【不可抗力】女の子と二人きりになってしまったat EROPARO
【不可抗力】女の子と二人きりになってしまった - 暇つぶし2ch700:私立笹岡恋模様
07/06/09 22:44:50 qPPADhqU
「はー、疲れた・・・」
 疲労困憊、といった様子で、光司は床に座り込んだ。時刻は九時を周り、隣に座る喜鈴にしても余り体力は残っていないようだった。
「あー、腹減った・・・」
「・・・さっきおにぎり五個も食べたじゃない、まだ食べる気?」
「コンビニの握り飯で腹が膨れるか」
 二人は七時頃に喜鈴が近くのコンビニで買ってきたおにぎりで夕食を済ませたが、その時に吸収したエネルギー量は練習で消費したそれに追い付かなかったらしい。(それだけでは無く、光司が大喰らいである事も関係しているのだが)
 途中、何度か見回りの先生が来たが、八時半辺りから来なくなった。
「まあ、大体は覚えたか」
「うん、間違う回数も減ったし、後はこの調子で練習すれば良いと思うよ。お疲れ様」
「うーい・・・」
 二人がそう言って笑い合い、荷物を取りにオブジェの外に出る。体育館の照明は消され、窓からの月明かりだけが頼りだった。
「うぉ、暗っ。中に人居ないかどうか確かめてから消せよ見回り」
 光司がそう言い、荷物を持って体育館の出入口を開け・・・
「え?」
「穂高?どしたの?」
 光司の上げた声に、喜鈴が反応する。
「・・・開かねえ」
「は?」
「鍵、閉まってる・・・と、閉じ込められた!?」
「えええええ!?」
 暗闇の中、二人の叫びが虚しく響いた。

701:684
07/06/09 22:46:15 qPPADhqU
今回はここまでです。
ではでは、失礼しました。

702:名無しさん@ピンキー
07/06/09 22:59:57 HvSBFx8W
GJ!
続きwktk

703:名無しさん@ピンキー
07/06/10 00:23:20 uertd7EV
イヤンでアハンな展開…
つ、次だなwktkwktk

704:名無しさん@ピンキー
07/06/10 10:16:55 PmBNrzIu
これはベタで良いシチュエーション
続きにwktk

705:名無しさん@ピンキー
07/06/10 20:46:45 8zogyiWa
こんなに強いwktkはいつ以来なのか・・

706:684
07/06/11 00:21:03 Nf5tL6Uf
 頑張ってエロ直前まで書いたんで、投下します。
 ではどうぞ。

707:私立笹岡恋模様
07/06/11 00:22:16 Nf5tL6Uf
「う、嘘!?何で?体育館の使用時間延長届けは出したよ!?」
 何故こういった状況に陥ったのかを必死に考える喜鈴と、往生際悪く扉をこじ開けようと必死に頑張る光司。
「(ガコガコガコ)だぁああぁ!!っきしょ、何なんだよこのお約束すぎる展開は!」
 そんな事をしながら、五分程経過した頃。光司がある事に気が付いた。
「なあ、八時半頃、俺ら何してたっけ?」
「へ?えっと、オブジェの中で休憩して・・・」
「その辺りから見回りの先公来なくなったけど、もしかしてその辺りで、誰も居ないと思われて鍵閉められたんじゃねえか?」
 光司の言葉に、弾かれた様に喜鈴が頭を上げる。
「あ!・・・って、じゃあもしかして・・・その辺りに施錠が終わったんなら、もう誰も・・・」
「校舎には居ないだろうな」
 沈黙。暫くして、光司がまた声を上げる。
「そ、そうだよ!坂下お前、鍵持ってるんだろ?」
 一般的にこの体育館は、使用時間延長届けを提出して使う場合、後から施錠する為に届けを提出した生徒に鍵を渡す事になっている。しかし喜鈴は表情を明るくする事無く、淡々と言う。

708:私立笹岡恋模様
07/06/11 00:23:31 Nf5tL6Uf
「・・・あるわよ、体育館用の外からかける南京錠の鍵が。あんた知らなかった?その扉に鍵穴は無いわよ・・・後から付けた、南京錠で閉める仕組みになってるから・・・」
 これは何の冗談だろうか。光司は一気に脱力した。だが、諦めるにはまだ早い。そう、彼らには最終兵器があった。
 ここで問題です。現代に於いて生活必需品であり、二十四時間いつでも使える通信手段と云えば?
『・・・ケータイ!!!』
 二人は顔を見合わせて叫ぶ。それと同時に光司はポケットの中に手を入れ喜鈴は鞄の一番外側のポケットを開ける。
 二人揃って折り畳み式携帯のフリップを開けて・・・そして二人揃ってガックリ。
 同じ機種の携帯ならば機能もサイズも、受信の悪さも大体同じになるわけで。二人の携帯には『圏外』の二文字が悲しく光っていた。
『・・・これだからソフトバンクは・・・ッ』
 二人は携帯を元あった場所に戻し、盛大に溜め息を吐いた。
「・・・上の階のギャラリーから外に出られねえかな。でかい窓もあるし」
「・・・この体育館が柔剣道場の上に作られてて、ここは実質二階で、この上のギャラリーは三階で、そこから飛び降りればどうなると思う?」
「ぬぅ・・・確実に飛び降り自殺になるなぁ」
 再び、溜め息。光司はもう、全てが面倒臭くなった。そのまま横になって喜鈴に背を向け、鞄を枕に眠ることにした。
「寝るべ。なんかもー、何やっても朝までここから出られないっぽいし」
「・・・随分、強気ね。何でこんな状況で呑気に眠れるのよ」
 喜鈴の呆れた声が光司の背中に向けられる。顔を向ける事も無く、言い返す。
「こんな状況で起きててもカロリー無駄に消費するだけだからな。お前も寝とけ」
「そうじゃない!何でこんな状況でそんなに冷静で居られるのよ!何でもっと慌てたりしないの!?何でこの暗い中でそんな平気なの!?これじゃあ私が馬鹿みた・・・」
 光司は耳を塞いだ状態でその言葉を聞いていた。それだけ喜鈴は大声で怒鳴っていたのだが、その言葉を最後迄聞く事は無かった。
 突然言葉が途切れた喜鈴を振り返り、光司はその顔を覗き込んだ。


――そしてビックリ。


「うっく・・・ひっ・・・ぐすっ・・・」
喜鈴は泣いていた。


709:私立笹岡恋模様
07/06/11 00:24:50 Nf5tL6Uf
「な。」
 そして情けない事に、光司は呆然とするしか無かった。
 喜鈴が泣きながら自分に抱きついてきたとしても。
 更にその後に凄い事を言われたとしても。
「ひっく・・・最悪・・・もおやだ、くっ・・・うぅ、す、好きな人に、こんな顔見られたく無かったのに・・・ぐすっ、うあぁぁぁん!えぅっ、ひぐっ、ぅえぇぇん!」
 やがて光司は、震える背中と細い腰に手を回す。そして後ろから小さな肩をぽんぽんと叩き、自分の胸で泣く少女に言い聞かせる。ゆっくり、ゆっくりと。
「安心しろ。怖いんなら、側に居てやるから。頼り無いかもしんないけど、泣きたい時に顔隠すぐらいはしてやれっから」
 光司は喜鈴の頭を撫でながら上体を起こし、身体を密着させる。喜鈴の気が済むまで、思う存分泣かせようと思った。
 以前、本で読んだ事がある。泣き叫ぶ人間は、内的・外的要因からの助けを求める為に防衛本能から泣いていて、無理にそれを押さえ付ければその後精神に異常をきたす。らしい。
(ここは、ちゃんと泣かせておいた方が良いな・・・)


710:私立笹岡恋模様
07/06/11 00:26:03 Nf5tL6Uf
 考えてみれば当然だろう。只でさえ自分の練習に付き合わせてストレスが溜まっているのに、更に夜の体育館に閉じ込められたのだ。怖くない方がどうかしている。
 それを分からなかったのは自分だ。少しばかり優しくしても良いだろう。
 泣き続ける喜鈴を、光司はいつの間にか自分から抱き締めていた。


「落ち着いたか?」
「うん・・・ごめんね、みっともないトコ見せちゃって」
 喜鈴は五分程泣いた後、落ち着いた。しかし二人は未だに向かい合って抱き合ったままである。暫くして、思い出したように光司が口を開いた。
「あのさ、さっきの・・・」
 その言葉に、喜鈴の顔が赤く染まる。暫く俯いていたが、やがて意を決して顔を上げた。
「・・・私は、穂高が好き。優しくて、カッコ良くて、あったかい、そんな穂高が、好き。本当は、もっとちゃんと言いたかったんだけど・・・」
 喜鈴がその言葉を言い終わると、次は光司が口を開いた。
「・・・俺は、坂下が好きだ。可愛くて、明るくて、俺の事ちゃんと考えてくれて、俺を頼ってくれるお前が、好きだ・・・自覚したのはたった今だけど、な」
「何それ、ふふ・・・」
「ぷっ、あははっあはは・・・」
 傍目から見ればおかしな光景である。顔を真っ赤に泣き腫らした女と胸元がびしょびしょになっている男が抱き合い、笑っている。
 やがてどちらともなく目を閉じて顔を寄せ、その距離が一瞬だけ無くなる。離れた唇はすぐまた触れ、今度は更に深く繋がる。喜鈴の唇を割って光司が舌を入れ、その異物感に最初は驚いた喜鈴もおずおずと自分の舌を光司のそれに絡める。
「ん、ちゅ・・・っは、ぅん・・・」
「んむ、ん・・・っぷぁ」
 一分近く繋がっていた唇を離し、少し緩んだ顔で光司が聞く。
「ファーストキスはレモンの味って言うけど、どうだった?」
 喜鈴は顔を赤くしたまま、息も絶え絶えに答える。
「っは、ぁ・・・はぁ・・・何か、へんな、かんじ・・・あたまがぼーっとして、穂高以外、何も見えなくなって・・・」
 そこまでを何とか言い切り、光司の肩に顔を乗せて息を整える。
「それに・・・凄く、嬉しい」


711:私立笹岡恋模様
07/06/11 00:26:53 Nf5tL6Uf
 そう言って自分の首に手を回した喜鈴の髪を撫でて目許に口付ける光司。更にゆっくりと喜鈴を押し倒しその上に覆い被さった後、遠慮がちに口を開く。
「坂下・・・その、いい、か?」
 その言葉の意味を理解した喜鈴は、光司を見詰めてから言葉を紡ぐ。
「いいよ、穂高になら・・・あ、でも一つだけ」
「ん?」
 喜鈴はそこで閉じていた瞳を開き、一つの望みを口にした。
「・・・なまえ、呼んで」
「名前?」
「うん、『坂下』じゃなくて、『喜鈴』って・・・お願い、『光司』・・・」
 名前を呼ばれ、心臓を高鳴らせる光司。やがて、笑顔で言った。
「ああ、分かったよ・・・喜鈴」
 互いに名前を呼び、見詰め合い、二人の唇が再び、重なった。

712:684
07/06/11 00:30:13 Nf5tL6Uf
 今回は以上です。肝心の本番のシーンがまだ・・・SS書くのって難しいですねーあっはっは・・・(待て)
 では、どうもです。

713:名無しさん@ピンキー
07/06/11 07:31:43 8Sa9IFR4
GJ!
wktkwktk

714:名無しさん@ピンキー
07/06/11 19:02:10 BycoLzvI
書く人マダー?

715:名無しさん@ピンキー
07/06/11 21:02:27 DlsqoYr1
wktk

716:名無しさん@ピンキー
07/06/11 21:28:01 X/vehP+S
ワッフル!ワッフル!

717:名無しさん@ピンキー
07/06/11 23:01:36 8Sa9IFR4
ワークテイカー

718:名無しさん@ピンキー
07/06/13 19:18:38 vi0LLoH/
マダカナー(・∀・)

719:名無しさん@ピンキー
07/06/14 12:23:52 i/1lpJqb
俺も、ワッフル!ワッフル!

720:名無しさん@ピンキー
07/06/14 16:47:18 NWCgXQ49
wktk

721:名無しさん@ピンキー
07/06/16 14:58:43 64ahZTo+
電波・・・・・・・送ー信っ!!

722:名無しさん@ピンキー
07/06/16 18:10:44 9+NC6ZRQ
只今回線が混雑しております

723:名無しさん@ピンキー
07/06/16 19:52:06 jqhpia/7
めげずにもう一度
送ー信っ!!

724:名無しさん@ピンキー
07/06/16 23:02:36 9yDs1hJq
AI「太陽風による磁気荒らしです」

725:名無しさん@ピンキー
07/06/16 23:19:21 Jh/DafNc
てんちょー。
新規オーダーでーす。


あれ、店長……?

726:名無しさん@ピンキー
07/06/17 00:25:49 OAgMjfPS
ここの過去ログ保管庫てないんですか?

