【貴方が居なければ】依存スレッド【生きられない】at EROPARO
【貴方が居なければ】依存スレッド【生きられない】 - 暇つぶし2ch152:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
06/12/23 00:34:26 1QfassN5
……それで、さ。
アイツ、彼女さんと結婚するんだって。
学生結婚よ、学生結婚。
彼女さんが妊娠しちゃってね。
というか、絶対狙ってたわよ、あれ。
「ピル飲んでる」なんて大嘘。
アイツは、「子供で来たからしょーがなく結婚する気になったみたい」って言ってるけど、
大学で女の子と話してる機会が増えてるの見て、彼女が焦ったんだろうね。
幼稚園から、小、中、高っていっしょの学校だったから、
近づく女は片っ端から始末してこれたんだけど、大学だけは別々だから、
気が気じゃなかったんだろうね。
まあ、アイツは全然気が付いてないみたいだけど。
え……。結婚式の招待状?
断ったわよ、もちろん。
「新郎の女友達です」なんてノコノコ出席してみなさい。
七代先まで皆殺しよ?
あんたも丁重にお断りしときなさい、……長生きしたければ。
あの後さ、次の日よ、次の日。
……あたしの下宿に、鉢植えと化粧品のセットが届いたのよ。彼女さんの会社の。
「先日はどうもありがとうございました」って。
デートするのを後押ししてくれたお礼……なのかな。
お花も化粧品も、一番高い、最高級品。
……ぞっとしたな。
だって、さ。―あたし、その週に引越しして、学校にも住所まだ連絡してなかったんだよ。
もちろん、アイツだって、サークルの友達だって誰も知らない。
……でも、しっかり届いたんだ。
それも、あたしが大学から帰って、バイトに行く前の十五分くらいの時間にぴったりと……。
……皇國ホテルの結婚式って一度見たい気もするけど、―まあ、命あってのモノダネだわ。

153:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
06/12/23 00:34:56 1QfassN5
えー。
パパって、高校とか大学とかで、もてなかったの?
うっそー。
だってパパかっこいいよぉ?
「ウソじゃない、結婚式に呼んだ女の子の知り合いは誰も来てくれなかった」って……。
……ふうん。
な、なんとなく理由はわかった気がする……。
……でも、まあ、いいんじゃない?
パパは、ママからモテモテなんだもん。
ほんとだよー。

154:名無しさん@ピンキー
06/12/23 00:40:14 LbJ9Sr8W
パパさんとママさん、幼馴染(?)だったのねw

155:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
06/12/23 00:43:49 1QfassN5
ママさんは忠犬ハチ公並に犬ちっくなのに、パパさんは全然気が付かないのですw
一生懸命尻尾をパタパタして、まとわりついているのに、
「あー、ママって、りりしいから、犬というより牝豹とかそういう近寄りがたいイメージだよね」
と無邪気に言って、ママさんをはてしなく凹ませてしまうw


156:名無しさん@ピンキー
06/12/23 01:13:08 oI+Bj/Ru
陰鬱な雰囲気に浸りたくてこのスレに来てみれば
何?この軽いノリはww
GJ!

157:名無しさん@ピンキー
06/12/23 01:45:49 W+qHclR1
パパの知らないところで暗躍するママいいなw
悪い虫がつかないようにいろんな力を使ってたんだろうな

158:名無しさん@ピンキー
06/12/23 06:08:08 r7b6vBjX
多少スレチ気味ではあるが昨日発売した
戯画のフォセット内の里伽子抄がいい依存気味の作品だったと思う。

儲視点だから良作に見えるかもしれない。
あと、値段が……ってのが問題点だな。

159:名無しさん@ピンキー
06/12/23 10:22:35 hk1i+9/P
依存ママかわいいよ依存ママ
語り手が本人達じゃないのもいいね

160:名無しさん@ピンキー
06/12/23 11:18:30 3q60XgK0
>ママは依存女
小中高大は近づく女性を排除していたのに結婚して子供が出来ると女子大生との浮気での留守を二ヶ月も我慢できる不思議
逆に言えば二ヶ月も妻の妨害をものともせず夫と同棲していた女子大生は妻以上の権力の持ち主かつ
依存っぷりなのか!!!!!!!!111!!1夫がうらやましいぜ!!!!!1!


依存女GJ!!!

161:名無しさん@ピンキー
06/12/24 02:49:21 B+cSvbH6
言われてみればその女子大生も只者じゃなさそうだ……

それはともかくママGJ!

162:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
06/12/24 11:32:07 0vEK//e7
ママは依存女3
個人保管庫のほうで訂正等加えてみたので、よろしければ見てください

URLリンク(green.ribbon.to)

リンク先が「Forbidden」ページになる方は

URLリンク(ribbon.to)

で入り口からどうぞー。


しかし、ママさんの設定が可愛くなっていくにつれ、
パパさんの浮気がだんだん浮いてきた……。
怖い女性を書き続けるといつもまにか可愛くなってしまう。
浮気は切り離して練り直し、作り直ししたほうがハッピーなのかなー。
ジョシダイセーさんは、当初はジョシコウセーさんで、
相当な人です。報われないけどw

163:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
06/12/24 15:59:59 0vEK//e7
<プレゼントは……>

あの人と結ばれてから、もう何年になりますか。
お前がこんな歳になるのですから、随分になりますね。
一代で巨万の富を築いた男の一人娘として、結婚というものにそれほどの期待は抱いてはおりませんでした。
いわゆる新興財閥、その本家の人間として、婚姻とはすなわち政略結婚でしかないことは、
年端もいかぬ少女の頃から悟っておりましたし、また、私の人生はそのまま、そういうものでした。
あの人を婿養子に迎え入れ、契り(ちぎり)を交わしたのちも、それは変りませんでした。
ただ、決められたことを決められたとおりにこなす毎日。
その中で─私は思い上がっていました。

─吸収した会社から迎えた婿養子。
あの人─お前の父親を良人(おっと)とした私は、「女主人」の態度を崩しませんでした。
人前では自分が家長であることをことさら強調しましたし、
あの人の知り合いの前で、あの人のことを呼び捨てにしましたこともあります。
あらゆる意思決定の場に出席させながら、また発言を求めたこともありながら、
あの人の意見をことごとく拒否し、あざけり、罵倒して、自分の思うがままに振舞い続けました。
それが、私に許された当然の権利のように。
しょせんは、「成り上がり者の娘」にすぎなかったのですね。
……何百年も家を守り続けた、本当の名門ならば、
迎え入れた婿養子や嫁の力を最大限に引き出すことこそが家の繁栄につながる、ということを心得ていたはずです。
─お前も、一度会ったことがあるでしょう、薙刀の……そうそう、双奈木の御家。
あそこはもう何十代も、女しか生まれなかったそうですが、代々の当主たちは、
決して自分の良人を粗略に扱いませんでした。
いたわり、励まし、二人で手を取り合って外敵に立ち向かい、家を守り続けたのです。
妻は良人を育て、夫は妻を育てる。
互いが掛け合ういたわりは、人に本来以上の力を与えるのです。
しかし、望んで婿に迎えるような有能な男を萎縮させ、自分の虚栄心を満たすことだけを考える女が、
どれほど卑しいものか、と私が知るのには、―随分と時間がかかりました。
それも、取り返しの付かないあやまちを何度もおかしてから─。

164:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
06/12/24 16:00:42 0vEK//e7
─亭主が萎縮しているのをいいことに火遊びをしたりすることだけはさすがにありませんでしたが、
私がやっていたことは、よく言われる田舎の家付き性悪娘のようなものでした。
あの頃の私は、「あの人をないがしろにすればするほど自分の価値が上がる」とでも思っていたのでしょうか……。
毎日、顔を見るたびに傷つけずにいられない。
そのくせ、毎日、側にいてもらわなければ気がすまない。
なかなか子が生まれないことを、あの人のせいにして、何度もののしり、
不能者あつかい、無能者あつかいいたしました。
そのくせ、気分のまま、夫婦(めおと)の営みも拒んだりし、
ますます子供を産むことから遠ざかっても、かえってそれであの人を責め立てたりしました。
─私は、あの人にとって、最悪の存在だったのです。
それでもあの人は、この悪魔のような妻に辛抱してくださいました。
心と身体を痛めながら、我慢強く、私を補佐してくれました。

そう、補佐……。
─私は、どれだけあの人に支えられていたのでしょう。
─どれだけ守ってもらっていたのでしょう。
あの人の心が、ついに破れ、私の元を去ってしまったとき、
私は、すべての物を失ったのを知りました。
─苦しい。
水を飲んでも苦く、食事を摂っては吐き戻し、空気さえも毒となったような生活。
あの人を見ることも、声を聞くことも、触れることもできない毎日。
それが、これほどまで辛く恐ろしいことだったなんて、私は知りませんでした。
廃墟と化したような家から這い出て、
自分の誇りと権力の源─愚かにもそう思い込んでいたところ─にたどり着いた私を待っていたのは、
突然牙を剥いた父の部下たちでした。
驕慢なだけで、何の実力もない小娘がいいように食い物にされるまでは、ほんの一瞬でした。
女王のような振る舞いは、父と、父亡き後はあの人の庇護下にあってはじめて可能なものだったと思い知ったとき、
私は、すでに会社の代表権さえ失っていました。
絶望にふらふらと外をさまよったのは、―クリスマス・イブの夜でした。
今日のような、よく晴れた、でも夜になると寒い、本当に寒い日でした。

165:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
06/12/24 16:01:32 0vEK//e7
ガラス玉と化した目には何も映らず、灰と暗闇が詰まった頭は何も認識せず─。
ただ、幸せそうな人々の間を、惨めに背をかがめてさまよう私が、
色が着いたものを見たのは、何時間もたってからのことでした。
突然、鮮やかな色─それは、優しいベージュ色でしたが、暗灰色の世界ではあまりにも美しく輝いていました。
古着屋の店頭に吊るされたそれは、かつて私のものでした。
ベージュのコート。
あの人が、去年のクリスマスにプレゼントしてくれたもの。
受け取った私は、良人のセンスの悪さを鼻で笑い、袖を通すこともなく、
あの人の目の前で、使用人に捨てるよう命じたのでした。
それが、まわりまわってここに─。
見誤ることはありません。
身の内から沸き起こる醜い衝動を抑えることもできずに、破いてしまった右の袖口には修繕の跡があります。
あの人が私のために選んでくれた最高級品がこんな路地裏に売られているのは、その破れ─私のせい。
私は、顔を覆って、泣き出しました。
私は、あの人だけでなく、あの人が選んでくれたものにまで、どんなにひどい仕打ちをしたのでしょう。
コートを買い戻す─そんなことさえも出来ない私がいました。
いえ。財布の中にはお金はありましたし、会社での権限は失っても、家産は手付かずに残っています。
新品のコートを何万枚だって買えるのに、
私は、たったその一枚を手にする資格がないことを自分で悟っていました。
ほこりっぽい、冷たい夜風の中で、それは、私のような醜く愚かな女が手を触れることさえも許されない過去の幸せでした。
だから私は、―店の前で、泣き続けました。
氷のような石畳の上にしゃがみこんで。
道行く人々に、打ち捨てられたゴミに与えられる視線を投げかけられながら。
そして、目を上げたとき─コートはなくなっていました。
その優しい過去が私の目に触れることさえ、神様はお許しにならなかったのでしょう。
最後の色さえ失った灰色の世界の中で、私は、今度こそ自分の心が壊れるのを覚悟しました。

─でも、神様が見捨てても、まだ私を見守っていてくれた人がいました。
しゃがみこんだ私の肩にコートがかけられました。
私は、私が泣き崩れているあいだに店から買い戻してくれた人を呆然と見上げました。

166:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
06/12/24 16:02:03 0vEK//e7
─なつかしい、あの人を。
誰よりも会いたかった、あの人を。

先ほど、神様が私を見捨てたといいましたが、本当は神様は見守ってくれていたのかもしれません。
あのコートがあの店にある事を、良人が知ったのも、つい最近のことだったそうです。
気になって、何度も店先に足を運んだあの人が、泣いている私を見つける偶然─。
やはり神様はいたのかもしれません。
そして、こんな傲慢な、嫌な女にも手を差し伸べてくれていたのかもしれません。
あの日、肩にコートをかけてくれた後、立てるように手を引いてくれたあの人のように。

ことばもなく、でも何百回もあやまりながら、私はあの人がその時住んでいたアパートについていきました。
冷え切った身体は、コートの優しい温かみで、部屋の中に入る頃は、身のうちが燃え盛るようでした。
そして、あの人と私は、久しぶりに、本当に久しぶりに、ふれあい、夫婦の営みをしたのです。
ああ。
はじめて、自分が何者なのかを知ったあの夜、お前は私の子宮に宿ってくれたのですよ。
あの人は、私の中で何度もはじけ、愛の証が私の一番深いところでひとつになってくれたのです。
結婚してから、今まで、何度も交わったのに、子供が出来なかったのは、
私があの人の愛をないがしろにしていたから、神様が与えてくれなかったのでしょう。
生まれても、「家族」に愛情をそそげない女に子供を産む資格はないのですから。
あの日の夜から─私は、その資格を得たようです。
「この人の子供を産みたい」そう思いながら交わったあの夜、お前は私たちのもとに来てくれたのです。
あの日、私は、世界で一番大切なものをふたつもプレゼントされたのです。

167:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
06/12/24 16:02:35 0vEK//e7
……娘や。
お前は、昔の私と同じで、本当に大事な時に素直になれない女だから、母は心配です。
その人のことが好きなら、目をつぶって考えてみなさい。
その人が昨日かわした挨拶が最後のことばになったら─お前はどう思いますか?
今夜はクリスマス・イブです。
どうするかは、お前が決めなさい。
母は、これからあの人と外に出ますから、一人でよく考えて、素直な気持ちで決めなさい。

─あなた、おまたせしました。
あの子ですか。
大丈夫です。
私と違って、大事なことを間違えたりなどしませんわ。
あなたの娘ですもの。
え。
このコートですか。
いいえ、これでいいのですよ。
もう二十何年も着ていても、袖口が破れてつくろったものでも、
私が一番好きなコートですもの。
とくに、クリスマス・イブには、これでなければなりません。
ふふ。
二人でどこに行きましょうか。
娘も誰かと会いに行くでしょうから、今夜は帰らなくてもいいですわ。
イルミネーションが綺麗ですね。
世界がこんなに綺麗な色に染まっていることを、あの子が気付くのももうそろそろですね。
え。
さみしいですか。娘が去って行くのは。
ふふ。それなら、もう一人、子供を作りましょうか─今晩。
毎年、十月生まれの子供ができるのは、なんて素敵なことでしょう。
一番上の娘が、伴侶を得るまでそれが続いてくれるとは思いませんでしたが。
今年のクリスマス・イブも、神様からプレゼントがもらえる気がしますわ。

168:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
06/12/24 16:03:09 0vEK//e7
─あー。……こんばんは。
あらたまって、何?
ん、ああ。……メリークリスマス。
……予定が詰まって忙しかったんじゃないのか?
あ、なんとか終わらせたんだ。
ごめん、こんなことになるとは思わなかったから、プレゼントとか準備してないや。
ご飯食べるにしても、どこも空いてないしなー。
どうしよう……。
え、「あなたと一緒ならどこでもいい」って、……しおらしいね。
何、どうしたの、何か変なものでも食べた?
ま、いいか。
とりあえず、俺の下宿来るかい?
ん……、じゃ、行こうかあ……。
なんだよ、……今日はやけにくっつくね。
なんかあったの?
え、これから起きるって、……何が?



