【俺の】結婚&新婚萌えスレッド【嫁!】at EROPARO
【俺の】結婚&新婚萌えスレッド【嫁!】 - 暇つぶし2ch594:545
07/04/03 18:13:23 cnIImEHL
そして、ゆっくりと離れる。
これまでにない距離。しかも、社内で。
上気した頬、伏し目がちに潤んだ瞳、俺の頬に触れる艶やかな黒髪、荒い息。
抑えるなんて、無理な話だった。
「んんっ・・・!?」
今度は俺から口づけた。
でもさっきみたいな、中学生同士のようなキスじゃない。
深く唇を重ねて、歯列をなぞって、舌を絡ませる熱いキス。
最初は頭を振ったりして逃れようとする鏡子さんだったが、徐々に稚拙ながらも舌をからませてきた。
クチュ、・・・ジュッ、
誰もいない廊下に響く、卑猥な音。
でもいつ人が通るかも分からないということが、余計に刺激となった。
「んっ、はぁっ・・」
しばらくして、惜しむように唇を離した。
ツ、と二人の間に糸が伝う。
鏡子さんはというと、半ば放心状態でぐったりとしていた。
「氷室さん・・・」
やりすぎた、かな。
口を手で覆って、ちいさく呟いた。
「初めて、だった・・・のに」
・・・・・・・・・・・・・・・え?
「こ、こんなっ、キスするなんて」
「は・・・初めてっ!?」
・・・鏡子さんは、二十五歳にしてファーストキスをしたわけだ。
社内で、三つ年下の男と。しかも、ディープキス。
「・・・・・・」
「・・・・・・な、なんで、今まで付き合ったこととか」
「あ、あるわけないでしょう。ず、ずっと、女子校・・・だったのに」
「入社してからとか、」
「仕事、一筋だったわ」
「・・・・・・」
そうか。だからこの若さで、主任候補にまで。



595:545
07/04/03 18:14:06 cnIImEHL
「・・・この間の、告白の返事のつもりで、したのよ」
「えっ」
「私の、方から」
髪をかき上げながら何とか息を整えようとするその姿を見ながら、俺は頭の中でその言葉を繰り返した。
[返事のつもり]・・・。
つまり
「お、OK、ってことですか?」
「あっあなたね・・・!それ以外どう聞こえるの!」
それもそうか。
もどかしそうに端正な顔を歪ませる彼女に、俺はゆっくりと手を伸ばした。
一瞬、鏡子さんが体を強ばらせる。
でも気にせず、抱きしめた。
徐々に体の力が抜けていく。そして、おずおずとその手が俺の背に回された。
「鏡子、さん」
俺は、初めて下の名前で彼女を呼んだ。
「な、なに」
「好きだ」
俺を抱きしめる力が強くなった。そして、鏡子さんが小さく耳元でささやく。
「私も、よ」
と。


つづく


596:545
07/04/03 18:15:11 cnIImEHL

中編その2。
次こそは初エッチを書きます。長くなってゴメン。

597:名無しさん@ピンキー
07/04/03 23:30:29 2WbF1XAh
>>545
それなんてじらしプレイ?
てもテカテカしながら待ってるGJ!

598:名無しさん@ピンキー
07/04/11 23:42:36 g0m80Q9d
保守

599:名無しさん@ピンキー
07/04/12 02:17:09 YRfZoexB
期待して待機中。激しく狂おしく。

600:名無しさん@ピンキー
07/04/14 18:27:13 dEJx9j9w
保守&鏡子さん待ち。


601:545
07/04/15 20:48:29 +75fNtL5
545です。
出会い編の投下は月曜か火曜になりそうです。
今度こそエロ有で完結させます…!
今暫くお待ちを。

仕事終わらない…。

602:名無しさん@ピンキー
07/04/15 22:18:31 06yH4tMU
>>601
待ってるからがんがってくれ!

603:名無しさん@ピンキー
07/04/16 04:35:44 mCoqmIXh
物凄い勢いで待ってるぜ!?

604:名無しさん@ピンキー
07/04/21 22:42:30 /+o/eegY
期待あげ!!

605:名無しさん@ピンキー
07/04/22 00:34:15 fXy5Y1La
期待して待機

606:名無しさん@ピンキー
07/04/22 15:38:32 /PHIJw82
期待

607:名無しさん@ピンキー
07/04/22 18:29:36 gPOOhXs9
鏡子さん。期待して待ってるぜ!!

608:名無しさん@ピンキー
07/04/24 13:38:45 W8LsKsM7
信じて保守

609:名無しさん@ピンキー
07/04/27 01:18:35 njymcz/s
圧縮回避保守

610:名無しさん@ピンキー
07/04/28 23:22:19 u87Y1CV1
HRネタスレとかに提携申し込んでみるか?

611:名無しさん@ピンキー
07/04/28 23:27:57 EvokTxWg
何でもいいから鏡子さんぷりーず。

612:名無しさん@ピンキー
07/04/28 23:28:04 Agg1WRiU
それは止めておいた方がいいよ、荒れるもとだ。


613:名無しさん@ピンキー
07/04/28 23:30:23 EvokTxWg
すまなひ。つい待ちこがれていたもので。

614:名無しさん@ピンキー
07/04/28 23:35:11 Agg1WRiU
>>613
いやいや君にレスしたんじゃなく、>>610にレスしたんだ。
こちらこそ紛らわしいレスしてゴメン。


615:名無しさん@ピンキー
07/04/29 21:11:24 0Mo4ZaA2
>>614
提携云々はともかく、このスレの知名度向上は必要だな。

616:名無しさん@ピンキー
07/05/01 21:48:15 GURCtD6m
いっそ併合を申し出るか

617:名無しさん@ピンキー
07/05/01 22:50:36 SKGlKRqz
他スレに頼らず盛り上げようぜ!



618:名無しさん@ピンキー
07/05/02 14:33:22 rOiHo8En
幼馴染みと結婚物をとりあえず書いているが拙い上にストーリーに矛盾が有りそうな気配。
それでも良ければ投下するが・・・・・・・・・

619:名無しさん@ピンキー
07/05/02 14:40:08 OEz1hZKH
もし、自分で矛盾が解決できなければ、開き直るか、住民に相談という手段もあるから、気楽に投下するが吉。


現代物にとらわれず、時代物やファンタジーでも良いんだよね、結婚であれば。
形式としての結婚に対する精神的なつながり、異文化同士の婚礼など、テーマとしても面白そうだ。

620:名無しさん@ピンキー
07/05/02 15:49:32 rOiHo8En
わざわざありがとう。取り合えず書けたとこまで投下する。

621:名無しさん@ピンキー
07/05/02 15:52:23 rOiHo8En
「見合いですか・・・」
「そうだ。お前も今年で27だろう?そろそろ身を固めてもいいんじゃないか?」「26です。だいたい僕は見ず知らずの女性とは結婚したくないです。」
「見ず知らずだから見合いをするんだろうが。」
「知らない女性と話すのは疲れるから嫌です。」
「26にもなってだだをこねるなバカモン。」
僕、五嶋雅之(ごとうまさゆき)ここまでだだをこねているのにはわけがある。しかし、親が下手に社長しかも息子が言うのも変だがなかなかの大企業の社長だとその我儘すら通せないらしい。
今回の見合いだって恐らく今度取引する相手か何かなのだろう。
机の上に置かれた相手方の書類など見なくてもだいたい想像がつく。
しかし、僕にはもうかれこれ10年以上も片想いをしている相手がいる。
恐らく相手も気付いてはいないだろう。
幼稚園から一緒だったいわゆる幼馴染みの彼女に僕自身が恋していることに気付いたのは中学一年の頃だった。
きっかけなんてきっと些細な事だったんだろう。
でも、その日から彼女を見る目が変わったのは確かだった。
彼女とは比較的に仲もよかったしチャンスが無いわけでもなかった。
でもきっかけが無いまま中学を卒業し、たまたま一緒だった高校でも結局言い出せなかった。
大学はお互い別々だったけど帰ってくる電車は一緒だったし、よく飲みに行ったりもした。
社会人になってからも飲みに行くときは彼女と行くときが多かった。でも多分彼女の中ではきっと『仲のいい幼馴染み』位のポジションなのだろう。僕自身はそれでも構わないと思っているのだが、そうも言っていられなくなってきた。


「まったく。何がそんなに気に食わんのだ?相手方はとても美人な人だぞ?」
「美醜の感覚なんて人それぞれですよ。それになんで僕に彼女がいると思わないんですか?」
「では聞くが交際している女性がいるのか?私は見たことも聞いたこともないぞ。」
「親にいちいちそんなこと報告したりする餓鬼がどこにいるんですか。とにかく僕は嫌ですから。」
「嫌だろうがなんだろうがこれは決まったことだ。来週の日曜は開けておけ。以上だ。」
「ッく分かりました。でも見合いするだけで結婚は絶対しませんから。」
そう言い残すと社長室から出た。


622:名無しさん@ピンキー
07/05/02 15:54:28 rOiHo8En
「なんで見合いなんて言い出すかなぁあのクソ親父が・・・それ以前になんで親父が社長の会社に就職しちゃったかなぁ・・・」

就職活動の時、冷やかし半分で社長子息という肩書きを伏せて受けたのが運の尽きと言うところだろう。
入ってから最年少で主任になったがそれは親の七光りではないことは確かだ。
僕が社長と親子であることを知っている人物はいないはずた。
それに七光りなら営業には居ないだろう。もっと花形の企画とか商品開発とかその辺で係長クラスで収まっているはずだ。
父も最初そこら辺に入れようとしたが頑に拒否したお陰で営業にいるわけだ。

廊下を歩いているとケータイにメールが入ってきた。

僕の片想いの相手、斎藤夏姫(さいとうなつき)だった。
メールの内容は今夜飲みに行かないか?というような内容だった。
もちろん返信はOKで返しておいた。
最近は毎週金曜は彼女と飲むのが恒例である。
いちいちメールしなくてもいいのにわざわざしてくるのは彼女が真面目だからに相違ないだろう。


623:名無しさん@ピンキー
07/05/02 15:56:07 rOiHo8En
夜、彼女と待ち合わせをして二人で飲むときの行きつけの店にいった。
今日の彼女はダークグレーのスーツに薄く化粧をして(基本ナチュラルメイクだと前に言っていた。)がよく似合っていた。
「斎藤、それ新しいスーツか?」
「よく判かったね?」
「まぁ、な。ところでさ」
「何?」
ビール片手に聞かれると話す気が微妙に削がれるな。
まぁとにかく、
「俺、見合いせないけなくなった。」
「ふ~ん・・・・・・相手の人綺麗だった?」
「それがな?」
「うんうん」
「勝手に決められた腹いせにまだ写真みてないんだよ。」
「そうなんだ。私も昨日父親に見合いしないか?って聞かれたから突っぱねてやったわ。」
「斎藤らしいな。羨ましいよ、斎藤のそういうところ。俺なんか嫌だって言ったけど結局行くはめになるんだよ。」
「見合いなんだから深く考えないですりゃあいいのよ。だいたい結婚するわけじゃないんでしょう?だったら合コン行くぐらいの軽い気持ちで行けばいいのよ。」
「俺合コン苦手なんだが・・・。」
「・・・まぁ飲みましょ。何も結婚決まったわけじゃないんだから。」
なんとなく分かっていた返答だが少し切なかった。
せめて、なんで断らないのよ!ってなかんじの一言があってもいいと思うんだけどな。
まぁ彼女にとってはそれくらいの関係ってことか。
なんかへこむなぁ。
結局、彼女の愚痴を聞きながら飲み終電間際には彼女はろれつが回らないほどによっていた。
そんな彼女を送るのは毎回僕だし、明日は土曜で会社もない。
体のいいアッシーの様な気がしてならないのはきっと気のせいだ。
それに僕にはこの時間が彼女を繋ぐ唯一に等しい時間だ。大切なことにかわりないし、楽しいからいいんだ。

・・・・・・・・・たぶん。

624:名無しさん@ピンキー
07/05/02 15:57:41 rOiHo8En
彼女は少し広めのアパートに独り暮らしをしている。
彼女を家まで届け、鍵を閉めると新聞受けに鍵を入れて僕も帰宅する。僕も独り暮らしだ。
彼女が独り暮らしをしているのは僕と同じ理由。
『親にあれこれ言われたくない。』
彼女もIT関連会社の社長令嬢だが親は僕ほど厳しくないらしい。ただ話を聞く限りではかなり過保護だ。
たぶんそれに嫌気がさしたのだろう。


家に帰るとビールを開ける。彼女といた居酒屋でほとんどのんでいなかったから飲み足りなかった。
彼女といるときは極力酔わないように飲むように心掛けている。だから居酒屋なのにノンアルコールを頼むときの方が多い。
理由は彼女がベロベロになってしまうからだ。


