触手・怪物に犯されるSS 9匹目at EROPARO
触手・怪物に犯されるSS 9匹目 - 暇つぶし2ch250:名無しさん@ピンキー
06/09/18 13:12:13 5iR6k7vS
笑ってどうするw!

251:名無しさん@ピンキー
06/09/18 22:53:29 uaxeJwST
>>249
・・・・・・縛ってなくね?

252:132
06/09/20 13:51:36 TE5r2XQd
 投下致します。

 冒頭から【8】まで、下準備のためエロがありません。
(【4】に少しだけエロがあります)
 基本NGワードはタイトルで
 【再会】
 です。

 「『エロパロ』なのにエロが無いのは我慢出来ない」という方は、
 NGワードとして
 【再会】N
 を設定して下さい。

 「エロいシーンだけ読みたい」という方は、
 【再会】E
 だけお読み下さい。

 本日はエロシーン無し分を一気に投下させて頂たいと思います。

253:【再会】N
06/09/20 13:52:38 TE5r2XQd
■■「再会」~にくらしいあなたへ~■■

■■【1】■■
 彼女が、実は15年前に別れたきりの「乳姉弟」の「義姉」だと、現領主シ
グフィス=フォルモファラスが気付いたのは、彼が“仮母”適正のために彼女
の三代前まで遡る『血統書』を統合府から取り寄せたことによる。

 恥ずかしながら、彼はそれまで彼女が自分の「義姉」だとは、これっぽっち
も気付かなかった。
 そもそも、彼女は『フォルモファラス家』に、既に一年前ほど前から身を置
いていたのに…だ。
 地球統合府の「機関」から送られてきた“仮母”候補に、自分から強く望ん
で入った者がいた…とは聞いていたが、よもやそれが同じ乳で育ち、幼い自分
の面倒を見て可愛がってくれた義姉だとは、たとえ自分と同じ立場の者がいた
としても、普通は考えないに違いない。

 思えば、この『城』に来た時から何か言いたげだった彼女の態度が、目に見
えて硬化した事に気付いたのは、当時6人いた“仮母”候補に、それぞれシグ
フィスが「名前」を聞いてからだと記憶している。
 感情のわかりにくい人類の、しかも女性体ともなれば、『セグネット』族の
彼には、その心の内を窺い知るのは不可能と言っていい。
 ただ、彼女が告げた「ティファ=ローニィ」という名前に引っかかりを感じ
た以外、特に問う事も無かった自分に、全く非が無かった…というわけではな
いのだと、彼だとて今になってみれば思いもする。

 それ以来、彼女からは笑みが消え、彼女の「主人」たるシグフィスには、現
在に至るまで常に刺すような視線だけが向けられているのだ。
 かと思えば彼の死角(…と、彼女は思っているらしいが、哺乳類と違いシグ
フィス達『セグネット』の視界は、複眼の感知範囲を入れれば、ほぼ360度
をカバーするため、そもそも「死角」というものが存在しない)から、何か、
ひどく物言いたげ視線を向けてくるのだから、いくら鈍感なシグフィスとはい
え嫌でも気に留めてしまうというものだ。
 彼女を“仮母”の正式な候補にしたのは、それが原因…というわけでは決し
て無かったが、肉体面でも精神面でも、そして教養面でも思想面でも、さらに
は礼儀作法から『セグネット』の慣習の理解度に至るまで、適正としては全く
問題の無い3人の最終候補者から結果的に彼女を選んだその理由に、「より興
味をそそる存在だったから」という理由がカケラほども心に無かったと言えば、
嘘になるかもしれない。

254:【再会】N
06/09/20 13:53:46 TE5r2XQd
 そして“仮母”として確定し、彼女に意思確認をした後で取り寄せた、あく
まで形式的な血統書に、かつてシグフィスの“仮母”であり乳母だった「セラ
ン=ウィバ=ローニィ」の名が記されていた…というわけだ。

 シグフィスの種族『セグネット』と比べ、非常に“のっぺり”として凹凸の
少ない人類の顔は、彼らには咄嗟に判別しにくいし、逆に昔は凹凸(おうとつ)
が全く無かったのに今ではやたらと凸凹(デコボコ)した体のラインからは、
昔の…まだ幼かった頃の面影を想像するのは難しかった。
 体長が全体的に伸びたのは過ぎた年月を考えれば良しとしても、頭部の毛髪
が長く伸び、胸部の『乳房』(哺乳類型生物特有の、幼生体のための授乳器官
だ)が巨大に膨らんで『臀部』(交尾の際に行う摩擦運動で、互いの体の衝突
を和らげる緩衝材となる、脂肪層が厚く付いた腰の後部)が大きく張り出し、
それを更に顕著にするかのように腹(ウエスト)が絞り込まれていては、その
体型から、かつてとても幼かった義姉を想像しろという方が無理な話だろう。
 たとえ彼女…「ティファニア=リィド=ローニィ」が、地球人の尺度で言え
ば「眩しいくらいに美しい」としか言いようの無い女性だとしても、シグフィ
スには簡単には見分けはつかないのだ。

 『セグネット』族は、現在の地球に住む知的生命体の中でも、寿命が非常に
長い部類に入るだろう。
 だが、成体までの成長は、とても早い。
 人間の約2倍の速さで成長し、地球公転での5周期(5年)に1回の脱皮を
3回経ると、社会的責任を負い、権利を行使する立場としての自由を審議会よ
り与えられ、一族の間で「成人」と認められる。
 15周期(歳)は、人類ではまだまだ“子供”の域を出ないが、『セグネッ
ト』の母星の公転周期は地球の約半分のため、母星年齢では30齢となる。肉
体的にも生殖機能が十分に成熟して、晴れて交尾(子孫を残す権利)が許され
るのだ。

 そして、シグフィスは一年前に3回目の脱皮を終え、交尾可能な30齢となっ
ていた。

■■【2】■■
 『セグネット』が地球を「併合」し、既に600年が経とうとしている。

 知的生命体同士のいつ終えるともしれない「衝突」が終結して500年が過
ぎ、現在の地表は数十メートルを越える大樹で覆われ、緑は地球の陸地のほぼ
全域に広がっていた。

255:【再会】N
06/09/20 13:54:48 TE5r2XQd
 シグフィスが一年前にこの領地の統括を父より任されてから、彼の住む大樹
の『城』はずいぶん賑やかになったと思う。
 祖父の代より、フォルモファラス家は『セグネット』としては人間に寛大で
あり、他の土地では考えられないほどの権利を与え、街(コロニー)ごとの自
治統括さえさせてきた。もっとも、『セグネット』の統治区では、人間は『セ
グネット』に仕え、奉仕する事が最大の喜びとして教育されるため、反乱など
起きようはずも無いのだが。

【あれから一年…か】
 彼は、執務室のデスクの上にあるカップを前肢で持ち上げ、細長い副口吻で
中身を吸い上げて、その芳醇な香りと甘みを楽しみながら呟いてみた。惑星連
合の広域文化圏共通翻訳機は、そんな独り言さえも律儀に拾い上げて、金属を
こすり合わせるような音ではなく、第12銀河公用語に訳してくれる。
 『セグネット』の前肢に「指」と呼べるものは2本しか無い。だが、彼の腕
には執務用として、細かい作業が出来るように人のものと良く似たマニピュレ
ーターが装着されている。4本ある「指」の中に実際に指が入っているのは2
本だけだが、筋肉の動きで全て思い通りに動かす事が出来るため、人間が行え
ることは全く遜色無く行う事が出来た。必要なら、卵を割らずに持つことも、
小さく切ったゼリーを崩さずに摘み上げる…などという繊細(デリケート)な
作業さえ、苦も無く行えるのである。
 背後にある窓からは、母星のものと非常に良く似た恒星「太陽」の光が部屋
いっぱいに差し込んで来ていた。
 この、大樹の内部の空洞を利用して作られた『城』は、『セグネット』にとっ
てはとても快適だった。
 そして、領地の治安も経済状態も、今は申し分無い。
 だが…。
【義姉(ねえ)さん…】
 今、彼を悩ませているたった一つの悩みは、
 一向に彼に馴染まない義姉―ティファニアの存在だった。

 シグフィスが乳母の子宮で生まれ、この世に生を受けた時、義姉は6歳だっ
たと記憶している。
 それから2年間という短い間ではあったけれど、義姉は自分とは似ても似つ
かない『セグネット』のシグフィスを(最初の脱皮を経るまで、『セグネット』
の様態は地球で言う芋虫のような形をしている)、本当の弟のようにとても愛
してくれた。満足に動くことの出来ない「幼体」だった彼を、人間の赤ん坊の
ように扱い、蜜を飲ませ、遊んでくれたのだ。

256:【再会】N
06/09/20 13:55:29 TE5r2XQd
 急速に周囲の情報を取り込み、2ヶ月も経たないうちに翻訳機を介して意思
の疎通を行う事が出来るとはいえ、「人の形をしていないもの」をよくぞ愛し
てくれたものだと、彼は思う。
 そして彼も、義姉が大好きだった。
 種族は違えども、自分を愛してくれる者を憎めるほど、『シグネット』は非
情ではない。
 けれど、ある日突然、乳母のセランはこの『城』をティファニアと伴って出
て行った。
 最後の別れも何もなかった。
 人間の子供であれば、2歳の幼児の記憶などあっというまに風化し、忘れて
しまえただろう。
 だが、シグフィスは『セグネット』なのだ。
 高密度な記憶野には、ティファニアの姿や声が、まるで昨日の事のように記
憶されている。
 忘れられるわけもなかった。

 この屋敷に再び義姉がやってきたのは、シグフィスの3回目の脱皮の直後、
成人を迎え、審議会から「交尾」を許されて、隣の領地から『セグネット』の
雌体を「伴侶」として迎えることを半ば強制的に決定されてすぐのことだった。
 その時、義姉は地球年齢で21歳になっていた。
 あれから、地球時間で1年。
 義姉は今、22歳になっている。
 人間の女性体は美しく成熟して、人生で最も輝く時期だろう。
【おかしなものだな…】
 地球年齢で言えば、自分は義姉の6つ下の「弟」なのだ。
 けれど種族的な差異によって、肉体年齢は8つ年上の「弟」という事になる。

 年上の弟…。

 今更ながら、自分と義姉は全く違う種族なのだと思い知らされる。
「シグフィス様」
【なんだ?】
 ふと音も無く扉が開き、一人の女性が執務室に入ってきた。
 ノックは必要ない。
 この扉は、シグフィスに許された者しか開けられないように出来ているからだ。
 そして、今、この『城』の中でそれを許されているのは、唯一、彼のプライベ
ートの世話を任されている、一人の召使いだけだった。
「約束の御時間です」
【時間?】
 それは、蜂蜜を太陽に透かしたような、上等の樹液を糖蜜でキャンディにし
たような…美しい頭髪の女性だった。

257:【再会】N
06/09/20 13:56:33 TE5r2XQd
 その艶やかな頭髪はとても長く、左右の集音器官…耳の横の所でそれぞれ縛っ
て、はちきれんばかりに前方へと豊かに張り出した胸元に自然に垂らしている。
シグフィスの外羽と同じ色をした、濃い黒檀色の制服は、彼女の豊満な体を禁
欲的に包み込んでいるが、おそらく同族の人間の男が見れば、それすらもたま
らない興奮材料となるのだろう。ただ、服装は膝下20センチの長いフルレン
グススカートの黒いワンピースであり、真っ白なエプロンドレスと相まって、
全体の印象は決して映えるものではない。
 いやむしろ、一言で言えば「地味」だった。
 首元まで覆う襟と、深紅の宝石がはめられた金具で上品に留められたネクタ
イ、そして手首までキッチリと覆う袖は、肌を露出することを良しとしない召
使い(メイド)としては典型的な、昔の地球に存在した「英国」の、ヴィクト
リアンスタイルだ。
 袖は「パフスリーブ(ふくらんだ袖)」ではない。ヴィクトリアンスタイル
としては当時の流行の最先端だったその形状は、召使いには許されていないも
のだからだ。当然、頭にはカチューシャもヘアバンドもしていなかった。
 これらは、人類の民族学的服飾研究を趣味とするシグフィスの曽祖父が、わ
ざわざ100年以上前に再現させたものだったが、彼はそれについて特に何も
感慨は抱いていない。
 ただ彼女は、その地味な服装をしていながら、それを補って余りある美貌と
髪の美しさ、そして際立つスタイルの良さをしていた。
 しかしただ一点。
 一切の表情を消し、無感動、無関心を貼り付けた冷たい顔が、全てを台無し
にしている。
「サレディアナ様がお越しです」
【そうか…もうそんな時間か…】
 サレディアナとは、シグフィスの正式なフィアンセであり、「交尾」相手で
あり、そして“仮母”の子宮に産み付けられる卵の母親となる予定の、遠く隣
の領地から一年前に輿入れしてきた雌体の名前だ。
 内羽が虹色に輝き、胸から腹にかけて走っているオレンジ色の2本のライン
の発色とバランスは、この辺りでは随一の美しさだといえた。
 『セグネット』の雌は、輿入れするまで領地から決して外へと出ることは無
い。だが、輿入れを済ませた今、彼女はここから数キロ離れた大樹の離宮に住
んでいて、こうして定期的に訪れては暗に交尾を要求してくるのである。
 そしてそれは、一向にティファニアを“仮母”として起用しない、シグフィ
スへの牽制でもあった。
「それでは…」
【あ、ね…義姉(ねえ)さん…】

258:【再会】N
06/09/20 13:57:26 TE5r2XQd
 用だけ告げて、一礼し立ち去ろうとする召使いに、シグフィスは咄嗟に声を
かけた。
 そんな彼に抗議するかのように、顔を上げた義姉は、無言で彼を見つめる。

 …氷のような眼差しだった。

【………ファニー…】
「……」
【ティファニア】
「なんでしょう?シグフィス様」
 その声は、何の感情も込められていない、ただの音の震えだった。
 彼女が、「一向に彼に馴染まない」シグフィスの「義姉」だ。
 けれど彼女は、シグフィスが自分を「義姉さん」と呼ぶ事を許さない。
 子供の頃のように、親しく愛称で呼ぶ事も許さない。
 触れる事も許さず、何かの拍子に少し触れただけでも、まるで火傷でもした
かのように離れてしまう。
 そして、まるで汚らわしいものでも見るように見る。
 そのたびに、シグフィスの心は少しずつ傷付いていた。
【……いや、なんでもない。下がっていい】
「………」
 シグフィスは落胆し、義姉に背を向けた。けれど、頭部後方にある3つの小
さな複眼は、彼女の表情を捉えていた。
 だから、彼女の顔が一瞬だけ、何かを堪えるような、今にも泣き出してしま
いそうな顔に歪むのを、全て見ていた。