727:名無しさん@ピンキー
07/06/17 01:17:24 AJWKlbRh
>>726

おまえは、タイトルと>>1から読み取ることができないのか。

728:名無しさん@ピンキー
07/06/17 02:17:27 3oJSJ8vl
なんかこの展開過去にどっかでみたことあるような気がするが、

ま、いいか。

729:書く人
07/06/17 02:33:36 oH5EQbW3
電波受信完了!と、言うわけではありませんが続き、投下します。

730:書く人
07/06/17 02:35:11 oH5EQbW3
 切っ掛けとは、とても大切なものだと実感した。襟を開いてみれば、椎名さんはとても話しやすい人だった。
 椎名さんはコーヒーを飲みながら、色々と自分のことを教えてくれた。
 自分がハーフで、父親が日本人、母親がフランス人。一番印象に残る特徴である金髪は、その母親譲りの天然だそうだ。
 日本に考古学の研究(初めて知ったことだが、世界最古の土器は日本から出土したらしい)に来ていた母親と、大学で神道の勉強をしていた父親が出会って、ということらしい。その父親は、この春この村にある神社の神主を引き継いだらしい。

「つまり家は神社。どう?金髪巫女さんよ?」
「…?」

 そう言われて、僕は首をかしげた。言葉としては彼女の言っていることは分かったが、その意味が分からなかったからだ。
 素で混乱する僕の様子を見て、なぜか椎名さんの顔が赤くなり

「ちょ、ちょっと待った!アンタってオタクとかそう言うのじゃないの!?」
「……えっと…一応インドア派だけど…」

 どうやらソッチ系の人間と思われていたらしい。まあ、時々、その道に堕ちた友達から借りたラノベを読んだりしてたから、それを見て椎名さんもそう思ったのかもしれない。
そう言えば、と僕は思い出す。ラノベを貸してきた奴が『金髪貧乳巫女さん萌ぇぇぇぇっ!』って叫んでたことがあった。
 椎名さんは制服の上からでもわかる位に豊満な体つきだから、貧乳という項目から外れるけれど、金髪と巫女さんというところでは一致する。
 そうか。椎名さんは自分は『金髪で巫女だけど、オタクのあなたとっては『萌える』存在でしょ?』という意味で言ったのだろう。
 さらにそこから一つの結論が導かれる。

「椎名さんって…ひょっとしてオタクとかに詳しいの?」
「なっ!なわけないでしょ!?ア、アンタがオタクっぽいからそれに合わせてあげようとしただけなんだから!」

 怒られた。
 椎名さんはそっぽを向くと「ったく…一美の奴、男はそう言えばイチコロだって…つか、なんで私、こんな奴をイチコロにしようと…」と呟く。
 どうしたものかと途方にくれる僕。
 どうでも良いけど、どうして僕は年下らしき女の子にさん付けをするだけにとどまらず、アンタ呼ばわりされてるんだろう?
 現実逃避気味に考えていると、椎名さんが顔はそっぽを向いたままでこちらを見てきた。

「で、アンタはなんて名前なのよ?」
「あ、そっか。まだ名前を言ってなかったよね」

 だからアンタ呼ばわりだったのか。
 そう言えば互いの自己紹介の最中だったと、僕は自分の紹介を行う。
 と言っても、特に言うことはなかった。
 名前は喜沢弘文という、どこにでもあるありふれた名前。
 運動は少々悲惨。成績は多少自慢できる程度。身長はやや高め。顔は不細工ではないが、ぱっとしない。
下手に個性があるため、ある意味『全てが平凡』というプロフィールよりもよほど相手の記憶に残らないタイプ。
 唯一個性と言い切れる点と言えば、自他共に認めるほどの読書好き、という点かもしれない。

「あ、それから両親は医者と薬剤師」
「うわっ!実はお金持ちのお坊ちゃんだったの、ヒロフミは?」
「そうでもないよ」

 結局、椎名さんは僕のことを下の名前で呼び捨てにすることにしたらしい。
 ひょっとしたら同い年以下と思われてるのかも。

731:書く人
07/06/17 02:35:59 oH5EQbW3
 ま、いいか。
 別に敬称で呼んでもらいたいわけでもないし、椎名さんみたいな女の子に、下の名前で呼び捨てにされるのも、悪くない。
 そのくらいの下心、コーヒー一杯分の代金として認めてもらえるだろう。
 そんな風に理論武装している僕をまるで咎めるようなタイミングで、鋭い光が照らした。
 雷だ。
 
「ひいっ!?」

 もし雷がその語源通り神様が鳴らすもので、邪念を抱いた僕に対する警告だとしたら、それは思い切り方法選択をミスしている。
 なぜなら煩悩を増長するからだ。
 椎名さんが顔色を変えると、こちらに飛びついてくる。
 流石に胸に飛び込んではこないが、僕の腕を掴んで抱きしめる。
 直後、稲妻に遅れること一秒程で雷鳴が届く。

「…っ」

 僕の腕を抱きしめる強さが増す。
 夏服の薄い生地越しに伝わってくる柔らかさと、震え。
 僕は邪念を払いながら、椎名さんに気遣いの言葉をかける。

「大丈夫?」
「あ、あた、あたりまへじゃなひ」

 呂律が回ってない。
 本気で怖がっている彼女には悪いけれど、その様子はとても可愛かった。

「大丈夫だよ。雷なんてそんな怖いものじゃ……」
「子供の頃、ね」

 苦笑交じり僕の言葉を遮って、椎名さんが俯いたまま言う。
 表情は見えないが、声の調子からして無表情で喋ってるように思われる。

「子供の頃、母さんに連れられて山に行ったの。大学の研究班の人達と一緒でね。遺跡の発掘だったの。
その中で、お母さんと仲の良いお姉さんがいてね。よくアメをくれる人でね。その日も一緒だったのよ。
けど、突然山の天気が悪くなって、雨が降って、雷になって、慌てて道具を取りに行ったお姉さんが……どかーんって…」

 そこまで言って沈黙する椎名さん。
 どうしよう。思ったよりハードだ。
 椎名さんは僕の腕を掴んで俯いたまま、口を開いた。

「だから……雷だけはどうしてもだめで…それ以外は大丈夫なんだけど…ね」

 雨音に混ざって消えてしまいそうなほどにか細く、頼りない声。
 苦笑とはいえ笑ってしまったことを僕は恥じる。
 少しでもその恐怖とトラウマが和らぐようにするにはどうすればいいかと考えた時だった。
 ガタガタと、駅員がいたころ事務室として使われていたらしい部屋から物音がした。
 そして、例によって例のごとく

「イヤァァァァァァァァァァァァァァッ!」

 椎名さんが悲鳴を上げた。
 彼女は今度は僕の首に抱きつくと、左右にガクガクとシェイクする。

「ナニナニナニナニ!?お化け?お化け!?ダメダメダメェッ!」
「お、おち、おちつ、落ち着いて!」

 僕が椎名さんを宥め終るより早く、事務室の扉が開いた。

732:書く人
07/06/17 02:36:49 oH5EQbW3
「――!?」

 恐怖に息を止める椎名さんと、首を絞められ息が止まる僕。
 そんな二人の前に現れたのは

「ワン」
「――犬?」

 涙目を見開きながら、椎名さんは事務室の横開きの扉を、器用に前足で開けて入ってきた柴犬を見る。
 腕の力が緩んだ隙をついて呼吸を確保した僕は、椎名さんに説明する。

「き、近所の安田さん家で飼われてるチコだよ。時々逃げ出してくるんだ。
 最近は安田さんがしっかり鎖を付けるようになってて来なかったんだけど…」

 見ればチコの首輪にはロープがついており、その先には杭が結わえつけられていた。
 この雨で地面が緩んだ所を、引っこ抜かれたらしい。
 が、その辺りはどうでも良いだろう。
 どうせ明日の朝になれば、安田さんがチコを回収に来る。目下の最大の問題は

「で、幽霊とかも駄目なの?」

 至近距離で見つめる椎名さんの横顔。椎名さんは少し表情を引きつらせた後、先ほどの雷のトラウマを話した時と同じように、表情が見えないように俯いて

「子供の頃、お父さんに連れられて――」



 とりあえずこの日、僕は金髪の彼女の名前が椎名マリアであることと、強気そうな物腰とは裏腹に結構臆病で可愛いこと、そして、離してみると結構面白いと言うことを知った。
 その夜以来、僕の朝夕駅舎で過ごす三十分は、以前と異なるものになった。本以外の楽しみができたのだ。
 それは椎名さんと過ごすことだ。
 とはいっても、いつも三十分おしゃべりをし続けるわけでもない。
 その時間の大半は会話もなく、ただペンキの剥げたベンチで一緒に座っているだけだ。
 けれど、その時間はとても居心地がよかった。
 誰かが隣にいると言う事実と、時折交わされる会話。
 朝の時間はいつも一緒だが、夕刻はそれぞれの予定が異なるために、会えないこともしばしばある。
 あの嵐の夜までは、むしろ安心を覚えた独りの時間が、今ではとても物足りなく、寂しいものに思われるようになっていた。
 弾み歌うような彼女の声音と喜怒哀楽の感情。
 それらがたまらなく心地よく、彼女といることが好きになっていった。
 自分の抱いている感情が恋心であることに気づくまで、時間はいらなかった。
 そのまま一か月半の時間が過ぎた。

733:書く人
07/06/17 02:39:00 oH5EQbW3
七月の半ば過ぎ、もうすぐ夏休みという頃だった。
下校中、アスファルトの照り返しに辟易していた僕の耳が、声を拾った。

「そこのヒロフミ!ちょっと待ちなさい!」

 ヒロフミ違いと言う可能性は限りなく低かった。
 理由は呼ばれた声に聞き覚えがあったからだ。

「椎名さん?」

 振りかえった僕の視界にはいつの間にか間近まで近づいていた椎名さんの顔があった。
 勝気な印象のある目と金髪。
 至近距離で見た椎名さんの表情に、少しドギマギしながらも僕はどうしたのかと聞こうとして、手を掴まれた。

「え?」
「先生確保したわよ!」

 椎名さんは振り返ると、僕の右手を持ち上げながら振り向いて声を上げる。
 その先に、椎名さんと同じ制服を着た女の子達が三人いた。

「……どういうこと?」

 僕の質問に、椎名さんは質問で返してきた。

「ヒロフミの学校って二学期制で、夏休みの前に期末ないわよね?」





 事の発端は、半月ほど前に帰ってきた全国模試の結果らしい。
 成績表と一緒に配布される上位者名簿。その二年の部、数学の項の末席に、僕の名前が載った。
 友人は、この結果をひっさげて親になんか買ってもらえと言っていたが、残念ながらうちの両親の方針は
『勉強は自分のためであり、成績が良かったからと言ってなぜ褒美を与えねばならんのだ』
 そんな僕にとっては見て励みにする以上の意味を持たなかったそのデーターを、

「見つけた時はこれだ、って思ったのよ。ヒロフミこそ、私達を補修地獄から救ってくれる救世主に違いない、ってね」
「わ、私は別に教えていただかなくても補修なんてなりませんわ…!」

 学校の近くの学校の近くの図書館で、僕は椎名さんから事情を聞いていた。
 その説明に際して、椎名さんの友達の一人―円谷さんが抗議したが、上げてしまった声は思いのほか大きくなったのを自覚し押し黙る。
 もっとも、周囲に人影はなく、咎められることはなかった。それでも反省して身を縮める辺り、真面目な人なのだろう。

 椎名さんの話によると、椎名さんとその友達を含めた四人のうち、円谷さん以外の三人は中間テストで惨憺たる結果を残したらしい。
 このままでは夏休みは補修でつぶれることが必至と言うことで、円谷さんに連れられて図書館で勉強会と言うことになったらしい。しかし円谷さんにもテストがあり、椎名さん達にかまってばかりもいられない。
 そこで、道端で見かけた僕を呼びとめた、ということらしい。

734:書く人
07/06/17 02:39:55 oH5EQbW3
「いいじゃない、美咲ちゃん。せっかく教えてくれるんだし~」
「そのとーり。男子一人に女の子四人の勉強会ってのは、シナリオ分岐イベントの王道じゃないかね?」

 椎名さんの説明に不服そうな円谷さんに、左右から声が掛けられる。
 全体的にのんびりとした口調の背が高い女の子のフォローと、それとは対照的に小学生と言われても違和感ない身長の女の子の微妙なフォロー。
 なんというか、こういった言い方はなんだが、円さんとは異なりどことなく、お馬鹿な印象を受ける。
 特に背のちっちゃい方の子からは、なにやら前述したオタ系の友人と同じ雰囲気が伝わってくる。
 そのちっちゃい子の方が、こちらを見てニヘラ、という感じの笑顔を浮かべ

「とは言った物の、すでに彼はマリリンルートに一直線!って感じかなぁ?」
「な、なんで私の名前が出てくるのよ!?」
「声が大きいですわよ!」

 注意する円谷さんだが、椎名さんは聞く耳を持たないようだ。
 うわ、本当に「ですわよ」なんて語尾を使う人がいるんだ、と感心する僕の目の前で、マリアの追及を背の小さな女の子はのらりくらりとと交わしてゆく。

「んー、けれどねえ。わざわざ別の学年の順位表をすべてチェックするとは、なかなかにあり得ませんよー?」
「だ、そ、それは知り合いだから…」
「知り合いだから、って?下手な言い訳だなー。
ともあれお兄さん。かなり好感度は高いですよ?このまま着実にフラグを立てていけばアイキャッチ画面がマリリン単独の絵になるのは遠くないよー?」
「ア、 アイキャッチって……えっと……」
「ああ、私は長曽我部 一美。らき☆すたのこなたに似てるって言われるおにゃのこです!」
「一美ちゃん、それってどういう意味?」

 いや、なんとなく意味はわかる。つまり現状を恋愛シミュレーションに例えるなら、僕が椎名さんとくっつくようなエンディングに向かっている、ということなのだろう。
 けれど今一確信が持てず、訊き返す。が、僕の問いに帰ってきたのは一美ちゃんからの返事ではなく、別方向からの追及だった。

「一美……『ちゃん』?」

 椎名さんだった。
 彼女の眼は少し釣り目勝ちで、ただ見られているだけでも時々睨まれているような錯覚を受けるが、この瞬間、僕は確実に睨まれていた。

「えっと……。な、何か質問?」
「ん?えーあるわよ先生ぇ、質問が。なんで一美だけちゃん付なのか、とか?」

 ……なぜと言われて、僕は首をひねる。
 いや、理由は単純だった。苗字が呼びにくいからだ。長曽我部なんてリアルで見たのは初めてな名前だ。
 それに外見的にも小学生な上、全体的に寝起きの子猫のような愛嬌なる造詣の顔をした彼女に『さん』付はイメージに合わない。
 深い理由はなかった。
 が、それを説明するより早く

「……ロリコン。
 美咲、ここ教えて」

735:書く人
07/06/17 02:41:17 oH5EQbW3

 釈明の暇もありはしない。
 冷たい目で僕を一瞥した後、椎名さんは円谷さんに向けて参考書を広げる。
 円谷さんは少し戸惑ったように視線を僕と椎名さんとの間で行き来させたが、結局椎名さんが向けてきた参考書を覗き込んだ。