嘘だ。酔って彼女を困らせるような事を口走ってしまいそうだからだ。
ここまで続けてきた関係を今更変えることも出来ないし変えたくない。



ビール片手に彼女と撮った高校卒業の時の写真を眺める。
なんであの時。
そんなことが頭をよぎっては消える。


625:名無しさん@ピンキー
07/05/02 16:00:29 rOiHo8En
次の週、金曜。
彼女から今日は行けないとメールがあった。
かなり残念だった。




日曜。
とうとう見合いの日が来てしまった。
正直かなり憂鬱だった。心細いことこのうえない。
チャッチャッと終わらせて帰りたい。




料亭について仲人さんに案内され座って相手方の女性を待つ。
結局写真も何も見なかったので顔も知らないけどそれは今から判るし。
まぁよしとしよう。



相手方の女性が到着し僕の目の前に座った。
どんなオカメかな?なんて思いながら顔をあげるとよく見知った顔があった。
夏姫だった。
僕もおどろいていたが彼女も相当おどろいていた。
どうやら状況は同じらしい。
あまりの驚きに仲人さんが何を話しているのか理解できないまま二人きりにされた。


626:名無しさん@ピンキー
07/05/02 16:03:13 rOiHo8En
「あの~雅之?」
「っえ、あっ何?」
「ごめんね。私が相手で。期待してたでしょ?なんか親が勝手に話進めててさ。どんなオヤジと見合いさせられるのかと思って来たら雅之だもん。なんかびっくりしたけど、安心もしたよ。」
「期待してなかったからいいんだよ。それより斎藤、なんであやまるんだよ?俺は寧ろ斎藤でよかっとおもってるよ。」
「そう?ならいいや。はぁ~緊張した。」
「なぁ斎藤、外出ないか?」
「いいけど、ここじゃ駄目なの?」
「親たちが聞き耳立ててるところで話なんか出来るか?」
「・・・それは嫌ね。いいわ。行きましょ。」
その時僕は彼女に秘めた思いを伝えようとなぜだか決心してしまった。なぜだろう?これで駄目なら身を潔く引けるとも思ってしまった。


料亭の庭はとても広くちょっとした散歩が出来る。
「斎藤、その和服似合ってるな。買ったのか?」
「ううん。おばあちゃんから借りたのよ。綺麗な青色よね。私が着る事になるとは考えもしなかったけど。」
「斎藤それは藍色って言うんたぞ。・・・・・・なぁ斎藤」
「ん?」
「聞いてほしいことがあるんだ。」
「何かな?」
「結婚しないか。」
「えっ?なんで?」
「嫌か?ならいいんだ。忘れてくれ。」
平静を装ったが内心なんで前振りなくいきなり口走ってしまったのだろうと、決心したのに激しく後悔した。


627:名無しさん@ピンキー
07/05/02 16:04:06 rOiHo8En
「いや、そういう意味じゃなくて。嫌じゃないよ。寧ろ全然オッケーだけど、雅之はそれでいいの?好きな人いないの?」
「・・・いたよ。」
「じゃあその人の事諦めるの?無理しなくていいよ?私の事は気にしなくて平気だよ?好きな人に告白はしたの?」
「してないよ、できなかった。」
「じゃあなおのこと駄目じゃない。せめてその人に当たって来なさいよ。駄目だったら私が拾ってあげるから。オッケーだったら教えてよね?」
彼女はそう言い切るとうつ向き押し黙った。
「じゃあ今言うよ。僕が好きだって言えなかったのは夏姫、君だ。」
そういうと、彼女はキッと僕に視線を会わせ
「そういう冗談はいらないのよ。何が楽しいわけ?」「冗談は言ってない。ずっと前から好きだった。好きだって気付いたのは中学生だったけどきっとその前からずっと、ずっと好きだった。だから結婚しよう。」今度は彼女は何も言ってこなかった。
下を向いたまま押し黙っているので不安になって覗き込んだらなんと泣いていた。
「ずっと、興味持たれてないと思ってた。」
「普通興味ないやつと毎週酒飲みに行くか?」
「お酒ほとんど飲まなかったじゃない。楽しくないんだと思ってた。ぐすっ。ずっと斎藤って呼ばれてたからきっともう、もう駄目かなぁ、って思ってた。ずっと仲のいい友達のままなのかなぁなんて思ってた。」
「ごめん、好きだって気が付いたらそれ以上進むのが怖かったんだ。」
「そっか。よかった。私、雅之がお見合いするって言ってた時、気が気じゃなかった。私、結局好きって言い出せなくて、それなのに雅之遠くへ行っちゃうんだって思ったら泣きそうだった。せめて一言でもって思ってたけど金曜どんな顔して会えば分からなかった。」
この人が隣に居てくれたらもう何も要らない、そう思えた。
「斎藤夏樹さん、俺と結婚してもらえませんか?」
夏姫は何もいわずコクンと頷いた。
この人が隣に居てくれたらもう何も要らない、そう思えた。
思わず抱き寄せた彼女の小さい肩とその柔らかさに驚きつつ僕らは自然と口付けを交した。
こうして僕らの結婚が決まった。

628:名無しさん@ピンキー
07/05/02 16:05:47 rOiHo8En
なんだか親父の手の中で踊らされていた様な気がしてならないが、それはこの際どうでもいい。

後日親父に問いただしてみたところどうやら取引を、しかも資本提携という大きな取引をするらしい。
しかし僕らのそれがなくても行うつもりだったらしい。
どうやら僕の片想いをしているということに気付いていたらしい。
しかも相手が夏姫ということまで。
決定的だったのは僕の机の夏姫の写真だったらしい。・・・食えない爺だ。その上初めて知ったことなのだが夏姫の親父さんとうちの糞爺は高校からの友人らしい。余計なお節介をしてくれたものだ。


まぁそのお節介のお陰で僕達は結ばれたのだからよかった。


それから約半年。話はとんとん拍子に進み、来月に結婚することが決まった。
僕と夏姫は二人で暮らせる新しい新居を見付けやっとの思いで引っ越した。とんとん拍子に進んだのは結婚の話だけで僕たちの夜の生活はなかなかそうはいかなかった。
彼女と会える日は格段に増えたがまだお互いにウブだったのだろう(少なくとも僕は童貞だった)。
まだ引っ越す前のこと、彼女が泊まっていっても仲良くいちゃつきながらベットで手を繋いで寝たりと、お前ら小学生かッ!突っ込まれても仕方ないような生活をしていた。


正直な話、セックスに挑めるほどの度胸がまだ備わっていなかったのだ。
妄想ではあんなに上手くいくのに現実はそう簡単ではない。変に真面目すぎてチキンな性格に少々嫌気がさす。

629:名無しさん@ピンキー
07/05/02 16:09:10 rOiHo8En
しまった、タイトル入れ忘れた・・・タイトルは「通りすぎれば」ってことで次回から入れます。
すんません。
取り合えずここまででご勘弁。
次は明日には投下します。

630:名無しさん@ピンキー
07/05/02 19:50:08 djHhMuyP
待ってるよ~

631:名無しさん@ピンキー
07/05/02 20:19:57 Y7IeqCx4
うおお、読むんじゃなかった。
続きが気になって仕方ねええええ!
明日まで待てねえよ。GJ…

632:545
07/05/02 21:39:45 zxq1r1+/
GJ!!
やっと休みに入ったんで、明日には後編を投下します。
当初からかなり遅れてすみません…。

633:名無しさん@ピンキー
07/05/03 01:05:27 hj47ndLx
続きが出来ますた。投下します。

634:通りすぎれば
07/05/03 01:08:15 hj47ndLx
彼女のドレスを採寸しに行った。
式まで一ヶ月前ではあるがやらなければならない事は山のようにある。
式場は避暑地として有名な場所で盛大に行われることとなった。


毎日クタクタになって帰ってくると愛しい彼女の笑顔。
正直幸せすぎるぐらいだ。


そして意外なことに彼女は結構大胆だ。(僕の前限定ではあるが。)
この前などかなり大きめの男もの(僕のだ)Tシャツに下は下着だけという格好で会社から帰った僕を向かえてくれた。
正直可愛すぎる。そして似合いすぎ。




しかしそこはヘタレな僕。
未だに彼女を抱けずにいた。


635:通りすぎれば
07/05/03 01:12:33 hj47ndLx
そして式まで一ヶ月。
告白してから四ヶ月がたったある日。


いつものように寝る前の談話をしていた。そうしたら彼女がいきなり、
「雅之、私のこと嫌いなの?」
と聞いてきた。なぜその理論に行き着くのか唐突すぎて理解できなかった。
「私達好きって確認しあってからもう四ヶ月も経つんだよ?それに来月には結婚するんだよ?なんで?なんで雅之は私を抱かないの・・・」
言葉の終りの方は耐えきれないと言うように泣き出してしまった。
「夏姫泣かないで。僕の意思は揺らいでいないよ。君が愛しい。愛しくて愛しくて堪らない。でも、君を抱くのが怖い。」
「なんで?」
「愛しすぎて君をめちゃくちゃに愛したくて、でもそれは一方的に君の体に負担がかかる。今は自覚していないけど君に嫌われてしまうかもしれない程の性癖を持っているかもしれない。愛しさのあまり君を壊してしまいそうでそれが怖い。」
「・・・なんだ。そんなこと心配しなくていいのに。」

636:通りすぎれば
07/05/03 01:17:38 hj47ndLx
「私はあの時、雅之と初めてキスしたとき身も心もぜぇんぶ、雅之にあげようって決めてるんだよ?
雅之が変な性癖持ってても私はそれを叶えてあげるし幻滅しないよ?
雅之に壊されるなら本望だよ。雅之からなら負担なんて幸せの一つよ。だからね、セックスしよう?私を抱いて。抱いてめちゃくちゃに壊れるくらいに愛して?」

僕の中で何かが弾けた音がした。
彼女を横抱きにして無理矢理唇を奪った。
僕が舌を入れると彼女は可愛い舌で答えてくれた。
最初は賢明に、しかしそのうち淫隈な動きになりクチュクチュと淫らな音が漏れ始めた。
一分程そうしていただろうか。唇を離すと二人の唾液がアーチを描いた。
ディープキスは初めてじゃないけどここまで濃厚なやつは初めてだ。
気持いい。キスだけでこんなに気持いいなんて。
キスだけで終わらせる気はないので放心状態の彼女をベットに寝かせ、一枚ずつ服を脱がせていく。
時々恥ずかしそうに身を捻るがそれが帰って僕の劣情を煽る。


637:通りすぎれば
07/05/03 01:19:31 hj47ndLx
その時彼女が小さな声で
「雅之も脱いでよ。釣り合わないよ。」
と言われ服を脱いでいなかったのを思い出す。
慌てて下のスウェットを脱ぎ、Tシャツも脱ぎ去る。
彼女は僕が下着だけに剥いてある。




夏姫の下着は外さず、下着の上から胸をまさぐる。
「ぅん・・・雅之ぃ」
「何?」
「ブラはずしてよぅ。」
「僕はずしかた分かんないなぁ(もちろん嘘だが)ごめんね、力になれなくて。・・・そうだ自分で脱ぎなよ。もう大人でしょ?下も一緒に脱がなきゃ駄目だよ。」
「嘘吐きぃ。いいもん。自分で脱ぐもん。」
少しすねた彼女も可愛いなぁ。
「そうそう、脱ぐときは後ろ向いちゃ駄目だからね?僕の目をみてね?」
「はずかしぃよぅ・・・」
恥ずかしがりながら下着を脱ぐ彼女に萌えた。
「こっちおいで。」
そういうと僕の布団に招き入れた。
照れながら僕の布団に入ってくる。
なんの前ぶれも無しに彼女の下半身に手を触れる。
クチュ。
「ひあっ」
彼女は濡れていた。
堪らなく嬉しい。
「ほら夏姫のだよ?こんなに濡れてる。」
「違うもん。濡れてなんかないもん。」
僕は彼女の耳を甘噛みした。
ブルッと彼女は身を震わせた。
今の彼女はあらゆる刺激が快感に繋がっているのだろう。


638:通りすぎれば
07/05/03 01:21:53 hj47ndLx
「恥ずかしがらないで夏姫。僕に全てをくれるんだろ。喜んでいただくよ。だからね?おもいっきり感じていいんだよ?恥ずかしいのは僕もだから。」
そういうと僕は彼女の股に手を突っ込み、秘所を撫でる。
「ひうっ」
撫でただけなのにこれだ。本番になったらどうなってしまうのだろうか。



