忍たま乱太郎のエロ小説at EROPARO忍たま乱太郎のエロ小説 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト459:月夜小噺(山田夫妻) 07/06/23 00:50:13 +NAoz/yA 流れぶった切って山田先生と奥様。 34巻の奥様来襲のその後。 エロはうまく入れられなかった。 山野を駆ける秋の夜風が、涼しく肌を嬲っていく。 開け放たれた雨戸の向こうには、煌々と輝く十三夜月。月明かりは室内にも忍び込み、 清廉と穏やかさを兼ね備えた光で、古い家屋の隅々までを照らし出していた。 月の光に誘われたか、周囲の山々からは澄んだ虫の音が聞こえてくる。 円座の前には湯気の立つ茶碗。膝の上には猫一匹。 赤々と燃える囲炉裏の前には、静かに微笑む妻の姿。 そんな、平和そのものの空気の中にありながら、山田伝蔵は先ほどから、 一人激しく焦っていた。 受け持ち生徒の補習やおかしな事件に巻き込まれるせいで、 普段は休みといえども、めったに家に帰ることもできない。 だが今回ばかりは、秋休みに入ると同時にすべての残務を放り出し、伝蔵は 一路自宅へと駆け戻った。 少し前、長い不在についに堪忍袋の緒が切れた妻から、実力行使を伴った 帰宅要求があったためだ。 夏にも一応帰ったのだが、やはり忙しくて長くはいられなかった。なので秋こそは 休みの間中、家にいると約束したのだ。 普段はしとやかだが、その分怒ると半端なく恐ろしい妻の性質と実力は、 夫である伝蔵が誰よりも知っている。帰ると約束した以上、反故にでもすれば 今度は学園を相手取って戦でも仕掛けてきかねない。 いやすでに、夏の時点で約束が違うと充分怒らせている。だから今回はその分、 恐ろしい報復が待っているだろうとは予想できた。 途中の道に埋め火でもあるか。門を潜ったら手裏剣が飛んでくるか。 戸を開けたとたん火縄銃で撃たれるか。どれも過去に経験したことだ。 それでも帰らないわけにはいかない。学園と己の平和のために。 伝蔵とて、帰りたくとも帰れないのだ。腹がたつのはこっちも同じだと、 言いたい気持ちがないわけでもないのだが、それこそ妻にいっても仕方ない。 とにもかくにも、大事なのはこれ以上、妻を怒らせないことだ。 かくして言い訳と恐怖を胸に抱え、五日の道のりを一日で駆け抜けて 伝蔵はなんとか山奥の我が家に辿り着いた。 だがそこに待っていたのは、十年一日変わらぬ山野の光景と、満面の妻の笑顔だった。 それから妻は、ずっと笑っている。 まめまめしく夫の世話を焼き、少し豪華な食事を作り、風呂を炊き。 一言の愚痴も怒りの言葉もなく、ただ穏やかに微笑んでいる。 ひたすらに微笑んでいる。 家の中はよく片付き、火縄のにおいも手裏剣の輝きも、 床がひっくり返ることも天井が落ちてくることもない。 時を追うごとに、伝蔵の焦りは増すばかりだった。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch