★女同士の壮絶なバトル Round2★at EROPARO
★女同士の壮絶なバトル Round2★ - 暇つぶし2ch2:前スレ944
06/08/23 23:12:45 xMdWOiTK
前スレ>>947
容量オーバーで誘導できませんでした
情報㌧、そして初脱糞キタ激しく乙!

A2、B2希望。

3:名無しさん@ピンキー
06/08/24 03:12:47 Lgc0v60N
A2 B3で。
人思いに一撃必殺でカッコよく。

4:名無しさん@ピンキー
06/08/24 10:35:56 5sNEn9tp
>>1乙

A2B1希望で!

5:名無しさん@ピンキー
06/08/24 13:03:40 Dcq/OK5s
A1B4で

6:名無しさん@ピンキー
06/08/24 15:47:58 P59XP5SJ
A2 B3で
作者様には本当に申し訳ないが、正直「うぼぉ」系のうめきにも少し飽きてきたので最後は華麗にきめてほすぃ

7:名無しさん@ピンキー
06/08/24 17:21:12 B3c4WhyP
>>1


A1B3で

8:名無しさん@ピンキー
06/08/24 20:24:10 YrPUiWl2
A1B1
壮絶KOを

9:名無しさん@ピンキー
06/08/25 15:27:40 M1NnaPtb
A1B1に全財産

てゆーかもうホントGJ

10:過去ログとか
06/08/25 22:45:57 HX9IaDX5
★女同士の壮絶なバトル★
スレリンク(eroparo板)
 ミラー:URLリンク(p2.chbox.jp)
 ミラー:URLリンク(www.angelfire.com)


派生スレ:
、『壮絶なドミネート』
スレリンク(eroparo板)
 ミラー:URLリンク(www.angelfire.com)

『壮絶なドミネート2』
スレリンク(eroparo板)

11:名無しさん@ピンキー
06/08/26 00:13:02 QMIU4itj
書き込むまで容量に気づかなかった。
A2 B2で。
最後は下半身丸出しでのお漏らしKOとかに期待。
(まだ出る・・・はずw)

12:名無しさん@ピンキー
06/08/26 00:18:31 wzFchvyW
思ったんだが罰ゲームのお尻叩きってさ。
今回の展開だと叩くの嫌じゃないかな。
汚れるし。
せめて拭き取ってからじゃないと。
そこはどうするんだろ?

13:名無しさん@ピンキー
06/08/26 12:55:57 95O3ZOxm
>>12
手じゃなくて竹刀で叩くとかw

14:名無しさん@ピンキー
06/08/26 13:25:13 84nAlWAl
ドミネート専用スレがあるんだったらそういうの好きな奴は
そっち行ったらいいんじゃないのか。


15:名無しさん@ピンキー
06/08/26 18:00:05 dTAgc5wU
あっちはアレ氏専用みたいなもんだろ


16:名無しさん@ピンキー
06/08/26 18:04:54 dTAgc5wU
それはそうとA1B1で

17:地下スキー
06/08/26 22:33:19 W5ZZv+0o
ええと・・・今の段階でAは1が五票、2も五票・・・かな?
Bは1が四、2が二、3が三、4が一・・・・かな?

今夜0時で締め切らせてもらいますね。

>>12
ふふふ・・・・ペナルティは別に勝者を喜ばすために存在するわけではないんで、嫌でもなんでも関係ないでしょうw
つーか、今回のぺナのお尻叩きと脱糞の組み合わせはある意味非常に鬼畜で良いコンボではないかとw

18:名無しさん@ピンキー
06/08/27 18:14:53 wkphN7l8
タイムアウトみたいですが、突貫w
A1B2で。
衆前監視の中、よつんばいで尻を拭かれる屈辱。
剥き出しの尻を蹴られながら退場。
片腕では蹴られるときバランスがとれず、尻をつきだして倒れる。
そのたびに屈辱的な罵声を浴びて涙。
たまんねぇ。

19:名無しさん@ピンキー
06/08/28 11:28:10 cZ6jxcBs
>>12
本人が嫌なら前の試合みたいにさっさと帰って客にやらせるでFAな気がするよ

20:名無しさん@ピンキー
06/08/30 22:25:18 d/02ce0T
「うくっ・・・・・このまま、続行で・・・・・お願い・・・・します」
レフリーへの言葉にいつもの勢いがない。それも当然だろう、失禁脱糞姿というこの上ない生き恥を晒してしまっているのだ。
まだ若い娘にとっては悶死しそうなくらいの精神的な苦痛だろうに。

「ファイト!」
レフリーの声と同時に紗里奈は前に出る。
-相手は肉体のダメージも深く、それに精神的にもかなり参っている、今がチャンスだ。それに・・・・なるべく早く終わらせてあげたい。せめて早くKOしてあげて、楽にしてあげよう-
同じ女として見てはいられぬ・・・・・・姿。一秒でも早く勝負を決めて、真理恵をあの惨めな状態から解放してあげたかった。

「ふうっ!」
しかしだからといって勝負を焦ることはせず、格闘家としての慎重さはあくまで忘れず、ここまで相手を追い詰めているのにけん制のローを打つ。

「あがあッ!」
しかし真理恵は足を上げてカットすることもせず、棒立ちでそのローを受けた。

-そう・・・・・もうディフェンスすることもできないのね。それなら・・・・-

「せいやッ!!」
・・・・決着はあっさりとついた。
紗里奈の放った上段突きを、真理恵はどこか呆然とした顔で見詰めていた・・・・ローを受けたときと同じように、まるで防御のやり方を忘れてしまったかのように。
脱糞という醜態は彼女の精神から戦意を、肉体からは染み着いたはずの戦いの動きを奪い取ったのだろうか・・・・・。

ゴツッ!

「あがっ!・・・・・・・ぉううぅ・・・・」
上段突きが真理恵の顔に吸い込まれるように入り、少量の鼻血をこぼしながら尻餅をつく。

「ダウン!」
レフリーがダウンを宣言する・・・・・このラウンド3回目のダウン。

にちゃあっ・・・・
水着の中の糞塊が潰され、嫌な感触が真理恵のヒップに伝わった。
ローレグカットの水着だった為、『ソレ』が水着から溢れるということがなかったのがせめてもの救いだったかもしれない。
だが、2Rで敗れてしまった真理恵にとってはあまり変りはない。
すぐに水着は剥ぎ取られて、『ソレ』も衆目に晒されることになるのだから・・・・。

「あ・・・・・あぁ・・・・・・ひぃ・・・・・・・ううっ・・・・・」
打ち鳴らされる試合終了のゴングを、呆然とした表情で真理恵は聞いていた・・・・・・。


21:地下スキ
06/08/30 22:39:39 d/02ce0T
A1B1ということで話を進めさせてもらいますね。

22:名無しさん@ピンキー
06/08/31 20:36:48 r3ifbDq0
更新キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!

23:名無しさん@ピンキー
06/09/02 03:30:34 IAgb+DFL
思ったんだが。

昔自分が他スレに投下した作品を、
ちょいと加筆修正してこのスレに落とすのってアリなんかね。
他スレのまとめサイトに載っけられていて、
なんか俺が書いたものって証明するアレがないんで、
場合によっちゃ面倒くさいことになりかねないから
避けた方がいいのかな。

ま、その場合適当にだらだら新しいもの書けばいいんだけどね。

24:名無しさん@ピンキー
06/09/02 21:34:19 crWI4/zd
>>23
良いと思いますけど。
証明とか言い出すと連載物でも間隔が長いものだと筆者の名前と内容以外証明は無いわけですし。
匿名掲示板では本人がそういうなら信じるのが一番かと。

25:名無しさん@ピンキー
06/09/03 11:38:17 QpNOb/W4
結構自分のサイトでまとめている人はいるよ~
俺には無理だけど、友達によれば読めば誰が書いたのかすぐにわかるらしいので、
他の作品もちゃんと並べておけばそれが証明になるっぽい。

26:名無しさん@ピンキー
06/09/05 02:38:07 2gRD6edy
>>24
そっか。
まあ、名のあるコテハンとか作者さんのだったら
ややこしくなるだろうけど、そうでもなきゃ大丈夫かな。

>>25
自分のサイトを作れるほど自信ナス(´・ω・`)

27:名無しさん@ピンキー
06/09/06 22:52:55 bcVJu/Gr
hoshu

28:名無しさん@ピンキー
06/09/11 23:11:03 AuNA4azA
hoshuage

29:名無しさん@ピンキー
06/09/15 21:22:47 JP9/CZIU
agege

30:名無しさん@ピンキー
06/09/15 22:11:47 3Oo2ZCli
なっなに!?

31:名無しさん@ピンキー
06/09/18 19:05:56 jaKsNulC
hoshu

32:名無しさん@ピンキー
06/09/21 20:24:13 nrastOQ6
ホシュ

33:名無しさん@ピンキー
06/09/23 20:57:17 YohHXwY6
age

34:名無しさん@ピンキー
06/09/26 01:26:05 iZES59lp
男同士の壮絶な過疎スレ

35:名無しさん@ピンキー
06/09/29 21:10:13 AAhGmjgt
hoshu

36:名無しさん@ピンキー
06/09/30 20:34:45 Ai+/9vkd
香港映画の女同士バトル
URLリンク(www.youtube.com)


37:名無しさん@ピンキー
06/10/04 19:59:45 fVIGadVd
age

38:名無しさん@ピンキー
06/10/09 19:29:47 Td0jDSeL
更新まだかな

39:地下女スキー
06/10/10 17:20:41 WY2+8B4p
長く待たせてスマソ
近い内にウプ出来るよう頑張るよ
来週中には第三試合を終らせたい・・・

40:地下女スキー
06/10/10 17:25:58 WY2+8B4p
アゲてしまったorz

ところで23氏はどうしたのかな?
ワクテカしながら待ってるんだが

41:名無しさん@ピンキー
06/10/11 01:15:10 tPZNLzH8
期待してます!
ファイターさんも来てくれるとうれしいな

42:名無しさん@ピンキー
06/10/11 02:55:54 Bic9KP8J
>>40
スレに落としたのをサルベージしてみて
正直、内容があまりにあまりでアレでナニ。
よくこんなの投下できたなぁと軽く凹んだ。

大幅に手直しして落とそうかな、と。

43:名無しさん@ピンキー
06/10/14 16:33:18 1ruv+ffC
w

44:名無しさん@ピンキー
06/10/14 18:04:34 0oVPqo/p
地下女スキーさんの続きにwktk

45:地下女スキー
06/10/14 23:45:54 cmTxXEH2
>>42
期待しwktkしてますw

>>44
まあ、wktkしないで、気長に待って下さい

46:名無しさん@ピンキー
06/10/17 00:05:20 CUN8Du9W
んー

47:名無しさん@ピンキー
06/10/18 20:02:36 fRmA/9V9
期待age

48:地下女スキ
06/10/21 21:41:44 qc7Y0Vsd
「では滝井選手、水着を脱いで下さい」
「ぁ・・・・・は、はぃ・・・・・・」
無残な姿でTKO負け喫した真理恵は、レフリーの水着を脱げという命令に呆けたような顔で頷くと、ヨロヨロと、だが素直に立ち上がってツーピース水着のトップを脱ぐ。
露にされる真理恵の乳房に、会場が興奮と大歓声に包まれるなか、彼女は続いてボトムに手をかける。だが・・・・・

「おおーッ!?遂に真理恵のオ○○コご開帳かいーぃ!」
「早くそのクソ塗れのパンツをオレによこせやぁ!10万出すぜ?!」
「もったいぶってないで早く脱げー!負け犬っ!!」
大観衆の視線の中、なかなかそれを下ろすことができず躊躇している真理恵を、レフリーが促す。

「早く脱ぎなさい。『強制執行』しますよ?」
「・・・・・・うっ・・・・・・・くっ・・・・・・」
レフリーと、リングに上がった数人の係員とに囲まれた真理恵。ボトムに手をかけたままの姿勢で固まっている。
「ゆ、優子ぉ・・・・・・」
真理恵は助けを求める様にセコンドを振り返るが、木山はリング下で顔を両手で覆って肩を震わせているだけだった。

「ううぅ・・・・・・・」
いくらかの時間、ためらっていた真理恵だが、やがて意を決したように、ボトムをするすると脱いで足からそれを引き抜く。
真理恵のヒップが露出するのを期待を込めて待っていた観客達が喜びの歓声を上げる。

真っ白で滑らかで、形の良い臀部であったが、観客の期待通りに、そこは彼女が漏らした排泄物でべっとりと汚れていた。
尻餅をついたときに無残に潰されたソレは、彼女の臀部全体に広がり、ぐちょぐちょにこびりつき醜悪な様を晒していた。

☆☆☆
「9万!」
「10万!」
「10万五千!」

敗者である真理恵は、全裸にされてリング中央に立たされていた。
リングの周りの客席から、興奮気味の声が投げ掛けられる。
KO負けを喫した真理恵は水着を剥ぎ取られ、その水着の所有権を賭けたオークションが今まさに行われているところだった・・・・。

「11万!」
1000円から始まったそれは、あっという間に晶の水着の値段を超え、今10万円の大台を突破した。
「11万五千!」
「12万!」
「12万五千!」
真理恵は呆然とした顔で、まるで他人事のようにオークションの様子を眺めている。
白いヒップには糞便がこびりつき、黒々とした陰毛は太ももや脛には小水の跡が残っている。
身体を隠すことは許されず、悪さをした幼童がしかられているように、真っ直ぐに立たされ、その敗者の肉体を余すところなく晒し者にされていた。

「16万!」
「16万五千!」
「17万!」

水着の値はどんどん吊り上っていた。
大小便に汚れているにも関らず・・・・いや、むしろ汚れているからこそだろうか、一部の人間が熱狂的にそれを欲し、金に糸目をつけずに値を吊り上げている。

結局、19万2千円という破格の値段で、真理恵の汚物付水着は落札された。
40前と見られる男が、ビニールパックされた戦利品を係員から受け取った。
男がパックを開け、中身の匂いを嗅ぎ、しかめた顔を背けるというパフォーマンスをすると、場内からは大爆笑が沸き起こった。

「・・・・ぁ・・・・・・ぅあ・・・・・・・くぁぅ・・・・・」
ただ一人、真理恵だけは、男のその行為-自分の汚臭を嗅がれている様-を正視することが出来ず、唇を噛み締め顔を背けた。

49:地下女スキ
06/10/21 21:43:32 qc7Y0Vsd
今週中に第三試合を終わらせる、と言ってましたが無理でスタ。

あとは尻叩きだけなんだけど・・・・
今回はこれで勘弁してくれorz


50:名無しさん@ピンキー
06/10/22 00:55:33 LP4FZsyU
キタ━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━!!!!
超期待して待ってる。

51:名無しさん@ピンキー
06/10/22 21:20:08 oY2EBVT6
超乙です!