パパー。
おじいちゃんとおばあちゃんって、ほんと仲いいよね。
叔父さんとか、叔母さんとかも、みんな仲良しだよね。
真美、親戚の集まり行くの、好きだよー。
でも、なんでママも叔父さん叔母さんも、みんな十月生まれなの?
真美も十月生まれで、お誕生日みんな近いんだよねー。
なにか、秘密があるの?

169:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
06/12/24 16:04:29 0vEK//e7
クリスマス・ネタです。
ダンナ依存症は母娘二代にわたる筋金入りだったりします。

170:名無しさん@ピンキー
06/12/24 16:15:16 q2YDxUK6
GJ!氏はプレゼント配りの聖人ですか?

しかしママさん、当初はツンだったのかいw

171:名無しさん@ピンキー
06/12/24 16:43:52 B+cSvbH6
この母にして……というわけですねw
色んな意味でクリスマスプレゼント。GJ!

172:名無しさん@ピンキー
06/12/25 01:53:03 zAVI6ZWR
夜中に起きてみたら本当にプレゼントがあったわw
GJ!

173:伊南屋
06/12/26 19:11:50 7cv4Hmu/
 お久しぶり、伊南屋に御座います。
 今回はお詫びに参りました。

 依存妹ネタ。未完も良いところですが、打ち切りと言うことにさせて頂きます。
 1ヶ月も放置したあげくこの体たらく。本当にすいません。

 代わりに、と言ってはなんですが別な依存ネタをただ今書いております。
 こちらはちゃんとして行きますのでなにとぞ宜しくお願いします。

 以上、伊南屋でした。

174:名無しさん@ピンキー
06/12/27 01:03:44 umluZKM7
>>173
wktk

175:名無しさん@ピンキー
06/12/31 13:26:22 BTSMg3gB
来年は依存スレが繁盛しますように…

176:名無しさん@ピンキー
06/12/31 17:25:04 oygd3hYA
俺に依存してくれる彼女が現れますように…



すいません今でかい口たたきましたすいません…

177:名無しさん@ピンキー
06/12/31 20:55:04 wQ0mRRPE
>>175
今月に入ってからは、過疎スレにしては繁盛してたなぁ。
この調子が続くといいなぁ。

と読み専が言ってみる。

178: 【小吉】
07/01/01 22:29:36 yanDsqml
あけましておめでとうございまいます
今年の依存スレの運勢を占わせていただきます。



…占い依存症でSSが一本書けるかもしれないな。占いでエッチしたほうがが良いと出たからエッチする彼女とか

179:名無しさん@ピンキー
07/01/01 23:10:34 7QxQK6qI
>>178
書くんか

180:名無しさん@ピンキー
07/01/05 13:58:15 m8t9caY4
このスレが無ければ生きていけないほど依存してるので保守!

181:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/01/05 22:57:20 3FMCkDQT
<勇者ラディスの婢女(はしため)>

勇者ラディスが、邪悪な龍アゾルフを倒したという報は疾風の速さで国内を駆け巡った。
ラディスの武勲は、もはや生ける伝説だ。
<魔王>、<鬼将軍>、それに<龍>。
少し前には、<北の魔女>と呼ばれる、この世でもっとも魔力の高い邪悪な魔女を屠った。
─その話を聞いたとき、私は、それをなかなか信じられなかった。
同じく魔法を生業とする女として、<北の魔女>の力がどれほどのものかを、私はよく知っていた。
正直言って、<魔王>や<鬼将軍>よりも手ごわい相手だということも。
彼女は、この世で最も高い魔力の持ち主であると同時に、おそろしく切れる策略家でもある。
魔力をまったく使わない、純然たる謀略戦─それも彼女にとっては片手間の退屈しのぎ─で、
大国の軍師が何人も滅ぼされている。
そんな正真正銘の化物が、ただ一人の剣士に倒された。
魔道をたしなむ者は、みなそれを疑い、あるいは「だまされた」勇者を嘲笑いもしたが、
<北の魔女>が復活もせずに一年、また一年と年月が過ぎ、
勇者ラディスが次々と暗黒の君主たちを倒して行くのを見て、おおいに驚愕した。
同時に、この勇者は「本物」だということを受け入れざるを得なかった。
私もその一人であったことは言うまでもない。
そして、わが国に隣接する山岳地帯に住処を持つ、
巨龍・アゾルフを滅ぼした報を受けたとき、その思いは頂点に達した。

<龍殺し>の英雄は、すさまじい歓声によって迎えられた。
荷馬車に積んだ巨大な龍の首は、人々に、今回の英雄の偉業も、
決して嘘まぼろしの類ではないことを教えていた。
わが国の多くの騎士と領民たちを餌食にしていた悪夢の化身の死は、
ラディスを建国以来の英雄として迎えるのに十分な材料であった。
乙女たちが野山で摘んだ花を振りまき、ラディスの乗った馬車が通る道に敷きつめる。
楽の音が響き、吟遊詩人たちが新たな英雄譚を披露しようと競い合う。
冬の初めだというのに、謝肉祭よりもにぎやかな祭りがはじまっていた。

182:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/01/05 22:57:51 3FMCkDQT
「ラディス様は、どこで剣術をお習いか」
「取り立てて誰に習ったということはないな。気がつけば、強くなっていた」
「龍を倒すほどに─うらやましいことですな」
「何、魔術を望むままに操ることのほうが、どれだけすごいかわからん」
「その魔術とて、貴公の前ではまやかしも同然。なにしろ<北の魔女>を斃したのですから」
「ははは、あれは、思ったほどの相手ではなかったぜ。今回の龍のほうがどれほど強敵だったか」
身振り手振りを交えて自らの武勇伝を語るラディスは、─思ったよりも単純な男だった。
まあまあの礼儀作法を心得ているが、おだてに弱く、ややもすると自慢話が長くなる。
尊大なわけではないが、自信と自尊心がまさった魂の持ち主だろう。
そこには陰惨さがなく、子供のような明るさがある、というのが、他の男と少し違うところか。
─揶揄の意味で、いわゆる「騎士っぽい」と呼ばれる性格。
それが、私の見た勇者ラディスという男だった。
なんとなく、<冬の魔女>をも斃した英雄、といものは神秘がかった剣聖、
という先入観があったせいか、私は少し失望した。
ラディスが「英雄らしく」色を好み、
近寄る娘たちに積極的にことばをかわす姿を見ていると、その思いは強まった。
─しかし。
考えてみれば、これが本当の英雄なのかもしれない。
好色だが陽気で、気さくな大男は、ハンサムとは言いがたいが人をひきつける愛嬌がある。
それに、ただの戦士にはないだろう、奇妙な優しさも。
下卑たことばまじりに大声で笑うラディスが、
盆をひっくり返したことを、高慢で陰険な高位の騎士に攻め立てられている小姓を
ウィットの効いたやりとりで解放してやったところを垣間見た私は、この男に少し興味を抱いた。
少なくとも、この国の騎士たちの大半よりは、まともな頭と精神の持ち主に見えたからだ。
先ほどの挨拶とお世辞の応酬よりも、ぐっとくだけた会話を少し楽しんだ後、
勇者どのから提案された夜中の逢引を了承したのは、我ながら、どういうつもりだったのだろうか。

183:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/01/05 22:58:21 3FMCkDQT
「―ごきげんよう、勇者どの」
「おお、これは宮廷魔術師どの」
月の光の下で、ラディスは子供のように嬉しそうな顔をした。
主賓として夜中まで酒をあおっていたのに、疲れた様子が全くない。
超人的な活躍をする戦士とは、そういう身体の構造をしているのだろう。
「夜風にあたって語らうのもいいが、この国の男女は、長い話はベッドの中でする風習でな」
「……積極的なんだな」
「何、こんな寒い国では、自然とそうなるものだよ」
ラディスが目を丸くしたとおり、私は普段より積極的だったかもしれない。
<世界で一番強い男>を前にして、私の<女>がうずいたのだろうか。
この国の多くの騎士から─つまり、多くの愚にもつかぬ脳みその持ち主から─求婚されて
拒絶し続けた美貌と肢体が、世界で一番の魔女を屠った勇者にどう見られるのか。
─私の興味は、あるいは、そこにあったのかもしれない。
「では、俺のベッドに行こうか」
ラディスがそう言ってにんまりと総合を崩したとき、
そのベッドがある部屋から、小さな影が走り出た。
「―あ、あの……ぬし様……」
日陰を切り取って人型に据えたような小柄な少女は、
ラディスの侍女か─いや、婢女(はしため)だ。
凱旋パレードの時に、ラディスの周りでちょこちょこと走り回っていたのを思い出す。
「なんだ、シーヴ」
めんどくさそうに振り返ったラディスの態度と声は、まさに婢女にかけるものだ。
「……あの……、私、生理終わりました。その、今晩から……できます」
つややかだが華がない黒髪の下で、白い頬を真っ赤に染めながら、
シーヴと呼ばれた少女は消え入りそうな声で主人に報告した。
「ああ? あー。そうか……じゃあ、明日、な」
「あ……」
袖口を掴むシーヴの手を振り払ったラディスは、
いつでも手に入る女に対しては、あまり決め細やかな優しさを見せない男らしい。
─もっとも、男など、みなそういうものだが。

184:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/01/05 22:59:06 3FMCkDQT
「その娘は、勇者どののベッドを追われたら今晩行くところがないようだな」
「あ、いや……」
私が去ると思ったのか、ラディスが慌てた。
わたしは、くすりと笑った。
意味ありげにドレスの上に羽織ったマントの襟紐をゆるめる。
「こんな寒い晩にベッドなしではその娘が気の毒だ。
─そこは彼女に使わせてやって、勇者どのは私の部屋に来ないか?」
私のことばの意味を悟って、ラディスは何度も大きく頷いた。

久しぶりの性交は、なかなかのものだった。
ラディスは、自信と体力に満ち溢れた男らしく、精力家で、そこそこ巧みな男だった。
シーヴという少女には与えていなかったが、この勇者が意外な気遣い屋であることは、
たっぷりとした前戯と、一戦終わったあとにもこまめに愛撫を怠らないことでもわかった。
ことの最中は、勢いと自分の快楽にかまけて、少々乱暴で単調な責め方であったことを差し引いても、
ラディスは十分に紳士的だった。
脳みそに肉のパティをつめているような騎士たちには望めない性交のお返しに、
私は久しぶりに唇と舌での愛撫を相手に施した。
口に出されたものを飲み下してやるほどのサービスをしたのは、いつ以来であったろうか。
「まだ、できるかな、勇者どの」
「もちろん。あんたみたいな美人が相手ならば─」
にやりと笑ったラディスが、また私の裸体に手を伸ばしかけたとき─不意に部屋の空気が凍った。


185:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/01/05 22:59:36 3FMCkDQT
「―!?」
ラディスが、瞬時に跳ね起きて枕もとの短剣をかまえたのは、さすがだというべきか。
だが、部屋の中央に現れた暗闇は、勇者を持ってしても相手が務まる存在ではなかった。
「……裏切り者……」
地の底から聞こえるような小さな声は、だがしかし、この世で最も危険な呪詛だった。
「―!!!」
私が悲鳴を上げるまもなく、ラディスは床に崩れ落ちた。
─そう。
文字通り「崩れて」「落ちた」のだ。
ラディスが倒れこんだ床にあるのは─白い骨とぐずぐずに解けた黒い土。
「……裏切り者……」
細々とした呪詛は、泣き声すらもまじっているようだった。

「……私を抱いたくせに……」
「……私に殺されたくせに……」
「……私を犯したくせに……」
「……私によみがえらされたくせに……」
「……私を愛していると言ったくせに……」

ぶつぶつとつぶやく、黒衣の女には見覚えがあった。
「あなた、ラディスの婢女……!?」
私の声に、シーヴと言う名の少女は目を上げた。
─そして私は、彼女に声を掛けたことを後悔した。
「……ぬし様の名を、その口から呼ぶな……」
憤怒をぶつけるべき対象を見つけた魔女は、氷より冷たい焔(ほむら)を瞳に閉じ込めていた。
それを見た瞬間、私は、この少女の正体を悟った。
「―<北の魔女>……!!」
ラディスが滅ぼしたはずのその名の持ち主は、絶望より冥(くら)い地獄の女王だった。

186:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/01/05 23:00:53 3FMCkDQT
「……この売女っ……!」
表情を変えぬままゆらり、と、一歩を踏み出した少女のまわりで空気が歪んだ。
濃密の余り、固形化すらしているような鬼気によって。
私は声もなく凍りついた。
身に付けたあらゆる魔術が、この女の前では無力と言うことが本能で分かる。
魔力とは、天稟と努力だ。
そして、どのどちらも、私はこの女の足元に及ばない
どころか、はるかに仰ぎ見ても、姿すら目にすることが出来ない。
─北の大国の宮廷魔術師たる私が。
─仕方あるまい。
─<北の魔女>に敵う魔女などいないのだ。