 全て、見ていた。

■■【3】■■
 ――彼女は私を憎んでいる。

 それを、この一年間というもの、シグフィスは毎日のように感じていた。
 そしてその理由を、シグフィスはわかり過ぎるくらい良く理解している。

 シグフィスの種族『セグネット』は、人間の体(胎)内で産まれ、人間の体
(胎)内で育つ。
 雌体が産んだ卵を雄体が体内の受精嚢で受精し、人間の女性の胎内(子宮)
に生み付けて着床させるのだ。
 そして、着床した卵膜内である程度成長した「幼体」は、体長が30センチ
程になると子宮内で孵化し、卵が着床した事で形成された「擬似胎盤」を“食
べ”て、膣道を通り外界へと出る。
 「擬似胎盤」には外界で生きるために必要な免疫抗体や、人工的に合成出来
ない必須栄養素がたっぷり含まれていて、だからこそ人工子宮などではなく、
今に至っても人間の子宮を使っているのだ。

259:【再会】N
06/09/20 13:58:16 TE5r2XQd
 また、“仮母”の擬似胎盤を最初の「食事」とするのは、祖先が哺乳類型生
物の体内に卵を産み付け、内部から“食って”育った名残りだとも言われてい
るが、『セグネット』自体は特に肉食というわけではない。
 「出産」により外界に触れた後は、『調整』により分泌を促された“仮母”
の母乳(血液から体内精製される、本来であれば人間の胎児の栄養液となるべ
き白濁した液体)と、卵の母である『セグネット』の雌体が角状管から分泌し
た栄養液の『混合蜜』によって育てられる。
 だから、ティファニアの母、セランの子宮を使って産まれたシグフィスは、
セランの乳と『セグネット』の母の蜜によって育った、ティファニアの「乳姉
弟」ということになるのだ。

 ならば、なぜそんな「乳姉弟」をティファニアが「憎む」のか。

 ―それは、“仮母”の腹から出て来る際に、「幼体」は往々にして母体の
子宮も膣もズタズタに傷付け、その結果、ほとんどの“仮母”は二度と自分の
腹で子供が産めなくなるためであり、そしてそれはセランも例外ではなったか
らだ。
 そして、これはティファニアの「血統書」を取り寄せ、その出自を調べた際
に知った事ではあったが、その時の傷が元で乳母のセランはこの城を出た1年
後に亡くなったと聞いた。
 ならば、ティファニアが自分を憎むのは当然だ。
 そう、シグフィスは思う。
 自分がセランを「殺した」も同然だからだ。

 けれど、だからといって彼女が自分には大切な義姉であり幼馴染だという事
には変わりないのである。
 “仮母”として取り寄せた人間の女性を、“仮母”として使うこともせずに
一番身近に置き、身の回りの世話をさせている「変わり者の領主」。
 たとえそう呼ばれ、他の『セグネット』から陰口を叩かれようとも、シグフィ
スはティファニアを、まるで受光器官を触るように手厚くしていた。最近では、
「ちゃんと同族のフィアンセがいるにも関わらず、人間の女性体に“懸想”し
ている」…という噂まで立つ始末だった。

 昆虫型生命体が、哺乳類型生命体に「懸想」する…。

 恋い慕う…。

【いや、違う…私は義姉さんに恋など…】
 サレディアナの相手に疲れ、ベッドとなる止まり木にうつ伏せに掴まって、
シグフィスは頭の逞しい触覚をゆらゆらと揺らした。
 時刻は夜の8時を過ぎたところだった。
 いつもならまだ執務室で、上告された領地の問題を評議会に提出する前の文
書へとまとめている頃だ。

260:名無しさん@ピンキー
06/09/20 16:10:05 TU2ThsxZ
支援

261:【再会】N
06/09/20 16:51:07 TE5r2XQd
 たが、今日はもうそんな気力も無い。
 先ほどのサレディアナの「言葉」が、耳に残っているのだ。

【シグフィス様は、その地球人の「節無し」に恋していらっしゃるのね】

 「節無し」とは、『セグネット』が地球人類を揶揄して使う時の侮蔑用語だっ
た。そんな言葉を「淑女」な婚約者が使う事にも驚いたが、それよりも、そう
面と向かって言われた言葉を、自分が決して不快に思わなかった事に驚いたの
だった。

【恋していらっしゃるのね】

 ―『セグネット』が地球人類に恋をする。

 それは、地球人類がペットの犬や猫を異性として恋い慕うより、もっと遠い
感情だろう。
【そんな…ばかな…】
 だから、彼の理性は否定をしてみせる。
 けれど…。

 本当にそうか?
 本当にオマエは、あの義姉に恋していないと言い切れるのか?

 そう、心の奥底に押し込めた感情の囁く声が聞こえる。
 同じ知的生命体であれば、種族は違えども理解しあう事は出来る。
 今はまだ確立されていない「ゲノム転写」が可能となれば、それぞれの資質
からデザインされた双方の「子供」を作ることだって…。
【こども…???子供だって…!?】
 シグフィスは自分の思考の飛躍に、思わず全身の気門を開いて気管の空気を
全て吐き出した。


 昆虫型知的生命体『セグネット』を、地球上に生息する下等生物の「虫」に
例えたなら、どれに当てはまるだろう?
 そう考えた時、やはり脳裏に浮かぶのは、その生態や肉体組成などは全く違
うものの、外観的には多くの類似点が見受けられる「カミキリムシ」だろうか?
もちろん、『セグネット』は直立して歩き、昆虫のように地面を這ったりはし
ない。ローブ状の衣服も身に着けているし、高度な知性を身に付け、言葉も話
す、立派な銀河広域文化圏に加盟する惑星国家の民だ。
 だが、彼等は地球人類とは明らかに違う『種』であり、美的感覚も180度
違う。
 『セグネット』が「美しい」と思うのは、頭部から張り出した多目的感覚器
官の太さや長さであり、頭部後方や腹部などにある多数の小さな複眼の位置バ
ランスであり、または硬質なキチン質の体表に浮かび上がる虹色の紋様であり、
3対ある肢(人間で言うところの「手」と「足」の他に、腹部には「副肢」と
呼ばれるもう一対の肢がある)の形であったりするのだが、地球人にはそれは
到底理解されないだろうということも、シグフィスは理解している。

262:【再会】N
06/09/20 16:54:02 TE5r2XQd
 その証拠に、シグフィスも地球人の「美しい」と思う外見は理解出来ない。

 ――だのに、どうしてシグフィスはティファニアをこうも気にかけるのか。

 『城』には、他にも地球人類の召し使いが、何人も住んでいる。だが、シグ
フィスがそばに置くのはティファニアだけだった。ティファニア以外は、全て
同じに見え、全く興味が無い。「どうして気にするのか」という問いには「ティ
ファニアだから」としか言いようが無かった。
 それでも問われたら「わからない」と答えるしかない。
 彼女の、頼りなくやわらかそうで、触れるだけで破れてしまいそうになる白
い皮膚も好きだと思えた。
 太陽に透かした蜂蜜色の頭髪も、突出して前方に大きく張り出した、実に重
たそうな乳房も好きだったし、『セグネット』とは元から発声方法の違う声も、
決して嫌いではなかった。
 シグフィスが纏うマント状の衣服の下に隠された外羽は、深みのある青味が
かった黒だが、その色とそっくりな濃い黒檀色の制服を身に着けたティファニ
アは、人間がサラブレットの競走馬を見る時と同じくらいの「美しい」という
感覚を彼に抱かせた。

 そう。

 彼女は「美しい」。

 『セグネット』とは同列に扱えはしないが、それでも人間という種の中では、
抜きん出て「美しい」のだ。
 だから…だろうか?
 「美しいもの」を見ると気持ちが高揚するのは、人間と『セグネット』とで
あっても変わらないはずだ。そして、その「美しいもの」を手に入れたい…自
分のものにしたいと願うのも。
 シグフィスは思う。
 だとすれば、これは決して「恋」などではない。

 これはただの「独占欲」だ。

 そう。
 自分は、ただティファニアの全てを自分のモノにしたいという、ただそれだ
けの話なのだ。
 シグフィスはそう結論付けると、思考を断ち切って休眠モードへと主脳を切
り替えた。

■■【4】■■
 彼には珍しく、その日は深夜に目が覚めた。
 昼間、サレディアナに付き合って、グラビスの樹液カクテルを何杯も飲んだ
のが原因かもしれない。
 彼は止まり木から身を起こしローブを身に着けると、寝室を出て、入り組ん
だ大樹の廊下を歩き階下へと下りた。昼間と違い、トランスポーターは起動し
ていないため、夜はこうして自分の肢で歩かなければならないのが少々面倒だっ
た。
【…1時過ぎか……義姉さんはもう眠っている頃だろうな…】

263:【再会】N
06/09/20 16:54:57 TE5r2XQd
 そんな事を思いながら調理場で水を飲み、それから何の気なしに召使い達の
居住エリアに足を踏み入れた時、ふと、貯蔵庫の方から声が聞こえ、シグフィ
スは立ち止まった。
「…だ……んな……………ってのに………」
「………て………た……しょ?……」
 一人は男だった。
 そして、もう一人は、滅多に聞けないけれど聞けばすぐにそれとわかる、忘
れようも無い義姉の声だった。
 この城の…というより、『セグネット』の領地に住む人間は、内耳に広域文
化圏共通翻訳機を埋め込む事を義務化されている。そのため、『セグネット』
に対しての「密談」というものも成立しなかった。召使いに対してのプライバ
シーは、この『城』において一応は守られているものの、それも各自の自室に
おいてのみであり、その自室内でさえ、2人以上の人間が同席した場合、侍従
長によってモニターされる事が告知されていた。
 深夜に自室を出る事は基本的に禁じられているが、排便などの生理的欲求ま
では規制の対象になっていない。
 ティファニアと男は、持ち場が完全に異なる。
 そのため、深夜にこうして会っているなどとは誰も気付かなかったのかもし
れない。
「いいかげんにして」
 厳しい姉の声に、シグフィスは思わず足音を潜めて物陰に身を隠した。
『…なにを隠れているんだ私は…』
 そうしておきながら、自分の行動に心の中で自嘲した。
 自分はこの城の主(あるじ)だ。
 召使いが何を話していようが、それを気にする必要など何も無いはずではな
いのか。
 頭の多目的感覚器官を闇の中で伸ばし、彼等の死角から貯蔵庫を覗く。
「…だからよ、いい加減あきらめて、俺の女になれよ」
「……どうしてそこで『だから』となるのか、意味がわからないわ」
 ティファニアはこちらに背を向けて、弱い光に対して逆光気味になっている。
 着ているものは、いつもの黒いメイド服ではなく、自室用の私服であった。
 そして、一見すらりとしてスレンダーに見えるその体躯の、両腕のシルエッ
トから胸部の乳房がわずかに顔を出して見えた。体のラインどころか腕の太さ
さも考慮しても、彼女の乳房がとんでもなく豊満だということがわかる。乳腺
の発達具合も、「機関」から送られた資料では申し分無かったのだ。「幼体」
にとって非常に栄養価の高い乳を、十分に分泌してくれるに違いない。
 そして、やわらかく丸みを帯びながら“キュンッ”と上向く尻は、とても形
が良い。骨盤の張りも申し分無く、膣道を「幼体」が通り抜けるには十分の幅
があるだろう。

264:【再会】N
06/09/20 16:56:53 TE5r2XQd
 “仮母”として望む適正は、全て適えた上で選別したのだから、そのどちら
も当然と言えば当然なのだが。
「いつまでここにいるつもりだよ?未練たらしいったらないぜ」
 彼女に相対している男は、名前は覚えていないが、確か『城』の剪定(せん
てい)係の頭のはずだ。もっとも、ティファニア以外は人間に全く興味の無い
シグフィスにとって、たとえ名前を聞いたとしても覚えておく価値など無いと
判断して消去してしまう可能性の方が高いのだが。
 ただ、シグフィスの副脳にあるメモリーは、人間年齢で34歳だったと記憶
している。
 男として熟成し、脂ののる時期だろう。
 肉体労働を主としているためか、全身の筋肉量は相当なものだ。それでも、
自分の体重の数倍の重量を軽々と扱うことの出来る『セグネット』には、到底
及びはしない。もし彼が手に得物を持ち向かってきても、前肢一本で組み伏せ
る事は可能だった。
「あの蟲野郎はお前を“仮母”にする気なんか最初から無いのさ」
「……自分の主人を『蟲野郎』だなんて、よく言えたものね」
「蟲野郎は蟲野郎だろうが。それともカミキリ野郎って言った方がいいか?」
 近くに『セグネット』がいないと思って、好き勝手言っている。
 もちろん、シグフィスはこの『城』に住む召使い達の思想まで縛ろうとは思っ
ていないし、種族的な差異からなる嫌悪感や敵意というものを充分に理解し、
理性的に感情を処理しているため、こんな言葉を聞いたからといって男を処罰
したり処刑したりするつもりはない。
 これは、昆虫型知的生命体『セグネット』が哺乳類型知的生命体を征服・使
役するにあたって、どうしても避けられない齟齬だと言えた。
「…旦那様を侮蔑することに快感を覚えるなんて、貴方の頭の程度が知れるか
ら他の人の前では控えることね」
「口の利き方に注意した方がいいぜ?蟲野郎のお手付きになったら、二度と人
間社会じゃ生きていけねーのは、お前が母親を見て一番良く知ってるだろうが」
 男の言葉に、ティファニアの背中が“ぴくっ”と震えた。
『母親……セランのことか?』
 この『城』からティファニア共々出て行ってからの消息は、再び彼女の娘が
ここを訪れるまで途絶えていた。『城』を出た1年後に、シグフィスを「産ん
だ」時の傷は元で亡くなるまで、セランは人間社会から受け入れられることな
くティファニアを育てたのだろうか?
 では、義姉は…ティファニアは、8歳から21歳までの13年間、どんな人
生を歩んできたというのか。