52:名無しさん@ピンキー
06/10/22 23:35:19 iLwxw0dG
京都から帰ってきたら新作キテタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!

53:地下京都スキー(?)
06/10/23 01:02:33 GNpwOES0
京都とはウラヤマスィ

オイラも京都辺りを旅したいな~


54:名無しさん@ピンキー
06/10/23 16:25:31 aMAVum1z
弱みを握られて親友同士が泥沼に戦う…なんてのが好きなんだが
一通り見る限り一方的なのが皆好きなのな(´・ω・`)

55:名無しさん@ピンキー
06/10/23 21:01:55 2t5+VKJ1
>>53
京都って言っても競馬場逝ってきただけですw

56:名無しさん@ピンキー
06/10/23 21:04:25 4useCRkC
>>55
菊花賞かwww

57:名無しさん@ピンキー
06/10/24 19:53:49 WXyRovbt
>>56
その通りw
競馬終わった後はスロットの殺人フルコースですw

58:名無しさん@ピンキー
06/10/25 02:20:09 q2WbWJYk
で、勝ったの?

ってスレ違いだなすまん

59:名無しさん@ピンキー
06/10/25 20:42:19 R9WcZSmb
>>58
競馬で負けてスロットで取り返しました。
同じくスレ違いスマソ。

60:名無しさん@ピンキー
06/10/30 21:32:21 0Fh1dY1/
age

61:名無しさん@ピンキー
06/11/02 21:52:42 WY21YOko
agege

62:名無しさん@ピンキー
06/11/07 21:37:05 mIs1y8nR
age

63:名無しさん@ピンキー
06/11/11 12:19:41 jL8jk0oT
age

64:名無しさん@ピンキー
06/11/13 21:27:25 t1cQEOsZ
hoshu

65:名無しさん@ピンキー
06/11/16 20:59:38 RwZRPf37
hosu

66:名無しさん@ピンキー
06/11/20 21:17:48 W1UOVuTc
保守

67:名無しさん@ピンキー
06/11/21 03:27:25 dsH3Yd10
眩いライトに照らされて、ふたりの女が闘っていた。
黒い金網が、その特別な空間を外界から隔絶する。

片方の女は、ボクシングの心得があるのだろうか。
小刻みなフットワークで相手の周りを軽快に回りながら、
細かなパンチを命中させていく。
撃たれているのは、柔道着に身を包んだ、まだあどけなさの残る少女。
ボクサーの女の拳が少女を撃つたび、飛び散った汗がライトの明かりに照らされてきらきらと光る。
少女は何度も掴もうと手を伸ばす。
そのたび、ボクサーは、華麗な足運びでかわしてゆく。。
しぃっ!
ボクサーの右の拳が、少女の手と手の合間をすり抜けて、顎をとらえた。
少女の膝がかくんと落ちた。


純白のマットの上で戦う女たちの、飛び散る汗と血に歓声が飛ぶ。
女たちは、繰り出す拳でそれに応える。
その様子は、あるいは激しいダンスのようでもあった。
それは無骨で、散文的で、されど情熱的な舞踏。
戦いを裁くレフェリーを除いては、ふたりの舞踏を妨げる者はいない。


左のフックで追撃しようと、女がステップを踏む。
少女は前のめりに倒れるように、ボクサーに抱きついた。
次の瞬間、ボクサーが宙を舞った。
それはきっと、少女が幾度と無く反復してきた動作。
半ば無意識に、少女は身体に染み付いた投げを行ったのだ。
ボクサーをマットに叩きつけると、すかさず柔道少女は押さえ込む。
左の腕で首を巻き、胸をおしつけ。
もう片方の手で顔面に鉄槌を振らせる。

一撃、二撃、三撃……
ボクサーの口からマウスピースが跳ねた。

四、五、六……
七発目が振り下ろされたところで、ボクサーの手がだらんと床に流れた。


歓声と怒号が屋根をも揺るがすほどに高まる。
ここはATHENAと呼ばれる女子総合格闘技の会場。
それは、女たちが闘う舞踏場。


68:23
06/11/21 03:42:53 dsH3Yd10
「もうじき時間ですわ」
くるくると、バンテージを拳に巻きつけながら、彼女が言う。
「ああ……」
返事は上の空といったところ。
彼女、ハルカは苦笑を浮かべ女のその様を眺めていた。
「アイさん。柄にもなく緊張していらっしゃいますの?」
「ああ……なっ、そんなわけないだろッ!」
アイと呼ばれた女は顔を真っ赤にして反論する。
沈着冷静との言葉が相応しい端正な容貌とは裏腹に、ちょっとからかっただけでいつもこうなのだ。
くすくすとハルカが笑いをこぼす。
「もうすぐ貴女の出番です。いつもやってきたことをできれば、大丈夫、勝てます」
「ああ……ああ。アンタに言われなくとも負ける気はない」
その意気です。
ハルカは笑った。
アイの拳にバンテージを巻き終え、テーピングで固定して。
「さあ、最後の確認をしましょう」
パンチングミットをはめて、頭をぽんぽんと叩く。
アイは、上目遣いでハルカを一瞥し、のそのそとベンチから立ち上がった。



控え室を出て通路を左にまっすぐ進む。
狭い通路を歩いていくと、やがて光が見えてくる。これから向かう「戦場」の光だ。
ゲートをくぐる前に立ち止まり、瞳を閉じて数秒間、周囲の空気に意識を漂わせる。
ゲートの向こうからは、今宵の対戦相手の入場曲とそれを迎える観客たちの歓声が。
そして傍らには自分を格闘家として育て上げた師、ハルカの息遣いが感じられる。
師。
彼女は、アイにとって目標であり、師であった。
誇れるものもやりたいことも、若者らしい夢も、
何ひとつ持たなかった自分に格闘技という道を与えてくれた師。
アイの胸にはたしかな目標がある。
ハルカを、倒すこと。

アイにしてみるとハルカは年下だ。
自分が年長だという矜持と、必ず打ち倒さねばならないという思いが、
師と呼ぶことに対する抵抗をアイの中に根付かせている。

ふたりの出会いは高校時代。
同じ地方の進学校に通いながらも、二人は対照的な道を歩んできた。
かたやハルカは成績優秀で、品行方正で。
容姿はこれまた端麗にして、教師からも生徒からも人望が厚く皆に将来を期待された少女だった。
一方のアイはといえば、遅刻欠席当たり前、校内でこそ大人しくしているものの、
外に出れば他校のたとえ男子生徒であろうとも平気で喧嘩する、筋金入りの不良少女。

二人の出会いは穏やかなものではなかった。
廊下で、因縁をつけられたハルカが、アイを返り討ちにした。
まさか年下の校内一の優等生が柔術の使い手とは思わなかったのだろう、
なす術もなく絞め落とされたアイに対し、なにを思ったかハルカは手を差し伸べた。

強くなりたくはないか、と。


69:23
06/11/21 03:45:09 dsH3Yd10





っていうようなのを昔書いて某スレに投下したわけだ。
保守代わりに投下してみた。

ああ、恥ずかしや恥ずかしや・・・


こんなアレなのでもよければ、残っている続きをまた暇を見て落としますが。

70:名無しさん@ピンキー
06/11/21 04:00:12 OAD5deud
投下コォ━━щ(゚Д゚щ)━━イ!!!!
wktkしてまってる。



地下女スキーさんの続きもwktk

71:名無しさん@ピンキー
06/11/21 07:28:43 xpjthM5Q
GJ!!
描写が良いので引き込まれますね
期待してます

72:名無しさん@ピンキー
06/11/22 00:03:04 SOOa/sGE
うん、期待してる。

73:名無しさん@ピンキー
06/11/22 02:54:45 vdMC2Skx
待ってます!(*^ー゚)b グッジョブ!!

74:23
06/11/24 04:08:09 NRI1TaJ6
(まずい……)
緊張が、半分。
恐怖感が、半分。
街中でどつき合う分には、そんな感覚など、無縁。
しかしここは違う。
戦う姿を、勝ち負けを、“見られている”。
喧嘩の野次馬とは、明らかに別の種類の視線だ。
視線の鎖に雁字搦めにされて、身体が鉛にでもなったように、鈍く重い。
そして、対戦相手。
聞くところによると、どうやら空手が得物らしい。
高校生の時分に、なにかの全日本大会で、三位に入賞したのだとか。
ハルカがそんなようなことを言っていた気がする。
名を、二階堂ミズノ。
一目見ただけで、ヤバイ相手だとアイの本能が告げた。
アイがこれまで何度か拳を交えてきたような、街の、腕っぷし自信の男たちが自慢するような空手とは、別種。
幼い時分から、長い年月をかけて真剣に磨き上げた、本物の匂いを嗅ぎ取った。

「練習でどんなに技を磨いても、それだけでは意味がありません。
弱い方々を打ちのめしていたとしても、また、けっして強くはなれません。
強くなるには唯一つ、自分以上の力を持つ“本物”との闘いを何度も経験することです」
かつてハルカはそう言っていた。
ゆえに、この舞台に上がることにしたのだが。

波を描いて肩まで伸びた艶やかなミズノの黒髪が、道着を脱ぐ際に触れて、はらはらと揺れる。
一見すると華奢に思えるその身体には、うっすらと、筋肉が隆起しているのが伺えた。
齢、いまだ二十。
歳は自分とそう離れていないとはいえ、身に纏う空気は明らかに違った。
積み重ねてきた鍛錬、潜り抜けてきた修羅場は如何程のものだろうか。
アイはミズノの持つオーラに圧倒されていた。

「寝技に引きずり込んで、自分のフィールドで処理なさい」
ハルカはそう言っていた。

そこまで持ち込める気がしない。
(タックルで倒せるか?)
ことごとく切られ、押し倒され、意識を失うまで殴られ続ける映像が瞼の裏でリアルに再生される。
いやもしかすると、蹴り一発で意識を断ち切られるかも?
(いつもやってきたことをやれば、大丈夫、勝てる)
心の中でリピート再生しながら、何度も練習してきたことをいまいちど頭の中で反復する。
「……立った状態での肘打ち、顔面への膝、頭突きを認めます。グラウンドでの……」
レフェリーのルール確認の声も、アイの耳を素通りしていった。
視線を逸らすと、手の平にはじっとりと汗が滲んでいた。




75:23
06/11/24 04:37:19 NRI1TaJ6
「アイさん、アイさん」
セコンドのハルカが、金網の外から手招きしている。
「……なんだ」
「もっとこっちに」
金網に額がつくくらいにまで、近づくと。
(その……勝利のおまじない)
金網を隔てて、額に唇が押し当てられた。
突然のキスに、脳のどこかがフリーズ。
次の瞬間、顔が真っ赤に染まる。
「……ッッッ!」
抗議の声を上げようとすると、ハルカが人差し指を唇にあて、“静かに”のジェスチャー。
(な、な、なにするんだよっ!)
(緊張、ほぐれました?)
(え……?)
「落ち着きなさいな。まるで虎に睨まれた兎のようですわ」
「うん……」
「貴女は状況に合わせていつもやってきたことをやるだけです。勝ちとか負けとか、考えてはいけません。状況に応じて最適な選択を選び続ければ、結果はそこについてきます」
レフェリーが手招きをしている。はやくリング中央に戻るよう促しているのだ。
「さあ、“本物”との闘いを楽しんでいらっしゃい」
「その……ありがとう」
改めてミズノと向き合う。
今はもう、あの重圧感からは開放されていた。
やがて、舞踏の開始を知らせる、ゴングの音が響き渡った。



「おおおオオ雄雄ッ!」
吼える。
ゴングと同時に、ミズノへ目掛けて走る。
跳躍。
振り下ろした右の手でミズノの頭を押さえ、空中で膝を突き出す。
奇襲の飛び膝は、しかし間一髪で防がれた。
着地と同時に、姿勢を低くして胴に食らいつく。
頭上を右の正拳が通り過ぎていった。
脇を差しながら、足をかけて倒そうとした。
(重い……ッ!)
なんという力強さだ。
後ろに横に、崩そうとしても倒れない。
即頭部に拳が打ち付けられる。
密着した状態でのパンチは、さほどの威力を持たない……はずだった。
しかし、その拳は硬く、重く、コツコツと続けられると脳が揺らぐような感覚。
さらにミズノは、続けざまに肘を肩に落としてきた。
それは的確に、腕の付け根の間接を狙って振り下ろされる。
「……ぁあッッ!」
鋭い痛みに、思わず声が漏れる。
わずかな隙をついて、ミズノは巻かれた腕を振り切って、突き放す。
「下がって!」
とっさの指示に飛びのいた次の瞬間、右の上段回し蹴りが、鼻の先を駆け抜けていった。

76:23
06/11/24 04:38:41 NRI1TaJ6
とりあえず保守代わりに。
地下女スキーさんの作品が投下されるまでの、
つなぎにでもしてくだしあ

77:名無しさん@ピンキー
06/11/26 16:02:07 EarjIbBQ
キタ━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━!!!!

78:地下女スキー
06/11/27 01:02:23 yrtMRDfW
GJです!
俺も頑張らないと・・・・。

いい作品が投下されると励みになるなぁ

79:名無しさん@ピンキー
06/12/02 01:14:30 AsLCGKpZ
age

80:名無しさん@ピンキー
06/12/06 22:56:06 37IwICPN
age

81:名無しさん@ピンキー
06/12/10 07:13:17 eS9YA2Bi
age

82:名無しさん@ピンキー
06/12/14 20:51:49 OIOCdCBp
hoshu

83:名無しさん@ピンキー
06/12/19 20:49:52 oHPL76YV
age

84:名無しさん@ピンキー
06/12/23 00:43:51 zuXEeFJM
保守

85:名無しさん@ピンキー
06/12/26 21:31:00 SOfAsotN
姫カモン!保守

86:名無しさん@ピンキー
07/01/01 00:57:41 ITv6otn3
age

87:_
07/01/01 01:20:56 sMpmeC5O
あけおめ!
新年初投下カモン!!

88:名無しさん@ピンキー
07/01/02 23:34:14 mN2KArqE
あげ

89:名無しさん@ピンキー
07/01/09 01:06:08 e0ud44Jz
ほす

90:名無しさん@ピンキー
07/01/15 03:18:24 eefEahqg
保守

91:名無しさん@ピンキー
07/01/17 04:51:40 TtlHECph
このスレ終わった。

92:名無しさん@ピンキー
07/01/17 20:19:44 TtlHECph
糞スレ廃止しろ!

93:_
07/01/17 20:55:44 VtUYNyJg
まだ終わらんよ

94:名無しさん@ピンキー
07/01/17 20:59:07 HyUW0f94
近くで出会える。速攻わくわくハッピー!!
URLリンク(www.happymail.co.jp)
URLリンク(550909.com)

95:名無しさん@ピンキー
07/01/19 20:46:31 lDdR465G
地下女スキーさんプリーズカムバック

96:地下女スキー
07/01/20 00:59:26 zVss/3dS
>95
呼んだ~?

