【不可抗力】女の子と二人きりになってしまったat EROPARO
【不可抗力】女の子と二人きりになってしまった - 暇つぶし2ch253:名無しさん@ピンキー
06/12/17 14:46:31 tRr/DpMn
災害(事故)起因とは違うシチュエーションもありでしょうか?とか思いながら書いてみました。

254:名無しさん@ピンキー
06/12/18 01:09:57 IeNgsz13
いいよいいよー
続きwktk

255:名無しさん@ピンキー
06/12/18 16:57:59 7swrzxzN
これは良シチュ
支援あげ

256:名無しさん@ピンキー
06/12/19 22:39:40 +IcAmDx9
なるほど確かに二人っきりだわ…
つ好きwktk



257:名無しさん@ピンキー
06/12/19 23:42:28 oFqOV7Cg
2人きりってシチュが萌えるんだよなwktk

258:名無しさん@ピンキー
06/12/20 02:44:50 jszxjJQw
今更だけど>>5にカンドーした

259:名無しさん@ピンキー
06/12/20 15:00:08 diZGN2mq
エロ無しになりそうなんですが書いていいでしょうか。

260:名無しさん@ピンキー
06/12/20 15:21:52 Vq8rU6Sd
書け。全てはそれからだ。つか、エロのほうは読者が勝手に後日談妄想するからOK

261:名無しさん@ピンキー
06/12/22 11:47:56 eud7znHo
書け

262:名無しさん@ピンキー
06/12/25 21:37:31 Pe19iz/8
>>259
マダー(゚Д゚≡゚Д゚)

263:名無しさん@ピンキー
06/12/25 23:25:42 zAVI6ZWR
age

264:名無しさん@ピンキー
06/12/27 00:15:25 QvSdWthN
age

265:名無しさん@ピンキー
06/12/27 01:01:13 MHFFMoc8
昔、マガジンにEX~少年漂流~って漫画があったな…

主人公達が船で南の方の島に遊びに行く途中で地球に隕石が落ちて津波が起き、船は転覆。
主人公は目的地だった島に漂着して、
物語の初期は主人公とヒロイン2人だけで離れ離れになった仲間を探すんだよね。
エロは無かったけどなかなか楽しめたな。

266:名無しさん@ピンキー
06/12/27 01:03:35 A5KLYwBr
世代割れちまうがな

267:名無しさん@ピンキー
06/12/27 01:16:06 MHFFMoc8
読んだ事があるのは今20歳前後の人からじゃないか?
何年前の漫画かは忘れたけどな…

268:名無しさん@ピンキー
06/12/27 18:01:49 f78ZCRcc
あれ、まだ最近じゃなかったっけ?

と、ふと振り返ってみればもう…………。

269:名無しさん@ピンキー
07/01/01 00:38:49 RJun2Zgb
あけおめ保守


270:名無しさん@ピンキー
07/01/01 10:29:41 gcc1O59c
あけおめ

271:名無しさん@ピンキー
07/01/07 02:16:39 MGZe1EXY
保守

272:牢屋編 ◆Y7lsfhbBSs
07/01/10 02:57:46 2Z6M4KxA
「ここで大人しくしてろ」
そう言われると同時に、牢屋の中に投げ込まれた。
「いっ……てぇ……」
思いっきり頭を打った。
牢屋の壁が石で出来ている理由が、何と無く分かったような気がする。

青年の名はデニス。
この王国では、それなりに名の知れた盗賊だ。
というのも、彼は必ずといっていい程王家の財宝を狙うからである。
今回も、王家の宮殿に安置されている財宝目当てで忍び込んだ。
が、運悪く今日は諸候の緊急招集があり、普段の倍近い数の兵士がいたのだ。
それを知らなかった為、あえなく御用となってしまった。

(……畜生。こんなはずじゃなかったのに。
こんな所で、この俺が捕まるなんて……)
頭を押さえながら、先刻の己の失態を恥じる。

痛みが大分収まったところで、残酷な現状が目に入ってきた。
いかにも頑丈そうな鉄格子。
重っ苦しい石の壁。
通路には火の灯った燭台が一つ。
窓は……無いか。
埃っぽくて、薄暗くて、寒くて……まさに牢屋といった感じだ。

273:牢屋編 ◆Y7lsfhbBSs
07/01/10 02:59:32 2Z6M4KxA
(脱獄しようにも……道具は没収されちまったしな……)
そんな事を考えながら頭のコブを撫でていると、牢屋の隅からすすり泣く声が聞こえた。
横を向くと、一人の少女が涙目でこちらを見つめている。

年齢は15、6歳位だろうか。
淡いクリーム色のドレスに、腰まである長い金髪。
目の色は蒼であることから、どうやらこの国の人間ではないらしい。
年下が趣味って訳じゃあないが、中々の美女だ。
「……お前、誰?」
問掛けるが返事が無い。
というより、先程より脅えているような気さえする。
……まあ、それもそうか。
同じ牢屋に誰とも知らぬ輩を投げ込まれて、誰が警戒しないであろうか。
同じ立場だったら、自分もちょっと距離を置く。
「あ、ああ……大丈夫。俺は別に怪しいもんじゃないから」
とりあえず、少女をなだめるような言葉を掛ける。
……牢屋にぶち込まれる奴が怪しくない訳無いのだが、
とにかく『俺のせいで泣いてます』みたいな、気まずい雰囲気を何とかするのが先だ。
「ううっ……本当……っう……ですか……ぐすっ……」
「ああ。だから、そんな警戒しなくてもいい」
涙を流したまま、無言で頷く少女。
一応喋ってくれるようにはなったのだが、話が続かない。
沈黙。
少女は俯いて、再び泣き始めてしまった。


274:名無しさん@ピンキー
07/01/10 03:02:36 2Z6M4KxA
中世っぽいので書いてみた
とりあえず続きます

275:名無しさん@ピンキー
07/01/10 09:18:43 9/uFnW9x
GJ!

276:名無しさん@ピンキー
07/01/10 20:09:44 FzHTIqv3
期待

277:名無しさん@ピンキー
07/01/10 21:58:56 H5PteA5y
期待sage

278:名無しさん@ピンキー
07/01/10 22:21:30 hFfa2Q4r
期待期待

279:名無しさん@ピンキー
07/01/11 15:31:12 nsQAXxzH
中世風ファンタジーで女が牢屋に入れられてる設定を観ると、
看守や兵士がレイプ済みってイメージが沸いてしまう……orz

280:名無しさん@ピンキー
07/01/13 03:09:37 G2wZsAeT
(´・ω・)ソナコトシテマセンヨ

281:名無しさん@ピンキー
07/01/14 04:34:32 S+t027Dj
わけあって手を出せない状況にある(本人が望まなきゃ挿入できない結界or加護みたいな感じの設定)とかでどうよ?

282:名無しさん@ピンキー
07/01/14 15:35:11 yN2YtoR/
売り物にする予定だから処女膜は無事です

283:名無しさん@ピンキー
07/01/15 00:08:43 a0ms001D
>>282
そ れ だ

284:名無しさん@ピンキー
07/01/15 18:17:45 4n7I7cYS
横入り失礼します。
結構こじつけな展開で二人きりにするのはありでしょうか?


285:名無しさん@ピンキー
07/01/15 20:10:58 1HbxpylH
それは>>284の力量次第だと思うんだ

286:名無しさん@ピンキー
07/01/16 02:08:40 6YjHYbwF
まずは書いてみればいいと思うんだ

287:名無しさん@ピンキー
07/01/17 04:32:57 PL4J6kSZ
そろそろ保守

288:名無しさん@ピンキー
07/01/18 17:29:18 zrDNYgG9
>285、286(やり方が分からない…
とりあえず挑戦してみます

289:名無しさん@ピンキー
07/01/18 23:42:55 lZEzAskw
hosu

290:名無しさん@ピンキー
07/01/23 01:47:21 c+xNtqGK
ほっしゅるほっしゅる!

291:名無しさん@ピンキー
07/01/25 21:48:09 yvfEGIkQ
ホシュ

292:名無しさん@ピンキー
07/01/28 01:18:19 dum7rwbw
ほしゅー

293:名無しさん@ピンキー
07/01/29 13:08:21 4Ytaat80
いきなり過疎った?

294:名無しさん@ピンキー
07/01/31 22:55:23 P7UYYn9t
「成り行きでそうなった」程度でもいいのか?
それなら、ちょっと投下したいものがあるんだが。

295:名無しさん@ピンキー
07/01/31 23:11:20 0HFu1zwU
>>294
  ∧_∧  +
 (0゜・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゜∪ ∪ +
 と__)__) +

296:名無しさん@ピンキー
07/01/31 23:24:55 P7UYYn9t
閉じ込められてるわけでも無いし、周囲に誰もいないわけでもないんじゃ、このスレの
趣旨に合わないかもしれない。というかスレ違いかも。しかもエロさすらない。
スマン、住人の皆さん。
でも折角書いたから、投下、投下、投下!

297:名無しさん@ピンキー
07/01/31 23:26:04 P7UYYn9t
 重く、厚い扉を開くと、そこは灼熱の世界だった。
 ねっとりとした熱い空気が否応なく俺の体に纏わりつく。薄く目を開けて部屋に入り、
俺は右側の席に腰を下ろした。
 たちまち玉のような汗が噴出してくる。だが、それこそ醍醐味よ。俺は額を流れる汗の
雫を払うことも無く、ただそっと目を閉じて、襲い来る熱気に我が身を任せた。

 サウナである。
 我が町の市民プールは室内型の温水プールだけあって、季節を問わず一年中営業し
ている有難い施設である。そのプールサイドに設けられた小部屋こそ、今俺がいるサウナ
である。
 冬でも開いてる市民プールだが、実際真冬にプールに行こう等と考える人間は決して
多くない。今日も休日だと言うのに利用客は数えるほどしかいなかった。だからこそ、こう
してサウナを独り占めできるのだが。
 さあこれからが本番だ、と俺が座りなおしたその時、重い扉が外から開かれた。
 調子を外されるのは残念なことである。が、仕方が無い。ここは何も俺だけの施設では
ないのだから。
 ひゅうという音と共に熱気が逃げ、代わりに入ってきたのは女の子だった。濃紺のスクー
ル水着を身に着けた結構可愛い子である。歳は俺より随分下だ。多分中学生だろう。小柄
だが均整の取れた手足は細く、しなやかだ。如何にもスポーツ好きそうな、無駄の無い体形
と言っていい。顔立ちは凛々しく、これまた如何にも勝ち気そうで、俺を一瞥するや「フンッ」と
鼻を鳴らして左側の席に座った。
 さて。可愛い女の子と2人きりなのは嬉しくはあるが、考え物でもある。気の強そうな子では
あるが、それでも年下の女の子だ。正直、俺と2人では落ち着くまい。ここは年上の余裕を
見せて俺の方が出て行くべきだろう。実際、長居して痴漢扱いされると困るというのが本音だが。
 そう思って腰を浮かす。だが、彼女の反応は俺の逆をついていた。薄く笑って「フン」と嘲る
ように口を歪めたのである。
「根性無し―」
 声には出さないが、そう言っているようだった。
 この瞬間、俺の中の闘争心が燃え上がった。
 コイツ、俺と勝負する気か―!?

298:名無しさん@ピンキー
07/01/31 23:26:59 P7UYYn9t
 古今東西、サウナでの戦いは先に出たほうが負けと決まっている。俺は、一度は浮かし
た腰を下ろし、悠然と座りなおした。
 タンッ! と短い音を立てて砂時計がひっくり返される。彼女が持ってきたものだ。サウナ
に入る時、係員に言うと無料で貸してもらえる5分計。
 俺はそれを見て軽く溜息をついた。所詮は女の子だ。高々5分程度で俺が根を上げる物
かよ。意気込んで損した。
 しかし、である。彼女は意味ありげに「ふっ」と笑い、コツコツと砂時計の頭を叩いた。「幾ら
でもひっくり返せるのよ」とでも言っているようだ。
 良いだろう。そっちがそのつもりなら、相手になってやる。
 俺達は中空でパチッと視線を交えると、お互いにゆっくり腕を組んだ。

 ブーンという低いボイラーの音が室内に木霊する。俺と少女は、お互い目を瞑り、無言の
ままに熱気と戦っていた。砂時計はそろそろ最初の一回が落ちきろうとしていた。両者とも
全身に汗をかき、だがまんじりともしない。
 俺は手元にあったタオルで何気なく胸板を拭いた。と、彼女は僅かにいらだたしげな顔で
俺を睨む。そして己の水着の胸元を引っ張り、パタパタと軽く仰ぎ、決して涼しくは無いだろ
う風を起こしている。
 不満げだ。酷く不満げなお顔だ。
 多分、上半身裸の俺に対し、胸まで覆う水着を着ている自分は不利だと思っているのだろ
う。確かに、噴出した汗が簡単に拭き取れる男と、水着があって汗が拭けない女とでは幾ら
かの差がありそうなのも事実なのだが。
 グググと下あごを震わせて彼女は拳を握った。
 不快指数が、ついに限界まで達したか。―この勝負、貰ったな。と、僅かにほくそ笑んだ
次の瞬間、俺は目を剥いた。
 女の子は、水着の両肩の紐をグッと掴むや否や、下に引き摺り下ろしたのである。
 当然、可愛い胸が全部見えてしまっている。
 
