【隅っこ】無口な女の子とやっちゃうエロSS【眼鏡】at EROPARO
【隅っこ】無口な女の子とやっちゃうエロSS【眼鏡】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
06/08/09 16:10:47 HirKAQcz


3:名無しさん@ピンキー
06/08/09 16:12:07 f5sblUTL
レイプでも和姦でもいいのか?ええのか?ええのんか?ええ~?

4:名無しさん@ピンキー
06/08/09 16:24:50 4GoKaN3W
OK。まぁ程度を弁えてもらえれば

5:名無しさん@ピンキー
06/08/10 12:37:02 rJIu9okl
うはwwwこういうの好きかも
記念に一筆書くわ

6:名無しさん@ピンキー
06/08/10 21:13:15 y6mJpYqy
保守保守

7:まら文太
06/08/10 21:47:03 FHWE6R39
「なあ。今日の花火大会、一緒に行かないか?」
「……」
 俺は携帯の向こうにいる俺の彼女……稲穂に話しかけた。いつもどおり無言。
「待ち合わせの場所と時間は俺が決めていいか?」
「……」
 一方的に俺が喋り続ける。稲穂は相変わらず反応がない。
「んー……じゃあ夕方6時に駅前のコンビニ前、ってのでいいか?」
 反応がないのを確認し、俺は夕飯を食べてから来いよと言って電話を切った。通話時間、1分43秒。そのうち稲穂がしゃべった時間はゼロ。半分以上俺がしゃべり、残りの時間は俺が彼女の反応をうかがう時間。
 稲穂の無口ぶりは半端じゃない。授業中の必要最低限の会話を除いて、1学期中に彼女の声を聞いたことがないという奴までいるくらいだ。
 稲穂は頭が悪いわけでも、要領が悪いわけでもない。むしろ休み時間にはいつも読書をしているほどの読書家で、成績も常に全教科とも学年30位以内には入っている。
 図書委員として放課後は図書室にいることが多いが、図書の整理やその他事務作業の能率も彼女が一番いいらしい。
 ちなみに彼女の容姿だが、クラスの女子の中では一番背が低い。またリムレスの眼鏡と、背中にかかる長い髪をうなじでまとめただけの髪型からは、かなり地味な印象を受ける。
 決して美人ではないが、決してブスでもない。本当にどこにでもいる、地味な女の子というのが正しいだろう。
 そのため稲穂は、クラスの中で浮いた存在というよりは「存在を忘れられる」娘だった。しかし俺は、ずっと彼女のことが気になっていた。一目ぼれ……ではない。彼女の容姿に惚れたわけではないのだから。
 俺は彼女の声……国語の授業で教科書を朗読したときの声に、一耳惚れをしたのだ。

 稲穂の声はとても美しかった。高すぎず低すぎず、それでいて澄んだ音色。普段の無口さからは想像もできないほど流暢で美しい朗読。そのリズムとメロディに、俺はひきこまれてしまった。どっちかというと嫌いな国語の授業が、以来楽しみになってしまったぐらいだ。
 彼女の気をひくため、以来図書館に通いつめた。何とか彼女と会話をしたい。その一念で、マンガしか読んだことがない俺も小説を読むようなった。
 俺の変身に悪友どもが驚き、そこから回りまわって稲穂の幼馴染(別のクラスの女子で、まったくの偶然だが悪友の彼女だった)にそのことが伝わって、俺は彼女に告白するチャンスをえた。俺はガチガチに緊張しながら稲穂に「つきあってください」と告白した。
 しかし稲穂の返事は
「……」
 だった。その後俺がどんなに食い下がっても、彼女は口を開かない。落胆した俺に、幼馴染ちゃんが言った。
「稲穂の無言は、OKのしるしよ。嫌だったら嫌っていうもん」
 以来、俺たちは晴れて(?)恋人同士となった。

 休日のたびにデートをした。さすがに1対1というのはアレなので、最初は悪友の清人と一緒にグループデート。
 幼馴染ちゃんのアドバイスで、稲穂には「どう?」と提案するより「~でいい?」と聞くのがスマートらしいということがわかった。提案しても返事は返ってこない。むしろ「Yes/No」で答えられるような聞き方をするのが効率がいいのだ。
 ただ稲穂の場合、Noのときには「……嫌」という言葉が返ってくるが、Yesのときには「……」と無言のままなのが少々とっつきにくい。
 だが、幼馴染ちゃん曰く。
「私も彼女が5つ以上の単語をつなげて喋ったのを聞いたことがないし、笑顔も一度しか見たことがない」
 だそうだから気長にいくことにした。少なくとも、稲穂は俺とのデートを「……嫌」と断ったことはない。
 ただ、時折思う。
 稲穂の美しい声で、「好き」って言ってほしいと。

8:まら文太
06/08/10 21:47:51 FHWE6R39
 電話を切った俺は、清人にも電話をした。奴も今日、幼馴染ちゃんと一緒に花火を見に行くという。
「俺たち、6時に駅前のコンビニ前で待ち合わせしたけど?」
「おお、こっちは5時半に駅で待ち合わせだ。マックでメシ食って行くから、合流しようぜ」
「ああいいぜ。じゃあな」
「おいおい、ちょっと待てよ」
 電話の向こうで清人が言う。
「ちなみにお前ら、どこまで進んでるんだ?」
「ああ?」
「とぼけんなよ。もうキスは当然してるわな。だったら今日、いよいよ初たいけーんとか考えてないか?」
「そ、そんなこと」
「俺たちゃ近くのラブホ予約したぞ? ま、お前も今日で童貞卒業しろや。な?」
「待てや。俺は……」
「なんだ、もうヤってたのか?」
「あ、当たり前だろ! 俺たちだって花火のあとにだな……」
「あ、悪ぃキャッチが入った。……じゃな」
 ぷつっ、つーつー。清人は一方的に電話を切る。
 かなかなかな。窓の外ではヒグラシが鳴き始めていた。

 駅を降りてコンビニ前に行く。携帯の時計をみると、5時55分。しかしすでに稲穂はそこに立っていた。
「……よ、よお」
 稲穂も俺に気づいてぺこりと頭を下げる。
 彼女は浴衣姿だった。眼鏡はいつもどおりだが、長い髪は頭の上に結わえられ、細くて白いうなじが見える。団扇と巾着を手にした稲穂に、俺はじっと魅入っていた。
「……?」
 稲穂が首を傾げる。俺ははっとして唾を飲み込み、言い訳めかしいことを話しかけた。
「あ、な、なにか飲み物とか食べ物とか買っていかないか?」
「……」
「暑いしさ……あっと、俺はコーラを買うけど、お前はお茶でいいか?」
「……」
「そうそう、清人たちも花火を見に行くってさ。もうすぐここへ来るらしいぞ」
「……」
 コンビニの中を歩きながら俺が稲穂に話しかける。稲穂はずっと俺の斜め後ろについて歩いてきた。
 やがて悪友の清人と幼馴染ちゃんがコンビニに到着する。花火会場はここから数分の、湖岸沿いの公園。その道すがら、清人が俺に囁いた。
「おいおい……どうしたんだよ彼女?」
「ん、どうしたって?」
「なんていうか、普段と雰囲気違わくね?」
「ん……確かに」
「なんかさ、あーゆー日本美人って格好、こー……くるもんがあるよなぁ」
「なんだよ、お前も彼女に浴衣着てくれって言えばいいじゃねえか」
「ダメなんだよあいつは。身長高いし日焼けしてるし胸とケツはでかいし。浴衣なんか似合わねーって」
「……それってさりげに稲穂のこと馬鹿にしてないか?」
「してないしてない」
 言い合いながら俺はちらりと稲穂を振り向いた。稲穂は幼馴染ちゃんと楽しく歩いている。……と言っても、やっぱり幼馴染ちゃんが一方的に喋り、稲穂はうんうん頷いているだけだったが。
 そして俺たちは、あっという間に花火会場に到着した。

9:まら文太
06/08/10 21:48:41 FHWE6R39
「……あれ、清人たちは?」
 俺は周囲を見回しながら呟く。稲穂も首をかしげた。
 花火大会は盛況のうちに終わった。最後の特大スターマインが夜空を彩り、終了のアナウンスが流れる。ぱらぱらと帰りかける人並みに、俺は清人たちを探した。
「さっきまでそこにいたんだけどなあ……」
 言いながら俺は、上を見上げっ放しでこった首をぐるりと回す。そのとき、会場の公園脇にあるネオンが目に入った。
(……ああ……)
 そうだった。あいつらはラブホを予約していると言っていた。あの二人の本当の目的は、花火鑑賞ではなくそのあとにあったんだ。
 ふと俺は、隣に立つ稲穂を見た。稲穂はまだきょろきょろと周囲を見回し、二人を探している。眼鏡の上にかざした手。そして袖がめくれて露になる白い腕。俺はごくっと唾を飲み込んだ。
「……きゃ」
 突然、稲穂が小さく叫んだ。帰路を急ぐ観客の流れにぶつかって転んでしまったらしい。俺はすぐに駆け寄って彼女を助け起こした。彼女の浴衣の裾が砂で汚れる。俺はぱんぱんとそれを払った。ちらりと脛がみえる。
「……稲穂、ここは危ないからもう少し離れたところに行こう」
 俺はもう一度生唾を飲み込むと、そう言って稲穂の手をとった。そしてぐいぐいと公園の奥……出口とは反対側へ向かった。
「……」
 最初は素直についてきた稲穂だが、周囲が暗くなるに従って歩が重くなる。そしてついに
「……嫌」
 拒否の言葉が出た。俺はそこで停まり、稲穂のほうを振り向く。
「……」
 稲穂が上目遣いに俺を睨む。そして不安げに周囲を見回した。俺が稲穂の肩に手を掛ける。びくっと震えながら、稲穂は俺の顔をじっとみつめた。
「稲穂……キ、キスしていいか?」
 俺は震える声で言った。清人の手前大きなことを言ったが、俺たちはまだキスすらしたことがない。グループデートで二人きりになる時間がほとんどなかったし、それに稲穂から「……嫌」という言葉を聞くのが怖かったからだ。
 しかし稲穂はしばらく黙っていた。じっと俺の顔を睨む。否定の言葉が出ないのを肯定とうけとめ、俺はゆっくりと唇を稲穂のそれに重ねた。
「……」
 かち、かちかちっ。お互いの歯があたる。俺の口も震えていたが、稲穂の口も震えていた。その薄くて微妙な感触を味わう余裕もなく、俺は手を稲穂の肩からそっと胸に動かした。
「……!」
 びくっと稲穂が震える。浴衣越しに触れた稲穂の胸は、思ったより大きくて柔らかかった。俺は浴衣の隙間から手を差し込む。稲穂の手が一瞬動いたが、すぐに手を俺の肩に伸ばしなおした。
 ブラジャーの外し方がわからない。俺は焦って、そのままブラをずらして胸に触った。熱い。トクトクという稲穂の脈が伝わる。
「……痛!」
 小声で稲穂が叫ぶ。思わず力を込めすぎたようで、俺は胸に触れた手を離した。
「ご、ごめん。その、初めてなもんで」
「……」
 無言で稲穂が俺を見つめる。しかし今度は、稲穂から俺に抱きついて唇を重ねてきた。暖かいキス。俺は彼女の胸を再び注意深くもみ、そしてゆっくりと手を浴衣の裾にすべりこませた。
「……!」
 はあ、と稲穂が息を呑む。俺の指が、布越しに彼女の秘部に触れた。少し湿っているそこを意外に思いながら、俺は布の上からでもわかる膨らみを軽く刺激する。
「……嫌」
 くっと唇をかんで足を閉じる稲穂。でも俺はそのまま布を横にずらし、隙間から指をねじ込んだ。ごそごそと茂みをかきわけ、熱いクレバスを指でなぞる。
「嫌!」
 やや大きい声で稲穂が叫んだ。しかし俺はそんな彼女の唇に三度キスをする。何かを言おうと開いた稲穂の口に、俺はそつと舌を差し込んだ。熱い感触。甘い唾液。稲穂の強張った体が徐々に柔らかくなる。

10:まら文太
06/08/10 21:51:32 FHWE6R39
「稲穂。俺、もう挿れたい……」
「……」
 唇を離して俺が囁く。お互いの唾液が蜘蛛の糸のようにつつっと二人の唇の間に結ばれる。ぷいっと稲穂が顔をそらす。しかしその口からは、「……嫌」の言葉は聞こえなかった。
 俺は彼女の下着をゆっくり脱がせた。暗がりで彼女の秘部がみえないのが残念だったが、俺もそのまま自分のズボンを脱ぎ、イチモツを取り出す。
 俺の肩に手をかけ、稲穂が覚悟を決めたように目を閉じる。俺は稲穂の片足を持ち上げ、息子の位置を合わせながらゆっくりと稲穂の中に固いイチモツを挿入した。
「……っ!」
 稲穂がぎりっと歯を食いしばる。なかなか入らなかった息子が、突然ずるりと稲穂の中に入った。あまりの熱さ、そして狭さ。俺はしばらくその感触を味わっていた。稲穂は立っていられないのか、俺にしがみついてくる。
「稲穂……動くよ?」
「……」
 ひいひいと息の音が聞こえる。しかし言葉は出なかった。俺はゆっくりと稲穂の中からイチモツを抜いていく。そして8割方抜いたところで一旦とまり、再びゆっくり奥へ挿入し始めた。
 稲穂のしがみつく力が、挿入にあわせて強くなる。息の音が、いつの間にかひいひいからはあはあに変わっていた。そして。
「……好き」
 耳元で囁くように稲穂が言う。俺は一瞬動きを止めた。空耳かと思った。それぐらい小さく、短い言葉。
「い、稲穂……もう一度言ってくれるか?」
「……好き。好き……好き」
「……稲穂ぉっ!」
 不覚にも涙が出た。ぐっと稲穂の中に深く差し込む。そしてその熱さと狭さに、俺は思わず精を彼女の奥深くで発射した。