いや、ちゃんと覗いてはいますよ

ただ忙しかったり、続き書けなかったりしてるだけですがw

97:名無しさん@ピンキー
07/01/20 02:36:06 uTgqURl2
>>96
安心したw
続き期待中。

98:23
07/01/21 00:54:09 JXDVGa8A
間が空いて正直スマンカッタ。
一応続きを投下。

99:23
07/01/21 00:57:40 JXDVGa8A
好機。
蹴り足が斬り裂いた空気が鼻をかすって流れていくのを感じ、地面を蹴る。
右のストレートから左のフック。
蹴りで身体が流れたところに、カウンターの連撃を放っていく。
しかし回し蹴りをかわして重心が後ろにシフトした、そのわずかな分だけ、パンチのタイミングが遅かった。
フックが、空を切る。
「ローきます!」
右の太股を衝撃が襲った。
ひたすら重い。金属バットで振りぬかれたかのような錯覚を覚える。
パンチをかわしながら、カウンターの下段蹴り。
「ガードを下げないで!」
体制を崩しながらも下がったガードを上げる。
間に合わない。
右の拳が、手と手の合間をするりと抜けて、アイの顔面に命中する。
それはひどく、固く、鋭く。
衝突の反動で、身体が仰け反る。
セコンドに指示を仰ぐ間もなく、下段蹴りが、対処する暇も与えずに太股を捉えた。
不相応なほどの重低音がリングに響く。苦痛に顔が歪んだ。
つんのめるかたちでバランスを崩したアイの首に、腕が回される。
万力のような力で首を押さえつけられたかと思うと、腹に、ミズノの膝が突き刺さった。
二発、三発。
「……っあぅ!」
アイの口から苦悶が漏れた。
「食らえ」
ミズノのハスキーな声が、耳元をくすぐる。

「アイさん!カウンターとれます!」
セコンドのハルカの指示が飛んだ。
四発目の膝を、肘で打ち落とす。
首に巻かれた腕に手をかけ、身体をひねるとともに軸足を払うと。
「……っ!」
ミズノの重い身体が宙を舞った。
  ばぁん
ミズノが背中からマットに落ちるやいなや、横につき、首を巻いて抑え込む。
(よっしゃ)
「ここからが、私の領域っ」
腹の上に膝を滑り込ませ、固定しながら、ミズノの腕を取る。
下になったミズノが伸ばされまいと腕をたたんだところで。
  カーン!
一ラウンドの終了を告げるゴングが鳴った。


100:23
07/01/21 01:02:57 JXDVGa8A
「アイさん、悪くないです」
ハルカが、アイの額に浮かぶ汗をタオルでふき取る。
「打撃に付き合わないで、もっと積極的に倒しにいきましょう」
「簡単に言ってくれやがる」
なんて、頬をタオルで撫でられながら軽口をたたく。
「あら。私と一緒に練習してきたアイさんなら、造作もないことではなくて?」
(……ほんと、簡単に言ってくれやがって)
タオルの感触にか、それともハルカの言葉にか。
アイはくすぐったそうに、小さく身振るいした。
「だって、貴女なら……」

  セコンド、アウト
  セコンドアウト

もうじき訪れる2ラウンド目の始まりを告げる、アナウンス。
「とにかく、ローを貰いすぎないことですわ。喰らいすぎれば、効いてきます」
「ああ」
ハルカに背中を押されて、立ち上がって。
また、戦いの中に身を投じる。

「……もう、効いてるって」
ハルカに聞こえないよう、漏らした。
腿の奥を、鉛の鎖で締め付けられるような感覚。
「私と一緒に練習してきたアイさんなら、ねぇ」
そんなことを言われたら。
(ただの二発で、動けないだなんて、恥ずかしくって言えやしないじゃないか。)
マウスピースを噛み締めて、踏み出した。



101:23
07/01/21 01:06:47 JXDVGa8A
書きっぱなしになってるなぁ
手直ししつつ細切れに続きを投下するつもりですんで、
お付き合いいただければ幸いです。

スレ住民に質問。
なんか、「バトル」の方に力点を置いて書いている感じがあって、このスレにふさわしいか微妙な感じがするんですが。

このスレとしてはバトルの中にエロが欲しい人が多いのかな?
希望に添えるか分からないですが……


102:名無しさん@ピンキー
07/01/21 03:47:32 nP0a/p4y
イイヨイイヨー!

どうせなら、エロも欲しい。
そんな感じw

103:名無しさん@ピンキー
07/01/21 05:54:44 3ukwJKLk
エロはどっちでも良いけど、失禁シーンがほしいかな。
恐怖はまだ少ないし、やってほしい。

104:名無しさん@ピンキー
07/01/22 21:37:34 NwL61ou7
バトル中心が好き。
で壮絶KOが大好き。

105:名無しさん@ピンキー
07/02/03 22:06:55 5TlkNvJ6
age

106:名無しさん@ピンキー
07/02/04 22:38:47 yLvFaolH
hoshu

107:名無しさん@ピンキー
07/02/11 23:22:42 O866WXT9
hoshu

108:名無しさん@ピンキー
07/02/12 03:58:22 7OGn8PEb
こんなのどうだい?
URLリンク(erolink.jp)

109:名無しさん@ピンキー
07/02/15 21:35:44 1trgjLa6
age

110:地下女スキ
07/02/18 20:56:12 f8lKia8i
「えっと・・・・・これって棄権してもいいんだよね?」
四つん這いになった真理恵を前にした紗里奈は、少し困惑した顔でレフリーに訊ねる。

「無論棄権してもOKです。その場合、抽選で選ばれた観客の方20名に代行して頂きます。お一人10発づつ、敗者を撃ってもらいます」
「えっ?・・・・それって、計200発ってことじゃない・・・」
平然としたレフリーの応答に紗里奈は驚き、戸惑いの声をあげる。
対照的に客席からは、期待のこもったどよめきが沸き起こっていた。

「ぅああぁ・・・・・せ、先輩・・・・・」
怯えた声が下から聞こえ、その声の主-真理恵を見ると、すがるような目で自分を見ている。
「200発も打たれたら・・・・・歩けなくなっちゃう・・・・」
客席からの期待を込めた視線を浴びながら、情けない顔で自分を見上げる真理恵の姿を見れば、紗里奈はこう言うしかなかった。
「分かった、私がやるわよ・・・・・で・・・これ、素手でやるの?」
塗れの真理恵の臀部を見て流石に怯んだ様子で訊ねると、レフリーは相変わらずの平然とした口調のままで応える。
「平手によるスパンキングか、足によるキックか、もしくはこれで・・・・」
リング下の係員から木刀を受け取って、真理恵と紗里奈に見せびらかしながら言う。
「20発、打って下さい。言っておきますが全力で打って下さいよ。少しでも手加減が認められれば、その一打はカウントされませんから」

「ひッ・・・・・」
それを見て、思わず息を呑む真理恵。またもや怯えた視線で、紗里奈と木刀とを交互に見つめて今にも泣き出しそうな顔になっていた。

その顔を見て、目を閉じ嘆息して首を振る紗里奈。
-勝ったはずなのに、こんなことさせられるなんておかしな話だわ。でも、私が手でやってあげないと、このコがあまりにも可哀想ね-
「分かった、分かった・・・・・素手でやるわよ」
もう一度嘆息して、真理恵の傍で片膝をつき、腰をポンポンと軽く擦ってやって
「んん・・・・・・辛いかもしれないけど、 発なんてすぐ終わるから、ちょっと我慢してて」


111:地下女スキ
07/02/18 20:59:49 f8lKia8i
こんばんわ お久しぶりです。
ちょっとスランプなのか、なかなか書けなかったですが、これ以上間を空けるとマズイかなと思うので、無理矢理書きました、ハイ。

まあ、第一回戦第三試合は終わりの方向なので、次の第四試合、合気姫対サンボ娘の試合展開などのリクでもどうぞ~。

・・・・とはいえ、忙しくて最近はなかなかココも毎日見れないのよね(苦笑)

112:名無しさん@ピンキー
07/02/18 21:47:45 or5d3nZZ
久しぶりに新作キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!

113:名無しさん@ピンキー
07/02/22 21:20:36 6788KYT4
第4試合がめっさ楽しみ

114:名無しさん@ピンキー
07/02/24 02:09:00 h87l6LOJ
第三試合の幕引きもこういやらしい
もどかしさがいい感じで最高です。

115:名無しさん@ピンキー
07/03/01 23:56:16 5q5cTyMF
hoshu

116:名無しさん@ピンキー
07/03/07 22:52:55 Z63dZZbT
>>111
途中まで合気姫優勢、結果サンボ娘が逆転で合気姫水着剥ぎ

117:名無しさん@ピンキー
07/03/08 00:59:49 vgOSi3Of
それいいな
合気道は相手の攻撃を受け流すイメージだから(違ったらごめんなさい)
一発のヒットが形勢逆転につながったりして
楽しみにしております

118:名無しさん@ピンキー
07/03/08 21:37:04 dENk0dIL
合気姫が負けてほしい
恐怖失禁てゆうのもしてほしいな
首とかをしめられて失禁てゆうのもいいけど
それ前にあったような気がするから
罰ゲームは任せるけど前の3試合より過激に
いっそのこと大きいほうのお漏らしとか



119:名無しさん@ピンキー
07/03/08 22:29:11 qL0/uiWh
合気姫は勝ってほしいけどな。
初戦を華麗に勝利して、自信つかせた上で二回戦で完膚なきまで完敗の方が萌える。

120:名無しさん@ピンキー
07/03/08 22:35:58 O8KaMqRU
合気姫はなんとか水着剥ぎだけは避けようとするも・・・ってのが期待

121:名無しさん@ピンキー
07/03/18 04:44:39 ZEJNgrGw
保守

122:名無しさん@ピンキー
07/03/21 13:02:12 R9ijd9/k
保守

123:名無しさん@ピンキー
07/03/26 22:53:38 8JOfWZjz
hoshu

124:名無しさん@ピンキー
07/03/30 23:51:55 syYC2WPg
ほしゅあげ

125:名無しさん@ピンキー
07/04/07 21:03:15 zUZ2539o
hosh

126:名無しさん@ピンキー
07/04/11 22:20:56 5f8WNfsz
hoshu

127:名無しさん@ピンキー
07/04/15 15:12:25 7ZmH1yJR
age

128:名無しさん@ピンキー
07/04/21 22:36:45 wcBnk+ek
age

129:名無しさん@ピンキー
07/04/25 23:13:50 Qj5bWnis
ほしゅ

130:名無しさん@ピンキー
07/04/30 23:18:29 7furNZFm
hoshuage

131:名無しさん@ピンキー
07/05/09 00:54:14 2Ca+xX/C
hoshu

132:名無しさん@ピンキー
07/05/13 18:14:22 9NC8tYjR
保守

133:名無しさん@ピンキー
07/05/20 00:53:01 Nhv2nkUS
ほしゅ

134:名無しさん@ピンキー
07/05/25 01:12:03 oZaz6jQu
age

135:名無しさん@ピンキー
07/06/03 08:36:47 pBV1PJw4
hoshu

136:名無しさん@ピンキー
07/06/10 09:40:23 4lcKVNZN
age

137:亜佐倉
07/06/10 19:05:26 42RRk1BF
SSですが投下します。
思い付きで書いたのでおかしい所等があるのは申し訳無いですが。


―AM11:00。白昼の繁華街、本来であれば夜の喧騒とは違い、人足もまばらで静まり返っているはずなのだが、今日はいつもと少し違っていた。繁華街の一角に男達が群がり、一様に野太い声で声援やら野次を飛ばしている。

その野次馬の中では一人の少女と身長190はあると思われる筋骨隆々の男が対峙していた。

少女の身長は145cm位で年齢は恐らく15~16程のあどけなさが残る顔立ちと雰囲気だった。クラッシュデニムのスカートに背中には女王蜂の刺繍が施されたスカジャンを羽織り、腰まで届く綺麗な栗色の髪は左右にゴムで結び分け黒い野球帽を被っていた。

「へへへ・・・なぁ彩、いい加減こんな所で格闘ごっこなんかしてねぇでよ、さっさと俺に抱かれちまえよ。そうすりゃ毎晩涙流しながら喜べるぜ。なんつったって俺の大砲で今までイカされなかった女はいねぇからよ」

男は下卑た笑みを浮かべながら彩と呼んだ少女を品定めするように見る。


138:名無しさん@ピンキー
07/06/10 19:06:16 42RRk1BF
しかし彩はそんな下品な物言いや、舐めるような視線など気にした様子もなく、頭の後ろに両手を組んだままニコニコと笑っていた。
「あはは~、まぁそりゃボクだって一応女の子だし、人並みに性欲はあるよ?
でもね・・・・」

そこで言葉を区切ると悪戯ッ子のようにペロッと舌を出しながら手をひらひらとさせて身長差50cm以上ある男を見上げた

「ゴメンなさい、さすがにボクでもゴリラに抱かれて処女喪失は勘弁だわ。アハハ」

―その時、ギャラリー達の大笑いが起きた。中には腹を抱えて笑い転げている者もいる。

男は彩の言葉を聞いた瞬間こめかみに青筋を浮かべ、ゆっくりとにじり寄る。

「てめぇ・・・・ちょっとばっかりストリートファイトで強いからって調子に乗んなよ・・・・こちとらボクシングの世界ランキング6位まで行ったんだぞ」

脅しで怯ませようとしているようだが彩は興味も無さげに帽子を取ってうちわ代わりに顔を扇ぎはじめた。
「でもさ、その後薬物やってるのバレてライセンス剥奪されちゃったんでしょ?全く、これだからヤダよね~お脳が筋肉ギッシリのゴリさんは」

その一言が引き金になり、男は目を血走らせながら彩の胸ぐらに掴みかかった

139:名無しさん@ピンキー
07/06/10 19:08:57 42RRk1BF
「このアマァァァァァッ!!その顔ぶっ潰して人目に晒せねぇようにしてやらぁっ!!」

男は丸太のような太い腕を振り上げ、彩の顔めがけて殴りかかろうとした。が・・・

グキィッ

「ギャアアアアアアアッ!!!」

突然悲鳴が上がり、同時に彩の胸ぐらを掴んでいた手を離し、そのまま親指を押さえていた。見ると男の指はあらぬ方向にねじ曲がっていた。
今度は彩が男に歩み寄り、立ったまま痛みに悶え苦しんでいる男の膝めがけて全体重を乗せたサイドキックを叩き込む。

ゴキィッ

半月板が割れると同時に今度は膝関節が逆方向に向いてしまった。どれ程屈強な男であろうと関節までは鍛えようがなく、非常に脆く出来ている。

「アギャッ・・・・・」

情けない悲鳴を上げ男はあっけなく崩れ落ち、尻餅をついた体勢で彩を見上げる。先程までの愛嬌のある笑みは消え、冷徹な眼差しが男の無様な姿を捉えていた。

「・・・ねぇ、誰に向かって抱かれろって言ったの?誰に向かって調子に乗んなって言ったの?一体誰の顔ぶっ潰すって?」

口調はあくまで変わらないが、その雰囲気は少女には似つかわしくない殺気を放っていた。



140:名無しさん@ピンキー
07/06/10 19:11:40 42RRk1BF
「さっきから人が笑って聞いてれば調子に乗ってねぇ・・・・よく言えたもんだよホントに」

彩はそのまま男の顔に掌底をフックの軌道で打ち、続けざま男の顎を蹴り上げる。

「グゲッ!!」

蛙が引き潰されたような声を上げながら男は白眼を剥いて失神した。




すいません、前半はここまでです。女同士のバトルまで行きたかったのですが今日はここまでが限界です。次回から彩の対戦相手の女の子が登場しますので次頑張ります

141:名無しさん@ピンキー
07/06/10 19:23:56 42RRk1BF
あげます。

142:名無しさん@ピンキー
07/06/11 00:44:13 D7YRptzs
保守

143:名無しさん@ピンキー
07/06/11 03:22:28 laYyaKZ3
>>137
期待

144:名無しさん@ピンキー
07/06/26 02:18:32 AOoqkwKS
糞スレ廃止しろ!