265:【再会】E
06/09/20 16:58:14 TE5r2XQd
「蟲野郎に味見された女は、二度と人間の男と一緒にゃなれねぇ」
「……『床見の儀』のこと?」
 『床見の儀』とは、大切な卵を産み付ける前に、“仮母”の膣と子宮内を
『セグネット』の雄体が直接確かめる、いわば“仮母”のための「最終検査」
の事だった。
 通常、1時間から2時間もかけて執拗に胎内をまさぐられる事に加え、痛覚
麻痺の目的で注入される『セグネット』の体内生成物の効果と相まって、『床
見の儀』を受けた人間の女性体は、人間の男性体のペニスでは決して満足出来
ない体にされてしまう…と言われている。
 そのため、人間社会ではそのように“異種生物によって淫らにされた女性体”
を「忌み女」として排除してしまうようになるのだ。
 そこには、同族の女を「化け物」に奪われてしまった男の、歪んだ嫉妬が垣
間見える。
 だから、『セグネット』にとって大切で必要不可欠な儀式である『床見の儀』
を、人間の男は「味見」と言って侮辱するのである。
「一度味見された女は、蟲野郎のそばでしか生きられねぇ体になるっていうぜ?」
「……くだらない男の情婦になるより、はるかにマシだって聞こえるんだけど?」
「へっ…俺の下でひーひー善がってたくせによ」
 男の瞳孔が拡大し、脈拍が早くなり、酸素を求めて鼻腔が広がって全身の汗
腺からの発汗が増している。
 この男性体がティファニアと「交尾」したがっているのは、節操無く放出し
ているフェロモンでシグフィスにはすぐにわかった。
「昔のことをいつまでも引き摺ってるなんて、貴方って本当にしつこいわね」
 “ふう…”と大仰に溜息を付いて、ティファニアは腕を組んだ。巨大な乳房
が寄せて上げられ、男の視線はその盛り上がったふくらみに引き寄せられる。
「たった一年しか経ってねぇだろうが」
 “ぐびっ”と喉を鳴らし、男はティファニアの何倍もありそうな腕で彼女の
細い腰を強引に引き寄せた。
「…ねえ、『気の迷い』って言葉、知ってる?」
 それに対し、彼女はいつものクールな態度を崩す事無く、ニヤついた男の顔
を下からねめ上げた。
「“初めての男”が俺だってのが…そうだっていうのか?」
「私には消したい記憶だわ」
 物陰に隠れて多目的感覚器官で二人の様子を「識(み)て」いたシグフィス
は、ティファニアが男と「交尾」していたという事実に、自分でも驚くほど驚
愕し、落胆し、ぶつけようの無い怒りを感じている事に気付いた。

 それは全く、驚くべき事実だ。

 彼女が誰と「交尾」しようとも、妊娠さえしていなければ“仮母”としての
役目が果たせなくなるわけではない。
 ましてや、彼女は「義姉」であり、その上、種族も違うのだ。

266:【再会】E
06/09/20 16:59:42 TE5r2XQd
 これではまるで、誰よりも早く彼女と「交尾」したかったみたいではないか。
 彼女の「初めての男」になりたかったみたいではないか。
「へっ…なんべんもヤッて、最後にゃ狂ったみたいに善がってたじゃねーか。
もう俺ナシじゃあいられねえんだろ?」
「…おめでたい男ね」
「もうアソコも濡れ濡れなんじゃねーのか?」
「確かめてみる?」
 彼女の言葉を聞いた途端、男は左腕で軽々とティファニアを抱え上げ、右手
を彼女のスカートに潜り込ませた。
「湿ってるぜ?」
「女のアソコは、湿ってない方がおかしいわよ」
「クソッ」
 舌打ちして、男は彼女を背後の貯蔵樽の上に座らせると、今度は両手をスカ
ートに突っ込み、頼りないくらい小さな下着を一気に引き下ろした。シグフィ
スからは、今度は男の背中とティファニアの顔が見えるようになる。ここに至っ
て、ようやく彼女が涼やかな水色のブラウスと膝丈のスカートを身に着けてい
る事に気付いた。
 一瞬、闇にまぎれた感覚器官を彼女に気付かれたかと思ったが、ティファニ
アは全く気の無い様子で天上を見上げた。それは、心底つまらないものを見て
いるような、冷え冷えとした表情だった。
「…ねえ、明日早いんだから、するなら早くしてくれる?」
「クソッ…クソッ…」
 彼女の首元の青い紐タイを解き、白くてやわらかそうな首筋を露出すると、
男はそこにキスを繰り返し、野卑にべろべろと嘗めた。
「……服…汚さないでくれない?」
 男の右手はスカートに潜り込み、彼女の股間の性器を執拗に嬲っていた。
「へっ…へへっ…濡れてきたぜ?」
「女の生理を、もっとよく勉強しなさいよ」
 ティファニアは、観察対象の動きを解説する科学者のように、冷めた目で男
を見た。
 その目には、何の感情も込められていない。

 ―これはただの生理現象だ。
 ―男の無遠慮でデリカシーの無い動きに粘膜が傷付かないよう、
   自然と膣液が潤滑液として分泌されているだけなのだ。

 彼女の目は、雄弁にそう語っていた。
 覗き見ているシグフィスは、それを見て、いつも自分が向けられている刺す
ような視線が、実はまだまだ全然優しいものだと思い知った。

267:【再会】E
06/09/20 17:01:25 TE5r2XQd

 そこにあるのは、男に対する明らかな無関心…。

 好意の反対は嫌悪や敵意ではない。

 完全なる無関心なのだ。

「おい。ふざけるんじゃねーぞ」
 何をやっても冷めた反応しか返さないティファニアに、男は苛立ちを隠そう
ともせずに身を起こした。甲に毛がもさもさと茂った手で彼女のブラウスを強
引に押し開き、下着をずり上げる。
 たっぷりと豊かで真っ白で滑らかな肌の乳肉が“ぶりゅんっ”とまろび出て、
光の下で跳ねるように大きく揺れた。
 彼女はそれにすら動じず、小さく溜息を吐く。
 実に退屈そうだった。
「乱暴にしないでよね」
「うるせぇっ」
「おおこわ…」
 男がティファニアの巨大な右乳を左手で掴み、捏ね回す。男は空いている左
乳に取り付くと、首筋にしたようにべろべろと嘗め回した。
 ティファニアは目を瞑り、ただじっとしている。
 この下らない退屈な時間が、早く過ぎるのを待っているかのように。
「下りろ」
 男はそう言いながら貯蔵樽から彼女を下ろすと、強引に後を向かせた。そう
してスカートを捲くり上げ、たくし上げてウエストに裾を押し込むと、優美な
曲線を描くつるりとした白い尻を剥き出しにして、そのやわらかい尻肉を右手
の指で分ける。
 深い狭間からは、赤く充血して“てらてら”と濡れ光った性器が、ハッキリ
とシグフィスの目に見えた。

 ―ここまでか。

 シグフィスはそう思い、頑強な顎を噛み合わせて、『セグネット』特有の錆
びた鉄をガラスに擦り付ける「警戒音」を鳴らした。
「なっ…」
 そうして、ことさらに時間をかけ、のそりと貯蔵庫へと入り、驚いて硬直し
ている男をじっと見詰める。
 ズボンを下げ、下半身を剥き出しにしたままの男の男根が、たちまちのうち
に萎縮して垂れ下がってゆくのを、ただ見詰めた。
「そ…な…だ、旦那様…」
【邪魔をしたか?】
 “キシキシキシキシ”と間接を鳴らし、シグフィスは人間がユーモアを込め
る際によくやるように、前肢を左右に広げ背をわずかに逸らせてみせた。
「い…いえ…お、俺は…」
【彼女に話がある。席を外してもらえないか?】
「は……も、もちろんでさ…」
 あたふたとズボンを上げながら、男は転ぶようにして貯蔵庫を出てゆく。
 シグフィスは何もせず、ただ脇を通り抜ける男を複眼で追った。

268:【再会】E
06/09/20 17:04:37 TE5r2XQd

 猛烈な「怒り」を感じる。

 焼けるような「怒り」だ。

 左手を振るって男の首を胴から飛ばしてしまいたい衝動に駆られる。
 だが、我慢した。
 こちらに背中を向けたまま、手早く大きく重たげな乳房をブラに押し込んで
仕舞い、服を調え、スカートの裾を正してネクタイを締めるティファニアが、
その間中ずっと背中でこちらを伺っているのが、その雰囲気でわかったから。
 彼女の前で、彼女の同族を殺すわけにはいかないのだ。
 小さく息を吐くと、彼女は床に落ちていたパンツをのろのろと拾い上げ、脚
を通す。
 引き上げて尻を包みながら、それでもこちらを一向に見ようとしない義姉。
 その義姉の耳が、まるで熟れたリンゴのように赤く染まっているのを見なが
ら、シグフィスは男の足音が遠くなってゆくのをじっと聞いていた。

■■【5】■■
 夜の執務室は、月明かりで十分に明るい。
 けれど、彼は最小に絞ったライトを2つほど点ける事にする。
 “キチキチキチキチ”と顎を打ち合わせると、音声認識によってその長さと
音域の高低を判別したライトが1つ…2つ…と点いてゆく。
 そうしてからシグフィスはデスクの前に立ち、
【かけてくれ】
 側にある人間用のソファを指し示すが、これまで無言で彼の後を付いて来た
ティファニアは、先ほどから扉の前に直立したまま身動き一つしなかった。
 その顔が赤く紅潮しているように見えるのは、果たして彼が覗いていた事に
対する怒りか、それとも羞恥か。
「……何かおっしゃりたいのでは?」
 弱り切って、自分からデスクの椅子に座り窓から外を見やったシグフィスは、
彼女の言葉に頭の触覚を揺らめかせた。
 こうしていても、後頭部にある複眼で彼女の姿は目に入っている。美しい義
姉の顔は無表情に見えるが、その実、親に構ってもらえなくて寂しい子供のよ
うな目をしていた。
【……あの男は】
「もう終わったことです。シグフィス様には関係ありません」
 取り付く島も無いというのはこういうことを言うのだろう。「聞きたいこと
があるのだろう?」と問うておきながら、問えばこの答え。まるで彼を拒否す
ることが目的のような仕打ちではないか。
【………………】
 彼の心情を反映して、頭の触覚が力無く垂れる。
【…義姉(ねえ)さん…】
「シグフィス様」
 彼女の顔が、彼の口にした言葉によって、“さっ”と咎めるものへと変わっ
た。
 「私を義姉と呼ばないで」と言っているのだ。
 それを理解出来ないシグフィスではない。

269:【再会】N
06/09/20 17:05:26 TE5r2XQd
【もう、そういうのはやめにしないか?義姉さん】
 それでも彼は、ティファニアを「義姉」と呼ぶことは止めなかった。
「そういうこと…とは、どんなことでしょう?」
【…そういう態度のことだよ】
「何のことか、わかりかねます」
【…ファニー義姉さん…】
 感情を押し殺した義姉の言葉に、椅子から身を乗り出し、シグフィスは正面
から彼女を見た。
「…シグフィス様。御言葉ですが、フォルモファラス家の御当主様に、義姉な
ど」
【いる!そして、義姉さんは義姉さんだ!後にも先にも、私には義姉は貴女し
かいない!】
 理性的な『セグネット』には珍しく、強い口調でそう言うと、シグフィスは
イライラとした様子で椅子に座り直した。

 ―なぜだろう。

 彼は自分でもわからなかった。
 彼女の、他人行儀な言葉遣いが、どうしようもなく腹立たしい。
 なぜ昔のように…。
「…忘れていらっしゃったくせに」
【え?】
 不意に聞こえた声に、シグフィスは顔を上げた。
「私(わたくし)のこと…忘れていらっしゃったくせに」
 ツカツカとこちらに歩み寄り、じっとこちらを見詰める義姉の顔が、彼は急
に恐くなった。
 思わず、無意識に顎を打ち鳴らし「警戒音」を出してしまう。だが義姉はそ
んなことはお構いなしに、たっぷりと重く実った乳房を揺らしながら“ズイッ”
とデスクに身を寄せる。
【忘れてなんか…】
「一年前、私の名前を御聞きになったのは、すっかりキッパリしっかり綺麗に
忘れていらしゃったからではないのですか?」
 眉根を寄せてデスクに両手を付き、“ずいっ”と身を乗り出したティファの
巨大な胸が、ものすごい圧迫感で迫る。
 彼は無意識に身を逸らし、おろおろとしたまま急に態度の変わった義姉を見
上げた。
【いや、その、忘れてたわけじゃないんだ。ただ、『セグネット』と違って人
間は見分けがつきにくくて…】
「ほら。忘れていらっしゃったんだわ。覚えていらしたのなら、顔の特徴ぐら
いすぐに見分けつくはずですもの」
【…ムチャ言わないでよ】
 肉体の構造そのものが異なる種族が、その同族内から特定の個体を正確に判
別するのは非常に困難だ。しかも、幼体から2齢脱皮して以後は、基本的に変
化の無い成体へと肉体形成する『セグネット』とは違い、年月は容易に人間の
外観を変えてしまうのだ。

270:【再会】N
06/09/20 17:06:47 TE5r2XQd
 実際、シグフィスだとて一度も義姉を探さなかったわけではないのだ。『ティ
ファニア』という名前が領地内に登録された使役用人類には該当者がいないと
知ってから、シグフィスは記憶に残る幼い頃の外観から探させていたのである。
 もっとも…だがやはりそれにも限界があり、いつしか彼は義姉と再会するこ
とを諦めていた部分があった事は否定出来なかった。
「…私は…忘れたことなどありませんでしたわ。…ずっと…覚えていました」
【…じゃあ…なぜあの時…一年前にそう言わなかった?】
「覚えていてくださると、信じていましたから」
【義姉さんは…『セグネット』を過大評価してるよ。人間は変わるんだ。私も、
義姉さんがこんなに綺麗になってるなんて思いもしなかったし】
 実感として『綺麗』かどうかはともかくとして、ティファニアは人類の美観
においてはとんでもない美女である事に変わりは無い。だから、この場ではこ
う言っておくのが無難だろうと思いながらシグフィスは言った…のだが…。
「そんなこと、これっぽっちも御思いになっていないくせに」
 “ぴしゃり”と切られて、頭の触覚が再び“へにょ”と下がった。
 それを見てティファニアが初めてその涼やかな口元に笑みを浮かべる。

 ―そして。

「どうして、私を“仮母”に選びながら、『床見の儀』をなさりませんの?」
 おそらく彼女が最も聞きたいと思っていた疑問を、直球で放ってきた。
【それは…】
 言葉を濁すシグフィスを、彼女は今にも泣き出しそうな目で見詰めた。

■■【6】■■
 “仮母”に選ばれた時、嬉しくて泣き出しそうだったと、驚くシグフィスに
構わず彼女は言った。
 けれど、彼がいつまで経っても自分を“仮母”として使おうとはせず、ただ
大切に、まるで腫れ物を触るみたいに扱うようになり、ひどく落胆したとも。
【義姉さんは…私を憎んでいるじゃないのか?】
「…どうして?」
【どうしてって…それは…】
 『私がセランを殺したから』だとは、どうしても言えなかった。
「一つ、教えて差し上げますわ」
 そう言って、彼女がこの『城』にやってきてから“仮母”として使いもせず、
かといって他にやるでもなく一番身近に置き、ただ一人で身の回りの世話をさ
せている変わり者の領主に向かって、優しく微笑んでみせた。