 そのまましばらく俺たちは抱き合っていた。離れる前にもう一度キスをする。そして俺はゆっくりと彼女の中に入っていた息子を抜いた。
 稲穂の秘部からは、赤い血と俺の精液がこぼれている。それをみて、浴衣が汚れないよう裾をめくりながら稲穂が涙目で俺を見つめた。
「ああ、ごめん。つい暴走しちゃって」
「……莫迦」
 俺はポケットからハンカチを取り出して、彼女の細い足を拭いた。
「あのさ……初めて、だったんだよな?」
「……」
 無言は肯定。ぷいと顔を赤く染めて横を向く稲穂。
「稲穂。もう一度、『好き』って言ってくれないか?」
「……嫌」
「どうして?」
「……奥に出した」
 頬を膨らませながら稲穂が言う。はっとして俺は稲穂に聞いた。
「ああ……本当にごめん。あの……安全日、だよな?」
「……違う」
「え? じゃああのまさか……今日は危ない日、だった?」
「……」
 無言。俺はじっと稲穂を見つめた。稲穂も顔を横に背けながら、目だけ俺をじっと見つめている。
(……どうするの?)
 その瞳は無言で俺を問い詰める。俺はぎゅっと拳を握って答えた。
「ああ、その……」
「……?」
「俺、責任、とるよ……。もしものことがあっても、俺、稲穂のことちゃんと護るから……」
「……ほんと?」
「ああ。どうしていいかわからないけど、でも俺、稲穂のこと本気で好きだから……」
 しどろもどろに言葉を続ける俺。しかし稲穂は、突然くすっと笑って言った。
「……嘘」
「へ?」
「危険日って嘘、ごめん」
 そしていたずらっぽくべっと舌を出す。俺はしばらくきょとんとしていたが、笑い出した。稲穂もくすくすと笑っている。彼女の笑顔……幼馴染ですら一度しか見たことがない笑顔は、とても素敵だった。そして初めて、複数の単語が連なった言葉を聞いた。
 俺は嬉しくなって稲穂に抱きついた。稲穂も俺の腰に手を回す。
「なあ稲穂……もう一度、好きって言ってくれないか?」
「……嫌」
「どうして?」
 問いかける俺に、稲穂がそっと唇を重ねた。熱い感触。甘い唾液。
 それは言葉よりも雄弁に、稲穂の心を俺に伝えていた。

- 終 わ り -

11:名無しさん@ピンキー
06/08/10 21:53:59 v6rlwOZj
うお
リアルタイムで読んだ
無口っ娘GJ

12:まら文太
06/08/10 21:55:43 FHWE6R39
>>11
 感想ありがとう。
 スレにとって初SSとなるので、こんな感じでよかったのかちょっと不安だけど、よろこんでもらえたようで何より。


13:名無しさん@ピンキー
06/08/10 21:56:53 y6mJpYqy
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━━GJッス

14:めがスレ委員長 ◆sSMEGAP74E
06/08/10 23:23:17 M/iUAoNW
めがね板

2ちゃんねる  URLリンク(life7.2ch.net)
いちごびびえす URLリンク(www.ichigobbs.net)

メガネ眼鏡めがねっ娘好き集合!7@めがね板
スレリンク(megane板)l50

15:名無しさん@ピンキー
06/08/11 00:54:16 IqX7VI73
>>7ー10GJ!
かわいいふたりですね。
こういうの好きです。
無口っ娘ていいもんなのですね。


16:名無しさん@ピンキー
06/08/11 01:53:28 CJEhxNnC
すごくよかったです。高校時代思い出して涙出てきた(´・ω・`)

17:名無しさん@ピンキー
06/08/11 09:23:30 qy5bMeqs
どんどんネ申が増えればいいなー

18:名無しさん@ピンキー
06/08/11 11:42:42 pWk4ut2r
萌えた…萌えたぜ!

19:名無しさん@ピンキー
06/08/11 18:15:40 DMhv6kH0
age

20:名無しさん@ピンキー
06/08/12 06:03:14 B4jZ13Go
エロパロ板で言うのもなんだが、


続きが読みたい…!

21:名無しさん@ピンキー
06/08/12 14:23:16 zbmzVweG
立てといてなんだが本人が書けないっていう(;´д`)

22:名無しさん@ピンキー
06/08/13 11:28:50 Z3iRu0HE
いじめとかそういうの?

23:名無しさん@ピンキー
06/08/13 21:45:48 z4OZeYZj
保守age

24:無口が無口を誘ったら
06/08/14 12:22:25 wZ9dgBTt
「…?」
「…(ぷい)」
「…?」
「…(ぷい)」
「…」
「…」
ちゅっ
「~~~~!///」
「…?」
「……///」
「……?」
「……………//////(こくり)」
「♪(抱)」
「!///」



地の文は省略されました…読むには文才をください

25:名無しさん@ピンキー
06/08/14 14:06:23 bWT4XaJ+
>>24
逆に(*´Д`)ってなった

26:名無しさん@ピンキー
06/08/14 14:38:37 b3Fy5jTn
……

27:名無しさん@ピンキー
06/08/14 22:34:38 sgy8u0ab
>>24
GJ!!
誰か俺に文才をくれっ(;´Д`)

28:名無しさん@ピンキー
06/08/16 07:25:07 p/lzS5P1
このスレ(・∀・)イイヨイイヨー

29:名無しさん@ピンキー
06/08/18 23:43:33 zWsWOJi6
ほす

30:名無しさん@ピンキー
06/08/21 16:17:29 YahA9gES
ああ、このスレがこのままなくなるのは惜しいよな……2chでは初めてだけど、
仕方ねぇ……書くか!?

31:名無しさん@ピンキー
06/08/21 20:42:25 exXJbmlS
>>30

書け。というか書きなさい。
さらにいえば書いてください。
お願いします、書いてくださいませ。

32:名無しさん@ピンキー
06/08/23 14:32:12 geIJz9jq
30ではないが途中まで書いてみた。
携帯からなので変なとこあったらスマソ。
凌辱要素含むかもなので苦手な方はスルー願います。

33:不機嫌な彼女・1
06/08/23 14:34:28 geIJz9jq

「……なあ、おい」
「…………」
「いい加減に、機嫌直してくれよー」
「…………」
「お前に言えないようなことは、ほんっとうに、なにひとつ、してないんだってば」
「…………」

もうかれこれ二時間以上、俺と皐月は延々とこんな会話を繰り返している。
いや、「会話」という表現は正しくないな。
喋っているのは俺だけで、どんなになだめてもすかしても、皐月はうんともすんとも応えない。
もともと皐月はかなり無口なほうだ。一学期を終えて、皐月と一度も口を利いたことがない、なんてクラスメイトはざらにいる。
それに加えて皐月は、悲しんだり怒ったり―つまり感情が昂ぶると、無口に拍車がかかるところがある。
今がまさにそれだった。


皐月と俺のこの状態は、今朝から始まっていた。
夏休み真ん中の登校日。
うだるような暑さの下駄箱で、欠伸まじりにだらだらと靴を履き替えている俺の後ろに、いつの間にか皐月が立っていた。
「……昨日、見た」
背後でぼそりと呟かれた声で、俺は初めてその存在に気づいた。
慌てて振り返ると、皐月は無表情で、じっと俺を見ている。
「お、おおお……っ、……おはよう、皐月」
動揺を隠せない俺の挨拶を無視して、皐月は自分の下駄箱にすたすたと向かい、靴を履き替え始める。
俺は深呼吸をひとつして、跳ね上がった鼓動を落ち着けながら皐月に聞いた。
「朝からあんまビビらせんなよ……。……で、何を見たって?」
皐月は黙って、すい、と腕を上げた。
細くて白い人差し指がゆるりと伸ばされて、ある一点をぴたりと指し示す。
その方向を目で追って、俺は凍りついた。
そこにあったのはひとりの女子生徒の姿で―俺は確かに昨日の日曜日、彼女と一緒に買い物に出かけていたのだ。


全校集会が終わり、体育館から教室への移動の間も、皐月は一言も口を利いていない様子だった。
たまに周囲の女子が何かを話しかけているみたいだが、頷いたり、首を横に振ったりで短く返している。
ホームルームも終わり下校する時になっても皐月の様子は何も変わらない。
俺と皐月はいつも一緒に帰ることにしていたし、放課後はいつも皐月の家で数時間過ごすことにしていたから、
俺はひたすら皐月の機嫌を取りながら、彼女の後をついていった。
皐月が母親とふたりで住んでいるマンションは、学校から歩いて30分程度の場所にある。
玄関前までたどりついたところで、皐月は鍵穴に鍵を差し込みながら、ちらりと俺の方を振り返った。
「……今日は帰ったほうがいいか?」
どうしたものかと尋ねる俺に皐月は何も答えず、けれど玄関を開け放したままで自分が先に部屋の中へ入った。
あがっていってかまわない、ということなんだろう。
皐月の家は母子家庭で、病院勤務のお母さんは夜中まで帰らない。
家で独りで過ごす時間を皐月が好んでいないことは、これまでの付き合いでわかっていた。
だからと言って、今のこの状態でふたりきりで対峙して、一体何がどうなるんだろう―。
俺の中でかなりの不安が渦巻いてはいたが、結局は皐月を放っておけなくて、俺は彼女の後に続いて部屋に入った。

34:不機嫌な彼女・2
06/08/23 14:38:59 geIJz9jq
そして結局、現在に至るまで、状況は膠着状態のまま。
時間の経過も今日はやけにゆっくりと、重いものに感じる。
絨毯敷きの皐月の部屋で、扉を背にしてぺたりと正座をしている無表情の皐月。
肩につくあたりで切り揃えられた黒い髪の毛先まで、さっきから微動だにしない。
それに向かい合って、ずーっと一人で皐月に話しかけ続けている俺。
「あーーーーーっ、もう、面倒くせぇ!」
行き詰った沈黙が鬱陶しくて、大声をあげながら背中を後ろに倒し、床に仰向けに寝転がった。
「もうさぁ、そうやってむくれてればいいじゃん。いつまでも」
元々は自分の行動が原因であるにも関わらず、俺は相当に不貞腐れていた。
吐き捨てるような言い方をして、意味もなく天井を見上げる。
―だけど本当に皐月に言えないようなことは何もしてないんだ俺は。
抑揚のない声で独り言のように呟く。
微かな物音がして、皐月が立ち上がったのがわかった。

「…………」
仰向けにだらしなく伸びている俺の顔を、皐月が見下ろしてくる。
唇は相変わらずひきむすばれて、黙ったまま。
俺の必死の弁明に何の言葉も返してくれず、ただ黙って怒りの表明だけをしてくる皐月に、俺はなんだか段々と苛立ってきた。
皐月同様に唇を固く結んで黙ったまま、彼女の顔をじっと見て―
それから俺は徐に、皐月の足首を、ぐっと掴んだ。
「…………!」
驚いて身体を強張らせる彼女の反応を無視して、俺は上体を起こし、皐月の足首を力いっぱい引っ張る。
「……ゃっ……!」
バランスを崩して俺の目の前に倒れこんだ皐月は、さすがに小さな悲鳴を漏らした。
俺は皐月の足首から手を離すと、彼女の上半身に圧し掛かる。二人でもつれるように床に倒れこんだ。
皐月の両肩に両手を置いて力をこめ、彼女の背中を床に押しつける。
皐月は目をまんまるく見開いて、俺の顔を見上げている。
「……あんまり、意地張ってんなよ」
自分でも驚くほど、低く暗い声が出た。皐月の眉が、僅かに歪む。
「俺とあいつは何にもないし、俺が好きなのは皐月だけだって―何回、口で言っても、わかってくれねぇんだったら」
ふい、と顔を逸らそうとする皐月の顎を、片方の手で掴み、無理やりに上を向けさせる。
そうして俺は、皐月の唇を強引に奪った。
「……っ…………!」
皐月の肩がびくっと奮える。
細い身体が抵抗するように跳ねるが、俺は体重をかけてその動きを抑える。
ぶつけるように押し当てた唇を皐月の唇にこすりつけ、上と下の唇をそれぞれ食むように貪る。
閉じられた唇の僅かな境界から舌をこじ入れ、無理やりに隙間を押し広げ、乱暴な動きで皐月の歯茎と歯列を何度も刺激する。
「……ふ、ぁっ…………!」
俺の強引さに押し切られた形で皐月の唇が開き、溜め息のような声が漏れた。
やっと聞こえた皐月の声が嬉しかったのか、こんな形でしか声を聞かせてくれない皐月に腹が立ったのか、
俺は自分でもわからないまま、皐月の顎を掴んでいた手を離し、その手を皐月の胸元へ滑らせていった。

35:名無しさん@ピンキー
06/08/23 14:40:23 geIJz9jq
今日はここまで。
続きは後日。

36:名無しさん@ピンキー
06/08/23 19:40:23 KP9U3lnc
続きに期待

37:30
06/08/24 00:03:31 WEBtQBcy
100行ほど書いたところでデータロストしてしまっただす……
WZ(オートセーブ付)インストールして書き直し……申し訳なし、
と侘びを入れにきたら、新たな作品が。
期待しています。がんばってください。

38:名無しさん@ピンキー
06/08/24 00:30:33 3NYgAdPo
全裸で正座して待ってるよ

39:不機嫌な彼女・3
06/08/24 01:53:14 5UBj23hp

窓の外からヒグラシの鳴く声が遠く聞こえる。
部屋の中では俺と皐月の息遣いと、衣擦れの音しか聞こえない。
相変わらず貪るように唇を合わせたまま、俺の右手が皐月の胸のふくらみに触れる。
制服の半袖ブラウスの上から手のひらを這わせると、俺の手の動きにあわせて皐月の身体が小さく震えた。
触れ合っていた唇をゆっくり離す。皐月は新鮮な空気を求めるように大きく息を吸い込んだ。
俺の手の下で皐月の胸がゆるやかに上下する。
「……嫌なら嫌って、ちゃんと言えよ。じゃなきゃ、やめねぇからな」
皐月の顔をまっすぐ見据えてそう告げても皐月は黙ったまま何も答えず、俺から顔を背けて、すん、と小さく鼻を啜っただけだった。
俺の指は皐月の胸元で、ブラウスのボタンを外しにかかる。
焦りのせいか、子供みたいに指がもつれて、上手にボタンが外れない。
上から4つ、外したところで面倒になって、限界まで力まかせにブラウスをはだけた。
淡い水色のブラジャーに包まれた小ぶりの胸があらわになる。
息がかかるほどその肌に顔を近づけながら皐月の横顔を盗み見ると、耳まで真っ赤に染めながら、懸命に唇を噛んでいた。
一瞬、迷いが生じたが、皐月の肌から立ち昇ってくる甘い匂いに理性が負けた。
皐月の胸のふくらみの、申し訳程度の谷間に舌を這わせてみる。甘い汗の味がした。
「……ひぁ……っ……」
皐月の肌の味をもっと味わいたくて、何度も何度も舌を動かす。皐月の呼吸が浅く早くなってきているのが、その胸の上下でわかる。
もっと、もっと皐月の声が聞きたい。俺は皐月の肩を押さえていた手を外し、両手で皐月のブラジャーを下から上に押し上げた。
初めて目にする白いふくらみと、その先端の淡い桜色の突起。俺は思わず上体を起こして、皐月の上に馬乗りになった姿勢で
皐月のその姿を見下ろした。
皐月は恥ずかしいのか、俺のその様子をちらりと見ても、すぐに視線を背けてしまう。
乱れた制服に包まれて、触れてもいないのに全身の肌をこまかく震わせている皐月の姿は、とても扇情的で、とても可愛かった。



40:不機嫌な彼女・4
06/08/24 01:55:15 5UBj23hp

皐月の胸の先端に、ちゅ、と口づける。ひくん、とその背がしなる瞬間、浮いた腰の下に片手を回して抱き寄せる。
唇で乳首を挟んでくにゅくにゅと捏ねまわしてから、硬さを増してきたそこを、今度は舌で何度も舐めあげる。
反対の胸には空いた手を廻し、指先で押しつぶすように乳首を刺激した。
「……ぅ、ん、……っ……ぁ、はぁ……っ……」
皐月の唇が徐々に緩んで、吐息のような切ない声が漏れる頻度も増してくる。
試すように皐月の両脚の間に膝を押し込んでみると、思っていたよりずっと簡単に、俺の膝は皐月の脚の間に滑り込んだ。
「……嫌、なら、言えよ……?」
少し前に告げたものと同じ言葉を繰り返してから、俺は胸を弄っていた手を皐月の下半身へと滑らせる。
その手で短めのプリーツスカートを腰までたくし上げ、小さなショーツを皐月の太ももの途中まで引きおろした。
「…………っ……!!」
皐月の身体がひときわ大きく震えて、全身を緊張させるのがわかる。
「ん……、このままじゃ、よく見えない…………」
俺は熱に浮かされたように呟いて、皐月から一度身体を離す。
皐月は逃げることもなく、ぐったりと横たわったままだ。
剥き出しになった皐月の下半身に目をやると、柔らかそうな茂みの中心が、露に濡れたように微かに光っていた。
俺は皐月の両膝を抱え上げると、そのまま膝の裏を押して、皐月の身体を半分に折りたたむように足をあげさせた。
皐月の腿の裏を掴むように押さえ、身体の外側へ割り開く。
「……ぁ、や……っ、いや……ぁ……」
皐月の脚の間に顔を埋めようとしていた俺の動きが、ぴたりと止まる。
初めてはっきりと、皐月の拒絶の言葉が聞こえた。
けれど。確かに初めは、何でもいいから、皐月の言葉を聞きたくて始めたことだったけれど。
もう、止まらなかった。
止められるわけがない。俺はかまわずに、皐月の股間に顔を埋めた。甘酸っぱい匂いが俺の鼻腔をくすぐる。
ピンク色に染まった襞を舌で押し分け、皐月の内側の蜜を掬うように舐める。
「……ぁ、あぁ……ぁんっ……!」
皐月の身体が跳ねて、悲鳴のような声が聞こえた。
「かわいい声……。……俺、皐月の声、もっと聞きたい」
皐月の腿の裏をしっかりと押さえて逃げられないようにしてから、何度も何度も俺は皐月の秘裂を舐めまわす。
皐月のそこは、皐月自身が溢れさせた淫液と俺の唾液で濡れそぼり、窓から射し込む西日を浴びて淫猥な光をてらてらと放っている。
秘裂の上部で、包皮に隠れていた小さな突起が顔を覗かせていることに気がついた俺は、片脚から手を離し、指先でその包皮をめくりあげる。
剥き出しになった敏感な芽を指の腹でそっと擦ってみると、皐月の全身が波打つように震えた。
「……ゃ、あ、あぁ……っん、…ぁ、はぅん……っ……!」
いつもは無口な皐月の咽喉が、まるで楽器のように、聞いたことのない音をたくさん漏らす。
俺はおもしろくなって、そこをいじる指の動きを早める。
擦り、押し潰し、指で挟んで捏ね回す。皐月は腰を捩って俺の指から逃げようとするが、俺は執拗にその一点を追い掛けて、
苛めるようにしつこくそこを刺激し続けた。徐々に涙まじりになる皐月の声。
指を離して、唇でそれをそっと挟み、ちゅう、と強く吸い上げると―
「……ひ、あ、あぁぁ……ッ……んっ……!!」
皐月は大きな喘ぎ声をあげて背中を弓なりにしならせ、ひくひくと、全身を震わせた。



41:不機嫌な彼女・5
06/08/24 01:59:16 5UBj23hp

ひとしきり身体をひくつかせた後で、皐月は肩で大きく息をしながら、俺の顔へと目を向けた。
頬を紅潮させ、うっすらと額に汗を浮かべて、潤んだ瞳で俺を―恨めしげに見ている。
「……や、って、言ったのに…………」
今にも泣き出しそうな声で皐月が呟く。その声音で俺はやっと、自分の行為の暴走ぶりに気がついた。
「……だな。ごめん」
皐月の両脚を押さえつけていた手を離すと、皐月の足はくたりと床の上に投げ出された。
俺は、今にも爆発しそうな下半身を必死に理性で抑え込みながら、皐月の服の乱れを直してやる。
「…………」
皐月は黙ったまま、ずらされた下着を直し、ブラウスのボタンをのろのろと留める。
俺はなんだか皐月のそんな姿を見ていられなくなって、俯いて黙っていた。
「…………あのね」
そんな俺の様子を見兼ねたのか、皐月は呟きながら、ずず、と絨毯の上を膝で滑り、俺との距離を縮めた。
「…………や、だけど、やじゃないの」
秘密を打ち明けるような、少し震えた小さな声。
皐月の言葉の意味がわからなくて、俺は顔をあげて皐月の顔をまじまじと見た。
皐月は顔を真っ赤にして、俺を見つめている。
その目には、怒りの色はなくて、だから俺は余計に、さっきまでの自分がすごく恥ずかしくなった。
「……あのさ。これ―」
俺はポケットに手を突っ込んで、リボンのかけられた小さな箱を取り出す。
本当はこんな風に渡すつもりじゃなかったんだけれど。
だけど今、これを渡す以外の方法で、皐月に対する俺の想いを説明する方法が俺には思いつけない。
きょとんとした顔でその箱を受け取った皐月が器用な手つきでリボンを解くと、
箱の中から、小さな緑色の石がついた銀色のネックレスが現れた。
「誕生日プレゼント。皐月の。ひとりじゃ選べなくて……それで、」
俺と皐月が付き合いだした時、今年の皐月の誕生日はもう過ぎていて、
でも俺は、どうしても何か贈り物をしたかったから、夏休みのバイト代でプレゼントを買うって
皐月に約束をしていた。
おそるおそる皐月の顔を見ると、皐月はなんとも形容しがたい嬉しそうな顔で、
満面の笑みを浮かべていてくれた。
皐月はそれからしばらく、俺の顔とそのネックレスを交互に眺めて笑っているばかりで、
やっぱり特別たくさんの言葉をくれるようなこともなかったけれど。
俺はもう、皐月のその表情と態度ですべてを許してもらえたような気になって、
皐月と同じように笑顔で何も言わずに、彼女のことを飽きもせずに眺めていた。







42:名無しさん@ピンキー
06/08/24 02:26:47 NXIfZmz1
良かったです。GJ!

43:名無しさん@ピンキー
06/08/24 02:45:29 actydRgl
GJ! 無口(・∀・)イイ!

44:名無しさん@ピンキー
06/08/25 14:12:29 NuWoGvDT
なにこの神スレ

45:名無しさん@ピンキー
06/08/26 01:27:49 hqmW0sp0
期待保守

46:名無しさん@ピンキー
06/08/28 14:53:24 KfmCbyP0
 俺は一通の日付入り伝票を手にして彼女の前に立っていた。
 彼女は椅子に座ったまま、差し出された伝票をじっと見て黙っている。表情が読めない。
 終業時刻をはるかに過ぎて、必要最低限の照明しか点いていない薄暗いフロア。パソコンのモニターが発する青い光が彼女の横顔を照らしている。
 細いフレームの眼鏡。あまり手のかけられていない風に後ろでひとつにまとめられた黒の長い髪。薄い化粧。
 見るからに地味な印象だが、こんな時間に薄暗がりで向かい合うと、ちょっと現実のものではないような、隠微な印象を醸し出しているようにも思える。
 よく見れば肌が透き通るように白くきめ細かくて、思わず触れてみたくなる。
「………………あの」
 彼女のくちびるが薄く開く。いつもであれば、慌ただしく俺から渡される伝票を黙って受け取って、
不備があった時にも丁寧な文字で埋めたポストイットを俺のデスクに置いておくだけ。
日中の喧騒が嘘のように静まりかえったオフィスに響く彼女の細い声はやけに新鮮で、俺をどきどきさせる。
「ああ、あの、ほんと、申し訳ない。
 実は昨日まで出張で。今日もバタバタしててずっと後回しにしちゃってて。ついうっかり。
 いや、ほんとに『ついうっかり』で」
 まくしたてる俺の顔をじっと見つめる彼女。デスクの横のカレンダーにつけられた締日の印を一度ちらりと見て、
それからまた薄く唇を開く。
「………………」
なにか考えているのか。言葉を選んでいるのか。すぐには声を発しない。
 ただの沈黙のはずなのに、計算され尽くして焦らされているような、妙な錯覚に陥る。
 彼女のくちびるがゆっくりと動いた。
 俺の目は、彼女の言葉を聞き逃すまいとして、そこに釘づけになる。少し乾いた印象の唇。
 夜の女たちの、これでもかというほど不自然にグロスで艶めかせた唇を見慣れているせいか、
乾いた唇というものをやけに生っぽく感じてしまった。ごくりと咽喉を上下させる。
 彼女は俺のそんな気持ちを知ってか知らずか、顔色ひとつ変えず、にこりともせずに、細く静かな声を落ち着いて発した。

「………………保守、です」

47:名無しさん@ピンキー
06/08/28 20:58:06 TyMrA9SW
>>46

ワラタwww

48:名無しさん@ピンキー
06/08/28 22:38:40 tVK31J/P
前置き長ぇよww

49:名無しさん@ピンキー
06/08/28 22:57:05 5at76il0
クオリティ高ぇwww

50:名無しさん@ピンキー
06/08/29 04:53:31 FqRXTGhz
ふたスレの保守屋さんかな?
なんにしろGJw

51:名無しさん@ピンキー
06/08/31 00:36:28 L8rRo5nG
保守

52:名無しさん@ピンキー
06/09/01 15:29:46 TxBLBj/N
保守

53:名無しさん@ピンキー
06/09/01 15:45:44 r55URaN6
神待ち保守

54:名無しさん@ピンキー
06/09/03 14:50:28 gHPOKUmk
ほほほ

55:名無しさん@ピンキー
06/09/03 17:09:19 kdI3rNOP
しゅしゅしゅ

56:名無しさん@ピンキー
06/09/06 03:04:06 HimHl/5P
保守

57:名無しさん@ピンキー
06/09/06 15:59:47 axWbwXXM
補習

58:名無しさん@ピンキー
06/09/06 18:52:34 JithP6NU
襲歩

59:名無しさん@ピンキー
06/09/08 17:36:34 s1tKhGHM
一応見守りつつ書いているけれど……
無駄に長くなったり、なかなかエロシーンに届かなかったり……
どうしたものだろう。と保守兼ねて報告。

60:名無しさん@ピンキー
06/09/08 23:00:21 FI/gLP5G
しるか

61:名無しさん@ピンキー
06/09/11 21:18:52 A1jDwsth
………

62:名無しさん@ピンキー
06/09/12 21:39:37 EeTzExCK
まぁまぁ…^^

63:名無しさん@ピンキー
06/09/15 03:56:59 MVT26fw6
多少長くてもそんなに気にしない派

64:名無しさん@ピンキー
06/09/15 19:31:24 /AqlZdfN
長いSSでも、短いSSでも、エロければよいSSだ。

65:名無しさん@ピンキー
06/09/16 10:52:38 C+KzMtsE
途中で投げなければエロくなくても構わない。

66:名無しさん@ピンキー
06/09/19 11:10:58 SZvFrgbT
age

67:名無しさん@ピンキー
06/09/19 11:47:43 scvMXLsf
めがねっ娘のごっくん動画!すげぇよコレ・・(*´Д`*)
URLリンク(uploader.erv.jp)

URLリンク(uploader.erv.jp)

68:名無しさん@ピンキー
06/09/23 19:51:54 uAPA8oVI
長くてもいいよ

69:名無しさん@ピンキー
06/09/24 21:21:32 HRTId+bz
age

70:名無しさん@ピンキー
06/09/27 17:10:11 EPUMEYMP
保守

71:名無しさん@ピンキー
06/09/30 21:11:56 GtCmwi0L
無口な女の子じゃなきゃダメなのか
喋れない女の子はダメなんだな

72:名無しさん@ピンキー
06/10/01 05:16:59 iiiYHdqy
何が言いたいんだ、貴様?屁理屈か?屁理屈のつもりか?あぁん?

73:名無しさん@ピンキー
06/10/01 23:08:43 H9hAV2/v
>>71
だめというか、全く口のきけない人物の描写は難しい…orz

74:名無しさん@ピンキー
06/10/04 23:09:58 MRhYmxOK
神降臨期待あげ

75:名無しさん@ピンキー
06/10/09 15:11:28 nkvLC286
別に、まったく聞かないってわけじゃないと言いながらage

76:名無しさん@ピンキー
06/10/09 19:07:36 heTZW8QO
駄文でよければ投下しますけど、どうしますか?

77:名無しさん@ピンキー
06/10/09 19:09:10 heTZW8QO
駄文でよければ投下しますけど、どうしますか?