145:名無しさん@ピンキー
07/06/26 15:05:31 WXKF5fUr
保守

146:亜佐倉
07/06/27 02:07:49 FraM74b5

アスファルトの上に巨体が大の字になって倒れるのは端から見ればかなり爽々しい光景だった。

男の負けが決まるや否や
ギャラリー達は雄叫びにも似た歓声を上げた。

「いいぞーーーー!!彩ーーーーーーーー!!!!」
「これで20連続KO勝ちだーーーーーー!!!!」
しかしギャラリーの歓声に対して当の本人はさも当然と言わんばかりにデニムスカートの埃を手で払いながら再び口許を緩めて愛嬌のある笑みを浮かべていた。
「アハハ、相手が弱すぎるんだよ~力だけで勝てるとしか考えて無いんだから。それにしてもさ、もっと強い人いないの~?いい加減ボクも少し飽きてきちゃたよ」

笑ったかと思えば今度は不満げに口を尖らせる。表情がコロコロと変わり、一切感情を抑制しない所はどこにでもいる10代の少女そのものだった。

「・・・・おもしろそうな事やってるわね。私も参加していい?」




147:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:40:21 FraM74b5
彩が次の対戦相手を求めていた丁度その時、群衆に紛れて一人の少女が彩に声を掛けた。

「えっ・・・・・?」

彩だけでは無い、先程まで歓声を上げていたギャラリーすらも一瞬声を失った。
挑戦者を名乗り出たその少女は空手道着を身に纏っていたが、何日も洗ってないのか灰色に変色して所々ボロボロになっていた。腰には帯ではなく、荒縄を締め、鼻緒が今にも切れそうな年季の入った下駄を履いている。

148:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:41:31 FraM74b5
髪も全く手入れはしておらず、肩まで掛る位の黒髪はボサボサでフケが粉雪のように積もっていた。
その風貌はかつて千葉真一が演じた昭和映画の空手家のようだった。

「えと・・・・次の対戦相手で・・・いいんだよね?」
彩がおそるおそる粗末な格好の少女に声を掛ける。

「他に誰がいるの?どう考えても私しかいないじゃない・・・言っとくけど、見た目で判断しない方がいいわよ。怪我だけじゃ済まなくなるから」




149:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:44:24 FraM74b5
少女は自信ありげに腕を組み、唇の端を吊り上げて笑った。

(見た目だけで充分闘いたくないです・・・・・)

彩は少し涙目になりながら心の中で呟いた。自分と対峙する少女があまりにも酷い悪臭を放っていたからである。例えるなら生ごみや生活排水が溜ったドブ川に長い時間浸けた雑巾のような臭いだった。

「せっかくだけど・・・お風呂入って着替えてきてからまた来て欲しいなぁ~アハハ・・・・」

左手で頬を掻きながら苦笑いを浮かべる。さすがに今のままでは闘う事すらままならない。

――シュバッ

「!!」

一瞬何かが顔をかすめた。見ると少女の拳が彩の顔のすぐ横で止まっている。巻き藁で鍛えたのか、拳には大きく膨らんだタコが出来ていた。こんな拳で殴られたら鼻の骨なんて簡単に潰れてしまうだろう。




150:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:46:29 FraM74b5
「どうするの?私の挑戦・・・受ける?受けない?」
相変わらず不敵な笑みを浮かべながら少女は顔を近付けた。口臭のキツさに顔をしかめながらも彩は自分より頭1つ分身長差のある対戦相手を見上げるように睨み付ける。

「ずいぶんと変わった挑戦状だね・・・・・なら」

刹那、彩は少女にビルジーと呼ばれる目突きを放つが、少女はこれを片手で払いのけ、バックステップで距離を取る。

「これが答えだドブ鼠」

吐き捨てるようにして言い放つと彩は半身に構え、拳を軽く握る。

「そう来なくちゃ・・・・少しは張り合えそうね。アンタ、名前は?」

「・・・ボクが君の歯叩き折ったら教えてあげるよ」
不遜な物言いが癪に触るのか彩は少女の問いを突っ放ねる。少女はそんな彩に対してやれやれとでも言いたげにかぶりを振った。髪が舞う度に白いふけがバサバサと飛ぶ。

「はぁ・・・これだから俗世の人間は短気で嫌なのよ・・・まぁいいわ、あたしの名前は柚華(ゆずか)、高寺柚華よ。覚えておいて損は無いわ。これから実戦空手の世界に革命を起こす英雄なんだから」

柚華と名乗る少女は自信ありげに鼻を鳴らし、胸を張った。



151:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:48:39 FraM74b5
「・・・あっそ。ならさっさと潰れてゴミ収集車に乗ってろボロ雑巾」


ガリッと音がする程アスファルトを蹴って、一気に柚華との間合いを詰めると そのまま肝臓目がけてボディブローを叩き込む。

「ッ!!」

ギャラリーは一瞬何が起こったのか理解は出来ず呆然と彩の動きを見ていた。ただ、分かっている事が一つある。

――試合はもう始まっている。

「ウッ・・・!!」

柚華は急所とも言える肝臓にハンマーで殴られたような衝撃を受け、苦悶の表情を浮かべる。一瞬、柚華の動きが完全にストップしたのを彩は見逃さず、素早くサイドに回る。

「アーーーイシャアッ!!!」
独特の掛け声を発しながら膝裏にローキックを放つと柚華はバランスを崩して
片膝を付いた。

「ウワッ!!」

驚愕して慌てて立とうとするが既に遅かった。

「雑巾は地面でも拭いてなよ!!」

いつの間にか背後に回っていた彩が柚華の後頭部に肘打ちを叩き込んだ。鋭角に曲げた肘打ちは人の肌を切るだけでなく時には人の骨を砕く簡易的な凶器になる。

「ガハッ・・・!!」

後頭部にモロに衝撃を喰らった柚華はそのままアスファルトに顔から落ちてびたんっ!!という派手な音と共に倒れこんだ。


152:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:51:04 FraM74b5
(・・・決まった!!)

確かな手応えを感じて彩は心の中で歓喜する。
わずか10秒―あまりにもあっけなく決着は着いた。

「・・・少しは人と会話する位の余裕作りなさい。人間闘いも焦ったら負けよ」

「なっ!?嘘ッ!?」

アスファルトにしたたか顔を打ち付け気絶したと思っていた柚華はゆっくりと起き上がり、鼻血を垂らしながら彩を見据える。

「な、何で後頭部モロに喰らって平気なの!?君バケモノ!?」

自分の攻撃が全く通用していないのにさすがに焦ったのか彩は構えを解く。

しかし、それが致命的な失敗だった。

「今度はこっちから行くわよ・・・私を雑巾だのドブ鼠だの言ったこと・・・後悔させてあげる」

柚華は下駄を脱ぎ捨てると同時に彩の腕を掴む。

(っ!!しまった!!)

掴まれた腕をふりほどこうとするが予想以上に強い握力でふりほどく事が出来ない。

「ハアッッ!!」

ドゴォッ

柚華はそのまま強引に彩の体を引き寄せるとみぞおちに下突きを放つ。それが全く鍛えていない拳ならまだしも柚華の拳は固い拳タコが出来ている破壊力に優れた拳である。加えて全体重を乗せている為、鉄球で殴られるような感覚だろう。
「あがっ・・・・!!」


153:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:53:58 FraM74b5
一瞬だけ彩の呼吸が完全に停止して、体をくの字に曲げる。しかし、そんなものお構い無しに柚華は膝蹴りを腹に叩き込む。

「ウブッ!!ゲェェェェェッ!!」

内臓が破裂せんばかりの衝撃を受けた彩はその場で口から未消化の食物を吐き出してしまった。吐冩物がビチャビチャとアスファルトに飛散し、地面を汚していく。

「・・・折角だから、そのまま胃の中空っぽにしてあげるわ」

ドスゥッ!!

「うげぇぇぇぇぇぇっ!!エボッ、オェッ、ゲホッ」
続け様に膝蹴りが彩の腹部に炸裂し、今度は胃液を吐き散らした。これだけで人はかなり体力を消耗すると同時に精神力さえも削ぎ落とす。時折柚華の体にも吐冩物が掛かる。

「汚物ひっかけないでよ・・・・これ私の一張羅なのよ」

呆れたように言い放つと押し込むような前蹴りで彩を突き放し、距離を取る。



154:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:56:29 FraM74b5
「ハァ、ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

ようやく地獄から解放された彩はその場でうずくまってしまったがヨロヨロと立ち上がり、吐冩物と一緒に出た涙を手の甲で拭いながら息を整える。

「どう?戦闘意識は大分削がれたでしょう?あなたみたいな頭に血が登りやすいせっかちな女は少し頭冷やした方がいいのよ」

柚華は小馬鹿にしたように笑うと目を細めて鼻で笑う。

「・・・・殺してやる。肥溜め女」

親の仇でも見るような目で柚華を睨み付け、一通り呼吸が整った彩は再び半身に構えた。だが先程までの余裕はどこにも無い。

「ハァ・・・あなた筋金入りの怖い者知らずか只の馬鹿ね。人が折角クールダウンさせてあげたのに」



155:亜佐倉
07/06/27 03:00:49 FraM74b5
とりあえず序盤のバトルシーンまで書けました。僕の拙い小説を期待して下さった方、遅くなってすみませんでした。

次は彩と柚華のバトル中盤からラストまでを一気に書く予定なのでよろしくお願いします。多分また遅くなりますが(汗)

156:名無しさん@ピンキー
07/06/27 08:10:46 BU8sTvdu
GJ!
いつまでも待てるよこれなら

157:亜佐倉
07/06/27 18:36:54 FraM74b5
>>156 ありがとうございます。必ず完成はさせますのでもうしばらくお待ち下さい。
説明文が不足して読みづらい所があるかもしれませんが(汗)これを読んだ人が楽しんで頂ければ幸いです



158:名無しさん@ピンキー
07/06/27 20:18:30 BU8sTvdu
いや普通に読めるバトルシーンだし

159:亜佐倉
07/06/28 02:42:52 s6i8BFEC
いや・・・どうしてもここで書いてた人の小説と見比べる自分のが見劣りするなー・・・と。
明日から続き書き始めます

160:名無しさん@ピンキー
07/06/28 03:17:28 LLrbIY4F
大変に失礼な物言いさせていただくとすれば、
決して文章力そのものは高いわけではないが、展開や緊迫感なんかはとってもGJだぜ!

161:名無しさん@ピンキー
07/06/28 03:39:54 5hJAC5kG
失礼な。

162:亜佐倉
07/06/28 15:10:37 s6i8BFEC
>>160 いえいえ、失礼では無いですよ。寧ろそう言ってくれるのが有り難いですしこちらもいい刺激になります。

163:名無しさん@ピンキー
07/06/28 22:31:47 zrUvX4Oj
ちょWWおまWWWW
なんでそんな物分かりの良い奴なんだよ!
とてもグチョグチョのバトル書いてる奴とは思えねぇよWW

164:名無しさん@ピンキー
07/06/29 01:13:38 MqQme5JK
そんなもんです
内容と筆者の性格にはギャップがあるものです

165:亜佐倉
07/06/29 11:05:16 HFWl1MPq
普段はお人好しで通してます(笑)今バトル中盤書き終ってラスト書き初めてますよ~



166:地下
07/06/29 17:01:54 bGKLWzUB
お久しぶりです。ちょっと最近、テンション下降気味な状態が続きいております。
格闘女王トーナメントをお待ちの皆様には、申し訳なく思っております。

>>亜佐倉さん
どうも始めまして。中盤以降も、ワクテカ期待してます~(笑)

167:亜佐倉
07/06/30 12:56:30 FJv/GM24
只今ラストの中間辺りで詰まってます(汗)

とりあえずネタ練りながら中盤投下しますね。

>>地下さん
こちらこそ初めまして。僕の作品を楽しみにして下さってありがとうございます。前のレスで作品拝見させて頂きました。脱糞描写を興奮しつつ見てました(笑)脱糞大好きなので(爆)
文章力も高いので勉強させて頂いております。


作品の方は焦らずゆっくり自分のペースで頑張って下さい。

168:亜佐倉
07/06/30 16:33:07 FJv/GM24
「おかげ様でクールダウンどころか逆に脳味噌に血が登って血管切れそうだよ。ありがとうね」

ペッと胃液混じりの唾を吐くと彩はすり足で柚華ににじり寄る。

「・・・訂正するわ。只の馬鹿じゃないわね。正真正銘、本物の馬鹿よあなた」
相変わらず小馬鹿にした態度で彩を毒突くが、その表情はどこか嬉しそうだった。

「久々に拳でしか語り合えない人間に会えた気がするわ。今日という日に感謝しなくちゃね」

柚華も半身の構えを取るが、彩とは違う。後ろの右足に体重を掛け、左足を一歩出して踵をやや浮かし、両手は手刀にして右手を胸に置き、左手を顔の前に出す。

169:名無しさん@ピンキー
07/06/30 16:36:01 FJv/GM24
空手ではこの構えを後屈立ち手刀受けと言うが、昨今のフルコンタクト空手の試合ではまず使わない。今のキックボクシング化した近代空手では動きも鈍いし非効率的だからだ。使うとしてもせいぜい稽古の時くらいだろう。

(・・・どうやらこいつ、臭い口開けて喋ってるだけじゃ無いみたいだね)

今までストリートファイトで自らを空手家と名乗る連中を相手にしてきたが、その全てが今のスポーツ空手のルールに捕われた闘い方ばかりで、顔面を殴られる対策は愚か急所を守るような構えすら取らなかった。そのお陰で大抵の奴らには目突きと金的蹴りだけで勝つ事が出来た。

しかし、今自分と対峙してる相手は違う。


170:名無しさん@ピンキー
07/06/30 16:46:36 FJv/GM24
急所が集中してる正中線を攻撃されないよう極端に半身な体勢を取り、自らも攻撃に徹せるように構えている。

(それなら・・・)

彩は突然両手を開き、胸の前に構えるとすり足を辞め、ボクシングのフットワークに切り替えた。柚華のスタイルがパワー主体だと気付き、スピードで対応する為だ。


171:名無しさん@ピンキー
07/06/30 16:48:10 FJv/GM24
先程腹に受けたダメージがまだ癒えていない状態でステップするのはいささかキツイが、今自分に甘える訳にはいかない。とにかく今は自分に恥をかかせたこの小汚い女をこの場でKOさせるのが先決なのだ。

「あなた・・・正直こんな所でケンカ屋やってるのはもったいないわよ。それだけの格闘センス持ってるんだから」

柚華も彩の柔軟な対処に舌を巻く。格闘家というのはどうしても自分のスタイルにこだわる余り、一辺倒な闘い方や構えをするが、彩の場合は違う。相手の出方次第で構えや闘い方をいくらでも変えられる柔軟な思考を持っているのだ。

「無駄口叩いてる暇あったらさっさと来なよ」

タッ、タッ、と全くリズムが乱れない軽快なフットワークを刻みながら彩は柚華を挑発する。


172:名無しさん@ピンキー
07/06/30 16:50:25 FJv/GM24
「そうね・・・」

―ヒュオッ!!!

