【不可抗力】女の子と二人きりになってしまったat EROPARO
【不可抗力】女の子と二人きりになってしまった - 暇つぶし2ch830:名無しさん@ピンキー
07/07/20 10:55:00 qb2CtBfs
2ch専用ブラウザならJaneがオススメ。
スペック足りないと重いけれど、色々と楽。

あと、気になったのは「永遠と続く」。
「永遠に」か「延々と」じゃないかと……。

831:名無しさん@ピンキー
07/07/20 11:42:07 SHTAPjhx
折角の投下なんだ、感想もいってやろうぜ

GJ!期待してる

832:名無しさん@ピンキー
07/07/20 12:04:33 dhpDaX9k
「活舌」も「滑舌」かな。
ともあれ、どんなキッカケで二人きりになるか期待。

833:名無しさん@ピンキー
07/07/20 14:34:24 K4Jz3pqo
>>829
GJですた。今後に期待します。
改行多用は個人的に気になったが…。

>>832
活舌も間違いではない。

834:832
07/07/20 15:23:21 dhpDaX9k
>>833
む、失礼した。

835:名無しさん@ピンキー
07/07/20 17:01:47 KqBJdBSE
これは良いwktk
久々の神光臨にテンションが上がって参りました

836:名無しさん@ピンキー
07/07/21 08:33:38 6JfFr11N
男子校も女子高もなかなかお互いにおマヌケそうなところが好感持てる
頑張れ!

837:延々と続く片思い男女
07/07/21 11:06:53 oc4huHKW
 ▽

「ここが今回泊まる宿舎ね」

 OBの神田さんが指差したフロントガラス越しのむこうには、青空が広がった山のてっぺんに白い建物の一部分が見えた。

「車ではここまでしか登れないから、あとは歩いていってな」

 外に出てみると、ぎっしりと詰まった森の匂いが鼻腔に広がっていく。

 それはもうコップ一杯分で一日の自然エネルギーが補充できるといった感じ。

 お泊まり所とかかれた古ぼけた看板の隣には、年に一遍も整備されているかどうか怪しい小径の入り口がある。

 だけど荷物をもって歩いても、そこまでつらくはないといった距離だ。

「さっき妹からメールが来たんだけど、もうすぐ来るってさ。じゃあ俺は帰るけど、妹たち四人よろしくな。次の大会、期待してるぜ」

「はい! 了解しました神田さん! ここまでお金を出してもらったからには、この真田慶一、必ずや全国に進出する所存であります」

 慶一がびしっと敬礼をすると、神田さんは笑みを浮かべながら、ヴォンと排気音を出して去っていった。

 木々のさざめきの合間に聴く野鳥の唄が心地いい。街中からたった三十分離れただけで夜空もきっと……

「さてや、トール君」

 悦浸っている吟遊詩人に、悪友が声をかけてきた。ちなみに俺を君付けするときは、なにかしら変な考えを発表するときだ。

「……なんだよ」

「じゃじゃーん。これが今回の女子高生四人であります。隠し撮りに成功しました。ほら、六郎もこっち来てみ」

 慶一は四枚の写真を取り出した。

 お腹から頭までをしっかり長方形に収めた制服女子が、それぞれの写真に一人ずつ写っている。

838:延々と続く片思い男女
07/07/21 11:08:11 oc4huHKW
「へー、良く撮れているね」

 六郎が感嘆しているが、そんなチャチなもんじゃ断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を……

 というかなんでそんなに極めて構図の良い写真が撮れるんだよ。

 二メートルの距離まで近づいて、はい、ポーズをとってくださいね。とか言わなきゃ無理なレベルだろ!

「六郎は、どの子がタイプ?」

 トランプのように写真を広げ、実に楽しそうに慶一が質問する。

「え……えっと、どういう意味かな?」

「好きなタイプだよ、好きな。貧乳がいい! とか、おでこがいい! とかあるっしょ」

「そういうの……よく、わかんないな……」

 蚊の涙ほども穢れなき心を持つ六郎は、慶一とは天と地ほどの差がある。

 まああまりにも六郎が奥手すぎるのもあるが。

 変態度を偏差値五十が平均で表わしてみると、六郎はめったにいない二十台を記録するだろう。

 慶一は、そうだな……鉄の融解温度までいくんじゃないか?

839:延々と続く片思い男女
07/07/21 11:09:14 oc4huHKW
「あー、六郎はウブすぎんなあ。じゃあトール! お前はどの娘よ」

 マジシャンさながら扇を広げるように四枚の写真を目の前に突きつけ、俺に問う。

 一番左の子、写真の右下には油性ペンでパーソナルデータっぽいものが書かれてある。

 『甲田フミ、(一年)―双子の姉、大阪弁、漫才好きでボケもツッコミもいける口』、

 写真を見ると健康美そうな肌色に、大きな目。ポニーテールが特徴的だ。この風景は登下校している途中かな。

 次、『甲田チカ(一年)―双子の妹、同じく大阪弁、漫才好きで、姉と共にお召し上がりください』

 ……なんだこの説明は。写真では姉とそっくりさんだが、この子はツインテールだ。

 次、『神田かなみ(一年)―OBの妹さん、可愛い、とにかく可愛い、ド本命。この垢抜けていなさそうな顔に

 運動少女というステータス! これからOBのことを義兄さんと呼ばさせていただきます。(*'Д`)ハァハァ』

 ……間違えた、これはパーソナルデータじゃねえ。慶一の主観記事だ。まあこのショートの髪型にはそそるものもあるが。

 一番右、『藤井みどり(二年、部長)―』

 ここまで読んだところで、慶一が急に写真を持つ手を引っ込めた。

「ご到着なすったぜい。トールと議論を交わしたかったところだが、これ見つかるとヤバイしなあ」 

 ああ、左様ですか。どうせ議論っていっても、三番目の子のことを選挙運動よりもうるさく演説するだけだろ。

 そしてなぜ一番重要な卓球レベルが書いていない。

 あぜ道を見下ろすと、先程の写真そっくりな女の子たちが、元気良く歩いてきた。

840:延々と続く片思い男女
07/07/21 11:09:56 oc4huHKW
 △

「ふぁ、疲れるね。ねえフミちゃんもチカちゃんも大丈夫?」

「私ならなんも平気っすよ」

「右におんなし」

「藤井先輩! あの人たちじゃないですか? 天守閣高校の部員さん」

「あ、そうだね……かなみちゃんも大丈夫?」

「はい! いまなら富士山にも登れる勢いですよ」

「そう、良かった……」

 坂道登って十五分。ここまで体力ないとは思っていなかったが、今日は特に体が重い。別にアレな日でもないのに……

 後輩を待たせて休憩を取るわけにもいかず、もう一度バッグを背負いなおして急な斜面を登っていった。

「おはようございまーす!」

 上から男の人の声が聞こえてきた。身内や、先生や、テレビとかで聞きなれたはずの低音域な響きに、

 私はとてつもなくドキッとした。

841:延々と続く片思い男女
07/07/21 11:10:46 oc4huHKW
「「おはようございまーす!」」

 後輩たちがそろって挨拶をする。ございまーすのところだけを重ねて返事をした。

 私たちは一歩一歩と近づいていき、そして彼らと合流するまでに至った。

「天守閣の卓球部部長、真田慶一です。よろしく。でこっちがトール。こっちが六郎。みんな二年生だね」 

 わあ! むこうの部長さんが挨拶をしてきた。ということは私も部長だから……

「柊草女学園から来ました藤井みどりといいます。この二人が甲田フミちゃんと甲田チカちゃん。

 この子が神田かなみちゃん。よろしくお願いします」

 ほっ、良かった。ちゃんと声に出せるではないか。

 このまま無言でおたおたしてしまって、かなみちゃんにフォローなんかされてしまったら、目も当てられない。

842:延々と続く片思い男女
07/07/21 11:11:32 oc4huHKW
「(先輩っ、声小さすぎますよ)」

 え!? かなみちゃ……

「彼女が柊草の部長、藤井みどりです。そしてこの双子の子は甲田フミとチカ。私が神田みなみです。兄がお世話になっております」

「へえ、神田さんの妹さんか。お兄さんに似てとってもスタイル良いね。それに素晴らしくキューティフルだ」

「え? キューティフル?」

「ああ、全く罪な人だ。あまりにもビューティフルすぎて、思わず英単語をメイキングしてしまったではないか。

 どうだい? 今宵、この満天のスタースカイのなか、ヨーロッパ中のバラを買い占めて貴方に……グホアッッ!!」

「あー、ごめんね、こいつたまに独り言つぶやいたりするんだ。それじゃあ宿舎まで行こっか」

「は、はぁ……」

 よし、いまだ! 今度はちゃんと目線を上げて話そう。

「あ、あの! 私が柊草女学園から来ました藤井みどりといいます!」

 ……あれ?

「藤井せんぱーい。もうみな行ってもうたよ」

「ファイトだす! 先輩!」

 あ、あう……

843:名無しさん@ピンキー
07/07/21 11:12:52 oc4huHKW
>>830 thanks!

844:名無しさん@ピンキー
07/07/21 11:25:09 oc4huHKW
>>842 かなみちゃん……自分の名前間違えるなよ。 明らかに推敲不足です。 ちょっくら樹海で吊ってくる

845:名無しさん@ピンキー
07/07/21 12:26:50 iPGYdkEE
まあ、もちつけ。あとGJ!

846:名無しさん@ピンキー
07/07/21 14:31:17 usQBxeYv
(´・ω・`)<GJ!
(・∀・)<GJ!

