06/11/11 20:48:21 MJKPcxNT
皇女裏伝説
「……んっ……んっ……んはぁっ……! もっと……もっと激しくして! お兄様!」
豪奢な屋敷の庭で、まだ年端も行かぬあどけない少女が青年に両の足を絡ませ、愉悦の
声を隠そうともせず快楽に耽っていた。
白く小柄な裸体が青年の股間に跨り、溢れる愛液を散らしながらも深々と貫かれ続ける。
「ふふ……。困った奴よ……。こんなにも淫らに濡らしておいて、まだ足りぬと申すか。
それ! どうじゃ!? これが良いのか?」
もっと激しくとねだる少女に応え、青年は少女を貫く律動を早める。
淫猥な肌と肌とがぶつかり合う音が庭内に鳴り響き、少女は歓喜の喘ぎを放ち続けた。
自らも青年を更に受け入れようと、貪欲に腰を動かしている。
「……い、いいっ……! いいのぉっ~!」
少女が達する叫びをあげると共に、青年は少女の蜜壷の中に白濁した欲望を放った。
初秋の夕日が紅葉と共に二人の裸体を赤く染めてゆく。
一瞬意識が朦朧とした少女は、汗まみれの体に衣を羽織ろうとする青年に抱きつき、
甘え声で囁いた。
「……お兄様の意地悪! 宮をこんな風になさったのは他ならぬお兄様でしょう?
宮がまだ10歳の頃から、宮のここにお兄様のものをお入れになられてきたのですから。
もう、あれから4年もの間ですのよ?」
「ふふふ……。そうであったな。あの頃から其方は華奢で我が身の欲望を煽ったものよ。
待ち焦がれた破瓜の折には、其方は『痛い、怖い』と泣いておったものだが。
体を重ねた年月は、よくぞここ迄『皇女』から『女』へと変貌を遂げさせたものだ。
……尤も、処女ではあったが、其方の躯は既に愛撫される事には慣らされておったな」
青年は高貴そうな衣を纏いながら、少女を見下ろし薄ら笑いをする。
「あ、あれは兄上様が……。物心つく前から宮を可愛がって下さっていたのですもの……」
「其方の異母兄である現帝殿か……。やはり好色の血は争えぬな。さ、其方も衣を羽織ら
ないと風邪を引いてしまうぞ。元々紅葉を見に来ただけの筈であろ? 和宮よ」
青年は笑ってはいるが、さして会話に興味も示さぬ様子で少女に内掛けを手渡した。
自らを『宮』と呼ぶこの少女は、仁孝天皇第八皇女 和宮親子内親王である。
仁孝天皇は和宮が生誕前に崩御しており、現在は彼女の異母兄が帝になっていた。
後世では『孝明天皇』と呼ばれる和宮の名付け親であり、この異母妹を溺愛していた事
は宮中でも密やかな噂だった。
そして今迄和宮と交わっていた青年は、有栖川宮家の長男熾仁(たるひと)親王という。
和宮6歳 熾仁19歳の折に帝の勧めで婚約が成立し、以後和宮は有栖川宮家で教育を受
けるために通い続けて14歳になる。
何不自由なく育まれた皇女としての教養や自尊心、そして淫欲はこうして培われてきた。
手渡された内掛けを肩にだけ羽織り、和宮は妖しく瞳の奥を光らせると熾仁にまたもし
な垂れかかった。
「お兄様、お寒くてらっしゃるの? お風邪がご心配なら、宮が温ためて差し上げてよ?」
はだけた肌を熾仁に密着させ、素足で熾仁の下半身に絡ませようとする。
先刻までとは打って変わった冷静な表情で熾仁は和宮を見下ろした。
「やめなさい。もう日も暮れている。妖かしの者に魅入られてしまうではないか。
そんなに欲しくば、室に戻って夕餉を済ませてから待つがよい」
廻された腕を振り解くと、和宮の腕ごと内掛けの中に包んだ。
熾仁は有栖川宮家の長男である。前途を約束された血気盛んな若者であり、いくら皇女
といえど、一人の女に縛られる事には満足できないでいた。
しかし、皇室という籠で育った和宮には、そんな熾仁の心情は未だ理解できていない。
「まぁ、つまらない事。宮は妖かし等怖くありませんわ。お兄様を守って差し上げる事も
できましてよ?」
不満そうに唇をすぼめる和宮に苦笑しながら、熾仁は背中を押しつつ室に向かって歩き
始めた。