先に動いたのは柚華だった。
左足を軸にして右足で中段回し蹴りを放つ。しかし、彩は一歩下がり半円を描くように手で捌いて蹴り足ごと柚華の体を流す。

「セヤァッ!!!」

柚華のバランスが崩れた隙を見逃さず彩は飛込むようにしてサイドキックを繰り出す。

「クッ!!」

避けきれないと判断した柚華はサイドキックを受けると同時に自らも後方に飛び、ダメージを半減させる。
――タッ

猫のようにしなやかに着地すると、再び後屈立ちに構え直す。
そんな柚華に対し彩は追い掛けるように一気に間合いを詰めた。

「貰ったぁっ!!」

指に全神経を集中させ、先程かわされたビルジーで柚華の目を突く。

「うぐっ!!」



173:名無しさん@ピンキー
07/06/30 17:12:13 FJv/GM24
柚華は目を抑えてよろめく。幸い、首を後ろに動かして完全に突かれるのだけはまぬがれたが、かすっただけでも目がくらむ。

バシィッ!!

柚華がよろめいているのをチャンスと見た彩は顔面に容赦無い掌底突きをヒットさせる。

「―ッ!!」

無防備な顔面にまともに喰らってしまった。掌底は相手に外傷こそ与えないものの内臓や脳を揺さぶる威力を持っている。柚華は軽い脳浸透を起こした感覚に襲われ、上体を揺らめかせてしまう。

「まだまだぁッ!!」

続けざまに左右の掌底で顎、こめかみ、眉間、人中と急所を打っていき、柚華の脳をシェイクさせながら次第に追い詰めていく。

「このっ・・・!!調子乗んなッ!!!!」

―グシャッ!!

怒りに任せた柚華の正拳突きが彩の顔を捉えた。
鼻の骨が折れたのか嫌な音が繁華街に響く。




174:名無しさん@ピンキー
07/06/30 17:16:55 FJv/GM24
「・・・痛てぇな、この野郎ーーーーー!!!!」

折れて左に曲がった鼻を構うことなく般若のような形相で柚華の黒髪を引っ掴み、ロシアンフックで思いっ切り頬を殴り付ける。

―ブチブチブチィッ!!
殴られた衝撃で柚華の顔が左に振られ、掴んでいた髪の毛が千切れる。

「痛いのはコッチよ!!」

すぐさま体勢を立て直すと同時に彩の喉元を掴んで握力のみで絞め上げ、足を払ってアスファルトに体を叩き付ける。

「ぐぇっ・・・・」

後頭部をしたたか地面に叩き付けられた挙げ句、喉元を絞められてるので呼吸が出来ない。普通の少女―いや、男でさえもこんな攻撃を喰らえば失神か最悪の場合死に至る。しかし彩は意識を失い昏倒するどころか、倒れたまま柚華を睨み付けて戦意すら失っていない。

「ハァ・・・ハァ、途中まではさすがに私も危なかったけど・・・詰めが甘かったわね」

そう言いながら今度は柚華が唾を吐く。いや、唾では無い。地面にカランッという乾いた音がして、よく見てみるとそれは血で真っ赤に染まった柚華の奥歯だった。恐らくさっきのロシアンフックの衝撃で折れたのであろう。




175:名無しさん@ピンキー
07/06/30 17:22:32 FJv/GM24
「・・・ハハッ・・・アハハハハ!ハハハハハハッ!!アーハッハッハッハッハッハ!!」

突然彩は気が触れたように笑い出した。柚華も余りの唐突な高笑いに怪訝な顔をする。

「何がおかしいの?あなたどう見ても劣勢なのよ・・・もしかして当たりどころ悪かった?」

「約束だったでしょう?ボクが君の歯叩き折ったら名前教えてあげるって」

彩はニヤッと笑いながら柚華を見る。この笑みがまだ普通の時であれば小憎たらしい少女の笑みで終わるが、鼻が折れ曲がり、口から血を流してる状態での笑顔は不気味以外の何者でもなかった。

「あぁ・・・そう言えば言ってたわね。なら最後に聞かせてもらおうかしら、あなたの名前」

柚華のその言葉は正に自分の勝利を確信し、死にゆく者から最後の言葉を聞くようなものだった。

「ボクの名前は彩、美島彩だよ」

「そう・・・彩って言うの・・・良い名前ね。覚えておくわ」

こちらも不気味な薄い笑みを浮かべ、ゆっくりとした動作で拳を振り上げ、顔面に狙いを定める。彩の顔を完全に潰す気だ。



176:名無しさん@ピンキー
07/06/30 17:24:56 FJv/GM24
「最後に聞かせてもらう?覚えておく?そんな台詞吐くのは勝ってからにしなよ、柚華」

最後の悪あがきであろうか、彩は笑いながら自分の首を絞めている柚華の腕を両手で掴んだ。

「は?どうあがいたってあなたの敗けでしょう?この一撃でゆっくり眠ってなさ・・・」

「ぐ、ぐぎぎぎぎぎっ・・・・!!」

少女には似つかわしくない軋んだ声を漏らしながら柚華の腕を絞っていく。

(まさか・・・っ!!)

本能的に恐怖を感じた柚華はとどめを刺す事を辞めて彩から離れようとする。だが尋常でない力で腕を掴まれ、逃げる事が出来ない。

「こんな腕使えなくしてやる。殴る所か箸すら持てないようにね」

彩の言葉が自分を破滅に導く悪魔の宣告に聞こえた。

―ボギュルッ!!グリュッ!!!

有り得ない―いや、決してあってはならない音がギャラリーと彩、そして柚華本人にも聞こえた。



177:名無しさん@ピンキー
07/06/30 17:27:31 FJv/GM24
「ギャアアアアアアアアアーーーーーーーッ!!!!!!!!!」

天を切り裂かんばかりの絶叫が響き渡り、柚華はもんどり打って倒れた。

「イダイィィッ!痛いぃッ!痛い!!痛いよぉぉぉッ!!!」

今までの涼しげな態度から一変し、味わった事の無い激痛からか切長の目から大粒の涙を流していた。

骨が折れたのではない。柚華の腕は絞ったタオルのように捻れてしまったのだ。

「へっへーん、ざまぁないね~柚ちゃん。勝ったつもりで油断してるからそうなっちゃうんだよ」

起き上がった彩は折れた鼻を手で無理矢理逆方向に持っていき、元の位置に戻しながらあざけ笑った。

「うっ、腕、私の、私の腕があぁぁぁぁッ・・・」

顔面蒼白になり歯をカチカチと鳴らしながら信じたくない光景を目にしていた。今まで強くなるために鍛えてきた己の腕が螺旋を描いて曲がってしまっているのだ。冷静でいられるはずが無い。

「あはは、骨捻り大成功~。まさかこんなに上手く行くとおもわなかったよ」



178:名無しさん@ピンキー
07/06/30 17:30:28 FJv/GM24
白い歯を覗かせながら満面の笑みを浮かべる彩。それは自分が考えた悪戯が成功を収めた子供のようだった。

「・・・・てやる」

震える唇で小さく呟く。



「何か言った~?柚ちゃん?」

柚華の声が聞こえないのか耳を手に当てるジェスチャーをする。

「・・・してやる・・・ろしてやる・・・ころしてやる・・・殺してやる・・・コロシテヤル」

呪租のようにブツブツと呟きながら彩を形容し難い凄まじい形相で睨み付ける。
「いいじゃん別に。たかが腕一本使えなくなっただけでしょう?命に比べたら安いもんじゃん?」


プチンッ

柚華の中で・・・・・全てが壊れた。


「ゔあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!!!!」

殺気の固まりと化した柚華は地を蹴って体ごとぶつかっていく。

「わわっ!!」

彩は柚華の体当たりを受けてバランスを崩し、2、3歩よろめく。

―ドスッ、ドスッ、バシィッ!!


179:名無しさん@ピンキー
07/06/30 17:33:56 FJv/GM24
左の下段回し蹴り二発から右の中段と流れるような蹴りが炸裂する。
バランスを崩していた彩はガードが間に合わずただ受けるしかなかった。

「ぐっ!!」

柚華は脛を押し込むようにして蹴る為、脇腹と太股に鈍い痛みが走る。

何とか堪えてカウンターを狙いたいが、怒りと殺意で完全に理性を解き放った柚華に立ち入る隙は無い。
「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!!」



180:亜佐倉
07/06/30 17:49:19 FJv/GM24
>>168-179までがバトル中盤です。ラストは少し時間を置いてネタを練りますので(汗)少しお時間下さい。


181:名無しさん@ピンキー
07/06/30 19:27:03 v1jhsn7/
すげぇマジ凄ェ!GJ!

182:亜佐倉
07/07/02 03:23:33 VXSKgFv9
少し質問したいんですがこの後の展開で残酷描写入る予定なんですがこのスレの人達的には残酷描写有りの方がいいですか?それとも無しの方がいいですか?

183:名無しさん@ピンキー
07/07/02 03:47:29 kEX4itL6
程にもよりますね
惨殺レベルの残酷だとアレですけど、今までの流れから考えてってレベルなら自分は十分許容範囲内

184:名無しさん@ピンキー
07/07/02 03:49:28 H7F3StUA
程度にもよるけど基本的には有り有りでいいと思う
悪趣味なまでにグロいのは勘弁だが過激にしてこその特化シチュスレだと思うし
なんにしろ今までの文章を読んでみてもそこら辺はバランスを取れる人だと思うので期待させてもらうよ

185:亜佐倉
07/07/02 10:18:35 VXSKgFv9
>>183-184

ご意見ありがとうごさいました。僕自身残酷描写って言うとどうしても猟奇に走ってしまう傾向があるので(滝汗)
そこを踏みとどまって壮絶な内容にしていきます。仕事終わったらちょこちょこっと書いてみますね~


186:亜佐倉
07/07/03 16:52:16 wU7Z6hYj

ラストの中間投下します。残酷描写はあんまり残酷っていう程じゃ無くなりました(笑)



怒りと憎悪で顔を歪めながら柚華は蹴る事を辞めない。ただひたすら目の前の憎むべき敵を倒す為に蹴り続けた。

(ぐっ・・・や、ヤバイ!)
彩は焦っていた。徐々に太股が麻痺してきたと同時に蹴られた脇腹の痛みも自己主張し始めてきたからである。ここを打開しないと脚の骨が折られるか内臓を蹴破られるかは時間の問題だ。
幸い柚華は今までの冷静さを失っており、蹴りの軌道は読みやすくなっている。後はタイミングさえ合えば蹴り足を掴んで動きを止めるか、タックルでテイクダウンを取る事が出来る。

(・・・一か八か!やるしかない!!!)

―グゥオンッ!!

疾風迅雷、正にその言葉が当てはまる中段回し蹴りが彩に襲い掛る。




187:名無しさん@ピンキー
07/07/03 16:54:36 wU7Z6hYj
(今だっ!!)

―ガシィッ!!

彩は柚華の蹴り足を両手で掴み、そのまま抱えるようにして足を封じた。

「ヘヘヘッ・・・そう何回も蹴らせないよ柚華。ボクだって負けたくないもん」
笑みを浮かながらそのまま柚華の軸足を払って倒そうとする。だが・・・

「ハァッ!!!」

蹴り足を拘束されているにも関わらず柚華はそのまま軸足のバネを活かしてジャンプし、体を器用にひねりながら飛び上段回し蹴りを炸裂させた。

―バシンッ!!

鞭で叩いたような音がして、彩の側頭部に蹴りが綺麗に決まった。蹴られたのと同時に被っていた野球帽が吹き飛ぶ。



188:名無しさん@ピンキー
07/07/03 16:56:11 wU7Z6hYj
「・・・・あっ」

栗色の髪が揺れ、彩の膝がガクンッと落ちた。目の焦点が合わなくなり、視界が暗転する。そのショックで掴んでいた脚を離してしまった。

「死ね、下衆女。私の腕をよくも・・・」

崩れ落ちる彩のこめかみにに後ろ回し蹴りを放つ。力の抜けた彩の体は蹴りで吹き飛ばされ宙を舞う。


――ドサッ!!

「ぐあ・・・・あぅ」

固い道路に背中から落ち、くぐもったうめき声を上げて・・・そのままピクリとも動かなくなった。




「・・・あ、彩が負けた」

それまで静観していた。いや、声すら上げれなかったギャラリーの一人がようやく絞り出すようにして声を出した。

「・・・まだよ。まだこの勝負はついてない。この腕の借りを返すまではね!!」

柚華は仰向けに倒れている彩にゆっくりと近付き、足を上げる。


―ドスゥッ!!

そのまま彩の腹部を踏みつけた。

「あぐぅあ!!・・・がふっ!!」



189:名無しさん@ピンキー
07/07/03 16:57:58 wU7Z6hYj
全身を駆け巡る激痛に意識を覚醒させ、彩は目を白黒させながら腹を抑えた。

「目が覚めたかしら?美島彩」

無機質で凍てついた声が耳に木霊する。聞くものを震え上がらせる、そんな声だった。

―ドスッ!!

「ぎゃあっ!!」

顔を踏みつけられ、短い悲鳴を上げる。今度は顔を両手で覆いながら少しでも身を守る為、体を背けた。

―ドガァッ!!

