて…
 不思議な感じですね。……ごめんなさい、また八代君に甘えちゃいました。」
「佐久耶は…しっかりしてそうな美人なのに甘えたがりだな。」
 俺は苦笑して佐久耶の頭を撫でた。そして、菖蒲に向き直りはっきりと言った。

「見てのとおりだ。どうしようもないやつだが俺は佐久耶が好きだ。こいつは俺たち並に
 不器用で、人に迷惑をかけまくるだろうが…それでも俺は佐久耶を守る。
 苦労もするだろうが俺が幸せかどうかは俺が決める。」
「八代………。」
 呆れただろうか…。当然だと思う。ましになったとはいえ佐久耶がかなりの重荷に
なるのは間違いがない。その苦労を軽減させてくれた恩人をはっきりと振ったのだ。
 菖蒲はこちらを無表情で見つめていた。

「もう帰ろう…。二人とも駅までは送る。」
「八代君……ごめんね。それから…有難う。私も大好きだよ。」
 力が抜けたまま立てない佐久耶を背中に背負い、菖蒲を伴って駅へと歩き始めた。
俺たちは三人で無言で駅に向かって歩いている。駅の前には国道も走っており、
今のような夜遅くでもそこそこの交通量がある。その信号の前で俺たちは立ち止まった。


504:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/09 23:45:10 rBnMk2L3
 何も考えたくなかった。でも思考だけはぐるぐると回る。
 初めて助けられたときに好意を持った。
 佐久耶のために努力する姿を見て本気で好きになった。
 

──────初恋は叶わないもの──────


 私はそんなもの信じてなかった。
 佐久耶は八代ではなく一志のことが好きだったから積極的に応援した。
 八代は告白して失敗し、佐久耶から離れた。

 八代のいいところを知っているのは私だけ。
 私も告白して振られたけどいつかはお互い理解しあえると確信した。
 
 だけど、佐久耶はずるかった。
 八代を好きでもないのに拘束し、依存し、頼りきって疲れさせ、しかも八代の好意を
逆手にとって好きでもないのに恋人関係になった。

 何故…八代は私を見てくれないのか。
 何故…佐久耶は好きでもない人を本気で好きで幸せにしたい私に譲ってくれないのか。
何故…八代は全て理解しながら受けたのか。
何故…私は友達以上になれないのか。

 何故……私は努力しても報われず、八代は両思いになって私の目の前で本気で愛しあっているのか。

「明日…私の家でってことでしたけど…八代君の家にお邪魔してもいいですよね。」
 私は見てしまった。八代におぶられて…だけど怯えず幸せそうにしている佐久耶の顔を。
 そして………私に見せたことのない優しい、労わるような笑顔で頷く八代の顔を。

 私は──佐久耶も八代も─────ユルセナイ!!

 そして……私は……
背中を押した。


505:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/09 23:47:09 rBnMk2L3
段落が;
投下終了です。

506:名無しさん@ピンキー
07/06/10 00:27:41 cWndqnvs
GJ一番槍!
八代!佐久耶!逃げて!逃げて-!

507:名無しさん@ピンキー
07/06/10 02:59:15 CWX2COe2
GJ!!
まさかのヒールターンktkrww

508:名無しさん@ピンキー
07/06/10 06:28:12 MCkNhXqO
まさかみたいな予感はあったが、菖蒲……

静かに正座して待ってます。

509:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/10 19:19:46 GYNN4UqB
文字ずれした前回のラストから。
投稿行きます。

510:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/10 19:20:36 GYNN4UqB
 何も考えたくなかった。でも思考だけはぐるぐると回る。
 初めて助けられたときに好意を持った。
 佐久耶のために努力する姿を見て本気で好きになった。
 

──────初恋は叶わないもの──────


 私はそんなもの信じてなかった。
 佐久耶は八代ではなく一志のことが好きだったから積極的に応援した。
 八代は告白して失敗し、佐久耶から離れた。

 八代のいいところを知っているのは私だけ。
 私も告白して振られたけどいつかはお互い理解しあえると確信した。
 
 だけど、佐久耶はずるかった。
 八代を好きでもないのに拘束し、依存し、頼りきって疲れさせ、しかも八代の好意を
逆手にとって好きでもないのに恋人関係になった。

 何故…八代は私を見てくれないのか。
 何故…佐久耶は好きでもない人を本気で好きで幸せにしたい私に譲ってくれないのか
 何故…八代は全て理解しながら受けたのか。
 何故…私は友達以上になれないのか。

 何故……私は努力しても報われず、八代は両思いになって私の目の前で本気で愛しあっているのか。

「明日…私の家でってことでしたけど…八代君の家にお邪魔してもいいですよね。」
 私は見てしまった。八代におぶられて…だけど怯えず幸せそうにしている佐久耶の顔を。
 そして………私に見せたことのない優しい、労わるような笑顔で頷く八代の顔を。

 私は──佐久耶も八代も─────ユルセナイ!!

 そして……私は……
 背中を押した。


511:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/10 19:23:14 GYNN4UqB

 俺は生まれて初めて浮かれていた。
 周りが見えていなかった。これから幸せになれると単純に喜んでいた。

「明日…私の家でってことでしたけど…八代君の家にお邪魔してもいいですよね。」
 佐久耶はうちには来たことがないし、一度案内してもいいだろう。料理は自分が
すればいい。俺は頷いた。

 そして…後ろから押される感触がした。

 キィィイイイイイイイイイイイイイィ!!

 世界がゆっくりと動く。時間がコマ送りのようでありながら体は思うように動かない。
 乗用車が自分に向かって…。

 かわせない!

 半瞬で判断した俺は背中の佐久耶を後ろ向きのまま突き飛ばし…そして…覚悟を決めた。

 どん!

 自分の体が跳ね飛ばされる音がまるで他人事のように聞こえる。浮遊感を感じ、続いて
叩きつけられるような衝撃を受けた。意識を刈り取られそうになる痛みを感じながら
おもちゃのように地面を転がり続け、暫くしてようやく止まる。

「八代君!!!!!!!」
 佐久耶が泣きながらアスファルトに寝転がる俺に寄ってくる。菖蒲は…魂が抜けたように
立っているだけだ。気を失いそうな激痛に耐えて意識を繋ぎとめながら、

「……これくらい…で…死んで…たまるか…。」
「救急車!救急車がすぐに来るから!!」
「佐久耶…これは事件じゃなく…事故だ…いいな…?」
 そこまで言い終えた俺は耐える努力を放棄して、意識を失った。


512:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/10 19:25:19 GYNN4UqB
 目を覚ますと白い天井がまず視界に入った。痛む頭からゆっくりと記憶を引き出していく。
 確か、菖蒲に押されて佐久耶を後ろに投げて…そう、車に撥ねられた。ということは、
ここは病院か。生きてるとは俺も悪運は強いらしい。ふと横を見ると長い黒髪がベッドの
上に流れていた。

「寝てるのを起こすこともないか。」
 不思議と体は痛くない。あまりよく動かないが…。部屋にたまに響く鳥の鳴き声を聞きながら
音のない病室で静かに時を過ごす。

「ん……っ…」
 長い黒髪の持ち主が目覚めたらしい。

「おはよう。菖蒲。」
「え…!八代!…嘘…起きたの…!」
 慌ててナースコールを押す菖蒲。よくみると、昨日と比べてかなりやつれているような…。
 暫くすると看護士の女性が俺を確認し慌てて医者を呼びに走っていき、そして、
ぽっちゃりした男の医者がゆっくりと歩いてきた。

「あー。君、自分の名前はわかるかい?」
「犬塚八代です。」
「今日は何年何月何日かわかるかい?」
 質問の意図がわからず、少し困惑したが俺は答えた。

「200×年9月27日くらいだと思うんですが…。」
 その俺の言葉に、医者や菖蒲の顔が苦々しくなるのがわかった。だが、医者は何も答えず
後で検査をするからと部屋を出て行った。
 菖蒲と二人きりの時間に戻る。

「そういや菖蒲…お前私服だけど今何時だ?」
「十二時。」
「学校は?」
「…やめちゃった。」
「そうか…。すまんな俺のせいで。」
 自業自得だよ…と苦笑いしながら呟き、ただ静かに座っている。菖蒲は活力に満ちた
明るいそんな女だったのに、今は見る影もなく燃え尽きた灰のような乾いた印象を俺は受けていた。


513:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/10 19:26:25 GYNN4UqB
「八代は怒らないんだね。事故にしろって聞いて驚いたよ。」
「生きてるからな。友達でも喧嘩くらいはするさ。」
「馬鹿だね。」
「殺そうとした俺の看病してる菖蒲ほどじゃない。」
「責めてくれると思ったのに……。」
 菖蒲は俺の寝てる枕元に頭を押し付けて泣き出した。何もできなくてもせめて慰めたいと
思った俺はなんとか手を動かし彼女の頭を撫でた。そして、気づいた。
自分の手を見て俺は震えた。

「菖蒲…悪いが鏡を貰ってきてくれないか。」
 諦めたように菖蒲はため息をつき、鏡を持ってきてくれた。その鏡に映った自分の姿
は…まるで見たことのない男のようだった。髪は伸び、痩せ細った男…。

「どういうことだ…これは!」
「八代はずっと寝てたの。今は10月25日。一年後の。右手、両足骨折、肋骨も
 何本か折ったみたいだけどそれは完治したよ。本当に酷かった…。」
 否定して怒鳴り返そうとしたが、自分の体から事実だと信じざるを得なかった。
 気持ちを落ち着けるために一度大きく深呼吸して口を開く。息をするだけの行為に
疲労を覚えた。どれ程弱っているのだろうか。とにかく五分ほど気持ちを落ち着けた。
 考えると頭も痛むが我慢する。

「……そうか。」
「責めないの?……八代は私のせいで一年何もできなかったのに。大怪我させたのに。」
「あれは事故だからな。それに……苦しんだろ。俺が起きなかったせいで。」
「……でも。」
「いいんだ。菖蒲への借りを全部まとめて返したと思っておくさ。」
 俺は菖蒲に笑いかけて頭を撫でた。自然に笑えたと思う。

「一志や佐久耶はどうしている?」
「佐久耶は……元気にやってるみたい。学校には私が行ってないから情報があまり
 入ってないんだけど…」
「元気か…。良かった。」
「負けずに頑張って明るくなって友達もたくさんできて……好きな人もいるんだって。」
「そうか…一年だからな…実感は全くないんだが…。」
 胸を痛めたが、時の止まっていた自分には何もいえないだろう。例え自分の感覚では
お互いの気持ちを確かめたのが昨日のことであっても。佐久耶の時間は流れていたのだから。

「八代は……泣かないんだね。なんでそんなに達観してるの?」
「涙は…二年前…いやもう三年か。尊敬した親父が死んだときに一緒に墓に埋めた。
 そして、強く生きるって。細かいことは一志の親父に頼りっぱなしだが…」
「辛くないの?……私を恨まないの?」
「何があっても俺は友達は許すって決めたんだ。」
 菖蒲は、ごめんすぐに戻るからといって走って去っていった。そして一時間が過ぎた。


514:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/10 19:27:31 GYNN4UqB
 彼女が戻ってきたとき、後ろに制服姿の客を二人連れてきていた。一志は明るく笑い、
佐久耶は一年経ち、以前より明るい雰囲気を感じさせる表情に涙を浮かべていた。

「一志……佐久耶……。」
「よう、ハチ。よく寝てたな。」
「三年分は寝たぜ。」
「……八代君!!!」
 暫く一志と冗談を言い合っていたが、そんな俺に我慢できないといったように
佐久耶が俺の頭を抱きしめて泣き出した。む、胸が…。

「待て待て、お前他に好きな奴ができたんじゃ…」
「何いうんですか!私そんな軽い女じゃありませんっ!今も…ちゃんと好きなんですから!
 私は八代君がいないと駄目なんだから…。」
「そ、そうか…」
「八代君が帰ってくるまで頑張ろうって決めて生活してたんですから。暫く甘えさせてくださいね。」
 俺は佐久耶に抱きつかれながら菖蒲に非難の視線だけなんとか向けた。菖蒲はあさっての
方向を向いて口笛を吹く真似をして楽しそうに笑っている。

「嘘はついてないよー。焦った?ねえ焦った?」
「菖蒲…」
「初めて八代を焦らせた気がするね。ふふ…。仕返しはしたし、八代。私はもう
 大丈夫だよ…心配しないで。しっかりしないと一志もうるさいしね。」
 菖蒲は一年前のように元気な口調で話していた。いじわるな顔でにこやかにしている。
一志がばつの悪い表情でこちらを向いている。

「お前ら…まさか…。」
「ハチ…すまん。俺も自分の方を全く向かない難儀な女に惚れちまった。」
「八代君。今度は私が犬飼君の相談に乗っていたんですよ。」
 佐久耶が少し体を離して涙目ながらも上品に微笑む。


515:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/10 19:28:33 GYNN4UqB
「まだ、付き合っちゃいない。半年以上掛けて条件付で納得させるまでは頑張ったんだが…。」
「条件?」
「ハチが目覚めてから、それまで誰とも付き合わず、ハチが自分を許してくれたら考えるってさ。」
 肩をすくめて力なく話す一志に俺は同情の視線を向けた。この女嫌いに一年の間
何があったんだろうか…後で佐久耶にじっくり聞こう。

「佐久耶は菖蒲を許せたか?」
「初めは…やっぱり酷いことも言っちゃいました。だけど、八代君が恨んでないって
 わかってましたし…その………菖蒲さんも友達ですから。仲直りまで時間かかりましたけど…」
「そうか…なら問題ないよな。一志浮気するなよ…死にたくなければ。」
「ハチ…お前それ洒落になってねえよ。」
 俺は一志に向かって頷いた。一志は余り人に見せない本気で嬉しそうな表情でガッツポーズを
決めていた。病院じゃなければ飛び跳ねまくって喜んでいたかもしれない。
 それに対して菖蒲は…。

「考える…とはいったけど、付き合うとはいってないわよ。」
と、はしゃぐ一志に釘を刺していた。
 俺は佐久耶に向き直り、

「佐久耶…待っててくれて有難う。これからもよろしく頼む。」
「はい…。こちらこそ。」
 泣きながら本当に嬉しそうな明るい笑顔をする佐久耶見て、俺も笑った。
 視界がぼやけていた気もするがきっと気のせいだろう。


516:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/10 19:32:24 GYNN4UqB
空白期間は…

とりあえず、投稿終了。

517:名無しさん@ピンキー
07/06/10 20:13:40 8zogyiWa
GJだが、全て丸く収まりそうで物足りないのは俺だけだろうな・・

518:名無しさん@ピンキー
07/06/10 20:33:40 MCkNhXqO
俺も無理矢理的な大団円っぽい流れや、1年の空白に対して八代があっさり認めちゃうあたりの下りが、少し物足りなく感じた。
だがそれが逆に、また一波乱起きる前の静けさにも思えるぜ…

まあ何が言いたいかと言うと、佐久耶かわいいよ佐久耶wwwwww

519:名無しさん@ピンキー
07/06/10 21:37:23 f3z1RvGW
うぅむ……なんとなく物足りなく思ってしまうのは
贅沢というものだろうか……。


520:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/10 22:31:24 GYNN4UqB
二種類書き上げて悩んで悩んで書き手の精神的事情によりこちらを投下しました。
もう一種類は事故後を分岐に先に話が終わってから投下しようと思ってます。

こちらが一応「表」です。
個人的にはこの手のものにルートを作るのは駄目と思うんですが、ご勘弁ください。
理由は投下したときわかっていただけると思います;

521:名無しさん@ピンキー
07/06/10 23:29:50 HABz1oX5
時の流れがすべてを解決しましたとさ

522:名無しさん@ピンキー
07/06/11 13:07:01 8nOY01hY
GJ! GJ! GJ!

