【不可抗力】女の子と二人きりになってしまったat EROPARO
【不可抗力】女の子と二人きりになってしまった - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
06/07/25 22:02:40 uXKdbyI1


3:名無しさん@ピンキー
06/07/25 22:08:43 JUlivjKz
二人きり阻止3げと

4:名無しさん@ピンキー
06/07/25 23:03:16 zF8ZRfB/
期待

5:雪山編1
06/07/25 23:54:57 LbZNvTYK
 「・・・いつ助けが来るか分からないし・・・どうしよう・・・」
 「う、うん。とりあえず体力を消耗するようなことは避けないと」

不安そうな顔。横顔はまだ幼さの抜けない少女だ。
泣いていたのか、目が腫れているように見える・・・。

しかし、一緒に不安がっていても仕方がない。
彼は何か使えるものはないか荷物の確認する。
もしもの時のために背負っていた小さなリュックに
いくつか食糧と携帯電話を入れてあるが・・・

 「そうだ・・・何か食べ物は持ってる?」
 「何も無いです・・・・・・あ、ポケットに飴があります」
 「飴か・・・俺の食糧を二人で分けようか。」
 「えっ、良いんですか?」
 「良いよ、こんな状況だし。ただし食べるのは少しずつだけど・・・我慢できる?」
 「はい・・・ありがとうございます」

頼みは、この仄暗い洞窟と少ない食糧、防寒具。あとは救助を待つしかない。
気付けば辺りは暗くなっていた。吹雪が治まる様子もない。
最初二人きりになった時は、変に緊張していたが、
今は「二人体を寄せ合って」なんて気分にもなれない。
沈黙の合間、吹雪の音だけが虚しく耳に響く。

 「え・・っと・・・君は、いつからこの洞窟にいるの?」
 「え?あ・・・はい、今日です。家族とスキーに来てたんですけど・・・雪崩がきて・・・」

沈黙に耐え切れず男の方から会話を切り出してみたが、
状況が状況だけに、やはり明るい話題とはいかない。

6:雪山編2
06/07/25 23:55:44 LbZNvTYK
 「目が覚めたら・・・どこにいるのかさっぱりで・・・・・・・・・えっと」
 「そっか・・やっぱりあの雪崩か・・・。俺もそうだよ。友達とスノボに来てて・・・
  正直死んだと思ったけど・・・意識が戻ったら一面足跡一つない銀世界さ。
  ・・・あ、友達って大学の奴らなんだけど・・・君は?高校生?」
 「中学生・・・中2です。・・・何歳ですか?」
 「(も・・・もっと下でしたか)お・・・俺は19だよ。そ・・それでさ
  必死で歩き回ってたらこの洞窟見つけて・・・で、中に入ってみたら君がいて」

少し焦ってしまったが・・・やはり冷静になろうとしているつもりでも、
正直この先どうなるか分からない状況下では、口も上手く回らない。

 「私もそうです・・・。もう一人でいる時は泣いてるだけで・・・誰か助けに来ないかって・・・」
 「そっか・・・俺が救助隊員だったら良かったけどね・・・」
 「あ・・・ごめんなさい・・・そんなつもりじゃ」
 「えっ?い、いや謝ることないよ!嫌味とかじゃないから・・・ごめん変な事言って・・・」

どちらも“そのつもり”じゃなかったのだが・・・
わずかな希望しかないこの過酷な状況で、
慣れない初対面同士の男女の会話が盛り上がるというのも珍しいが。

 「・・・・・・」
 「・・・・・・」

 (あーあ・・・俺って女と話すとすぐこうなるんだよなぁ・・・はぁ・・・。
  19にもなって、中2の子供とすらまともに会話できないなんてな・・・・・・)

会話のミスなど今の状況においては大したことじゃないが。
少女は下を向いて黙ってしまい当分目も合わせづらくなってしまい、
大学生は小さく溜息をついて遠い目をして洞窟の出口を見つめるしかなかった。

7:名無しさん@ピンキー
06/07/26 00:06:43 y9G2TqFE
期待あげ

もしかしたらサバイバルの知識も期待できるかもしれない

8:名無しさん@ピンキー
06/07/26 01:06:18 aRHCIPc3
>>7
雪山は経験ありますが、サバイバルまではしたことがないのでそっちの知識はネットで拾える程度です…('A`)
リアリティ志向の方には萎える内容かもしれません。せめて濡れ場だけでも上手く書けるよう頑張ります。

9:名無しさん@ピンキー
06/07/26 01:51:46 aRHCIPc3
 「ん・・・・何時だろ」

遭難2日目の朝を迎える。先に男が目覚めた。
幸い洞窟の中で、何とか厚着して睡眠をとることはできた。
極寒には変わりないが、外で寝るよりは幾億倍マシだ。
あの雪崩から脱出し、目が覚め、洞窟を見つけられたこと自体が奇跡なのだから。

腕時計は午前6時41分。
普段は携帯が時計代わりで全くつけない腕時計だが、
雪山ということでたまたま身につけていた。
こんな時は携帯電話などより余程ありがたい。

 「よし・・・ちょっと外見てみるか・・・・・・いててて」

重たい体を起こそうとした瞬間、全身を激痛が襲う。

 「昨日の晩は気にならなかったけど・・・色んなとこ痛めてるな。・・・スノボ中もかなりコケたっけな」

一晩休んでから痛みに気付くのは騙された気分だが
今は“痛みに気付く”ことができるだけでも嬉しい。
ついでに自分以外の吐息が聞こえることにも気付く。

 「・・・そうか。もう一人いたよな。・・・っと」

少女を起こさぬように近寄る。
別に起こしてもいいが何となく寝かせておこうと思った。

 「・・・・すぅ・・・すぅ・・・」
 「・・・こっちも無事」

生存を確認し、その後とりあえず洞窟の外へ
吹雪も夜中よりは治まり視界もかなり回復した。
山の地形を確認して自分の位置を把握しないといけない。

出口から前方100mは傾斜の弱い平地。
右手の方向を眺めると登りの傾斜が伸びる。
左手から真正面に向かって降り。

10:名無しさん@ピンキー
06/07/26 01:54:32 aRHCIPc3
 「雪はパラつき程度・・・それでも遠くになると見えにくいな。
  リフトでかなり上の方まで来てたし・・・大学の奴らは無事なのかな」

地図も磁石も無し。とりあえず降って確認することに・・・。
しかし、洞窟が遠ざかれば遠ざかるほど不安が大きくなる。
下山はもちろんしたいが、洞窟を離れたくないのも本音だ。
一歩一歩寒さと恐怖に堪えながら先へ進む。

 (何メートル流されたんだろう。必死で雪の外へ出ようともがいて・・・鼻と口の中は雪だらけで。
  流れが止まってからはコンクリ状態。でも必死で。だけど呼吸が続かなくって意識が・・・)

記憶を辿っていくとますます寒気がする。
何度と無く洞窟の位置を確かめるために振り返り、恐怖を抑える。

 「よく目ェ覚めたな。悪運強いのかな・・・・・あっ」

数百メートル歩いたあたりから、傾斜が徐々にきつくなり、
新雪が多くなり足の半分以上が雪に埋まる。
それでも無理をして進んだ、その先だった。
道が無い。
ボードでも歩行でも厳しい急斜面が大きく横たわる。

 「ここに流されてたら・・・洞窟にも辿りつけて無いな・・・」

さらにその先、普通に降るのは不可能だと判断し、洞窟へ引き返すことにした。

11:雪山編5
06/07/26 04:24:37 aRHCIPc3
ラッセル(深雪を踏み固めながら進むこと)をせずに深雪の上を歩いてきたので
吹雪が弱い内に帰らないと、また数時間ほどで道が消えてしまう。
そうなったら再度遭難だ。吹雪もいつまた強くなるか分からない。

 「登りも雪が深いな・・・・・・これを登れるか?・・・いや俺とあの子だけじゃまともに進めるかどうか」

ラッセルは体力が要る。
大の男が二人でやれば進めないこともないが、少女と二人じゃとても・・・
最悪洞窟へ引き返す体力を残すことを考えたら、あまり進めないだろう。

一人であれこれ考えながら歩いている内に洞窟が見えてきた。
入口のあたりで人影が見える。

 「・・あれ?・・・あ・・」

少女だ。一人できょろきょろしている。
腕時計を見ると8時手前。起きていてもおかしくない。

 「ちょ・・・おーい!何やってんの?」
 「・・・!」

洞窟前に到着。少女が小走りで近寄ってくる。

 「え・・」
 「うう・・・・うっ・・・どこ行ってたんですかぁ・・・・」

泣いている。今度はどう見ても泣いている。
顔はくしゃくしゃだ。ずーっと入口の前で泣いていたらしい

 「あああ・・・いやいや、その・・・・地形をなっ」
 「目が覚めたら・・・いないし・・・・・・置いてかれたかと・・・ふぇっ・・・えぐ・・・」
 「ああああああごめんごめんごめんマジでごめん・・・置いていったりなんかしないって!」
 「ひっく・・・ひっく・・・・・・・」
 「と、とりあえずさ、、、中入って・・・ほら、吹雪いてきたし・・・・・」

12:雪山編6
06/07/26 04:27:38 aRHCIPc3
中に入って、とりあえず腰を落とし一息。
その後少女にタオルを手渡した。

 「これ・・・顔拭きなよ・・・昨日から使ってるけど」
 「・・・うん」

落ち着いてる素振りは見せるが、内心はかなり不安である。
少々進んだぐらいでは深雪に囲まれた尾根は渡り切れそうもない。
スキー中に遭難したので、テントなどビバークの用意も当然無い。荷物が手薄すぎる。

 「・・・」
 「・・・・・・下山・・・できますか?」
 「・・・普通に降れば斜面がきつくて、沢もあるかも・・・あれ以上は無理だった」
 「・・・」
 「雪崩で流されてるけど・・・昼間見た限りじゃ、たぶん、尾根からそう遠くないと思う」
 「・・・・・・」
 「でも・・・この辺一体かなり雪が深い。装備も手薄だし・・・天候が悪いままだと、登りも相当厳しい」

雪崩に遭い、洞窟に避難して一晩。精神的にも肉体的にもかなり参っている。
少女の方はとっくに限界だ。
男も何とかなだめてはいるが、この寒さ、疲れも抜けない上に天候が悪い。
これでは捜索隊のヘリも飛ばせないだろう。携帯も電波が入らない。

 「・・・・・・」
 「・・・捜索願は出てるだろうし・・・だからもうこれ以上動かない方がいいよ」




――午後15時を過ぎた。

洞窟で少しばかりの食事を摂り休養。
14時半あたりを過ぎてから更に吹雪が強くなってきた。
捜索隊が近くに来ている様子もない。
このままではもう一晩この洞窟で過ごすことになりそうだ。

 「・・・・・・落ち着いて・・・ますね」
 「え?・・・いや・・・そんなことないよ。ビビんの堪えようと必死だよ」
 「・・・そうなんですか?」

13:雪山編7
06/07/26 04:48:32 aRHCIPc3
次第に会話も無くなり始め、遭難2日目の夜を迎えた。
明かりのないこの洞窟では、闇は自分の姿を塗りつぶし、
吹雪の音には自分の心そのものをかき消されてしまいそうだ。
こんなにも怖く長い夜は無い。洞窟が地獄への入り口にさえ思えてくる。

 「・・・・・・」
 「・・大丈夫?寒くない?」
 「・・・・・・」
 「・・・?・・・おい?」
 「・・・・・・」
 「・・・!ちょっと!おい!?」

返事がない。
真っ暗で何も見えない中、男は少女のいた方向へ飛び掛った。

 「・・・んっ・・・はい」
 「・・・!あっ・・・良かった・・・大丈夫?」
 「・・・・・・」
 「・・・?うわっ・・・めちゃくちゃ冷たいぞ」

触れたのは少女の頬。
寒さでかじんだ自分の手で触れても、少女の体温の低さに気付かされる。

 「寒いんだろ!?」
 「・・・は・・・・はい」
 「何で言わないんだよ!」

リュックから懐中電灯を取り出し、少女を照らす。
顔色が昼間よりも青白く見える。そして少女の“服装”に気付く。

 「・・・ジャケットの下・・・フリースと・・・下着だけ?」
 「雪崩に遭う前に・・・スキーで汗かいてて、脱いでて・・・」
 「・・・もっと早く・・言わなきゃ」

子供のしてる事・・・少女なりに年上への遠慮もあったのだろう。本気で怒っても仕方ない。
今まで気付けなかった自分もどうかしてる、と男は自責の念に駆られた。

14:雪山編8
06/07/26 04:54:18 aRHCIPc3
男はすぐさま自分の着ている上着で少女を覆い、
二枚重ねのズボンの一枚も彼女に履かせた。

 「まだ寒い?」
 「・・・」
 「言わないと分かんないよ」
 「・・・・・寒いです」
 「・・・」

 (うう・・・あ、あの手しかないのか。俺もこれ以上脱ぐわけにいかないし)

男は少女の抱き寄せ、体全体を使って温め始めた。

 「・・・!」
 「ご、ごめん・・・ちょっと我慢して。服の上から触れるだけだから」
 「・・・・・」

抱き寄せて腕でさすったりしながら、少女の手袋も外してみる。
指に紅斑が生じ、しもやけになっていた。

 (ここまでやってんだ、もう遠慮なんてしない)

少女の手を自分の手で握り込み、
スキー靴を脱がせて、少女の足の先を自分の膝の裏に挟みこんだり、
足でさすったり・・・幸い身長差もあって何とか体勢的にも可能だったが、
両足同時にはできそうにないので、これを交互に行う。

 (うあああ・・・めっちゃくちゃ良い匂い・・じゃねぇ!)
 「こ、こんなことしてるけど・・・俺絶対変なことはしないから」
 「・・・・・・」

何か矛盾しているような、そうでないような。
男は夜通し少女の介抱に付き合った。
息遣いが伝わるほどの距離。自分もかなり温まってきた。

 (最初からこうすれば良かったのか・・・?いやもういい・・・。今はどうでもいい)

15:名無しさん@ピンキー
06/07/26 20:29:43 46yMdafk
おい待て
なに止まってるんだ

16:名無しさん@ピンキー
06/07/27 01:21:46 8xXI3vy4
何げに本格的
wktkしながら待ってます

17:名無しさん@ピンキー
06/07/27 22:03:41 0lqL/dIo
救援物資sage

18:名無しさん@ピンキー
06/07/28 02:43:28 WBPk6TKw
期待

19:名無しさん@ピンキー
06/07/30 00:08:19 O/WvUQxH
翌日、翌々日・・・
吹雪が治まる気配は一向に無く、少女はとうとう発熱を起こした。
ヘリの音をひたすら待ちながら、男は懸命に介抱した。