黒髪を揺らめかした女の正体を悟って、私の骨は氷の柱になった。
<北の魔女>は倒されてなどいなかったのだ。
考えたら、雄々しく、力強いが、賢くはないラディスのような、
「どこにでもいる勇者」ごときに滅ぼされるはずがない。
彼に倒された振りをして、世界をさまようことにしたのだ。
気まぐれに、<魔王>や<龍>を滅ぼしながら─。
女神にも等しい魔力の持ち主なら、それくらい、する。
だがこの女神は─。
憎しみという感情しか知るまい。
自分が作ったおもちゃにちょっかいをかけられた魔女の怒りがどれほどのものかを、
私は想像することさえ恐ろしかった。
飼い犬に手をかまれたどころの話ではない。
文字通り、自分が作り、生を与えたものの裏切りだ。
ラディスは、一瞬にして骨と土くれに戻った、
では、それをそそのかした相手の女にふさわしい罰とは─?
戦慄が氷と化した精神と肉体をも貫く。
呪詛を唱えながら、紅い瞳を燃え上がらせて歩を進める<北の魔女>に、
私は真の恐怖と絶望のなんたるかを知った。

187:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/01/05 23:01:23 3FMCkDQT
<北の魔女>が腕を上げる。
死よりも恐ろしい地獄に、私を生きたまま送り込むために。
あと一歩踏み込んだとき、その刑が執行される。
そう悟っても、私には何もすることができなかった。
─<北の魔女>が、その一歩を踏み、愕然と下を向くまで。

「……ぬ…し……様!?」
先刻、自分が土くれに変えた男の残骸が足に触れたことに気がついた女は、悲鳴をあげた。
「ぬし様っ、なんてお姿にっ!! ああ、ぬし様っ、ぬし様っ!!」
狂乱の声をあげる女は、<北の魔女>であり、同時に勇者ラディスの婢女だった。
ひざまずいて、その衣の袖をひろげ、骨と黒土をかきあつめる<北の魔女>を、
私は呆然と─もっとも体は凍りついていたのでもともと身動きは取れなかったが─眺めた。
狼狽と悲嘆の泣き声を上げて、ラディスの残骸をかき集めた女の瞳に、
私の姿などもう映っていなかった。
「お戻しいたします、ぬし様。―ああ、今すぐに!」
その語尾がまだ空気の中に残っているうちに、<北の魔女>の姿は消えた。
─彼女の「ぬし様」とともに。
そして、私は、身体が自由になったことを悟り、―安堵のため失神した。

188:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/01/05 23:02:00 3FMCkDQT
翌朝。
私は、ラディスに与えられた部屋の前に来ていた。
恐いもの見たさ─などではない。
来たくもない場所にきた理由はただ一つ─招かれたのだ。
─<北の魔女>から。
─今、部屋の中で自分の命無き僕(しもべ)と戯れる女から。

「ひっ……ぬし様っ……そこはっ……!!」
「うるさい、前が限界なら、こっちの穴くらい使わせろ」
「そ、そんなっ……!」
「だいたい、生理が終わったって言うから、わざわざ抱いてやってるのに、
十回くらいでまた血がにじむなんざ、なんて弱いま×こなんだ」
「も、もうしわけございませんっ……でも、ぬし様が…一晩中……っ!」
「お前のおかげで、宮廷魔術師どのを食い損ねたじゃねえか」
「ひいぃっ! ぬ、ぬし様、もっと……優しくっ……」
「ぎゃあぎゃあわめくな。こっちの穴は嫌がってないぜ。
おら、俺のモノにねっとり絡みついてきやがった。―出すぜ」
「は、はぃいぃぃっ、出して下さいませ、ぬし様の精を、私の中にっ……!」
大柄な戦士が、手の中の華奢な女体の中に、熱い液体を注ぎ込む。
どろりとした粘液を不浄の門に放たれた女は、快楽にのけぞって悶えた。
「ああ……ぬし様、ぬし様ぁ……」
声が溶けるように消え入ったのは、気絶をしたからだ。
だがシーヴは、気を失う前に、しっかりとラディスの袖を掴んでささやいた。
「ぬし様……どこにも…いかないで……」
「……ああ、お前の気が済むまで、いっしょにいてやらあ……」
「ずっと……ずっと……です…よ」
「……ああ。俺の旅に連れてってやらあ」
そっぽを向きながら答えたラディスは、私が見た勇者の姿の中で一番優しそうだった。

189:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/01/05 23:02:39 3FMCkDQT
─勇者が婢女を連れて去っていった日から何年も経った今になって、思う。

あの交わりの最後でかわされた二人の会話は、
おそらく、過去に本当にあったやり取りなのだろう。

<北の魔女>と勇者ラディスの間になにがおこったのかは、当人同士以外は誰も知るまい。
だが、あの「誓約」とも言える会話がおこなわれたことだけは間違いない。
あの浮気性で欠点も多いが、心は優しい大男がかけただろうことばに、そして彼の存在そのものに、
<冬の魔女>はすがりつくようにして生きている。
ラディスがいつ、どうやって死んだのかは分からない。
あるいは、殺したのは<北の魔女>本人であるかもしれない。
だが、重要なのは、ラディスは蘇り、<冬の魔女>と旅を続けているということだ。
シーヴという名の、ラディスに従順で、ラディスがいなければ生きていけない婢女とともに。

─ラディスは、<冬の魔女>のかけた魔力で命をつないでいる土くれだ。
─<冬の魔女>は、ラディスのかけたことばで心をつないでいる化物だ。

二人のうち、どちらが主なのだろうか。
……いや、どちらでもいいか。
あの強力な、そして世にも奇妙な二人組は、ちょっかいをかける者さえいなければ、
永遠にこの世を歩き回るだけなのだから。
そしてその片割れは、<生前>の記憶からか、世の中の悪をこらしめることに積極的だ。
あれから何年かたつが、世の中の<悪の君主>たちは随分と数を減らし、
世界は随分と住みやすくなったようだ。
……ねがわくば、嫉妬深い婢女の目の前で、その主人を誘惑しようとする女が少ないことを……。

190:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/01/05 23:31:29 3FMCkDQT
しまったあああ!
<北の魔女>と<冬の魔女>とごっちゃにして書いてター。
全部、<北の魔女>です……。


191:名無しさん@ピンキー
07/01/05 23:33:14 BKKOC1aG
何回GJって言えば感動が伝わるかな?

192:名無しさん@ピンキー
07/01/05 23:36:16 mAYeIdOp
かくも女とは恐ろしく─。
gj!!

193:名無しさん@ピンキー
07/01/05 23:36:39 i/LFzQqP
GJ!!だが、俺の背筋も氷を差し込まれたようだぜ…

194:名無しさん@ピンキー
07/01/06 02:14:13 iGB6CznH
GJ!


何故か知らないが、ランスが頭に浮かんだ。

195:名無しさん@ピンキー
07/01/06 06:23:38 Fz7VumwB
>>194
奇遇だな。俺もだ。
暗に行為を要求しているのにぞんざいに扱われるシーヴ嬢(?)に、シィルの影を見た。


だから、そういう意味でも、後半の急展開にはどぎもを抜かれたさ。

196:名無しさん@ピンキー
07/01/07 22:19:44 /HFTJnIc
過疎スレ化したな。
ここは一つネット上の依存小説でも紹介したらどうだろうか。
三作ともエヴァSSだが
・ほわいと・がーでん
URLリンク(seventhfall.hp.infoseek.co.jp)
の「むーん ふぇーず」と「Moon Phase」
とか
・線香花火と蚊取り線香
URLリンク(www6.ocn.ne.jp)
の投稿作品 猫狂著 「真心を貴方だけに」
なんかが依存…だと思う。

197:名無しさん@ピンキー
07/01/09 00:43:31 C8fa8IPM
>>196
がより過疎化させている件について

198:名無しさん@ピンキー
07/01/10 08:14:16 9/uFnW9x
こんくらいじゃ過疎とは言わないだろ。この板では。
もう三ヶ月も投下がないスレだってあるんだぞ

199:名無しさん@ピンキー
07/01/10 12:14:02 waJyQ7sH
こんな、職人さん方GJ過ぎるスレを、過疎スレ呼ばわりはないな。

200:名無しさん@ピンキー
07/01/15 02:34:52 tL051M/w
とりあえず保守しとく

201:名無しさん@ピンキー
07/01/17 02:37:27 Vyv6xt8X
この板はどのくらいの間隔で保守ればいいのかな?

202:名無しさん@ピンキー
07/01/17 09:42:42 OzshNC/7
A:ほとんど保守なんてしないでも落ちない

203:名無しさん@ピンキー
07/01/19 18:09:01 Gc2nVxfO
なんか変な流れになってるな

204:名無しさん@ピンキー
07/01/19 19:47:37 lIRJMPro
URLリンク(eternal-ml.com)
ここの「夏を向かえる」(←誤字にあらず)がなかなか素晴らしい。
もう二年以上更新してないけれど。

205:お魚 ◆5Z5MAAHNQ6
07/01/24 00:38:01 cBc6sN9q
1/8
 地面に剣や矢が突き立ち、まだ腐敗も進んでいない死体の転がる戦場。
 空はどこまでも青かった。
 一人帰途に就いていた少年兵のヨモギは、荒野にポツンと立つ幼女に気がつ
いた。
「俺はヨモギ。……名前は?」
「……ゆず」
 その少女は、ボサボサのくすんだ髪は目元まで覆い隠し、服はといえば薄汚
れた肌着一枚靴すらなかった。
 戦闘の巻き添えを食ったのだろう。両親の姿は見当たらない。
 おそらく死んだのだろうと、ヨモギは考えた。
 このまま、ここに放っておく訳にもいかない。
「一緒に来るか?」
「いいの?」
「大きな街の孤児院なら、食い物ぐらいあるだろう」
 ヨモギはユズに手を差し伸べた。
「…………う、うん」
 ユズはヨモギの手と自分の手を見比べ、その小さな手の平をヨモギの手に乗
せた。
 ヨモギはユズの手を引いて、山を越えた先にある街へと向かう事にした。

206:お魚 ◆5Z5MAAHNQ6
07/01/24 00:40:04 cBc6sN9q
2/8
 森の中、槍で狩った獣を晩飯にし、二人は野宿する事になった。
「ほれ、毛布」
 焚き火はつけたまま、ヨモギは毛布を一枚ユズに渡した。
 ユズがその毛布に包まるのを確認し、ヨモギも自分の分の毛布に包まった。
「…………」
 ユズが何か言いたげな顔をしていたのに、ヨモギは気がついた。
「何だ?」
「よもぎ……あのね」
「……ん?」
 ユズは真っ赤な顔で、意を決したように口を開いた。
「いっしょにねていい?」
「好きにしろ」
 ヨモギが言うと、ユズは嬉しそうに毛布の中に潜り込んできた。
 そのままユズは、ヨモギの膝の間で寝息を立て始めた。
 暖かいな、こいつ……と思いながら、次第にヨモギも眠りに落ちていた。

207:お魚 ◆5Z5MAAHNQ6
07/01/24 00:43:41 cBc6sN9q
3/8
 山を越え、ふもとの村で一泊する事にした。
 街までは、ここから半日ほどで到着する距離だ。
「部屋は如何いたしますか」
 宿の主人の問いに、ヨモギは指を一本立てた。
「一部屋。ベッドは二つで―」
 くい、と裾を引っ張られた。
「……よもぎ」
 恨めしそうな声。
 振り返ると、村の服屋で安い洋服に着替えていたユズが悲しそうな顔をして
いた。
 ちなみに山を越えるのに(ユズの体力に合わせて)三日、ずっと一緒に眠っ
ていた二人である。
「……一つでいい」
 顔を引きつらせながら、ヨモギは宿の主に訂正した。
「お子さんですか?」
 宿の主人はニコニコしながら問いかけてきた。
「……ああ、家族だ。な、ゆず」
「うん……おとうさん」
 さすがに赤の他人で、一緒に寝るのはまずかろう。

208:お魚 ◆5Z5MAAHNQ6
07/01/24 00:45:55 cBc6sN9q
4/8
 活気のある大きな街の、大きな建物を二人は見上げていた。
 背後では、人の行き来が絶えない。
「着いたな」
「……おわかれなの?」
 きゅっと、ユズがヨモギの手を握り返していた。
「ここなら、食いっぱぐれも多分ないだろ。同じ歳の子だっている。俺と一緒
だと危険が大きすぎるしな」
「……うん」
 ヨモギはユズの頭を撫でた。
 孤児院の院長は優しそうな恰幅のいい女性だった。
「それじゃ、院長さん、よろしくお願いします」
「はい。ここまでありがとうございました。ユズちゃん、お部屋はこっちよ」
 院長先生に手を引かれながら、ユズは何度もヨモギに振り返った。

209:お魚 ◆5Z5MAAHNQ6
07/01/24 00:48:04 cBc6sN9q
5/8
 その日の夜、ヨモギは街の宿屋に宿泊した。
「一人ですか?」
「ふた……ああ、一人」
 訂正し、部屋に入った。
 そのまま、ベッドに潜り込む。
「……落ち着かないな」
 天井を見上げ、眠りに就こうとした。
 まだ、暖かい気候のはずなのに、寝床は妙に寒かった。

210:お魚 ◆5Z5MAAHNQ6
07/01/24 00:50:22 cBc6sN9q
6/8
 翌日、早朝にヨモギは宿を出た。
 人気のない通りに、ポツンと洋服を着た女の子が立っていた。
「……ユズ?」
「おとうさん……やっぱり、ゆず、おとうさんといっしょがいい……」
 ユズは、ぐすっとべそをかいた。
「……で、黙って出てきたのか?」
 この時間に、院長先生が外出許可を出すとは思えない。
「……ごめんなさい」
 しゅん、と落ち込むユズ。
 ため息をつきながら、ヨモギはユズの手をとった。
「謝るなら、院長先生に言え。ほら、行くぞ」
「……やだ」
 ユズは足を踏ん張って、抵抗した。
 そのまま連れ戻されると思ったのだろう。
「断るにしても、筋は通さなきゃ駄目だろ」
「え……」
 ユズの身体から、抵抗の力が抜ける。
 それを確認し、もう一度、ヨモギはユズの手を引いた。
「旅はきついぞ。実家までかなり遠いからな」
「う、うん!」

211:お魚 ◆5Z5MAAHNQ6
07/01/24 00:53:07 cBc6sN9q
7/8
 そして、時が流れ。
「お前と出会ってもう十年か」
「もう、そんなになるんだね」
「なるんだよ」
 ヨモギは自分の家に一度戻ると、そのまま旅に出た。
 実家は兄が継いでいるし、放浪が性に合っているのが帰還の旅で分かったか
らだ。
 もちろん、ユズも一緒だった。
 ここは森の中。
 二人は初めて会った日の夜と同じように、獣を狩って野宿をしていた。
「―で、父親として言わせてもらうとだ」
「うん」
 ヨモギの無精ひげに、自分の頬をこすりつけるユズ。
 ヨモギ、二十五歳、職業は戦士。
 ユズ、十五歳、職業は魔術師である。
「いい歳した娘が父親の寝床に潜り込むんじゃない」
 最近富に成長著しい胸の感触も、ヨモギとしては気になるところであった。
 毛布一つで一緒に寝る習慣は、この十年変わる事がなかった。
「……駄目なの?」
 可憐な少女の潤んだ目で見詰められ、ヨモギはコホン、と咳をした。
「父親と娘としては非常に問題がある」
 意味を悟って、ユズの顔も真っ赤になった。
「……じゃ、じゃあ、別の理由があればいいのよね?」

212:お魚 ◆5Z5MAAHNQ6
07/01/24 00:55:12 cBc6sN9q
8/8
 翌日の昼下がり、街に到着した二人はまず宿を取った。
「お泊りですか?」
 ヨモギは頷き、指を一本立ていた。
「一部屋。ベッドはダブル」
「ご夫婦ですか?」
 ヨモギの後ろで、ユズがコクコクと頷いていた。
「今日から―」
 頬が熱くなるのを感じながら、ヨモギは宿の主人に道を尋ねる事にした。
「―時に主人、この街の役所と教会はどこかな?」


※以上、支援でした。
すみません、エロなかったです。
そして依存スレ的に、これちゃんと大丈夫なのか心配です。
が、書いちゃったので投下です。
次の職人さん新たな投下お待ちしてます。

213:名無しさん@ピンキー
07/01/24 02:19:32 11bF6Zcc
>>212
GJ!!!!!