「おやおや~。フラグを立てちゃったかな~?」

 にへら、とした表情をさらに溶けたようなもの変えつつ言う一美ちゃん。
 フラグ、とはプログラムにおける発動条件から転じて、出来事が起こるための条件を指す言葉らしい。
 そう言われると、少し嬉しい気がした。
 確かに冷たい態度や視線は居心地が悪いものだが、しかしひょっとすればそれは、椎名さんの嫉妬のようなものなのかもしれない。

「あの~、喜沢センパ~イ。
 ここ、教えてくれませんか?」

 聞いてきたのは最後の一人、背の大きな女の子――高木良子さんだ。
 180センチ近くあるのではないだろうか?スタイルもハーフである椎名さんを上回るほどのモデル体型。
 こう書くと近寄りがたいようなイメージだが、その印象をのったりとした挙措動作と喋り方が侵食し、中和している。

「あ、うん。えっと…高木さん」

 危うく良子ちゃんと呼びかけて(印象が彼女も子供っぽかったから)、ギリギリで名字で呼ぶ。その直後に横―椎名さんが放っていたプレッシャーが落ちる。
 その事に少し安堵しながら、僕は渡された教科書を見る。
 化学だ。

「この酸と塩基っていうのが分からないんですけど~、混ぜるとどうしてこうなるんですか?」

 高木さんが聞いてきたのは、化学の基礎とも言える中和反応についてだった。
 話を聞くと、なぜ塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜると、塩酸とナトリウムが、元々付いていた水素や水酸化物イオンと別れてまでくっつくのかが理解できないらしい。

「えっとね。これは電気陰性度と酸性度っていうか…」

 教科書通り説明しながら高木さんの表情を見てみる。

「………」

 フリーズ。
 それはそうだ。教科書通りの説明で理解できるなら聞いてくるはずもない。
 よし、ならばイメージに訴えてみよう。
 僕は教科書の一ページを指して

「えっと…この表によると塩化物イオンの方が水酸化物イオンより酸として強いってのは分かるね?」
「はい」
「それと、ここによれば水素イオンよりナトリウムの方が塩基として強いよね」
「……はい」

 どうやら、ここまでは分かってくたようだ。

「だからさ、この酸性度と電気陰性度とかっていうのはそれぞれ相手を引っ張る力で、これが強い者同士が真っ先にくっつきあうから…」
「けど、最初はこの子たちは、それぞれ水素やOHとくっついてたんですよね~?」
「くっついてたって言っても一緒の溶液の中にいるだけだから。
 それに、この塩化物イオンもナトリウムイオンも、たまたま相手がいなかったから、一緒にいた水酸化物イオンや水素イオンと仕方なくくっ付いていただけで…――」


――仕方なく。


 自分で言ったその言葉に、僕ははっとなる。

736:書く人
07/06/17 02:42:00 oH5EQbW3
 相手を引っ張る力の強い塩基であるナトリウムイオンは、仕方なくその場にいた水素イオンと一緒になっていた。
 相手を引っ張る力の強い酸である塩化物イオンは、仕方なくその場にいた水酸化物イオンと一緒になった。
 ならば……

「……あの~センパイ~?」
「えっ。あ、うん。とにかく、そういうこと。分かった?」
「はい~。教え方が上手ですね」

 繕う僕に、高木さんはお礼をいってくる。
 けれど、僕はその内容をほとんど聞いていなかった。

 僕は隣を見る。
 そこには椎名さんがいた。
 機嫌が治った、というより一美ちゃんとのやり取りが既に意識の外に置き去られてしまったのか、頭を抱えながら円谷さんの問題解説を受けている。
 シャーペンの恥を口にくわえて脹れっ面で参考書を睨みつける椎名さん。
 そんな表情ですら見苦しさより可愛らしさが前に出ている。
 椎名さんは、そんな可愛い女の子だ。それに対して、僕は冴えない男。
 駅で二人が言葉を交わすような関係になったのは、偶然そこに二人しかいなかったから。

 さながら、ナトリウムイオンと水酸化物イオンだ。
 地味で誰も引きつけることのない僕と言うイオンがいる、駅と言うビーカーの中に、椎名さんと言う引き寄せる力の強いイオンがやってきて、僕を引きつけた。

 ――仕方なくに、だ。

 けれど、それは二人きりになったから。椎名さんに言わせれば、きっと仕方なくのことに違いない。
 ビーカーの外には、僕よりはるかに引く力の強いイオンに溢れかえっている。
 外に零れてしまえば、椎名さんに引き寄せられる、僕よりはるかに魅力的なイオンがたくさんいて、椎名さんは僕に見向きもしないだろう。
 現に、円谷さん達と話をしている椎名さんは、いつも以上に嬉しそうで輝いて見えた。

 ああ、何を勘違いしていたんだろう。僕にとって彼女が特別な存在であったとしても、彼女にとって僕が大切な存在である根拠にはならないと言うのに。
 いや、それどころか、すでに彼女には恋人か、あるいは好きな人がいるかもしれない。

 冷水を頭から浴びせられたような気分だ。
 女の子に少し声をかけられて、その友達にはやし立てられただけで、すぐにのぼせて、いい気になっていた。
 僕など椎名さんにとっては、二人きりに『なってしまった』相手に過ぎない。
 偶然と不可抗力の結果である僕が、椎名さんにとって特別な意味がある存在であるはずがあるだろうか?
 


「あの…喜沢さん?こちらの数式なんですが…」
「…うん。どうしたの」

 円谷さんに言われて、僕は現実の問題の方へと意識を向けた。
 


 解散の時、椎名さんは僕にテストまでの家庭教師を頼んできた。僕はそれを承諾した。
 少しでも椎名さんの隣を占有していたい。理由は、そんな悪あがきにも似たものだった。
 この日を境に、椎名さんとの時間が少しだけ憂鬱になった。

737:書く人
07/06/17 02:44:05 oH5EQbW3
つづく

たぶん次回がラストになるかと。
あまり待たせないように努力します。

738:名無しさん@ピンキー
07/06/17 07:47:13 rxP7HD2D
イイヨイイヨー

739:名無しさん@ピンキー
07/06/17 09:17:51 UWU9Xl/1
南下スゲー気になる展開だ!

740:名無しさん@ピンキー
07/06/17 09:21:15 TTdqLV+H
続き早く読みたい

741:名無しさん@ピンキー
07/06/17 13:48:18 mzEXyAJ3
書く人氏GJ!
続 き が 気 に な る !

742:名無しさん@ピンキー
07/06/17 23:18:10 8vqIe7RC
ワクテカ

743:名無しさん@ピンキー
07/06/18 18:50:24 Qnb5IV0p
684氏に書く人氏!
いやー、wktkが絶えませんなぁwww 

744:名無しさん@ピンキー
07/06/19 03:48:02 0FLPKbH2
あれ?主人公とヒロインって別の学校だったよな?確か
どうやってヒロインは主人公の学校の成績表チェックしたんだ?

745:名無しさん@ピンキー
07/06/19 05:53:29 0ZzBvCAR
全国模試って書いてなかったっけ?

かなり優秀

746:名無しさん@ピンキー
07/06/20 02:22:20 iOyhx1pi
>>736
続きwktk!

747:名無しさん@ピンキー
07/06/22 01:30:18 zsKuGuEd
なぜこのスレは、作品がくると沈黙気味になるんだろう。
ともあれwktk

748:名無しさん@ピンキー
07/06/22 18:16:43 p09qfoL6
どこのスレも似たようなものだと思うが・・・・・・・

とりあえずwktk

749:名無しさん@ピンキー
07/06/22 22:34:46 UNWP4P4h
うるさすぎるよりはましだろ。
みんな楽しみにしてるしな。というわけでwktk

750:名無しさん@ピンキー
07/06/22 23:42:04 F079qDf2
なんというかあまりにwktkすると騒がずいい子で待っていたくなってしまう

751:名無しさん@ピンキー
07/06/23 02:12:46 VEaj8k5F
つまらなくなったな

前半の静かで穏やかな雰囲気がぶち壊されて
ギャルゲ化したような気がする

エロパロだから仕方ないのか
ヒロインもシチュも良かっただけに残念だ

752:名無しさん@ピンキー
07/06/23 02:18:02 f5Nnixjd
>>747
容量やレス数を無駄に消費する事を抑えて、少しでもこのスレを楽しみたいからじゃないか?

753:名無しさん@ピンキー
07/06/23 02:58:08 5/JJpqMX
moriーーー


ほしゅ

754:名無しさん@ピンキー
07/06/23 13:22:27 5f9TR3iw
>>751
なら見なきゃいいだけのことだろ、そんなこといちいち書くな、うっとうしい

755:名無しさん@ピンキー
07/06/23 15:25:30 7ezOLIu8
んだな
俺が思ってたのと違ってきたからツマランとかガキかよw

756:名無しさん@ピンキー
07/06/24 11:54:30 zpiFJl2t
良スレage

757:名無しさん@ピンキー
07/06/24 20:07:52 mCBRRRoS
>>752といい>>754といい
このスレの住人は盲目もいいところだな

758:名無しさん@ピンキー
07/06/25 00:55:35 LQMvwD0M
こうして良スレがまた一つ・・・  orz

759:名無しさん@ピンキー
07/06/25 02:59:54 qFcm2Tjm
はいはーーい、お前らスルースキル覚えろー、忘れんなー!
これテストに出るってか、出すぞー!

760:名無しさん@ピンキー
07/06/27 19:12:16 tUwY9wPH
保守

761:名無しさん@ピンキー
07/06/30 07:24:33 UlGCu82L
wktkするけとイイよね?(・∀・)

762:名無しさん@ピンキー
07/06/30 13:09:20 Aog2XPkH
MHP2始めて、このスレ読んで、なんだか妄想が膨らみ始めた。
もしかするとそのうち何か書くかも。期待はしないで。

763:名無しさん@ピンキー
07/06/30 19:47:48 1wqubmHd
待ってまーす

764:名無しさん@ピンキー
07/07/02 00:03:34 6P2Y/13S
書く人マダー?

765:名無しさん@ピンキー
07/07/02 23:57:37 Vd+X+Oj1
ずいぶんと気が早いな
一ヶ月くらいまではwktkして待とうぜ

766:名無しさん@ピンキー
07/07/05 21:14:38 tpteLMiY


767:名無しさん@ピンキー
07/07/06 21:07:38 vl7AXB+n
>>1殿のSSがみてぇ…
所で、>>1に書いてある地震or核戦争勃発のやつって書いてもいいの?

いや、漏れは書かないよ、視聴者だし

768:名無しさん@ピンキー
07/07/08 23:14:48 9HpTVYd9
保守

769:名無しさん@ピンキー
07/07/09 07:52:12 Sr4eOL+t
>>734
シナリオ分岐イベントなんて言う女いねーよ
きんも~☆

770:名無しさん@ピンキー
07/07/09 12:32:00 bDj4z3Ji
あるいはゲーマーならひょっとして。

771:名無しさん@ピンキー
07/07/09 17:15:51 +LcTOd0G
そんなこと言ったらこんな羨ましいシチュありえな(ry

772:名無しさん@ピンキー
07/07/09 21:32:56 psIHhuSL
作者のエロゲヲタ度によるんじゃ

773:名無しさん@ピンキー
07/07/09 23:22:16 Sr4eOL+t
百歩譲ってこんな言葉知ってる女がいるとしたら
逆ハーレム恋シミュやり込んでるドブスくらいだな

774:名無しさん@ピンキー
07/07/09 23:31:07 txeM39VY
ここのスレは静かな図書館の中で司書や他の客が寄り付かない所で二人きりになってもぉKなの?

775:名無しさん@ピンキー
07/07/10 08:21:02 4+14HOK8
おK

776:名無しさん@ピンキー
07/07/10 19:37:29 /slA2Ti3
エロゲの劣化コピーみたいな糞SSじゃないなら
何でもおk

777:名無しさん@ピンキー
07/07/10 20:20:53 GQsd7Oz0
何かウザったいバカがいるな

>>774
良いんじゃない?

778:名無しさん@ピンキー
07/07/10 20:53:16 xjWReRIF
ぉK貰ったし今日から書き初めてみるよ

779:名無しさん@ピンキー
07/07/10 21:18:25 eRDSvEZV
また細切れ未完が始まるのか

780:名無しさん@ピンキー
07/07/10 22:32:56 xjWReRIF
>>779そういう事を言うと書く気が削がれるって知ってる?

781:名無しさん@ピンキー
07/07/10 22:34:24 MNlA3IK9
わざと言ってるんですよ。 わ ざ と 。


という>>779の心の声が聞こえてきそうだ。

782:名無しさん@ピンキー
07/07/10 22:49:07 bVV8NFwP
>>780
この手の謂れの無い非難とか中傷とかを、投げかけられるリスクが存在する場所だと
いうことを一応頭に入れておいた方がいいと思う。

まあ、あまり気にせず書いてください。

783:名無しさん@ピンキー
07/07/10 23:23:57 RwCnNqon
>>780
気がそがれたなら書かなきゃいいだけ。
書きたいなら書けばいい。
そういうもんだぜ!

784:名無しさん@ピンキー
07/07/11 00:21:23 fiz22/tL
今までのスレの流れを見てると妥当な考えだと思うがな
まぁ誘い受けがマンセーされるスレなんて大概がこんなもんなんだろうけど


【CP厨】リア厨だらけのスレを語るスレ【誘受】
スレリンク(eroparo板)

ところで、ここでこのスレが挙がってる理由を考えたことはないのか?

785:名無しさん@ピンキー
07/07/11 00:28:59 jr+KwKOg
以下、何事も無かったかのようにスルー。


786:名無しさん@ピンキー
07/07/11 09:09:24 xh58oOFw
雪山編は神だったのにな
すっかり糞スレに成り下がった

787:名無しさん@ピンキー
07/07/12 13:08:28 KPM5FuUm
前半ラノベ、後半エロゲって感じ
自意識過剰なキモヲタの臭いがぷんぷんするw
>書く人

788:名無しさん@ピンキー
07/07/12 16:37:21 uY7p2+yq
なんだかんだ言って

萌 る か ら そ れ で よ し

789:名無しさん@ピンキー
07/07/12 18:48:01 NqpWudvx
同意

790:名無しさん@ピンキー
07/07/12 23:14:40 RU8tCzft
かなりコアな設定だから書いてもらえるだけで嬉しいんだけどね
だから無理にエロ入れなくてもいいんだ
日常に存在しそうな非日常…そこが重要

791:名無しさん@ピンキー
07/07/12 23:20:53 gUVcBz8C
不可抗力なら、女の子と2人きりじゃなくてもいいのだろうか……。

792:名無しさん@ピンキー
07/07/13 02:38:37 vLEtAo1H
スレタイを穴があくほど見て欲しい





性的な意味で

793:名無しさん@ピンキー
07/07/13 03:26:34 YBbciKfP
>>792
そのあいた穴に挿入か?