 バカだ。
 バカがいる。
 バカ、降臨。
 バカ、サウナで脱ぐ。乳丸出し。

 曝け出した胸をタオルで拭い、「これで条件は五分よ」とばかりに、口の端を歪めてうっすらと
笑った女の子を見て俺は思った。
 コイツ、本物のバカだ―と。

299:名無しさん@ピンキー
07/01/31 23:28:06 P7UYYn9t
 タンッと気持ちよい音を立てて砂時計が返される。ファイブミニッツアゴーと、頭の中
で声がした。
 俺有利かと思われた勝負は、だが勝気が過ぎる少女のアホさでイーブンになってい
る。筈だったのだが―俺は不測の事態に見舞われて、内心の焦りが酷くなっていた。
 勃起してしまったのである。
 目の前の少女、頭の中はともかく、見た目は大変に可愛らしい。それが膨らみかけの
小振りな乳房を丸出しにしているのだから、これはまあ不可避の現実だろう。目が泳い
でしまうのも仕方が無い。プールだけに。
 心頭滅却すればサウナもまた涼し、かもしれないが、流石に本能までは押さえきれな
い。俺の一物は、意思に反して次第に硬度を増し、ついに完全にそそり立ってしまった。
 最早前傾姿勢では誤魔化せない。それでもタオルでさり気無く股間を覆ったが、健闘
空しく、少女に気付かれてしまった。
「く、くくッ」
 実に腹立たしい事に、彼女は喉の奥で声を殺して笑いを噛み締めている。「あーら、お兄
さん。そんな所にテントなんか張っちゃってどうしたの?」と言わんばかりだ。
 悔しい。年下の女の子の胸に股間を膨らませたのは確かに俺だが、こうして嘲笑われ
てみると歯軋りするほどの悔しさである。
 だからこそ逃げられない。
 ここで尻尾を巻いたら、俺は明日、彼女の通う学校で散々に笑われるだろう。「昨日ね、
市民プールのサウナで大学生っぽい男の人が、私の体見て欲情してたのよ」とかなんとか。
 これで彼女が大人しそうな子であれば俺も「てへり」とか言って姿を消すのだが、相手は
サウナ勝負で乳を放り出しちゃうようなバカである。
 正直、負けられない。
 考えた末、立ち上がった俺は「あーら、出てくの? 負け犬は無様ねえ」という顔で笑って
いる少女の前で―おもむろに水着を脱いだ。

 チンポ丸出しである。
 しかも絶賛勃起中―。


300:名無しさん@ピンキー
07/01/31 23:29:20 P7UYYn9t
 脱いだ水着を脇に置き、天を突くペニスを見せ付けるように俺は座りなおす。彼女は流
石に引いていた。目をまん丸にし、俺のペニスを数秒間凝視した後、急に挙動不審になっ
た。当然だろう。自分の胸を見てチンポ立てた男が、それを隠す事無く全裸で目の前に
座っているのだから。
 フフフ、と内心でほくそ笑む。とった手段はあまりにもアレだが、少なくともこれで勝負は
俺の勝ちである。後はサウナから逃げ出す彼女の後姿に高笑いを浴びせるだけだ。
 どうした? ほら、逃げないのかね? と口の端を歪めてニヤリと笑う俺を前に、彼女は
ついに立ち上がった。
 これで終わりだ。中々に手ごわかったぜ。と、思った矢先の事である。
 少女が、やはり完全に水着を脱ぎ捨てたのは。

 アホだ。勃起したチンポ丸出しの俺が言えた義理ではないが、コイツは真性のアホだ。
何処の世界にサウナ勝負に負けたくなくて、見ず知らずの男と2人きりなのに全裸になっ
てしまう女子中学生がいると言うのだ。
 彼女は、流石に顔を真っ赤にしてちょっと震えながら、僅かに股を開いて席に座りなお
した。当然の事ながら、可愛らしい割れ目が丸見えである。その上の薄い恥毛も含めて。
 呆気に取られる俺を前に、彼女は不敵な顔を無理矢理作って笑い返してきた。「さあ、こ
れで勝負は振り出しに戻ったわよ!」と言わんばかりの形相である。

 三度再スタートとなったサウナ勝負。お互い全裸で、普段は見せてはいけない場所を
完全に見せ合っているという異形の戦いである。部屋に篭る熱気は、だが最早脇役の
存在となっていた。
 俺は次なる手を必死に模索する。向こうが打ってきた空恐ろしい一手に対抗するには、
どうすればいいか? だが、ゴクリとなる咽喉が思考を邪魔し、頭が回らない。目が勝手に
吸い寄せられてしまうのである。彼女の裸身に。
 赤く上気した健康的な肌。年頃の少女らしい丸みを帯びた体は全体的に華奢だが、しっ
とりと汗に濡れて少しばかり蠱惑的だ。未発達の乳房は、だがそれでも柔らかそうで彼女
の呼吸に合わせてフルフルと揺れている。そこから下、ほっそりした腰と下腹には一分の
贅肉も無く、手で触れば折れそうなほど。そして股間のスリット。ピタリと閉じ合わされ、綺麗
な肌色のままの秘所は、彼女が無垢な少女である事を証明している。
 再びゴクリと咽喉がなる。彼女を組み伏せて襲い掛かる自分を幻視し、それがまた興奮を
呼んだ。ヤバイ、今すぐ抜きたい。むしろそうしないと、本当に襲い掛かってしまいそうだ。
 流石にそれは犯罪である。

301:名無しさん@ピンキー
07/01/31 23:30:11 P7UYYn9t
 と―俺の頭に閃く物があった。
 そうか、抜けばいいんだ。コイツの目の前で!
 俺は一度呼吸を整えると、股間に聳え立ったペニスに手を伸ばし、それをゆっくりとし
ごき始めた。視線は彼女の割れ目に固定である。
 当の彼女は、やはり引いた。ガタッと音を立てて本当に後ずさりし、背中を壁にぶつけ
た。物凄い勢いで口を引きつらせ、俺の仕草を見つめている。
 全裸の男が、やはり全裸の自分を視姦しているのだ。あまつさえチンポ擦ってるのだ
から、真っ当な女の子なら泣いて逃げてしかるべきである。
 今度こそ決まったな―。
 ゆるゆるとペニスをしごきつつ、どこか覚めた頭で俺は勝負の行方を見守った。裸を
見せ合うならまだしも、そこに性欲の影を―影と言うかむしろ全開にして―加えた
のである。
 いくら勝気でも女の子だ。こればっかりは乗り越えられまい。さあ、俺の獣性の前に
恐れを為して逃げ出すがいいさ!
「ガルルルル……」という獣っぽい唸り声を視線に篭めて彼女を凝視する俺。だが、また
しても。そう、またしても少女は俺と同じ階梯まで登って来たのである。
 両足を座席に乗せ、いわゆるM字開脚の恰好で、自分の秘所に指を滑らせたのだ。
 恐るべきはこの少女の執念よ―!
 まさかこの領域に踏み込んでこようとは。
 戦慄した俺は、全身に冷や水を浴びせられたように、動きを止め、自慰を始めた彼女
をポカンと見つめた。
 喉の奥にくぐもった声を押し殺して、見た目可憐な少女がオナニーを。非現実的な光景
ではあった。しかも場所は市民プールのサウナである。夢にも思わないとは正にこの事だ。
 停止する脳みそとは対照的に、俺の体は正直だった。一度は止まった手を再起動し、
ペニスへの刺激を再開したのである。

302:名無しさん@ピンキー
07/01/31 23:31:02 P7UYYn9t
 ここに来てまたもや勝負の様相が変わった。
 オナニー合戦。
 先にイッた方が負けという暗黙の了解が俺と少女との間に交わされ、2人して己の大事
な場所を弄りだすという、熾烈極まる戦いが始まってしまったのである。
 既に両者とも、互いの裸を存分に見合った後だけにヒートアップも早い。少女は綺麗な
ピンク色の小陰唇を外気に晒し、細い指先で盛んに膣口を擦っている。眉を顰めて顔を
歪め、時折、抑えきれなかったのか、甘い声が漏れていた。傍目に見ても完全に体に火が
付いている。それは俺にしても同じ事で、ゾクゾクするほどの衝動が、脳髄発背筋経由で
股間に集まってきている。僅かに腰を浮かし、尻の穴を限界まで引き締めていなければ
耐えられない程だ。
 だがそれでも、お互い手加減は出来なかった。僅かでも手を抜けば有利になる事は分か
りきっている。それでも。
 これは真剣勝負なのだ。お互いの意地と執念をかけた。
 ペニスを上下する俺の手は益々早く、ヴァギナを掻き混ぜる彼女の指は更に深みに。
 2人して互いの性器を見つめあい、魂のオナニーを続ける。最早、お互いに唸り声は隠せ
なかった。俺の低く押し殺すような声と、彼女の甘く切なげな声が狭いサウナに木霊する。

 もう、―限界だ!
 どちらが先に思っただろう? いや、どちらでもない。
 俺達は同時に限界に達し、同時に絶頂を迎えた。

 勢い良く飛び出した俺の精液が、過去最高の飛距離を持って宙を舞い、涎を垂らして
力無く座り込んでいる少女の顔にかかった。
 それが決着だ。
 勝者も無く、敗者も無い。ただブーンと唸るボイラーの音があるだけ。

303:名無しさん@ピンキー
07/01/31 23:33:18 P7UYYn9t
 暫く目を瞑って天を仰ぐ。特に何を考えていたのでも無い。それにそんな思考能力も
残っていなかった。時計の砂はとっくに落ちきり、一体どれ程の時間、俺たちがサウナに
篭っていたのか知る術は無い。
 やがてどちらともなく、俺達は焦点の合わない瞳を合わせた。
「出るか」
「うん」
 ぼんやりとする頭を抱え、それぞれの水着とタオルを持って俺と彼女はサウナを出た。
 涼しい。本当に生き返るようだ。
 ペタペタとプールサイドを歩き、その外気の涼しさに、ただただ感動する。
 この解放感―。

 漸く脳みそに血液が酸素を運び込むと、俺はなにやら幾筋もの視線を感じてふっと横を
向いた。そこにあったのは、暇を潰しに着たおばはんや年寄りの、唖然極まるポカンとし
た顔、顔、顔。
 それが不思議で、俺と彼女はお互いに顔を見合わせた。
 そして初めて現状を理解する。

 全裸でチンポ丸出しの男と、同じく全裸で顔射をきめられた女の子。
 シーンと静まり返るプール。 

「う、うわああ!」
「きゃああ!」
 2人して絶叫し、俺達は先を争ってその場を逃げだした。

   /

 その後、俺は彼女と市民プール入り口でバッタリ顔を合わせた。
 そして、近所のコンビニでアイス買を買い、2人仲良く帰った。

-*-*-*-

 サウナいいよね。サウナ。
 バカな子もいいよね。バカな子大好き。

 スレ違いだったらホントにスマン。ここくらいしか投下できる所がなかったんだ。

304:名無しさん@ピンキー
07/01/31 23:35:25 xpkXgjit
・・・・・・GJなんだぜ
たまらんwwwwwwwwwwwww
なんかよさげだよwwwwwwww

305:名無しさん@ピンキー
07/01/31 23:36:19 EJVh+xGp
普通によさげだぜ。。。
ちょっと市民プールいってくるし

306:名無しさん@ピンキー
07/01/31 23:55:14 fAs/iVo4
やべぇ
これはエロイ
エロイというか馬鹿だwww



超GJ

307:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:21:49 agnU1uGt
大バカ野郎(最上級の敬称)がいると聞いてやってきました。
GJ&ワッフルワッフル

308:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:25:38 HWlKIWuk
サウナでこんなネタを思いつくとは・・・

大爆笑した
こいつら素晴らしいバカだ

309:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:29:33 95UZuc57
GJ!!!



…でもコレどういうジャンルになるんだ?

310:名無しさん@ピンキー
07/02/01 00:56:12 MbJdv94C
たしかに女の子と二人っきりではあるがなんかこう
違うような違わないような不思議な気分になるなw
新しい切り口、という無難な言葉を使っておこう。

311:名無しさん@ピンキー
07/02/01 01:27:32 s3ERHUjR
いいね!
バカが二人!


312:名無しさん@ピンキー
07/02/01 02:54:25 EY8eLhJG
この男よりも、女子中学生よりも、作者よりも
GJと思ってしまった俺達読者が一番馬鹿だと思う件について。

こいつはまた新機軸だぜ!

313:名無しさん@ピンキー
07/02/01 07:35:30 2oWOVlAd
これはいいwwwwww

314:名無しさん@ピンキー
07/02/01 09:59:09 YnpLSKA4
あんた最高の馬鹿だよ!!w

315:名無しさん@ピンキー
07/02/01 10:14:37 Ne1sBKFp
これはきっとVIPの新ジャンルとして通用するwwww

316:名無しさん@ピンキー
07/02/01 12:09:33 Qek08JjV
"アイス買"ってどこが発売元なんですか?

とにかくGJ!

317:名無しさん@ピンキー
07/02/01 13:07:30 350fmlyV
参りました! GJ!

318:名無しさん@ピンキー
07/02/01 17:18:39 ptD1g4aY
新ジャンル「サウナ馬鹿二人」

こうですか?わかりません><

319:名無しさん@ピンキー
07/02/02 18:10:01 WtbplNXl
GJ!!!

不覚にも吹いた、

とりあえずサウナに行きたくなったのは俺だけのはず

320:名無しさん@ピンキー
07/02/02 21:31:22 odRvdO0X
これはスーパーGJwwwwwwwwww

しっかりオチまでつけてくれて言うことなしwww

321:名無しさん@ピンキー
07/02/03 14:31:02 4WmfDJdN
GJだよ…
ジャンルはきっとバトルものだよ!

322:名無しさん@ピンキー
07/02/03 23:57:10 CUZhcxbO
これはwwwwwwwwwww

323:名無しさん@ピンキー
07/02/05 23:52:09 YEFeDJef
さっきサウナに行ってきたんだが
この話を思い浮かべてしまいニヤついてしまったw

この中で抜くとかありえねえwwwww

324:名無しさん@ピンキー
07/02/06 22:59:26 FqPj/h5Q

       _、_      グッジョブ!!
      ( ,_ノ` )      n
   / ̄     \    ( E)
  / /フ     /ヽ、 ヽ_//
  ヽ_(ミ)   ノ   ヽ .ノ
    (  .  ヽ
    丿 /♂\ \
   //    ヽ ヽ、
 //       〉 /
.(、く、       / /
 ヽ_つ     (__`つ

325:名無しさん@ピンキー
07/02/11 09:34:48 OzVfIdLK
サウナホシュ

326:名無しさん@ピンキー
07/02/13 22:26:00 GhocHbaC
つまりはこのオバちゃん達は、
サウナの中をずーっと覗いてたってこと?
「ど変態がいるわよ!」みたいなこと??


327:名無しさん@ピンキー
07/02/13 22:56:26 L3jJvmHO
<MAP>

入り口→脱衣所→プール→サウナ
                 ↓
               遊 具

328:名無しさん@ピンキー
07/02/14 19:40:16 RJCdlUkn
赤く上気した健康的な肌。年頃の少女らしい丸みを帯びた体は全体的に華奢だが、しっ
とりと汗に濡れて少しばかり蠱惑的だ。未発達の乳房は、だがそれでも柔らかそうで彼女
の呼吸に合わせてフルフルと揺れている。そこから下、ほっそりした腰と下腹には一分の
贅肉も無く、手で触れば折れそうなほど。そして股間のスリット。ピタリと閉じ合わされ、綺麗
な肌色のままの秘所は、彼女が無垢な少女である事を証明している。


この描写が絶妙


329:名無しさん@ピンキー
07/02/14 23:27:08 S3AeFagf
ハケーン&ホッシュ

URLリンク(schizo.nobody.jp)

このスレ的には「文化の夕暮れ」がイイ感じ
この人本当に上手いな


330:名無しさん@ピンキー
07/02/17 17:14:30 Hg9snCVN
>>329
サイト晒しは荒れるもとだからやめろ。

331:名無しさん@ピンキー
07/02/17 20:26:06 4/sydiu6
おお、魔眼屋の人だったのか。

332:名無しさん@ピンキー
07/02/18 01:36:12 o+a7lJ+U
あ、サウナの人だったのか、気付かなかった。
続編書いてくれないかなぁ。

333:名無しさん@ピンキー
07/02/19 17:50:23 6iKUMWuh
ペニスを上下する俺の手は益々早く、ヴァギナを掻き混ぜる彼女の指は更に深みに。

www


334:名無しさん@ピンキー
07/02/21 03:16:34 tEzL1kYB
>>329
うはwwwうめぇwwwww

335:名無しさん@ピンキー
07/02/24 01:09:36 7zCNgWbd
保守

336:名無しさん@ピンキー
07/03/02 04:53:30 pzg133sK
hosh

337:名無しさん@ピンキー
07/03/06 23:16:04 8WBuxa44
ほしゅ。


338:名無しさん@ピンキー
07/03/11 03:40:46 rdR8qXl+
hs

339:名無しさん@ピンキー
07/03/14 17:45:45 7m5yTZCb
保守。ところで、なんでここは書きかけのばかりあるんだ? 職人さんはいずこに?

340:名無しさん@ピンキー
07/03/14 18:21:36 ekuZft/B
>>1が復活する日まで保守

341:名無しさん@ピンキー
07/03/18 01:12:42 th5RVS95
★ゅ

342:名無しさん@ピンキー
07/03/18 17:55:23 6kSqgD99
ほしゅ

343:名無しさん@ピンキー
07/03/23 09:07:11 A8Ej3axm
捕手

344:名無しさん@ピンキー
07/03/24 17:28:22 XrVd+hbT
ホシュ

345:名無しさん@ピンキー
07/03/27 20:44:00 8ruJYYO0
欲しゅ

346:名無しさん@ピンキー
07/03/29 22:05:43 GZVBN+Wr
東京桜満開保守

347:名無しさん@ピンキー
07/03/29 22:08:42 wrcyqiwe
静岡お花見真っ盛り保守

348:名無しさん@ピンキー
07/03/29 22:21:25 E5n8BXc+
札幌まだ雪が積もってるよ保守

349:名無しさん@ピンキー
07/04/01 04:00:52 vmMnetCS
再度上昇

350:名無しさん@ピンキー
07/04/02 02:56:41 wyHllMih
保奈美を守る

351:名無しさん@ピンキー
07/04/05 11:34:14 4oFDqoN9
保守。
誰も書かないんなら俺が書いちゃうんだぜっ

いや、無理だけど('A`)