見たい。物凄く見たい。

秘所を撫でるのをやめ、指を使い彼女の穴に中指を挿入する。
ギュウ、ギュウと彼女は締め付ける。
彼女は狭く凄い締め付けだった。指が切れてしまいそうな程だ。
ゆっくり馴らしてあげないと。
指を折り曲げ彼女の内壁を擦るように愛撫する。
指が内壁を擦るたびに彼女は敏感になっているその身をよじらせ淫らな声で鳴く。
もっと声が聞きたくて中指はそのままに彼女の胸にしゃぶり付く。
「あんもっと、もっと胸いじってぇ。おっぱいいじってぇ」
どうやらお気に召したらしい。
すでにピンと張っていた彼女の乳首を唇で押し潰すように咬む。もちろん中指を動かしたまま。
「ひあぁぁ~」
彼女は叫びながら達してしまった。
下からは愛液が吹き出し僕の手を濡らしていく。

「ハァハァハァハァ。ねぇ雅之ぃ」
「何?」
「ごめんね、初めての女は面倒くさくて。雅之さっきから私を痛くさせないようにしてくれてたでしょ?私ばっかり気持ちよくなっちゃってごめんね、面倒くさくてごめんね。」
そのいじらしい程の愛らしさに僕は
「何をいってるのさ。こんなの面倒だったら婚約なんてしないよ。夏姫のためならどんな我慢だって出来る。それに夏姫、初めてだって言ってたよね?それは僕も一緒。」
「嬉しい・・・ねぇ雅之、私の処女を貴方に捧げます。・・・一生大事にしてね?」


かっかわいい!
「もちろん一生大事にするよ。・・・今まで夏姫がくれたどんなものより嬉しいよ。」

639:通りすぎれば
07/05/03 01:22:50 hj47ndLx
そういうと僕は自分の息子を彼女にあてがいゆっくりと進めていった。
「ひっ、あっあっ」
まだ先の方しか入っていないのに彼女は顔を歪める。
慌てて腰を引こうとすると彼女が僕の腰を掴み
「さっき言ったじゃない。私は貴方に処女を捧げるって。だから私のことは構わず貫いて・・・」
彼女のいじらしいまでの言葉を聞き再び進める。

進めていくと途中に何か突っ張ったようなものを感じた。恐らく世に言う処女膜だろう。そこで一旦腰を進めるのをやめて彼女に口付けして言った。
「夏姫の処女もらうよ。一生涯大事にする。」
夏姫は目をつむり小さく、「うん」といった。


再度腰を進める。
ぷつり、といったような感覚の後僕の息子は彼女に飲み込まれていった。
初めての痛みと衝撃からだろうか、一呼吸おいて夏姫が喘いだ。
ぎゅっと目をつむり破瓜の痛みに耐えている。僕の背中に回していた手は痛みのあまり僕の背中に爪を立てた。目にうっすらと涙が溜っていた。

童貞だったにも関わらず僕は冷静だった。
いや冷静と言うより彼女を思うとそうならずはいれなかった。
僕の息子が脈動するたびに彼女は喘いだ。

「・・・雅之痛いよぉ。でもそれに負けないくらい幸せだよぅ。」
その言葉を聞いて思わず彼女を抱き締めた。
どのくらいそうしていたろうか?彼女が少し腰を揺すっているのに気が付いた。「夏姫どうしたの?」
「雅之ぃ、ねぇ動いて。私は大丈夫だから。お腹が、子宮が熱いの。」
内心びっくりした。
彼女の痛みはすでに抜けていたらしい。それどころか新しい感覚を拒むどころか受け入れている。
そして僕はと言えばそれを断る理由もなく、遠慮がちに少しずつ腰をふりはじめた。
彼女は1ストロークに二回喘いだ。
引くときに一回、入れるときに一回だ。
その艶やかな声に僕も高められ1ストロークの間隔を速めていった。
端から見ればつたないセックスだろう。
しかし今の僕らには有り余るほどの快感、そして幸福感だ。
「なっ夏姫、もっもう出そうだ。」
「出して、中に出してぇ」リズムはどんどんはやくなりそして僕らは同時に達した。


640:通りすぎれば
07/05/03 01:23:45 hj47ndLx
「ねえ雅之、許してほしいことがあるの。」
「何を?」
「お見合いの事なの。」
「お見合い?」
「あのお見合いね、私がおじさまにお願いしたの。雅之と結婚したいです。だからお見合いを仕組んで下さいって。雅之の事だから写真なんてきっと見ないし見ようともしないはずだからって。」
「・・・呆れた。あの涙は嘘だったのか。演技が巧いな。」
「あのね?言った後で言うと信憑性ないだろうけどあれは本当に嬉しくて出たんだよ?本当だよ?」
「・・・嘘でも本当でもどっちでもいいよ。僕は本当に君を愛している。そこに嘘はない。だから、どうでもいい。夏姫が本当って言うなら本当なんだね。だから許すも許さないもないよ。愛してるよ夏姫。」
ポロポロ涙を流しながら抱きついてくる夏姫にキスして僕らは抱き合って眠った。

641:名無しさん@ピンキー
07/05/03 01:27:07 hj47ndLx
一応終りです。拙い文ですんません。

642:名無しさん@ピンキー
07/05/03 13:39:29 RPKn+eSF
何たるGJ…っ!!
久しぶりに萌えました(*´∀`*)

643:名無しさん@ピンキー
07/05/03 14:19:29 EbJwBRwb
gj!良かったよ。
こういう両思いなのに当事者の認識は逆という状況は結構好きだ。
でも確かに矛盾はしてるかも。

>金曜どんな顔して会えば分からなかった
の時点で夏姫は、見合いの相手は自分なのだが雅之は「まだ写真見てない」ので
それに気付いてない事が判っていた。
雅之が行く気なら自分に気が無い事が確定するし、行かないとなれば折角のチャンスがフイになる。
行きたくはないらしいのだが、それが自分のためかどうかは判らない。
いっそバラしてしまおうかとも思ったが、そこで拒絶されるのも怖い。

そういう葛藤があったんだと脳内補完しておくよ。
あと、もう1レス使って結びの部分を書いてくれると良かったかな?

644:545
07/05/03 17:12:33 0ZOrihB4
[出会い編。] -後編-

「・・・ん、・・くん、慎くん!」
聞き慣れたハスキーボイスに、ハッと目が覚めた。
「あ、れ?」
クリーム色の天井。
そしてまだ覚醒しきれていない目に映るのは、俺の妻だ。
「どうしたのよ。帰ってきても何の返事もないし・・・、ソファなんかで寝ちゃって」
「氷室さん・・・」
「は?」
心配そうだった瞳が、一転丸くなる。
俺は確か会社にいて、鏡子さんとキスを・・・。
って、夢か?うたた寝してる間に、結婚前のことをまるでドラマみたいに夢に見ていたのか?
「熱でもあるの?大丈夫?」
混乱する俺の額に、ひんやり冷たい白い手が当てられた。
具合が悪そうな時、鏡子さんは必ずこうして検温する。体温計も勿論あるけど、曰くこっちの方が分かりやすい、らしい。
「あ、」
「・・・うん。熱はないわね。良かった」
心底安心したように、切れ長の瞳を細めて微笑んだ。
鏡子さんがスーツ姿のままなせいか、さっきの夢のこともあって妙に気恥ずかしい。
[氷室鏡子]を遠目に眺めることしか出来なかった頃には、考えもしなかったことだ。

「鏡子」
その手を引いて、ぎゅっと抱きしめた。
「えっ?」
よく状況が分からずにされるがままの鏡子さん。俺は構わずに言った。

645:545
07/05/03 17:13:10 0ZOrihB4
「あのさ」
「ん?」
「夢、みてた」
背中に、鏡子さんの腕が回される。
「夢?」
「会ったばっかりの頃の夢。なんかさ、すげえ懐かしかった。まだ鏡子のことも、全然知らなくて。見てるだけで、一人で空回ってた」
多分、奇跡だ。
あの夜、拒絶される覚悟で告白して、彼女もそれを受け入れてくれて・・・今こうやって大切なパートナーとして一緒に歩めてる。
クールで、でも実は甘えたがりで寂しがりな所も、全部知ることが出来る。
俺だけの、妻でいてくれている。
あんな余裕のない恋は、初めてだった。
「そんなの」
俺の肩に頭をもたれて、鏡子さんが言う。
「こっちだって、そうよ」
何から何まで初めてだったのに、と恥ずかしそうに呟いた。
信じがたいことに恋愛経験ゼロだった鏡子さんは、勿論処女だった。
生粋の女子校育ちで同性からの支持は絶大だったらしいが、そっちの知識はまるでなし。俺が全部教えていったわけだ。(部屋のエロ本を大量に処分されたこともあった)
「ははっ」
「もう、なんなの今日は」
「好きだよ」
なんだか嬉しくて、照れも無しに言った。
グっと詰まった様子の鏡子さんの顔が、耳まで赤くなる。そしてそれを隠すように、顔を見せないように俺を抱きしめて、言った。
「・・・私もよ」と、あの日の様に。

646:545
07/05/03 17:13:41 0ZOrihB4
どちらが先だったか、それとも同時だったか、唇を重ねた。
最初は啄むようなキス。そして徐々に舌を絡め、お互いの歯列をなぞる様な激しいものに変わる。
「ん、・・・はっ、んむっ・・・」
眼前で、綺麗な眉が歪んでいる。顔は紅潮して、荒い息がお互いの興奮を更に高まれせていった。
・・・ジュッ、グチュ。
卑猥な水音が、時計の針の音に混じって轟く。時折顔をずらそうとする鏡子さんを、逃がさないために押し倒した。
「あっ」
「ベット、行く?」
いつも情事は、寝室のダブルベットでしている。
朦朧とした瞳で見つめてくる鏡子さん。スーツ姿が、より淫らさを煽っていた。
「・・・が、いい」
「え?」
「ここが、いい」
苦しげに顔を歪めるが、それがキスの快楽によるものだということが、ピンクに染まった肌で分かる。
「ソファでするの?」
「うん、ここが、ああっ!」
言い終わる前に鏡子さんの豊かな胸を両手でわし掴んだ。男の手でもまだ余る程の巨乳は、鏡子さんのコンプレックスらしい。
「し、慎っ、んんっ!あっ、はっぁっ・・・」
「もう勃ってるよ、乳首」
「言わなっ・・・あんっ!」
黒のスーツを脱がして出てきた純白のシャツ。
そしてその二つの丘の頂点は、布越しに分かるほど屹立している。
「ふーん。キスだけで、これかぁ」
甘噛みすると、ビクンッと体が弓なりに反った。
「やっ、あんっ、あっ」


647:545
07/05/03 17:14:11 0ZOrihB4
「よく、言えました」
一体何処の調教エロ小説だ、と思われるかもしれないけれど、俺達のセックスは大抵はこうだ。つまり、鏡子さんは少しMっ気がある。
胸をいじくっていた手を、下腹部に伸ばす。脚をもじもじするだけで水音がかすかに聞こえるんだ。きっと、
「・・・うわ」
やっぱり。レースの下着は、もう愛液でグショグショになっていた。
花弁からは蜜が止めどなく流れて滴り、陰核は充血してひくついている。そこだけが別の生きもののように生々しく、でも綺麗だった。
「やっ。そんな、見ないで・・・っ」
余りの大洪水に思わずその両足を押し広げた。鏡子さんは力が入らずにされるがままだ。今日はいつもに増して・・・
「あっ、あなたが」
「え?」
「あんなこと、いうから。・・・出会ったばっかりの、時のことなんて」
鏡子さんは言うと、自分の痴態を恥じるように顔を背けた。
(あぁ、なんでこのタイミングで言うかな・・・)
「えっ、きゃあっ!」
不意打ちで鏡子さんの膝を抱え、まんぐり返しの態勢にする。屈まないと見れなかった秘所が、すぐ目の前にある。
「ちょっ、慎くん!こんなっ・・・」
これ以上ないほど紅潮して抗議する鏡子さん。
確かにこれでは窄みの部分まで丸見え。女性にとっては羞恥以外のなにものでもないだろう。
しかし抗議を無視して顔をソコに近づけた。
「ひいんっ!!!」
舌を突き入れる。上下に動かして出し入れする。一通りひだまで舐めると、陰核に吸い付き甘噛みする。それを繰り返した。
「ひゃっ!んん!!ぅああっ!いひ、あっ!やあっ!おかしっ、くなるっ!!」
俺の頭の動きに合わせて鏡子さんの腰も動き始めた。フィニッシュだ。


