【隅っこ】無口な女の子とやっちゃうエロSS【眼鏡】at EROPARO
【隅っこ】無口な女の子とやっちゃうエロSS【眼鏡】 - 暇つぶし2ch250:名無しさん@ピンキー
07/02/12 22:48:34 mriezp54
>>249
新作を楽しみにしています!

251:名無しさん@ピンキー
07/02/12 23:58:12 72J3F7QQ
ほsy…wktkwktk!

252:名無しさん@ピンキー
07/02/13 01:09:27 erLc+JYi
どんとこーい

253:247
07/02/13 04:24:19 UAoYJNEe
推敲していたら遅くなりました。では、投下します。


【妹が無口な訳】


 美代(みよ)が初めて俺の家に来た時、とっても奇妙な感じがした。母親が他界して5年目の夏の事、
親父が突然再婚するという話を持ってきた。子供だった俺には母親が新たにできるという感覚は無くて、
知らない人が突然押しかけてきて同居するって気分だった。

 だから、美代を義妹として迎える事が出来なくて、その時俺はずっと不機嫌な顔をしていた。

【……】

 真っ赤な顔をして、美代は小さくお辞儀をした。その美代を俺は睨み返してしまった。美代は直ぐに
母親の後ろに隠れてしまったけど、睨むほど嫌だったんじゃない。ただ単に恥ずかしかっただけだと思う。
天然のウエーブが掛かった肩位までの髪に、くりくりとした目。口数が少なくて、目立たない子というのが
美代の第一印象だった。
 俺は子供の時に母親が死んでから、ずっと父親に育てられていた。だから、女の子にどう接したらいいか
なんて、その時は全く分からなかった。だからとても怖くて、どきどきしていた。

 でも、差し出された小さな手を握り返した時、そんな気持ちがすっと引いていったような気がした。
それは、握った美代の小さな手も震えていたからだ。妹になるこの子も怖いんだ。そう思った時、不思議と
怖いという気分が消え、守ってあげたいという気持ちが芽生えていた。


 そして今10年の月日が流れ、俺は高校をもう直ぐ卒業する。東京の大学を受験する予定の俺は、この春
この家を出て下宿をする予定だ。美代はまだ高校2年で高校生活をエンジョイしている……と、思う。
何故、俺がここで希望的観測なモノの言い方をするかというと、美代の性格がちょっと心配だったからだ。

(トン、トン)

 『Miyo』というネームプレートの掛かった扉をノックする。暫くすると扉がゆっくりと開いて、美代が
眠たそうな眼を擦りながら部屋から出てきた。
「おい、もう遅刻するぞ。そろそろ起きようぜ」
「……」
「今日は2月14日だろ。そんなのんびりしていていいのか?用意とかあるんじゃないか?」
「……ない」
 何だか不貞腐れている。いつもこんな調子だ。大体、2月14日といえば、女の子にとって見れば
一大イベントじゃないのか?製菓メーカーの陰謀に乗って、ワイワイと盛り上がるのが普通の女子高生だろうに。

「お前なぁ。そこそこ可愛い顔しているんだから、期待している男子も多いと思うぞ。義理チョコでも
やって、ちょっと愛想を振りまけばボーイフレンドの1ダースも直ぐにできるだろうに」
「……」
 じっと黙って俺を見つめる。この10年で兄の俺が言うのも何だが、美代は可愛く成長した。セミロングの
髪がふわっと腰に掛かり、切れ長の目に長いまつげ。すっと鼻筋が通り、微笑むと日本人形のような清楚な
感じのする少女になった。
「もしかして、義理チョコも無しか?」
「……ん、」
 ところが誤算はこの性格だ。口数が極端に少ない。しかも、男に興味がない。中学の頃から俺が知っている
だけで美代は20人には告白されているはずだ。その度にこの義妹は決まってこの言葉を口にする。

254:247
07/02/13 04:24:52 UAoYJNEe
【困ります……】

 俺からすれば、なんて高飛車な受け答えだと思うのだが、世の中の男供にとって見ればこれがまたいいらしい。
美人でクリーンで清楚。しかも、勉強も学年の常に上位クラス。高嶺の華という奴なんだろうが、俺からして
見れば、今パジャマで寝ぼけ眼(まなこ)の妹が高嶺の華にはどう見ても見えないぞ。
「とにかく、直ぐ着替えて直ぐ来いよ……ってお、おいっ!」
 美代がその場でパジャマのボタンを外し始めやがった。慌てて振り向いて視線を逸らす。
「馬鹿、俺以外の奴の前でそんな恥ずかしい事、絶対やるなよ。美人のイメージが崩れ落ちるぞ。正体、ばれるぞ」
「いい」
「俺が困るだろ。美人の妹が俺の唯一の自慢なんだ。この俺がここまで守ってきたって触れ込みなんだから。
正体ばれたら彼氏になる奴が俺くらいしかいなくなるぞ。いいか、わかったな」
「…………うん」
 俺と美代はこんな日常を繰り返していた。学校で完璧なはずの妹が何故か俺の前ではとてもだらしが無い。
小学校の時は犬に襲われそうになっても逃げないし、中学校の時は変なナンパ野郎に連れて行かれそうになっても
ぼうっとして逃げない。その度に俺は美代を助ける役目をしてきて、損ばかり被って来た。全く、しょうがない
義妹だよ。

 やれやれという気持ちで母親が作ってくれた朝ごはんを食べようと階段を降りようとする。すると、美代が
俺の肩をぽんと叩く。何だ?と思って振り向くと、美代が俯いて手に包みを持っていた。
「はい」
 手渡されたピンクの包み。可愛い包装紙に赤いリボンが掛かっている。
「何だ……義理チョコ、無いって言っていたのにあるんじゃないか。サンキュー。誰からも貰えないと寂しいと
思っていたんだ」
 俺は制服のポケットにそれを仕舞いこむと、上機嫌で階段を降りた。
「……義理はないよ」
 僅かに揺れる髪。俺はそれを聞いてはいなかった。


 高校3年の2月にもなると、学校での授業というのは殆ど無い。出席を取って終業というのが普通になる。
受験勉強も追い込みの時期に来ており、教室の中もかなり切羽詰った雰囲気になっている場合が多い。
「勉強をする前に、糖分の補給でもしておくか」
 脳の活性化には糖分がいいという豆知識を知っていた俺は、今朝美代からもらった包みをポケットから取り出した。
小さな包みを無造作に開けると、中には可愛いチョコとメッセージカードが入っていた。
「あれ、何だこれ?」
 小さな箱には4つ折にしたメッセージカードが入っていた。そのメッセージカードを俺は何気なく読んでみる。

≪兄さん。今日、どうしても渡したいものがあります。受け取っていただけるのなら、私が帰って30分したら
部屋に取りに来てください。 美代≫

「何でこんな2度手間な事をするんだ?チョコ渡したのにわざわざ時間指定までして……ははぁ、分かった。
請求書だろ。それも3倍返しの。欲しいものがあったから、義理チョコ渡しておねだりか。30分後というのは、
買出しに行くんで私服にでも着替えるんだろ。まぁ、見え透いた手だが、今日は気分がいいし乗ってやるか」
 俺はそのメモをポケットに仕舞った。

 やがて、美代が帰ってきたらしく、トントンと小気味のいい階段の足音が聞こえた。俺は30分という時間を
正確に待って、美代の部屋を訪ねる。


255:247
07/02/13 04:25:29 UAoYJNEe
(トントン)

 今朝と同じようにノックをする。だが、返事が無い。もう一度同じようにノックをする。すると、僅かに
美代の声が中から聞こえてきた。
「…………いいよ」
 蚊の鳴くような声の了解を聞いて、俺は美代の部屋に入った。ちなみに美代の部屋は6畳の洋室にベッドと
机が置いてある。小奇麗にまとまった、いかにも女の子って感じの部屋だ。
「来たぞ。でも、今月ピンチだからそんなに高いのは無しにしろよ」
 だが、中に入って驚いた。……暗い。雨戸が閉まっていて、部屋の電気も消してある。
「おいおい、真っ暗じゃないか」
 何の冗談かと思って手探りでスイッチを探す。
「!」
 俺がスイッチのあると思われる部分に手を伸ばすと、そこの位置には手があった。細く長い指。その手が
俺の手を握り締める。
「おい、何の冗談だよ。いい加減にしないと怒るぞ」
「……やだ」
「……えっ?」

 美代は高校生でもかなりスタイルのいい方だ。今朝、パジャマを脱ぎかけた胸元から見えた双丘もふっくらと
その存在感があって、かなりのインパクトだった。その胸の膨らみが俺の手のひらに押し付けられている。
ふにゅっとした感触が俺の両手に伝わってきた。
「じょ、冗談はやめろって」
 暗闇に慣れてきたのかうっすらと部屋の中が見えてきた。モデルのような体系に長い髪。美代が俺の目の前に
立っている。石鹸の匂いとシャンプーの香りが部屋を包んでいた。

(コクン)

 思わず生唾を飲み込んでしまった。そこには、レースの下着姿の美代が立っていた。しかも、目を瞑り、握った
手は震えている。
「……好き…………です」
「ちょ、ちょっと。美代……」
 それっきり、俺は声が出なかった。
 妹からの告白。だが、こんな展開は正直予想していなかった。しかも、とびきり不器用だぞ。いきなり下着姿で
告白かよ。勉強は学校でも群を抜いて良いくせに、恋愛は赤点以下だ。こういうサービスをしなくたって、美代は
十分可愛いのに。
「可愛い?」
 俺は自分で呟いて必要以上に動揺している自分に気がついた。美代の告白。美代は……美代は家族の……はず
だよ……な。

 今まで一番身近で一番親しかった家族。
 愛情という感情をあえて押し殺していた家族。
 見守っていくのが当然と考えていた家族。

「俺……は……お前を」
 
 知っている中で一番可愛い異性。
 一番分かり合えていた異性。
 何でも言い合える異性。

「いいのか?……俺で」

 一番抱きしめたかった少女。
 一番キスしたかった少女。
 一番好きだった少女。


256:247
07/02/13 04:26:17 UAoYJNEe
「……兄さんだから……」

 何かが弾けた。意図的に恋愛感情を殺してきた自分の気持ちの中で、何かが解き放たれる。胸まで鼓動が必要以上に
高鳴り、今にも飛び出しそうになる。暗闇に目が完全に慣れた頃、熱い吐息が目の前にあった。吸い込まれるように俺は
それに応じる。

「俺も……だ。ずっと前から……好きだった」
「んっ……」

 重なるだけのキス。だが、俺と美代にとってはとても大きな意味を持つキス。兄妹が一人の男と一人の少女に
戻るための大切な儀式。カチカチと震える歯が美代の緊張を表していた。胸にあった手をゆっくりと解き、左手を
肩にまわした。そして、残った右手で頭を優しくなでる。

「お前は緊張した時、こうやって頭をなでてやると直ぐ笑顔になって緊張がほぐれたよな」
 実際、俺も緊張しっぱなしだった。でも、今まで妹を守ってきた俺は、まず妹の事を考えてしまう。
「告白してくれたのは嬉しいよ。でも、無理はしなくていい。その気持ちは十分受け取ったから」

 だが、その言葉を聞いた美代はふるふると首を振る。目元に光るものがあった。
「……何で……泣いてるんだ」
「……」
 何も言わずに俺の胸に顔をうずめてくる。時折嗚咽を漏らしているのが分かった。部屋の明かりをつける。
すると、美代の机の上には俺が受ける大学の入学案内があった。その横に置かれた1枚の写真。家族で旅行に行った
時に撮った写真。うつむき加減の美代とブイサインをしている俺の写真。2人だけで写っている珍しい写真。
「お前、これ……ずっと前の……」
「……いっちゃ……やだ」

 どんないい男に告白されても断り続けた妹。その妹の気持ちを感じ取れなかった鈍感な兄。俺はずっと遅れて
やっと理解した。
「すまなかった。気がついてやれなくて」
「んんっ……あ、ん……」
 二度目のキスはフレンチキス。お互いの気持ちを確かめ合うように、二人の時間を埋めるように求めあう。
歯で閉ざされていた美代の口内に舌先でノックする。ゆっくりと開いた口内に舌を絡めると、甘い舌がそれに
答えてきた。舌が絡み合い、唾液を吸って、その行為に没頭した。

「……あっ……ふっ」
 美代が声にならない吐息を漏らす。涙を溜めた目がとろんとした状態になり、桜色に染まった頬と口元から
トロトロと唾液が零れ落ちる。
「俺、美代が欲しい。もう、ずっと離さないから」
「……ん」
 返事の代わりに、首を僅かだけ上下させる。やばい……凄く可愛い。恥ずかしい話だが、俺ももう理性が
飛ぶ寸前だ。みっとも無い話だが、下半身に血液が逆流し体中が高揚している。そんな時、美代の両腕が
俺の胸板に絡み付いてきた。ぎゅっと抱き合う二人。豊満な胸の柔らかさが胸と胸の重なり合いから伝わって来る。
そして、美代のショーツが俺の誇張しきったパンツに触れる。一瞬、びくっと腰を引くが、恐る恐るその腰を
密着させてくる。

 その行為が引き金になった。俺の中で美代に対する性欲が爆発していた。今まで求めてはいけないと考えて
いた物が直ぐそこにある。妹だった少女の全てを……美代の全てを見てみたい。美代の全てを犯したい。
そして、全てを手に入れたい。もう、俺の気持ちは決まっていた。下着姿の美代の柔らかな胸を右手で包み込む。
右手の中で納まりきれない豊満なおっぱいが手のひらからこぼれていた。それをゆっくりと揉み回していく。
≪……くっ、……ふっ、うっ≫
 胸は感じるのか、必死に美代は耐えている様子だった。俺は、すっとブラジャーの横から指を入れ、ぷっくりと
膨れた乳輪と既にツンと尖った乳首を指の間で挟んで刺激した。
≪きゃっ、……うんっ≫
 今まで聞いた事の無いような可愛い声で鳴く。普段、無口な分、こういう可愛い声で鳴かれるともっと意地悪
したくなってくる。

257:247
07/02/13 04:26:45 UAoYJNEe
「どうしてそんなに感じているの?美代はこんなにいやらしい妹だったんだ」
 美代は首を横に振って慌てて否定する。
「俺の事、おかずにオナニーしていたこともあるんじゃないか?」
 また、同じように首を振る。その様子を見た俺は、愛撫の手を止めた。性感を刺激され、快感に没頭していた
美代は、驚いて顔を上げる。
「ごめん、やっぱり俺これ以上はできないわ。美代は嘘をついているみたいだし」
 懇願するように目で訴えかけるが、俺はすっと体を離す。すると、美代は小さな、とても小さな声で答える。
「…………シマシタ」
「えっ?何?聞こえないよ。もっとちゃんと教えて」
「…………オナニー」
「好きって言っているのに、美代は隠し事するんだ」
「オナニー……しました……兄さんで」
 搾り出すように美代は答えた。全身が真っ赤に染まり、完全に下を向いてしまっている。だが、俺は知って
いた。美代はこうする事で俺に完全に身を任せてくる。これは長い間付き合ってきた美代を、緊張させず
逆に受け入れやすくする俺の芝居だった。その効果は直ぐに現れる。下半身のピンク下着から薄っすらと
染みが見え始めている。女性特有の匂いが僅かに部屋に漂ってくる。

「正直に答えてくれたんだ。嬉しいよ。俺も正直に自分を出すよ」
 俺はそう言って上着とズボンを脱いだ。反り返ったそれを美代に見せる。美代は目を瞑っていたが、促すと
ゆっくりと目を開ける。
「俺がこうなっているのも美代が好きだから。美代が欲しいからこうなってる」
 最初は遠慮がちに見ていたそれを、美代が段々目が離せなくなってきている。俺はそれを確認して、
両手を俺のモノに導いた。
「あっ」
「ゆっくりと触って。これが、美代に入るんだから」
 両膝を着いて、美代が両手で陰茎を包み込む。そこで動きがぴたっと止まる。
「片手で包み込んで、上下にゆっくりと動かすんだ。そして、もう一つの手は前立腺や裏筋を刺激して」
 ゆっくりと指示通りに動かす。ピクピクと動くのに驚いた様子だったが、徐々にペースを上げて刺激してくる。
と、同時に俺にもぞわっとした快感がこみ上げてくる。美人で人気者のアイドルだった自分の義妹が、俺の指示通りに
誇張したものを愛おしそうに摩っている。
「あっ、くっ、んんっ、うっ、んん……上手いぞ。くっ、んん、、」

 俺も声を上げると嬉しそうに奉仕をしてきた。遠慮がちに顔を近づけている。どうやら知識である程度の
事は知っているようだ。フェラチオをやっていいかどうか迷っているらしい。
「く、口で……やって欲しい」
 そう、言うとコクリと頷いて恐る恐る唇に亀頭を含んだ。バナナを大切に舐めるように先の部分だけを
唇と舌で刺激する。生暖かい感触の刺激が背筋を電流のように駆け巡る。
「やば、出る。引いてくれ」
 だが、行為に没頭していた美代に通じるわけもなく、ちゅっちゅっと刺激を続ける。

「あっく、、、うっっっ、、くぅ」
(びゅくっ、びゅっく)

258:247
07/02/13 04:27:10 UAoYJNEe
 俺のモノが放たれた。美代はびっくりしてその場に固まっている。唇と頬に、白い白濁液がとろりと流れて
ぽたぽたと床に落ちる。
「すまん、汚しちまった。拭いてくれ」
 ティッシュを渡すと、にっこりと微笑む。そして、それを拒否して指ですくって一生懸命に飲もうとする。
「いいから、いいから。そこまでしなくても」
 俺は、さすがに罪悪感に捕らわれて止めようとした。それを美代は悲しそうな顔をして拒否する。
「いいの……」
 そう言ってまた綺麗にすくって舐めた。

「今度は俺が気持ちよくするよ」
 コクンと頷くと、美代はもたれ掛かってきた。ベッドまで美代を運んで、下着を脱がす。既に薄い毛に
びっしょりと愛液が溢れ出し、内股の部分まで垂れていた。ずっと我慢していたのか、クリトリスも既に大きく
勃起している。
「兄さんの……欲しい」
 美代は懇願する。既に受け入れる体制は出来ているようだった。俺のも準備が整っていた。少し休憩したのが
良かったようだ。唾液で濡れた淫茎が既にこれ以上は無いというくらいに誇張している。
「ゆっくり入れるから、肩の力を抜いて。いくぞ……」
 膣の入り口に亀頭をあてがう。ぬらぬらとした液が直ぐに亀頭に絡みつく。ゆっくりと探るように上下させると、
それだけで熱い吐息を漏らす。

≪くっちゅっ……≫
「んあ……ぅ……はん、あっ……う」
 片手でしっかりと押さえ、ゆっくりと埋没させていく。きつい。正直、亀頭の部分が入ったところで、
押し返されてしまう。しかも、ぬるっとした感触と、ギュウギュウと締め付ける膣内でなかなか挿入していかない。
「あっ、、くっ、、くぅ、、あくっぅ」
 美代も痛さで必死に耐えているようだった。
「大丈夫か。やめるか?」
 美代の目から涙がほろほろと零れた。必死に笑顔を作って首を横に振る。痛くないわけ無い。でも、必死に
耐えている。早く終わらせてあげよう。この気持ちに応える為に。俺は覚悟を決めた。
「ちょっとだけ我慢してくれ。きついかもしれないが」

 強く腰を打ちつけた。膣内が今まで以上にぎゅうっと締まる。背中に回された指が俺の肉に食い込んでくる。
≪くっぅぅぅぅうう!!!≫
 ゆっくりとゆっくりと陰茎が膣内を侵攻していく。やがて全てが埋没した時、美代の膣内からは赤い鮮血が
つつっと、流れ出していた。

 少しの時間、そのまま俺と美代は抱き合っていた。やがて、美代が俺に軽いキスを求め、俺が応えてやると
目で合図を送ってきた。美代も痛みが和らいだようだ。
「動くよ」
「……ん」
 俺は美代の合図でゆっくりと出し入れを再開する。すると、先ほどのきつい感じは無くなり、少しづつスムーズに
動くようになってきていた。
「トロトロとして、美代の膣内(なか)、熱い」
「……んっ、んぁっ……あ、ふっ……ぁっ」
 美代も先程とは違い、徐々にだが吐息の中に妖艶な息遣いが混じってくる。時折、きゅっと膣内が締まり俺の亀頭
を刺激してくる。子宮口に亀頭の部分がコンコンと当たる。その度に美代の足先がびくっと緊張する。
「美代が感じているのが分かる。俺のが美代を感じてる……」
「んっ、んんっ、あっ、、ぁぅっ……兄……んぁっ……さぁっん……」

≪くちゅっ、ぐっちゅっ……くちゅ……ちゅっく≫

 静まった部屋に性器が出し入れされる音が響く。赤い血と白い愛液が混じりあい、潤滑油となってその音が加速
していく。少しずつ早くなるその淫音と共に、美代の喘ぎ声も加速していく。

259:247
07/02/13 04:28:03 UAoYJNEe
「ん、、、んっ、、、、あっ、あぁうっ、、ぅぅっん、あぁっ、、んっんん、、」
「もう……そろそろ」
 俺がそう言うと、美代が懇願してくる。
「んっ、……はっぁ……やっ……なか……ぁぁっ、、なかに……んんっ……お願い」
「分かった。俺、膣内(なか)に……美代に膣内(なか)に……出すから」
 ぎゅうっと今までにない締め付けが俺を襲う。同時に、俺の前立腺から一気に射精感が高まっていく。
「んっ、ぁぁっ、ぁぁ、ぁっくぅ、ぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」

 次の瞬間、(どくん)と俺の中で脈打った。何度も何度もそれは収縮される膣内と子宮に放たれる。
一緒に果てた美代がぽろぽろと涙を流して目を閉じる。そして、暫くして小さな声で何かを言った。

≪…………だね≫ 

 うとうとしていた俺はその言葉を聞き取れなかった。

 1ヵ月後。俺は東京の大学の入学が決まった。少し早いが下宿先が決まったので、今日はその引越しをしている。
美代とはあれから多少仲良くなったが、表立っては普通のままだ。それは俺と美代が決めた約束があったからだった。
それは俺が高校を卒業するまでは兄妹のままでいようという事。それは俺の両親を安心させるためにそうしようと
二人で決めたことだった。美代は1年後に東京の大学に受かるだろう。そうしたら、また仲良く暮らせるさ。

260:247
07/02/13 04:28:24 UAoYJNEe
 電車が出発すると、目に涙を溜めて手を振る美代。多少寂しさが残るが、1年の辛抱だ。まぁ、直ぐに時間は経つ。
そう思ってふとポケットを触ると一通の手紙が入っていることに気がついた。ピンクの封筒に見慣れた字。美代からだった。
封を開けてそれを読む。


 兄さん

 バレンタインの時、私の気持ちを受け止めてくれてありがとう。私はずっと兄さんの事が好きでした。
 子供の時、初めてあったあの日から、私は兄さんの事をずっと見ていたの。
 私が困った時、私が助けを求めていた時、いつも近くにいてくれた。

 そうそう、覚えてる?小さい時、どんな女の子が好き?って私が質問した時、兄さんは大人しい子って言ってた事。
 私、今でもよく覚えてる。


「ん?ちょっと待てよ」
 俺はそこまで読んで、嫌な予感が頭をよぎる。妹に会って少しして、こんな事を話した記憶がある。だが、何でこんなに
胸騒ぎがするんだろう。


 私、それからなんだ。無口になろうって決めたの。いつの間にかそれが普通になっちゃったけどね。


「すると、俺が美代をあんな無口で無愛想な女の子にしたって事か?」
 俺の背中に汗が滴り落ちる。いや、これが問題ではない。胸騒ぎがどんどんと大きくなる。


 それから、お嫁さんにするならどんな子とするって話になって、初めて好きって告白した子とするって……


 やばい。これは本格的にやばい。


 一緒になったら俺はその子を一生面倒見るぞ。その子を手元に置いてずっと離さないんだって。言ってたよね。
 私も離れたくない。少しの間だって。兄さんのいない生活なんて考えられないし。結婚は早いほうがいいし。
 子供も早く欲しいし。
 だから私、兄さんの所に行くね。直ぐに……待ってて。

 
 そういえば美代は一度こうと決めたら絶対に実行に移す、有言実行型人間だった。まさか……まさか……。
 

 私、今の学校辞めて東京の女子高に転向することになったから。来年は同じキャンパスだね。あ、心配なく。
 兄さんの大学だったら、私今直ぐに試験受けても入れるから。ちゃんと可愛がって面倒見てくださいね。
 

 俺は美代がもう既に全ての手配を済ませていることをこのとき悟った。しかも、結婚する気満々で俺の下宿に
転がり込んでくる。しかも、既に美代の荷物が届いているという事か?学校と親を丸め込んで。普段は無口な癖に、
何で手紙だとこんなに饒舌でしたたかなんだ!そりゃ、美代は好きだけど、同棲だの結婚だのって……まだ、俺
高校卒業したばかりだぞ。

 俺が手紙を丸めてポケットにしまいこんだとき、≪ぽんっ≫と誰かに肩を叩かれた。振り返るとそこには……。



おしまい


261:247
07/02/13 04:31:33 UAoYJNEe
以上です。

無口少女、難しいですね~。でも、うるさい女の子よりはずっと萌え度が高いかも。w
バレンタインネタでひねりも無いですが、読んでいただけたら幸いです。

しかし、本当にストレートな話……もうちょっとエロ成分と汁成分増やした方が良かったかな……。

262:名無しさん@ピンキー
07/02/13 05:04:52 c31IsU4j
GJすぎて何も言えない

しかし行動力ありすぎww兄貴ガンガレww

263:名無しさん@ピンキー
07/02/13 05:26:50 0H/bBCRb
難しいという割にはレベル高い気がする・・・・・
俺は素人だからなんとも言えないけどwww
とにかく

264:名無しさん@ピンキー
07/02/13 05:27:26 0H/bBCRb
途中で書き込みしちゃった・・orz

とにかくGJ

265:名無しさん@ピンキー
07/02/13 08:07:30 ox5Hv0z3
Nice可愛い過ぎるよ、無口な子ほど何か独占欲がわく

266:名無しさん@ピンキー
07/02/13 08:37:48 dJEKMyW4
GJ!
妹健気過ぎる!
また最後のギャップも良い感じですね。


267:名無しさん@ピンキー
07/02/13 09:13:15 fHERWuzu
手紙という手があったか!!
多用するとアレだけど。

268:名無しさん@ピンキー
07/02/13 10:09:58 TFH/jbmS
GJ!
こんな健気でしたたかな義妹が欲しい…

269:名無しさん@ピンキー
07/02/13 10:35:05 ITwVDmp/
なぜか、『ホテルで女と会ったらメールで「 見てたから 」と送りつけられた』という羨ましい体験談を思い出した。


270:名無しさん@ピンキー
07/02/13 10:40:16 X/n6Xakj
手紙で騙られる無口娘の心情!
GJじゃよ!

271:名無しさん@ピンキー
07/02/13 11:23:42 lW9d3T6f
素晴らしすぎる!
全ては妹の手のひらの上ってことかw

272:名無しさん@ピンキー
07/02/13 12:52:46 dJEKMyW4
>>271
でもその義妹のハートを掴んだのは兄貴だぜ!

273:247
07/02/13 21:38:44 UAoYJNEe
こんなに読んでいただいて感想を上げてもらって、本当にありがとうございました。
アップしていたのが明け方でぼうっとしていたのか、誤字や同じフレーズを繰り返し使ってしまうなど
読みにくいSSで申し訳ありません。直してアップし直したい位です。

手紙は携帯メールでも良かったのですけど、美代の性格で古風な手紙を使うかなと。
無口な子の心情を語らせるのに、受け手に説明ばかりさせているとくどくなるので苦肉の策でした。w

また、機会がありましたらよろしくです~。

274:名無しさん@ピンキー
07/02/14 00:02:57 erLc+JYi
おぬしやるな(*´ρ`*)

275:名無しさん@ピンキー
07/02/14 13:36:24 v+NGELyB


276:名無しさん@ピンキー
07/02/14 15:54:09 oC7gZfHB
>>247


277:名無しさん@ピンキー
07/02/16 02:18:49 lDMWauxD

結構、いや、かなり良かったよ

278:名無しさん@ピンキー
07/02/16 22:43:31 mw2soZMv
保守

279:名無しさん@ピンキー
07/02/17 17:18:14 2gnDXS0x
>>247
GJ
しかしこの妹、一歩間違うと嫉妬スレやヤンデレスレに移動しそうな危うさが
だがそれがイイ!!

280:名無しさん@ピンキー
07/02/18 17:18:19 xQassvCj
GJ!!!age

281:名無しさん@ピンキー
07/02/18 21:28:25 7P9zrijL
URLリンク(yandere.web.fc2.com)
つくりが簡単杉かもしれませんが、作品を保管してみました。

ヤンデレと無口な女の子に繁栄あれ!!!