全員がそれなりに幸せならそれが一番。

523:名無しさん@ピンキー
07/06/11 14:23:22 X/vehP+S
俺はこの終わり方で文句ないけどね。
むしろ、ドロドロにしてほしくない。
読むのが怖くなるから…ガクブル
何はともあれGJでした。

524:名無しさん@ピンキー
07/06/11 17:43:32 HYaDw64k
少し時間かかりましたが、投下します。いつもより少しだけ長めです。

525:雨の記憶と妹
07/06/11 17:47:14 HYaDw64k
夕食と風呂をこなしてから、居間のソファーに座ってテレビを見ていると梨華が入ってきた。
先程まで着ていたパジャマではなく、赤色のパジャマ。
「お兄ちゃん、少し話あるんだけど良いかな?」
僕は何も言わずにテレビを消すと、梨華は僕の隣に座ってくる。
梨華の髪から仄かにシャンプーの薫りが漂ってきた。
「梨華、風呂入って大丈夫?」
「うん、熱もなかったし。明日学校行きたいから・・。」
「そっか。」
一度会話が止まり、時計の針の音だけがその存在を強調するかのように規則正しく響く。
「お兄ちゃん今日はごめんなさい。」
「梨華が謝る事じゃないよ、それに気持ち汲んであげれなかった。僕こそごめんね。」
「ううん、お兄ちゃんは全然悪くないよ。」
出来るだけ優しく笑いかけると、梨華の頭に手をのばして撫でる。
今日、撫でるの何回目だろう?
そんなどうでも良い事考えてると、梨華の頭が不規則に揺れ出す。
「すー、すー。」
「梨華?」
きっと泣いたのが原因で疲れたのだろう。
すっかり熟睡しているみたいで。
軽く体を揺すっても起きる気配がない。
「まいったなぁ・・・」
ここに放置でもしたら、またぶりかえさないとも限らない。
僕は梨華を背中に抱えると、梨華の部屋へと運んだ。
「お休み、梨華。」


526:雨の記憶と妹
07/06/11 17:54:32 HYaDw64k
窓から差し込む陽の眩しさで目をさます。
まだ鳴っていない目覚まし時計を確認すると時刻は7時12分、ついでに解除もしておくことも忘れない。
まだ眠たい目をこすりながら、洗面所に向かおうとしたら誰かが台所から出てくる。
「お兄ちゃんおはようございます」
長くて綺麗な髪を一つに纏めて、後ろに流した梨華がそこに居た。
「おはよう、その調子だと元気みたいだね。」
「うん、色々ご迷惑かけました。」
ペコリとお辞儀。
「家族だから礼はいらいよ。」
少し苦笑してから梨華を見る。
「学校行く準備してくるね」
僕は梨華にそう言うと洗面所へと足を向けた。


「おおお・・・。」
制服を着替えて朝食を食べようとしたら、その光景に思考が一瞬停止。
何も考えないまま梨華を見ると、目があった瞬間微笑まれた。
「さぁ、召し上がれっ。」
テーブルの上には朝食とは思えない豪華なおかずが、所狭しと並べられている。
「梨華・・・いや、梨華さんこれは一体・・・?」
「昨日、お兄ちゃんの夕食準備できなかったから・・・」
「いや、でもこれは。」
特別な状況をのぞいて、家事は梨華が握っている。
僕も家事は一応出来るのだが、手伝おうとしたら。
「「お兄ちゃんは今まで私の為に時間割いてくれたんだから、これからは自分の為に使ってね」」
と言い、手伝うことを許してくれない。
机を挟んで目の前にいる梨華は既に涙目で口をぎゅっと引き締めている。
「梨華、胃薬の用意を・・・。」
梨華が作ってくれた物を残す訳にはいかない。
ぼくは意を決すると箸を手に取った。


朝の通学路。
昨日の雨が嘘みたいに晴れ上がっていて、空気も澄んでいる。
アスファルトに点在している、昨日の名残が青空を映し出し普段とは違う模様をみせていた。
「うっ・・・。」
もし、この嘔吐感さえなければ気分爽快で歩いていただろう。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
心配そうに、様子をうかがってくる梨華に出来るだけ微笑む。
「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう。」
学校まではまだ道のりがあるのでそれまでには回復してるはず。
「ねぇ、お兄ちゃん。」
「うん?」
「放課後何か用事あるかな?」
顔を赤らませて胸の前で指を組んだり放したりするのは、梨華のお願いのポーズ。
普段は内気な梨華は滅多にする事はなく、凄く珍しいと思う。
「少し付き合って欲しい所あるのだけど・・・。」

527:雨の記憶と妹
07/06/11 17:56:45 HYaDw64k
「分かった、放課後校門でね。」
「うん!!」
凄く嬉しそうに笑っている梨華が強く印象に残っていた。



校門でお兄ちゃんと別れた私は1年生用の靴箱の前に立っていた。
今日の放課後の事を考えると、顔が自然とにやけてきて自分では抑制することが出来ない。
普段の私なら靴箱に入っている手紙を見ると気分を害すのだが。
そんな物はどうだって良いぐらいに幸せ。
私は靴を履き替えると、靴箱に入っていた手紙を一番近いゴミ箱に無造作に投げ込んだ。

「おっはよー梨華ちゃん」
教室に入った私に声を掛けてくれたのは、仲が良い友達の美奈子ちゃん。
「おはようございます、美奈子ちゃん。」
「あれ、梨華ちゃん何か良い事あったの?」
「分かりますか?」
「そりゃねぇ、そんなに笑顔だったらすぐに分かるよ。」
「実はですね・・・」


教室に入った僕を待っていたのは、友人の柊 桃太。
本当はとうたと呼ぶらしいが、皆からはももと呼ばれている。
性格はムードメイカー的存在で、義理も厚くクラスの人気者。
「優人、待っていたぜ!!我が友よ!!」
そう、言うなり僕に抱きついてくる。
その瞬間クラスから主に女子から歓声があがる。
神に誓っても良いが僕はノーマルだ。
「俺を昼食、一緒させてくれ!!」
梨華が学校に来てる時は絶対ココで昼食を食べるので、それに同伴したいのだろう。
「と、いうより離れて欲しい・・・」
「いやだ!許可がおりるまで離さない!!頼むお兄さま!!!!」
いい加減、気持ち悪いので力込めようとしたら、不意にももが投げられた。
「邪魔、それに優人が迷惑してる。」
稟とした澄んだ声に無表情な顔。
「ありがとな、雪乃。」
「別にいい。」
それと同時に雪乃が僕の胸に飛び込んできた。
背中に手を回して、ぎゅっと抱き締めてくる雪乃から柑橘系の甘い香りと柔らかな感触が僕を支配する。
男からの視線が痛い。
「雪乃、何してるの?」
依然僕を抱き締めている雪乃は顔だけ上げて一言。
「洗浄。」
「俺はばい菌かよ・・・」
情けないももの声にクラス中に笑いが起きた。

528:雨の記憶と妹
07/06/11 17:58:48 HYaDw64k
「やっと昼食だ・・・」
「さぁ、優人一緒に食べ・・・」
物凄い笑顔で僕に寄って来ようとしたももは、クラスの男子に両腕を掴まれて強制退場。
廊下からももの悲痛な叫びが聞こえて来たが、完全無視。
彼らを買収したのは僕で、報酬は缶ジュース一本。
さらば、240円の男よ・・・。

そんな事を考えていると美里ちゃんと、梨華が教室に入ってきた。
「お兄ちゃん、昼食一緒して良いかな?」
「良いよ。」
一個前のイスを借りると僕がそれに座り。
梨華には僕のイスを使って貰う事にする。
「ありがとう、お兄ちゃん」
「優人先輩、私達も御一緒していいですかー?」
「んじゃ、みんなで食べようか」
その日の昼食は楽しく会話が弾んだ。


空が茜色に染まり、それぞれが帰る時間。
僕はカバンを持つと急いで教室を後にした。
僕が校門についた時には、胸にカバンを抱いた女生徒が校門に居る。
「梨華、ごめん待った?」
「ううん、大丈夫。」
「それじゃ、行こうか」

529:名無しさん@ピンキー
07/06/11 18:05:08 HYaDw64k
本当は依存を書く予定でしたが、延期してしまいましたorz
稚拙な文章ですが、楽しんで貰えたら幸いです^^

狂犬の作者様、今回も面白かったです。みんな幸せでよかった(*^-^)b

最近、萌が分からなくなってきた・・・。

530:名無しさん@ピンキー
07/06/11 18:22:15 R0UTiiDq
んー・・・佐久耶はいつ八代を好きになったのかがはっきりとはわからなかったなあ
無理やり付き合って三ヶ月した後に「どうしても男性として好きになれない」とまで言ったのに・・

531:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/11 23:28:52 hfi06cx7
>529
おつです。かわいい妹で留まるのかそれとも…どきどきです。


作品について、正直かなり迷いました。
書き手としての未熟さも反省しています。指摘については自身感じており、
好意的、否定的な意見どちらも喜んで参考にさせていただきます。

元々のプロットでもある「裏」を軸に「表」も再構成することも
考えましたが、「表」は明るいままでいいと判断しました。
そして、明後日から投下する事故後から始まる「裏」が終わったとき、「表」はこれで
良かったのかもしれないと思っていただければ幸いです。

言い訳はこれくらいで「表」の最終回投下します。
「裏」の第一回はしっかり見直し、いいものに仕上がるよう頑張ります。

532:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/11 23:30:48 hfi06cx7

 結局、三週間ほどリハビリを行って俺は退院した。この間、三人は毎日のように
顔をだし、幾度となく病院で騒ぐなと怒られていた。日常が戻ってきた…が、
やはり一年という時間は長く、爪あとを残すこととなった。

 俺は学校を退学した。悠長に高校生活をすると一志や佐久耶に二年の遅れを
取ることになるからだ。結局、菖蒲と一緒に大検を受けることを選択する事になった。
 以前のクラスメイトたちには迷惑や心配を掛けたことを詫びた。彼らは俺が完治した事を
喜んでくれ、お祝いと称してパーティを開いてくれた。
「佐久耶の顔が幸せそうすぎて殺意を覚える。」
とか、恋のライバルに負け続けているらしい相沢辺りはぼやいてはいたが。

 そして、時は過ぎクリスマスイブ…。
 今年のクリスマスイブは我が家でいつもの三人に佐久耶と一志の妹の志乃をくわえた五人で
祝っていた。

「こういうのやってみたかったんです。」
 という佐久耶の意見により、今年は念入りにクリスマスっぽく自宅は飾り付けられた。
 後で掃除するのが大変そうだ…。

「ハチ。食いもんは食いもん!」
「おまえが運べ。作るのは俺と佐久耶と志乃で全部やったんだから。」
 三人、それぞれの家のキッチンで料理を作って持ち寄っている。俺はスープ系担当で
色々作って置いている。他の二人は運びやすい料理を作ってもらった。

「八代おにいちゃん、料理の腕落ちてないねー。むしろ上がった?」
「愛しのおにいちゃんは恋人に食べさせるために腕を上げてるんだ。彼氏のいないお前じゃおいつかん。」
「うっさいだまれ一志!」
「何で八代はおにいちゃんで俺は呼び捨てなんだ…。」
 久々に会った志乃も元気だ。料理を全て運び終えて全員に酒を配る。

「ずっと心配掛けてすまなかった。今年はみんなで祝えて本当に嬉しい。
 これからもよろしく頼むって事でメリークリスマス!」
「「「「メリークリスマス!!!!」」」」
 カツンと中身は日本酒のワイングラスが軽い音を立てる。飲み食いの宴が暫く
続いたところで俺はプレゼントの中身を確認することにした。
 プレゼントは男女で交換することにしており、佐久耶と菖蒲と志乃のプレゼントがある。

 まずは佐久耶のプレゼントを空けてみた……ゆ、指輪!?
 美しい黒髪の上に今日は三角帽子を載せながら佐久耶はにこやかに笑っている。

「佐久耶…これは…。」
「ふふ…やっぱりプレゼントっていったら身につけるものですよね。私がつけてあげますね。」
 佐久耶は俺の左手を取って薬指にそれを嵌めた。

「それは男から女にするもんじゃないのか?」
「結果は同じだからいいじゃないですか。ずっと一緒ですし…逃がしませんし…。」
 ため息をついて、苦笑してから佐久耶の頭を撫でて礼を言った。続いて菖蒲のを
あけ…とある箱が見えた瞬間すぐに戻した。菖蒲と一志がにやにや笑っている。

