星のカービィ その6at EROPARO
星のカービィ その6 - 暇つぶし2ch539:名無しさん@ピンキー
07/03/21 08:48:06 2maizsav
もう─喋って欲しいのか、喋って欲しくないのか─よく分からなかった。
家路を急ぐアドレーヌを、容赦なく雨が、混乱が、焦燥が穿つ。
後ろを振り返るのが怖かった。実は居ないんじゃないかと錯覚させるような……
重みがあるのに。空気のような感覚が怖かった。
あのネコ耳が機能しているなら、猛烈な勢いで謝罪したかった。劣情の対象。贖罪の対象。次は何だと。
これ以上、ケケに……この少女に何を。
…贄になれと?そう自分は思ったのか。
そんな言葉を、ぐびと飲み込んだ。吐き出そうにも、また贖罪のループに嵌りそうで。ただ、怖かったから。
“謝罪したかった”なんて。もう嵌っていたのかも知れないけれど。
恐ろしかった。喉から、無責任な言い訳が出たがっていた。自分本意な言い訳が喉をよじ登り、産声を上げそうになる。

思えば………最初の一人目から──

だめだ。だめだ。だめだ。
喉が駄目なら。脳裏を焼き切って、何かが出て来そうになる。慌てて………隠した。隠蔽した。
……限界だった。
気が変になりそう。雨で霞む景色が、チカチカする靄に塞がれそうになる。
雨との不協和音。変な耳なりが、脳を揺さぶった。

今の自分には、飲み込もうと思っても言い訳が欲しかった。
子供のように喚きながら、ぐしゅぐしゅに言い訳を羅列したかった。涙が止まらない。


「産みの親……何でも分かる………か。」
衝動が、とうとう口を割いた……いわずもがな、一人ごち。
雨が、ここぞとばかりに消しにかかる。
「笑っちゃうよね」
土石流のように衝いて出た言葉を言うのに、混乱と寒さで歯がカチカチ鳴った。
それでも、背中に聞こえるように。まるで自嘲するような口調で、アドレーヌは吐き出した。



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