【隅っこ】無口な女の子とやっちゃうエロSS【眼鏡】at EROPARO
【隅っこ】無口な女の子とやっちゃうエロSS【眼鏡】 - 暇つぶし2ch50:名無しさん@ピンキー
06/08/29 04:53:31 FqRXTGhz
ふたスレの保守屋さんかな?
なんにしろGJw

51:名無しさん@ピンキー
06/08/31 00:36:28 L8rRo5nG
保守

52:名無しさん@ピンキー
06/09/01 15:29:46 TxBLBj/N
保守

53:名無しさん@ピンキー
06/09/01 15:45:44 r55URaN6
神待ち保守

54:名無しさん@ピンキー
06/09/03 14:50:28 gHPOKUmk
ほほほ

55:名無しさん@ピンキー
06/09/03 17:09:19 kdI3rNOP
しゅしゅしゅ

56:名無しさん@ピンキー
06/09/06 03:04:06 HimHl/5P
保守

57:名無しさん@ピンキー
06/09/06 15:59:47 axWbwXXM
補習

58:名無しさん@ピンキー
06/09/06 18:52:34 JithP6NU
襲歩

59:名無しさん@ピンキー
06/09/08 17:36:34 s1tKhGHM
一応見守りつつ書いているけれど……
無駄に長くなったり、なかなかエロシーンに届かなかったり……
どうしたものだろう。と保守兼ねて報告。

60:名無しさん@ピンキー
06/09/08 23:00:21 FI/gLP5G
しるか

61:名無しさん@ピンキー
06/09/11 21:18:52 A1jDwsth
………

62:名無しさん@ピンキー
06/09/12 21:39:37 EeTzExCK
まぁまぁ…^^

63:名無しさん@ピンキー
06/09/15 03:56:59 MVT26fw6
多少長くてもそんなに気にしない派

64:名無しさん@ピンキー
06/09/15 19:31:24 /AqlZdfN
長いSSでも、短いSSでも、エロければよいSSだ。

65:名無しさん@ピンキー
06/09/16 10:52:38 C+KzMtsE
途中で投げなければエロくなくても構わない。

66:名無しさん@ピンキー
06/09/19 11:10:58 SZvFrgbT
age

67:名無しさん@ピンキー
06/09/19 11:47:43 scvMXLsf
めがねっ娘のごっくん動画!すげぇよコレ・・(*´Д`*)
URLリンク(uploader.erv.jp)

URLリンク(uploader.erv.jp)

68:名無しさん@ピンキー
06/09/23 19:51:54 uAPA8oVI
長くてもいいよ

69:名無しさん@ピンキー
06/09/24 21:21:32 HRTId+bz
age

70:名無しさん@ピンキー
06/09/27 17:10:11 EPUMEYMP
保守

71:名無しさん@ピンキー
06/09/30 21:11:56 GtCmwi0L
無口な女の子じゃなきゃダメなのか
喋れない女の子はダメなんだな

72:名無しさん@ピンキー
06/10/01 05:16:59 iiiYHdqy
何が言いたいんだ、貴様?屁理屈か?屁理屈のつもりか?あぁん?

73:名無しさん@ピンキー
06/10/01 23:08:43 H9hAV2/v
>>71
だめというか、全く口のきけない人物の描写は難しい…orz

74:名無しさん@ピンキー
06/10/04 23:09:58 MRhYmxOK
神降臨期待あげ

75:名無しさん@ピンキー
06/10/09 15:11:28 nkvLC286
別に、まったく聞かないってわけじゃないと言いながらage

76:名無しさん@ピンキー
06/10/09 19:07:36 heTZW8QO
駄文でよければ投下しますけど、どうしますか?

77:名無しさん@ピンキー
06/10/09 19:09:10 heTZW8QO
駄文でよければ投下しますけど、どうしますか?

78:名無しさん@ピンキー
06/10/09 19:21:23 QbhpvwAr
きたまえ。

79:名無しさん@ピンキー
06/10/09 20:22:34 dOFhBzS3
駄文でも何でもエロければよいSSだ。

80:駄文01
06/10/09 22:41:06 heTZW8QO
私の名前は風見あかり。
両親は私に明るく元気に育って欲しかったらしいのだが私は真逆の性格に育ってしまった。
人と話すことより読書が好きで、学校に行っても教室の隅で読書ばかりしていた。
小学生の頃からこんな感じだったので高校三年生となった今では家で両親と話す事も少なくなり、誰よりも早く学校に行き黙々と読書をしている。
今日もやはりいつもと同じ様な一日を過ごすはずだった。
だが、今日は違った。
一人の男子生徒がいたのだ。

81:駄文02
06/10/09 23:10:39 heTZW8QO
彼の名前は確か進藤誠だったはずだ。
今年の夏まではテニス部に所属していた。
運動部員らしい筋肉質な身体をしていたのを体育のプールの時間に見たのを覚えている。
いつでもハイテンションで昼休みなどによく周りのみんなを笑わしている。
女子生徒からも人気があり、私とは対極の存在で関わることはないと思っていた。

そんな彼が突然私に話し掛けて来た。
「おはよっ!!か・ざ・みサン☆」
「ッ!!」
本当に突然だったので教室の入口の所で思いきり尻餅をついてしまった。
「あっだいじょう……」
彼の言葉が途中で途切れた。
彼は何かを凝視しているようだった。
彼の視線の先を追ってみると私の方を見ていた。自分の状態を見渡すと、スカートがめくれあがっていた。
「あっ」
私は急いでスカートを元に戻した。
「…ご、ごめん」
私は恥ずかしさで彼の謝罪の言葉など耳に入らなかった。
私は小走りで自分の机に荷物を置いて教室から出ようとした。

しかし、
「待って!!」
私の腕を彼が掴んだ。
三年間部活をやってきた男子に小学生の時からろくに運動して来なかった女子が力で勝てる訳もなく、私は彼と向かい合う状態にされてしまった。「ちょっと待って!!話を聞いて!!」

82:駄文03
06/10/09 23:45:02 heTZW8QO
「本当にごめん。悪気はなかったんだ」
「離して!!」
こんな大きな声を出したのは久しぶりだった。
「……!!」
彼は一瞬驚いた顔をした後すぐに見たことのない悲しそうな顔になった。「…ごめん。ただ一つだけ聞いて欲しい事があるんだ。こんな時に言うことじゃないのは分かってるんだけど、俺、風見さんの事が好きなんだ」
私は頭の中が真っ白になってしまった。
どうしていいのか分からず。彼の手をどうにか振り払って教室から出ていくしかできなかった。

私は混乱した頭で私一人がいなくても誰も気にしないだろうと考え保健室に行き仮病を使い帰ることにした。

翌日から三週間、学校に行く度に彼は私に謝り続けた。

三週間も経てば私もそこまで気にしなくなり
「…もう、いいから」
と言う言葉が出て来た。「本当!?」
彼は嬉しそうに笑った後すぐに、寂しそうに
「けど、告白の件はダメだよね…」
と呟いた。

「……そっちもいいよ」
私は応えた。
もともと彼は容姿もいいし、スポーツ万能で成績もいいという理想的な男性なのだ。そんな人に告白されて断る理由はないだろう。
今思うとここで断っておけばあんな事にはならなかっただろう。

83:名無しさん@ピンキー
06/10/09 23:47:31 heTZW8QO
今日はここまでで。
本番どころかエロさえ無くてすいません。

84:名無しさん@ピンキー
06/10/10 02:09:16 O9HokFql
「駄文でよければ」とか「エロさえ無くてすいません」とか、誘い受けウザーって言われる前にやめとけ

85:名無しさん@ピンキー
06/10/10 23:33:49 myokVVw+
>>84
書き込みをかい?

86:名無しさん@ピンキー
06/10/11 15:44:55 iBAh00rr
まぁ期待するわけだが

87:名無しさん@ピンキー
06/10/11 20:56:03 PvlSOQX/
タイトルを見て真っ先に長門を思い出した

88:名無しさん@ピンキー
06/10/11 20:56:39 iX13G7Il
長門とやらが分からないオレ

89:名無しさん@ピンキー
06/10/12 01:30:17 5a4S6MO7
長門といえば帝国海軍の戦艦で唯一
太平洋戦争を生き抜き、原爆の標的に
されても沈まなかった難航不落の彼女に
決まってるじゃないかw

90:名無しさん@ピンキー
06/10/13 19:27:11 uhXkLt+1
長門さんの事がますます分からない

91:名無しさん@ピンキー
06/10/13 22:38:31 CVJFGGJ9
ヒント:南田洋子

92:名無しさん@ピンキー
06/10/14 11:08:56 9O+zfGpZ
ヒント:石原裕次郎

93:名無しさん@ピンキー
06/10/14 16:49:36 4TXsxVe9
俺の地元にある町の名前だよ

94:名無しさん@ピンキー
06/10/14 23:13:04 xxeawtUP
マジレスすると、宇宙人っぽい何かに作られた人造人間。
ハッキング、クラッキング、証拠隠滅となんでもござれなスーパー女子高生。

感情表現は苦手だが、実は心の奥底に熱く燃え滾るモノを持っている。

95:名無しさん@ピンキー
06/10/15 12:57:06 0qdlEG2h
大体分かった、マンガか何かなのか?

96:名無しさん@ピンキー
06/10/15 13:26:26 /vs415Gh
>>95
ライトノベル『涼宮ハルヒ』シリーズの登場人物。
URLリンク(ja.uncyclopedia.info)
あたり参照。

97:名無しさん@ピンキー
06/10/20 23:55:21 eTwXVvIs
期待あげ

98:名無しさん@ピンキー
06/10/25 19:29:17 f+Ec66Wz
書いたなら続きを投下しろよお願いしますorz

99:名無しさん@ピンキー
06/10/31 20:46:45 1TPPBsDC
期待age

100:名無しさん@ピンキー
06/11/06 19:21:25 zthIticn
ほしゅ

101:名無しさん@ピンキー
06/11/09 00:13:03 n6dvJsbj
あげ

102:名無しさん@ピンキー
06/11/21 23:22:59 ZNwI5HHJ
hosyu


103:名無しさん@ピンキー
06/11/22 18:02:33 V2oOWjac
ホシュウ


104:名無しさん@ピンキー
06/11/28 12:42:10 Ro4a1Qud
保守

105:名無しさん@ピンキー
06/11/29 23:16:21 Fe4rr9tU
人大杉が出たのに何この過疎っぷり保守あげ。

106:名無しさん@ピンキー
06/12/05 19:55:22 v7H3BIsm
無口なのは可愛い女の子だけでいいぜ保守。

107:名無しさん@ピンキー
06/12/12 00:41:57 0SdOvtrB
うまい事言ったつもりかほしゅー

108:『超・短編』
06/12/12 01:53:24 FIQFToSI
おれは、彼女が話している声を聞いたことがない。

おれが初めて彼女と出会ったとき、すでに彼女は言葉を話せなくなっていた。
幼い頃両親を亡くした事故によって、彼女は命を得る代わりに、声を失ったのだ。

喋れないことが元でクラスの奴らに苛められていたところをおれが助けた。
その苛めた奴らを半殺しにしたおれに、必死の身振り手振りで、「暴力はダメ!」と諫めた小柄な彼女。
それまでは硬派で、誰も近寄らない狂犬のようだったおれが、よもやの一目惚れ。
あっさりとケンカ番長を廃業し、速攻で交際を申し込んだ。

そのあと。
ギャルゲのようなハートフルエピソードを乗り越えて、
エロゲのようなご褒美エッチで結ばれたおれたち。

その後も順調に交際を続け、いまではようやく彼女もエッチに快感を覚え始めたようだ。


「なぁ、気持ちいいか?」

おれがそう訊ねると、彼女は、快感に荒げた呼吸のまま、こくこく、とうなずいた。

ベッドの上でおれに組み伏せられている彼女。
真っ白な陶器と見間違えるくらいの白くすべすべな肌を、ほんのりと桜色に染めている。

そして彼女は、おれの鼻の頭にちゅう、と小さくキスをして。
女の大事な部分でおれを受け入れたままの彼女は、その恍惚と幸福をおれに伝えるべく、ゆっくりと唇を動かした。

だ、

い、

す、

き。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ、チクショーッ、可愛い、可愛過ぎるッ!!!」

おれは、そんな錯乱した叫び声をあげながら、彼女の膣奥に射精した。


彼女とつきあう前は硬派で通したおれだったが、今ではもう、惚れた女の表情だけでイけるような、リリカル男になっちまった。

・・・・・・いや、だめだ、意地を見せろ、おれ!
男なんざ、惚れた女をイかせられてナンボじゃぁっ!!