847:名無しさん@ピンキー
07/07/21 14:49:06 i4CFoMkv
(゚∀゚)GJ!
部長ちょっとアホの子で可愛いな。

848:延々と続く片思い男女
07/07/23 14:56:52 qSZ/wQoR
 ▽

 月山舎のとなりには、体育館があった。大きさは学校のそれと遜色ないほどだ。

 この山はまさに合宿のための場所。他の高校からも何組かの部員が来ていて、それぞれ青春の汗を流している。

 ある人たちはバスケット部。またある人たちはバトミントン部。館全体に室内スポーツの掛け声を響きわたらせる。

 俺たちはこのような施設の一角にある卓球ルームで、練習に励んでいた。

 いろいろな組み合わせでの一対一や、チームを作っての団体戦形式で特訓しているうちに、閉館時間である夜の八時になった。

「じゃあ、今日はここまでにしとこっか」

 今の今まで奇跡的に問題を起こさなかった俺たちの部長・真田慶一の言葉に、柊草の面々もそれに同意する。

「晩御飯もあの食堂なのかな?」

「そうだな、あそこしかないしなぁ」

 お昼をとった宿舎内の食堂は決して美味いとはいえなかったが、わざわざ下山するのも億劫だ。

 六郎の問いかけに、俺は気だるく返事をした。

「では、三十分後に食堂に集合ということでどうでしょう?」

「うん! ほんでえーんちゃう?」

「そーやなー」

 神田さんの妹さんと双子娘たちの会話の流れも加わり、やっぱり飯は食堂でとなりそうなところで、

 ただ一人異論を唱えるヤツがいた。

「ちょーっと待ってい! 晩飯のことですが実はあてがあるわけです」

 慶一が、あからさまな役者口調を使う。

849:延々と続く片思い男女
07/07/23 14:58:02 qSZ/wQoR
「は? まさかわざわざ山降りるのか?」

「ノンノンノン、トール君。たしか月山舎の部屋には、当然のことながらコンセントがあるよなあ」

「ああ」

「そして、俺は電気鍋と材料を持ってきた」

「ほう、つまりこんな夜遅くから料理しようというわけか?」

「早漏トールよ、早まっちゃあいけない。実はもう作ってあるわけです」

「どうやって」

「昼飯食い終わったあとにだね、部屋に戻って、野菜を切って炒めて、今はコトコト煮込んである。

 あとはハヤシのルーを入れるだけさあ」

「えぇ!? ハヤシライスですか?」

 不意に女の子の声が、背後から聞こえてきた。

「うん? 藤井みどりさん。どうされましたか?」

 慶一の冷静な受け答えに後ろを振り返ってみると、

 自分の素頓狂な発声にびっくりして、恥ずかしそうに下をうつむく女部長の姿があった。

「実はね、藤井先輩、大のハヤシライス好きなんよ」

「そやね、ハヤシライス巡行の旅とか言て、県内歩き回るほどやんね」

「おやおや、そうでしたか。では藤井みどりさん、せっかくですので食べていただけますか?」

「え……あ……はい……」

 ますますうなだれる藤井さんに対し、慶一のほうはしてやったり的な笑みが見え隠れしたような気が……

850:延々と続く片思い男女
07/07/23 14:58:40 qSZ/wQoR
 △

「よかったですね」

 シャワー室で、短い髪の毛をわしゃわしゃとシャンプーしているかなみちゃんが、こちらに首を回してきた。

「えぇ! 何が……かな?」

「とぼけないでくださいよ先輩。ハヤシライスのことです。偶然ってあるものですね」

「そ、そうね」

「藤井先輩のあの声、とっても可愛らしかったですよ」

「もーう、かなみちゃんはいじわるだなあ」

 私は、腰まで垂れた髪から水気を切って、そそくさと退散しようとすると、後ろから誰かに抱きつかれた。

「せーんぱい♪ まだ帰っちゃあかんだっせ」

「えと、なにかな? フミちゃん」

「今日はいつもとてまうて、三人の男の人たちと一緒に練習しましてんね」

 チカちゃんが代わりにそう答える。

「ほんでだっせ。藤井先輩は誰が良かったんかやえなて」

「そ! そんな! まだ一日目ですし、私が誰かを好きになるとかは!」

 私はある男性の顔が、頭の中を横切ってしまい、瞬間的に顔が熱くなるのを感じた。

「やーだなあ、先輩。あたしは誰が卓球上手かったか訊いただけだすのんに」

「先輩、ひっかかってやんの」

「もうっ! フミちゃんチカちゃんってば」

851:延々と続く片思い男女
07/07/23 15:00:01 qSZ/wQoR
「で、本題だすけど、やっぱり誰が好きだすのん? あたしは六郎君。チカは?」

「安牌やなあ、フミちんは。わたいは漫才向いてそいな慶一君かな。そこで聞き耳立てとるかなみは?」

「ああうん、そうだね。私は徹さんのような人がタイプですね。はい、これで三人ともいいましたよ、次は先輩の番ですね」

 ええ? なんでみんなそんなに簡単に言っちゃうの?

「先輩だけ言わないのはセコだっせ、ほれ、先輩もパーっと言っちゃっとくんなはれ」

「……どうしても言わないといけない?」

「「どうしても!」」

 後輩たちが強く声を揃える。

「えーとね、私は……」

 何度か深呼吸して、喉から搾り出すように、

「私は……徹さんのような人が、ほんのちょっとだけ好みです……」

「「おおおっっっ!!」」

 また三人が合唱する。

「そっかそっか、そうですか、これは先輩応援してあげないといけませんね」

 とかなみちゃん。

「え、なんでなんで?」

 かなみちゃんも徹さんのことがタイプなのでは?

852:延々と続く片思い男女
07/07/23 15:00:37 qSZ/wQoR
「実はね、藤井先輩。あたしら言うたこと、ぜーんぶ嘘だす。

 あたしが六郎君、チカが慶一君、かなみが徹君と割り当てるように言うたら、先輩の本音が聞けるとちがかて思てましてん」

「作戦通りやね! フミちん!」

「ごめんなさい、先輩。フミチカにどうしてもと言われて……」

「え? それじゃあ……私だけ告白したってことになるの?」

 今日は何回も頬を染めたような気がするが、そのどれにも負けないほど真っ赤になってしまった。

「あー、せんぱーい、逃げたあ」

「先輩、テラカワユス」

「先輩! 体冷えてしまってるのでもう一度シャワー浴びた方が……」

 みんな、いじわるだあ。シクシク。

853:名無しさん@ピンキー
07/07/23 16:29:25 NU9lxDZ2
GJ!
先輩カワユス(´・ω・`)

854:名無しさん@ピンキー
07/07/24 18:55:25 8czYO+jC
GJ!!

855:名無しさん@ピンキー
07/07/25 01:11:39 rSDfybG+
慣れない関西弁はやめたほうがいい
・・・実際そういう関西弁があるんなら謝るが。

856:名無しさん@ピンキー
07/07/25 04:47:39 mlAFSDVs
>>855
お前さんが言う関西弁という方言は、おそらく大阪弁の事だ。
実際には神戸や京都も関西に含まれ、神戸弁や京言葉は大阪弁とは違う。
Wikipediaにおいて関西弁とされる方言は、京言葉、神戸弁、近江弁、丹波弁、舞鶴弁、船場言葉、河内弁、泉州弁、摂津弁、播州弁、奈良弁、紀州弁、淡路弁、三重弁の14種類。
これらは全て違う方言だ。
つまりそういう事。

857:名無しさん@ピンキー
07/07/25 12:02:00 iIzBPVaA
てか物語の中なんだしどうでもいいんじゃ…

858:名無しさん@ピンキー
07/07/25 13:53:04 mlAFSDVs
>>857
地元民はこだわるんだよ。

859:名無しさん@ピンキー
07/07/25 14:40:23 Zav0ssdo
たしかに、間違った方言が出てくると失笑してしまう。

860:855
07/07/25 16:53:54 rSDfybG+
関西弁が多様なのはわかる(そもそも地元民なんだからな)。
その上で>>848が多様な方言のどれにも該当しないのではないか、と言ってるんだ。

だがちょっと待って欲しい。
怪しい関西弁使うのも脳内変換次第で萌えるのではないだろうか。

861:名無しさん@ピンキー
07/07/25 17:14:53 dOYMA7VF
おkwww

862:名無しさん@ピンキー
07/07/25 18:59:12 bZ1JBuMH
さてわいも地元民なわけだが、どないな言葉使うたらええねん?

863:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:00:41 bZ1JBuMH
 ▽

「そ! そんな! まだ一日目ですし、私が誰かを好きになるとかは!」

 な、なんだ?

 もくもくと湯気だつシャワーの栓を閉めると、同時にくぐもった女の子の声が耳に入ってきた。

 となりから? あの声は……

 俺たち男がシャワールームにいるということは、やはり女の子も同じく汗を流そうとしているわけで、

 仮に薄壁一枚で仕切りをしているのであれば、向こうからの発する音がこちらまで駄々漏れてもてんで不思議ではない。

 で、詰まるところ、藤井みどりさん本人の声だと判断できるほど明瞭に聞き取ることができ、

 俺にとって柊草四人中一番好感の持ったその子がさっきのような台詞を口に出すから、

 希念と緊張の思いで蛇口の栓から手を離すことができないでいるほどだ。

 ちなみに運良く慶一はいない。あいつがいた場合には、もうこの会話を最近刻々と良質になってきている携帯の録音機能で盗聴し、

 連続再生可能のメディアプレイヤーを耳元に置いて、寝てから起きるまでずっとかけっぱでいるだろう。

 いや、あの変態なら、盗撮ぐらいはするか?

 右手には六郎がいるが、たぶん彼には恋沙汰の話しなどフランス・ブルターニュ地方のブルトン語よりも理解できないに違いない。

 まるで気にすることなく体を洗っている。

 向こうからのシャワー音も交じるが、俺は耳の穴をかっぽじって集中した。

「で、本題ですけど、やっぱり誰が好きですの? あたしは六郎君。チカは?」

 おお! さっそく本題ですか! この声は双子ちゃんか? で、六郎君が好きですと。良かったなあ六郎。

864:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:01:40 bZ1JBuMH
「安牌やなあ、フミちんは。わたいは漫才向いてそうな慶一君かな。そこで聞き耳立ててるかなみは?」

 双子ちゃんのもう一人の子だ。慶一が好き!? ……やめとけとは言わない。

 どうせ明日になったら嫌悪の対象になっているだろうから。

「ああうん、そうだね。私は徹さんのような人がタイプですね。はい、これで三人ともいいましたよ、次は先輩の番ですね」

 え? ……お、オオオオオオオオ俺!? いい、今のって神田かなみさんだよなあ。

 そっか、俺か……そっか、そっか……ヘヘ、そっか。

「先輩だけ言わないのはズルですよ、ほれ、先輩もパーっと言っちゃってください」

「……どうしても言わないといけない?」

「「どうしても!」」

 藤井みどりさんの番だ。俺も一緒に「どうしても!」と口を動かす。

「えーとね、私は……」

 うんうん、私は?

 ジャァァーーーーー!

 思いもかけず、いきなりの濁流音が聴覚を奪った。

 もう素ん晴らしいタイミングで、六郎がせっけんの泡の洗い落としを開始したのだ。

 六郎~~、そりゃねーよ。

 あとから考えてみれば、有無も言わさずにシャワーを止めてやればよかったんだが、

 このときは必死になってとなりからの音を拾おうとしていた。まるでWiiで行なう卓球の練習のように無駄であったが。

865:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:02:27 bZ1JBuMH
 △

 香ばしいドミグラスソースの匂いが漂ってきた。

 デミグラスソースではなくて、正しくはドミグラスソースというのですよ、

 なんて語ると、「ホントに先輩ってハヤシライスのことになると饒舌になるんですね」とからかわれてしまうので、

 できるだけハヤシ知識は隠すようにしておこう。

「ほーい、できましたよーん」

 201号室の男部屋で作られたハヤシライスは、いまちょうどお皿に盛り付けられようとしている。

「トントントン、あーけーてー」

 向かいの203号室―女部屋から着替えの準備をしてきたフミちゃんがドアをノックする。

 なかなか防犯意識の高いことで、月山舎の各部屋にはオートロックが設置してあり、

 一度ドアを閉めると、鍵を持っているか、中の人から開けてもらわなくては入れない。

 私がドアを開けに行く。

「はい、フミちゃん」

 これで201号室に七人がそろった。フミちゃんはくんくんと鼻を鳴らし、とびっきりの笑顔になる。

866:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:03:23 bZ1JBuMH
「あー、じゃあみんな、鍋を囲んでー」

 振りかえると徹さんがみんなに合図を送っていた。

 ふぁあ、なんでだろう? 練習中はそこまでではなかったのに、意識しちゃったからなのかな、お顔もまともに見られない。

「うお! トール、もうみんなに皿を配ったのか?」

「おう、それがどうかしたのか?」

「え……ああいや、ご飯の量の大小とか気をつけようと思って」

「足りなきゃまだおかわりはあるだろう、多けりゃ残せばいいし」

「う……どれがどれだか分かんねえ」

「なにを言っているんだ?」

 みんなが鍋の周りに集まって、輪になろうとしている。

 徹さんは左どなりの慶一さんとお話をしているけど、右どなりは、右どなりには……誰もいない。

「藤井せんぱーい、席はもちろんあそこやろ」

「そうやね、はいはい行った行った」

 ええ!? 私だけに聞こえるようにフミちゃんチカちゃんが呟き、それの意味するところに胸がキュウンと鳴らされる。

 息も心なし苦しくなったような。どうしてこの子たちは他人の恋バナがすきなんだろ。

867:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:04:19 bZ1JBuMH
「先輩が行かないのでしたら、私が座りますよ~」

「……!」

 まだ輪に加わっていないかなみちゃんの言葉に、またまた胸が締め付けられた。でもさっきとは違ってなんとなく嫌な感じで。

「かなみ、先輩にいけずしちゃあかんよ」

「イジメ、かっこ悪い」

「冗談ですよ、先輩」

 私は急かされるまま、フラつかないようにしっかりとした足取りという気で、でもやっぱり少しフラつきながら、

 徹さんのとなりに座った。

「じゃ、じゃあ食べよっか」

 全員が鍋を囲んだところで、徹さんの号令のもと、遅い夕食会がはじまったのでした。

868:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:05:15 bZ1JBuMH
 ▽

 フワっときた。急にフワっときた。ハヤシライスに屈しないほどシャワー上がりの女の子の芳気が、

 目に見えるほどの侵攻力を持って俺の鼻を陥落させたのだ。

「じゃ、じゃあ食べよっか」

 あんまりの不意打ちに思わずキョドってしまい舌噛んだ。そしてその恥をごまかすように先陣切ってみる。

 俺が食べると同時にみんなも競うばかり、というほどでもないが、各自スプーンを動かし始めた。

 厳しい練習で、おなか空いていることだしな。

 あれ?