794:名無しさん@ピンキー
07/07/13 04:05:14 7cKl/rWB
不可抗力がポイントではなく、女の子と二人っきりってのがポイントのスレですわよ?

795:名無しさん@ピンキー
07/07/13 08:45:47 Jp7Q9lyH
書く人の後半は二人きりですら無い
スレ汚し以外の何物でもない

796:名無しさん@ピンキー
07/07/13 08:47:02 /TABfwdt
この荒らし方は修羅場スレのやつか?

797:名無しさん@ピンキー
07/07/13 14:39:44 ZYEabnCr
きもいな

798:名無しさん@ピンキー
07/07/14 00:40:45 31fpLAHn
>>1待ち

799:名無しさん@ピンキー
07/07/16 14:24:02 ZIZKXsJE
書く人はスレタイ読めよ
あんなの投下されたら荒れるのも仕方ない

800:名無しさん@ピンキー
07/07/17 14:54:51 bH2aPaXN
数少ない書き手を追い出せるほどこのスレに書き手はいるか?

801:名無しさん@ピンキー
07/07/17 15:52:43 UBnR+iiR
夏だから、天然なのか荒らしなのか判断がつかないぜ。

802:名無しさん@ピンキー
07/07/18 08:56:03 UZIvQ4t8
完全スレ違いの駄作でも
ハーレムウハウハで興奮できればいいってかw
何のための住み分けだよ

803:名無しさん@ピンキー
07/07/18 10:36:18 VoWRvmbj
何処と住み分けるつもりだよwww
スレ毎に文句変えないと釣れないぞ。

804:名無しさん@ピンキー
07/07/18 10:43:43 EvrARY5d
あれがスレ違いに見えちゃうアレな人は放置汁。最初から最後まで
二人きりでなければいけないなんて決まり事はどこにも無い罠。

805:名無しさん@ピンキー
07/07/18 12:14:57 /U2subwu
>>804
ちょっと前の戦国モノもそうだったな。

806:名無しさん@ピンキー
07/07/18 15:17:06 s3+ANbuS
いや、エロゲ化は有り得ない

807:名無しさん@ピンキー
07/07/18 15:26:20 UZIvQ4t8
書く人の後半みたいな低能用の糞SSは
どこでも読めるだろ
検索すりゃ腐るほど見つかる

808:名無しさん@ピンキー
07/07/18 15:46:24 YtWn50oJ
バス停で二人きりの時の、素朴な田舎の雰囲気を漂わせていた
シーンでは、非常にwktkした。
(=ω=.)のパクリとか萎えるからやめてほしかった。

809:名無しさん@ピンキー
07/07/18 16:37:57 gK6yMKVK
いちいち反発する奴らいるんだな

810:名無しさん@ピンキー
07/07/18 19:22:39 UZIvQ4t8
>>808
同意

811:名無しさん@ピンキー
07/07/18 21:08:10 4tI+tXhW
アホが数匹暴れてるだけだろ
相手にするな

812:名無しさん@ピンキー
07/07/18 23:02:21 /RMP0xli
書く人氏マダー?

813:名無しさん@ピンキー
07/07/19 04:57:21 GXE9aMDJ
何度も言うが、このスレは数少ない書き手を追い出せるほど書き手に恵まれたスレなのか?

814:名無しさん@ピンキー
07/07/19 05:15:09 EzfV12al
>>813

いい加減、空気嫁。

815:名無しさん@ピンキー
07/07/19 10:32:57 /INA0U2x
つまらん話を投下されるぐらいなら投下が無い方がいい。

816:名無しさん@ピンキー
07/07/19 13:29:05 dWQDU8qf
>>815
同意。

817:名無しさん@ピンキー
07/07/19 21:39:27 a23KVnW5
>>815
だな。
ところで書く人マダー(・∀・)

818:名無しさん@ピンキー
07/07/20 07:34:23 o8fnWiQF
らきすたパクリ小説には興味なし

819:名無しさん@ピンキー
07/07/20 09:30:06 T1/Rvuqw
前回の投下から一ヶ月以上経ったので、そろそろリミッター解除します


820:名無しさん@ピンキー
07/07/20 09:37:04 T1/Rvuqw
 ▽

 上手いことを言ったやつがいる。

「俺らって懲役六年の刑に科せられているよなあ」

 その通り。
 
 中高一貫の男子校では、女っ気のない生活を余儀なく強いられている。

 中学、高校といったらアレじゃん。青春の真っ只中じゃん。

 かわいい女の子と、バレンタインにいちゃいちゃとか、大晦日に肩を並べて年を越したりとか、

 夏の海をアバンチュールに満喫したりするとかが普通じゃないのか?

 いいよなあ、男女共学の学生さんは。

 でもまだ神は、そんな俺を見捨ててはいなかった。

 一大イベントが隠されていたのだ。

 地区予選で珍しく好結果を出した我が卓球部は、夏休みに二泊三日の強化合宿を行うことになったのだ。

 部員は三人しかいないけど、その人数の少なさに対して心あるOBが何とかしてくれた。

 どうしてくれたかって?

821:名無しさん@ピンキー
07/07/20 09:38:16 T1/Rvuqw
 なんと、柊草女学園との合同合宿。

 市内に同じレベルの高校が無かったとはいえ、女子高生といっしょに合宿なんてありえねえ、と思ってもみたが、

 よくよく考えれば共学のやつらにとってはそんなの普通なんだろうな。

 集合は学校の西門前。

 そこからOBが車で現地合宿場まで運んでいってくれるらしい。で、そこで女の子たちと合流する手はず。

 財布持った。着替え持った。携帯持った。マンガ持った。トランプ持った。

 おっと、これを忘れてはいけない。せっかく買ったしな。十六年間一回も使ったことのない男性用コロンも、スポーツバッグに詰める。

 さて出発。

 名言を残してくれた友よ、悪かったな。

 俺は四年半で刑期を終えることにするよ。

 簒奪された理想郷を、この手で取り戻すんだ!

822:名無しさん@ピンキー
07/07/20 09:39:05 T1/Rvuqw
 △

 上手いことを言った人がいる。

「私たちって懲役六年の刑に科せられていると思わない?」

 実にそのとおりだと思うわけですよ。

 中学から続くこの柊草女学園に入ってからというもの、家族・先生以外の男の人と話したこともない。

 一緒の小学校に通っていた友達からは、メールやブログで「あたしの彼って超カワユクない?」なんてカキコして、散々ノロケてくる。

 どうせ恋人たちのすることって、クリスマスにいちゃいちゃとか、いっしょに文化祭を見てまわったりとか、

 何もない平日の昼間に『付き合って一周年記念日』という名目で学校サボって、映画館に恋愛モノを見にいったりとかするんでしょ。

 ……

 そうですよ! とってもうらやましいですよ!

 こんな感じでこの四年間半、柊草女学園に入れさせた親を少しだけ恨んでもみましたが、

 転機! まさに転機とよべる事態が訪れたわけです。

823:名無しさん@ピンキー
07/07/20 09:39:58 T1/Rvuqw
 私たちの所属する卓球部は、もともと県屈指の強い高校だったのだけど、それも去年まで。

 なぜかというと、たくさんいた三年生はすでに引退してしまったせいだ。

 今年も合宿を行いたいのだけど、残された一、二年は私を含めてわずか四人。かなり少なめ。

 でもでも一年生の部員の中に、大学生のお兄さんという人がいて、なんとまあその人は天守閣高校という男子校の卓球部OB。

 つまりは成り行きで、天守閣高校の男の人と合同合宿をやることになってしまったのだ。

 もうすぐ駅前に集合しなくてはいけない。合宿出発の待ち合わせにね。

 電車に三十分ほど揺られて、到着した駅から歩いて十五分のところが、今回の合宿場なんだって。

 うぅん。まだ会ってもいない男の子に対して緊張してきた。

 ちゃんとしたお話ができるかな。

824:名無しさん@ピンキー
07/07/20 09:41:02 T1/Rvuqw
 ▽

「おーす、トール」

 全校きってのキザ野郎が、指二本を使ってシュタっとポーズを決めてくる。

 慶一のいつものあいさつだ。

 こいつは中高五年間のうち五回とも一緒のクラスになったというただ一人の男。

 どうしてもこいつの悪遊びに付き合ってしまう俺にとったら、来年の受験シーズンには別々になって欲しいところだ。

「おうよ、神田さんと六郎は?」

「ん? まだじゃね? それよりほらこれ見てみろよ」

 は? と聞き返すよりも前に慶一はポケットから何かを取り出して見せた。

 ピンク色の光沢を出すその物体は……ひどく卑猥な形をしていて……

 慶一が親指で操作すると、ウィーンと携帯のような振動音が聞こえてきた。

「いやあ、一週間前ほど前に通販で頼んだものなんだけどね、それが届くのが昨日の夜になっちゃって、

 ちょいと焦っちゃったよ、ははは」

「いや、ちょ、おまえ……それ何に使うんだよ」

「何に使うかだってぇ? やーん、もうトール君のエッチー」

 朝から妙にハイテンションな俺の親友は、事もあろうにそのピンク色を俺の股間の方に……

825:名無しさん@ピンキー
07/07/20 09:41:50 T1/Rvuqw
「や、やめろ!」 

 バシッとけっこう本気めに張り手をかましてやったが、それに応える様子もなく、

「うーん、この子はトール君が嫌いなみたいだね。でもいっか、女の子たちに試してあげれば♪ フフフ」

 慶一の邪悪にゆがんだ笑みを見慣れた俺であったが、今日は一段と逝っちゃってる。

「トール~! 慶一~! こっち来い~~!」

 校門のほうで白い乗用車がクラクションを鳴らしていた。

 お、あれは神田さんじゃないか。後部座席から六郎も手を振っている。

「慶一、行くぞ」

「フフフフフ」

 左手をポケットに突っ込ませたまま、右手でスポーツバッグを肩にかけている。

 にたにた笑いながら、またスイッチを入れたらしく、ポケット越しからかすかに音が漏れだした。

「フフフフフフフ」

 ……おいおい、頼むから問題だけはおこさないでくれよ。

826:名無しさん@ピンキー
07/07/20 09:43:05 T1/Rvuqw
 ▽

「藤井先輩、おはようございます」

「おはよ、かなみちゃん。もう全員来ているみたいだね」

「私たち一年生。誰も先輩を待たすような人はいませんよ」

「そういわれると、なんか自分が偉くなってるみたいでヤダよう」

「いえいえ、それが部活のしきたりですから。お兄ちゃんが朝早く出かけてみたいなんで、私たちも行きましょうか」

 この活舌のいい子は私の後輩―神田かなみ。

 お兄ちゃんというのは天守閣のOBのこと。

 合宿費用のほとんどが神田さんに払ってもらっているということだから、かなみちゃんにも申し訳ない気分になってしまう。

 なにやら競馬で大当たりしたとか。

「藤井先輩! 今朝はなに食べましてんか?」

「ダイエットで食べておらへんねんったらコレおすすめっす!」

 部員四人のうちの残り二人は、フミちゃんとチカちゃん。

 愛らしい顔を二つ並べたこの双子は、どちらもコンビニでバイトしているだけあって新商品に詳しい。

「ふーん、どんなの?」

「へい、チカ出しな!」

「はいさ、フミちん!」

 数分遅れの妹のチカちゃんはコンビニの袋の中から「わくわくばなな」と書かれた飲めるゼリーのようなものを渡してくれた。

827:名無しさん@ピンキー
07/07/20 09:44:59 T1/Rvuqw
「面白そうな飲み物だね」
 
「そうやっせ。ほんでから味もダイエットにも抜群だす。あたしとチカの間では只今ミリオンセラー」

「いやいや、フミちん。甘いな。バナナはんよりも甘すぎまんねん。もうギガバイトセラーやね」

「なんや、そのギガバイトっちゅーのはぁ!」 

 ぽこんとフミちゃんがチカちゃんの頭をはたく。

 いつもこんな漫才を見せてくれる、ノリのいい双子ちゃん。

 かなみちゃんともかなり仲良さげだから、一人だけ二年生の私は少しだけ残念に感じるときもある。

「藤井せんぱーい! フミチカァー! 五十一分の電車もうすぐだよー!」

「あ、かなみちゃんが呼んでる。早くしなくちゃ」

「よしチカ、はいはい! これも、はいはい!」

「え? え? フミちん?」

 フミちゃんは自分の荷物をチカちゃんにすべて預けてしまった。



828:名無しさん@ピンキー
07/07/20 09:45:35 T1/Rvuqw
「よし、先輩! 遅れないように行きまっせ!」

「わ!」

 手ぶらのフミちゃんは私の手を引っぱって改札口に向かっていく。

 えっと……チカちゃんのこと大丈夫なのかな?

「わたいのことならべっちょないだっせ。先輩、急ぎまひょ」

 あれだけ荷物を押しつけられてしまった妹のチカちゃんは、颯爽と私たちの横を駆け抜けていく。

 あれ……大きなバッグ、一つしか背負ってないような……

「あー! チカ! あたしの荷物だけ置いていったなぁ!」

「フミちんが悪いんやでー」

 フミちゃんにべーっと舌を出しながら、今度は空いた私の手を引っぱる。

 こんな後輩たちに囲まれて、やっぱり私は幸せなのだろう。

 この子たちがついているから、男の子を前にしても大丈夫なような気がしてきた。

 頑張れー、私ー!