「あ、菖蒲!お前ら…」
「やっぱり贈り物は役に立つものよね。」
 うんうんと、一志も頷いている。佐久耶と志乃はわけもわからずぽかんとしていた。
 最後に志乃からのプレゼントをあける…。

「か、肩たたき券…。」
「うん、八代おにいちゃん苦労してそうだから…。」
 少し泣きたくなった。


533:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/11 23:31:48 hfi06cx7
「ハチ、がんばれよ。」
「お前な…。」
「じゃあまた…な。」
 宴会は夜遅くまで続いたが、志乃もいるために日が変る前にはお開きになった。
 片付けのために佐久耶は残り、一志と菖蒲は志乃を送っていった。料理などの
後片付けを終えると終電の時間はとっくに過ぎていた。

「佐久耶、俺のベッド使え。俺は居間で寝るから。」
「いえ……その……菖蒲さんが一年分甘えるなら今日が一番だと…。やりたいこと
 全部いいなさいって…。プレゼントのことも…。」
「あいつらは…。まあわかった、今日は佐久耶のいうことを聞く。」
「そうですね……まずは…」

 暫く後、俺たちは一緒に風呂に入っていた。そこまで広いわけでもないので
佐久耶が俺の脚の上に座って胸に体を預けている。二人とも勿論裸で、佐久耶の
形の良い大きな胸が後ろからでも見える。

「恥ずかしいけど…なんだかドキドキしますね。」
「…のぼせそうだ。」
「八代君…後ろから抱きしめてもらえませんか?」
「だが…。」
「いいんです。お願いします。」
 佐久耶の要求どおりに後ろから肩を引き寄せて抱きしめる。恐怖症は随分ましに
なったように思えるが…それよりこの体勢だと…元気になった俺のものが…。

「ふふ…嬉しい。なんだか幸せです。包まれてるみたいな…。背中の硬いこれが…
 入るんですよね。」
「ああ。経験はないから優しくは出来ないかもしれんぞ。」
「お手柔らかに。」
「善処する。」
 甘えるように頭をさらに後ろをもたれさせる。こうして佐久耶はひとしきり
風呂で甘えた後、体を拭いてバスタオル一枚で俺の部屋に入り、ベッドに横たわった。俺も隣に入る。


534:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/11 23:33:02 hfi06cx7
「そういえばうちに泊まるのも初めてか…。」
「はい…。このお布団…八代君のにおいがします。よく眠れそうです。」
「そうか…自分だとわからんが。それじゃ…。」
「お願いします…。」
 俺は佐久耶を軽く抱きしめながら軽くキスをした。徐々に体が熱くなり、
キスも自然に熱く、深くなっていく。部屋にはお互いの唾液が絡み合う
音だけが響く。

「大丈夫か?」
「はい…気持ちいいです。頭がぼーっとします。」
 時々佐久耶を労わりながらぎこちなく愛撫を続ける。

「もう…大丈夫です…多分…。」
「わかった。」
 菖蒲から貰った箱から一つ取り出して焦りながら付ける。緊張して二度ほど失敗した。

「八代君も…緊張するんですね。」
「当たり前だ。好きな相手を初めて抱くんだから。」
 場所がわからないので佐久耶に教えてもらいながらその場所を探す。そして…

「……っ………た!!」
「佐久耶…やめようか?」
「大丈夫。お願い……最後まで。」
 その声に頷いて、腰を奥に入れ込む。何か遮るものを破り、完全に一つになった。

「よく…頑張ったな。」
「うん……。本当に嬉しいです。後は…八代君が気持ちよくなってください。」
 俺はあまり痛くしないよう、熱い頭を必死に押さえてゆっくり腰を動かし始めた。
 初めは痛みしか感じていないようだったが、佐久耶の綺麗で整った表情が徐々に
艶やかにゆっくり溶けていく。それを見てしまい、理性の箍が緩み徐々に腰を早く動かす。

「………あっ………八代…君……」
「ごめん、そろそろ我慢が…佐久耶……」
「……いいよ。好きにして……」
 その言葉で完全に理性が弾けた。俺は自分の獣性の赴くままに佐久耶を貪り始めた。
 激しく腰を突き、唇を合わせてはじめてのその体を蹂躙していく。

「八代…君…いや…激しすぎ……いっ……」
「佐久耶……そろそろ……。」
「うん……」
 終わりが近づき、それまで以上に突く。もはや、優しさなど見せる余裕もなく必死に
体をあわせ…佐久耶の膣が閉まった刺激を受け最後に奥深くまで突いた。

「っ!」
「………………くぅ…んっ!!!」




535:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/11 23:34:15 hfi06cx7
 行為が終わり、俺たちは全ての力を使いきったようにお互い抱き合って横になっていた。
 佐久耶は俺の頭を抱きしめ痛いだろうに幸せそうに笑っている。

「八代君…。痛かったけど…気持ちよかったです。」
「そうか…。悪かったな、初めてなのに乱暴にして。」
「いえ、可愛かったです。八代君必死で…。」
 からかうように笑われ俺はそっぽを向いた。

「私…八代君に迷惑掛けます。甘えます。頼ります…」
「ああ。佐久耶一人くらいちゃんと支えてやる。心配するな。」
「友達も出来ました。学校が楽しくなりました…。看病してもらって…暖かさを
教えてもらいました。そして、やっと本当に好きになれて…八代君は私を幸せにしてくれました。」
「そうか。」
「だから…。私も八代君を幸せにします。いっぱい迷惑掛けるけど…………
 絶対に寂しい思いだけはさせません……だから私の前だけは我慢しないでください。」
「我慢?」
「はい…。八代君は頑張りすぎなんです。辛いときも普段どおりだけど…顔は…。」
 勝手に口が動いていた。鍵が外されたかのように…。恐怖症を乗り越えた強い彼女に…
自分でも考えていなかった本心を曝け出し始める。

「辛かった…。不条理だ。何故学校を辞めないといけないのか…なぜ時間がたっているのが…
 一年ってなんだ!全ての努力が水の泡だ!!なんのために俺は頑張ったんだ!
 不条理だ…母親が裏切ったのが…親父がそのせいで早く死んだのが…俺がずっと一人なのが!」
「うん……当たり前…辛いですよね…。」
「何で誰も頼らせてくれないんだ。辛かった!しっかりしてる?俺は…俺は!!」
「うん……だけど、その不条理のお陰で…我慢してくれたお陰で…助けられました。」
 佐久耶は豊かな胸に俺の頭をゆっくり抱え込んだ。

「たまには吐き出したほうがいいとおもいます。そして…明日からまた…。」
「くそっ!うああ…く…あああああああ!!」
 親父がなくなってから…この日、初めておもっきり泣いた。佐久耶は次の日、何事も
なかったように普段どおりに接してくれて、それが何より有難かった。恥ずかしすぎる。
 彼女が俺に頼るように、これからは俺も彼女に頼るのだろう。ひょっとしたら、
これは共依存なのかもしれない。だけど、手放すつもりはなかった。

 お互い傷つけあい、他人を傷つけてきた。だけど、友情や絆は残った。そして愛する人も…
だが、今は一人じゃない。ゆっくり二人で…そして友人たちと幸せになればいいと思った。




536:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/11 23:38:02 hfi06cx7
表はこれで終了です。長いお付き合い有難うございます。


明後日から投稿を悩んだ事故後からの裏を書いていきます。
こちらは暗めの話で進むので苦手な方はお気をつけください。

537:名無しさん@ピンキー
07/06/12 09:52:09 BAviHu/i
GJ一番槍!
次は裏か…。
読みたくない気もするけど、
怖いもの見たさで読んでみたい気もする…。
ワクテカガクブルでお待ちしてます!

538:名無しさん@ピンキー
07/06/12 13:10:05 U1jKiSay
おつかれさま!
GJ!!

なんだが……
最後の八代の弱音が唐突な感じがする。とってつけたような印象。
たぶん、八代の一人称なのに、八代の気持ちがあんまり描かれてない
のが原因だと思う。
話の展開やハラハラドキドキ感はすごく良かったし、そういった部分が
うまくなれば、もっと面白いものを書ける力を秘めている!
これからに期待大ッ!

539:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/13 19:30:26 wxWosxSL
というわけで投下します。
511の続きからになります。

540:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/13 19:31:42 wxWosxSL


 まるで、ボールのように彼がごろごろと転がっていく。

 私は自分が引き起こした事態に呆然としていた。佐久耶は体を打っただけで
怪我はないが…八代は…八代は!!

「佐久耶…これは事件じゃなく…事故だ…いいな…?」
 死にそうになって、ぼろぼろに怪我をして、腕も変な風に曲がってて…血が…
全身から…。顔も…足も………八代が…八代が…こわれて…
 殺されそうになったにも関わらず、それでも八代は…私のことを考えてくれていた。

 私は………何を………。

「菖蒲さん…貴女は!!貴女は!!!!」
 救急車を呼んだ佐久耶は私を殺すような目で睨みつけ胸倉を両手で掴んで
締め上げていた。私は何も抵抗せずに…いや、抵抗する気も起きずにただただ
呆然としていた。

 このことは…結局事故として処理された。
 佐久耶が八代から頼まれたことを忠実に守ったからだ。
 入院などの手続きは後見人でもあるらしい一志のお父さんが全て執り行い、
緊急に手術が行われた。

 手術を待っている間、佐久耶は私に怒りを爆発させて一志も志乃も全ての事情を悟った。
 二人とも…そして一志の妹の志乃も私を許さなかった。
 当然だ。
 親友と恋人と兄代わりをそれぞれ殺されそうになったのだから。

 手術は成功し、八代は助かった。だけどそれは辛い生活の始まりでしかなかった。
 彼は……何日立っても目を覚まさなかった。


541:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/13 19:33:23 wxWosxSL


 新しい私の生活が始まった。とだけ考えると明るいようにも思えるが、全く反対だ。
 辛い、懺悔の為の、誰も味方をすることのない生活の始まりだった。でも、
やめることはできない。やめたとき、私はどうなるかわからない。想像できない…

 当初、私は重く頭の働かない体をそれでも強引に学校へと運び、毎日放課後に八代を見舞っていた。
 周りは当然いい顔をしなかった。それでも通い続け、一ヶ月が過ぎた頃…この日は病室に
一志、佐久耶、自分のほかに一志の妹の志乃が来ていた。
 病室では私や一志、佐久耶は視線をあわさなかった。兄と異なって低めの背にショート
の彼女はいつもなら黙って八代を見つめているだけだったが、ぼーっとこちらを眺めて
いたと思うと、急に敵意に満ちた目で全員を睨みつけながら低い声で言った。

「お前らいい加減にしろよ…」
 殆ど話すことのなかった志乃からそんな台詞が出て、驚いて全員彼女の方を向く。

「そこの女二人!お前らのくだらん争いが原因だろうが…よく恥ずかしくもなく
八代おにいちゃんの前に顔を出せるな!それから一志、お前もだ!あんたは男だろ。しっかりしろ!!」
 そこまで言い切ると、泣くのを堪えながら志乃は外に走っていった。私たちはそれを
あっけにとられて見つめていた。

 それから佐久耶は病室にはあまり来なくなった。学校では明るく、元気に過ごしているらしい。
 対照的に私は通い続け日に日に気力を失っていった。
 原因は私なのだ。彼女から見れば大事な人を意識不明にした憎む相手でしかない…。


542:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/13 19:34:19 wxWosxSL


 揃いも揃って毎日毎日暗い顔でうじうじしやがって…走りながら私は悔しくて涙が止まらなかった。
 一志の話だとあの美人二人のどちらかが八代にぃの恋人らしい。そして争って…
結局、八代にぃは巻き込まれたんだろう。悪い女に引っかかったんだ。
 むかつくのはそんな八代にぃに迷惑を掛けて命に関わる大怪我をさせたやつらが、
友達面して毎日病室に来ることだ。いやそれだけじゃない…何も出来ない自分自身にも
腹が立つ。今日のは八つ当たりだ。

 八代にぃと知り合ったのは小学生の頃だ。父親同士が友人で遊びに来たのがきっかけだった。
 一志とは気があっていたけど、私の初対面での印象は暗い奴…だった。でも、そう思ったのは
最初だけで、無口だけどしっかりとした温かい人だとすぐに分かった。
 私が料理をはじめとして家事を覚えたのも八代にぃの影響だ。私たちと同じ境遇なのに
後ろ向きにならずに自分の出来ることをする姿勢…そして、私を本当の妹のように
大事にしてくれた優しさ…そんなものを学びたくて真似していったのだ。
 八代にぃはもう一人の兄だ。

「一志……あの二人……特に、新庄さんっていったっけ…ここに入れたくないんだけど。」
「八代がもし起きてたら……気にしていないはずだ。」
 兄はよく理解してる。長年の親友なのだ。八代にぃはそんなこと望んでないと私もわかる。でも…

「私は……許せないよ。絶対に許せない。」
「あんな奴じゃなかったんだ。八代も菖蒲も好きになった相手が悪かった…。全てが
 悪い方向に動いただけだ。」
「なんで一志は許せるのよ…。八代おにいちゃんは…あいつのせいで!」
「俺も許せないはずなんだが……どうしても憎みきれない。今までの経緯…俺が知ってる
 限りの話だが聞くか?」
 私は頷いた。八代にぃのことはなんでも知っておきたい。そして私は三人に何があった
のかを理解した。そして、それでも……許すことは出来なかったが。

「それに……誰かが付いていてくれるのは正直助かる。あいつは…ハチは…」
「……」
「肉親がいないんだから。意外と寂しがりだからな。誰かが付いていてやらないと。寂しがる…。」
「………一志……私も……私たちも……家族じゃないの…」
 兄は苦い顔をしたまま何も言わなかった。


543:狂犬と少女たち  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/13 19:36:31 wxWosxSL
 ハチが倒れてから二ヶ月が経った。神城は見舞いにはあまり来なくなり、菖蒲は見舞いに
来続けている。見せ掛けでも元気に振る舞い、自分に出来ることをやっているらしい神城
とは異なり、菖蒲は学校にも余り来なくなり日に日に憔悴していった。
 俺は菖蒲のそんな姿を毎日見せられ、理由もわからずにいらついていた。
 そして三ヶ月が過ぎ、四ヶ月が過ぎ…ついに菖蒲は学校を辞めた。そして今日も
話すでもなく、身の回りのことをしてハチの手を握って眺め続けている。妹に文句を言われようが
誰に何を言われようが…。俺は衝動的に数ヶ月ぶりに菖蒲に声をかけた。