78:名無しさん@ピンキー
06/10/09 19:21:23 QbhpvwAr
きたまえ。

79:名無しさん@ピンキー
06/10/09 20:22:34 dOFhBzS3
駄文でも何でもエロければよいSSだ。

80:駄文01
06/10/09 22:41:06 heTZW8QO
私の名前は風見あかり。
両親は私に明るく元気に育って欲しかったらしいのだが私は真逆の性格に育ってしまった。
人と話すことより読書が好きで、学校に行っても教室の隅で読書ばかりしていた。
小学生の頃からこんな感じだったので高校三年生となった今では家で両親と話す事も少なくなり、誰よりも早く学校に行き黙々と読書をしている。
今日もやはりいつもと同じ様な一日を過ごすはずだった。
だが、今日は違った。
一人の男子生徒がいたのだ。

81:駄文02
06/10/09 23:10:39 heTZW8QO
彼の名前は確か進藤誠だったはずだ。
今年の夏まではテニス部に所属していた。
運動部員らしい筋肉質な身体をしていたのを体育のプールの時間に見たのを覚えている。
いつでもハイテンションで昼休みなどによく周りのみんなを笑わしている。
女子生徒からも人気があり、私とは対極の存在で関わることはないと思っていた。

そんな彼が突然私に話し掛けて来た。
「おはよっ!!か・ざ・みサン☆」
「ッ!!」
本当に突然だったので教室の入口の所で思いきり尻餅をついてしまった。
「あっだいじょう……」
彼の言葉が途中で途切れた。
彼は何かを凝視しているようだった。
彼の視線の先を追ってみると私の方を見ていた。自分の状態を見渡すと、スカートがめくれあがっていた。
「あっ」
私は急いでスカートを元に戻した。
「…ご、ごめん」
私は恥ずかしさで彼の謝罪の言葉など耳に入らなかった。
私は小走りで自分の机に荷物を置いて教室から出ようとした。

しかし、
「待って!!」
私の腕を彼が掴んだ。
三年間部活をやってきた男子に小学生の時からろくに運動して来なかった女子が力で勝てる訳もなく、私は彼と向かい合う状態にされてしまった。「ちょっと待って!!話を聞いて!!」

82:駄文03
06/10/09 23:45:02 heTZW8QO
「本当にごめん。悪気はなかったんだ」
「離して!!」
こんな大きな声を出したのは久しぶりだった。
「……!!」
彼は一瞬驚いた顔をした後すぐに見たことのない悲しそうな顔になった。「…ごめん。ただ一つだけ聞いて欲しい事があるんだ。こんな時に言うことじゃないのは分かってるんだけど、俺、風見さんの事が好きなんだ」
私は頭の中が真っ白になってしまった。
どうしていいのか分からず。彼の手をどうにか振り払って教室から出ていくしかできなかった。

私は混乱した頭で私一人がいなくても誰も気にしないだろうと考え保健室に行き仮病を使い帰ることにした。

翌日から三週間、学校に行く度に彼は私に謝り続けた。

三週間も経てば私もそこまで気にしなくなり
「…もう、いいから」
と言う言葉が出て来た。「本当!?」
彼は嬉しそうに笑った後すぐに、寂しそうに
「けど、告白の件はダメだよね…」
と呟いた。

「……そっちもいいよ」
私は応えた。
もともと彼は容姿もいいし、スポーツ万能で成績もいいという理想的な男性なのだ。そんな人に告白されて断る理由はないだろう。
今思うとここで断っておけばあんな事にはならなかっただろう。

83:名無しさん@ピンキー
06/10/09 23:47:31 heTZW8QO
今日はここまでで。
本番どころかエロさえ無くてすいません。

84:名無しさん@ピンキー
06/10/10 02:09:16 O9HokFql
「駄文でよければ」とか「エロさえ無くてすいません」とか、誘い受けウザーって言われる前にやめとけ

85:名無しさん@ピンキー
06/10/10 23:33:49 myokVVw+
>>84
書き込みをかい?

86:名無しさん@ピンキー
06/10/11 15:44:55 iBAh00rr
まぁ期待するわけだが

87:名無しさん@ピンキー
06/10/11 20:56:03 PvlSOQX/
タイトルを見て真っ先に長門を思い出した

88:名無しさん@ピンキー
06/10/11 20:56:39 iX13G7Il
長門とやらが分からないオレ

89:名無しさん@ピンキー
06/10/12 01:30:17 5a4S6MO7
長門といえば帝国海軍の戦艦で唯一
太平洋戦争を生き抜き、原爆の標的に
されても沈まなかった難航不落の彼女に
決まってるじゃないかw

90:名無しさん@ピンキー
06/10/13 19:27:11 uhXkLt+1
長門さんの事がますます分からない

91:名無しさん@ピンキー
06/10/13 22:38:31 CVJFGGJ9
ヒント:南田洋子

92:名無しさん@ピンキー
06/10/14 11:08:56 9O+zfGpZ
ヒント:石原裕次郎

93:名無しさん@ピンキー
06/10/14 16:49:36 4TXsxVe9
俺の地元にある町の名前だよ

94:名無しさん@ピンキー
06/10/14 23:13:04 xxeawtUP
マジレスすると、宇宙人っぽい何かに作られた人造人間。
ハッキング、クラッキング、証拠隠滅となんでもござれなスーパー女子高生。

感情表現は苦手だが、実は心の奥底に熱く燃え滾るモノを持っている。

95:名無しさん@ピンキー
06/10/15 12:57:06 0qdlEG2h
大体分かった、マンガか何かなのか?

96:名無しさん@ピンキー
06/10/15 13:26:26 /vs415Gh
>>95
ライトノベル『涼宮ハルヒ』シリーズの登場人物。
URLリンク(ja.uncyclopedia.info)
あたり参照。

97:名無しさん@ピンキー
06/10/20 23:55:21 eTwXVvIs
期待あげ

98:名無しさん@ピンキー
06/10/25 19:29:17 f+Ec66Wz
書いたなら続きを投下しろよお願いしますorz

99:名無しさん@ピンキー
06/10/31 20:46:45 1TPPBsDC
期待age

100:名無しさん@ピンキー
06/11/06 19:21:25 zthIticn
ほしゅ

101:名無しさん@ピンキー
06/11/09 00:13:03 n6dvJsbj
あげ

102:名無しさん@ピンキー
06/11/21 23:22:59 ZNwI5HHJ
hosyu


103:名無しさん@ピンキー
06/11/22 18:02:33 V2oOWjac
ホシュウ


104:名無しさん@ピンキー
06/11/28 12:42:10 Ro4a1Qud
保守

105:名無しさん@ピンキー
06/11/29 23:16:21 Fe4rr9tU
人大杉が出たのに何この過疎っぷり保守あげ。

106:名無しさん@ピンキー
06/12/05 19:55:22 v7H3BIsm
無口なのは可愛い女の子だけでいいぜ保守。

107:名無しさん@ピンキー
06/12/12 00:41:57 0SdOvtrB
うまい事言ったつもりかほしゅー

108:『超・短編』
06/12/12 01:53:24 FIQFToSI
おれは、彼女が話している声を聞いたことがない。

おれが初めて彼女と出会ったとき、すでに彼女は言葉を話せなくなっていた。
幼い頃両親を亡くした事故によって、彼女は命を得る代わりに、声を失ったのだ。

喋れないことが元でクラスの奴らに苛められていたところをおれが助けた。
その苛めた奴らを半殺しにしたおれに、必死の身振り手振りで、「暴力はダメ!」と諫めた小柄な彼女。
それまでは硬派で、誰も近寄らない狂犬のようだったおれが、よもやの一目惚れ。
あっさりとケンカ番長を廃業し、速攻で交際を申し込んだ。

そのあと。
ギャルゲのようなハートフルエピソードを乗り越えて、
エロゲのようなご褒美エッチで結ばれたおれたち。

その後も順調に交際を続け、いまではようやく彼女もエッチに快感を覚え始めたようだ。


「なぁ、気持ちいいか?」

おれがそう訊ねると、彼女は、快感に荒げた呼吸のまま、こくこく、とうなずいた。

ベッドの上でおれに組み伏せられている彼女。
真っ白な陶器と見間違えるくらいの白くすべすべな肌を、ほんのりと桜色に染めている。

そして彼女は、おれの鼻の頭にちゅう、と小さくキスをして。
女の大事な部分でおれを受け入れたままの彼女は、その恍惚と幸福をおれに伝えるべく、ゆっくりと唇を動かした。

だ、

い、

す、

き。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ、チクショーッ、可愛い、可愛過ぎるッ!!!」

おれは、そんな錯乱した叫び声をあげながら、彼女の膣奥に射精した。


彼女とつきあう前は硬派で通したおれだったが、今ではもう、惚れた女の表情だけでイけるような、リリカル男になっちまった。

・・・・・・いや、だめだ、意地を見せろ、おれ!
男なんざ、惚れた女をイかせられてナンボじゃぁっ!!

「・・・・・・このまま二回戦、いくぜ?」

全然萎えないおれの息子。コイツ、元気さだけはおれを裏切ったことがない。
そんなおれの、滑稽なくらいの元気さに彼女はクスリと笑って。

こくり、

と頷いたあと。

恥ずかしそうに顔を真っ赤に染めた。


END OF TEXT

109:108
06/12/12 23:26:21 FIQFToSI
うへぇ、人いねぇ・・・。それとも単にスルーされただけか.....orz

別のスレで、ヒロインの風貌や特徴を描写しないSSはどうよ?といった話題があったのを思い出して、書いてみた。

無口な女の子と、おしの女の子は別物だ、というツッコミは勘弁してください。


というわけで、保守。

110:名無しさん@ピンキー
06/12/13 01:20:25 A/40Drox
ほのぼのっぽくて和んだ
超短編故に描写をバッサリカットして纏めすぎてる感じ
もう少し文を整理、肉付けしたらええかも
俺は期待している

保守

111:名無しさん@ピンキー
06/12/13 22:30:55 91VcqunP
よかった、ヒトがいた!
当方、萌えSS修業中の流浪の身なので、また寄らせてもらいます。
こんどはまともなSSを持参しますね。

というわけで保守。

112:名無しさん@ピンキー
06/12/14 01:50:07 VVGFHh+c
ようやく規制解除ー!
和んだよ。次回作も期待~

113:名無しさん@ピンキー
06/12/15 08:19:13 rOcGuM7N
俺も期待しとく。ちゃんと書いたやつプリーズ。

114:籠城戦 ◆DppZDahiPc
06/12/16 11:45:05 z4S0l0Fa
保守がてら書いてみた。
本番失調症を患ってるため、本番なし。

115:うちの妹が無口な理由1/5 ◆DppZDahiPc
06/12/16 11:46:10 z4S0l0Fa
 うららかな日差しは、まだ微睡んでいるのか弱々しい。それでも、ここ数日降
り続いていた雪が降っていないだけ、随分マシだ。
 土曜の朝十時前。
 休日出勤するスーツ姿や、勉強熱心な制服姿、飼い犬と散歩する爺さんや婆さ
んをなかなかみかけない、中途半端な時間の自然公園。
 市、最大を誇る広大な敷地といっても、近隣に三年も暮らせば、勝手知ったる
庭といっても大袈裟ではない程度の広さだ。
 ―だからといって、
「……なあ。いー加減、諦めないか?」
「…………」―無言で否定。
「手袋なら兄ちゃんが買ってやるからさ、だから」
 そういう問題ではないらしく。小梅は小さな頭を、ふるふると横に振った。
 僕はわずかに落胆、しかし可愛い妹のためだと、気合いを入れ直す。―だが
その前に。
「ちょっと休憩しよう」
 ジュースの自動販売機を指さして言うと、僕のジャンバーの袖を掴む小梅は、
小さく頷いた。


 僕には妹がいる。
 六歳も離れた妹、今年でようやく十一歳。同い年の子たちの中でも、一段背が
低く、体が細いのは着ている服の上からでも分かってしまう。
 幼い頃より病気がちなのだ。
 とりたて持病があるわけではないが、そもそもの体力と免疫力が弱いらしく。
低学年の頃は、一ヶ月に二度は病院へ通い、少なくても一度は寝込む。
 病気がちのため、外で遊ぶことも少なく、いつもパソコンで何か遊んでいるの
は知っているが。何をしているのか、見ようとしたら、怒られた。
 僕の可愛いお姫さまの機嫌を取り戻すために、僕は洋服を二着、ハーゲンダッ
ツを一つ献上し、赦してもらえた。
 病気がちなか弱い少女。
 僕にはそんなイメージが強いためか、小梅と出かける時は、いつも不安になる。
 ―悪い風邪にかからないだろうか?
 ―こんなに速く歩いても大丈夫だろうか?
 ―転んで怪我をしないだろうか?
 ―目を離した隙に誘拐されはしないだろうか?
 でも、だからといって、家に閉じこめておくわけにはいかない。
 僕も、いつも一緒にいられない。
 だから不安になる。
 缶のコーンポタージュをちびちび飲む小梅を見下ろす。
 ニット帽をかぶる小さな頭に触れる。
 妹は驚いた顔で僕を見た。
 まつげが長く、どこか蠱惑的な見ていると吸い込まれると錯覚してしまう瞳。
 小ぶりな唇がわずかに開かれたが、なにとは訊かない。


116:うちの妹が無口な理由2/5 ◆DppZDahiPc
06/12/16 11:47:25 z4S0l0Fa
 ニット帽から手を下ろしていき、艶やかな髪に触れた。
 冷えた髪は驚くほど冷たく、腰まである髪を撫でて、手を離す。
「寒くない?」
「……だいじょうぶ」
「疲れてない?」
 小梅はだいじょうぶだというように頷いた。
「買ってあげるからさ、やっぱり探すのは諦めようよ」
「…………いや」
「そう……」
 小梅がこれほど頑固だとは思わなかった。
 喧嘩してる時でも、一緒にお風呂にはいってくれるし、一週間もせず仲直りし
てくれる。
 だから、想う。
 落としてしまった手袋が、一時間探しても見つからないのに、諦めないのはど
うしてだろう―と。
 手袋なら、いくらでも買ってあげるのに。
 ……でも、
「よし、じゃあもうひとがんばりしようか」
 小梅はこくりと頷いた。
 でも、小梅が探したいというのなら、僕はそれに付き合うまでだ。


   ※※※


 更に一時間ほど公園内を歩き回り、お腹が空き始めた頃―
「あ」
 赤い手袋が落ちていた。
 ふわふわとした毛糸で編まれた、去年僕があげた手袋だ、見間違うはずもない。
 僕は思わず駈けだしていた。
 そして―転んだ。
「痛た」
 みると、ジーンズの凍った地面にぶつけた部分は、擦り切れ。中の傷口が覗き
見えた。
 血が出ていた。
 小さな足音が近づいてくる。
 僕は慌てて立ち上がり、振り返る。
「小梅、手袋あったよ」
 ジーンズが傷口に擦れて、痛みが走る。どくっどくっと血が脈打つのが分かる。
「…………」
 手袋を妹に手渡す―だが、予想したリアクションとは違い。
 小梅はほうけたように手袋を受け取り、何かをジッと見ていた。
 ―なんだろう?
「良かった良かった。さ、家に帰ろう」
「……それ」
「お腹も空いたし―え?」
 小梅のお人形さんみたいな指が、僕の膝/僅かに露出した傷口と血の跡をさし
ていた。
「いや、なんでもないよ、大丈夫だから」
「でも……手当、しないと」
 慌てて笑う姿が、強がってるように見えたのだろうか。小梅は袖を掴み、軽く
引っ張られる。
「……手当しないと」
 今日、僕は学んだことがある。
 ―小梅は、結構頑固だということ。