 彼女は最初、義弟が自分の事をすっかり忘れていることに腹を立てた。
 それでも“仮母”にさえ選ばれれば、きっと何らかの動きがあるに違いない
と思い、ずっと耐えた。

271:【再会】N
06/09/20 17:08:05 TE5r2XQd
 自暴自棄になり、強引な男の口車に乗って処女を散らしたのはその頃だった。
ずっと前から捨てたいと思っていたからちょうど良かったけれど、それからし
ばらくは、自分の体を求める男のしつこさにうんざりしたという。
【なぜ…そんなことを…】
「ヴァージンを捨てたこと…ですか?」
 ティファニアは、まるで明日の天気を口にするように軽く告げると、やわら
かく微笑んだ。
【いや、まあ…】
「いつか御学友と話してらしたでしょう?交尾を経験していない地球人の雌の
血は臭いって。処女性器の臭いには臭気細胞が壊死するって」
【あーあれはー…】
 成人して審議会から交尾を許され、“仮母”相手に『床見の儀』を行うとい
う事が現実味を帯びてくる年齢になると、自然と話題はそのことでもちきりに
なる。どんな年齢の女性体がいいか、交尾を経験している方がいいのか、して
いない方がいいのか、太っていた方がいいか痩せていた方がいいか…下世話な
話は、人間のティーンエイジャーとなんら変わりは無かった。
「処女であるか、そうでないか。それに意味などありませんわ。貴方が嫌がる
ものならなおさら」
【私は…嫌がってたわけでは…】
「ですから…“捨てた”の。それ以上でもそれ以下でもありませんわ」
 これ以上そのことについて話すことは無い…と、彼女の笑みが語っていたか
ら、シグフィスは開きかけた口を閉じた。
 あくまで、あの男と交尾…寝たのは、「処女を捨てるためだけ」というスタ
ンスなのだろう。
 では、あの男は「ゴミ箱」代わりにされたということか。
 本人が知ったら、さぞがっかりするに違いない。
【でも、学院(アカデミー)時代の私は、君は知らないだろう?】
「…やはり気付いていませんでしたのね」
【?】
「学院(アカデミー)には、私も通わせて頂いていましたのよ?確かに別のセ
クタでしたし、階層も違いましたけれど…」
【義姉さんが私と同じ頃に学院(アカデミー)へ…?】
「十数年ぶりに見た貴方は、もうすっかり大人になってましたわね。すごく凛
々しくおなりでしたわ」
【そ、それはいつ…】
「その話は、また後で…」

 そうするうちに果たして事態は動き、けれどそれは彼女には予想外なことに、
彼は“仮母”として取り寄せたはずの人間の女性を、“仮母”として使うこと
もせずに一番身近に置き、まるで客人のように大切に遇したのだった。
 シグフィスが、自分を「義姉」だと気付いたのは、彼の発した「ファニー」
という言葉で明白だった。

272:【再会】N
06/09/20 17:09:50 TE5r2XQd
 「ティファニア」と「ファニー」と呼ぶのは、まだ小さかった頃のシグフィ
スの癖みたいなものだったからだ。
 ところが彼は「なぜ自分が“仮母”候補に望んで立ち、この『城』に再びやっ
てきたのか」を考えもせず、“特別な召使い”として身の回りの世話をさせ始
めたのだった。
 彼女は焦った。
 このままでは、悪い噂が立ってしまう。
 案の定、「“仮母”として取り寄せたにも関わらず身の回りの世話をさせて
いる変わり者の領主」という噂が立ち、その上、「ちゃんと同族のフィアンセ
がいるにも関わらず、人間の女性体に“懸想”している」という噂まで立った。
 自分がなんと言われようと構わなかった。
 だが、義弟が悪く言われるのは我慢出来なかった。
 かといって、出て行くことも出来ないのだ。
 なぜなら、“仮母”になることは死んだ母に、そして惨めだったかつての自
分に誓ったことだったから。

 だから、彼に冷たくした。

 早く自分を見限って、早く“仮母”にして欲しくて。
【気付かなかった】
「本当に鈍感ですよね」
【そうならそうと言えば…】
「言えば、“仮母”にして下さいました?」
【……】
「ほら」
 押し黙るシグフィスに、彼女は“くくくっ”と可愛らしく笑った。
「私は“仮母”になるのなら、絶対に貴方の子供のだろうと思ってました。そ
のために健康に気を付け、ふさわしい教養と礼儀作法を身に付けましたのに」
【……乳姉弟だった人を“仮母”には出来ないよ。そんな危険な事はさせられ
ない】
 セレンはそのために死んだ。
 ティファニアも同じように死ぬようなことがあれば、今度こそシグフィスは
自分を許せないだろう。
「―貴方は…本当に優しいんですね。…でもその優しさが、時に人をどうしよ
うもなく傷付ける事もあるのだと、貴方はもっと早く気付くべきだわ」
【痛いんだぞ?すごく】
「承知しています」
【『セグネット』の流儀は、決して優しくない】
「好きになさって構いませんのよ?」
【どうしてそこまで…】
「貴方の奥様の卵を私が孵すの。それはとても誇らしいことですのよ?」
【…それがどんなに危険な事かわかってるのか?もう二度と子供を産めなくな
るかも…下手をすれば君も…】
「ええ。承知しています」
【まだわからないのか!?…私は…セレンのような思いを、君にさせたくはな
いんだ!】
「…やはり…それを気に病んでらしたのね」
 気付けば、ティファニアはデスクを回り椅子に座るシグフィスの前に跪いて
いた。

273:【再会】N
06/09/20 17:11:20 TE5r2XQd
 両脚を床に付け、まるで祈りを捧げるよう両手を彼の後肢に乗せている。
【ファニー義姉さん…】
「もっと教えてあげる。…ううん。聞いてほしいの」
【…何を…?】
「シグ。貴方は、決して自分が産まれた事を気に病む必要はないの。いいえ。
むしろ、誇って欲しいのよ」
 そう言って、彼女は語る。

 この一年、胸の奥に仕舞い込んで決して誰にも語ろうとしなかった物語を。

■■【7】■■
 協会の懺悔室で神父に語るかのような口調で、義姉はとつとつと語った。

 6年前、母セランに連れられて『城』を出た後、母と二人で故郷の集落へと
帰ったこと。
 その出奔は、セランが、当時の領主であるシグフィスの父が、自分を大切に
囲うことで受ける非難に耐えられなかった事が原因だったこと。
 故郷で「忌み女」として蔑まれながらも、母は自分を愛し、そして“仮母”
となったことを決して後悔しなかったこと。
 出奔して一年後、セランが流行病にかかり、十分な治療も受けられないまま
死んでしまったが、それは決してシグフィスを“産んだ”ことが原因ではない
こと。
 シグフィスの父はセランの居場所をすぐに突き止めたが、母の強い意向で決
して姿を見せなかったこと。
 けれど、生活に十分な金は毎月送られてきたこと。
 病に倒れても、母は一度もシグフィスの父には知らせなかったこと。
 そしてそれを知らせようとするティファニアを厳しく叱ったこと。
 死ぬ直前まで、「忌み女」のセランを治療してくれる医者は一人もいなかっ
たこと。
 母が亡くなり、セランはその事を事後に知ったシグフィスの父によって、地
球統合府の「機関」に保護されたこと。
 そこは『セグネット』が“仮母”のための使役用人類を育成し教育する場所
だと、その時初めて知ったこと。
「13年間、私はそこで教養や礼儀作法、あなた方『セグネット』の本能から
慣習に至るまで、全てを学びました。苦しかったことも哀しかったこともあり
ましたが、自分の運命を呪った事は一度もありません。良き友にも良き師にも
巡り会えましたし、何より、シグ…」
 義姉はそこで初めて彼の前肢を取り、両手でやわらかくマニピュレーターを
包み込んだ。
「貴方に再び会えた」
【義姉さん…】
「貴方を愛しています」
 一瞬、彼女が何を言っているのか、シグフィスにはわからなかった。
 自分とティファニアは、『セグネット』と『人類(ホモ・サピエンス)』な
のだ。
 その間に、愛など…。

 いや……そうか。

 違う。

274:【再会】N
06/09/20 17:11:59 TE5r2XQd
 義姉は、家族的な愛情について話しているのだ。
 一瞬高揚しかけた心が、急速に鎮まってゆく。
 けれど、そのせいで気付いてしまった。
 知ってしまった。

【シグフィス様は、その地球人の「節無し」に恋していらっしゃるのね】

 サレディアナの「言葉」が、耳に蘇る。
 ああ、そうだ。
『私は、ファニー義姉さんを愛しているんだ』
 種族的な差異にこだわって、本当の心を…気持ちを知ろうともしなかったの
は、私の方ではないか。
 でも、だからこそ種族を超えて「家族的な愛情」を向けてくれる義姉に、こ
の気持ちを知られるわけにはいかなかった。
【…私も義姉さんが好きだよ】
「…違うの。私は貴方を『愛して』いるのよ。シグ」
【…え?…】
 だが、義姉は彼に思いもよらない言葉を投げかけた。
 そうしてゆっくりと立ち上がり、キチン質に覆われた鎧のように硬いシグフィ
スの頭を、触覚を傷付けないようにしながら優しく抱き締めた。たっぷりとし
た大きくてやわらかくていい匂いのする乳房が、彼の顔を包み込んでくれる。
 そのあまりの気持ち良さに、シグフィスは意識が飛びそうになった。
 匂いと体温と感触が、時に『セグネット』の感覚器官を大きく狂わせるとい
うけれど、まさに今がその時なのだろう。
「私がここに来た最初の理由を、思い出して」
【義姉さん…?】
「私は…シグ…貴方の『子供が産みたい』の」
 そして彼は、今度こそ本当に、頭が真っ白になって何も考えられなくなった
のだった。


「…母さんは本望だったと思うわ。地球人と『セグネット』…決して結ばれぬ
種族………ならばせめて…と思うのは、『女』なら当然のこと…。母は貴方の
御父様の事を、心から愛していました。今なら…わかるの。私も……」
【で…でも…】
「“仮母”に選ばれた時、嬉しくて泣き出しそうだったって…言わなかった?
たとえそれが自分との子供でなくても、愛する御方の子供である事に変わりは
ない。その御子を自分のお腹を痛めて産めるということがどんなに幸せか……
きっと殿方には理解出来ないかもしれないわね」
 当たり前だ。
 自分との子供でもないのに、自分が傷付くことを承知で産むなど、シグフィ
スには…いや、『セグネット』族には想像も出来ない。

275:【再会】N
06/09/20 17:13:00 TE5r2XQd
「母は貴方の御父様を愛し、そして御父様は母を受け入れた。ただの“仮母”
ではなく、一人の『女』として。だからこそ、母は御父様のために身を隠した
の。ただの“仮母”なら、そんな必要無いし、する意味も無い。全ては、貴方
の御父様を心から愛していたからこそ。だから、貴方にもそうして欲しかった。
貴方は貴方。御父様とは違う。私は義姉かもしれないけれど、貴方にとっての
『女』にはなれないわ。私が愛するように私を愛して欲しいと思っても、貴方
は私を家族以上のものとして見られないはずだもの」
【……なぜ?】
「なぜ?それは、貴方が『セグネット』だからよ。そしてそれは『セグネット』
として当然の感情。むしろ、異種族の雌性体を『異性』と感じられる貴方の御
父様が特別なの」
 猛烈に腹が立った。
 どうしようもない怒りだった。
 義姉と交尾していた男に対するよりも、もっと激しい…そしてもっと切ない
怒りだった。
【何もかも勝手に決めないでくれ】
「え?」
【義姉さんは、そういうところ、小さい頃からちっとも変わってないんだな】
「シグ…」
 ティファニアは戸惑ったように彼の固い頭を乳房から解放して、カミキリム
シのような顔を見詰めた。
【さっき、私がどんな気持ちで見てたのか、知りもしないで】
「…貯蔵庫での…こと?」
【…義姉さんが…君がヤツに孕まされるかもしれないと考えた時、私は理性が
吹き飛ぶかと思った。私は、小さい頃は君を孕ませるのは私だと、ずっと本気
で信じていたくらいだからね…。そんなの絶対に無理な事なのに…】
「シグ…」
【君を誰かに盗られるなんて、考えるのも恐かった。義姉さん……私は、君を
私のものにしたい。私だけのものにしたいんだ】
「ああ…シグ…」
【たぶん…いや、私は…義姉さんを愛してるんだ】
 義姉の瞳から透明な水分がきらめきながら零れ落ちる。
 涙だ。
 感情が飽和し、抑えきれない奔流となって彼女の精神を揺さぶっているのだ。
「…最初から有無を言わせず、強引にでも自分のモノにすれば良かったのに。
私はいつも…いつでも待ってたのよ…」
 椅子から立ち上がり、自分を見下ろしてくるシグフィスにしがみつくと、彼
女は全身の力を抜いてゆったりした口調で呟いた。

276:【再会】E
06/09/20 17:15:50 TE5r2XQd
■■【8】■■
 彼女の体は、どこもかしこもがやわらかかった。
 乱暴に扱えばすぐに壊れてしまいそうだ。
 外骨格構造の『セグネット』が、内骨格構造の人間を力いっぱい抱き締める
ことは出来ない。そんな事をすれば本当に潰れてしまうからだ。
 だから、シグフィスは義姉が自分を抱き締めるに任せて、自分は前肢と中肢
を彼女の体に添えるだけにした。
【良い匂いだ…】
 彼女の体から立ち上る芳香は、とても素晴らしかった。
 まるで花のように、蜜のように、熟れた果実のように、シグフィスの集香器
官を刺激し、理性を揺さぶる。
「いや…」
【なぜ?】
「…いや…」
 腕の中で、義姉が子供のようにいやいやと首を振る。
 そのたびに、髪からは優しい香りが、首筋からは芳しい香りが立ち上る。
【どうして?】
「どうしても」
 興奮状態に置かれた彼女の発汗と共に、汗線から微量のヒトフェロモンが滲
んで空中へと漂っているのだ。
 そして首筋や脇、乳房の下や内腿に溜った汗からは、濃厚な甘い体臭が立ち
上り、シグフィスの感覚を狂わせる。赤外線感知による体表面の熱分布では、
耳朶、頬、首筋、胸元、乳房の先端に突出した「乳首」と呼ばれる発乳部位、
下腹、そして内腿に血液が集まっていた。体温も摂氏0.23度程も上昇して
いる。
 髪に隠れた滑らかな額は汗ばみ、頬も耳朶も真っ赤になっている。
 とても、これが先ほど貯蔵庫の中で、冷めた顔のまま男に好きに体をまさぐ
らせていた女性とは見えなかった。
 まるで初めて男に体を開く生娘のようだった。
 シグフィスは人間の女性体の生理は、一応知識として知っているつもりだっ
たが、それが自分に近しい者…それも、自分が好意を寄せる者となると別だっ
た。なぜこうなるのか、どうしてこんな反応をするのか、まったくわからない。
 彼はただ、彼女に抱き付かれ、軽く腕で支えているだけなのだ。
 義姉の、とんでもなく豊満でやわらかな乳房が、自分の胸で“くにゅり”と
歪み、形を変えてその重さとあたたかさを伝えている。
 ふと疑問に思い、彼は体を離して彼女の乳房をじっと見詰めた。
「おっぱいに興味があるの?」
【うん。『セグネット』には無いものだからね】
「…もうちょっと口篭ったり照れたりしたら可愛らしいのに」
【…なぜ?】
「…いいわ。…見る?」
【…いや…その…義姉さんが嫌でなければ】
「………そういうところは、昔から可愛いのに」
【…??…】