そんな彩の背中をサッカーボールでも蹴るみたいに無造作に蹴り上げる。

「ぐっ!!ゲホッ、グホッ、おぐぇぇぇぇぇぇぇっ!!ゔぇっ!!」

今まで蹴られ続けて蓄積されたダメージが一気に押し寄せてきたのか今度は胃液では無く血を吐き出した。恐らく内臓器官に支障をきたしたのだろう。アスファルトの上に吐血した後が生々しく残る。


「ねぇ彩、痛い?苦しい?でもね・・・・私が味わった痛みに比べたら生ぬるいものよっ!!!」

彩の髪を掴み、引きずり起こすと同時に鉤突きと呼ばれるボディフックで脇腹を殴る。

―ボキィッ!!

「がぁぁぁぁぁぁっ!!」

殴られた衝撃で肋骨が叩き折れ、彩は目を見開いて獣のような声を上げた。しかし、それでも柚華は攻撃を辞めようとはしない。


190:名無しさん@ピンキー
07/07/03 17:00:32 wU7Z6hYj
再び髪を掴むと上体を引き倒し、顔面に膝蹴りを放つ。

―ドゴォッ!!

口に固い膝頭が当たった為、前歯が三本折れ、口からボタボタと血を流した。

「もう一発!!」

今度は額に膝蹴りを当て、額がパックリと割れてペンキを被ったかのように顔を真っ赤な鮮血で汚していく。


191:名無しさん@ピンキー
07/07/03 17:01:54 wU7Z6hYj
続けざまに五、六発膝蹴りを喰らった彩の顔はバスケットボールのようにパンパンに腫れ上がり、整っていた顔は原型を留めないほど酷い有り様になっていた。何一つ抵抗出来ず既にサンドバックと化している。

「・・・フン、さっきまでの威勢は何処に行ったのよ?」

柚華は苛立つ気持ちを隠す事無く、彩の体を片手で軽々と持ち上げるとコンクリートの壁に投げつける。

ダメージが深刻な為に受け身すら取れない彩は壁に頭から突っ込んで地面に落ちると再び糸の切れた人形のように動かなくなってしまった。ドクドクと額から流れる血はすぐに赤い水溜まりを作っていく。



192:名無しさん@ピンキー
07/07/03 17:04:49 wU7Z6hYj
「まだ腕の恨みに比べたら安いもんだけど、まぁ結構スッキリしたわ」

熱くなった頭を冷やす為にフゥッと一息付いて顔に流れる汗を手の甲で拭った。
取り巻き達は新たな挑戦者が勝ったという事実に唖然としていた。それまで20戦連続KO勝ちを誇っていた少女は四肢を投げ出し、頭から血を流して倒れているのである。

「まさかこんな喧嘩屋風情に大切な腕を壊されるなんて・・・末代までの恥晒しよ!!」

忌々しく舌打ちすると捻れて変形した腕を摩りながら気絶している彩に憎しみの視線を向けた。冷静さは取り戻したもののやはり腹の虫が収まらない。




「こわっ、・・・される・・・か・・・くご・・・もない、・・・や・・・つが・・・たたか・・うな・・・・」

「!!」

彩は両手を地面につき、混濁した意識のなか、力を振り絞って立ち上がろうとしていた。

――――――
以上がラストの中間です。結構苦しかったorz

193:名無しさん@ピンキー
07/07/03 18:38:43 J4KGBfF4
いいよいいよ!GJ!
なんか投下時刻を見てみるに生活が凄い事になっているような気もするが
夜勤とかしてる人?
身体には気をつけろよ

194:亜佐倉
07/07/03 22:16:02 wU7Z6hYj
5勤2休で昼勤・夜勤をやってます。生活のリズムがすぐ狂うのが大変ッス(苦笑)

195:名無しさん@ピンキー
07/07/07 05:28:40 gOIAuySu
分かるwwwww

196:亜佐倉
07/07/07 15:37:37 P5TaXO6G
「まだやる気なの?いい加減自分の負けを認めなさいよ」

柚華は理解出来ないという表情で彩を見下ろす。
最早勝負は目に見えているのにも関わらず彩の愚直なまでに闘う姿勢に呆れるしかなかった。

「言った・・・はず・・・だよ。負ける訳には・・・いかないってね」


汗と血を含んで重くなったスカジャンを脱ぎ捨て、彩は再び構えを取る。全身を痛みで支配されて満足に動けないがそれでも歯を食いしばり柚華と対峙した。
前歯が折れている為に息を吐くとヒュー、ヒューという風が抜けるような音がする。


「・・・分かったわ。楽にしてあげる。その根性と馬鹿さ加減に免じてね」

―最早この女に何を言っても無駄。ならさっさと倒すしか無い!!

柚華は一歩踏み込み、彩の顎目がけて上段正拳突きを放つ。

「ッ!!」

彩は腰を落として身を屈め、上段突きを紙一重でかわすと同時に脱力して柚華の口に手を伸ばす。

「えっ?」

一瞬伸びてきた手が何なのかさえ分からず小さく開いた口に彩の指が侵入してきた。

「ボク自慢のファニーフェイスをこんなボコボコにしたオ・カ・エ・シ」





197:名無しさん@ピンキー
07/07/07 15:39:55 P5TaXO6G
残忍な笑みを向け、彩は指を下の歯に掛けて力任せに思いっ切り引っ張る。

――ガゴンッ!!

「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


引っ張られた柚華の顎は完全に外れ、口がだらんと開きっぱなしになってしまった。唾を呑み込む事すら出来ずに涎がしどどに溢れて空手着に垂れていく。


「そろそろケリ付けていいよね?柚ちゃんこのままじゃ可哀想だし・・・必殺技行っちゃおっと」


彩は背後に回って柚華の両腕を交差させながら掴んで固定する。

「は、はに!?はんなのっ!?」

顎が外れている為まともには喋れず、聞き取りずらい言葉を発する。

柚華は暴れだして何とか彩を引き離そうとするが、両腕を拘束され、体も密着状態にある為不可能だった。
「じゃあ美島彩、超必殺技いっきーす。はあぁぁぁぁぁっ!!!」



198:名無しさん@ピンキー
07/07/07 15:41:31 P5TaXO6G
そのまま肩車の要領で持ち上げると後方にブリッチしながら弧を描くようにスープレックスを決める。

かつて女子プロの豊田真奈美が生み出したオリジナルホールド、ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスだ。

両腕を拘束されている為に柚華は受け身を取る事すら出来ず、地上から空へと移り行くのを視界で捉えながら固いアスファルトに脳天を叩き付けられた。

「げぇへぁっ!!」

断末魔の悲鳴を上げて柚華は白眼を剥いて昏倒した。


199:名無しさん@ピンキー
07/07/07 15:43:43 P5TaXO6G




「うぅ・・・・はぁー・・・・はぁ、はぁ・・・・・さすがにもう立てないでしょう」

ブリッチ状態で十秒程ホールドした彩はゆっくりと体を離して起き上がる。
柚華は仰向けに倒れこみ、チョロチョロと小水を垂れ流して失神している。


「あ、彩・・・勝ったのか?つーかそいつ死んでないか?」

ギャラリーの一人がまた声を絞り出しながら彩に恐る恐る声を掛ける。

「え?・・・・まぁ加減はしたし大丈夫でしょ?念のため救急車呼んどいて・・・・あぅ」

そう言った瞬間張り詰めていたものがぷっつりと切れ、彩はその場に崩れ落ちた。

「お、おい!?彩!彩!!」
自分への呼び掛けの声をどこか遠くで聞きながら彩の意識は消えていった。






200:亜佐倉
07/07/07 15:47:57 P5TaXO6G
バトルはここまでで終了です。ちょっと強引すぎたな・・・・次エピローグに入って締めです

201:名無しさん@ピンキー
07/07/07 17:56:59 as4ssuFo
Σ('Д`;)
スゲェ

202:名無しさん@ピンキー
07/07/07 18:24:05 gOIAuySu
GJ!まさに壮絶なバトルだったな…
グロくなるとか言ってたからてっきり修羅の門ばりに目に指突っ込むぐらいまでいくかとドキドキしてたがこれくらいならちょうど良かった


203:亜佐倉
07/07/07 19:56:03 P5TaXO6G
当初はそういう風に目をえぐったり腕がもげたりとかも考えていたんですが、さすがに見てくれる人がドン引きしたらマズイな~と思ってボツにしました(笑)



204:亜佐倉
07/07/07 21:24:39 P5TaXO6G
最後にエピローグ投下します。バトルでは無く、一応締めという意味で

―エピローグ

激闘の末、何とか勝利をもぎ取った彩だったがその後は意識を失い、柚華共々病院へと搬送された。




病院に入院患者や面会に来ている人々が行き来している中、リノリウムの床をヒョコヒョコと不恰好に歩いている彩がいた。しかし、いつもの笑みは無く、泣き出しそうな情けない表情をだった。

205:亜佐倉
07/07/07 21:26:17 P5TaXO6G
二周間経った今でも傷は完全に癒えてはおらず、歩くだけでも爪先から頭の天辺にまで神経を逆撫でするような痛みが走る。

入院患者用の寝間着を身に纏い、額には包帯を巻き、顔は湿布とガーゼで隠れて殆んど目と鼻と口しか見えない状態で、折れた肋骨がくっついていないのか腰にはコルセットを巻いていた。


206:名無しさん@ピンキー
07/07/07 21:27:22 P5TaXO6G
闘いの時ならいざ知らず、日常では彩は何処にでもいる普通の15歳の少女と何ら変わりないのだ。激痛に耐えろと言うのが無理な話である。

本来なら絶対安静を言い渡され、ベッドで寝ていなければならない彩が自分の体に鞭打って歩いている理由は至って単純だった。

自分と同じく絶対安静である柚華の病室へと目指しているのだが、亀の如き歩みな為かなり時間が掛っている。三歩進んでは一息付き、また三歩進んでは一息付く。こんな状態が続き、病室に着く頃には日が傾き掛けていた。



207:名無しさん@ピンキー
07/07/07 21:28:47 P5TaXO6G
―415号室 高寺柚華

そう書かれていたプレートを発見すると彩は達成感に満ちた表情を見せている。

「ここかぁ・・・しんどかったよぉ」

だが、深呼吸すると悲壮な表情はそこで辞め、気を引き締めるとスライド式のドアをそっと開け、ベッドで横たわり本を読んでいる人物に近付いた。


「やっほ~柚ちゃん元気~?・・・痛っ!!」


にぱっと陽光のように明るい笑みを見せるが、顔面に激痛が走り、すぐさま顔をしかめた。

「何が元気~?よ、その程度の傷で痛がって・・・・・あぐぅっ!!」

柚華は呆れたように相変わらずの憎まれ口を叩くが彩と同じように激痛に声をあげ、眉間に皺を寄せる。

「ゆ、柚ちゃんだって偉そうな事言ってる割に瀕死じゃんか、そのままぽっくり逝かないでよね。眠目覚めが悪いから・・・ぎゃあっ!!!」

「フンッ、この程度・・・蚊に刺された方がまだ痛いわよ・・・ギィィッ!!痛い痛い痛い痛いッ!!」

「アハハハ、蚊に刺されるより痛がってるじゃん。もう~痩せ我慢しないの・・・ひぎぃぃぃぃぃっ!!」



208:名無しさん@ピンキー
07/07/07 21:30:14 P5TaXO6G

「う、うるさい!この色気皆無のチビッ!!っていうか柚ちゃんって呼ぶな!!大体何でコンクリートの壁に頭ぶつけて生きてんのよ?・・・がぎゃあぁぁぁっ!!」

「へっへーん、人より丈夫に出来てるんだよ~柚ちゃんこそ手加減してスープレックス決めてあげたのに一週間生死の境さまよっちゃって・・・っていうか誰がチビだ!この空手バカホームレスッ!!不潔女!!」
「あんなもんアスファルトで喰らったら普通の人間死んでるわよ!!少しは考えなさい!!この小便臭い未痛娘!!」

「人が一番気にしてる事を~~!!小便漏らし!梅毒持ち!ついでに脱糞しとけ!!」

「なんですってーーー!!」
――――――
聞くに堪えない罵詈雑言の嵐でお互い痛みを忘れて髪やら胸ぐらに掴みかかっていた。

「静かにして下さい!!ここは病院ですよ!!」

騒ぎを聞き付けた看護婦が金切り声を上げて二人を叱咤する。

「すいません・・・・」

冷静になり、お互い身を縮込めて陳謝する。

「全く・・・美島さんも早く自分の病室に戻って下さい!高寺さんは貴方より重症患者なんですよ!!」

「は~い」


209:名無しさん@ピンキー
07/07/07 21:32:30 P5TaXO6G
看護婦はブツブツと文句を言いながら病室から立ち去っていく。

「・・・ところでさ、腕の方どうなったの?」

ふと思い出したように柚華の腕を見てみる。

「・・・さすがに医者もこれは治すの不可能って言ってたわ」

柚華は布団から腕をゆっくり出して彩に見せる。彩が捻った腕はそのままで、手の甲が内側に向いて螺旋状に捻れていたままだった。

「そっか・・・恨んでるよね、ボクの事」

そう言ってうつ向き、彩は顔を曇らせる。

「馬鹿・・・第一恨んでたらあなたと話してもいないし顔も見たくないわよ」

「え?」

「それに・・・これは本音だけど、あなたと闘ってた時、言葉で表せない位楽しかったの。久しぶりに本気で闘えて・・・拳を交えた時、どうしようも無い位嬉しかったのよ」

「柚ちゃん・・・」

「また闘いましょう、彩」

そう言って柚華は静かに微笑む。それは怒りも怨恨も無い、優しく何一つ曇りない清々しい笑みだった。

「・・・うん!!あ、そうだ柚ちゃん」

「ん?何よ?」

「ちょっと腕出して。捻れてる方」

「?」

首を傾げながらも柚華は捻れて変色した腕を出す。 その腕を両手でゆっくり掴み、静かに逆方向に捻る。

210:名無しさん@ピンキー
07/07/07 21:33:40 P5TaXO6G
「ちょっと痛いけど我慢してね・・・・フンッ!!」
―ゴクリュッ!!