829:永遠と続く片思い男女
07/07/20 09:48:13 T1/Rvuqw
ゴメン、2chツール使い慣れてなくて、二回も上げてしまった
あとタイトルも書き忘れてた
タイトルは↑のやつです なんかいろいろ不備が多くてごめんね 

830:名無しさん@ピンキー
07/07/20 10:55:00 qb2CtBfs
2ch専用ブラウザならJaneがオススメ。
スペック足りないと重いけれど、色々と楽。

あと、気になったのは「永遠と続く」。
「永遠に」か「延々と」じゃないかと……。

831:名無しさん@ピンキー
07/07/20 11:42:07 SHTAPjhx
折角の投下なんだ、感想もいってやろうぜ

GJ!期待してる

832:名無しさん@ピンキー
07/07/20 12:04:33 dhpDaX9k
「活舌」も「滑舌」かな。
ともあれ、どんなキッカケで二人きりになるか期待。

833:名無しさん@ピンキー
07/07/20 14:34:24 K4Jz3pqo
>>829
GJですた。今後に期待します。
改行多用は個人的に気になったが…。

>>832
活舌も間違いではない。

834:832
07/07/20 15:23:21 dhpDaX9k
>>833
む、失礼した。

835:名無しさん@ピンキー
07/07/20 17:01:47 KqBJdBSE
これは良いwktk
久々の神光臨にテンションが上がって参りました

836:名無しさん@ピンキー
07/07/21 08:33:38 6JfFr11N
男子校も女子高もなかなかお互いにおマヌケそうなところが好感持てる
頑張れ!

837:延々と続く片思い男女
07/07/21 11:06:53 oc4huHKW
 ▽

「ここが今回泊まる宿舎ね」

 OBの神田さんが指差したフロントガラス越しのむこうには、青空が広がった山のてっぺんに白い建物の一部分が見えた。

「車ではここまでしか登れないから、あとは歩いていってな」

 外に出てみると、ぎっしりと詰まった森の匂いが鼻腔に広がっていく。

 それはもうコップ一杯分で一日の自然エネルギーが補充できるといった感じ。

 お泊まり所とかかれた古ぼけた看板の隣には、年に一遍も整備されているかどうか怪しい小径の入り口がある。

 だけど荷物をもって歩いても、そこまでつらくはないといった距離だ。

「さっき妹からメールが来たんだけど、もうすぐ来るってさ。じゃあ俺は帰るけど、妹たち四人よろしくな。次の大会、期待してるぜ」

「はい! 了解しました神田さん! ここまでお金を出してもらったからには、この真田慶一、必ずや全国に進出する所存であります」

 慶一がびしっと敬礼をすると、神田さんは笑みを浮かべながら、ヴォンと排気音を出して去っていった。

 木々のさざめきの合間に聴く野鳥の唄が心地いい。街中からたった三十分離れただけで夜空もきっと……

「さてや、トール君」

 悦浸っている吟遊詩人に、悪友が声をかけてきた。ちなみに俺を君付けするときは、なにかしら変な考えを発表するときだ。

「……なんだよ」

「じゃじゃーん。これが今回の女子高生四人であります。隠し撮りに成功しました。ほら、六郎もこっち来てみ」

 慶一は四枚の写真を取り出した。

 お腹から頭までをしっかり長方形に収めた制服女子が、それぞれの写真に一人ずつ写っている。

838:延々と続く片思い男女
07/07/21 11:08:11 oc4huHKW
「へー、良く撮れているね」

 六郎が感嘆しているが、そんなチャチなもんじゃ断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を……

 というかなんでそんなに極めて構図の良い写真が撮れるんだよ。

 二メートルの距離まで近づいて、はい、ポーズをとってくださいね。とか言わなきゃ無理なレベルだろ!

「六郎は、どの子がタイプ?」

 トランプのように写真を広げ、実に楽しそうに慶一が質問する。

「え……えっと、どういう意味かな?」

「好きなタイプだよ、好きな。貧乳がいい! とか、おでこがいい! とかあるっしょ」

「そういうの……よく、わかんないな……」

 蚊の涙ほども穢れなき心を持つ六郎は、慶一とは天と地ほどの差がある。

 まああまりにも六郎が奥手すぎるのもあるが。

 変態度を偏差値五十が平均で表わしてみると、六郎はめったにいない二十台を記録するだろう。

 慶一は、そうだな……鉄の融解温度までいくんじゃないか?

839:延々と続く片思い男女
07/07/21 11:09:14 oc4huHKW
「あー、六郎はウブすぎんなあ。じゃあトール! お前はどの娘よ」

 マジシャンさながら扇を広げるように四枚の写真を目の前に突きつけ、俺に問う。

 一番左の子、写真の右下には油性ペンでパーソナルデータっぽいものが書かれてある。

 『甲田フミ、(一年)―双子の姉、大阪弁、漫才好きでボケもツッコミもいける口』、

 写真を見ると健康美そうな肌色に、大きな目。ポニーテールが特徴的だ。この風景は登下校している途中かな。

 次、『甲田チカ(一年)―双子の妹、同じく大阪弁、漫才好きで、姉と共にお召し上がりください』

 ……なんだこの説明は。写真では姉とそっくりさんだが、この子はツインテールだ。

 次、『神田かなみ(一年)―OBの妹さん、可愛い、とにかく可愛い、ド本命。この垢抜けていなさそうな顔に

 運動少女というステータス! これからOBのことを義兄さんと呼ばさせていただきます。(*'Д`)ハァハァ』

 ……間違えた、これはパーソナルデータじゃねえ。慶一の主観記事だ。まあこのショートの髪型にはそそるものもあるが。

 一番右、『藤井みどり(二年、部長)―』

 ここまで読んだところで、慶一が急に写真を持つ手を引っ込めた。

「ご到着なすったぜい。トールと議論を交わしたかったところだが、これ見つかるとヤバイしなあ」 

 ああ、左様ですか。どうせ議論っていっても、三番目の子のことを選挙運動よりもうるさく演説するだけだろ。

 そしてなぜ一番重要な卓球レベルが書いていない。

 あぜ道を見下ろすと、先程の写真そっくりな女の子たちが、元気良く歩いてきた。

840:延々と続く片思い男女
07/07/21 11:09:56 oc4huHKW
 △

「ふぁ、疲れるね。ねえフミちゃんもチカちゃんも大丈夫?」

「私ならなんも平気っすよ」

「右におんなし」

「藤井先輩! あの人たちじゃないですか? 天守閣高校の部員さん」

「あ、そうだね……かなみちゃんも大丈夫?」

「はい! いまなら富士山にも登れる勢いですよ」

「そう、良かった……」

 坂道登って十五分。ここまで体力ないとは思っていなかったが、今日は特に体が重い。別にアレな日でもないのに……

 後輩を待たせて休憩を取るわけにもいかず、もう一度バッグを背負いなおして急な斜面を登っていった。

「おはようございまーす!」

 上から男の人の声が聞こえてきた。身内や、先生や、テレビとかで聞きなれたはずの低音域な響きに、

 私はとてつもなくドキッとした。

841:延々と続く片思い男女
07/07/21 11:10:46 oc4huHKW
「「おはようございまーす!」」

 後輩たちがそろって挨拶をする。ございまーすのところだけを重ねて返事をした。

 私たちは一歩一歩と近づいていき、そして彼らと合流するまでに至った。

「天守閣の卓球部部長、真田慶一です。よろしく。でこっちがトール。こっちが六郎。みんな二年生だね」 

 わあ! むこうの部長さんが挨拶をしてきた。ということは私も部長だから……

「柊草女学園から来ました藤井みどりといいます。この二人が甲田フミちゃんと甲田チカちゃん。

 この子が神田かなみちゃん。よろしくお願いします」

 ほっ、良かった。ちゃんと声に出せるではないか。

 このまま無言でおたおたしてしまって、かなみちゃんにフォローなんかされてしまったら、目も当てられない。

842:延々と続く片思い男女
07/07/21 11:11:32 oc4huHKW
「(先輩っ、声小さすぎますよ)」

 え!? かなみちゃ……

「彼女が柊草の部長、藤井みどりです。そしてこの双子の子は甲田フミとチカ。私が神田みなみです。兄がお世話になっております」

「へえ、神田さんの妹さんか。お兄さんに似てとってもスタイル良いね。それに素晴らしくキューティフルだ」

「え? キューティフル?」

「ああ、全く罪な人だ。あまりにもビューティフルすぎて、思わず英単語をメイキングしてしまったではないか。

 どうだい? 今宵、この満天のスタースカイのなか、ヨーロッパ中のバラを買い占めて貴方に……グホアッッ!!」

「あー、ごめんね、こいつたまに独り言つぶやいたりするんだ。それじゃあ宿舎まで行こっか」

「は、はぁ……」

 よし、いまだ! 今度はちゃんと目線を上げて話そう。

「あ、あの! 私が柊草女学園から来ました藤井みどりといいます!」

 ……あれ?

「藤井せんぱーい。もうみな行ってもうたよ」

「ファイトだす! 先輩!」

 あ、あう……

843:名無しさん@ピンキー
07/07/21 11:12:52 oc4huHKW
>>830 thanks!

844:名無しさん@ピンキー
07/07/21 11:25:09 oc4huHKW
>>842 かなみちゃん……自分の名前間違えるなよ。 明らかに推敲不足です。 ちょっくら樹海で吊ってくる

845:名無しさん@ピンキー
07/07/21 12:26:50 iPGYdkEE
まあ、もちつけ。あとGJ!

846:名無しさん@ピンキー
07/07/21 14:31:17 usQBxeYv
(´・ω・`)<GJ!
(・∀・)<GJ!

847:名無しさん@ピンキー
07/07/21 14:49:06 i4CFoMkv
(゚∀゚)GJ!
部長ちょっとアホの子で可愛いな。

848:延々と続く片思い男女
07/07/23 14:56:52 qSZ/wQoR
 ▽

 月山舎のとなりには、体育館があった。大きさは学校のそれと遜色ないほどだ。

 この山はまさに合宿のための場所。他の高校からも何組かの部員が来ていて、それぞれ青春の汗を流している。

 ある人たちはバスケット部。またある人たちはバトミントン部。館全体に室内スポーツの掛け声を響きわたらせる。

 俺たちはこのような施設の一角にある卓球ルームで、練習に励んでいた。

 いろいろな組み合わせでの一対一や、チームを作っての団体戦形式で特訓しているうちに、閉館時間である夜の八時になった。

「じゃあ、今日はここまでにしとこっか」

 今の今まで奇跡的に問題を起こさなかった俺たちの部長・真田慶一の言葉に、柊草の面々もそれに同意する。

「晩御飯もあの食堂なのかな?」

「そうだな、あそこしかないしなぁ」

 お昼をとった宿舎内の食堂は決して美味いとはいえなかったが、わざわざ下山するのも億劫だ。

 六郎の問いかけに、俺は気だるく返事をした。

「では、三十分後に食堂に集合ということでどうでしょう?」

「うん! ほんでえーんちゃう?」

「そーやなー」

 神田さんの妹さんと双子娘たちの会話の流れも加わり、やっぱり飯は食堂でとなりそうなところで、

 ただ一人異論を唱えるヤツがいた。

「ちょーっと待ってい! 晩飯のことですが実はあてがあるわけです」

 慶一が、あからさまな役者口調を使う。

849:延々と続く片思い男女
07/07/23 14:58:02 qSZ/wQoR
「は? まさかわざわざ山降りるのか?」

「ノンノンノン、トール君。たしか月山舎の部屋には、当然のことながらコンセントがあるよなあ」

「ああ」

「そして、俺は電気鍋と材料を持ってきた」

「ほう、つまりこんな夜遅くから料理しようというわけか?」

「早漏トールよ、早まっちゃあいけない。実はもう作ってあるわけです」

「どうやって」

「昼飯食い終わったあとにだね、部屋に戻って、野菜を切って炒めて、今はコトコト煮込んである。

 あとはハヤシのルーを入れるだけさあ」

「えぇ!? ハヤシライスですか?」

 不意に女の子の声が、背後から聞こえてきた。

「うん? 藤井みどりさん。どうされましたか?」

 慶一の冷静な受け答えに後ろを振り返ってみると、

 自分の素頓狂な発声にびっくりして、恥ずかしそうに下をうつむく女部長の姿があった。

「実はね、藤井先輩、大のハヤシライス好きなんよ」

「そやね、ハヤシライス巡行の旅とか言て、県内歩き回るほどやんね」

「おやおや、そうでしたか。では藤井みどりさん、せっかくですので食べていただけますか?」

「え……あ……はい……」

 ますますうなだれる藤井さんに対し、慶一のほうはしてやったり的な笑みが見え隠れしたような気が……

850:延々と続く片思い男女
07/07/23 14:58:40 qSZ/wQoR
 △

「よかったですね」

 シャワー室で、短い髪の毛をわしゃわしゃとシャンプーしているかなみちゃんが、こちらに首を回してきた。

「えぇ! 何が……かな?」

「とぼけないでくださいよ先輩。ハヤシライスのことです。偶然ってあるものですね」

「そ、そうね」

「藤井先輩のあの声、とっても可愛らしかったですよ」

「もーう、かなみちゃんはいじわるだなあ」

 私は、腰まで垂れた髪から水気を切って、そそくさと退散しようとすると、後ろから誰かに抱きつかれた。

「せーんぱい♪ まだ帰っちゃあかんだっせ」

「えと、なにかな? フミちゃん」

「今日はいつもとてまうて、三人の男の人たちと一緒に練習しましてんね」

 チカちゃんが代わりにそう答える。

「ほんでだっせ。藤井先輩は誰が良かったんかやえなて」

「そ! そんな! まだ一日目ですし、私が誰かを好きになるとかは!」

 私はある男性の顔が、頭の中を横切ってしまい、瞬間的に顔が熱くなるのを感じた。

「やーだなあ、先輩。あたしは誰が卓球上手かったか訊いただけだすのんに」

「先輩、ひっかかってやんの」

「もうっ! フミちゃんチカちゃんってば」

851:延々と続く片思い男女
07/07/23 15:00:01 qSZ/wQoR
「で、本題だすけど、やっぱり誰が好きだすのん? あたしは六郎君。チカは?」

「安牌やなあ、フミちんは。わたいは漫才向いてそいな慶一君かな。そこで聞き耳立てとるかなみは?」

「ああうん、そうだね。私は徹さんのような人がタイプですね。はい、これで三人ともいいましたよ、次は先輩の番ですね」

 ええ? なんでみんなそんなに簡単に言っちゃうの?

