星のカービィ その6at EROPARO
星のカービィ その6 - 暇つぶし2ch856:星の髪飾り(2)
07/08/26 19:30:19 +HTIwmXl
「安直で、いいんじゃないの?」
「へ?」
考えに耽っていたところを破られ、ブンは思わず間抜けな声を出した。
「変に悩んで相手の好きじゃないものを贈るより、一番気に入ってくれるものを
選んだら?それが一番だと思うけど?」
「う~~ん…。」
腕を組み、ブンは考え直す。
「星型はこれで全部…」と商品を眺めていたタゴは、急に「あーーーーっ!!」と声を上げた。
あまりに急な大声にブンの心臓は跳ね、バクバクと粗く鳴る。
「お、驚かすなよ!!」
「思い出した!ちょっとそこで待っててね~!!」
言い終えるが早いか否か、タゴは仕入れた商品が積んである部屋へと飛び込んでいった。
3分ほど経ち、段ボール箱を抱えたタゴが飛び出し、ブンの元へと騒がしく走ってきた。
「何だ、それ?」
「4日程前に、新しく商品仕入れたの忘れてたんだよ。」
忘れたら駄目だろ、と思ったが、黙っておいたブンだった。
段ボール箱の中身を引っ掻き回し、お目当てのものを見つけたタゴは、それを掲げた。
「新しく仕入れた、星の飾りのついたヘアゴム!どうだい?」
ブンはそれを手に取り、まじまじと見た。
ぷっくりとツヤのある、丸みを帯びた黄色い星型のビーズに黒いゴム。大きさも丁度いい。
(…いいかも、コレ。)
否。これじゃないと駄目な気がする。
こんな風にポップな感じのものなら、“アイツ”によく似合うだろう。
「――これ、いくら?」
「200円。」
慌てて財布の中身を見るブン。今月ピンチなのだ。
1個だけ残っている500円玉を見て、何とも切ない気持ちにさせられる。
「彼女にプレゼントするなら、ちょっとの痛手くらい我慢しないと。」
タゴのそんな言葉に、ブンはぐうの音も出ない。
直後、聞き逃しかけた言葉に敏感に反応し、大慌てで否定した。
「バッ、違っ、彼女なんかじゃねえよ!アイツは――!」
「アイツって誰のこと?」
タゴの顔がにやけて見えるのは気のせいだろうか。
その場に居たたまれなくなったブンは、今月最後の500円玉を乱暴に突き出した。
「買った!!」
「はいはい、お釣り300円ね~。」
タゴから釣銭を受け取ったブンは、赤くなりながらダッシュで城まで走っていった。
「また来てね~~~。」
タゴは呑気に、小さくなっていくブンの背中に手を振った。



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