277:【再会】E
06/09/20 17:16:51 TE5r2XQd
 きょとんと首を傾げるシグフィスに“くすり”と笑うと、ティファニアは紐
タイを外し、ブラウスのボタンを外していった。
 そうしてそのまま上半身をはだけると、ブラの留め金を外し、ストラップを
肩からずらす。
 “ゆさり”と、南国の果実を思わせる巨大な乳房が、圧倒的な重量をもって
光のもとで揺れる。南国の果実とは言っても、パパイヤやマンゴーなどではな
い。西瓜か椰子の実くらいの豊満さだ。
【重くないか?】
 じっくりと観察するシグフィスの素朴な疑問に、彼女はおかしそうに笑みこ
ぼれた。
「もちろん、重いわよ?…シグは…大きいおっぱいは好き?」
【好きか嫌いかと言われても…その…】
「興奮なさいます?御主人様?」
 ティファニアはわざと召使いの言葉遣いに戻り、シグフィスのローブに重た
い乳房をこすりつける。
【…君は…孔雀の羽が綺麗で立派だからといって、それに性的興奮を覚えるの
かい?】
「なるほど……それは残念。私としてはこの胸…結構自慢だったりするのです
けど」
【……だが…それが美しい形なのかそうでないのかは、わかるつもりだ】
「あ…」
 “ひた…”と彼の前肢が乳房に添えられ、“さわっ”と撫でた。
 前肢に装着されたマニピュレーターは、4本の「指」でとても繊細な動きを
する。ティファニアの滑らかな肌を愛しむようにして指腹で撫で、その重みと
やわらかさを確かめるようにして“ぷにぷに”と押す。
【こんなにやわらかいものなんだな…】
「んっ…」
 『いとしいひと』に乳房を触られ、ティファニアは激しい快美感を感じてい
た。あの男との仮初(かりそめ)の交歓などでは到底味わうことも出来ない、
満ち足りた幸福感だった。惜しむらくは、彼が『セグネット』のため、熱い口
付けも優しい抱擁も期待出来ないことだろうか。それだけが、今の彼女を、ほ
んの少しだけ哀しくさせる。
「……どう…?」
【うん。美しい形だと思うよ】
「嬉しい…」
 シグフィスは義姉の乳房を右前肢で“くにくに”と揉んだ。もちろん、細心
の注意を払って…だ。
 人間の指と遜色無く動くマニピュレーターの「指」は、その先端に微細なセ
ンサーを高密度で備えている。圧力、温度、PH濃度、ナトリウム濃度は言う
に及ばず、電圧、光、弾力、赤外線、測距、果ては磁気、渦電流式近接センサ
まで備えていて、それぞれが多角的に対象物を分析する事が出来る。

278:【再会】E
06/09/20 17:17:28 TE5r2XQd
 今、シグフィスはティファニアの乳房を硬軟(弾力)、大小、汗腺分布、内
部構造にまで至って情報集積し、それから導き出した分析結果において感想を
述べていた。
【それに君の乳房は、とても巨大でやわらかく、それでいて乳腺の発達具合も
申し分無い。きっと牛のように良い乳が出るだろう】
「………」
【………】
「………」
【…どうした?】
「……なんだか誉められてる気がしませんわ」
 拗ねたのか、召使いの言葉遣いに戻っていた。
 どうやら、あまり好評とは言えなかったようだ。
【…では…こういうのはどう?『君の乳房は地球人の大多数の男性体にとって、
非常に好ましい軟度と形状をしている』】
「………もっと、砕けた言い方はできませんの?」
【…では…『君の乳房はやわらかくて男を惹きつける良い形をしている』】
「もっと」
【では…『君の』】
「お前の」
【『お前の乳房は』】
「おっぱいは」
【…『お前のおっぱいは…とても綺麗でやわらかくて美しい形をしている』】
「…もっと」
【…では…『男好きしそうなイヤらしいおっぱいしやがって、この雌豚が』】
「………」
【………】
「…調子に乗るな」
【…ごめん】
 謝りながらも、シグフィスの「指」はティファニアの体温変動と発汗具合、
そして体積変化と乳房の軟度の変化を細大漏らさずモニターしている。それに
よると、血流が活発になり、汗の分泌が増し、乳房のゆるやかな膨張が始まっ
ていることから、彼女が性的に興奮していることは確実だった。
「…ねえ…そういう…の、どこで覚え…る…の?」
 いつしか両手で背後からゆったりと乳を揉まれながら“ふうっ…”と熱い吐
息を吐き、ティファニアは悪戯っぽく微笑んだ。
【そういうの?】
「男好き…とか…んっ…雌豚…とか…ぁ…」
【前に、地球の文献で見たことがある。男性体が性器を使用可能にするための
猥雑な、しかし非常に興味深い性情報が溢れていた】
「…そ…んな情報…ん…捨てちゃっていいの…よ…ぁ…」

279:【再会】E
06/09/20 17:18:17 TE5r2XQd
 それは『愛撫』と呼ぶにはあまりに機械的ではあったが、ティファニアの声
の変化や体の震えなどの情報を蓄積することで、シグフィスの指は彼女の弱い
ポイントを的確に突いた。揉み方、揺らし方、突付き方、摘み方そして撫で方。
乳房への性刺激だけでこんなにもヴァリエーションがあったのか。そう思わせ
るほど、シグフィスはティファニア自身が驚くようなポイントを探り当てる。
 初めても、そしてそれからも彼女の「男」はあの粗野で無神経な男しかいな
かった。
 あの男はいつもティファニアの都合などお構いナシに、自分勝手に掴み、揉
み、嘗め、しゃぶる事しかしなかった。
 それに対してシグフィスは、ティファニアがどうすれば声を上げるか、身を
捩るか、甘えた鼻声でねだるか、それを最も重視し、彼女が気持良くなる事こ
そのみを最優先しているように思えた。

 ―翻弄される。

 ―おっぱいだけで。

 シグフィスの召使いであるという服従心。
 シグフィスの義姉であるという自尊心。
 そしてシグフィスの「女」になれたという充足心が、ティファニアの快楽密
度をどんどん高めてゆく。
「…ぅ…す…好きにして…いいの…よ?…」
【ん?】
「シグが…したいように…すれば…」
 背後から脇を通し、下から掬い上げるようにして乳房の“ずしり”とした重
量感をマニピュレーターでたっぷりと感じていたシグは、血が集まり充血して
硬く勃起した乳首を「指」で摘みあげながら“チッチッチッ”と下顎を噛み合
わせた。
【義姉さんが気持ち良ければ私はそれでいいんだよ】
「そ、それズル…んぁっう~~…ぁ…んうっ…うっ…う~~……」
 マニピュレーターの「指」は4本しかないのに、どうしてこんな繊細で技巧
的な動きが可能なのか。
 乳を揉み、乳首を“ぴるぴる”と弾きながらその付け根を同時に優しく何度
も擦る。乳房の中に発生した熱い疼きは、そのまま子宮に直結してしまってい
るかのようだ。そうしておきながら時々“きゅきゅきゅ”と乳首を摘んで捻っ
たりするものだから、ティファニアは何度も腰砕けに崩れ落ちそうになってし
まう。

280:132
06/09/20 17:24:46 TE5r2XQd
 ひとまず以上です。
 エロシーン突入直前まで投下しました。
 異種間和姦をするためには、どうしてもSF的な味付けを必要としてしまうようです。
 そのために下準備が長くなってしまいます。
 エロシーンを引き立てるスパイスとしては長過ぎるかもしれません。

 次は推敲が終わり次第、エロシーンから最後までを投下させて頂きます。
 よろしくお願い致します。
 失礼します。

281:名無しさん@ピンキー
06/09/20 17:33:27 IqxYsNEQ
リアルタイムキター
続きにwktk

フィアンセがどうなるかちょっと気になる。
いや、自分はntrスキーではないですよ?

282:名無しさん@ピンキー
06/09/20 18:29:43 Oac4nMn4
説明きちんとしてあって読みやすいしわかりやすい!!

続き期待ですw

283:名無しさん@ピンキー
06/09/20 20:23:45 izqD9uRm
>「…調子に乗るな」
>【…ごめん】
warota

284:名無しさん@ピンキー
06/09/20 20:32:23 ajNFnYg5
前フリも大事だ、と思った。
昆虫類に萌えたのは初めてだ。GJ!

285:名無しさん@ピンキー
06/09/20 20:46:41 gGT7LWqJ
いいですね。
GJ!

286:名無しさん@ピンキー
06/09/20 22:30:00 gGT7LWqJ
どうやって子宮の中までまさぐられのか?

どうやって受精卵を仕込まれるのか?

そして、どうやって蟲の幼虫を産み落とすのか?

異種姦属性とHR属性持ちの俺にとっては神の降臨だ。

287:名無しさん@ピンキー
06/09/21 04:04:43 2iRzfDBA
GJ
真剣に読みいってしまった
続きまってます

288:名無しさん@ピンキー
06/09/23 07:45:12 oAPuewfS
うお~~~~~っGJ!!!

289:名無しさん@ピンキー
06/09/24 09:43:17 WD1JFfY3
これはおもしろい、期待してまつ!

290:名無しさん@ピンキー
06/09/27 04:01:50 iskDs8Ec
トイレにしゃがんだ女の子が触手に襲われるシチュを希望。魅力的ですよね。

291:名無しさん@ピンキー
06/09/27 06:28:27 W7nO19fv
ってことは、便器が実は…

292:名無しさん@ピンキー
06/09/27 06:50:04 oFm07bJz
>>290
魔法少女アイ2にそう言うシーンあったよなあ
スカトロ妖怪でえらいことに・・・・選択間違えるとお持ち帰りまでされてしまう
アレはエロかった

293:名無しさん@ピンキー
06/09/27 21:26:14 wh6EO7dL
その日、それは彼女の家にやってきた。
新開発の、電気も水も必要としないバイオ便座だ。
どうやって、お尻を洗ってくれるのだろう?
興味津々の彼女は、用も足したく無いのに下着を下ろしてその上に座った。
洗浄のスイッチを入れる。

「ひゃああああぁぁっ!」
慌てて停止ボタンを押した。
(な…何?今の…)
一瞬、尻を舌のような物に舐められた。
(きっと、気のせいよ)
もう一度スイッチを入れる。
「あああっ!」
間違いない。何かが尻を舐めている。
気持ち悪い。でも、とても気持ちいい。

(そ、そうだ…ビデ…)
震える指でスイッチを入れる。
腰を動かし、最も感じる部分にあてがった。
生暖かい舌が、陰部をべろべろと舐める。
「あっ!あっ!…あああっ!」

(はあっ、はあっ…い…イっちゃっうところだった…)
彼女は、リモコンの蓋の中に隠されたスイッチを見つけた。
そこには、「全身」と書かれてある。
衣服を全て脱ぎ捨て、モードを最強にし、ドキドキしながらスイッチを入れた。
彼女の身体は舌に包まれた。
全身を、まるで数百の蛇が這うごとく舐め尽される。
「うわああああーーーっ!!」
快感に耐え切れず、リモコンを握り締めた。
バキッ!!
(どうしよう!…壊れちゃった!…止まらない!)
「止めてぇー!誰か止めてぇーーー!!あっ、あっ、あああああっ!!」

彼女は、未だにトイレから出られない。

294:名無しさん@ピンキー
06/09/27 23:58:52 dkKul526
>>293
GJ

295:名無しさん@ピンキー
06/09/28 00:36:40 NR5r65zW
戦隊ものありで、知ってる人いたらお願いいたしたいです。
ダイレンジャーの紐男爵という敵がいて、主人公の知り合いの小学生由美ちゃんがさらわれます。原作では何事もなしに助かるのですが、何か触手による強姦ネタのエロ見たいです

296:名無しさん@ピンキー
06/09/28 08:41:31 zG+TGIQh
URLリンク(blue.ribbon.to)
ここの問題解いたのに紹介されたサイトいったら404だった。
たちわるすぎ

297:名無しさん@ピンキー
06/09/28 20:10:44 ron0ftuN
>>293
GJ!

ある日突然送られてきた荷物。一見普通の道具だが、いざ使用すると触手道具に変身して使用者を拘束
という妄想が電波で浮かんできた

298:名無しさん@ピンキー
06/09/28 21:24:43 AdEjtsHm
>>292
両方やったことあるけど、自分としては姫巫女が良かった。
名前も無いサブの女の子が和式トイレで触手に陵辱されるシチュなんだけど、
テキストも台詞・ボイスもエロかった。
誰かそういうのを書いてくれないだろうか?
自分は何度も挑戦したが、無理だった。

299:神楽スキー
06/09/28 21:49:10 xj5MLGyF
需要があるなら書いてみようかな・・・・
ただアイ2はやったことはあるが姫巫女はない
スカトロ、放尿、アナル責めありのなんとも凄まじいのになる気はするがソレですれ違いにならないならw

300:名無しさん@ピンキー
06/09/28 22:41:33 AdEjtsHm
>>299
読みたくない人はスルーすればいいし。
そういう触手シーンもあるから、OKだと思う。

301:名無しさん@ピンキー
06/09/28 23:57:10 V7u53IeH
>>297
>ある日突然送られてきた荷物。一見普通の道具だが、いざ使用すると触手道具に変身して使用者を拘束
という妄想が電波で浮かんできた

機械仕掛けのイヴ、淫具『ミミック』=偽装携帯電話(OHPにサンプル有り)

耳に当てると大量の触手がドバー→あんあん

>>299
このスレで歓迎されないのは「死ぬ、食われる、死体姦」からだったと思う。
というわけで正座で待たせてもらいます。

302:名無しさん@ピンキー
06/09/29 00:30:31 5g/e1kJ0
>>295
特撮版で頼んだ方がいいんじゃないか?
あまりキャラが掴みにくい注文だし