「おい慶一、食べないのか?」

「え? ああ、うん、まあ、その、そう。こうも美味しそうに料理ができるとね、なんか食べるのがもったいないなーって」

「そうか? 自信作なのは分かったから、お前も食えよ。ウマいぜ。」

「……そだな」

 そして、若干の沈黙をおいたあと、

「札幌ドーム!」

 と毎日三十時間考えても解けないような叫びをシグナルとして、猛烈にメシを掻きこみ始めた。

 左にいるこんなバカ野郎はほっといて、鍋越しの正面に目を向けると、双子ちゃんたちが六郎相手に漫才をしているのが見えた。

 彼女たちの会話は非常にテンポが良く、まるで言葉というピンポン玉を使って、

 愛ちゃんもびっくりのスーパーラリーを打ち合っているように感じる。六郎もまた目を丸くして、そのリズムに聴き入っている。

 たしかどっちかは、六郎のことが好きなんだったな。がんばれ。

869:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:06:05 bZ1JBuMH
 続いて、もひとつ右。こんな俺に対して興味津津であられる神田かなみちゃんが、とても礼儀良く正座して双子漫才をたしなめている。

 もう一度言う。俺のことがとっても大好きなかなみちゃんはなぜか向こう側を向いている。なんでだろう? 

 たまにちらちらとでもこちらを気にしてくれるのだったら嬉しいのだが、漫才に集中しているんだったら仕方がないか。ちょいと残念。

 さらに右には、我が麗しの藤井みどりさんが……なんかお皿とにらめっこするように下を向いて食べている。

 そうだった、ハヤシライスが好きなんだったな。これが慶一の策略だというのは考えすぎだろうか?

 まあいい。せっかくのチャンスなんだし、話しかけてみよう。

「藤井さんってどうしてハヤシライスが好きなんですか?」

「へ、はッ、ヒャウ!? け、けほっ、けほっ」

「あ、ごめんごめん」

 急に話しかけてしまったせいなのだろう。咳きこむ藤井みどりさんに水を差し出す。

「ンッ、ンッ、ンッ、くふぅ。……ふぅ。あの、ありがとうございます……徹さん」

「気にしなくていいよ。それより藤井さんって、俺のことを名前で呼ぶんだね」

「ひゃあ、いえ、それはっ違います、いえ、違うというのは違うという意味ではなくて、その、苗字は教えてもらっていないから……」

「そうだっけ? うーん……じゃあこうしよっか、俺も藤井さんのことみどりさんって言っていい?」

「はうあッ! はひ! はい、構いません。いいですよ。大丈夫です」

 あれ? 俺ってそんな怒ったような口調をしているかな? なぜだか怖がっているように見える。表情がおっかないからかもしれない。

 努めて笑顔で優しい言葉をかけても、スプーンを口に含ませて、ますますとしなだれるような格好をさせてしまう。

 ごくたまに気遣いからか、目を合わせてくれるも、サッと伏してしまう。

 その上目使いとても可愛いのになあ、本当に嫌われているのかな……ショックだ。

870:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:06:50 bZ1JBuMH
 こっちからのほぼ一方的な会話がそろそろ途切れようかとするところで、いとらうたしかな。とんでもないことを質問してきてくれた。

「と! 徹さんって素敵ですよね! 彼女とかいるんですか?」

 え? それってどういう……

 しかし、発言の意味を百パーセント理解する前に、とんでも迷惑野郎が突如として喚きはじめた。

「おう、キタぜパトラッシュ。エキセントリックな掉尾を飾る予定だったが、いちごパンツ(1582)で最早これまで。

 チャーミングなショートヘアーが霞んで見えてきたぞよ。そんな貴方は明眸皓歯。そんな拙者は月下氷人。

 そして意識はメルトダウン。みせろかがせろさわらせろ……」

 こういい残し、慶一は豪快にも音をたてて仰向けに倒れた。今のは辞世の句なのか? 長いしムズいし覚えにくい。

 最後の一フレーズしか聞き取れなかったぞ。

 気づいたら、正面の三人も寝ていた。双子ちゃんと六郎が川の字になって。

871:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:07:38 bZ1JBuMH
「先輩……私も部活の練習で疲れたみたいです。ちょっと向こうの部屋で休、み、ま……」

 立とうとするものの、全く体に力が入らないみたいで膝から崩れ落ちるかなみちゃん。

 なんかおかしい。そしておかしいと感じる初源の理は、そこでべそかいてぶっ倒れているこの変態だと判断、断定。

 大方このハヤシライスのいくつかに眠り薬でも仕込んだのだろう。

「みどりさんは平気?」

「う、うん。ちょっと気だるい感じがするだけ」

 そういっておぼつかない足取りで、201号室を出ようとする。

「私、部屋で休むね……」

 俺ははっきりとした意識があるから、おそらくはハズレだったのだろうけど、みどりさんの皿を見ると食している量が少ない。

 なので薬が入っていたかどうかは確認できなかった。

 さりとてもし薬が入ってたとすると、急に倒れることになってしまうかもしれない。

 俺は急いでみどりさんを追った。

872:名無しさん@ピンキー
07/07/25 19:08:18 bZ1JBuMH
↓こっからずっと俺のターン!↓

873:名無しさん@ピンキー
07/07/25 20:53:41 PIPR2i4W
↑ここまでお前のターン↑

874:名無しさん@ピンキー
07/07/25 21:04:56 bZ1JBuMH
>>873
あ、ごめん。そういう意味じゃなくて、
みどりちゃんが気を失うので、主人公がずっと続きますよってことです。
まぎらわしいな、この書き方かと

875:名無しさん@ピンキー
07/07/25 21:37:15 iIzBPVaA
ワロスwww

876:名無しさん@ピンキー
07/07/25 22:54:04 a7b4ouCP
札幌ドームwwwwwwwwwww

877:名無しさん@ピンキー
07/07/26 12:33:26 EeZm8OaR
GJ!
そろそろ本番フラグwktk


>>872-873
この流れ吹いたwww

878:名無しさん@ピンキー
07/07/27 15:41:38 EkOUgvb9
良スレage

879:名無しさん@ピンキー
07/07/28 12:56:29 x9inJUH3


880:名無しさん@ピンキー
07/07/28 22:40:24 H1o/blrY
ニャ━━ヽ(゚∀゚)ノ━━ン!!

881:名無しさん@ピンキー
07/07/28 23:48:02 x9inJUH3
続きwktk

882:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:44:19 qyxHwqkY
 △

 あれ? 私、どうしたんだろ?

 クーラー結構利いているはずだけど、体が熱くほてる。

 首元から嫌な汗が流れてきて、呼吸も荒くなってきている。

 まるで体の全ての器官から酸素を欲しているような感覚が、全身を包む。

 心拍音も聞こえてきた。もうダメ、つらいかも。

「私、部屋で休むね……」

 頭と視界がふやけて、よろよろになる。お酒飲んだことないけど、酔うっていうのはきっとこういう気分なんだろう。

 201号室を出る。真正面の203号室のドアノブを引っぱる。あれ、開かない。

 そうだ、鍵、鍵。たしかポケットの中に……

「みどりさん、ふらついているけど大丈夫? とっとっと、うわあ!」

 意識が朦朧としていて、どうやら私の体は力なく倒れようとしていたらしい。後ろから声をかけてくれた誰かが支えてくれた。

「あっ、ありがとうございます」

 手短にそう告げて、助けてくれた顔を確かめようと目線を上げてみる。

 ぼんやりとした目に映えだしたのは、さっきまでいろいろ話しかけてくれた徹さんだった。

 ―徹さん!

883:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:44:57 qyxHwqkY
 なんだかよくわからない。人に対してこんな気持ちになったことは生まれてから一度もない感情。

「…………!」

 しゃべろうとしたけど声は出せなかった。ううん、話しかける内容すらも混乱していてよく分からない。考えることができていない。

 じゃあ私は何をしているかというと、どうしようもなく気持ちのいい衝撃と、

それをうまく扱えないでいる切なさが胸に集まってきて、ただ瞳を潤ませているだけ。

「ちょ、ちょ、みどりさんホントに目がトローンとしてきてるけど、マジ大丈夫なん?」

「…………」

「とりあえず、部屋で休ませないと……うおっ、しくった。こっち側のドア、閉まっちゃってるじゃん。

オートロックうぜーなぁ。みどりさんの方の部屋は鍵ある?」

「…………」

884:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:45:36 qyxHwqkY
 ▽

 何度か問いかけても、はぁはぁという息使いだけ。

 他のみんなと症状が違うことに俺はあせった。

「ごめんねみどりさん。すこしだけ鍵を探させてもらうね」

 決して広いとはいえない宿舎の廊下にて、壁に背を預けて座らせている。

Tシャツと長めのスカートを穿くみどりさんに対し鍵のありそうなポジションを見つけようとした。

ちなみにヤラシイ目つきでではない。そう、バファリンに含有するやさしさの割合ほどしか、卑猥な視線を送っていないつもりだ。

 もし鍵を持っているとするならば、おそらくはスカートのポケットだろう。

っていってもスカートのどこにポケットがあるかなんて、てんで予想つかない。

 とりあえず両腰に手を当ててみる。

「ひぁ……んっ」

 みどりさんが腰をひねった。いやいや変なところを触ろうとしたわけではありませんよ。

あくまで両腰。骨盤のところを軽く触っただけです。って俺は誰に言い訳しているんだ?

 天井には十メートルおきにダウンライトが並んでおり、その明るさはというと、

極端に顔を近づけないと表情が判別できないほど、蒼然たる暗色に閉ざされている。

 みどりさんは苦しそうに胸を上下させているが、かといって顔を覗き込むことも、これ以上下半身をまさぐることも申し訳ない。

 フロントまでスペアをもらいに行こうともしたが、夜遅いこともあり、

 取りに行ったけどなかった。 次は一時間後に取りに行くです。いやいや一時間後じゃまたフロントに人いないって。

 こうしてまた、201と203の両部屋の間で途方にくれていたが、いつまでも佇んではおれず、俺は一大決心をした。

885:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:46:12 qyxHwqkY
「みどりさん、体起こすよ」

 鍵を見つけるために、みどりさんを持ち上げた。

 見た目軽そうな女の子でも、全身力が抜け切っているので、後ろからお腹に手を回して抱きつかなくては力不足だ。

 ぬおっ。

 匂いとは恐ろしいもので、至近距離でみどりさんの香りを嗅ぐと、なんとも不埒な気分になってくる。

 けれども俺はMPの半分ほど使って、いきり立とうとする一物をしずめた。

「えーっと、ここかな?」

 後ろポケットをさわると鍵らしい物体があった。引き抜く。

 鍵なんかじゃなく、女子高生のヒップを思いっきり握り締めたい衝動に駆られたが、

 そこもやはり残り半分のMPを駆使して思いとどまる。MP0。たぶん次はない。

「よっしゃあ、開いたー!」

 慶一がどんな薬を使ったかは知らないが、命を奪うようなことはないだろう。

 俺にできることといったら、後はみどりさんをベッドに寝かせてあげることぐらいだ。

 ふぅ、いろいろ疲れた。じゃあ俺も変な気が起こらないうちに、寝るとするか。

886:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:47:06 qyxHwqkY
 △

 徹さん、徹さん、私おかしくなっちゃたのかな?