食糧は少女の分を多めに、自分は少しだけ食べるようにしたが・・・
元々持っていたストックが少ないためにほとんど底を尽きかけていた。

遭難4日目の夜。
再び強く吹雪始め、寒さは限界にまで達した。
少女を介抱しながら意識があるのを何度も入念に確認し、
男も自分の意識が朦朧とし、度々飛びそうになるのを必死で堪えたが・・・。

いつのまにか意識は途切れていた。

死ぬ恐怖
死ぬことに気付けない恐怖
意識が薄れていく恐怖
意識を失う瞬間が分からない恐怖

これで二度と目覚めないんじゃないか・・・?
震えていたのも、そんな事を思う余裕があった内だけだ。
もはや震えすらも止まっていた。

20:雪山編10
06/07/30 00:10:05 O/WvUQxH
 「・・・・・・うっ」

朝。重い瞼を開けると・・・前日までと少し変わった景色があった。
太陽が顔を出し空は明るい。吹雪は若干弱まっている。
うなされていたわけじゃないが、当然気持ちの良い寝起きでもなかった。
頭がボーッとして重たい。

 「・・・“目覚められた”・・・か」

時計は7時18分。
時間を確認し、重たい体を起こす。
まともな食事も摂れず洞窟で4泊。
体の感覚が鈍く、手先がまともに動かない。

 「・・・・あ・・・あの子は・・・」

少女がいない事に気付く。
昨晩は夜を徹して介抱していたが、そのまま眠ってしまったようだ。
体には少女の着ていたスキージャケットが掛けられていた。

 「あの子が着てた・・・これ脱いで一体どこに?・・・あれ?」

一抹の不安が過ぎり洞窟の外に目をやると、人が立っている。
少女だ。男は重たい体を前に押し出すように洞窟の外へ。

 「・・・お・・おはよう・・・もう大丈夫か?」
 「あ・・・はい。おはよう・・ございます」
 「・・何してんの?」
 「明るくなってきたんで・・・ヘリが来たら見つけてもらえるように・・・」
 「そ・・・そうか、フリースが赤だもんな。ジャケット脱いだのはそういうわけか」
 「あ、ジャケットは違います・・」
 「え・・・?」

一瞬「どういうこと?」と聞こうとしたが・・・
勘の鈍い大学生でも、さすがにその先は色々思考して聞くのをやめた。

21:雪山編11
06/07/30 00:10:40 O/WvUQxH
 「・・・・・」
 「・・ごめんなさい。迷惑かけちゃって」
 「・・・い、いや・・。俺も・・・悪い・・その」
 「・・あ、いいです、大丈夫ですよ。分かってますから」
 「う・・・うん」

目がかすむ。喉もおかしい。
少女の方を見てはいるが、“見れていない”ような感覚・・・。

 「・・大丈夫ですか?声が・・・」
 「ん?・・・・・・ああ・・・大丈夫・・・」
 「・・・私の・・・」
 「い、いやそうじゃない。関係ないよ。」

実は少女の方も食事はほとんど摂れておらず・・・熱もまだ引いてはいない。
介抱でぎりぎり生命を維持できたこと以外に特別回復に向かう要素もなかった。
火も起こせない現状では明晩・・・今晩が限界だろう。
この寒さでまた吹雪いてくれば何度も夜を越せるものではない。

 「顔色も・・・あ・・すごい熱・・・!」
 「・・い、いいよ。それより今ならヘリが来れば見つけてもらえる」
 「いいです、まだ時間はあります。洞窟の中へ・・・」
 「ダ・・メだ。山の天気はすぐに・・・変わる。しかも山の上の方だ。立っているんだ。
  フリースの方を手に持って、俺のジャケットを貸すから、二枚重ね着して・・」
 「食糧・・・まだありますよね。とりあえず食べてください」
 「いいから!」
 「ダメです!」
 「・・・ッ」

少女に気圧され肩を借りて再び洞窟へ

 「横に寝て・・・・・スナックが少し残ってます」
 「・・・いいよ・・・君が食べなよ」
 「食べてください」

22:雪山編12
06/07/30 00:17:00 O/WvUQxH
少女の言葉ももう聞こえているような聞こえていないような・・・
そんな最中、無意識に彼女の額に手を当てていた。

 「・・・熱・・まだあるな・・・頭痛は?」
 「今は・・そんなこといいです」
 「天候が良い今の内・・体が動く内だ。外にいるんだ。俺は大丈夫・・・」
 「喋れるのなら・・食べてください」
 「いいって・・・どっちかが外にいなくちゃ・・」
 「外にも出ます。だから食べてください」

少女の方も食い下がる。
男が意地になってるのだが、少女の方とて介抱してくれた恩を忘れはしない。

 「・・・それは君に残してた分だし・・」
 「ていうか・・・食べてないですよね?二人で食べたにしては減ってないです・・」
 「・・・食べたよ。けど君は熱出してたんだ。余分に摂らなきゃこの二晩持たなかったはずだろ」
 「・・・」

少女が一瞬辛そうな顔をした瞬間
男の胸に寄りかかってきた

 「・・・・・・」
 「・・・ごめんなさい。ごめん・・・」
 「・・・いいって・・そんな事より・・・さあ」
 「私たち・・・もうダメです・・・。今日こんな状態で吹雪いたら・・・もう・・・」

少女が泣き崩れるようにして呟いた時、男もどうしようもない感覚に見舞われた。
最期になる。少女へかける言葉は“最期の後”の話だった。

 「・・・もしもの時は・・・俺の服は君が着ろ。あと・・・ポケットにライターがある。
  の・・・残ったリュックや余った服を燃やして火を・・・何だったら俺の体ごと焼いていい」
 「・・・っ!!そんなこと・・できません・・・」
 「・・気持ち悪いとか・・・この際考えちゃだめだ。どうせ死体だ。
  二人して死ぬより・・・片方の死体をどうにか活用して生き残るぐらいしないと・・・」
 「やめてください!そんな話聞きたくないです」
 「・・・・・・」

23:雪山編13
06/07/30 03:40:38 O/WvUQxH
少女が寄りかかったまま暫し沈黙
男は意識が朦朧としたまま少女に体を預けるように遠い目をしている・・・が
・・・少しでもいい、何か話しておきたかった。
舌が痺れ、喋るのも辛くなってきて尚、何か話さずにはいられなくなっていた。

 「あのさ・・・好きな子いるの?・・・彼氏とかさ」
 「・・・え?」
 「いや・・・俺・・・勝手にべたべた触ってたし・・・恋人いるなら悪いな・・って」
 「・・・・・・中学の・・・同級生・・・片思いですけど」
 「そっかー・・・ごめん」
 「お兄さんは?彼女とか・・・」
 「はは・・・いないな・・・いたら彼女とここ来てるよ」

他愛ない会話だが、実は最初に顔を合わせた遭難当日の夜以来。
この余裕も空元気か。もう半分吹っ切れてしまった。

 「・・・触ったの・・・気にしてないですから・・・そのつもりじゃなかったんでしょ?」
 「え・・・?・・・んー・・どーかな」
 「へ・・変な気持ちあったんですか?」
 「あ・・・・いや、介抱は真剣だったよ。でも・・・悪いなーって思いながら・・・
  胸の高揚を抑えてたのも事実かな・・・。馬鹿だろ?・・・意識しちゃってさ」
 「・・・意識?」
 「・・・えっ・・あ・・っ・・・・・・意識ってのは・・・その・・・」

この期に及んで何だか妙に胸が高まってきた。
距離が近すぎるのか。意識が朦朧としていて既に正気じゃないのか。
いや、距離が近いのは最初からそうだ。
介抱中などずっと付きっきりだった。
近づいているのは違う・・・別の“距離”だ。

24:雪山編14
06/07/30 21:22:19 O/WvUQxH
 「俺たちさ・・・その・・・雪崩に遭って・・・一度意識を失って・・・」
 「・・・・・」
 「気付いたら・・・・雪崩の外にいて・・・・それだけでも奇跡なのに
  歩き回ってたら・・・・・・洞窟に辿り着いて・・・全部一緒だよな・・・」
 「あの・・・」
 「同じような・・・目に遭っていて・・・同じように辿り着いて・・・」
 「喋るの辛くないですか・・・?舌が麻痺してるんじゃ・・・」
 「・・・・・・寒いからな・・・舌も・・・・・・」
 「・・・・・・」
 「まあ・・・それでもそんなすぐには死なないよ・・・大丈夫だから・・・早く外に・・・」

男は軽く微笑んで外へ出るように促した。
少女は俯いてぽつりと呟く。

 「嫌です・・・」
 「・・・え?」
 「また・・最初の朝みたいに・・・一人で勝手に行くんですか?・・・そんなの嫌です」
 「・・・(結局帰ってきたんだけどな)・・・一人だけでも」
 「一人でも生き延びろって言うなら・・・私を捨てて一人で生き延びれば良かったじゃないですか。
  何で私を助けたんですか?一人で・・・なんて・・・そんなの・・・ずるいです・・・。」

答えにくそうな表情をし、少し落ち着こうと一息。
「何でって・・・」と心の中で思いつつ・・・
最初に比べると少女の口数も増えたものだなと振り返る。
男にとっては、この状況で変に警戒されるのも厄介だし
微妙な距離感を意識して接していたつもりなのだ。

 「・・・じゃあ・・・そばに」
 「え?」
 「このまま・・・」
 「・・このまま?」

意識なんてする必要はなかったのかもしれない。
そもそも遭難した男女が雪山の洞窟で二人という状況が
計らずとも距離を詰めさせてしまうのだから。

 「俺と・・いて・・・ここに」

25:名無しさん@ピンキー
06/08/01 03:24:16 sCFl5xYv
期待sage

26:名無しさん@ピンキー
06/08/02 02:25:43 1IUgyeJ3
期待age

27:名無しさん@ピンキー
06/08/02 03:21:41 qsTqvUsk
これは期待
正直エロなしでもいい
続きwktk

28:名無しさん@ピンキー
06/08/02 04:31:51 8etBLONn
大いに期待

29:名無しさん@ピンキー
06/08/03 01:11:08 FG8tvuLu
何気に覗いたスレで神ハケーン!!
確かにエロなしでもいい。
二人とも無事であって欲しい!

30:名無しさん@ピンキー
06/08/07 01:34:56 TbBS3ToY
寧ろエロなしの方がいいと思った。
二人ともその体調でセクースしたら逝ってしまいしそう

31:雪山編15
06/08/07 05:16:58 ThTp4Apl
痺れて動きの鈍い舌で途切れ途切れではあるが確かにそう言った。
「寂しいから一緒に」とは大の男が言うのは何とも照れくさく・・・
ましてやこの状況で男の方がそんな頼りない言葉を発していいものか・・・
ずっと自問自答しながら、彼女の前では気丈に振舞ってきた。

 「・・・寒いですか?」
 「・・・」
 「言わないと分からない・・・って誰かに言われたんだけどな」
 「・・・寒い」

 (・・・顔近いな)

寒い。寒さで意識が飛びそうだ。
少女と密着している。体温が伝わってくる。
もっと温もりが欲しい。

 「・・?え・・・・・」
 「・・・」

男は少女の額に優しくキスをした。

 「・・・っ・・・ん」

 (きっと本能だ。本能のせいだ。)

 「寒い・・・寒いよ・・・・・・」

衰弱した男の声にならない声が少女の耳元に響いた。

「雄は弱った時に性欲が高まる」という話があるが。
この場合は「寒いから温もりを求める」のか「性欲が高まってる」のか・・・どちらだろう。

 「ん・・・・・・」
 「・・・ん・・・」

32:雪山編16
06/08/07 05:20:50 ThTp4Apl
唇が重なる。
男に抵抗する気も起きなかったこと、少女はそれを不思議に思った。

男女が二人きりになった時、遅かれ早かれ性の意識は当然生まれる。
これは男も女もそうだ。ただし女は男以上のリスクがある。

この場合、男がまともでなければ・・・いやまともであっても
絶望した末に気が触れ、強姦され、果てには殺され・・・
洞窟に男が現れた瞬間は、十分にその危険を感じた。

今の衰弱した彼であれば、突き放そうと思えば出来ないことも無い。
ただ・・・この壮絶な数日間を共に経ることで、
二人の間の溝が埋まっていったのは確かで・・・

いや・・・少女にとっては、まるでそんな努力は徒労だったかのような穏やかな表情だ。
少女はとっくの前に見抜いていたのかもしれない。男の全てを。

 (・・・・・・大丈夫)

 「ん・・・あ・・・・・・ごめんっ・・・俺」
 「・・・温まり・・・・・・ましたか」
 「え・・・」
 「・・・口の中・・・」
 「・・・・・・い・・・・・・・いや・・・・もう・・・少し」
 「・・・・・・ん」

33:雪山編17
06/08/07 05:24:10 ThTp4Apl
唇が再び重なり合ったとき、
男の中では
降り積もった雪が溶けて
温水になって流れて出ていくような・・・
そんな不思議な感覚に見舞われた。
胸の高揚感が全身にまで行き渡り、
満足に動かせない舌は必死に、少女の熱を求めていた。

 「・・・・・・聞こえる」
 「・・・?ヘリの音・・・ですか?」
 「いや・・・鼓動・・・胸の」

待ち遠しいヘリの音よりも、やかましく聞こえる。
だけど・・・とても心地良い音だった。

意識が遠のいていく・・・
少女の胸の中に埋まるようにして、彼女の鼓動と温もりを感じながら・・・
しかしそれは・・・過去数日のような嫌な感じのものではなかった。

 (・・・・・・・・・・)






34:雪山編17(訂正)
06/08/07 05:32:10 ThTp4Apl
唇が再び重なり合ったとき、
男の中では
降り積もった雪が溶けて
温水になって流れて出ていくような・・・
そんな不思議な感覚に見舞われた。
胸の高揚感が全身にまで行き渡り、
満足に動かせない舌は必死に、少女の熱を求めていた。

 「・・・・・・聞こえる」
 「・・・?ヘリの音・・・ですか?」
 「いや・・・鼓動・・・胸の」

待ち遠しいヘリの音よりも、やかましく聞こえる。
だけど・・・とても心地良い音だった。

意識が遠のいていく・・・
しかしそれは、過去数日のような嫌な感じのものではなかった。
少女の胸の中に埋まるようにして
彼女の鼓動と温もりを感じながら
まるで体の内と外の全てが何かに包まれていくような・・・

 (・・・・・・・・・・)






35:名無しさん@ピンキー
06/08/07 18:11:37 cir1PAMC
続きキテルー!