「先輩だけ言わないのはセコだっせ、ほれ、先輩もパーっと言っちゃっとくんなはれ」

「……どうしても言わないといけない?」

「「どうしても!」」

 後輩たちが強く声を揃える。

「えーとね、私は……」

 何度か深呼吸して、喉から搾り出すように、

「私は……徹さんのような人が、ほんのちょっとだけ好みです……」

「「おおおっっっ!!」」

 また三人が合唱する。

「そっかそっか、そうですか、これは先輩応援してあげないといけませんね」

 とかなみちゃん。

「え、なんでなんで?」

 かなみちゃんも徹さんのことがタイプなのでは?

852:延々と続く片思い男女
07/07/23 15:00:37 qSZ/wQoR
「実はね、藤井先輩。あたしら言うたこと、ぜーんぶ嘘だす。

 あたしが六郎君、チカが慶一君、かなみが徹君と割り当てるように言うたら、先輩の本音が聞けるとちがかて思てましてん」

「作戦通りやね! フミちん!」

「ごめんなさい、先輩。フミチカにどうしてもと言われて……」

「え? それじゃあ……私だけ告白したってことになるの?」

 今日は何回も頬を染めたような気がするが、そのどれにも負けないほど真っ赤になってしまった。

「あー、せんぱーい、逃げたあ」

「先輩、テラカワユス」

「先輩! 体冷えてしまってるのでもう一度シャワー浴びた方が……」

 みんな、いじわるだあ。シクシク。

853:名無しさん@ピンキー
07/07/23 16:29:25 NU9lxDZ2
GJ!
先輩カワユス(´・ω・`)

854:名無しさん@ピンキー
07/07/24 18:55:25 8czYO+jC
GJ!!

855:名無しさん@ピンキー
07/07/25 01:11:39 rSDfybG+
慣れない関西弁はやめたほうがいい
・・・実際そういう関西弁があるんなら謝るが。

856:名無しさん@ピンキー
07/07/25 04:47:39 mlAFSDVs
>>855
お前さんが言う関西弁という方言は、おそらく大阪弁の事だ。
実際には神戸や京都も関西に含まれ、神戸弁や京言葉は大阪弁とは違う。
Wikipediaにおいて関西弁とされる方言は、京言葉、神戸弁、近江弁、丹波弁、舞鶴弁、船場言葉、河内弁、泉州弁、摂津弁、播州弁、奈良弁、紀州弁、淡路弁、三重弁の14種類。
これらは全て違う方言だ。
つまりそういう事。

857:名無しさん@ピンキー
07/07/25 12:02:00 iIzBPVaA
てか物語の中なんだしどうでもいいんじゃ…

858:名無しさん@ピンキー
07/07/25 13:53:04 mlAFSDVs
>>857
地元民はこだわるんだよ。

859:名無しさん@ピンキー
07/07/25 14:40:23 Zav0ssdo
たしかに、間違った方言が出てくると失笑してしまう。

860:855
07/07/25 16:53:54 rSDfybG+
関西弁が多様なのはわかる(そもそも地元民なんだからな)。
その上で>>848が多様な方言のどれにも該当しないのではないか、と言ってるんだ。

だがちょっと待って欲しい。
怪しい関西弁使うのも脳内変換次第で萌えるのではないだろうか。

861:名無しさん@ピンキー
07/07/25 17:14:53 dOYMA7VF
おkwww

862:名無しさん@ピンキー
07/07/25 18:59:12 bZ1JBuMH
さてわいも地元民なわけだが、どないな言葉使うたらええねん?

863:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:00:41 bZ1JBuMH
 ▽

「そ! そんな! まだ一日目ですし、私が誰かを好きになるとかは!」

 な、なんだ?

 もくもくと湯気だつシャワーの栓を閉めると、同時にくぐもった女の子の声が耳に入ってきた。

 となりから? あの声は……

 俺たち男がシャワールームにいるということは、やはり女の子も同じく汗を流そうとしているわけで、

 仮に薄壁一枚で仕切りをしているのであれば、向こうからの発する音がこちらまで駄々漏れてもてんで不思議ではない。

 で、詰まるところ、藤井みどりさん本人の声だと判断できるほど明瞭に聞き取ることができ、

 俺にとって柊草四人中一番好感の持ったその子がさっきのような台詞を口に出すから、

 希念と緊張の思いで蛇口の栓から手を離すことができないでいるほどだ。

 ちなみに運良く慶一はいない。あいつがいた場合には、もうこの会話を最近刻々と良質になってきている携帯の録音機能で盗聴し、

 連続再生可能のメディアプレイヤーを耳元に置いて、寝てから起きるまでずっとかけっぱでいるだろう。

 いや、あの変態なら、盗撮ぐらいはするか?

 右手には六郎がいるが、たぶん彼には恋沙汰の話しなどフランス・ブルターニュ地方のブルトン語よりも理解できないに違いない。

 まるで気にすることなく体を洗っている。

 向こうからのシャワー音も交じるが、俺は耳の穴をかっぽじって集中した。

「で、本題ですけど、やっぱり誰が好きですの? あたしは六郎君。チカは?」

 おお! さっそく本題ですか! この声は双子ちゃんか? で、六郎君が好きですと。良かったなあ六郎。

864:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:01:40 bZ1JBuMH
「安牌やなあ、フミちんは。わたいは漫才向いてそうな慶一君かな。そこで聞き耳立ててるかなみは?」

 双子ちゃんのもう一人の子だ。慶一が好き!? ……やめとけとは言わない。

 どうせ明日になったら嫌悪の対象になっているだろうから。

「ああうん、そうだね。私は徹さんのような人がタイプですね。はい、これで三人ともいいましたよ、次は先輩の番ですね」

 え? ……お、オオオオオオオオ俺!? いい、今のって神田かなみさんだよなあ。

 そっか、俺か……そっか、そっか……ヘヘ、そっか。

「先輩だけ言わないのはズルですよ、ほれ、先輩もパーっと言っちゃってください」

「……どうしても言わないといけない?」

「「どうしても!」」

 藤井みどりさんの番だ。俺も一緒に「どうしても!」と口を動かす。

「えーとね、私は……」

 うんうん、私は?

 ジャァァーーーーー!

 思いもかけず、いきなりの濁流音が聴覚を奪った。

 もう素ん晴らしいタイミングで、六郎がせっけんの泡の洗い落としを開始したのだ。

 六郎~~、そりゃねーよ。

 あとから考えてみれば、有無も言わさずにシャワーを止めてやればよかったんだが、

 このときは必死になってとなりからの音を拾おうとしていた。まるでWiiで行なう卓球の練習のように無駄であったが。

865:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:02:27 bZ1JBuMH
 △

 香ばしいドミグラスソースの匂いが漂ってきた。

 デミグラスソースではなくて、正しくはドミグラスソースというのですよ、

 なんて語ると、「ホントに先輩ってハヤシライスのことになると饒舌になるんですね」とからかわれてしまうので、

 できるだけハヤシ知識は隠すようにしておこう。

「ほーい、できましたよーん」

 201号室の男部屋で作られたハヤシライスは、いまちょうどお皿に盛り付けられようとしている。

「トントントン、あーけーてー」

 向かいの203号室―女部屋から着替えの準備をしてきたフミちゃんがドアをノックする。

 なかなか防犯意識の高いことで、月山舎の各部屋にはオートロックが設置してあり、

 一度ドアを閉めると、鍵を持っているか、中の人から開けてもらわなくては入れない。

 私がドアを開けに行く。

「はい、フミちゃん」

 これで201号室に七人がそろった。フミちゃんはくんくんと鼻を鳴らし、とびっきりの笑顔になる。

866:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:03:23 bZ1JBuMH
「あー、じゃあみんな、鍋を囲んでー」

 振りかえると徹さんがみんなに合図を送っていた。

 ふぁあ、なんでだろう? 練習中はそこまでではなかったのに、意識しちゃったからなのかな、お顔もまともに見られない。

「うお! トール、もうみんなに皿を配ったのか?」

「おう、それがどうかしたのか?」

「え……ああいや、ご飯の量の大小とか気をつけようと思って」

「足りなきゃまだおかわりはあるだろう、多けりゃ残せばいいし」

「う……どれがどれだか分かんねえ」

「なにを言っているんだ?」

 みんなが鍋の周りに集まって、輪になろうとしている。

 徹さんは左どなりの慶一さんとお話をしているけど、右どなりは、右どなりには……誰もいない。

「藤井せんぱーい、席はもちろんあそこやろ」

「そうやね、はいはい行った行った」

 ええ!? 私だけに聞こえるようにフミちゃんチカちゃんが呟き、それの意味するところに胸がキュウンと鳴らされる。

 息も心なし苦しくなったような。どうしてこの子たちは他人の恋バナがすきなんだろ。

867:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:04:19 bZ1JBuMH
「先輩が行かないのでしたら、私が座りますよ~」

「……!」

 まだ輪に加わっていないかなみちゃんの言葉に、またまた胸が締め付けられた。でもさっきとは違ってなんとなく嫌な感じで。

「かなみ、先輩にいけずしちゃあかんよ」

「イジメ、かっこ悪い」

「冗談ですよ、先輩」

 私は急かされるまま、フラつかないようにしっかりとした足取りという気で、でもやっぱり少しフラつきながら、

 徹さんのとなりに座った。

「じゃ、じゃあ食べよっか」

 全員が鍋を囲んだところで、徹さんの号令のもと、遅い夕食会がはじまったのでした。

868:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:05:15 bZ1JBuMH
 ▽

 フワっときた。急にフワっときた。ハヤシライスに屈しないほどシャワー上がりの女の子の芳気が、

 目に見えるほどの侵攻力を持って俺の鼻を陥落させたのだ。

「じゃ、じゃあ食べよっか」

 あんまりの不意打ちに思わずキョドってしまい舌噛んだ。そしてその恥をごまかすように先陣切ってみる。

 俺が食べると同時にみんなも競うばかり、というほどでもないが、各自スプーンを動かし始めた。

 厳しい練習で、おなか空いていることだしな。

 あれ?

「おい慶一、食べないのか?」

「え? ああ、うん、まあ、その、そう。こうも美味しそうに料理ができるとね、なんか食べるのがもったいないなーって」

「そうか? 自信作なのは分かったから、お前も食えよ。ウマいぜ。」

「……そだな」

 そして、若干の沈黙をおいたあと、

「札幌ドーム!」

 と毎日三十時間考えても解けないような叫びをシグナルとして、猛烈にメシを掻きこみ始めた。

 左にいるこんなバカ野郎はほっといて、鍋越しの正面に目を向けると、双子ちゃんたちが六郎相手に漫才をしているのが見えた。

 彼女たちの会話は非常にテンポが良く、まるで言葉というピンポン玉を使って、

 愛ちゃんもびっくりのスーパーラリーを打ち合っているように感じる。六郎もまた目を丸くして、そのリズムに聴き入っている。

 たしかどっちかは、六郎のことが好きなんだったな。がんばれ。

869:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:06:05 bZ1JBuMH
 続いて、もひとつ右。こんな俺に対して興味津津であられる神田かなみちゃんが、とても礼儀良く正座して双子漫才をたしなめている。

 もう一度言う。俺のことがとっても大好きなかなみちゃんはなぜか向こう側を向いている。なんでだろう? 

 たまにちらちらとでもこちらを気にしてくれるのだったら嬉しいのだが、漫才に集中しているんだったら仕方がないか。ちょいと残念。

 さらに右には、我が麗しの藤井みどりさんが……なんかお皿とにらめっこするように下を向いて食べている。

 そうだった、ハヤシライスが好きなんだったな。これが慶一の策略だというのは考えすぎだろうか?

 まあいい。せっかくのチャンスなんだし、話しかけてみよう。

「藤井さんってどうしてハヤシライスが好きなんですか?」

「へ、はッ、ヒャウ!? け、けほっ、けほっ」

「あ、ごめんごめん」

 急に話しかけてしまったせいなのだろう。咳きこむ藤井みどりさんに水を差し出す。

「ンッ、ンッ、ンッ、くふぅ。……ふぅ。あの、ありがとうございます……徹さん」

「気にしなくていいよ。それより藤井さんって、俺のことを名前で呼ぶんだね」

「ひゃあ、いえ、それはっ違います、いえ、違うというのは違うという意味ではなくて、その、苗字は教えてもらっていないから……」

「そうだっけ? うーん……じゃあこうしよっか、俺も藤井さんのことみどりさんって言っていい?」

「はうあッ! はひ! はい、構いません。いいですよ。大丈夫です」

 あれ? 俺ってそんな怒ったような口調をしているかな? なぜだか怖がっているように見える。表情がおっかないからかもしれない。

 努めて笑顔で優しい言葉をかけても、スプーンを口に含ませて、ますますとしなだれるような格好をさせてしまう。

 ごくたまに気遣いからか、目を合わせてくれるも、サッと伏してしまう。

 その上目使いとても可愛いのになあ、本当に嫌われているのかな……ショックだ。

870:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:06:50 bZ1JBuMH
 こっちからのほぼ一方的な会話がそろそろ途切れようかとするところで、いとらうたしかな。とんでもないことを質問してきてくれた。

「と! 徹さんって素敵ですよね! 彼女とかいるんですか?」

 え? それってどういう……

 しかし、発言の意味を百パーセント理解する前に、とんでも迷惑野郎が突如として喚きはじめた。

「おう、キタぜパトラッシュ。エキセントリックな掉尾を飾る予定だったが、いちごパンツ(1582)で最早これまで。

 チャーミングなショートヘアーが霞んで見えてきたぞよ。そんな貴方は明眸皓歯。そんな拙者は月下氷人。

 そして意識はメルトダウン。みせろかがせろさわらせろ……」

 こういい残し、慶一は豪快にも音をたてて仰向けに倒れた。今のは辞世の句なのか? 長いしムズいし覚えにくい。

 最後の一フレーズしか聞き取れなかったぞ。

 気づいたら、正面の三人も寝ていた。双子ちゃんと六郎が川の字になって。

871:延々と続く片思い男女
07/07/25 19:07:38 bZ1JBuMH
「先輩……私も部活の練習で疲れたみたいです。ちょっと向こうの部屋で休、み、ま……」

 立とうとするものの、全く体に力が入らないみたいで膝から崩れ落ちるかなみちゃん。

 なんかおかしい。そしておかしいと感じる初源の理は、そこでべそかいてぶっ倒れているこの変態だと判断、断定。

 大方このハヤシライスのいくつかに眠り薬でも仕込んだのだろう。

「みどりさんは平気?」

「う、うん。ちょっと気だるい感じがするだけ」

 そういっておぼつかない足取りで、201号室を出ようとする。

「私、部屋で休むね……」

 俺ははっきりとした意識があるから、おそらくはハズレだったのだろうけど、みどりさんの皿を見ると食している量が少ない。

 なので薬が入っていたかどうかは確認できなかった。

 さりとてもし薬が入ってたとすると、急に倒れることになってしまうかもしれない。

 俺は急いでみどりさんを追った。

872:名無しさん@ピンキー
07/07/25 19:08:18 bZ1JBuMH
↓こっからずっと俺のターン!↓

873:名無しさん@ピンキー
07/07/25 20:53:41 PIPR2i4W
↑ここまでお前のターン↑

874:名無しさん@ピンキー
07/07/25 21:04:56 bZ1JBuMH
>>873
あ、ごめん。そういう意味じゃなくて、
みどりちゃんが気を失うので、主人公がずっと続きますよってことです。
まぎらわしいな、この書き方かと

875:名無しさん@ピンキー
07/07/25 21:37:15 iIzBPVaA
ワロスwww

876:名無しさん@ピンキー
07/07/25 22:54:04 a7b4ouCP
札幌ドームwwwwwwwwwww

877:名無しさん@ピンキー
07/07/26 12:33:26 EeZm8OaR
GJ!
そろそろ本番フラグwktk


>>872-873
この流れ吹いたwww

878:名無しさん@ピンキー
07/07/27 15:41:38 EkOUgvb9
良スレage

879:名無しさん@ピンキー
07/07/28 12:56:29 x9inJUH3


880:名無しさん@ピンキー
07/07/28 22:40:24 H1o/blrY
ニャ━━ヽ(゚∀゚)ノ━━ン!!

881:名無しさん@ピンキー
07/07/28 23:48:02 x9inJUH3
続きwktk

882:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:44:19 qyxHwqkY
 △

 あれ? 私、どうしたんだろ?

 クーラー結構利いているはずだけど、体が熱くほてる。

 首元から嫌な汗が流れてきて、呼吸も荒くなってきている。

 まるで体の全ての器官から酸素を欲しているような感覚が、全身を包む。

 心拍音も聞こえてきた。もうダメ、つらいかも。

「私、部屋で休むね……」

 頭と視界がふやけて、よろよろになる。お酒飲んだことないけど、酔うっていうのはきっとこういう気分なんだろう。

 201号室を出る。真正面の203号室のドアノブを引っぱる。あれ、開かない。

 そうだ、鍵、鍵。たしかポケットの中に……

「みどりさん、ふらついているけど大丈夫? とっとっと、うわあ!」

 意識が朦朧としていて、どうやら私の体は力なく倒れようとしていたらしい。後ろから声をかけてくれた誰かが支えてくれた。

「あっ、ありがとうございます」

 手短にそう告げて、助けてくれた顔を確かめようと目線を上げてみる。

 ぼんやりとした目に映えだしたのは、さっきまでいろいろ話しかけてくれた徹さんだった。

 ―徹さん!

883:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:44:57 qyxHwqkY
 なんだかよくわからない。人に対してこんな気持ちになったことは生まれてから一度もない感情。

「…………!」

 しゃべろうとしたけど声は出せなかった。ううん、話しかける内容すらも混乱していてよく分からない。考えることができていない。

 じゃあ私は何をしているかというと、どうしようもなく気持ちのいい衝撃と、

それをうまく扱えないでいる切なさが胸に集まってきて、ただ瞳を潤ませているだけ。

「ちょ、ちょ、みどりさんホントに目がトローンとしてきてるけど、マジ大丈夫なん?」

「…………」

「とりあえず、部屋で休ませないと……うおっ、しくった。こっち側のドア、閉まっちゃってるじゃん。

オートロックうぜーなぁ。みどりさんの方の部屋は鍵ある?」

「…………」

884:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:45:36 qyxHwqkY
 ▽

 何度か問いかけても、はぁはぁという息使いだけ。

 他のみんなと症状が違うことに俺はあせった。

「ごめんねみどりさん。すこしだけ鍵を探させてもらうね」

 決して広いとはいえない宿舎の廊下にて、壁に背を預けて座らせている。

Tシャツと長めのスカートを穿くみどりさんに対し鍵のありそうなポジションを見つけようとした。

ちなみにヤラシイ目つきでではない。そう、バファリンに含有するやさしさの割合ほどしか、卑猥な視線を送っていないつもりだ。

 もし鍵を持っているとするならば、おそらくはスカートのポケットだろう。

っていってもスカートのどこにポケットがあるかなんて、てんで予想つかない。

 とりあえず両腰に手を当ててみる。

「ひぁ……んっ」

 みどりさんが腰をひねった。いやいや変なところを触ろうとしたわけではありませんよ。

あくまで両腰。骨盤のところを軽く触っただけです。って俺は誰に言い訳しているんだ?

 天井には十メートルおきにダウンライトが並んでおり、その明るさはというと、

極端に顔を近づけないと表情が判別できないほど、蒼然たる暗色に閉ざされている。

 みどりさんは苦しそうに胸を上下させているが、かといって顔を覗き込むことも、これ以上下半身をまさぐることも申し訳ない。

 フロントまでスペアをもらいに行こうともしたが、夜遅いこともあり、

 取りに行ったけどなかった。 次は一時間後に取りに行くです。いやいや一時間後じゃまたフロントに人いないって。

 こうしてまた、201と203の両部屋の間で途方にくれていたが、いつまでも佇んではおれず、俺は一大決心をした。

885:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:46:12 qyxHwqkY
「みどりさん、体起こすよ」

 鍵を見つけるために、みどりさんを持ち上げた。

 見た目軽そうな女の子でも、全身力が抜け切っているので、後ろからお腹に手を回して抱きつかなくては力不足だ。

 ぬおっ。

 匂いとは恐ろしいもので、至近距離でみどりさんの香りを嗅ぐと、なんとも不埒な気分になってくる。

 けれども俺はMPの半分ほど使って、いきり立とうとする一物をしずめた。

「えーっと、ここかな?」

 後ろポケットをさわると鍵らしい物体があった。引き抜く。

 鍵なんかじゃなく、女子高生のヒップを思いっきり握り締めたい衝動に駆られたが、

 そこもやはり残り半分のMPを駆使して思いとどまる。MP0。たぶん次はない。

「よっしゃあ、開いたー!」

 慶一がどんな薬を使ったかは知らないが、命を奪うようなことはないだろう。

 俺にできることといったら、後はみどりさんをベッドに寝かせてあげることぐらいだ。

 ふぅ、いろいろ疲れた。じゃあ俺も変な気が起こらないうちに、寝るとするか。

886:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:47:06 qyxHwqkY
 △

 徹さん、徹さん、私おかしくなっちゃたのかな?

 抱き上げられたりして徹さんと触った場所が痺れたように熱いよ。

 年頃になってからは男の子に接する機会はなかったけど、おそらくこの感情は……ドラマや小説で言うところの……恋、かな。

 わかんない。わかんないけど、徹さんにもっとさわってほしかった。ペタペタって。

 恋する乙女というのはものすごいって聞くけど、こんなに気が高ぶるものなんだ。へぇ~。

 徹さん、もう寝ちゃったのかな? もっともっといろんなお話がしたかったな。

 そしていろいろなところをペタペタさわってもらって。

 ああっ! 私、とってもエッチなこと考えているけど、これが恋なんだよね。普通なんだよね。

 もし私に歩く力があれば、今すぐに徹さんのとこまで行って、キスしたいよう、唇を押し付けたい。

 あ、でもダメだよね。徹さんの気持ちを聞かないで、勝手なことをしちゃ。

 ……でもでもでも想像の中ならちょっとはいいかなぁ~なんて。

 私が寝ているベッドまで徹さんが寄ってくる想像をしてみた。電気が消えていてよくわからないけど、きっと優しい表情だ。

 徹さんは私の上布団に乗っかる。両膝で私の腰を挟み込む形にして。

 体重の重心はかかっていないけど、布団の張りによってちょっぴり拘束された気分になる。

 布団からは頭しか出ていなかったが、その頭を目掛けて唐突にキスされた。

 洋物の映画に出てくるような、深い深い口付け。空想上なのに唾液があふれてくる。それを彼のだと思って呑みこむ。ごっくん。

 次は、肩から胸にかけて手を這わせてきた。布団の上からだけど、ぞくぞくっとする快感に身が爆ぜる。

 私は、大きい胸が好き? と訊いてみる。彼は、みどりの胸が好き。と答えてくれる。

887:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:48:06 qyxHwqkY
 マッサージのように何回か揉まれていると、急に手が止まった。彼は数秒考える仕草を見せると、突然ベッドから降りてしまった。

 どうしたの? と一言かけると、その言葉にすれ違うようにして、彼は足元から布団にもぐりこんできた。

 足の裏をこちょこちょとかいて、厭らしくも股を広がせてきた。

 私はちょっとだけ抵抗するけど、その曖昧な行動に彼は愛おしそうに笑う。

 彼の両手は、私の両足からゆっくりと上ってくる。つまさき、かかと、すね、ひざ、もも。じらすように上ってくる。

 両足の合流地点まできて、私はぎゅっと目をつぶったが、彼は嘲るように女性の一番大切な部分を通過し、さらに進んでいった。

 Tシャツに手を入りこませて、胸までたどり着く。そして上手にブラをはずされる。

888:延々と続く片思い男女
07/07/30 15:48:50 qyxHwqkY
 足から胸まで彼の触れたところは、魔法のように熱を帯びている。

 彼は、もうすでに尖ってしまっている私の乳首を捻じりながら、ひょっこり頭を出してきた。

 無意識に私は赤くなる。けどずるい。彼はとても澄ました顔だ。プイっと顔を横にそらすと、ほほにキスされた。

 彼は……その、男の人のソレを、ショーツ越しの私の股間にあてがった。

 強く強くおしつけてきて、上下運動を始める。実際にこういう行為はしたことがないけど、本能で知っているのかな。

 右手で股に照準をあわせて擦り、想像とあわせる。

「…………ん……ぁ、ふぅん……」

 声が漏れてびっくりした。信じられない。こんなに気持ちのいいものなんだって知らなかった。

「ふぁ……あ…………ああんっ」

 指にめいいっぱい力を込める。全身に不思議な灼熱がこみ上げてきた。

「ひゃぁ、はぁ……ああっ……はああ!」
 
 な、なにか変。その温度がとどまるところをしらずに上昇していく。

「はっ、はあ、ん、ああああっ、ひゃああぁぁぁ、ふぁああああああああ!」

 …………

 …………

 ……初恋って、気持ちいい……

889:名無しさん@ピンキー
07/07/30 15:51:35 qyxHwqkY
旅行いっていて、更新できませんでした。スイマセソ
その旅行中に媚薬ねた考え付いて、ずっと俺のターンは変更しました。



890:名無しさん@ピンキー
07/07/30 21:02:56 hMx1618R
>>889
GJ!
あの迷惑馬鹿野郎は何入れてんだよwww

891:名無しさん@ピンキー
07/08/03 21:25:31 cn/Smx2p
work taker

892:名無しさん@ピンキー
07/08/04 03:36:15 tmwIrn1Z
適当な横文字を力みながら言うとジョジョっぽくなる。

というワケで試してみよう。

サンッハイッ!


 ワ ー ク ・ テ イ カ ァ ァ ア ッ !

893:名無しさん@ピンキー
07/08/04 07:40:01 oHHNpeto
仕事を取っていくのだな。
移民問題みたいだ。

894:名無しさん@ピンキー
07/08/04 23:22:35 d7rA5fnw
倭阿琥帝禍ァァァァァァァ!

895:名無しさん@ピンキー
07/08/05 15:46:31 VnIUkW3J
アヴェ! シィィンッ ヅォウッッ!

896:延々と続く片思い男女
07/08/06 14:38:57 nSJsXPPf
 ▽

 ハヤシライスを食ってから、歯も磨かずにベッドに入った。

 着飾りとしてはいいが、寝転んでみると分かる刺繍の部分がやけにゴワゴワして鬱陶しいTシャツを床に脱ぎ捨てる。

 Gパンも同じ理由で今は穿いていない。

 合宿といったら寝るのには敷布団と相場が決まっているのだが、ここは違う。

 一部屋には四つのベッドが並べられ、分厚く高級そうなカーテンをめくると、部屋の半分ほどもある小奇麗なベランダがあった。

 眼下にはどこまでも続く黒い森が広がっている。

 そんな、もう宿舎どころかホテル並みだろという月山舎には、もしかしたら使い捨て歯ブラシも備え付けられていたかもしれない。

 でも、もういいや。寝る。

「ひゃぁ、はぁ……ああっ……はああ!」 

 いきなり聞こえてきた。

 みどりさんの息遣い、というよりもすでに喘ぎ声が、だ。

 おいおい慶一。お前、何を入れてくれたんだよ。睡眠薬といっても一応『薬』なんだからな。

 人によってはアレルギー発作とか引き起こしかねないだろ。

「はっ、はあ、ん、ああああっ、ひゃああぁぁぁ、ふぁああああああああ!」

 ん、ん? いや、やばいんじゃないか? うなされているだけじゃないだろ。ちょっと確認しとこう。

 トランクス一枚しか身に着けていないが、この暗がりならまあいい。

897:延々と続く片思い男女
07/08/06 14:39:49 nSJsXPPf
 俺はみどりさんのベッドの近くまで来て、様子をうかがった。

 さっきまで全速力で走った後のようなひどく荒い息をしていて、少し不安になった。

 熱を測ろうと額に手をのせてやる。

 ……うん、自分の体温とは違いが分かるほどに熱かった。……マジ、どうしよう……

 医者でもナースでもない俺は、この緊急事態にほとほと困り果てていると、みどりさんが意識を取り戻したみたいだ。

 目を凝らすと、うっすらと俺を見つめるみどりさんの瞳があった。

「徹さん……?」

「みどりさん、大丈夫ですか!?」

 うつろうつろと目線が揺れているが、的確に俺の顔を捕らえているのがなんとなく分かる。

「徹さん、もう一回ですかぁ? うれしいです」

 う、うん? 何がもう一回なんですか。

 のんびりとした彼女の口調に、意味がよく掴み取れない。

「今度は……中にお願いしますね」

 え? さっぱり分からん。夢の続きと勘違いしているのかな?