214:名無しさん@ピンキー
07/01/24 02:36:44 CT4pYAsN
GJ!

215:名無しさん@ピンキー
07/01/24 02:40:12 4sAcw8EC
違うような違わないような、だけどGJ

216:名無しさん@ピンキー
07/01/24 09:02:34 Rub6/AjN
GJ!

217:名無しさん@ピンキー
07/01/24 16:50:02 uA3p03IU
GJ! 微笑ましい

218:名無しさん@ピンキー
07/01/24 18:38:18 3Gk4GCuU
おもしろいかおもしろくないかは、エロがあるかないかではないと思う。
次にも期待してますよ。

GJ!

219:名無しさん@ピンキー
07/01/27 14:41:11 oVeLwsyp
あまり依存って感じじゃなかった気もするが…
そんなん抜きにして面白いな
GJ!

220:名無しさん@ピンキー
07/02/03 04:35:17 hgKIvNKi
hoshu

221:名無しさん@ピンキー
07/02/05 00:15:41 7NN54zKb
ネット上で良い依存小説を知っていたら教えてくれ
↓頼む

222:名無しさん@ピンキー
07/02/06 08:14:58 DnPf80D7
ストレートな依存小説って言えば、修羅場スレのSSに1つか2つあった気がする。
あとは、個人的に依存小説だと思うのは「縛」って小説かなぁ?近親相姦ものだけど。



223:名無しさん@ピンキー
07/02/06 23:15:36 wuheWSia
>>222
縛は女→男かと思ったら実は男→女依存だったからなぁ。
あれほど性別が逆だったらと思った小説は他になかった。

224:名無しさん@ピンキー
07/02/15 18:16:25 EFLh6ZwZ
ハーレムスレでも上がっているが、靄の森のHaniwaという小説の5話で
>あ、あたしだって祐紀がいないと...いないと......ひっく、ぐすっ...だめなの...生きていけない...
な台詞が出る

225:名無しさん@ピンキー
07/02/17 18:50:34 2gnDXS0x
「てんぷら」みたいな、女が生活能力0で男に面倒みられっぱなしってのは依存に入るのだろうか

226:名無しさん@ピンキー
07/02/17 23:35:39 YjEMRDfG
>>225
個人的には入ると思うのでどこのサイトかkwsk

227:名無しさん@ピンキー
07/02/18 02:00:02 26GkC7W/
>>226
まんがタイムスペシャルに連載されてる4コマ漫画でほのぼの系
ヒロインの造型は激しく好みが分かれるところだと思うがw

228:名無しさん@ピンキー
07/02/18 06:46:09 j3/jIO/9
ちょっと質問。
ここでいう依存というのは精神的なものじゃないと駄目なのかな?

電波を受信したんで短編書こうと思ったんだけど、みなさんの口に合うものかどうか微妙。
ファンタジー物なんだけど、女が世界に存在するためには特定の属性の魔力が必要で
その魔力は男の一族しか発することが出来ず四六時中一緒に居ないと物理的にダメというもの。
イメージ的にはメガテンのマグネタイトと仲魔みたいな感じ。

229:名無しさん@ピンキー
07/02/18 06:57:35 628C7F60
>>228
俺はいいと思う。

230:名無しさん@ピンキー
07/02/18 07:09:43 YtfmrzYZ
>>228
俺はエロイと思う

231:名無しさん@ピンキー
07/02/18 09:05:24 aq15rgTd
>>228
俺はFate思い出した

232:名無しさん@ピンキー
07/02/18 10:14:09 26GkC7W/
>>228
魔法使いと使い魔みたいな関係かな?
いいんじゃない?

233:退魔師くんと淫魔先輩(1/5)
07/02/18 21:13:23 BfZBLL12
 秋陽高校、昼休みに屋上に一組の男女がピクニックシートを広げていた。
 片や、首や腕といった身体の見える部分のあちこちに包帯を巻いた一年生―
―谷町敏満(たにまち としみつ)。
「先輩、最近思うんですが」
 片や、天使かと見紛うようなふわふわ髪の美少女。スカーフの色は三年生を
示している。
「はい?」
 美少女―天王寺千華(てんのうじ ちか)は首を傾げた。
 千華手製の弁当を食べながら、敏満は言葉を続ける。ちなみに弁当の中身は、
焼肉や鰻の蒲焼、牡蠣フライなどやけに精力重視のものが多い。
「俺達、この界隈での拝み屋としては、そこそこ頑張ってますよね」
「そうですね」
 敏満に比べて、ちょこんと小さなお弁当を食べながら千華が頷く。
「ただまー、そのせいで支部からの指示が増えてきたのがちょっと辛いかなと」
「それは……そうですね。もうちょっと人員が増えてくれればいいんですけど
……」
 ほぅ……と微かにため息を吐く千華。
「そうもいかないのが現実でして。他所は他所で魔物退治が忙しいし、俺達で
出来てるうちは人員増加は見込めないと思うんです。だから……」
 そこで敏満は口ごもった。

234:退魔師くんと淫魔先輩(2/5)
07/02/18 21:15:52 BfZBLL12
 案の定、千華は上目遣いでこちらを伺ってきた。
「……あの、敏満様?」
「……先輩、学校内で『様』はやめてってば」
 ちなみに敏満のクラスを初めて千華が訪れた時、うっかりそれを口にしてし
まい、敏満はクラス中の男子(と一部女子)に袋叩きにあった経験がある。
 というか、千華と『契約』して以来、敏満の校内での敵は確実に増えた。身
体中に巻かれた包帯は魔物退治が原因ではなく、学生生活という日常の中で増
えたものだ。
 千華は口を押さえながら、顔を赤らめた。
「すみません。でも、今、この屋上には二人っきりですし、人の気配もありま
せんから……そう呼ばせてください」
「……絶対いない?」
「いない、と思います。少なくとも普通の人は。それで、先刻から言いにくそ
うにしている内容ですが……」
「んじゃあ話を戻してですね、ここは独自に戦力アップを図ろうと思う訳ですよ」
「……はい」
「そこで、新たな魔物か精霊と契約を―」
「いやです」
 即答だった。
「……まだ、全部言ってないよ、先輩」
「必要ないです。だからやです」

235:退魔師くんと淫魔先輩(3/5)
07/02/18 21:17:57 BfZBLL12
「前と後ろの台詞が繋がってないですよ、先輩!? それは論理的じゃない!」
「戦力アップでしたら、私が強くなります! 他の魔物と契約っていう事はで
すよ? つまり、それは、あの……私にしたように性交での契約って事ですよね?」
 敏満の予想範囲内ではあったが、事は命にかかわる。
 何とか、敏満は説得を試みる事にした。
「えー、まあ、そうなります。でも、これは別に愛情があってする訳じゃなし、
あくまで古の儀式であってですね」
「やだったらやです……っ!」
「先輩、性格が! いつもの内気な先輩はどうしたの!?」
「だ、だって、敏満様が浮気するって言ってる……」
 千華は涙ぐみ、自身の小さな両拳をギュッと握り締めながら、敏満を見据え
た。
「浮気じゃなくて儀式ですよ!」
「やる事は一緒です! 必要ありませんし、私がもっともっと強くなればいい
だけの話ですから……やですぅ……う、ぐすっ……うぅ……」
 口元を押さえながら、嗚咽をこらえる。
「じゃ、じゃあ、妥協点としてですね」
 敏満はポケットからハンカチを取り出し、千華に渡した。
「……何ですか?」
「そんな恨めしそうな目で見ないで下さい。えっと、性交ではなくて、血の契
約で―」

236:退魔師くんと淫魔先輩(4/5)
07/02/18 21:20:01 BfZBLL12
「……いやです」
「やっぱり?」
「私、頑張りますから……どうかそんな事、なさらないで下さい」
「いや、でもですよ? 淫魔である先輩が強くなるには、ですよ? ……つま
りその、大量の精気が必要な訳でして……だとすると不特定多数の男の人と?」
「そ、そんなの、ありえません……私、男性恐怖症ですし……私の身体は髪の
一本、血の一滴、涙の一滴まで敏満様のものです。敏満様以外の男の人に抱か
れるぐらいなら、舌を噛んで死にます」
 先輩なら本当にやりかねないな、と敏満は思った。
 というかやるだろう。
 淫魔であるにも関わらず、千華は敏満と『契約』するまで処女であったし、
その後も他の男から精気を吸った事は敏満の知る限り一度もない。
「じゃあ、どうやって? 初めて会った時みたいに女の子達から、こっそり……?」
「敏満様、これを……」
 そう言って、千華はポケットから小さな薬瓶を取り出した。
「何、この薬瓶?」
「天王寺家に伝わる強精剤です」
「…………」
「…………」
「……つ、つまり、そういう事?」
 淫魔は精気で己を強める。

237:退魔師くんと淫魔先輩(5/5)
07/02/18 21:22:45 BfZBLL12
 他人から駄目となると、そりゃ、契約者が何とかするしかない。
「き、昨日、いらまちおとかいうのをビデオで勉強してきましたしっ……お尻
とかっ……!」
 真っ赤な顔で千華はとんでもないことを口走る。
「先輩声大きいってば……!」
「だ、大丈夫です、結界を張りましたからこのお昼休みでも多分二回は……駄
目ですか……?」
「……じゃあ、当分二人で頑張るということで」
 敏満は、いつの間にか空になっていた弁当箱を傍らに置いた。
「……当分じゃなくて、ずっとです、敏満様」
 千華は胡坐をかいた敏満ににじり寄ると、たどたどしい手つきで彼のズボン
のジッパーを下ろし始めた……。

※えっと、こんなん?>魔法使いと使い魔
 うっかり途中であげてしまった。申し訳ない。
 とりあえず仕事の現実逃避で書いてみた。
 これから現実(仕事)に戻ります。
 すまん、期待されてたかもしれんエロはまた今度で。

238:名無しさん@ピンキー
07/02/18 21:26:50 MQNIb55Z
ちょw寸止めwwだけどGJ!
敏満ガンバレwエロの続き待ってるよ!

239:名無しさん@ピンキー
07/02/18 21:55:16 628C7F60
これはGJ。続きに期待期待

240:名無しさん@ピンキー
07/02/18 22:32:29 O1CdRfGa
うわ、いいなぁ。GJ

241:名無しさん@ピンキー
07/02/19 03:16:14 qK0qqkTF
先輩かわいいGJ!

242:名無しさん@ピンキー
07/02/19 09:43:04 +WlQKo4g
純情淫魔先輩イイ!!
続きと言うかこの後のエロを希望

243:名無しさん@ピンキー
07/02/19 10:28:32 01pwF1XF
いいよいいよ、これ。
GJなんで続きを期待w


244:お魚 ◆5Z5MAAHNQ6
07/02/20 06:20:05 wA9oBJm9
233です。
感想どうも。
とりあえず修羅場のメドがついたら書きますけん、
もう少しお待ちください。
今月中に書けるといいなぁ……。
とりあえず同板の無口スレにも投下してるんで、
そっちで暇潰してくれれば幸いです。
『秋陽高校』で検索掛ければ引っかかりますんで、
と他所スレ宣伝込みの報告でした。

245:名無しさん@ピンキー
07/02/21 09:24:00 /DMXAl7w
>>244
つまんね
つうか書く前に自分で読み直してみろ

246:名無しさん@ピンキー
07/02/21 12:05:59 E6BAILV7
>>245のメール欄はわざとやってんのか?
素だとしたら半年といわず一年ROMってろ

247:名無しさん@ピンキー
07/02/22 18:49:01 hxza2/FA
そういや、ハーレムスレの「うらびでっ!」ってどうなったんですか?


248:名無しさん@ピンキー
07/03/01 10:01:19 HjI1GnvV
保守

249:名無しさん@ピンキー
07/03/10 00:46:14 hc3jTD5O
ほーしゅ!