   ※※※

117:うちの妹が無口な理由3/5 ◆DppZDahiPc
06/12/16 11:48:14 z4S0l0Fa
 傷口を露出させるのに、うっそりと雪が積もる屋外よりも、まだ公衆トイレの
中がいいと、妹にトイレに連れこまれる。
 大丈夫だと繰り返す僕の言葉は、小梅には届かない。
 心配されるのが、気恥ずかしくて、申し訳なくて、ほんの少しだけうれしい。
 公衆トイレの中は、想像していたよりも綺麗だったが、壁一枚隔てれば外であ
り、寒い。
 裾をめくりあげようとしたが、小梅が首を横に振った。
 一瞬、意味が分からなかったが―理解した。
 ……こんな所で脱げ、と?
 いや、それ以前に―
「小梅は外で待ってて」
「僕一人でもできるから」
「大丈夫、ちゃんとやるからさ」
「狭いから、ね?」
 いくら言っても小梅は、狭い個室からでてくれず。
 ハンカチを手に持ったまま、立っている。
「……脱いで」
 小梅が短く、しかし強く急かす。
 傷口は痛む。
 ……これも情操教育かと、僕は渋々といった様子で、小梅に手当を任せた―
内心、バカみたいに嬉しかったのだが。
 気恥ずかしくて、心の奥底にしまっておくことにした。
 ジーンズを脱ぎ。洋式トイレの蓋を下ろして、そこに畳んで置き座布団にした。
 傷口からは今も血が流れている。
 僕ですら顔をしかめるというのに、小梅は動じない。
 血を見て怯えるのは、僕が情けないからだろうか?
「じゃあ頼むね」
「…………」
 手当といっても、ハンカチを巻き付けるだけだと想ったが、違った。
 小梅は傷口に顔を近づけ、―舐めた。
「――ッ!?」
 小さな熱い舌先が、凍えた膝に触れ、傷口をなぞるように舐める。
「こ、小梅」
 なにをされているのか、理解できなかった。
 傷口を舐める?
 なんで?
 流れ落ちる血を、柔らかそうなピンク色が舐めとる。
「汚いから、ダメだから。小梅、だめ。ね?」
 僕がどれだけ言っても小梅は聞いてくれない。
「なんで、なんでこんなこと……」
 膝に迸る、抉るような痛みに、僕の声は自然絶え絶えになる。
 ぞくっとするような電流が、背を這う。
 小梅の大きな瞳が、僕を見ていた。
「……消毒」
「え?」
「消毒、してるの」
 消毒?
 その言葉で、疑問が立ち消えた。
 そうか、傷口を舐めて消毒を―ってそんなバカな。
 舐めるくらいなら、水道水をかけたほうがいい。
 いやでも、がんばっている小梅に、そんなことはいえず。されるがままに、僕
は苦痛に耐える。

118:うちの妹が無口な理由4/5 ◆DppZDahiPc
06/12/16 11:49:07 z4S0l0Fa
 耐えて耐えて、耐えて。いつのまにか目を瞑っていた。
 痛みと、妹が僕の膝を舐めているという現実から、目を逸らすため。
 こんなことをしてもらったと、高校の友人に言えば、ただでさえシスコンだと
言われているのに拍車がかかるなと、自嘲する。
 耐えて耐えて、耐えて。―不思議な感覚に襲われる。
 痛みが薄れていた、その代わり、快楽が僕の脳を支配しはじめていた。
 痛いのが、気持ちよかった。
 痛くされるのが、気持ちよかった。
 妹に痛くされるのが、とても気持ちよかっ―。
 ―駄目だっ!
 今、僕は何を考えていた?
 そんなバカな、そんなことがあってたまるか。
 それじゃまるで、それじゃ…、それじゃ………変態みたいじゃないか。
「……あ、」
 妹のつぶやきが聞こえた。
 目を開ける。
 妹は大きな瞳を更に見開き。
 ソレを見ていた。
「……あ、いや」
 薄手のトランクスの下にあるソレ。
 薄い布地が張りつめていた。
 驚き、体を揺らしたせいで、こぼれでる―ソレ。
 欲望が具体化した形。
 欲情が顕現した姿。
 興奮の証明。
 赤黒い勃起、トランクスの窓から突き出てしまった。
 僕は隠そうとした―と考えただけで、動けなかった。
 一緒にお風呂にはいっているのだ、なにを今更―それは言い訳。
「…………」
 妹の純真な/汚れのない/無垢なる瞳が、僕の陰茎を強くみつめる。
 ―そのことに興奮する自らに、気づかないフリはできない。
 猛り哮る肉望。
 妹に勃起を見せているという、喜び―よろこび? ……馬鹿な。
 妹に、見せて、喜ぶだなんて、僕は、僕は―
「小梅、手当は」
「…………うん」
 妹が再び傷口を舐め始める、しかしその視線は、猛りそのものに向けられたま
ま。
 僕は、自らの、陰茎を、掴んだ―理性が吼える。
 ゆっくりと、上下。直ぐにペースが速まる―理性が吠える。
 僕の小梅は、陰茎を見つめ、捉えて離さない。
 見たいのだ―理性が断末魔をあげた―小梅は、僕の肉望が見たいのだ。
 狂喜が、産声をあげる。
 妹に見られながらの自慰、妹の瞳に急かされるような自慰、妹の目に扇情され
ながらの自慰。
 妹を頭の中で犯す。
 その唇を辱め、その手を冒し、その躰を犯し、その精神すら侵す。
 僕の小梅が淫らに乱れる、淫猥な声をあげる、切ない吐息。
 総ては夢想――本当に?

119:うちの妹が無口な理由5/5 ◆DppZDahiPc
06/12/16 11:50:20 z4S0l0Fa
 それは本当に、夢想という虚実なのだろうか?
 着替えを手伝う時、妹の脱いだ下着を僕はどうしていた?
 一緒に風呂にはいる際。妹が肢体を洗う時、それを見て僕はなにをしていた?
躰を洗いあう時、前は自分で洗った?
 妹が僕のベッドにもぐり込み、共に寝る、本当に、それだけ?
 いや、そもそも。
 ベッドに入り込んむのは、本当に小梅の方からだったか? 僕が、小梅のベッ
ドに潜り込んだんじゃなかったか?
 思い出せ思い出せ思い出せっ。

 妄想と現実が曖昧になる、されてもいないことを現実だと想うようになる。
 思い出せ想い出せ想い射せ、おもいだせっ。
 僕は―。


「……んっ」
 小梅の短い吐息で、現実に帰還する―現実?
 小梅の善い兄。
 小梅と爛れた関係を持つ一人の男。
 そのどちらが、現実?
 小梅の善い兄だとしたら、何故僕は、膝を舐められ時に、抵抗しなかったのか?
 やめさせなかったのか?
「……お兄ちゃん?」
 小梅が不思議そうに見上げていた。
 僕の膝にはキティちゃんのハンカチが巻かれていた。
 陰茎は―でていない。
「……そうか」
 僕は安心した。
 妹の前で自慰をした、なんていうのは、僕の空想だったのだ。
 僕は立ち上がり、ジーンズを履き。
「さあ、帰ろう」
 妹の手を掴み、トイレを出た。


 ニット帽の下、綺麗な髪に、白濁した液体が散っていた。


―fin

120:名無しさん@ピンキー
06/12/16 12:52:01 5MwoUWrP
GJ!

121:名無しさん@ピンキー
06/12/16 13:19:48 Za+mAejY
gj!
ダメアニキ(笑)

122:名無しさん@ピンキー
06/12/16 18:16:22 U57YRzSF
なんというか…
すげぇぜ

123:名無しさん@ピンキー
06/12/17 01:06:10 yxXXh8ao
GJ!久しぶりにおっきしたよ。やはり無口な妹は良いね!

124:名無しさん@ピンキー
06/12/20 20:16:15 7nHMoz4Q
ほしゅ

125:名無しさん@ピンキー
06/12/20 22:13:09 d1xMHi42
二人とも病んでるのな。GJ

126:名無しさん@ピンキー
06/12/22 15:59:08 WPhTL7xu
ホウ!シュッ!

127:名無しさん@ピンキー
06/12/23 22:01:27 xstTwHmn
>>80の続きを激しく読みたいのだが

128:名無しさん@ピンキー
06/12/24 03:28:32 FKA6qlbg
私も読みたい!
よろしくお願いします

129:名無しさん@ピンキー
06/12/24 03:31:23 uZg4Rs4o
俺も!

130:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:22:04 yfEKgWlF
秋の大イベントである運動会と文化祭が終り、その余韻を残しつつ
皆は普段の学生生活に戻り始めた。
次なるイベントは冬休みだろう、あ、期末テストが先か。
「お前また振ったんだって?」
日増しに暮れるのが早くなったな、と物思いに耽る俺にコイツは静かに首を縦に振った。
「だからその袖引っ張る癖直せって」
無口極まりないコイツの取る最大限のコミュニケーション。
「で、また同じ振り方ですか?」
「・・・無理、って言っただけ」
肩に掛る二つに縛った髪を揺らしながらコイツは無表情のまま、
告白を断るには直球過ぎる言葉を吐いた。
「もう少~し、優しく言えない?」
「・・・なんで?」
「いや、まぁ断るなら後腐れない方がいいし」
わかってる、コイツにそんな助言は意味を成さないって
「なぁ」
「・・・・なに?」
「また、歌ってくれよ」
「やだ」
速攻で断られた、まぁ無理もないだろうな、コイツがこんなに告白攻めにあってるのも
その歌のせいだ、文化祭、クラスの女子に半ば無理矢理歌わされた。
「いやぁまさかお前があんなに歌が巧かったなんてなぁ」

131:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:23:17 yfEKgWlF
普段から無口なもんで歌声を聞くなんて皆無だった俺には、いや
周りのみんなが驚愕したことだろう。
まぁコイツが俺を伴奏につけるならという条件を出したおかげで
俺は久しぶりにギターと向き合う毎日になったわけだけど、
クラスの出し物、うちはなぜか演劇でその余興として行われたミニライブ

歌 :川室 由羽(1-B)
伴奏:音村  仁 (1-B)

これは小さな話題となった、勿論俺のことではなくコイツのことで、
特に教師達からは「あの川室が!?」と言うことで軽いパニックが起こった。
「あん時は俺も大変だったよ、体育館に人いっぱいいるし」
そのミニライブ、というかクラスの出し物の観覧は強制ではないため
興味のある人だけが来るというものだったが、俺とコイツが舞台に立った時は
見事に超満員だった。
どうやら口コミで今回のミニライブの貴重具合がバレてしまったらしい、
何より困ったのはその曲目、クラスで集まっての会議でコイツの発言が俺を凍りつかせた
『ジンの作った曲がいい』
中学の頃調子に乗って友達と始めたバンド、俺は更に調子に乗り
自作曲まで作ってしまった、勿論俺の作詞作曲

132:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:24:15 yfEKgWlF
封印したはずの過去を突然解き放たれ、慌てふためく俺をコイツは
『あの曲好きだから・・・』
と一言、仕方なしに俺は一年前の自分と向き合うことに、
中学生独自の痒くなるような曲をアレンジし、何とか人前に出せるものになった。
「ありゃあ、本当大変だったぞ」
「・・・・・・ゴメン」
「ま、いいけどな」
前評判を聞き付けて現れた好奇心半分、冷やかし半分の客で埋められた体育館という会場
やじでも飛んできそうな雰囲気の中、俺の合図で演奏が始まった。
がやがやとした音が面白いほどに消えていった、
実際、リハーサルの時の俺や周りのスタッフも動きが止まったほどだ、
一曲目が終わった時の会場の湧き方は凄かった、とりあえず予定していた
二曲目を歌い、早々にはけてしまいたかったが
アンコールを食らい、渋々と舞台に戻り一曲目を再び歌った、
正直気持ち良かった、だが二度はゴメンと思った、それはコイツも同じだったようで
『・・・・・緊張した』
『そうは見えなかったぞ?』
『・・・・・もう、や』
『俺もだ、ハハ』
その日から川室由羽は有名人になった、一応俺も、
コイツは毎日のように告白されるようになった。

133:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:25:01 yfEKgWlF
元々顔は悪くなかったし、あの歌唱力、歌っている時の雰囲気は言い表せないめがある。
「すっかり有名人になっちまったな」
「・・・・や」
「ん?」
「・・・・怖い」
今まで俺以外の男と対して関わりを持ってなかったコイツにとって、
今の状況は耐えられないのかもしれない。
「その内収まるよ」
「・・・・・そう?」
「ああ、そんなもんさ」
「・・・・」
「だから袖」

しばらくの沈黙、というか俺が喋らなくなっただけ、
無言で歩くのも悪くないしな、そしてコイツの家に着く。
「じゃ・・・・明日」
「あぁ」
明日は土曜、学校は休みだけど俺達には用事がある、
というか俺がコイツに付き合わされてるだけだけど。
「明日な」


134:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:26:11 yfEKgWlF
待ち合わせはいつもの場所、
このデパートはいつ来ても人が溢れているなぁ
「ユウ!」
いつも俺が着く時にはいるんだからまいる。
「行くか」
うん、と首の動きが伝える。
コイツがこのデパートに来る理由は色々ある。
「・・・・わぁ」
「お前も飽きないなぁ」
3階にある小さなペットショップ、コイツはここがお気に入りらしく
毎週来る、なぜか俺を連れて、ペットの飼えないマンション住まいのため、
見ることだけがコイツの精一杯の楽しみ。
「ネコ好きか」
「・・・・・うん」
しばらく猫と戯れた後、次は本屋
「こんにちは」
「あら、いらっしゃいユウちゃん!あと、ジン君」
「どうも」
本屋の岸島さん、コイツと長い付き合いらしい、
この人に挨拶するのも毎回のお約束だ、俺は立ち読み、
岸島さんが一方的に喋るのをコイツがうんうんと聞くだけ、
昔聞いた話だが、コイツは小さい頃、ずっとこのデパートを遊び場にしていたらしい、
その無口さや無表情でうまく友達が作れなかったそうだ、
だから、俺と出会ってからもデパートに顔を出すことは忘れない。


135:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:27:43 yfEKgWlF
勢いに任せてここまで書いた

後悔はしてない

136:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:30:48 yjtGlsnQ
生で遭遇、GJでした。
後悔は、続きを書いてから!!

137:名無しさん@ピンキー
06/12/30 02:41:31 FJwPWcHv
保守

138:名無しさん@ピンキー
07/01/05 20:09:11 oHFwXVE+
大晦日に逢い、姫納めと姫始めを同時に行い、元日はおろか三が日も一緒に過ごした年下の彼女。
あいかわらずの無口で、うん、ちがう、の二言くらいしか喋らなかったけれど、
一緒にいられて、俺は嬉しかった。


そして、仕事も始まった今日、珍しいことに彼女から着信が。
何事かとケータイを開くと、まるでイタズラのような無言電話。


でも俺は、根気強く待った。
それくらいの根気がないと、この子とは付き合えない。

たっぷり2分くらいの沈黙をおいて、ようやく彼女が言葉を発した。

「・・・・・・・・・・・・・・・ぁ、あけまして、ぉめでとぅ・・・・・・」

元日から今日まで、俺の言った新年の挨拶に返事しようと頑張って、やっと言えたんだろう。

・・・かわいいなぁ。

俺は、新年に言った言葉を、もう一度繰り返した。

あけまして、おめでとう。

なんとなくだけど、電話の向こうの彼女が、微笑んだような気がした。

139:名無しさん@ピンキー
07/01/06 15:55:58 BuufSwaI
>>138
それを、エロシーン込みで書いてくれ。
じゅうぶん和むし、萌えるんだが、これでエロがあったらさらにGJなんだよ!