「菖蒲…もうお前もここに来ないほうがいい。てか来るな。」
 菖蒲はその言葉にこちらを向いた。その顔には以前のような人を食うような活力は
まるでなく、死んだ目で義務的にこちらを向いたという感じだった。

「私は…私は…八代を見てないと……見てないと……私のせいで…傍に…。」
「起きたとしても…お前がハチをどれだけ見てもハチはお前を見ないんだ!」
 ぱちんっ…と軽い音が室内に響いた。少し遅れて自分の頬に痛みを感じる。
 目の前にいる菖蒲は無気力な目ではなく、怒りに満ちた目でこちらを睨んでいた。

「それくらい…言われなくてもわかってるわよ…でもしょうがないじゃない!
 好きなのよ!何度も助けてもらって…馬鹿なことして死に掛けても私をかばって…」
「あいつは神城を選んだんだろう。」
「そんなので諦めれるわけないでしょう!ほっといてよ!」
 数ヶ月ぶりに話した目の前の唯一の女の友人…だったはずの奴はもう無茶苦茶だった。
 八代を心のよりどころにしてかろうじでもっている状態…だが…

「不毛だ。あいつも今のお前みたいな状態になるのは望んじゃいない。駄目になるだけだ。」
「ほっといてよ…」
「馬鹿やろう…自分が惚れた女が駄目になっていくのをほっとけるかよ!」
 …俺は自分で何を言ったのかしばらく理解が出来なかった…。だが、不思議に感じる
頭とは別に言葉は勝手に紡ぎ出されていく。

「これ以上ここにいるようなら力尽くでもここに来れなくするぞ。帰れ!」
「………帰らない。」
「てめえ!!」
 俺は座っている菖蒲を椅子から引きずり落とし床に這わせた。がっ!!と体を
床にぶつける硬い音がする。俺は菖蒲を組み伏して構わず続ける。

「もう一度だけいう。二度と来るな…。もう忘れるんだ…不幸になるだけだ。」
「……絶対に…嫌。」
 押し倒され、組み伏されそれでも拒絶の意思を見せられてついに俺の理性は飛んだ。
 強引に押し倒そうとし…

「いや………助けて八代…………」
 そして───理性が戻った。無意識に出る言葉も自分が殺そうとした八代…。
それに本気で縋っている事を悟った。
俺は菖蒲を離すと一度床を思い切り殴り、立ち上がって荷物を持った。

「すまなかった。帰る。今日のことは後日訴えるなり殴るなりしてくれ。」
 嫌がる女を無理矢理押し倒そうとした自己嫌悪と解決の方法のわからない無力感
といらだちだけが俺には残っていた。


544:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/06/13 19:38:41 wxWosxSL
今日はここまでです。
腕磨きつつ気を取り直して頑張ります。

545:名無しさん@ピンキー
07/06/13 20:16:33 iPjtX+rk
今日もGJ一番槍!
ダークだっていうからいろいろ想像していたけど、
想像していたほどドロドロしていなかったからホッとした俺ガイル。
続きもwktkしながら待ってます。
でも無理はしないでくださいね。

546:名無しさん@ピンキー
07/06/13 22:35:38 ytIuGwFO
素晴らしい。
こっちを先に読みたかったぞー!

547:名無しさん@ピンキー
07/06/14 02:33:07 lEGCV46G
保守

548:名無しさん@ピンキー
07/06/16 17:15:00 WFX28CNK
保守

549:名無しさん@ピンキー
07/06/18 01:59:23 4tbqGcJG
ここ固定の住人少ないのか?

550:名無しさん@ピンキー
07/06/18 11:26:50 leTVnvfY
確かに少ないかもしれないね。あんまり一般的な属性でもないし
◆x/Dvsm4nBI氏の続きやら新しい投下があれば
ちょっとはまた盛り上がるとは思うけど

551:名無しさん@ピンキー
07/06/19 10:42:51 sa50GeOm
書き込む住人だけでも10人はいるかと思っていましたが・・・。
◆x/Dvsm4nBI 氏の他、過去に投下された方の数も少ないわけではありませんし。

と言うわけで期待保守

552:名無しさん@ピンキー
07/06/19 10:59:54 FukrR9yb
パンツ下ろしたまま淫魔先輩を待ち続けているオレがここにいる

553:名無しさん@ピンキー
07/06/19 11:08:58 n+W2N/Cm
ゼロの使い魔とかでやられた人もここを覗いてそうなんだけどなぁ。

554:名無しさん@ピンキー
07/06/19 21:37:11 sa50GeOm
あれって依存とかありましたっけ?
いやまあ、主人公がいないと主が何回死んでいるかわかりませんが。

555:名無しさん@ピンキー
07/06/19 22:03:46 n+W2N/Cm
>>554
ルイズ

556:名無しさん@ピンキー
07/06/20 00:55:13 Q37X2l61

そういえば後追い自殺未遂をやらかしていましたねw
アレはこのスレ的にも良かった。

557:名無しさん@ピンキー
07/06/21 06:35:53 bvNqkDs5
未亡人が遺骨or位牌でオナるに死者への依存をみたい、24時間入れたままでないと生きられない…みたいな
喪服とリスカそして位牌

558:名無しさん@ピンキー
07/06/23 03:37:14 rwB8zzNc
投下待ち上げ

559:名無しさん@ピンキー
07/06/24 00:55:38 tiM9YQ/J
このスレ見つけて一気に読みふけっちまった。
サクサク読めるのから重厚な奴まで素晴らしい品揃えだぜ。

560:名無しさん@ピンキー
07/06/25 01:50:52 DAxRvl0J
凄くいいシチュだと思うんだが伸びないな

561:名無しさん@ピンキー
07/06/25 01:51:42 DAxRvl0J
すまん誤爆した

562:名無しさん@ピンキー
07/06/25 05:33:29 4It0A5ny
狙ったな

563:名無しさん@ピンキー
07/06/26 06:25:46 oj8aeOGT
ヤンデレ(notヤンキー)やキモウト等との競合
鉈っぽい打ち切りフラグ処理
が遠因か

564:名無しさん@ピンキー
07/06/28 13:22:57 MvFCGile


565:名無しさん@ピンキー
07/06/28 15:03:16 RR8vzRJZ
保守なんてしなくても落ちないから

566:名無しさん@ピンキー
07/06/28 19:51:06 NkM+pg3z
もうこのスレ無しでは生きていけない…

567:名無しさん@ピンキー
07/06/30 22:30:43 1phadcpN
けれど私達たちにはしてあげる事がコレ(保守)くらいしかッ……

568:名無しさん@ピンキー
07/07/01 07:32:23 EA36+iPh
頼む・・・投下を・・・

569:名無しさん@ピンキー
07/07/01 13:42:13 qUUSrgIb
「お願い……捨てないで……」

幼なじみの奏が、僕に抱きつきながらそう言った。
はっきり言って意味が分からない。
捨てるも捨てないも、そもそも僕らは付き合ってはいないし、僕には昨日彼女が出来たばっかりだ。

「お願い…愛してくれなくてもいいからぁっ…」

僕の胸に顔を押し付けながら、泣き出す奏。

「美紀の次でいいから、お願い……」

美紀ってのは彼女の事で──

「そばに居させて──」

そう、悲痛な表情で言う奏を突き放す事など出来る筈もなく、僕は奏に言う



「保守」

570:名無しさん@ピンキー
07/07/01 19:51:04 IOYlWJ8N
俺は今日もこのドアを開ける。

「よぉ…元気にしてるか?」

安アパートの部屋に入ると奥から女性が飛び出てきた。
飛び切りの美人だ…。俺の思い人。そして俺が手に入れてしまった女性。
飛び出てきた女性は俺を力いっぱい抱きしめ言った。

「お願い、欲しいの…頂戴!何でもするから!」

事の始まりは一ヶ月前だった。片思いの女性に告白する勇気が無かった俺は、先輩に相談した。
暴力団や裏組織などとのつながりがあると噂されていたが、頼りになる兄貴分だった。
俺の思いを聞いた先輩は、後日妙な液体の入ったビンをくれた。先輩曰く「最高の惚れ薬」だと。
俺は片思いの女性に飲ませた。こんな事になるとは知らずに。

先輩がくれた「最高の惚れ薬」は麻薬だった。普通の麻薬とは違い、肉体はぼろぼろにならず幻聴や幻視も無い。
薬物検査に引っかからず法的に規制されても居ない。ただ、あるのは強すぎる精神依存と快楽だけ。
思い人は一瞬にしてこの薬の虜になっていった。飲めばありとあらゆる刺激が強烈な快楽となり、効果が切れれば
ありとあらゆる事が負の感情となり心を蝕む。薬無しの生活など彼女にはありえない。薬を手に入れるためならば、
すなわち俺から薬をもらうためならば何でもやるようになった。

裕福な家庭のお嬢様だった彼女は親の金に手を出し家を追い出され安アパートに引っ越してきた。-俺の隣に。
薬無しの…いや、薬だけの生活になっている彼女は仕事など出来るはずも無く、一日中家に篭っていた。やることといえば、
寝て、起きて、食事して、トイレに行って、後は薬だけだった。親から勘当されている彼女に仕送りが来るはずも無く、生活費は
すべて俺が面倒を見ていた。薬もだ。薬は先輩から買っている…頑張れば変えなくも無い高額で、だ。薬を買うために、彼女を
養うために俺は朝から晩まで働いた。薬が無ければ彼女を手放さなければならなくなってしまう。その意味では俺もこの薬に依存
しているのかも知れない…。

俺に抱きついている彼女の頬に一粒の水が落ちた。…俺の涙だった。確かに彼女は手に入れることが出来ただろう。
彼女の腰まで届く美しい髪も、豊満な胸も、女神のような顔立ちも。しかし、手に入れたのは体だけで心は…。

「ねえ!薬頂戴!お願いだから!」

俺は彼女を力いっぱい抱きしめた。いつの間にかあふれるように涙が出ていた。彼女はもう元に戻らない。
俺が壊したんだ。俺は申し訳ない気持ちが一杯でこう言った。

「保守」

571:名無しさん@ピンキー
07/07/01 22:37:00 G9K/bmHy
>>569-570
乙とGJ
投下して下さる神が少ないのは、まとめがないからだと思いはじめてきた今日この頃。

572:名無しさん@ピンキー
07/07/01 23:31:04 QNohkfRm
>>571
じゃあ作ればいいジャマイカ

573:名無しさん@ピンキー
07/07/01 23:33:39 CmkeYpRR
前にだれかHTML落としてった人が居たなぁ……。



どう見ても最近更新停滞してるあそこの管理人っぽかったが。

574:名無しさん@ピンキー
07/07/01 23:40:04 Zamv8YiL
ショチョウGJ

575:瀬錬
07/07/02 00:34:28 9qPHFr+z
ちょっと投下してみます。

576:身体の関係
07/07/02 00:37:13 9qPHFr+z
 ―ある女の子は、目が生まれつき不自由でした。
 ―ある男の子は、身体が生まれつき不自由でした。

「―さ。行きましょ」
「ちょ、ちょっと待って。まだボタンが……」
「大丈夫よそんなの。一個や二個、ボタンが止まってないからって」
「そうじゃなくて…… 掛け違えてる。一個ずつ」
「……」

 二人はある時出会いました。
 二人は自分の不自由な部分が相手の自由な部分である事を羨ましく思いました。

「は、速い速い! そんなに速く押さないで! ぶつかる!」
「何言ってるの! 今日遅れたら減俸なのよ!?」
「それはそうだけど……! あ、前方十五メートル先、右!」
「了解!」

 ある時、女の子は言いました。目が見えていいわよね。身体だけ動いてもどうしようもないわ、と。
 ある時、男の子は言いました。身体が自由でいいよね。目だけ見えてもどうしようもないよ、と。
 二人は壮絶な口喧嘩を繰り広げました。

「―で、上官どのは何て?」
「連続遅刻の上に器物破損で減俸は覚悟しておけって。はいこれ始末書」
「面倒ねぇ…… 文面、君が考えてよ。私が打つから」
「そう来ると思ったよ」

 紆余曲折あって、二人は仲直りしました。
 そして気付いたのです。

「今日は随分とキレがいいね。どうしたの? ―左三十度上二十度、一機」
「さっきので三機目でしょ? ―捉えた?」
「そう。 ―捉えた。ちょっと右。そう、そのまま」
「じゃあスコア更新。あの馬鹿コンビが自慢してきたから見返してやろうかと思って。 ―落とした?」
「なるほど。 ―落ちた。いい動きだった」

 女の子の身体。
 男の子の目。
 二人が一緒なら、ほら。こんなにも―

「ん…… ヘンじゃない? 私の身体」
「そんな事ないよ。とても…… 綺麗だ」
「ふふ…… ありがと。どう? 眼帯、着けたままの方がいい?」
「? なんで?」
「目が人形みたいで気持ち悪い、って言われた事、あるから」
「そんな事ないよ。宝石みたいで綺麗だと思う」
「ホントに?」
「好きな人に―自分の身体に、嘘なんか吐かないよ」
「……ありがとう。自分の目の言う事だもんね。信じる」


577:身体の関係
07/07/02 00:39:18 9qPHFr+z
 こんなにも満たされて。
 こんなにも幸せで。

「―っ! はっ、はっ、っっ、く……!」
「だ、大丈夫……? もっとゆっくりした方が……」
「だ、大丈夫…… どう? 気持ちいい?」
「う、うん…… 暖かくて、なんだか、すごいや……」
「そう、良かった…… んっ、動く、わね」
「む、無理しちゃ……! う、あっ、くあっ!」
「ふふ…… 声、もっと聞かせて…… っ!」
「う、あ、あああッ!」

 君は私で、私は君で。
 僕は君で、君は僕で。

「私の中が、君で一杯ね」
「そういう事言うかな、普通」
「三回も出した癖に。この早漏」
「そ、それは、気持ち良かったし…… それに」
「それに?」
「き、綺麗だったから。君がイった時とか」
「それを言うなら君がイった時だって可愛かったわよ。女の子みたいだったし」
「止めてよ……」
「ふふっ……」

 この命尽きるまで。
 君と一緒に歩んで行く。


 ―はずだった。
 君が「私を」「僕を」裏切りさえしなければ―


「―どうして、こうなってしまったのかな」
 何処で間違えたのか。
 何を間違えたのか。
「さあ……? 私には分からないわ」
「まぁ、いいか」
「ええ。どうでもいい」
 敵は眼前。
 目は、身体は「二人」の時ほどではないけれど。
 「一人」の己に引導を渡すには十分に過ぎる。


 ―その事に気付いてから、女の子と男の子はお互いに支え合って生きていきました。
 いつまでも、いつまでも―



578:瀬錬
07/07/02 00:40:34 9qPHFr+z
以上です。

579:名無しさん@ピンキー
07/07/02 14:42:49 0BrV69kk
短いけど作品がktkr!
なんだか目からしょっぱい水が出てきたよ。

次はもっと濃厚なのを頼むッ!