36:名無しさん@ピンキー
06/08/08 04:41:54 CyMQHVWK
なんか年甲斐もなくドキドキしてきた

37:名無しさん@ピンキー
06/08/10 04:09:40 mqR7/FSh
超GJ!!!!!

38:セクース
06/08/10 08:51:09 yPVss3fR
馬鹿

39:新堂
06/08/10 23:49:25 P5NOitqu
ああ続きが待ち遠しい!
やっべ俺ラストで泣くかも

40:名無しさん@ピンキー
06/08/11 21:02:30 5z8QN/Fk
続き早く早く!!

41:名無しさん@ピンキー
06/08/13 03:10:44 pLFmWtBW
gj


42:うぐー
06/08/13 13:56:27 SOJo2kfq
させろ

43:名無しさん@ピンキー
06/08/13 16:04:26 P4Ohkij7
良スレ発見。
しばらくここにいてみよう

44:名無しさん@ピンキー
06/08/13 22:20:31 pl7wMLVg
なんだこのすさまじく萌えるスレは

45:名無しさん@ピンキー
06/08/14 01:44:28 tmkTo1eH
ここを見つけた俺は運がいい!

46:雪山編18
06/08/14 04:08:35 FRqmNhFS
 「・・・・・・」
 「・・・っ!おおお?!おいっ!目ェ覚めたか!!」
 「・・・?あれ?」

再び目を覚ましたその場所は、厳寒の雪山でも薄暗い洞窟でもなく・・・
薬品の匂いが鼻を擽る病院のベッドの上だった。
一緒に旅行に来た大学の友人が椅子を後ろにガタンと倒してベッドへ駆け寄った

 「はぁー・・はっははは・・・よかったな~!おめーはぁ・・・」
 「・・・病院・・・か?」
 「そーだよ、これは点滴!こいつはおめーの手と足とチンコ!見えてっか!?」

笑顔がこぼしながら冗談を飛ばしつつ状態を確認する友人
男の方はまだ冗談を言われて笑えるテンションではないが
一先ず生きて帰ってきたことは認識した

 「・・・あ・・・はは。俺もお前も生きてたのか。・・・他の皆は」
 「お前以外は無事だよ。お前が雪崩で飲まれてからすぐ山降りて救助を待ってたけど、
  帰りの飛行機代とかも色々あってな、もう一足先に地元に帰ってもらった。」
 「そうか・・・無事で良かった」
 「で、皆で話し合った結果、年長の俺が最後まで残ったってわけ」
 「・・・悪いな。余計な迷惑かけて」
 「んなーに言ってんだよ。雪崩なんだから気にすんなよ」
 「ん・・・いや。」
 「あ、お前の母ちゃんもこっち来てっぞ。今買出しで外行ってるけど」
 「あはは・・・5日ぐらい遭難してたからなぁ・・・親も来るわな」

友人も心配していたようだが、そんな事も感じさせないぐらい笑顔がはじけていた。
その笑顔が自分の状態が深刻なことにならずに済んだことを自然と悟らせてくれる。

47:雪山編19
06/08/14 04:20:19 FRqmNhFS
少し談笑した後、携帯電話を取り出し、地元の仲間に連絡を入れる。

 「もしもしー・・おう、こっち目ェ覚めたぜ。おお・・・何日か大人しくしてりゃ帰れるよ」
 「・・・・・・」
 「ああ、大丈夫大丈夫。・・・ん?ああ、横にいるいる。代わるか?ほれ」
 「・・・あ・・・久しぶり。・・・ん・・・・うん。心配かけてごめんな。」

両親にも連絡を入れると、生きてる実感みたいなものが心の底から湧いてきた。
親の声が聞けるってこんなにもホッとするものだろうか。
明日にもまた病院へ来てくれるそうだ。

 「それにしても・・・記録的な大雪だったらしいぜ。天気予報とか全然アテになんなかったなぁ。」
 「・・・ま、俺もちょっと上達したからって調子乗りすぎたよ。昼からきついコースばっか滑ってたからな。」
 「んなことねーって。雪崩に飲まれた奴は他にもいたみたいだし、気失いながら生きて帰ってこれただけでもマシってもんさ」
 「ん・・・そう・・・そうだな」

 (・・・・・・・・他にも?)

 「食欲あんの?あと数日養生して」
 「あの・・・・・・子」
 「えっ?」
 「女の子は?俺が救助された時・・・一緒にいなかったか?・・・助かってないのか?」

意識がはっきりしてきた頃、あの少女のことをはっきり思い出した。
さっきまでリラックスしていた顔が一気に険しくなる。

 「・・・ええー・・・?一報が入ってすぐこっちに飛んできたけど・・・
  着いた頃には救助はお前一人だけの雰囲気だった・・・ような」
 「・・・は!?んなバカな。確かにいたはずだよ、洞窟で一緒に・・・」
 「洞窟?お前が救助されたのって尾根の上だったって聞いたけど」
 「ッ!?俺洞窟で避難してたはずだぞ!?そこでは一人じゃなくって・・・もう一人・・・女の子が」

48:雪山編20
06/08/14 04:25:00 FRqmNhFS
友人も男のただならぬ焦りように友人も段々と表情が変わってきた。

 「じゃあ・・・他に飲まれた奴って・・・・・・その」
 「・・・っ」
 「・・・!?ち・・・ちょっ!?」
 
男は思い立ったかのように点滴の針を引っこ抜いた。
何日も横たわっていて感覚の鈍りきった体を起こし、病室を飛び出した。

 「ど・・・どこ行くんだよーーっ!なぁーーー!」

友人も慌てて病室から出るが、既に廊下に男の姿はなかった。
男はエレベーターも使わず階段をダッシュで駆け下りる。1階の受付へ向かって。
堰を切ったように、安静にしていた体中に血が回る。

 「・・・はっ・・・はっ」

 (俺が・・・俺が一人で・・・!勝手に眠ったから・・・!)

 「まさか・・・あいつ一人で・・・どうにかして俺一人だけを助けたんじゃ・・・!」

噴出す汗。まるで不安が形となって一斉に噴出したような。
心拍数がはね上がる。心の臓も心の声も鳴り止まない。

 (馬鹿だ・・・!無理矢理にでもあいつに外で・・・ヘリを待たせてれば良かったんだ!
  つまんねー俺の身勝手で・・・あいつ・・・あいつ・・・!何なんだよ・・・!おれ何やってんだよ・・・!何で・・・)

49:雪山編21
06/08/14 04:31:23 FRqmNhFS
 「はあっ・・・!はあっ・・・!畜生っ・・・!・・・うわっ!」
 「きゃっ」

ドンッ

1階階段昇降口を降りて右折した瞬間、目の前にいた誰かと衝突した。

 「痛っ・・・ご・・・ごめん」
 「すみません・・・ボーッとしてて・・・・あ」
 「あ・・・・・・」

それは捜し求めていた「誰か」だった。
 
 「も・・・もう動いていいんですね」
 「・・・~っ!」

男と同じように入院しているので、寝巻き姿の少女。
どうやら昇降口隣の自動販売機コーナーから出てきたところだったようだ。

ばったり出くわした男の表情はまさに“言葉が無い”といった感じで・・・
無我夢中で、その場で、少女を思い切り抱きしめた。

 「あ・・・あのっ・・・どうしたんですか」
 「・・・・・・あ・・・ご・・・ごめん・・・俺・・・俺・・・」
 「お・・・落ち着いて・・・・」
 「は・・・ははっ・・・そうだな・・・落ち着いて・・・」

息ができない。落ち着かない。
ここまで走ってきたからというだけではない。

 「・・・!」
 「あ・・あれっ・・・」

50:雪山編22
06/08/14 04:40:14 FRqmNhFS
泣いていた。

極度の緊張と不安で神経をすり減らした雪山。あれから数日。地獄から天国だった。
救助隊に保護され、病院で治療を受け、温かいベッドで点滴を打ちながらぐっすり。

ただ、洞窟で意識を失ってからの少女の行方を知らなかったことが、唯一にして最大の不安となった。
しかし、その不安はすぐに解消された。

全ての不安から解放された時、男の両目は涙で溢れそうになっていた。

 「・・・ど・・・どうしたんですか」
 「い・・・いやっ・・・その・・・君が救助されてないのかと・・・」
 「・・・!・・・大丈夫ですよ。二人で・・・助かりました」
 「病室で目が覚めたら・・・寝込んでるの俺一人だけだったから・・・」
 「私は・・・救助された時も発熱と軽い凍傷だけで・・・何とか立っていられたので・・・だから治療も病室もお兄さんとは別になって・・・」
 「ははっ・・・そっか・・・・・・みっともねー。一人だけ・・・突っ走って・・・ごめん」
 「そ・・そんなことないです。で、でも走って何処に・・・?」
 「受付で・・・まず確認してもらおうと・・・君がいるのかを・・・」

呼吸を整えながら、途切れ途切れに話していく。
少女は袖で涙で濡れた男の頬を拭い、じっと顔を見つめた。

 「確認って・・・名前は・・・」
 「・・・あ。そういや名前・・・俺たち・・・」
 「・・そうですね 5日も一緒にいて・・・名前も聞いてませんでしたね」
 「あははは・・・」

51:雪山編23
06/08/14 04:49:49 FRqmNhFS
軽く微笑みを交わし、再会の余韻に浸る男と少女。

 「・・・体はもう・・・いいんですか?」
 「ああ・・・。色々・・・考えながら・・・ここまで走ったら・・・疲れとか全部吹っ飛んだ」
 「そう・・・ですか」
 「結局・・・俺の方が色々心配かけちゃった・・・な。もう大丈夫だから。」
 「いえ・・・」
 「・・・」

ただ・・・大の男が少女の両腕を掴んで、二人向かい合っている図は

 「・・・・・・あのぅ」
 「え?」
 「ここ・・・昇降口は人が多いです・・・」
 「げっ!?あ・・・悪い・・・」

嫌が応にも横を通り過ぎる人の注目を集めていた。

 「び・・・病室戻りましょうか・・・私の」
 「お・・おぅっ・・・そうしよっ」

しかし、死の淵を見ていた洞窟で二人身を寄せ合っていた時よりも
今この状況で二人でいる方が、遥かに喜びや温かみを感じずにはいられない。

「不可抗力」が人の力の及ばないものなら・・・
何かの不幸に巻き込まれることよりも
先刻見せたような「涙の流し方」・・・
即ち大切な人を想って思わず零れ落ちてしまう
そんな風に現れる“力”であってほしい・・・

病室へ戻る途中、つないだ手の中にそっと願いを込める二人であった――。

52:名無しさん@ピンキー
06/08/14 05:12:50 FRqmNhFS
雪山編まとめ
>>5-6
>>9-14
>>19-24
>>31-34
>>46-51

長々と時間をかけてしまいました。最後までお付き合いいただきありがとうございます。
結局雪山脱出の話が中心で、セクース無しで終わってしまいましたが、
次回の地震編ではセクースをズンドコ入れていきたい所存であります。

53:名無しさん@ピンキー
06/08/14 05:22:34 hplu0HsJ
雪山編完ッ結ッッ!!!!!!!!

>>52
GJ!!超面白かったです。
たまたま迷い込んでから毎日通った甲斐がありました。
ズンドコ地震編も期待して待ってます


54:名無しさん@ピンキー
06/08/14 07:15:56 s7JboVXv
おつおつ

これからジクリ読むお

55:名無しさん@ピンキー
06/08/14 15:02:03 DUJBCrjE
おつー
天災巻き込まれ型のカップルなのね

56:名無しさん@ピンキー
06/08/14 21:23:34 utEwA3z9
凄い、セクースシーンないのにエロい

57:新堂
06/08/15 00:05:18 O9zisVa8
あ、やっぱ俺泣いたww

58:名無しさん@ピンキー
06/08/15 00:29:21 6xUFDAyM

期待しただけあった

59:名無しさん@ピンキー
06/08/15 03:23:56 bhWcMBP8
>>52
こういう救いのあるハッピーエンドって良いね。泣いた。

60:名無しさん@ピンキー
06/08/15 14:02:17 nYllm3+O
>>52
GJ!!! こんなsituationが思いつくFRqmNhFSさんの優しさに脱帽!

61:名無しさん@ピンキー
06/08/15 21:49:40 mzgAyjuH
感動した!!!

62:名無しさん@ピンキー
06/08/15 22:41:48 ZhQnf3dy
カンドーした!!!!
めちゃめちゃ面白かったです。地震編も期待してます><

63:名無しさん@ピンキー
06/08/16 17:30:13 wHZ/Jags
このジパングもうちょいでパンク

64:名無しさん@ピンキー
06/08/17 12:44:01 56hlZK1T
俺の脳内…
乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙
乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙
乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙
乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙

65:名無しさん@ピンキー
06/08/20 00:06:12 0BfxMPzh
地震編期待してます!

66:名無しさん@ピンキー
06/08/21 19:27:35 vJ6kFKkw
GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGJ!!!!!!!!!!!!!!!!!
今日たまたまこのスレ見つけた俺運がいいww
超超超超超超超超感動しますた!!

次は・・・エロいのも期待してますw

67:名無しさん@ピンキー
06/08/24 21:33:13 cYNR2bYW
地震編まだかな~ ワクワク
期待してます!

68:名無しさん@ピンキー
06/08/24 22:50:35 Dk574ERC
ここ見つけてから毎日通ってる俺w

69:名無しさん@ピンキー
06/08/25 22:13:26 d3J9Ykki
>>68
俺もw お気に入りに登録してる




70:名無しさん@ピンキー
06/08/26 11:00:31 0F8L/3El
>>52
感動して涙がとまらねー
あんたは神様だ

71:名無しさん@ピンキー
06/08/27 02:00:28 bqGX6sRo
エロパロで泣いてしまった!
GJじゃ足りないぐらいだ

72:名無しさん@ピンキー
06/08/28 00:15:10 qAJviSe0
新作まだーwktk

73:名無しさん@ピンキー
06/08/30 00:45:00 Jgj/hqu+
ここ毎日誰かが感動したって書き込んでるな…
エロパロ板じゃめずらしい
やっぱり>>52 は凄い!

74:名無しさん@ピンキー
06/08/30 22:01:05 8yE0N/nQ
いや本当によかったです

75:名無しさん@ピンキー
06/09/02 22:51:09 HKMZoArN
新作期待

76:名無しさん@ピンキー
06/09/03 00:23:20 uyZVPuAn
更新チェックかけてここに新着レスがあると
新作キター?とwktkしてしまうw

77:名無しさん@ピンキー
06/09/03 18:13:44 G7A9vD4z
新作を期待しつつ、>>76に嫌がらせ

78:名無しさん@ピンキー
06/09/03 19:23:27 uyZVPuAn
>>77
(´・ω・`)ショボーン

79:名無しさん@ピンキー
06/09/04 22:19:36 QiYib2TL
>>52さん、どのくらい新作できました?
いつ新作できるかと思うと胃潰瘍になりそうなんです…

>>76に漏れも嫌がらせ… ゴメンね

80:名無しさん@ピンキー
06/09/05 23:46:50 PByMX54i
やっぱり良い作品を書くためには時間が必要なんでしょうか?
それともお忙しいか
>>52様、wktkして待ってます!

>>76さんに4度目の嫌がらせ… ホンットすいません

81:名無しさん@ピンキー
06/09/06 09:56:01 aptD3gAN
>>76の人気に嫉妬して嫌がらせ
スマソ

82:名無しさん@ピンキー
06/09/07 00:25:11 6pz2T8DS
新作wktkしつつ、>>76に嫌がらせ

83:名無しさん@ピンキー
06/09/07 02:13:16 fc2DD9xp
核戦争編も気になる…と言いつつ>>76にイヤガラセ

84:名無しさん@ピンキー
06/09/07 21:38:43 PdT5dgPT
新着レスが多かったから、続編か!?と思ったら違ったので>>76に八つ当たり

85:名無しさん@ピンキー
06/09/07 23:30:34 18iQ2EnL
くっ!wktkして覗いたらコレか!>>76め!

86:名無しさん@ピンキー
06/09/08 00:35:16 KuKznTcF
みんなひでぇwwww

と言いながら>>76に嫌がらせ。
>>52氏が投下しにくい雰囲気になってないか心配です。

87:名無しさん@ピンキー
06/09/08 00:37:12 HjePoLNu
まあまあみんなそろそろやめようよ


>>67

88:名無しさん@ピンキー
06/09/08 00:39:38 HjePoLNu
間違った!
>>76だ!
どちらもごめんなさい

89:76
06/09/08 23:37:28 Z26GuUu8
4日ぶりにここ覗いたら新着レスがたくさんあったから
ついに新作キター(・∀・)と思ったら・・・
みなさんいぢめないで。・゚・(ノД`)・゚・。

90:名無しさん@ピンキー
06/09/09 23:43:21 Tkwl/1CJ
ごめん、俺Sなんだ。

91:名無しさん@ピンキー
06/09/10 07:56:57 dROY4QK9
  Å
(´・ω・)キングカワイソス


92:名無しさん@ピンキー
06/09/10 08:25:46 Hmt8Ad14
天災は、忘れた頃にやってくる。

93:名無しさん@ピンキー
06/09/11 23:33:01 YNMlu+E8
>>92
忘れず毎日覗きにくる私にはやってこないのでしょうかorz

94:名無しさん@ピンキー
06/09/14 00:37:27 zsOTtwew
>>93
や、それを望んじゃいかんだろ


所で1に書いてある以外で「二人きり」シチュエーションってないかな?

95:名無しさん@ピンキー
06/09/14 01:50:44 oR23sSvj
>>94
つエレベーター

96:名無しさん@ピンキー
06/09/15 02:51:41 G7IA5E+h
外界と隔離する必要がないならもっとあるけどな、

このスレではどの程度を、二人きり、と言うのか?

会社の押し付け残業とか・・そのフロアに二人だけ

まぁ実体験だがな・・・
まぁ相手は男だがなorz

97:名無しさん@ピンキー
06/09/15 04:03:39 WndXMh71
>>96
確かに不可抗力だな、それはw

98:名無しさん@ピンキー
06/09/15 07:25:17 Jj5wt9Bz
教室に二人きり、ってなんか萌える
先生から仕事押しつけられて、その手伝いをする、みたいなね

99:名無しさん@ピンキー
06/09/15 15:08:04 oG3IF8sj
>>96
喪前が女体化すれば無問題。

100:名無しさん@ピンキー
06/09/15 23:40:12 FWgRLp9+
1では災害やら強い力がはたらいているシチュっぽいな
>>96>>98のように「成り行きでそうなった」程度でも構わない気がする

101:96
06/09/16 01:05:19 qDbOjuIp
午後8時。ゴールデンタイム
世間では夕食後のくつろぎの時間だろうか・・・
恨めしい、何もかもが恨めしい。
いや憎い。憎いのはあの中間管理職(のT!)
私は窓の外のネオンを眺め溜息をつきデスクに向かった。

一仕事の後、ふと向かいを見ると、廊下を挟んでむかいがわの部署にも明かりが燈っていた。
どうやらこのフロアには私だけではなかったらしい。知らずと笑みがこぼれていた・・・・・・




こうですか?わかりません
携帯から失礼しました!
今日もサービス残業さっ!

102:名無しさん@ピンキー
06/09/17 03:17:06 r6zou8Nm
>>101
(*・∀・)イイヨイイヨー
その調子でどんどん行こう

103:突発的に携帯から 《Rainbow 1》
06/09/18 00:17:20 UHxQCNjA

 ぽつり、ぽつりという降り方だった雨も、学校を出てから500メートルも走らないうちに本降りになってきてしまった。
 傘はない。というか盗まれている事に気付いたときは、思わず暴れだしそうになった。

 今あたしは、放置されて朽ちかけているトタンの物置きの中ににいる。雨宿りのためだ。
 雨が止むまでとは言わない。せめて、雨足が弱まってから急いで帰ろう。
 天気予報では、昼過ぎから雨だといっていた。午後の降水確率は80%だそうだ。そしてこの、スコールじみた大雨。
 あたしは雨が地面を打ち付ける様子を、ウォークマンで音楽なぞを聴きながら眺めている。
 降られるのは勘弁だが、この光景があたしは好きだ。ほら、蛙がユーモラスにぴょこぴょこと横切る。

 不意に、視界が暗くなる。
 黒いズボンがあたしの目の前で立ち尽くしていた。
「あ……、ええと……」
 見上げて、そうどもる顔と制服を確認する。あたしと同じ学校の人だ。制服だけでそう判断する。
 しかし見ない顔だ。よく見ると校章が、彼が同じ学年である事を示していた。
「雨宿り?」イヤフォンをはずし、きいてみる。
「あ、……うん、まあ」
「あたしも。―あなたも、濡れたままってわけにはいかないでしょ? 入りなさいな」
「え……、いい、の?」
「この雨の中に人を放り出してまで雨宿りするほど、あたしは鬼じゃないよ」
「そっか……。悪ィな、お邪魔する」
「どうぞ」


続く

104:76
06/09/18 10:29:44 /GrvW3La
キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!
>>1さんですか?

105:名無しさん@ピンキー
06/09/18 19:59:01 u+orLIu2
なんか文体が違うな
>>1氏ではなさそうだ

106:名無しさん@ピンキー
06/09/19 00:28:49 uB/8ov4c
キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!
キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!
キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!

107:103
06/09/19 00:48:50 gad+h/9X
あ、うん、>>1じゃない。糠喜びさせてしまっただろうか?
本日中に続きを書く予定。日中まで待たせると思う

108:《Rainbow 2》
06/09/19 10:37:26 laYsvwNL

 それからあたしとあとから来た人は、暫く一言も言葉を交わさなかった。
 彼は携帯電話を、あたしはMDで音楽を聴きながら、『ダ・ヴィンチ・コード』を読み進める。
 そろそろ間が保たなくなってきたかな、というところで、あたしはイヤフォンをはずす。
 するとそれを待っていたかのように、彼が携帯電話から顔を上げ、こちらを見ずに口を開けた。
「何聴いてたんだ?」
「ん、洋楽」あたしも顔をそちらに向けず、
「へえ、例えば?」
「ヒラリー・ダフとか、レアン・ライムズとか」
「ふぅん……。パドル・オブ・マッドとかは?」
「知らない」あたしは首を横に振る。
「そっか。あ、俺、1組のアズマ。そっちは、3組の西原さんだろ?」
 あたしは驚いて、首を勢いよく彼―アズマくん―の方に向けた。
「え……。何で知ってんの、あたしの名前」
 アズマくんは依然として、こちらを向かず、いや、ちらりとこちらを見たきり、正面を向いたままだ。
「俺結構3組に出入りしてるんだけど、俺って無闇に人の名前覚えるの特異でさ、覚えちまった」
「え、誰の関係者?」
「ナミシン。陸上の」
「ああ、ナミシン」クラスメイトの呼称だが、無論、あだ名である。
 そういえばそのナミシンくんとよく話している人がいたな。《見ない顔》ではなく、意識してないから覚えていないというだけだった。
 まあ、それはそれでひどいとは思うが。


 続く

109:《Rainbow 3》
06/09/19 10:51:36 laYsvwNL

「んぃっくしっ!」
 唐突のくしゃみに、あたしはそちらを見た。「う―、ちくしょい……」と鼻を鳴らすアズマくん。
「ブレス・ユー」そう言っておいて何だが、あたしはクリスチャンではない。
「んあ?」
「んーん、何でもない。―風邪?」
「さあね。本降りン中突っ切ってきたから、冷える冷える」
「まあ、そうだね。……ティッシュ要る?」
「お、悪り」
 鞄から出したポケットティッシュを彼に渡し、「それ、あげる。どうせまだ3袋あるし」と言っておく。
「持ちすぎじゃね?」
 彼はそう言って、鼻をかむ。
「あたしもそう思う。だからあげたんだし」
 言って、2人微笑い合う。彼は、すぐに正面を向いて、再び携帯電話に目を落ろした。メール、だろう。
 あたしも、栞を挟んだページに目を移す。これで、互いに不可侵の状態に戻ったのだ。


 続く

110:《Rainbow 4》
06/09/19 11:23:28 laYsvwNL

「雨」
 『ダ・ヴィンチ・コード』の上巻を読み終え、一息ついたとき、そう声を掛けられた。
 少し前に携帯電話を閉じる音が聞こえていた。
「うん?」
「やまねぇな」
 外は、少なくともスコールよりは弱まったものの、雨脚が強い事に変わりはない。
「―うん」
「……夜までこの調子だってよ」
「えっ」絶句する。当然だ。「ちょっ、誰からの情報?」
「ヤンマー」
「へ?」
「ヤン某マー某天気予報」
「……あ~、どうしよう……」頭を抱える。
「なんだよ、―何かあんの?」
「いや、無いけどさぁ……」夜まで雨って事は、ここから出られない、という事だ。
 思わず、自らの腕をさする。
「あン? 寒いか?」
「……本降りの中突っ切ってきたからね」
「あんたもか。はぁ~、俺も、どうすっかなー……」
 2人してつく溜息。
 外から流れ込んでくる空気に、微細な水滴が混じっている。だから、あたしの服も彼の服も、乾かない。

 それから暫く、あたしたちはしりとりなんぞをしながら、暇を潰していた。


 続く

111:《Rainbow》
06/09/19 11:24:00 laYsvwNL
今日はここまで

112:名無しさん@ピンキー
06/09/19 14:56:04 HTWCAoxa
この先どうなるのかドキドキの展開です

113:名無しさん@ピンキー
06/09/20 00:00:31 uB/8ov4c
期待するよ

114:名無しさん@ピンキー
06/09/20 06:12:29 ohhibPsq
Puddle Of Muddの名前をここで聞くとは思わなかった
続期待

115:名無しさん@ピンキー
06/09/20 06:27:12 hwcSeFhp
Blurryしか知らない俺ウォードッグ

116:《Raionbow 5》
06/09/21 10:05:37 tNbK6TPZ
俺もBlurryから入ったFOX2

 いつもはまだまだ明るい頃合なのだが、分厚い雨雲のせいでいつもより暗くなるのが早い。
 天気図によれば、温暖前線と寒冷前線を伴う低気圧の中心がこの地方の上空にあるようだ。
「今何時?」あたしは外を見ながら、真綿で首を締め付けるかのように奪われる体温を皮膚への摩擦で補っていた。
「ん、5時、45分」もうひとりの《雨宿[あまやど]リスト》が無気力に言う。しりとりやマジカルバナナのネタはもう切れてしまっていた。

 沈黙。それは本来、気まずさか心地良さを生み出すはずの現象だが、幸か不幸か、あたしたちはそこまで親しい間柄でもない。
 会話が途切れても、別段気にするような事ではない。
 しかし、あたしは気付いてしまった。何度か彼が、あたしの様子を伺っている事に。
 何度かのうちの、ほんの2、3回、目が合った。既に自らの行為が相手に筒抜けになっている事に気付いたのか、それ以降の同様な行為はみられない。
 こうなると、主にその行為を行っている人がだが、沈黙が気まずくなってくる。

 ――不意に、彼がこちらを向いた。
「なあ、西原」
 その真剣な声に、あたしはどう反応すればいいのか、分からなかった。だから、努めていつもと変わらない反応をした。
「―うん?」
「……」
 唇を少し動かしただけ。白々しかっただろうか? いや、そうではなかった。逡巡している彼の心に、そう感じるだけの余裕が無いというだけの事のようだ。
「……」
 だからあたしも沈黙を続ける。

 どれくらい経っただろう。外はもう真っ暗だ。
 辛うじて、彼の唇の動くのが見えた。自ら作り出した沈黙を自ら破り、声帯を震わせる。
「……お前は――」


 続く

117:《Raionbow》作者
06/09/21 10:14:00 tNbK6TPZ
執筆の最中Blurry聴いてたもんだから、Puddle of Muddを出しちまいました
てなわけで、今日はここまで

118:名無しさん@ピンキー
06/09/21 19:56:31 jUd0vzw0
この後のエロい展開期待sage

119:名無しさん@ピンキー
06/09/23 11:04:23 9zeu0xg/
続編マダー?