「・・・・・・このまま二回戦、いくぜ?」

全然萎えないおれの息子。コイツ、元気さだけはおれを裏切ったことがない。
そんなおれの、滑稽なくらいの元気さに彼女はクスリと笑って。

こくり、

と頷いたあと。

恥ずかしそうに顔を真っ赤に染めた。


END OF TEXT

109:108
06/12/12 23:26:21 FIQFToSI
うへぇ、人いねぇ・・・。それとも単にスルーされただけか.....orz

別のスレで、ヒロインの風貌や特徴を描写しないSSはどうよ?といった話題があったのを思い出して、書いてみた。

無口な女の子と、おしの女の子は別物だ、というツッコミは勘弁してください。


というわけで、保守。

110:名無しさん@ピンキー
06/12/13 01:20:25 A/40Drox
ほのぼのっぽくて和んだ
超短編故に描写をバッサリカットして纏めすぎてる感じ
もう少し文を整理、肉付けしたらええかも
俺は期待している

保守

111:名無しさん@ピンキー
06/12/13 22:30:55 91VcqunP
よかった、ヒトがいた!
当方、萌えSS修業中の流浪の身なので、また寄らせてもらいます。
こんどはまともなSSを持参しますね。

というわけで保守。

112:名無しさん@ピンキー
06/12/14 01:50:07 VVGFHh+c
ようやく規制解除ー!
和んだよ。次回作も期待~

113:名無しさん@ピンキー
06/12/15 08:19:13 rOcGuM7N
俺も期待しとく。ちゃんと書いたやつプリーズ。

114:籠城戦 ◆DppZDahiPc
06/12/16 11:45:05 z4S0l0Fa
保守がてら書いてみた。
本番失調症を患ってるため、本番なし。

115:うちの妹が無口な理由1/5 ◆DppZDahiPc
06/12/16 11:46:10 z4S0l0Fa
 うららかな日差しは、まだ微睡んでいるのか弱々しい。それでも、ここ数日降
り続いていた雪が降っていないだけ、随分マシだ。
 土曜の朝十時前。
 休日出勤するスーツ姿や、勉強熱心な制服姿、飼い犬と散歩する爺さんや婆さ
んをなかなかみかけない、中途半端な時間の自然公園。
 市、最大を誇る広大な敷地といっても、近隣に三年も暮らせば、勝手知ったる
庭といっても大袈裟ではない程度の広さだ。
 ―だからといって、
「……なあ。いー加減、諦めないか?」
「…………」―無言で否定。
「手袋なら兄ちゃんが買ってやるからさ、だから」
 そういう問題ではないらしく。小梅は小さな頭を、ふるふると横に振った。
 僕はわずかに落胆、しかし可愛い妹のためだと、気合いを入れ直す。―だが
その前に。
「ちょっと休憩しよう」
 ジュースの自動販売機を指さして言うと、僕のジャンバーの袖を掴む小梅は、
小さく頷いた。


 僕には妹がいる。
 六歳も離れた妹、今年でようやく十一歳。同い年の子たちの中でも、一段背が
低く、体が細いのは着ている服の上からでも分かってしまう。
 幼い頃より病気がちなのだ。
 とりたて持病があるわけではないが、そもそもの体力と免疫力が弱いらしく。
低学年の頃は、一ヶ月に二度は病院へ通い、少なくても一度は寝込む。
 病気がちのため、外で遊ぶことも少なく、いつもパソコンで何か遊んでいるの
は知っているが。何をしているのか、見ようとしたら、怒られた。
 僕の可愛いお姫さまの機嫌を取り戻すために、僕は洋服を二着、ハーゲンダッ
ツを一つ献上し、赦してもらえた。
 病気がちなか弱い少女。
 僕にはそんなイメージが強いためか、小梅と出かける時は、いつも不安になる。
 ―悪い風邪にかからないだろうか?
 ―こんなに速く歩いても大丈夫だろうか?
 ―転んで怪我をしないだろうか?
 ―目を離した隙に誘拐されはしないだろうか?
 でも、だからといって、家に閉じこめておくわけにはいかない。
 僕も、いつも一緒にいられない。
 だから不安になる。
 缶のコーンポタージュをちびちび飲む小梅を見下ろす。
 ニット帽をかぶる小さな頭に触れる。
 妹は驚いた顔で僕を見た。
 まつげが長く、どこか蠱惑的な見ていると吸い込まれると錯覚してしまう瞳。
 小ぶりな唇がわずかに開かれたが、なにとは訊かない。


116:うちの妹が無口な理由2/5 ◆DppZDahiPc
06/12/16 11:47:25 z4S0l0Fa
 ニット帽から手を下ろしていき、艶やかな髪に触れた。
 冷えた髪は驚くほど冷たく、腰まである髪を撫でて、手を離す。
「寒くない?」
「……だいじょうぶ」
「疲れてない?」
 小梅はだいじょうぶだというように頷いた。
「買ってあげるからさ、やっぱり探すのは諦めようよ」
「…………いや」
「そう……」
 小梅がこれほど頑固だとは思わなかった。
 喧嘩してる時でも、一緒にお風呂にはいってくれるし、一週間もせず仲直りし
てくれる。
 だから、想う。
 落としてしまった手袋が、一時間探しても見つからないのに、諦めないのはど
うしてだろう―と。
 手袋なら、いくらでも買ってあげるのに。
 ……でも、
「よし、じゃあもうひとがんばりしようか」
 小梅はこくりと頷いた。
 でも、小梅が探したいというのなら、僕はそれに付き合うまでだ。


   ※※※


 更に一時間ほど公園内を歩き回り、お腹が空き始めた頃―
「あ」
 赤い手袋が落ちていた。
 ふわふわとした毛糸で編まれた、去年僕があげた手袋だ、見間違うはずもない。
 僕は思わず駈けだしていた。
 そして―転んだ。
「痛た」
 みると、ジーンズの凍った地面にぶつけた部分は、擦り切れ。中の傷口が覗き
見えた。
 血が出ていた。
 小さな足音が近づいてくる。
 僕は慌てて立ち上がり、振り返る。
「小梅、手袋あったよ」
 ジーンズが傷口に擦れて、痛みが走る。どくっどくっと血が脈打つのが分かる。
「…………」
 手袋を妹に手渡す―だが、予想したリアクションとは違い。
 小梅はほうけたように手袋を受け取り、何かをジッと見ていた。
 ―なんだろう?
「良かった良かった。さ、家に帰ろう」
「……それ」
「お腹も空いたし―え?」
 小梅のお人形さんみたいな指が、僕の膝/僅かに露出した傷口と血の跡をさし
ていた。
「いや、なんでもないよ、大丈夫だから」
「でも……手当、しないと」
 慌てて笑う姿が、強がってるように見えたのだろうか。小梅は袖を掴み、軽く
引っ張られる。
「……手当しないと」
 今日、僕は学んだことがある。
 ―小梅は、結構頑固だということ。

   ※※※

117:うちの妹が無口な理由3/5 ◆DppZDahiPc
06/12/16 11:48:14 z4S0l0Fa
 傷口を露出させるのに、うっそりと雪が積もる屋外よりも、まだ公衆トイレの
中がいいと、妹にトイレに連れこまれる。
 大丈夫だと繰り返す僕の言葉は、小梅には届かない。
 心配されるのが、気恥ずかしくて、申し訳なくて、ほんの少しだけうれしい。
 公衆トイレの中は、想像していたよりも綺麗だったが、壁一枚隔てれば外であ
り、寒い。
 裾をめくりあげようとしたが、小梅が首を横に振った。
 一瞬、意味が分からなかったが―理解した。
 ……こんな所で脱げ、と?
 いや、それ以前に―
「小梅は外で待ってて」
「僕一人でもできるから」
「大丈夫、ちゃんとやるからさ」
「狭いから、ね?」
 いくら言っても小梅は、狭い個室からでてくれず。
 ハンカチを手に持ったまま、立っている。
「……脱いで」
 小梅が短く、しかし強く急かす。
 傷口は痛む。
 ……これも情操教育かと、僕は渋々といった様子で、小梅に手当を任せた―
内心、バカみたいに嬉しかったのだが。
 気恥ずかしくて、心の奥底にしまっておくことにした。
 ジーンズを脱ぎ。洋式トイレの蓋を下ろして、そこに畳んで置き座布団にした。
 傷口からは今も血が流れている。
 僕ですら顔をしかめるというのに、小梅は動じない。
 血を見て怯えるのは、僕が情けないからだろうか?
「じゃあ頼むね」
「…………」
 手当といっても、ハンカチを巻き付けるだけだと想ったが、違った。
 小梅は傷口に顔を近づけ、―舐めた。
「――ッ!?」
 小さな熱い舌先が、凍えた膝に触れ、傷口をなぞるように舐める。
「こ、小梅」
 なにをされているのか、理解できなかった。
 傷口を舐める?
 なんで?
 流れ落ちる血を、柔らかそうなピンク色が舐めとる。
「汚いから、ダメだから。小梅、だめ。ね?」
 僕がどれだけ言っても小梅は聞いてくれない。
「なんで、なんでこんなこと……」
 膝に迸る、抉るような痛みに、僕の声は自然絶え絶えになる。
 ぞくっとするような電流が、背を這う。
 小梅の大きな瞳が、僕を見ていた。
「……消毒」
「え?」
「消毒、してるの」
 消毒?
 その言葉で、疑問が立ち消えた。
 そうか、傷口を舐めて消毒を―ってそんなバカな。
 舐めるくらいなら、水道水をかけたほうがいい。
 いやでも、がんばっている小梅に、そんなことはいえず。されるがままに、僕
は苦痛に耐える。

118:うちの妹が無口な理由4/5 ◆DppZDahiPc
06/12/16 11:49:07 z4S0l0Fa
 耐えて耐えて、耐えて。いつのまにか目を瞑っていた。
 痛みと、妹が僕の膝を舐めているという現実から、目を逸らすため。
 こんなことをしてもらったと、高校の友人に言えば、ただでさえシスコンだと
言われているのに拍車がかかるなと、自嘲する。
 耐えて耐えて、耐えて。―不思議な感覚に襲われる。
 痛みが薄れていた、その代わり、快楽が僕の脳を支配しはじめていた。
 痛いのが、気持ちよかった。
 痛くされるのが、気持ちよかった。
 妹に痛くされるのが、とても気持ちよかっ―。
 ―駄目だっ!
 今、僕は何を考えていた?
 そんなバカな、そんなことがあってたまるか。
 それじゃまるで、それじゃ…、それじゃ………変態みたいじゃないか。
「……あ、」
 妹のつぶやきが聞こえた。
 目を開ける。
 妹は大きな瞳を更に見開き。
 ソレを見ていた。
「……あ、いや」
 薄手のトランクスの下にあるソレ。
 薄い布地が張りつめていた。
 驚き、体を揺らしたせいで、こぼれでる―ソレ。
 欲望が具体化した形。
 欲情が顕現した姿。
 興奮の証明。
 赤黒い勃起、トランクスの窓から突き出てしまった。
 僕は隠そうとした―と考えただけで、動けなかった。
 一緒にお風呂にはいっているのだ、なにを今更―それは言い訳。
「…………」
 妹の純真な/汚れのない/無垢なる瞳が、僕の陰茎を強くみつめる。
 ―そのことに興奮する自らに、気づかないフリはできない。
 猛り哮る肉望。
 妹に勃起を見せているという、喜び―よろこび? ……馬鹿な。
 妹に、見せて、喜ぶだなんて、僕は、僕は―
「小梅、手当は」
「…………うん」
 妹が再び傷口を舐め始める、しかしその視線は、猛りそのものに向けられたま
ま。
 僕は、自らの、陰茎を、掴んだ―理性が吼える。
 ゆっくりと、上下。直ぐにペースが速まる―理性が吠える。
 僕の小梅は、陰茎を見つめ、捉えて離さない。
 見たいのだ―理性が断末魔をあげた―小梅は、僕の肉望が見たいのだ。
 狂喜が、産声をあげる。
 妹に見られながらの自慰、妹の瞳に急かされるような自慰、妹の目に扇情され
ながらの自慰。
 妹を頭の中で犯す。
 その唇を辱め、その手を冒し、その躰を犯し、その精神すら侵す。
 僕の小梅が淫らに乱れる、淫猥な声をあげる、切ない吐息。
 総ては夢想――本当に?

119:うちの妹が無口な理由5/5 ◆DppZDahiPc
06/12/16 11:50:20 z4S0l0Fa
 それは本当に、夢想という虚実なのだろうか?
 着替えを手伝う時、妹の脱いだ下着を僕はどうしていた?
 一緒に風呂にはいる際。妹が肢体を洗う時、それを見て僕はなにをしていた?
躰を洗いあう時、前は自分で洗った?
 妹が僕のベッドにもぐり込み、共に寝る、本当に、それだけ?
 いや、そもそも。
 ベッドに入り込んむのは、本当に小梅の方からだったか? 僕が、小梅のベッ
ドに潜り込んだんじゃなかったか?
 思い出せ思い出せ思い出せっ。

 妄想と現実が曖昧になる、されてもいないことを現実だと想うようになる。
 思い出せ想い出せ想い射せ、おもいだせっ。
 僕は―。


「……んっ」
 小梅の短い吐息で、現実に帰還する―現実?
 小梅の善い兄。
 小梅と爛れた関係を持つ一人の男。
 そのどちらが、現実?
 小梅の善い兄だとしたら、何故僕は、膝を舐められ時に、抵抗しなかったのか?
 やめさせなかったのか?
「……お兄ちゃん?」
 小梅が不思議そうに見上げていた。
 僕の膝にはキティちゃんのハンカチが巻かれていた。
 陰茎は―でていない。
「……そうか」
 僕は安心した。
 妹の前で自慰をした、なんていうのは、僕の空想だったのだ。
 僕は立ち上がり、ジーンズを履き。
「さあ、帰ろう」
 妹の手を掴み、トイレを出た。


 ニット帽の下、綺麗な髪に、白濁した液体が散っていた。


―fin

120:名無しさん@ピンキー
06/12/16 12:52:01 5MwoUWrP
GJ!

121:名無しさん@ピンキー
06/12/16 13:19:48 Za+mAejY
gj!
ダメアニキ(笑)

122:名無しさん@ピンキー
06/12/16 18:16:22 U57YRzSF
なんというか…
すげぇぜ

123:名無しさん@ピンキー
06/12/17 01:06:10 yxXXh8ao
GJ!久しぶりにおっきしたよ。やはり無口な妹は良いね!

124:名無しさん@ピンキー
06/12/20 20:16:15 7nHMoz4Q
ほしゅ

125:名無しさん@ピンキー
06/12/20 22:13:09 d1xMHi42
二人とも病んでるのな。GJ

126:名無しさん@ピンキー
06/12/22 15:59:08 WPhTL7xu
ホウ!シュッ!

127:名無しさん@ピンキー
06/12/23 22:01:27 xstTwHmn
>>80の続きを激しく読みたいのだが

128:名無しさん@ピンキー
06/12/24 03:28:32 FKA6qlbg
私も読みたい!
よろしくお願いします

129:名無しさん@ピンキー
06/12/24 03:31:23 uZg4Rs4o
俺も!

130:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:22:04 yfEKgWlF
秋の大イベントである運動会と文化祭が終り、その余韻を残しつつ
皆は普段の学生生活に戻り始めた。
次なるイベントは冬休みだろう、あ、期末テストが先か。
「お前また振ったんだって?」
日増しに暮れるのが早くなったな、と物思いに耽る俺にコイツは静かに首を縦に振った。
「だからその袖引っ張る癖直せって」
無口極まりないコイツの取る最大限のコミュニケーション。
「で、また同じ振り方ですか?」
「・・・無理、って言っただけ」
肩に掛る二つに縛った髪を揺らしながらコイツは無表情のまま、
告白を断るには直球過ぎる言葉を吐いた。
「もう少~し、優しく言えない?」
「・・・なんで?」
「いや、まぁ断るなら後腐れない方がいいし」
わかってる、コイツにそんな助言は意味を成さないって
「なぁ」
「・・・・なに?」
「また、歌ってくれよ」
「やだ」
速攻で断られた、まぁ無理もないだろうな、コイツがこんなに告白攻めにあってるのも
その歌のせいだ、文化祭、クラスの女子に半ば無理矢理歌わされた。
「いやぁまさかお前があんなに歌が巧かったなんてなぁ」

131:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:23:17 yfEKgWlF
普段から無口なもんで歌声を聞くなんて皆無だった俺には、いや
周りのみんなが驚愕したことだろう。
まぁコイツが俺を伴奏につけるならという条件を出したおかげで
俺は久しぶりにギターと向き合う毎日になったわけだけど、
クラスの出し物、うちはなぜか演劇でその余興として行われたミニライブ

歌 :川室 由羽(1-B)
伴奏:音村  仁 (1-B)

これは小さな話題となった、勿論俺のことではなくコイツのことで、
特に教師達からは「あの川室が!?」と言うことで軽いパニックが起こった。
「あん時は俺も大変だったよ、体育館に人いっぱいいるし」
そのミニライブ、というかクラスの出し物の観覧は強制ではないため
興味のある人だけが来るというものだったが、俺とコイツが舞台に立った時は
見事に超満員だった。
どうやら口コミで今回のミニライブの貴重具合がバレてしまったらしい、
何より困ったのはその曲目、クラスで集まっての会議でコイツの発言が俺を凍りつかせた
『ジンの作った曲がいい』
中学の頃調子に乗って友達と始めたバンド、俺は更に調子に乗り
自作曲まで作ってしまった、勿論俺の作詞作曲

132:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:24:15 yfEKgWlF
封印したはずの過去を突然解き放たれ、慌てふためく俺をコイツは
『あの曲好きだから・・・』
と一言、仕方なしに俺は一年前の自分と向き合うことに、
中学生独自の痒くなるような曲をアレンジし、何とか人前に出せるものになった。
「ありゃあ、本当大変だったぞ」
「・・・・・・ゴメン」
「ま、いいけどな」
前評判を聞き付けて現れた好奇心半分、冷やかし半分の客で埋められた体育館という会場
やじでも飛んできそうな雰囲気の中、俺の合図で演奏が始まった。
がやがやとした音が面白いほどに消えていった、
実際、リハーサルの時の俺や周りのスタッフも動きが止まったほどだ、
一曲目が終わった時の会場の湧き方は凄かった、とりあえず予定していた
二曲目を歌い、早々にはけてしまいたかったが
アンコールを食らい、渋々と舞台に戻り一曲目を再び歌った、
正直気持ち良かった、だが二度はゴメンと思った、それはコイツも同じだったようで
『・・・・・緊張した』
『そうは見えなかったぞ?』
『・・・・・もう、や』
『俺もだ、ハハ』
その日から川室由羽は有名人になった、一応俺も、
コイツは毎日のように告白されるようになった。

133:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:25:01 yfEKgWlF
元々顔は悪くなかったし、あの歌唱力、歌っている時の雰囲気は言い表せないめがある。
「すっかり有名人になっちまったな」
「・・・・や」
「ん?」
「・・・・怖い」
今まで俺以外の男と対して関わりを持ってなかったコイツにとって、
今の状況は耐えられないのかもしれない。
「その内収まるよ」
「・・・・・そう?」
「ああ、そんなもんさ」
「・・・・」
「だから袖」

しばらくの沈黙、というか俺が喋らなくなっただけ、
無言で歩くのも悪くないしな、そしてコイツの家に着く。
「じゃ・・・・明日」
「あぁ」
明日は土曜、学校は休みだけど俺達には用事がある、
というか俺がコイツに付き合わされてるだけだけど。
「明日な」


134:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:26:11 yfEKgWlF
待ち合わせはいつもの場所、
このデパートはいつ来ても人が溢れているなぁ
「ユウ!」
いつも俺が着く時にはいるんだからまいる。
「行くか」
うん、と首の動きが伝える。
コイツがこのデパートに来る理由は色々ある。
「・・・・わぁ」
「お前も飽きないなぁ」
3階にある小さなペットショップ、コイツはここがお気に入りらしく
毎週来る、なぜか俺を連れて、ペットの飼えないマンション住まいのため、
見ることだけがコイツの精一杯の楽しみ。
「ネコ好きか」
「・・・・・うん」
しばらく猫と戯れた後、次は本屋
「こんにちは」
「あら、いらっしゃいユウちゃん!あと、ジン君」
「どうも」
本屋の岸島さん、コイツと長い付き合いらしい、
この人に挨拶するのも毎回のお約束だ、俺は立ち読み、
岸島さんが一方的に喋るのをコイツがうんうんと聞くだけ、
昔聞いた話だが、コイツは小さい頃、ずっとこのデパートを遊び場にしていたらしい、
その無口さや無表情でうまく友達が作れなかったそうだ、
だから、俺と出会ってからもデパートに顔を出すことは忘れない。


135:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:27:43 yfEKgWlF
勢いに任せてここまで書いた

後悔はしてない

136:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:30:48 yjtGlsnQ
生で遭遇、GJでした。
後悔は、続きを書いてから!!

137:名無しさん@ピンキー
06/12/30 02:41:31 FJwPWcHv
保守

138:名無しさん@ピンキー
07/01/05 20:09:11 oHFwXVE+
大晦日に逢い、姫納めと姫始めを同時に行い、元日はおろか三が日も一緒に過ごした年下の彼女。
あいかわらずの無口で、うん、ちがう、の二言くらいしか喋らなかったけれど、
一緒にいられて、俺は嬉しかった。


そして、仕事も始まった今日、珍しいことに彼女から着信が。
何事かとケータイを開くと、まるでイタズラのような無言電話。


でも俺は、根気強く待った。
それくらいの根気がないと、この子とは付き合えない。

たっぷり2分くらいの沈黙をおいて、ようやく彼女が言葉を発した。

「・・・・・・・・・・・・・・・ぁ、あけまして、ぉめでとぅ・・・・・・」

元日から今日まで、俺の言った新年の挨拶に返事しようと頑張って、やっと言えたんだろう。

・・・かわいいなぁ。

俺は、新年に言った言葉を、もう一度繰り返した。

あけまして、おめでとう。

なんとなくだけど、電話の向こうの彼女が、微笑んだような気がした。

139:名無しさん@ピンキー
07/01/06 15:55:58 BuufSwaI
>>138
それを、エロシーン込みで書いてくれ。
じゅうぶん和むし、萌えるんだが、これでエロがあったらさらにGJなんだよ!

140:名無しさん@ピンキー
07/01/11 01:31:50 qx7b4W70
期待あげ

141:名無しさん@ピンキー
07/01/17 20:29:37 v6T7gStR
ほす

142:名無しさん@ピンキー
07/01/18 13:25:50 5eu0Xpc+
あげ

143:名無しさん@ピンキー
07/01/18 15:01:20 Ep9CQu8A
age

144:書く人
07/01/19 00:09:03 buLajb7k
保守ついでのお目汚しを一発。まずは前編。ヒロイン外見はfateのライダーを少し若く&おとなし目にした感じで。


145:書く人
07/01/19 00:11:06 buLajb7k
 本を読んでいた静香は不意打ちに言う。
「キスしよ?」
 笑顔の一つもない無表情で、だけどほんの少しだけ恥ずかしそうに頬を染めて 千草は言う。
 不意打ちに言って俺と唇を奪う。
 それが済むと、再び笑顔の一つもない、だけどほんの少しだけ満足そうに、薄いレンズの奥にある目を細めて、千草は本に没頭する。
 それが、俺と千草のデートだ。



 俺はバンドをやっている。
 高校の頃からインディーズ。卒業してから2年でメジャー。武道館なんて夢のまた夢だけど、少なくともバイトをしなくても食えるくらいには売れている。
 メンバーは四人、全員男。
 リーダーはギター兼ボーカル。歌はむちゃウマなくせに、普段のトークは絶望的にど下手の無口。一日中歌以外の声を聞かないこともたまにある。断っておくが、こいつは男であって俺の彼女じゃない。
 ベースは正統派美形でリアルに遊び人スケコマシ。スマイルが武器だそうだ。現に女の子の大半がコイツ目当て。いつか刺されるんじゃないかと心配している。
 ドラムは兄貴。血縁関係とかじゃなくて、兄貴。年齢的には一番下なのに、兄貴。とにかく硬派でとにかくゴツくてとにかく、兄貴。
 でもって最後は俺、シンセサイザー。役どころはいわば2.5枚目。ライブのトークとかはリーダーがやるもんなのに、残念ながらウチのリーダーは
「えっと…今日は、その……楽しんでってよ。がんばるからさ、俺達」
 がライブで言った台詞最長記録。カンペを渡しても噛みまくる。
 ベースのコマシは言動が天然でストロベッてて、女の子だけがどこか間違った方向に盛り上がるし、兄貴は暴走族か漁師の気合入れになっちゃう。
 だから自然と、特徴のない俺に役が回ってきた。
 注目を集め、適当に笑いを取り、観客を盛り上げる道化役。
 断っておくが嫌じゃない。喋るのは好きだし、トークで観客を沸かせるのは気持ちいい。それが癖になったせいか、普段からも多弁系になった。
 そのことについては、後悔していない。ある一点を除いては。
 それは――女の子にモテなくなったことについてだ。

146:書く人
07/01/19 00:12:33 buLajb7k
 女の子に煙たがれる訳じゃない。元々モテてたわけでもない。いや、むしろバンドを始めるまでは、冴えない普通の奴扱いだった。
 多弁になったら女の子には注目されるが、しかしお友達以上になれなくなった。理由はほぼ常に行動をともにしているメンバー達だ。
 純粋に歌が好きで寄ってくる子は、リーダーの担当。
 遊んでる感じの子や、逆に純情な子は、われらがバンドのコマシ王子が捕食。
 百戦錬磨な経験を積んだお姉さまは、硬派な年下兄貴が目標。
 この隙のないラインナップに搾り取られた跡に残ったのは、俺のトークに喜んでくれるちっちゃな女の子だけ。
 ああっ、俺、ロリコンだったら良かったのに!
 …いや、ロリコンだったらむしろ危なかったか?
 とにかく、俺の元に届けられる女の子からのファンレターは、クレヨンで「がんばって」と書かれたイラスト付きということになった。
 まあ、今にして思えばそれでよかったのかもしれない。
 なぜなら、お陰で千草に嫉妬されずに済むのだから。



「?」

 千草が首をかしげてこちらを見返した。そこで、俺は自分が本を開いたまま千草の横顔を注視していたのに気付く。
 柄にもなく恥ずかしくなる。

「何?」
「あ、いや…千草と付き合いだした時の事を、ちょっと…」
「……そ」

 それだけ返事をすると、彼女は読書を再開した。他人が千草のリアクションを見れば、きっと俺に同情的な視線を向けてくるに
違いない。
 だが、それは勘違いだ。彼女の頬は、ほんの僅かに赤く染まっている。それは、他人が見たら絶対に気付かないような些細な変化。だけども、付き合いだしてからずっと見つめてきた
俺には解る。
 照れているのだ、千草は。
 出会った頃など、俺が千草のそんな些細な感情の機微に気付けるようになるな
んて思ってもなかった。

147:書く人
07/01/19 00:13:10 buLajb7k
 千草との出会いは、ある意味衝撃的だった。

「6」
「ないです」
「寄せて」
「4日で」
「月曜無理。火曜」
「ん」
「ん」
「いや待て、お前らどこの宇宙人だ」

 無口なリーダーに付き合って本屋に行った時、リーダーが店番の子と謎のやり
取りをした挙句合意に達したのを見て、俺は思わず突っ込んだ。
 ちなみに今の会話をテレパシー能力が未発達な地球人でも理解できるように翻
訳すると

『あの~、このシリーズの6ないですか?』
『申し訳ありませんが、売り切れになっております』
『あ、じゃあ、取り寄せはお願いできます?』
『4日後になりますがよろしいですか?』
『4日って月曜?あ、俺その日無理なんで火曜に取りに来るって子とでいいっす
か?』
『はい、承りました』
『よろしくお願いします』

 ということだったらしい。
 その店員とリーダーは『何でそんな解りきったことを?』という風にこちらを
見てきたので、俺は『んなこと解るわけねぇだろボケが!』という意味合いがこ
もった愛想笑いを返してやった。
 その店員が、千草だった。

148:書く人
07/01/19 00:15:49 buLajb7k
「読・ん・だ・ぞぉぉぉぉぅっ!」
「お疲れ様」

 仰向けに倒れた俺。机の上に残されたのは閉じられたハードカバー。タイトル はGreat Expectations――大いなる遺産。千草はこのタイトルの和訳に物も押
したいらしいが、呼んでみてよく解った。うん、Expectationsは遺産より期待の方がいいだろう。
 一方千草は、ちらりともこちらを見ずに言うと、立ち上がった。向かったのは部屋の出入り口。
 コーヒーでも淹れに行ったのだろう。

「あ、砂糖はいらないから!ミルクだけで!」
「…緑茶」
「あ、さいですか…」

 うむ。期待を裏切られた。ピップの気持ちが少しわかったぞ。
 などとくだらないことを考えながら俺は上を見る。
 見えるのは蛍光灯と、天井と、本。
 本だ。本、本、本、本…。およそ地震が起きたら死ねるほどに積み上げられた 本の山。
 千草はビブリオマニアだ。本人は違うといっているが、十分そうだと思う。
 思えば、千草と付き合いだす切欠も、彼女の本好きだ。



「やめてください!」

 図書館で、そんな声が聞こえた。
 俺はリーダーに勧められて始めた読書の実行のため、手頃な本の物色に図書館
に来ていた。その時、聞こえたのだ。

「んだよ、関係だろ!」

 静かなはずの図書館で、言い合う声がした。一つは千草、もう一つは餓鬼っぽい男の声。
 前者の方に俺は驚いた。千草があんな大きな声を出すのは初めて聞いた。
 痴漢、それともナンパ?
 いずれにしてもただならない様子を感じて行って見れば、そこには本を広げた中学生くらいのガキが三人と、それをいつものぼおっとした様子とは打って変わ
った千草がいた。言い合いを聞いたところ、このガキが図書館の本の表を切り抜いていたらしい。それに千草が注意して、ガキが逆切れしたというわけだった。

149:書く人
07/01/19 00:17:50 buLajb7k
「ちょとぐらい問題ないだろ!」
「けど、これは皆も本で…」
「じゃあ俺が使ってもいいわけだ」
「けど…」

 むちゃくちゃな屁理屈を言うガキに、千草は一歩も引かないが、しかし口下手な彼女の方が押されている。周りで見ている連中は、そっちにちらりと視線を寄せただけで、すぐに厄介ごとを恐れて視線をずらす。
 根性なし共め。その周囲の反応を見て、千草は傷ついたような表情をして、ガキの方が勢いづく。

「ほら、だれももんくいわねえじゃん」
「ですけど…」
「だいたい、いきなり大声出して。マナー違反はそっちだし」

 いたぶるように薄ら笑いを浮かべて言うガキども。その時には既に俺のの堪忍袋ゲージは振り切れていた。

「屁理屈こくなよ、ガキ共?」



「…ありがと」
「ん?ああ、別に。俺も腹立ってたし」

 千草が話しかけてきたのは、半泣きで去っていくガキ共を見送っていた時だった。
 はっきり言って楽勝だった。断っておくが殴り合いとかじゃない。あくまで口げんかの発展だ。
 相手はちょっと嘴が発達しただけのひよこ。それに引き換えこっちは商業用のトークを経てきたプロ。
 ふっ、鎧袖一触とはこのことよ。