648:545
07/05/03 17:14:42 0ZOrihB4
でも。
「よし、おしまい」
舌を抜いて、顔を離した。
あと少しのところでイけなかった鏡子さんは、一瞬何が起こったか分からないみたいだった。
「慎くん・・・?なん、で」
「嫌って言ったじゃんか。鏡子の嫌がることはしたくないし」
「・・・っ」
「どうして欲しいか、さっきみたいに素直に言ってみて」
とかなんとか言いながら、俺も結構限界に近かったりする。
ズボンの股間を押し上げるペニスが、はち切れそうなくらい充血している。
「いっ、・・・挿れて・・・」
脚を開いたままの鏡子さんが、小さく蚊の鳴く様な声で言った。
「ん?聞こえないよ、鏡子」
「わ、分かってるでしょっ・・・?」
「全然」
そこまで自分にSっ気があるとは思わないけど、今日はいじめたい。勿論、性的な意味で。
苦しげに唸る鏡子さん。
顔を赤らめ息を荒くして、どうしたら旦那にシテもらえるか必死な彼女の姿を、会社の連中は想像も出来ないだろう。
俺だって交際前は考えもしなかった。むしろ鏡子さんはS だと思ってたし。
俺だけが見れる、妻の乱れた姿。
「慎くんの、アレを・・・アソコに」
「アレって指のこと?」
「ち、ちがっ、慎くんの-------っ、あっ!」
言葉責めに感じているのか、鏡子さんのソコから太ももに汁が伝い始める。
それを隠そうとするが、慌てて乱暴に触れたことで余計に敏感になってしまったらしい。そしてギュッと目を瞑り、鏡子さんはやっと決意したようだった。
「慎くん、の・・・オチ×チンをっ、私の、オマ×コに・・・挿れて!」

649:545
07/05/03 17:15:13 0ZOrihB4
ドクン、と心臓に血が流れ込む。
「・・・うん、分かった」
下着ごとズボンを下ろすと、カッコつけながら本当は待ちきれなかったのを証明するかのように反り返った肉塊が勢いよく飛び出した。
「あ、慎くんのも、すごい・・・」
それを恍惚とした瞳で見つめる鏡子さん。一度ぶっちゃけると完全にリミッターが外れてしまうのだ。
「いくよ」
「きて、早く・・・っ」
亀頭までパンパンになった肉塊を、ドロドロにとろけた秘所にあてがい、

・・・ズンッ!
一気に最奥まで貫いた。

「っあああああああああああっ!!」
膣内が痙攣を起こしてひくついた。同時に大量の愛液が結合部から噴き出す。
・・・プシッ。
「あっ、あっ、はぁっ、くんっ、ああ・・・」
鏡子さんは顎を上げて、豊かな乳房を仰け反らせて絶頂の快楽を貪っていた。
量はかなり多く、ソファから床のフローリングに粘性を伴った液が滴っていった。
「あん、あっ、慎くんのおっきい」
「待たされたからね」
「そ、そっちが焦らしたんでしょっ!んっ・・・」
「そーだけどさ。・・・鏡子、動くよ」
言い終わるとほぼ同時、俺は腰を打ち付け始めた。
・・・グチュッ、ズン、ズッ、ジュッ。
「ひっ、まだっイったばっかり・・・!ひゅあっ!あっ、くふぅっ!!」
いいつつも締め上げてくる鏡子さんのナカ。
すぐに射精感が上り詰めてくるが、まだ早すぎる。意地で下半身に力を込めて、攻め続ける。

650:545
07/05/03 17:15:44 0ZOrihB4
ぬちっ、・・・ぐちゅっ、じゅっ。
陰毛が絡まり合って、お互いの境界が曖昧になっていく。
(うぁっ、・・・限界、かも)
膣の収縮による快感が生で伝わって、どうしようもないくらいに気持ちいい。
「んんん!くふっ、はあっ!んっ、んっ、あっ・・・はっ!」
たぷんたぷんに揺れる豊かな丘。
扇情的な光景に、亀頭から汁が先走っているのが分かった。それでも最後まで一心不乱に腰を打ち付けた。
「はああぁっ・・・!」
パン、パン、パンッ。
正常位から背中を抱き起こして対面座位にする。細い腰を掴むと、ラストスパートといわんばかりに突き上げ始めた。
「くあぁぁんっ!ひゅっ、・・・あっ!」
「鏡子、気持ち・・・イイ?」
「イイっ!あっ、あっ、慎っく・・・ん、イイよォっ!」
「俺も、イイよっ。イキそっ・・・」
動かすたびに二人の混ざり合った汁が床に飛び散った。結合部はもう泡立っている。
「くっぁ、でる!」
「そのままっ、出してぇ・・・!」
パンパンに膨らんだ亀頭が最後の締め付けを受けた瞬間、
「ひっ、ん~~~~~~~~~~~~っっ!!!」
・・・びゅるるるるるっ、びゅっ、びゅうっ!!
俺は、耐えていたものを全て、鏡子さんの子宮に吐き出した。
「はぁ、あっ・・・・あつ、い・・・いっぱい、でて・・・」
虚ろな瞳が、ふっと閉じられた。
「え、きょ、鏡子っ?」
慌てて顔をのぞき込むが、どうやら意識が飛んでしまったらしい。
「はぁ・・・」
ひとまず安心して、未だ痙攣し続ける膣から半萎えのペニスを抜いた。ピクン、と鏡子さんの体が震える。
・・・ドロッ。
そこから溢れだし、床に広がっていく精液。それを見てまた堅さを取り戻しかけたが、さすがに気絶した鏡子さんを犯す程鬼畜じゃない。


651:545
07/05/03 17:16:15 0ZOrihB4
お姫様だっこで鏡子さんを寝室に運んで・・・、俺は長いこと忘れていた、夕飯作りに取りかかった。

あのあと。
会社でのキスのあと、俺と鏡子さんは初めて体を重ねた。俺が、我慢できなかった。
[氷室、さん]
キスすら経験したことの無かった彼女の初めてを、その日のうちに奪ってしまった。
終わった後に、俺は今更過ぎる後悔に襲われた。
当然、鏡子さんは痛がっていた。初めて異性を受け入れる痛みは女にしか分からない。
体が裂かれるような痛みの中で、彼女はひたすら俺にしがみついて・・・名前を呼び続けてくれた。
[中原君]
一糸纏わない姿でシングルベットに横たわっていると、鏡子さんがまっすぐに俺を見つめて口を開く。
[・・・はい]
乱れた面影は、微かにしか残っていなかった。
切れ長の、憧れ続けた綺麗な瞳に目を逸らしそうになる。
[痛かったわ]
[はい・・・]
[すっごく、痛かった]
もしかしたら罵倒されるかもしれない。そう覚悟した俺の耳に聞こえたのは、意外な・・・でも一生忘れない一言だった。
[・・・とってよ]
[えっ?]
[だからっ、・・・責任、とってよ]
薄暗い部屋でも分かるほど、真っ赤な顔。
セキニン、トッテヨ。ってこと、は?
[あっあの、氷室さんソレって]
[私の名前は鏡子よ]
[・・・きょ、鏡子さん。今のって?]

652:545
07/05/03 17:18:29 0ZOrihB4
体を起こして尋ねる。嬉しい期待をもって。
[・・・こういうこと]
眼前に、鏡子さんの顔が広がる。そして、柔らかい唇が俺のソレと重なった。
そのままもつれるように、二人して再びベットに倒れ込んだ。
[・・・大好き。慎太郎・・・]

ほんとに、今なら死んでも構わないと思った。

----------------------------------------------------

鏡子さん目を覚ましたのは、それから一時間後だった。
「あ、おはよう」
言うと、コクリと頷いてふらふらと椅子に座る。鏡子さんは寝起きが弱い。
テーブルの上には、リクエストされた麻婆豆腐。
「おいしそー・・・」
嬉しそうに手を合わせて喜んでいる。(まだ完全に目覚めてないけど)
起きたばっかりの時だと、退行したかのように仕草が幼くなるんだよな。 
「昼間、メールくれたじゃん。だから心を込めてお作り致しました」
そう言って敬礼のポーズを取る。
「うん、御苦労」
鏡子さんもノって、敬礼。・・・惚気でも構わん、可愛い。
「「いただきます」」
二人で手を合わせて、俺達はちょっと遅い夕食をとり始めた。
こんな光景、きっと社内の誰も想像できないだろう。でも、いいんだ。
妻の可愛い姿は、夫だけが知っていればいい。
まあ、でも・・・山下たちには自慢して、悔しがらせてやろうかな。


end

653:545
07/05/03 17:18:59 0ZOrihB4
出会い編、終了です。
初エッチといいながら、現在のになってしまいました。ゴメン・・・。
それと予告していた日にちをかなりすぎました。二重にゴメン。

今度はもっとペースをあげて書ける様に・・・。では。

次回: [まさかの裸エプロン 編]

654:名無しさん@ピンキー
07/05/03 21:29:40 qhNgwbRL
(*´Д`*)ウッ!!!!

655:名無しさん@ピンキー
07/05/03 21:37:23 CxMmsRG2
>>644-652

ROMりながら待った甲斐がありました、GJ!

656:名無しさん@ピンキー
07/05/04 01:57:14 Hh8s8LgW
おお……神々が来られてたのか!待ってたかいがありました!

>618氏
643氏がレスしたように最後にもう1レス欲しかった!まだまだ読み足りないっす!
この二人のあま~い新婚性活を是非書いてください!GJ!でした!

>545氏
全てにおいてツボに入りました!裸エプロン期待してます!GJ!です!

657:545
07/05/05 00:54:09 N9+0FE6M

「お、なんかイイ匂い」
なにやってんだよ。気持ち悪いな。
「お前の髪、すげえ良い匂いする。整髪料か?コレ」
ちがうちがう。
シャンプーが切れたんだよ。奥さんの使ったんだ。
「ひっ、氷室さんのっ!?」
あぁ。なんだっけ、ハー●ルエッセンス?とかいうやつ。
「…ハァ、ハァ」
…ん?
「ってコトは、氷室さんのあの美しい髪と、同じ香りっ…!すれちがう度にフワリと香る、あの…!!」
おい、田中。人の女房で不埒な妄想してんじゃねーぞ。
「るせぇ!お前は毎晩チチクリあってイイ思いしてんだろ!氷室さんはなぁっ、美しく仕事一直線で、他の女みたいに金持ちの男にも振り向かず…っ、謂わば非モテ独身男達の最後のオアシスだったんだ!そっ、それを…お前はぁ!!」
声デカイ。見ろ、新人がビビってるぞ。
「…付き合って、半年でゴールインなんて…!」
聞いてないし。
…確かに。結婚の旨を周囲に明かしたとき、俺は社内の男どもの有り難い『制裁』を受けた。
正直、よく生きて帰れたと思う。今でも武藤みたいな奴からはチクチク嫌味を言われるし。
ま、鏡子さんが全部やり返すけど。
「分かるのかよォ、グズッ…お前にっ、新妻モノのAVを会社帰りに借りて、店員の女に白い目で見られる気持ちがぁっ…」
分からん。というか、マジ泣きはやめろ。
「『おかえりなさい。お風呂?ご飯?そ・れ・と・も…』とか言って裸エプロンで迫る新妻萌え…!」
もう何言ってんだ、お前は。
でも、…裸エプロンか。
「氷室さんはしないのか?してるとか抜かしたらお前を殺すけどな」
…しねーよ。想像したことも無かった。
でも考えてみりゃ、新婚生活における最大の夢(?)じゃないか!
「してほしーんだろ?ケッ、このムッツリ野郎」
そろそろしばくぞ。
…しかし、イメージ云々は別として、本音を言えば…。

―して欲しい、かな。

つい、こぼれた一言。
俺は気付かなかった。
このアホらしい会話を、通りかかった鏡子さんが…陰で一部始終聞いていたことに…。


ーーーーーーーーー 本編に続く

短いけどプロローグです。田中って奴は主人公の同僚でなかなかの駄目男。
二次元大好き野郎とでも思ってやって下さい。

早めに投下出来る様に頑張ります。では。

658:「通りすぎれば」書いてた頭の悪い人
07/05/07 01:15:18 h+chBNz2
「通りすぎれば」の番外編書いてみますた。
夏姫視点の回顧録みたいな感じっす。
今回も若干の矛盾が見受けられますが見て見ぬふりしてください。
ではよろしく。

659:通りすぎれば~Dear new Day's~
07/05/07 01:16:25 h+chBNz2
私は昨日、斎藤夏姫から五嶋夏姫に名前が変わり私の初恋の人であり、恋人をすっ飛ばして許嫁になり夫婦になった愛しい人、五嶋雅之の妻になった。
雅之は私にとって運命の人だった。本当に幼いときから私の側には雅之がいてくれた。
雅之とは幼稚園から一緒だった。