250:名無しさん@ピンキー
07/03/15 15:48:38 yAxZWCkU
さぁ、張り切って保守だ。

251:名無しさん@ピンキー
07/03/18 17:56:25 6kSqgD99
ほしゅ

252:名無しさん@ピンキー
07/03/23 01:36:15 tmSqC8qK
ほしゅ

253:名無しさん@ピンキー
07/03/26 02:27:41 kVerkYes
age誰かかいてくれ

254:名無しさん@ピンキー
07/03/26 03:32:56 TItFuck3
仕事が明けたら書く予定。
今月はまず無理、すまん。

255:籠城戦 ◆DppZDahiPc
07/03/26 22:16:28 T+voQeH/
思いつきで書いた故か、キャラのビジュアルイメージすらない状態で書き。
気付けば、容姿描写がないことに気付いた。
だから
・女子中学生
・へたれ気障吸血鬼兄さん
を、適当に思い浮かべながら読んでくれ。

……SS書きとして、グダグダなことを言いつつ、保守投下

全4レス、本番なし



256:食事狂1/4 ◆DppZDahiPc
07/03/26 22:18:36 T+voQeH/
 夕日に焼ける旧びた校舎。授業も終わり、まだ部活も本格始動しないこの時期、校舎の中はまるで安置所のような静寂に包まれる。
 それを、

 コツコツコツ

 破る、足音。乱れなきパーカッション、急ぐような三拍子―床を蹴る音。
 静寂な校舎の中響く音を、人外の聴力で聞き耳を立てながら、彼は歌う―足音の主に聞かれぬよう/静かに/密やかに、故国の歌を。
 彼女の足音、その主旋律は、彼の故国にある大河の流れによく似ていた。奔る風の歌に酷似していた。彼の母が歌う子守唄そのまま。
 彼は、歌う、故国の歌を。
 それを―

 コンコン

 ―ノックの音が妨げる。
 足音は止まっていた。
 この時期、この時間、この部屋を訪れるのは一人しかいない。
「どうぞ」
 彼が言うや、扉は盛大に開かれ、
「―おや?」
 怒り顔の彼女がそこにいた。
「どうしました?」
 彼が訊くのへ、彼女/有守るいが応える。怒りの文言。
「どうしたもこうしたもないよっ。なんなのさっ、これ!」
 そういって差し出されたのは―1輪の薔薇。
「ああ」彼は朗らかに微笑むと。
「内緒の合図という奴ですよ。<キス>させていただくのに、いちいち貴女の教室まで往っては要らぬ疑いをかけられてしまいます」
「……だから、薔薇?」
「ええ、洒落てるでしょう?」
 そういって彼は得意げに鼻を鳴らした。
 だが―
「洒落はしゃれでも、こんなのダジャレじゃないのさっ」
 るいは切れた。響く大声。
「こんなん下駄箱に置いてあったら、誰だって今日何かあるって気付くって」
「……そ、そうですか?」
 彼は何を怒られているのか理解できないようすで、怯え怯え応えたが。
「ですが、中々ステキな誘い方だとは思いませんか?」
「しっつこいっ!」
 るいは手に持っていた鞄を、床に投げつけた。
「あんまり言ってると<吸わせて>あげないさっ!」
 その言葉に、彼が慌てる。
「そ、そんな、あんまりですっ。我々吸血鬼にとって、<キス>は身体を維持するのにどれだけ大切なことか、忘れたわけではないでしょう」

257:食事狂1/4 ◆DppZDahiPc
07/03/26 22:20:46 T+voQeH/
「ええ、もちろん覚えてるよ。<吸わ>ないと灰になるっていうんでしょ? 灰になったら、砂丘にでも蒔いてやるのさ。金輪際復活しないように」
「そんな殺生な。この人でなし、人外外道」
「マジに人外畜生のあんたには言われたくないわっ」
「そんな酷いっ!」
 そう叫ぶや、彼はめそめそ泣きはじめた。
 るいより頭二つは高い身長を丸めて泣くものだから、その姿は不気味なことこのうえない。
 るいは、無視しよう、無視しようと思いながらも―結果的には、
「いいから、泣いてないで<キス>しなさいよ。この後、私デートあるんだから」
 その言葉に、今まで泣いていた彼がぴくりと動きを止め。まるで油の切れたブリキ玩具のような動きで身体を起こすと。
「まだ、あの洟垂れ小僧と付き合っているのですか」
「なによ。飯島くんの悪口言う気?」
「―いえ、別に」
 白けたような表情で彼は応えた。
 気に入らないのだろうか? わたしが飯島くんと付き合っていることが―彼女は想い―否定する。
 一瞬でも浮かべてしまった、甘い希望に。
 そう、この人外外道が飯島くんとつきあっているのにいい顔しないのは、わたし/るいが処女でなくなってしまうかもしれないから。
 彼にとってるいの血は、脳が蕩けるような極上のワイン。
 ほんの数的舐めるだけで、折れた肋骨がくっつくほどの力を与えるらしい。
 故に、彼はるいを手放したくないし。その血の魔力が弱まるから、処女でなくなってしまうことを嫌がる。
「……大丈夫」
 るいは呟くように言った。
 すっ、と。スカートの裾をあげていき、ピンクの下着が露出する直前で止める。
 白い太ももが露になる。
 それを見て、彼の眼に、それまでのちゃらけたものとは明らかに違う色が浮かんだ。
 それは―獣の眼。
 しかし、
「まだ、処女だよ。童貞さん」
 その眼をるいは畏れない。
 その眼はるいにとって、今最も必要としている、狂暴な光。
「それは良かった」
 彼は笑った。口元だけで。
「もっとも、あの小僧に貴女に手を触れるだけの勇気があるとは思えませんが」
 自信満々に言い切った。
 その根拠のない自信に、るいは思わず笑ってしまう。
「では、<キス>を―ああ、そうそう。この後デートなのでしたら、首元にキスしたほうが?」
「…………ばか」
 るいは小さく呟き、指差す。
「ここに、して。ここなら、外から見えないから」
 そこは―

258:食事狂3/4 ◆DppZDahiPc
07/03/26 22:22:55 T+voQeH/
 吸血鬼の口元に月。狂暴で、無邪気な月の笑み。どうしようもない歓喜の発露。
 ―処女の内腿。
 まだ処女の少女は、淫猥で淫乱な要求に、自ら赤らむ。
 それを見て、吸血鬼に惨酷な要望が募る―この少女を、娘にしたい。自らだけのものにしたい。
 ―だが、その考えは、直ぐに打ち消した。
 そうするのは、彼のポリシーに反するし。なにより、彼女との契約に反する。
 無限、永劫、虚無の命を持つ獣にとって、契約は自ら足らしめる、数少ない要素、故に吸血鬼は約束を破らない。
 彼女との契約―彼が新たな血液提供者を見つけるか、彼女が処女を捧げてもいいと想う男と出会うまで、彼女は彼に血を与え、彼はそれ以上を要求しない。
 だから
「かしこまりました、レディ」
 跪き、恭しく頭を下げる。
「―では、」
 口元に光る、犬のような牙。
「いただきます」
 そっと
 静かに顔を寄せ―

 ちく

 白い太ももに牙が刺さり、ぷくっと赤い珠が傷口よりこぼれ、涙跡。
 それを舌ですくい、舐めとり、嚥下する。
 彼の身内に迸るような電流/甘く切ない衝動/揺れる激情/歓喜―血が、全身に流れていく。
「おいしい?」
 るいの言葉、喘ぎ。
 彼は頷き、応える。
「毎夜、求めたくなるほど」
 そういって、傷口にキスをした。
 こぼれる血を吸い、傷口から血を吸い、強く強く強く、彼女の身体から血を吸う。
 彼女の膝が震え―倒れそうになったが、彼の頭に手をつき、免れる。
 その体勢のまま、僅かな時間、彼に血を与え続ける。
 そして、気付く、自らのしている体勢、その拙さ。
 ―でも
 いいや
 その体勢は、まるで彼の顔を、股間におしつけているかのようだったし。実際あたっていたが。
 他に誰もいないという開放感では、そんなこと気にならなかった。

 血を吸われる、その快感。
 眼が覚めるような―蕩けるような―自分と世界の狭間が理解できなくなるような―どうしようもない―甘い―
「…………あっ」
 彼女は、倒れた。
 その身体を、彼は受け止め、抱いた。


259:食事狂4/4 ◆DppZDahiPc
07/03/26 22:28:21 T+voQeH/
 彼女の意識がまどろんでいるのを知りながら、普段の彼女なら絶対にさせてくれないほど強く、抱擁した。その華奢な身体を。
 花のような香りがした。
 ソレに気付き、彼は手を伸ばし、触れ―泣きそうな顔をした。
 キス/吸血されると強い性的快感が得られる。
 それが、彼女を引き止めていると知っていた。
 吸血の快感は、人によっては、セックスを凌駕する。―彼女はそういう体質だったのだ。
 故に、これから、彼女が人間の男と付き合ってセックスしても。
 それは、この逢瀬で与えられる快感には程遠い。
 彼は、泣きそうな顔をして、想った。
 弱っていたとはいえ、旧き血の自分が、こんな幼子を狂わせてしまった―その罪を、彼は想った。
 後悔している。言葉で言い尽くせぬほど―しかし、だ。
 彼はその罪に酔っている、どうしようもなく。この少女を手放したくなかった。
 たとえ、吸血鬼に変えてでも。
 彼女と、一緒に居たい。
 故に、彼は想った。
 旧き血の我と、少女を巡って争う一人の少年のことを―
「まあ、知ったこっちゃありませんが」
 まだ白い空に、月が微笑んでいた。


おしまい


260:名無しさん@ピンキー
07/03/28 19:43:57 mv9wHS9f
GJ!

261:名無しさん@ピンキー
07/03/29 11:26:53 4QzQJYFF
吸血GJ!
吸血スキーなので美味しく頂きました。

262:名無しさん@ピンキー
07/03/30 20:53:34 yLBoWZP1
どこかで
田上好きなカリスマ歌手と社会人みたいなシュチュな小説を見た。
おそらく依存っぽかったんだかどこでみたかいまいち覚えていない。ということで情報求む

263:名無しさん@ピンキー
07/03/31 21:16:55 YdO7k4RA
傍から見ると、「男が女にベタ惚れ、女、絶対的に優位」に見えるのに
実は女のほうが男に依存、というのに萌える。
・・・めったに見ないんだけどねorz

264:名無しさん@ピンキー
07/03/31 21:27:13 R4iu6PUc
>>263
よく分からんが
普段は
男「なあ、デート行こうぜ」
女「はいはい、今度ね。―ああ、牛乳切れてたから、買ってきて」
とか言いながら。
いざ男が他の女に口説かれてるのをみると
女「今からデート行くわよ」
とか言い出すタイプか?

265:名無しさん@ピンキー
07/04/01 00:14:49 OTw5wlLY
>>262
たぶん、気の強い娘がしおらしくなる瞬間に…スレの彼女は〇〇〇だと思う

266:名無しさん@ピンキー
07/04/01 00:33:02 KXC+BgCa
保守
>>264それだけで射精した。続きプリーズ

267:名無しさん@ピンキー
07/04/01 02:14:11 IPaYyPz0
>265
㌧クス

268:名無しさん@ピンキー
07/04/02 10:47:29 qZ5ub/An
>>263
なんとなくGS美神の美神と横島を連想した

269:名無しさん@ピンキー
07/04/09 00:51:10 BjAZBbk9
こんないいジャンルなんだ。誰か書いてくれ。


え?俺?俺には文才がry

270:名無しさん@ピンキー
07/04/09 07:37:36 wsfac5WC
なあに、書いてる内にこなれてくるさ。

271:名無しさん@ピンキー
07/04/14 10:27:59 nqKJ6Q4Z
236
これなんてご愁傷様二ry

272:名無しさん@ピンキー
07/04/15 01:31:10 3I1GaK2l
愉快なヘビくん

273:名無しさん@ピンキー
07/04/15 01:47:29 en/1e2OX
「なるたる」の高飛車お嬢と、その幼馴染が263ぽい。

274:名無しさん@ピンキー
07/04/19 02:27:42 v5MbI4/r


275:名無しさん@ピンキー
07/04/21 10:13:10 Je8BCzJv
hosyu

最近電王の良太郎の姉さんが弟依存キャラっぽく見えるのは俺だけか?

276:名無しさん@ピンキー
07/04/26 01:59:08 XWboQyy5
保守。

277:名無しさん@ピンキー
07/04/28 06:40:15 ljkK2kPF
保守

278:名無しさん@ピンキー
07/04/28 12:07:43 GMdhxcl9
好きなジャンルなんだけど需要ないのかなぁ
退魔師くんとかすごい面白いんだが

279:名無しさん@ピンキー
07/05/01 22:31:09 wkcA+r7t
依存を書いてくれる職人さんがいなければ生きられない

280:名無しさん@ピンキー
07/05/02 21:37:01 INkU5Bfi
hagedou

281:名無しさん@ピンキー
07/05/03 10:25:48 4W4+HFvP
URLリンク(www.uploda.net)

ヤンデレスレ保管庫を参考に作ってみた。
うpロダの性質上、二日以内に消えるらしひ。

282:名無しさん@ピンキー
07/05/05 12:49:12 jSVMsd/c
チクショウ…遅かったか…

283:名無しさん@ピンキー
07/05/05 14:36:09 FADkE4s/
>>281
もっかいうpして~

284:名無しさん@ピンキー
07/05/05 15:13:47 UkotH/k0
URLリンク(kasamatusan.sakura.ne.jp)

再うp

285:名無しさん@ピンキー
07/05/05 23:55:02 g20MSZa3
なぜスレがあるのにわざわざうpロダにうpるんだ
お願いします
頼むから普通に投下してください

286:名無しさん@ピンキー
07/05/06 08:13:30 Fcky+YYk
>>>285
いや、作品じゃなくて仮の保管庫だから。


287:名無しさん@ピンキー
07/05/07 21:24:31 ea0vcJfC
流れ無視してすいません。
周囲には冷たいイメージで知られている女が、(周囲の評判は度外視)男のいいなり。
しかしそれは弱みを握られて強制させられているわけではなく、女の依存によるもの。
男に必要とされることに喜びを感じるが、その反面必要とされなくなることを恐れる・・・
こういうシチュエーションの作品(18禁ゲーム・雑誌何でも)見たことありますか?
この場合、たいてい男は引くものなのですが、男がいいように利用していたら更に良いです。

288:名無しさん@ピンキー
07/05/08 21:18:01 a5hVgEaN
その展開いいね、クズ主人公ってのが更にいい。

289:名無しさん@ピンキー
07/05/11 00:43:48 GoGW8744
これでdatたら諦める

290:名無しさん@ピンキー
07/05/12 00:20:19 zpCpi4ot
あと十日もすれば補給が途絶えて2ヶ月になるか。
需要があるのに供給が無い…。(´;ω;`)