282:名無しさん@ピンキー
07/02/18 21:31:53 WCxOjPaL
>>281超乙

283:名無しさん@ピンキー
07/02/18 21:44:26 MQNIb55Z
>>281
保管人さん超乙であります!某ヤンデレでもお世話になってます!

284:名無しさん@ピンキー
07/02/18 23:49:52 rDrIbrcM
>>281
今確認したんだが>>145のSSは?保管しないの?

285:名無しさん@ピンキー
07/02/18 23:51:13 rDrIbrcM
見逃してた。保管されてる。

286:無口姫の日常(1/13)
07/02/19 00:50:23 Z7V4VbOx
 秋陽高校2年3組。
 月曜日の六時間目は日本史の時間だった。
 担当教師である黒須仁(くろす じん)が板書を終え、こちらに振り返る。
「ほい、ここの問題解ける人ー……桜ノ宮か」
 紅葉のような小さな手を上げていたのは、廊下側、前から三番目の席に座っ
ていた桜ノ宮澄(さくらのみや すみ)。
 切りそろえたショートカットの、小柄な女の子だった。
 涼しげな視線が、黒須を射抜く。
「…………」
 にらめっこが続くこと三十秒。
 黒須は気まずそうに、澄の隣に座る男子生徒に視線を向けた。
「……あー、野田、通訳頼む」
 男子生徒、野田昭和(のだ あきかず)は、頬杖をついたまま口を開いた。
「第六天魔王」
「素直に織田信長って言えよ」
「キャラクターボイスは若本だそうです」
「知るか!」
「俺に怒鳴らないで下さいよ! 言ったのはこいつ!」
 昭和は、まだキリリと立ったままの澄を指差した。
 黒須が情けない顔で澄を見た。

287:無口姫の日常(2/13)
07/02/19 00:52:41 Z7V4VbOx
「……桜ノ宮ー」
「…………?」
 首を傾げる澄。
「いや、そりゃ正解だけど、お前それテストで書いたら点数付けないからな」
「…………?」
 何か言ったようだが、やはり黒須には澄の考えが読めないようだった。
 すがるように、昭和の方を見る。
「何だって、野田?」
「赤鬼は? とか言ってますけど」
「却下だ! ……つーか野田、本当に桜ノ宮が言ってるんだろうな?」
 昭和としては睨まれても困るのだ。
「俺が、織田信長のそんなマイナーな別名を知ってるとでも?」
「そうか、悪かったな。桜ノ宮も座っていいぞ」
「…………」
 頷き、澄は席に着いた。
 二年生になって一ヶ月、教室の皆、澄の事を分かっていたので今更誰も驚か
ない日常であった。

288:無口姫の日常(3/13)
07/02/19 00:54:46 Z7V4VbOx
 放課後、みんなが帰り支度をする中、クラスメイトの戸鳴均(となり ひとし)
が振り返り、後ろの席に座っていた昭和に話しかけてきた。
「……それにしても昭和ってさー、よく桜ノ宮の言いたい事が分かるなー」
「長い付き合いだからな」
 昭和自身帰り支度をしながら答える。
「…………」
 昭和の横にいた澄が、均の方を向いた。
 が、何を言ったのか相変わらず分からない。表情すら動かないときたもんだ

「何だって?」
「以心伝心なの! だそうだ」
 昭和が通訳してやる。
「お前まで『なの!』とか言うな。気持ち悪い」
「しょうがないだろ! そのまま伝えるのが癖になってるんだから!」
「桜ノ宮は桜ノ宮で、寡黙なのにも程があるだろ……」
「…………」
 均の言い分に、澄がジッと見つめ返してきた。
 均が、昭和の机を指でこつく。
「昭和、通訳」
「男は黙ってハードボイルドなの、だそうだ」

289:無口姫の日常(4/13)
07/02/19 00:56:51 Z7V4VbOx
「お前は女だろ!?」
「…………」
「無駄口の多い男は早死にする、だそうだ」
「知るかー!」
 などとアホなやり取りをしていると、均の身体がぐい、と反り返った。
「うおっ」
「……均ー、馬鹿やってないで、そろそろ帰るわよ」
 そう言って、均の襟首をつかんでいたのは、彼の幼馴染である矢野瑤子
(やの ようこ)だった。
 問答無用で均を引きずっていく。
 それを見送りながら、無表情の澄が手を振った。
「…………」
「じゃあな、矢野。澄も、ばいばい、だとさ」
「はいはい。ほんじゃねー」
「さらばだー」
 瑤子と均が教室から出て行き、昭和も席を立った。
「んじゃ、俺らも帰るか」
「…………」
 澄も頷いた。

290:無口姫の日常(5/13)
07/02/19 00:59:18 Z7V4VbOx
 まだ日の高い帰り道。
 一見ほとんど昭和が一方的に話しているようなコミュニケーションが、いつ
もの二人のやり取りだった。
 澄の家は共働きで、今日は両親の帰りが遅いらしかった。
「そうか、今日は家誰もいないのか」
「…………」
 澄が頷く。
「んじゃま、いったん着替えてから……あ? 制服は着たまま?」
「…………」
 グッと拳を作る澄。
「……だがそれがいい? って、マニアックな趣味だな、おい!」
「…………?」
 いや、制服着たままって興奮しない? と尋ねられても。
「別に俺はどっちでもいいが」
「…………?」
 靴下は残さないと駄目だよね、と聞かれ、昭和は慌てた。
「待て! 靴下は関係ないだろ、靴下は!」
「…………☆」
「脱ぐよ☆ っていやそれは」
「…………」
 脱がれたくなければ家にカモン。
 何故か脅迫だった。
「……分かった分かりました。んじゃ、今日はお前んち直行な」
「……♪」
 澄は昭和の手を握ると、大きく振った。ご機嫌のようだ。

291:無口姫の日常(6/13)
07/02/19 01:01:19 Z7V4VbOx
 澄の部屋は女の子の部屋としては飾りっ気がない。
 が、小物の一つ一つを取ってみれば、それなりにファンシーなモノであるこ
とを、昭和は分かっていた。
 とはいえ、今はそんな物を見ている余裕はなく。
 目の前で涎を垂れ流す、微かに開かれた薄桃色の割れ目を指で攻めるので忙
しかった。
「……つーかさ、俺は別にいいけどお前、制服シワになったり気にならないの
か?」
 互いに制服のまま。
 澄が上位のシックスナイン体勢で、互いの性器を愛撫しあいながら、昭和は
尋ねる。指をきつくもぬかるんだ膣内のザラザラした部分でこすりあげると、
澄の尻がビクンと跳ね上がる。
「…………」
 鼻息も荒く、微かに頬を紅潮させた澄は懸命に昭和の肉棒を舐めしゃぶって
いた。
 口で奉仕しながらも、壁に掛かっている使ったことのない制服を見上げる。
 それだけで、昭和に意味が通じた。
「新しい制服って……お前、わざわざこういう事のために?」
「……!」
 エロスのための手間は惜しまないの! と主張しつつ、鈴口から漏れる先走
り液を吸い上げる澄。

292:無口姫の日常(7/13)
07/02/19 01:03:20 Z7V4VbOx
「そんな力説するな……っ!」
 澄の細い指で扱かれながら亀頭部分を重点的に舌で攻められ、昭和は危うく
射精感が競りあがってくるのを何とかやり過ごした。
「……?」
 ここがいいの? と問われ、
「ん、それ……」
 昭和はうっかり頷いてしまった。その間も、澄のお漏らしをしたかのように
愛液を分泌する割れ目を二本に増やした指で掻き混ぜる。
 切羽詰ったような吐息を漏らしながら、澄の舌が昭和の精を求めて肉棒を這
い回る。
「……っ……っ……」
 小さな唇を開き、澄がペニスを頬張る。ぬめる口腔粘膜の感触に、昭和の竿
が澄の口の中でググッと膨張していく。
「ちょ、ちょっと待て……それ以上されると……」
 どこで覚えたのか、昭和の先端を喉奥まで飲み込む澄。
「…………! ……!」
 正直澄にも余裕がない。昭和の指がぐにぐにと彼女の胎内を掻き混ぜ、自分
の汁が外へ掻き出されているのを自覚する。
 苦しくはあったが辛くはない。口の中いっぱいに昭和の分身を咥え込みなが
ら、喉の奥で亀頭が傘を広げているのを感じていた。


293:無口姫の日常(8/13)
07/02/19 01:05:54 Z7V4VbOx
 口内での射精の予感に、澄の下腹部が熱くなる。
「飲む……って、や、ま、待て、いや、待つな……くっ……」
 その瞬間、澄の喉で熱い飛沫が弾けた。
「……!」
 同時に肉棒に見立てられた昭和の指で絶頂を迎え、澄の肩がぶるっと震えた。
 喉を一度大きく鳴らし、苦しさに目から涙を溢れさせながら口の中に広がっ
た昭和の精を嚥下する。
 断続的に放たれる精液はとまらず、少し休むとすぐに澄の口内を満たしてし
まう。
 だが、わずかに処理し切れなかった精を口の端から垂らしながらも、澄は昭
和の欲望をほぼ全部飲み下すのに成功していた。


 互いに脱力することしばし。
「お、お前なぁ……」
 透明な愛液でふやけた指を澄の淫裂から引き抜いた昭和は、そのまま小ぶり
な尻を軽く叩いた。
「…………」
 頬を赤らめながらも無表情な澄が振り返る。口の端から垂れている精の残滓
が、異様に卑猥に感じられた。

294:無口姫の日常(9/13)
07/02/19 01:08:05 Z7V4VbOx
 再び肉棒が硬くなるのを感じながら、昭和は身体を起こした。
 そのまま、澄を押し倒す。
「……おしおきな」
「…………☆」
「わーい☆ じゃねえっ! 喜んでどうする!?」
「…………」
「激しいのが好きだもん、って……じゃあ、優しくするか」
「~~~~~!!」
「そこで怒るのか!? ああ、もう……!」
 昭和が澄の足を大きく開くと、彼女自身両膝の裏に手を回して、彼を入れや
すくした。右の足首に丸まったショーツを引っ掛けたまま、澄はあまりに無防
備な姿を晒す。
 昭和はガチガチに強張った肉棒を無毛の秘処へあてがい、一気に貫いた。
 肉の槍が粘蜜を掻き出しながら、窮屈な澄の中を突き進んでいく。
「…………!?」
 小さく口を開き、子宮底を突かれる衝撃に澄は目を見開いた。
「口喧嘩じゃ勝てないからな……」
 昭和が微かに腰を引くと、ぬるぬるの膣粘膜が肉竿に絡みついてくる。さっ
き出したばかりだというのに、あまりの気持ちよさに腰が震える。膣の中で、
自分のモノが膨れ上がるのを感じる。


295:無口姫の日常(10/13)
07/02/19 01:10:18 Z7V4VbOx
「…………?」
 断続的に荒い息を吐きながら、潤んだ目で澄が昭和を見ていた。
「ああ、動くって……言っても、きついからな、お前の中……」
 引き抜くと、汁まみれの膣が三箇所段々になって肉棒を締め付けてきた。だ
が、それをこらえながら、もう一度昭和は澄の中に己自身を突き入れる。
 じゅぶっ、じゅぶっと愛液を溢れさせながら、何度も腰を突き続けた。
「……! ……!!」
 そのたびに、澄の身体がビクッビクッと痙攣を繰り返す。
 脂肪の少ない澄の下腹部が、昭和が突き込むたびに肉棒の形に膨れ上がった。
「……この体位だと、すごいな、お前のここ、ほら」
 昭和がその腹を指摘すると、
「…………!」
 澄が小さく口を開いた。快感に、小さく喘ぎ声が漏れる。それにつれて、澄
の胎内は昭和の竿をギュッと締め付けてきた。
「ちょ、澄、し、締まるって……!」
「……! ……!」
 だったら出していい、と澄は主張する。お腹の中に出して、もう一回すれば
いいだけの話だ。安全日だし、子宮の中を昭和の精液で満たしてほしい、と澄
はねだった。
「いや、あのな……男はそう何発も出来るもんじゃないんだけど」


296:無口姫の日常(11/13)
07/02/19 01:12:29 Z7V4VbOx
「……☆」
「今日は中出し放題だから頑張れ☆ ってあのなぁ……」
「……?」
 しないの? と澄が昭和に尋ねる。
「……頑張ってみる」
「……♪」
 澄が微かに笑った。
「んじゃ、このまま二発目……いくぞ」
 すぐにでも射精しそうな肉棒を、連続して澄の子宮へ叩き込む。二人の下の
シーツは既にお漏らしをしたかのように愛液が染みを作り、なおも飛沫が撒き
散らされる。
「……! ……!!」
 力強く激しく抉りこまれる度に、澄の頭も真っ白のなっていく。
 身体の中で、どんどんと昭和のモノが膨れ上がっていく。腰を打ち付けあう
音と水音が次第に激しさを増し、
「んんっ……」
 昭和の唸りと同時に、澄の最奥に熱い精液が迸った。
「~~~~~!! ……! ……!!」
 断続的に放たれる精が子宮へと流れ込む感覚に、同時に絶頂を迎えていた澄
はさらなる高みへと昇り詰めていた。
 彼女自身の意思に応えるように、澄の膣は昭和の肉棒をきつく締め付け最後
の一滴まで搾り取ろうとする。
 二人繋がったまま、昭和は澄に身体を預けた。
「……ちょっと休憩な。さすがに連続三発はきつい」
「…………」
 ん、と澄は昭和の身体に両腕を回し、抱きしめた。


297:無口姫の日常(12/13)
07/02/19 01:14:40 Z7V4VbOx
 翌日の2年3組。
 教室に入ってきた戸鳴均が、昭和のやつれた顔を見て驚いた。
「……すごい顔だな、昭和?」
 結局、六回した。
「いつもの事だ。お前だって似たようなもんだろ、均」
 かくいう均も、似たような具合にやつれていた。
 何があったのかは、昭和には分からないが。
「……こっちは三人だからなー」
 ボヤく均の側頭部に、竹刀の先端が迫っていた。
「……余計な事言わない」
「げはぁっ!?」
 ビリヤードの玉よろしく、均の身体が撥ね飛ばされた。
 竹刀の先を床につき、矢野瑤子が小さく吐息をこぼす。微かに顔が赤い。
 その様子に、澄は首を傾げた。
「……?」
「三人って? と、澄が聞いてるけど?」
 いつものように、昭和が通訳する。
「き、気にしなくていいのよ、ええ。他聞寝言の類だから」
「……? ……?」
「ハーレム? 孕ませ? 何の話だ?」


298:無口姫の日常(13/13)
07/02/19 01:17:34 Z7V4VbOx
 澄の追求に、今度は昭和が訳が分からない。
「うわー! うわー! ちょっと澄! あんた分かってて言ってるでしょ!」
 慌てて、瑤子が澄の口を手でふさいだ。
「……☆」
 やー、と無表情のまま、両拳を突き上げる澄。
「お前、無口なくせに自己主張激しいよな」
「……?」
 そういう子、嫌い?
 澄がそう尋ねると、
「…………」
 昭和は無言で澄を睨んだ。
「ごめん、二人黙ると訳分かんない。澄の言った事、今のは何となく分かったけど」
「嫌いな訳ない、だって」
 しょうがないので澄が昭和の意思を綺麗な声で通訳した。
「「「「「喋った!?」」」」」
 クラスの全員が驚愕する中、一人昭和が澄の後頭部を叩いた。

※落ちてない。(汗
 現実逃避その2。
 このスレは、こういうのでOK?
 ちなみに小ネタ的に、孕ませスレと別板のアンソロスレ(と他色々)にリン
クしてます。

299:名無しさん@ピンキー
07/02/19 01:37:35 AuMja542
リアル遭遇GJ!こういう無口な子もいいなw
しかし、喘ぎ声も出さないとは徹底しとるw

300:名無しさん@ピンキー
07/02/19 02:22:03 NdTbCf72
うわーGJ!
小ネタにニヤニヤしてしまった

301:名無しさん@ピンキー
07/02/19 02:40:34 qvBiEDry
ぐっじょぶ(*´ρ`*)
ついにひとっことも声を出さずボディーランゲージ? オンリーの娘が出たかっ!