小・中・高校と一緒だったが雅之の隣に居続けることは並大抵の事ではなかった。
雅之の頭のよさは際立っていた。
雅之の成績が小・中・高校と二桁になったのを見たことがない。
私は自慢ではないが上の中位の成績だった。
大抵の高校ならA判定を貰えただろうが雅之の受けると言った高校は私ではB判定がやっとだった。
雅之と同じ高校に行きたいがために私は昼夜を問わず勉強した。そんなことは苦にならなかった。
全ては雅之の近くに居たいがために。
でもそんなことよりもっと大きな事件があった。
中学1年の夏休み明けのこと。
雅之が話しかけてきたときに、違和感に気付いた。
小さな事だが私にとっては大事件。
雅之が私のことをそれまで呼んでいた「夏姫ちゃん」から「斎藤さん」に変わったのだ。
それだけじゃなく雰囲気がどことなくよそよそしくなった。
私は必死に理由を考えたが結局分からなかった。


660:通りすぎれば~Dear new Day's~
07/05/07 01:17:29 h+chBNz2
大学で初めて雅之と別の学校に通うことになってしまった。
雅之には言わなかったが第一志望はもちろん雅之と一緒だったが私は落ちてしまった。
結果雅之は都内にあるK大学の法学部に進み、私はJ大学の法学部に通うことになってしまった。



大学に落ちた時はこの世の終りだと思った。
私は暫く塞ぎこみ体重が八キロも落ちた。
そんな状態の時、私を助けてくれたのは雅之だった。
高校を卒業して三日たったある日。私は自己嫌悪と悔しさで家に篭っていた頃だ。
急に雅之から電話が有った。
今でも覚えている。その当時私が好きだった画家の展覧会が上野で行われていた。
それに誘ってくれたのだ。私は暫く出していなかったよそ行きの服を引っ張りだしてリップを塗り家を飛び出すと雅之が門の所に立っていた。
三日ぶりに見た雅之の笑顔を見たらなんだか閉じ籠っていたのが馬鹿みたいに思えた。
雅之はそんなつもりはなかっただろうけど私にとっては初めてのデートつもりだった。

雅之に惚れていた私が言っても信憑性が薄いけど彼はとてもハンサムだ。
高校の時は私が目を光らせていたから彼は気付きもしなかっただろうが彼は女子から人気があって彼を慕う女子は少なくなかった。
そのせいで雅之が大学で恋人が出来やしないかとハラハラしていたが、すぐに名案を思い付いた。
定期的に食事や遊んだりすることにしたのだ。
お互い電車通学で偶然を装いながら雅之の帰り時間になると彼の学校の最寄り駅で待ち伏せしてみたり、金曜日は必ず一緒に夕御飯を食べたり。正直、雅之のそばに居るためならストーカーだろうがなんだろうがするつもりだった。

その努力が実ったのかどうかは解らないが彼は大学時代一度も彼女をつくらなかった。
なぜ言い切れるかと言えば雅之と同じ学校に行った近藤くんにそれとな毎月聞いていたのだ。
それでもその四年間は不安でしょうがなかった。


661:通りすぎれば~Dear new Day's~
07/05/07 01:18:29 h+chBNz2
大学を卒業し雅之は彼のお父様が経営なさっている会社に就職した。
私も親の会社に就職した。雅之もそうだっらしいけど私は親の会社に就職するつもりはなかった。
冷やかしのつもりで受けたら受かってしまったのだ。
親にばれると厄介だと思ったがいつまでも隠し通せるわけがなく入社三日前にばれてしまった。
父はしつこく花形である秘書課に入れようとしたが私は突っぱた。
社会人になって親に干渉されるのも嫌なので独り暮らしを始めた。
順風満帆の社会人生活とは裏腹に雅之との距離はどんどん遠ざかり、とうとう週一回金曜日に会うだけになってしまった。


私にとって金曜日は何事にも換えがたい日になった。それでも雅之との関係は一向に進展しなかった。


662:通りすぎれば~Dear new Day's~
07/05/07 01:19:23 h+chBNz2
そうこうしている内に私は社会人生活4年目の春を迎えていた。
この頃になると私は心のなかで雅之を諦め始めていた。
毎週金曜日に会う雅之は一緒に飲んでいてもアルコールは頼まず、ただ淡々と私の愚痴に付き合うだけになっていた。
きっと呆れてる、めんどくさいって思ってる。そんな悲しい思い込みが暴走して私は雅之にこれでもかというほどに迷惑をかけた。
具体的には毎回ベロベロになるまで酔って彼に背負って家に送らせた。
彼は一度も私を襲うことはなかった。彼は誠実な人だから当然だけどそのころの私にはどうしても「お前なんか興味無い」と言われてる様な気分だった。
土曜の朝に一人で目覚める度に枕に顔を埋める日々が続いた。
勝手に彼を試して答えは解っているのにそれを否定したくて・・・・・・そんな自分が嫌いだった。
それでも彼は一言も文句を言わないで私のとなりに居てくれた。


663:通りすぎれば~Dear new Day's~
07/05/07 01:26:29 h+chBNz2
私は雅之がいつ「もう会うのを止めよう」と言われてもいいようにと、
独り暮らしの私の部屋にあった彼に関連するような物(例えば彼の好きな蒼色のマグカップとか好きなブランドの服)を少しずつ整理していった。
それでもその日が来ないようにと必死に願っている自分もいた。
私にはもう何をしても彼を捕まえる事は出来ないような気がしてならなかった。
彼を思わせるような物を周りに置いていたらいつまでも彼から離れられないし辛すぎる。

でもどうしても整理出来ないものがあった。
高校卒業のとき雅之と一緒に写った校門前での写真だ。
これだけはどうしても整理出来なかった。



そんな私に物凄いチャンスがめぐってきた。
私の父が経営する会社と雅之のお父様が経営する会社が資本提携をすることになったのだ。
私には最後のチャンスに感じられそれにアイデアがあった。
それは私と雅之のお見合いである。
と言ってもただのお見合いではない。そもそも私と雅之は顔見知りだからお見合いにならない。
全ては私が仕組んだのだ。
同時に悔しくはあったが父に感謝せざるおえまい。
父が資本提携をしなければこれは廻って来なかった。
父には見合いをしたいと言い相手の名前を告げた。
すると父は呆れたような口ぶりで
「なんだ、まだ雅之くんと出来ていなかったのか。私はてっきり結婚するものだと思っていたよ。」
と言われてしまった。

なんとでも言え。私には最後のチャンスなんだ。構っていられるか。

父にそう言ったあと雅之のお父様に会いに行った。

私の思いと事の運びを伝えるとお父様は
「なんだい、夏樹さん雅之はまだプロポーズしていないのかい!まったく我が息子ながらなんて不甲斐のない。
あなたのしたいようになさい。なにお金は私が出すから心配は要らないよ。あの馬鹿息子を捕まえてやってくれ。
あの馬鹿息子は本当の自分が見えていないらしい。」



こうしてお膳立ては揃った。

664:通りすぎれば~Dear new Day's~
07/05/07 01:27:52 h+chBNz2
雅之の性格からして親から言いつけられたことは反発するだろう。
それが狙いだ。
なし崩しでお見合いに引っ張ってくる。
彼の事だから最後の抵抗とばかりに写真や経歴なんて目を通さないだろう。



私はこのお見合い事態、二人の関係を一歩でも進められたら、せめて友達以上になれればよしとしてこのお見合いに望んだ。
お見合いが行われる週の金曜日は雅之の顔をみることが出来そうになかったのでキャンセルした。

行けないとメールしたときの雅之の返信は
「そうか、じゃあ来週にな。」
だった。
正直来週があるかどうかはお見合いにかかっていた。



お見合い当日。
大好きだった祖母が私にくれた深い蒼色の和服を来ていった。
雅之の好きな色ということもあるが、私はこの深い蒼色の和服が大好きだった。
それにこれを着ていれば、何故かは解らないけど駄目だったとしても涙を流さなくて済むような気がした。


仲人さんに通されて雅之の居る座敷に通された私を見た雅之は鳩が豆鉄砲でも食らったような顔をしていた。


まぁ私も演技ではあったが驚いてみせた。

暫くして仲人さんが引っ込むと雅之は外に出ようと行った。




外に出た雅之は私の和服を似合っていると誉めてくれた。
それだけでも嬉しかったが彼が次に言った言葉は嬉しい反面、面を食らってしまった。
「結婚しないか」
そう彼はいった。
私はきっと世界で一番間抜けな顔をしていたに違いない。
思わず出た言葉が
「はぁ?」
だった。
彼は誤解したらしく慌てて取り消そうとした。
私は驚いていたがこれは逃せないチャンスということは分かっていた。
・・・分かっていたけどひねくれた私はどうしても彼の言葉が信じられずに思いとは裏腹な言葉が勝手に口から溢れる。


665:通りすぎれば~Dear new Day's~
07/05/07 01:29:12 h+chBNz2
私は彼に好きな人がいないのか、告白しなくていいのか?
などと言っていた。
彼は好きな人がいる、告白はしてないという。
その場で手をついてしまいそうな脱力感に見舞われた。
当たり前だ。何のモーションも見せていないただの幼馴染みだ。私を好きなわけがない。
お見合いさえなければその人に告白していたのだろう。責任感が強いから私に恥をかかさないように結婚しようと言ったのだ。そうに違いない。
彼の好きな人が憎くて憎くてしょうがない。
私が今までの人生を賭けても手に入らない物をその人は手にしているのだと思うと気が狂いそうだった。
泣きたいの堪え私は告白してこい、振られたら私が拾ってやるなどと偉そうにいっていた。心の中で言おう言おうとしていた言葉は遠ざかり、真逆の言葉が出ていった。
「好きです、私と恋人になってください。」
この一言が言いたいがために努力してきたのに。
頭の中を後悔が駆け巡っていった。
それ以上何も言えずにうつ向いて黙りこくっていた私に彼はこういった。
「僕が好きなのは夏姫、君だ。」
耳を疑った。
それ以上に嘘を吐かれたと思った私は彼を責めた。
そんな嘘は要らない、なにが楽しいのか!と。
私は今までの思いが故に彼の言葉を鵜呑みに出来るほど余裕がなかった。
それでも彼は私を好きだと言ってくれた。
結婚しようとも。

私は思わず思いを吐漏していた。
彼は私を胸に抱き寄せキスしてくれた。
私の今までの苦労は全て報われた。
神様は今までの試練のご褒美に最高のプレゼントを残しておいてくれたらしい。

666:通りすぎれば~Dear new Day's~
07/05/07 01:32:47 h+chBNz2
しかし私の受難はまだ先があった。
彼が私を求めてこないのだ。
雅之と過ごす夜は幸せに満ち溢れそれだけでも幸せになれた。
しかしこれから夫婦になるというのにこれはマズイと焦り始めたのが今からちょうど四ヶ月前。
私の苦労が報われてから二ヶ月後の事だ。
最初のうちは疲れているのだと思い込むようにしていたがだんだん不安になる。

今まで友達だったのだ、無理もないかもしれないことだがどうやってHな気分にさせればいいか分からなかった。
友達から聞いたサイズオーバーで私が着るとダボダボの雅之のTシャツを着て(下着はパンティーだけ)で彼を向かえたりしたがあまり効果を感じることが出来なかった。
焦りは不安になりとうとう雅之に聞いてみた。
何故、私を抱かないのか。
彼らしい答えだった。
私を心配していたからだった。
性癖なんてそんなことを含めて丸ごと彼が好きなのに。
彼は私を大事にしすぎるがあまり抱けなかったのだ。
なんて優しい男性なのだろうか。
私は彼を解き放つために彼の言葉をことごとく否定し、セックスをしようといった。


解き放たれた彼は私を抱いた。
何度も何度も繰り返し私を攻める快感と幸福の波に私は溺れた。





そろそろ彼が起きる時間だ。
朝御飯つくらなきゃ。
今日は土曜日。
一週間のなかで一番嫌いな日だったけど、今は一番好きな日だ。
彼を一日中好きなだけ独占出来るのだから。
私が土曜日に枕に泣き顔を埋める事はもうないだろう。

667:名無しさん@ピンキー
07/05/07 01:34:22 h+chBNz2
以上です。
続きは・・・・・・・・・期待しないで待っててくださいな。

(誰も待ってない気もするけど。)

668:名無しさん@ピンキー
07/05/07 04:00:25 YVNXtvii
俺は待つ!褌でな!!!(*゚∀゚)=3
GJ!