352:名無しさん@ピンキー
07/04/07 23:46:11 aQ6KPo5h
大学のサークルで旅行にいくーの
しかし、行きの船で嵐にあうーの
嵐のせいで海がシケ、サークルの女の子が海に投げ出されーの(何で?とか聞かないで
それを見ていた同じサークルの青年が助けに飛び込みーの
なんとか女の子を掴むも、突如大きな波に襲われーの
気がつくと、二人とも見知らぬ小さな島に流れ着きーの
その島でのサバイバルの中で二人の間に変な空気が流れーの
~~~~~【愛】~~~~~
嫁ぎーの

某芸人のように書いてみた。良い人が書いてくれる事を期待

353:名無しさん@ピンキー
07/04/08 01:05:58 m4atR1OH
戦争勃発で~に期待
俺?無理ですごめんなさい

354:名無しさん@ピンキー
07/04/08 01:51:39 IUqREXR1
それは、急な嵐だった
大学のサークルの皆でのひと夏の思い出旅行。
日程、時間、特に障害もなく、スムーズに…それこそ順調すぎるほど予定が決まり
意気揚々と出航した…までは良かった。急に振り出した雨に荒れてきた海…
危険だとは思った、それでも戻るのも面倒だという事で押し切った形で船を進めていた
あんなことになるとは露も知らず…


「バカ!?危ないぞ!?外は俺が見てるから仲に入っとけ!」
「大丈夫だよっ。とと…」
「…危ないって言ってるだろうが」
「そこまで足腰弱くないってば…それに、拓海一人じゃ、寂しいでしょ?」

そう言ってにっこりと微笑みこちらを覗き込むように顔を近づけてくる
そう言われて悪い気がする男はいないだろう拓海は少し誤魔化すように顔をそらし辺りを見回した
坂下 遥。同じゼミ、同じサークルの仲間の一人だ
よく喋り、ころころと表情が変わり明るくみんなのムードメイカー的なクラスで一人はいる、人気者タイプの少女だった


「こんな状態で女のお前が出てきてもしょうがないだろうが…」
「ひっどいなぁ…人が心配して来て上げたんだよ?大人しくありがとー♪の一言も言えないの?」
「よく言うよ…まったく」

身振り手振りを交えながらくすくすと笑い説明を始める遥を
はぁ。と盛大に溜め息を吐き肩を竦める…
彼女といればこの憂鬱な気分も少しはマシになっていたのかもしれない
今まで気を張っていた反動か少し…ほんの少し気を緩めた。

「まぁ、もう戻るよ。そこまで怒るなら戻ればいいんでしょーだ・・・きゃっ!?」
「当たり前だっての…危ないって遥!?」

急な横波の衝撃は遥の足元を攫っていく
振り返れば海に投げ出されようとしている遥が目に入った
どうすればいいっ!?…迷ってる時間はなかった。
気が付いたら俺は遥の体を抱き締める形で海に投げ出されていた・・・


うん、なんだ、そのごめんよ_| ̄|○

355:名無しさん@ピンキー
07/04/08 02:02:57 aSFRDruE
wktk

356:名無しさん@ピンキー
07/04/08 02:51:33 M7ueV8jp
寝る前に見てみたら・・・

ニヤニヤ( ・∀・;)しちまってる。ええい、そこまで書いたんだ!続きも頼むぜ!
明日の朝が楽しみだ・・・

357:名無しさん@ピンキー
07/04/08 02:58:57 zFSlaVjK
>>354に激しく期待

358:名無しさん@ピンキー
07/04/08 03:15:45 M7ueV8jp
ストーリー考案:俺
書き手:>>354

ん~、これだっっ!!!期待してるぜ>>354

359:名無しさん@ピンキー
07/04/08 03:31:08 EvFU+xMQ
>>354 GJ!
漂流物なのか?それとも>>358の言うとおり島か?島へ流されるのか?wktk

360:名無しさん@ピンキー
07/04/08 11:19:19 uY7ywgbg
ま た 序 章 だ け か

361:354
07/04/08 12:20:10 IUqREXR1
おぉ!?あんなのにレスついてる!?
出来心だったんだ…すまない_| ̄|○
筆遅くていいなら書いてみるよっ!(`・ω・´)

362:名無しさん@ピンキー
07/04/08 22:02:42 UXnBIyb6
ガンガレ~~~~

363:ストーリー考案者
07/04/09 00:07:15 WqSKNa6h
まだ書かれてない・・・(´・ω・`)
妄想しながら明日に期待・・・

364:354
07/04/09 02:06:07 Oxv/0gqx
「…っ…ぁ?生きてる」

目が覚めれば拓海は見知らぬ浜に倒れていた
いや、打ち上げられていたといった方が正しいんだろうか?
日が高くのぼり嵐が嘘のように静まっておりまるで拓海や遥が海に落ちる為だけに
あの嵐があったかのような…それほどまでの快晴だった
太陽に手をかざし辺りを見回せば少し離れている所に倒れている遥が目に入った

「まぶし……そうだアイツは!?…遥!?」

だが、ここから見ている限りではピクリとも動く気配がない
まさか……溺死なんて冗談はないよな?
自然と焦りが生まれていく、あの荒れていた海に落ちたんだ
むしろ助かっている方が奇跡に近いのだろう急いで近寄っていき抱き起こた。
少し、いやかなり冷えた体は否が応でも「死」という言葉を連想させた

「おいっ!?起きろ!!おいっっ!!!」
「・・・・・・・・・」
「冗談じゃねぇぞこのっ!!起きろってんだよ!!!」
「・・・・」

あぁ、テレビとかの特集を見てるときにバカにしていた応急処置なんか少しも思いつかなかった
あんな事を冷静に出来るほど俺は冷静でいられるはずもない。
ただ、俺に出来る事は名前を呼びながら頬を軽く叩く事だけだった

(そうだ…人工呼吸!?心臓マッサージ!?なんでもいい試すだけ試してみる価値はある!!)

だが、思いついたところで正確なやり方なんか覚えてない
せいぜい、覚えているのなんかキスして息を吹き込む
鳩尾の辺りを押し込む。この程度の知識くらいしか持っていない

「・・・っ」
「・・・・」
「だあああああああ!?やりゃぁいいんだろうがちくしょうがっ!?」

とりあえず、このまま黙って見ている事なんか出来なかった。
抱き抱えていた華奢な体をそっと砂浜に寝かせ、少しずつ顔を近づけていく
目を閉じまるで眠っているだけの様な様子をじっと見つめる
濡れた髪、濡れた服が張り付いてボディラインが浮き上がっている体。
近づけていけばいくほど均整の取れた顔にどうしても意識してまい無意識のうちに躊躇する。

「っ・・・・・」
「・・・・・・・しないの?キス」
「うわあ!?」

不意に掛けられた声。
今まで意識がないと思っていた相手からの
問いかけに思わず声をあげてしまう

「お、おおお、おまっ!?だって!?おきなかっ!!?」
「起きようとしたら顔が近づいて来るんだもん。どうしようもないでしょ・・・」
「起きたなら突き飛ばせばよかっただろうがっ!?」
「・・・そっか。その手があったねっ!」
「・・・・・」
「なんだよー!?そのアホの子を見る目は!・・・・拓海?どうして泣いてるの?」
「・・・・なにがだよ。別にどうもしてない」

こんな自然な会話が、こんな何時もの会話が、
これほどありがたいものだなんて思ってなかった。
知らないうちに目から涙が零れていた……

365:354
07/04/09 02:07:11 Oxv/0gqx
とりあえず。今日はこれくらいで?
1投下に一時間以上かけてる俺乙_| ̄|○
うん、なんだ。俺にはやっぱり荷が重かったようだ

366:名無しさん@ピンキー
07/04/09 05:51:39 NoOW9kfp
携帯じゃないなら保存して一気に投下するのがいいのでは?

367:名無しさん@ピンキー
07/04/09 21:37:17 Ci14C/cw
なにこの良スレ。
ここにたどり着いた俺はなかなかラッキーだったとみる

368:名無しさん@ピンキー
07/04/09 23:40:50 4PJHf9PH
まだ親と暮らしている女の子と成り行きで一つ屋根の下で暮らす事になっちまったー

ってーのはこのスレ的にあり? 二人っきりにはなれるけどすげー微妙なんだが

369:名無しさん@ピンキー
07/04/10 00:12:49 ijNZto/X
なんか結構途中でおわっててかなり生殺しされたんだが俺だけか?

370:ストーリー考案者
07/04/10 01:02:16 72zN41GQ
>>365
諦めるな・・・お前ならいける!きっと出来る!
だから途中で止めないで下さい・・・生殺しだよ(´;ω;`)

371:ストーリー考案者
07/04/10 01:15:15 72zN41GQ
ああ、そうそう、俺的にその二人の関係とかを色々練ってみた

で、考え付いたのがコレ
男(拓海)と女(坂下 遥)はいわゆる幼馴染
男は運動神経は良いが、頭はちと弱いみたいな。女の事は当初幼馴染として意識していたが、遭難中にその考え方が変わっていく・・・みたいな
女は運動もそこそこに出来て、頭も結構良いみたいな人。以前から男の事が気になっていた・・・みたいな

なんかもう、俺がすいません。てか、諦めないで下さい御願いしますоrz(←土下座)
この案を採用するしないは自由です。いや、もうすいません。叩いても結構。いや、ごめんなさい
あくまで、一種の考え方として認識していただければ幸い・・・あ、痛ッ。石・・・石投げないで・・・

372:名無しさん@ピンキー
07/04/10 01:17:11 ijNZto/X
諦めるな~!
生殺しされたここの者たちの命を救うために!

373:名無しさん@ピンキー
07/04/10 01:27:57 oVRUSENB
生はらめぇええええええええ

374:名無しさん@ピンキー
07/04/10 01:37:48 kONyXmfQ
>>373
「生、孕め」と読んじまった俺は駄目人間

375:名無しさん@ピンキー
07/04/10 01:44:11 FCVf5Lk+
何この馴れ合いスペース

376:名無しさん@ピンキー
07/04/10 05:07:38 mkl4498W
>>368
とりあえず読まないと判断できません。

377:名無しさん@ピンキー
07/04/10 23:20:20 0Bwzy2sA
とにかく書くのだ!
良ければ絶賛する
つまらなかったら叩……懇切丁寧に指導もする
さあ、書こう
迸る想いをキーボードにぶつけるんだ!

378:ストーリー考案者
07/04/10 23:34:47 72zN41GQ
>>377
そうだ!さぁ、書け!書くのだ!そうすれば皆・・・
あれ?・・・お前、息荒いぞ!え、俺?俺は荒くないよ全然・・・(*´Д`)ハァハァ

379:名無しさん@ピンキー
07/04/11 14:13:04 hGI/hfBi
 >文化の夕暮れ

 どうしよう、今初期計画まとめてたやつがモロ体育倉庫物だorz・・・・・・

 うーん。

 ゴミ箱逝き決定!!

<<歪んだプロットは一度リセットするべきだ>>
<<この『ゴミ箱』で全てを『ゼロ』に戻し、次の作者さんに未来を託そう>>

380:名無しさん@ピンキー
07/04/11 15:20:31 AjcdR/jS
>>379
<<書けよ臆病者!!>>

381:名無しさん@ピンキー
07/04/11 15:32:06 mayAZwxS
読んでいたら、したくなってきちゃいました///


382:354
07/04/11 22:10:06 n8UN8Kdz
とりあえず明日くらいに続き投下できそうです。
待ってくださってる方はもう少しだけお待ちいただけると嬉しいです。
いやいないでしょうけども(´・ω・`)

383:名無しさん@ピンキー
07/04/11 22:23:13 eHTuqxWy
ああ、いないな

384:名無しさん@ピンキー
07/04/11 22:37:47 o3s8tkW7
うん、いないね

385:名無しさん@ピンキー
07/04/11 22:38:02 AjcdR/jS
いいから黙って投下したまえ。

386:名無しさん@ピンキー
07/04/11 23:42:21 qrj35tr7
>>382
僕はいつでもwktkしながら待ってますよ

387:ストーリー考案者
07/04/12 00:47:08 DKia0MHg
>>382
いつまでも・・・いつまでも待ってるよ・・・(´・ω・`)

388:名無しさん@ピンキー
07/04/13 19:37:47 GqcnJoQH
考案者うざい。
書いてくれとお願いする立場なのに
何時までもコテハンで書き上がった小説自分の手柄にしようって言う魂胆丸見え。
職人に任せろ。

389:名無しさん@ピンキー
07/04/13 23:27:03 aynD6uYb
・・・>>382がなかなか来ない件
つかこのスレ自体書き込み少ないなぁ

390:名無しさん@ピンキー
07/04/14 01:15:00 scu7lJvH
ここ、誰も来てないのか?
結構期待してたんだが

391:ストーリー考案者
07/04/14 23:43:23 PLBBoLAX
>>388
↑の奴を入力しようと思ったら、押す所間違ってて、数分くらいずっと格闘してた。俺って、何なんだろうね
まぁ、そうだよなぁ・・・おk、書き手に全て任せよう
ところで、>>382が水曜日の明日・・・つまり、木曜日に書くっていってたけど、まだ来てないね・・・執筆中なのか?(´・ω・`)
そしてついでに保守

392:名無しさん@ピンキー
07/04/15 00:26:00 dMZZ5xph
>>391が何も理解してない件

393:名無しさん@ピンキー
07/04/15 00:49:48 XRebgIyM
>>391
いつまで、コテハンつけてんだ。
あとは書く人間にまかせてお前は名無しに戻れ。
って、言われてるぞ。

394:名無しさん@ピンキー
07/04/15 01:43:31 WWAyvaEk
もまえら この俺様がなんか書いてやっから 喧嘩スンナ

395:名無しさん@ピンキー
07/04/15 02:26:05 WWAyvaEk
私の名前は外山月。二つの城を持つ地方豪族・外山一三郎の一人娘。

娘といってもお茶やお花の勉強しているわけではない。

10年ぐらい前、母上と兄上を流行り病で失った外山家は、

跡取りとして私に剣や兵法など、当主としての教育をさせている。

めでたくして1年前、元服の折にそのうちの一つ若葉城を貰い受けたんだけど、

後見人として我が外山家の筆頭家老・彦根武忠の息子 彦根武義 がこの座に着いた。

武義は私より二つ上というだけだけど、政治感覚が優れ、若葉城の行政をそつなくこなしている。

その代わりといっては何だけど・・・剣とか槍とかそういうのはぜんぜんだめ。

この前の戦なんか、私が先陣切って槍をふるっているのに、

武義ときたら矢の一本も飛んでこないところで、じーっと戦況をうかがっているだけだもん。

「僕は文官だから」とか言っちゃって、少しは役に立ちなさいよね。

こんな感じでこの一年間は、武義が私に政治や経済を 私が武義に剣や弓を教えあって過ごしてきた。

396:名無しさん@ピンキー
07/04/15 02:27:48 WWAyvaEk
「うーん おそいなぁ」

若葉城中庭にて、ぶんぶんと木刀を振り回しながら月は誰ともいわず文句を言っていた。

今日は昼から月と武義とで剣術の稽古の予定なのだ。

午前の領内視察の後、中庭に来るようにと申し送ったはずなのだが。

未の刻(午後2時)になっても人影一つとして現れない。

「まさか、花見とかに行っているんじゃないでしょうね」

舞い散る桜の花びらを叩き落としながらつぶやく。

何度目のぼやきか忘れたころに、武義と呼ばれる青年は中途半端な駆け足でやってきた。

「彦根武義 ただいま参りました」

「・・・(じぃーー)・・・」

月はすこし怒ったような表情を浮かべ、武義をじっとみる。

「えーっと その・・・ 助さんところの宴会に誘われてしまって帰るのが遅くなってしまいました」

「・・・(じぃーー)・・・」

397:名無しさん@ピンキー
07/04/15 02:28:26 WWAyvaEk
しょっちゅうこういう事態に陥る武義は、姫の機嫌をとる方法をいくつか知っている。

そして今回の打開策は手元にあった。

「これが助さんにいただいた花見団子です」

「・・・(差し出されたものに対して じぃーー)・・・」

