星のカービィ その6at EROPARO
星のカービィ その6 - 暇つぶし2ch413:名無しさん@ピンキー
07/02/17 16:53:32 H09+j1vn
─ガタン!!ガコッ!!!
立ててあった絵の具やら筆入れが散乱した。ケケはおもいきりに押し倒され、頭を脚に打ち付けてしまった。
しっかと両手をついて押さえ込み、胸の大きな釦に手を伸ばす。
「はぁッ……」
呼気が荒い。動悸が激しくなる。焦る右手で、釦と格闘する。夢中で、格闘する。
プツ… と、大きな止め具が外れ、窮屈なハイネックがするりと緩む。右手が、次の役目を果たすべく、スカート部分へと滑る。
もう戻れないと思った。これから私はこの子を──


「痛っ……たあぃ…」
「!!!!!」


小さな悲鳴が届いた。ある種「黙」の世界に入ったアドレーヌだが、一瞬に冴えた。視覚に輪郭が蘇る。
「っごめんなさい。気が付かなかったわ。…どこをぶつけたの?」
「………。てっぺん、らへん」
右手に別の「役目」が宿った。すっとケケの顔を撫ぜ、頭に伸びる。
そのまま、銀の髪をくしゃくしゃ撫ぜた。甘い香が嗅覚に届く。
「あなた、絵なのにイイ香りがするのね。…………上手くなったものだわ」
遠い目もそのままに、悲しそうに呟いた。

「え…?「え」ってなんですか?」

そうか。この子は何も知らないんだ。自分は何か。何故ここに居るのか。これからどうなるのかさえ──
「???」
首をかしげ、まるまるとした瞳を一心にこちらに向けてきた。この子の丸く黒い瞳が、私を責め立てている気さえした。視界の端、散乱した身のか細い黒の絵の具チューブが、痛ましく写った。



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