「借りにきたの?」
「へっ?あ、ああ。本をな。リーダーに薦められて本を読み出したけど…初心者用に言いの探してるんだけど…」
「うん」
「お、紹介してくれんの?サンキュ…って、おい?引っ張るなよ…つか、そっち出口だってば!」
「うん」
「『うん』といわれても…」

 結局、そのまま引っ張られ、歩くこと三分。
 辿り着いたのが千草の家。歩きながらどうにか聞き出したことによると、短大に通いながら一人暮らしらしい。
 …トラブルから助けた後に一人暮らしの女子大生の家に引きずり込まれる男?
 え?Hイベントのフラグ立てちゃった?
 なんて妄想しているままに家に引きずり込まれた俺を待ち受けていたのは、そんな邪念を吹っ飛ばすほどの本だった。
 いや、靴箱に本が入ってるってあり?
 ともかく、本のせいで壁が見えないという事実に呆然としている俺に、千草は奥のほうでごそごそと何かしてから、年季の入った一冊の本を差し出してきた。

『ガリバー旅行記』

「お礼」
「えっ?…あ、うん。どうもえっといつまでに返せば…」
「あげる」
「…いいのか?」

 思わず受け取ってしまった古びた本を、俺は眺める。ハードカバーだ。保存状態はいい。売ればそれなりになると思うが…。

「いい。あなたは…いい人だもの。この子もきっと大切にしてくれると思うから」

150:書く人
07/01/19 00:20:05 buLajb7k
 俺は、目を覚ました。
 寝起きは良い方の俺の脳は、即座に今までの事が全て夢だったと気付く。どうやら、千草との出会いを思い出しながら、寝てしまったようだった。耳には、ローテンポのラブソングが聞こえる。聞き覚えがある曲…というよりも俺が書いた曲だ。
 俺は起き上がろうとして、自分の口をふさぐ、濡れたような柔らかい感触にも気付く。
 …なんだこりゃ?
 目を見開けばいきなり肌色の何かが視界をふさぎ、更には後頭部にも柔らかい感触。しかもいい匂いまでする。

「ん?」

 俺は何気なく、声をあげ…

「!!!!!?」

 無言の悲鳴。そう表現できるような慌てた気配が伝わってきた。
 次の瞬間、視界が急に開け、俺の頭の下に差し込まれていた柔らかな枕が飛び
跳ねるように動いた。

「なんだなんだ!?」

 混乱しつつも起き上がる。そして周りを見ると、すぐ近くに千草がいた。
 彼女には珍しく、明らかに驚愕の感情を浮かべた顔を、なぜか真っ赤に染めて
、壁を背にしてこっちを見ている。
 回転しろ、俺の灰色の脳細胞。一帯何が起こった?
 現状から数秒前を推測するんだ。

1.俺は寝ていた。ここには俺と千草しかいない。
2.ついさっきまで俺の頭を支えていた枕はどこにも無く、そういえばなんか暖かかった気がする。
3.さっき俺の口をふさいでいた感触は覚えがある。千草の唇の感触だ。
4.千草がめずらしいことに滅茶苦茶動揺している。

 …ふっふっふ、初歩的な推理なのだよヘイスティングス。
 俺は自身ありげな笑みを浮かべて千草を見る。千草は、俺の視線を受けてさっと目をそらす。いつもの無表情も今はどこか取り繕ったようなものになり、そもそも白い肌はまだ赤みを残している。
 証拠は十分だな。だが、ここでもう一つとラップをかけて置こう。
 俺は千草をビシッっという効果音つきで指差して、

「千草…犯人はお前だ!」
「違う、してない」
「おやぁ、してないって何をかなぁ?」
「……極悪人」

151:書く人
07/01/19 00:22:57 buLajb7k
 千草は無表情に呟いた。普通に言われたらグサリと来るかもしれないそれだが、シチュエーションによる補正と僅かに赤い頬のせいで俺の嗜虐心をくすぐる媚薬に変わる。

「極悪人はどっちだよ?人の寝込みを襲っておいてさ…」
「おっ、襲…ってなんか…」
「ん?聞こえないなぁ」

 言いながら、俺は千草ににじり寄り、そっと抱き寄せる。千草はそっぽを向きながら、それでも抵抗する素振りはない。俺は調子に乗って千草の頬を撫で、口を耳元に寄せる。

「でもさ、どうしてそんなにキスが好きなんだ?」
「好きじゃ…ないもん」
「嘘つけ。じゃあ、どうしてそんなにキス魔なんだよ?」
「キス魔…じゃ!はむぅ…」

 言葉を遮って、俺は千草にキスをする。舌も入れないフレンチキスだ。しかし効果は劇的だ。一枚のレンズ越しの目は、一瞬大きく見開かれ、すぐに蕩けて細まっていく。
 ああ…その表情ヤバイって。
 思わず押し倒したくなるが、ここはグッと我慢。キスを終えて、千草と目を合わせる。

「どうしてだ?」

 再び問う。実は答えが返ってくることなど期待してはいない。どんな反応が返ってくるかが楽しい。それこそ嘘でも、無言であってかまわない。自分の言葉に対して彼女がどう返してきてくれるか、それが楽しい。
 特に、普段から情緒情動が見えにくい千草だからこそ、こういう感情が表に出ている時は格別だ。
 期待を込めて見つめる俺の視線の先で、千草は口を開く。

「……から…」
「ん?」
「怖い…から」
「…何がだ?」

 千草は躊躇うようにしてから、必死といった風情に口を開いた。

「私…口下手だから。…あなたみたいに、歌ったりもできないし…好きって伝えられないから……。だから…代わりにキス、するの。伝わってなかったらって思うと、怖くて…キスしないと、不安だから…」

 千草が言い終えるより早く、俺は再び彼女の唇を奪った。

「んっ…んんー!」

 今度は舌を入れる。千草が僅かに抗うような動きをするが、それも僅かだった。

「ふゅ…ふ、ぅ……」

 千草は反撃を試みる。必死さが伝わる舌の動きだが、あまりに稚拙だった。俺は差し込まれて舌をしゃぶる様に迎撃し、怯んだところで逆襲。千草の歯や
歯茎を撫で回す。

「…んっ!…ぁぅん…!っはぅ」

 千草はついに音を上げて、逃げるように口を離す。息をつく千草を、俺はたまらなく愛しいと思いながら、告げた。

「伝わってるよ」
「…?」
「千草の気持ち、伝わってる」

152:名無しさん@ピンキー
07/01/19 00:24:36 buLajb7k
 そう。千草の思いは完全に伝わっている。今のこの部屋には、俺が目を覚ましてからずっと、リーダーが歌う俺が書いた曲が流れている。
 内容はベタベタなほどにストレートなラブソング。千草と付き合い始めて、その時に彼女に送った歌で個人的にはかなりいい線だと思っている。だが、彼女の無言のキスに――それによって伝えようとしてくる想いと比べてしまえば、陳腐にしか思えない。

「何百回好きだって言われるより、沢山伝わってる。だから、安心しろよ」
「…うん」

 頷くと、千草は心音を聞くように、俺の胸に顔を寄せる。千草の髪は、いい匂いがする。シャンプーか香水か、それとも彼女自身の香りなのかはわからないけれども、いい匂いだ。
 落ち着くような、それでいてどこかドキドキする……ぶっちゃけると、興奮する匂いだ。
 …結局獣かよとか言うな、畜生。仕方ないだろ、ディープキスした挙句、恋人と二人きりで抱き合ってるんだぞ?増して千草は結構いい体している。
 普段の図書館で作業しているエプロン姿では想とは見えないが、実は結構背が高く、手足は長い。プロポーションだってセーターの上からでも括れがはっきりと解るくらいだ。
 などと俺が自己欺瞞をしていると、千草が呟いた。

「Hな気分?」
「え?」
「硬いから」

 Oh!My馬鹿息子!
 そりゃ密着状態じゃ隠しようないわな。

「雰囲気、台無し」
「く…っ、仕方ないだろ?」

 二重の意味で硬直する俺に、千草は言う。さっきの意趣返しとでも言うつもりか?
 だが、そんな俺の想像と、彼女の意図はまったく違った。

「うん。仕方ないよね」
「えっ?」

 てっきり「この万年発情期がぁっ!」的なことを言われるのを覚悟していた俺は、意表を突かれて腕の中の千草を見る。千草も、俺の方を見ていた。
 笑顔の一つもない無表情で、だけどほんの少しだけ恥ずかしそうに頬を染めて千草は言う。

「セックスしよ?」





つづく


 今日はここまで。とりあえず、図書館の本は大切に使用ってことで。

153:名無しさん@ピンキー
07/01/19 00:44:41 L+H+BgMJ
おう、めっちゃ大切にする
そしてwktkもする

154:名無しさん@ピンキー
07/01/19 04:05:45 coImyXOl
おおっラブラブな感じですな
細かな表情の変化があるとイイよなぁ。特に「自分だけがわかる」ってのが。
続きにwktk

ところで>>151
フレンチキスは舌を入れるキスだ
URLリンク(dic.yahoo.co.jp)

155:名無しさん@ピンキー
07/01/19 06:51:28 254GDv4l
完璧ですよヘイスティングス

156:名無しさん@ピンキー
07/01/20 20:38:59 wD+UQoXh
>>フレンチ-キス
日本語の場合、どっちの意味でも使ってるみたいナリ。

…唇を合わせるだけの軽いキス、とかって本場じゃなんて言うんだろ?

157:名無しさん@ピンキー
07/01/20 23:12:33 x8G13P1P
>>156
バードキスです。

フレンチキス=ディープキスが一般的。
でもフレンチキス=バードキスも間違いじゃないです。

フレンチキスはフランス式のキスという意味でフランス人のキスは下品=ディープキスと宣伝されたらしい。
日本ではフランスは上品=バードキスと誤解されたためこっちが広まりました。
諸説あるらしいですが……

私はフレンチキス=ディープキスですね。

158:名無しさん@ピンキー
07/01/21 20:00:43 vqjR9Z/t
小鳥の啄むようなキス、というやつだな。

159:名無しさん@ピンキー
07/01/23 09:01:26 lBSGw5Ll
>>152
GJだ兄弟


フレンチキスのところ読んでるときに>>154>>157みたいなことするやつ出てくるだろうと思ってはいたけど、案の定いたな

本当の意味とは違う言葉の使い方してても、多くの人がその使い方をすればそれは正しい意味になることがあるんだよ
「全然」と同じようにね

160:名無しさん@ピンキー
07/01/23 22:15:48 L4v6C2Hg
>>159のようなことをいうやつが出て来るのも想定内。
むしろ、俺のこのレスまででワンセット、よくあるパターンです。

161:名無しさん@ピンキー
07/01/24 22:07:35 Jela1VK1
あげ

162:書く人
07/01/25 03:21:43 TGT9IzQt
キス私的ありがとうございます。では続きを。

163:書く人
07/01/25 03:22:25 TGT9IzQt
 ワクワクしながら胡坐をかく俺の後ろで、衣擦れの音が終わった。

「もういいよ」

 千草の許可を貰って、俺は振り返った。
 そこでは、一糸纏わぬ姿で布団に正座した千草がいた。

「つかさ、何で服脱いでいるところは見ちゃいけないんだ?」
「…恥ずかしいから」
「裸は見られるのは平気なのにか?」
「…コレだって…」

 いいながら、千草は自分の豊満な胸を抱く。しかし彼女の細腕には、その豊かさ双丘を隠しきれず、柔肌が腕の隙間から零れる。
 うわぁっ!普通に正座していた時よりエロいんですが?

「いただきます!」
「きゃっ…」

 本能が理性を凌駕するって本当にあるんだな、と感心しながら俺は千草に抱きつき押し倒す。
 襲うとはいっても、怪我しないようにそれほど勢いをつけたわけではないのだが。一方の千草も特に抵抗せずに、あっさりと布団の上に仰向けになる。
 ぽふっ、という感じにシーツに沈む千草の体。
 手始めにと、彼女の首筋に舌を這わせながら、俺は甘い香りを感じた。千草の匂いだ。

「シーツも、千草の匂いがする…」
「い、いやぁ…」

 その言葉に、初めて千草が抵抗らしい反応をする。鳴きそうな声で首を振り、俺の体を押し返そうとする。だが、その力だってやっぱり僅かなものだった。
 少ししてから、観念したように濡れた声でもう一度言う。

「嗅ぐの…ダメェ」
「いい匂いなのに?」
「…」

 返事はなかった。ただ俺の目の前にある千草の耳が赤くなる。
 カワイイと思いながら、俺はキスを鎖骨から下に這わしていく。

「んっ……」

 口の愛撫が乳首に達すると、千草の体はピクリと動く。初めて抱いた時から、ここは敏感だったな。
 俺は思い出しながら、千草の右の乳首を舌先で転がし、左の乳首は指で弄る。

「…!…ふくぅっ…」

 口の中で、千草の乳首が硬くなっていく。乳首は勃起し乳輪の形もはっきりしてくる。
 完全に硬くなってから、俺は音を立てて吸ってみた。

「ちゅりゅ、ずちゅちゅぅぅっ!」

164:書く人
07/01/25 03:22:55 TGT9IzQt
「~~~~~~~っ!」

 俺とて弾くのが専門とは言え、一応は歌手の端くれ。自慢の肺活量に引っ張られた胸は円錐形に立ち、それに引っ張られる形で千草も上半身を反らせる。
 空気を求める息をつく千草。俺はその様子にはしかし満足しない。もう一方の乳首も同じように口に含み、たっぷりと唾液をまぶしてから、同じように吸ってやった。

「ぁ~~~~っ!」

 今度は、かすかに声を上げた。
 千草の息が整うまで、俺は攻め手を緩めて胸を揉む。

「音…立てるの…やだ…」
「気持ちよくなかったのか?」
「…」

 赤くなって沈黙する千草。俺は捏ねていた乳を内側に寄せる。
 千草の胸の大きさゆえに、乳首はすぐ近くまで寄る。ちょうど、一度に両方を口に含めるくらいの距離だ。
 出来るなら、やるしかないよな。

「っ!ああああぅっ!」

 予想外の攻撃だったのだろう。俺は舌先で転がし、口から外れる直前までひっぱりを繰り返す。

「…っ!ぅ、へぁっ……はっ…はぁっ!ぁぁあっ!」

 すがりつく様に、千草は俺の頭を抱いてきた。俺が千草の味を十二分に堪能してから口を離す。
 俺は千草の顔を見ると、彼女はすっかり出来上がっていた。

「ぁ…ぉぁ…」

 顔の赤みは明らかに羞恥以外の要素で赤くなり、目は潤んで空を見ている。

「気持ちよすぎたか?」
「…い、いぢわるぅ…」
「声…でちゃった…」
「我慢しなくてもいいんだけど…」
「駄目…はずかしい…」
「恥ずかしくなんてないと思うけど?」
「でも…」

 泣きそうな顔をする千草。たまらなく愛おしく思いながら、俺は千草の頬に顔を寄せる。

「ん…」

 頬に舌を這わせるようにキスをして、耳を甘く噛む。リラックスしたように声を上げる千草。
 ふっふっふ、油断したな。と、俺は次なる攻め手に入るべく、千草の内股に片手を差し込んだ。
 その瞬間、千草の体に緊張が走った。

「力、抜いて」
「…」

 千草は一瞬、不安そうに俺を見返してから、頷いた。自由に動けるようになった手で、俺は千草の柔肌を弄る。
 ランダムに、小さな痙攣を反応として返す千草。そのうち、俺は腕に湿った感触を受けた。
 股間に擦りつけられた腕に、愛液がまとわり付き始めていた。
 少しずつ、手を彼女の中心に近づけていく。

「ゃぁ…」

 抵抗は口だけだった。彼女の足は既に完全に脱力し、俺の侵攻を防ぐ事はしない。
 指先は用意に千草の花弁に触れ、暖かい蜜の感触を伝えてくる。

165:書く人
07/01/25 03:24:07 TGT9IzQt
「千草…指、入れるよ?」

 千草の返答は小さな頷きだった。俺は千草に口付けをしながら、中指を彼女の中に沈めていった。

「んん…っ!」

 喉の奥で、千草が小さく喘ぎ声を上げる。拒絶ではない。声には甘さがあり、秘所は濡れそぼっていた。
 俺は口を離してから、本格的に指を動かし始める。

「はぁぅっ!?きゅふぅぅぅっ!」

 悲鳴のような声を上げる千草。その度に膣は凄まじいといっていいほどの力で俺の指を締め付けてくる。だが、それはただ一本やりの締め付けではなく、呼吸するようにゆっくり蠢動している。
 掻き分ける媚肉は愛液で濡れそぼっている。擦られる感触は、指の肌で感じるだけで気持ちいい。まして、敏感な粘膜越しに感じている彼女はどれほどのものか?
 答えは、表情に出ていた。

「っ!…ぃっ!んっ!っ!!…!!」

 挙がりそうになる声を、千草は両手で口をふさいで必死で堪えていた。言ったとおり、声を上げるのが恥ずかしいのだろう。
 いっそ、手を無理やり外して、千草の声を聞きたいとも思ったが、だがこの堪える表情もいいと思った。
 指の動きを激しくすると同時に、さらに親指の腹で肉芽を押しつぶすという責めを加える。
 追い詰められる千草の頬をなでる。

「ふぇぅっ!…ん!んっ!…っっ!ひっ!あぅっっっ!」

 いやいや、と首を横に振る千草。我慢しているのだ。

「…イっても、いいぞ?」

 俺は千草の耳元で囁いてから、まるで熱を測るように千草の額に手をやり、それから少し下にずらして目を塞ぐ。
 片手で熱に浮かされる子供をあやす様にしながら、もう一方の手で容赦なく熱病の中に追い込んでゆく。
 そして…

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!」

 千草は、果てた。






 千草が落ち着くのを待ってから、俺は二本の指を差し込んで、少し曲げてみる。一度絶頂を迎えた膣は程よく緩んで俺の指を受け入れる。

「もう、いいか?」
「…うん」

 千草の返答を待ってから、俺は千草の脚の間に体をもぐりこませる。
 正常位。他の体位も試したいが、まだ三度目だししばらくはこのままでいいだろう。

「あ…のね?」

 俺がペニスを手にして角度を調整しているところに、千草が恥ずかしそうにリクエストしてきた。

「キス…しながら…」
「解った」

 俺は唇を重ねながら、千草を貫いた。

166:書く人
07/01/25 03:24:44 TGT9IzQt
「ん…」

 千草の反応は穏やかだった。
 一瞬だけ体を硬くした後、脱力しながら縋り付いてきた。

「痛くないか?」
「うん…」

 千草は少し考えたと、こう付け加えた。

「私の体…あなたのおチンチンにぴったりになってきたんだね…」

 あ、幸せそうにそんなこと言うの、反則です。

「千草…っ!」
「!っああん!」

 辛抱たまらず動き出した俺を、千草は受け止める。

「あん!あん!ひゃん!あん!んん!はぁん!ああ!あ゛あ゛!ああんっ!」

 普段より、一オクターブ高い音。
 声を堪える事も忘れてよがる千草の嬌声は、美しかった。
 どんな楽器にも奏でることも出来ない、官能的で、扇情的で、綺麗で、純粋で、美しい声。
 もっと聞きたいと、俺は千草に剛直を突き入れる。

「あん!ああん!きゃん!ひっ、ひぃっ!だ、だめ!あ、ああああ!」

 悲鳴を上げる千草に、腰を叩きつける俺。
 その度に、彼女の胸はリズムカルに弾み、声が上がる。
 熟れた唇の味も昇り立つ香りも、脳をしびれさせるほど甘く感じる。
 五感の全てで千草を感じる。愛おしく感じる。
 俺の限界もすぐに来る。中で出そう。

167:書く人
07/01/25 03:26:30 TGT9IzQt
「イク…イクぞ!?」
「ふ、ふわっ!あ、あああ!ああああ!」

 聞こえたのか偶然か、千草は俺の腰に脚を絡め、頭を抱き寄せる。
 キスを求めてくる。拒む理由はないし、俺も…

「~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」
「…ぅぅぅっ!」

 どっちが先立ったのだろうか?キスをしたまま俺達は果てた。

168:名無しさん@ピンキー
07/01/25 03:27:34 TGT9IzQt
 俺の先端から噴出す精液が、千草の最奥に注ぎ込まれていく。千草はまるでそれを求めるかのように、ゆっくりと動きながら射精を促す。一滴残らず、吸い出されてゆく。
 ああ、何も考えられない。
 至近には千草の顔がある。
 うっすらと汗の浮んだ顔は染まり、瞳や唇は潤んでいる。卑猥な、しかし綺麗な顔だった。
 そんな顔のまま、千草は微笑んだ。

「すごく…エッチな顔してる」

 どうやら、俺も似たようなものらしい。俺は照れながらもこう言い返した。

「それは…千草もだぞ」

 ようやく、射精が止まった。
 心地よい倦怠感を感じながら、俺達はキスを交わした。











「キスしよ?」

 生まれたままの姿で布団の中で抱き合いながら、千草はまた俺にキスをしてきた。

「返事も待たずにかよ」
「……駄目?」
「いや全然」
「んっ……んん」

 不安げに問い返してきた千草に、今度は俺からキスをする。
 キスを離してから、千草は俺の胸元に、まるで子猫がするように顔を擦り付ける。
 あああ、一緒にこすり付けられる乳の感触がたまらんです。
 などと俺が千草の感触を楽しんでいると、千草は俺を見ずに言ってきた。

「嘘…ついてた」
「なんだ?」

 言われたところで、心当たりがない。
 実は処女って言うのが嘘だった、ってのはないだろう。しっかり血が出てたし。

「キスするのって…気持ち伝えるためって言うの、本当は半分だけ嘘」
「っていうと?」
「その…」

 千草は恥ずかしそうに、こちらを上目遣いで見ながら、こう言った。

「…キスも…好きなの」

 何を言い出すかと思えば。
 俺は苦笑しながら答えた。

「知ってるよ」
「うん…」

 答えながら、俺と千草はキスをした。

169:書く人
07/01/25 03:28:23 TGT9IzQt
一週間あけたからキャラが微妙に違う…。
ともかく、以上です。

170:名無しさん@ピンキー
07/01/25 03:30:57 aTbHND1I
ごちそうさまでした(*´ρ`*)'`ァ'`ァ

171:名無しさん@ピンキー
07/01/25 15:31:02 5rnPjLRa
>>162
GJ!

>>159は、もしかして全然を正しい日本語だと勘違いしてるのか?
文章表現と会話表現は違うってこと知らないのか?
普通、小説を書くときは辞書的な意味が優先されるんだよw
全然~ありみたいな現代で認められてきたけど辞書的な意味ではありえない言葉は作者が意図的に使ってない限り間違い。
そもそも、文章読めばフレンチキスの辞書的な意味を勘違いして使ってるのは一目瞭然

常識の問題だよ

172:名無しさん@ピンキー
07/01/25 18:07:43 WkKYDWPE
どうでもいいけど>>171はキモい

173:名無しさん@ピンキー
07/01/25 20:15:39 ZopYGiMW
良いな、ラブラブエチー。

174:名無しさん@ピンキー
07/01/25 20:45:10 T03ZZoMb
だがまだまだ無口なおにゃのこが足りないのだよ
とりあえず>>80の続きを無言で待ち続けてるとだけ記す

175:名無しさん@ピンキー
07/01/26 06:21:02 iOSxJOjo
上げてみるGJ

176:名無しさん@ピンキー
07/01/27 00:19:19 Clm796UQ
ъ(゚Д゚)グッジョブ!!
↑の一言に尽きる

177:名無しさん@ピンキー
07/01/27 00:28:52 7BJpkp3J
あ゙あ゙あ゙あ゙…GJ!

178:名無しさん@ピンキー
07/01/29 22:26:46 lIZhx04P
あげ


179:名無しさん@ピンキー
07/01/31 15:36:40 0Ae3O8g9
あげ

180:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:22:51 DRY/ewWG
唐突に投下。




「旅行?」
「明日から一泊」
「随分急だな…まあいいや、行こうか」
「……親、来るから」
「待てお前それは(プツッ!)…切れた」

というわけで企画された、幼馴染み兼恋人の華岡 葵と、そして双方の親を巻き込んだ家族旅行。
暗い部屋の天井の幽かな明かりを見つめながら、早峰 涼は眠れない夜を過ごしていた…少し離れた隣の布団に、小さな呼吸音を聞きながら。
どれだけ経っただろうかと、テレビ台備え付けのデジタル時計を見る。緑の蛍光がゼロを四つ並べていた。日付が変わっている。

(生殺しかよ……)

もともと夜は早い方だが、意識は冴えっぱなしだ…状況が状況だけに。
いざ就寝となって、公然と

「私たちは私たちでいちゃつくから、アンタたちはアンタたちで仲良くやんなさい♪」

と言われて二人部屋に放りこまれ、しかし素直に従えるわけもなく。

「…」
「な、なあ葵、」
「寝る」
「あ、さいですか」

という流れを経てこのザマだ。これでもう一週間、葵とシてないことになる。
鼓動が痛いほどに高まる、という程初心ではない。だがそれでも惚れた相手が浴衣姿で横になっていて平静を保てるほど老成はしていない。

(…葵は、平気なのか…?)

確かに男は年中発情期と言っても過言ではないが、かといって女にも性欲が無いわけではない。
だのにあの寡黙な、それでも考えていることは判る幼馴染みは、しかし事もなげに布団を敷いた後、背中を向けてそれっきりだ。今回ばかりはその心の内を察する手だては無い。
もしかして…襲って来るのを待ってたり、とか…

(……空しい)

どうして恋人を隣にして、こんな空虚な妄想に浸らねばならんのだ。
くっついて来た親どもを心底恨みながら、涼はため息と共に目を閉じた。

181:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:24:41 DRY/ewWG
……と。

「?」

みしり。
畳から、小さな音。自分ではない。
気のせいかと思えばもう一度、藺の擦れる乾いた音。
考えられるのは……一人。

「…葵……?」

目を開けばそこには浴衣姿の葵が立っていて、寝転がったままのこの男を見下ろしていた。

「…………ヘタレ」
「は?」
「っ……………ど、…鈍感っ」
「どっ…」

鈍感呼ばわりされる謂れはない、と言おうとして止めた。
橙色の小さな電灯の光を湛えた視線も、どこか濡れているような、熱っぽいような。

「……来る?」

同時に聞こえた、息を呑む微かな音。
否定の声が無いところを見ると、どうやらそうらしい。
…つまり、そういうこと。
まあ、あれだ。馬鹿親どもの話に乗るのは癪だが、確かに二人とも色々な意味で「お年頃」だ。そう易々と我慢できる筈もなく。

「おいで」

布団を上げてやると頬を染めながら、おずおずと潜り込んで来た。

182:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:27:41 DRY/ewWG
一週間振りの口付け。
ついばむようなキスを、それでも思う存分堪能する。
勿論深い方もしたいのだが、後回しだ。付き合うようになって聞いたことだが、深い方は葵にとって、思った以上に刺激が強いのだ。
普段の態度の割に、恋愛関係や「そっち」は弱いというか、奥手というか。

「寝るって言ったくせに」
「………うっさい」

唇を離して言ってやると、蕩けかかった顔をむくれさせてぷいと背けた。
…こういう仕草が凄く可愛いって、わかってやっているのだろうか。
堪らなくなって、今度は強引に唇を奪う。

「…!」

珍しく驚愕の表情を浮かべるのを余所に、そのまま舌を割り込ませる。
そのまま蠢く葵のそれに絡ませ、犯す。熱い歯茎を舐め、硬い歯の裏を滑らせる。この感触はどれほど楽しんでも飽きが来ない。
抗議の声も聞こえないことにする。実際背中に回した腕に力を込めると、堪念したようにボリュームが下がっていった。見開かれた目も再び熱を帯びていく。
唾液をこね合わせ、半分ずつ分け合ったところでようやく唇を離す。二人分の雫が布団に落ち、見えないところに染みを付けた。

「……ず、るい」

潤んだ瞳で睨まれると本当は弱い。が、こういう場合は別だ。

「狡くないだろ…誘ったのはお前じゃないか」
「………したかったくせに」
「ああ。でも、お前もだろ?」

向かい合ったまま浴衣の布地をさらに広げ、豊かな双丘を包み込んむ。
肌蹴た布の内側、押せば飲み込み、引けば弾く若々しい肉の質感。
ふぅっ、と熱い吐息が漏れてくる。俯いた顔から表情は窺えないが、身体の震えは隠せない。感度の良さは相変わらずのようだ。

「…大きくなってるな」

掌に余るその感触が僅かに、しかし感知できるほど変化しているのに気付いた。もともと涼の手に余る程はあったのが、掌から零れる量はより多くなっている。
もし、間に挟んだら…いや止そう。それを頼むのはいくらなんでも恥ずかしい。恥ずかし過ぎる。また今度だ。

「りょ、涼のっ、せい……、っ、」

指の股で突起を摘んでやると、切なげな息が吐き出される。

「…そりゃそうだな」

俺以外はこんなことしてないし、させてやる気もない。
言外に思いを込め、少し強く挟んでやる。あぁ、ぁ、と声が漏れ、小さな肩が軽く震えた。

183:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:28:57 DRY/ewWG
「今さら、我慢するな」
「………が、我慢、なんか」