303:132
06/09/29 11:29:20 6m53xH6p
>281
 すみません。私はntrスキーです(´ー`;)ノ

>282 283 284 285 287 288 289
 ありがとうございます。励みになります。

>286
 着床から出産まで行きたいところですが、たぶんまた違うモノを書くと思います。


 では投下致します。
 冒頭から最後まで、全部エロです。エロしかありません。
 そしてすみません。終わりませんでした。

 基本NGワードはタイトルで
 【再会】
 です。
 「スレの私物化は許せない」という方は、是非NGワード設定して、
御覧にならないようにして下さい。

304:【再会】
06/09/29 11:30:23 6m53xH6p
【乳房を……おっぱいをいじられるって、どんな気持ち?】
「…ぅん?…」
 うっとりと陶酔し、乳肉を嬲られるに任せていた彼女は、シグフィスの理性
的な問い掛けに彼を見上げた。
 女性としても決して低いわけではない彼女の、その頭一つ分上に彼の頑強な
顎が見える。クワガタのように両側から挟むような形になっている下顎は、実
際に人間の骨程度なら易々と砕き折る事が出来るくらい挟む力が強い。そんな
恐ろしいモノが頭上にあるというのにちっとも恐くないのは、シグフィスが自
分を傷付ける事など絶対に有り得ないだろうと確信していたからだろう。
 まだ彼が幼体だった頃、戯れに指を挟まれ皮膚が裂けて、ひどく出血した事
がある。その時は驚きと痛みと恐怖で身が竦んでしまって、しばらく彼に近付
けなかった。
 だが、肉体に傷を受けた自分以上に、彼の心が傷付き、自分自身を責めてい
たことを知ると、異種族であり使役用人類である自分に対してさえそんな感情
を抱いてしまえる彼に、言いようの無い愛しさを感じたのだった。
「…きもち…いい……幸せ…よ…」
 “はふん…”と鼻にかかった声が熱い吐息と共に吐き出される。
 かつて自分が“だっこ”して、どこ行くにも一緒に連れて行った彼が、今こ
うして自分を抱いている不思議。
 その不思議が、とてもとても心地良かった。肉体から得られる快感を凌駕し
て余りある快美感を、ティファニアの心が感じていた。
【どうすれば…義姉さんを私だけのモノに出来るんだろう…】
 ふと呟いた彼の言葉に、
『ばかな子…』
 と彼女は心の中でひとりごちた。
『私はもうとっくに…身も心も全部…貴方のモノなのに…』
 つくづく、人の心が…いや、女の心がわからないのだ。
 この「昆虫野郎」の「とーへんぼく」は。
 けれど、それも仕方の無い事だと、彼女は思う。
「“床見の儀”…してくれたら…」
 だからつい、こう言ってしまったのかもしれない。
【…こ…ここで?】
「ここで」
 面白いくらいにうろたえる義弟がおかしくて、愛しくて、彼女はゆっくりと
シグフィスに向き直ると、彼の体をローブの上からゆっくりと抱きしめた。
【だ…だけど…】
 “床見の儀”は、「交尾」の許可を審議会から得た時点で、任意の時期に行
う事が出来るため、特に申請は必要としない。

305:【再会】
06/09/29 11:31:45 6m53xH6p
 交尾によって『セグネット』の雌体が産卵管によって雄体の受精嚢に送り込
み、体内で受精した卵は、送卵菅によって人間の女性の胎内(子宮)に生み付
けて着床する。人類からすれば奇異に思えるかもしれないが、これが『セグネッ
ト』の子孫の残し方だ。卵(こども)は、産みの母と、父と、そして“仮母”
の、3つの体内を経てこの世に生を受けるのである。
 そのため、産母は“仮母”の“床見の儀”に同席し、雄体と共に“仮母”を
共に検分するのが通例だった。それによって3つの命が、種族を超えて信頼関
係で結ばれ、命を分け与えて生まれる「わが子」に祝福を与えるのである。
 ティファニアと、産母であるサレディアナの面通しは、既に済んでいる。血
統書に不備は無く、精神的葛藤を除けば、サレディアナはティファニアの肉体
も教養も礼儀作法も、十分満足していたはずだ。もっとも、シグフィスがティ
ファニアに対して「相応しくない感情」を抱いているのではないか?というこ
とに対しては懸念を抱いていたのだろうが。
「何も、正式なものでなくても、いいのよ?シグは、私を自分だけのモノにし
たいのでしょう?なら、私の膣と子宮の内部(なか)をたっぷりと時間をかけ
て調べて、確かめて、そして私を狂わせてくれるだけでいい…」
【狂わせる…?義姉さんを?…】
「『セグネット』が、肉体的快楽よりも精神的充足感こそ求め、それを至上の
ものとしていることは知っているわ。産卵管や送卵管を相手の体内に挿入する
事には、特に快感らしい快感を感じないということも…」
【ファー義姉さん…】
「たとえ独りよがりでもいいの。貴方に私を気持ち良くさせて欲しいのよ。気
持ち良くてたまらなくなって、もう貴方無しでは生きていられなくなるくらい
…狂いたいの」
 ティファニアは、同族相手では決して口に出来ない卑猥で慎みの無い言葉を、
シグフィス相手なら口にしてしまえる自分に軽い興奮を覚えていた。
 恥ずかしい。
 本当に、恥ずかしい。
 けれど、だからこそ感じる興奮は、まったくもって倒錯的であり、官能的だっ
た。
【…人間の女性が、外陰部と膣で強い快感を得る…という事は、知ってるよ。
だけど、たまに強い痛みを感じることだって…】
「だからこそ、痛覚麻痺のための『シロップ』があるんじゃなくて?」
【そうだけど…】
 痛覚麻痺を目的に注入される『セグネット』の体内生成物は、通常、送卵管
とは別の管を使って“仮母”へと注がれる。

306:【再会】
06/09/29 11:33:06 6m53xH6p
 その管は、祖先が哺乳類を麻痺させるために使用する麻痺毒の注入管が変化
したもので、伸縮するための襞を持っていた。ピンク色をした薄い半透明で、
表面が傷付きやすいため、普段は厚いゴムのような黒い鞘に納まっている。先
端が若干丸みを帯びているために、鞘から少し頭を出した様子など、人類の男
性体の陰茎に良く似ていた。ただ、太さは1センチほどしか無い。
 それでも「シロップ」注入の際には2倍以上に膨らむのだ。
「もう…男の子でしょう?こういう時に女に恥をかかせて平気なの?」
【…いや…男の子って…】
 踏ん切りがつかない義弟に、義姉は幼い頃のように「めっ」と叱り、そうし
て“くすくす”と笑う。
【わかったよ…】
 シグフィスは諦めたようにそう言うと、前肢のマニピュレーターでティファ
ニアの肩を軽く抱いた。そしてローブの前をはだけ、後肢を開き、長く伸びた
下腹を前へと折り曲げる。
 重要な内臓器官が集中している下腹は、こうして人前でローブから外に出す
ことがほとんど無い。『セグネット』が羞恥を感じる事があるとすれば、こう
して普段晒されない部位を光の下に晒す時だろう。実際、シグフィスは今まで
に無いくらいの心の“ざわめき”を感じていた。
「ん…」
 ティファニアは、シグフィスが“そう”しやすいように両脚を少し開き、彼
にしがみついたままお尻を後方に突き出した。そうしてスカートを捲くり上げ、
パンツを“するっ”と引き下ろす。太腿の途中で止めたのは、溢れた『蜜』が
床に落ちるのを少し気にしたからかもしれない。
 彼女の、その豊かでやわらかく、そして“きゅん”と引き締まった臀部は、
十分に脂がのってなめらかに輝いている。美しく金色に輝く産毛の地肌が、少
し鳥肌気味になっているのは、これから彼によってされる事への期待か、それ
とも不安からだろうか?
 後肢の膝まで伸びたシグフィスの腹は弧を描いて下からティファニアの股間
を目指し、まるで得物に毒針を突き刺そうとする蜂の腹部のようだった。その
硬い先端が割れ、内部から黒い鞘が“にゅっ”と顔を出す。少し湿り気を帯び
て光を弾くキチン質の鞘は、太さを考えなければ毒針そのもののように見えた。
 シグフィスは副肢でティファニアの豊かな尻肉を両側から“むにゅっ”と鷲
掴みにすると、持ち上げるようにして左右に分けた。
「ひあっ…んぅっ…」

307:【再会】
06/09/29 11:34:11 6m53xH6p
 肛門が開き、直腸内のガスが放屁となって外へと出てしまいそうになり、彼
女は慌てて括約筋を締める。こんな場所で、義弟の…愛しい人の前で放屁など
したくなかった。たとえ彼が、「そういうこと」をただの生理現象として普通
に処理してくれるとしても。
「あんまり…広げないで…」
 ティファニアは、これからシグフィスが何をしようとしているのか十分熟知
している。
 13年もの間、地球統合府の「機関」で、“仮母”となることだけを目指し
て、教養や礼儀作法のみならず、『セグネット』の本能から慣習に至るまで学
んだのだ。そこでは当然、『床見の儀』についても知識を得ている。
 彼は今から、痛覚麻痺のために体内生成物の「シロップ」を、最も吸収が良
い直腸内へと注入しようとしているのだ。
『…済ませておいて…良かったわ…』
 ティファニアは、寝る前に覚えた便意をきちんとトイレで処理しておいた自
分を、少し褒めてやりたい気分だった。
【…我慢して義姉さん】
「…う…うん…わかってる…」
 尻肉を広げたことで痛みを感じたのだと誤解したシグフィスに、彼女は曖昧
に頷いた。
 まさか、「オナラが出そうで嫌だった」とは言えなかった。
『義姉さんの体は、私達とは違う…』
 それを、忘れないようにしなければならない。
 シグフィスは、傷付けないように細心の注意を払いながら副肢で彼女の柔ら
かい尻肉を分けながら、前肢を細い肩から腰に下ろしてしっかりと固定した。
そうして、腹を“ぐぐっ”とさらに折り曲げ、先端の黒鞘を彼女のデリケート
な形状をした生殖器へと近付けた。
 すぐに、麻痺毒の注入管が変化した管が顔を出し、“ぴちゅ…”と、もうすっ
かり濡れそぼっていた膣口に“キス”をする。そのまま、ぬるぬるとした膣液
を塗り広げるようにして、管の先端の亀頭じみた丸みに纏わり付かせた。
「…ん…ぅふ…ぅ…」
【気持いい?】
「………きかないで…」
 うっとりとして全身の体から力を抜いた義姉(かのじょ)は、本当に気持良
さそうだった。シグフィスは何度も女陰に添って肉筒を前後させ、とろとろと
こぼれる『蜜』で肉筒の先端を濡らした。
 膣口を刺激したからとって、そのままこの肉筒を膣内へと差し込むわけでは
ない。差し込むのは、あくまで送卵菅である。けれど、それを挿し込むのはもっ
と後だ。
「んあっ…ぅあ!…あ!…」
 彼女の股間の肉の亀裂の、その前方の帰結にある、肉の拠れた部分を肉筒で
捏ねると、ティファニアは身を捩って“くねくね”と尻を揺らめかせた。

308:【再会】
06/09/29 11:35:32 6m53xH6p
【…ごめん、痛かった?】
「…ちが……の……やめ…いで…」
 荒い吐息の中で途切れ途切れに紡がれる言葉は、確かに「違う」「やめない
で」とシグフィスに聞こえた。
 この、デリケートで繊細でやわらかい性器の襞に隠された部分には、「陰核
(クリトリス)」という高感度部位があると、シグフィスは知っている。皮膚
が薄く、乾いた状態では痛みを伴うが、粘液で濡れた状態では、愛撫の方法に
よって膣内快感よりももっと激しく深い快美感を感じることも。けれど自分の
不器用な愛撫では、大切な義姉の大事なパーツを傷付けてしまうかもしれない
という恐さが先行して、今ひとつ加減が難しかった。
 でも、義姉は「やめないで」と懇願してくれた。
 ということは、自分の“加減”は間違いないという事になる。
 彼は少し、安心した。
 マニピュレーターのように高感度のセンサーが集合しているならば、そこか
らの情報でなんとなくわかった乳房への愛撫も、生の肉体を使った注入管での
愛撫ともなると、シグフィスはさっぱりなのだ。
「…んぅあっ!…あっ…はっ…はぁっ…あっ!…」
 くにくにと肉筒で女性器を捏ね回し、副肢で掴んだ尻肉を“やわやわ”と揉
み立てる。腰を固定していた前肢は、再び彼女の豊か過ぎるほど豊かな“椰子
の実おっぱい”を、的確な動きで翻弄していた。
『…あぁ…ダメだわこれ…』
 両乳房と、尻と、あそこを一度に、ゆっくりと時間をかけてたっぷり愛撫さ
れる。
 これは“2本の腕”と“自由に曲げることも出来ない男根”しか持たない人
間の男では、到底無理な「方法」だろう。
 だから、「ダメ」だ。
 自分を抑え切れない。
 良すぎて「ダメ」だ。
 意識が熱くとろけて、身も世も無く、淫らに乱れてしまいそうなのだ。
『…これじゃぁ……村の酒場にいる頭の悪い娼婦とまったく一緒じゃないの…』
 出来れば“その時”まで、“仮母”としてシグフィスに「使われる」側であ
りながら、彼に対してのイニシアティヴは義姉らしく保持していたかった。そ
れは、そういう「女としての無意識の賢(さか)しさ」が思わせたことだった。
 けれどティファニアは、とろけ脳で考えながら「それもまた、いいか」と考
えている自分を自覚しているのだった。
「ひんっ…」
 胸部に重たく実ってぶら下がる、脂肪と乳腺のカタマリ。

309:【再会】
06/09/29 11:36:43 6m53xH6p
 たったそれだけのパーツでありながら、先ほど息も切れ切れになるほど散々
翻弄させられた乳房への愛撫に加え、同時に“ぱんっ”と張り詰めた尻肉と最
も熱い「肉」である女陰を同時に責められるのだ。
 たまらなかった。

 早く。

 早く。

 早く、どこでもいから「挿し込んで」欲しい。

 下半身の「穴」ならどこにでも!