140:名無しさん@ピンキー
07/01/11 01:31:50 qx7b4W70
期待あげ

141:名無しさん@ピンキー
07/01/17 20:29:37 v6T7gStR
ほす

142:名無しさん@ピンキー
07/01/18 13:25:50 5eu0Xpc+
あげ

143:名無しさん@ピンキー
07/01/18 15:01:20 Ep9CQu8A
age

144:書く人
07/01/19 00:09:03 buLajb7k
保守ついでのお目汚しを一発。まずは前編。ヒロイン外見はfateのライダーを少し若く&おとなし目にした感じで。


145:書く人
07/01/19 00:11:06 buLajb7k
 本を読んでいた静香は不意打ちに言う。
「キスしよ?」
 笑顔の一つもない無表情で、だけどほんの少しだけ恥ずかしそうに頬を染めて 千草は言う。
 不意打ちに言って俺と唇を奪う。
 それが済むと、再び笑顔の一つもない、だけどほんの少しだけ満足そうに、薄いレンズの奥にある目を細めて、千草は本に没頭する。
 それが、俺と千草のデートだ。



 俺はバンドをやっている。
 高校の頃からインディーズ。卒業してから2年でメジャー。武道館なんて夢のまた夢だけど、少なくともバイトをしなくても食えるくらいには売れている。
 メンバーは四人、全員男。
 リーダーはギター兼ボーカル。歌はむちゃウマなくせに、普段のトークは絶望的にど下手の無口。一日中歌以外の声を聞かないこともたまにある。断っておくが、こいつは男であって俺の彼女じゃない。
 ベースは正統派美形でリアルに遊び人スケコマシ。スマイルが武器だそうだ。現に女の子の大半がコイツ目当て。いつか刺されるんじゃないかと心配している。
 ドラムは兄貴。血縁関係とかじゃなくて、兄貴。年齢的には一番下なのに、兄貴。とにかく硬派でとにかくゴツくてとにかく、兄貴。
 でもって最後は俺、シンセサイザー。役どころはいわば2.5枚目。ライブのトークとかはリーダーがやるもんなのに、残念ながらウチのリーダーは
「えっと…今日は、その……楽しんでってよ。がんばるからさ、俺達」
 がライブで言った台詞最長記録。カンペを渡しても噛みまくる。
 ベースのコマシは言動が天然でストロベッてて、女の子だけがどこか間違った方向に盛り上がるし、兄貴は暴走族か漁師の気合入れになっちゃう。
 だから自然と、特徴のない俺に役が回ってきた。
 注目を集め、適当に笑いを取り、観客を盛り上げる道化役。
 断っておくが嫌じゃない。喋るのは好きだし、トークで観客を沸かせるのは気持ちいい。それが癖になったせいか、普段からも多弁系になった。
 そのことについては、後悔していない。ある一点を除いては。
 それは――女の子にモテなくなったことについてだ。

146:書く人
07/01/19 00:12:33 buLajb7k
 女の子に煙たがれる訳じゃない。元々モテてたわけでもない。いや、むしろバンドを始めるまでは、冴えない普通の奴扱いだった。
 多弁になったら女の子には注目されるが、しかしお友達以上になれなくなった。理由はほぼ常に行動をともにしているメンバー達だ。
 純粋に歌が好きで寄ってくる子は、リーダーの担当。
 遊んでる感じの子や、逆に純情な子は、われらがバンドのコマシ王子が捕食。
 百戦錬磨な経験を積んだお姉さまは、硬派な年下兄貴が目標。
 この隙のないラインナップに搾り取られた跡に残ったのは、俺のトークに喜んでくれるちっちゃな女の子だけ。
 ああっ、俺、ロリコンだったら良かったのに!
 …いや、ロリコンだったらむしろ危なかったか?
 とにかく、俺の元に届けられる女の子からのファンレターは、クレヨンで「がんばって」と書かれたイラスト付きということになった。
 まあ、今にして思えばそれでよかったのかもしれない。
 なぜなら、お陰で千草に嫉妬されずに済むのだから。



「?」

 千草が首をかしげてこちらを見返した。そこで、俺は自分が本を開いたまま千草の横顔を注視していたのに気付く。
 柄にもなく恥ずかしくなる。

「何?」
「あ、いや…千草と付き合いだした時の事を、ちょっと…」
「……そ」

 それだけ返事をすると、彼女は読書を再開した。他人が千草のリアクションを見れば、きっと俺に同情的な視線を向けてくるに
違いない。
 だが、それは勘違いだ。彼女の頬は、ほんの僅かに赤く染まっている。それは、他人が見たら絶対に気付かないような些細な変化。だけども、付き合いだしてからずっと見つめてきた
俺には解る。
 照れているのだ、千草は。
 出会った頃など、俺が千草のそんな些細な感情の機微に気付けるようになるな
んて思ってもなかった。

147:書く人
07/01/19 00:13:10 buLajb7k
 千草との出会いは、ある意味衝撃的だった。

「6」
「ないです」
「寄せて」
「4日で」
「月曜無理。火曜」
「ん」
「ん」
「いや待て、お前らどこの宇宙人だ」

 無口なリーダーに付き合って本屋に行った時、リーダーが店番の子と謎のやり
取りをした挙句合意に達したのを見て、俺は思わず突っ込んだ。
 ちなみに今の会話をテレパシー能力が未発達な地球人でも理解できるように翻
訳すると

『あの~、このシリーズの6ないですか?』
『申し訳ありませんが、売り切れになっております』
『あ、じゃあ、取り寄せはお願いできます?』
『4日後になりますがよろしいですか?』
『4日って月曜?あ、俺その日無理なんで火曜に取りに来るって子とでいいっす
か?』
『はい、承りました』
『よろしくお願いします』

 ということだったらしい。
 その店員とリーダーは『何でそんな解りきったことを?』という風にこちらを
見てきたので、俺は『んなこと解るわけねぇだろボケが!』という意味合いがこ
もった愛想笑いを返してやった。
 その店員が、千草だった。

148:書く人
07/01/19 00:15:49 buLajb7k
「読・ん・だ・ぞぉぉぉぉぅっ!」
「お疲れ様」

 仰向けに倒れた俺。机の上に残されたのは閉じられたハードカバー。タイトル はGreat Expectations――大いなる遺産。千草はこのタイトルの和訳に物も押
したいらしいが、呼んでみてよく解った。うん、Expectationsは遺産より期待の方がいいだろう。
 一方千草は、ちらりともこちらを見ずに言うと、立ち上がった。向かったのは部屋の出入り口。
 コーヒーでも淹れに行ったのだろう。

「あ、砂糖はいらないから!ミルクだけで!」
「…緑茶」
「あ、さいですか…」

 うむ。期待を裏切られた。ピップの気持ちが少しわかったぞ。
 などとくだらないことを考えながら俺は上を見る。
 見えるのは蛍光灯と、天井と、本。
 本だ。本、本、本、本…。およそ地震が起きたら死ねるほどに積み上げられた 本の山。
 千草はビブリオマニアだ。本人は違うといっているが、十分そうだと思う。
 思えば、千草と付き合いだす切欠も、彼女の本好きだ。



「やめてください!」

 図書館で、そんな声が聞こえた。
 俺はリーダーに勧められて始めた読書の実行のため、手頃な本の物色に図書館
に来ていた。その時、聞こえたのだ。

「んだよ、関係だろ!」

 静かなはずの図書館で、言い合う声がした。一つは千草、もう一つは餓鬼っぽい男の声。
 前者の方に俺は驚いた。千草があんな大きな声を出すのは初めて聞いた。
 痴漢、それともナンパ?
 いずれにしてもただならない様子を感じて行って見れば、そこには本を広げた中学生くらいのガキが三人と、それをいつものぼおっとした様子とは打って変わ
った千草がいた。言い合いを聞いたところ、このガキが図書館の本の表を切り抜いていたらしい。それに千草が注意して、ガキが逆切れしたというわけだった。

149:書く人
07/01/19 00:17:50 buLajb7k
「ちょとぐらい問題ないだろ!」
「けど、これは皆も本で…」
「じゃあ俺が使ってもいいわけだ」
「けど…」

 むちゃくちゃな屁理屈を言うガキに、千草は一歩も引かないが、しかし口下手な彼女の方が押されている。周りで見ている連中は、そっちにちらりと視線を寄せただけで、すぐに厄介ごとを恐れて視線をずらす。
 根性なし共め。その周囲の反応を見て、千草は傷ついたような表情をして、ガキの方が勢いづく。

「ほら、だれももんくいわねえじゃん」
「ですけど…」
「だいたい、いきなり大声出して。マナー違反はそっちだし」

 いたぶるように薄ら笑いを浮かべて言うガキども。その時には既に俺のの堪忍袋ゲージは振り切れていた。

「屁理屈こくなよ、ガキ共?」



「…ありがと」
「ん?ああ、別に。俺も腹立ってたし」

 千草が話しかけてきたのは、半泣きで去っていくガキ共を見送っていた時だった。
 はっきり言って楽勝だった。断っておくが殴り合いとかじゃない。あくまで口げんかの発展だ。
 相手はちょっと嘴が発達しただけのひよこ。それに引き換えこっちは商業用のトークを経てきたプロ。
 ふっ、鎧袖一触とはこのことよ。

「借りにきたの?」
「へっ?あ、ああ。本をな。リーダーに薦められて本を読み出したけど…初心者用に言いの探してるんだけど…」
「うん」
「お、紹介してくれんの?サンキュ…って、おい?引っ張るなよ…つか、そっち出口だってば!」
「うん」
「『うん』といわれても…」

 結局、そのまま引っ張られ、歩くこと三分。
 辿り着いたのが千草の家。歩きながらどうにか聞き出したことによると、短大に通いながら一人暮らしらしい。
 …トラブルから助けた後に一人暮らしの女子大生の家に引きずり込まれる男?
 え?Hイベントのフラグ立てちゃった?
 なんて妄想しているままに家に引きずり込まれた俺を待ち受けていたのは、そんな邪念を吹っ飛ばすほどの本だった。
 いや、靴箱に本が入ってるってあり?
 ともかく、本のせいで壁が見えないという事実に呆然としている俺に、千草は奥のほうでごそごそと何かしてから、年季の入った一冊の本を差し出してきた。

『ガリバー旅行記』

「お礼」
「えっ?…あ、うん。どうもえっといつまでに返せば…」
「あげる」
「…いいのか?」

 思わず受け取ってしまった古びた本を、俺は眺める。ハードカバーだ。保存状態はいい。売ればそれなりになると思うが…。

「いい。あなたは…いい人だもの。この子もきっと大切にしてくれると思うから」

150:書く人
07/01/19 00:20:05 buLajb7k
 俺は、目を覚ました。
 寝起きは良い方の俺の脳は、即座に今までの事が全て夢だったと気付く。どうやら、千草との出会いを思い出しながら、寝てしまったようだった。耳には、ローテンポのラブソングが聞こえる。聞き覚えがある曲…というよりも俺が書いた曲だ。
 俺は起き上がろうとして、自分の口をふさぐ、濡れたような柔らかい感触にも気付く。
 …なんだこりゃ?
 目を見開けばいきなり肌色の何かが視界をふさぎ、更には後頭部にも柔らかい感触。しかもいい匂いまでする。

「ん?」

 俺は何気なく、声をあげ…

「!!!!!?」

 無言の悲鳴。そう表現できるような慌てた気配が伝わってきた。
 次の瞬間、視界が急に開け、俺の頭の下に差し込まれていた柔らかな枕が飛び
跳ねるように動いた。

「なんだなんだ!?」

 混乱しつつも起き上がる。そして周りを見ると、すぐ近くに千草がいた。
 彼女には珍しく、明らかに驚愕の感情を浮かべた顔を、なぜか真っ赤に染めて
、壁を背にしてこっちを見ている。
 回転しろ、俺の灰色の脳細胞。一帯何が起こった?
 現状から数秒前を推測するんだ。

1.俺は寝ていた。ここには俺と千草しかいない。
2.ついさっきまで俺の頭を支えていた枕はどこにも無く、そういえばなんか暖かかった気がする。
3.さっき俺の口をふさいでいた感触は覚えがある。千草の唇の感触だ。
4.千草がめずらしいことに滅茶苦茶動揺している。

 …ふっふっふ、初歩的な推理なのだよヘイスティングス。
 俺は自身ありげな笑みを浮かべて千草を見る。千草は、俺の視線を受けてさっと目をそらす。いつもの無表情も今はどこか取り繕ったようなものになり、そもそも白い肌はまだ赤みを残している。
 証拠は十分だな。だが、ここでもう一つとラップをかけて置こう。
 俺は千草をビシッっという効果音つきで指差して、

「千草…犯人はお前だ!」
「違う、してない」
「おやぁ、してないって何をかなぁ?」
「……極悪人」

151:書く人
07/01/19 00:22:57 buLajb7k
 千草は無表情に呟いた。普通に言われたらグサリと来るかもしれないそれだが、シチュエーションによる補正と僅かに赤い頬のせいで俺の嗜虐心をくすぐる媚薬に変わる。

「極悪人はどっちだよ?人の寝込みを襲っておいてさ…」
「おっ、襲…ってなんか…」
「ん?聞こえないなぁ」

 言いながら、俺は千草ににじり寄り、そっと抱き寄せる。千草はそっぽを向きながら、それでも抵抗する素振りはない。俺は調子に乗って千草の頬を撫で、口を耳元に寄せる。

「でもさ、どうしてそんなにキスが好きなんだ?」
「好きじゃ…ないもん」
「嘘つけ。じゃあ、どうしてそんなにキス魔なんだよ?」
「キス魔…じゃ!はむぅ…」

 言葉を遮って、俺は千草にキスをする。舌も入れないフレンチキスだ。しかし効果は劇的だ。一枚のレンズ越しの目は、一瞬大きく見開かれ、すぐに蕩けて細まっていく。
 ああ…その表情ヤバイって。
 思わず押し倒したくなるが、ここはグッと我慢。キスを終えて、千草と目を合わせる。

「どうしてだ?」

 再び問う。実は答えが返ってくることなど期待してはいない。どんな反応が返ってくるかが楽しい。それこそ嘘でも、無言であってかまわない。自分の言葉に対して彼女がどう返してきてくれるか、それが楽しい。
 特に、普段から情緒情動が見えにくい千草だからこそ、こういう感情が表に出ている時は格別だ。
 期待を込めて見つめる俺の視線の先で、千草は口を開く。

「……から…」
「ん?」
「怖い…から」
「…何がだ?」

 千草は躊躇うようにしてから、必死といった風情に口を開いた。

「私…口下手だから。…あなたみたいに、歌ったりもできないし…好きって伝えられないから……。だから…代わりにキス、するの。伝わってなかったらって思うと、怖くて…キスしないと、不安だから…」