だが、まだ声を抑えていると見える。
相対していたのを横にころんと転がし、緩んでいた浴衣を完全に脱がせる。後ろから抱き着くと、上半身だけ起き上がる。

「っぁ」

あぐらをかき、葵の身体を隙間にすっぽりと収める。より触りやすい格好…背面座位の体勢だ。

「…や……ぁ、っ………!」

片手で乳房を揉みしだきながら、残りの手を下半身に滑らせる。控え目な茂みを通り過ぎ、直接そこへ。

「ゃっ、ま、待っ、当たって……はぁっ…!」

いきり立ったモノのことを言っているのだろうが、それより早く到着した。
湿り気を帯びたそこに指を遊ばせ、入口を往復する。入れるよりさすられる方が好きなのだとか。掌でクリトリスを押し、強すぎないように刺激してやる

「や、ぁ、…っ……。ちゃ、と…涼、ので…」
「これか?」

自分の浴衣を開き、充血した分身を足の付け根、滑らかな太股に押し付ける。
葵の身体を回転させ、座ったまま相対する。完全に脱ぐと、擦りつけながら位置を上にずらし、たどり着いた秘裂を裏側で撫で上げた。

「~~~っ」

快感に顎をつんと出しながら、恥ずかしげに目をぎゅっと閉じる。

「っ……生えたみたいだな」
「…ば、か……ぁっ」

そのまま上下に揺らすと、ちょうど雁の部分が敏感な突起を小突く形になる。その度に小さな電流が流れ、あ、あ、と声を上げた。押し殺す事が出来ず、葵は羞恥に眉を寄せた。
恥ずかしがる顔をもっと見たくて、そのまましばらく続ける。すると閉じていた双眸がゆっくりと開かれ、濡れた漆黒の瞳が現れた。

「入れたい?」
「…」

訴えかけるような切ない、でもちょっぴり怒ったような視線。

「…………意地悪」
「…済まん」

そろそろ我慢できないのは、涼も同じで。

「…入れるよ」

返事を待たずに、割って、埋めた。

184:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:30:18 DRY/ewWG
「あ…はわっ……あぁ…ッ…!!」

水音も顕わに、飲み込まれていく。
葵は涙に濡れた瞳を「そこ」に向けながら、秘肉を分け入るたびに鼻にかかった喘ぎをこぼした。
自分で処理をしなかっただけあって、正に背筋が震える快楽だった。入ったばかりだというに、強烈な収縮に思わず果ててしまいそうになる。
だが一週間振りの機会をこの程度で終わらせてなるものかと、足を絡めてしがみつく葵を逆にきつく抱き返し、何とか堪え、押さえこんだ。

「っ……大丈夫、か?」

締め付けがひとしきり収まった後、涼はそれでも絶えず送られる快感に耐えつつ尋ねる。
達したかどうかは聞くまでもなかった。分身からは内部の痙攣が伝わって来たし、留まりきらずに漏れた愛液の量も半端ではない。何より背中に食い込んだ爪の後が雄弁に物語っている。
男の自分に女の快感はわからないが、それでも果てた後が辛いのはよくわかる。それも今のは一週間振りの、本物の絶頂の筈だ。

「はぁ、…は、ぁっ…ふぁ…」

あまり大丈夫ではなさそうだ。呼吸が荒い。

「ぁ……っ、…はっ、…い、れるの……早、すぎ………」

葵は息も絶え絶えといった様子で答えた。タイミングではなく、入れるスピードのことを言っているようだ。
荒い呼吸で身体が上下する度に、淡い朱色を差した火照った果実が二つ、揺れている。

「……はぁ、は……ぁっ……ふぅ……んっ……」
「………」

前後にも少し動きがあるため、ちゅ、ちゅ、と音が漏れる。
中が擦れる。
眼差しに入り混じった、困惑と羞恥。
快楽の残滓。

「…わ、るい」

…理性が飛んだ。

「え……んぁっ! あぁっ!」

男の意地だとか、もっと長く楽しもうとか先に出したくないだとか、そういう考えは直ぐさま吹き飛んだ。
体勢を変えることすら忘れた。座って向き合ったまま、添えた手で腰をがっちりと掴み。
突き上げる。

「あっ! だ、め…ふあ、あんっ! や、やぁ…ぁ、ひああ!」

唐突な攻勢に、葵は身震いして悶える。一週間振りのその快感に、抗議もできなかった。
突けば敏感な最奥まで届き、引けば葵の体重で加速する。内壁の襞が涼のモノを擦り上げ、更に血量を増した男根が次々と蜜を掻き出す。溢れたそれは二人の肌の間で糸を引き、打ち付けるたびにぐちゃぐちゃと音を立てた。
より大きく。より卑猥に。

「あぁ! んあ! はあ! ふあっ!」

葵はだらし無く唾液を垂らし、口を半開きにしたまま喘ぐ。
暴力的なまでの、圧倒的な快楽。他の事を考える余裕などなかった。

185:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:31:42 DRY/ewWG
やがて、声が切羽詰まっていく。
締め付けの間隔が狭まり、しがみつく腕がきつくなる。
もともと達しかけ、高まっていただけあって、涼にもとうとう限界が来た。

「い、く…ぞっ!」

最後とばかりに、腰を思い切り叩き付ける。より激しく。より強く。

「あぁ、あぁっ! はぁ、はあ、う、んっ! ひぃぁ、いあっ!」

最後の一突きで自分の腰をぐいと押し付け、目の前にある葵のそれは、逃がさぬよう押さえ付け。

「っ!」

勢いよく、滾りを放出した。

「へあ、ふああぁ! あぁぁぁっ!!」

強烈な締め付けが容赦なく襲い掛かった。搾り出される感覚に、思わず呻きが咽を震わせる。

「はぁあ! あ、ひああぁぁんッ!!!」

大量の灼熱が奥を叩くのを受け、葵も追って二度目の絶頂へと達した。ぶるぶると身体をわななかせ、鮮烈なまでの快楽を全身で表現する。
一際大きな、悩ましげな鳴き声を上げ、痙攣と同時におびただしい量の愛液を吐き出す。膣内に満ちた白濁と混じり合い、入りきらない分は結合部の隙間で圧力を受け、ぴゅ、ぴゅ、と漏れていく。
ぎゅぅ、と抱き着かれる。温かい身体。
意識が薄れ、しがみついた○○と一緒に横になった。
心地よい脱力。
軽い睡魔。下へ。
下へ…

186:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:34:22 DRY/ewWG
「馬鹿」
「…はい」
「鬼畜。色情魔。節操無し」
「いや節操無しはないだろ、こういうことはお前にしか」
「ケダモノ」
「ゴメンナサイ」

時刻は午前1時。
二人で布団を被ったまま、涼は一方的なお説教を喰らっていた。
いかに一週間振りだったとはいえ、理性が吹っ飛んだ後は半ば葵を無視した揚げ句、完全に中に出してしまったのだ。ケダモノと言われようが言い返せる身分ではない。

……中に?

「そ、そうだお前、その…」
「……薬、ある」
「あ…そうか、す、すまん」

そのうえ男性が気を使うべき最低限の事にすら思いが至らなかったことを知り、さらに情けなさで縮こまる。
ダメ人間の宣告を受けているようで、心が…痛かった。

「……」
「?」

言葉が沈黙に消え、涼はおやと顔を上げた。
目の前の葵は、なにやら視線を反らし、ほんの僅かに俯いていた。
微妙に頬が染まっている。

「……薬……ある、から…」
「は?」

発言の意味がいまいち読み取れない。薬があるから…何なのか。涼は首を傾げる。
すっと顔が上がり、上目使いの視線が向けられる。ちょっと待てお前それは反則だろう。そんなに俺の理性を虐めたいのですか。
…だが後に続いた言葉は、さらにそれを焼き焦がしてくれた。

「あ、あおいさん?」
「………………つ、次…優しく、して」

翌日、防音への配慮の甘さを思い知らされることになるが…それは別の話。




終わり。エロが書きたかった。スレ燃料になればいいなと思って投下したが今では反省している。
だが後悔は(ry

187:名無しさん@ピンキー
07/02/01 01:23:55 sGeRo5Ug
GJ!
抜いてくる

188:名無しさん@ピンキー
07/02/01 01:36:47 EY8eLhJG
GJ
この燃料だけでスレは10年戦える!

189:名無しさん@ピンキー
07/02/01 08:42:45 VR/zB/52
>意識が薄れ、しがみついた○○と一緒に横になった。



190:名無しさん@ピンキー
07/02/01 08:57:18 DRY/ewWG
orz

名前決める前にとりあえず全部○○で書いてたんだよ…スマン(´・ω・)

191:名無しさん@ピンキー
07/02/01 09:13:24 UIdv4vk6
test

192:名無しさん@ピンキー
07/02/01 09:29:04 dyL5NOhg
そんなのは些細な事だ!
声を大にしてGJ!

193:名無しさん@ピンキー
07/02/01 12:36:01 lXOqHPgu
GJ!強気無口もいいものだ…

194:神崎さん
07/02/02 00:03:00 dcD71pfG
とりあえず書いてみました。

「はぁ・・・、こりゃまだしばらくかかるな。」
「・・・・・・・。」
「神崎さん、そっちはどんな感じ?」
「・・・・・・・。」
俺たちはほとんどの教師が帰ってしまった校舎で、いつ終わるとも分からない「保健便り」の製作に勤しんでいた。
「そもそも俺は保健委員って柄じゃないってのに・・・よりによって何で委員長なんだよ・・・。」
文句を言ってる俺に構うことなく、向い合って座っている女の子「神崎ゆい」は黙々と作業を続けていた。

俺と神埼さんは高校生活2年間、どういう訳かずっと保健委員だった。
俺の場合は別に立候補したという事ではなく、いつもジャンケンで負けて残っていた保健委員になってしまってたのだった。
神崎さんはどうなのかは知らなかった。
普段からほとんど誰かと話すことをしないから、保健委員を押し付けられてしまったのかもしれない。
結局、保健委員を2年間続けていたせいで担当の先生にしっかり顔を憶えられ、俺と神崎さんは委員長と副委員長に半ば強制的
に任命された。
神崎さんは最初から無口で、必要が無いことはほとんど口にしないが仕事はきっちりこなすし、勉強もよく出来る真面目な女の子だ。

195:神崎さん
07/02/02 00:03:37 dcD71pfG
時計は夜8時を指していた。
「ねぇ、お腹空かない? これ終わったら何か食いに行こうよ。」
俺は友達同士が交わす特にこれといって深い意味の無い提案をした。
しかし神崎さんはメガネの向こうの目を真ん丸くして驚いているようだった。
「わっ・・・わたし・・・と?」
神崎さんはたどたどしく聞き返してきた。
確かに2年間一緒に保健委員をやってきたが、ほとんど私的な事を話したことが無かったから驚くのも無理ないかもしれない。
「あっ、別に嫌なら良いんだ。 ごめん、変なこと言って・・・。」
「・・・・・・・・・・ううん、行く。」
予想外の返事に俺が驚かされた。
神崎さんは小さな声でだが、間違いなく「行く」と返事をした。
「えっ?あっ・・・そう!? じゃあ、あっ、でも金無いからラーメンとかで良い?」
今度は俺がたどたどしく提案した。
「・・・・・・・・。」
神崎さんの返事は無かった。

196:神崎さん
07/02/02 00:04:23 dcD71pfG
と、その時俺の左の人差し指に鋭い痛みが走った。
見れば、たいして傷は深くないが、新聞の切り抜きに使っていたカッターの刃が指先から指真ん中にかけて切り裂いていた。
それを見た神崎さんは無言のまま俺の手を掴んで、凄い勢いで保健室に連れて行った。
途中職員室の前を通ったら、明かりは消えていた。
保健室の鍵は開いていて、神崎さんは俺を椅子に座らせると手際よく手当ての準備をしている。
俺はその間、普段では想像できない積極的な神崎さんに呆気に取られて、一言も口にできなかった。
そんな俺を前に神崎さんは絆創膏と包帯を手に困った顔をしていた。
察するにどうやら消毒薬が無いようである。
俺が「舐めとけば治るよ。」と言い終わらないうちに、神崎さんは俺の人差し指を舐めていた。
今まで特に意識していなかったが、改めて顔を見ると結構神崎さんは可愛いかった。
俺の視線に気が付いたのか、恥ずかしそうに口を離し手当てをし、俯いてしまった。

197:神崎さん
07/02/02 00:05:24 dcD71pfG
傷口は傷んだが、綺麗に手当されていた。
しかし俺はそれどころではなかった。
女の子にこんな事をしてもらったことは無かったし、今更だが神崎さんは可愛いのだ。
その女の子が・・・・・・・。
頭の中が混乱していた。
気が付けば神崎さんを保健室のベッドに押し倒していた。
メガネは床に落ちていた。
俺は我に返り、咄嗟に起き上がろうとしたが緊張してしまい体が動かなかった。
その時神崎さんと目が合った。
神崎さんは抵抗するでもなく、ただひたすら俺の目を見ていた。
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
気まずい沈黙が訪れた。
しばらくして神崎さんが口を開いた。
「・・・あなたが望むなら・・・良いよ・・・・・・・・・・・・・・・。」
俺は無我夢中で神崎さんに覆いかぶさった。

198:神崎さん
07/02/02 00:05:58 dcD71pfG
「ごめん・・・俺、初めてだから・・・・。」
神崎さんは慣れない手つきで、でも優しく俺を導いてくれた。
そこはもう濡れそぼっている。
「あの神崎さんも・・・・。」
察したのか、ただコクリと頷いた。
俺は申し訳ない気分になったのと同時に、とても愛おしく感じた。
「出来るだけ、優しくするから・・・・。」
「・・・・・・うん。」
俺は彼女に宛がうと先端に当たるモノを感じた。
「これが・・・・じゃあ・・・いくよ。」
神崎さんはじっと俺の目を見つめていた。
侵入を開始すると苦しそうに息を荒げていた。
中はとても熱く、そして狭かった。
「大丈夫? もし辛いなら・・・・・。」
「・・・あっ・・くぅっ・・・大丈夫っ・・・・だから・・んくっ!」
大丈夫とは言うものの、歯を食いしばって痛みに耐えている。
俺は負担をかけないようになるべくゆっくり動いた。
「ふぅ・・・あっ・・・ふぅ・・んっ・・・んんっ・・・ああっん!」
しばらくすると段々と痛みに慣れてきたのか、神崎さんの口から甘い鳴き声が聞こえてきた。
しかしその頃には俺の限界はもうそこまで迫っていた。
「はぁはぁ・・・・ごめん、もう俺・・・・くっ。」
神崎さんは何も言わず俺の背に脚を巻きつけてきた。
「えっ?・・・ごめん、くあっ・・・・射精る!!」
俺は神崎さんの中に放っていた。
「・・・・・あっ・・・・来てる・・・んんっ・・・・温かい・・・・。」
神崎さんはそう呟くと、静かにまぶたを閉じた。