580:名無しさん@ピンキー
07/07/04 19:14:53 DS3TTeUu
このままだと一年一スレッドになりそうだな。

581:名無しさん@ピンキー
07/07/06 02:04:13 99xDVg/p
一時期はふつうににぎわったんだがな・・・
またあの時の再現が起こらないもんか・・・

582: ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:23:39 xIArd9B9
久々に書いてみた。百合百合になったが反省してない。
というか、強化人間系の薬物依存を書こうと思ったのに、なんでこうなったんだろうか?
EXEs-R.A.C.E.に関しては読み方も姿も想像にお任せする

では投下、全9レスで百合

583:1/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:25:41 xIArd9B9
 西暦二〇七七年、人がスペースコロニーに住むようになった時代。人は宇宙に進出して尚、戦うことをやめていなかった。
 それまで宇宙の影に隠れていた生命体が、自らの生息域を侵犯されたと考えたのか、人間に襲い掛かってきたのである。
 話し合いの通じぬ彼らへ対抗する為、全人類規模で戦いを挑んだが、彼らの力は強く人類の半数が死滅するに到る。
 彼らに対抗する為、人類側は宙間機動戦闘用躯体EXEs-R.A.C.E.を開発し、反抗作戦を展開し始めた。
 だがEXEs-R.A.C.E.には厳しい使用制限が備わっていた……

***

 半年前までただの高校生だった私は、EXEs-R.A.C.E.の装者(レイサー)に選抜され、いつの間にやら
『地球統合軍第八機動艦隊二番艦宙間機動戦闘用躯体試験部隊所属三等空尉』
 という、いつまで経っても覚えられない肩書きを与えられた。
 私が統合軍の秘密兵器の試験装者となったのには、当然理由がある。
 確かに私の年代でも、志願兵として前線に行っている子たちはいるけれど、私はそういうことにはできるだけ関わりたくなかった。
 こんなことを言えば、人類の危機だと怒られるかも知れないが、私には戦いがひどく恐ろしいものに感じられたのだ。
 朝テレビを点けると昨日の戦死者の数を発表している。
 それを見ると毎日のように百単位の人が死んでいる、その中に私も入ってしまうかと考えると寒気がした。
 戦うことというより、死への恐れかもしれない。とにかく戦いや、それにまつわることが怖かった。
 なのに私が地球統合軍第八機動(略)試験装者になった理由、それは酷く単純だ。
 軍に入れば戦災によって重傷を負った母さんの医療費を、軍が払ってくれる―そのために、私は軍の戦闘兵器の一部となった。
「どうしたんです? 暗い顔して」
「―へっ?」
 声をかけられ気づくと、私の前には私と同じ肩書きを持つ、つまりEXEs-R.A.C.E.の装者であるリラ・キリュウが立っていた。
 そんなに暗い顔をしていただろうか?
「ああいや、なんでもない。それより、リラもお昼―って、凄い量」
 リラが手に持つトレイには、山盛りのパスタやマッシュポテト、それにデザートのゼリーが重なるようにして載っていた。
 リラは白磁の頬を赤く染めると、トレイで顔を隠し、小さな声で答えた。
「……だって、テストのあとはお腹が空くんです。フランは大丈夫なんですか、それしかなくて」
「ああ、うん。私はあんまりお腹空かないかなぁ」
 私のトレイにはチーズと合成肉のハムが挟まったハムサンドとオレンジジュースのパックだけ。
 ここに来た時にはもっと食べたような気がしたけれど、最近はあまりお腹が空かなくなってきていた。

584:2/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:27:44 xIArd9B9
 何故だろうか? と考えてもしょうがないことだ、おそらくストレスとかそんなのだろう。
「ここ座ってもいい?」
「どうぞ」
 リラは私の隣に座ると、小さく神へ祈りを捧げてから、食べ始めた。
 私は黙々と食べるリラの横顔を見つめ、この細い身体のどこにこれだけのパスタが収まるのだろうかと考えた。
 学生時代、特に背が高くなく身体の小さかった私よりも、リラは更に一回りくらい小さい。
 長いプラチナブロンドのおかげで、シルエットにはボリュームがあるが、それを一つにまとめてしまうと、折れてしまいそうなほどにリラは細く小さい。
 胸にいくというジョークを胸しか取り得のないアメリカ女が言っていたが、リラはそんなことはない。
 胸にも背丈にも志望にもいかないのなら、どこへ行くのだろうか。
 そう思って見ていると、リラの頬がじわじわ赤くなってきて、困ったようにこちらを見つめてきた。
「……あんまり見つめないでください」
 もじもじしながらリラが言うのに、私の中にある悪戯心がどうしようもなく沸いてしまう。
「どうして? リラがかわいいから見てるだけよ、気にしないで、ほら食べて」
「…………うう。イジワル言うときのフランは嫌いです」
「イジワルじゃないって、本心よ」
 そういってリラの髪に触れ、撫でると。リラの困り顔がほぐれ、とろんと弛んだ。
 そんなリラの素直なリアクションに、私はちょっとだけリラの貞操が心配になった。
 特に何かしたわけでもない私にこんなに懐くのなら、優しい言葉をかけられたら、飢えた男にあっさり食べられてしまうのではないかと。
 いや、私が心配するようなことではないか。心配するくらいなら、この子が一人でも大丈夫なように手助けしてやった方がましだ。
 それよりも、こうして女同士でベタベタしているせいで、同性愛者と言われないかを心配するべきか。
 ……でも、今の世の中同性愛者の女性は珍しくなくなっている。
 それは戦争最初期に男性の半数以上が死んだからであり、私たち女の身体から受胎機能が失われたせいでもある。
 現在、子供は自然受胎は不可能といわれており、人工授精がポピュラーだ。
 そのせいで子作りとしての生殖行為は失われ、本当の意味で好きなもの同士、ただ快楽を求める行為へと変質していた。
 だからそれまでは忌避され陰のものだった同性間でのそうした行為は、否定されることがなくなり。
 四分の三が女性で占められるこの艦の、同性愛者率は結構なことになっていたりする。
 この私ですら寝込みを襲われそうになったことがある。なんとか追っ払ったが。
 だが、リラは私同様に同性愛者でないと言い切れる。彼女は以前、同室の相手から犯されそうになった経緯があり。
 その時のことを怖そうに語った彼女が、同性愛者であるはずはない。私と一緒にいることでそう呼ばれないか、かなり不安だ。
 そういえば、何故かEXEs-R.A.C.E.の装者には、同性愛者が多く―あれ?

585:3/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:29:46 xIArd9B9
「なに? 風邪でもひいたの?」
 大量のパスタたちを食べ終えたリラが、ポケットから小さなケースを取り出し、そこから錠剤を四つ取り出すと飲下していた。
 リラは咽ながら、小さく首を振った。
「違いま、けほっ……すよ」
「なら今なに飲んだの?」
「これは……あれ? フランは飲んでないの?」
 頷いた。病気にでもならない限り、薬なんて飲みたいものではない。
「そっかぁ……」
 リラは一人で納得すると、ケースをポケットにしまい。
「そうだ、シャワー浴びにいこう、今の時間なら他に人いないよ」
「え、あ、うん」
 私はリラに引っ張られるようにシャワールームへと向かった。

***

 十二のブースに区切られたシャワールームは、男女それぞれ一つずつしかなく、混んでいるのが通常だが。
 昨日、新型のEXEs-R.A.C.E.が搬入され、その組み立てと調整のために、格納庫の人口密度は酷いことになっていたが。
 そのおかげでそれ以外の場所は、いつになく閑散としていた。
 新型の試験装者に選抜されたものたち以外―つまり私たちのような装者には更にその恩恵があり。
 普段はテストとレポートで一日が潰れるのに、今日明日は呼ばれない限りは休みなのだ。
 昔のこと、入隊の経緯を思い出してしまったのも暇だったからかもしれない。
 私はリラが服を脱ぐのを手伝ってやり、それから自分も脱ぎ、適当なブースに入ると、当然のようにリラも入ってきた。
「今日は混んでないから他使ったら」
 意地悪をいってやると、リラは私を睨み上げ。
「……一人ではいるの、怖いから、その……」
 今にも泣きそうな声でいった。
 もうその姿が愛玩動物かそれに類するものにしか見えなくなった私は、思わず抱きつきそうになったが、なんとか自重した。
 そんなことをしてリラに嫌われたくなかった。
「どうしたの……?」
 リラが不安そうな視線を向けてくる、私はにっと笑うと。

586:4/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:31:49 xIArd9B9
「なんでもないよ。ほら洗ってあげるから、背中向けて」
「あ、うん」
 いつものようにリラの小さな背中を洗ってやることにした。
 シャワーから艦の動力炉の余熱で暖められたお湯を出し、頭からお湯をかけてやると、リラは身体を縮めた。
「あ、熱い?」
「んーん、だいじょうぶ」
 共用のスポンジもあるが、何に使われたか分からないので私物のスポンジにボディソープをかけ、泡立てると、リラの肌を傷つけないように、そっと触れた。
「ふぇっ」
 驚いて声をあげるリラの背中を、そっとそっと、静かに擦る
「ひゃ、あはっ―や、やめてよ。くすぐったいよぉ、っ」
「えー、なにー、聞こえなーい」
 リラの背中というか肌は人並み外れて敏感なせいで、ちょっとくすぐってやると、直ぐに反応してしまう。
 リラは自分を抱きしめ、身悶えする。
「やめてやめてっ、くすぐったいよっ、あははっ、やぁ」
 そんなリラを見て、にやにや口元を弛めている私はかなり駄目な人かもしれない。
 リラはちょっと肉のついたわき腹付近も弱いが、首筋を軽く撫でてやるだけで、簡単にあられもない声をあげる。
「―ひゃんっ、あっ、やめっ、ううう……」
 逃れようとするリラの小さな身体を片腕で引き寄せると、腋の下を指先でこちょこちょとくすぐってやる。
 リラはまるで水揚げされた魚のように暴れまわるものだから、二人して滑って転んでしまった。
 打ったのが頭じゃなくお尻で良かったなんて思っていると、リラは楽しそうに笑い始め、釣られて私も笑っていた。
 重なった笑い声が途切れるまで、少しの時間が必要だった。

***

 予定していた装者が新型EXEs-R.A.C.E.に適合できず、その代わりとしてリラが新型の装者となった。
 リラが駆る新型は圧倒的なもので、偶然遭遇した彼らの艦隊をリラ一人で葬ってしまった。
 私はそれを見ていることしかできず、ただただ凄いなあと、そう考えていた。

 しかし、その翌週には私の考えは変わっていた。
***

587:5/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:33:57 xIArd9B9
 新型の装者としてあちことにひっぱりだこにされていた、リラと三日ぶりに会ったのはシャワールームの中だった。
 シャワールームのブースの中で、リラが糸の切れた人形のように倒れていた。
 私は直ぐに医務室まで行き、軍医を連れてきて、リラの容態を診させた。
「どうなの? 大丈夫なの」
 訊くと、軍医はため息を吐き。
「なんだ、ただのフィードバックじゃないですか」
 軽い口調でそう言った。フィードバック?
「これなら、いつもの対抗剤さえあれば……」
「ただのって何よ、教えなさいよ、なんなのよっ」

 軍医から聞き出したことによると。
 EXEs-R.A.C.E.の装者にはある特定の遺伝子が必要であり、それが選抜の理由となるのだが。
 その遺伝子は年齢と共に減少するし、EXEs-R.A.C.E.をまとって出撃するたびに減少する、だからいつかは乗れなくなるのだが。
 その減少を抑えるための薬物があり、それを服用することによって装者としての寿命を延ばせるらしく。
 リラが服用していた薬はそれらしく、リラのレイサーとしての寿命は幾許もなく、今は薬の力で乗っている状態らしい。
 だが、その薬は決して人体に無害と言えるものではなく、少しずつ寿命が磨り減っていくのだそうだ。
 私はその事実を聞き、それ以外の方法がないのかと訊くと、医師は意外にもあると答え、更に予想外の答えを言った。

***

 私は今、新型の装者として個室を与えられたリラの部屋へ来ていた。
 私物の殆どないリラの部屋は閑散としていて、もの寂しい。私はリラが目覚めるのを待った。
「……ん」
 リラの穏かな寝顔が崩れ、呻き声を上げるのを聞きつけ、声をかけた。
「おはよう、リラ」
「おはよぅ……あれ、なんでフランがいるの……」
 不思議そうにするリラ、私はリラの髪を撫でてやりながら答えた。
 EXEs-R.A.C.E.のレイサーとして戦う代償を知ったこと、それへ抗う手段を知ったこと、そして
「これからは私がリラの対抗剤になるから、だから、薬に頼らないでリラ」
「……え?」