 千草が言い終えるより早く、俺は再び彼女の唇を奪った。

「んっ…んんー!」

 今度は舌を入れる。千草が僅かに抗うような動きをするが、それも僅かだった。

「ふゅ…ふ、ぅ……」

 千草は反撃を試みる。必死さが伝わる舌の動きだが、あまりに稚拙だった。俺は差し込まれて舌をしゃぶる様に迎撃し、怯んだところで逆襲。千草の歯や
歯茎を撫で回す。

「…んっ!…ぁぅん…!っはぅ」

 千草はついに音を上げて、逃げるように口を離す。息をつく千草を、俺はたまらなく愛しいと思いながら、告げた。

「伝わってるよ」
「…?」
「千草の気持ち、伝わってる」

152:名無しさん@ピンキー
07/01/19 00:24:36 buLajb7k
 そう。千草の思いは完全に伝わっている。今のこの部屋には、俺が目を覚ましてからずっと、リーダーが歌う俺が書いた曲が流れている。
 内容はベタベタなほどにストレートなラブソング。千草と付き合い始めて、その時に彼女に送った歌で個人的にはかなりいい線だと思っている。だが、彼女の無言のキスに――それによって伝えようとしてくる想いと比べてしまえば、陳腐にしか思えない。

「何百回好きだって言われるより、沢山伝わってる。だから、安心しろよ」
「…うん」

 頷くと、千草は心音を聞くように、俺の胸に顔を寄せる。千草の髪は、いい匂いがする。シャンプーか香水か、それとも彼女自身の香りなのかはわからないけれども、いい匂いだ。
 落ち着くような、それでいてどこかドキドキする……ぶっちゃけると、興奮する匂いだ。
 …結局獣かよとか言うな、畜生。仕方ないだろ、ディープキスした挙句、恋人と二人きりで抱き合ってるんだぞ?増して千草は結構いい体している。
 普段の図書館で作業しているエプロン姿では想とは見えないが、実は結構背が高く、手足は長い。プロポーションだってセーターの上からでも括れがはっきりと解るくらいだ。
 などと俺が自己欺瞞をしていると、千草が呟いた。

「Hな気分?」
「え?」
「硬いから」

 Oh!My馬鹿息子!
 そりゃ密着状態じゃ隠しようないわな。

「雰囲気、台無し」
「く…っ、仕方ないだろ?」

 二重の意味で硬直する俺に、千草は言う。さっきの意趣返しとでも言うつもりか?
 だが、そんな俺の想像と、彼女の意図はまったく違った。

「うん。仕方ないよね」
「えっ?」

 てっきり「この万年発情期がぁっ!」的なことを言われるのを覚悟していた俺は、意表を突かれて腕の中の千草を見る。千草も、俺の方を見ていた。
 笑顔の一つもない無表情で、だけどほんの少しだけ恥ずかしそうに頬を染めて千草は言う。

「セックスしよ?」





つづく


 今日はここまで。とりあえず、図書館の本は大切に使用ってことで。

153:名無しさん@ピンキー
07/01/19 00:44:41 L+H+BgMJ
おう、めっちゃ大切にする
そしてwktkもする

154:名無しさん@ピンキー
07/01/19 04:05:45 coImyXOl
おおっラブラブな感じですな
細かな表情の変化があるとイイよなぁ。特に「自分だけがわかる」ってのが。
続きにwktk

ところで>>151
フレンチキスは舌を入れるキスだ
URLリンク(dic.yahoo.co.jp)

155:名無しさん@ピンキー
07/01/19 06:51:28 254GDv4l
完璧ですよヘイスティングス

156:名無しさん@ピンキー
07/01/20 20:38:59 wD+UQoXh
>>フレンチ-キス
日本語の場合、どっちの意味でも使ってるみたいナリ。

…唇を合わせるだけの軽いキス、とかって本場じゃなんて言うんだろ?

157:名無しさん@ピンキー
07/01/20 23:12:33 x8G13P1P
>>156
バードキスです。

フレンチキス=ディープキスが一般的。
でもフレンチキス=バードキスも間違いじゃないです。

フレンチキスはフランス式のキスという意味でフランス人のキスは下品=ディープキスと宣伝されたらしい。
日本ではフランスは上品=バードキスと誤解されたためこっちが広まりました。
諸説あるらしいですが……

私はフレンチキス=ディープキスですね。

158:名無しさん@ピンキー
07/01/21 20:00:43 vqjR9Z/t
小鳥の啄むようなキス、というやつだな。

159:名無しさん@ピンキー
07/01/23 09:01:26 lBSGw5Ll
>>152
GJだ兄弟


フレンチキスのところ読んでるときに>>154>>157みたいなことするやつ出てくるだろうと思ってはいたけど、案の定いたな

本当の意味とは違う言葉の使い方してても、多くの人がその使い方をすればそれは正しい意味になることがあるんだよ
「全然」と同じようにね

160:名無しさん@ピンキー
07/01/23 22:15:48 L4v6C2Hg
>>159のようなことをいうやつが出て来るのも想定内。
むしろ、俺のこのレスまででワンセット、よくあるパターンです。

161:名無しさん@ピンキー
07/01/24 22:07:35 Jela1VK1
あげ

162:書く人
07/01/25 03:21:43 TGT9IzQt
キス私的ありがとうございます。では続きを。

163:書く人
07/01/25 03:22:25 TGT9IzQt
 ワクワクしながら胡坐をかく俺の後ろで、衣擦れの音が終わった。

「もういいよ」

 千草の許可を貰って、俺は振り返った。
 そこでは、一糸纏わぬ姿で布団に正座した千草がいた。

「つかさ、何で服脱いでいるところは見ちゃいけないんだ?」
「…恥ずかしいから」
「裸は見られるのは平気なのにか?」
「…コレだって…」

 いいながら、千草は自分の豊満な胸を抱く。しかし彼女の細腕には、その豊かさ双丘を隠しきれず、柔肌が腕の隙間から零れる。
 うわぁっ!普通に正座していた時よりエロいんですが?

「いただきます!」
「きゃっ…」

 本能が理性を凌駕するって本当にあるんだな、と感心しながら俺は千草に抱きつき押し倒す。
 襲うとはいっても、怪我しないようにそれほど勢いをつけたわけではないのだが。一方の千草も特に抵抗せずに、あっさりと布団の上に仰向けになる。
 ぽふっ、という感じにシーツに沈む千草の体。
 手始めにと、彼女の首筋に舌を這わせながら、俺は甘い香りを感じた。千草の匂いだ。

「シーツも、千草の匂いがする…」
「い、いやぁ…」

 その言葉に、初めて千草が抵抗らしい反応をする。鳴きそうな声で首を振り、俺の体を押し返そうとする。だが、その力だってやっぱり僅かなものだった。
 少ししてから、観念したように濡れた声でもう一度言う。

「嗅ぐの…ダメェ」
「いい匂いなのに?」
「…」

 返事はなかった。ただ俺の目の前にある千草の耳が赤くなる。
 カワイイと思いながら、俺はキスを鎖骨から下に這わしていく。

「んっ……」

 口の愛撫が乳首に達すると、千草の体はピクリと動く。初めて抱いた時から、ここは敏感だったな。
 俺は思い出しながら、千草の右の乳首を舌先で転がし、左の乳首は指で弄る。

「…!…ふくぅっ…」

 口の中で、千草の乳首が硬くなっていく。乳首は勃起し乳輪の形もはっきりしてくる。
 完全に硬くなってから、俺は音を立てて吸ってみた。

「ちゅりゅ、ずちゅちゅぅぅっ!」

164:書く人
07/01/25 03:22:55 TGT9IzQt
「~~~~~~~っ!」

 俺とて弾くのが専門とは言え、一応は歌手の端くれ。自慢の肺活量に引っ張られた胸は円錐形に立ち、それに引っ張られる形で千草も上半身を反らせる。
 空気を求める息をつく千草。俺はその様子にはしかし満足しない。もう一方の乳首も同じように口に含み、たっぷりと唾液をまぶしてから、同じように吸ってやった。

「ぁ~~~~っ!」

 今度は、かすかに声を上げた。
 千草の息が整うまで、俺は攻め手を緩めて胸を揉む。

「音…立てるの…やだ…」
「気持ちよくなかったのか?」
「…」

 赤くなって沈黙する千草。俺は捏ねていた乳を内側に寄せる。
 千草の胸の大きさゆえに、乳首はすぐ近くまで寄る。ちょうど、一度に両方を口に含めるくらいの距離だ。
 出来るなら、やるしかないよな。

「っ!ああああぅっ!」

 予想外の攻撃だったのだろう。俺は舌先で転がし、口から外れる直前までひっぱりを繰り返す。

「…っ!ぅ、へぁっ……はっ…はぁっ!ぁぁあっ!」

 すがりつく様に、千草は俺の頭を抱いてきた。俺が千草の味を十二分に堪能してから口を離す。
 俺は千草の顔を見ると、彼女はすっかり出来上がっていた。

「ぁ…ぉぁ…」

 顔の赤みは明らかに羞恥以外の要素で赤くなり、目は潤んで空を見ている。

「気持ちよすぎたか?」
「…い、いぢわるぅ…」
「声…でちゃった…」
「我慢しなくてもいいんだけど…」
「駄目…はずかしい…」
「恥ずかしくなんてないと思うけど?」
「でも…」

 泣きそうな顔をする千草。たまらなく愛おしく思いながら、俺は千草の頬に顔を寄せる。

「ん…」

 頬に舌を這わせるようにキスをして、耳を甘く噛む。リラックスしたように声を上げる千草。
 ふっふっふ、油断したな。と、俺は次なる攻め手に入るべく、千草の内股に片手を差し込んだ。
 その瞬間、千草の体に緊張が走った。

「力、抜いて」
「…」

 千草は一瞬、不安そうに俺を見返してから、頷いた。自由に動けるようになった手で、俺は千草の柔肌を弄る。
 ランダムに、小さな痙攣を反応として返す千草。そのうち、俺は腕に湿った感触を受けた。
 股間に擦りつけられた腕に、愛液がまとわり付き始めていた。
 少しずつ、手を彼女の中心に近づけていく。

「ゃぁ…」

 抵抗は口だけだった。彼女の足は既に完全に脱力し、俺の侵攻を防ぐ事はしない。
 指先は用意に千草の花弁に触れ、暖かい蜜の感触を伝えてくる。

165:書く人
07/01/25 03:24:07 TGT9IzQt
「千草…指、入れるよ?」

 千草の返答は小さな頷きだった。俺は千草に口付けをしながら、中指を彼女の中に沈めていった。

「んん…っ!」

 喉の奥で、千草が小さく喘ぎ声を上げる。拒絶ではない。声には甘さがあり、秘所は濡れそぼっていた。
 俺は口を離してから、本格的に指を動かし始める。

「はぁぅっ!?きゅふぅぅぅっ!」

 悲鳴のような声を上げる千草。その度に膣は凄まじいといっていいほどの力で俺の指を締め付けてくる。だが、それはただ一本やりの締め付けではなく、呼吸するようにゆっくり蠢動している。
 掻き分ける媚肉は愛液で濡れそぼっている。擦られる感触は、指の肌で感じるだけで気持ちいい。まして、敏感な粘膜越しに感じている彼女はどれほどのものか?
 答えは、表情に出ていた。

「っ!…ぃっ!んっ!っ!!…!!」

 挙がりそうになる声を、千草は両手で口をふさいで必死で堪えていた。言ったとおり、声を上げるのが恥ずかしいのだろう。
 いっそ、手を無理やり外して、千草の声を聞きたいとも思ったが、だがこの堪える表情もいいと思った。
 指の動きを激しくすると同時に、さらに親指の腹で肉芽を押しつぶすという責めを加える。
 追い詰められる千草の頬をなでる。

「ふぇぅっ!…ん!んっ!…っっ!ひっ!あぅっっっ!」

 いやいや、と首を横に振る千草。我慢しているのだ。

「…イっても、いいぞ?」

 俺は千草の耳元で囁いてから、まるで熱を測るように千草の額に手をやり、それから少し下にずらして目を塞ぐ。
 片手で熱に浮かされる子供をあやす様にしながら、もう一方の手で容赦なく熱病の中に追い込んでゆく。
 そして…

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!」

 千草は、果てた。






 千草が落ち着くのを待ってから、俺は二本の指を差し込んで、少し曲げてみる。一度絶頂を迎えた膣は程よく緩んで俺の指を受け入れる。

「もう、いいか?」
「…うん」

 千草の返答を待ってから、俺は千草の脚の間に体をもぐりこませる。
 正常位。他の体位も試したいが、まだ三度目だししばらくはこのままでいいだろう。

「あ…のね?」

 俺がペニスを手にして角度を調整しているところに、千草が恥ずかしそうにリクエストしてきた。

「キス…しながら…」
「解った」

 俺は唇を重ねながら、千草を貫いた。

166:書く人
07/01/25 03:24:44 TGT9IzQt
「ん…」

 千草の反応は穏やかだった。
 一瞬だけ体を硬くした後、脱力しながら縋り付いてきた。

「痛くないか?」
「うん…」

 千草は少し考えたと、こう付け加えた。

「私の体…あなたのおチンチンにぴったりになってきたんだね…」

 あ、幸せそうにそんなこと言うの、反則です。

「千草…っ!」
「!っああん!」

 辛抱たまらず動き出した俺を、千草は受け止める。

「あん!あん!ひゃん!あん!んん!はぁん!ああ!あ゛あ゛!ああんっ!」

 普段より、一オクターブ高い音。
 声を堪える事も忘れてよがる千草の嬌声は、美しかった。
 どんな楽器にも奏でることも出来ない、官能的で、扇情的で、綺麗で、純粋で、美しい声。
 もっと聞きたいと、俺は千草に剛直を突き入れる。

「あん!ああん!きゃん!ひっ、ひぃっ!だ、だめ!あ、ああああ!」

 悲鳴を上げる千草に、腰を叩きつける俺。
 その度に、彼女の胸はリズムカルに弾み、声が上がる。
 熟れた唇の味も昇り立つ香りも、脳をしびれさせるほど甘く感じる。
 五感の全てで千草を感じる。愛おしく感じる。
 俺の限界もすぐに来る。中で出そう。

167:書く人
07/01/25 03:26:30 TGT9IzQt
「イク…イクぞ!?」
「ふ、ふわっ!あ、あああ!ああああ!」

 聞こえたのか偶然か、千草は俺の腰に脚を絡め、頭を抱き寄せる。
 キスを求めてくる。拒む理由はないし、俺も…

「~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」
「…ぅぅぅっ!」

 どっちが先立ったのだろうか?キスをしたまま俺達は果てた。

168:名無しさん@ピンキー
07/01/25 03:27:34 TGT9IzQt
 俺の先端から噴出す精液が、千草の最奥に注ぎ込まれていく。千草はまるでそれを求めるかのように、ゆっくりと動きながら射精を促す。一滴残らず、吸い出されてゆく。
 ああ、何も考えられない。
 至近には千草の顔がある。
 うっすらと汗の浮んだ顔は染まり、瞳や唇は潤んでいる。卑猥な、しかし綺麗な顔だった。
 そんな顔のまま、千草は微笑んだ。

「すごく…エッチな顔してる」

 どうやら、俺も似たようなものらしい。俺は照れながらもこう言い返した。

「それは…千草もだぞ」

 ようやく、射精が止まった。
 心地よい倦怠感を感じながら、俺達はキスを交わした。











「キスしよ?」

 生まれたままの姿で布団の中で抱き合いながら、千草はまた俺にキスをしてきた。

「返事も待たずにかよ」
「……駄目?」
「いや全然」
「んっ……んん」

 不安げに問い返してきた千草に、今度は俺からキスをする。
 キスを離してから、千草は俺の胸元に、まるで子猫がするように顔を擦り付ける。
 あああ、一緒にこすり付けられる乳の感触がたまらんです。
 などと俺が千草の感触を楽しんでいると、千草は俺を見ずに言ってきた。

「嘘…ついてた」
「なんだ?」

 言われたところで、心当たりがない。
 実は処女って言うのが嘘だった、ってのはないだろう。しっかり血が出てたし。

「キスするのって…気持ち伝えるためって言うの、本当は半分だけ嘘」
「っていうと?」
「その…」

 千草は恥ずかしそうに、こちらを上目遣いで見ながら、こう言った。

「…キスも…好きなの」

 何を言い出すかと思えば。
 俺は苦笑しながら答えた。

「知ってるよ」
「うん…」

 答えながら、俺と千草はキスをした。

169:書く人
07/01/25 03:28:23 TGT9IzQt
一週間あけたからキャラが微妙に違う…。
ともかく、以上です。

170:名無しさん@ピンキー
07/01/25 03:30:57 aTbHND1I
ごちそうさまでした(*´ρ`*)'`ァ'`ァ

171:名無しさん@ピンキー
07/01/25 15:31:02 5rnPjLRa
>>162
GJ!

