06/11/16 00:54:27 WQ+lNcKe
彼は戦慄した。
「なんだ、それ―」
息と唾を同時に飲み込む。嫌な音がした。
幾多の死線を潜り抜けてきた彼には、実績に裏打ちされた各個たる実力と自信があった。
しかし、突如として現れた未知の存在を前に、彼は間違いなく圧倒されていた。
膝上の短いスカートは可愛らしいが、それ自体の破壊力は彼の予測範囲内であり、それに伴うダメージも想定内に収まった。
だが、そこから伸びる白き双柱が、彼の計算を完膚なきまでに粉砕せしめた。
すなわち、彼女の両脚である。
丈の短いスカートから伸びた彼女の脚は、白い生地で一筋の皺も無くぴったりと覆われていた。
それは、双脚の美しいシルエットを損なうことなく描き切ると同時に、地肌を晒さないことによってある種の恥じらいを語らずして表現することに成功している。
―ニーソックス。
外観は彼の知識と合致する。
だが、その効果は、彼の想像を超越していた。
よもや、よもやこれほどの破壊力を持つとは。
完全に、視界外からの攻撃である。
「……何ぼーっとしてんの? 馬鹿ヅラがもっと馬鹿に見えるわよ」
彼女の言葉で、彼はようやくいくらかの冷静さを取り戻すことができた。
全てをかなぐりすててそれにむしゃぶりつきかけた自分を必死に制する。
そう。こんなところで屈するわけにはいかない。
彼は心の中で合言葉を唱える。
センパーフィ。センパーフィ。
米国海兵隊に居た頃の、あの辛く苦しいいじめと訓練の日々が、彼の頭の中を駆け巡る。
それは彼に、自信と自覚を取り戻させる。
そうとも。自分は、幾多の苦しみを乗り越えた戦士である。
こんなところで、無様をさらせば、今まで自分がしてきたことに背を向けることになる。
アイルランド、アフガン、ソマリア―世界各地で共に戦い、散っていった戦友たちに顔向けができない。
彼はきっと眉間に力を入れると、眩き敵をしっかりと見据えた。
これは試練だ。乗り越えなければならない試練だ。
人として、男として、自分はそれに立ち向かい、そして突破せしめなければならないのだ。
彼の闘いが始まる。
*
控え室>433に軽く示してやるつもりだったのに、俺は何を書いてしまっているんだ。
疲れてるのかもしれない。