しかし、「~なの」だけでスケブの人を思い浮かべる俺、何とかならんかな(遠い目

302:名無しさん@ピンキー
07/02/19 03:09:25 cvuKG7vV
ぐっ、GJ!

俺もボディランゲージ娘書いてたけど、先を越されたっ!
くやしくないもん!(笑)

とまぁ、みっともない負け惜しみはさておき、楽しく読めました。GJです。

303:名無しさん@ピンキー
07/02/19 09:01:27 DQdlXlWx
エロい無口っ娘、ディ・モールトGoodJob!

304:名無しさん@ピンキー
07/02/19 19:00:09 epWd1NnS
GJ
まさかここまでとは、、、、

305:名無しさん@ピンキー
07/02/19 22:13:31 HCPguv+p
威力が桁違いだ!!

306:名無しさん@ピンキー
07/02/19 23:25:36 TirXPdUU
素晴らしい…

307:名無しさん@ピンキー
07/02/20 00:08:52 CygRWibv
>>GJです。

まだ、前の作品が投下されて1日だし、投下するのは早いかな?



308:名無しさん@ピンキー
07/02/20 00:19:36 pSegldgA
投下直後じゃないし、いいんじゃないかな?

っつーかばっちこいだぜ!!

309:名無しさん@ピンキー
07/02/20 00:32:32 Lyr28dw/
ドンと来い!
神々の筆に関しては雄弁でも何の問題もないかと。

310:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:30:54 CygRWibv
では、投下します。よろしくお願いします。
保管庫完成記念ということで。

(内容はそれとは全く関係がありませんがw)

311:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:31:48 CygRWibv
【ほうきぼしの姉妹】


「……お願いします」
「3番のカツカレー大盛りにボンゴレビアンコあがりました」

 俺が通っている大学から徒歩3分の喫茶店【ほうきぼし】のランチタイム。味もなかなか
美味しいと評判のこの店は、今日も多くの大学生がランチを食べに来ている。
「あーっ、忙しいったらないわね。いい加減、バイト料上げてくれなきゃ、とてもじゃないけど
やってられないわ。ねっ、そう思うでしょ」

 ウェイトレスの結衣(ゆい)さんが声を掛けてくる。実際、今現在の忙しさは、時給850円
のバイト料じゃ、割りに合わない忙しさだ。その点では大いに同意する。だが、今はそんな話を
悠長に聞いている状態じゃない。
「……できました」
「あっ、はい。結衣さん、このカルボナーラとナポリタンを1番テーブルに大至急お願いします。
バイト料の件はランチタイムが終わったら店長に直談判して下さい」
「何よぉ。ちょっと位、愚痴聞いてくれてもいいじゃない。あのケチンボのお父さんが時給を
上げてくれるわけ無いでしょ」
 結衣さんがほっぺたをぷぅっと膨らまして、しぶしぶ銀の丸テーブルに乗った料理を運んでいく。

 ここのバイトを始めて早2ヶ月。大学に入って2回目の春休みを金を稼ぐ事に決めた俺が、求人
広告を見て始めたのがここのバイトだった。学生に人気のほうきぼしは、オーナーである佐伯夫妻と
その子供の2人の姉妹が経営する小さな喫茶店だ。
 調理場を次女の友美さんと佐伯夫人。キャッシャー件ウェイターを長女の結衣さんと店長の
佐伯氏が担当している。そして、この俺はというと、この全てをこなすオールマイティー。まぁ、
要は忙しいところを手伝う雑用……という重要な役目を仰せつかっている。今は調理場から出てくる
友美さんの料理を結衣さんに渡し、結衣さんから受け取った食器を洗うという重要な……くそっ、
言ってて虚しくなってきた。
「何、ぶつぶつ言ってるの。後ろで友美、困っているじゃない」
「わっ、ご、ごめん」
「……いえっ、そんな……いいんです」
 後ろには真っ赤になって下を向いている友美さんがいた。


312:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:32:39 CygRWibv
 ほうきぼしの人気にはこの姉妹の存在もあった。長女の結衣さんは、軽いウェーブのかかった
茶髪で腰までの長い髪。ウェイトレスの制服が良く似合っており、頭の上には、白いカチューシャ
リボンが付けられている。凛とした切れ長の目に長いまつげ。唇には薄いピンクのルージュが
良く似合っている。明るく活発で誰からも好かれている巨乳美人のお姉さんだ。
 そして、次女の友美さん。肩までのボブヘアーに可愛らしい笑顔。口数も少なくてお淑(しと)やか
な淑女といった感じの女性だ。エプロンが似合う家庭的な優しい女の子なのだが、胸もお淑やか
なのは残念な限りだ。

「何、じろじろ私たちの胸見てるのよ」
「えっ? 見てました? 俺」
「じっくり、はっきり、くっきり見てたわよ。ふ~ん、わかった。やらしいこと考えていたでしょ。
エッチな事したいな~とか考えていたんでしょ」
「……おっ、お姉ちゃん」
「いえ、俺そんな事、1ナノ秒も考えていません」
「嘘。鼻の下伸びてる。あのねぇ、あたしにならいいけど、友美にそんな事しちゃ駄目だからね。
友美はウブで、処女どころかファーストキスさえまだの、超奥手で純粋な子なんだから」
「えっ? 友美さんて確か、俺と同じ二十歳(はたち)でした……よね」
「そうよ、あたしの妹の癖に生きた化石っていうかなんといっ……いだだだだっ!」
「……うっ、ぅっ、ぅっ、ぅぅうーーー!」
 ハイヒールの先を思いっきり運動靴で踏みつけている……それ、リアルで痛いと思いますよ。
友美さん。

『ねぇっ、Aランチのセットまだですか?』

 俺への冤罪はお客様の一言でうやむやの無罪放免となった。

313:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:33:06 CygRWibv
 その夜。調理場で明日の仕込みのジャガイモを剥いていると、≪カランカラン≫という音がして
喫茶店に誰かが入ってくる。
「あの、すいません。9時で閉店なんですけど」
「あははっ、あたしよ。あたし。お水、超特急で1杯頂戴~」
「結衣さんじゃないですか。どうしたんです、そんなに酔っ払って」
 水を渡すと、結衣さんはぐいっと一気にそれを飲み干す。
「あたしさ、振られちゃった。他に好きな人いたんだって……」
 結衣さんはそう言うと俺に寄りかかってくる。時折、涙声になりながら俺に話しかけてきた。
そこには、昼間に明るかった結衣さんとは別人のような弱々しい女性がいた。
「あたし、分かってたんだ。こうなるって。でもさ、もしかしたら本当の恋に発展するかもって期待してた。
でも、駄目。あたし、いつもそう……本当に好きな人には素直になれないで……こんな風に振られて……」
 最後の方は嗚咽に近い小さな声で話す。俺は結衣さんの肩を両手で支え、落ち着くまで少し待ってから
ゆっくり話し始めた。

「俺、こんな時、上手く言えない不器用な男だけど……でも、大丈夫ですよ。結衣さんみたいないい人、
他にそうはいませんから。直ぐ、本当の恋だって見つかります」
「……」
「もし俺だったら、結衣さんみたいないい人、絶対ほおっておきません。ずっと、離さないですよ」
「……嘘つき」
「はっ?」
 俺は一瞬、結衣さんの言っている事がよく分からなかった。だが、次の瞬間結衣さんの体が俺の体に
抱きついてくる。
「ねぇ、昼間、本当にあたしの体見てたでしょ。あの時、エッチしたいって考えてた?」
「えぇっ!?」
「あたしも……君ならいいって思ってた」
「ちょっ、どういうつもりです。結衣さん」
「……エッチしようよ。ここで。あたしの事慰めて」
「まっ、待ってください。結衣さん。おかしいですよ。本当に好きな人、他にいるんでしょ」
「もう、そんなのどうでも良くなっちゃった。お姉さんとエッチしよ……」
 そう言うと、結衣さんはその豊かな胸を俺の体に密着させてきた。吐息が頬をくすぐり、ピンクの
唇が直ぐそこまできている。結衣さんが俺の上に覆いかぶさるように二人の体が重なる。

「……すみませんっ」
 俺は結衣さんに謝った。密着していた胸を慌てて離し、頭(こうべ)を垂れる。
「やっぱり、あたしなんかじゃ嫌なんだ……」
「……いえ、そんな事ないです。結衣さんは魅力的だし、色っぽいし、おっぱいは大きいし。男だったら
誰でもエッチしたいと思いますよ」
「じゃあ、何で?」
「でも、結衣さんには本当は好きな人がいて、その人に告白できないでいる。俺、その人に申し訳ないです。
結衣さんがもし、ここで俺なんかとこんなことしたら、また同じ事繰り返しになってしまうと思うし」
「…………」
「だからっ、だから、すみません」
 俺は頭を下げ続けた。実際、こうするより他に方法が分からなかった。それに結衣さんの色気に反応して
しまっている下半身がみっとも無い自分。それが何とも腹立たしさを感じた。
「…………ぷっ」
 すると、突然の結衣さんの笑い声。
「……えっ?」
「冗談よ、冗談。失恋した腹いせに年下の男の子をからかって見ただけ。ごめんね~。お姉さん、名演技
だったでしょ」
「……そう……なん……ですか」
「そうよ。昼間、あたしの胸をいやらしい目で見ていた仕返し。本気にしちゃった?」
 結衣さんはもういつもの結衣さんに戻っていた。ケラケラと笑い、俺の肩をぽんぽんと叩いてくる。
「よかった……」
「そうよ、そう。この結衣さんを舐めるな~。それに、さっき言った事、全部嘘だから」
「振られたとか、本当に好きな人とかって……それも」
「そうよ~。あたしがそんな奥手なわけないでしょ~。好きな人がいたら直ぐにアタックするのが結衣さんの
モットーだぞ」
「……こっ……こっ、……この、大嘘つき女!」


314:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:33:58 CygRWibv
(ばさっ!)

 その時、唐突に紙の落ちる音がする。見ると、そこには数冊の帳簿を持った友美さんが立っていた。
顔面は蒼白で、目には光るものが見えている。
「……うっ、」
「友美さん」
「……友美」
 友美さんは後ろを振り向き、駆け足で2階への階段を上って行く。
「ごめん、友美に変なとこ見られちゃったね。あの……さっ、これはマジで。聞きたいんだけど、ちょっと
いいかな」
 結衣さんが急に真面目な顔をして俺に聞いてきた。

「いいですよ」
「君、友美の事。どう思ってる?」
「友美さんの事?」
「……友美さ、君の事……好きなんだよ。あたしさ、友美から相談されててさ……」
 友美さん。気立てが良くて、可愛くて奥ゆかしくて、俺なんかにはもったいない女性だ。その友美さんが
俺の事を好き? そう言われてみれば、最近俺の事をじっと見つめている事が多かった気もする。友美さんの笑顔が
頭の中に思い浮かぶ。
「あの子さ……今まで男と付き合ったことないでしょ。だから、最初はちゃんとした男じゃなきゃだめだって
思ってた……君なら……君になら……友美を……任せられると思う。それでさっきさ、あたし……試したんだ。
君が軽薄で遊びの恋愛をする男と同じかって……でも、違ってた」
「俺……俺は……」
「……」

「友美さんの事、好きです」

 俺はそう答えていた。これは俺の偽らざる素直な気持ちだ。
「─そう」
 結衣さんは俺の目をじっと見つめた。やがて、確認が終わったかのようにふっと目を離す。
「じゃあ、友美の気持ちに応えてあげて。あの子、もうずっと前から、君になら許せるって心に決めているから」
「はい」
「……」
 結衣さんは俺の頭をぽんと1つ叩くと、指で階段を指差しにっこりと笑う。

315:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:34:37 CygRWibv
 俺は、友美さんを追って2階の部屋に向かった。ほうきぼしの2階は佐伯家の住居になっている。友美さんの
部屋は一番奥の部屋だった。

(トントン)

 部屋をノックする。だが、返事がない。俺は、ドアの外で勝手に喋り始める。
「友美さん。俺、さっき結衣さんにからかわれて。それであんな状況になってたけど……何も無かったから。
だから、誤解しないで聞いて欲しい」
「……」
 相変わらず部屋の中からは何の返答もない。
「俺……ずっと友美さんが好きでした。もし、よければ俺と付き合ってください」

(がたんっ)

 部屋の中で何かの音がした。それから5分間、俺は部屋の前で待ち続けた。もう駄目かと諦めかけていた頃、
部屋の鍵がかちゃりと外れる音と共に、ゆっくりと扉が開いた。
「…………はいってください」
 部屋の中に入るとそこは本当に女の子らしい部屋が広がっていた。棚には熊のぬいぐるみが並べられ、可愛い
小物が並んでいる。友美さんはベッドにちょこんと腰掛けると、そのまま下を向いてしまった。俺はその横に
並ぶように腰掛ける。

「……」
 10分程してから、ほんの僅かに声がする。
「……本当ですか?」
 うつむいたままで、俺に問いかけてくる。
「勿論。俺、友美さんの事、真剣に好きです」
「…………じゃなくて」
 そこまで言って、友美さんは、また黙り込んでしまう。心配になって顔をのぞきこむと、耳まで真っ赤にして
俺の返答を待っているようだった。