>>159は、もしかして全然を正しい日本語だと勘違いしてるのか?
文章表現と会話表現は違うってこと知らないのか?
普通、小説を書くときは辞書的な意味が優先されるんだよw
全然~ありみたいな現代で認められてきたけど辞書的な意味ではありえない言葉は作者が意図的に使ってない限り間違い。
そもそも、文章読めばフレンチキスの辞書的な意味を勘違いして使ってるのは一目瞭然

常識の問題だよ

172:名無しさん@ピンキー
07/01/25 18:07:43 WkKYDWPE
どうでもいいけど>>171はキモい

173:名無しさん@ピンキー
07/01/25 20:15:39 ZopYGiMW
良いな、ラブラブエチー。

174:名無しさん@ピンキー
07/01/25 20:45:10 T03ZZoMb
だがまだまだ無口なおにゃのこが足りないのだよ
とりあえず>>80の続きを無言で待ち続けてるとだけ記す

175:名無しさん@ピンキー
07/01/26 06:21:02 iOSxJOjo
上げてみるGJ

176:名無しさん@ピンキー
07/01/27 00:19:19 Clm796UQ
ъ(゚Д゚)グッジョブ!!
↑の一言に尽きる

177:名無しさん@ピンキー
07/01/27 00:28:52 7BJpkp3J
あ゙あ゙あ゙あ゙…GJ!

178:名無しさん@ピンキー
07/01/29 22:26:46 lIZhx04P
あげ


179:名無しさん@ピンキー
07/01/31 15:36:40 0Ae3O8g9
あげ

180:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:22:51 DRY/ewWG
唐突に投下。




「旅行?」
「明日から一泊」
「随分急だな…まあいいや、行こうか」
「……親、来るから」
「待てお前それは(プツッ!)…切れた」

というわけで企画された、幼馴染み兼恋人の華岡 葵と、そして双方の親を巻き込んだ家族旅行。
暗い部屋の天井の幽かな明かりを見つめながら、早峰 涼は眠れない夜を過ごしていた…少し離れた隣の布団に、小さな呼吸音を聞きながら。
どれだけ経っただろうかと、テレビ台備え付けのデジタル時計を見る。緑の蛍光がゼロを四つ並べていた。日付が変わっている。

(生殺しかよ……)

もともと夜は早い方だが、意識は冴えっぱなしだ…状況が状況だけに。
いざ就寝となって、公然と

「私たちは私たちでいちゃつくから、アンタたちはアンタたちで仲良くやんなさい♪」

と言われて二人部屋に放りこまれ、しかし素直に従えるわけもなく。

「…」
「な、なあ葵、」
「寝る」
「あ、さいですか」

という流れを経てこのザマだ。これでもう一週間、葵とシてないことになる。
鼓動が痛いほどに高まる、という程初心ではない。だがそれでも惚れた相手が浴衣姿で横になっていて平静を保てるほど老成はしていない。

(…葵は、平気なのか…?)

確かに男は年中発情期と言っても過言ではないが、かといって女にも性欲が無いわけではない。
だのにあの寡黙な、それでも考えていることは判る幼馴染みは、しかし事もなげに布団を敷いた後、背中を向けてそれっきりだ。今回ばかりはその心の内を察する手だては無い。
もしかして…襲って来るのを待ってたり、とか…

(……空しい)

どうして恋人を隣にして、こんな空虚な妄想に浸らねばならんのだ。
くっついて来た親どもを心底恨みながら、涼はため息と共に目を閉じた。

181:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:24:41 DRY/ewWG
……と。

「?」

みしり。
畳から、小さな音。自分ではない。
気のせいかと思えばもう一度、藺の擦れる乾いた音。
考えられるのは……一人。

「…葵……?」

目を開けばそこには浴衣姿の葵が立っていて、寝転がったままのこの男を見下ろしていた。

「…………ヘタレ」
「は?」
「っ……………ど、…鈍感っ」
「どっ…」

鈍感呼ばわりされる謂れはない、と言おうとして止めた。
橙色の小さな電灯の光を湛えた視線も、どこか濡れているような、熱っぽいような。

「……来る?」

同時に聞こえた、息を呑む微かな音。
否定の声が無いところを見ると、どうやらそうらしい。
…つまり、そういうこと。
まあ、あれだ。馬鹿親どもの話に乗るのは癪だが、確かに二人とも色々な意味で「お年頃」だ。そう易々と我慢できる筈もなく。

「おいで」

布団を上げてやると頬を染めながら、おずおずと潜り込んで来た。

182:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:27:41 DRY/ewWG
一週間振りの口付け。
ついばむようなキスを、それでも思う存分堪能する。
勿論深い方もしたいのだが、後回しだ。付き合うようになって聞いたことだが、深い方は葵にとって、思った以上に刺激が強いのだ。
普段の態度の割に、恋愛関係や「そっち」は弱いというか、奥手というか。

「寝るって言ったくせに」
「………うっさい」

唇を離して言ってやると、蕩けかかった顔をむくれさせてぷいと背けた。
…こういう仕草が凄く可愛いって、わかってやっているのだろうか。
堪らなくなって、今度は強引に唇を奪う。

「…!」

珍しく驚愕の表情を浮かべるのを余所に、そのまま舌を割り込ませる。
そのまま蠢く葵のそれに絡ませ、犯す。熱い歯茎を舐め、硬い歯の裏を滑らせる。この感触はどれほど楽しんでも飽きが来ない。
抗議の声も聞こえないことにする。実際背中に回した腕に力を込めると、堪念したようにボリュームが下がっていった。見開かれた目も再び熱を帯びていく。
唾液をこね合わせ、半分ずつ分け合ったところでようやく唇を離す。二人分の雫が布団に落ち、見えないところに染みを付けた。

「……ず、るい」

潤んだ瞳で睨まれると本当は弱い。が、こういう場合は別だ。

「狡くないだろ…誘ったのはお前じゃないか」
「………したかったくせに」
「ああ。でも、お前もだろ?」

向かい合ったまま浴衣の布地をさらに広げ、豊かな双丘を包み込んむ。
肌蹴た布の内側、押せば飲み込み、引けば弾く若々しい肉の質感。
ふぅっ、と熱い吐息が漏れてくる。俯いた顔から表情は窺えないが、身体の震えは隠せない。感度の良さは相変わらずのようだ。

「…大きくなってるな」

掌に余るその感触が僅かに、しかし感知できるほど変化しているのに気付いた。もともと涼の手に余る程はあったのが、掌から零れる量はより多くなっている。
もし、間に挟んだら…いや止そう。それを頼むのはいくらなんでも恥ずかしい。恥ずかし過ぎる。また今度だ。

「りょ、涼のっ、せい……、っ、」

指の股で突起を摘んでやると、切なげな息が吐き出される。

「…そりゃそうだな」

俺以外はこんなことしてないし、させてやる気もない。
言外に思いを込め、少し強く挟んでやる。あぁ、ぁ、と声が漏れ、小さな肩が軽く震えた。

183:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:28:57 DRY/ewWG
「今さら、我慢するな」
「………が、我慢、なんか」

だが、まだ声を抑えていると見える。
相対していたのを横にころんと転がし、緩んでいた浴衣を完全に脱がせる。後ろから抱き着くと、上半身だけ起き上がる。

「っぁ」

あぐらをかき、葵の身体を隙間にすっぽりと収める。より触りやすい格好…背面座位の体勢だ。

「…や……ぁ、っ………!」

片手で乳房を揉みしだきながら、残りの手を下半身に滑らせる。控え目な茂みを通り過ぎ、直接そこへ。

「ゃっ、ま、待っ、当たって……はぁっ…!」

いきり立ったモノのことを言っているのだろうが、それより早く到着した。
湿り気を帯びたそこに指を遊ばせ、入口を往復する。入れるよりさすられる方が好きなのだとか。掌でクリトリスを押し、強すぎないように刺激してやる

「や、ぁ、…っ……。ちゃ、と…涼、ので…」
「これか?」

自分の浴衣を開き、充血した分身を足の付け根、滑らかな太股に押し付ける。
葵の身体を回転させ、座ったまま相対する。完全に脱ぐと、擦りつけながら位置を上にずらし、たどり着いた秘裂を裏側で撫で上げた。

「~~~っ」

快感に顎をつんと出しながら、恥ずかしげに目をぎゅっと閉じる。

「っ……生えたみたいだな」
「…ば、か……ぁっ」

そのまま上下に揺らすと、ちょうど雁の部分が敏感な突起を小突く形になる。その度に小さな電流が流れ、あ、あ、と声を上げた。押し殺す事が出来ず、葵は羞恥に眉を寄せた。
恥ずかしがる顔をもっと見たくて、そのまましばらく続ける。すると閉じていた双眸がゆっくりと開かれ、濡れた漆黒の瞳が現れた。

「入れたい?」
「…」

訴えかけるような切ない、でもちょっぴり怒ったような視線。

「…………意地悪」
「…済まん」

そろそろ我慢できないのは、涼も同じで。

「…入れるよ」

返事を待たずに、割って、埋めた。

184:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:30:18 DRY/ewWG
「あ…はわっ……あぁ…ッ…!!」

水音も顕わに、飲み込まれていく。
葵は涙に濡れた瞳を「そこ」に向けながら、秘肉を分け入るたびに鼻にかかった喘ぎをこぼした。
自分で処理をしなかっただけあって、正に背筋が震える快楽だった。入ったばかりだというに、強烈な収縮に思わず果ててしまいそうになる。
だが一週間振りの機会をこの程度で終わらせてなるものかと、足を絡めてしがみつく葵を逆にきつく抱き返し、何とか堪え、押さえこんだ。

「っ……大丈夫、か?」

締め付けがひとしきり収まった後、涼はそれでも絶えず送られる快感に耐えつつ尋ねる。
達したかどうかは聞くまでもなかった。分身からは内部の痙攣が伝わって来たし、留まりきらずに漏れた愛液の量も半端ではない。何より背中に食い込んだ爪の後が雄弁に物語っている。
男の自分に女の快感はわからないが、それでも果てた後が辛いのはよくわかる。それも今のは一週間振りの、本物の絶頂の筈だ。

「はぁ、…は、ぁっ…ふぁ…」

あまり大丈夫ではなさそうだ。呼吸が荒い。

「ぁ……っ、…はっ、…い、れるの……早、すぎ………」

葵は息も絶え絶えといった様子で答えた。タイミングではなく、入れるスピードのことを言っているようだ。
荒い呼吸で身体が上下する度に、淡い朱色を差した火照った果実が二つ、揺れている。

「……はぁ、は……ぁっ……ふぅ……んっ……」
「………」

前後にも少し動きがあるため、ちゅ、ちゅ、と音が漏れる。
中が擦れる。
眼差しに入り混じった、困惑と羞恥。
快楽の残滓。

「…わ、るい」

…理性が飛んだ。

「え……んぁっ! あぁっ!」

男の意地だとか、もっと長く楽しもうとか先に出したくないだとか、そういう考えは直ぐさま吹き飛んだ。
体勢を変えることすら忘れた。座って向き合ったまま、添えた手で腰をがっちりと掴み。
突き上げる。

「あっ! だ、め…ふあ、あんっ! や、やぁ…ぁ、ひああ!」

唐突な攻勢に、葵は身震いして悶える。一週間振りのその快感に、抗議もできなかった。
突けば敏感な最奥まで届き、引けば葵の体重で加速する。内壁の襞が涼のモノを擦り上げ、更に血量を増した男根が次々と蜜を掻き出す。溢れたそれは二人の肌の間で糸を引き、打ち付けるたびにぐちゃぐちゃと音を立てた。
より大きく。より卑猥に。

「あぁ! んあ! はあ! ふあっ!」

葵はだらし無く唾液を垂らし、口を半開きにしたまま喘ぐ。
暴力的なまでの、圧倒的な快楽。他の事を考える余裕などなかった。

185:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:31:42 DRY/ewWG
やがて、声が切羽詰まっていく。
締め付けの間隔が狭まり、しがみつく腕がきつくなる。
もともと達しかけ、高まっていただけあって、涼にもとうとう限界が来た。

「い、く…ぞっ!」

最後とばかりに、腰を思い切り叩き付ける。より激しく。より強く。

「あぁ、あぁっ! はぁ、はあ、う、んっ! ひぃぁ、いあっ!」

最後の一突きで自分の腰をぐいと押し付け、目の前にある葵のそれは、逃がさぬよう押さえ付け。

「っ!」

勢いよく、滾りを放出した。

「へあ、ふああぁ! あぁぁぁっ!!」

強烈な締め付けが容赦なく襲い掛かった。搾り出される感覚に、思わず呻きが咽を震わせる。

「はぁあ! あ、ひああぁぁんッ!!!」

大量の灼熱が奥を叩くのを受け、葵も追って二度目の絶頂へと達した。ぶるぶると身体をわななかせ、鮮烈なまでの快楽を全身で表現する。
一際大きな、悩ましげな鳴き声を上げ、痙攣と同時におびただしい量の愛液を吐き出す。膣内に満ちた白濁と混じり合い、入りきらない分は結合部の隙間で圧力を受け、ぴゅ、ぴゅ、と漏れていく。
ぎゅぅ、と抱き着かれる。温かい身体。
意識が薄れ、しがみついた○○と一緒に横になった。
心地よい脱力。
軽い睡魔。下へ。
下へ…


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