月は手ぬぐいに包まれた団子を受け取るとパタパタと館へと駆けて行った。

「やれやれ 月様の食い意地にも困ったものですね」

少しして、団子の代わりに竹刀を2本抱えた月が戻ってきた。

「武義はいつも甘味物で私を釣るんだから。怒っているのは変わらないよ!」

武義に竹刀の一本を投げつけながら月はわめく。

「遅れた分は夕御飯までしごいてあげるからね!」

一つつまんできたのであろうか?

甘い香りが漂う月をほほえましく思いながら、武義は竹刀を構えた。

398:名無しさん@ピンキー
07/04/15 02:29:13 WWAyvaEk
夕刻

この時代にしては珍しく、当主の月は家臣である武義と共に食事をすることが多い。

今日も自室に武義を呼び込み団欒と会話をしていた。

「まだこんなに小さいのに、剣ではまったく歯が立ちませんね」

「小さいはよ・け・い! 武義も武忠みたいに槍とか振り回せないの?」

「父上は別格ですよ。まあ、正直うらやましいですが」

「はぁ 同じ体格していて同じ血を引いているのに、どうしてこんなに違うんだろうねぇ」

「私は私なりの才能を発揮し、お役に立てればと考えていますので」

「ちがうの かっこいいか、かっこわるいかのことを言っているんだよ」

「はい・・申し訳ありません」

ちっとも反論してこない武義に対して、わずかばかり残念そうな顔を見せる。

しかし、そんな表情を悟られないように明るい声で月は言った。

「ねえ 御飯食べたら将棋しようよ あれから強くなったんだから」

「将棋・・ですか。しばらくぶりに月様の力量みせてもらいましょう」

399:名無しさん@ピンキー
07/04/15 02:29:54 WWAyvaEk
残りの御飯を口の中に押し込み、月は颯爽と盤と駒を持ってきた。

「へへ~ 今日は平手でお願いします」

「この前私の2枚落ちで負けたのではないですか せめて勝たれてから平手にしましょう」

「いいの 平手でやるの」

月は自分の駒よりも先に飛車角の駒を敵陣に置く。

「では、飛車落ちで」

自分の飛車を取ろうとするが月がそれを許さない。

「いいの 作戦があるんだから これでやるの」

「・・・はい わかりました 」

月は自分の駒を並び終えると立ち上がり、昼にもらった団子を持ってきた。

「えへ これ食べながらやろうか」

「私にも頂けますか?」

「うん 家臣に施しもできないようじゃ、いい主君とはいえないもんね」

いつもある当然の風景

戦国の世ならば仕方のなかったことかもしれないが、その日常が壊されるにはあまりにも突然すぎた。

400:名無しさん@ピンキー
07/04/15 02:30:35 WWAyvaEk
「若~~~~! 若~~~~!」

伝令の声が遠くからこだまする。

「うーん うーん」

「・・・若とは、月様のことですよ」

「うーん わかってるけど、もうちょっと考えさせて。・・歩取って取られて銀取って取られて・・うーん」

「若~~! あ 若様はこちらにおいででしたか」

息も切れ切れにその伝令が目の前まで来た

距離が近すぎる。無礼だ。と言おうとしたが、その緊迫した面持ちに武義はただ静かに問う。

「何事か?」

「大殿の城、青葉城がただいま急襲を受けています」

「え!」

将棋盤とにらめっこしていた月が伝令の方に振り返る。

驚きを隠せないという境地を超え、口がぽっかりと開いているだけだ。

「して、敵は?」

武義は逆に眉一つ動かさず、冷静に状況を判断しようとしていた。

401:名無しさん@ピンキー
07/04/15 02:31:08 WWAyvaEk
「家紋から見ますに長野の軍と思われます」

「・・っ馬鹿な!長野は同盟国じゃあなかったの!」

「月様落ち着いてください。 して伝令よ。今の状況を判る範囲でよいからすべて話せ」

「はっ 日の沈んだ酉の刻(午後6時)をもって長野を中心とした兵2000で攻撃を受けております」

「兵2000!? 長野は500しかもっていないんじゃない?」

「長野を中心とした・・ということは他国からもか?」

二人の質問にその伝令は同時に答える。

「おそらくは仇敵・志藤や大竹。他、小勢力の軍も加わっていると思われます」

「くっ!長野に裏をかかれたか。武義!出陣するよ。準備して!」
 
「月様。それは駄目です。我々に預けられた兵力はたったの100。討って出て何とかなるものではありません」

「じゃあどうすればいいの!」

すがるような目で武義を見つめる。

無理もあるまい。月の父・一三郎の軍はあって400。

今まではそれに長野の軍500と合わせて敵を撃退してきた。

その同盟国長野家の剣先がこちらにとひっくり返ったのだ。

そして敵軍2000。それはここにいる誰もが聞いたことのないような数字でもあった。

「一三郎様や父上なら撃退してくれると信じているが、もしも、もしものためにここも籠城の準備をしよう」

402:名無しさん@ピンキー
07/04/15 02:32:33 WWAyvaEk
松明の炎がいつもの倍の数があり、若葉城は昼のように明るかった。

「第一足軽小隊 準備できました」

「第一弓小隊 右に同じでござる」

わずか100の兵 二つの小隊しか編成できないわけだが、いつもはこれで戦っていた。

武義が青葉城視察や他勢力への援軍要請などで出かけていたので、

軍議が行われている大広間には月と小隊長二人の三人しか居ない。

館の外では足軽たちの私語などでうるさく、そのざわめきは月をいっそう不安にさせた。

「(長野の裏切り・・みんな知っているのかな?)」

「(父上の青葉城・・どうなっているんだろう?)」

「(えっと・・これからどうしたらいいんだっけ?)」

いつもなら武義が采配を振るってくれるので、その指示に従えばいいだけだ。

しかしその本人はここにはいない。

あれこれと湧き上がってくる不安に対し、少女は何度も何度も兜の紐を締めなおしていた。

「若様 若様が意気消沈しておられると兵の士気にかかわります。ご自身をお持ちくだされ」

「そうですぞ若様 我が意見も右に同じでござる」

二人の声など聞いてる様子もなく呆然としている月に対し、新たな伝令がやってきた。

「・・・・何?」

「武義様からの伝令です」

「っ!」

403:名無しさん@ピンキー
07/04/15 02:33:27 WWAyvaEk
嬉しくて飛び跳ねようとしたのと同時に、それが家来の前であるという羞恥の感情も起こり、

平静を装いながら伝令の言葉を待つ。

「青葉城を取り囲んでいる敵数、総勢2200。敵は長野・志藤・大竹・島・西山

 現在、西の丸にて彦根武忠様率いる一隊で防戦している模様

 敵軍の中には新兵器「鉄砲」と呼ばれるものも存在

 青葉城を落とした後はこの若葉城を目標

 すでに敵の乱波が多数存在している為、お一人で外出なされないように・・以上であります」

伝令の報告の間、軍議に居る三人は一言もしゃべらない。

「(2200・・ですか。 2200が青葉の後、この小さな若葉を攻撃するのですか・・・」

「(新兵器鉄砲。こんないんちきな武器が我が外山家に通用するものか。おそらく右の考えていることも同じであろう)」

「(何がお一人で外出なされないようになんだよ!私より弱いくせに一人でどっかいっちゃったのはどこのどいつだよ!)」

いろいろな思惑が重なり、ただならぬ雰囲気の中、場の空気を和ませようと足軽小隊長はカラカラと笑う。

「それにしても、武義殿の情報能力は凄まじいものがありますな。短時間お一人でここまで探索することができるのですから」

「え・・・わ あっはっはっは そうでござるな 右に同じく武義殿はすごいですな わっはっはっは」

弓小隊長も足軽小隊長の意図に気づき、話を合わせる。

「(フ フン 武義は領内視察とかで、そういうことは得意なんだから)」

自分の思っていることが、少しちぐはぐな気がしなくもないが、

武義が褒められたことで悪い気はしなかった。

404:名無しさん@ピンキー
07/04/15 02:34:04 WWAyvaEk
空がうっすらと明るくなるころ、武義が戻ってきた。

城内で座りながら眠る者たちを起こさずに館までたどり着く。

「月様 お眠りになりましたか?」

体の大きさに不相応な甲冑を身に着け、座布団の上でうとうととしている主君に声をかける。

「ん・・・ 武義か・・・ 首尾はどうなの?」

武義は本音ではこのまま眠りにつかせてやりたいと思ったが、主君に対しては報告しなくてはならない。

「悪い知らせです。心して聞いてください」

「・・・・・・・・・・・」

月は何も言わず、悲しそうな目でこちらを見上げる。

「青葉の城が落ち、それに伴い、大殿・一三郎様が討ち死になされた」

「・・・・・・・うそつき」

「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・うそつきは外山家にはいらない。出てって」

「・・・・・・・・・・・」

膝に顔をうずめている月を見て、かける言葉が見つからない。

しかし、時は限られているので、気持ちを切り替え淡々と現状を報告することにした。

405:名無しさん@ピンキー
07/04/15 12:32:47 vj3MW86Z
wktk

406:名無しさん@ピンキー
07/04/15 15:48:19 ME1RQxO7
wkt-k

407:名無しさん@ピンキー
07/04/15 16:27:18 WWAyvaEk
「敵兵は一夜にして城を落としたわけでありますが、睡眠もとってなく、

 青葉城の完全制圧にも時間がかかると思われるため、すぐにこちらに向かうということはないでしょう

 とりあえずこちらの足軽たちにも休息を与えるべきです

 青葉からの敗残兵もここに落ちてくると予想されます

 警戒しながら、門は開けておくべきだと思います」

一切の感情を入れずに、まくしたてる様に言った。

「あと・・まことに勝手ながら申し上げます
 
 早急に長野家に対し降伏和議をすることを提案します」

「・・・・・・・・知らない」

「・・知らないではありません。外山家の当主は 月様 あなたですよ」

「・・・・・・・・・・・」

「・・・月様は自室に戻られ休憩なさってください。兵たちにもそう言い伝えます」

408:名無しさん@ピンキー
07/04/15 16:28:12 WWAyvaEk
甲冑を脱がされ自室に戻った月は、すべてから逃れるように昏々と眠った。

すべての感情を忘れ、何も考えたくなかったのであろうか?

日が高くなった頃には月は目覚めていたのだが、布団から出ず何刻も天井を眺めていた。

部屋が茜色に染まった頃、月は障子越しに一人の男の影があるのに気づいた。

「・・・どうしたの 武義 入ってきなさい」

涙の跡だけを拭き、月は布団から出ようともせず部屋へ招き入れる。

音もなく障子を開け、また音もなく手前までやって来た。

「・・・月様 は 食事は取られましたか?」

武義はどこか言いにくそうな感じで言葉をつなげるが、月もそれに気づく。

「・・・またなにか悪いことでも起こったの?」

「・・・はっ 外山家降伏志願の件について失敗しました」

「・・・そう」

「申し訳ありません」

演技などではなく、心の底から申し訳なさそうな顔をした。

「やっ 申し訳ありませんって、武義が勝手にやったことでしょ

 私が許可した覚えはないよ・・それに!降伏するつもりは全くない!」

布団から起き上がり、彼女は叫んだ。

「・・・月様」

月が自分に配慮する気持ちが痛いほど判り、二の句が告げない。

409:名無しさん@ピンキー
07/04/15 16:29:01 WWAyvaEk
「それで・・敵はいつ攻めてくるの?」

断固戦うと言い切ったばかりだが、この点は恐る恐る尋ねる。

「・・・おそらくは明日の昼にでも攻めて来るでしょう

 そして・・長野・志藤軍は我々外山家を根絶やしにするつもりです

 先ほどの長野家当主との謁見と青葉城の様子からそう感じました」

「そ、そう・・・

 武義も死なないように今からでも槍の素振りでもしてなさい

 あー おなかすいた 今朝から何にも食べてないからなんか持ってきてよ」

無理につなげた言葉だったが、武義は聞こえるか聞こえないかの声で頷くと、台所の方へ足を運びに行った。

感情をぶつける相手が居なくなり、ふと目をそらすとそこには昨晩戦っていた将棋盤があった。

局は終盤であり、武義ほど得意ではないとはいえ、どちらが敗勢かはっきりとわかる。

敵の攻撃で、もうすぐ詰まれそうだが、月の王に引っ付いて守っている金一枚でなんとか凌いでいる格好だ。

「私も・・もうすぐ詰まされちゃうのかな・・」

ポツリとつぶやく。

「投了時だよね・・」

またつぶやく。

「あっ そうか 投了できないんだったねー」

笑いながら言おうと思ったが笑えなかった。

「・・・・・・・」

月はその金将と書かれた駒を手に取ると、大事そうにぎゅっと握った。

410:名無しさん@ピンキー
07/04/15 17:52:23 cKZH0Amt
wktk

411:名無しさん@ピンキー
07/04/15 18:15:04 EvUlLOOy
やべぇ
これはやべぇ
wktkwktkwtkwktkwktwktkwtkwkwkwtktkwtkwtktこwtこsgtのjふぁおljろあfd

412:名無しさん@ピンキー
07/04/15 19:53:16 fTFqf9V0
ハッピーエンドになりますように……ナムナム…

413:名無しさん@ピンキー
07/04/15 20:24:58 RUV1S7kB
なにやら過疎の予感

414:名無しさん@ピンキー
07/04/15 20:52:11 mjwnXc0d
この状況で二人きりになるということは・・・

415:名無しさん@ピンキー
07/04/16 01:19:01 /z0M9o1q
wktkが止まらないwww

416:名無しさん@ピンキー
07/04/16 05:43:04 Bm1ei4hG
この森は暗い。

まだ太陽が沈んでいないわけだが、道端の木の根に気づかず、つまづいてしまうぐらい暗い。

青葉から若葉までの道として、普段はだだっ広い荒れ地を利用するわけだが、

今は長野の軍旗であふれかえっている。

仕方なく、裏街道とでも言うべき、この深い森を選んだ。

そんな森を、髷(まげ)がほどけ、肩まで髪を垂らし、

全身血染めの男がゆっくりとした足取りで歩いていた。

外山の影に彦根あり。と武勇で謳われた、彦根武義の父・武忠 である。

青葉城が陥落し、主・外山一三郎の死を見届けた彼は、

その主君の首を奪い返そうと、僅かな家来を率い何度も敵陣に突撃した。

当時、主君の首が奪われるということは、大変な屈辱であったのだ。

気がつくと、自分の周りには誰もいなくなっていた。

事の無意味さを悟り、このまま殿の後に続こうかとも考えたが、思い返し、外山月のいる若葉城へと落ちていった。

再興の想いを胸に秘めて・・・

417:名無しさん@ピンキー
07/04/16 05:43:43 Bm1ei4hG
決戦の日のことを考え、武義に再び眠ることを命じられた月であったが、

昼間に眠っていたこともあり、夜更けにもかかわらず、目が覚めた。

体を起こし、深々と静まり返った中庭へと出る。

地面には、青白い桜の花びらで埋め尽くされている。

見上げれば、満月が真南に位置していた。

「(ここでよく剣の稽古をしたな・・・)」

剣を持つふりをして、上段に構えると、いつもの稽古相手の顔が思い浮かんだ。

そいつの面に対し、おもいっきり腕を振りぬく。

一の太刀を受けきられた。ならばと右胴へ狙いを定め、渾身の力で叩きつける。

紙一重でかわされた。だが、軸足をずらされ、そいつの体は左に傾いている。

体勢を取り戻す前に、月はそいつの胸をめがけて・・・ そいつの胸をめがけて・・・

ちょこんと小突いた。

「・・・・・」

自分でも何を馬鹿げたことをやっているのかと思ったが、

胸がはちきれそうな感情が湧き上がり、恥ずかしいとは感じなかった。

「・・・いま・・・なにしてるのかな?・・・」

そう、自分の言った言葉が聞こえると、いてもたってもいられなくなった。