「もしかして、結衣さんとの事?」
 友美さんは、コクンと頷いてますます身を固くする。
「あんなところを見られて、信用しろなんて都合のいい話だけど、本当に何もないから」
「……何もない」
「天地神明、全ての神々に誓って。アラーの神だって、仏陀にだってキリストにだって誓います」
 そう言って俺は握られた手を優しく包む。
「良かった」
 友美さんは真っ赤な顔をとびきりの笑顔に変えて、俺に囁く。
「……私も……好き」


316:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:35:02 CygRWibv
 結衣さんから聞いていたとはいえ、こんな可愛い子から好きという告白を聞くと本当にドキドキする。
俺はゆっくりと肩に手をまわし、その体を引き寄せた。
 友美さんは、上目使いに俺を見て、次の行動をじっと待つ。
「キス、するね」
 カタカタと小刻みに震える肩をしっかりと抑えると、友美さんの小さな顔が少しだけ上がり、ゆっくりと
まぶたが閉じられる。リップを塗っただけの艶やかな唇に、俺は自分の唇を重ねる。
「友美さんのファーストキス、すごく良かった」
 唇を離すと、一本の唾液の線がニ人の間に結ばれる。少しだけ残念そうな顔をした友美さんは、しばらく余韻に
浸った後、「私も……」と、遠慮がちに言った。

 こんな健気な友美さんを抱き寄せてスキンシップをしていると、俺は段々と興奮してきてしまった。最初は髪、
次は頬とスキンシップを重ねていく内、手が白いセーターの膨らみを触りたいという欲求にかられる。
最初はさりげなく触れる程度、力シミアのセー夕一の膨らみにさりげなく接触する。
「……!」
 友美さんの両手が形の良い双丘を隠してしまった。早まったかと思い謝ろうかと顔を見ると、友美さんも
恥ずかしそうにこちらを見ている。

「ごめん、俺の手、いたずら好きで」
「……小さくて」
「いや、今夜よく言って聞かせるから、今日のところは勘弁してやって欲しいなぁ……なんて」
「……ごめんなさい」
 あれ?会話が成立してないぞ。俺が謝るのならまだしも、何で友美さんが謝っているんだ?矛盾点を解決すべく、
脳をフル回転させていると、あの強固に閉ざされた二つの丘の入り口がゆっくりと開いてく。
「えっと、あの、その、なんていうか。綺麗です、友美さんの胸。凄く魅力的で俺でなくても、触りたくなるって
いうか、痴漢ならもう、絶対ほおって置かないっていうか……」
「……ふふっ」
 まるで日本語になっていない誉め言葉を聞いて、友美さんはくすくすと笑い始めた。このてんぱった日本語が
効を奏したのか、友美さんの緊張が笑いと共にほぐれていくのが分かった。


317:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:35:42 CygRWibv
 二度目は手の平に包み込むようにゆっくりと触った。ブラジャーの絹の感触と美乳の弾力。カシミアのサラサラと
した触り心地も手伝って、柔らかな感触を十分に堪能できる。しばらく服の上からその感触を楽しんでいると、
友美さんの声に熱い吐息を伴った淫声が漏れ始める。
「─んっ、……ぁっ……んっ」
 感じ始めている。そう考えると下半身が充血して、きつくなってくるのがわかった。腰の部分からセーターを
たくし上げて手を入れる。友美さんがその侵入を阻止しようとそれに手を添えるが、弱々しい抵抗だった。
かまわずブラジャーの隙間から手を入れると、ツンと勃起した乳首の感触がそこにはあった。
「……だめ」
 友美さんは今度は言葉での抵抗を試みる。だが、フロントホックの留め金を外し、人差し指の先で勃起した
乳首を弾くと、抵抗の言葉は消え2度目のキスを求めてきた。

「─ふぁ……ぁふっ、んんっ、ン…」
 今度は互いに唾液を吸い合う深いキス。舌の求めはより貪欲になり、絡ませあって温かな感触を感じあう。
セーターを脱がせると、形のよい上突きの乳房が現れる。友美さんをベッドに仰向けに寝かせ、その上に
覆いかぶさるように上になった俺は、キスをしていた唇を首からうなじ、そして鎖骨から乳房へと移していく。

(ちゅっ……ぴちゅ)
 ピンクの乳輪と乳首を舌先で舐めながら刺激していくと、我慢できないのか白い内腿が俺に足に絡みついてきた。
「友美さん、裸になろうね」
 恍惚でぼうっとした表情の友美さんがコクリと頷く。その了承を確認して、俺はスカートのファスナーを下ろし、
ゆっくりと脱がせていった。ピンクのショーツには熱い愛液がぐっしょりと濡れて、縦に伸びた筋がくっきりと
浮かび上がっている。
「……さんは嫌」
 友美さんが何かを訴えかけた。どうやら、友美と呼んでもらいたいらしい。こんな要求なら誰だって応じますよ。
「友美。俺は友美と一つになりたい。告白したばかりだけど、軽い気持ちや勢いで言っているんじゃない。
本心からそう思っているし、ずっとこの先友美の事大切にする」
 友美の目元から一筋の涙が零れた。この時俺は、友美の最高の笑顔を見れたと思う。

 互いに裸になると、友美の陰部は既に濡れていた。淫口と肉芽に大きく固くなったモノをあてがい、その先で
上下に刺激する。
(ちゅくっ、くちゅっ、ちゅっ、くちゅ、ちゅぷ)
「あふっ、─ぁぁっ、んんっ!!」
 友美が両手を俺の首の後ろに手を回して引き寄せる。全身が緊張し、腰がガクガクと左右に揺さぶられる。
「いっちゃった?」
「……ごめん……なさい」
 申し訳なさそうな顔をして、友美がこちらを見ている。すまなそうな顔もかなり可愛い。
「じゃあ、少し休もう。初めての女の子は敏感になっているから」

318:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:36:40 CygRWibv
 裸のままで肩をすり寄せ合った。友美の細い指先がすすっと俺の陰部に伸びてくる。誇張しきった淫茎を
申し訳なさそうにすりすりと擦る。
「いいって。気にしないで。俺、大丈夫だから」
 首を横に振ってもう一度とせがんで来る。友美はどうしても今日、バージンを俺に捧げてくれるつもりらしい。
我慢できる?と聞くと、真っ赤な顔を縦に2度振った。

≪その時、何故か俺の頭に結衣さんの顔が浮かんだ≫

 そうか……結衣さんに託されたんだっけ。友美を任せるって。しかし、何でこんな時に結衣さんの顔が
浮かぶんだ?俺、結衣さん恐怖症なのかな?友美とこれから一つになるという重要な局面に、あの結衣さんを
思い出すなんて。俺は苦笑して友美にこの日3度目のキスをした。

 火照った友美は既に愛撫の必要がない程、その淫口は受け入れる体制ができている。だが、十分に愛液で
溢れていても、友美はまだ男を受け入れたことの無い体だ。その膣内はとても窮屈だった。俺は上から慎重に
亀頭を先を沈めていき、Gスポットの先までその挿入を果たす。
「─あっ、くぅぅっ、あくっ、、くっふぅ!」
 痛みに耐える友美は、俺をきつく抱きしめている。3分の1程挿入した所で、亀頭が何かの壁に当たった。
これが友美の始めての証なのだと認識する。
「一つになろう。友美」
「……は……い」

 休憩を取りつつ、友美の淫内にゆっくりと確実に挿入していく。すると、あれほど窮屈だった膣内が段々と
挿入が容易くなり、友美も段々と痛みの中に快楽を見出せるようになってきた。
(にゅる、にゅちゅっ、じゅくっ、ぐちゅ)
「─まっ、また……ぁん、、くっ、んんぁぁっ、あふっ………きて」
「もう、、……でる」
「ぁっ、ぁあっ、ぁぁっっ、んっく、、ぁっっ、ふぁっ、んんっぁああ!!!」
 膣内に脈打った精液が流れ込み、2度目の絶頂を迎えた時、俺は友美の処女を受け取った。


319:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:37:01 CygRWibv
「……どうぞ」
「おう、友美任せろ。2番テーブルのオムライスとトーストセットできたよ」
「……」
「おい、聞いてんのか! 出来たって言ってんだろ!」
 あれから数日、喫茶店【ほうきぼし】は何も変わっていない。ただ、少しだけ変わった事は俺が友美さんと
呼んでいた人を、愛情込めて友美と呼ぶようになった事。そして、夜に一人でやって辛かったジャガイモの
皮むきが、二人でやるとても楽しいものに変わった事位だ。

「何が任せろよ。何が友美よ。デレデレしちゃって。お店の中で恋愛ゴッコは禁止ですからね。お分かり?」
「ふっ、結衣さんは独り身が寂しくて嫉妬ですか。本命の彼氏は結局ゲットできず、悲しいですなぁ」
「うるっさいわね。あたしの方から振ってやったって何度言ったら分かるの? それとも何? 君のお頭(つむ)は
ミミズ以下か?」
「はいはい、では、そういう事にしておきましょう。俺と友美の愛の波動で、傷心が癒えてない結衣さんを
さらに傷つけてはいけませんからねぇ」
「……どうせ、避妊もしてないんでしょ。出来ちゃった結婚で貧乏暮らしが関の山よ」
「……お姉ちゃん」
「動物園の猿みたいに毎晩、やりまくって。お前は本当に猿の生まれ変わり─ぎゃぁぁああああ!!」
「もうっ!」
 友美……それ、弁慶の泣き所っていってな、普通男でも遠慮する人間のウィークポイントだ。普通、フライパンで
殴ったら死ぬぞ。

 結衣さんには感謝してる。友美と俺の縁を取り持ってくれたくれたのは、紛れも無く結衣さんだ。ただ、最近、少しだけ
結衣さんは元気が無い。どうやら、本命の彼氏には思いを告げず、そのまま終わってしまったようだった。
 だから、俺はいつものように結衣さんの喧嘩相手をして、結衣さんを元気づけている。

 いつもの喧嘩、いつもの日常、いつもの風景。これからもずっと……このままで。




おしまい



320:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:46:44 CygRWibv
以上です。
面白みに欠ける内容ですね。ボキャブラリーの少なさを嘆いております。w
最初、もうちょっとドギツイ内容だったのですけど、出来上がってみれば不思議と
キツイ部分を全部剥ぎ取ってしまいました。

では、失礼します。

321:名無しさん@ピンキー
07/02/20 01:56:23 oVobrmzw
生きた化石(*´ρ`*)

322:名無しさん@ピンキー
07/02/20 04:48:54 eNSDKpEs
GJ!!
寝る前に良いもの見れたよ。Thanksだ!

323:名無しさん@ピンキー
07/02/20 10:02:12 jAjpCMbV
GJ!
朝から良いもの見れたよ!前半結衣とくっつくのかと焦ったけどなw

324:名無しさん@ピンキー
07/02/20 19:03:33 IMKR3nSb
GJ!
可愛いよ、友美さん!


325:名無しさん@ピンキー
07/02/20 20:42:26 +0oBKIin
GJ!!
スレの趣旨に反するけど、姉も食べちゃう展開もおねg(ry

326:名無しさん@ピンキー
07/02/20 22:10:37 BqEHrbhL
>>325
お前は俺か。

327:名無しさん@ピンキー
07/02/20 22:27:33 CygRWibv
感想ありがとうございました。嬉しいです。
やっぱり、結衣は人気ないですね。

>>325
> スレの趣旨に反するけど、姉も食べちゃう展開もおねg(ry
えっと、スレ違いになるのでその展開はないです。
(姉は無口じゃないので)
しかも、ダークサイドに落ちるかヤンデレ化するので非常に危険かも。

↓以下はSSではありません。妄想の書き込みです。

「……ぁっ、ふ……好き……」

 隣の部屋から僅かに聞こえる甘い声。
 真っ暗な部屋の中でベッドの上で膝を抱え、結衣は座っている。耳を塞ぎ、
必死に何かを耐えている。

《ねぇ、後悔しているんでしょ。妹に好きな男を譲った事》
 また、あの声だ。どんなに耳を塞いでも聞こえてくる……【あたしの声】
「後悔なんてしてない。友美の幸せな笑顔。そうよ。後悔なんて」
《妹に相談持ちかけられて、動揺して―やけざけ飲んで……自分に嘘をついて……》
「うるさい、黙れ!」
《あの晩、彼が本当に求めて来たらどうしてたの?》
「……あれは……彼を試そうと……しただけ」

《セックスしたかったんでしょ。セックスしたかったでしょ。セックス……》

「しないわ! …………しない……わよ」
《嘘……さっき、隣から聞こえてくる声でオナニーしてたくせに》
「お願いだから……もう……やめて」
《臆病で嘘つき。他人には強がって、本当はセックスする勇気もない》
「許して……」
《なら、奪っちゃいなさいよ。妹から》
「……どこかに……行って……もう……苦しめないで」


どう見てもこのスレの内容じゃないです。w


328:名無しさん@ピンキー
07/02/20 23:13:24 5TxsshDv
けれどGJ

329:名無しさん@ピンキー
07/02/20 23:15:29 LFSShSAg
>>327
ヤンデレスレか嫉妬スレでそっちのバージョンを本格的に書くってのはダメ?w

330:名無しさん@ピンキー
07/02/20 23:22:45 rD/MQfl8
ここは、姉妹で男を共有、仲良くハーレムスレへ。

331:名無しさん@ピンキー
07/02/21 00:09:26 L9uwJUhh
>>329>>330
友美は幸せのままでいさせてあげてください。w
無口なヒロインは私も好きなので、二律背反(アンビバレンツ)を背負った結衣と絡ませるとかすると
友美は必ず不幸になると思うんです。

また、別作品でそのスレでお会いできましたらその時はよろしくお願いします。
後、SS作品書くときも、私自身もそういうモードになっちゃうんですよ。(ヤンデレ、嫉妬等)
結構、ノリと勢いで書くタイプなので。w だから、その手のSSは手を出すのが怖い。

読んでいただきまして本当にありがとうございました。

332:名無しさん@ピンキー
07/02/21 01:26:38 ocfCj5MV
お疲れ様でした。


333:名無しさん@ピンキー
07/02/21 23:51:40 tSMLquQO
>>331
乙であります。次回作期待させていただきます。

334:名無しさん@ピンキー
07/02/22 20:45:08 ekfT9tak
>>208
これだけでも抜けるぜ

335:名無しさん@ピンキー
07/02/23 01:06:14 FtmnTpAO
ほす

336:名無しさん@ピンキー
07/02/23 15:17:30 GknmvSlH
誰か書かないのかな?