 彼女がそう思った途端、たっぷりと『蜜』を纏わり付かせた肉筒が、“ぐぐっ”
とした圧力を伴って後の蕾に潜り込んだ。
 抵抗は、ほんの少しだった。
 自分ではキツく締めているつもりだった括約筋は、彼の愛撫によってすっか
りゆるんでしまっていたようだ。それとも、自分自身の『蜜』が、そんなにも
滑り良くしてしまっていたのか?
「ぅうぉおぁ…ぁあ…」
 彼にしがみついて立ったまま、やわらかくもしなやかで“ぬるり”としたも
のが、後ろから体の中に、お尻の中に「入って」くる。
 思わず上げた声のあまりの獣じみた太さと震えに、彼女は“さっ”と頬に朱
を上らせた。だが、尻の奥に侵入した肉筒に容赦は無く、私室に下がった折り
に便を排泄したばかりなのをいいことに、奥へ奥へと“ずぶずぶ”と身を沈め
てゆく。しかも、直線的ではない。直腸の曲がりを探りながら、自らうねうね
と曲がるのだ。
「ぅあっ…ぅ…ぁ…ぁぁあ…」
 10センチも肛内へと埋め込まれた頃だろうか。
 下半身に力を込めれば、しっかりと太くてやわらかいものが尻の穴に突き刺
さり、奥まで入り込んでいるのがわかる。
『…むずむず…するぅ…』
 アカデミーで習い、既に知識としては知っていた。
 『セグネット』の雄体はこうして“仮母”の体から速やかに痛覚だけを消し
てくれるから、決して『床見の儀』は恐いものではないのだと。
 けれど、知ることと実際に体験する事は大違いだ。
 下腹部に感じる圧迫感はすごかったし、広がった尻穴から走る“むずむず”
が止まらない。
 それに肉筒は、ミミズが這い進む時のように絶えず細かな蠕動運動をしてい
た。

310:【再会】
06/09/29 11:38:09 6m53xH6p
 これでは、性的玩具の「バイヴ」となんら変わらない。
 ティファニアは使ったことは無かったが、召使い仲間の女の子が持っていた
のを、一度だけ見せてもらった事はあった。あの時はバッテリーでうねうねと
動くその動きがおかしくて、使ってみるどころではなかった。だが、今にして
みれば、あの時、手に持ってスイッチを入れた時の振動は、この肉筒の生物的
な動きに比べれば、彼女にはもっと機械的でつまらないものに思えてくる。
「ふあぁぁあああ…」
 自分はきっと今、ひどく馬鹿みたいな顔をしているのだろう…と、彼女は思
う。
 呆けたように空ろな目を上げ、鼻の穴は空気を求めて広がり、半開きの口元
にはまったくもって締まりがない。
 そんな、痴呆のような顔をしているに違いない。
 でも、ダメなのだ。
 お尻が、こんなにもキモチイイだなんて、今の今まで知らなかったのだから。
 やがて、肉筒の中を何かが直腸の中に潜り込んだ先端に向かって“ぐぐぐっ”
と移動したかと思うと、あっと思う間もなく先端から“ジューッ!”“ジューッ!”
と勢い良く腸内に、ぬるめの温水を吹き出した。
『あぁっ!でてるっ…中に出てるぅ…!…でてるよぉぅ……!!…』
 直腸の中に放出され、じわりじわりと内壁に染み渡り、染み込み、細胞の一
つ一つを犯して、毛細血管へ成分が流れ込んでゆくのがわかる。
 これが、シグフィスの体内で生成された「シロップ」だった。
 「シロップ」と呼ばれるのは、その蜂蜜色の粘液には、ほんのりと甘みがあ
るからだとも、水と違ってある程度の粘度があるからだとも言われている。
「機関」ではさすがに実際に体験するまでには至らなかったため、それが本当
かどうか、ティファニアにやわからないが。
「ああっ…ああ~~~……」
 しかし、直腸吸収が最も効率的とはいえ、いささか量が多いのではないだろ
うか。
『お腹がパンパンになりそう…』
 “ぶぴゅっ”“ぴぴっ”と、肛門から溢れて飛び散る「シロップ」の音を耳
にして、ティファニアは羞恥で全身を赤く染めた。
「…ね…ねぇ…床…汚しちゃったけど…」
【だから私は「ここで?」って聞いたんだよ?なのに義姉さんが…】
「私のせいだっていう……んぅあっ!!」
 シグフィスの言葉に、しがみついていた彼の体から身を起こしたティファニ
アは、不意に“ぢゅぼっ”と抜かれた肉筒に体を“びくくっ”と震わせた。

311:【再会】
06/09/29 11:39:54 6m53xH6p
 “ぶぶっ!”“ぶぴっ!”と、とてもとても恥ずかしい音と共に、少量の
「シロップ」が再び飛び散り、太腿を伝って床に垂れた。
「…ぁ…ぁっ……ぁ…」
 信じられなかった。
 尻穴から肉筒を抜かれただけで、たった今の行為だけで、

 ―達し(イッ)てしまったのだ。

 やがて、じわじわと腰から脊髄を通って全身へと、甘い甘い微熱が広がって
ゆく。ぽかぽかとしてあたたかい感覚が肌を内側から嘗めたと思うと、すぐに
“カッ”と熱くなり、その次には“さわさわ”と優しく羽毛で撫でられている
かのようなくすぐったさが襲ってくる。
 全身の産毛が総毛立ち、汗腺から汗が吹き出て珠になって肌の上を滑った。
 達したまま、帰れない。
 高みに昇ったまま、体中の感覚が戻って来なかった。
「…ぁ…いや…ぃやぁ…」
 涙がこぼれていた。
 ティファニアにも自覚する間もなく、滂沱と涙が頬を伝う。
 金色の美しい髪を揺らし、いやいやと首を振りながら義弟にしがみついた。
 “びくっ”“びくっ”“びくっ”と立て続けに達し、フラッシュのように激
しい快美感が脳を焼く。
「…ぁあっ…だめっ…だめっ…だめっだめっだめっ…だめえぇっ…」
 しがみつくキチン質の冷たい『肌』からは、鼓動を感じない。けれどその奥
には、確かに体液を循環させる心臓があるはずだ。
 彼女はその場所に…副肢の間に、夢中でキスをした。
「だめなのっ…もうだめなのっ……ぁあっ…またっ…またぁあぁ…」
 何度も何度も登りつめ、そのたびに“びくっ”“びくっ”と腰が震え背中が
震え、全身が震えた。
 なぜなら、シグフィスの前肢は再びマニピュレーターにも余る“椰子の実”
のような巨大な乳房を、“やわやわ”と時に優しく、時にキツく緩急を付けな
がら揉み立てていたし、副肢に至っては左で尻肉を“きゅっきゅ”と野卑に、
右副肢は前から回してすっかり包皮に潜り込んでしまった敏感な陰核を“ちゅ
…ちゅ…”と驚くべき繊細さで捏ねていたからだ。
【抜いちゃだめだった?】
 冷静な義弟の声が降ってきて、ティファニアは涙で潤んだ瞳を懸命に上げた。
「…ぁ…ちが……んぅひぃっ…」
 だが、全てを口にする前に、再び“ぢゅぼっ”と尻穴に肉筒が、今度はいと
も容易く深くまで埋め込まれ、そして“ぐにぐに”と蠕動まで始める。
 これは何かの拷問だろうか?
 立て続けにイキ過ぎて、胸が、お腹が、苦しいほどだ。
 息が出来ないくらい、全身が快美感で満ちて震え、熱く燃え上がる。

312:【再会】
06/09/29 11:41:03 6m53xH6p
 額から汗が伝って目に入る。
 口にも入り込んで来る。
 けれど、拭う事も出来ない。
 はだけたブラウスは汗を吸って体に張り付き、スカートも汗と『蜜』を「シ
ロップ」を吸ってぐっしょりと濡れていた。
「ぁあっあ~~~~~っ…ああぁ~~~~~~~~……」
 ひしりあげ、泣きむせぶように、搾り出すように、ティファニアは啼いた。
 「シロップ」の効果は速やかであり、膣口からは白濁した『蜜』が“とろと
ろ”と垂れ落ちる。身を起こそうと腹筋に力を込めれば、押し出された『蜜』
が“びゅっ…”と迸った。
 直腸に「シロップ」を注ぎ込まれ、蠕動する肉筒で肛門を嬲られただけでこ
れだ。
 このまま送卵管で膣内や子宮内を克明に、詳細に、執拗にまさぐられれば、
本当に「狂って」しまうかもしれない。

<蟲野郎に味見された女は、二度と人間の男と一緒にゃなれねぇ>

 あの男の言葉が、ティファニアの呆けた脳裏に蘇る。

<一度味見された女は、蟲野郎のそばでしか生きられねぇ体になるっていうぜ?>

 それは、きっと真実だろう。
 なぜなら今のティファニアならば、それを完全に理解出来るからだ。確かに、
こんな状態で―尻穴を犯されたまま1時間から2時間もかけて執拗に胎内をま
さぐられれば、二度と人間の男に抱かれようなどとは思わないだろう。
 人間の男性体のペニスなど、おもちゃに等しいからだ。
【義姉さん…大丈夫?続ける?】
「…は…はひっ……つづけ…てぇ…」
 今や、ティファニアの口調は完全に甘えたものとなっていた。たっぷりとし
て重たい乳房を愛しい人の硬質な外殻に擦り付け、硬く勃起した乳首を“くに
くに”と嬲った。いつしか、重たくて豊満な乳房から外れた彼の前肢は、崩れ
落ちそうになる彼女の体を支え、尻肉と陰核を嬲っていた副肢は、いつしか彼
女の太腿を持ち上げていた。
「…ぁ…あ…」
 それは、ひどく不恰好な姿だった。
 彼に支えられながらしがみつき、ティファニアは空中で両脚を大きく蟹股の
ように広げさせられていたのだ。
 太腿で留まり、両脚を繋ぎとめていた下着はどこにいったのか?
 それは、いつの間にか左足の足首で、所在無げにぶら下がってゆらゆらと揺
れていた。
【じゃあ、いくよ?】
 涙と鼻水と涎と…ありとあらゆる体液で顔をぐちゃぐちゃにしたティファニ
アは、義姉らしい毅然とした態度もプライドも捨てて、ただ愛しい人から与え
られる快楽を甘受するだけの一人のオンナになって“こくこく”と頷いた。

313:【再会】
06/09/29 11:43:49 6m53xH6p
 シグフィスの腹の先端の、肉筒の黒鞘とは別のピンク色をした管がするする
と伸び、まるでソレそのものが一匹の生物かのように「入り口」を求め、身を
震わせるティファニアの陰部を撫で回す。
 太さは肉筒の半分も無い。
 細く、そして長かった。
 半透明であることが、クラゲやヒドラなどが持つ捕食用の触手を思わせる。
「…ぅ…んっ…んっ…」
 やがて管は、充血した大陰唇の狭間、てらてらと濡れ光る小陰唇を掻き分け
るようにして、隠されながらも“くぱぁ”と広がった膣口を発見すると、“ぐっ
…ぐっ…ぐっ…”と内部へと潜り込み、そしてその後は何の躊躇いも無く“にゅ
るるる…”と胎内へと入り込んでいった。
「…ぅあう…うっ…うっ…うっ…うぁっ…うっ…」
 “するする”と、驚くほど長い筒が、あっという間にティファニアの膣口へ
と消えてゆく。
 膣口から外子宮口まではせいぜい10センチといったところだろう。だのに、
もう30センチくらいは胎内へと送り込まれてしまったように見える。
 ひくひくと収縮する尻穴には、まだ肉筒が入り込み、「シロップ」は出さな
いまま“ぐにぐに”と蠕動運動だけを続けていた。
 その上で、膣内に侵入され、内部からデリケートな部分を嬲られる…。
 もとより耐えられるはずも…なかった。
「あ゛あ~~~…いぐっ…いぐぅの゛っ…いぐぅ…」
 泣きじゃくり、涙と涎を滴らせ、全身をピンクに染めながらまるで痙攣する
かのように震わせる。
 “ずっ…ずっ…ずっ…”と、管が潜り込み、引き出され、そしてまた潜り込
む。粘液にまみれた管は、一定間隔で節めいたわずかな盛り上がりがあった。
例えてみるならば、段差の無い滑らかな竹のようだ。その節が、膣口を刺激し、
こりこりとした膣壁を刺激する。
 逞しい男根の亀頭の傘が、いくつもいくつも連なっているのと同じだった。
 そして管は、その太さを自由に変えられるようだった。
 膣内に入った時よりも、もっとずっと細くなっている。
 子宮の中まで、入り込んでいる。
 痛覚麻痺がされていなければ、ひどい痛みを伴ったかもしれない。
 そう思えるほど、長い長い管が“ずるずる”と膣内に消えていっていた。
 それが、膣壁の摩擦でわかる。
 わかってしまった。
 そしてその知識は、ティファニアの中にあるのだ。
 「機関」で得た『セグネット』の知識では、送卵管はただ単に受精卵を子宮
内に産み付けるためだけのものではない。

314:【再会】
06/09/29 11:46:54 6m53xH6p
 『床見の儀』を行う際、肉体の健康状態から卵巣の活動状態、そして子宮壁
の微細な襞の、その詳細な状態までデータとして蓄積し分析するためのセンサ
ーの役割も担っているのだ。
 そのため子宮や膣などの内部性器が、性的興奮時における子宮収縮の際には
どのように変化するのか、内分泌液の成分はどうか、擬似胎盤の着床適応はど
うか、幼体が胎内で活動した際に母体への影響はどうか、そしてその時に起こ
る幼体へのフィードバックはどうかなど、ありとあらゆるケースを、実際にテ
ストしてみるだけの機能が備わっているのである。
「ぁうぉ…おぅ…ぁ……ひぃっ……」
 管から分泌される粘液が、膣壁に、子宮壁に染み込む。
 脳内麻薬が多量に分泌され、「子宮で感じる」。
 子宮内部をいじくられ、撫でられ、卵巣まで伸びた繊毛のような管の存在を
感じる。
 膣内で幾重にも折り曲がるようにくねった管。その管に膣壁を擦り上げられ
て子宮を揺さぶられ、膣壁の一番感じる場所はゆうにおよばず、それどころか
子宮口までもが嬲られて、ボルチオ性感さえもが体中を走り抜ける。
 膣全体が“ぎゅうううう…”と収縮し、その後で“ふあっ”と緩む。それが
何度も繰り返される。

 その“ふあっ”とした時に感じる「幸福感」「充実感」といったら!!

「あぁっ…!…あっぁぁっ!…あぁ~~~~~~~~…」
 甘い甘い幸福感と、激しいくらいのフラッシュのような快美感が、繰り返し
繰り返し何度も訪れるのだ。

 もう、ダメだと思った。
 今度こそ、もうダメだと。

 意識が熱くとろけてしまった。
 身も世も無く、淫らに乱れてしまった。
 そして彼女が一番ダメだと思うのは「そうなってしまったことがたまらなく
嬉しい」と感じている、自分自身の心だった。
 自分が告げたとおり、自分はもう彼のモノだと思っていた。とっくに彼だけ
のモノだと思っていた。
 でも、違うのだ。
 身も心も完全に彼のモノとなったのは、今この時をおいて他に無かった。
 彼さえいれば、もう他には何もいらない。
 彼が愛してくれるなら、他の人間なんて関係ない。
 どうでもいい。そんなものは、本当に取るに足らないものだ。
 そう思ってしまう、ついに「人でなくなってしまった」自分自身だったのだ。
『愛してるわ、シグ!』
 そう言いたくても言えない自分がもどかしくて、ティファニアは泣いた。

315:【再会】
06/09/29 11:52:11 6m53xH6p
 口を開けば長く長く甘ったるい艶声しか上げられなくて、しゃくりあげるよ
うにしながら口をぱくぱくしても「愛してる」の「愛」さえ紡げなかった。重
たい乳房を“ゆさゆさ”と揺らし、びしょびしょに濡らした股間を、お尻を
“くねくね”とくねらせ、太陽に透かした蜂蜜のような美しい金髪を振り乱し
ても、愛しい人に「愛しいのだ」と、「もう貴方しか欲しくない」と伝えられ
ない!
 それは哀しい。
 とてもとても哀しい。
 だから、涙が溢れて止まらなかった。
 気持ち良くて、幸福で満たされ、愛される充実感に眩暈さえ感じながら、そ
れでも尚、ティファニアは哀しくてたまらなかった。

316:132
06/09/29 11:56:55 6m53xH6p
 ひとまず以上です。
 ラスト直前まで投下しました。
 エロは長過ぎるとしらけたり飽きたりするので書いてからカットするように
していますが、それでもまだ長い気がします。

 次は推敲が終わり次第、最後までを投下させて頂きます。
 願わくば、最後まで御付き合い下さい。
 失礼します。

317:名無しさん@ピンキー
06/09/29 12:05:09 ycjvqsEg
リアルタイムktkr!