291:名無しさん@ピンキー
07/05/15 03:22:32 GS/5EKRY
やっぱもう無理か?
なんとなくだか書くの難しそうな気がするし。

292:名無しさん@ピンキー
07/05/15 19:49:21 GtPCa8RE
今初SS頑張って書いてる。
今月中には投下したいけどエロ描写がうまくいかん。
俺としてもこのスレは萌えポイント高いし、無くなってほしくないから頑張るよ

293:名無しさん@ピンキー
07/05/15 19:51:50 rpA4HHDl
よし、それなら保守ろうぞ。


294:名無しさん@ピンキー
07/05/15 21:07:39 i+mE0Kll
伊坂幸太郎の「重力ピエロ」の弟が妹だったら、俺は全力で萌えた。
あれは依存とはちょっと違うのかもしれないけど。

295:名無しさん@ピンキー
07/05/16 02:15:50 rx4sIUJ8
292と職人の為に全力保守

296:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/16 21:37:12 Vxzs8j1h
なんとなく書いてみたので投稿。
263を意識しつつ。えろなし冒頭のみ。
続きを書くかも不明。
保守代わりに

297:僕の仕事はやくざ屋さん  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/16 21:38:05 Vxzs8j1h
天国のお父さんお母さん、僕は立派に社会人になりました。
見城刀19歳は住み込みで今でも働いています。
社会人ははじめの仕事を三年間続けろとの教えどおり、働き始めてから
無能とか雑魚とか世界一向いてないとか言われつつも今でも頑張ってます。
料理を作りながら物思いにふけっていると。

「おい!刀!朝飯はまだかっ!」
「おそいおそいおそーい!おなか空いたおなか空いた!!」
ああ、職場の上司から仕事の催促が~

「はい。ただいまお持ちします。親分、お嬢さま。今日は豚汁と焼き鮭です。」
「うんうん!おいしそうな匂い。刀ほめてあげるわ。」
「ま、人生間違いはつき物だ。おめーは料理人にでもなるんだったな。」
「ほめられてるのか貶されてるのかわかりませんねー。」

はい僕は今、鬼城組というところで働いています。
俗にやくざ屋さんと呼ばれる職業です。鬼城組は中堅のやくざだったのですが、
二年前に崩壊。借金だけが残り部下は四散という…倒産しちゃったんです。

僕はやくざ屋さんとしては、老人に恐喝なんてできませんし強い人には勝てないですし、
まして追い込んでいくようなことはできなかったので邪魔者扱いでした。
他の優秀な方はそれぞれ別の場所に再就職なされたのですが、僕だけはできなかった
んです。

持ち家を処分したことと、両親が事故で亡くなった際保険金があり、2億程度の
財産が僕には残っていましたので暫くぷらぷらするかとも思ったのですが…。


298:僕の仕事はやくざ屋さん  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/16 21:38:48 Vxzs8j1h
両親を亡くして途方にくれたときにお嬢には僕を拾ってもらった義理もあるし、
親分さんにもよくしてもらっていたので借金をお金で清算し、今までどおり
おいていただくことにしました。
そういうわけで、僕だけがここで働いています。

もちろん、お二人には生活能力なんてものは存在しなかったので全て僕が
取り仕切っています。お金の面に関しても趣味の読書から得た知識から、
残った財産を運用しています。

家事一切を引き受け、お金を稼ぎ、給料を頂く。立派な社会人ですね。うん。
しかし、何より一番大変な仕事は…

「ほら、刀。ぼやぼやしてないで学校までエスコートなさい!ぐずぐずしない!」
「はい!ただいま!すぐ行きます!」
「ほらっ!いくわよ。はやく!」

お嬢さまのお世話だったりします。
今もエスコートといいつつ、僕の腕を引きずっています。せっかちなんだから…。
三年前、小さな暴君だった彼女は今では女帝といった風情に成長しています。
外見は見目麗しい大和撫子なのですが…。
今日も意味もなく殴られたり文句を言われながら今日も女学院への道を歩いていきます。
僕は高校に通えなかったのでお嬢さまには是非楽しんでいただきたいものです。


299:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/16 21:40:57 Vxzs8j1h
以上。
まだこの先はさっぱり考えてません。

300:名無しさん@ピンキー
07/05/17 00:03:35 8etTjLK7
ヤクザって就職になるのか?wwwwww

301:名無しさん@ピンキー
07/05/17 01:49:33 48un/f7g
もう数百年くらい投下がなかった気がするよ・・・・
>>299超GJ!つかみだけでここまで期待させてくれる作品はなかなか無いぞ。
ゆーっくり考えて神作を投下してくれ!

302:名無しさん@ピンキー
07/05/17 08:13:38 rlO207Jy
>>299
兎にも角にもGJ

303:名無しさん@ピンキー
07/05/17 11:42:48 UPnWvOWb
久々のGJ!
依存でツンデレかw

304:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/17 15:10:29 7Btrd6CD
続き書いてみた。
難しいです。相変わらずのエロなしです。

305:僕の仕事はやくざ屋さん  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/17 15:11:11 7Btrd6CD
お嬢さまを学校に送った後はお金を稼ぎます。最近はパソコンとインターネットが
あればどこでも仕事ができるので便利です。
そして、学校が終わるころにお迎えに行きます。今日はお嬢さまがなかなか出て
こられません。掃除当番でしょうか。

「遅いですねー。何かあったのでしょうか…。」
「え…うそ…刀お兄様!!!」

うわっ。ぼーっとしてたら急に名前を呼ばれて抱きつかれました。
凄い美少女です。栗色の髪の綺麗な…大和撫子。ただし、お嬢さまが元気すぎて生命力が
溢れているような感じだとすると、大人びたしっとりとした雰囲気を持ってます。
しかし…

「えっと…僕には妹なんていないのですが…」

そう、僕は一人っ子です。目の前にいる見知らぬ美少女は生き別れの妹か
何かなんでしょうか。天国のお父さんお母さん、不倫はよくないです。
美少女は僕を半泣きで上目遣いで睨んでます。

「兄様酷いです~従妹の刃霧(はぎり)ですよ。ご無事だったんですね!」
「あー。刃霧ちゃんか。すっかり大きくなっちゃってー。」
「いきなり失踪しちゃって…心配したんですからね!」

なるほど見城家本家の跡取り娘、刃霧ちゃんでした。
天国の以下略、疑ってごめんなさい。
そういえば、叔父さんに住み込みで働くことを連絡していませんでした。
これはうっかり。しかし、時の流れは速いです。ちっちゃかった刃霧ちゃんも
すっかり綺麗になりました。まさか、こんなとこで再会するとは。


306:僕の仕事はやくざ屋さん  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/17 15:12:21 7Btrd6CD
「こちらの進学校に入学なされて…うちに住んでくださるといわれてましたのに…。」
「まあ、色々ありまして。」

まさか、両親が亡くなって公園で進学先をどうしようか悩んでいるときに、
お嬢さまに自殺しようとしていると勘違いされて、なし崩し的にやくざ屋に
なってしまったとは言えません。

「今からでも遅くありません、うちに来てください。お願いですから~。
うう…寂しいです…暖かい…すりすり。」
「申し訳ないのですが、僕は社会人でして住み込みで働いていますので…。」
昔と変わらず甘えん坊です。しかし、泣きながら抱きつかれると困りますね。
大人になってますし…お嬢さまが来る前に離れていただかないと…。

「…刀!何やってるの!!お、女の子抱きしめて…ふ、不潔ですわー!!!」
て、手遅れでした。問答無用の左ストレート、通称幻の左を食らいました。痛いです。
他のお嬢さま方が優雅にしずしずと歩いている中、本気ダッシュの左ストレート。
さすがはお嬢さまです。

「申し訳ありません、お嬢さま。三年ぶりに従妹と再会したものですから。
 この子は従妹の見城刃霧です。」
「あの…刀お兄様。この方は?」
刃霧ちゃんが、お嬢さまのほうを見て言いました。両者殺気が篭っている気がするのは
気のせいでしょうか。

「こちらは、今僕がお使えさせて頂いている方でして…鬼城沙耶(おにしろさや)様です。」
「お…お仕え!お兄様がですか!」
「そう…下僕ともいいますわね。彼は私のモノ。私のために働いているの。
 私が死ねといえば死ぬの。私の所有物で全ては私の自由なの。」
「もしかして…あ、貴女が…お兄様の人生を狂わせたのですねっ!」
「ちょ、ちょっと~仲良くしましょうよ。」
「「刀(お兄様)は、黙っていなさい!」」
「は、はい!!!」
な、なんか非常に相性が悪いようです。二人はにらみ合ってます。

「刀…私、刃霧さんとお話があるので先に戻っていてください。」
「…わかりました。今日は美味しいもの作りますね。」
「お兄様、沙耶さんは私が送りますのでご心配なく。」
威勢ほど口が強くないお嬢さまが少し心配ですが、刃霧ちゃんの護衛も
いますし体は大丈夫でしょう。僕は買い物をして一度帰ることにしました。


307:僕の仕事はやくざ屋さん  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/17 15:13:58 7Btrd6CD
「雨が降りそうですね…。それじゃ戻りますか。」
荷物を置き傘をもって、再び女学院前に戻ります。まだお話は続いているようですので
陰で終わるのを待ちます。予想通りお嬢さまの劣勢のようです…。刃霧ちゃんは
頭の回転が速いですからね…ああいえいえ、お嬢さまが頭が悪いとはいいませんよ?
ただ野生の直感で生きてるだけです。

「お兄様は絶対に取り戻しますからっ!」

どうやら話が終わったようです。刃霧ちゃんはお迎えの車に乗って去っていきました。
お嬢さまは立ち尽くしています。気位が高いお嬢さまは敵と認識した相手に送られる
などということを良しとはしないと解っていました。
さて、雨も降ってきましたし帰りますか…。
お嬢さまは泣いてます…僕はゆっくり笑顔で歩み寄ります。いつもどおりに。

「お嬢さま。傘をお持ちしました。帰りましょう?」
「お、遅いぞ刀!待ちくたびれたぞ。さっさと帰るぞ。ふん!」

お嬢さまは僕から一本傘を受け取ると、それを茂みのほうに投げ捨てました。
泣き顔を見られたくないのか赤くなってそっぽを向いてます。

「刀!傘が一本しかないぞ。全くお前は用意が悪いな。よし、優しい私がお前を
 一緒に傘に入れてやろう!感謝しろ!!もっと近くに寄れ。濡れるだろう。」
「ありがとうございます。お嬢さま。」
こうして、今日も僕は腕にお嬢さまのぬくもりを感じながら帰宅します。

「お前は…ずっと一緒にいるよな…どこもいかないよな?」
「僕は鬼城組の一員ですよ。お嬢さま。」
僕が頭をなでると猫のように気持ちよさそうにし、その後顔を赤くして子供扱いするなと怒られました。


308:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/17 15:16:11 7Btrd6CD
以上です。よく考えたら二億円って多いよね。
と思いましてこんなお話に。

309:名無しさん@ピンキー
07/05/17 16:45:38 OH2wdgNa
ツンデレなのに依存!
主従なのに依存!
この先どうなるのかwktkですよ。GJです!

310:名無しさん@ピンキー
07/05/17 17:02:02 MHt9sJhN
ツンデレ+依存は最近好きな組み合わせだな。
このあとの展開が楽しみです。

311:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/18 11:54:35 lvCpKlRC
最弱やくざとツンデレ娘。
続き投下します。

312:僕の仕事はやくざ屋さん  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/18 11:55:32 lvCpKlRC
「…ごちそうさま。」
夕食を終えるとお嬢さまが自室に戻られます。

「なーんか、最近沙耶の元気がねえな。おめーなんかしたんじゃないだろうな。」
あれから数日が経ちました。親分の言うとおり最近お嬢さまの元気がありません。
今日もいつもなら5杯はご飯をお代わりするのにたったの2杯です。

「僕の従妹にあってからですね。そのとき口喧嘩で負け…いてっ!」
どこからともなくしゃもじが飛んできました。

「おめーにもちゃんと親戚はいたんだな。」
「ええ、偶然にもお嬢さまと同じ学校でした。再会してから毎日待ち構えてますね。」
毎朝、放課後、共に刃霧ちゃんはお嬢さまと口喧嘩を繰り返してます。
仲良くしてほしいのですが。
「悪いが元気付けてやってくれよ。あれが大人しいと調子がでねえ。」
そうですね。らしくありません。何を悩んでいるのか聞くことにします。

紅茶をいれ、お嬢さまのドアをノックします。
「お嬢さま、食後の紅茶をお持ちしました。」
「…いらない。」
む…困りました。
「お嬢さまの大好きな、僕の手焼きクッキーも用意しています。」
「…いらない。」
甘いものでもつれないとは…。相当悩んでらっしゃいますね。
「では、紅茶がご入用になるのをここでお待ちしています。」
ドアに背中を向けます。持久戦です。10分後、お嬢さまがドア越しに
声をかけてきました。


313:僕の仕事はやくざ屋さん  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/18 11:56:36 lvCpKlRC
「刀…うちに来たこと後悔してる?」
「お嬢さま、心配なさってくれてるんですか。」
「ばっ!違うわよ!!こんな若いころからやくざになるってあんまりないから…
 一般論よ一般論!!誰があんたなんか!」
ドア越しでもお嬢さまの表情が想像できます。わかりやすい方です。

「ひょっとして刃霧ちゃんに何かいわれましたか?」
「そ、それは…。」
どうやらその辺りで気になることがあるようです。

「本当なら刀は、県内一の進学校に入学してエリートになるはずだったのを、
 滅茶苦茶にしたって。人生を変えたって…」
しゃくりあげる声が聞こえます。お嬢さまは誤解されているようです。

「お嬢さま…聞いていただけますか?」
「………」
「お嬢さまと出会ったあの日、僕は確かに悩んでました。自殺は考えてなかったんですが。」
あははと笑う僕。

「悩んでた内容は…決められたレールを走るか、新天地の誰も知らない場所に引っ越して
 自分を知る人がいないところでやり直すか…。現状維持か逃げるかで悩んでたんです。
今思うと情けない話です。」
僕は続けます。きっと真剣に聞いてくださってるはずですから。