 抱き上げられたりして徹さんと触った場所が痺れたように熱いよ。

 年頃になってからは男の子に接する機会はなかったけど、おそらくこの感情は……ドラマや小説で言うところの……恋、かな。

 わかんない。わかんないけど、徹さんにもっとさわってほしかった。ペタペタって。

 恋する乙女というのはものすごいって聞くけど、こんなに気が高ぶるものなんだ。へぇ~。

 徹さん、もう寝ちゃったのかな? もっともっといろんなお話がしたかったな。

 そしていろいろなところをペタペタさわってもらって。

 ああっ! 私、とってもエッチなこと考えているけど、これが恋なんだよね。普通なんだよね。

 もし私に歩く力があれば、今すぐに徹さんのとこまで行って、キスしたいよう、唇を押し付けたい。

 あ、でもダメだよね。徹さんの気持ちを聞かないで、勝手なことをしちゃ。

 ……でもでもでも想像の中ならちょっとはいいかなぁ~なんて。

 私が寝ているベッドまで徹さんが寄ってくる想像をしてみた。電気が消えていてよくわからないけど、きっと優しい表情だ。

 徹さんは私の上布団に乗っかる。両膝で私の腰を挟み込む形にして。

 体重の重心はかかっていないけど、布団の張りによってちょっぴり拘束された気分になる。

 布団からは頭しか出ていなかったが、その頭を目掛けて唐突にキスされた。

 洋物の映画に出てくるような、深い深い口付け。空想上なのに唾液があふれてくる。それを彼のだと思って呑みこむ。ごっくん。

 次は、肩から胸にかけて手を這わせてきた。布団の上からだけど、ぞくぞくっとする快感に身が爆ぜる。

 私は、大きい胸が好き? と訊いてみる。彼は、みどりの胸が好き。と答えてくれる。

887:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:48:06 qyxHwqkY
 マッサージのように何回か揉まれていると、急に手が止まった。彼は数秒考える仕草を見せると、突然ベッドから降りてしまった。

 どうしたの? と一言かけると、その言葉にすれ違うようにして、彼は足元から布団にもぐりこんできた。

 足の裏をこちょこちょとかいて、厭らしくも股を広がせてきた。

 私はちょっとだけ抵抗するけど、その曖昧な行動に彼は愛おしそうに笑う。

 彼の両手は、私の両足からゆっくりと上ってくる。つまさき、かかと、すね、ひざ、もも。じらすように上ってくる。

 両足の合流地点まできて、私はぎゅっと目をつぶったが、彼は嘲るように女性の一番大切な部分を通過し、さらに進んでいった。

 Tシャツに手を入りこませて、胸までたどり着く。そして上手にブラをはずされる。

888:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:48:50 qyxHwqkY
 足から胸まで彼の触れたところは、魔法のように熱を帯びている。

 彼は、もうすでに尖ってしまっている私の乳首を捻じりながら、ひょっこり頭を出してきた。

 無意識に私は赤くなる。けどずるい。彼はとても澄ました顔だ。プイっと顔を横にそらすと、ほほにキスされた。

 彼は……その、男の人のソレを、ショーツ越しの私の股間にあてがった。

 強く強くおしつけてきて、上下運動を始める。実際にこういう行為はしたことがないけど、本能で知っているのかな。

 右手で股に照準をあわせて擦り、想像とあわせる。

「…………ん……ぁ、ふぅん……」

 声が漏れてびっくりした。信じられない。こんなに気持ちのいいものなんだって知らなかった。

「ふぁ……あ…………ああんっ」

 指にめいいっぱい力を込める。全身に不思議な灼熱がこみ上げてきた。

「ひゃぁ、はぁ……ああっ……はああ!」
 
 な、なにか変。その温度がとどまるところをしらずに上昇していく。

「はっ、はあ、ん、ああああっ、ひゃああぁぁぁ、ふぁああああああああ!」

 …………

 …………

 ……初恋って、気持ちいい……

889:名無しさん@ピンキー
07/07/30 15:51:35 qyxHwqkY
旅行いっていて、更新できませんでした。スイマセソ
その旅行中に媚薬ねた考え付いて、ずっと俺のターンは変更しました。



890:名無しさん@ピンキー
07/07/30 21:02:56 hMx1618R
>>889
GJ!
あの迷惑馬鹿野郎は何入れてんだよwww

891:名無しさん@ピンキー
07/08/03 21:25:31 cn/Smx2p
work taker

892:名無しさん@ピンキー
07/08/04 03:36:15 tmwIrn1Z
適当な横文字を力みながら言うとジョジョっぽくなる。

というワケで試してみよう。

サンッハイッ!


 ワ ー ク ・ テ イ カ ァ ァ ア ッ !

893:名無しさん@ピンキー
07/08/04 07:40:01 oHHNpeto
仕事を取っていくのだな。
移民問題みたいだ。

894:名無しさん@ピンキー
07/08/04 23:22:35 d7rA5fnw
倭阿琥帝禍ァァァァァァァ!

895:名無しさん@ピンキー
07/08/05 15:46:31 VnIUkW3J
アヴェ! シィィンッ ヅォウッッ!

896:延々と続く片思い男女
07/08/06 14:38:57 nSJsXPPf
 ▽

 ハヤシライスを食ってから、歯も磨かずにベッドに入った。

 着飾りとしてはいいが、寝転んでみると分かる刺繍の部分がやけにゴワゴワして鬱陶しいTシャツを床に脱ぎ捨てる。

 Gパンも同じ理由で今は穿いていない。

 合宿といったら寝るのには敷布団と相場が決まっているのだが、ここは違う。

 一部屋には四つのベッドが並べられ、分厚く高級そうなカーテンをめくると、部屋の半分ほどもある小奇麗なベランダがあった。

 眼下にはどこまでも続く黒い森が広がっている。

 そんな、もう宿舎どころかホテル並みだろという月山舎には、もしかしたら使い捨て歯ブラシも備え付けられていたかもしれない。

 でも、もういいや。寝る。

「ひゃぁ、はぁ……ああっ……はああ!」 

 いきなり聞こえてきた。

 みどりさんの息遣い、というよりもすでに喘ぎ声が、だ。

 おいおい慶一。お前、何を入れてくれたんだよ。睡眠薬といっても一応『薬』なんだからな。

 人によってはアレルギー発作とか引き起こしかねないだろ。

「はっ、はあ、ん、ああああっ、ひゃああぁぁぁ、ふぁああああああああ!」

 ん、ん? いや、やばいんじゃないか? うなされているだけじゃないだろ。ちょっと確認しとこう。

 トランクス一枚しか身に着けていないが、この暗がりならまあいい。

897:延々と続く片思い男女
07/08/06 14:39:49 nSJsXPPf
 俺はみどりさんのベッドの近くまで来て、様子をうかがった。

 さっきまで全速力で走った後のようなひどく荒い息をしていて、少し不安になった。

 熱を測ろうと額に手をのせてやる。

 ……うん、自分の体温とは違いが分かるほどに熱かった。……マジ、どうしよう……

 医者でもナースでもない俺は、この緊急事態にほとほと困り果てていると、みどりさんが意識を取り戻したみたいだ。

 目を凝らすと、うっすらと俺を見つめるみどりさんの瞳があった。

「徹さん……?」

「みどりさん、大丈夫ですか!?」

 うつろうつろと目線が揺れているが、的確に俺の顔を捕らえているのがなんとなく分かる。

「徹さん、もう一回ですかぁ? うれしいです」

 う、うん? 何がもう一回なんですか。

 のんびりとした彼女の口調に、意味がよく掴み取れない。

「今度は……中にお願いしますね」

 え? さっぱり分からん。夢の続きと勘違いしているのかな?

 みどりさんは縋りつくようにして右手を伸ばしてきた。では、と手を握ってやる。柔らかな手のひらと指には、汗かなにかで濡れていた。

 かわいいなあ。こんな娘を彼女にして、ホテルの一室でガンガンと俺の欲望をぶちまけ……っていかんいかん。

 みどりさんの体調確認が急務だ。

898:延々と続く片思い男女
07/08/06 14:40:29 nSJsXPPf
「とりあえず、電気つけますね」

「ぁ……ふぅん、電気は、だめ……恥ずかしいです」

 そ、そうか。で、じゃあ、俺はどうしたらいいんだ?

「もう一回、キスしてくださぁい」

 キ! キ! キスですか!? キスというとあれですか? 男と女の唇を重ねたり嘗めたり突っついたりするあれですか?

 って俺はなに純情ボーイを振舞っているんだ! 妄想の中じゃあもっと鬼畜なことをかましているだろう。

 生まれてきてから十七年間、はじめて女の子にそんなこと言われたからって、

 ドキドキする年齢でもないし。中学生かよ俺は! あードキドキする!!

 ん? ちょっと待て。もう一回? もう一回って何がもう一回なんだ?

 キスか? キスだよなあ。俺はしてねえぞ。さっきまでベッドで寝転んでいたし。っていうと何だ?

 夢の中の誰かとみどりさんはキスしていたのか? なんだそれ。みどりは俺の嫁。じゃなくて、みどりさんにそんな不埒な行為をするのは、

 なんてうらやま……えーっとどっちだっけ? あぁ、うらやましいでも合っているのか。……じゃなくて、ユ・ル・セ・ン!

 はぁ……そっか、みどりさんには想い人がいたということか……残念賞!

 うぅ、つらい……つらいってもんじゃねーよ。胸の中身をえぐられて鼻の穴につめ込まれた方が、まだましだ。サヨナラ、俺の初恋……

 あれから、なんかみどりさんは大丈夫そうなので、俺はベッドに戻った。たぶん泣きながら。

899:延々と続く片思い男女
07/08/06 14:41:17 nSJsXPPf
 △

「かなみちゃんは、何ともない?」

「はい、私は平気です。少しだけ頭が重たいですが、部活動に支障が出るほどではありません」

「そう、無理のないようにしてね。フミちゃんとチカちゃんは?」

「問題あらへんよ」

「平気っす、先輩」

 二日目、朝。

 慶一さんが言うには、タマネギから出る硫化アリルが集団食中毒を引き起こしたらしい。

 タマネギを多く入れすぎちゃってゴメンって言っていた。

 医学的なことはよく知らないけど、そんなこともあるんだ。今度ハヤシライスを食べるときには気をつけなくっちゃ。

 昨晩は私も食中毒に当たってしまって、食後のことはあまり覚えていない。でも、徹さんが私の介護をしてくれたことは分かっている。

 そして、そのあと……とってもエッチなことをしたような気がして……それが夢か現実かも分別できないほど混乱していて……

 まともに徹さんの顔も見られない。

 そして今、私は、誰にも、どんな物にも触れることができない。だって触ってしまうと……

「おう、トール。お前は平気だったんだってな」

「ああ、そのことで慶一には厳しく詰問したいところなんだが」

「それは、合宿後にしてくれ。ところで当たりくじを引いたのは誰だったんだ?」

「なんだ? 当たりくじって」

「それはだな、ネットオークションで仕入れた―だよ。」

「はぁ? そんなはんざ……」

900:延々と続く片思い男女
07/08/06 14:42:31 nSJsXPPf
「おーと、シャラープ。俺もお前でもないということは、六郎と女の子四人のうちの一人。

 女の子に当たる確立は五分の四、イチローの倍以上の打率だぜ」

「それで、その当たりくじを引くとどうなるんだ?」

「ようつべでその参考動画を見たんだが、それはヤバイね。男女問わずもう出しまくり、吹きまくり、感じまくり。

 そしてその感覚は一週間消えることはない。ほらトールも覚えているだろう、一学期期末テストのとき。

 試験勉強中にちょっとだけ試しに嘗めてみたんだが、そしたらテスト期間はずっと起ちっぱなしでヤバかったさ」

「ああ、静かな教室でお前だけ奇声を発していたな。よく覚えている。何度か注意されていたしな」

「いやいや、あれはわざとやったんじゃなくて、ホント火照りが体内を駆け巡っていて大変だったのさ。

 もう窓からお前ら男共を投げ捨てて、すぐさま自慰に耽りたいぐらいに」

「そっか」

「そうだ」

「……」

「……」

「で、それが五人のうちの誰かと」

「そうだ」

 廊下にいる徹さんの声を耳をそばだてて聴く。英語のヒアリングよりも集中していると思う。

 男の方に甘美な声といったら失礼かもしれないけど、徹さんから出る甘く麗しい音を聴いていると、強く抱擁されたい気持ちになってくる。

 でも今はダメ。今、その広い胸に入ってしまうと、とんでもなく自我が壊れてしまいそう。

 その、昨晩から体調がおかしいせいで、変なことばっかり想像しちゃう。これじゃダメ。もっと一般的な男女の付き合いを考えてみよう。

 一般的といったら、やっぱり駅前でデートなのかな。私は散々悩んでおしゃれな服を着ていく。

 待ち合わせ場所にはもうすでに彼がいて、私は、待った? と声をかける。徹さんは静かに首を振り、私と手を重ねて歩こうとする……

901:延々と続く片思い男女
07/08/06 14:43:10 nSJsXPPf
 う、うわぁ、これはすごい。私がこんなことをするなんて信じられないよう。だ、だって隣がかなみちゃんとかではなく、徹さんですよ!?