669:新妻
07/05/07 12:09:23 9avvp9nx
>>666
この話ゎ 実話ですか? 少女漫画そのまんまな恋愛ですねぇ~

670:名無しさん@ピンキー
07/05/07 13:28:17 IPR+fEQ8
内容は悪くないし、面白いんだけど、ヤマが無い感じ。
独白の内容とはいえ、文があまりにも淡々としてしまっているような気がした。

多分経験の問題だと思うし、これからも頑張って。

671:545
07/05/07 19:32:29 LjPP3WuH
批評ありがとうございます。やっぱり経験ですね…。エロ初なんで未熟な点ばっかりで…。
因みに上司部下の設定は、従兄弟からです。実際は五歳差。実話ではないけど設定だけ。
今度はもっとエロくなるよう頑張ります。
レスくれた人、励みになりました。

672:672
07/05/07 23:05:42 Pf6VwBec
まずは初めまして 今までこのスレではROMな人でしたが
ふと思い至ったので投下にきました

タイトルは、とある新婚さんの話
です

673:とある新婚さんの話
07/05/07 23:06:57 Pf6VwBec
人生ってのは本当にわからないものだと思う。
大学卒業を間近に迎えた時期に付き合っていた彼女から振られて、これ以上の苦しみはないってほどに
へこまされたと思えば、四月に入社式という新社会人の儀式を通過したときには
嬉し恥ずかし新婚さん。
時間―日数にしてみれば三週間余りの間の出来事。
狐につままれたというのは、今の自分の状況を言い表すのに的確なものだと思う。
朝はおはようのキスで起こされ、出勤時にはいってらっしゃいのキスでお見送り。
昼食に持たされている弁当には、お約束のごとくハートマークが白米の上に鎮座しており、ダイスキ!
というメッセージももれなくついてくる。
そして、左手薬指に輝くは白銀の指輪。

まあ、ここまで現実的なことが起こっているわけだから受け止めなきゃしょうがない。

674:とある新婚さんの話2
07/05/07 23:08:05 Pf6VwBec
その日。三日前に付き合っていた彼女から振られておれ―松中智仁(まつなか ともひと)は、
これ以上の苦しみがあるのだろうかっていうぐらいの絶望感を味わっていた。

―早い話が不貞腐れていた。

そこへ現れたのが早瀬紗奈(はやせ さな)。小さいころによく一緒に遊んでもらっていた三歳年上の
幼馴染の女性で、今は二十五になる。
大きくなれば―もう少し年が近い幼馴染だとお互いの関係が照れくさくなったりして遊ばなくなった
りするんだろう。やや年が離れていたためか彼女はおれにべったりといっていいほどに
世話を焼いてくれた。
お互いが一人っ子であったため、彼女から見れば弟、おれから見れば甘えられる姉が欲しかったんだと
思う。
それからも疎遠になることはなく、よく一緒に遊びにいく仲の良い姉弟といって差し支えのない関係が
続いていた。

振られてへこんでいたため出かけるのを渋るおれを強引に引張り、卒業祝いと称して飲みに連れ出して
くれた。
亡くなったおじさんとおばさんから受け継いだ莫大な遺産を運用して、実業家としてばりばりに活躍
しているらしい紗奈姉ちゃんは、大学生のおれが見てもわかる高そうな料亭へと入ろうとした。
先祖代々の庶民的でごく平凡な家庭にて生まれ育ったおれは当然のようにびびって、飲み会で行き着け
にしていた居酒屋を代わりに提案していた。

675:とある新婚さんの話3
07/05/07 23:09:26 Pf6VwBec
「……というわけなんだ。ひどいだろ。紗奈姉ちゃん」
おごりだから遠慮なくやるようにと言われていたものの、結局、いつもの安い焼酎をロックだの水割り
だのお湯割りだと飲んで、いい具合に出来上がっていたおれは彼女に散々愚痴っていた。
始めは上品にワインを飲んでいた姉ちゃんは、おれが飲む焼酎に興味を惹かれたのかしばらく前から
同じものを注文して黙々と飲み干していった。
「ねえ、姉ちゃん。おれの話聞いてる?」
確認しようとしたところ、ちらっと視線だけ向けてきたと思えば、手元のグラスへと意識を戻しその中身を
喉の奥へと流し込んでいく。
ややあって、ダンっとテーブルに叩きつけられたグラスからなかの氷が飛出そうとしてくる。隣の
サラリーマンのおっさんたちが陣取る机からは迷惑そうに見られていた。
「姉ちゃん、どうしたのさ?」
おっさん連中に愛想笑いつきで軽く会釈しつつ、どうも様子がおかしい彼女の俯けられた顔を覗きこんだ。
「……ひどい」
「えっ? ああ、さっきのおれの話のこと? だろ? 本当にひどいよな、彼女……」
「違うっ! ひどいのはトモくんよっ!」
「……うんうん、ひどいのはおれ……ってなんでおれなの!?」
「だってそうじゃないっ。他の女の子にばかり手を出して、いつになったらお姉ちゃんに振り向いてくれるのっ」
黒曜石のような綺麗な瞳にじわりと涙をためて紗奈姉ちゃんはおれのことを非難してくる。
おれとしてはまったくの不測の事態でありおろおろするだけだった。
「お姉ちゃんはトモくんのことがこんなに好きなのに……ひどいトモくんはいつまでお姉ちゃんに
放置プレイをかます気なのっ!?」
「ほっ、ほっ放置プレイっ!?」
いやらしい―性的なこととは無縁だと思っていた姉が顔を真っ赤にして訴えてくる。さっきのおっさん
連中や、近くの席からはおれと同じ大学生風の男女が好奇の目でこちらを見てくる。
視線の色がどうも怪しい。
紗奈姉ちゃんが、お姉ちゃんと連発してくるので、もしかしたら近親相姦一歩手前のいけない姉弟だとでも
思われたりしているのかもしれない。
「ひどい……。お姉ちゃんはトモくんのことが小さいころからずっと好きだったのに疑うの……?」
「いっ、いや好きって……姉弟愛みたいなもんでしょ……?」
予期せぬ人に予期せぬ場所で予期せぬタイミングで告白される。処理できる容量を大幅に超えてしまった
のだろうか。どうも頭が追いついてくれない。
姉の端整な顔に一筋の涙が通ったかと思うと、注意しにきたらしい店員に迷惑料込みですと言って
最高紙幣を十枚ほど握らせるとおれの手を引いて出て行った。


676:とある新婚さんの話4
07/05/07 23:11:10 Pf6VwBec
「ちょっ、姉ちゃん、痛いって! どこに行こうっていうのさ!」
「…………」
なおも無言で通す姉は駅前にて携帯電話でハイヤーを呼び出し、おれを強引に車内へと押し込んだ。
「……ホテルまでお願いします」
「えっ……? ちょっと!?」
その手の話はまったく知らないおれだけど、そこが最高級のホテルだってことはわかった。確か外国から
来る政府要人や偉い金持ちの人などVIPな方々が利用するようなところだ。
後部座席のかしましいやりとりを気にすることもなく、運転手はおれたちを無事送り届けると
何事もなかったかのように去っていった。

目の前にそびえ立つホテルを見て、何階建てなのかな……などとバカなことを考えていたおれは手を引かれて
連行されていく。
紗奈姉ちゃんはフロントにて短く名前だけを告げてキーを受け取ると、エレベーターへとおれを押した。
やがて部屋につくと、訳がわからず借りてきた猫のようにおとなしくしていたおれをフカフカのベッドへと
突き飛ばしたお姉ちゃんはこう宣言してきた。
「トモくんを……お姉ちゃんがどんなに愛しているのかってことを、たっぷりと理解させてあげる……」

その夜のことでおれが覚えていることは、夜景が綺麗だったということ。それと紗奈姉ちゃんのおれへの
深い愛情だった。

677:とある新婚さんの話5
07/05/07 23:12:33 Pf6VwBec
朝起きると広大なサイズのベッドにはおれひとりしかいなかった。
「……姉ちゃんにこのホテルに連れてこられて、やたら積極的だった姉ちゃんとエッチ……いや、
逆レイプみたいな感じで犯されたんだっけ……。そいうや、姉ちゃんは……」
やや離れた場所からガチャリと扉が開く音がした。スラリとスタイルの良さが際立つ肢体をバスローブ
にて包んだ紗奈姉ちゃんが出てきた。
瞳と同じ黒い髪にまとわりついた水分をとるためにタオルを当てている。
―ヤバい……風呂上りの女の人って色っぽい……。
朝の現象によって半ば起きていた息子は、完全に起きだしてきたようだ。昨夜も結構な回数をこなした
はずなのに少しばかりの睡眠だけでスタミナは十分回復したらしい。
ぼけっと姉ちゃんに見入っていたおれ。おれが起きていることに気付いた彼女は微笑を浮かべつつベッド
へと上がってきた。
「んー。トモくん、おはよ♪」
重ねられてきた唇を受け入れて口付けを交わす。ちゃっかり姉ちゃんの頭と背中に腕を回して抱き寄せて
いたりしている。今の状況を確認すべくいろいろと聞かなきゃいけないのだが、そんなことは
お構いなしにキスを楽しんでいた。
やがて満足したのか姉ちゃんがエヘへとかわいらしく笑って唇を離した。
「えっとね……確認したいことが少しあるんだけど、いい?」
「なーに?」
横へと移動してきた彼女は、おれの肩へと頭を預けて腕を組んでくる。
「えっと……姉ちゃんとおれは昨夜エッチしたよね? というか強姦?」
「……恥ずかしかったけれど、がんばったんだもん。鈍感なトモくんがお姉ちゃんの気持ちにいつまで
たっても気付いてくれないから、こうやって迫るしかなかったんだもん。
愛がある行為だからレイプとかじゃないもん……」
「姉ちゃんは……おれのことが好きなんだよね?」
「好きじゃなかったらセックスなんかしたりしないっ。それに……」
かけ布団をめくってくる。ちょうど腰の位置辺りに血痕が見える。
「もしかして、姉ちゃんはバージンだったの?」
おれの言葉にコクリと首肯してくる。
「好きなひとがいるのに、ほかの男の人とそういうことをしたりしないよ。本当は結婚して初夜のとき
までは我慢しなきゃいけなかったんだけれど……モタモタしていられなかったから。
きっと父様も母様も怒っていると思う。でも、ここでやらなきゃトモくんは一生
手に入らない気がしたから」

678:とある新婚さんの話6
07/05/07 23:14:14 Pf6VwBec
「結婚っ……!? 初夜っ……!?」
なんというか驚愕の連続でどう反応したらいいものかわからなくて、ただ驚くばかりだった。
「そう。わたしとトモくんは結婚するの」
「えっ!? だっておれはまだ学生……」
「トモくんは今月の下旬には大学を卒業して社会人になるでしょーが。それにとっくに十八歳を超えて
いるんだから結婚はいつでもできます」
「だって経済力とかまだ伴っていないよ……」
「自慢じゃないけれど、わたしは早瀬グループの最高経営責任者なんてものをやっています。トモくん
のひとりやふたりどころか何人でも養えます。お姉ちゃんの経済力を舐めないでほしいな」
「…………」
もはや何を言ってもあっさりと返される気がしてきて絶句してしまっていた。
「それにね……。約二十年間にわたってお姉ちゃんの気持ちをスルーし続けてきたトモくんは、責任を
もってわたしと結婚しなきゃいけないの。もし断ろうものなら……」
「……断ろうものなら?」
「トモくんがわたしのことを強姦したって訴えます。知ってる? この手の犯罪は冤罪だとしてもまともに
取り合ってくれない場合がほとんどなの。男性性犯罪者に対する世間の目ってものすごく厳しいんだよ。
わたしに無理やりお酒をのませてレイプ。だれも女のわたしが逆レイプに及んだなんて思わないだろうしね。
裁判で勝つ自信も百二十パーセントある。うち……わたしは優秀な弁護士の先生方と契約しているから」
「そんなことをすれば紗奈姉ちゃん自身に傷がつくんじゃ……」
深く考えれば、まったく無実の罪を被せられて刑務所行きなわけで怖いことこの上ない話だが、頭に
浮かんだ疑問を口にする。
「別に構わないもの。真実を知っているのはわたしとトモくんの当事者ふたりだけ。他人がなんと言おうが
気にしないわ。たとえ刑期を終えて出所してきても何らかの手を打ってまた刑務所に入ってもらうわ。
大好きなトモくんを他の女になんて絶対にあげない。
わたしがトモくんを手に入れることができないなら、トモくんには一生塀の向こうで過ごしてもらうわ」
選択肢はふたつ用意されているようだが、実質ひとつだけのようだ。
「……ということはわたしだってしたくない。だからトモくんはお姉ちゃんを選んで?」
狂気じみてドロドロとした愛情ってものを垣間見た気がしたが、ここは敢えて無視。
そういえば、愛情と狂気は紙一重なんて言葉もあったっけ……。
考えてもみれば、確かに幼いころからの姉弟ベタベタは愛情があったればこそだったんだろうなって思う。
でないと、中学→高校→大学と進んでも弟みたいなものだとおれは考えていたとはいえ、頻繁に遊びに
来ていた姉ちゃんの行動は説明がつかない。
幼いころから変わらず向けられていた深い愛情。
それをスルーし続けてきた自分が悪人に思えてきた。
それに小さいころから実の姉のように慕ってきた女性。そしてここまで思いつめるほどにおれのことを
深く愛してくれている。
―うん。この想いに応えよう。
「その、何一つ紗奈姉ちゃんに釣り合っていないおれだけど、姉ちゃんをおれのお嫁さんにしたい。
結婚しよっか」
おれの返答を聞いた紗奈姉ちゃんは本当に嬉しそうで輝いていた。