120:《Rainbow》作者
06/09/23 20:46:53 vEi4mtwz
月曜まで…お休みです

ちょいと忙しいもので、あしからず

121:名無しさん@ピンキー
06/09/23 23:50:45 G7Kv8ek/
おk。期待して待ってる。

122:《Raionbow 6》
06/09/25 12:11:52 t7sByWCK
エロ、書けるかどうか……


 アズマくんの唇の動くのが見えた。自ら作り出した沈黙を自ら破り、声帯を震わせる。
「……お前は――」
 微弱な外からの光が、彼の瞳の動きをあたしに意識させる。視線が泳いでいる。
「―何?」
 この一言が助け舟になるのかならないのかは、あたしには分からない。瞬きが多くなる。
「――付き合ってる人とか、いるか?」
 思わず吹き出しそうになる。同時に、胸が高鳴る。
 自惚れかも知れないが、彼があたしに好意を抱いているであろう事が伺えた。ここまで思わせぶりだと、正答を教えている推理小説のようなものだ。
「……いるように見える?」
 上擦りそうになる声を、なんとか押し留める。あたし自身、動揺しているからだろう。
「……どう、だかな……」その答えに苦笑……「なんつーか、美人だとは、思うけど」
「!」
 雨の音が一切強くなる。
 何を、言っているんだ? この男は頭がおかしいのか? それともあたしの気が狂[ふ]れたのか?
「え……何を……?」
 呟く声は、多分彼には届かない。
「あの、さ、……っ、付き合って、くんないかな」
 彼が上半身を、こちらに向けた。

123:《Raionbow 7》
06/09/25 12:51:07 t7sByWCK

 今度はあたしが唇を固める番だった。
 何を、言おう?
「……俺は、お前が好き、……でさ」
 ああ、その事に関してはよく分かっている。アズマくんがその身を以って無意識的に教えていたから。
「お前は俺の事、何も知らないだろうけど……」
 そう、何も知らない。というか、あたしがキミの存在を知ったのはつい2時間ほど前だ。
「……これから、知ってくって事で。それで、好きかどうか、決める。……駄目、か?」
 理想的な答えは、イエスかノー。この二者だ。しかし……
 正直言って、あたしは彼の事を好いているわけではない。かといって嫌っているわけでもない。そのどちらかの感情を彼に抱く事が出来るほど、彼と関係ったわけでもない。
「あの……」
「―うん?」彼の期待に満ちた声が、あたしの心を萎縮させる。
「……分かんない」
「え」
「分かんないよ」あたしは彼から目を逸らす。「だって、付き合うって、お互い好き合ってそうなるんでしょ!? 付き合ってから好きになるか決めるって、なんか……違うよ」
 彼は押し黙る。
「そういうの……あたしは、―いや」まるで、実験みたいで。

124:《Raionbow》 今日はここまで
06/09/25 12:59:43 t7sByWCK
どうにか今週中には終わらせる
エロはまあ、一応入れるけど、しょぼいものになるだろう
遅筆につき、すまない

125:名無しさん@ピンキー
06/09/25 20:21:33 EAEAZY8W
無理やりエロ入れようとすると内容が難しくなりそうだけど
頑張れ!つ④

126:《Rainbow》
06/09/29 10:50:11 ARxacBgs

「そういうの……あたしは、―いや」あたしは頑なな表情で、アズマくんを睨んだ。「あたしは実験台じゃない」
 出しかけた声が漏れる。彼の絶句。
「アズマくんは、自分が実験台に見られるの、耐えられる? ―あたしは駄目。そんなの、拷問以外の何物でもない」
 本心が出た、のだと思う。思考が思うように動いていない事が自分でも分かった。
「……そ、……か」
 傷付けた。その事実が、あたしの顔を険しくする。あたしの心を締め付ける。
 アズマくんの表情は見えない。彼の顔をまともに見れない。見られるほどの、勇気がない。
「もう、出るよ」
 彼の声が聞こえた。途端に、心が外界に引きずり出される。
 雨の音が、聞こえた。
「え……っ、まだ、雨が……」
「いいから」
 一切低い彼の声に、あたしは一瞬呼吸を止める。
「……悪かったな。なんか……変な事言っちまって」
 表情は見えない。
「そんな……誰だって、好きだって言われればそれなりに嬉しいよ」
「……そんなもんなのか?」
「うん。でも、あんまり、急いじゃ駄目、かな」
「―そうだな。……じゃ、もう出る」
「……雨、降ってるよ?」
「知ってる。今は、頭冷やしたいから」
 言って、彼は歩みを進めた。

127:《Rainbow》
06/09/29 14:53:27 ARxacBgs

 ガタッ!
「あ」
 大きな音と、小さな声。
 その両者が聞こえたと思ったら、あたしの世界は横転していた。身体の前後から衝撃が走る。
「ひゃっ!」「だぁっ!」
 何かに足を取られたのか、転んだようだった。それにあたしが巻き込まれた、という事だ。
 気が付くと、胴体に重みを感じる。
 見ると、胸の辺りに頭があった。
「ちょっ、アズマくん!?」
「ってて……。え……?」
 目が、合う。目線はそのまま、下に向かっていった。
 ああ、そうか。豪雨に降られて、しかもあまり乾いてないから、ブラウスに下着が透けているのか。あたしは存外冷静に分析する。
「なに、見てんのさ……」
 ふと気付く。左ひざには彼の股間が触れているのだが、その形が徐々に変わっていく。
 それに気付いてしまってから、一気に危機感が高まっていく。
「あの、さ、起きたいんだけど。……どいてくれないかな」
「……西原……」
「ね、どいて」
 アズマくんの目が、怖い。遠くの光源からの僅かな光しか入らないこの小屋の中で、何故か彼の目だけが煌々と輝いていた。

128:《Rainbow》
06/09/29 16:17:44 ARxacBgs
続く
明日エロ入れるかな?

129:名無しさん@ピンキー
06/09/29 20:51:23 xl6jVYFm
この状況からどうエロが入るのだろうか

130:名無しさん@ピンキー
06/09/30 07:31:41 GwVatT4h
楽しみにしてまつ

131:名無しさん@ピンキー
06/09/30 22:55:36 X4CWUTHf
エロの入り方が気になる…
というかこれエロなしだとしてもいい感じのシチュエーションだね

132:名無しさん@ピンキー
06/10/05 22:30:29 2oOzLZws
続きまだー?
待ちくたびれて首がキリンみたいになってるんですが(´・ω・`)

133:《Rainbow》
06/10/07 12:50:56 AonoqH1M
あい、長らくお待たせいたした
鶴首してくださった方々、申し訳ない



 あたしは両手でアズマくんの体を押す。闇に目が慣れてくると、彼の表情が見えるようになる。
 それは、熱病に犯された人の表情[かお]だった。目が曇っている。ただ、普通見下げて見られる筈のものが上にあるというのは、殊に奇妙な事だ。
 腕に力を入れる。しかし彼はあたしの左腕を掴んで、地面に押し付けてしまった。
 恐怖からか、自分自身の呼吸しか聞こえない。それでもあたしの頭の中では、始終冷めた自分が状況を傍観している。
 左手の地面に接触している部分が痛い。仕方無しにあたしは右手だけで彼の体を押した。
「ねえ、どいてよ」
 彼の呼気が近づいてくる。
「何やってんのさ、はやく、起きようよ」
 彼の双眸に自分の貌が映っている。
「ねえ、ちょっと……」
 不意に、彼の目に生気が戻った。そして間近の空気が震える。「……西原、―ごめん」
 それから数秒間、あたしは自分が何をされたのか分からなかった。
 分かるのは、左の首筋から全身に広がる得体の知れない感覚と、その周辺の筋肉が収縮する感覚。
 ぞわぞわ。体中を蟲が這っている。ぞくぞく。脳を介さない運動器官の反射が、何かに阻まれて遂[おお]せない。
 いつの間にか、右手に入っていたはずの力は大幅に軽減されていた。
 呼気がそこから離れ、外気に触れる。気化熱が左の首筋の体温を局所的に奪い、先程とは違う痙攣が起こる。

 何をされた
 ―嘗められた?
 どこを
 ―左の首筋を?

 ……何だって?

134:《Rainbow》
06/10/07 14:18:24 AonoqH1M

 口を開いてその事への文句のひとつでも言おうかというところで、今度は別なところが狙われた。
 ひゅっ!
 これが息を呑む音なのか、と、脳内の第三者的自分が表情を変えずに思考する。
 普段暖かさや多少の粘性のある液体に触れる事のない箇所。耳。今度はよく分かった。先刻の―首筋に比べるとまだ蟲の這う感覚は弱い。
 右手が、地面に触れる。これでもう、完全に組み伏せられた形になった。
 アズマくんは首を集中的に攻めてくる。鎖骨から顎関節の付近、特に鎖骨の少し上あたりを重点的に。
 両腕は組み伏せられたまま。当然だ。弱いながらも、あたしは抵抗しているのだから。
 身を捩じらせ、その舌から逃れようとする。でも叶わない。そして体力的に敵うとは思えなかった。
 ふと、首からかれの頭が離れた。そうかと思うと、ブラウスから露出している鎖骨の間を嘗めてくる。未曾有の感覚だった。
 左手の拘束が解かれる。彼の右手はそのまま、あたしの左胸に移動していった。
「いやっ!」
 初めての、明確な拒絶。左手で彼の右手を払った。
 しかし彼は無言で、あたしの左手を再び押さえつける。そして今度は、顔を胸に近付けていった。
「あ……、あぁ……」
 ブラウスと下着ごしに、彼は噛み付いてくる。あたし自身、胸が大きいというわけではないから、それはそれはやりにくいであろう事は容易に想像できた。

135:名無しさん@ピンキー
06/10/07 17:31:29 sOZ9nK70
GJ!・・・だけどレイプですか?
なんとか和姦に持って行ってほしい

136:名無しさん@ピンキー
06/10/07 19:36:13 tybgWAEz
とりあえず
つ④④④④

137:名無しさん@ピンキー
06/10/08 03:41:52 MqZ7MMo0
ヤバいちょっとめっちゃ萌える。
支援。

138:名無しさん@ピンキー
06/10/11 00:46:10 08Py1YED
つ④←これってどう言う意味?

139:名無しさん@ピンキー
06/10/11 03:57:31 NvTVdegM
>>138
支援

140:名無しさん@ピンキー
06/10/11 19:50:46 AhklDMD0
>>138
つ・・・手
④・・・4と円、4円、支援

141:名無しさん@ピンキー
06/10/12 20:53:45 euPZ08QQ
支援

142:名無しさん@ピンキー
06/10/14 03:07:24 f7/UqUw9
支援。

143:名無しさん@ピンキー
06/10/19 23:37:27 j349zQez
支援します

144:名無しさん@ピンキー
06/10/21 13:39:26 tTQUd2pE
しえん

145:名無しさん@ピンキー
06/10/21 17:02:59 g+pIaZeb
頭の中の妄想
・国際船が沈没、無人島に流れ着いたが、自分の他に女の子が…
・二人で委員会の仕事で生物準備室にいたらカギを締められて…
・化学系研究所がハザードになり、避難室に入ったら女職員しかいなくて…


書きたいが文才がないしなぁ(´・ω・)

146:名無しさん@ピンキー
06/10/21 20:15:10 1DBg6Ey4
書かないと文才は育たないぜ

147:名無しさん@ピンキー
06/10/21 21:28:49 o3ETj8NS
つ【小さなことからコツコツと】

148:名無しさん@ピンキー
06/10/21 23:09:46 cFgFTbm3
文化祭の準備をしていて鍵が閉められて…っていいな(・∀・)
保守ついでにちょっと書いてみようかな。
携帯からなんで見にくかったらスマソ

149:148
06/10/21 23:31:40 cFgFTbm3
「……ふぅ」
本日何回目になるかわからないため息をつく。
時計を見るともうすぐ8時になろうとしていた。
文化祭が近くに迫っているから仕方がないか…。
なんで文化祭実行委員になんてなったんだろう。今更ながら後悔をする。
ちらりと別の方向を見る。相変わらず黙々と作業を続けているみたいだ。
「はぁ………」
またため息をつく。
すると不意に声をかけられた。
「ちょっと、藤井くん、ため息ばっかついてないで作業してよ!!」
「…へいへい」
気のない返事をし怠そうに作業を再開する。
まったく、真面目な女だと思う。

150:名無しさん@ピンキー
06/10/21 23:55:51 JrmpXKDi
期待。

151:148
06/10/22 00:02:31 ElDsnUqK
まったく、真面目な女だと思う。
文化祭実行委員のほかに生徒会とかもやっているらしい。
そんなんで疲れないのかねと思う。
俺には到底無理なことだろう。
「村山ぁ~、これっていつまでやんだよ~」
「…さぁ?終わるまでじゃない?」
曖昧な返事をされる。
わりと可愛い顔してるくせに残酷なことをいいますね。この人は。
しょうがない早く帰るために頑張るか。
それからの俺は早かった。普段はダラダラしているが頑張るときは頑張る俺だ。大して進んでなかったのを一気に完成させた。少し雑だけどな。

152:148
06/10/22 00:24:30 ElDsnUqK
作業が終わって休んでいると村山の作業の手が止まる。どうやらあちらも終わったようだ。
時計を見るともう9時過ぎになっていた。
後片付けをし、やっと帰れる。村山はまだ片付けをしているが先に帰ってもいいかな。
なにやら扉のほうでカチャカチャと音が聞こえる。何かの用具の音だと思い無視して欠伸をする。
「お疲れ」
俺はそう言いながらカバンを持ち家に帰ったら何をしようかななどと考えながら扉へ向かい扉はガラガラと音を立て開く――はずだった。

153:148
06/10/22 00:37:00 ElDsnUqK
何故開かない!?
入るときはちゃんと開いたのに!!
開けようと扉に手をかけ力を入れるもガチッという音が鳴り開かなくなっていた。
ちなみにウチの学校の扉はドアノブがある押しタイプでもないし引きタイプでもなく横にスライドするタイプのやつだ。
もちろんここの用具室の扉も横にスライドするタイプの扉だ。
こうまでして開かないということは鍵が閉まっているとしか考えられないだろう。さっきのガチャガチャという音は鍵を閉めてる音だったのだ。
日直の先生、中に人がいないかどうか確かめてくれよ…。