兵法の授業などで通い慣れた、彼の部屋へと向かった。

418:名無しさん@ピンキー
07/04/16 05:44:19 Bm1ei4hG
部屋の前まで来た。

普段、この時間帯にここに足を運ぶことは無い。

礼儀として、廊下から声をかけようとしたが、部屋の明かりが消えているので、黙って入った。

彼の布団のふもとまで身を寄せ、夕刻の状況とは立場が入れ替わる形になる。

「・・・たけよし・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・たけよし・・・」

「・・・・・・・・」

二度ほど、目の前で横になっている者の名前を呼んだが、返事はしてくれなかった。

起きてほしくて名前を呼んでみたものの、つぶやいているうちに、

逆にこのまま眠らせてあげたいと思うようになり、三度目はなかった。

無理もない。情報収集や外交調停に追われ、昨日は全く眠っていなかったのだ。

彼女は自分のあごをひざの上に乗せ、彼の寝顔を見入っていた。

歓喜の表情も、苦痛の表情も無く、ただ単に眠るために眠っていた。

なぜだろう。

状況は切迫している。

外山家が滅ぼされてもおかしくない。

あした、あの満月をもう一度みることも叶わぬかもしれない。

だけど、

今、こうしていると、

不安にはならない。

419:名無しさん@ピンキー
07/04/16 05:44:51 Bm1ei4hG
翌朝。

喧騒のなか目が覚めると、見たことのない毛布で包まれていた。

部屋の中には誰もいない。

「・・・・・そっか」

まだ、頭の中はぼーっとするが、

あれから寝てしまったということは理解できた。

外が、何かの工事をしているようで、やかましい。

意思伝達を図るいろいろな掛け声が交錯する。

「・・・うるさいなぁ」

まるで他人事を言うかのように、寝起きの少女はつぶやく。

四半刻ほど待ってみたが、誰も来てくれない。

仕方がないので、寝間着姿のまま、戸をあけ大広間へと向かった。

「・・・若っ様! おはようございます」

廊下にいた女中が朝の挨拶をしてくる。

いつもなら笑顔で挨拶してくれていたが、今日は違った。

それに対し、月はいつもどおりの頷きで返事とした。

大広間までたどり着くと、普段聞きなれない声がしてきた。

420:名無しさん@ピンキー
07/04/16 05:45:34 Bm1ei4hG
日常的に顔を合わせることの無い武忠にとって、その少女が外山家の跡取りだと判断するのには時間がかかった。

武忠と月の二人は、軍議の間や先陣を切って戦っている時、そこでしか顔を合わす機会が無い。

真紅の甲冑を身につけ、槍をふるう月の姿は、武忠の目にはまるで軍神が降臨してきたのかと見間違うほどだった。

水色の寝間着を身につけ、あどけない表情をした月の姿が、武忠の判断を幾ばくか遅らすのは仕方のないことだった。

「殿ーのーおなーりー」

武忠が、どす太い声を出し平伏すると、周りの家臣もそれに従った。

場にそぐわない身なりのせいか、月は少し顔を赤らめたが、武忠はお構いなしと次の言葉を続ける。

「お久しゅうございます。 彦根武忠であります。

 先日の戦においては、我が力不足にて青葉の城と大殿の命を失ってしまったことを

 ひらにご容赦ください」

再び深くこうべをたれる。

421:名無しさん@ピンキー
07/04/16 05:46:40 Bm1ei4hG
「我ら青葉の者たち五十名余、この地を最後の拠点とし、集まり申した」

残りの350はどうしたのなど、そんな無粋なことを月は聞かない。

「長野の裏切りもあり、劣勢となった我々は、ここ若葉城に籠城し

 敵に一矢報いたいと考えております。」

月の知らない顔が「おう」と同意の声を挙げた

「敵軍は三刻後。正午過ぎには麓に陣を構えることになるでしょう。

 すでに、若葉城にある全ての仮柵は設置し終え、準備は万端にございます」

正午過ぎ?

なめられたものだ。

勝勢の勢力は夜襲等を除き、日が落ちないうちにかたをつけようと、朝早くから軍を動かすのが通例である。

「(・・・ここを数刻で落とすつもりなの?)」

しかし、兵力差を思い返してみれば、一瞬で壊滅させられることは目に見えていた。

「昼前には月様も武具を揃えて頂くようお願い申し上げまする」

そういって武忠は立ち上がると、ほかの皆もそれぞれ持ち場に戻っていく。

月は何度かきょろきょろとある顔を捜していたが、この中には見当たらなかった。

422:名無しさん@ピンキー
07/04/16 05:47:53 Bm1ei4hG
そのころ武義は、小勢力の一つ西山の当主の許へ出向いていた。

長野・志藤軍との和議に失敗しており、西山から降伏の旨を伝えてくれるよう頼んだわけである。

「う~~む~~」

取引として最大限の譲歩を見せても、色よい返事がもらえない。

「わしが頼んでも、どうせ聞き入れてもらえないじゃろ

 長野には同盟を裏切った背徳感があるじゃろうし、志藤は外山の血を根絶やしにと考えているからのう

 ・・・それより どうじゃ。お主とお主の父がうちにきてくれりゃあ、考えてやらんこともないがのう」

話にならない。

外山家の存続を願いに参上したのに、どうして私が潰れた後の身の保身を考えなくてはいけないのだろうか?

「(そろそろ時間切れか?)」

これから、一応、島の陣を訪問する予定もあり、

そして、ずっと胸に温めていた作戦を城兵に伝えなくてはならない。

顔を合わせてくれた礼を述べると、武義は馬上の人となって駆けていった。

423:名無しさん@ピンキー
07/04/16 05:48:39 Bm1ei4hG
「ちょっとー! どこ行ってたの 遅いじゃない!」

昼前に戻ってきた武義に対し、月は叫ぶように言った。

誰にも声をかけず、うろうろと城内を探していたことなど、武義は露ほども知らない。

「どこ行ってたの・・・はいいとして、

 どこかに出かけるときは、私に声をかけてからにしてよ!」

「はい。大変失礼致しました

 しかしながら、間もなく敵が布陣してきます

 今回の作戦についてまだ話しておりませんでしたので、軍議の場にお集まりください」

采配の振るい方は武義に一任されている。

その責任感と作戦のことで頭が一杯であり、月の気持ちまでは気が回らなかった。

ぷくーと頬を膨らませる月であったが、武義が外山家のために奔走してくれていることに感謝もした。

424:名無しさん@ピンキー
07/04/16 06:03:04 Bm1ei4hG
「殿ーのーおなーにー」
にしようかと迷った(獏)

あるシーンが書きたいためだけに、まだまだ助走が続いております

425:名無しさん@ピンキー
07/04/16 09:14:48 K8KKRX+D
すばらしくwktkでありますが、書き込みの時間帯が時間帯なので貴殿の健康を心配する所存であります!

426:名無しさん@ピンキー
07/04/16 11:45:51 //kcAHwK
殿の命によりwktkに馳せ参じました!

wkt--k

427:名無しさん@ピンキー
07/04/16 14:38:33 SAFLIYq+
月タンのオナニーハァハァハァハァハァハァハァハァ

くそう。
エロくないのに読んでしまう。

428:名無しさん@ピンキー
07/04/16 19:54:15 BrREN0lL
相変わらず人少な杉


429:満月(外伝)
07/04/16 21:46:32 Bm1ei4hG

「(何言ってるの!この人!)」と月はかなり顔を赤らめたが、武忠はお構いなしと言い繕う。

「お、おっほん

 男性が当主の場合は、勝ち栗・昆布・打ちあわびを食し、縁起を担ぎますが、

 女性の場合は家臣の前で自慰することが、通例になっております

 そうであろう?新次郎よ」

筆頭家老の武忠に睨まれ、小さな声で頷くしかない。

「ささっ こちらに座られ、儀式を執り行ってください」

月は促され、当主の座へ向かう。

座布団の上にちょこんと座るも、これからどうしていいかわからない。

「殿!  自慰の仕方がわからないのでありますな

 なれば、このわしが・・・」

「え? い いいよ 分かった 分かったから」

以前、物好きな女中に教えられ、色の知識も少しはある

武忠が、偽りを述べるとは夢にも思わず、

まだ発達しきってない胸に左手を伸ばし、くにくにと動かした。

本人は真剣にやっているだろうが、そのじれったさに、武忠は暴走する。

「おい! 武義! 武義はおらぬか!」

その呼びかけに、なぜか、西山の当主が返事をした。

「武義を持ってきてやたのじゃ 今は当身を食らわせ、眠っているだけだがのう」

「おお 話しの都合上 ちょうど良い

 さあ 殿! ‘これ’を使い、日ごろの欲求をぶちまけましょうぞ」

430:満月(外伝)
07/04/16 21:48:43 Bm1ei4hG
うわ 途切れてる これが、>>429の前の文章



日常的に顔を合わせることの無い武忠にとって、その少女が外山家の跡取りだと判断するのには時間がかかった。

武忠と月の二人は、軍議の間や先陣を切って戦っている時、そこでしか顔を合わす機会が無い。

真紅の甲冑を身につけ、槍をふるう月の姿は、武忠の目にはまるで軍神が降臨してきたのかと見間違うほどだった。

水色の寝間着を身につけ、あどけない表情をした月の姿が、武忠の判断を幾ばくか遅らすのは仕方のないことだった。

「殿ーのーおなーにー」

武忠が、どす太い声で言い間違えると、周りの家臣たちは目を丸くした。

431:満月(外伝)
07/04/16 21:50:12 Bm1ei4hG
目の前にどさっと武義の体が落とされる。

正直、とても嬉しかったが、今は何人もの家臣がこちらを見ている。

逸る気持ちを抑えながら、月は手を握ったり、顔を抱きしめたりした。

しかし、外山の影と呼ばれたものはそんなんじゃ納得できない。

「殿!! それで敵に勝つ気がございますか!

 ここは、某が手取り足取り・・・」

「わ・・わかった わかったよう」

羞恥で半分なみだ目になった月であったが、自分の気持ちに素直になることに決めた。

武義の太ももにまたがり、自分の陰部を上下にこすりつける。

お互い春物の服を着ていたが、気にならないぐらい気持ちよかった。

432:満月(外伝)
07/04/16 21:51:24 Bm1ei4hG
それでもまだ物足りなくなり、胸に顔をうずめ、抱きつく形にして、密着度を高くする

「んっ♪   んっ♪   んっ♪   んっ♪   んっ♪」

上下にゆれるリズムにあわせ、嬌声のメロディを奏でる。

全身で呼吸をしても、まだ酸素が足りない

「んっ♪  んっ♪ はふぅん んあ♪ ん♪ んあ♪んあ♪」、

テンポが乱れ始め、いよいよ絶頂へと翔る。

「んん♪んあ♪んん♪んん♪ぅんんあ♪んああああああああああぁぁぁぁぁっっっ」

頭が真っ白になり、すべての体重を武義にあずける。

「すばらしいですぞ!殿!!

 だが、もっとすばらしく、必勝の儀式もございます

 やはり某が手取り足取り・・・」

「うっせえ!この変態親父!!」

いつの間にか目が覚めていた武義は、ふところ刀を父に投げつける。

「ぐは!」

こうしてこの儀式?は終了した。

月が身をはって、がんばったにもかかわらず、今日の戦で敗れたのは言うまでも無い。



いままでエロがなかったので、パロディとしてつくりました
全作品が完成してからの方がよかったかなと、感じなくもないですが
早く投下したい!という気持ちに負けてしました 許してください
まだ、ストーリーが半分終わったとこなんで・・・
あと、全然二人きりになる場面がないですが、今が前振りと思ってください
長々とした駄文にもかかわらず、読んでくださっている方には感謝してます

433:名無しさん@ピンキー
07/04/16 21:58:36 SAFLIYq+
うはwwwwwwGJ!!!
おっさんワロタw

434:名無しさん@ピンキー
07/04/16 22:17:13 K8KKRX+D
本編とのギャップがwww

435:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:40:02 OHu/JYbY
筆頭家老何してんのwww

436:名無しさん@ピンキー
07/04/17 00:58:33 FbVk4TrZ
過疎

437:名無しさん@ピンキー
07/04/17 04:01:21 ZJvGm0Hg
あしたも仕事なのに何やってんだろ?

438:満月
07/04/17 04:02:05 ZJvGm0Hg
正攻法ではまず勝てない。

味方は150で、敵は2200。

いや青葉城からの投降者も合わせると、もっと数えるだろう。

こちら側が、十や二十の敵を仕留めても、何とかなるものでもない。

この日のために、いや、こんな日など来ない方がよかったが、

私とごく一部の配下が一年間かけて作ったものがある。

俗手ではあるが、落とし穴だ。 月様も知らないであろう。

若葉城を落とすには、

正門を叩き壊し、二の丸を通過し、本丸を制圧しなくてはならない。

本丸・二の丸の二つはちょうどひょうたんの様な形をしている。

私はこの二の丸に穴を掘った。

幅・三間(5m) 深さ・五間(9m)もある、

巨大といっていいほどの穴を、十の数作った。

439:満月
07/04/17 04:02:39 ZJvGm0Hg
あとは、既に落とし穴の中で待機させた者に、地を支える何本もの支柱を爆破してもらう。

落とし穴の中にはそれぞれ中に狭い間道があり、それは一箇所へと合流させる。

本丸にある疾うに穴の開いている落とし穴へだ。

ここで味方を助け出した後、矢の雨によって間道に逃げざるを得ない敵兵を、これまたこの合流地点で雨を降らせるわけだ。

うまくゆけば、二の丸にいる敵の半分がいなくなる。

間道の中に逃れ、倒しきるには難しいかもしれないが、五間もの落下衝撃で戦闘不能に陥るだろう。

それで十分。

最後に士気の著しく下がった残りの敵に総攻撃をかける。

父上には、二の次・三の次を考えろとよく言われたものだが、

これ只一つが失敗したら、後には何も残されていない。

いかにして、二の丸に敵を集めるかが、今回の焦点となろう。

ん もうすぐ軍議の時間だ

ぬかりはないか?

ぬかりはないか?

・・・よし!大丈夫だ。

440:満月
07/04/17 04:03:13 ZJvGm0Hg
月・武義・足軽小隊長・弓小隊長の若葉組  武忠、他数名の青葉組によって軍議は開催された。

だれも、なにも言わず、外山月の右手にいる者を見つめる。

ここにいる全てが、武義の采配に賭けていたことの証だった。

武義は、勢いづかせない程度に門のところで防衛した後、

本腰に、本丸と二の丸との間での守備作戦を唱えた。

青葉組には武義と知り合い程度でしかない家臣もいる。

父上が信頼しているのならば大丈夫かとも思ったが、

念には念をいれ、落とし穴作戦については語らず、代わりに

「面白いことが起こるかもしれません」とだけ言う。

「(今回も何か策があるのだろう)」

納得の顔・疑問の顔・信頼の顔、それぞれの表情があるが、

味方を欺いて、実績を上げてきたことのある武義に対し、

青葉組からも、とりあえず、文句は聞こえない。

「武義よ 兵の配置はどうするのだ?」

武忠が問う。

「松の櫓・竹の櫓に入れられるだけ弓兵を入れ、門のところには・・・・・・・・・・」

441:満月
07/04/17 04:03:47 ZJvGm0Hg
彦根父子の問答のやり取りを聞きながら、月は早く体を動かしたい気分になった。

武義の自信に満ちた受け答えがそうさせたのだろうか。

いや、武義の存在そのものがそうさせたのだろう。

つい先ほどまで、現実逃避や臆病風に吹かれていた月であったが、

今では、・・なんだかわからない そう 槍の一本でも振り回したくなるような気分なのだ。

あれだけ嫌っていた、敵の来襲すら待ち遠しい。

「(早く戦いたい!
 
 もし、武義がここで待っててねとか言ったら、武義の首はねてでも戦いに行くんだから!

 あー うそうそ いまのは無し!)」