679:とある新婚さんの話7
07/05/07 23:15:33 Pf6VwBec
それからの彼女の行動は迅速だった。おれの実家へと電撃訪問。結婚する旨を両親へと伝えた。
突然の話だったので父さんも母さんも反対か渋るかなと思っていたのだが、あっさりと了承。
それどころか熱烈な歓迎をしてきた。
どこぞの氏素性も定かではない女に騙されそうなおれのところに、こんな素晴らしい女性が来てくれた。
それに小さいころから知っている紗奈ちゃんだから安心して息子を任せることができると諸手を上げて
の賛成ぶりだった。
……そういえば息子のおれよりも、娘が欲しかったとかなんとかで紗奈姉ちゃんのことを猫可愛がり
していたんだっけ……と、あまり嬉しくないことを思い出してへこんでいた。

三月末の卒業式で四年間を過ごした学び舎に別れを告げたおれは迎えにきた紗奈姉ちゃんと、
おじさんとおばさんが眠る霊園を訪れ墓前にて報告。その足で役所に婚姻届を提出しにいったのだった。


こうしておれたちの新婚生活が始まった―。

680:672
07/05/07 23:17:26 Pf6VwBec
まずは結婚に至るまでの話を投下させてもらいました

続きは近日中に投下します

失礼しました

681:名無しさん@ピンキー
07/05/08 09:22:25 naFkomwe
おお!神々が舞い降りてきた!

>545氏、無理に1話にまとめずに、何回かに分けた方がキャラがたったかもしれませんね。
たぼだぼTシャツに萌えました!

>672氏、ちょっと腹黒い策略家なお嫁さんは大好物です!是非に続きをお願いします!


682:名無しさん@ピンキー
07/05/08 22:35:28 NVHhFBS9
さな姉が裏から手を回して彼女を放逐したに1票

683:名無しさん@ピンキー
07/05/08 22:48:39 gLuDW1Fi
>>682
違うな、その元彼女もさな姉が仕込んでたんだよ。
で、フラて傷ついた智仁を慰めて物にしようと企んでたんだよ。

684:名無しさん@ピンキー
07/05/08 22:57:58 pAgS+Ffw
ちくしょう、なんで自分には面倒見のいい異性の幼なじみがいないんだ。

685:672
07/05/09 23:05:30 yCRFBN6U
どうも672です

なか一日しか経っていませんが、投下にやってきました

それでは、とある新婚さんの話2
を投下します

686:とある新婚さんの話2
07/05/09 23:07:22 yCRFBN6U
特急電車に揺られること三十分と少し。ようやく今月から住居にしているマンションがある町まで戻って
きた。

地下駐輪場にとめてある相棒―大学時代に趣味で購入したマウンテンバイクを受け取りにいこうと
したところ、薄暗い闇のなかに面倒な音が響き渡ってきた。
「うえー、マジかよ。朝の予報では大丈夫だって言っていたのに……」
すでに本降りとなってきている空を恨めしく見上げる。雨が降るのは夜中になってからという情報であった
はずなのに、雨粒がアスファルトへとぶつかる音はやかましいものになってきている。
電車内にいるときは、ぱらついている小降りの状態だから大丈夫かと思っていたが、これではそうも
いかなくなった。
仕方なく自転車に乗って帰るのはあきらめて駅の構内へと戻っていく。

バスの時刻表へと目をやっていると、スーツの胸ポケットにある携帯電話から着信音が響く。
慌ててカバンを小脇に挟んだところで肩をポンと叩かれていた。
「もーダメじゃないっ。社会人になったんだから公共の場では電源を切る。どうしてもっていうとき
だけマナーモードって話したばかりなのに」
振り返るまでもなく声だけで確認できた。
そこには結婚しておれの奥さんとなった女性がいた。
身長は180cmあるおれよりも少し低いぐらいで女性としてはかなりの長身。肩より少し長いぐらいに
揃えてある艶やかな黒髪が美しい。
妙齢の女性らしく、あくまでも品よくされた薄化粧。別にしなくても十分綺麗なのになんでするのか
わからなかったりするが、それは大人の女として当然のことよ―と返されたんだっけ。
春物の薄いセーターと濃紺のパンツで手足の長い肢体を包んでいる。

―モデルさんとか似合うだろうなぁ


687:とある新婚さんの話2-2
07/05/09 23:09:05 yCRFBN6U
夫の贔屓目があるかもしれないが、本当にそう思う。なんていうか、主婦にしておくのがもったいない。
でも、こんな美人を独り占めしているんだから、これは幸せなんだろう。きっと。
「あー、そうだっけ。ごめん。紗奈姉ちゃん」
「…………」
「いひゃひゃっ!」
切れ長の目をスッと細めて頬を抓ってくる奥さん。もしかしなくても、これは怒っている。
「悲しいなぁ、わたし。愛しの旦那さまが予報外れの雨に困っているだろうなって思って、お迎えに
来てあげたのに……。その旦那さまは昔の他人行儀な呼び方で冷たくて……ご褒美にぎゅっと
抱きしめてもくれない……。悲しいなぁ」
「いや、他人行儀って先月まで普通につかっていた呼び方だし……いたっ!」
お気に入りのサンダルでおれの足の甲を踏みつけてくる奥さん。これは早々にご機嫌を取らねば。
「あー、その紗奈。わざわざ雨のなかありがとね」
「……っ♪」
にっこりと満面の笑顔を見せてくれる紗奈姉ちゃん。背の高い女性にありがちな冷たい美貌という
ところはなく、心がほっとするような笑顔を見せくれる。
ぎゅっと抱きついてきた彼女は、ややあって不満げに見上げてきた。
「ねえー……ぎゅってしてくれないの?」
「えっ?」
「ねえってば」
「いや、その人目が……ね」
「…………」
じーっと上目遣いに見詰めてくる視線に耐え切れずに要求に屈することとした。考えてみれば、雨の
しかも忙しい夕方時に迎えにきてくれたのだ。これぐらいで済むものなら安いものだろう。
「……っ♪ ねえ、ただいまのキスは……?」
すりすりとおれの胸に頬を寄せていた紗奈がとんでもないことを言ってくる。ただでさえ見目麗しい
美女を抱きしめているというだけで好奇と嫉妬の目を集めているのに、
これ以上のバカップル行為は慎みたいのだが。
「あははっ、冗談よ、冗談。さすがにわたしもそれは恥ずかしいから」
ほっと一息ついたところに爽やかなアルトの笑い声。背中を伝っていた冷や汗もおさまってくれた。
「でも……強引に情熱的に唇を奪ってくれる旦那さまのほうがポイント高いかしら。さてと、
帰りましょうか」
差し出された一本の傘を当然のように相合傘にするよう命じられて有料駐車場へと向かうのだった。




688:とある新婚さんの話2-3
07/05/09 23:10:33 yCRFBN6U
高級国産車の助手席にておれは、運転席から出されるおれの今日の出来事について質問されていた。

紗奈は結構な資産家であったりする。数年前に亡くなった両親の遺産―ホテル事業を継続しつつも
抜本的な見直しを断行。
採算が合わない―苦しい地域からは潔く撤退し、ここしばらく観光性が有望視されてきている南の島
へと進出を決行。積極的に地元の人間を登用し閉鎖的な彼らのハートをがっちりと掴んでしまった。
その他の事業においても将来性の高い分野へと日々積極的に買収を続けて拡大してきている
早瀬グループは、正に飛ぶ鳥を落とす勢いという華々しいものであった。
アメリカでエム……なんとかの資格を取得してきている姉ちゃんの経営手腕を経済紙も高く評価
しているらしい。

とまあ、そんなわけで奥さんはお金持ちなわけだ。それもとんでもなく。
そんなにお金があるのなら外車でも買えばいいだろうにと以前話したことがあったのだが、彼女曰く、

『外車ディーラーのお高くとまった商売姿勢が気に食わないの。わたしたち商売人は腰が低すぎだと
思われるぐらいでもそれ以上に低くしなさいって、父様から口をすっぱくして言われてきたから。
だから、尚更あの上からの物言いが引っかかるのよね。
それにあんな車に乗っていると、自分はお金持ちなのよって、みっともなくアピールしているように
見えるから嫌いなの』

という具合に話していた。
庶民根性の染み付いたおれからすれば、国産車でも最高級のクラスを乗り回しているのだから大差が
ないのではと思ったりしている。
―もちろん、口には出さないけど。

689:とある新婚さんの話2-4
07/05/09 23:11:56 yCRFBN6U
「……で、そろそろ考えてくれたかしら?」
「えっ、何を?」
「お仕事やめるっていう話」
ダッシュボードへとしたたかに頭を打ち付けていた。どうしてこんなとんでもないことを言い出すのか。
就職したばかりの夫に退職を勧める妻。
―うん。どう考えても異常だ。
「あっ、あのねぇ……」
「えーっ。だって言っては悪いと思うけれど、わたしとトモくんの収入ってどれぐらい差があるか
分かっているかしら?」
「うっ……」
痛すぎるところをつかれる。その差は天と地どころか、日本からはるかお空の彼方のお月様までも
ありそうなぐらいだ(いや、もっとか……)。
かたや全国展開している総合グループのトップ。
そして大学を卒業したばかりのぺーぺーの新入社員―ルーキー。
……いかん、比べること自体が間違っていたんだ……。
「つまらない会社勤めはやめて、毎日わたしと面白可笑しく暮らそうよー」
仮にも大企業のトップに立つ人間が、会社勤めはつまらないだなんて何てことを言い出すんだ……。
「いやね、定年退職を数年後に控えた年ならわからないこともないけど。さすがにこの若い身空で
ヒモ同然の男にはなりたくないっていうか……。むしろ愛する奥さんには社会人一年目で奮闘する
おれを応援してもらいたいなーって」
「……っ♪ そっか、そうだよね。結婚してずーっと一緒にいられるわけだから、そんな焦ること
なんてないよね」
少し膨れていたのだが、愛する奥さんというフレーズを聞いた姉ちゃんは目に見えて上機嫌となる。

紗奈がハンドルを軽快に操りながらふたりが暮らす家へと車は滑るように走る。
ちょっと話題が途切れて静かになった車内。ふと思いついたおれは、晩御飯のメニューを聞いていた。
「おっ、よくぞ聞いてくれました。昨日の夜から寝かせて準備していたハンバーグよ」
小さいころからよく作ってもらっていた紗奈姉ちゃんお手製のハンバーグ。ずーっと刷り込まれてきた
せいか、その言葉を聞いただけで口の中では唾液があふれてくる。
「おおー。久しぶりだよね。紗奈姉ちゃんのハンバーグ。結婚してからは初めてだっけ……」
「…………」
ぺらぺらと褒め言葉を並べ立てていったのだが、姉ちゃんの反応は芳しくない。むしろ怒っている
ような節さえある。
「……また姉ちゃんって言った」
「あっ……」
「わかった、もういい。いつまでも姉ちゃんって言って弟気分の抜けないトモくんは、納豆ご飯に
メニュー変更」
「いっ!? あっ、そのごめんっ」
別に納豆が嫌いってわけじゃない。どちらかといえば好きなほうだ。
でも、何が悲しくて大好物の姉ちゃん特製ハンバーグをおあずけされて納豆ご飯のディナーに舌鼓を
打たねばならないのか。
どうやら、おれをわざと困らせて楽しんでいるようなところもある。これもひとつのコミュニケーション
の形なのかもしれないなーっと思ったおれは、手を頭の上で合わせて大仰に謝罪してみせていた。

―本当に納豆ご飯の刑だったとしたら、その時はその時だ。我慢するさ……



690:とある新婚さんの話2-5
07/05/09 23:13:28 yCRFBN6U
マンションへと着き、最上階フロアの部屋へと戻りふたりで夕飯を済ませると、促されるままに
バスルームにて汗を流していた。

