川原泉作品をエロくしろ!6at EROPARO
川原泉作品をエロくしろ!6 - 暇つぶし2ch23:名無しさん@ピンキー
06/07/28 00:14:58 JP+fvvHL
アレグーリア 1.

「アレグーリア」とは、スペイン語で「歓喜」、ポルトガル語で「よろこび」「楽しい」
の意味らしい。

ロレンツォは隣で起こった突然の展開に呆然としていた。
湖で知り合った緑のカエルのアンジェリカ。
困ってる人を見かけたら損得抜きで一生懸命助けてくれるカエルだったアンジェリカ。
何一つ要求せず、いつも機嫌のいいカエルだったアンジェリカ。

たとえカエルであろうとも、心の王冠を捧げるべきは緑のカエルのアンジェリカであり、
どれほど綺麗な娘といるよりも、小さな緑色の友達と一緒にいる時の方が幸せだ。
そう確信したロレンツォは、母の出した課題を見事クリアしたアンジェリカに固い決意で求婚し、
『自分はカエルだから』と辞退するアンジェリカを説き伏せて、城に連れ帰る途中だった。

イタリア領主の三男といえば『冷や飯喰らいで将来性の無い男』と評価され続けた思春期時代。
ロレンツォはすっかり人間不信というか女性不信に入りつつあったんだな。
そんでもって、初めて彼の心の琴線に触れたのが、鮮やかな緑色のカエル・アンジェリカだった。

そんな彼女がロレンツォ兄達のお下がりの馬車で城に向かう途中、
いきなり上品で美しい娘さんに変身しちまったのだ。
ロレンツォが動揺するのも無理は無い。
アンジェリカもいきなり100年ぶりに魔法が解けた自分に驚いていた。
「もう一生カエルのままだと覚悟してたのに…… 何故急に魔法が解けたのかしら? 
ロレンツォさん、私が人間に戻って驚きました? 人間の私は変じゃありません? 」
― シチュエーション自体は充分変なのだが。
驚いたまま固まっているロレンツォに、アンジェリカは自分の過去を話し始めた。

「ええと……。よ~するにあなたは100年前に 呪いでカエルにされたお姫様って事ですか? 」
「はい。16の時にカエルにされたので、年齢的には116歳になります」
思い切り自分の母より年上の女性ではないか! 
こんな時、人はどう反応していいか思考が彷徨ってしまうものである。

しかしロレンツォはアンジェリカがカエルだろうと、自分の心の王冠を捧げると考える男だった。
しかも、彼女は今まで見たどの女性たちよりも美人なのである。
まさに棚からボタモチ……いやいや、うまい話には裏がある。
「え、えーと……。 
それでめでたく呪いは解けて、元に戻った君は若く美人で才気あふれる人な訳だし。
きっと引く手数多になるだろうけど……。
そんな君は僕なんかでもいいと今も思ってくれるのかな……? 」
散々思春期に女性の心無い噂にトラウマを持ってたロレンツォは、そっちのほうが気がかりだった。

しかし、人間に戻ったアンジェリカはにっこり笑う。
「たとえ私がカエルでもいいと、私を選んでくれたのはあなたでしょう? ロレンツォ。
外見が変わっても、私の気持ちは変わりません」

アレグーリア!! ロレンツォは思わぬ成り行きに、再び心の中で叫んでいた。
こうして二人はそれ以上は疑問も持たず、にこにこ いそいそと、粗末な馬車で城に戻った。

ちょっと一筋縄ではいかないオバサマである母城主も、ロレンツォの伴ったお嫁さんを見ると、
満足気に祝福してくれた。
「ちょっと古風な衣装をお召しだけど、あなたにこれほどの甲斐性があるとは思いませんでしたよ。
まさに真珠のようなお嫁さんを手に入れましたね ロレンツォ」
……本当は緑色のカエルをお嫁さんに連れてくるはずだったんですけどね……。
母に褒められて苦笑するロレンツォは、こうして兄達と共にめでたく結婚式を挙げたのだった。



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