「~~~~~~~ッ!!!」
声にならない叫びを上げて柚華は目を見開いた。
暴れだしたい位の痛みが腕に走るが、そうすると体中に激痛が走る為、泣く泣く大人しくするしかなかった。

「よし、これでOK」

彩は一仕事終えたかのように爽やかな笑みを浮かべた。

「何すんのよこの馬鹿!!」
柚華は腕を押さえながら歯を剥き出しにして彩に向かって叫ぶ。

「ゴメンゴメン、でもこれで腕は元に戻ったよ」

「え?」

疑いながら腕を見てみると捻れて変形していたのが綺麗に戻っていた。柚華は目をこらし、色々な角度から見てみるがやはり元の一直線の腕だ。

「一ヶ月位は動かすだけで痛むけどそれを越えれば普通に動かせるようになるから大丈夫だよ」

「彩・・・」

「これでまた全力で闘えるね。次も失神KOさせてあげるよ・・・イテテ」

再び笑顔を試みるが、やはり痛いのか、表情が歪む

「・・・お人好し。闘ってた時とは別人ね」



211:名無しさん@ピンキー
07/07/07 21:35:41 P5TaXO6G
小さく笑って揶愉するが、それでも柚華は嬉しそうだった。

「へへッ・・・次は秒殺だから覚悟しといた方がいいよ~」

静かに拳を突き出す彩。

「何言ってるのよ、次に勝つのは私、その辺は覚えておきなさい」

それに応えるように拳を出してコツッと突き当てる柚華。

「・・・アハハッ」

「・・・フフッ」

燃えるような真っ赤な夕日がカーテン越しに病室に差し込み、二人の笑顔をいつまでも照らしていた。

END



212:亜佐倉
07/07/07 21:39:17 P5TaXO6G
以上で僕のSSは終わりです。読んでいただいた方、改めてお礼を言いたいと思います。ありがとうございました。

213:名無しさん@ピンキー
07/07/07 22:13:10 as4ssuFo
GJとしか言えないな!?

214:名無しさん@ピンキー
07/07/08 01:58:03 PgGNOcsY
うむ、亜佐倉殿は良い仕事を成された。
GJでござる!

展開上、以前質問していた「残酷描写」はもっと加えても良かったかなと思う。
不用意な返答で亜佐倉殿に枷をつけたと思うと、反省せざるを得ない。

215:亜佐倉
07/07/08 01:58:16 sttC0PF6
>>208

×未痛娘

○未通娘

間違えたorz


216:亜佐倉
07/07/09 02:50:42 gWf6KVMs
枷では無いですよ。意見を頂いた上でどういう展開にするか、どういう描写がいいかと考えるのが楽しかったですし、何よりGJや意見、批評等は僕にとっての一番の活力ですので、その辺は気にしないで下さい。


217:名無しさん@ピンキー
07/07/09 05:03:14 ySG2s/bt
ちょwww良い人過ぎ

218:亜佐倉
07/07/10 21:55:17 BwPT12Do
まぁ・・・性分なんでしょうね(笑)

ところで僕前スレ見てなかったんですが前は何人位職人さんいたんでしょうか?

やっぱり一人だけだと寂しいです(´・ω・)



219:地下
07/07/11 20:49:29 eIOB7i9u
>>218
GJ!!っす

前スレは、始まってから落ちるまでの期間が長かったせいもあって、沢山の人が入れかわり・・・って感じでしたね。

220:亜佐倉
07/07/14 13:10:15 hMBUNhUk
入れ替わりですか・・・・壮絶なバトルってなるとやっぱり職人さんも書くのに悩んでしまうんですかね?個人的にはガチンコ通じて芽生える女の友情とかが結構好きなんですが。




221:名無しさん@ピンキー
07/07/14 19:35:11 IhpBkoCr
ドミネ好きな自分としては完全にボコってほしい。
その後「ごめんね、やりすぎた(チュッ!)」ってのはアリかもしんないw

222:名無しさん@ピンキー
07/07/14 20:41:42 qeaSbHSn
ガチンコかました後に芽生えるのはいいけど、途中で芽生えられるとヌルい気がして仕方ない

223:名無しさん@ピンキー
07/07/14 21:59:31 3UbjWOEA
糞スレ廃止しろ!

224:名無しさん@ピンキー
07/07/19 17:40:17 uCfLSw93
あげるよ

225:亜佐倉
07/07/20 13:19:47 FA9lTXwW
>>221 >完全にボコって欲しい。
実はさっき一方的にボコるというネタ少し思い付きました。また彩を主役にして書いてみようかと思います。
・・・時間掛りますがorz

>>222
確かにガチンコ途中で友情芽生えた日には「えーーーーーー!!!」ってなりますね。出来ればバトル中はお互いブチキレモードであって欲しいです(笑)



226:名無しさん@ピンキー
07/07/20 20:47:38 2aswJRVB
>>225
期待して待ってますよ(・∀・)

227:221
07/07/21 02:41:30 uEZTQX0x
>>225
それはそれは!お待ち申し上げておりますです。
妥協するくらいなら時間は掛かっていいよ。


228:亜佐倉
07/07/23 06:25:32 +aEVApaH
ひとまず序章が書けましたので投下します。

※諸注意
あくまで序章のため、まだバトル描写はありません。

229:HORNET 序章
07/07/23 06:46:39 +aEVApaH
まだ陽も出ておらず、辺りが薄暗い早朝の市街地、
ひっそりと身を潜めるかのように建っている廃墟ビルがある。
このビルはかつてオフィスとして使われていたらしく、書類と思われる紙クズがあちこちに散乱し、キャスターや背もたれを失った椅子が転がり、壁も床も所々剥がれていて、
鉄筋コンクリートが剥き出しだった。買い取る人間もいない限りこのビルは廃れていく一方だろう。
「986・・・987・・・988・・・・ハァ・・・ハァ・・・・・ハァ・・・989・・・990」  





そんなビルの一室で栗色髪の少女、美島彩はTシャツにスパッツというラフな
格好で全身汗みどろになりながら屈伸運動を行っていた。
荒い息を吐きつつ全身を震わせ、額から頬にかけて滝のように流れ落ちる雫を拭う事無くひたすらトレーニングに没頭していた。
スクワット1000回。これが彩の毎朝の日課である。




高寺柚華との激闘から二ヶ月、結果的に勝利したものの顔はボコボコ、肋骨と前歯は折られて全身痣だらけという満身創痍で病院送りになった。
生まれ持った驚異的な回復力によって何とか傷は癒えたが、
彩には満足の行かない闘いだった。しかし、得たものもある。
自分の未熟さを痛感した事、また一つ強くなれたという喜び、そしてかけがえのない戦友と出会えた事、
自分が成長を遂げていくのを実感出来る事が彩には嬉しかった。そして柚華といつの日かまた闘おうと約束していた。
今度こそ完膚なきまでに柚華を倒すという目標を胸に、彩は普段よりも過酷なトレーニングを自らに課していた。

230:名無しさん@ピンキー
07/07/23 07:00:25 +aEVApaH
ダンプのタイヤを体にくくり付けて20㎞のロードワーク、二本指で逆立ちして階段の登り下り、5分間10ラウンドのサンドバック打ち、
そしてどんなパンチや蹴りにも耐えられる腹を作る為、知り合いのバッティングセンターに無理を言ってピッチングマシーンから放たれる時速110㎞のボールを腹で受け止める等・・・下手をすれば命にも関わりかねない狂ったような
メニューを彩は苦痛に耐えながらも休む事無く毎日行っていた。

時には余りの苛烈さに昏倒したり赤子のように声を上げて泣き出す事もあった。肉体も精神も発育途中である15歳の少女にはこのトレーニングは酷としか言い様が無い。
だが、彩は辞めなかった。どれだけ音を上げても投げ出すような事はせず、更なる強さを手に入れる為、己に鞭打って体を鍛え上げ続けたのだ。

今やっているスクワットも普段の奴とは違い、
より負荷を掛ける為に、爪先立ちで行っているのだ。「ハァ・・・ハァ・・・996・・・997、998、999・・・ハァ・・・ハァ・・・・せ、んっ!!!・・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!ハァ・・・ハァ・・・ノルマ達成~」

231:名無しさん@ピンキー
07/07/23 07:03:40 +aEVApaH
最後の一回をこなすと同時に奇声をビル全体に響かせ、コンクリート剥き出しの床に大の字になって倒れこむ。苦しみから解放された彩は四肢を投げ出し、
少しでも多くの酸素を体に取り入れようと口を開けて必死に呼吸している。
吸っては吐き、吸っては吐きを繰り返して息を整え、顔に張り付いた髪を邪魔臭そうに剥がす。
若干息の乱れが無くなってきた彩は漆黒の天井を見つめながら静かに、だが、沸々と燃え上がっている自分の中で感情を抑えられないでいる。
――もっと、もっと強くなりたい。柚ちゃん、柚華を叩きのめす為に! 

グゥ~

232:名無しさん@ピンキー
07/07/23 07:07:57 +aEVApaH
そんな決意を嘲笑うかのように珍妙な音が廃墟に木霊した。彩の腹の音である。寝起きから何も口にしていない状態でトレーニングを行っていた為に、空腹も臨界点を既に突破している。
「・・・とりあえず、御飯食べよう。もう限界」

生理現象とはいえ、作り上げたシリアスな雰囲気を簡単に打ち壊してくれた自分の体に苦笑しながら彩はゆっくりと起き上がった。

「フンフフッフ~ン、ゴーハン、ごっ飯~御飯は英語で~・・・何だっけ?」

意味不明な鼻唄を口ずさみながら無造作に置かれていた肩掛けのザックに手を入れ、ゴソゴソと漁る。
ザックから出てきたのは手の平大のボンレスハムと卵が12個入ったパック、そしてビールジョッキだった。
「いっただっきまーす」

いつもの無邪気な笑みで両手を合わせるや否や、早速ハムにかじりつく。口腔に肉片を頬張りながらじっくりと吟味する。ハムを喉に通した後はジョッキの口に卵を打ち付け、殻を割ると中身を次々とジョッキに入れていく。やがて全ての卵が注がれたジョッキを手に持つ。


233:名無しさん@ピンキー
07/07/23 07:13:48 +aEVApaH
「じゃあ美島彩。早速一気に行っちゃいまーす。飲~んで飲んで飲んで、飲~んで飲んで飲んで、飲~んで飲んで飲んで、飲んで♪」

無人の、しかも早朝の廃ビルで少女が一人コールを切りながら卵黄が並々と入ったジョッキを一気にアオる光景は端から見ればかなりシュールだった。しかし、そんな事どうでもいいとしか考えてない本人は嬉々として喉を鳴らしながら卵黄を飲み下していく。

「ングッ・・・ングッ・・・んっ・・・プッハ~・・・不味ッ、でもごちそうさまでした」

舌を出してオェッという仕草をした後、手を合わせて片付けをし、ザックを掴んで立ち上がった。ここでのスクワットが終わった後、タイヤを引きづりながらロードワークで帰宅、そして家路に着くと学校に行く支度をして家を出る。これが美島彩の朝のスケジュールだ。

「さてと、行きますか」

フゥッと息を吐き、彩は小走りでビルを後にする。

234:亜佐倉
07/07/23 07:22:08 +aEVApaH
以上です。バトルを期待して下さった方には申し訳ありませんが、バトルまでの過程と彩の側面を書きたかったので序章から始めてみました。
そして文字列が変な風になってしまってすいません。次から気を付けます

235:名無しさん@ピンキー
07/07/24 12:49:16 NcGq61w2
>>234乙&GJ!
一方的にフルボッコする(される?)彩に期待してます。

236:名無しさん@ピンキー
07/07/25 18:23:12 rGgst4mM
いいね!第一章を楽しみにしてますよ。GJ

237:HORNET 第一章
07/07/26 22:17:30 XD7f81GG
こんばんは、亜佐倉です。第一章が書けましたので投下します。




―私立三笠ノ宮学園。
関東平野の高丘に位置するこの学園は、森林に囲まれた静かな場所にある規模の小さい女子校だ。
社会に出ても恥じる事無い淑女の育成を校風としている為、学業は勿論の事、礼儀作法においても厳しく指導している、いわゆるお嬢様学校である。
「くか~・・・しゅるる~・・・・すぴ~」
四時間目の授業中、典型的な寝息を立てながら彩は机に突っ伏していた。




大口を開け、鼻提灯を作りながらヨダレ垂らして熟睡している姿は可愛さを通り越して間抜け面そのものだった。彩のクラス、1年3組の教室には今、教師が黒板にチョークを走らせる音も生徒達のひそひそと雑談する声も聞こえない。聞こえるのは彩のイビキだけだ。

238:名無しさん@ピンキー
07/07/26 22:34:23 XD7f81GG
「・・・美島さん」
そんな彩の前に今年32歳になる英語教師、谷中恵子(やなかけいこ)が腕組みをしながら仁王立ちで立っていた。心なしか眉間にはくっきりと青筋が浮かんでいる。
「くぉ~・・・しゅるぴぴ~・・・ふぇ?今誰か呼んだ?」
夢の世界から現実に引き戻された彩は寝惚け眼で顔を上げる。そして2、3秒程硬直。
「・・・あぁ、谷中先生、おはようございまっす」
「おはよう。美島さん、随分とお疲れみたいだけど、昨日は相当勉強に力を入れてたのかしら?」
「あ・・・はい!そりゃあもちろん寝る間も惜しんで猛勉強してました!握っていたシャーペンが砕け、ノートが筆圧に耐えきれず引き裂かれる程に!!」
「そう・・・なら、この文章の訳、出来ますよね?」恵子は彩の意味不明な言い訳に耳を傾けた後、地を這うような低い声を出しながら黒板に書かれた英文章を指差す。
「えーっと・・・・」
早朝トレーニングの時とは明らかに違う汗を額に浮かべ、黒板とにらめっこしている。
「あっ、分かった!えっと・・・“彼女が見た夢は、四ん這いで首都高を駆け巡る髪の長い女性がドリフトを決めた夢です”だ!これで正解でしょ?ね?先生!」

次の瞬間、思いきり振り下ろされた教科書が彩の脳天を直撃した事は言うまでもない。無論、角が。



「ッ痛~~・・・あんの鬼ババァ!何も角で殴る事無いだろうが!!」
昼休み、先程受けた一撃の痛みと怒りが収まらず、綺麗な栗色髪をクシャクシャと掻きむしりながら彩は教室で吠えていた。


この場合、言わずもがな非があるのは彩の方なのだが、本人が悪びれている様子は全く無く、寧ろ“寝ている人間を起こして問題をやらせるなんて卑怯者のやる事だ!”としか考えてない。
とことん性質の悪い女である。

239:名無しさん@ピンキー
07/07/26 22:39:21 XD7f81GG
そんな彩をクラスメイト達は脅えた目で見るか、軽蔑の眼差しで見ている。温室育ちのお嬢様達にとって彩という少女は異端な存在だった。
恥じらう事なく、慎ましさを知らず。平気で廊下を走り回るというのは日常茶飯事で、さっきの授業で披露した爆睡もこれが初めてでは無い。それ故に彩は校内で問題児というレッテルを貼られている。

「でも良かったじゃありませんか。彩ちゃん、只でさえ先生や生徒会から目を付けられているんですから、それだけで済んだのは谷中先生の寛大な処置と思いませんと」
そんな彩の隣でひどくゆっくりとした言動の少女がヒステリー全開の彩をたしなめる。
「でもさ、友美!いくら何でも角は無いでしょうが、角は!頭ヘコんだらどーすんだっての!全く・・・この学校はどうしてボクの自由まで奪うんだ!!」