337:名無しさん@ピンキー
07/02/25 00:18:18 jVfpYn3y
無口な女幽霊ってあり?いろいろと思いつんたんだが。

338:名無しさん@ピンキー
07/02/25 00:34:21 WoAQjqun
「あ、あの」
幽霊「・・・・・・」
「すいません」
幽霊「・・・・・・」
「何か喋れよ」
幽霊「・・・・・・」
「てめぇ、ふざけてんのか!!」
幽霊「・・・・・・ウウ」
「ご、ごめんよ」 

339:名無しさん@ピンキー
07/02/25 01:22:42 97/j+TG5
>>338
か、かわいい////

340:名無しさん@ピンキー
07/02/25 01:49:11 9lk4UhoT
幽霊に動じないのかよwwwおキヌちゃんみたいなタイプなのか?


341:名無しさん@ピンキー
07/02/25 01:56:39 WoAQjqun
まさにそれ

342:名無しさん@ピンキー
07/02/25 02:36:38 sZhB7p0W
いや、おキヌちゃんはどちらかと言えば外に出る社交的なタイプ
引っ込み系ならネギまのさよちゃんだろ?

343:名無しさん@ピンキー
07/02/25 10:35:22 Ljrok/qQ
>>338
何か落語の「応挙の幽霊」を思い出したよ

本物かどうかわかりゃしない「円山応挙筆の幽霊画」の掛け軸を安く仕入れた道具屋、
これが客に気に入られて高く売れることになって大喜び。
近々お客に引き渡すので、絵に対するお礼の意味も込めて
床の間にこの幽霊画の掛け軸を吊して、お酒を供えてやった。

と、深夜に画の中から女幽霊が出現。道具屋腰を抜かす。
「私は応挙の真筆による幽霊ですが、皆さんお買い求めになっても、
しばらくすると怖い怖いと言って、床の間から仕舞われてしまうのです。
それをお酒まで上げて頂いて・・・」
何しろ幽霊とはいえ、応挙の真筆だけに大変な美人だ。
で、道具屋と幽霊が意気投合、深夜までお酒を飲んでどんちゃか騒ぎ。

翌朝、道具屋が目を覚ましてみると、
掛け軸の中で、酔いつぶれた幽霊が横になって向こう向いている。
道具屋、頭を抱えるオチ。
「ヤバい、客に渡すまでに酔いが醒めてくれればいいが・・・」

スレ違いだが、「かわいげのある幽霊」って点でつい思い出してしまった。

344:名無しさん@ピンキー
07/02/25 18:34:09 sZhB7p0W
若干スレ違いではあるがエロパロに最適ともいえる題材だなw

345:名無しさん@ピンキー
07/02/25 18:41:18 RLGrIdxb
確かに、ネタとしては最高ww

346:名無しさん@ピンキー
07/02/25 20:40:41 9lk4UhoT
ファンタジー系でも無口ならアリじゃない?

347:名無しさん@ピンキー
07/02/26 11:02:22 0L1p4or7
無口さが前面に出ていればおk。

348:名無しさん@ピンキー
07/02/26 19:27:28 lbInrqFq
問題は酒飲んでへべれけになる無口っ子ってのが想像できない点だな。

349:名無しさん@ピンキー
07/02/26 22:01:45 FEpKf1It
俺は無口っ娘は酔っ払うとめちゃくちゃハイテンションになって喋り捲るというイメージがあるな。

350:名無しさん@ピンキー
07/02/27 02:43:09 1DLOYji0
俺は一口飲むと「きゅ~」とか言ってつぶれるイメージがある

351:お魚 ◆5Z5MAAHNQ6
07/02/27 03:28:47 pNXgKazE
「…………っ」
 ひっく。
「どうした、澄。もう酔ったのか?」
「…………」
「……澄?」
「…………」
 かぷ。
「ぎゃおっ!? ちょ、ちょ、ちょっと澄!? な、何で噛む……!?」
「…………」
 かぷかぷ。
「ま、待て! みんな見てる! 見てるから、だから噛むな! 俺の腕を二の噛むなー!」
「……?」
「舐めるのも却下!!」
「……♪」
「脱ぐなー!! お前なんで甘酒でそこまで酔えるんだよ!?」

……こんなんで?>酒
割と普通だった。

352:名無しさん@ピンキー
07/02/27 08:13:46 qA9oje7q
マーベラス、マーベラスである!

353:名無しさん@ピンキー
07/02/27 09:12:46 wneROsMh
ハラショー!

354:名無しさん@ピンキー
07/02/27 09:19:44 6b2Chjk6
スパシーヴァ!!

355:名無しさん@ピンキー
07/02/27 13:48:17 WUcMTuB+
ヴンダバー

356:名無しさん@ピンキー
07/02/27 16:22:24 wC0lv+yQ
ブラボー!!

357:名無しさん@ピンキー
07/02/28 00:22:03 JAnAE6a4
エークセレーント!!

358:名無しさん@ピンキー
07/02/28 00:34:43 SCsB+XgS
ボーノボーノ!!

359:名無しさん@ピンキー
07/02/28 09:43:34 51DIwMSC
Oh! kawaii !!

360:名無しさん@ピンキー
07/02/28 16:24:34 itOWv93v
moe!moe!

361:名無しさん@ピンキー
07/03/01 00:54:05 LhrqHOC6
なんか幽霊か妖怪ネタが出来そうな感じ。

362:名無しさん@ピンキー
07/03/01 04:03:07 af17UzyX
「なぁ」
「・・・(?)」
こいつはいつもこうだ、言葉で反応することを知らない
「今度どこか行くか」
「・・・(コクコク)」
だけどそれで成り立つ、嬉しいやら悲しいやら
「どこにするか」
「・・・(フルフル)」
・・・映画、かな
「なんか観たいのでもあるのか?」
「・・・(コクコク)」
「あのなぁ、たまにはなんか喋れよ~」
「・・・好き」
こいつはもしや魔性を秘めてるのだろうか、効果はバツグン
「はぁ・・・」
「・・・(?)」
「おりゃ!」
「!!?」
そりゃあヤリますよ、お前が悪いんだ、仕方あるまい
「・・・えっち」

「・・・だけど好き」

363:名無しさん@ピンキー
07/03/01 21:46:02 wTXPYn+l
(*´Д`*)
ってなった

364:名無しさん@ピンキー
07/03/02 12:57:00 0soPeSwS
ポヤーンとなった(^◇^;)

365:名無しさん@ピンキー
07/03/02 13:07:33 v2+CIrGQ
僕的にはもうちょっと恥じらいがあった方が・・・・
いやっ何でもないっす

366:名無しさん@ピンキー
07/03/02 17:44:27 ymOk2IIB
>>365
いまんとこスレの潮流は無口な素直クールあたりを周遊中だからなっ。
キミが潮流の方向を変えるといいんだぜ

367:名無しさん@ピンキー
07/03/02 21:04:32 kPNJ2Le0
すぐに恥ずかしくて真っ赤になる、タイトルにもあるような王道無口。
無言で擦り寄り甘えてくる、現在主流の素直クール無口。
孤高で強いと思いきや、実は口下手の寂しがり屋さんなギャップ無口。
お喋りな娘が風邪やショックな事件で喋れなくなる、現在レアなシチュエーション無口。

他に何かあるか?

368:名無しさん@ピンキー
07/03/02 21:44:33 SuIPRENB
自分の声音か口調にコンプレックスがあって、自主的に喋らない無口。
相手の話を聞くのが好きだから相づちを打つだけで、自分からは口を開かない無口。
言葉が通じなくて、筆談に頼らざるを得ない外国少女的無口。

って、ネタ書いてると話し書きたくなってくる。

369:名無しさん@ピンキー
07/03/02 23:06:52 jU2qKryU
ただ単に喋るのが面倒くさいだけの、面倒くさがりやの無口

370:名無しさん@ピンキー
07/03/02 23:12:56 cpBBHajN
実際孤高の女剣客。無駄口嫌い。

371:名無しさん@ピンキー
07/03/03 16:19:30 AfhuFyCX
好きな男がクール好きだと聞いて頑張って無口になろうとする女の子

372:名無しさん@ピンキー
07/03/03 16:20:57 8AI6lrbh
>>371
ぬお、萌える。

373:名無しさん@ピンキー
07/03/03 17:16:09 NvH5i7fx
喋ってるけど聞き取れない、小声無口
無口キャラが流行ってるから喋らない、流行無口

374:名無しさん@ピンキー
07/03/03 19:37:22 gRlxs720
とんでもない天才で思考速度があまりに速すぎるが故に、言語化が追いつかず結果的に無口

375:名無しさん@ピンキー
07/03/03 19:46:25 b+K1xt78
とんでもないトロさで思考速度があまりに遅すぎるが故に、言語化が追いつかず結果的に無口

376:名無しさん@ピンキー
07/03/03 21:16:16 acxhmOcS
>>375はもの凄く時間が経ったあとで喋りそうだが

377:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:13:57 UDkrqxgn
きっと何か言おうと思ったら既に話題が変わってて言うに言えないを繰り返しているんだろ

378:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:29:58 kPEOAwqb
>無言で擦り寄り甘えてくる、現在主流の素直クール無口
>ただ単に喋るのが面倒くさいだけの、面倒くさがりやの無口

を折衷したのを書いた。後者の割合のほうが明らかにでかいけど・・・
以下に投下

379:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:30:58 kPEOAwqb
確認しようか。
ここは寺原家の敷地内、そして俺の苗字はまさに寺原。
ここは寺原友哉の自室であり、そして俺の名前はまさに友哉だ。
……しかるに、俺の部屋のベッドで堂々と眠り込んでいるこいつは何だというのか。
姉か。さもなきゃ妹か? 生憎、俺に女のきょうだいはいねえ。兄貴がいるだけだ。
「またこいつは……」
帰宅するなり眼に入った望まぬ情景に、深く溜息をつく。
どうせまた屋根伝いに俺の部屋に侵入してきたのだろう。空き巣に間違われるからやめろって言ってるのに。
この幼馴染の侵略自体にはもう慣れっこだ。ただ、今の時間が溜息をつかせる。
たとえ下校時刻になってからここまで直行したとしても、市外の高校に通うこいつが、こんなに早く帰宅できるわけがない。
またぞろ早退したのだろう。枕元に積み重ねられたマンガ(当然の俺のものだ)の数が、こいつの進入時刻の早さを物語っている。
「全く、怠惰もここまで来ると犯罪だ……」
ぼやいて、カバンを適当に放り出し、俺はマンガを本棚に収納する。あとで感想を聞いてみよう。
と。枕元でごそごそやったせいか、泉水がわずかに眼を開けた。
光を感覚するのに抵抗するがごとく、ゆるゆるとまぶたが上がっていき、半分ほどで停止。
俺はこいつが目を見開いたところを見たことがない。
「おはよう」
「…………」
声をかけてみたが、こっちをじっと見るだけで何も言わない。まばたきを2回するだけだ。ぱちぱち。
返事を期待したわけではないので、俺は本の収納に戻る。
「また早退かよ。俺のとこと違って進学校なんだし、あんま休むと留年すんぜ」
「………………」
「あと、マンガ読みながら寝るのはやめるように。ヨダレつけでもしたら殴るからなマジで」
「……………………」
「ちゃんとメシは食ってるか? おまえ、平気で昼飯抜くからなあ」
「…………………………………………」
「…………」
本の収納を終えて振り向くと、泉水はまぶたを閉じてすぅすぅと寝息をたてていた。
やれやれ。

古根泉水。
俺の幼馴染にして、現在は隣の市の名門女子高に通う、成績優秀な女子高生だ。
ただし……優秀なのは成績だけ。俺の計算する限り、出席日数は明らかに不良のものだ。
原因はこいつの怠惰さにある。キリスト教の神様が激怒するようなレベルの、超越的な怠け者ぶりが問題なのだ。
趣味は睡眠。嫌いな単語は労働。座右の銘は「果報は寝て待て」。もっとも、泉水なら果報が来る見込みがなくても寝ているだろうが。
基本的に無口で無言なのは、喋るのが面倒くさいからである。
まさに人間失格。人権を一部制限していいから勤労の義務を免除してくれと言い出しそうで怖い。
はっきり言って、普通なら関わるべき人種ではないが……
それでも、幼馴染だしな。
付け加えるなら、彼女だし。
さらに言えば、こいつがここまで無気力になった原因も知っているわけだし。
放ってはおけるか? 俺は無理だ。だから、泉水の家に面した窓の鍵を閉めたことは一度もない。本物の空き巣に入られたら諦めよう。
「ふはぁぁぁ……」
ベッドに寄りかかって本を読んでいると、背後であくびが聞こえた。
顔を向ける。まだしぱしぱした目をしているが、泉水が半身を起こしている。
―って制服で寝てたのかよ! 着替えるくらいしろよ! シワとか気にしろよ!
「おはよう」
改めて挨拶すると、泉水はオイルの足りない機械のような動きで、目を合わせてきた。
曇った水面のように思考を読ませない瞳が、ぴたりと俺の目に据えられる。
「…………」
そして、こくん。

380:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:31:34 kPEOAwqb
一度頷いて、泉水はまたベッドに倒れこんだ。布団を掛け直さないところからすると、もう眠る意志はないようだ。
俺は腰を上げてベッドに座る。中空をぼんやりと眺める泉水に目をやって、
「あんま口うるさいこと言うような柄でもないし、言える立場でもないけどな……」
指を突きつけ、
「早退すんな。何度でも言うけど、留年するぞ、おい」
「…………」
無表情に首を振り返してくる。そのあたりは計算してる、の意だろうか。
「あと今日はちゃんと行ったみたいだけど、欠席は控えるように」
今度はこくこくと縦振り。
「ついでに言うなら、喋れ」
泉水はむすっとした様子で、おそろしく大儀そうに口を開く。くちびるを動かすのに必要なカロリーすら勿体無いと言わんばかりに。
くちびるの隙間から漏れ出る音は、大概の人間の予想を裏切る美しいものだ。ただ、
「めんどい……」
発言内容は、決して予想を裏切らない。
泉水はそれだけ答えると、何かを求めるように、細くて白い手を宙にさまよわせ、本棚を指差した。
そのあと、指で14という数字を表現してくる。
どうも、マンガの続きが読みたいらしい。
……って自分でやれやそのくらい!
そう思いつつも俺はお目当ての物をとってやる。俺っていいやつだなあ。
エデア大陸戦記14巻を読むのに熱中しだす泉水を横目に、俺は本を床から拾い上げて読み返す。
しばし、部屋には乾いた紙の音だけが、ぱらり、ぱらりと響く。
いつしか陽は隠れ、窓から望む西の空は、派手な赤の装いを捨てて、落ち着いた深い蒼をまといだしている。
そのあたりでようやく暗さが苦になってきて、俺は明かりの紐を引いた。
光が室内に満ちた。泉水が急なまぶしさに目を細めた。親しくない人間からは、もう寝てるのか起きてるのか判別できないだろう。
「……それ、なに?」
不意に、泉水が口を開いた。見るとさっきのように半身を起こして、例の曇りガラスの視線で、俺の手元を見つめている。
「これか? 参考書だよ。やったとこをちょっと復習してただけ」
「…………なんで?」
意味を量りかねる。それを察したか、面倒そうに泉水は言葉を重ねた。
「ゆーや、バカなのに」
こ―このアマ。言うに事欠いて何てことをッ! 純真な男子高校生に言っていい台詞か!?
流石に少しばかりカチンときた。
ちょっと恥ずかしがらせてやろう。
「へっ。まだ2月とはいえ、受験までもう1年切ってるんだぜ? いくら俺でも下準備くらいはするさ」
納得したようで、泉水はひと頷きすると読書に戻ろうとする。
そうは行くか。聞け、俺の恥ずかしい本音を。
「勉強しまくって、お前と同じ大学行きたいしな」
さあ悶えろ! 背中を虫が這うような感覚にのた打ち回るがいい!
「…………」
だが、予想に反して泉水は無反応。無表情を崩さない。
あれ、不発かと思った瞬間―唐突に、泉水は微笑んだ。
ひどく儚くて、いまにも消えうせてしまいそうな薄明の微笑み。ちょうどそれは、さっき見た空の残照を思わせた。
俺は心臓を鷲づかみにされる。
「……うれしいな。一緒に行きたいね」
「は―恥ずかしがれよ、少しくらい」
泉水はミリ単位で首をかしげた。きちんと目に見える角度を作り出すのも面倒だというのだろうか。
「…………どうして?」
恥ずかしがる必要があるの―と、そう泉水は告げる。
掛け布団からほっそりした足を抜いて、自ら、泉水のほうからこちらに身を乗り出してきて、
「だいすき」
ちゅ―と、ごく自然にくちびるを重ねられた。

381:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:32:14 kPEOAwqb
温かくてしめった感触は一瞬で、俺がそれを惜しいと思った時には、今度は頬にその感触があたる。
ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅ、と、頬、ひたい、まぶた、またくちびると、休みなくキスが繰り返される。
泉水は俺の顔をつめたい手のひらでそっと挟み、繰り返し自分の心を表現した。
―いとおしい、と。
言葉もないのに、俺の脳は泉水の意思を音声で知覚する。
すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき、すき。
このやろう。
俺も好きに決まってるだろうがっ!
女から愛を贈られるばかりでは男の沽券に関わる。
そう思って、俺からも唇を求めようとすると―
ぴたり、と人差し指が俺の行動を制した。唇をふさがれて出来るキスはあるか、いやない。
「………………もう時間」
なにが? そう言う前に、
「友哉ー! そろそろご飯にするよー!」
という母の声が、階下から飛んできた。おいおい泉水さん、あんたはエスパーなのかい?
泉水はゆっくりと、かつだるそうに立ち上がり、自分の家に面した窓に手をかけた。
「ばいばい。……勉強、わからないところあったら教えてあげるから」
振り返ってそう言い、窓を開ける。俺は思わず泉水を呼び止めた。
「次はな泉水!」
「………………?」
「……俺からも、キスするからな」
泉水はまた、あの水面の月めいた不確かな微笑みを浮かべる。
「……ていうか、えっちしていいよ」
「ぶフッ!?」
「…………ゆーやのお母さんかいなかったら、だけどね」
窓から屋根に降り立ち、泉水は最後にまた振り向く。
「…………………………………………また、いっぱい、きもちよくしてね」
そうして泉水はのろのろと、自分の部屋の窓から家に入っていった。明かりはつかない。
外が暗かったとはいえ、見逃せるわけもなかった。
あの直球なセリフを言ったとき、泉水がめずらしく、顔をほんのり赤くしていたことを。
「最高の彼女だよ、おまえ……」
勉学意欲がガソリンを与えられたように燃え上がる。あいつと同じ学校に、今度こそ通ってやるとも。
まあまずはメシが先なのだけれど。カッコよく締まらんなあ、俺……。

382:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:33:19 kPEOAwqb
以上で終了。ごめん、一回sageチェックし忘れた
エロスはもし次回がありましたらば

383:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:42:23 Wvb8pMdw
ふぅ・・・・・

今日はいい気分で寝れそうだGJ

384:名無しさん@ピンキー
07/03/03 22:45:23 b+K1xt78
アマ━⊂⌒~⊃。Д。)⊃━⊂⌒O。Д。)⊃━O(。Д。)O━⊂(。Д。O⌒⊃━⊂(。Д。⊂~⌒⊃━イ!!
GJ! 続きを是非! そしてエロをっ!


385:名無しさん@ピンキー
07/03/03 23:08:26 QFh+Qt8O
ええもんを見た。
続きがすげぇ気になるぜ。

386:名無しさん@ピンキー
07/03/03 23:13:50 HQ8tU2/b
GJ! 続きを激しく希望だぁっ!

387:名無しさん@ピンキー
07/03/03 23:54:22 ITDlUO5W
最高だぜ!!!!!

388:名無しさん@ピンキー
07/03/04 00:44:44 VgwHgIYU
適度に放たれる言葉の数々がヘビーブローだw

389:名無しさん@ピンキー
07/03/04 00:47:35 6SKweJru
素晴らしい

390:名無しさん@ピンキー
07/03/04 13:35:17 sJb0uj5E
血糖値があがりそうなぐらい甘いぜ(*´ρ`*)

391:名無しさん@ピンキー
07/03/04 21:26:24 6T5JIaA3
ごちそうさまでした。

392:名無しさん@ピンキー
07/03/04 22:17:54 8+iIF7wL
GJ
いいものを読ませてもらったぜ

393:かおるさとー
07/03/05 10:56:04 kSbOYpYF
『彼女の趣味』



青川文花(あおかわふみか)はぼく、日沖耕介(ひおきこうすけ)にとって、とても気になる娘である。
別に飛び抜けた美人というわけじゃない。目鼻立ちは整っていたけどどこか薄い印象を受けるし、小柄な体は百五十センチくらいしかない。セミロングの綺麗な黒髪がちょっと目をみはる以外はごく普通の女の子だ。
ぼくと彼女の接点はほとんどなかった。同じ高校でクラスが近い(ていうか隣)ためによく見掛ける程度で、お互いに全く無関係のところで日々を過ごしていたのだ。
あの日までは。


ある日曜日の夕方、ぼくは市内の体育館を訪れていた。
体育館の入口には大きな看板が立て掛けられていて、極太のゴシック体で『総合格闘技イベント Brave Squad』と書かれている。
ぼくは格闘技が大好きで、よくテレビで観戦している。三ヶ月前にチケットを購入してから、今日の興行をずっと楽しみにしていた。マイナー団体の地方興行とはいえ、生観戦はテンションが上がる。
受付にチケットを渡して中に入る。普段の閑散とした静けさはどこへやら、今日の館内は熱気がこもっていた。結構な数の人が集まっていて、そこら中から期待感のような、空気の圧力を感じる。
ぼくはその空気に気圧されて、思わず立ち止まった。
そのせいで後ろを歩いていた人とぶつかってしまった。
「あっ、すいません」
すぐに振り向いて謝るが、相手からの反応は何もなかった。
「……」
相手は沈黙している。
不思議に思って、ぼくは頭を上げた。
女の子だった。
周りが男ばかりだったせいか、ぼくはかなり驚いた。しかしすぐに別の驚きにとらわれる。
少女の顔には見覚えがあったのだ。
「……青、川?」
記憶の片隅に辛うじて引っ掛かっていた名前を口にすると、少女は驚いたように目を見開いた。名前が合っているかどうか自信がなかったが、どうやら間違ってないようだ。
「隣のクラスの日沖だよ。覚えてる?」
「……」
青川は無言のままこくんと頷く。その動作はどこか無機質で、人形のような印象を受けた。

394:かおるさとー
07/03/05 11:03:30 kSbOYpYF
改めて彼女の姿を眺めやる。
普段の制服のイメージからは私服姿など想像もつかなかったが、今着ている薄い青色のワンピースはよく似合っていた。
上から羽織っている白いカーディガンも、より黒髪が映えるようで、全然地味には見えない。女の子って服装でこんなにも変わるのか。
それにしてもなぜ青川がここにいるのだろう。今日のイベントを見に来たのだろうか。
「青川も格闘技見に来たの?」
こくんと頷かれる。なぜかうつむいて目を合わせてくれない。
「へえ、青川も格闘技見るんだ」
「……」
今度は頷きはなかった。ぼくは言葉が続かず狼狽する。ちょっと無口すぎないか。
「も、もうすぐ始まるから早く席につこうか」
青川はまったくの無表情だったけど、ぼくが奥へ向かおうとすると後ろからとことことついてきた。言葉は発さないだけで、別に嫌われているわけでもないのか。
無口無表情の様子からは、その心はなかなか見えなかった。

体育館の中央に特設されたリングの上では、屈強なヘビー級ファイター同士が壮絶な殴り合いを繰り広げていた。
寝技に持ち込む気は互いにないらしく、双方とも鼻血を流しながら打撃オンリーでぶつかっている。集まった観客は大興奮で、大きな声援が会場を飛び交っている。
その中で、ぼくと青川だけが無言でリングを見つめていた。
小さな会場だから、自由席でもリングの様子ははっきりと見える。おかげで迫力も熱気もビンビン伝わってくる。しかし、ぼくのテンションは微妙に上がらなかった。
隣に座っている青川の様子が一切変わらないからだ。
女の子と一緒に格闘技を観戦しているということへの違和感もあった。だがそれ以上に、彼女が反応というものをほとんど見せないのだ。
アクションのない女の子の横で、ぼくだけ興奮しまくるのもなんか気まずい感じがするので、テンションを上げ辛かった。

395:かおるさとー
07/03/05 11:06:13 kSbOYpYF
青川は視線をそらさず、真っ直ぐリングを見つめている。
青コーナーの選手の右フックが相手の顎を打ち抜いた。相手はその場に崩れ落ち、審判が追い打ちをかけようとしていた選手の間に割って入った。TKOだ。
周りの歓声が一段と高まった。試合の凄絶さに鼓動が早まる。息が詰まるほどの高ぶりに襲われ、ぼくは感嘆の息をついた。
青川を見ると、やはりと言うべきか泰然としていた。迫力のKO劇にも顔色一つ変えない。高ぶるでも怖がるでもなく、ただ静かにリングを眺めていた。
周りの歓声が収まるのを待って、ぼくは青川に話しかけた。
「すごかったね、青川」
青川は頷いた。思えば今日、彼女の反応をこれだけしか見てないような気がする。
なんとかコミュニケーションを取ろうと、少しやり方を変えてみる。
「これからの試合の予想しない? 勝敗多く当てた方が勝ち。負けた方がジュース奢るってことで」
青川がきょとんとなる。至近距離で見つめられて、さっきとは違う動悸がぼくを襲った。いや、唐突な提案なのはわかっているんだけど。
パンフレットを広げて対戦カードを確認する。既に三試合消化されたので残りは四試合。次は軽量級の試合だ。
「どっちが勝つと思う?」
青川はしばらくパンフレットを見つめると、ゆっくりと片一方の選手の名前を指差した。白く小さな指だった。
ぼくは少し驚いた。青川の指した選手は寝技主体の、どちらかといえば地味な選手だったからだ。KO勝ちはなく、かといって一本勝ちも少ない、判定にもつれこむことが多い派手さに欠ける選手だ。
一方の対戦相手はその真逆で、打撃の強い選手だった。KO率も高く、ルックスもいいので華がある。寝技に難ありという弱点はあれど、十分強い。青川はてっきりこっちを選ぶと思っていた。
「……いいの? ぼくはこっちを選ぶけど」
「……」
青川は小首を傾げる。その仕草はなんだか無垢な小動物のようで、ぼくは気恥ずかしくなった。
「じ、じゃあその次の試合も予想しようか」
誤魔化すようにパンフレットを寄せる。すると、青川も顔を近付けて覗き込んできた。綺麗な黒髪から、柑橘系の爽やかな匂いがした。
おかげであんまり予想に集中できなかった。

396:かおるさとー
07/03/05 11:10:30 kSbOYpYF
しばらくして、次の試合が始まった。
青川が選んだ選手は打撃戦に一切付き合わず、徹底的にタックルからの寝技に持ち込む戦法で攻めこんだ。
ぼくは打撃が一発入ればそれで終わると思っていた。しかし予想に反してその一発が当たらない。立ち技では相手に組みついて打撃を封じ、寝技では終始上のポジションをキープしてまったく危なげない。
結局、判定で青川の選んだ選手が勝ち名乗りを受けた。
ちらりと青川を見やった。それに気付いて彼女もこちらを向く。表情は相変わらず能面だったけど、もう慣れてきた。
苦笑いが自然と生まれた。予想が外れた悔しさと同時に嬉しくなる。青川は本当に格闘技が好きなんだろう。選手の派手さや見た目に左右されず、ちゃんと技術を見ている。女の子の趣味としては渋いけど。
何で笑っているの、とでも言うように、彼女が見つめてくる。
ぼくは笑みを浮かべたまま、リングを指差した。
「ほら、もう次の試合が始まる」
青川はすぐに顔を戻し、四角いリングをじっと見据えた。

会場を出て、外の自動販売機の前で、賭けに負けたぼくは青川に尋ねた。
「紅茶、ホット?」
短い問いにこくこく頷くのを見て、ぼくはボタンを押す。温かいミルクティーががこんと音を立てて落ちてきた。
渡す時に触れた青川の手は、夜の外気に熱を奪われたのか冷たかった。
「まだ夜は冷えるね。早く帰ろう」
「……」
「一人じゃ危ないから送るよ。家どこ?」
彼女は小さく首を振った。
一人で帰るというのか。さすがにそれを聞き入れるわけにはいかない。もう夜九時を過ぎている。無理にでも送ってやらないと、
「迎え……来る」
不意に囁かれた小さな声は、柔らかい響きを伴っていた。
水に打たれたような驚きを覚えた。今のは、青川の……?
思わず彼女の顔を見つめた。
青川の顔は微かに笑んでいるように見えた。
ぼくはその顔に見とれて、気が抜けたようにその場に立ち尽くした。
やがて彼女の母親が車で迎えに来て、お礼を言われた。ぼくは何か答えたような気がするけどよく覚えていない。
彼女の乗った車がその場を去っても、ぼくの心は揺蕩ったままだった。