154:148
06/10/22 00:51:32 ElDsnUqK
俺が扉相手に格闘してるのを見て変に思わないやつはいないだろう。
村山も例外ではないだろう。
「……何やってるの?」
まるで変なものを見るような軽く軽蔑するような表情をしながら聞いてくる。
その村山の表情に軽く傷付きながらも質問に答える。「鍵が………鍵が閉まってる」
どうしようもない事実を告げる。
「ホントに!!?」
信じられないといった顔をしながらこちらに来て俺と同じように扉をガチャガチャと揺らして事の真実を確かめる。
やはり村山がやっても状況は全く変わらず扉には鍵がかかったままだった。

155:148
06/10/22 01:05:51 ElDsnUqK
ここの――今、俺達がいる用具室は扉が一つしかない。
教室などは二つあるのだが用具室は校舎内でも端にあるため扉が一つしかないのだ。
鍵がどうやっても開かないことを知り途方に暮れるがまだ諦める訳にはいかない。
他にも使える物があるはずだ!
自分のポケットを調べる。あ!!携帯がある!!
さすが文明の利器、肝心なとき役に立つね。
早速開き画面を見ると、
『圏外』
これはなんの冗談だろうか、こういうときにこれはないんじゃないかと、それはひどいんじゃないかと、携帯会社に小一時間問い詰めたいと思ったがやめといた。

156:名無しさん@ピンキー
06/10/22 01:09:56 STp1wWic
(・∀・)イイヨ イイヨー

157:148
06/10/22 01:16:36 ElDsnUqK
未だに扉と格闘中の村山に声をかける。
「もう…扉は諦めよう、それより村山も携帯持ってるだろう?」
村山はアッと声を出すと慌てて携帯を出す。
アレ?あれは俺とおんなじ機種じゃないかなぁ、いやぁ偶然だなぁ。
村山は希望を持って携帯の画面を開いたのだろうが一瞬にしてその顔はガックリとうなだれた。
「藤井君のは…」
村山の言葉が終わる前に俺は懐からひょいと携帯を見せると村山はまたしてもガックリしていた。
きっとさっきの俺も同じような表情をしていたんだろうなぁ。

158:148
06/10/22 01:38:38 ElDsnUqK
ここから脱出する方法がない訳ではない。
一つだけある。
それは窓から飛び降りる事だがここは4階だしなぁ、しかも下はコンクリで確実に投身自殺になっちゃうからなぁ…、これは却下と。そんなことを考えていると村山が急に立ちあがり壁に寄り掛かっている俺の隣へと座る。そして口を開く。
「私達って閉じ込められたの?」
今更だな、オイ。
「まぁ…そうなるな」
すると村山は膝を抱えて喋らなくなってしまった。
ちらりと村山のほうを見るが顔は腕に隠れて見えなかった。
耳を澄ますとヒック、ヒックと途切れ途切れに聞こえた。

159:148
06/10/22 01:55:28 ElDsnUqK
泣いている村山を見て酷く自分が無力に感じた。
自分のせいでないとはいえ女の子が泣いているのだ。無視出来るほど外道ではない。
「今はよ…不安かもしれねぇけど、一日の辛抱だからさ…、だから泣くなよ」
俺の声を聞き村山は涙に濡れた顔を上げる。
「頼りのない男かもしれないけどさ…、話し相手ぐらいにはなれるぞ」
安心させるために精一杯の笑顔を見せる。
「ヒック…、ありっ、ありっ、ありがとぅ…ヒック」
まだ喋ろうとする村山の言葉を遮り、
「喋るのは泣き止んでからでいいぞー」
そう言った後にまた少し村山の声が部屋に響いた

160:148
06/10/22 02:20:02 ElDsnUqK
村山が大分落ち着いて、しばらく沈黙する。
その状態が何分ぐらい続いただろうか。
1分だったかもしれないし10分だったかもしれない。そう感じるほど時間の感覚が変わっていた。
唐突に村山が口を開く。
「藤井君って好きな人とかいるの?」
「いきなり何を言って…」俺が全部言い終わる前に村山が続ける。
「私はいるよ…、それはね、いつもは適当なことばっかりやってるけど肝心なときには頼りになって安心させてくれる人なんだ」
村山は濡れたような目でこちらを見つめそして指が絡み顔がこっちへ近付いて来た。

161:148
06/10/22 02:38:28 ElDsnUqK
唇と唇が触れるだけの簡単で短いキス。
だが二人の心を繋げるのは充分だった。
キスが終わり、お互いがお互いの顔を見合う。
村山ってこんな可愛いかったかな。俺はそんなことを考えていた。
いつものムスッとした仏頂面ではなく今目の前にあるのは顔がほんのり赤く可愛いらしい同級生の姿だった。
「村山、いいのか?」
その問い掛けにコクリと頷き眼を閉じて身を任せる。
俺はワイシャツのボタンを一個一個丁寧に外していく。
ボタンが全部外れると清楚な白色のブラが現れる。

162:148
06/10/22 02:55:50 ElDsnUqK
白色のブラを上にずらすと小振りな胸が姿を現す。
肌がほんのり朱に染まっていて小振りな胸がとても艶やかに見えた。
その胸にそっと触れる。
触れた瞬間ビクッとなったが続けてという村山の声に従うことにした。
触れることから揉むことへと変えてみると、んっと小さく声をあげる。
さらに胸の中で一番敏感な突起の部分に触れるとぁんという声が聞こえた。
小さい胸は感度がいいというが彼女も例外ではなく、さらに誰もいないとはいえ学校でこういうことをしているという背徳感が興奮に拍車をかけているのだろう。

163:148
06/10/22 03:22:15 ElDsnUqK
胸への愛撫はしばらく続いた。
ずっと胸を揉むと思いきや突起のほうへと手を滑らせコリコリと突起を弄ぶ。
ずっと手でやっていたかと思えば乳房を口に含み突起を舌でチロチロと弄っていた。
何らかの刺激が加わる度に艶やかな声をあげて反応をしていた。
手は休まず今度は下へと向かう。
スカートは面倒なので無視しショーツへ手がいく。
ブラとお揃いかこちらも清楚な白色のショーツだった。
すでにそのショーツは水分を含んでおり布越しに黒い恥毛が見えていた。

164:148
06/10/22 03:44:06 ElDsnUqK
既に潤っているショーツを脱がす。
その下からは綺麗な桜色をした花弁が現れる。
布越しでもわかったように花弁は水気を帯びており思わずゴクリと唾を飲み込んでしまうほどであった。
「私だけ脱ぐのは恥ずかしいよ…」
もともと紅かった顔をさらに紅くさせぽそぽそと言う。
「そ、そうだな」
多少というか大分上擦った声で慌てて服を脱ぎだす。
服を脱ぎ終わるとお互いの身体に無い物を見合う。
俺のモノはやっぱりといっていいほど勃起しており村山が思わず絶句した。

165:148
06/10/22 03:59:45 ElDsnUqK
そして村山のソコは既に潤っており準備はいらないだろう。
俺達は見つめ合うともう一度キスをした。
今度は長い長い大人のキス。
お互いの舌と舌を絡ませ唾液を交換しお互いを確かめ合う。
その行為が終わると二人の唇から唾液の橋が出来る。
長いキスが終わると彼女を仰向けにさせ俺のモノを彼女のソコにへと宛てがう。
「は、初めてだから…、優しく……」
不安を隠しきれない表情をするが、
「出来る限り努力するよ」
今、自分が返事出来るのはこのぐらいだった。
自分だって経験があるわけではない、だが彼女が安心してくれればいい。

166:148
06/10/22 04:16:34 ElDsnUqK
力を入れると俺のモノ彼女の膣内へと入っていく。
途中で何かに当たる感触がした。
最初は何かわからなかったがすぐわかった。
彼女のほうを見るとコクリと頷く。
それに俺も頷き一気に入れる。
なんとも形容しがたい音がし彼女の表情は無理して笑っている感じだ。
「止めようか?」
彼女の身を案じそう提案するが、
「大丈夫だから、大丈夫だから」
と言って提案は消されてしまう。
「それに………、藤井君と繋がれて嬉しいの!」
涙ながらにしてそう言う彼女はとても愛しいものに感じた。

167:148
06/10/22 04:37:46 ElDsnUqK
俺のモノが全部入る。
彼女は未だに苦しそうな顔をしている。
結合部からは破瓜の証である血がモノに付着していた。
その苦しさを紛らわせるために顔を寄せキスをする。今度も舌を絡ませる大人のキス。
顔を離すと先程よりは苦しそうな顔をしていないような気がした。
そろそろと思いゆっくりと腰を動かす。
腰の速さは全然速くはないが彼女はあまり顔を歪ませていない。
段々と苦しそうな声から快楽混じりの声になってきた。
その声を聞くとおのずと腰のスピードが上がっていく。
それに比例していくように快楽の声も多くなってくる。

168:148
06/10/22 04:47:28 ElDsnUqK
「あっ……んっ!………あぁ……いっん…!!!」
明らかにさっきとは違う反応に驚きつつも興奮を覚える。
腰を動かしながら口で胸への愛撫を加える。
「ひゃん!……っん…………………………………あぁ…ぃっ……んっ………んんっ!!」
改めてすごい変わりようだと思う。
さっきまで物凄く痛そうにしていたのがもうこれだ。「もう痛くない?」
と聞くと、
「なんか頭がジンジンして気持ち良いのぉ」
と返されたもんだ。
これは少し意地悪してやろうと思い俺はニヤッと笑ったのを彼女は気付かなかった。

169:148
06/10/22 05:01:24 ElDsnUqK
俺は急に腰の動きを止めた。
彼女は何故という顔をする。
「まだ痛むだろう?そろそろ抜いたほうがいいかな?」
などとさっき聞いたくせにわざと意地悪をする。
すると彼女は泣きそうな顔になって、
「いや、もう、痛くないから動いてぇ、そうじゃないと私、おかしくなっちゃうよ」
大分切羽詰まったような声をだす。さっきとはまた別の苦しそうな顔をしている。
俺は笑いながら、
「でも血が出てるし」
結合部の血と愛液が混ざったものを掬い見せてみる。

170:148
06/10/22 05:10:34 ElDsnUqK
「…そんなっ!」
止めて欲しくない、まだ繋がっていたい。
そう表情に表れているのを俺は知っていながらも意地悪をしている。
「どうすれば、いいの?」まるで飼い主を見上げる仔犬のような顔で俺を見上げる。
「おねだりをしてごらん」「な、なんてっ!?」
「それは…」
耳の近くで呟きそれを聞いた彼女は顔を紅く染める。
「言えないなら止めちゃうよ?」
意地悪な笑みを浮かべ言葉を待つ。
彼女は意を決したように口を開く。
「…私は処女で感じる淫乱です。私に精液注いで下さいっ!」
「…よく言えました」

171:名無しさん@ピンキー
06/10/22 05:17:09 r0dkdMRc
wktk

172:148
06/10/22 05:20:30 ElDsnUqK
それから俺は彼女を責め続けた。
腰のスピードもさっきよりも速くさらに手では乳房を揉みしだき口では彼女の口内を蹂躙した。
彼女は急な責めに耐え切れずもうイきそうになっている。
「俺も、もう少しだから一緒にイこう」
彼女は返事の変わりにギュっと抱きしめてくる。
そして俺達は一緒に果てた。

173:148
06/10/22 05:28:07 ElDsnUqK
俺達は果てたあと気怠い身体をなんとか動かし、後始末をした。
お互いに目を合わせたりするとまだ気恥ずかしかったがしょうがないだろう。
二人とも服を着て寄り添うようにして眠った。



次の日
扉は何事もなかったかのようにすんなり開きちょっとムカついた。
このことを誰も知ってるものはおらず俺達の心の中に閉まっておくことにしよう。
その後どうなったかって?
もちろん俺と村山は付き合ってるよ!

~おわり~

174:148
06/10/22 05:35:07 ElDsnUqK
169~からはホントはもっとスマートに終わらそうと思ったらこんなになってしまったww
推敲とかまったくなくてゴメン


ホントに長々と駄文をスマソたまたまこのスレを見つけて神がいてそんで143かなんかのシチュを見たら書きたくなってしまったよ。
これが初物ってわけじゃかいんだけどね…。
またROMってツボシチュがあったらまた投稿するわ
じゃあこのスレが繁栄するように…
おやすみノシ

175:名無しさん@ピンキー
06/10/22 09:27:36 VLmjflor
GJ!!
乙。

176:名無しさん@ピンキー
06/10/22 17:34:54 Ql3u35Uv
GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGJ!!!!!!!!!!!!!!!


177:名無しさん@ピンキー
06/10/22 18:46:56 7Cuv6lsz
初々しくて良いなあ……

178:名無しさん@ピンキー
06/10/22 20:23:40 xepxQ/Lv
>>176を和訳すると
いぃぃぃぃぃぃぃぃぃ仕事だっ!って事か?