身勝手極まりない言葉を吐いて隣の少女、桐生友美に八つ当たりする。
友美はクラスで浮いている彩にとって、唯一の友達だった。身長は彩と同じ位で、切り揃えられたボブカットの髪型にパッチリと開いた目、小さな口と蝋のように白い肌、その容姿はまるで日本人形のようだった。


「フフフ・・・でも確かによく眠っていましたね。今朝もトレーニングしていたんですか?」
口元を手で抑えて小さく笑う。その姿は嫌味さというものが全く無い無垢な笑みだった。
「まぁね、また闘いたい相手が出来たし。勝ちはしたけど、何つーか痛み分けの闘いだったよ」
彩は自分がストリートファイトをやっている事を友美にだけ打ち明けている。
こんな話をすれば大抵白い目で見られるので他の人間には話してはいないが、友美は彩の喧嘩話を聞くのが好きらしく、いつも興味深そうに耳を傾けている。

240:名無しさん@ピンキー
07/07/26 22:53:51 XD7f81GG
「また闘いたい相手・・・ですか?」
「うん。ボクにとって戦友なんだ。蹴りや突きは一発一発重いし、片手で投げ飛ばされたりね。コンクリの壁に頭ぶつけた時は正直ヤバかったよ」
「打撃系の格闘技か何かをやってらっしゃる方なのですか?」
「うん、空手だよ。名前は高寺柚華。最初会った時は人を小馬鹿にしたような態度がイラッと来る奴だったけどね」
「高寺柚華って・・・えぇっ!それ本当ですか!?彩ちゃん!?」
友美は大きな目を更に大きく見開いて驚愕し、身を乗り出すようにして彩に詰め寄る。
「ちょっ・・・ど、どうしたの友美!?」


241:名無しさん@ピンキー
07/07/26 23:28:33 XD7f81GG
「高寺柚華といえばフルコンタクト空手の本家、極東会館の全日本大会を2年連続制覇した強豪です!!
16歳という若さで指導員に任命、同年全日本初出場でベスト8入り、翌年には見事優勝したんです!身長165cm、体重58kg、スリーサイズは上から89、ごじゅうさ・・・」
「ま、待った!友美ストップ、ストップ!!」


先程までとは打って変わり、饒舌になって熱く語る友美を必死に押さえる。
友美は自他共に認める格闘技マニアで、古今東西のあらゆる格闘技の知識に精通している。

242:名無しさん@ピンキー
07/07/26 23:33:29 XD7f81GG
「そ、そんなに有名だったんだ・・・柚華って」
「有名も有名!超有名ですよ!!高寺柚華に憧れて極東に入門する女性も後を絶たないんですから!でも・・・・・」
「ん?どしたの?」
「高寺柚華は常に実戦においての空手、つまり喧嘩空手の確立を理想としていました。しかし、大会で勝てる為だけの稽古しかしない極東を“競技空手”と批判し、昨年4月、来たるべき世界大会に出場しないまま極東を離れました」
「・・・・・」

「その後の消息は知れず、風の噂では山に篭って空手の修行をしているとか」
(あぁ、山篭りしてたんならあのホームレスみたいな格好も納得出来るなぁ)
表情に陰りを見せながら語る友美に対し、彩は柚華の着ていたボロボロの空手着を思い出していた。

「でも、そんな高寺柚華に勝った彩ちゃんは凄いです!」
「凄くなんか無いよ、本当にギリギリの勝負だったしね。もし、あれが空手の試合だったらボクは三秒と立ってられなかった」
かぶりを振ってやんわりと友美の賛辞を否定する。謙遜ではなく、それが彩の本音だった。
「フフフ・・・何だかんだ言いながら相手の強さをしっかり認める。そこが彩ちゃんの良い所ですね」
「馬鹿な事言ってないの。早く御飯食べないとお昼休み終わっちゃうよ」
そう言いながら彩は購買で買ってきたコロッケパンを口に運ぶ。友美も思い出したように自分の弁当を箸でつつき始めた。
「・・・おい、アンタが美島彩か?」
彩達が昼食を再開したその時、一人の女生徒が彩に話し掛けてきた。

243:亜佐倉
07/07/26 23:47:20 XD7f81GG
以上です。今回もバトル無くて申し訳無いっス。


244:名無しさん@ピンキー
07/07/27 03:06:25 U42D/oRm
>>241 ※一部訂正 友美が柚華について語るセリフ

「高寺柚華といえばフルコンタクト空手の本家本元、極東会館の日本ウェイト制、そして全日本大会を2年連続制覇した強豪です!!5歳のとき極東会館に入門、12歳の時に黒帯を取得して若干15歳という若さで指導員に任命、
同年全日本初出場でベスト8入りして翌年には見事優勝を飾ったんです!それ故に周りからは“極東の戦乙女”と呼ばれています!
身長165cm、体重58kg(本人談)好きな食べ物はすりおろしにんにくを山盛りに乗せた焼き肉と納豆
趣味は読書とガーデニング、そしてスリーサイズは上から89、ごじゅうさ・・・」
「ちょっ・・・友美ストップ、ストップ!!」

245:名無しさん@ピンキー
07/07/27 22:29:23 q+8vxwfG
>>243乙&GJ。
友美物知り過ぎてワロスw
お前は雷電かw

246:名無しさん@ピンキー
07/07/28 15:48:29 kgTP9Uxy
おおっと!新たな敵の登場の?
柚との再戦の前にボコられちゃったりして…
兎にも角にも嵐の予感だな



それにしても彩…身体鍛えてるなら食事は腹持ちの良い米だろ

247:亜佐倉
07/07/31 01:26:30 Oi7qCuFS
HORNET第2章


「おい、アンタが美島彩か?」
「ふぇ?ふぉく?」
コロッケパンをくわえたままキョトンとした顔で話し掛けてきた女生徒に顔を向ける。見た事無い生徒だった。170cm位の身長でスレンダーな体型、短く切った髪は所々外側にハネており、ネコ科動物を彷彿させるツリ目はいかにも気の強さを現す象徴だった。

―どこかで会ったっけ?っていうか何でボクの名前知ってるんだろ?と、首を傾げて思案するがこの女生徒の顔を思い出す事が出来ない。
「えっと・・・友美、誰だか分かる?この人?」
考えあぐねた彩は友美の方に振り向く。
「彩ちゃん・・・本当に知らないんですか?」
驚きを隠そうともせず、友美は唖然としながら彩の顔をまじまじと見る。
「んな事言ったって知らないもんは知らないもん。誰なの?この痴女系AVに出てきそうな顔してる人?」
「その表現はどうかと・・・誰って、3年生で生徒会副会長の五條楓(ごじょうかえで)先輩ですよ」
「・・・・知らない」
「彩ちゃん・・・本当にこの学園の生徒ですか?」
「そだよ」
「入学式の時に生徒会役員の紹介あったじゃないですか」
「ゴメン、入学式の時バッチリ寝てた」
「え?目・・・開いてましたよね?」
「目ぇ開けて寝てたよ」
「・・・・・・」
「ついでに言うと寝息も立てないようにして寝てた」
「・・・彩ちゃん、それ物凄い才能の無駄遣いです」筆でスッと書いたような綺麗な眉をハの字にし、友美は困ったような呆れたような表情を浮かべる。

「・・・おい」
放置された挙げ句、凄まじく侮辱されて苛立った女生徒、五條楓は腹に力を入れてハスキーな声をより低くする。
「あ、あぁ!すいません。えっと~はい、ボク・・・じゃなかった。私が美島彩です。副会長の五條先輩が私に何か御用でしょうか?」
楓の機嫌を損ねて面倒事を起こしたくない(既に損ねているが)彩は慌ててキチンとした態度を取り繕ろう。
「・・・まぁいい。ところで美島、アンタの噂はよく聞いてるよ。この学園じゃ有名人だからな」
憤りをため息に変えて吐き出した後、彩を見下ろしながらジロリと睨み付ける。「いえ、それほどでもありませんよ。私、結構地味な存在ですから」
楓の鋭い眼光を物ともせず、照れ笑いを浮かべながらいえいえと否定する。
「立派な有名人だよ。授業中の居眠り、遅刻に無断欠席、昼休み以外の時間に飲食、この学園の品位を著しく傷付ける言動は目に余る」
「うぐっ・・・」
「今の所会長からは暖かい目で見守ってやれっていう指示が出てるけど・・・・いい加減オレにだって限度ってものがある」
「はぁ・・・」

248:名無しさん@ピンキー
07/07/31 01:31:02 Oi7qCuFS
嘸然とした表情で鬱憤を吐き出す楓に対し、彩は楓の顔を観察しながらただ生返事を返すだけで、頭の中では別の事を考えていた。
(あぁ、やっぱりこの人AV女優の浅川蘭に似てるなぁ・・・)
「・・・放課後、第2体育館に来い。いつまでも態度を改正する見込みが無いお前に制裁を加えてやる」
「ふぇ?せーさい・・・ですか?」
「そうだ。聞いた所によると美島、アンタいつも喧嘩してるんだってな?これ以上校外で暴れられてもオレ達生徒会にはいい迷惑だからな。オレが喧嘩・・・いや、スパーリングに付き合ってやるよ。一応こう見えてもキックボクシングの心得はあるからな」






唇の端を吊り上げてニヤッっと笑いながら楓は彩の鼻先に拳を突き付ける。
「ハァ・・・生徒会の副会長さんが直々にお出向いて何を言い出すのかと思えば」
喧嘩―そう聞いた瞬間、彩の目付きが変わった。普段、少女特有の黒目がちな愛らしい瞳から肉食獣のような三白眼になり、鋭利な犬歯を剥き出しにして笑う。楓とは対照的の不気味な笑みだった。そして、突き付けられた拳を掌で払うと、スッと立ち上がる。
「いいですよ。スパーリング、受けて立ちます。先輩にキックのご教授お願いしたいですから」
「OK。学園一の問題児に赤っ恥かかせてやるよ。スパーリング中に泣き出して“もう許して下さい!!”とか言うなよな」
「泣いてる暇あったら先輩の顎をアッパーで砕いてますよ」
互いにぶつかる視線と視線。タダ事では無い雰囲気に周りの女生徒達も不安な面持ちで見つめている。
「・・・決まり、だな。じゃあ放課後待ってるぜ、逃げ出すなよ」
そう言って踵を返し、楓は教室から去っていった。
「・・・彩ちゃん」

249:名無しさん@ピンキー
07/07/31 01:35:04 Oi7qCuFS
二人の会話中、それまで喋る事の無かった友美はおもむろに口を開いた。
「うん?何?」
「彩ちゃんが誰と喧嘩をしようがそれは彩ちゃんの自由ですが・・・五條先輩はその辺の喧嘩屋とは違いますよ」
友美の話によると楓はキックボクシング部の中でも
トップクラスの実力を誇っているという。


三笠ノ宮学園は部活動にも力を入れており、特に空手、柔道、ボクシング、剣道、フェンシング等の格闘部もかなりの実績を残している。
その中においてキックボクシング部は郡を抜いており、大会において全戦全勝、右に出るものはいないらしい。 それというのも副会長である五條楓が主戦力となっているからだという。
「その五條先輩が今回の彩ちゃんの相手なんです。喧嘩慣れしてるとはいえ、油断はしないで下さいね」
「大丈夫、ダイジョーブ。ボクは今までどんな格闘家にもKO勝ちを収めてきたんだから、心配御無用」
さっきまで楓に見せていた殺意を消し、童のような笑顔で友美の頭をポンポンと叩く。

250:名無しさん@ピンキー
07/07/31 01:38:04 Oi7qCuFS
「フフフ、余計な心配でしたね。でも、万が一の事も考えて私が彩ちゃんのセコンドに付きます。それはいいですね?」
「うん。じゃあ放課後よろしくね、友美」
「はいッ!」
互いに意見が一致した後、再び昼食を再開しつつ友美は彩に自分の知識を生かしてキックボクシング対策のアドバイスをした。彩も真剣に頷きつつ、友美のアドバイスを参考に頭の中で闘いをシュミレーションしていく。


―――そして、全ての授業が終了し、ホームルームが終わると同時に彩は着ていたブレザータイプの制服から学園指定の体操着へと着替え、友美を付き添ってゆっくりとした足取りで第2体育館へと向かった。

251:亜佐倉
07/07/31 01:55:20 Oi7qCuFS
以上です。え~・・・投下宣言忘れ、バトルまでの過程を引っ張りすぎて本当にすいませんorz ようやく次から彩VS楓のキックボクシングバトルに突入します。



>>245->>246
感想&GJありがとうございます。
友美はこれから多分解説&驚き役になるかと(笑)ポジション的に言えば雷電と富樫みたいな感じで


彩は体調管理しっかりしてるようでかなりいい加減&間違った知識を詰め込みという脳内設定(笑)がありますので食事に関してもあんまり関心は無いんです。
その辺は普通の女子高生と何ら変わりないという事で。

252:名無しさん@ピンキー
07/07/31 06:31:05 UtnmK7lk
乙~
なんか彩ってガチで殺し合いの一歩手前を潜り抜けてきてるんで所詮スポーツどまりの先輩には楽勝な気がする



が、多分彩自身のそんな慢心をついた正統派の技巧が苦戦に追い込むんだろうな
いまからwktkだぜ

253:名無しさん@ピンキー
07/08/01 02:02:39 lpQyShSS
>>251亜佐倉さん 新作投下 乙グッジョブ!

254:名無しさん@ピンキー
07/08/01 07:40:20 ORrl2Rbw
彩ちゃんはなんでAV女優に詳しいんだ?w

255:亜佐倉
07/08/05 19:18:29 d0Sv/SDt
バトル開始前~バトル冒頭まで書けましたので投下します。

256:名無しさん@ピンキー
07/08/05 19:27:26 d0Sv/SDt
HORNET 第3章

校舎から西側に位置する第2体育館。ここは普段体育の授業等で使用するアリーナタイプの第1体育館とは違い、格闘部の主な練習場として用いられている為、体育館の両脇に2つのリングが設置されている。

西側にあるのがボクシング部のリングで、東側にキックボクシング部のリングと分かれている。
放課後ともなれば練習に励む少女達の掛け声やミット、サンドバックを打つ音が響き渡るのだが、今日は女生徒達のざわめく声ばかりが聞こえてくる。
今第2体育館には格闘部の部員だけでなく、制服に身を包んだ大勢の一般生徒の姿もあった。
彼女達は“生徒会副会長、五條楓と学園の問題児、美島彩が対決!”という話を聞き付け、興味本位でこの第2体育館に足を運んできたのだ。

「シッ!シュッ!アイッシャッア!!」
リングの中央では楓が黒いタンクトップに青いトランクス姿でシャドーを行っていた。頭の中で仮想の敵を作り、その敵にワンツーのジャブ、ストレート、そしてミドルキックを当てていく。

その一連の動作には無駄な動きがなく、腰の回転を利用したパンチと蹴り足を下から上へとすりあげるキック、正に基本に忠実なフォームだった。


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