武義は、そんな“武義の前で見せるいつもの”月の意向を熟知し、

青葉組と月を門に、若葉組を本丸と二の丸の境目に初期配置した。

半年前の月の初陣のときは、大将を、それも女の子を前線で戦わせたとして、

武義は非難を集めたが、前線における味方の士気高揚と、

彼女の異常とも言える身体能力と動体視力を身をもって知っているからでもあった。

「(どうせ、止めても聞かないですしね)」

ふー と溜息をつくと、天に祈るようにつぶやく。

「(矢があまり飛んでこないところで戦って欲しいのですが・・・)」

当主としてではなく親友として身を案じる、武義の願いだった。

442:満月
07/04/17 04:04:39 ZJvGm0Hg
青葉城の戦いは悲劇だった。

西の丸で防衛していると思ったら、本丸の方で白い煙が立ち上っている。

日の出の光かと思ったら違った。

御殿が炎に包まれているのだ。

そんなはずはない。

ここを通らなくては、本丸まで辿り着かないのだ。

最初は、不意打ちを受けた形で大門を突破されたが、

徐々に形勢を五分に戻し、西の丸攻略で敵は四苦八苦している。

しかし、また信じられないことが起きた。

本丸から、ときの声を上げて軍勢が流れ込んでくる。

あの旗は・・・・・・長野だ。

味方か? いや違う!

これは いわゆる

「裏切りかぁぁぁぁぁっっ!!!!!」

今までの疑問をすべて憎しみに代え、全力で吼える。

443:満月
07/04/17 04:05:16 ZJvGm0Hg
最近、長野家の使いの者が多かったのも合点がいった。

本丸からの間道を探していたのだ。

逆に入ってこられてはたまらない。

「大殿は! 大殿は御無事かぁ!!」

長野の雑兵が答える。

「一三郎はもう死ぬわ。ここの手柄はおまえの首じゃあ!」 

突撃してくる雑兵数人に、槍を薙刀のように使い振り払う。

「雑魚がぁぁぁ!!!」

すでに、全身血だらけの武忠は、また返り血で染まる。

「大殿ぉぉぉぉぉぉ!!!!  大殿ぉぉぉぉぉぉ!!!! 」

西の丸を放棄し、本丸へと猛進していった。

444:満月
07/04/17 04:05:52 ZJvGm0Hg
目が痛むほどの青空の中、桜の花びらが舞う。

ツバメ達がその空で優雅に踊り、遠くからコチドリの唄も聞こえてくる。

丘を登ると、はっきりと若葉城が見えた。

「ちいせぇー おいちいせぇよ なあおい」

「ここ落としたら、当分戦がなくなるなぁ。できるだけ功を立てるとするか」

「俺 俺。 俺がいるといつも勝ち戦になるぜぇ この俺様に感謝しろよ」

武士か?傭兵か?はたまた半農半士の者か?

この合戦に対する思い思いの感想を駄弁りあい、若葉の城へと歩を進める。

「知ってるか。ここの殿様は女の子だってな」

「女の子だぁ?なんで女が殿様になってるんだよぉ」

「青葉で親父が死んでからさ、跡取りがそいつしか残されていなかったらしい」

「難儀だなぁ 敵ながら同情しちまうぜ」

「お 女っていうと そ その可愛かったりするんだべか?」

「ばーか 何考えてんだよ おめえのその体で押しつぶす気か?」

445:満月
07/04/17 04:06:31 ZJvGm0Hg
「年はいくつぐらいなんだ?」

「あー 俺知ってる たしか次郎さんの娘ぐらいじゃないか」

「はーーっ まだ子供じゃーん 期待しちゃって損しちまったぜ」

「こ 子供でも ええんじゃないだべか?」

「馬鹿野郎 そしたら俺様の三間槍が入んねーじゃねーか」

「おめーのはつまようじじゃねーのかぁ?」

どっと笑いが起こる。

「この前の戦で見たけど、ありゃやべぇぜ 剣の腕は立つようだけど、押し倒したくなっちまうぐらい可愛い」

「へー 源さん風にいうとどんな感じなんだい?」

「いままで、数多くの女を見てきたが、俺のかみさんの次に可愛いと思った」

「おめーのかみさんどぶすじゃねーか 信用なんねー」

「まあそのとき判断して決めっぜ 良ければ‘一番槍’は俺がもらうからな」

「じゃあおれ 二番槍ー」

「三番槍ー」

「四番槍ー」

目的地にたどり着くまで兵士達は下品な会話を繰り返していた。

446:名無しさん@ピンキー
07/04/17 13:34:37 Fi1xhmw4
wktkすぎてワーク・テイカーというスタンドが生まれそうなんだが。

447:名無しさん@ピンキー
07/04/17 15:30:23 6mYJ0PkM
月タンどうなっちゃうの?
wktkwktk

448:名無しさん@ピンキー
07/04/17 17:31:21 FbVk4TrZ
俺が覗くときだけカキコすくない・・・

449:名無しさん@ピンキー
07/04/17 19:12:33 yw+ktEeu
w--kt---k

450:名無しさん@ピンキー
07/04/17 23:15:37 FbVk4TrZ
>>382がいまだに続きを書かない件

451:名無しさん@ピンキー
07/04/18 21:40:01 HN80RhRP
おいおいいつからこんなに人少なくなったんだ?

452:名無しさん@ピンキー
07/04/18 23:16:28 KGHKV1SN
>>451
だって、ここは「女の子と二人きりになってしまった」スレだから。

453:名無しさん@ピンキー
07/04/19 00:05:46 CkDlZPhI
誰がうまいこと(ry

そうだよな、不可抗力だよな…

454:382
07/04/19 23:27:39 byP7usEM
いや、ごめんな。
一回PC飛んだせいで原稿消えて
書いてるんだけど纏まらなくてな…もう少しまってくれ

455:名無しさん@ピンキー
07/04/20 00:35:05 siGbQbJF
こうして収集のつかない>>382の漂流が始まりましたとさ

456:名無しさん@ピンキー
07/04/20 04:46:13 tNjd7q2X
物語の終盤が近づき、もうすぐ二人っきりの世界になります。
(これがなきゃスレ違いだもんなぁ)

>>382さん
勝手なお願いですが、もう二日だけSSの投下待ってもらえますか?
今週末までにはなんとか・・

457:名無しさん@ピンキー
07/04/20 04:46:57 tNjd7q2X
櫓の上から、憎むべき長野の旗印が観えた。

その敵兵の行軍は、比喩などでは決してなく、地が振るえ唸っている。

武忠は、ちらりと隣にいる主の顔を見やる。

「(怖気づいては・・いないな)」

以前共に戦ったときは、草原の上で暴れまわっていた主君を頼もしく思った。

しかし今回は野戦ではなく、敗色濃厚の籠城戦だ。

武忠の気持ちを知ってか知らずか、月の表情は変わらない。

「(大殿の・・・子か)」

青葉では、慕っていた大殿を救うことができず、途轍もなく口惜しい思いをしたが、

せめて、この忘れ形見だけはもう失いたくない。

心の底から願う。

「(大殿・・・ どうか殿、月様を見守っていて下され )」

458:満月
07/04/20 04:47:41 tNjd7q2X
半里ほど遥か彼方に、敵勢が見下ろせた。

「(ここで少し防衛したら、本丸に戻る。)」

武義に言われた言葉を、心中繰り返す。

「(ん?)」

武忠が、私のことを見た気がした。

「(武義の・・・お父さん) 」

敵陣への視線を動かさずにして、気付かないふりをする。

「そろそろ・・・・・来ますぞ」

ここで初めて、武忠の方に振り向く。

法螺貝の音が遠くから聞こえた。

敵が喚声を上げて、突進してくる。

心臓がどきどきしてきた。

この高鳴りは、どうか高揚感であってほしい。

「来ますぞぉぉ!!!」

私もあわてて弓の準備をする。

「構えてー」

私の声に、櫓の者が弓を構える。

「弓を  構えろぉぉぉ!!!」

五十間先の櫓も弓矢を引きはじめた。

敵が目前に迫ってきた。

459:満月
07/04/20 04:48:45 tNjd7q2X
「戦が・・・始まったか」

「武義殿。この戦、勝てるのでありましょうか?」

「右に同じく、不安でござる」

本丸にて、武義・足軽小隊長・弓小隊長の三人が並んで戦況を眺める。

「大丈夫です。策が成功すれば、敵は必ず壊滅する」

不安がらせないよう、自信たっぷりに答える。

この外山軍の司令部に伝令が報告が来た。

「敵の先鋒は長野軍 ただいま力押しで攻めているところ、若様と武忠様による弓の斉射で防いでおります」

「了解した」

そんな情報など、ここからの眺めだけで一目瞭然だったが、

-若様と武忠様による弓の斉射で防いでおります-

この言葉に、月が乱戦の中で戦っているということを実感する。

「(大丈夫 月様は父上と同じぐらい御強い 私が不安がってどうする?)」

まだまだ戦は始まったばかり。

武義は司令官としての務めを果たさなければならなかった。

460:満月
07/04/20 04:49:32 tNjd7q2X
「撃てぃー!! 撃ちつくせー!! そこぉ!! 門に登らせるなぁ!!」

「あの櫓だ!! 火を放て! すぐだ 今すぐだぁ!!」

「うわあ  燃えてるぞ! その水たるで消火しろ!」

「構わん!! そんな暇あったら、撃てぃ!! ここにある矢、全て使うぞ!!」

「中に! とにかく城内に入れ!! そっちの空堀のほうにも散らばれー!!」

「入れさすなああぁぁ!!!!」

兵力にものを言わせの力攻めでは、激戦を極めることが多い。

「武忠! そろそろ頃合ではないの? 後ろの方だいぶ燃えてる!」

「そうですな あと二十、矢を射たら、退きましょうぞ」

「うん!」

優に百を超える数弓を引き、極度の疲労で腕が痛い。

「(みんなも! 同じなんだから!)」

「殿。しんがりは某が勤めます。炎に囲まれる前に、そこのつるを使ってお逃げくだされ」

「有無を言わさぬって顔だね。うん、分かった」

「新造!小平太! 殿をお連れしろ!」

「「はっ!」」

「武忠!気をつけてね!」

そう言い残し、櫓から降りていく。

「・・・ありがたきお言葉」

矢をもう一束手に取り、月に逃がす時間を作った。

461:満月
07/04/20 04:50:23 tNjd7q2X
「月様。御無事そうで何よりです」

「えへ~  がんばったよ」

武忠の顔を見てにぱっと笑う。

「次はここでたたかうんだよね?」

「はい この場で敵を迎え撃ち、二の丸を敵兵で埋め尽くします」

月は弓から槍へと武具を持ち替える。

休む時間もなく、武忠が長野の兵を引き連れる形で戻ってきた。

「武忠殿!援護するでござる!」

弓小隊長の合図で敵の足を止める。

「父上、大丈夫ですか?」

「わしを誰だと思ってるんじゃい」

そういいながら、柵を乗り越す。

「若様。武忠殿。ここは我々に任せ休息を取ってください」

足軽小隊長が手先を引き連れ、肉弾戦を挑みにいく。

この場には三人が残された。

462:満月
07/04/20 04:51:47 tNjd7q2X
「そろそろ言ってもいいよね 二の丸に何があるの?」

そう月が訊き、武忠もじっと見据えた。

「いくつか落とし穴を仕掛けました、罠にかかり士気を挫かせたところで、こちらから攻撃したいと思います」

武義が答える。

「その策は、成功するのか?」

「・・・父上。私を誰の子と考えておられるのですか?」

してやったり。そう言い返し、月もおかしそうに笑っている。

二の丸が、長野の旗で染まってきた。

「(そろそろ・・・!)」

早すぎても成果が落ちるし、遅すぎても味方の損害が増すだけ。

「軍太鼓を打て!」

ドーン! ドーン!

周りの空気が震える。

「(頼むっ!)」

地中から爆発音がし、ひとつ、またひとつと、大穴が開く。

敵兵は神隠しのように消えていった。

463:満月
07/04/20 04:53:04 tNjd7q2X
「うわあああ!!」

「ここはどこじゃあ!」

「おい!地面が抜けたぞ!」

阿鼻叫喚の図が出来上がった。

落とされたものは呻き声をあげ、残されたものは恐怖で顔が歪む。

味方すら何が起こったのかと一驚している。

「月様!突撃しましょう!」

月もそのさまにびっくりしていたが、

武義の言葉で正気を取り戻し、うなずく。

ここだ。ここが勝機だ。

「武義! 行くよ! 私から離れないでね!」

「はい!」

外山軍の反撃が始まった。

464:満月
07/04/20 04:54:13 tNjd7q2X
「うおおおおおお!!!」

「てやあああああ!!!」

統率の乱れた長野兵は、月・武忠を中心とする軍勢に次々と討たれてゆく。

音のように早く武忠が槍を振りまわせば、月も光のように速く敵を倒してゆく。

武義も敵に一槍浴びせようとするのだが、

前にいる二人の掃拭で無人の野を駆けるに等しい。

しかし、自分の起てた策が成功していくのを、ゆっくりと実感していった。

「(これほど上手くいくとは・・一番驚いているのはもしかしたら私かもしれないな)」

這いつくばってまで逃げようとする敵に対し、こう思った。

「これならいけそうだよ!」

勝利を確信したかのような顔で月が振り向いた。

「二度と、若葉を攻めようと思わせないぐらい、大打撃を与えましょう!」

「いっくよぉー!」

外山軍大優勢の中、二の丸を奪還していった。

465:満月
07/04/20 04:55:46 tNjd7q2X
「うわああ! 逃げろ!」

「とりあえず城から出ろお!」

混乱を極め、長野の兵はほうほうのていで陣まで戻ろうとした。

ところが、そこで見たものは信じられない光景だった。

「志藤だ!志藤の陣まで逃げ込め!」

「そうか ここの軍ならまだ無傷だ」

志藤の兵は鉄砲を構え、敵からの攻勢を防ごうとするように見えた。

ゴオオオン!!

轟音が響き渡る。

あれ?外山はもうすぐ近くまで来ているのか?

ゴオオオン!!

もう一度炸裂する。

友が血しぶきをあげた。

「お、おい 俺らは外山じゃねえよ!! 長野!! 長野!!」

表情一つ変えず、狙いを定めてゆく。

「おい 聴こえているのか! 俺らは長野だ 志藤に味方するものだ!!」

ゴオオオン!!

石につまづいた訳でもないのに、体が前のめりに倒れる。

何も理解することなく、長野の一兵卒は絶命した。

466:名無しさん@ピンキー
07/04/20 11:12:04 TAmZyBPR
wktkwktkwktkwktk

467:名無しさん@ピンキー
07/04/20 16:46:32 at5cDPJI
wktk
いつも早い時間ですが無理せずに頑張ってください

468:満月
07/04/21 23:58:40 NdVOa1E9
さも愉快そうに笑う男がいた。

「まさか外山が長野を討ってくれようとはな」

「はっ、怨敵・長野家もこれで壊滅でありましょう」

「彦根の倅にも驚いたわい。鮮やかな策じゃ」

間も無く、長野家当主の討ち死にの報が入ってきた。

配下と思われる人物も、目を細める。

「外山・長野を屠り、これで念願かなったりですな」

「わっはっは。外山はまだ屠っておらぬ。そちも気が早すぎるな」

もともと志藤は、長野を討ち取る算段だった。

意図せず計画が狂ってしまったが、

元気いっぱいの長野が滅びたことは、好事以外のなにものでもない。

若葉城の罠も外され、後は多勢で攻め入るだけだ。

「彦根親子の処遇はどういたしますか?二人とも近隣に名を馳せておりますが」

「武の武忠、智の武義といわれておったな・・・共に殺してかまわぬ」

「それは何故にでございましょうか?」

「捕らえても、わしの家臣になることは考えられぬ

 知らぬか?別の異名で‘忠義の彦根親子’と呼ばれておるぞ」

その配下は恐縮する。

「そろそろ、動くぞ」

志藤の当主は、采配を振りかざした。

「外山月・彦根親子の首を必ずや獲ってこい」

「はっ、かしこまりました」

469:満月
07/04/21 23:59:37 NdVOa1E9
「これは・・・どういうことなんだ?」

武義はつぶやく。

逃げまどう長野が志藤にやられている。

「(長野も・・・裏切られたのか

 いや、もともとこういう手筈だったかもしれない)」

まさか、このような展開になろうとは。

しかし指揮するものとして、どんな事態であれ次の行動を決めなくてはならない。

「月様!父上!追撃を中止します!」

城外に打って出ているものを、引き上げさせた。

武義の許に、月と武忠がやってくる

「武義、どうするの?」

月が訊いた。

今度は、志藤が攻めてくる。

門が破れ、櫓が燃え落ちたこの場所で戦うのは得策ではない。

かといって、本丸に戻るのも癪だ。

「(くそっ)」

先ほどまで勝ち戦だった。そのはずだった。

「・・・志藤がやってきたぞ」

武忠の言葉に遠くを眺めると、士気の高い軍勢が攻めてくるのが見える。

「武義、どうするの?」

もう一度訊く。先程より心細く聴こえた。

「・・・っ とりあえずここで迎え撃ちましょう」

すでに長くなっている月の影に目を落として、武義は答えた。

470:満月
07/04/22 00:00:54 NdVOa1E9
疲れを知らない志藤軍を相手に、早くも苦戦に陥っていた。

月と武忠の奮戦も、十倍もの違う兵の数に焼け石に水でしかない。

「おぬしの首、もらったああっ!!」

「ぐっ うるさーい!」

華麗に敵槍を捌くが、疲労の色は隠せないでいる。

「月様っっ!」

武義が援護する。

「武義!来ないで、怪我するよ!」

「そんなこと言ってはおれませぬ!」

槍が折れ、二人とも帯の刀に持ち替える。

「武義殿!そなたの首も貰いうける!」

「だめー! 絶対だめー!」

身を挺して、最愛の部下を護る。

「月様。いったんお下がりください。息が乱れております」

「だって、攻めてくるよお」

「でもも、だってもありません。後ろで一休みしてください」

武義は無理にでも主君を後方に下がらせた。

471:満月
07/04/22 00:01:49 KiMrbe6n
陽が沈む。

その夕焼けは、戦場をなお異世界の物へと変えている。

武忠は後ずさりの格好で息子の前まで近寄って訊く。

「武義、第二の策は?」

「・・・・・」

策などないのは分かっていた。

自分自身の決意を固めるために、そう聞いたかもしれない。

「二の次、三の次を考えろと言い聞かせたであろう」

「・・・申し訳・・・ございません」

武義が謝る。

「・・・その言葉は禁句だ。お前が謝っても、戦況は変わらない」

「・・・・・」

「殿に対しても、そう答えるのか? そう答えられ、殿はどのようなお気持ちになる」

「・・・・・」

想像し、胸が痛む。

「考えろ。お前ならばできるはずだ」

「・・・父上?」

「殿を救う方法を考えろといったのだ。そのためにわしは時間を稼ぐ」

「・・・!」

472:満月
07/04/22 00:02:35 KiMrbe6n
事を悟る。

「・・・わしの命は、大殿と共に散るべきだった

 大殿の娘と、武義、お前の成長が見られただけでも、存分に満足じゃ」

「・・・・・」

「ここはもう落ちる。本丸へ戻れ」

「・・なればっ! 父上も一緒に!!」

「この夕陽をわしの墓場と決めた。決めたことは覆さん」

「・・・・・」

「武義、殿を託すぞ」

武忠は、軍を撤退させる最後の合図を送った。

「ほれ、そこでお前を見つめているものがいるぞ」

「・・・・・」

「しっかりな・・・」

戦う相手が居なくなり、

敵兵はその場に残されていた武忠ただ一人に襲い掛かった。

473:満月
07/04/22 00:03:56 NdVOa1E9
本丸に戻る途中、声をかけた。

「武忠は大丈夫なの?」

「父上は・・・すぐに戻ると言っていました」

月も馬鹿ではない。

その言葉の意味を瞬時に理解する。

「そっか・・・」

また沈黙が支配する。

武義は父のこと、戦のこと、そして最悪の事態のとき月を逃がすこと。

いろいろなことを考えていた。

若葉城の周りは断崖絶壁。

猫一匹、逃げ出す場所は無い。

それゆえ、二の丸からしか攻め口の無い敵に、絶妙な罠が仕掛けられたが、

追い詰められると袋のねずみになる。

「(どうすればいいんだ)」

武義は、決して見つからない答えを探していた。

474:満月
07/04/22 00:05:39 NdVOa1E9
「武義……どうするの?」

蚊の鳴くような声で、今日何度目かの質問をする。

「・・・館に籠り、敵を迎え撃ちましょう」

本当は、自分の非を詫び月を抱きしめたかった。

父の声を思い出し、寸前で思いとどめる。

「もう……二十人、三十人しか残っていないよ」

「・・・・・」

かける言葉を捜す。

見つからなかった。

「武義……どうなるの?」

「・・・大丈夫です・・・月様が敵を倒せばいいのではありませんか」

「……そうだよね。私がやっつければいいよね」

悔しい。

配慮に欠けた言葉と、無力な自分にまったく情けなくなってくる。

敵がまたもや喚声を上げてやってくる

再び夢を見ることができたら、この音はとんでもない悪夢になるだろう。

「皆の衆を館へと集めさせます」

月の顔を見ることができなくなり、逃げ出すように集合をかけに行った。

475:満月
07/04/22 00:06:35 KiMrbe6n
武義はわたしの気持ちなんかぜんぜんわかっていないんだろう。

ほんとに何にもわかっていない。

死んだってかまわない。そばにいて欲しいだけなのに。

タッタッタッタ

足音が聞こえる。

こっちに来るのは誰? 武義? 

「若様! 武義様に大広間で戦うようにとの指示を受けました

 冥途の土産に今一度、‘月の舞’を見せてくだされ」

5人の兵士がやってきた。

ふんだ。

命が惜しいんなら、とっとと降参しちゃいなさい。

わっ。もう志藤の連中がやってきた。

武義が言ってた。

わたしがやっつけないと、何にも始まらない。

わたしがやっつけないと、何にも終わらない。

476:満月
07/04/22 00:08:49 KiMrbe6n
とっぷりと日が暮れ、松明もかざしていない。

そんな薄暗がりの中、月は闘っていた。

「ぐはあ!」

爆裂音と共に最後の従者が倒される。

「へっ これで5人目!」

月の周りには誰もいなくなった。

「お、おい。こいつって、やっぱり外山の殿様だべか?」

「紅い甲冑、その幼さ、そしてかわいらしい女の子。間違いなく 外山月 だな」

「ひょっはー! おれらついているなあ。これでたらふく飯がくえるぜえ!」

「待て、こいつ確か、かなりのツワモノじゃねーか?」

「そうだな、噂ではそう聞いている。だが・・・」

銃口を月に向ける。

「この人数なら、さすがに敵わねえだろう」

ある者は槍、ある者は刀を構える。

十数人を指揮し、足軽頭と思われる人物は鉄砲を手に持っていた。

「(ちくしょうっ!)」

怯えと悔しさが混ざり合い、言葉が出てこない。

「はやく首をとっちまおうぜ、大将!」

「首はいつでも取れるからなあ。んん?」

男は卑猥な笑みを浮かべていた。

477:名無しさん@ピンキー
07/04/22 00:40:07 RT2n/3x+
ここで待たされるのか…続きを…早くっ…!

478:名無しさん@ピンキー
07/04/22 00:56:45 KGM2HUEV
wktkがとまらない

479:名無しさん@ピンキー
07/04/22 01:06:34 ktfx85S5
うおお、ここで止まるのか……
生殺しだああああ

480:満月
07/04/22 05:31:34 KiMrbe6n
「まず武器を奪い取れ。そして鎧を脱がせろ」

「「おう」」

大将の意図を汲み取り、男たちはじりじりと詰め寄る。

多勢に無勢。

周りを囲まれ、応戦むなしく月は刀を奪われた。

「それ!組み伏せろ!」

月の倍近くの丈があろう男が、押し花のように圧し掛かる。

「ぐっ くぅ……」

力を振り絞っても、びくとも動かない。

「足を持て! そっちの足もだ!」

何人もの野獣が月に群がる。

部屋の暗さに、自分が何をされているのかわからない。

しかし男達の汗の臭いに、ものすごく嫌悪感を感じたことは理解できた。

「上衣を取れ!袴をひきちぎれ!」

あまりの恐怖に頭が働かなくなってきた。

「(武義…………助けて!!)」

481:満月
07/04/22 05:33:10 KiMrbe6n
戦える者は館へと呼びかけ、怪我している者には投降を勧めた。

敵衆は、既に本丸のあちらこちらに攻め入っている。

全ての目算が狂う。

「もう集める味方すらいない・・・」

ふと、父の声が聞こえてきた。

―武義、殿を託すぞ―

「(父上?)」

周りを見渡す。

当然だが、父の姿など無い。

「託された以上、守らなくてはな」

武義はそうつぶやくと、急に血の気が引いてきた。

ひどい胸騒ぎだった。

482:満月
07/04/22 05:33:56 KiMrbe6n
「(私は 何をしているんだ!)」

走った。

「(月様には私が附いてやらなければ)」

闇の中、月の姿を探す。

館まで戻ると、最早そこは敵の手に落ちていた。

「月様! 月様!」

外山の兵だと気づかれてしまうが、

そう叫ばずにはいられない。

「おーい まだ外山が残っていたぞお!!」

「こっちだあ! こっちだあ!」

館に逃げ込むようにして、振り切る。

「月様ああ!!」

喉が潰れるのも気にせず叫ぶ。

館の中を駆け回る。

「……たけよし……」

「・・・!」

聴きなれた声がする。

大広間の方だ。

武義は突入した。

483:満月
07/04/22 05:36:03 KiMrbe6n
いつもなら月が座る‘当主の座’と呼ばれるところに、男達が集っている。

その固まりの中で、苦しさに悶えながら自分の名を呼んでいた。

「うおおおおお゙お゙お゙お゙お゙!!」

何も考えない。

そこにいる‘モノ’を、切って 伐って 斬った。

「なんじゃあ!てめえ」

「このやろう!これでも喰ら・・うぎゃああ!」

「月様あ!!」

少女の手を取る。

ひどく脱力していた。

「月様! 逃げますよ!」

そう合図をかけると、手に少し力が入ったような気がした。

月を引っ張り、渡り廊下の方へ走る。

「一等首だぞ!その小娘を逃がすなあ!!」

暗闇であり、また館の構造を熟知していた武義は、

奥に、奥にと、逃げ延びることができた。

484:満月
07/04/22 05:36:56 KiMrbe6n
最奥である月の部屋までたどり着いた。

全速力で走ったので、呼吸が荒い。

「月様」

肩で息をしながら月の体を抱擁した。

甲冑は外されており、肌着一枚だった。

「……へへ 助けてくれると思ってた」

武義に抱き返す。

遠方から月を探す怒声が聞こえてきた。

その声量に比例して、抱きしめる力を強くする。

「いつまで、こうしていられるかな」

「・・・何処かに隠れましょうか」

できるだけ時間を引き延ばしたかった。

月が見上げる。

「そだね……私についてきて」

月も同じ気持ちだった。

二人は、敵に発見されないようこっそりと、あるところに向かった。

485:満月
07/04/22 05:38:49 KiMrbe6n
「月様。兵糧庫はすぐ見つかってしまいますよ」

「えへ まかせといて」

月はするすると柱を登り、抜け穴から天井裏へと消えていった。

「ほら 登ってきて」

武義は月と同じように天井裏へと移動する。

「少し、狭いですね」

「ぜいたく言わないの」

月は、逆に狭いことが嬉しそうに言う。

「まさか、このような場所があるなんて知りもしませんでした」

「私も落とし穴があるなんて知らなかったから、これでおあいこだね」

下には大量の食料がある。

この建物なら燃やされることもないだろう。

見つかりにくい上に、その点でも武義は安心する。

「みんな、いなくなっちゃったね」

月は身を寄せながらつぶやいた。

486:名無しさん@ピンキー
07/04/22 09:08:04 RT2n/3x+
つ…ついにふたりっきり…っ!wktkwktk!

487:名無しさん@ピンキー
07/04/22 12:06:55 KGM2HUEV
焦らすなああああああああああああああああああああああああ

488:満月
07/04/22 23:35:18 KiMrbe6n
何人かの駆け足が聞こえてきた。

月を背中から抱きしめながら、小声で確認する。

「月様。お静かに」

「うん」

まもなくして、敵兵が侵入してくる。

「・・・」

「………」

二人とも息を殺す。

「探せえ! 探せえ!」

兵糧庫の中を、隅々まで探索している。

全てをひっくり返した。米俵も麦袋も。

「・・・」

「………」

「どうだ、見つかったか?」

「いや、こっちにはいねえ」

「やっぱり武器庫の方か?」

「そっちはさっき探した。長屋の方に行ってみようぜ」

足音が遠ざかる。

「・・・」

「………」

「・・・」

「えへへ……どきどきした」

武義は何も聞こえなくなってからも

主を膝に乗せたまま、体勢をかえずにいた。

489:満月
07/04/22 23:36:09 KiMrbe6n
あれから時間が経った。

格子窓からは人も見えなくなったし、喧騒も聞こえない。

「(一旦、撤収させたな)」

敵を感じないということは、これほどまでに安心するものなのであろうか。

月の様子を見た。

月は、自分のおなかに巻かれた手をいじくって遊んでいる。

可愛らしいものだ。

心地良い首もとの匂いをかぎながら、武義は語り始めた。

「私の尊敬する人物の話をします」

沈黙が破られ、遊びをやめる。

「月様。楠木正成公をご存知ですか?」

「……えっと 名前なら聞いたことある。どんな人だっけ?」

「・・・今から200年ほど前、室町に政権が誕生する頃のお話しです

 彼は幾多の同士と共に、鎌倉幕府の打倒を狙っていました」

「うん」

490:満月
07/04/22 23:36:58 KiMrbe6n
「正成公はお強いです。城をいくつも落としていきました

 だけど、幕府も黙ってはおりません。

 反乱者として、鎮圧に向かいます。こうして戦況は膠着状態になりました」

「うん」

「数年たち、とうとう幕府側は本気で彼を倒そうとします

 彼の本城である千早の城に百万といわれる大軍勢を派遣します」

「百……万?」

「はい。それに対して正成公の軍は僅か一千

 勝敗の行方は誰の目にも明らかでした」

「………」

「千早城が難攻不落というわけではありません

 この若葉城と同じぐらいでしょうか

 しかし、正成公は数多の戦術を使い

 一ヶ月、二ヶ月、そして三ヶ月と幕府軍を翻弄します」

「………」

491:満月
07/04/22 23:37:54 KiMrbe6n
「この城は落とせぬとして、とうとう幕府軍は撤退しました

 こうして正成公は勝利します」

「………」

「同じ采配を振るう者として、私とはえらく違いますね」

少し自虐じみて言う。

「……そんなことないよ」

武義の温もりを感じながら、月は否定する。

「楠木正成より、ずーっと ずぅーっと立派だよ」

「・・・」

「武義は私のために、いろんな事がんばってくれたし

 うん。楠木正成より立派。私がそう決めたんだから」

「・・・」

「……なに?私の言うことが間違っているというの?」

「・・いえ・・・そうでは、そうではございません」

またさらに強く腕に力を込めた。

492:満月
07/04/22 23:38:47 KiMrbe6n
時間が流れる。

武義はまだ眠っていないようだ。

愛する人に抱きしめられ、火照る体が夜風に冷やされて気持ちいい。

「武義……起きてる?」

「はい」

声が聴きたくて、質問してみた。

「武義……あのね……」

「はい」

「……私、子供が欲しかった」

「・・・」

「私の子供にね、剣の練習させるの」

「・・・」

「そしてうんと強くなって、武義なんか簡単にやっつけちゃうんだから」

「・・そうですね」

「もちろん、政治や文学も学ばせるよ」

「・・・」

「……そのときは、武義が教えてあげてね」

「・・・・はい わかりました」

「あとね……あとね……」

「・・・」

胸が締め付けられ、目頭が熱くなる。

そんな武義は、自分でも信じられない言葉を発した。


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