179:名無しさん@ピンキー
06/10/24 00:43:23 i9w5JhZP
(*゚ω゚)-3-3 ムッハー
いいよいいよーー

180:1/3
06/10/24 14:10:48 ZDHvnxGN
「なぁ、さくら」
「なに?」
「なんか聞こえるけど、重機とか出てんのかなぁ」
「そうなんじゃないの?」
「掘り返してんのかなぁ」
「そうだろうね」
「あー、早く助けてくれねーかなぁ」
「そのうち助けてもらえるよ」

「なぁ、さくら」
「なに?」
「俺らよく生きてたよな」
「運が良かったんでしょ」
「他の連中、どうなったんだろうな」
「……さぁ」
「お前って冷たいよな」
「高峰だって冷たいよ」
「そんな事ないだろ」
「そんな事あるよ」

「なぁ、さくら」
「なに?」
「腹減ったなぁ」
「喋ってるからおなかすくんだよ」
「お前は減ってないのか?」
「減ってるに決まってるじゃん」
「腹減っても、出るもんは出るんだなぁ」
「……はいはい」
「やっぱ冷たいわ」
「馬鹿な事言ってないでおとなしくしてなよ」

「なぁ、さくら」
「なに?」
「俺ら助かるのか?」
「そのうち助かるよ」
「でもさぁ、もう何日目よ?」
「何日も経ってないでしょ」
「でも、携帯の電池切れちまったじゃん」
「ゲームなんかしてるからでしょ」
「いや、そうだけどさ」
「ボクのだって、勝手に使うし」
「……悪かったよ」
「いいよもう」

「なぁ、さくら」
「なに?」
「お前けっこう可愛いよな」
「はッ、はァ!?」
「いや、前から思ってたんだけどさ」
「な、何言ってんのいきなり?」
「背もちっちゃいし、けっこう俺好みなんだよな」
「あのねぇ、ボクは─」
「あー! 真っ暗なのが悔やまれるなぁ」
「……ボクは真っ暗でよかったよ」
「冷たいなぁ」
「いいから黙っててよ、酸素が減るでしょ」
「こんなんで酸素が減るなら、俺らとっくに死んでるだろ」
「まぁ……そうかもね」

181:2/3
06/10/24 14:11:53 ZDHvnxGN
「なぁ、さくら」
「今度はなに?」
「エッチしねぇ?」
「はァッ!?」
「いや、俺まだ童貞だしさぁ」
「あっ、あのねぇ! 高峰、こんな時に何考えてんの!?」
「こんな時だからだよ。死ぬ前に一回ぐらいやっときたかったなぁーって」
「だからって、なんでボクなの?」
「だって、お前しかいねぇじゃん」
「そうじゃなくて!」
「さっきも言っただろ? けっこう好みなんだってば」
「いや、高峰の趣味は関係ないって! ボクは─」
「あー! もう襲っちゃおうかな」
「ちょっ、わぁっ!?」
「お、やーらけぇ~」
「ちょっと、こら!」
「いや、お前けっこう肉付きいいのな」
「ちょっと、やめ─ひゃぁ!」
「あ~、可愛い声出すじゃん」
「う、うるさいっ」
「やべ、俺本気になってきたかも」
「ええぇ!?」
「いや、マジ、もうね、我慢できんわ」
「ちょ、ちょっ、考え直して─んっ!」
「んっ……」
「あっ、んぅ……」
「これ、勃ってんの?」
「ば、ばかっ……ひゃぅ」
「けっこう感じてる?」
「やめてって、やっ……」
「こりこりしてる」
「馬鹿ぁ!」
「ダメ?」
「だ、ダメに決まって─ひゃぁっ!」
「すっげ、びくびくなってる」
「言うなぁ!」
「マジ俺、なんで今までお前の魅力に気づかなかったんだろう」
「なにがぁ!?」
「あー、これってあれかな、なんだっけ、吊り橋効果とかいうやつ?」
「知らないよそんな─ちょっとぉ! どこに手入れてんのっ!」
「あ、お前、これ、濡れてんじゃん?」
「馬鹿っ! やだちょっと、なに脱がしてんのっ!」
「あーもう、いいだろ?」
「な、何がっ」
「もういいじゃん、な? お前だって一度もやらずに死にたくなんてないんだしさ」
「勝手に決めないでって─んっ、あぁぅ!」

182:3/3
06/10/24 14:13:49 ZDHvnxGN
「もうやる、決めた。やるしかない」
「だから勝手に─あぅ、ヤダちょっと、本気!?」
「本気と書いてマジ」
「でもっ、でもほら! お、おなかすいてるんでしょ?」
「そんなの忘れた」
「ええぇ? ぼ、ボクは冷たいんじゃないのっ?」
「ここ、熱いし」
「あぅっ、馬鹿ぁ!」
「あー、お前の顔見えねぇのが悔しいなぁ」
「ボクは見られたくないっ!」
「んじゃいいじゃん。見えないし」
「よ、よくないでしょぉ!?」
「いくぞ……んっ!」
「あっ、ダメ、ダメだって─あっ、ひッ!」
「うあ、すっげ……うわこれ、すげっ」
「痛ッ、痛いってばぁ!」
「いや、ちょっ……マジすげぇ」
「抜いてっ、痛いって高峰ぇっ!」
「ごめん、無理」
「ええぇっ!? そんな、ひゃっ!」
「ここ、いじるからさ、な?」
「そんな、やっ、あっ、ひぁっ!」
「あぁっ、さくら、すごいわ……マジ、これ、ああぁ……やべ、もうやべぇ!」
「ひっ、ひぅ……ひゃぅ……」
「あああぁっ─出るっ、くぅッ!」
「ひぅ、あっ、くぅ……」
「あぁっ、すげ、あああぁ、さくら……出た、出ちゃったよ……」
「うう……うううぅ」
「すごいよ、マジすごかったよ、さくら……」
「うぅ……馬鹿……高峰の馬鹿ぁ!」
「あ、え、えっと……ごめん」
「謝るくらいなら最初からするなぁ!」
「ごめん……あっ」
「ったくぅ……」
「ほんと、ごめん」
「もういいよ……」
「ほ、ほんとか?」
「ちゃんと、ぼ、ボクの事も……気持ちよくしてくれたら、許してあげるよ」

     *     *     *

「えー、新たに、生存者が救出された模様です。現場と繋がっていますので、
呼んでみましょう。現場の滝川さん─」
「はい、こちら現場の滝川です。つい先ほど、崩れた瓦礫の下から、こちらの
学校の生徒とみられる少年ふたりが救出されました。二人は衰弱しているもの
の意識ははっきりしており─」

                                     Fin.

183:名無しさん@ピンキー
06/10/24 14:15:24 ZDHvnxGN
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……。

184:名無しさん@ピンキー
06/10/24 17:52:58 HbM6h7yW
アナウンサーが間違えただけなんだよな?

185:名無しさん@ピンキー
06/10/24 18:17:42 bpBNki8n
>>184
ぐはっ、喪舞の言葉でスレ違いなことに気づいてしまったではないかorz

186:名無しさん@ピンキー
06/10/24 21:57:45 yR+4oOuQ
>>180
ボクっ娘に萌え死にますた

187:名無しさん@ピンキー
06/10/24 23:57:39 urs2FVPS
僕っ娘の男装少女と脳内補完された

188:名無しさん@ピンキー
06/10/27 22:52:27 fOF76OyV
このスレの>>1はどこへ行ってしまったのでしょうか・゚・(つд`)・゚・

189:テス
06/10/28 13:48:21 MlGVH7NE
ここはどこだろうか
重い瞼を開くのが欝陶しいぐらい身体が痛む
ただ
耳に聞こえるさざ波が…
確かに生き残ったことを教えてくれた……。



あれは何時間…いや、何日さかのぼればいいだろうか。
私は海外の事業が終わり、やっと日本へと帰れることになり
客船のチケットを買い親しい現地の人に見送られながら船に乗り込んだ。
(あぁ、やっと帰れる…)
その想いがひたすら私の気分を高揚させていた。


あの事故が起きるまでは…


とまぁこんな感じで前に言った妄想を文にしてみたよ。

190:名無しさん@ピンキー
06/10/28 21:08:52 MlGVH7NE
(´・ω・)こんどはパソから続き書いてみていい?

無人島ものなんだけど

191:名無しさん@ピンキー
06/10/28 21:39:48 CZxPeBP8
書いて書いて(・∀・)イイヨ

192:名無しさん@ピンキー
06/10/28 22:24:13 7wqVjMuq
書いていいですよ もとい 書いてください!!

193:名無しさん@ピンキー
06/10/29 23:20:44 mut6UhxO
書いてください!!!


194:名無しさん@ピンキー
06/10/30 01:16:31 nJcQguOI
(´・ω・`)ムズカシス
書いてるよ゙まとめて投下する予定

195:名無しさん@ピンキー
06/10/30 23:00:39 i+Eyntt0
Rainbowシリーズの続きもたのしみにしてます。

女の子視点で半レイプだから、
このまままっすぐ且つゆっくりと最後まで進めば
自分的に永久保存ものなのだけど。

196:名無しさん@ピンキー
06/11/01 01:49:18 dYf2EyAg
ひどい作品になってきたぜぜぜ

一人称視点と三人称視点がいりみだれて読みにくいうえに描写できなくてわけわかめ(´・ω・`)
やっぱり難しいね。まだ序盤なのに無駄に長いし

197:名無しさん@ピンキー
06/11/02 01:05:23 cKlZMSR0
私も『Rainbowシリーズ』楽しみにしています。
続きこないかなー(´・ω・`)

198:名無しさん@ピンキー
06/11/03 19:03:28 N7nBs2mW
期待

199:名無しさん@ピンキー
06/11/06 10:07:42 CKBqbi6m
保守

200:名無しさん@ピンキー
06/11/06 23:51:16 /LX4Xfj4
きも試しなんてシチュ思い付いたんだけど、書いてみてもいい?
なんかそこまで危機的状況にならなそうなんだが。

201:名無しさん@ピンキー
06/11/06 23:54:41 s8XGGmKK
どうぞ、どうぞ。

202:名無しさん@ピンキー
06/11/07 00:52:04 tgnPQLeK
おK。ネット繋がってないから、携帯から頑張るよ。

203:名無しさん@ピンキー
06/11/07 23:43:02 knJBhiWm
>>202
携帯でも構わないけど、改行には気をつけてくれよ。

204:名無しさん@ピンキー
06/11/08 18:07:51 24Uoo3GG
wktk

205:名無しさん@ピンキー
06/11/12 15:39:48 OYydPogo
(*´Д`)ハァハァ

206:名無しさん@ピンキー
06/11/14 15:44:54 Q4hJc04d
>>202
マダー(゚Д゚≡゚Д゚)

207:148
06/11/14 18:16:53 mf3qP8EY
ちょっと電波を受信したのでまた書いてみようかな
また携帯からなんで見にくかったらスマソ

208:148
06/11/14 19:49:31 mf3qP8EY
『ガチャン』
急に上に動いていた足場が止まる。
そう、エレベーターに乗っていたのだ。
日頃から乗っているものだが止まるのなんか滅多にない。
止まるなんて運がわりぃなと思う。
俺――萩原新一(はぎわら しんいち)は自分の運の悪さを恨んでいた。
俺の隣では我が職場のマドンナ和泉未緒(わいずみ みお)が茫然としていた。
「エレベーター、止まっちゃったね」
「はい、止まっちゃいましたね」
「………」
「………」
お互い会話が続かなかった。
何気なしにとなりの和泉を見る。
美人というよりかわいいとされる顔、さほど大きくはないが形の良さそうな胸、気立てが良いという評判の性格、そんな人と閉じ込められたとはいえ二人きりになれるなんていいんだか悪いんだか。
ま、俺なんかきっと見向きもしないだろうがな。

209:148
06/11/14 21:53:10 mf3qP8EY
会話も続かないから非常用のボタンを探すことにした。
対して苦労することもなくボタンは階のボタンの上にあった。
このボタンを押したらこの嬉しいようなそうでないような雰囲気からおさらばというのは複雑な心境だった。
そしてボタン押す。
1秒、2秒………変化なし。
あれ?おかしくないか?
何回ボタンを連打しても何も反応がないし、何十秒押しても何もならなかった。
「……どうしようか………?」
「……とりあえず助けがくるのを待ちましょうか」
二人で顔を見合わせて落ち込んだのだった。

210:名無しさん@ピンキー
06/11/14 22:19:52 IPdje5UI
wktk

211:148
06/11/14 22:53:36 mf3qP8EY
この時間、終業のベルは鳴って大分時間がたっている。
深夜とは言えないが普通では夕食を食べ終わってテレビを見ているような時間だ。
俺はなんで残業をしているかというと明日までに片付けなければいけない仕事があり残っていた。
彼女も何かやることがあったらしい、詳しくは言わなかったが…。


やることがないのでとりあえず壁に寄り掛かるようにして座る。
すると和泉も同じようにして隣に座る。
「私たち…、閉じ込められちゃったんですね…」
今さらだが事実なのだから仕方がない。
「そう…だね、閉じ込められるなんてツイてないよな」
ははは、と諦めたような感じで笑いながら言う。
「そうですね~、ツイてないですね」
和泉もあまり元気のない顔をしながら言った。

212:名無しさん@ピンキー
06/11/14 23:29:15 Q4hJc04d
ktkr!

213:148
06/11/15 00:38:12 lkD1G2SF
最初の予想とは異なり会話は続いた。
仕事のことや同僚のこと、いろいろと他愛のない話しをした。
そして、沈黙が空間を支配する。
二人とも口を開かずただ座っている。
いきなり和泉は頭を俺の肩に乗せ寄り掛かった。
甘い香りに理性を奪われつつも耐える。
沈黙を破り和泉が口を開く。
「誰もこないですね」
俺の返答を待たずに続ける。
「萩原さんって私たち女性社員の中で評判良いんですよ~」
「そ、そうなの?」
それは初耳だ。
「そうですよ~、ルックスもいいし仕事も一生懸命だし誰にでも同じように接するからですよ」
褒められて悪い気がするやつはいないだろう。
和泉が言葉を続ける。
「私も……ちょっといいなって思ってたんですよ…」和泉はそういいながら俺の肩に乗せていた頭を持ち上げ俺の前に持っていき唇を重ねる。
唇を重ねるだけの短いキス。
「えへへ、キスしちゃいました」
そういいながら笑う姿は俺の理性という枷を壊すには十分だった。
「わ、和泉!!」
俺は彼女を抱きしめまたキスをした。
今度は唇を重ねるだけじゃない長い長い大人のキス。
最初は驚き目を見開いていた和泉も次第に目を閉じていった。

214:148
06/11/15 01:09:46 lkD1G2SF
長いキスが終わったあとには二人の唇からは銀の糸が繋がっていた。
俺は一気にいきたいのを我慢して一枚一枚丁寧に脱がしていった。
下着以外を脱ぎ終わると今度は俺の番とでもいうような感じで俺の服を脱がしていった。
お互いが下着姿になると急に恥ずかしさが込み上げてきて和泉は恥ずかしいですといって顔を紅くして俯いてしまった。
俺はその恥ずかしさをはらうようにもう一度キスをした。
それと同時に手を滑らせ胸の下着を取り払った。
キスをしたまま胸の愛撫を開始する。
乳房を軽く揉んだり先端の突起を触っているとだんだん和泉の息が荒くなり始めた。
少し調子に乗って口を胸のほうに持っていく。
口で吸って舌で転がしたりすると、
「…ん、……んぁ…」
明らかな嬌声が口から漏れて俺の興奮に拍車をかけた。
さらに手を下へと持っていくと下着ごしでも分かるほど濡れていた。
「和泉は感じやすいんだな」
少し意地悪っぽくいうが、
「そんなこと……ぁん」
否定しようとしたが俺に阻止される。
湿り気のある下着の両端を持ち脱がしていく。
その恥ずかしさに思わず隠そうとするが、
「和泉のココを良く見せて」
そういうと
「…はぃ」
顔を真っ赤にしながら手をどけた。