 みどりさんは縋りつくようにして右手を伸ばしてきた。では、と手を握ってやる。柔らかな手のひらと指には、汗かなにかで濡れていた。

 かわいいなあ。こんな娘を彼女にして、ホテルの一室でガンガンと俺の欲望をぶちまけ……っていかんいかん。

 みどりさんの体調確認が急務だ。

898:延々と続く片思い男女
07/08/06 14:40:29 nSJsXPPf
「とりあえず、電気つけますね」

「ぁ……ふぅん、電気は、だめ……恥ずかしいです」

 そ、そうか。で、じゃあ、俺はどうしたらいいんだ?

「もう一回、キスしてくださぁい」

 キ! キ! キスですか!? キスというとあれですか? 男と女の唇を重ねたり嘗めたり突っついたりするあれですか?

 って俺はなに純情ボーイを振舞っているんだ! 妄想の中じゃあもっと鬼畜なことをかましているだろう。

 生まれてきてから十七年間、はじめて女の子にそんなこと言われたからって、

 ドキドキする年齢でもないし。中学生かよ俺は! あードキドキする!!

 ん? ちょっと待て。もう一回? もう一回って何がもう一回なんだ?

 キスか? キスだよなあ。俺はしてねえぞ。さっきまでベッドで寝転んでいたし。っていうと何だ?

 夢の中の誰かとみどりさんはキスしていたのか? なんだそれ。みどりは俺の嫁。じゃなくて、みどりさんにそんな不埒な行為をするのは、

 なんてうらやま……えーっとどっちだっけ? あぁ、うらやましいでも合っているのか。……じゃなくて、ユ・ル・セ・ン!

 はぁ……そっか、みどりさんには想い人がいたということか……残念賞!

 うぅ、つらい……つらいってもんじゃねーよ。胸の中身をえぐられて鼻の穴につめ込まれた方が、まだましだ。サヨナラ、俺の初恋……

 あれから、なんかみどりさんは大丈夫そうなので、俺はベッドに戻った。たぶん泣きながら。

899:延々と続く片思い男女
07/08/06 14:41:17 nSJsXPPf
 △

「かなみちゃんは、何ともない?」

「はい、私は平気です。少しだけ頭が重たいですが、部活動に支障が出るほどではありません」

「そう、無理のないようにしてね。フミちゃんとチカちゃんは?」

「問題あらへんよ」

「平気っす、先輩」

 二日目、朝。

 慶一さんが言うには、タマネギから出る硫化アリルが集団食中毒を引き起こしたらしい。

 タマネギを多く入れすぎちゃってゴメンって言っていた。

 医学的なことはよく知らないけど、そんなこともあるんだ。今度ハヤシライスを食べるときには気をつけなくっちゃ。

 昨晩は私も食中毒に当たってしまって、食後のことはあまり覚えていない。でも、徹さんが私の介護をしてくれたことは分かっている。

 そして、そのあと……とってもエッチなことをしたような気がして……それが夢か現実かも分別できないほど混乱していて……

 まともに徹さんの顔も見られない。

 そして今、私は、誰にも、どんな物にも触れることができない。だって触ってしまうと……

「おう、トール。お前は平気だったんだってな」

「ああ、そのことで慶一には厳しく詰問したいところなんだが」

「それは、合宿後にしてくれ。ところで当たりくじを引いたのは誰だったんだ?」

「なんだ? 当たりくじって」

「それはだな、ネットオークションで仕入れた―だよ。」

「はぁ? そんなはんざ……」

900:延々と続く片思い男女
07/08/06 14:42:31 nSJsXPPf
「おーと、シャラープ。俺もお前でもないということは、六郎と女の子四人のうちの一人。

 女の子に当たる確立は五分の四、イチローの倍以上の打率だぜ」

「それで、その当たりくじを引くとどうなるんだ?」

「ようつべでその参考動画を見たんだが、それはヤバイね。男女問わずもう出しまくり、吹きまくり、感じまくり。

 そしてその感覚は一週間消えることはない。ほらトールも覚えているだろう、一学期期末テストのとき。

 試験勉強中にちょっとだけ試しに嘗めてみたんだが、そしたらテスト期間はずっと起ちっぱなしでヤバかったさ」

「ああ、静かな教室でお前だけ奇声を発していたな。よく覚えている。何度か注意されていたしな」

「いやいや、あれはわざとやったんじゃなくて、ホント火照りが体内を駆け巡っていて大変だったのさ。

 もう窓からお前ら男共を投げ捨てて、すぐさま自慰に耽りたいぐらいに」

「そっか」

「そうだ」

「……」

「……」

「で、それが五人のうちの誰かと」

「そうだ」

 廊下にいる徹さんの声を耳をそばだてて聴く。英語のヒアリングよりも集中していると思う。

 男の方に甘美な声といったら失礼かもしれないけど、徹さんから出る甘く麗しい音を聴いていると、強く抱擁されたい気持ちになってくる。

 でも今はダメ。今、その広い胸に入ってしまうと、とんでもなく自我が壊れてしまいそう。

 その、昨晩から体調がおかしいせいで、変なことばっかり想像しちゃう。これじゃダメ。もっと一般的な男女の付き合いを考えてみよう。

 一般的といったら、やっぱり駅前でデートなのかな。私は散々悩んでおしゃれな服を着ていく。

 待ち合わせ場所にはもうすでに彼がいて、私は、待った? と声をかける。徹さんは静かに首を振り、私と手を重ねて歩こうとする……

901:延々と続く片思い男女
07/08/06 14:43:10 nSJsXPPf
 う、うわぁ、これはすごい。私がこんなことをするなんて信じられないよう。だ、だって隣がかなみちゃんとかではなく、徹さんですよ!?

 ふひゃ? ニヤケた顔が止まらないよう。こんな顔、誰にも見せられない。止まってー、止まってー、私の顔!

 あれ? なんかみんな体育館に行っちゃったのかな? 人の気配がしない。

「藤井先輩、ずっとうつむいていますけど大丈夫ですか?」

 あ、かなみちゃんの声が聞こえた。

「もうみんな練習場に行っていますけど、先輩はどうされます? 具合が悪いのでしたら、お休みになられたほうが……」

 といって、私の背中を撫でる。

「ヒャンッ!!」

「ご、ごめんなさい……先……輩?」 

「あ、あ、ううん平気だから! 先に行っていて、かなみちゃん!」

「……はい、わかりました」

 かなみちゃんは不安そうな声質で、ここ、203部屋から出て行った。

 今度こそ部屋の中には誰もいなくなる。

 触られた背中は熱く痺れてくる。

 痛みではなくて、もっともっと摩擦したくなる感じで。

「はぁ、私、こーゆーこといつもはしないのに……」

 部屋の鍵を確認してから、今朝方まで眠っていたベッドに潜りこんだ。

 頭まで上布団をかぶると、すごい淫臭がした。

「体が、疼くから、仕方ないよね」

 今日だけで何度目になるか分からないけど、私は再び体をまさぐり始めた。もちろん徹さんを想って。

902:名無しさん@ピンキー
07/08/06 14:50:34 nSJsXPPf
一日目の不可抗力は「オートロック」で、
二日目はたぶん「黒い森」になりそうです。

903:名無しさん@ピンキー
07/08/06 17:28:54 02t7sWN/
GJ!
おお!なんと本番が二回もあるのですか?

904:名無しさん@ピンキー
07/08/06 17:46:04 XUsDVF7N
GJ!

しかし、何故トランクス一丁なのに電気をつけようとしたんだ!?

905:名無しさん@ピンキー
07/08/07 07:38:13 m/C4W5m6
age

906:名無しさん@ピンキー
07/08/07 13:51:44 KHijCWHe
>>904
電気つける前にシャツ着るのではないか?
まぁそのまま電気つけたほうがいろいろ盛り上がるが 

907:名無しさん@ピンキー
07/08/09 08:53:32 YoPcTW1M
流れ仏契りだが、そろそろ新スレ立てないとな>>908

908:名無しさん@ピンキー
07/08/09 19:45:51 3e0xOZll
このペースなら
950が立てれば問題なし

というわけで>>950

909:名無しさん@ピンキー
07/08/09 22:25:46 DaAjkahX
>>908
>>950はちょっと早くないか?
あまり早く立てすぎても残りの容量持て余すと思うが。
480KBか、レス数が980越えたあたりで十分だろう。

910:名無しさん@ピンキー
07/08/11 12:32:46 8Yhpul9l


911:名無しさん@ピンキー
07/08/11 14:28:16 WhQFAVPg


912:名無しさん@ピンキー
07/08/11 14:35:59 Aby6fEbS


913:名無しさん@ピンキー
07/08/11 14:39:19 8Yhpul9l


914:名無しさん@ピンキー
07/08/11 15:05:06 KXM0JTVq


915:名無しさん@ピンキー
07/08/11 15:18:24 UPY3p4Im


916:名無しさん@ピンキー
07/08/11 17:05:45 q9bCJwUL
ワロスwwwww

917:名無しさん@ピンキー
07/08/11 17:28:30 gEMWye2r
そういや保管庫どうするよ?
せっかくこんなに投下があったのに、このまま消えるのは勿体ない
まあ作者の許可いるし大変だがな

918:名無しさん@ピンキー
07/08/11 17:39:59 O+nqFXpT
ほしいし作れるならやりたいけど作れない
っくやしい・・・ビクンビクン
けっこう更新とか大変だから携帯の俺には無理なんだよな
うまいこと誰か出てこないものかね。
まあ都合よすぎか。
いつか保管庫ができることを願って保守


919:名無しさん@ピンキー
07/08/11 18:54:37 8DP2Fkdk
うん? じゃあ俺が突くっていいのかな?

920:名無しさん@ピンキー
07/08/11 20:37:09 xr8d2M4X
>>919
頼んだ。

921:名無しさん@ピンキー
07/08/11 21:17:47 aADuEQxG
>>919
まあ、投げ出さないようがんばってww

922:名無しさん@ピンキー
07/08/11 22:26:32 hwx70Pzy
>>919
>>突くって
実に相応しい変換ミス、その意気や良し!

923:名無しさん@ピンキー
07/08/11 22:50:48 G29kNcVV
「お願い…突くって…」

エロいな

924:名無しさん@ピンキー
07/08/11 23:16:01 8d4F0MfJ
>>918
うまいよね^^

925:919
07/08/12 00:38:34 lKkjinsz
いま突きまくっている最中なんだが、
このスレ、未完が多くね?
どうする? それも載せたほうがいい?

926:名無しさん@ピンキー
07/08/12 00:43:49 JXKlIBD8
入れたほうが色々といいと思う

927:名無しさん@ピンキー
07/08/12 09:50:50 XID9fJJp
>>925
補完しろ。
保管じゃなくて補完しろ。

928:名無しさん@ピンキー
07/08/12 12:18:18 exvrSRZH
昨日このスレ見つけた。
おレ的に後日談が欲しい。雪山 とか mori~♪ とか。

今は脳内補完でしのいでいるが、正直しんどい…

929:名無しさん@ピンキー
07/08/12 13:47:13 ffB6bZPr
>>910->>915
ちょwwww

>>917
どっかのwiki借りたら住人全員で作業できるが

930:名無しさん@ピンキー
07/08/12 20:32:33 EyGnx30b
わかるウィキなら手伝う気マンマンだぜー

931:名無しさん@ピンキー
07/08/12 20:41:31 UzCZ5Phv
>>919が作ってるんじゃないのかい?

932:名無しさん@ピンキー
07/08/13 12:15:31 3xkTY2wW
ウィキなら借りてきさえすれば、後は住人総出でかかれば一瞬で構築できるんだがなぁ
URLマダー?

933:名無しさん@ピンキー
07/08/13 13:46:43 brMvHXR/
じゃあ@wiki借りてくる。
ちょっと待ってろ。

934:名無しさん@ピンキー
07/08/13 14:10:54 brMvHXR/
URLリンク(www38.atwiki.jp)

借りてきたよ。

935:335
07/08/13 14:12:54 nEdMDBgG
URLリンク(delmogenee.18.dtiblog.com)

936:名無しさん@ピンキー
07/08/13 14:31:21 oGJM0htP
>>932

がんばれ。

937:名無しさん@ピンキー
07/08/13 15:38:55 XPMDLOQJ
動く気配がないな、とりあえず全部載せて
作者の申請があれば消すって形でいいのかな?


938:名無しさん@ピンキー
07/08/13 18:12:59 P8p0drNT
4つぐらい保管しといた、変なところがいっぱいあるから直しといてくれ

939:名無しさん@ピンキー
07/08/13 23:33:59 DcfwMpjQ
>>938
乙。
さて、みんなで残りを頑張って保管しようか。

940:名無しさん@ピンキー
07/08/14 11:49:00 bJRA02GU
たぶんほとんど保管し終わった。
細かい編集の仕方は分からんから、あとはおまいらがやってくれ。

……っていうか、Wikiって慣れてないと普通に保管庫作るよりもエライな。
始めるまでに常駐スレの保管にかけてる時間の倍くらいかかったぜ。

あと、>>919には期待。
別バージョンのもう少し見やすい保管庫頼む。


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