「その二つの道しかないと思っていた僕をお嬢さまはかなり強引でしたが、第三の道を
 紹介してくれました。お嬢さまらしい道なき道を進むような荒っぽさでしたが…。」
「荒っぽくて悪かったな。どうせ女らしくない!」
「まあ、お陰で自分の力で生きようと思えたんです。その手段がたまたまやくざ屋さん
 でしたってことで…。欠片も向いてなかったのが面白いですね。」
「よかったのか?それで。本当なら学校いってもっと気楽に生きれたかもしれない。
 私なんかの面倒を見なくてもよかったんだぞ?私…迷惑だろ?」
気弱そうな声。元気ですけど人一倍お嬢さまは寂しがり屋です。


314:僕の仕事はやくざ屋さん  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/18 11:58:11 lvCpKlRC
「後悔はしていません。ここでの生活は楽しいですしね。自分の意思で、自分の足で
 生きています。確かに滅茶苦茶に人生は変わりましたが、いい方向に変わったんだと
 思いますよ。ですから、お気になさらずに。僕はいつもの元気なお嬢さまが好きですよ。」
がちゃり…と、背中でドアが開く音が聞こえました。
納得してくださったようです。よかった。お嬢さまはぬいぐるみが好きで、部屋の中は
女の子らしい可愛いものとぬいぐるみで溢れています。入るとぶかぶかのパジャマを
きたお嬢さまが迎えてくれました。

「はいれ。紅茶が冷める。あ、明日からまたちゃんとこき使ってやる。」
「了解です。お嬢さま。」
顔を赤くしてそっぽを向くお嬢さま。どうやら元気は出たようです。

「あのその…か、刀。そのす、好きって、わ、私はそのわ、私っ…!!」
「うーん。お嬢さま見てると我侭な妹ってこんな感じなんだろうなーって思うんですよね。
 困るけどいいなーって…えええ、お嬢さまその握りこぶしはっ、ちょまって!!」
僕は何故か怒ったお嬢さまに、ぼこぼこにされました。

次の日の朝。

「刀!おかわりっ!!」
「はい。お嬢さま。まだまだありますからね。」
これでおかわり6杯目です。本調子に戻ったようです。

「刀!学校行くぞ。はやくはやく!」
今日もお嬢さまと腕を組んで学校に向かいます。天気のいい空を見ながら
いい一日であることを僕は祈りました。


315:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/18 12:02:17 lvCpKlRC
今日はここまでです。
まったり連載します。

316:名無しさん@ピンキー
07/05/18 12:27:34 kMEeHKjG
可愛いじゃないかお嬢様

317:名無しさん@ピンキー
07/05/19 04:13:35 lFM1T/hc
ツンデレヤクザっ娘ktkr!!GJ!
それにしても嬉しい事に投下ペース早いな。
いい職人さんが過疎を救ってくれそうだ。

318:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/05/19 08:27:26 e35mWojK
<志穂理さん>

遅いです。
待ち合わせの時間に、五分遅刻です。
何度言ってもダメなのですね。
いい加減直さないと、社会で恥ずかしい思いをするのは啓太さんですよ。
……行きましょうか。
「どこへ?」ですって?
そこのラブホテルです。
お昼ごはん? ……お弁当を作ってきました。
映画? ……見たいものはありません。
カラオケ? ……ホテルにもあります。
散歩? ……ホテルの入り口まで手をつなぎましょう。
「いや、ちょっと……」って、何を恥ずかしがっているのですか。
せっかくの休日に何をしにきたと思っているのです。
私は啓太さんとセックスしに来たのですよ。
啓太さんも私とセックスしに来たのでしょう?
いつもだらだらと過ごして、ホテルに入る頃には疲れ切って、
セックスも五回くらいしかしなくて、お互い物足りない思いになるのは愚かなことです。
無駄なことは省きましょう。
……啓太さんと丸一日いっしょに過ごせるのは週に一回しかないのですから。

お風呂、上がりましたか。
ああ、もう。ぽたぽた水たらさないで。
ちゃんと拭いてから上がってきてください。
ほら、バスタオルです。髪を拭いてください。
だからいっしょに入りましょうって言ったじゃないですか。
啓太さん、頭洗うの下手です。身体洗うのも下手です。まったく。
……拭き終わったら、そこに座ってください。
今日は啓太さんにお説教があります。

319:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/05/19 08:28:07 e35mWojK
……啓太さん、浮気しましたね?
白を切っても無駄ですよ。
先週、会社の同僚の伊沢圭子とデートに行きましたね?
……行きましたね?
……行、き、ま、し、た、ね?
よろしい。
啓太さんはとても愚かですが、素直なところだけは良いです。好きです。大好きです。
写真だのビデオだのをいちいち突きつけて追求する時間が省けます。
伊沢圭子については色々調べました。
彼女がその今週に退職してからは啓太さんと接点がまったくなくなったのも確認しています。
ああ、彼女がなぜ辞めたかなどは私に聞かないで下さい。
私は伊沢圭子と直接会っていませんから。
調査と交渉を依頼したやくざ……いえ、探偵社の方が何をしたのかは知りません。
とにかく、伊沢圭子はもう啓太さんと一生関わることはありません。
そのことについては忘れなさい。いいですね?
彼女も、もともと啓太さんの事を好きというわけではありませんでしたし。
そうですよ。
勘違いしないで下さい。
伊沢圭子が啓太さんにアプローチしてきたのは、啓太さんが魅力的な男性だからではありません。
私の彼氏だから、ですよ。
<T大出で、大企業の後継ぎ娘で、雑誌にも<美人お嬢様>として載った女の彼氏>。
彼女が興味を持ったのは、その肩書きです。
啓太さん自身ではありません。
そのままの啓太さんを好きなのは、世の中で私くらいですよ。
その辺はちゃんと認識してもらわないと困ります。
……なんですか?
言っておきますが、啓太さんは、モテません。
金輪際、女の子に好意を持たれるような男の人ではありません。
先ほども言いましたが、私、道明寺志穂理(どうみょうじ・しほり)の彼氏という以外に、
啓太さんが女の子にとって魅力的な要素は何一つありません。

320:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/05/19 08:29:19 e35mWojK
だから、啓太さんが女の子からデートに誘われるとか、
いっしょに遊びに行くとか、あわよくばセックスをするとか、
そういうことを期待してはいけません。
啓太さんは、生まれてから死んでお墓に入るまで、そういうことには一切無縁です。
啓太さんがセックスをしたいのなら、プロの女の人にお金を払って、
そういう風俗のお店でしなければ、できません。
……本当に行ったらおち×ちんチョン切りますよ?
まあ、プロの女の人も、貧乏で冴えない啓太さんに、いいサービスしてくれることなどないです。
おざなり手抜きな行為で、いやいやお相手することでしょう。
お金を払ってそんな思いするなんて、とっても惨めですよ。
素人相手は金輪際無理。
プロ相手もよくない。
啓太さんは、女の子と楽しくセックスするのは無理な人なんです。
……でも、私は例外ですよ。
私は啓太さんとセックスしてあげます。
高校の頃からずっとそうだったでしょう?
こうやって啓太さんのおち×ちんを手でしごいて、お口でしゃぶって、胸で挟んで。
いつでも好きなときに啓太さんに私のおま×こを貸してあげてるじゃないですか。
啓太さんは変態さんですから、すぐに調子に乗って私のお尻でしたがったじゃないですか。
私が今までに一度だって拒んだことがありますか? ないでしょう?
啓太さんは、他の女の人にまったくモテない劣等人間なので、
私がその分セックスさせてあげるんです。なんでもさせてあげるんです。
まったく。
幼稚園でも小学校でも中学校でもまったくモテなかったのに、
高校でナンパデビューだ、とか勘違いして隣の席の私に声をかけたのが
そもそもの始まりでしたね。
おかげで、私は十年も啓太さんの性奴隷です。
毎日毎日啓太さんの粘っこい精子をかけられたり飲まされり、穴と言う穴に注がれて
十年経ってしまったのですよ。少しは反省してください。
反省したら、死ぬまでこれ、続けてください。

321:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/05/19 08:30:00 e35mWojK
ほら、もう啓太さんのおち×ちんビンビンじゃないですか。
私の手でシコシコされて、タマタマをもきゅもきゅ揉まれて、
すごく元気になっちゃったじゃないですか。
いまどき、中学生でもこんなにすぐに勃起しませんよ。
普通の日本人の男の人は、ストレスでセックスレスになるくらい元気がないんです。
啓太さんは脳天気だから、こんなにおち×ちんが元気なんです。
頭空っぽだから、タマタマに精子がたまっちゃうんです。
少しは反省してください。
お気楽フリーターなんかやめてください。
もっとちゃんと、真面目に将来を考えてください。
父と会ってください。婚姻届に判子押してください。婿養子に来てください。
啓太さんのこと、一生大事にしますからっ!!
あ……。
もう出そうなんですか?
啓太さん、相変わらず早漏です。
手コキだけでイくなんて、小学生以下です。恥ずかしいです。
おま×こに入れている余裕はなさそうですね。
最初の精子の濃い、元気な精液は子宮に貰うつもりでしたのに。
しかたないです。
お口でしてあげますから、出してください。
唇でしごいて、舌先で先っぽをなめ回して、イく瞬間に鈴口をちゅっと吸ってあげます。
だから、啓太さんは精子を思いっきり出していいのですよ。
ほら。
ほら、ほら。
ほら、ほら、ほら。
私のお口の中に、精子出してください。
啓太さん、私のお口でイって、濃ゆいのをいっぱい出したら、
ごほうびに啓太さんの精子、全部飲んであげます。
だから、思いっきり出してください。

322:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/05/19 08:30:40 e35mWojK
……本当に思いっきり出しましたね。
啓太さんは、遠慮と言うことを知らない人です。社交辞令を真に受けちゃう人です。
お口に出していいとは言いましたけど、こんなに出すなんて。
飲みきれなくて吐き出してしまうところではないですか。
……全部飲みましたけどね。
高校の頃から、毎日しているのですもの、失敗はしません。
でも、啓太さん、量多すぎです。
啓太さんは何のとりえもないですけど、精液だけはいっぱい出るから、私大変です。
私以外の女の人は、絶対に啓太さんの彼女や奥さんになれません。
それに精子、濃ゆいです。濃すぎです。
何で毎回こんなに濃いのが出るのですか?
毎日のフェラチオとセックスを一回ずつ増やさないと駄目ですね。
なんですか。
またおち×ちん、大きくして。
今出したばかりなのに、啓太さん、いやらしいです。獣です。
こんないやらしい獣、放っておいたら警察に捕まっちゃいます。
だから、私が全部絞ってあげます。
「次はおま×こでしたい」だなんて破廉恥なこと言わないで下さい。
いくら彼女だからって、嫁入り前の女の子にそんなことしようだなんて、犯罪です。
でも私以外に、啓太さんにセックスさせてあげる女の子はいないので、
私のおま×こを使わせてあげます。感謝してください。
……私だって感謝してるんですから。
啓太さん、産まれてずーっと友達もいなかった、地味な女の子に告白してくれたんですもの。
啓太さん、キスとか、デートとか、セックスとか、ずっと憧れてたもの、全部くれたんですもの。
いいです。何も言わないで下さい。
でも、心の中で、少し感謝してください。
大人になっても、お化粧覚えて綺麗になっても、私、啓太さんと毎日セックスしてあげてるんですもの。
だから、感謝して、はやく私のお婿さんになってください。

323:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6
07/05/19 08:31:21 e35mWojK
……いいですか、入れますよ。
ほらっ……ふあっ……んっ!!
だめです!
大きすぎます!
啓太さんのおち×ちん、大きすぎます!
ひっ、だめ、腰を掴んで引き寄せないで!
わた……わたしっ……!
ふあっ、それ、だめっ! だめです!
耳たぶ噛んじゃだめぇ!! 首筋なめちゃだめぇ!!
ち、くび……つままないでぇ……。
しぬ、死んじゃう……いっ……あひいいっ!
あ、なか……中に……。
子宮が、子宮があ……。
あう……あう……。
そ、そこはお尻の……だめぇ。そっちまでされたら、私、わたし……。
いっ……ひっ……。
ふああっっ……!!


……啓太さん。
シャワーあびたら、もっとちゃんと頭を拭いてください。
水滴がぽたぽた落ちてます。
もうっ! タオルこっちにください。
私が拭いてあげます。
まったく、世話が焼ける人です。
はい。
お弁当です。
お腹減ったでしょう? いっぱい食べてください。
啓太さんの好きな物、色々入れてきました。
よく噛んで食べるのですよ。
食べ終わったら、よく歯を磨いてください。
食後三分以内に、最低三分以上かけて磨いてくださいね。
歯磨きが終わったら、……また、セックスしてください……。

                                      fin



324:名無しさん@ピンキー
07/05/19 15:06:17 hZloRSie
なんというヒモ生活……
女の一人称だけでハァハァしてしまった
このSSは間違いなくGJ

ところでこの男会社員? フリーター?

325:名無し@ピンキー
07/05/19 16:15:44 o8sV2YqM
地雷女GJ!
これはいい…

地味で免疫のない人には気をつけよう

326:名無しさん@ピンキー
07/05/19 19:34:46 zck1vR3G
>>323
GJ
ゲーパロさんのSSはどれもこれもツボだわ

327:名無しさん@ピンキー
07/05/20 00:35:47 KWUUFZrk
GJ!

これはもしかして、以前の依存妻の娘ですか?
だとしたらあの母にしてこの娘あり。
げに恐ろしい。

328:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/20 09:43:17 5tUCpEAv
そして続き投下。
軽依存。他の方の重依存作品にwktkしつつ
投稿します。

329:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/20 09:43:58 5tUCpEAv
数日が経ちました。今、僕のおかれてる立場を一言で表すなら、
針のむしろ…というのがしっくりきます。

「…お兄様の馬鹿っ!」
「刀の馬鹿………(ぷいっ)」
「いい加減機嫌直してくださいよ~。謝ってるじゃないですか。」

帰りの車内で二人から責められる僕。
事の発端は二日前、刃霧ちゃんが叔父さんに一度挨拶に来てほしいという
言葉から始まりました。例によってお嬢さまは物凄くごねたのですが、
僕自身、一度はいかないといけないと感じていたので、親分に許可を貰って
泊りがけで挨拶にいくことにしました。

「あんた一人じゃ心配だから私も行ってあげるっ!」

と、何故かお嬢さまも付いてきてしまいました。
刃霧ちゃんの実家、見城家の本家は鬼城の家が四つほど入りそうな、まさにお屋敷という
建物です。グループ企業を持つ大金持ちで普通に生きている分には雲の上。僕も
血縁がなければこんな場所に出入りすることはなかったでしょう。

で、数年ぶりに叔父さんと会ったのですが…自分がどう生きてきたか、
ヤクザ時代の苦労話、今どういう風にお金を稼いでいるかなど話している間に
意気投合してしまい、お嬢さま方をそっちのけで夜遅くまで話し込んでしまったのです。

「でも、よかったです。お兄様。お父様と気がお会いになったようで…。」
「色々参考になりましたよ。やはり、実際に重責をこなしている人の会話は
 ためになります。鬼城の家の財産運用の効率も上がりそうです。」
「ぷ~、また刀難しい話して~!」
「…い、痛いですお嬢さま。髪ひっぱらないでっ!」
刃霧ちゃんは、そんな僕たちを見て怪訝そうな顔で質問して来ました。

「お兄様…沙耶さんの家はお兄様しか働いていないのですよね?」
「ええ。僕だけです。」
「料理は誰がなさってるんです?」
「僕です。和洋中全部作れますよ。」
「掃除は?」
「僕です。コツがあるんですよね。掃除って。」
「…洗濯とか買い物とか裁縫とか…」
「僕ですね。特売めぐりも得意ですし、手洗いもできますよ。」
「それで、お金も稼いでいられると…。」
「はい。財産を運用してお金を稼いでます。やりがいがありますね。」
「お兄様失礼ですがお給料はいかほど頂いているのですか?」
「月10万貰ってます。若者には破格ですよね~。本がたくさん買えます。」
おおっ。なんだか刃霧ちゃんから怒りのオーラが立ち込めてます。


330:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/20 09:46:26 5tUCpEAv
「お兄様…やはり、私の家に来ましょう。仕事でしたらきっといくらでもあります。」
「ちょ、ちょっと!人の使用人勝手に連れて行こうとしないでくれる?」
お嬢さまと刃霧ちゃんが再びにらみ合います。

「お兄様がなさっている仕事は正当に評価されてません。血縁として、
 見過ごすわけにはいきません。私でしたら最低その10倍は出します。」
「そんなの人の勝手でしょっ!それに決めるのは刀よ。」
「でしたら…お兄様が自分で決めてくださればいいのですね。」
お嬢さまは僕を不安そうな顔で見つめてます。

「そ、そうよ。刀の自由よ。私は刀を束縛したことなんてないんだから!」
「わかりました。それで決めていただきましょう。」
あの…僕をおいていかないでください。

さらに、数日後の夜…僕は親分に呼び出されました。
「おい、飲め。」
「僕は未成年なんですが…。あ、どうもありがとうございます。」
日本酒をお互いに注ぎあいます。

「今日これが着たんだ。おめー宛に。」
「えー何々。ああ、叔父さんからですね。本家の跡取りとして、婿養子に…
 って!!えええええっ。」
「落ち着け。でだ、正式に跡継ぎにする前に自分のところで仕事を教えたいから
 金渡すからそちらで解雇してくれといってきやがった。」
ぐっと酒を飲み干す親分。僕は少し頭が麻痺してます。

「まあ丁度いい頃合かもしれん。この結婚云々はともかく、お前さんは
 そろそろ自由になっていいと思うんだ。ヤクザとしてははっきりいって
 おめーは使いもんにならんが、堅気の仕事なら有能といっていいくらい
 できるだろう。いつまでも俺たちがお前さんを縛るのはいかん。」
「縛るなんて…。僕は自分の意思でここにいるんですよ。」
「それでもだ。二年前、お前のお陰で俺は殺されずにすみ、借金で沙耶を風呂に
 沈めずにすんだ。それだけでも、命を懸けて返さないといけない恩義があるのに
 若い青春のときを俺たちの世話だけで終わらせちまった。いつまでもお前に
 甘えてるわけにもいかねえ。恩がいつまでも返せねえ。」
「親分は親と思え、兄貴分は兄弟と思え…。教えてくれた人はもうここには
 いませんが…。親を助けるのに理由なんてないし、まして恩を着せようなんて
 考えたこともないですよ。お嬢さまもそういう意味では妹みたいなもんです。」
僕は真実そう思ってます。だから、こうして働いているのです。

「今にして思うと俺の人を見る目は節穴で、沙耶の人の見る目が正しかった。
 情けない話だがな。…お前がここに残る未練を残さないよう、あいつは嫁に
 やることにした。俺はここに残るが…鬼城組は終わりだ。」


331:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/20 09:48:43 5tUCpEAv
「え…お嬢さまを…嫁に…?」
頭に強い衝撃が走りました。

「俺の昔の部下が始めた組だ。今伸びている。うちからも人が流れたはずだ。」
「絶対いやっ!!!!」
ガンっと大きな音を立てて入ってきたのはお嬢さまでした。

「沙耶お前も聞き分けろ。いくらこいつの意思っていっても友人も恋人も
作れなかったのは俺たちのせいだ。笑って送ってやるのが一番こいつのためだ。」
「刀は私のよ!刀がいない生活なんて考えられないし、刀がいないと生きていけないっ!
 知らない人の嫁にいくなんてまっぴらごめん!」
「あ、お嬢さん!」
親分はお嬢さんの頬を叩きました。娘に甘い方で今まで怒ったことなんて
一度もなかったのに…。しかし、それでもお嬢さまは親分を睨みつけてます。

「今のお前にゃ刀は勿体無い。釣り合わない。諦めろ。人に頼ってばかりのお前じゃ
 刀の負担になるだけだ。」
「そんなこと、知らないわよ!私は絶対いや!」
そこまでいうとお嬢さまは走って部屋を出て行きました。

「親分…僕のために…ありがとうございます。今はお嬢さまを追いかけてきます。」
「すまん…頼む。」

僕はお嬢さまのいる場所はわかっていました。
僕たちが出会った近くの公園…。いました。う…お嬢さまが三人に絡まれてます。
サングラスをかけ、ドス(刃は削ってます)を取り出します。
そして、なるべく低い声で、

「…組長のお嬢さまを絡むとは…いい度胸してるな。」

脅すと逃げていきました。お嬢さまが抱きついてきたので大丈夫と
背中を軽く何度か叩きます。襲われなくてよかったです。
僕は喧嘩は弱いのです。

332:僕の仕事はやくざ屋さん  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/20 09:50:23 5tUCpEAv
「あはは、腰が抜けました…お嬢さま、大丈夫ですか?」
「馬鹿!おそい!」
「遅くなって申し訳ありません。」
「いや…いつでも遅くても絶対刀は私を助けてくれてる。ありがと。」
お嬢さまが落ち着くのを待って、聞きます。夜の公園は人影もなく、
街灯だけが僕たちを照らしています。

「…いつから…お聞きでした?」
「全部。父さんが真剣な顔してたから気になって。」
お嬢さまは困ったように微笑んでいます。

「刃霧は刀を好いてるわ。それに実家は裕福で彼女も彼女の父も貴方を認めてる。」
「でも僕は彼女に恋愛感情を持っていません。」
そう…妹以上の感情をまだ持っていないのです。

「でも、刃霧は刀に好かれるように頑張ると思う。多分、刀のためって
 考えるならお父さんは正しい。だけど…」
お嬢さまは僕の胸に頭をつけて、魂から搾り出すような声で言いました。

「父さんの言ってることもわかるっ!だけど…だけど!私は刀がいないと…
 母さんみたいに、みんなみたいに、いなくなっちゃったら生きていけないよ!」
「お嬢さま…」
「勝手だよね。いつも迷惑ばかりかけて、愚痴聞かせて、すぐ怒って…
 嫌われるようなことばかりしてるのに、一方的に頼って…でも、一緒にいたいの。
 他の女と仲良くしてる刀なんて想像するだけで泣きたくなるの…。」
お嬢さまが僕の胸で泣いてます。いつも強気なお嬢さまの弱い一面。

「刀…私結婚なんていやだよお…助けてよぉ…刀と一緒にいたいよぉ…」
「お嬢さま…僕はお嬢さまの前向きな性格にいつも助けられてます。
 それに…成長はこれからしていけばいいじゃないですか。今はいつものように
 僕に命令してくださればいいのですよ。」
「…お願い。この婚約…破談にして。」
「了解です。お嬢さま。僕は貴女を必ずお守りします。」
お嬢さまの顔を見つめます。泣きはらしていますが街灯の淡い灯りに照らされたそのお顔は非常に
端正な顔をしています。そして、生命力に溢れてます。顔を赤くして見上げてくる
彼女を見ていると護らなければならないという使命感が沸いてきます。
お嬢さまはまだ震えていたので、安心させるために抱きしめておでこにキスしました。

「契約完了です。」
「馬鹿、刀…契約ならこっちっ……んっ!」
お嬢さまはそういって僕の顔を両手で掴むと僕の唇を奪いました。


333:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/20 09:53:53 5tUCpEAv
今日はここまでです。
なんとか完投できそうな目処が。

334:名無しさん@ピンキー
07/05/20 10:17:44 7Ax1zG+t
>>333
GJ!!

335:名無しさん@ピンキー
07/05/20 11:10:46 SjPLFf8e
GJです!お嬢様の逆襲にwktk

336:名無しさん@ピンキー
07/05/21 03:15:49 h7azsM9c
>>333これは最高!GJ!俺のツボにストレートに来た!

一時期は恐ろしい程に過疎ってたけど・・・・本当にいい職人達が来てくれた。
ありがとう!

337:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/21 15:33:26 iWGEN4E/
様々な葛藤の末、最終回です。
軽依存ツンデレ娘と最弱やくざ。

338:僕の仕事はやくざ屋さん  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/21 15:35:27 iWGEN4E/
次の日、僕は鬼城の親分と袂を分かったお嬢さまの婚約相手、風谷組の組長の
ところに来ていました。知り合いも多いため、舐められないように対策を立て、
乗り込みます。

「鬼城組の者だ。風谷組長に面通しをお願いしたい。婚約の件だ。」
しかし…怖いですね。ですが、引くわけにもいきません。
組長は、老境に入ったばかりの鋭い眼光の人でした。うちの親分が
岩のようなどっしりした人とすればこの人は刀といったところでしょうか。
背後には何人か護衛が控えています。そのうち一人は20台前半。
立ち位置と服装からして息子…婚約相手でしょう。風格のある人です。

「何か用かな?婚約の件は大体まとまっているはずだが…。」
組長がいいます。僕はつばを飲み込み、いいました。

「婚約を破棄していただきたい。」
周りがざわめきます。当然でしょう。こちらから頼んだことなのですから。
何人かが怒りで僕を抑えようと動きます。

「てめえ、下っ端の癖に何言ってやがる!」
「動くな!僕の体にはここにいる全員を吹き飛ばせる火薬を巻いてある。死ぬぞ!」

準備その一です。あんま使いたいとは思いませんが。上着を脱いでそれを見せます。
続いて、先に考えておいた台詞を言い放ちます。これで動けないでしょう。
「俺は確かにそうだった。だけど、鬼城組を全員見限った中で俺だけは残った。
 借金を完済し、財産を作って親分を命を懸けて守り、義理を貫いているんだ。
 義理も知らない三下は引っ込んでいてもらおう。」

そして、相手に向き合い、僕の財産から用意したものを渡します。
天国以下略、お金は人助けで使いきりました。
「申し訳ありません。失礼しました。ですが、交渉に来たのです。
 できれば、脅しなどは使いたくありません。まず違約金として二千万の
 用意があります。」
「ふむ…。だが、俺たちの間で約束を違えるってのは金の問題じゃない。
 けじめの問題だ。どうけじめつけるんだ?」

婚約相手の男がいいます。知性を感じさせる鋭い眼光…相当な方のようです。
僕は最後の手段として用意したものを出しました。


339:僕の仕事はやくざ屋さん  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/21 15:36:27 iWGEN4E/
大きな白い手ぬぐいと鉈です。使わずにすめばよかったのですが…。
「俺がけじめを…責任を取らせていただきます。」

白い布をデスクに引き右手で鉈を持ち上げ…
左小指に向かって躊躇なく振り落としました。想像以上の激痛が左小指に
走り、左小指の先が転がります。勝負どころなので僕は痛みを感じていないよう
振舞います。叫びたいほど激痛が走っているのですが…
「まだ、足らないなら次に行きますが。」
「はっはっは、いい度胸だ。わかった。お前のけじめ見届けた。認めよう。」

組長さんが笑って認めてくれました。婚約者の方も笑って頷いてます。
「誰か応急処置してやれ。婚約の約定書もそいつに渡してやれ。
しかし、どうしてそこまでする?。」

婚約者の男が僕に聞きました。僕は痛みを堪え、笑っていいました。
「惚れた女も守れないような人は男じゃありませんので。」

帰宅後予想通りというかなんというかお嬢さまに怒られました。
お嬢さまの部屋でずっと説教されています。
「馬鹿!馬鹿馬鹿あほ!馬鹿!馬鹿!刀!何馬鹿なことしてるの!」
「お嬢さま、馬鹿言わないでくださいよー。」
「馬鹿を馬鹿といって何が悪いのよ!」
「ちゃんと仕事したじゃないですかー。」
「馬鹿!一生残るような怪我までして…がぶっ!!!」
「ぎゃー、痛いイタイいたいっ!!!噛まないで!!」
左小指に噛みつかれるのは洒落になりません。

「馬鹿…もう二度とこんなことしないでよ…。刀が怪我したって私は嬉しく
 ないんだからね…。もう…。」
「ええ、ですから…僕が二度とこんなことをしないようにお嬢さまが僕を
 見張ってくださいますか?」
「なっ!!か、刀!!それって…その…。」
僕は笑顔でいいました。
「お嬢さま。僕はお嬢さまが好きです。これからは貴女が僕を頼るように僕も貴方を頼ります。
 親分さんの課題についてはこれから二人で一緒に考えましょう。ずっと一緒です。
一生僕に甘えてくださって構いません。お嫌ですか?」

「それはその…私も…私も刀が…ああもう!むむむ…返事はこうだ!!」
そういうとお嬢さまは僕を押し倒すと、キスをしました。
本当に素直で可愛くて…いとおしい人です。



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