215:148
06/11/15 01:49:44 lkD1G2SF
和泉のソコは綺麗な桜色をしておりそれが愛液で艶やかに光っていて思わずゴクリと唾を飲み込むほどだった。
俺はさっさと下着を脱ぎ痛いほどにいきり立った自分のモノを和泉の秘所にあてがった。
「和泉、いいか?」
「…ぅん、来て!」
返事を聞くや否やすぐに俺は和泉に入れた。
「あぁん、……ぅぅん」
入れて間もなく和泉は絶頂を迎えた。
俺はそれに構わず動こうとする。
「イったばっかりで感じやす……ひゃう!!!」
お構い無しとばかりにずんずんと責める。
「ま、またイっひゃうよぉ~」
あまり呂律が回ってない口でいう。そろそろ俺も限界が近いようだ。
「和泉、そろそろ、限界がっ!」
「いぃよ、中にいっぱい」そして俺は和泉の中へと出してしまった。
「あ~あ、こんなにいっぱい、もしできてたら責任とってくださいね♪♪」
満面の笑みですごいことを言ってくる。
「わ、和泉…」
「もう…、名前で呼んでくださいよ」
ちょっと頬を膨らますところが可愛いな。ってそうじゃなくて!
「未緒…、ゴメンまた…」「あはっ♪じゃあ満足するまでやりましょうか♪」
そう言って俺達は二回戦に突入したのであった。



エレベーターが止まったのは故障で止まってしまったらしい、見回りに来た警備員が気がついて助けを呼んでくれたらしい。
まぁ、行為が終わったあとでよかったよ…。

216:148
06/11/15 02:15:28 lkD1G2SF


―3ヶ月後――



「え~、和泉クンが寿退社することになったそうだ」
部長がみんなを集めて話しをする。
男性社員から驚きの声があがる。
「今までお世話になりました」
ペコリと頭を下げる。
「なんと相手は萩原だそうだ」
今度は女性社員が驚きの声をあげる。
男連中は俺を見て悔がるものなどいるが無視だ。
俺は未緒の隣に立ち頭を下げる。
未緒がみんなに聞こえないぐらいの声で耳打ちする。「この子と一緒に幸せになりましょうね、あ・な・た♪♪」
そう言ってうふふと微笑む未緒は幸せそうだった。



~おわり~

217:148
06/11/15 02:18:30 lkD1G2SF
最後まで読んでくれた人ありがとう
なんか微妙な仕上がりになっちゃったな~
まぁ、保守程度に………


またなんか面白そうなシチュがあったら食いつくんでよろしく
じゃあおやすみ
ノシ

218:名無しさん@ピンキー
06/11/15 19:42:45 AXHtC2mD
GJ!(・∀・)イイヨー!

結婚に至るまでの出来事も詳しく聞きたいw

219:名無しさん@ピンキー
06/11/16 20:51:47 wMn+Suu6
GJ。乙。

220:名無しさん@ピンキー
06/11/21 12:34:18 GKvGOaYg
今更ながらO2

221:名無しさん@ピンキー
06/11/22 20:00:01 /eiTNbXb
北海道の方にきた津波のおかげでちょっといいネタ思いついたが書いてみようかな

ところでバトルロワイアル系でこういうのできないかね?>>222

222:名無しさん@ピンキー
06/11/22 20:26:21 n3Uk58zn
ん?俺に聞いてるの?

TSUNAMIネタwktk(・∀・)

223:名無しさん@ピンキー
06/11/22 20:34:15 /eiTNbXb
残念ながらTSUNAMIのつもりがついさっききた地震に影響されて地震ネタになりそうだ。

224:名無しさん@ピンキー
06/11/22 20:40:43 n3Uk58zn
地震でもいいぜ(`・ω・´)
さあカモン!

225:名無しさん@ピンキー
06/11/22 22:29:27 /eiTNbXb
途中まで書いて挫折…OTL
これは駄目かも分からんね

226:名無しさん@ピンキー
06/11/23 10:36:26 rqlqDHkf
工エエェェ(´д`)ェェエエ工工


227:202
06/11/27 00:39:08 b3+Opth0
スマン、色々立て込んでなかなかかけんかった。
途中までならあるが、投下したほうがいいか?

228:名無しさん@ピンキー
06/11/27 10:47:05 tT8m5P9W
勿論

229:名無しさん@ピンキー
06/11/27 18:23:15 IwC0TYE5
きたいあげ

230:202
06/11/27 22:32:32 b3+Opth0
息を吐くと、ジッポーの明かりが照らし出す部屋に、白い色が混じった。
「うぅ……」
寒い。
バナナで釘が打てるんじゃないかってくらい寒い。
「……なあ」
「……何よ」
「……何でこんな事になってんだ?」
「……知らないわよ、ったく」
さっきまで暴れていた連れは、すっかり大人しくなって俺の隣で縮こまっている。

231:202
06/11/27 22:33:13 b3+Opth0
俺達は今、訳のわからない状況に置かれていた。
簡潔に言うと、廃屋に閉じ込められている。
それだけなら全く問題はない。
ドアがあるならそこから出ればいいし、開かなければ壁でも窓でも壊せば済むことだ。
だが、ここは地下室。
入ってきたドアは開かず、窓も壁も壊せそうにない。というか、ない。
「はぁ……」
「ため息なんて吐かないでよ、うっとおしい」
「……」
なんだってこんな事になったんだろ?

232:202
06/11/27 22:34:47 b3+Opth0
とりあえず、このぐらい投下しとく。
少しだけだけでゴメン。

233:名無しさん@ピンキー
06/11/29 19:16:40 iurZyZ+F
期待。

234:名無しさん@ピンキー
06/12/03 01:16:24 bw3A2pEx
待ちage

235:名無しさん@ピンキー
06/12/03 01:24:41 0WJRTlVJ
期待age

236:名無しさん@ピンキー
06/12/03 12:43:38 AG9NJCSe
期待age

237:名無しさん@ピンキー
06/12/03 14:59:15 7f2mRu/8
続きを待ちわびて
首がキリンみたいになってきた~早く続きを!

238:ダンジョントラップ!
06/12/05 02:00:48 TT4e0l54
よぅ兄弟。儲かっているかい?
なに?みみっちぃゴブリン退治や、嫌味な商人の護衛で食いつないでるって?
おうおう大変だねぇ、ご苦労様様だ。
俺かい?俺は、ウハウハさ。見てくれよ、この目の前の光景を!
胡散臭い地図屋から二束三文でぶんどった紙切れが、騎士様一生分の財産に匹敵する金銀財宝に化けちまうんだからな!
まったく、冒険者冥利に尽きるぜ。ただ、ちぃとばかり問題があってな。
バケモノの類はあらかた殺し尽くしたからいいんだが、この目の前のクソッタレな鉄格子が開かないでやんの。
なにか嫌な予感はしたんだよ。したんだが、俺はあくあまで戦争屋なわけで罠なんか専門外なんだよ。
…仕方ねぇだろっ!?古代王国期のガラクタがあればラッキーぐらいで、まさかこんな陰険な遺跡だと思って無かったんだから!
そこで、だ。
ギブ&テイクだ。世の中を動かすのは金だ金。
ここにある財宝の取り分を半分やるからお前さんのシーフとしての腕を貸してくれ。
なに、嫌だ?おいおい、一番のりは俺だぜ?せめて、半分はこっちに寄越せよ。
アンタだって、この鉄格子を空けなきゃこっちには……。

239:ダンジョントラップ!
06/12/05 02:16:53 TT4e0l54
ガチャン ギィィ

おお、分ってくれたか。
え?金はいらない?ま、てそれはそ、
うひゃあぁっ!?
ちょ、ま、馬鹿!や、やめっあん、ダメっだ……なにすああああああっん!?
このヤロ何す、ききききれいってそんなこと言われたことあひゃあっ!?
アホ!?よよよ嫁に来いだと!?なにけったいなこと抜かしてやがっ!?
やめ、ももむな!?あふぅん…いやぁ、せめて、やめ、こーゆーことは手順をふぅぅっ!?
いや、手順を踏めばいいってわけじゃぁあああああっ!?

数ヶ月後。
俺…は冒険者家業をやめて街にいた。
色々文句があったが、今となってはどうしようもない。
まぁ結婚資金は無駄にあったし、親父とお袋が花嫁姿の俺を見て感涙しちまってるのを裏切るのも辛い。
第一、この腹に宿っちまった宝物を捨てるわけにはいかねぇしな。
あーこれはアレか?女冥利に尽きるのか?

END
…とほほ。

240:名無しさん@ピンキー
06/12/05 02:20:37 TT4e0l54
突発的に書いた。
色々とお約束から外れているよーな気もしなくも無いが、私は謝らない!

241:名無しさん@ピンキー
06/12/05 10:14:28 Pb7Q9p+t
こんな俺後のみのスレがあったとは…

242:名無しさん@ピンキー
06/12/07 23:25:50 WqMmzVi/
さっきのイイヨー(・∀・)
GJですた


さて………、あまり人がいないからまた書くかな………だがネタがないorz
誰かネタプリーズ
そしたらまたいけるかも

243:名無しさん@ピンキー
06/12/08 05:20:04 JSGLTIvZ
前に書くっていって
コツコツ書いてるんだけど
難しいよね(´・ω・`)

みんなが忘れた頃に投下できると思います。

244:名無しさん@ピンキー
06/12/09 03:55:23 +lebB8ey
>>238-239イイ

245:名無しさん@ピンキー
06/12/09 12:43:49 WXEXvWnf
オレっ娘(*´Д`)ハァハァ

246:名無しさん@ピンキー
06/12/11 14:10:56 mtOdeG07
いつでも待ってるぜ
とりあえず保守保守っと

247:名無しさん@ピンキー
06/12/16 05:15:08 i+rSRUYV
ほしゅ

248:名無しさん@ピンキー
06/12/16 09:44:32 DULW328A
「まったく、昼の連中は何を考えているんだ。」
防菌服を脱ぎ悪たいをついた、世界各地で猛威を振るっている感染した人間を死に至らしめるリグマリオウイルスの研究チームに入ってから、
もう1ヶ月になる、俺のチームでは様々な動物でこのウイルスの抗体が出来ないか試しているが、まったく成果が出ていない。
牛のバイタルが変化し、血液を調べたらインフルエンザの反応が陰性だったのだ。急いで対策をとらなくては、純粋なサンプルが取れなくなったばかりか、他の動物も汚染してしまう可能性が高い。
ふと、窓の外に視線が止まった。他の棟に入って行く人間が見えたのだ。昼のチーフ桜井女史だった。若い年齢でありながら、他の大学か
ら引き抜かれてきた優秀な人間だ。もっとも、その優秀さよりもショートカットの童顔からは連想出来ない白衣の下のグラマラスの体の方が俺にはよっぽど重要なことだが。
「昼のチームの奴がいたから、話をしてくる。」
それが桜井女史であることはおくびにも出さず、防菌室の中にマイクで呼びかけた。同僚に手を振り返すと桜井女史の後を追いE棟に入った。


249:248
06/12/16 09:50:30 DULW328A
勢いで書いたのですが、推敲しなかったため文章が少しおかしいですね。
もし良かったら、続きを書こうと思います。

250:名無しさん@ピンキー
06/12/16 09:56:14 DULW328A
age忘れました

251:名無しさん@ピンキー
06/12/16 13:37:36 /+CQEEy0
GJ!
続きをwktkしながら待ってるぜ!!!
バイオハザードものは難しそうだが頑張ってくれ!

252:夏の日(1)
06/12/17 14:43:59 tRr/DpMn
 油蝉の鳴き声が遠くに響く。時折吹き抜ける風が軒先の風鈴を揺らし、チリリ、と涼や
かな音色が暑気を遠ざけるような気がした。
 真夏の空は抜けるような青空だった。強い光は遠くの雲を真っ白に見せている。
 クーラーのない縁側で、ぼんやりと頬を伝う汗をタオルで拭った。
「麦茶のお代わり、いりますか?」
 背中にかけられた声に振り返る。隣に置いたグラスは、もう空だ。
「すいません。お願いします」
 一礼してそう答えると、「ちょっと待ってて下さいね」という言葉と共に、すぐそばに
女性が膝を下ろす。
 グラスを手にとって立ち上がると、彼女はそのまま台所へと消えていった。
 夏のむせ返るような草の匂いがかき消され、彼女の髪から漂う石鹸の匂いが鼻をくすぐ
った。

 クーラーも無いこんな田舎の家になんだって居るのかといわれれば、親戚の法事が理由
だった。しかも殆ど面識の無い母方の伯母の法事だ。本来なら両親が列席するのだろうが、
タイミング悪く祖母が入院してしまい、息子である自分が代わりに来ることになってしま
ったのだった。
「あの……」
 考えに耽っていると、背後から困ったような声がかかる。
 振り返れば、自分と同い年か、もう少し年下っぽい雰囲気の女性が困った顔をしてグラ
スを持っている。
「ああ。すいません。どうも」
 ゴニョゴニョと口の中でそんなことを言いつつ、彼女からグラスを受け取った。
 彼女はそのまま居間に戻り、畳に座る。テレビは高校野球の試合を中継しており、時折
アナウンサーの興奮した声が聞こえていた。
 彼女は、この伯母の家の娘だそうだ。自分とは従姉妹になるのだろう。だが自分は母方
の親戚とはほとんど付き合いが無く、彼女とも今日が初対面だった。
 家には他に人気は無い。
 本来なら法事ともなれば一族郎党が集まり無駄に騒がしいものだが、自分の到着が早す
ぎたのか、着いてみればきている人間は自分だけだったのだ。
「……はぁ」
 ため息混じりに縁側から空を眺める。
 関東の大都市で生まれ育った自分にとって、こういう田舎の家というのはテレビの中の
ファンタジーと同様だった。少なくとも庭先に鶏が放し飼いされているような家というの
は、想像の外だ。
「あの、ごめんなさい。お父さんもお母さんも、寄り合いに出ちゃってて」
「いやー。自分が早くつきすぎただけだから、そんな。気にしないで。むしろ早すぎてご
めん」
「いえ。そんな」
 沈黙に耐えかねたらしい彼女の言葉に答え、再び空を視る。
「……何か面白いものでも見えますか?」
「空が広いなぁ、と」
「はぁ」
 よく分からない、という雰囲気で頷いた彼女を背に、冷えた氷で汗をかいたグラスを口
に運んだ。


253:名無しさん@ピンキー
06/12/17 14:46:31 tRr/DpMn
災害(事故)起因とは違うシチュエーションもありでしょうか?とか思いながら書いてみました。


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