 ふひゃ? ニヤケた顔が止まらないよう。こんな顔、誰にも見せられない。止まってー、止まってー、私の顔!

 あれ? なんかみんな体育館に行っちゃったのかな? 人の気配がしない。

「藤井先輩、ずっとうつむいていますけど大丈夫ですか?」

 あ、かなみちゃんの声が聞こえた。

「もうみんな練習場に行っていますけど、先輩はどうされます? 具合が悪いのでしたら、お休みになられたほうが……」

 といって、私の背中を撫でる。

「ヒャンッ!!」

「ご、ごめんなさい……先……輩?」 

「あ、あ、ううん平気だから! 先に行っていて、かなみちゃん!」

「……はい、わかりました」

 かなみちゃんは不安そうな声質で、ここ、203部屋から出て行った。

 今度こそ部屋の中には誰もいなくなる。

 触られた背中は熱く痺れてくる。

 痛みではなくて、もっともっと摩擦したくなる感じで。

「はぁ、私、こーゆーこといつもはしないのに……」

 部屋の鍵を確認してから、今朝方まで眠っていたベッドに潜りこんだ。

 頭まで上布団をかぶると、すごい淫臭がした。

「体が、疼くから、仕方ないよね」

 今日だけで何度目になるか分からないけど、私は再び体をまさぐり始めた。もちろん徹さんを想って。

902:名無しさん@ピンキー
07/08/06 14:50:34 nSJsXPPf
一日目の不可抗力は「オートロック」で、
二日目はたぶん「黒い森」になりそうです。

903:名無しさん@ピンキー
07/08/06 17:28:54 02t7sWN/
GJ!
おお!なんと本番が二回もあるのですか?

904:名無しさん@ピンキー
07/08/06 17:46:04 XUsDVF7N
GJ!

しかし、何故トランクス一丁なのに電気をつけようとしたんだ!?

905:名無しさん@ピンキー
07/08/07 07:38:13 m/C4W5m6
age

906:名無しさん@ピンキー
07/08/07 13:51:44 KHijCWHe
>>904
電気つける前にシャツ着るのではないか?
まぁそのまま電気つけたほうがいろいろ盛り上がるが 

907:名無しさん@ピンキー
07/08/09 08:53:32 YoPcTW1M
流れ仏契りだが、そろそろ新スレ立てないとな>>908

908:名無しさん@ピンキー
07/08/09 19:45:51 3e0xOZll
このペースなら
950が立てれば問題なし

というわけで>>950

909:名無しさん@ピンキー
07/08/09 22:25:46 DaAjkahX
>>908
>>950はちょっと早くないか?
あまり早く立てすぎても残りの容量持て余すと思うが。
480KBか、レス数が980越えたあたりで十分だろう。

910:名無しさん@ピンキー
07/08/11 12:32:46 8Yhpul9l


911:名無しさん@ピンキー
07/08/11 14:28:16 WhQFAVPg


912:名無しさん@ピンキー
07/08/11 14:35:59 Aby6fEbS


913:名無しさん@ピンキー
07/08/11 14:39:19 8Yhpul9l


914:名無しさん@ピンキー
07/08/11 15:05:06 KXM0JTVq


915:名無しさん@ピンキー
07/08/11 15:18:24 UPY3p4Im


916:名無しさん@ピンキー
07/08/11 17:05:45 q9bCJwUL
ワロスwwwww

917:名無しさん@ピンキー
07/08/11 17:28:30 gEMWye2r
そういや保管庫どうするよ?
せっかくこんなに投下があったのに、このまま消えるのは勿体ない
まあ作者の許可いるし大変だがな

918:名無しさん@ピンキー
07/08/11 17:39:59 O+nqFXpT
ほしいし作れるならやりたいけど作れない
っくやしい・・・ビクンビクン
けっこう更新とか大変だから携帯の俺には無理なんだよな
うまいこと誰か出てこないものかね。
まあ都合よすぎか。
いつか保管庫ができることを願って保守


919:名無しさん@ピンキー
07/08/11 18:54:37 8DP2Fkdk
うん? じゃあ俺が突くっていいのかな?

920:名無しさん@ピンキー
07/08/11 20:37:09 xr8d2M4X
>>919
頼んだ。

921:名無しさん@ピンキー
07/08/11 21:17:47 aADuEQxG
>>919
まあ、投げ出さないようがんばってww

922:名無しさん@ピンキー
07/08/11 22:26:32 hwx70Pzy
>>919
>>突くって
実に相応しい変換ミス、その意気や良し!

923:名無しさん@ピンキー
07/08/11 22:50:48 G29kNcVV
「お願い…突くって…」

エロいな

924:名無しさん@ピンキー
07/08/11 23:16:01 8d4F0MfJ
>>918
うまいよね^^

925:919
07/08/12 00:38:34 lKkjinsz
いま突きまくっている最中なんだが、
このスレ、未完が多くね?
どうする? それも載せたほうがいい?

926:名無しさん@ピンキー
07/08/12 00:43:49 JXKlIBD8
入れたほうが色々といいと思う

927:名無しさん@ピンキー
07/08/12 09:50:50 XID9fJJp
>>925
補完しろ。
保管じゃなくて補完しろ。

928:名無しさん@ピンキー
07/08/12 12:18:18 exvrSRZH
昨日このスレ見つけた。
おレ的に後日談が欲しい。雪山 とか mori~♪ とか。

今は脳内補完でしのいでいるが、正直しんどい…

929:名無しさん@ピンキー
07/08/12 13:47:13 ffB6bZPr
>>910->>915
ちょwwww

>>917
どっかのwiki借りたら住人全員で作業できるが

930:名無しさん@ピンキー
07/08/12 20:32:33 EyGnx30b
わかるウィキなら手伝う気マンマンだぜー

931:名無しさん@ピンキー
07/08/12 20:41:31 UzCZ5Phv
>>919が作ってるんじゃないのかい?

932:名無しさん@ピンキー
07/08/13 12:15:31 3xkTY2wW
ウィキなら借りてきさえすれば、後は住人総出でかかれば一瞬で構築できるんだがなぁ
URLマダー?

933:名無しさん@ピンキー
07/08/13 13:46:43 brMvHXR/
じゃあ@wiki借りてくる。
ちょっと待ってろ。

934:名無しさん@ピンキー
07/08/13 14:10:54 brMvHXR/
URLリンク(www38.atwiki.jp)

借りてきたよ。

935:335
07/08/13 14:12:54 nEdMDBgG
URLリンク(delmogenee.18.dtiblog.com)

936:名無しさん@ピンキー
07/08/13 14:31:21 oGJM0htP
>>932

がんばれ。

937:名無しさん@ピンキー
07/08/13 15:38:55 XPMDLOQJ
動く気配がないな、とりあえず全部載せて
作者の申請があれば消すって形でいいのかな?


938:名無しさん@ピンキー
07/08/13 18:12:59 P8p0drNT
4つぐらい保管しといた、変なところがいっぱいあるから直しといてくれ

939:名無しさん@ピンキー
07/08/13 23:33:59 DcfwMpjQ
>>938
乙。
さて、みんなで残りを頑張って保管しようか。

940:名無しさん@ピンキー
07/08/14 11:49:00 bJRA02GU
たぶんほとんど保管し終わった。
細かい編集の仕方は分からんから、あとはおまいらがやってくれ。

……っていうか、Wikiって慣れてないと普通に保管庫作るよりもエライな。
始めるまでに常駐スレの保管にかけてる時間の倍くらいかかったぜ。

あと、>>919には期待。
別バージョンのもう少し見やすい保管庫頼む。

941:名無しさん@ピンキー
07/08/14 11:53:01 YQ4CxN42
ウィキってメニューもトップページも変更できるんだぜ?

942:名無しさん@ピンキー
07/08/14 12:36:58 bJRA02GU
そうらしいな。

943:名無しさん@ピンキー
07/08/14 21:15:27 gXHHJinA
ん、時間見つけてわかりやすく整頓しておくぜ。

944:名無しさん@ピンキー
07/08/14 22:40:46 j0a5f64m
トップページ変更、カウンタ設置した

945:名無しさん@ピンキー
07/08/16 01:34:55 nZnodK1r
>>944
乙~。
後何かあるかな?

946:名無しさん@ピンキー
07/08/16 09:01:18 UpiqhcAu
おつー、後は職人さんたちを待つだけだな、全裸で

947:名無しさん@ピンキー
07/08/20 03:26:29 allGz+kW
保守

948:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/20 06:57:52 huPsKwFg
◆プロローグ

 『僕は誰?』
      『今どこにいる?』
              『何をしている?』

“畜生、なんてことだ……”
 ぼんやりとした意識の中。頭の奥底で、誰かの声が響いた。
“なんてことだ……”
 続けてもう一度、同じ言葉が繰り返される。
 それは、心の底から絶望したような、そんな声だった。
 例えるなら、最高裁で死刑宣告を言い渡された囚人のような……
 一拍間を置いて、その『囚人』は懇願するような口調で、こちらに向かって語りかけてきた。
 いや、正確には声の主が僕に向けて『語りかけた』のかどうかはわからない。
 もしかしたら、僕が勝手にそう感じただけなのかもしれない。
 ただ、誰であれ、まるで神託のように、頭の中から何者かの声が聞こえてきた、となれば、それが自分自身とは無関係な事柄だとは思わないだろう。
“頼む……!”
 それにしても、聞けば聞くほどに切羽詰まった声音だ。
 彼が、僕に対して何かを伝えようとしていると仮定して、一体何を頼むというのだろう?
 僕は何となく気になって、その声に意識を集中してみた。
 そんな事をするまでもなく、否応なしに聞こえてくるものなのかもしれないが。
“頼む……死ぬんだ。死んでくれ……!”
 直後。突然、物騒な言葉を投げかけられて、思考停止を余儀なくされる。
 コイツは、何を言ってるんだ? 『死んでくれ』ってどういうことだ!?
 大体、人に『死ね』って言われて『はい、死にます』なんて答える人間はいないだろう。
 ……と。
 そこで唐突に、僕は気付いた。気付いてしまった。
 この声は……どこかで聞いたことがある……!?
 誰だ? 誰だ? 誰だ? 誰だ? 誰だ? 誰だ?
 靄がかかったような脳味噌に鞭を打ち、思考を巡らせること数秒。
 その声の『正体』に思い至った瞬間、ありえない事実に疑問を差し挟む余地すらなく、僕の意識はブラックアウトした。

949:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/20 06:58:33 huPsKwFg
◆白い牢獄

 瞼を開いた途端、眩しいくらいに鮮烈な『白』が瞳に飛び込んできた。
 頭は鉛のように重く、記憶は所々欠けてしまったみたいにはっきりとしない。
 自分はベッドに寝かされていて、白一色に染められた部屋の天井を茫然と見ている。
 たったそれだけの事を理解するのに、数分もの時間が必要なほどだった。
 僕は幽鬼のような緩慢な動作で上半身を起こすと、周囲を見回す。
「……なんだ、これ?」
 思わず、そんな間の抜けた台詞が零れる。床も、壁も、勿論天井も。部屋の中は見渡す限りの、白だった。
 広さは―距離感を失うくらい殺風景なので、目測が合っているか定かではないが―十二畳ほどだろうか。
 空調もない。電灯もない。窓枠もない。内装も何もあったもんじゃない、白い立方体の内部に、僕はいた。
 体が小さくなって、サイコロの中に閉じ込められたとしたらこんな感じかもしれない、と愚にも付かないことを考える。
 それは、小さな子供たちがスゴロクで遊ぶ時に使う、何の変哲もないサイコロで、誰も、人間がこの中に入っているなんて思いもしない。
 だから、子供たちは、無邪気な笑顔を湛えたまま、サイコロを振る。サイコロの中にいる人間は、その回転に翻弄されて、壁面に叩き付けられる。
 全身がバラバラになるような衝撃を受けて、吐血する。白い壁に、赤い斑点ができる。蚊の鳴くような叫びは、外には届かない。
 もしかしたら届いているのかもしれないが、遊びに夢中な子供たちは気付かない振りで、またサイコロを投げる。
 子供たちは、飽きるまで、サイコロを振り続ける。何度も、何度も、何度も、何度も―
 ……何を考えているんだろうか、僕は。
 大きく首を振って、妄想を頭から追い出す。心の準備もないままに、わけのわからない状況に放り込まれて、精神的に参っているのかもしれない。
 今はそんな、薄気味の悪い妄想に囚われている場合ではない。
 それよりももっと、解決しなければならない、重要な問題がある筈だ。

950:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/20 06:59:10 huPsKwFg
 そう。そもそも……どうして僕は、こんな場所にいるのだろうか?
 目覚めた時から、頭の片隅で絶えず考え続けてはいた事だった。が、一向に、ここに至るまでの経緯が思い出せない。
 まさかとは思うが、記憶喪失にでもなってしまったというのだろうか。
 僕は、自分自身に関する情報を一つ一つ、反復作業のように確認して、錆付いた記憶の扉を開いてゆく。
 僕の名前は佐々野智信(ささの とものぶ)年齢は十九。生まれは東地区五番街の四。階級は三級市民。
 僕が暮らしているのは『一級市民』と呼ばれる一握りの人間と、それを補佐するコンピュータによって運営される都市、マシン・シティ。
 カースト制にも似た厳しい階級制度が導入されている都市で、そこに暮らす市民の階級は一級~五級に分類される。
 階級ごとの地位について、見も蓋もない解説をしてしまうならば―
 一級市民が支配者、二級市民が上流階級、三級市民が中流階級、四級市民が下流階級、五級市民が犯罪者、と言ったところか。
 そして、僕の目標は、いつの日か昇格試験に合格して、栄誉ある(一部では神とも呼ばれている)一級市民になることだ。
 うん、大丈夫。記憶に目立った異常は認められない。『どうして僕はここにいるのか』という、最も重要な一点を除いては、だが。
 限局性健忘、という言葉が頭を掠める。心因性の健忘(外傷性の健忘ならば、無傷ではいられないだろう)では、一番ポピュラーな症例だ。
 本当に、そうなのか……? 今僕の身に起きているのは果たして、『健忘』という常識の範疇にカテゴライズされるような現象なのか……?
 自分でそれらしい理屈をつけておいて、尚、歯に挟まった異物のように、違和感がある。
 仮にそうだとしても、この限局性健忘が、完全な偶然の産物であるなどとは到底思えなかった。
 気にはかかるが、記憶に関しては、悩んだ所でどうにもならなさそうではある。時間の経過が、回復に導いてくれることを祈るしかない。

 さて。こうしていつまでも、ベッドの上で座っていても仕方がない。
 兎に角、部屋を調べてみよう。そう決めて、僕は足を床に落とすと、重い腰を上げた。
 立ち上がった状態で、僕は改めて、部屋のあちらこちらに視線を這わせてみる。

951:名無しさん@ピンキー
07/08/20 06:59:14 W+NcAFC6
リアルタイムキタコレ

952:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/20 07:00:11 huPsKwFg
 そこで、自分が寝かされていた部屋の片隅のパイプベッド、その丁度反対側に、もう一つ、全く同じデザインのベッドがあるのを発見した。
 先程気が付かなかったのは、そのベッドのデザインが保護色の役割(シーツだけでなく、骨格であるパイプまで白だ)を果たしている所為なのか、それとも単に寝惚けていて見落としたのか。
 そのベッドには、人が横たわっていて、ベッドの下には、淡い水色をした箱のようなものがあるのが見えた。
「ふぅ……」
 無意識の内に、口から安堵の溜め息が漏れていた。僕の他にも、誰かがいる。
 やはり、一人ではない、というのは心強いものがある。記憶が欠けてしまっていて、右も左もわからない、そんな異常な状況下であれば、尚更だ。
 僕は早歩きで、ベッドへと近付く。ベッドに寝かされていたのは、一人の小柄な少女だった。目を瞑り、両手を胸の上で組み合わせている。
 そっと、口許に手をかざすと、息遣いが伝わってくる。どうやら、眠っているだけのようだ。
 そのまま暫く、少女を観察する。髪は胸元まで伸びたストレート。上は長袖のフリルブラウスに、薄手のカーディガンを羽織っており、下はフレアスカート。
 偶然か必然かは知る由もないが、少女の衣服は上下共に、すべて白で統一されていた。
 肌も、無機的な人形のように生白く、彼女が部屋の構成要素の一部なのではないか、などという錯覚すら覚える。
 ともかく、起きてもらわなければ。そう思い、肩に右手をかけて、軽く体を揺すってみる。
 正直、その気持ち良さそうな寝姿を見ていると、若干起こすのが躊躇われたのだが、起きてもらわないことには状況は進展しない。
 彼女には、色々と聞いておきたいこともある。
「おい、きみ、起きてくれ」
 声をかけながら、何度か揺さぶってみる。と、少女は声にならない小さな声を発して、ゆっくりと目を開いた。
 そして、寝惚け眼のまま、視線をひとしきり泳がせると、僕が立っている方向に顔を向けた。

953: ◆SSSShoz.Mk
07/08/20 07:00:49 huPsKwFg
雪山編やLa-Piece~ラピエス~からインスパイアされて書きたくなりました。
閉鎖空間万歳。続きます。

954:名無しさん@ピンキー
07/08/20 08:13:16 jjwbYfmk
GJ!
始まったばかりでも、否応なしにwktkしちゃうような良作の予感ですよ!

955:名無しさん@ピンキー
07/08/20 12:29:01 ax7du+NX
うむ、不条理系は大好物だ。座して待つ。

956:名無しさん@ピンキー
07/08/21 02:28:28 nPL5uXm/
これは期待。面白そうだ。

次スレどうする?
このペースでこの容量なら、多分>>980でも大丈夫だと思うけど。

957:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/21 07:00:26 WkZZTR7D
「え……?」
 その表情に、困惑の色が混じった。
「あの……あなた、誰ですか? ここは……?」
 眠りから覚醒した少女の第一声を聞いて、僕はある種の諦念を抱かざるを得なかった。
 ああ、これは―予想していなかったわけではないが―なんてことだろう。
 まず間違いない。彼女も、僕と同じ境遇なのだ。それはつまり、記憶の部分欠落が、ただの健忘ではないことを意味する。
 何か、得体の知れない、大きな力が働いている。そう解釈する以外にない。
 眉間に皺を寄せて考え込んでいる僕に、少女が再び声をかける。
「あの……」
 僕を見つめる少女の表情は、困惑から不安へと移行していた。
「落ち着いて聞いてほしい」
 ともすれば、動揺して泣き出してしまいそうな雰囲気を察して、予め予防線を張っておく。
「は、はい」
 少女は、そこでようやく上半身を起こすと、姿勢を正して、こくりと頷く。
 僕はなるべく彼女にショックを与えないように、ゆったりとした口調を心がけた。
「残念ながら、僕にもわからない。ここはどこなのか、どうしてこんな場所にいるのか……」
「……そうなんですか」
 思いの外、反応は淡白だった。繊細そうな容姿に似合わず豪胆なのか、或いは、まだ現実感が希薄なのか。
 もしかすると、内心、僕の方が取り乱しているくらいかもしれなかった。
「僕は佐々野。佐々野智信。きみの名前は? 覚えていたら教えてほしい」
「私は……朝霧留美(あさぎり るみ)です。青鷺学園、中等部の三年生……」
「覚えていないのは、ここに来るまでの経緯だけだね?」
 確認するようにそう問いかける。彼女は、黙って首を縦に振った。
 思った通り、僕と彼女の記憶障害における『症状』は、完全に一致しているようだ。
「それじゃあ、佐々野さんも……?」
「ああ。きみと同じ、と考えてもらって差し支えない。要は、起きたのが早いか遅いかの違いだよ」
 僕はそう言って、反対側―自分が寝かされていたベッドを示した。
「とりあえず、僕は部屋を隅々まで調べてみる。入ってきたのだから、必ずどこかに出口はあるはずだ」
「そ、それなら私も手伝います。一人でじっとしてるの、不安ですから」
 少女が勢い良く立ち上がる。かくして、二人による部屋の調査が始まった。

958:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/21 07:01:08 WkZZTR7D
 ひとまず、壁伝いに部屋を一周しつつ、出入り口があるかどうかを調べてみることにした。
 お世辞にも広いと言えるような部屋ではないから、見落としがないよう丹念に壁面を調べながら進んでも、すぐに一周できる。
 さして、手間のかかる作業ではないはずだ。
「あ、見てください。ここ」
 半周もしない内に、彼女が、僕の服の裾を引いて、壁の一点を指差した。
 見ると、そこには四角い切れ込みが入っていて、下には、半円の取っ手のようなものが付いている。
「これ、開くのかな?」
 僕は取っ手部分に指をかけて、上方向に力を込めてみた。
 すると、郵便ポストの蓋が内側から開くみたいな形で、切れ込み部分が跳ね上がって、そのまま固定された。
 部屋に、ぱたん、という呆けない音が響く。そして、その中から現れたのは、ドアノブだった。
 例によって例の如く、そのドアノブもまた、持ち手から可動部分に至るまで、一点の曇りもない『白』だ。
「まったく、偏執的というか何というか……徹底するにもほどがある」
 一人ごちながら、押すなり引くなりしてみようかとノブを掴んだ途端、彼女が不吉な台詞を呟いた。
「何かの仕掛けでしょうか? 罠とかじゃ、ないですよね?」
 罠……? 考えてもいなかった可能性の指摘に、手が止まる。
 そう言えば、と、昔見た映画にそんなストーリーがあったのを思い出す。
 どこからか連れて来られた男女。無数の立方体で構成された部屋。行く手を阻むレトロなトラップ。
 自分の体が壁から突き出した針で串刺しにされている情景を想像してしまって、背筋を冷たい汗が流れる。
「わからない。……が、注意するに越したことは無いね」
 動揺を隠しながら、やっとの思いでそう答えて、僕は暗澹たる気持ちになった。
 わからない。僕が咄嗟に発したその一言に、現状の全てが集約されているように思えたからだ。
 ここは何処なんだ? この部屋は何なんだ? どうして僕が? どうして彼女が?
 疑問はそれこそ、腐るほどある。だが、何もかもがわからない。従って、何の指針もない。
 僕らは今、確かなことなど何一つありはしない、とても不安定な足場に立たされている。彼女の発言で、期せずしてそれを実感した。
 気取って『注意するに越したことはない』などとは言っても、一体何に、どうやって、注意すればいいのかすら定かではないのだ。
 しかし、だからと言って、このまま右手でノブを握り締めたまま、棒立ちになっていたって仕方がない。
「……回すよ」
 それは、隣で心配そうに見ている彼女にかけた言葉というよりは、自分自身に行動を促す為の言葉だった。
 ノブは、なんの抵抗もなく回り、滑らかな動きで、自らの役目を全うした。そのまま、内側に向かってノブを引く。
 それに合わせて、目の前の壁がスライドする。壁の一部に擬態していた扉がその姿を現す。

959:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/21 07:02:09 WkZZTR7D
 僕は中途半端に開いた扉の隙間から、恐る恐る中を覗いてみた。
「あれ……?」
 果たして、鬼が出るか蛇が出るか。彼女の『罠とかじゃないですよね』発言の余韻を引き摺りながら、悲壮な覚悟で扉を開けた僕を待ち受けていたのは、意外な光景だった。
 扉の向こうは小さな個室―トイレだった。内装全てが白であることを除けば、各家庭、どこにでもあるような、水洗式のトイレだ。
 ペーパーホルダーにはトイレットペーパーが準備されていて、両サイドには備え付けの手すりまである。
「どうしたんですか?」
 真後ろに立っている彼女が聞いてくる。僕の背に視線を遮られて、扉の中は見えていないらしい。
 何というか、適切な言葉が見つからなかったので、僕は扉の前から体をずらして、ジェスチャーで中を見るよう促した。
 百聞は一見に如かず。口で説明するよりも、実際に見てもらった方が早い。
 頭上にクエスチョンマークを浮かべながら、彼女は中を確認する。そして、暫しの沈黙。
「トイレ……ですね」
「そうらしい」
 そんな、間の抜けた会話を交わしてから、お互い、微妙な表情で目を見合わせた。
 凝ったギミックの先にあるものが、何の変哲もないトイレというのはどこかシュールだ。リアクションに困るのも頷ける。
 何にせよ、出口でないなら今は用はない。扉を閉め、部屋の探索を再開する。
 と、内周の三分の二程度を調べた所で、今度は僕が同じものを見つけた。
 四角形の切れ込み。半円形の取っ手。どうやら、先と同じ仕組みになっているらしい。
 だが、その四角形部分の面積は、トイレに通じるドアノブが隠されていたものより数倍大きい。
 トイレの次はなんだろうか? 今度こそ、出口へと続く通路か何かだといいのだが……
 僕はそんなことを考えながら、取っ手を持ち、開ける。

960:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/21 07:02:58 WkZZTR7D
 中には、電卓のモニターみたいな液晶画面が埋め込まれており、画面上部にアラビア数字で『三十』と表示されていた。
 画面下部には『ルールA』『ルールB』『ルールC』『ルールD』との表示が、縦一列に並ぶ。
 画面下部(ルールA~Dとの表記がある部分)の右側には若干のスペースが空いており、ここにルールの内容が入るのだろうと推測できた。
 が、何故か空欄になっているから、その、四つあるらしい『ルール』とやらがどういうものであるのかは不明だ。
 そして液晶画面の下には、トイレの時と寸分違わぬ、白いドアノブ。
 僕はとりあえずドアノブに手を伸ばし、回そうと試みるが、どんなに力を込めても、ぴくりとも動かない。
「駄目だ。ロックがかかっているみたいだ」
「この数字……『三十』と、その下の『ルール』っていうのが、何か関係あるんでしょうか? 謎を解かないと開かない、とか」
 顎に手を当てて、少しばかり考える。我ながら情けないが、それでも結局は、お決まりの言葉を返すしかなかった。
「……わからない」
 
 部屋を一周して、僕らは最初の場所―彼女が寝ていたベッドが置かれている地点―まで戻ってきた。
 収穫は、トイレへの扉と、開かない扉、二つの扉の発見。蟻一匹見逃さないよう、時間をかけて調べたから、おそらく見落としはない。
 部屋には、この二つ以外に内周部に面している扉はないと考えていいだろう。
「開かなかったあの扉を、なんとかして開けられたらいいんですけど……」
 言いながら、彼女はベッドに腰を下ろす。と、そこで、僕は忘れていた『あるもの』を、唐突に思い出した。
「そうだ、箱……」
 そう、彼女のベッドの下に置かれていた『箱』の存在だ。

961:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/21 07:03:54 WkZZTR7D
「箱? 箱って何のことですか?」
「きみのベッドの下に、確か、水色の箱があったんだ。そんなことよりきみを起こして、話を聞くのが先だと思っていたから、今まで失念していたけど……」
 あの中に、扉の謎を解く為の手がかりが入っているのかもしれない……というのは、流石に楽観的過ぎる予想だろうか。
 とにもかくにも、確かめてみなければ始まらない。僕はその場に這い蹲って、ベッドの下から箱を引きずり出す。
 箱は小型のクーラーボックスくらいの大きさで、箱の天辺には、小さなリボンが結びつけられている。まるで、プレゼントの包みみたいだ。
 そういえば、異常なほど『白』に拘った部屋の中で、この箱だけ白でなくて水色なのは、何か意味があるのだろうか。
「開けてみるよ?」
 そう言って、彼女の方を振り向く……が、返事がない。
 右手で左手をぎゅっと握り、箱に視線を釘付けにして、彼女は硬直していた。
「……留美ちゃん?」
「えっ? あ、はい!」
 もう一度声をかけると、肩をびくっと動かして、思い出したように返事をする。
「どうかしたの?」
「な、なんでもないです」
 とは言うものの、なんでもないわけはない。理由こそはっきりしないが、動揺しているのは明らかだった。
 心なしか、顔から血の気が引いているようにも見える。
 気にはかかるのだが、本人がなんでもないというものを、無理矢理問い詰めても仕方がない。無駄な軋轢が生じるだけだ。
 それに、この状況に直接関係のあることであれば、彼女から率先して発言してくれるだろう。そうであると願いたい。
 だらだらと考えを巡らせつつ、箱の包装を解いていく。さて、中身は一体何だろう? 期待と不安を抱きながら、僕は箱を開いた。

 箱の中に入っている物を、順番に出して、床に並べてゆく。
 一リットルのペットボトルが一本。ブロックタイプの栄養補助食品が二箱。それから、A四判の紙とボールペン。
 箱の中身は以上だった。二人は箱を挟んで向かい合うようにして床に座り、手に取って、一つ一つ確認してみる。
「これは、海外のミネラルウォーターかな?」
 言って、僕はペットボトルを掲げて見せる。そのパッケージ―水彩画のようなタッチで描かれた山の絵―には見覚えがあった。
「ですね。輸入品です。コンビニエンスストアなんかで、見かけたことがあります」
 今度は彼女が、栄養補助食品を手に取る。
「えーっと。これは、カロリーメイト……四本入りのブロックタイプですね」
「後は、A四判の用紙とボールペンか。どっちも、特に見るべきところは―」
 ざっと眺めてから、箱に戻そうとして、手が止まった。
 白紙かと思っていた用紙には、左上に小さなフォントで一行だけ、印字があった。
『― project whitebox ―』

962:TIPS ◆SSSShoz.Mk
07/08/21 07:04:54 WkZZTR7D
TIPS『わからない』
あまりにも、わからないことが多過ぎた。
だが、二人は所詮籠の中の鳥。わかった時にはもう遅い。

TIPS『白に拘った部屋』
白一色の内装は、精神に良い影響を及ぼさない。
それを重々承知した上で、この部屋は白一色だった。

TIPS『水色の箱』
この箱は善意の象徴であると同時に、悪意の塊でもある。
留美はその悪意を、敏感に感じ取ったのかもしれない。

TIPS『project whitebox』
それは、この怨念の籠った計画の名前。

963: ◆SSSShoz.Mk
07/08/21 07:05:50 WkZZTR7D
>>952の続きです。
書くのは正直遅い方なのですが、掴みである序盤で停滞するのも何なので一気に。

964:名無しさん@ピンキー
07/08/21 12:29:56 ph0kMhn0
いや、じっくりで構わないですよ。非常にいい仕事です。
TIPS含みですか、むう。構成にも期待です。

965:名無しさん@ピンキー
07/08/21 13:42:17 nPL5uXm/
GJ。
CUBEとSAWは洋画好きなら必ず押さえとけって名作ですね。

そう言えば、SAW1も二人きりだったな。

966:名無しさん@ピンキー
07/08/21 18:39:38 HL2makBT
CUBEは1と0は良かったんだがなぁ…2はちょっと…
同じ監督のカンパニーマンは面白かった。

967:名無しさん@ピンキー
07/08/21 19:29:25 73pdnDlV
揚げ足取りっぽくて恐縮なんだが…
>>960(1行目)
>画面上部にアラビア数字で『三十』と表示されていた。
これって『30』のことだと思うんだが、
わざわざ「アラビア数字」と断った上で漢数字で表記することに何か意味でもあるの?

968:名無しさん@ピンキー
07/08/22 01:10:38 tbSUiX5/
>>967
多分ミスだろう。
誤変換みたいな物だと思う。

969:名無しさん@ピンキー
07/08/22 11:27:43 d7tI9RQi
漢字で『トロピカルフルーツ』と書いてあった。暴走族だろうか。

970:名無しさん@ピンキー
07/08/22 11:52:08 VzKg8YY9
ファンタのCMだろそれ

971:名無しさん@ピンキー
07/08/23 01:37:01 SxIs8SCd
>>956賛成
>>980たのむ

972:名無しさん@ピンキー
07/08/23 02:20:25 YV8sJeLc
GJ。謎解きも楽しみだがエロにも期待ッ

973:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/23 07:03:42 Qh88vvZZ
■幕間一『バースディ』

 幼い少女は、リビングの大きな椅子に腰掛けて、宙に浮いた足を忙しなくぱたぱたと動かしていた。
 とろんとした、今にも眠ってしまいそうな目でテレビを見ながら、頻繁に壁掛け時計に視線を送る。
 壁掛け時計は、午後十一時三十分を示している。もうすぐかな、もうすぐかな、と、少女は心の中で、呪文のように繰り返した。
 早く寝なさい、と、いつにもまして不機嫌な母の声がどこからか飛んできたが、夢現で聞こえない振りをする。
 いつもなら、注意された時点で、素直に返事をして子供部屋に向かうのだが、今日はどうしても起きていたかった。
 何故なら、今日は少女にとって、特別な日だったから。
 大好きな父からの、お祝いの一言が聞きたくて、こうして睡魔と格闘しながら帰りを待っている。
 父は、仕事上の都合で、帰宅時間がまちまちだった。早い日もあれば、遅い日もある。今日は、かなり遅い帰りだ。
 玄関の鍵が開く音がしたのは、そろそろ日付も変わろうかという時刻、午後十一時四十五分だった。
 その、小さな金属音が行動開始のスイッチだったかのように、少女は眠い目を擦ると、すぐさま椅子から飛び降り、玄関へ向かって走る。
「ただいま」
 少女が玄関の前に到着するのと同時に、玄関扉が開いて、くたびれたワイシャツ姿の中年男性が顔を出した。
「ふぁ……おかえりなさいっ」
 彼は、出迎えてくれた娘の姿を認めるなり、目を細めた。
 それから直ぐに、腕時計を見る。どうやらまだ日付は『今日』のようだった。
「留美、お誕生日おめでとう」
「……うん!」
 少女は、喜色満面といった表情で頷く。
 彼は、そんな娘を横目に、仕事用のボストンバッグを弄り、用意しておいたプレゼントを取り出す。
「いつも笑顔で迎えてくれる留美に、お父さんからの誕生日プレゼントだ」
 眠気で閉じかけていた瞳を大きく見開いて、少女は差し出されたプレゼントを受け取った。
「わぁ、ありがとう、お父さん!」
 それは―天辺に小さなリボンの付いた、水色の箱だった。

974:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/23 07:04:44 Qh88vvZZ
◆持久戦

 それからほどなくして、僕のベッドの下にも同じ箱が置かれているのを見つけた。中身も、先程と全く同じものだ。
 だが、進展があったのはそこまでだった。それ以降はもう、いくら部屋の中を徘徊しても、新たな発見は何もなかった。
 相変わらず、あの『開かない扉』は、一向に開く気配がなく、謎かけのような文言『三十』と『ルール』に関しても、いくら考えた所で結論など出ない。
 手詰まりに陥った僕らは、二人してベッドに腰掛けながら、気まずい無言の時間を共有していた。
「一つだけ、はっきりしたことがある」
 圧し掛かるような、重苦しい空気を打ち払うように、僕は口を開いた。
「この異常な状況は、何者かによって仕組まれたものだということ」
 説明するまでもないかもしれないが、決定打となったのは、水色の箱に入っていたA四判の用紙だ。
 project whitebox―そう記されたあの用紙は、僕らに、これは計画の一環である、と告げていた。
 この白い立方体は、僕らの為に誰かが用意した舞台である。それは残念ながら、もはや疑う余地がない事実だった。
 もう『事故で閉じ込められた』とか『偶然に記憶を失った』とか、そういった可能性は切り捨てて考えるべきだろう。
「あの『白い箱』と言うのは、多分、この部屋を指していて……そして、そこで何らかの『計画』が行われている」
「でも……誰が、何の為に? 私たちを拉致してきて、閉じ込めるのが『計画』だなんて、そんな話……」
「そう、それが疑問なんだ。仮にこれが何かの計画、或いはその一部だとしても、目的が全くわからない」
 僕は首を回して、そろそろ目の毒になりつつある、病的なまでに白い部屋を、ぐるりと見渡した。
 この部屋一つ造るのにも、相当の費用がかかっているはずだ。こんなことをして、何の得があるというんだろう?
 答えの出ないであろう問いを、頭の中で捏ね回す。隣にいる彼女も、口許に手を当てて視線を床に向けて、何か考え込んでいるようだった。
 彼女も、僕と同じように、僕らをここに閉じ込めた何者かの目的について、思いを巡らせているのだろうか。
「だめだ」
 溜め息と一緒に、言葉を吐き出す。これ以上の思考は、精神衛生上よろしくない。そう判断して、僕は匙を投げた。
「考えても埒があかない。少し休むよ。留美ちゃんも、あまり思いつめない方がいい」
 僕はそれだけ言うと、のろのろとした足取りで自分のベッドに向かい、体を投げ出した。

975:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/23 07:05:45 Qh88vvZZ



 留美は、自分のベッドにうつ伏せで横になった智信をちら、と見てから、床に置かれた箱を手に取って、まじまじと眺めた。
 飲料水と食料が入れられていた、水色の箱。この箱は、各々の寝かされていたベッドの下から、丁度二つ見付かったから、自然な成り行きで、二人で一つずつ分けることになった。
 しかし、智信も留美も『箱の中身は自分で管理する』という決め事以外に何を話し合ったわけでもないのに、示し合わせたように、未だ中身に一切口をつけていない。
 まだ、この空間から脱出する足がかりすら発見されていないのだから、水と食料は極力温存するべきだ。口に出さなくとも、そういった暗黙の了解めいたものがあった。
 留美は無意識の内に、箱をぎゅっと抱き締めていた。この箱は確か、駅前の大型デパートのもので、ワンポイントのリボンは、贈答用の包装だ。
 そのデパートは、父の帰り道の近くで、父が留美に何かを買ってくれる時は、大抵この箱、この包装だった。小さな子供の頃から、それは変わっていない。
 留美はそんな諸々を思い出して、急に心細くなった。涙腺が緩んでゆくのが、自分でもわかる。
 閉じ込められてしまって。知らない人と二人きりで。せめて―隣にいるのが、お父さんだったらいいのに。
 私、これからどうなっちゃうんだろう? もう、家に帰れないのかな? 友達と会えないのかな? いつもの暮らしに、戻れないのかな?
 押し寄せる不安に耐え切れず、留美は、箱の上に額を押し付けるようにして、声を殺して泣いた。
 拭っても拭っても、涙は途切れることなく溢れ出してくる。ブラウスの袖は、あっという間にびしょ濡れになった。

976:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/23 07:06:41 Qh88vvZZ



 僕は、押し殺したような、か細い泣き声を聞いて、ベッドに埋めていた顔を横に向けた。
 ベッドに座って、水色の箱を抱きかかえるようにして、彼女は泣いていた。
 無理もないことだった。この部屋の色彩とは対照的に、僕らのお先は真っ暗である。必要以上に取り乱さないだけでも大したものだ。
 僕だって、この白一色の空間をずっと眺めていると、気が狂ってしまいそうになる。
 いつもは仰向けで横になるのだが、天井を見たくないが為だけに、うつ伏せで目を固く閉じていたくらいだ。
 本来なら、こういった時、そっと傍に寄り添って、励ますなり慰めるなりしてあげるのが、模範的な男というものなのだろう。
 だが、僕はベッドから起き上がり、彼女に話しかける気にはならなかった。一筋の光明すら見えない現状、かける言葉が見付からないというのが正直な所だ。
 それに、今日会ったばかりの見知らぬ男から、あまり馴れ馴れしく扱われるのも、彼女にとってはストレスになるかもしれない。
 もう一度、ベッドに顔を埋める。マットが嫌に固くて、寝心地の悪いベッドである。床で寝るよりはマシといった程度の代物だ。
 そのまま暫く、ベッドの上でじっとしていた。少し眠っておきたかったのだが、神経が昂ぶっているのか、目が冴えてしまって眠れそうもなかった。
 過ぎた時間は、数分か、数十分か。いつの間にか、泣き声は聞こえなくなっていた。

977:白い牢獄 ◆SSSShoz.Mk
07/08/23 07:07:40 Qh88vvZZ



 留美は泣き疲れて、知らない間に眠ってしまっていた。しかし、それはやはり浅い眠りで、断続的に睡眠と覚醒を繰り返した。
 そんな中、留美は夢を見ていた。留美が今置かれている状況と同様に、不可思議な夢だった。
 会った事もない男が、入れ替り立ち替り何人も登場しては、留美に向かって自己紹介をするのだ。

 端整な顔立ちをした金髪の青年が、陽炎のように揺らぎながら姿を現す。
「私は……私は、マークス」
 そう言ったかと思うと、青年はぐにゃりと歪んで消えてしまう。まるで、存在そのものが幻であったみたいに。
 青年が消えて真っ白になった空間を呆然と見つめていると、目の前が揺らめいて、また、何もない空間から人が現れる。
 今度は、彫りの深い顔立ちの、黒縁眼鏡の老人だった。
「わしは長谷部久蔵という。怪しい者ではない」
 その老人も、青年と同じように、あっという間に歪んで消えてしまった。
 するとまた、直ぐに目の前が揺れて、別の人が目の前に立っている―その繰り返しだった。

「う……」
 自分自身が無意識の内に発した声で、留美は目を覚ました。
 夢見が悪くて気分が優れない上に、変な格好で寝てしまったから全身の関節が痛い。
 丸一日水を飲んでいないせいか、口の中も渇ききっていた。喉の粘膜が張り付いて、ひりひりする。
 たまらずに、箱の中のペットボトルを開けて、一口だけ飲んだ。喉を流れる水分の感触が心地よくて、そのまま一気に飲んでしまいたくなるのを必死で自制する。
 人心地ついてから、留美は智信のベッドを見た。ベッドは既に空だった。智信は例の『開かない扉』の前に立って、何かを調べているようだった。
 不意に、智信が留美の方に目を向けて、二人の視線が交差した。
「ちょっと、来てくれないかな」
 そう言って、手招きをする。何かあったのだろうか。
「どうしたんですか?」
 留美は答えると、箱をベッドの上に置いて、扉の前へ急いだ。

978:TIPS ◆SSSShoz.Mk
07/08/23 07:08:30 Qh88vvZZ
TIPS『お誕生日おめでとう』
女性が誕生日を祝われて素直に喜べるのは、若い内だけだ。
ある程度年を重ねると、誕生日より記念日を大切に思うようになる。

TIPS『マークス』
彼はまだ生きている。留美をこの白い牢獄から救い出そうとしている。

TIPS『長谷部久蔵』
彼はもう死んでしまった。身内にも看取られず、無惨な最期だった。

979: ◆SSSShoz.Mk
07/08/23 07:09:10 Qh88vvZZ
>>961から続いています。
お察しの通り、CUBEとSAWは大好きなシリーズです。
パズラーなんていう、パッケージを似せた作品に手を出してしまったくらい好きです。
えっちぃのは入れるつもりですが、書いたことないので内容は微妙な予感。

>>967
小説ではアラビア数字は使ってはいけない決まりがあったような気がして文章内では『三十』と表記しました。
しかし、調べてみた所そんなことはないようで。何でそんな勘違いを……
作中で二人が実際に目にしている数字は『30』で間違いありません。
物語に影響もなく、一回使ってしまった以上、混在すると紛らわしいので、今後漢数字で統一とします。

980:名無しさん@ピンキー
07/08/23 15:06:24 nJBtKmSI
>>979
GJ!
「La-Piece」も好きだったから、続き楽しみに待ってるよ。

それと、そろそろ次スレの季節?

981:名無しさん@ピンキー
07/08/23 15:59:23 gCL0GSxi
29chって見れなくなったんだっけ?

>>980 よろしく

982:名無しさん@ピンキー
07/08/23 16:48:24 ENg5QBDE
>>979
GJ
SAWやCUBEっぽさがファンにはたまらんとですよ。

>>980
頼んだ。

>>981
29ch閉鎖したって聞いた。

983:名無しさん@ピンキー
07/08/23 17:21:49 DMi5J5j/
>>980が立てる気配無いんで勝手に立てた。すまん


女の子と二人きりになってしまった 2回目
スレリンク(eroparo板)

984:名無しさん@ピンキー
07/08/23 18:16:20 ENg5QBDE
>>983
二時間ちょっとの間ずっと張り付いてるワケじゃないんだし、もう少しゆっくり待っても良かったんじゃないか?
ともあれ乙。

さて、それじゃ二人きりになる状況をみんなで考えながら埋めよう。

・図書室の奥、どこからも死角になる場所で
・海で浮き輪に掴まった二人が離岸流で沖に流されて

985:名無しさん@ピンキー
07/08/23 19:05:27 W5uOM414
うめうめ

986:名無しさん@ピンキー
07/08/24 05:37:19 Az0EPAUB
>>984
俺の中の無い想像力を振り絞ってみる

・家出してきて深夜の公園へ行くとクラスメイトと遭遇
・片想いをくっつけようと友人が仕組む
・きもだめし中に道に迷って二人だけ違う荒地に出てしまう

987:名無しさん@ピンキー
07/08/24 10:18:11 Vn3yO/M1
割と極限状況気味のが好きだなあ

・核シェルターで二人きり
・誘拐されて狭い部屋に二人きりで監禁 妖しげなクスリを使われたりなんだり

988:名無しさん@ピンキー
07/08/24 11:08:56 DTFV+gDR
極限状態というのであれば、こんなの思いついた
・戦争か何かで町の人間がほとんど疎開して、近所に自分と相手のみ
・ウィルス災害でまだ感染していないor免疫があるふたり
・戦闘機からベイルアウトしたパイロットと地上にいた、隊からはぐれた敵兵士
・地震か何かでトンネルに閉じ込められた男女(ドラゴンヘッドw)
・沈没した船から脱出したふたり
・スペース・デブリの衝突事故で脱出艇に乗り込んで辛くも生き残った男女

あとは
・毎朝神社で会うふたり。次第に親しくなっていく
なんてのもいいかも

989:名無しさん@ピンキー
07/08/24 11:32:16 l38MZS3x
ガンダム08小隊の冒頭って「不可抗力で女の子と二人きり」だよな

990:名無しさん@ピンキー
07/08/24 12:20:54 CKa+peyo
おもいっきり殺しあいだけどな

991:名無しさん@ピンキー
07/08/24 14:32:35 Uifjz+s8
極限状態じゃあないが、
・通勤(通学)電車で一駅分だけ二人きりになる二人が、少しずつ親しくなる
・廃工場か何かに探検に行く悪ガキグループと、それを咎めようと追いかける委員長が、何かの原因(何かを幽霊と見間違えた)でリーダー格と委員長だけ取り残される
・二人だけの補習授業。担当教師は課題だけ言い渡して丸投げ
・教師と生徒の二人だけの補習授業。二人とも互いに恋心を抱いていた
・単純に残業。委員会や生徒会の仕事だったり、あるいは普通の企業の残業だったり
・これは厳密には違うかもしれないが、いつも同じ時間、同じコースで犬の散歩をする二人

こんな感じかな。
四番目は昔、何かのエロマンガで読んだ記憶がある。

992:名無しさん@ピンキー
07/08/24 16:34:43 G0bwyVA1
・戦争中、防空豪で

・密航中、船員が知り合い
・工事中、マンホールに墜落、誰にも気付かれず

・長距離トラックのコンテナの中

・お見舞いに行ったら、個室で出入口のドアがぶっこわれ


よくわからん(>_<)

993:名無しさん@ピンキー
07/08/24 21:51:31 1APwEN9D
・殺人犯とそれを匿う変り者
・戦闘機の前席と後席

994:名無しさん@ピンキー
07/08/24 22:15:58 cJMibh4P
一人旅中、予約していた旅館の手違いで相部屋に

995:名無しさん@ピンキー
07/08/24 23:08:54 /qc1YNlA
・放課後、ほとんどのやつがサボタージュして、二人で掃除。

・樹海で自殺しようと歩いていると、同じような目的の人とばったり。

・雨宿りで人気のない公園の休憩所に駆け込んだら、先客が。




996:名無しさん@ピンキー
07/08/24 23:58:38 sBqEAsbD
そろそろヤバイので埋めようかな?

997:名無しさん@ピンキー
07/08/25 00:01:02 sBqEAsbD
イヤイヤ俺が…

998:名無しさん@ピンキー
07/08/25 00:02:23 sBqEAsbD
じゃあ俺が!

999:名無しさん@ピンキー
07/08/25 00:03:25 /O0OIEzS
古来、冷たい方程式というのがあってな、

1000:名無しさん@ピンキー
07/08/25 00:05:07 Z3CWgsLU
どうぞどうぞ…


あれ?

1001:1001
Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。


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