【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】at EROPARO【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト350:名無しさん@ピンキー 06/10/03 21:55:05 t/lh8X/y 「ひぇぇん…銀子ちゃぁぁん」 「はぁ…いつまで泣いてるのよ、バカ」 鼻水と涙を垂れ流しにしている幼い男の子。 弱気で、ケンカも弱く、それなのに人一倍正義感の強い男の子、それが紅真九郎だった。 家族ぐるみで付き合っていた銀子はよくそのことを理解していた。 今日とて真九郎は、野良犬を虐めていた男の子たちを止めに行ったはいいものの、返り討ちにされてしまったのだ。 それを聞いた銀子はすぐさまその男の子たちを追いかけて、結果的には真九郎や野良犬を守ることになった。 「まったく…、何かあったらあたしに言うのよ。アンタはあたしが守るんだから」 「う、うん…」 こいつだけは私が守らなくちゃ。こいつはいいヤツなんだから。 漠然とした思いではあったが、幼いながらもその小さな身体に似合わず強固な意志があった。 だが、その意志はあっさり折られることになる。 紅家を巻き込んだ飛行機事故、立て続けに起きた銀子たち自身を巻き込んだ拉致未遂事件。 結局何も自分が出来ることはなかった。真九郎を守ることが出来なかった。 事件が起きた当時は悔恨し、自分の非力を責めてばかりいた。どうしてあの時真九郎を守ることができなかったのかと。 そして、真九郎は崩月家に引き取られていった。 「初めまして。私、崩月夕乃と言います」 そう言って見知らぬ老人と共に真九郎を引き取りに来たのは、自分よりわずかばかり年上の少女だった。 けれど、容姿は自分よりも大人びていて、ふとしてみれば真九郎の姉と雰囲気が似ていた。 これもまた悔しいことだが、真九郎は自分たちよりも彼女たちといた方が幸せになれるのではないかと思ったのだ。 それで幸せになれるのなら、仕方が無いと諦めていた。―――真九郎が揉め事処理屋をはじめると言いはじめるまでは。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch