忍たま乱太郎のエロ小説at EROPARO
忍たま乱太郎のエロ小説 - 暇つぶし2ch850:名無しさん@ピンキー
07/11/16 06:54:11 K59YHkhd
>>844
久し振りですGJ!!
前フリが文学チックなのは作法クォリティww



>>843
需要があるのも事実だし、要するに縛りや薬と同じ感じな特殊シチュなんだから注意さえあれば良いジャマイカ

851:名無しさん@ピンキー
07/11/16 08:47:41 QpGFy9E+
gjgjgj!!

続き期待してるよ!

852:名無しさん@ピンキー
07/11/16 11:55:35 dbWzJW6J
>>にっきの人
相変わらずGJです!!!
終始煙を吐き続ける小平太バロスwwww

853:名無しさん@ピンキー
07/11/16 21:06:53 qqXpcIxn
>850
>要するに縛りや薬と同じ感じな特殊シチュなんだから注意さえあれば良いジャマイカ

いや全然ちがうよ
男×女と男×元男じゃん・・・

854:名無しさん@ピンキー
07/11/16 21:37:48 K59YHkhd
>>853

それ違うと捕らえる人と捉えない人が居てだな…いい加減ループなスレ違いネタだから嫌なモノはスルーすれば良い。

因みに俺はスルー

855:名無しさん@ピンキー
07/11/16 23:26:52 +2tTB1l9
いっそのこと、女体化専用スレでも作ればいいんじゃまいか

856:名無しさん@ピンキー
07/11/17 01:05:42 Mds+HEBx
>>844 おお… 続きが待ちきれない!

857:名無しさん@ピンキー
07/11/17 14:21:52 jq/fzVXa
>>844
お久しぶりですにっきの人!!そうこちゃん可愛いよハアハア
15歳と11歳の恋か~、現代では想像しにくいけどこの時代ならアリか。
続きが楽しみで待ちどおしい!!


858:名無しさん@ピンキー
07/11/17 21:41:22 NpWKFfPC
文次郎のセクロス拝めるのでしょうか
見たいような見たくないような…ギンギーン

859:名無しさん@ピンキー
07/11/18 10:37:41 cNbVJcRl
にっきの文次郎の修行の成果を考えると、そうこちゃんが心配です。

860:名無しさん@ピンキー
07/11/18 21:30:53 4jOvcoPY
硬度と持久力と破壊力だっけ?
そうこちゃんにげてーーー!!

861:名無しさん@ピンキー
07/11/21 13:00:28 kVOjn5ZQ
前回の日記シリーズと繋がってるとしたらその問題があったな。
まあこの場合は別シリーズと考えた方がよさそうだが。

むしろ文次郎の場合、「くのいちに惑わされる訳にはいかん!!」とか言って
折角のお誘いも断りそうだ。頑張れそうこちゃん!

862:名無しさん@ピンキー
07/11/21 13:19:47 iQrJdI58
潮江に惚れるとは、そうこちゃんも勇者だな

863:名無しさん@ピンキー
07/11/22 22:29:32 G5g0h/ti
>おや、それはちょっと面白いぞ?
>「ああなるほど、小平太なら不死身だし適任だなっていやいや」
アクエリアス返せw

864:名無しさん@ピンキー
07/11/23 19:57:45 VhG+YqUU
圧縮きたら困るので保守してみる。

865:名無しさん@ピンキー
07/11/23 20:34:47 HJdV4joG
ageなきゃ意味ない罠。

それにしても案外冷静ない組ワロスwww

866:きり丸
07/11/24 02:48:30 qZGEqcNr
>>73

> 「……気持ち良かったかい?」
> 「せ…んせ…い… わたし… 何で…?…」
> 「身体が大人に近付いてきてる証拠だよ。これからの修行はもっと
> 厳しいものになるから、覚悟して。
> 身体が成熟してくるとどうしても肉の欲が強くなる。
> でもそれに溺れてちゃ一人前のくの一には到底なれない。」
> 「は…い…」
> 「…大丈夫。僕たちがしっかり教えて行ってあげるから。」
> 「はい、お願いします…!」
> 「じゃあ、次、トモミちゃんだから… 呼んでおいてくれるかな?」
> 「はい! わかりました! 失礼します!」

867:名無しさん@ピンキー
07/11/24 10:58:38 fGWfSrWw
きり丸は何がしたいんだw

868:名無しさん@ピンキー
07/11/26 00:32:54 pgRcjWn3
>>866
バロスwwww

869:当世忍たま恋愛事情6
07/11/28 00:42:45 utI5D67y

続きです。

>>861
うんにゃ、繋がってるw



忍術とは、突き詰めれば諜報活動に他ならない。
武術、戦術と修学内容は多岐にわたるが、学園でもっとも重きを置かれているのも、
情報収集に関する授業だ。
それ故、忍術学園の生徒は普段から、学園内外のあらゆる情報に意識を傾けるくせがついている。
だから、六年い組の地獄の会計委員長、潮江文次郎が、くのたまといさかいを
起こしているらしい、という話も、瞬く間に学園中の人間の知るところとなった。



その日、放課後の会計委員室は、一種異様な空気に包まれていた。
秋の後期決算の真っ只中、呑気におしゃべりできる状況でないのは確かだが、部屋に満ちた
沈黙の深さは異常なほどだ。
そろばんの玉をはじく軽快な音も、息がつまるような重苦しさを晴らす助けにはならない。
物理的な圧力さえ感じさせるそれに、ひそかにため息をつきながら、田村三木ヱ門はそっと
部屋の中を見回した。

一年い組の佐吉は先ほどから、筆を握ったきり、青くなってじっと下を向いたままだ。
は組の団蔵はうろうろと目線を泳がせてばかりで、手の方はすっかりお留守になっている。
三年ろ組の神埼左門は、出来上がった計算結果を一心不乱に用紙に写しているが、何故かそろばんを
見つめたままなので、書き込みが全部ひとマスずつずれている。
そして会計委員長、潮江文次郎は、普段以上に隈の浮かんだ目を吊り上げ、恐ろしいほどの速度で
そろばんの玉をはじいていた。

弾かれるひと玉ごとに、沈黙が深まる。
墨の一文字ごとに、重苦しさが部屋に広がる。
委員長の一挙手一投足で、胃がきりきりと軋む。
もはや耐え難いほどに高まった緊張感の中、便所に行くふりをして逃げ出そうか、だが優秀な
上級生として、下級生を見捨てて逃げ出すのはあまりに無責任か、と三木ヱ門が悩み始めたとき、
唐突にそろばんを弾く音が止まった。
「田村。手がとまっとるぞ」
なんで自分だけ怒られるんだと思いながら、ほとんど反射的にすみません、と頭を下げる。
ふんと鼻を鳴らして室内を見回し、一斉に目を逸らした下級生達を睨んで、文次郎はまあいい、と
横を向いた。
「そろそろ休憩にするぞ。そうそう、お前ら饅頭でも食わんか。差し入れだ」

ほれ、と突き出されたそれを見た瞬間、これまでに倍する緊張感が、室内を駆け巡った。
委員長が自分の傍らから取り上げたのは、花柄の大きな風呂敷包みだった。武骨な手には不似合いな、
異様に可愛らしい模様が目に痛い。
無表情な文次郎の手の下で、ゆさゆさと重く揺れるそれを見て、佐吉が涙を浮かべて後ずさった。
団蔵は身を乗り出し、左門がきりりと肩をすくめる。
委員会の開始前、さりげないふりをして文次郎が持ち込んだそれこそが、この日、会計委員室を
沈黙と緊張の重圧に落とし込んだ、元凶だったのだ。


870:当世忍たま恋愛事情7
07/11/28 00:44:50 utI5D67y

「……忍道の第一は、いかなる手段を用いようと任務を果たすことにある。知っとるな」
「はあ」
突然始まったご高説に、三木ヱ門は思わず間の抜けた声を返した。
いったいなんだと、下級生達も背後から顔を出す。
文次郎の眉間の皺が深まった。
「果たすための第一は、まず自身が生き延びることだ。そのためには草を噛み、泥水をすすることも
厭うてはならん。いや、いざとなったら毒の入った食い物でも、栄養に変えねばならん」
隈だらけの目が、くわっと見開かれた。
「だから忍者は普段から、体を毒に慣れさせておく必要があるのだ!」
声にならない悲鳴が、会計委員室を震わせた。

「やっぱりそれ、くのいちが作った毒入り饅頭なんですね!?」
「安心しろ、致死量でないのはすでに小平太で確認済みだ。味は普通の饅頭だし、毒消しも用意した」
「ちっとも安心できません!」
「ひどいや、なんで嘘なんかつくんですか!ただの饅頭って言ったくせに!」
「それは毒入りか判別する鍛錬も兼ねようとだな……本当のこと言ったらお前ら喰わんだろうが!」
「当たり前です!」
「後輩を鍛えてやろうという、先輩心をなんだと思っとる!いいか、こういう時は発想を逆転させろ。
これは毒ではない。我ら会計委員の鍛錬のため、敵から送られた塩なのだ!」
「くのいちが敵なのは先輩だけです!」

むしろ先輩が敵です、とはさすがに口に出さず、三木ヱ門は背中にへばりつく下級生ごと、
後ろにずり下がった。
逃げる会計委員たちを追いかけて、じりじりと文次郎が迫る。
大股に長机を乗り越え、手には饅頭の包みを揺らし、ぎらぎらと目を輝かせるその顔は、悪鬼羅刹も
裸足で逃げ出しそうなほどだ。
もはや毒より委員長が怖い。
左門の口からひええ、と悲鳴が上がった。一年生二人はとっくに泣き出している。
両耳から交互に入り込んでくる甲高い泣き声が、三木ヱ門の鼓膜を苛んだ。

ああ、ここに鹿子かユリコがいてくれたら。
迫りくる恐怖の中、切ない願いが三木ヱ門の心を駆け抜けた。

「一年ボーズでも、一人三つまでは大丈夫だ。俺や田村なら六つはいけるぞ」
「遠慮しますお一人でどうぞ!」
「四の五の言わんと食え、余ったらもったいないだろうが!」
「食べきろうってほうがどうかしてます!」
「お残しは許しまへんでえ!」
「先輩キャラが違う!」

ごつ、と鈍い衝撃が背中を走った。左門がぐえ、と声を上げる。ついに壁際まで追い詰められたのだ。
潰されたか、団蔵のうめき声も聞こえるが、振り返ることもできない。
鼻息すら届きそうな距離で、文次郎がにやりと口の端を歪めた。風呂敷包みの中から取り出した饅頭を、
ことさらゆっくりとこちらに差し出す。
見た目はほこほことうまそうなのが、却って恐ろしい。
「年功序列だ。お前からいけ」
前門の上学年、後門の下学年。中間管理職の中学年に、もはや逃げ場はない。
泣き叫ぶ一年生の声が渦巻く、会計委員室の外でカラスが数羽、なにかの予兆のように
しゃがれた鳴き声を上げた。


871:当世忍たま恋愛事情8
07/11/28 00:49:05 utI5D67y

図書室の前を通りかかったところで、突然かけられた声に、六年は組の食満留三郎は振り返った。
開いた扉から、六年い組の立花仙蔵が顔をのぞかせていた。
にこにこと、妙に機嫌のいい笑みを浮かべ、両手にはなにやら大きな荷物を抱えている。
うろんに見返す食満に、仙蔵はいや助かったと笑いながら、持っていた荷物の片端をぐいと押し付けた。
「すまんがこれ、いっしょに持ってくれ。一人では少々重くてな」
「……俺は委員会に行くところなんだが」
「私もだ。これは作法委員の備品でな。どうせ方向は同じじゃないか、手伝え」
一瞬、蹴り飛ばして先に行こうか、という考えが心を掠めたが、気を取り直す。
なんだかよくわからないが、これが委員会用の備品なら、どうせ管理するのは用具委員である自分だ。
壊しでもしたら面倒くさい。
黙って差し出された一端をつかみ、歩き出した食満を、相変わらず機嫌のいい顔の仙蔵が追った。

晩秋にしては暖かな日差しが照らし出す、放課後の廊下は行きかう生徒でいっぱいだった。
一年生から六年生まで、色とりどりの制服の間をすり抜けながら、食満はふと仙蔵を振り返った。
どうしたと言いたげに見返す生白い顔に、抱えた荷物を揺すり上げる。
「ところでこれは、いったいなんだ」
「先ほど言った通り、作法用のフィギアだが」
「なんで作法のフィギアに手足がついてるんだ?」
「顔だけでは不便だろう」
不可解な仙蔵の言葉に首をかしげ、食満は改めて自分の手元を見下ろした。

面に胴体、手足までついたそれは、人間の姿をしていた。ひどく精巧な出来だが、しかし作法用の
ものにしては、武将や雑兵には見えない。
顔つきや体つきが、どう見ても女だ。
目鼻は刺繍だが、口はぽかんと穴が開いており、奥深い。なにでできているのか、表面は弾力のある
手触りのいい素材で、なぜだか妙に暖かかった。聞けば、湯が入っているのだ、という。
「何しろ寒くなってきたからな。しもやけになっても困るだろう。夏場は冷たいのもいいかもしれんが」
派手なこしらえの小袖の、胸元や腰周りを大胆に盛り上げ、長い髪をゆらゆら揺らすそれを、
通りすがりの一年生達が興味深げに見送っていった。

「図書室にあった南蛮渡りの持ち出し厳禁文書を元に、長次と私が私財を投じて作り上げ、
先ほど完成したところだ。美術監修に小平太、専門知識提供に伊作の協力も得ている。
手触り、弾力、内部の構造および繊細さ、すべて天下無敵の出来映えだぞ」
「お前らは何をやっとるんだ」
「ちなみに名前は、南極三号さんだ」
うまくできたから、とりあえず委員会の後輩に見せてやろうと思ってな、と笑う仙蔵の顔は、
子供のように無邪気で得意げだ。
意外にいい先輩なところもあるんだな、と、食満はこっそり感心した。
「授業内容にどうやって組み込ませるかが難しいところだが、駄目なら作法の裏備品に……だがせめて
予算会議は通したいところだ。文次郎に賄賂代わりに貸し出してみるか……」
でも壊されそうだしなあ、と、そっとフィギアの足を撫でる仙蔵を、食満はまた振り返った。
仙蔵の言葉に、ここしばらく、気になっていたことを思い出したのだ。

「文次郎といえば、奴がくのたまといさかいを起こしているというのは本当か?」
三号さんを見つめていた仙蔵の吊り目が、おかしそうに瞬いた。
「ああ。奴らしい、実にアホらしい理由でな。食堂がお手伝いの名の下に占拠されて、毎食毒を
盛られるもので、ここしばらく奴の食事は池の蛙ばかりだ」
「食事を押えられるのは厳しいな……。しかしさっき、饅頭抱えて歩いているのを見かけたが」
「部屋の前にあったやつだろう。他から隠れるみたいにして、ときどきこっそり差し入れがあるんだ。
詫びの文章が着いているそうだが、食堂のものより何より、それが一番毒性が強いらしい」
おかげで小平太はすっかり医務室の常連だ、と笑う仙蔵に生返事を返し、食満は少し足を速めた。

同級生の災難は自業自得のようだし、周囲に影響を及ぼすものでないなら、放置しておいていいだろう。
武闘派で通ってはいるが、基本、食満は保守的な男なのだ。


872:当世忍たま恋愛事情9
07/11/28 00:51:21 utI5D67y

「捨てるのももったいないから、リサイクルするといっていたが、何に使う気なのだろうな?」
首をかしげる仙蔵を促し、抱えたフィギアの生暖かい肩を揺すり上げる。
歩きながら、食満はもう一つ気になったことを聞いてみた。
「ところで仙蔵」
「なんだ」
「これは、なにに使うものなんだ?」
「……知りたいか?」
背後でふと、笑う気配がした。
「ではうちの後輩と一緒に教えてやろうか。ああ、それはいいな。ぜひそうしろ。なに気にするな。
お前には秋口に、随分世話になったからな」

今度は私が、指導してやろう。

暖かな日差しの下だというのに、突然冷たいものが食満の背筋を駆け上がった。
本能的な危機感が胸を横切った。反射的に手裏剣を探りかけた手を、意思の力で必死に押しとどめる。
手のひらに、じわりと冷たい汗が吹き出した。
どうしたと軽い調子で声をかけられたが、何故か、振り返ることが出来ない。
しっかりしろ俺、何を怯える。振り返り、ただ一言、それはどういう意味だと問えばいいだけだ。
だがそれが、何故か、どうしても出来ない。
背後から薄ら寒い笑い声が聞こえてくる。それは低く、長く、食満の心臓をえぐっていった。



放課後の廊下を走りながら、そうこはああどうしよう、と、何度目かのため息をついた。
この数日の間に、乙女の自尊心を無残に踏みにじる、忍たま潮江文次郎成敗すべしの声は、
くのいち教室内でいよいよ高くなっていた。
それに伴い、くのいちご自慢の各種罠や毒物が、次々と彼の六年生に襲いかかっている。
相手はさすがに六年生、大概の罠は突破され、文次郎に被害が及んでいる様子はないのだが、
それでも面倒をこうむっているのは確かだ。
何より文次郎からすれば、そうここそが一連の災害の首謀者に見えているだろう。
好きな人にそんな風に思われている、と考えるだけで、気が滅入った。
そんなつもりじゃないのに。誤解を解きたい。だが、自分のために懸命な(半分以上楽しんで
いるのだろうが)友達に、なんといえばいいのか。
二つの思いの間で、引き裂かれそうなこの頃のそうこだった。

障害は、乙女心をさらに燃え上がらせる重要な要素だ。
ちょっとだけ、なんだか浪漫ちっくな展開だわと思ってしまうのは、思春期ゆえと勘弁して欲しい。

それでもせめてもの詫びのしるしに、と、せっせと饅頭やお握りを差し入れしているのだが、
悲しきはくのいちの習性、どうしてもそこに、毒やかんしゃくだまを入れずにはいられない。
気づくのはいつも、渡してしまった後だ。
そうして日々、誤解は深まっていく。
今日も、今度こそと気合をこめて作った饅頭に、ちょっとヤバイ系の毒物を仕込んでしまったことに
気づいて、一人慌てているそうこなのだ。

今日は、謝ろう。
今までみたいにこそこそ物だけ置いていくんじゃなくて、ちゃんと正面から謝ろう。
恥ずかしいし、怒られるだろうけど、嫌われるかもしれないけれど、ちゃんと誠心誠意謝ろう。
好きだとはいえないまでも、それで何とか誤解をとくのだ。
とりあえず、相手が饅頭をうっかり口に入れる前に。
穏やかな秋の陽光を切り、廊下を駆け抜け、柵を飛び越し、校舎内に到達する。この時間なら
文次郎はおそらく委員会のはずだ。
会計委員室はどこだったろう、と焦りながら廊下の角を曲がったところで、目の前に大きな影が
立ちふさがった。
反射的に飛び退り、思わず構える。そこでそうこははたと息を呑んだ。
目の前に、目の周りだけでなく顔までどす黒く染めた、文次郎が立っていた。


873:当世忍たま恋愛事情10
07/11/28 00:54:08 utI5D67y

「し」
おえ先輩、と言いかけた言葉が途中で止まる。想い人の予想外の登場に、心臓が激しく高鳴った。
顔が熱くなる。目の前がぐるぐる回りだす。
こんなことじゃくのいち失格だ。あたしって本当に恋する乙女、と妙な感動が頭の中を駆け巡った。
文次郎のほうといえば、腹を押え、うつむき加減に立ち尽くしたまま、ぼんやりした目で
そうこを見ているだけだ。そこには特別の感情はない。
呆然と立ち尽くすそうこからすぐに目を逸らし、二、三歩進みかけたところで、その足が止まった。
「……結果確認にきたのか、くのたま」
しゃがれた声に、今日も渋いわ、と、また心臓が高鳴った。
「え」
「饅頭の効果を確かめにきたんだろうが。最初のも、昨日置いてったのもお前だろう」
「あ、あたしのこと、覚えててくれたんですか?」
「忘れるか」
世界のどこかで、軽やかな音楽が鳴り響いた気がした。心ごと、体が宙に浮かび上がる。
いや待って、と、慌ててそうこは気を取り直した。この顔色からしてこの人は多分、毒饅頭を
口に入れたのだ。まず謝らないと。いやその前に解毒剤を。

あたしの作った饅頭食べてくれたんだ、と、再びずれた感動がそうこを襲った。

「……小平太は駄目だ、用量判定には規格外すぎる……あいつはせいぜい、毒見までだ」
「あの、先輩もしかしてお饅頭食べてくれたんですか?」
ぶつぶつと何かを呟きながら、またよろよろ進みはじめた文次郎が足を止め、振り返った。
うららかな秋の日差しの中、どす黒い顔が異様に沈んでえる。
そこに、壮絶な笑みが浮かんだ。
「食ったとも。ほぼ無味無臭な上、餡の甘さで舌の感覚もごまかせる。毒も仕込みもいい選択だ。
かなり効いたぞこのやろう」
褒められた。
またもや浮かび上がりかけた心のまま、上ずった声でそうこは続けた。
「本当ですか!?」
「おう、おかげで会計委員は全滅だ。どけ。保健室に追加の毒消し取りにいかにゃならんのだ」
いそがんと田村がやばい、とまたぶつぶつ言いながら、足を引きずるように歩き出した文次郎を
そうこはしばし、ぽかんと見つめた。

会計委員全滅。
そうか、後輩にもあげたんだ。
別にいいんだけど。一人で食べるには多すぎたし。
うん、意外と後輩思いなのね。新しい一面が知れて得したじゃない。

少しだけ沈んだ心を抱えて、またはたと気を取り直す。
忍びの心得も忘れてばたばたと、廊下を踏み鳴らして文次郎に駆け寄る。胡散臭そうな目にも負けず
前に回りこむと、そうこは必死に言い募った。
「あの、毒消しとりに行くならお手伝いします!ううん、あたしが取って」
「いらん」
返答は、無残なまでにはっきりしていた。
顔色が悪いにもかかわらず、見下ろしてくる文次郎の目はぎらぎらと、恐ろしいほどに輝いている。
そこにはやはり、なんの感情も伺えなかった。
「毒消しのふりして毒を仕込まれたらたまらん。くのいちなんぞ信用できるか」
どけ、と短く言い捨て、軽くそうこを押しのけて歩き出す。
よたよたと進んでいく後姿を、そうこはもはやかける言葉もなく呆然と見送った。

怒られるのも、怒鳴られるのも覚悟していた。
だがこんな風に、完全に拒絶されるのは、それよりもはるかにつらい。
されても仕方ないことをしたのだから、しょうがないのだけど。


874:当世忍たま恋愛事情11
07/11/28 00:56:15 utI5D67y

もう一度声をかける勇気も湧かず、きびすを返す。
いたたまれなかった。ひどくこの場から、逃げ出したかった。
そういえば謝ってない、という思いが心を掠めたが、足を止めることは出来なかった。
だが数歩進んだところで、おい、と低い声に呼び止められた。
振り返ると、文次郎がじっとこちらを見ていた。
どす黒い顔の中で、焦点のぼやけた目がそうこを見つめている。一瞬、再び胸が高鳴ったが、
だが何故か視線が合わない。
文次郎はじっとそうこを見つめていた。正確にはその、廊下を踏みしめた足元を。
深々と寄せられた太い眉が、かすかに吊り上る。
「お前、この前より太ったか?」

心の中で、何かがぴしりとひび割れた。

「……なによバカー!」
廊下の真ん中で、ほうろく火矢が炸裂した。普段ならどうということもなかっただろうが、
毒に冒され動きの鈍い文次郎は、それを真正面から受けてしまう。
廊下の隅まで吹っ飛んだ六年生にとどめの棒手裏剣を打ち込み、そうこは煤で汚れた忍び装束の
袖で、ぐいぐいと顔を拭った。
「なにそれ、そんな言い方することないでしょバカ!無神経!謝りにきたのに!」
「ちっとも謝ってねえだろうが!」
「言わせてくれないんじゃない!」
廊下にへばったままだが、さすがに手裏剣は打ち返し、怒鳴り返す文次郎にそうこも怒鳴る。
方々の教室から、なんだなんだと顔を覗かせた数人の生徒が、流れる火薬の匂いに慌てて顔を引っ込めた。
「毒盛っといて何を抜かすか!」
「わざとじゃないわよ!だからここまできたんじゃない!だいたいなんで今体重の話なわけ!?」
「体重舐めるな、忍びにとっては重要だぞ!そもそも忍び込みにしろ体術にしろだなあ……」
「そんな話してんじゃないわよ!あたしはただごめんなさいって」
「ああ?今度は何の作戦だ?俺はそう簡単には引っかからんぞくのたま!」

謝りにきたはずなのに、なんであたし、怒鳴りあいなんかしてるんだろう。

先ほどから、拭っても拭っても流れてくるものは、決して火矢の煙が原因ではない。
でも相手にはそう見えてるんだろうな、と、そう思ったらまた袖が濡れた。
「もういい、なによバカ潮江!ばかモン!」
「先輩をつけんか下級生!」
ぼーんと間抜けな音を立てて、煙玉が破裂した。
廊下に並ぶ教室のあちこちで、咳き込む声と窓を開ける音が響く。
白く風を濁す煙に紛れ、くのいち教室へと走りながら、情けなさと悔恨と絶望に、
そうこは何度も顔を拭った。


875:当世忍たま恋愛事情12
07/11/28 00:58:34 utI5D67y

曲がり角から、白く煙った廊下の様子を伺い、どうやら終わったようだと食満はため息をついた。
隣で南極三号さんを背にかばった仙蔵が、風の匂いに鼻をうごめかす。
「火薬の量が多いな。まあ個人の趣味の範囲だが」
「あれが、件のくのたまか?」
「そのようだな。昨日、文次郎の部屋に饅頭もってきた子だ」
火薬の扱いはいいが、忍び込みはまだまだだな、とうなずく仙蔵から目を逸らし、煙の晴れてきた
廊下に目を移す。
へたり込んでいた文次郎は、ちょうど立ち上がったところだった。よろよろしながら壁に手をつき、
去っていったくのたまを振り返りもせず、また歩き出す。
次々開いた教室の戸から、何人もの生徒がおっかなびっくり、その後姿を見送っている。
「だんだん直接攻撃になってきたな。しかし、あまり派手にやるのは忍びらしくない」
「……なあ、俺の勘違いかもしれないんだが」
同じようによろめく後姿を見送りながら、食満はポツリと呟いた。

「あの子、文次郎のことが好きなんじゃないのか?」
「それはないだろう」

思わず振り返る。
三号さんを背中におぶり、見返す仙蔵の顔はあくまで真面目だ。
「一秒足らずで否定するなよ」
「そんな物好きがこの世にいるか。もしそんなことがあるなら、褌一丁で滝に打たれてもいい」
「お前は本当にいい友達だよなあ」
「好きな奴に毒は盛らんだろう。それにあいつは、忍術学園抱かれたくない男第一位だぞ」
「なんだそれは」
「ちなみに二位は、三位と僅差で私だった。同時に抱かれたい男上位三人にも入っていたが」
「……文次郎はちゃんと保健室に辿り着けるかな」
「食満、お前は正直あまり技術がなさそう第一位だ」
「黙らんと口にナメクジ押し込むぞ」

吹きぬける風は強さを増していくが、それでも空気はうっすら濁ったままだ。
視界は白くぼやけ、先が見通せない。
しずまりかえった廊下を、一人黙々と歩く文次郎は、やはり振り返る気配もなかった。





※作中のランキングはあくまで作者の創作であり、実際の人物とは何の関係もありません。


876:当世忍たま恋愛事情 補足
07/11/28 01:07:23 utI5D67y

間が思いっきり抜けていた!!
6と7の間にこれが入ります。正直スマンカッタorz

「ま、まんじゅう!?」
「毒饅頭ですか!?」
「ばくれつ饅頭ですか!?」
「饅頭に見せかけた石つぶてですか!?」
「何をいっとるかあ!」
沈黙を押しのけ、わっと湧き上がった下級生の必死な問いかけに、いつものように文次郎が吼える。
「ただの饅頭にきまっとるだろうが!」
「本当ですか!?食べたら吹っ飛んだりするんじゃないですか!?」
「わけのわからんことを言わんと大人しく喰え!」
「だって先輩、くのいちとけんかしてるんでしょ!?この前だって火薬饅頭もらってたって乱太郎が」

団蔵が立ち上がり、果敢に叫ぶ。だが文次郎のひと睨みに、うぐ、と黙り込んでその場に硬直した。
このいらんこと言いが、とため息をつきながら、仕方なく三木ヱ門も立ち上がった。すばやく駆け寄って
襟をつかみ、固まった小さな体を自分の後ろに引っ張り込む。
佐吉と左門がばたばたと、そこに続いた。
三木ヱ門を先頭に、ぎゅっと身を寄せ合う会計委員達の前で、文次郎の眉間の皺が深くなった。
「……知っとったか」
「学園中の噂ですから……」
懲りない団蔵の口を、佐吉がばちんと平手で塞ぐ。
再び訪れた、数瞬の重苦しい沈黙の後、静かな呟きが委員長の口から漏れた。


877:名無しさん@ピンキー
07/11/28 01:10:52 Sg9uSpux
ランキングわろたww

878:名無しさん@ピンキー
07/11/28 01:37:46 sCYd1BvZ
日記の人の三木ヱ門はいつだって可哀相だ。だがそこが良い。

そして留三郎以外の6年は馬鹿だw大馬鹿者だwwww何作ってんだwwバロスwwww

879:名無しさん@ピンキー
07/11/28 13:04:37 nTXBI6xG
三木ヱ門の年功序列カワイソスwww
ご飯が蛙ヒドスww

抱かれたい男1位は伊作あたりかと

880:名無しさん@ピンキー
07/11/28 17:36:21 wQY3WmmW
>うんにゃ、繋がってるw

そ、そうこちゃんにげてーーー!!超にげてーーー!!

881:名無しさん@ピンキー
07/11/28 19:19:53 MlTgH2q9
>>4

> シンベー(名前あやふや)「「○○ちゃ~ん」
> ○○ちゃん(名前忘れた)「シンベーさまー、気持ちいいですー」

> こんなんしか思い浮かばんかった

882:名無しさん@ピンキー
07/11/28 19:59:54 WEcKqsXz
おもしろかった!GJ!


文次郎はモテると思うぞ。
一部に。

883:名無しさん@ピンキー
07/11/28 22:48:05 sCYd1BvZ
>>882
なるほど、にっきの蜂谷なんかにだな

884:名無しさん@ピンキー
07/11/29 00:46:18 wZ0yF4Fg
仙蔵は食満の知らないところでもう既に
褌で滝に打たれ、ナメクジを口に押し込まれている件。

885:名無しさん@ピンキー
07/11/29 11:44:52 H1uCMFcD
三木ヱ門の無事を祈りつつGJ!!
南極三号さんもこれからどう絡んでいくのか楽しみだ。

ランキングの基準は何なんだろなぁ、顔なのかテクなのか

886:名無しさん@ピンキー
07/11/29 12:07:58 RfoE6tUL
>>885
基準は投票したくのいち個人個人だろうw


887:名無しさん@ピンキー
07/12/01 22:03:07 XJ7TIOvl
ほす

888:名無しさん@ピンキー
07/12/02 17:26:04 wLVJu7Pe
>>1

> エロ小説のスレッド

889:名無しさん@ピンキー
07/12/05 08:38:05 OG1FckhA
職人待ち(*゚∀゚)∩age

890:名無しさん@ピンキー
07/12/05 15:13:21 +CHKHwBN
最近寒くなってきたので南極三号さんに暖めてもらいたい今日この頃。

891:名無しさん@ピンキー
07/12/05 16:23:28 ys3n5c4s
は組の親同士とか結構読んでみたいんだけどな

892:名無しさん@ピンキー
07/12/05 17:09:32 g4zkWzbB
ほしのあきちゃんそっくりなほしのまきちゃんです。

URLリンク(www.yourfilehost.com)
URLリンク(www.yourfilehost.com)
URLリンク(www.yourfilehost.com)

893:名無しさん@ピンキー
07/12/06 23:57:18 hxnxlad0
ゆきさこ続きってまだ需要ある?
知らない間に規制解けてたみたいだ・・・

894:名無しさん@ピンキー
07/12/07 01:40:21 4q3pghC9
>>893
オカエリー!!!!(゚∀゚*)
あるあるあります

895:名無しさん@ピンキー
07/12/07 14:59:43 IYbaPXws
>>893
解禁おめでとうございます!
ずっと待ってたんだよぉおお~

896:ユキ×左近 >>795の続き
07/12/08 12:59:48 +R8MjTTq
>>894さん
>>895さん
ありがとうございます!遅くなってしまいすみません!

※今回もというかやっぱり左近が可哀想です。
左近を愛してくれる人募集中。以下本編。


*****


生まれたままの姿になったユキちゃんは、変な話だけど、女なんだって思い知らされた。

「あんたも、脱ぎなさいよ」
恥じらいの為に赤く染まった頬。
それでもユキちゃんは強気に笑って、僕の帯を解きにかかった。
体の中心が信じられないぐらい熱くて、息苦しい。
布団に押し付けられたまま、されるがままになっている僕。
弱くて汚くて卑怯で、最低な、僕。
「ュ、キ、ちゃ…」
涙が止まらないから嗚咽交じりで、僕はわけも分からず顔をふりながらユキちゃんを呼んだ。
まだ間に合うよって。もうこんな事しなくていいんだよって。
そういいたかった。
でもユキちゃんは眉を寄せて、笑う。
「ユキちゃんじゃなくてトモミちゃん。ほら、目つぶって。私はトモミちゃ…ううん、トモミだから。ね?」
無理だよ。だって、君はユキちゃんじゃないか。
僕は川西左近で、それ以外の誰にもなれないように。
僕が、三郎次じゃないように。

897:ユキ×左近
07/12/08 13:00:22 +R8MjTTq
ユキちゃんが僕の手を掴んで、ゆっくり自分の胸へと当てた。
初めての感触に、頭がくらくらする。
そんな知識もたいしてない筈なのに、卑しい体は本能のままに動く。
気持ち悪い。そう、思った。
「…ぁ、っん」
いつもの意地悪ばっかり言ってる声とは全然違う、ユキちゃんの『女』の声。
熱い息が僕のおでこにかかって、気がおかしくなりそうだった。
ユキちゃんの首筋から流れる汗が、重力に乗って僕の上に落ちる。
―熱い。
「…ね、下、も…っ、そこ、ばっかじゃ、なく…っ」
ユキちゃんが僕のモノを握る手にきゅっと力を込めて、体がはねる。
声だけは出しちゃいけないから、手を当てて必死に我慢して、また涙がこぼれた。
通いなれた保健室が、全く違う場所に感じるほど空気が熱い。
それはまるで、今のこの現状が夢の世界みたいに思わせる、そんな空間だった。
でも手当てが終わってないユキちゃんの肩から流れる赤い糸を見るたび、これが現実なんだと思い知らされて。
腕を掴まれて、うながされるままユキちゃんの中心を触っているこの行為が、現実なんだと。
思い知らされて。
「っぁあ、あっはっ、ま、まって…っ、入れ、イっ」
ほとんど僕に乗っかる形で、ユキちゃんはがくがく震えていた。
知識は乏しいけど、それが絶頂への合図なんだって事はなんとなく分かった。
もしかしたら、これで終わりなのかなという淡い期待を抱いて更に指を動かす。
ユキちゃんは入れて欲しそうにしてたけど、それだけはしたくなかった。
僕なんかが相手だと、ユキちゃんが汚れちゃうような気がしたから。

ユキちゃんは、別に聖女でもなんでもないのに。


898:ユキ×左近
07/12/08 13:00:54 +R8MjTTq
「待ってっ、ま、やっあっ、っまっ…!」
「ひゃっ…っ!」
突然、強い快感が与えられて、僕は情けない声を上げた。
しまったと思ったときにはもう遅い。
先ほどまでうつろな目をしていたユキちゃんが、はっきりした目でこっちを見ていた。
「ぁ…」
「さ、こん?」
興奮の為か、それとももっと他に理由があるのか、目じりに涙を浮かべてユキちゃんは僕を見る。
体を起こすのが辛いのか、頭だけ起こした状態。
密着した体が、ユキちゃんの荒い息が、僕の体を更に熱くする。
でも心は逆に、どんどん冷めていってる気がした。
「馬鹿、危うく、イク、とこだった、わ。…今、入れるから」
のろのろと体を起こして、ユキちゃんは荒い息のまま言った。
やめてよそんな事しなくていいよ。
これ以上三郎次になりたくないよ。
「あんたは寝てて、いいから。私が、動くから、いい?」
「ユキちゃ…」
「トモミ、だってば」
悲しそうな、寂しそうな顔をして、ユキちゃんは僕の額を小突いた。
ユキちゃんは、どうしてこんなに強いんだろう。
僕は三郎次になんてなりたくないのに。
それでもユキちゃんはトモミちゃんになろうとする。辛くないわけがないのに。
誰かの代わりなんて、それが例えどんな人だろうと、辛い事なのに。

899:ユキ×左近
07/12/08 13:01:29 +R8MjTTq
「っあぁ、ぁ、んん…!」
目の前がちかちかする程の圧迫感。
でも、それ以上の、快感。
ゆっくりとした動きであることがもどかしい。
無意識のうちに、腰が更なる快感を求めて動き出す。
「っひ…っあぁ…!」
その途端、ユキちゃんが悲痛な声をあげた。
上になっている分、彼女にかかる負担はきっと僕の想像以上だ。
ユキちゃんは上を見上げているので、表情は確認できない。
だけど、なんとなく泣いているような気がした。

三郎次なら、こんな時どうするだろう。

僕が咄嗟に考えた事は、そんな事だった。
必死に普段のあいつの行動を考えたけど、やっぱり答えは出ない。
だって、三郎次ならそもそもこんな事になるわけがないから。
女を抱くにしたって、あいつならもっとうまくやる。
こんな事態は招かない。
また涙が溢れてくるのが分かって、僕は顔を背けた。
ユキちゃんがこっちを見ない事は分かっていたけど、それでも僕は何かから逃れようと必死で。

900:ユキ×左近
07/12/08 13:02:34 +R8MjTTq
ふと、滲む視界に見慣れたものが見えた。
いつどこで転がったのか、ふとんの端に落ちていたものは包帯だった。
もしかすると、さっきユキちゃんを手当てしていたものが引っかかってきたのかもしれない。
いや、そんな事はどうでもいい。
それが目に見えた瞬間、僕は行動していた。
「え・・?」
ユキちゃんの困惑した声が聞こえる。
同時の止まった快楽が苦しくって、僕は腰を突き上げた。
「ちょ、ゃ、まっ」
熱い。熱くてたまらない。
さっさと熱を吐き出してしまいたくて、流れる涙もほおって僕は無我夢中で動いた。
「ユキ」
「え、あっ、やっ!」
ユキちゃんの白い肌に重なる、真っ白な包帯。
ユキちゃんも泣いてるのかな、と思った。見えないから分からないけど。
勝気で睫の長い、大きな目はその包帯にしっかりと覆われて、僕はそれが解けない様に彼女の頭の後ろで固定した。
まるで抱きしめてるみたいだ。何度も何度も夢に見たみたいに。

「っぁあ…!ふ、あっあっやっ!」
「ユキ…っ」

ねえ、ユキちゃん。
やっぱり僕は君が好きなんだ。

「ひぁっ、あっあぁ!」
「ユキっ!」

あいつに恋する君が。

「あぁ、もうっだっさぶ、ろじっぁああ!!」


あいつを想うユキちゃんが、……好きなんだよ。



901:ユキ×左近
07/12/08 13:03:32 +R8MjTTq
もう一度、今度はしっかりと包帯を巻ききる。
ユキちゃんは複雑そうな顔で手当てをする僕の手元を見ていた。
体が熱を持ったためか、再び血を噴出した傷が痛々しい。
まるで僕の心みたいだなと馬鹿な事を考えて、思わず苦笑した。
「寝る前にこの薬塗って。三日分作っておいたから」
「うん…」
ユキちゃんは僕を見て何か言おうとしていたみたいだったけど、それを止めるように僕は救急箱へと意識を向けた。
傷つきたくないのかもしれない。
ありがとうとかごめんとか、そんな言葉は聞きたくなかった。
薬をしまってしまえばやる事も無いはずなのに、僕は無意味に中をがさがさといじる。
ふと、換気の為に開けた扉から笑い声が聞こえた。
あの声はアホのは組だ。
そういえば乱太郎がもうすぐ交代に来る時間かもしれない。
目を腫らしていたらなんと言われるだろう。そんな事を考えていると、不意にユキちゃんが動いた。
「左近」
ユキちゃんの高い声で紡がれる僕の名前。
いつもならとても嬉しいのに、なんだか素直に喜べない。
「何?」
振り返らずに返事をした。
少し震えてしまった声に、舌打ちしたくなる。
ユキちゃんが何を言いたいのか、なんとなく分かった。
そんな事言わないでほしいのに。
余計惨めになるだけなのに。

902:ユキ×左近
07/12/08 13:07:08 +R8MjTTq
「…ごめんね。あたしはトモミちゃんじゃないし、あんたは、…あいつじゃないのに」
言われた言葉は、やっぱりというかなんというか、思っていた通りの言葉だった。
ありがとう、ごめんね、と。
同じ言葉を何度か繰り返して、ユキちゃんは立ち上がる。
僕の返事は元より期待してなかったのか、あっさりとしたその態度に、また少し傷ついた。
から、と控えめな音と共に保健室の扉が閉まる。
ユキちゃんと一緒に外からの笑い声も消えて、まるで一人取り残されたような、そんな気持ちになった。
「あ…」
ぽたっと手の甲に落ちた雫に、思わず声をあげる。
止めようと思ったのに、後から後から流れる雫は全く止まる気配を見せなかった。
「やだな、涙腺緩んでんのかな」
乱太郎が来たらなんて言い訳すればいいんだろう。
あいつらの前ではきちんと「先輩」をしていたいのに。
弱いところなんて見せたくないのに。
三郎次みたいに、強い先輩でいたいのに。
「…三郎次の、馬鹿野郎」
八つ当たりだ。分かってる。
でも言わずにはいられなかった。
僕があいつだったら、絶対こんな事起きなかったから。
なんであいつはユキちゃんを好きにならないんだろう?
三郎次にはもったいないぐらいの女性だよ、馬鹿。

どうしてだろう。さっきまであんなに嫌だったのに。
今はこんなにも願うんだよ。

―僕は、三郎次になりたい。

ほんの一瞬でもいい。ユキちゃんの中で、僕はあいつになれた?

903:ユキ×左近
07/12/08 13:11:28 +R8MjTTq
以上です。
左近好きさん本当にすみませんでした。

書いてて思ったこと。
場面を想像したら普通に百合臭いというかユキ×あやかにしか見えない。
・・・・ごめん左近

904:名無しさん@ピンキー
07/12/08 22:04:52 LAaeGss5
(*゚∀゚)=3
GJ!!!!


イヤイヤまだ左近にもチャンスは有りそうなEDでした…

905:名無しさん@ピンキー
07/12/12 00:32:15 /fvgR1LH
くの一の三人組ってよく乱太郎たちとペア組んだりするよね。
なぜか最近までずっとくの一の中で一番トモミがリーダー格っぽいから
乱太郎&トモミ・きり丸&ユキ・しんべい&おしげだと思っていた。
ビデオ借りてきてトモミとユキが逆だったことにビックリ。


906:名無しさん@ピンキー
07/12/12 01:17:52 DwLYSlLo
>>905
四期だったか…監督が同人誌を読んで宗旨替えしてしまったそうだ

907:名無しさん@ピンキー
07/12/12 01:30:40 /fvgR1LH
4期から乱太郎&トモミ きり丸&ユキになったの?
紛らわしいことしてくれるよ監督。しかも同人誌の影響てw


908:名無しさん@ピンキー
07/12/13 01:00:30 H8RZpp2G
>>771

> 待てよ。
> 女体化がアリなら、リリーばあちゃんの若返りもアリじゃね?

909:名無しさん@ピンキー
07/12/13 14:26:03 bGgDt1h4
こないだから新手のウィルスなのか嵐なのか

910:名無しさん@ピンキー
07/12/14 00:57:54 FJeUAAun
滝 夜 叉 丸 先 輩
をどなたかお願いします

911:名無しさん@ピンキー
07/12/14 15:30:27 kNnCKh/F
期待

912:名無しさん@ピンキー
07/12/14 20:51:29 vCLSCaaI
滝夜叉丸×山ぶ鬼が見たい

913:名無しさん@ピンキー
07/12/14 21:39:52 9iIeFm72
何期を見てて何期を見てないかよく覚えてないけど・・・
基本的には乱&ユキ、きり丸&トモミってイメージがあった。
でもしんべエとおしげ以外はその時によってよくバラけてたよね


914:名無しさん@ピンキー
07/12/14 22:19:53 ki355W6Z
滝夜叉丸はあっちのほうも成績優秀なのか、
それともてんでだめなほう(にっきのような)なのか、好みが分かれそうだね。

915:名無しさん@ピンキー
07/12/14 22:28:54 QLJ0kmL2
教科で房術ならうんだと学年一成績優秀かもしれないけど
滝夜叉丸だからなぁ。。
先輩はなぜ忍術学園に四年も居いるのにくの一達に夢を抱けるのだろうか

916:名無しさん@ピンキー
07/12/15 06:18:31 sIifi5sa
>>912
二年後ならアリだよな…

917:名無しさん@ピンキー
07/12/15 14:18:58 7PsL2x+y
滝夜叉丸はモテると舞い上がるようなタイプだから
いざ! となると駄目だめになりそうだな。
意外と成績優秀でも面白そうだけどw

918:名無しさん@ピンキー
07/12/16 01:37:00 a7IBzU+u
伊作にぴったりの相手って登場しないかなー。
登場するとしたらやっぱり優しくてお人よしで、不運なくの一なのかな。

919:名無しさん@ピンキー
07/12/16 08:56:59 n0xhbU4S
>>917
おもっくそ朝から晩までのめくるめくデート計画を練るが彼女には見透かされている。
そんな滝夜叉丸先輩。
滝トモは年齢差が調度良いかもしれん

920:名無しさん@ピンキー
07/12/16 21:21:36 GwXjcpwW
滝夜叉丸先輩の逢引きは常に白菜畑です。
で、大木先生に見つかって怒られると。

921:名無しさん@ピンキー
07/12/17 10:11:10 esmwTgNd
白菜に種を仕込むんだな?アホスw

922:名無しさん@ピンキー
07/12/17 13:03:41 IsJjy48p
あの滝夜叉丸はまだ初を迎えていないだろwww
12~16歳じゃなかったか?

923:名無しさん@ピンキー
07/12/17 16:29:35 JNvMQpOA
あの当時の成人(+嫁もらえる年齢)は15歳くらいだったみたいよ。
貴族や武士ならそれより早い早婚も多かったそうな。

924:名無しさん@ピンキー
07/12/17 18:50:45 Sc0E1w2k
>>918そんなくの一だったらぜひ登場してほしいけど多分出ないし
腐女子のバッシングが・・・。でもくの一ってもうひとクラスあるんだよね。



925:名無しさん@ピンキー
07/12/17 21:32:39 IsJjy48p
>>924
腐要素餅だが歓迎だ。アマコさんが恋愛要素は入れたく無いんだとさ

926:名無しさん@ピンキー
07/12/17 22:34:47 9y96ouxq
>>918は文体とかなんか中学生ぽいけど
ここ未成年は閲覧禁止だぞ

927:名無しさん@ピンキー
07/12/17 23:05:10 erqWckez
>>926 お前の文体も大人には見えないが。

928:名無しさん@ピンキー
07/12/17 23:25:48 gZA6DzXJ
滝夜叉丸はとても13歳には見えないなwww
なんかもう成人してそうだ

929:名無しさん@ピンキー
07/12/18 00:35:14 cmGsR7Pn
声が高木ってだけでもうwww
いや好きだけどね高木

930:名無しさん@ピンキー
07/12/18 01:04:31 tDDrHW4M
もう900超えてるしこのまままったり流して投下は次スレになるのかな

931:名無しさん@ピンキー
07/12/18 01:25:02 ueAWucDZ
>>929
つガロード


間違っても、半妖とかおにぎりとか想像してはいけないwww

932:名無しさん@ピンキー
07/12/20 10:14:57 L2yTzu2k
昔の房事に興味ある人は『夜這いの民俗学』という本がけっこう参考になるぞ
昔の日本の性生活がよくわかる
今の性教育なんて目じゃねーやこりゃ

933:名無しさん@ピンキー
07/12/21 23:36:52 h5DXtZDX
王道だけど乱ユキときりトモ見たい
おしげちゃんとしんべヱは本編で充分お腹一杯かな

934:名無しさん@ピンキー
07/12/22 00:05:00 FJvZx7OA
愛がある乱ユキが見たい

935:名無しさん@ピンキー
07/12/24 19:10:09 L4UbJ+5L
兵太夫とミカがみたい。サイトでハマッた。

936:名無しさん@ピンキー
07/12/25 11:04:24 TRE/U0o/
サラスト見て、三木ユキいいかなと思った。


『三木ェ門先輩やめてくださいっ』


色んなシチュエーションが頭の中を駆け巡った。

937:名無しさん@ピンキー
07/12/25 13:33:15 dgIdh7bK
>>936
そのいろいろなシチュエーションとやらをplz

938:名無しさん@ピンキー
07/12/25 14:19:16 Y2Vlx4Sn
乱ユキときりトモは確かに見たい


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