199:神崎さん
07/02/02 00:07:08 dcD71pfG
時計はすでに10時近くを指していた。
時間も時間なので結局ラーメン屋には行かず、自宅で済ませることにした。
「俺は大丈夫だけど・・・神崎さんのご両親、心配してない?」と尋ねると、
「・・・・・・・わたし、アパートで・・・・一人・・・暮らしだから。」と教えてくれた。
俺はアパートまで送って行く事にした。
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
俺たちはそれっきりアパートに着くまで終始無言だった。
15分くらいだろうか? アパートの前まで来た。
「・・・・・・それじゃあ。」
神崎さんはそう言うと背を向けた。
「ま、待ってくれ! 神崎さん!順番無茶苦茶だけど、俺と付き合って欲しい!」
生まれて初めての告白に、心臓は物凄い勢いでバクバクと音をたてていた。
長い沈黙の後、神崎さんは口を開いた。
「・・・・・・わたしのお願い、聞いてくれる・・・・・・?」
「でっ、出来ることなら!」
「・・・・二人の時は・・・ゆいって、名前で呼んでほしい・・・。」
「えっ? あぁ解った、その・・・・ゆい。」
「・・・・うん・・・・それと・・・キス・・・・してほしいな・・・・・。」
「!?」
思い返せば、一度もキスをしてなかった。
俺はゆいを抱きしめると、彼女の唇に触れるように優しくキスをした。
「・・・・・・えへっ、これから・・・・よろしくね。」
ゆいは唇に手をあて、今まで誰も見たことがないであろうとびきりの笑顔を見せて、アパートの中に消えていった。

                                                終わり


・・・・初めてでしたが書きました。
拙い出来ですが、読んでくださった方々ありがとうございます。
読み返してみると全くエロくないですね・・・。

200:名無しさん@ピンキー
07/02/02 00:19:10 e1IK5xFy
リアルに保健委員委員長をやっていたがこんなかわいい女の子はいなかったぜチクショーGJ!

201:名無しさん@ピンキー
07/02/02 00:34:10 ErB+FRoO
スレに書き手さんが…!
GJ!!!

202:名無しさん@ピンキー
07/02/02 01:01:17 SmJx47HH
無口スレながら、このところ神々の筆が雄弁で嬉しい限りだと思います。

203:名無しさん@ピンキー
07/02/02 09:00:53 pAWhBJT/
ちょっと描写がすっ飛ばしがちな感じだが、
堪能させてもらいますた!

204:名無しさん@ピンキー
07/02/02 10:16:23 DTGHRc2r
ギャルゲぽくて良い!

205:名無しさん@ピンキー
07/02/02 18:06:27 0qSvXzlC
小学校、中学校、高校と「図書委員」をやってきたが
こんなにも「保健委員」に憧れたことはない。

206:名無しさん@ピンキー
07/02/03 20:03:50 VkEIrGkv
Hの時、無口ながらも体は情熱的で大胆な無口っ娘がいてもいいじゃない

                     マスオ

207:名無しさん@ピンキー
07/02/05 09:40:29 HZ3GPqxc
>>206
まことに残念ですがおまえの嫁は・・・

208:名無しさん@ピンキー
07/02/05 21:06:10 TGT9IzQt
>>206それはつまり

「ハァ…ハァ…イッたか?」
「…っ…(コクコク)」
「じゃ、じゃあもう満足だな?」
「…(フルフル)」
「け、けど、もう疲れて…」
「………(ぶすぅ)」
「ちょ、そ、そんな顔したって…」
「(ぎゅ)」
「……あと一回だけだぞ?」
「~♪」

ってことか?

209:名無しさん@ピンキー
07/02/05 21:20:43 tLkbbEJG
>>208 不覚にも萌えた

210:名無しさん@ピンキー
07/02/05 21:56:54 GyOnFCVq
おっきした

211:名無しさん@ピンキー
07/02/05 22:36:05 PLA0sAae
>>208
すばらしい

212:名無しさん@ピンキー
07/02/05 23:04:15 pbxaNiYL
良いじゃないですか!

213:名無しさん@ピンキー
07/02/06 19:38:56 uuNBcBKw
恥ずかしがりやで、モジモジして口数少ないのはアリ?

214:名無しさん@ピンキー
07/02/06 20:28:56 zvo8gXIS
カモン!

215:名無しさん@ピンキー
07/02/07 03:27:38 14+Dlj/U
>>213
投下して下さい。

216:名無しさん@ピンキー
07/02/07 09:34:09 AKSQAYOr
(´・ω・`)ショボーン
まだかにゃ~

217:213
07/02/07 09:45:51 78shaPbR
すまん、エロに到達するか怪しくなってきた・・・。

218:名無しさん@ピンキー
07/02/07 16:40:10 Hr9yJbjM
大丈夫だ。いざとなったら妄想力で自給自足するから。
なぁ、俺達?

219:名無しさん@ピンキー
07/02/07 18:16:12 RC8L/0zl
呼んだか?>俺

220:213
07/02/07 20:39:01 78shaPbR
すまない戦友。
もう少し頑張ってみる。

221:名無しさん@ピンキー
07/02/07 22:28:15 j7tspCcn
ガンガレ

222:名無しさん@ピンキー
07/02/08 14:53:09 7lv4jQgq
無口な子をレイプ、誰にも話すことがないだろうからそのまま性奴隷に…

223:213
07/02/08 14:56:06 RhA27JPP
どーも遅くなりまして。
思ってたより長くなりそうです、すいません。

「あ、あのさぁ、明日天気崩れてくるみたいだけど・・・・・どうする?」
すでに日も落ち、暗くなったバイト帰り、俺「宇垣真示」は隣を歩く彼女「三橋沙耶」に尋ねた。
「・・・・・・・・・・・大丈夫・・・行く。(/////)」
沙耶は俺の手をギュッと握ってそう言うと、恥ずかしそうに俯いてしまった。
「んっ、そうか。 まぁ水族館だから天気は関係無いよね。」
内心、沙耶の仕草にドキドキしながらも、平静を装い俺は答えた。

沙耶と付き合いだして一ヶ月くらいになる。そして今回は3回目のデートだ。
告白したのは俺からだった。
初めて会ったのは俺のバイトしている小さな喫茶店だ。
沙耶は喫茶店の常連さんで、4時頃に来ていつもカウンターの右端でジュースを飲んでいた。
その時間は大抵他に客も居なく、マスターは俺に店を任せてくれていたので、俺と沙耶の二人だけのことが多かった。
最初は話しかけても、店員と客という立場もあってなかなか親しく話せなかったが、それでも回数を重ねるうちにだんだんと心を開いてくれるようになった。
沙耶は話すことが得意ではないらしく、自分から話を振ることは滅多にない。
いつも俺が話題を提供して、それに沙耶が答えるという形だ。
答えると言っても「・・・・・・うん。」とか「・・・・・・・そうだね。」と、あまり積極的な答え方はしない。





224:213
07/02/08 14:57:04 RhA27JPP
それでも楽しそうに俺の話を聞いていてくれた。俺はそんな沙耶が好きになっていた。
店に二人だけのある日、俺は決心して沙耶に告白した。
「あの・・・・俺と付き合って欲しい!!」
生まれて初めての告白だった。下げた頭を上げるのが怖かった。
俺は19、さやは17だった。他に好きな人が居るかもしれない、断られたらこれからどうしよう。そんな事が頭の中でグルグルしていた。
そんな不安を沙耶はいっきに吹き飛ばしてくれた。
「・・・あっ、あの・・・・そのっ・・・こんな・・・つまらない・・・わたしで・・・良いの?」
頭を上げてみると、沙耶は顔を真っ赤に染め、俯きながらモジモジしていた。
「そっ、それは・・・・OKってこと・・・?」
俺は聞き返してしまった。
「・・・・・・・・・・・うん。」
沙耶は俯いたまま、コクンと小さく頷いた。
それからの事はよく憶えていない。
ただ沙耶が恥ずかしそうに、でも優しく微笑んでいたのははっきりと目に焼きついている。


225:213
07/02/08 15:20:17 RhA27JPP
俺たちの関係を察してくれたのか、今回のデートはマスターがセッティングしてくれた。 で、マスターがくれたのが水族館のペアチケットというわけだ。
「じゃあ俺は家こっちだから。 明日、駅前・・・10時半ね。」
いつの間にか、家も近くまで来ていた。
「・・・・・・うん、真ちゃん・・・また明日ね・・・。」
沙耶はずっと握り締めていた俺の手を惜しそうにほどくと、もう真っ暗な夜道に吸い込まれるように消えていった。

朝、空はどんよりとした雲に覆われていた。いつ降りだしてもおかしくない空模様だ。
俺はお気に入りのドイツ軍のフィールドパーカーに袖を通すと駅へと急いだ。
駅に着くと、そこにはすでにオドオドとしながら辺りを見回す沙耶の姿があった。
「ごめん、結構待った?」
沙耶は無言でフルフルと首を振った。
俺たちは早速電車に乗った。だいたい1時間くらいだ。
電車の中、俺たちはこれといった特別な話はしなかったが、沙耶は終始ニコニコしていた。
今日は土曜日ということもあってか、水族館はカップルや家族連れの人たちでいっぱいだった。


226:213
07/02/08 15:32:24 RhA27JPP
「・・・・・・・・ねぇ真ちゃん、わたしたちって・・・・どんなふうに・・・・見えるのかな?(/////)」
沙耶はモジモジしながら珍しく自分から口を開いた。どうやら周りを見て気になったのだろう。
俺はちょっとイジワルしたくなった。
「う~ん、そうだなぁ・・・年の離れた兄妹・・・かな?」
「あっ・・・・そう・・・だよね・・・。」
途端に沙耶はしゅんとしてしまった。 それを見た俺は「しまった!」と思いつつ慌ててフォローした。
「う、うそうそ!冗談だよ、こんな可愛い彼女連れてるのに・・・・・。」
「・・・・・・・・ホン・・・ト?」
不安げに俺の瞳をみつめていた。
「あぁ、もちろんさ! 変なこと言ってごめんね。」
それを聞くと、多少安心したのか俺の手をギュッと握ってきた。


227:213
07/02/08 16:33:03 RhA27JPP
しかし実際のところ、沙耶は本当に年の離れた妹みたいな感じだった。
精神的にも脆く、決して社交的ではなく幼い感じだ。背だって俺が182cmに対して、沙耶は140cmちょいくらいしかない。おまけに胸もないし、尻もない。
言ってしまえば、完全に幼児体型だ。大学の友人に沙耶の写真を見せたところ、「オマエってロリコンの気があったんだな。」なんて言われた。
俺は体型のことなんか大して気にしてないが、沙耶はそのことにコンプレックスがあるらしい。

沙耶は熱帯魚の水槽に釘付けになっていた。 今までいくつか回ってきたが、熱帯魚の水槽が一番のお気に入りのようだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「沙耶はどの熱帯魚が好き?」
「・・・・・・・・・・・・・・あのお魚。」
沙耶は一点を指差した。
「ネオンテトラかい?」
「・・・・・違う、その下にいるの。」
「ん?・・・・・・・・コリ・・・ドラス?」
沙耶は満足そうにコクリと頷いた。
そいつは赤や青の華やかな水槽の中で、えらく地味なヤツだった。水槽に沈んでいる流木の陰で何やらチョコチョコ動いている。 確かに可愛くはあるのだが・・・。
「なんだか・・・」とそこで言うのをやめた。 もし「沙耶みたいだ。」と続けていたら、また傷つきそうな気がしたからだ。
沙耶はそんな俺を不思議そうに見上げていた。


228:213
07/02/08 16:34:21 RhA27JPP
俺たちは昼食を水族館の中で適当に済ませ、近くの店なんかを見て回った。時計は6時を指し、そろそろ帰ろうかという時、雨がシトシトと降ってきた。
「・・・・どうしよう・・・傘持ってない・・・・。」
沙耶は短めのトレンチコートにスカートで、どうやってもビショビショになってしまう格好だった。
「ほら。」
俺は沙耶にお気に入りのフィールドパーカーをかぶせてやった。
「え?・・・・でも・・・・。」
何か言おうとしている沙耶の手を引っ張り、俺は駅まで走った。
当然俺は駅に着くまでにずぶ濡れになっていた。

「ふぅ・・・こっちは大丈夫みたいだな。」
地元は雨がすでに上がっていた。
時計を見る。もう7時を過ぎていた。普段なら沙耶はとっくに家に帰っている時間だ。
「結構遅くなっちゃったね。 家の人心配してない?」
俺はさすがに心配になって尋ねた。
「・・・・・・大丈夫・・・き、今日・・・女の子の友達の・・・お家に泊まるって・・・言ってきた・・・・。(/////)」
「・・・!?」
それは俺のアパートに泊まるってことだ。要するにそれは・・・・・・。
「いいのか?」
沙耶は返事をする代わりに、目を静かに閉じて俺のほうに顔を向けた。
俺は少し屈むようにして、沙耶にキスをした。思えばこれが最初のキスだった。
「俺のアパートここだから・・・。」
沙耶はだまって俺の後を付いて来た。カンカンと階段を上る音だけが響いている。
俺は部屋に案内した。決して広くはないが、狭くもない。幸い部屋は一昨日かたずけたので綺麗だった。


229:213
07/02/08 16:48:59 RhA27JPP
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(/////)」
沙耶は緊張しているのか、一言も口にしない。 しかしそれは俺も一緒だった。
「・・・・先・・・・いいよ。」
そう言うので精一杯だった。沙耶はなにをするべきか理解しているのだろう。なにも言わずに風呂場へと消えていった。シャワーの音だけが聞こえる。俺の心臓はバクバクと激しく鼓動していた。とりあえず準備だけはしておいた。
そうしているうちに沙耶が出てきた。ほんのりと桜色に染まっていた。
俺は目を合わすことも出来ずに風呂場へ向かった。不安でため息ばかりが出る。
はたして満足してもらえるだろうか、うまくやれるだろうか。不安で不安で仕方ない。
結局不安を拭い去ることを出来ずに、部屋へと戻った。
部屋は豆電球だけが灯っていた。ぼんやりとした明かりの中、沙耶はベッドで待っていた。俺はベッドに腰掛けた。すると沙耶は何も言わずオズオズと俺に寄り添ってきた。すでに沙耶は生まれたままの姿だった。