588:6/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:36:01 xIArd9B9
 対抗剤以外による遺伝子減少への対抗策、それは―性的快楽。
 性的快楽を得たときに分泌されるそれは遺伝子の減少を抑えてくれる。
 軍人に同性愛者が多いのは、対抗剤を使用しないでの遺伝子減少へ対抗するためでもあるらしい。異性とするより気軽で、後腐れないから推奨されているのだそうだ。
 私がそのことを知らなかったのは、入隊してから半年は知らせないという規則があったため。私にも、もう少しで教えるところだったのだそうだ。
 驚いたように私を見上げるリラの視線に耐え切れず、私は視線を逸らした。
「リラが、そういうの怖いってのは分かるよ。でも薬で身体ぼろぼろにするよりいいじゃない、だから……怖いけど、私と、しよう」
「……フラン……フランはそれでいいの?」
「私だって怖いよ、怖いけど。身体がぼろぼろになるくらいなら、したほうがいいし。それに、リラだからこんなこと言えるんだ。ううん、リラじゃなきゃ、ダメなんだ。私の相手は」
 そう私にだって、いつかはリラと同じ様な症状に襲われる時が来る。
 それに対抗する為に薬を飲むか、しなければならないというのなら、身体がぼろぼろになる薬なんか服用したくない。
 だけど、相手が誰でもいいというわけじゃない。
 この艦にいる人で、リラ以上に親密な人はいないし、リラ以外に親友と呼べるものはいない。
 だから、というわけだけでもない。
 リラとならば、未知のその行為も怖くないように、そうお風呂でふざけ合うのと同じ様に出来るのではないかと考えたのだ。
「フラン、こっち向いて」
 リラの言葉に、そのお人形のような顔を見る。リラは僅かに涙していた。
「私もフランとしたかった。キスして、フラン」
「……うん」
 初めてのキスが寝ている少女相手など、全く予想しなかったが、考えていたよりは自然とできた。
 唇を重ね、どちらからともなく唇を割り、リラの舌が私の上唇を舐めた。
 積極的なリラに多少驚いていると、私の唇はリラの唇に甘噛みされ、そうかと思うと舌と舌が絡み合っていた。
「……んっ……んん……」
 唇よりも敏感な舌が絡み合う感触に、思わず声が漏れ出し、息が乱れてしまっていた。
 気持ちいいなあと思う反面、リラを気持ちよくしてあげたくなって、舌を動かしてみたが、リラほど器用に動かない。
 リラの舌はどうしてそんなに自在に動くのか、雑な動きしか出来ない私の舌を自在に操る。
 涎が舌に乗り、リラの口の中へ零れるのが分かった。
 リラは嫌がらず、瞑っていた瞳を開くと、小さく微笑み私の腰に手を回して引き寄せた。
 重なる身体に、私は妙なことを考えてしまった。
 唇を一旦離すと。
「ちょっと待って、私が上だとリラ潰れない」

589:7/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:38:10 xIArd9B9
 本気で不安だったから聞いたというのに、リラはまぶたをぱちくりと開いたり閉じたりしてから、笑った。
「ふ、ふふふ。だいじょうぶだよフラン、フランそんなに重たくないよ」
「いやでもほら、十キロ―いや、五キロくらい体重違うしさあ」
 別に私が太っているからではなく、体格差の問題だ。この体勢だと、リラを押し潰してしまいかねない。
 リラはひとしきり笑うと。
「そうだね。じゃあ、フランが下になって」
「うん。そうだ、服脱いだほうがいい?」
 そう訊くと、リラは頷いて肯定し、一旦ベッドから降りた。
 私は服を脱ぎ、ベッドの上に寝転がるとリラを待った。
 リラはクローゼットから何かを取り出してくると、服を着たまま私の上に跨った。
「あれ、リラは―ひっ」
 リラの手には、不思議なものが握られていた。
「ふふ、でも嬉しいなあ。フランから来てくれるなんて」
「ね、ねえリラ。その手に持ってるのは、なあに?」
 訊くと、リラは愉しそうに笑った。それだけで答えは充分だった。
「わたしがいつも使ってるの、今からフランにも挿入てあげるね」
 それはかわいらしいピンク色の、でこぼこがついた、リラが使うというにはあまりにも巨きすぎるディルドーだった。
 リラはそれをぺろぺろと舌先で舐めながら答えた。
「そ、そんなのはいっちゃうの、リラって」
「うん。フランはね知らなかったと思うけど、わたしフランのことずっと好きだったんだ。フランてお姉ちゃんみたいに優しくて、美人で、綺麗なおっぱいしてて、いつもしたいって思ってたの」
「……な、なに言ってるの」
 リラは恋する乙女な瞳でにっこり微笑むと。
「フランのこと、姦したいって思ってたの」
「で、でもリラって、女からレイプされて人間嫌いに……」
 リラは不思議そうに首を傾げ「わたしそんなこといったっけ」と言った。
「でも、されたときのこと辛そうに言ってたじゃない」
「―ああ、だってそれは、あの子上じゃなきゃやな子で、反りが合わなかったの」
「な……それだけなの?」
「うん」
 リラは天使の微笑みで答えた。

590:8/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:40:12 xIArd9B9
 何がなんだか分からなくなってきた、これはいったい。まさか
「リラって女の子好き?」
「うん、大好き」
 即答した。
「ああ、でもね。フランが一番好きだよ、誰よりも好きなの。だからフランの裸を他の子たちに見せないように、守ってあげてたんだから」
 混乱した私は何も考えられず、そこへリラは最終宣告のように告げた。
「じゃあ、挿入るね」
「……え―ええ、ちょっ」
 抵抗する間もなく、リラは私の秘部にそれをあてがうと。
「少しずついくより、一気にやった方が後が楽だから。ちょっと痛いけど我慢してね」
 リラは言うや、それを私の中に押し込んだ。
「――っっ!!?」
 膣から一気に脳天まで貫かれたかのような衝撃と痛みが走り、意識が一瞬飛んだ。
「ごめんね、いたかったよね」
 リラは耳元でそう囁いてくれたが、抜いてはくれず、挿したまま、私の下腹部をゆっくりと撫でた。
「今ね、ここくらいまではいってるんだよ。ふふ、フランは食いしん坊さんだ」
「……い、痛いの、抜いてよ」
「もう少し待ってね、今に気持ちよくなるよ」
 リラはそう言いながら手を這わせて、股間に伸ばすとそれをピストンさせるのかと思いきや、違う部分に触れた。
 そこに触れられると、先程とは違う、電流に似た、上手く言葉に出来ない感覚が体中に溢れた。
「ねえ、フランってオナニーするときって、どこら辺触るの?」
 リラはクリトリスをくすぐりながらも、耳元で囁き続ける。
「ナカ? それともこっち?」
 私は首を振った。
「じゃあどこで……あれ? もしかして、オナニーもしたことなかった、とか」
 その問いに答えるのは辛かったが、私は小さく頷いた。
 すると、リラが愉しそうに笑い。
「じゃあ、わたしフランも触ったこともなかった場所に触ってるんだ。なんか、うれしいねぇ」
 クリトリスが抓まれ思わず腰が浮き、その振動が膣内のそれにも伝わって微妙に動いてむずがゆいような感触。
「いいから、早く抜いてよっ」

591:9-1/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:42:14 xIArd9B9
「……そんなに嫌なの?」
 私が頷くと、リラは残念そうにため息を吐き、抜いてくれた。
 異物が入っていたせいで拡がっていた膣が元に戻り、落ち着けたけど、何故か物足りなさを感じた。
 リラは今まで私の中にはいっていたそれを、口に含み蕩けた表情で味わって、言った。
「じゃあ、今日はわたしがこれ使うね」
 口から抜くと、私の上に跨ったままスカートをたくし上げ、パンツをずらして挿入した。
「くっ……あ……ぁんっ」
 リラは苦痛そうに顔を歪め、身体を痙攣させると、しかし直ぐに顔の緊張を解いた。
「ねえ、フラン。自分で動かすのって辛いの、だから……おねがい」
 リラはくたっと倒れ、足を広げたまま辛そうに体を動かす。
 私はごくっと唾を飲むと、身体を起こし。
「いいの?」
 と確認した。
 リラは頷き、やりやすいようにか、更に足を広げた。
 私は自分が先程された苦しみを理解しながらも、リラの膣に突き立つそれを掴み、まずは引き抜いてみた。
 するとリラは上体をくねらせ、自らを抱いた。
 私はいつのまにやら、ほしがりな涎で濡れたピンク色の唇へ押し込む。
「あ、ああ、う、擦ってる、こすってるよぉっ。あ、……ああああっ」
 挿し方が拙かったらしいと思い、引き抜き再び突き刺す。自分の感覚の届かないディルドーがどう進んでいるのかわからない。
 前後に押し出しするだけでも、リラは喜んでくれるが、動かしているうちに、リラが特に好きな場所がなんとなくわかった。
 こうした経験はなくとも、リラをくすぐることにかけては経験豊富な私だ、リラの表情や声の出し方で、どこを触られたら気持ちよくて不快かくらいは判る。
「いっ……やっ……そこ…もっと……ううう……フランすごいのぉ……」
 リラは奥まで突き立てられるよりも、膣壁を抉るように進ませた方がいいようで。奥まで入れると、痛いだけのようだ。だからこそ。
「ひゃんっ―またっ、っ、いっ。ひど、いよっ」
 奥を重点的に突いた、先程のお返しだ。
 奥を突かれると痛みも強いがその分、快感も強いらしく、リラの小さな肢体が激しく悶えた。
 痙攣し、いちいち表情を歪めるリラに、なんだか愉しくなってきてどんどん攻める動きが激しくなっていくのが自分でも分かった。
「ねえリラ気持ちいいの? ねえ答えてよ、ねえ、ねえ」
 リラの胸を撫でながらいうと、リラは涙ぐんだ目で私を責めた。
 リラの気持ちなど、応えてもらわずとも、手に感じる心臓の鼓動で理解できた。

592:9-2/9 ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:44:20 xIArd9B9
 だから、それまでの身勝手な責め方から変更し、リラが気持ちいように膣襞を抉ってやる。
 リラは手で、顔を隠し、言葉を洩らした。
「も、……だめ」
 リラの身体が一段と激しく痙攣し、リラは勢いよく尿道からおしっこを飛ばし、ベッドへ、なにより私の顔へかけた
 リラの熱い迸りに、私はそれが汚いものだと判りながらも、何故か少しだけ嬉しかった。
 それが何故なのかわからないけれど、
「お漏らししちゃったね」
「……ばか」
 というリラがとてもいとおしい存在に想えた。
 私はリラの唇に唇を重ねると。
「じゃあ、今度は私にして」
 と言い、リラが嬉々として目を光らせたのを見て。
「でも、先にお風呂に入ろう。臭いままじゃいやでしょ」
 そういってベッドから降りた。


  完

593: ◆DppZDahiPc
07/07/07 02:46:41 xIArd9B9
先生! エロい文章の書き方も判りませんが、
行数が横に出るエディタ使ってるくせに、総レス数間違えた自分の脳みそが理解できません!

以上、保守。

594:名無しさん@ピンキー
07/07/07 18:06:34 XeKURn6w
GJ!
なんと言うクォリティwww
これはもう既にエロパロとかの域を遥かに超えているwww

595:名無しさん@ピンキー
07/07/08 06:10:50 5OePNicn
アゲ

596:名無しさん@ピンキー
07/07/09 18:51:29 d05hlNFO
>>593
GJ!
職人が降臨されたのにGJが一つしかないとは…。かく言う私も二日遅れだがw

597:名無しさん@ピンキー
07/07/11 00:54:04 WASHpHqr
百合だ!百合だぞ!
最高だ!!

598:名無しさん@ピンキー
07/07/12 20:53:19 vR0YZJnQ


599:名無しさん@ピンキー
07/07/15 05:06:28 nxHSp54x
補者

600:名無しさん@ピンキー
07/07/16 14:21:44 BOj/CVXV
これだろ?!
URLリンク(jggj.net)
URLリンク(jggj.net)
URLリンク(jggj.net)

601:名無しさん@ピンキー
07/07/16 20:13:42 qsstGIeJ
普段は女に相手にもされない虚しい住人どもの巣窟か
キモヲタは、くたばれ・消えろ・失せろ・潰れろ・馬鹿・あほ・間抜け・ドジ。
ポンコツ・トンチキ・ガラクタ・クズ・ゴミ・カス・最低以下の下劣・下等種族。
劣等種族・下衆野郎・腐れ外道・邪道・外道・非道・ウジ虫・害虫・ガン細胞。
ソマン・マスタードガス・ダイオキシン・イペリット・クソブタ・悪魔・電波・殺人犯・ブタ野郎・畜生・鬼畜・悪鬼。
ライトニングロードローラーの餌食になってしまえ・マンキンEXE・欠陥住宅・寄生虫・大虐殺者。
邪気・邪鬼・ストーカー・クレイジー・ファッキン・サノバビッチ・原爆・水爆・核ミサイル・シット・ゴキブリ・ガッデム。
小便・便所の落書き・サルモネラ菌・サディスト・不要物・障害物・産業廃棄物・邪魔者・除け者・不良品・カビ・腐ったミカン。
土左衛門・腐乱・腐臭・落伍者・犯人・ならず者・いんぽ・チンカス・膿・垢・フケ・化膿菌・О157。
放射能・放射線・鬼っ子・異端者・包茎・妄想・邪宗・異教徒・恥垢・陰毛・白ブタ・愚か者・下水道。
ケダモノ・ボッコ・ろくでなし・VXガス・ヒ素・青酸カリ・地獄逝き・ウンコウマー・監獄・獄門・さらし首。
打ち首・市中引きずり回し・戦犯・絞首刑・斬首・乞食・浮浪者・ルンペン・物乞い・下等生物・アフォ。
放射性廃棄物・余命1年・アク・割れたコップ・精神年齢7歳・裁判は必要なし。
不良品・規格外・欠陥品・不要物・チムポの皮が3メートル近くある・糞スレ・埃・掃き溜め・吹き溜まり・塵埃・インチキ・居直り。
ふてぶてしい・盗人・盗賊・残忍・残酷・冷酷・非情・薄情者・ガキ・クソガキ・哀れな奴。
ファッキン・ガッデム・サノバビッチ・シット・ブルシット・ボロ・反省する気も謝罪する気もゼロのDQN・ボッコ・妄信。
狂信者・有害物質・毒薬・猛毒・発ガン物質・誇大妄想狂。他人の悪口は山ほどほざくが反省は一切しないガキ根性野郎・腐れ根性。
腐って歪んだプライドの持ち主・狭量・ボケ・ボケナス・アホンダラ・たわけ。
怠け者・無能・無脳・狂牛病・脳軟化症・思考停止・アメーバ・単細胞・蠅・蚊・カビ・排気ガス。
腐敗・膿・下劣・下等生物・劣等種族・クレイジー・マッド・ストーカー。
人格障害・守銭奴・見栄っ張り・ええ格好しい・粗製濫造品・偽物・似非・ブォケ。
イカレ・乞食・浮浪者・ルンペン・狼藉者・放蕩息子・道楽息子・極道息子・要らぬ存在・ヘッポコ。
迷惑・困りもの・厄介者・村八分・異端者・アウトサイダー・死人・水死体・お前はもう死んでいる。
ナチスドイツ・アルカイダ・ビンラディン・三菱自動車・麻原・731部隊・ポルポト派らと同類。
宇宙一馬鹿で間抜けで弱い種族と同類・下品マン、ギロチン、永遠地獄行き、
ฺღ〠ᩬǛとか意味不明な言葉を発する種族と同類。
他人にばっかり迷惑をかけて自分は迷惑をかけられてないのに.くらいの反省すらしない馬鹿餓鬼。
クソガキ、悪趣味、麻薬売人、首飛び、違反行為、エログロ好き、池沼。
王様に迷惑、伝説に伝わる程の馬鹿、壊れたフロッピーディスク、激極大癌細胞。
しつこいコケ、キモヲタ、グロヲタ、エロヲタ、異常な売買、客としてキムチ.ぐらいも渡せない。
\_WW/|WWWWWWWWWWWWWW/
≫そして、こんな数の悪口を考え、≪
≫作る精神と体力が.ぐらいもなく ≪
≫馬鹿という悪口すら言えないグズ≪
/MMMMMMMMMMMMMMMMM、\
    ∧_∧
    (  ´A`)
    (     )
    |  |  |
   .(__)_)