まだ続くのかー
待ってますよ~

318:名無しさん@ピンキー
06/09/29 12:22:23 aREK5hab
やばいなコレ。弁当食いながら読み耽ったよ。GJ!

319:名無しさん@ピンキー
06/09/29 17:14:50 hRBw1EZt
GJ!!
続きが気になる…ワクテカワクテカ

320:名無しさん@ピンキー
06/09/29 19:55:24 jhaAJJ3p
>>299
神楽スキー氏にもワクテカ。

321:名無しさん@ピンキー
06/09/29 20:36:23 Tx2OtFoH
今、版権でSS書いてるんだけど、Humanize Sequel分かる人いますか?
一応大船戸クン絡みの和姦になる予定なんだけど。

322:名無しさん@ピンキー
06/09/29 20:58:35 8GfULq3p
>>321
ノシ
まさかこのスレでその名を聞くとは思わんかったw
個人的にはぜひ読んでみたい。

323:名無しさん@ピンキー
06/09/29 22:07:33 Tx2OtFoH
おk
寧ろ、大船戸が渚に襲われるっぽい
土日あたりには投下できると思う

324:名無しさん@ピンキー
06/09/29 22:30:47 jhaAJJ3p
>>299
のはどのくらいに投下出来そうですか?愉しみにしてます。

325:名無しさん@ピンキー
06/09/29 22:58:36 G8o2FV7d
出産も書いて欲しいところだ。

326:名無しさん@ピンキー
06/09/30 12:07:36 5RQwyfiT
いつも行ってるスレ板で文句言われたので
たいしたことない内容のSSですが投下してもいい?

327:名無しさん@ピンキー
06/09/30 12:49:49 aCifErcE
それだけ言われても判断しかねるが、どうぞ。

328:名無しさん@ピンキー
06/09/30 14:18:16 A7OkagWd
どう文句を言われたのか、まずはそれからだ

329:名無しさん@ピンキー
06/09/30 16:06:38 JzJeSH56
触手や怪物による異種姦SSならいいんじゃない?

330:名無しさん@ピンキー
06/09/30 20:41:57 5RQwyfiT
>>327>>329さんサンクスです
ウイングマンという桂作品のスレ板でシャレというかお遊びで
エロ小説?を投下したら評判悪いは、チラシの裏に書けだのと散々叩かれました。
ちなみにその作品のなかに出て来る変身ヒロインを
女嫌いと女好きが合体しているエッチな磁石怪人が嬲り、弄ぶエロパロ小説です。 
ここの住人の趣向にあうかどうかわかりませんが
よかったら隅の方にでもいさせて下さい。

331:名無しさん@ピンキー
06/09/30 21:06:30 cis3+iA2
>>330
どう評判悪かったの?
「ヒロイン同士のシーンばっかりで怪人の必要性がない」とか言われるようなのは、少し困る

332:名無しさん@ピンキー
06/09/30 22:16:57 KEdbz18Z
投下投下!怪物なら何でも投下してくれ!

333:名無しさん@ピンキー
06/09/30 22:45:20 5RQwyfiT
大きな鏡の前で桃子はポケットから稲妻型の物体を取り出した。
そうコス姿のあおいが腰に付けているどんな格好にでもなれる、あのスティックだ。
「えい!」
そう言うと桃子はスティックを持つ手を右から左へ動かした。
淡く優しい光と同時に桃子はビキニスタイルのコスチュームへ変身を果した。
「あたし、あおいさんのこのカッコウ、一度してみたいと思ってたのよねぇ~」
「どう、結構似合っているてるしょ?」
「この姿でリーダーに迫っちゃおかな?!」
アオイのコス姿で鏡の前で一人呟きながら夢中でポーズをとる桃子。
そんな彼女に迫る怪しい影が・・・・・


まあ手始めはこんな感じですがどうですか?
ダメならやめますが・・・

334:名無しさん@ピンキー
06/09/30 23:25:44 aCifErcE
ウジウジしてる奴は一番嫌いだ。
叩かれるの覚悟で自己責任で投下するならまだ許せる。
だがご機嫌窺いにいつまでもかまけてたら怒るぞ。

335:名無しさん@ピンキー
06/10/01 04:21:33 X4zS4SXb
( ゚ Д ゚ )

336:名無しさん@ピンキー
06/10/01 06:50:23 WSh/OP6u
ケリ出された理由は実は「エロだったから」ではないに500ペリカ。
打診するならエロシーンを挙げないか?ココ、エロスレなんだし。

337:名無しさん@ピンキー
06/10/01 07:25:51 L1EF95tl
>ケリ出された理由は実は「エロだったから」ではないに
同意

338:名無しさん@ピンキー
06/10/01 08:08:03 Zsl9q9VO
エロシーンはもちろん入れるよ。
あっちはエロに異常なほど拒否反応を起こす
お堅い奴が超ウザかった。

339:名無しさん@ピンキー
06/10/01 10:18:19 3KmZ1Rzo
>>333
ここでも言って貰いたいみたいだから言う
帰 れ ク ズ
一生ヒキッてチラシの裏にでも書いとけ

340:名無しさん@ピンキー
06/10/01 10:57:58 uDtt1pGT
単に思わせぶりに焦らしてニヤニヤしてるように見えるな。
そういうの謙虚というよりむしろ感じ悪いから、ここでは何も言わずに投下したほうがいいよ。

341:名無しさん@ピンキー
06/10/01 11:26:00 NSerjFXP
>>333
もう結構です('A`)

342:名無しさん@ピンキー
06/10/01 13:26:04 EBEDjejA
荒れてんなー

343:名無しさん@ピンキー
06/10/01 13:56:02 xWhoZq1J
このスレからもケリ出されたら
次はどこか別のスレで>>338みたいな陰口を叩くんだろうなw

344:名無しさん@ピンキー
06/10/01 15:11:50 uDtt1pGT
>>342
荒らされてますから ('A`)

345:名無しさん@ピンキー
06/10/01 18:22:04 v9V49kbZ
過疎とどっちがいいかな

346:名無しさん@ピンキー
06/10/01 20:16:49 +nWkP1uB
昼寝をしたら触手な夢を見た。
とある地方で10年に一度満月の時に哺乳類のメスに種を埋め込んで遠隔地へ運ばせて繁殖する触手植物がいる。
山奥だったそこは近年開発されて新興住宅地になった。
そしてクラブ帰りで遅くなった女の子が、近道の為にまだ開発されず残ってた雑木林を突っ切ろうとして…。

という夢だった。触手に飢えてるのかなぁ、自分。

347:321
06/10/01 22:33:29 QKs5YANQ
なんとか日曜日には間に合った。
思ったよりも手間取ってウル○ン見ながら書き上げたよ。
まるあげする勇気はないから、ろだにうpしときました。

URLリンク(kasamatusan.sakura.ne.jp)

348:名無しさん@ピンキー
06/10/01 22:43:52 uDtt1pGT
まるあげすればいいのに・・・
正直保存が面倒だよ・・・

349:名無しさん@ピンキー
06/10/01 22:50:40 QKs5YANQ
ごめんなさい……。
うわ、なんか物凄く申し訳ないです。スンマセン。
いや、微妙にスレに合ってるかどうかが不安な気がして…。
でも蛇足な不安だったようで思いっきり失敗しましたorz

350:名無しさん@ピンキー
06/10/01 23:31:58 PDLbPfaF
>>348
保存が面倒なら読まなければいいと思うよ(^^)

351:名無しさん@ピンキー
06/10/02 00:12:31 H75HTUJq
>>350
そうした。

352:名無しさん@ピンキー
06/10/02 00:45:35 2vOeLRGK
>>347
終わり の前の最後1行……

353:神楽スキー
06/10/02 19:41:21 6lOoalKJ
>>324
とりあえず書き上げたがいまいち弱いので微修正中
ヒロインは神楽シリーズで行ってます。
明日には投稿できると思われ

354:名無しさん@ピンキー
06/10/02 20:27:38 JFNunxHU
>>347
とりあえず、Humanize Sequelでエロが読めたことは奇跡だと思
あと、大船戸が自分から女性を襲うなんて無理だ
汀の性奴隷にされる大船戸なら、まあ想像できるけど
小淵沢なら智とか襲ってそうだと思うけどな

355:名無しさん@ピンキー
06/10/02 20:57:35 sWBvQ0+4
明日降臨予告!!

356:名無しさん@ピンキー
06/10/02 21:04:05 H1jGiVK5
>>353
ワクテカしながら待ってます!
このスレはおにゃのこでも楽しめる

357:名無しさん@ピンキー
06/10/02 21:04:40 eDG6QomN
>>353
全裸で待ってます!!

358:名無しさん@ピンキー
06/10/02 22:19:36 l1G7BJ7p
投下する時は直接スレにお願いします。

359:神楽スキー
06/10/03 20:31:00 rfK2J+Pa
ではいきます。

「ふぅ~・・・・・」

和式の便器に腰を下ろし、全身の力を抜く。
地方へ退魔への依頼を受け赴いた私は、依頼の妖魔をなんとか倒し、その帰り道・・・・不意にもよおした私は近くにあった小屋の厠を借りたのだった。

都会はおろか田舎ではもはや見ることの少ない汲み取り式の便所・・・・そのすえた独特の刺激臭が鼻を突くが贅沢を言っていられる立場ではない。
仕事着でもある巫女服を汚さないように緋袴を膝まで下ろし、緊張とわずかな焦燥に強張った身体から力が抜ける。

チロチロ・・・・

水音が静かな厠の中に響く・・・・その時だった。

ペロリ

「んっ!」

身体が震えた。
な、何かが私のアソコを舐めた・・・・?

下に目をやるが汲み取り式の暗い穴以外は何もない・・・・?
退魔の仕事を終えてまだ気が立っているのだろう・・・・それでも気味が悪くなった私は立ち上がろうとする。

ビュルリ・・・・

不意に両足首に何かが巻きついた。

「えっ!?」

慌てて目を遣ると赤黒い触手が、私の両の足首に巻きつき、その根元は便器の穴の奥へと伸びている。
さらに2本の触手が両膝と太ももに緋の袴の上から巻きつき、完全に立ち上がる事を封じられた。

「そ、そんな!?」

引き剥がそうとする腕にまで触手は巻きつき、そのまま後ろに強引に引き倒される。
バランスを崩した私は後ろに倒れこみ、慌てて後ろ手に手を突いて身体を支えた。

「うっ・・・・くっ・・・・は、離せ!」

必死でもがくが両手、両足を拘束され便器に腰を押し付けた様なこの姿勢では何も出来ない。

「ククク、まさかここに貴方が来るとはのう・・・・滝峰 七歌殿・・・・」

不意にくぐもった声が穴の中から響いた。

「わ、私を知っているのか?」
「フフフ、あの大妖 九尾の御孫である七歌殿の高名は聞き及んでおるよ」

老人のようにしわがれ濁った声が響く

「貴方がこの地に妖を倒しに来た事は、此の地の妖怪すべてが知っておる・・・・ワシが倒されるかとびくびくしていたが、なんともこう言う事になるとはのう・・・・」

妖怪の巣に無防備な姿を曝してしまった自分の油断に歯噛みする、だけどまさかこんな所に・・・・

ペロリ

「あうっ!」

敏感な部分を生暖かく湿ったモノで撫で・・・いや舐められて思わず声が漏れる。

360:神楽スキー
06/10/03 20:32:30 rfK2J+Pa
「七歌殿のような高名な狐精をワシのような下等妖怪がいただけるとは光栄の至り・・・・」
「き、貴様・・・・はっあっ!!」

ペロリペロリ・・・・

湿った妖怪の舌らしきモノが剥き出しのソコを丹念に舐めあげる。
汲み取り便所に便所に住まうような下等妖怪にアソコを舐められる嫌悪。

ペチャペチャペチャ・・・・

静寂の中、唾音が私の脚の間から響き渡る。
膝まで緋袴を下ろした状態で足を固定され、後ろに手を突かされた状態では抵抗らしい抵抗も出来ず、ひたすら妖怪に下半身を嘗め回される。

「あっ・・・・くっ・・・・よ、よせ・・・・や、やめろ・・・・」

湿った柔らかいものに私の大事な部分を舐めあげられ、悪寒に背筋が震える。
緋の袴から覗いた太ももはブルブルと震え、時折ゾクゾクと背筋を駆け上がってくる未知の感覚に身を仰け反らせた。

「ホホホ・・・・七歌殿のおしっこの味がするわ。どれもっとご馳走してもらおうか?」
「なっ!?」

こ、この妖怪、私のモノを飲んで・・・・?
ううん、そんな事よりも・・・・もっと・・・・って!?

ま、まさか・・・・

「よ、よせ・・・・は・・・・あっ!」

尿道が舌先で突付かれ、首を仰け反らせた。

「そ、そこ・・・・うあぁっ!」

細く窄められたその先端が僅かにソコに侵入し・・・・くすぐる。
生暖かい物にくすぐられ、舐めとられ、ジワジワと重い何かが腰の奥底に溜まっていく様な・・・・う・・・・

「あっ・・・・くうっ・・・・こ、この・・・・や、め・・・・」

声が掠れ、突付かれ度に眼瞼の裏を光が弾け、背筋をゾクゾクと悪寒が駆け上がった。
先ほど出したばかりだと言うのに、突付かれ、くすぐられると、その穴が痺れるような痛みと疼きを断続的に訴えかけてくる。

「い、いやだ・・・・そん・・・・な・・・・」
「ほれほれ我慢するでない・・・・一滴残らずご馳走してもらうからの」
「よ、よせ・・・・ぐうっ」

こんな汚らわしい妖怪に自分のしょ、小水を飲まれるなんて・・・・そんな・・・・そんな屈辱・・・・うっ!

触手に固定された膝を必死に閉じようと足掻くが万力のような力に膝はただ震えるだけ、白足袋を履いた足のかかとが土踏まずが、草履の底を離れ爪先立つ。

「あっ、あっ、あっ・・・・も、もう・・・・」

下半身にジワジワと痛みと苦しさが蓄積して行き、息が荒くなり、汗が額を流れ落ちて行く。そして・・・・

クルリ

尖った舌先が尿道の入り口で回転し、穴の縁を抉られ弾かれる様に背中が仰け反った。

「うっ・・・くうっ・・・・い、い、いやぁぁぁ――――っ!!」

迸る絶叫、決壊する堰


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