230:213
07/02/08 17:14:37 RhA27JPP
「その・・・俺初めてだから・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わっ、わたしも・・・。」
俺はそっとキスをした。と同時にほとんど膨らみのない胸に手を伸ばした。沙耶の胸は簡単に手の中に納まってしまった。途端に沙耶は申し訳なさそうにつぶやいた。
「んっ・・・ゴッ、ゴメンね真ちゃん・・・・あっ、わたし・・・・その・・・おっぱい・・・小さいから・・・・。」
「気にすることないよ、沙耶・・・・可愛いよ・・・。」
俺はそう言うと、今度は下の方に手を伸ばした。
「んんっ!」
沙耶は小さく呻いた。そこはもう濡れていた。俺は優しくそこをなぞった。
「くぅぅぅっ・・・・し、真ちゃっ・・・・ひうぅぅっ!?」
沙耶からはピチャピチャと湿り気をおびた音がするようになってきた。そろそろ大丈夫だろうと、俺はゴムの箱を手にしようとした。


231:213
07/02/08 17:34:48 RhA27JPP
「あっ、あのね・・・真ちゃん・・・・初めては・・・・・その・・・そのままがいいの・・・・。」
「えっ? いや、でも・・・・。」
沙耶の要望に俺は少し驚いた。
「きょ・・・今日は大丈夫な日だから・・・・。」
「・・・・・・・・・わかった。」
俺はしっとりと濡れた沙耶に宛がった。
「無理はするなよ。・・・・もし辛かったらちゃんと言ってくれ・・・。」
沙耶はコクリと頷くと、ぎゅっと目を閉じた。
俺は優しくキスをすると、正面から抱きかかえるように沙耶の中に侵入を開始した。
沙耶は苦しそうに歯を食いしばり、「フーッフーッ」と息を荒げていた。
そのうちミチミチと音をたて中から赤い血が流れてきた。
「沙耶・・・・・大丈夫か?」
沙耶はそっと目を開け、繋がっているところを目にした。
俺はもう一度聞きなおした。
「・・・・・・・うん、少し痛いけど・・・・んっ、大丈夫・・・。」
沙耶は健気にも目に涙を浮かべながらも、微笑んでみせた。
「んくっ・・・動いても・・・大丈夫だよ・・・・・・。」
「でもっ・・・・。」
「へっ、平気だ・・・から・・・・・・ねっ?」
「わかったよ。でも本当に苦しかったら言うんだぞ。」


232:213
07/02/08 17:35:25 RhA27JPP
沙耶は返事代わりに「チュッ」とキスをしてきた。 俺はストロークを開始した。結合部からはクチュクチュと湿った音が響いている。それもだんだんと、その音は激しさを増していった。
「んんんっ・・・・・あっ・・・ひぅっ・・・ねっ、真ちゃん・・・?・・・・ぐぅっ!!」
沙耶は不安げな顔で俺をみつめている。
「はぁっはぁっ・・・・気持ち・・・いいよっ・・・・んっ・・・。」
それを聞くと沙耶は安心したのか、抱きついてきた。 部屋中に吐息と、湿った音がこだましているように感じてきた。
「んんっ・・・・すっ・・・・すまない沙耶・・・・・・もうっ・・・!」
俺は限界が近づいていた。初めてにしてはかなり持っているほうだろう。
「うんっ、うんっ・・・なぁっ・・いいよ・・・・きて・・・し、真ちゃん!」
俺は沙耶を抱きしめると、沙耶の中に解き放った。
「くぅ・・・ああっ・・・来てるよ・・・・真ちゃぁん・・・・んっ・・・・あったかぁい・・・。」
沙耶はそうつぶやくと、ぐったりとしてしまった。俺は沙耶から引き抜いた。すると血と俺の出したモノがドロッと溢れてきた。


233:213
07/02/08 17:36:13 RhA27JPP
「えへへっ・・・・とうとう真ちゃんと・・H・・しちゃった・・・・。」
沙耶は微笑みながら横になった。
「野暮なこと聞いて悪いとは思うんだけどさ、その・・・・・ホントに俺で・・・・。」
沙耶の返事はない。気づくと沙耶は安心しきった顔で「スースー」と静かに寝息をたてていた。俺は沙耶の顔を優しく撫でた。そして俺も横になった。

「・・・・・・おやすみ、沙耶・・・・・。」


234:213
07/02/08 17:40:27 RhA27JPP

以上です。
いかがだったでしょうか?
気が付けばとんでもない長さになってしまいました。
しかも無口かどうかも怪しい・・・・。
反省点は他にも多々ありますが、一応形にできたのでとりあえずは満足です。
読んでくださった皆様、ありがとうございました。

235:名無しさん@ピンキー
07/02/08 17:43:06 lb51J64r
GJ
ニヤニヤしながら見てた
次回作も楽しみ

236:名無しさん@ピンキー
07/02/08 19:18:27 qHaPiJDb
スラッシュは勘弁して欲しい

237:名無しさん@ピンキー
07/02/08 21:50:57 gilIV+o2
超王道無口GJ!
ただあえて言うなら・・・ではなく…のほうが読みやすいかも。
内容に関しては文句の付けようがなかったぜ!

238:名無しさん@ピンキー
07/02/08 23:16:52 Xo6d/ulF
GJ
無口成分がちょっと足りないような?
とりあえずお疲れさまです

239:名無しさん@ピンキー
07/02/09 07:47:34 1XuwJ+nY
あと>>236とかぶるが、やはり(////)とかやるのは読み辛くなるる
しかも楽だから書き手もそれに依存して恥ずかしがる描写の全てを(////)で表現するようになっちゃうから出来るだけ使わない方が良いと思う
それ以外の部分は特に違和感感じなかったからGJとだけ言わせてもらう
長文スマソ

240:名無しさん@ピンキー
07/02/09 10:32:36 tFGvQY7z
そだねー。
上でも言われてるけど、無口が少なめなのと
スラッシュが気になる以外はだいまんぞくー

GJっすよGJ

241:書く人
07/02/09 12:35:29 mlTu8w5B
>>213GJ
それはそうと、散々既出だけど(///)は対談系完全無口でもない限り使わないほうがいいと思う。
つまり

「お前も飴、欲しいか?」
「…(こくこく)」
「じゃあ、やる」
「…(あーん)」
「…ってありゃ?もうねえや」
「!……(しょぼーん)」
「…しゃあねえな。ほれ」
「?…っ!?」
 ちゅっ、くちゅ…
「ほらよ。舐めかけだけどな」
「…(///)」
「なんだよ…イヤなら返せよ」
「(ふるふる)」


 見たいな感じで、どうしてもカッコ内で表現しなくてはならないときに使うにとどめておくべき。

242:213
07/02/10 00:37:24 oqwbMf1C
皆様、ご指摘ありがとうございます。
ここで書いたのはまだ2回目だったので、いろいろと勉強不足でした。
また書く機会があった時は参考にして、満足してもらえるものを書きたいと思います。

243:名無しさん@ピンキー
07/02/10 10:07:23 S1NEHnNH
>>242
がんばれ
またエロいのかいてくれ

244:名無しさん@ピンキー
07/02/10 22:05:29 agPS3HIO
次回作に期待、GJ

245:名無しさん@ピンキー
07/02/10 22:16:06 tCcLQ/L6
謙虚な態度がまたGJ!
いずれ神になってくれることを祈ってます。

246:名無しさん@ピンキー
07/02/12 13:17:03 72J3F7QQ
ほしゅ

247:名無しさん@ピンキー
07/02/12 22:34:33 bXbS+TPJ
無口な少女、投下してもいいですか?


248:名無しさん@ピンキー
07/02/12 22:41:21 TLWQiQFs
カマーン!

249:名無しさん@ピンキー
07/02/12 22:47:47 bXbS+TPJ
では、後少しで書き終わるので書き終わり次第投下させてください。

よろしくです。

250:名無しさん@ピンキー
07/02/12 22:48:34 mriezp54
>>249
新作を楽しみにしています!

251:名無しさん@ピンキー
07/02/12 23:58:12 72J3F7QQ
ほsy…wktkwktk!

252:名無しさん@ピンキー
07/02/13 01:09:27 erLc+JYi
どんとこーい

253:247
07/02/13 04:24:19 UAoYJNEe
推敲していたら遅くなりました。では、投下します。


【妹が無口な訳】


 美代(みよ)が初めて俺の家に来た時、とっても奇妙な感じがした。母親が他界して5年目の夏の事、
親父が突然再婚するという話を持ってきた。子供だった俺には母親が新たにできるという感覚は無くて、
知らない人が突然押しかけてきて同居するって気分だった。

 だから、美代を義妹として迎える事が出来なくて、その時俺はずっと不機嫌な顔をしていた。

【……】

 真っ赤な顔をして、美代は小さくお辞儀をした。その美代を俺は睨み返してしまった。美代は直ぐに
母親の後ろに隠れてしまったけど、睨むほど嫌だったんじゃない。ただ単に恥ずかしかっただけだと思う。
天然のウエーブが掛かった肩位までの髪に、くりくりとした目。口数が少なくて、目立たない子というのが
美代の第一印象だった。
 俺は子供の時に母親が死んでから、ずっと父親に育てられていた。だから、女の子にどう接したらいいか
なんて、その時は全く分からなかった。だからとても怖くて、どきどきしていた。

 でも、差し出された小さな手を握り返した時、そんな気持ちがすっと引いていったような気がした。
それは、握った美代の小さな手も震えていたからだ。妹になるこの子も怖いんだ。そう思った時、不思議と
怖いという気分が消え、守ってあげたいという気持ちが芽生えていた。


 そして今10年の月日が流れ、俺は高校をもう直ぐ卒業する。東京の大学を受験する予定の俺は、この春
この家を出て下宿をする予定だ。美代はまだ高校2年で高校生活をエンジョイしている……と、思う。
何故、俺がここで希望的観測なモノの言い方をするかというと、美代の性格がちょっと心配だったからだ。

(トン、トン)

 『Miyo』というネームプレートの掛かった扉をノックする。暫くすると扉がゆっくりと開いて、美代が
眠たそうな眼を擦りながら部屋から出てきた。
「おい、もう遅刻するぞ。そろそろ起きようぜ」
「……」
「今日は2月14日だろ。そんなのんびりしていていいのか?用意とかあるんじゃないか?」
「……ない」
 何だか不貞腐れている。いつもこんな調子だ。大体、2月14日といえば、女の子にとって見れば
一大イベントじゃないのか?製菓メーカーの陰謀に乗って、ワイワイと盛り上がるのが普通の女子高生だろうに。

「お前なぁ。そこそこ可愛い顔しているんだから、期待している男子も多いと思うぞ。義理チョコでも
やって、ちょっと愛想を振りまけばボーイフレンドの1ダースも直ぐにできるだろうに」
「……」
 じっと黙って俺を見つめる。この10年で兄の俺が言うのも何だが、美代は可愛く成長した。セミロングの
髪がふわっと腰に掛かり、切れ長の目に長いまつげ。すっと鼻筋が通り、微笑むと日本人形のような清楚な
感じのする少女になった。
「もしかして、義理チョコも無しか?」
「……ん、」
 ところが誤算はこの性格だ。口数が極端に少ない。しかも、男に興味がない。中学の頃から俺が知っている
だけで美代は20人には告白されているはずだ。その度にこの義妹は決まってこの言葉を口にする。

254:247
07/02/13 04:24:52 UAoYJNEe
【困ります……】

 俺からすれば、なんて高飛車な受け答えだと思うのだが、世の中の男供にとって見ればこれがまたいいらしい。
美人でクリーンで清楚。しかも、勉強も学年の常に上位クラス。高嶺の華という奴なんだろうが、俺からして
見れば、今パジャマで寝ぼけ眼(まなこ)の妹が高嶺の華にはどう見ても見えないぞ。
「とにかく、直ぐ着替えて直ぐ来いよ……ってお、おいっ!」
 美代がその場でパジャマのボタンを外し始めやがった。慌てて振り向いて視線を逸らす。
「馬鹿、俺以外の奴の前でそんな恥ずかしい事、絶対やるなよ。美人のイメージが崩れ落ちるぞ。正体、ばれるぞ」
「いい」
「俺が困るだろ。美人の妹が俺の唯一の自慢なんだ。この俺がここまで守ってきたって触れ込みなんだから。
正体ばれたら彼氏になる奴が俺くらいしかいなくなるぞ。いいか、わかったな」
「…………うん」
 俺と美代はこんな日常を繰り返していた。学校で完璧なはずの妹が何故か俺の前ではとてもだらしが無い。
小学校の時は犬に襲われそうになっても逃げないし、中学校の時は変なナンパ野郎に連れて行かれそうになっても
ぼうっとして逃げない。その度に俺は美代を助ける役目をしてきて、損ばかり被って来た。全く、しょうがない
義妹だよ。

 やれやれという気持ちで母親が作ってくれた朝ごはんを食べようと階段を降りようとする。すると、美代が
俺の肩をぽんと叩く。何だ?と思って振り向くと、美代が俯いて手に包みを持っていた。
「はい」
 手渡されたピンクの包み。可愛い包装紙に赤いリボンが掛かっている。
「何だ……義理チョコ、無いって言っていたのにあるんじゃないか。サンキュー。誰からも貰えないと寂しいと
思っていたんだ」
 俺は制服のポケットにそれを仕舞いこむと、上機嫌で階段を降りた。
「……義理はないよ」
 僅かに揺れる髪。俺はそれを聞いてはいなかった。


 高校3年の2月にもなると、学校での授業というのは殆ど無い。出席を取って終業というのが普通になる。
受験勉強も追い込みの時期に来ており、教室の中もかなり切羽詰った雰囲気になっている場合が多い。
「勉強をする前に、糖分の補給でもしておくか」
 脳の活性化には糖分がいいという豆知識を知っていた俺は、今朝美代からもらった包みをポケットから取り出した。
小さな包みを無造作に開けると、中には可愛いチョコとメッセージカードが入っていた。
「あれ、何だこれ?」
 小さな箱には4つ折にしたメッセージカードが入っていた。そのメッセージカードを俺は何気なく読んでみる。

≪兄さん。今日、どうしても渡したいものがあります。受け取っていただけるのなら、私が帰って30分したら
部屋に取りに来てください。 美代≫

「何でこんな2度手間な事をするんだ?チョコ渡したのにわざわざ時間指定までして……ははぁ、分かった。
請求書だろ。それも3倍返しの。欲しいものがあったから、義理チョコ渡しておねだりか。30分後というのは、
買出しに行くんで私服にでも着替えるんだろ。まぁ、見え透いた手だが、今日は気分がいいし乗ってやるか」
 俺はそのメモをポケットに仕舞った。

 やがて、美代が帰ってきたらしく、トントンと小気味のいい階段の足音が聞こえた。俺は30分という時間を
正確に待って、美代の部屋を訪ねる。



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