602:名無しさん@ピンキー
07/07/17 19:24:47 Jyn8q5/k
>>601
ツンデレまで読んだ

603:名無しさん@ピンキー
07/07/17 22:13:52 sNBGhq5D
ライトニングロードローラーって何だろうな。かっこいい。

604:名無しさん@ピンキー
07/07/18 17:44:25 LY526u6d
>>603
よく見つけたなwww
ほんとだww カコイイww

605:名無しさん@ピンキー
07/07/18 18:11:59 00ObQZOn
ライトニングロードローラーだ!

606:名無しさん@ピンキー
07/07/19 02:53:08 hBxQWNCF
屁種

607:名無しさん@ピンキー
07/07/19 09:42:48 iGw/3Cs2
 ガッデム・ボッコ・クレイジーとか二回出てきているのがいくつかあるな。字数稼ぎかな?
 あとガッデムとか三菱自動車とか今ひとつ悪口として分からないものもある。

 なんか見ていて中学校のころ隣に住んでた女の子を思い出した。
 当時小学校ぐらいのその子はいつも俺に遊んでくれとねだってきていたな。
 でもいつも遊べるわけじゃなくて、そんなときは彼女にひたすら罵られたんだが、小さい子供のいうことだから今ひとつ悪口になりきっていないところとか同じ言葉を繰り返すとかそういうところがあったんだ。
 友達とか見たことなかったし、今考えると寂しかったんだろうな。

608:名無しさん@ピンキー
07/07/19 09:53:44 vknAnOzF
それ依存フラグだな

609:名無しさん@ピンキー
07/07/19 17:50:50 88/MFZFt
>>607

.      ,.r''´      ; ヽ、
    ,ri'  、r-‐ー―'ー-、'ヽ、
   r;:   r'´        ヽ ヽ
  (,;_ 、  l          ::::i 'i、
 r'´    i'   _,   _,.:_:::i  il!
 ヾ ,r  -';! '''r,.,=,、" ::rrrテ; ::lr ))
  ! ;、 .:::;!    `´'  :::.   ' .::i: ,i'
  `-r,.ィ::i.      :' _ :::;:. .::::!´
     .l:i.     .__`´__,::i:::::l
     r-i.     、_,.: .::/
      !:::;::! ::.、     .:::r,!
     l::::::::ト __` 二..-',r'::::-、
     l;::i' l:     ̄,.rt':::::::/   ` -、
    ,r' ´  ヽr'ヽr'i::::::::;!'´

 ソレナンテ=エ=ロゲ[Sorenant et Roage]
     (1599~1664 フランス)

610:名無しさん@ピンキー
07/07/24 12:44:45 HwkH1EEj
>>607
早く連絡を取れ。今ならまだ遅くないかも試練

611:名無しさん@ピンキー
07/07/25 04:45:57 DGXcwKNa
保守

612:名無しさん@ピンキー
07/07/27 13:20:54 EkOUgvb9
つーかこのスレ見てるやつ今何人居る?

613:名無しさん@ピンキー
07/07/27 14:45:41 8MWqe+3E
少なくとも、三人以上。

614:名無しさん@ピンキー
07/07/27 15:06:34 WOiNjekp
おるよ

615:名無しさん@ピンキー
07/07/27 18:40:08 tEi2cccM
俺も俺も

616:名無しさん@ピンキー
07/07/27 19:34:42 d/LBHIdv


617:名無しさん@ピンキー
07/07/27 19:41:30 7jtCShDx
ノシ

素直スレの同級生(略

618:名無しさん@ピンキー
07/07/27 19:43:52 7jtCShDx
は良い依存だと思う

スレが切ないのは
デレ≒依存
でアッチが盛況だからかねぇ

619:名無しさん@ピンキー
07/07/28 01:37:37 08M/lKVT
圧縮前ほーしゅ。


620:名無しさん@ピンキー
07/07/28 22:41:25 H1o/blrY
ニャ━━ヽ(゚∀゚)ノ━━ン!!

621:名無しさん@ピンキー
07/07/30 21:31:18 Iwp6O8ra
刻が見える

622:名無しさん@ピンキー
07/07/30 21:56:32 moBV2WSP
結構良くみる台詞だが大本は何なんだろうか?

623:名無しさん@ピンキー
07/07/31 11:55:53 J/VQ72Ph
>>622
 ファースト・ガンダ無
 ララァ・スン嬢のお言葉より

624:名無しさん@ピンキー
07/07/31 11:59:04 /ohhm7+f
>>623
㌧クス

625:名無しさん@ピンキー
07/08/05 04:29:42 XP3GrdhC
何気に毎日覗いてるなぁ

626:名無しさん@ピンキー
07/08/05 20:28:24 XzY0Muq/
俺も。
気の強いヒロインで書いてくれないかな~

627:名無しさん@ピンキー
07/08/05 23:24:18 aJlsL6h/
人はいるのに新作がこないってのが悲しい…

628:名無しさん@ピンキー
07/08/09 02:49:56 Tp6wYkxD
携帯ロム厨の俺が保守アゲ

629:名無しさん@ピンキー
07/08/11 01:07:31 +Y+Yc9ZN
あげてみる

630:名無しさん@ピンキー
07/08/14 20:22:36 L0YrZriI
保守age

631:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:12:25 VfM+guZa
携帯からのカキコは初めてなもんで(これで本当に下げてんのかどうかすらわからん)、うまくいかないかもしれんが・・・、とりあえず投下。

632:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:13:25 VfM+guZa
「別れよう・・・」
 ガシャン、という音がした。下を見ると、私が今まで持っていたコップが、みるも無残に砕けていた。
「な、何でそんなこと言いだすのよッ!」
 表面上だけでも虚勢を張ったが、それもいつまで持つかわからない。
「お前の父さんから聞いた。縁談、あるんだってな」
「だから何なのよッ!?」
「わからないのか?縁談がある人に、彼氏がおかしいんだよ。だから、俺と別れろ」
 さっきより強い彼の口調に、私は思わず口をつぐんでしまった。しかし、このまま黙っていれば、私が黙認したことになってしまう。

633:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:14:27 VfM+guZa
「い、いやだ!」
「お前・・・はぁ」
と、彼は困ったように嘆息する。
「何で、なんで縁談があるからってアンタと別れなくちゃいけないの!?」
 別れる、という恐怖に耐えられなくなって、ついに私は涙を堪えられなくなってしまった。
「私は、ぐずっ、アンタの事が、ひぐっ、死ぬほどすきだよぅ・・・えぐっ、私は、アンタがいない、ひぐっ、と生き、ていけないのに、えぐっ、嫌だよぅ・・・ぐずっ、別れるのだけは、ひぐ、絶対いやぁ・・・」
 私がそう言うと、彼は辛そうな目をしながらも、
「別れよう」
と言った。

634:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:16:34 VfM+guZa
 私の中で、何かが切れた。私は、近くにあった果物ナイフを手に取った。それは、この前買ったばかりで、まだ切れ味は相当良かった。
 私がその切っ先を自分に向けると、彼の顔色が変わった。
「お、おい・・・」
「アンタが、えぐっ、どうしても別れるっていうんなら、ひぐっ、ここで死んでやるッ!!」
 そして、目をつぶり、自分目がけて包丁を突き立てた。
 ぐしゃ!、という肉を切り裂く音が耳に入る、がしかし、自分の体にナイフが突き立った感触はない。
 恐る恐る目を開けると、そこには信じられない光景があった。

635:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:17:39 VfM+guZa
 彼の腕に、ナイフが刺さっていた。完全に貫通している。そこからは、真っ赤な血がどくどくと・・・。
「い、いやぁ・・・な、なんで・・・」
 腰が抜けてしまい、すとん、と床に尻餅をついてしまった。
 床は血で真っ赤。私のお気にのブラウスも真っ赤。彼の体も真っ赤・・・。
 突然、バタン!という音と共に彼が倒れた。彼の顔は、腕からあふれる血とは対称に青白くて、今にも死にそうで・・・。
「いやだぁ!起きて!起きて!やだやだやだやだやだ!私を一人にしないで!私の所為で死なないで!」

636:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:24:12 VfM+guZa
 もう、僕の力じゃここが限界です・・・・・・orz
 非常に拙い文章のうえに、30分で書いたことがバレバレの浅はかなストーリーですみませんでした。

637:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:53:43 thLtn+NQ
>>636死ね。頼むからもう二度と投下もカキコもしないでくれ。

本当に不快な気分になったからさ。

638:名無しさん@ピンキー
07/08/15 03:30:28 +er3rQTV
>>637
クレクレ野郎の癖に態度だけはデカいんだな。
お前が死ねwwwwwwwwww

639:名無しさん@ピンキー
07/08/15 08:02:31 YaSRL00E
せめてヤンデレか修羅場スレに投下するべき内容だったな。

640:名無しさん@ピンキー
07/08/15 14:09:12 Iw13pV6l
>>636
謝るぐらいなら書くな
貴方は神(職人)が見捨てたこのスレに、どのような文にせよ投下したのだから。
誇る事は出来なくとも謝る必要は無いはずだ。


あ、でも誤字脱字はそれ以前の問題な。
ストーリーや文章力の是非はおいといて、携帯だからといって推敲しないのは論外。
>>632
>縁談がある人に、彼氏がおかしいんだよ


641:名無しさん@ピンキー
07/08/15 17:31:06 3WBcHzMl
SSを投下したい気持ちと大まかなプロットはあるんだけど、
今まで短い小ネタみたいのしか書いた事無いから
エロを含めたある程度長いSSを書けるかどうかが不安でたまらん。

642:名無しさん@ピンキー
07/08/15 18:16:33 XWJrwDh9
メモ帳開いてまずは、書け
そしてえぐり込むように、推敲
一晩と言わず3日は寝かせて
自信が無かったら、ひたすら音読
無理に長くしなくても短いSS、十分結構
中途半端なエロを無理矢理ねじ込んだ尻切れ蜻蛉より全然桶

萌え~なほのぼの微エロスキーな自分が言っても
全然説得力ないかもしれんが、神の降臨を心より待ち望む
只、度重なる誘い受けは勘弁な


643:名無しさん@ピンキー
07/08/21 12:40:22 w4ssBgCt
保守
まだ沈ませんぞぉ

644:名無しさん@ピンキー
07/08/21 20:19:52 z/m1iVDb
クレクレのくせにえらそうなやつがいるから過疎るんだよ・・・

645:名無しさん@ピンキー
07/08/22 20:02:29 tcWh85lt
依存キャラがいるネット小説知らね?

646:名無しさん@ピンキー
07/08/23 03:26:08 NNi2Qwzj
hisavisaに来た俺に三文字以上二文字以内のお題プリーズ

647:名無しさん@ピンキー
07/08/23 03:28:17 NNi2Qwzj
ごめ……誤爆orz

648:名無しさん@ピンキー
07/08/23 21:07:27 hd5/dIF0
>>646

マジレスしてやるぜ



物理的にミリだwww
三文字以上二文字以内ってどうしろとwww
ってかどんな感じで書けばそうなるか教えてくれwww

649:名無しさん@ピンキー
07/08/23 21:45:42 BSd4zwwH
    _
イ衣イ子

これなら3文字以上使っても文意は2字だぜ

650:名無しさん@ピンキー
07/08/24 04:37:41 xkToCdBQ
なんかどこに書くべきかよく分からん内容になったけど、
このスレを愛してるのでここに。
短いしエロ無いけど、次はもっと長い尺でヤるので許して下さい。
こういうとこに書くのなれないので
改行で読み難かったらごめんなさい。

「何時?」
鈴の震えるような、か細い声が、饐えた匂いのするこの部屋に響いた。
問われて俺は、古い映画を映すモニターから目をそらさずに答える。
「三時」
古い映画は好きだった。何でかは分からない。
青みがかったフィルムの向こう、売女が笑う。
「あたしお腹すいた。サクちゃんは?」
衣擦れの音、足音、一定のリズムでぱたぱたと響く。
「食べ物は」
リモコンをぱちぱちと弄り、映像を
いったん止めてから、声の方へ歩む。
「ないよ」
少女は小さな頭を振って、黒く長い髪を揺らす。
それが近づいた僕に当たって鬱陶しい。
大きく可愛らしい目、長い睫毛。
食べ物がないと分かるや否や尖らせた口。
「買ってこようか」
「いいよ。あたし外出たくないし」
少女はふるふるとその頭を振って、振って僕の申し出を拒否した。
栄養なんか微塵もとってないような矮躯、
発育の悪さが如実に出た低身長。
遺伝だと少女は言うが、僕は彼女の家族を
見た事が無いので何とも言えない。

「だから僕が買ってくるって言ってるんだけど」
少女は大きな目で僕を見上げて眉根をよせる。
「あたしを残して? だめ、絶対だめだからね」
僕は安心すら覚えた。彼女が僕に、依存してくれている事に。
それは異常だと、大学の知り合いにも言われたりした。
しかしお互いが望んでいて何も困ることなどない。
ある意味これが幸福の形なのだ、僕らにとっての。
少し、だけど、少しほんの少し、僕は嗜虐心をくすぐられた。
その少女の、ひた向きに注いでくれる愛情に対して。
「残してくって言ったら? それでもう帰ってこなかったらどうする?
 僕がさぁ、外に出て車に轢かれでもしてさぁ、
内蔵とかいっぱい出ちゃってさあ」
少女の目には、みるみる雫がたまって行く。
それでも僕はやめない。
「そ、そしたら、あ、ああ、ああたしは全部拾ってくるもん。
……な、内蔵だって、さくちゃんのなら温かくて
良い気持ちに違いないからっ」

狂ってる、のは僕も同じに違いない。
僕は少女を抱きしめて「愛してるよ、ミカ」とささやいた。

651:名無しさん@ピンキー
07/08/24 04:39:45 xkToCdBQ
うわもっと横長くて大丈夫なのか…すいません。

652:名無しさん@ピンキー
07/08/24 06:50:22 0AVN2GZ4
かわいいな…GJ

しかし某大統領夫人を思い出すな

653:名無しさん@ピンキー
07/08/28 12:42:32 YOgH/Qo2
GJ!!