そのまま家に帰って、何がなんだかわからないままシャワーを浴びた。そして食事も摂らずにベッドに入った。
閉じたまぶたの裏で、彼女の微笑がはっきりと残って見えた。そして脳内ではあのか細い声が。
完全に頭がイカレてしまったかと思った。
彼女の小さな声と微笑にはそれだけの破壊力があった。ヤバい。魂が持っていかれたかとさえ思ってしまった。
自分の想いを自覚して気恥ずかしくなる。
どうやら好きになってしまったみたいだ、青川のこと。

397:かおるさとー
07/03/05 11:13:21 kSbOYpYF
翌日の放課後。
校門前で青川に声をかけた。丁度いい具合に彼女は一人だった。
「青川。一緒に帰っていい?」
「……」
じっ、と凝視された。いきなりすぎたかと後悔するも、今さら退けなかった。視線に耐えて返事を待つ。
数秒の間の後、青川はゆっくりと頷いた。
よし、と心の中でガッツポーズする。そのまま彼女の横に並んだ。
しばらく無言で歩き続ける。
「……」
「……」
青川から会話が始まる気配は微塵もないので、やはりこちらから話を振らなければならないようだ。
そこではたと気付く。よく考えてみると、いやよく考えなくても青川との接点は昨日のことだけしかない。昨日は何があっただろう。格闘技を一緒に見て……
……だけだった。
気になる子との接点が格闘技だけ。こんな色気のない話題しか共有してないのか、とぼくはへこんだ。格闘技を憎らしく思ったのは産まれて初めてだ。
しかし、それのおかげで繋がりが出来たのも事実。むしろ感謝すべきだろう。色気はこの際おいておく。青川が格闘技好きなのは事実なんだし。気を取り直して、会話に挑む。
「あ、昨日は驚いたよ。まさかあんなところで会うとは。格と……うぐっ!」
いきなりだった。凄い勢いで青川の右手が伸び、ぼくの口を塞いだ。
突然の彼女の行動に、ぼくは目を白黒させた。
彼女は顔を真っ赤にしてにらみつけてくる。必死な様子に、ぼくは場違いにもかわいいな、と思ってしまった。
青川は左手を唇の前に立てた。それを見て、彼女が何を言いたいのかを理解する。了解の頷きを返すと、青川は慎重に右手を離してくれた。
軽く咳き込んでから尋ねる。
「……人に聞かれるのがイヤなの?」
青川は首を縦に振る。力一杯の反応である。
そんなに嫌なのだろうか。確かに彼女のイメージからは遠い話題だから、気にするのもわからないでもないけど。
「知られたくなかった?」
「……」
今度は何の反応も見せない。首を縦にも横にも振らないので、判断がつかなかった。ただ、無表情な顔の奥に物凄く困っている様子が窺えた。
なんとなく、この子が無口な理由がわかった気がする。
「……ぼくは嬉しかったよ」
迷った末、正直に内心を吐露した。
青川はびっくりしたように目を見開く。昨日よりもずっと表情豊かだった。
「確かに最初は驚いたけど、すぐに青川が本当に好きで見てることがわかったから。他の人は知らないけど、ぼくは全然アリだと思うよ」
「……」
青川は顔を伏せる。
ぼくらはのんびりと道を歩く。
西の空は朱に染まり、空には上弦の月が昇っていた。日が落ちるとさすがにに肌寒い。寂れるような秋風が、静かに駆け抜けていく。
「……あり、がと」
それは、風の音に負けそうなほど小さな声だった。
ぼくは思わず彼女を見つめた。青川は顔を伏せたまま、続ける。
「日、沖くんなら……知られても……いい」
「……ありがとう」
平静な声でぼくはそれだけ返した。
落ち着いているのは外だけで、内ではもう心臓が爆発しそうなほど嬉しかった。許されるならこの場で彼女を抱き締めたいくらいだ。
思いきって誘ってみた。
「こ、今度の日曜日、うちに来ない?」
「……」
「あ、いや、変な意味じゃなくて、うちにたくさん録画したDVDがあるから、その」
早口に説明するが説明になってないような気がする。落ち着けよぼく。
青川は少し戸惑った様子で、でもすぐに柔らかく微笑んでくれた。
やがて彼女が頷くと、同時に夕焼けを受けた髪が美しく揺れた。

398:かおるさとー
07/03/05 11:17:41 kSbOYpYF
青川と大会でばったり会ってから一週間。
遂にというべきか、約束の日曜日がやってきた。
今日、うちに青川が来る。

……DVDを見に。

いやアリだけど。色気は置いとくって決めたから不満なんかないけど。
すみません、ウソです。正直不満です。せっかく親もいないのに。
軽く深呼吸する。好きな子が自分の家を訪れるのだから、テンションが上がって当然だが、少し落ち着こう。
この一週間、ぼくは毎日青川と一緒に下校していた。
校門前で捕まえて、その後並んで帰る。青川は相変わらず無口で、ぼくが一方的に話すだけだったけど、頷くだけじゃなく時折微笑を見せてくれるようになったので、けっこう心を許してくれていると思う。
だからいいのだ。今は彼女と話せるだけで楽しいし、焦らずいこう。
ぼくは自分の部屋を見回した。昨日きっちり掃除したので、変なところはないはずだけど念のため。
床は掃除機かけたし、机の上も片付いている。ベッドもきちんと整えた。余計なものは押し入れに閉まってあるから……よし、問題なし。
ピンポーン
ベルが鳴った。期待と不安が同時に胸に起こる。ぼくは急いで玄関に向かった。
「……」
ドアを開けると青川がいつもどおりの顔で立っていた。
「迎えはいいってことだったけど、大丈夫? 迷わなかった?」
青川は頷く。
「それじゃ、どうぞ上がって」
その言葉にまた頷くと、続いて彼女はぺこりと頭を下げた。おじゃまします、ということだろう。言葉を発さなくても彼女は真摯な態度を見せてくれる。
つい笑みがこぼれる。少しは彼女を理解出来るようになったのかもしれないと思うと、なんだか嬉しくなった。
緩んだにやけ顔に、青川は小首を傾げていた。

自室でぼくはお茶をいれる。ダージリンの香りが鼻をくすぐった。
青川はベッドの縁にちょこんと腰掛けている。今日の服装は紺の膝丈スカートに白いブラウスとおとなしめな組み合わせ。それが逆に清楚な印象を与える。
青川は膝に手を当ててじっとしている。しかし目だけは別で、きょろきょろと視線をさまよわせていた。男の部屋が珍しいのかもしれない。
「えっと、DVD、枕元の本棚にいろいろ並んでるから。好きなの選んでいいよ」
助け舟を出すと、彼女はおずおずと本棚に近寄った。動きがぎこちない。
「緊張してる?」
青川が振り返る。
「ぼくもちょっと緊張してる。女の子を部屋に入れることなんてないから」
「……」
青川は答えずに、本棚に手を伸ばす。DVDのケースを一つ取り出し、差し出してきた。
「これがいいの?」
こくこく頷く。
「じゃあ見ようか。お茶飲みながら」
紅茶のカップを差し出すと、彼女はゆっくりと受け取った。

399:かおるさとー
07/03/05 11:29:38 kSbOYpYF
テレビの画面の中で、北欧系の白人が黒人をマウントポジションで押さえ込んでいる。
青川はまばたきもせずに画面を注視している。
ぼくにはこの先の展開がわかっている。もちろん口には出さない。
下になっていた黒人が無理やり体を起こした。白人のバランスが崩れ、横に倒れる。黒人は素早い動きで白人に殴りかかる。白人は下からの蹴り上げで抵抗するが、黒人はそれをものともせず、重い拳打を落としていく。
顔面に四発五発と浴びせたところでレフェリーがストップをかけた。
勝利の雄叫びを上げる黒人を見つめながら、ぼくは肩をすくめた。
「力ありすぎじゃない? マウント返されたし」
「……」
青川は無言。
返事を期待していたわけではなかったので、ぼくはリモコンで次の試合を映そうとした。が、
「下手な……だけ」
「え?」
ぼくはリモコン操作をしていた手を止める。
「なに?」
「上手い……人なら、返されない」
ぼくは急に多弁になった(これで多弁に見えてしまうのが凄いが)青川に首を傾げた。しかしこれは逆に会話のチャンスでもある。滅多に喋らない青川から言葉を引き出したかった。
「でも、身体能力に差がある場合はどうしようもないんじゃない?」
「関係……ないよ」
「そうかな。たとえばさ、ぼくが青川に押さえ込まれたとして、」
「……」
「あっ、変な意味じゃなくて。えっと、ぼくの方が体重も力もあるから、返すのは難しくないと思うんだよ。それと同じで」
「無理」
はっきり言われた。
「……なんで」
「無理……だから」
青川は頑なに繰り返す。ぼくはどう答えたものかと考えるが、
「試して……みる?」
「…………え?」


なんでこんなことになっているのだろう。
ベッドの上でぼくは仰向けになっていた。視界に映るのは白いクロスがはられた天井と、明るく光る電灯と、
「……」
腹の上に乗っている少女の姿。
うわあ、ぼく女の子にマウントポジションされているよ。
スカートから伸びた脚が脇腹に密着している。せめてジーンズみたいな長ズボンならこんなに意識することもないのに。
「えっと、ここから抜け出せばいいんだよね?」
青川の頷きにぼくは一つ息を吐く。このままだと頭が溶けそうだ。早く抜け出して終わりにしよう。
よっ!
……あれ?
せっ!
…………あれ?
「……」
青川の目が静かにぼくを見下ろしている。
なんで返せない?
動けないわけではない。左右に体を転がせるし、脚も上がれば手も動かせる。
しかし返せない。
ブリッジをしようとしても青川は重心を微妙にずらしてくるので、踏ん張りがきかない。手足を動かそうとしたら肩や骨盤を押さえられて封じられる。
「なん、でっ」
「……」
青川はふ、と表情を緩めた。どこかからかうような、余裕の笑み。

400:かおるさとー
07/03/05 11:35:01 kSbOYpYF
どうにかしたいと思って、ぼくは苦し紛れに体を左によじった。横には転がれるわけだから、ここからうまく隙間を作って─
と、気付いたら視界に布団が映っていた。
いつの間にかうつ伏せになっていた。ヤバい。最もやってはいけない体勢だ。この状態では、
瞬間、首に腕が巻き付いた。青川の細い腕が喉に触れる。背中に密着した体の柔らかさより、絞め上げられる危機感の方が強い。
反射的にベッドを叩いていた。
ぼくのタップに青川はゆっくりと腕を離す。
「……」
「……」
微妙な沈黙が流れる。
「…………もっかいやってもいい?」
青川はあきれたように肩をすくめた。

ダメだ、まるで歯が立たない。
二回目もまったく同じだった。それなりに動けるものの、脱出だけはどうしても出来ない。青川はバランスボールに乗るかのように、絶えず安定した姿勢を取りながらこちらを無力化に追い込む。
二分が経過したが、糸口がどこにあるのかさえわからなかった。
「ねえ、青川って何か習ってるの?」
たまらずぼくは下から尋ねる。
「……柔術……やってる」
ぽつりと呟く。
「……………………初耳ですよ?」
「……聞かれて……ない」
「……」
あんた聞いても答えないキャラでしょーが。
こうなったら意地でも抜け出してやると鼻息を荒くすると、突然視界が遮られた。
「え、ちょ、」
青川の左手がぼくの両目を覆う。視覚を奪われて焦っていると、左頬を叩かれた。
威力はない。優しくぺち、と叩かれただけだ。しかし青川の右手は止まらない。さらに連続してぺちぺち叩かれる。
完全に持て遊ばれている。釈迦の手の平の孫悟空か。
仕方ない。最後の手段に出るか。これだけは使いたくなかったが……。
「青川」
「?」
「先に謝っとく。ゴメン」
言うが早いか、ぼくは右手を斜め上に振った。
スカートの翻る感触が右手に確かに伝わる。秘技・スカートめくり。
「!」
青川の動揺が感じられた。今だ。
隙を突いて上体を一気に起こす。その勢いに圧され、青川は後方へ倒れ込む。ベッドから落ちないように、ぼくは慌てて彼女の体を支え、
「あ……」
「……」
今度はぼくが青川の上になっていた。
腹の上に乗っているわけではない。彼女の両足の間にぼくの体はある。下の選手から見ればいわゆるガードポジションだが、そんな格闘知識など今はどうでもいい。
知らず押し倒した形になっていて、さっきよりもずっと興奮する体勢だった。

401:かおるさとー
07/03/05 12:03:38 kSbOYpYF
ぼくらはしばし見つめ合う。
長い睫毛がはっきりと見える距離。互いの息がかかり、頭が心臓と呼応するかのように揺れる。
魔がさしてしまった。
ぼくは彼女にそのまま覆い被さり、唇を奪った。
「……!」
青川の体が逃れようと動いた。ぼくはそれをさせまいと強く抱き締める。
自分でも乱暴なキスであることはわかっていた。ただ唇を押し付けるだけの行為で、優しさなどどこにもなかった。
ようやく唇を離したとき、青川は怯えた顔をしていた。ぼくはすぐに後悔したが、気持ちまでは消せない。
ぼくは彼女の肩に手を置き、しっかりと見据えて言った。
「好きだ、青川」
彼女の体がびくりと震えた。その反応にぼくは奥歯を噛み締める。答えを聞くのが怖い。でも、しっかりと言い切ろう。
「まだ青川のこと、ぼくはろくに知っちゃいない。でも好きになってしまったんだ。これからもっと知りたい。誰よりも知りたい。だから……付き合ってください」
「……」
青川は無言。
ぼくは目をそらさなかった。
「…………」
今までの人生で最も長い時間だったと思う。
青川は目を瞑ると、体をぼくへと預けてきた。慌てて支えると、彼女が小さく囁く。
「キス……」
「え?」
青川は怒ったように目を細める。
「……やり……直し」
その声が耳を打った瞬間には、もう彼女にキスを返されていた。
今度は優しく抱き締める。さっきの埋め合わせをするかのように、ぼくらは優しいキスを出来るだけ長く続けた。
幸福感で体中が満たされていくようだった。

キスの後、青川はうつ向き、ぼそぼそと何事かを言った。
「え、なに?」
「……初めて、だった」
キスのことだろうか。
「ぼくも同じだよ」
「……」
青川の顔が真っ赤になった。
ヤバい。めちゃくちゃカワイイ。頭ショートしそう。
真っ赤な顔で、青川はさらに言う。
「……終わり?」
「え、なにが?」
「……キスだけ?」
「…………」
何を刺激的なこと言いやがりますかアナタ。
予想外の台詞に軽く困惑した。
「いや、まあ、それはもちろん出来ればがっつりとしたいとは思うけど、って何言ってんだぼく」
「……いいよ」
……………………。
放心してしまった。
「……本当にいいの?」
「したく……ないの?」
「……」
欲望には逆らえなかった。


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