654:名無しさん@ピンキー
07/08/29 19:31:55 iH1N9bAm
 いい病み具合依存具合。
 待ってた甲斐があったぜGJ!!

655:名無しさん@ピンキー
07/09/04 19:38:46 VGywtP9V
保守ねた投下

656:名無しさん@ピンキー
07/09/04 19:39:41 VGywtP9V
「お待たせしました~杏仁豆腐です」
今日は仲間で集まっての飲み会だ。
テーブルに散らばるグラスを除けて杏仁豆腐の置き場所を作る。
「おい、デザート来たぞ。頼んだやつ?」
しかし殆どの奴らが死んでるらしく返事しない。
「たくよー、食っちまっていいのかな……?」
「うぅ……杏仁豆腐?」
陽子が、よろよろと肩に寄りかかってくる。
「お前が頼んだのか?」
「あたし……?」
コイツも結構呑んだな……。
「頼ん……だ気がする………」
「食うか?」
「……む、むり」
「そうか、まあ無理はしなくて良いぞ」
おれは小皿に杏仁豆腐を掬い、箸でつまんでは食べる。
一人で食べるには、ちょっと大変な量な気もする。
「あたしも……食べ………る」
「んん? でもさっき無理って言わなかったか?」
「優太だけに、食べ……させたら、悪い……から」
「わかった。じゃあ小皿はここに置いておくぞ」
おれたちは二人並んで杏仁豆腐をつつく。
しかし食べても食べても白い四角い奴は減らない。
陽子は、おれにしなだれかかりながらも箸を口に、よろよろと繰り返し運んでいく。
「なんで杏仁豆腐を頼んだんだ?」
「ごめん……」
「……すまん。まるで責めるような言い方になってしまったな」
「いいよ、気にしない。……杏仁豆腐を頼んだのはね」
「うん」
「ほら、ここ来る時、ここの杏仁豆腐がおいしいって話をしたじゃない」
「言ったなあ」
「それで………」
「それだけ?」
「………うん」
それだけか。
「優太は、さ。おいしいって思わない?」
「流石に、この状況じゃな」
「そっか……そうだよね」
陽子は少し酔いが覚めたようだ。

おれらは、ようやく杏仁豆腐を食い終わり皆を起こして解散した。
泥酔状態だったように思うのだが、寝てたおかげなのか、それとも一時的なものなのか
みんな割かしピンピンとした状態で駅に帰っていった。
それに比べおれたちはヨロヨロだ。特に陽子は酷い。

657:名無しさん@ピンキー
07/09/04 19:41:02 VGywtP9V
夜空を飾る星々が綺麗だ。酔った頭には特にそう思える。
「夜道を歩くのも悪くねぇなぁ。
 飲み会はハードだったけどさ、ふらふらと自宅に向かうのも良い気分だ。
 ほら、見てみろよ陽子。あの星なんて言うのかな」
おれの肩を借りて歩く陽子が顔を上げる。
「どれ?」
「あれだよ」
「あの辺? さあ………なんて言うのかな……」
空を見上げる陽子の目にも星は輝いていた。しかし、直ぐに陽子は俯いてしまう。
「ごめんね」
「なにが?」
「杏仁豆腐。大半食べてもらっちゃって」
「そんなこと気にす―」
「気にするよ。だって優太には助けてもらってばかりだし」
「………」
「今日だけじゃない。いつだって優太は私に良くしてくれる。それなのに私は……」
「陽子……」
「本当に迷惑掛けちゃってごめん。本当にごめんね。
 だけど………だけど優太ぁ……私を見捨てないでぇ……」
急に涙する陽子におれは戸惑ってしまう。
「見捨てるとか、そんな訳ないだろ」
「本当に? 私迷惑ばかりじゃない?」
「おれら長い付き合いだろ。なにを言い出すかと思えば………」
「う……うぅっ、信じて良いんだね優太ぁ………」
「まだ酒が残っているようだな? 大体おまえが迷惑掛けるのは昔からだろ?」
「……優太のばかぁ」
ハハ、とおれは笑う。

「なにも気を揉む必要なんてないのさ。
 陽子を送ることを面倒に思うわけないだろ。家は直ぐそこなんだし」
「もしも私が遠く離れた家に住んでいたら?」
「引越しでもするつもりか? ま、それでも送ってやんよ」
「優太………」
「ほら、もっと掴まれって」
「うん」
陽子は、おずおずと体を寄せる。
そうしておれたちは肩を並べて夜空の下を帰っていったのだった。

658:名無しさん@ピンキー
07/09/04 19:43:36 VGywtP9V
依存具合が足りない……
けれども保守ネタだから勘弁してくれ

659:名無しさん@ピンキー
07/09/08 02:38:44 /t23LfAy
いえいえ、いいもの読ませていただきました
よりかかっているような感じが良いですね
GJ!!

660:名無しさん@ピンキー
07/09/09 23:10:00 VlpIhV5k
需要過多だな、このスレ。
何回か人大杉になったし。。。

661:名無しさん@ピンキー
07/09/09 23:21:44 avwxSrRN
専ブラはどうした。

662:名無しさん@ピンキー
07/09/10 00:05:59 eK4jBgB3
>>661
あまり2cnやるわけじゃないから入れてないんだ。
便利?

663:名無しさん@ピンキー
07/09/10 01:31:07 9Hj9dmGF
便利

664:名無しさん@ピンキー
07/09/14 07:46:47 Fquo3zId
便利だし負荷軽減にもなるから出来れば使ったほうがいい

665:名無しさん@ピンキー
07/09/15 20:51:00 j8HMDTAy
保守

666:名無しさん@ピンキー
07/09/18 23:49:09 b9MZY+OY
もうすぐこのスレも一周年age

667:名無しさん@ピンキー
07/09/19 18:15:20 iLS9LmrM
保守


668:名無しさん@ピンキー
07/09/20 00:51:57 JlR2caxj
それでもGJと言わせてもらうぞ!

669:名無しさん@ピンキー
07/09/22 15:27:54 L7vY0zU0
保守

670:名無しさん@ピンキー
07/09/23 13:52:46 3eQyx+IJ
ネタ探しに「教えて!goo」の恋愛相談を覗いてみたけど「依存」についての質問結構あったな。
4995件だって。


保守

671:名無しさん@ピンキー
07/09/25 13:43:15 28DfMQAA
無口な女の子とやっちゃうエロSS 二回目
スレリンク(eroparo板)

の599から依存系のSSが投下されてた

672:名無しさん@ピンキー
07/09/25 13:53:39 28DfMQAA
スマン
ageてしまった

673:名無しさん@ピンキー
07/09/25 14:36:33 fdzsi/D8
男のほうが依存とは予想外だった

674:名無しさん@ピンキー
07/09/25 21:21:15 GtTsZFgy
男依存と見せかけて妹はさらに上を行ってたなw

しかしSSは書きたいが依存とヤンデレとの境界がよくわからん。
このスレ的には依存が行き過ぎて病んでしまうのはNGなんだっけ?

675:名無しさん@ピンキー
07/09/25 22:45:42 Nkcfh9xq
NGではない。というか明確な境界は無い。
ここのスレは依存があればOKだから、ヤンデレと重なる部分も出てくる。

676:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:13:52 NRynbSuH
>>674
ヤンデレは男に身体的ダメージを与えるのを許容されているみたいだが、
依存女は、精神的ダメージはともかく身体的ダメージを与えない方がいいと思う。

677:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/09/26 00:39:52 JJ8lnjlY
<社長秘書>

まったく。
世の中、不景気ねえ。
私も遊び疲れたし、そろそろ適当な男を捕まえて家庭にでも納まるかと思ったけれど、
気がつけば、いい男どころか、まあまあの男さえ見なくなっちゃたわね。
セレブ主婦になっちゃえば、もう一生安泰、遊び放題、
年収三千万くらいで妥協してあげるっていうのに。
仕方ないから、転職して大企業に転がり込んだ。
「この街の人間の半分はそこに勤めていて、残りの半分はそこ相手の商売をしている」って大会社に。
すぐに秘書課に配属されたのは、まあ、当然ね。
私、美人だし、頭もいいから。
でもまじめに働くのは面倒くさいのよね。
お偉方の誰かとっ捕まえて愛人にでもなるか。
いざとなれば、その証拠ちらつかせて強請ってやればいいし。
と、思っていたら、いいネタを見つけた。
ここの社長、浮気してる。

相手は、秘書課に配属されたとき、私の事をすごく冷たい目で眺めた、社長秘書。
眼鏡が似合う美人だけど、まあ当然、私のほうが上だ。
歳だって、もう三十路いってるんじゃないの、大年増もいいとこよ。
秘書課の中でも、なんか「別格」みたいに振舞ってるのに、
古株の他の秘書も、見てみぬふりをしている。
社員は着用が義務付けられている名札も、この女は付けてないし、
名前で呼ばれないで、「あの方」とか「あの人」とか言われてる。
他の秘書は、こうして秘書室に全員集められて、
役員のスケジュールを集中的に管理しているって言うのに、
あの女だけ、社長室に机用意されていて、四六時中そこにいる。
私は、こんな女くさい、うざったいところの末席で愛想笑いしてなきゃいけないのに、
あのクソ女だけ特別待遇。あー、思い出しただけでもなんかムカつく。


678:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/09/26 00:40:33 JJ8lnjlY
あの女、絶対社長と寝てる。
こないだ、女子トイレで会った。
このフロアには、役員用の女子トイレもあるんだけど、
ここの会社、女の役員って会長以外いないのよね。
だから、誰も使わないんだけど、広いし、綺麗だし、私、こっそりここ使ってる。
誰も使わなくたって、お掃除は毎日されてるんだから減るもんじゃないし。
で、用を足して、個室から出たら、あの女とばったり。
あいつ、眉をしかめてなんて言ったと思う?
「ここは、役員専用よ」
自分だって使ってるじゃない。
社長秘書は、役員待遇のつもり?
あとで、古株の秘書に、チクってやったけど、
あいまいな笑いを浮かべて「あの方はいいの」って返事。
とことん、別格扱いで、めちゃくちゃムカツクわ。
で、あの女、私にそう言ったあとは、もうこっちも見もしないで、
鏡に向かって、お化粧直しを始めたんだ。
目をそらしてその脇を通り抜けるとき、―ザーメンの匂いがした。
まちがいない。
あれは、男の精液の匂い。
良く見れば、あの女、口紅を塗りなおしていた。
社長室で、フェラチオでもやっちゃってたのか。
あんな「私は貴女たちと違うのよ」って顔してて、よくやるわ。
あの「別格」気取りも愛人だから? 
マジ、ムカツク。
一瞬、あの社長寝取ってやろうかと思ったけど、
ちょっと調べたらここの社長、婿養子ってことがわかってがっかり。
会社の実権は、ふだん会社に姿を現さない
─会長室はあるんだけど、居るのを見たことない─
会長が握っているみたい。
愛人になっても旨味はないわけよね。

679:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/09/26 00:41:15 JJ8lnjlY
だけど、いいこと考えた。
これ、写真に撮って強請れば、いい金になりそうね。
ここの会長って、代々この街の支配者で、やくざともつながりがある家だから、
婿養子社長としたら、絶対バレちゃマズいわよね。
実権ないらしいから、あまりお金持っていないかもしれないけど、
五百万か、一千万くらいは出すでしょう。
ついでに、世界中の人間をジャガイモかカボチャに見ているような
あのクソ女のこともハメられるし。
一石二鳥だわ、ああ、私って頭いい!
……ということで、私は、頃合を見計らって社長室の前に立った。
おあつらえ向きに、分厚い樫のドアには僅かな隙間が開いていた。
カギもかかっていないということだ。
隙間にちょっと耳を寄せる。
「……気持ちいいですか、……さん」
あの女の声。
だけど、それは、別人かと思うくらいに甘く、可愛らしく、媚びを含んだものだった。
「出しても、いいんですよ。我慢しないで、いっぱい……」
僅かだけど荒くなっている呼吸に溶けている甘さ。
女なら、誰でも知っている、あの状態の声だ。
私は、ドアに手をかけ、それを勢い良く開けた。

「……な、何だ、き、君は……」
婿養子どのが素っ頓狂な声を上げる。
かまわずに、携帯で写真を撮る。
「……浮気の現場、押さえましたわ! さあ、社長さん、いくらでこのデータ買い戻します?」
「……?!」
口をあんぐりと開けた社長のバカ面。
─いや、ちがう、この弛緩ぶりは……。
「んっ……んっ……」
その股間に顔をうずめた女が、微塵の動揺も見せずに「続き」をしていた。



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