―ちなみに納豆ご飯の刑はなんとか回避することができた。

「このフロア……全部買い取っちゃったんだもんなぁ……。だからおれたちふたりだけしかいない空間。
金持ちってホント分からないな……」
湯船にて、持ち込んだタオルを何気なしに膨らませて遊んでいる。
この部屋と隣室の壁をぶち抜いてひとつにして、おれたちの住居に。残った部屋は壊すなり改造する
なりして、紗奈姉ちゃん専用のオフィスにするんだって言ってたっけ。
『トモくん。湯加減はどうかしら?』
脱衣所から声がかけられる。曇りガラスにはシルエットが浮かび上がっていた。おれは顔を軽く洗う。
「うん。ばっちり。ご飯と同様に文句のつけようがないないよ」
『そう。ねえ、わたしも入るね』
何の脈絡もなしの言葉に思わず頭を浴槽のふちにぶつけていた。痛みのため、歓迎も制止もする間も
なくガラスが開け放たれて浴室内へと外気とともに姉ちゃんが入ってくる。
「―どうしたの?」
「ああ、タオルつきね……」
「えっ?」
「ん、いや。なんでもないから気にしないで」

紗奈は風呂イスを出すと、手に持ったスポンジを熱心に泡立てていく。その様子をなんとなく見入って
いたおれへと視線が向けられてきた。
「……よし、できた。ほら、こっち来て。トモくん」
「えっ、おれはもう身体は流したし頭も洗ったんだけど」
「いいから」
「いや、だから……」
「わ た し が 背 中 を 流 し て あ げ た い の」
一字一句区切って幼児へとよく言って聞かせるべく噛んで含めるような感じ。押し問答を続けても
意味がないし、ここは厚意に甘えることとする。
「~~っ♪」
楽しくて仕方がないとばかりに鼻歌交じりで、ゴシゴシと背中をこすってくる。適度に
力が込められており、これはなかなか心地よい。
時折背中に当たる乳房―おっぱいの感触も気持ちいい。おっぱいは揉むのも楽しいけど、
こうやって当てられるだけでも気持ちよくなるものなんだと新たな発見。
ふと股間にて盛り上がってきたテントを慌てて押しとどめる。

―ヘイ、マイサン。おまえさんが活躍するのはもうちょい先だ。今は押さえ気味で頼むぜ。

691:とある新婚さんの話2-6
07/05/09 23:15:10 yCRFBN6U
「……えっとね」
「うん?」
「あの、おっぱいあまり大きくなくてごめんね」
「……どうしたの、急に?」
「だって大きい―その巨乳の子が好きなんでしょ?」
「…………」
これは一体全体どういうことだ。確かにおれは巨乳フェチのきらいがある。だが、これは極秘中の極秘
―トップシークレットのはずだ。

ただ、おれが愛好していたのはあくまでも巨乳の枠に収まる乳までだ。
爆乳? 垂れること間違いなしの将来性のない乳には興味ない。
巨乳だったら―エクササイズとか頑張れば重力への挑戦はクリアできる……はずだ。

「……『巨乳浴衣娘~境内にて朝まで祭囃子~』……『巨乳ブルマ~いけない体育倉庫~』……」
ぼそっと呟かれた声が拡声器でもって耳元から怒鳴られたみたいに入ってくる。
おかしい。
あの秘蔵中の秘蔵DVD―あれはおれの部屋にある段ボールへと厳重に封印されていたはず。
「あっ、誤解しないでね? わざとじゃないの。お掃除していて、片していない段ボールのなかに
ひとつだけ色が違うものがあってどうしても気になって……。それでつい……」
なんという凡ミスだろうか。そりゃあ、奥さんは掃除で入ってくるに決まっているじゃないか……。
だが、誤解しないでほしい。あれ―いや、彼女たちは切り捨てられなかったんだ。
おれへの夜の貢献度№1の座を巡って凌ぎを削っていた二枚―いや、ふたり。
言わば大学時代の独り寝の寂しかった時期のよき思い出。他は処分してきたんだが、これだけは切れ
なかったんだ……。
「…………」
いかん。ここは押し黙っている姉ちゃんのためにもなにか答えなければ。
紗奈姉ちゃんはほんの半月前までバージンだった。こういうエログッズに偏見があるやもしれん。
意識していないのだろうが、姉ちゃんはひしっとおれの背中に抱きついてきている。ということは、
ダイレクトにおっぱいの感触が伝わってきているわけで。

―やれやれ。もう待てないってのか? 今は何気に新婚夫婦の危機だってのに、おまえさんは
本当に空気の読めない困ったちゃんだぜ……。

全開で自己主張してきている自分の分身に、心中でため息をつく。

692:とある新婚さんの話2-7
07/05/09 23:16:57 yCRFBN6U
(んっ? ああ、これでいいじゃん)
「……えっ?」
胸へと回されていた姉ちゃんの両手を股間へと導く。マイサンはおれ以外の手が触れてきてご機嫌だ。
「……あっ、熱い」
「言い訳はしないよ。確かにおれは巨乳が好きだった」
「…………」
「でもね、おれは紗奈と結婚―あのときのホテルでエッチしてから、紗奈の美乳に鞍替えしたの」
「……びにゅう?」
「そう。紗奈の形の綺麗なおっぱい。それだけじゃなくて感度もいい。おれ専用のかわいいおっぱい」
「……っ」
ぎゅっとおれの一物を握る力が強まる。どうやら琴線に触れるセリフがあったらしい。
―うん。微妙に痛いけど、ここは我慢さ……。
「わかる? 紗奈が好きだから……欲しいから、こいつはこんなに熱く大きくなっているんだ」
ふにふにと当たっていた乳房が背中でムギュっとつぶれる感触。
「わたしが一番なの?」
「もちろん」
「わたしが一番なのよね?」
「う、うん」
念入りに繰り返される確認。なにをこんな丁寧に聞いてくるのか。
「わたしが一番ということは―他には何もいらないということよね。それじゃあどうして
あのいやらしいDVDがこの家に存在しているのかしらねぇ……?」
「えっ……」
これはいい雰囲気? 初めてのお風呂エッチに突入できるか? いや待てよ。ソープランドごっこ
もありか? などと展開していたピンク色の妄想が一気に吹き飛んだ。
なんなの? この聞いたことのない声音による頭と腹に響いてくる低いボイスは……。
「いいいいい、いやだからね? あれは青春時代のよき思い出っていうかね? なんていうの……
シークレットメモリーってやつ? 触れるな危険っていうか、男には隠れた趣味があるんだよ
っていうか……」
「……ぷっ」
「あれっ?」
「あっはははははっ! おっかしいの、トモくん本気で焦ってるー。かわいいっ♪」
ムギュッと頭を抱きかかえられていた。
「もしかして……怒っていない?」
「もちろん。わたしも大人の女よ。男の子がそんなのを持っているなんてわかっているから」
「はぁ……」
安心したらなんだか力が抜けてきた。風呂イスの上でちょっと脱力し、ほっと息をつく。
「でも……」
「うっ……」
スポンジの泡をつけた右手でおれのあそこを弄んでくる。ヌルヌル感がたまらない。
「これから射精するときは……わたしのアソコでなきゃイヤよ? ダ・ン・ナ・さ・ま」
ふぅーっと耳へと吹きかけられる息でゾクゾクしてくる。ちょっとでも気を抜けば射精して
しまいそうである。
「さっ、紗奈っ」
振り向いて押し倒そうとしてきたおれの額をピンと人差し指で弾いてきた。
「ダメ。ベッドで待っていて。身体ちゃんと洗ってからいくから」
「えっ……別にここでも」
ジト目で睨むこわい奥さんからぎゅーっと頬を抓られていた。
「わたしが嫌なのっ。ちょっとは奥さん心理を理解しなさいね」
「いひゃい、いひゃい!」

こうしておれは風呂場から追い立てられていった。腹に反り返らんばかりに盛り上がっていたマイサン
も憔悴気味であった。
まあ、気分を損ねてはどうしようもない。
気持ちに整理をつけたおれは、寝巻きを身に纏うと寝室へと足取りも軽やかに向かうのだった。

693:672
07/05/09 23:21:47 yCRFBN6U
今回はこれで切らせてもらいます

次回でエロ&完結となります

投下予定は早くて今週末、遅ければ来週でしょうか
時刻は1と今日落とした2と同じく夜の11時です

それでは失礼します

694:名無しさん@ピンキー
07/05/09 23:55:39 6c/oxKzk
これは…、蛇 の 生 殺し だ!! 一日も早い続き、ぷりーず!!

695:名無しさん@ピンキー
07/05/10 00:01:04 dl1ghni2
ドキワクしながら待ってます。

696:名無しさん@ピンキー
07/05/10 22:44:36 3kMZS9ag
>>662
女性視点の切ない感じがすごくいいです。
こういう感じなの個人的なツボなんで楽しませてもらいました。
続きもwktkしながら待ってます!!

>>672
な ん た る 生 殺 しw
姉さん女房が好きなんで楽しませて楽しませてもらいました(*´∀`*)
次の本番の期待してます

それにしてもこのスレ、レベル高杉!!w

697:名無しさん@ピンキー
07/05/13 07:31:16 7+Uo2K1c
>>693な ん と い う 寸 止 め ク オ リ テ ィ !
神GJ!世界一!

698:672
07/05/13 23:19:23 I1hZUwSL
どうも672です

とある新婚さんの話、最終話を投下にやってきました

ただPCがちょっとご機嫌斜めなため最後までいけるか少し不安だったりしますが……

とりあえずやってみます

699:とある新婚さんの話3
07/05/13 23:20:52 I1hZUwSL
バスルームから追い出されたおれは寝室へと入る前に、自分の部屋へと寄ることとした。それはもちろん、
明日の準備をしなければいけないから。
とはいっても、新入社員のおれはまだ仕事を与えてもらっているわけでもなし。だから準備といえども
たいしたことはない。
机の上においてあるものに目がいく。
『巨乳浴衣娘~境内にて朝まで祭囃子~』 と 『巨乳ブルマ~いけない体育倉庫~』 の二枚だ。
なんていうか恥ずかしい。母親に隠していたエロ本をわざとらしく机の上におかれる……。
あれと同じぐらいの精神的ダメージだ。
……メモ用紙が貼り付けてある。

『……スケベ……by紗奈』

「返す言葉もないです……」
おれは苦笑いを浮かべていた。

待てど暮らせど紗奈は来ない。時計に目をやる。―既に十時を回っている。おれが風呂をあがってから
一時間と少し。女性は長風呂のひとが多いということはよくわかっていたつもりだけど、また姉ちゃんも
その例外に漏れていないということも理解しているけど、焦らされているのではと勘ぐってしまう。

今か今かと紗奈を待っているのはおれだけではなく、下半身の分身も首を長くしている。

―すまない、相棒。奥さんはまだバスタイムを満喫されているようだ。

さっき自室のクローゼットへと密かに隠してある 『マムシ&スッポン ゴールデンコンビ』
という強力な精力剤を飲んできたのだ。
このためマイサンは既に臨戦態勢であった。
一本八千円という代物。友人と遊んだときに勧められたもので、ありえない効果を発揮するから買ってみなって
話だった。まあ、値段が張るものだから敬遠していたのだけど、物は試しということで購入していたのだが。
これを飲むのはおれが先月末大学を卒業した際―姉ちゃんと入籍したときの初夜に服用して以来だ。

あのホテルでの逆レイプから姉ちゃんと肌を重ねたことはなかった。紗奈姉ちゃんが忙しかったという
こともあったが、それともうひとつ。

700:とある新婚さんの話3-2
07/05/13 23:22:26 I1hZUwSL
『あのときは特別だった。わたしもお酒をかなりのんでいたからね』

結婚するまでは厳禁。初夜にて旦那さまに純潔を捧げること―という、おじさんとおばさんとの約束を
破ってしまったことをかなり気にしていたらしい。
それで入籍の日―晴れて夫婦となった夜に初夜をやり直すことになったというわけだ。
おれもなんていうかその……我慢をした。姉ちゃんに約束を違えさせて申し訳なく感じていたおれも
付き合うことにした。紗奈に手を出さないということと、オナニーの禁止だ。
卒業前から今のマンションに引越し自体はしていた。即ちふたりで同居。姉ちゃんは忙しいとはいえ、
朝も夜もご飯はしっかり作ってくれたし、目が合えばキスも照れながらもする。
もちろん、同じベッドで一緒に就寝。
でも、エッチはダメ。ほんの数日だけのことでしかなかったんだけど、あれはめちゃくちゃ長く感じた。
そして卒業の日に、あのホテルに宿泊して初夜を迎えることとなった。
そのときに知ったことだけど、ここは姉ちゃんの経営するホテルのひとつだったらしい。

最上階のロイヤルスウィートにて迎えた初夜でおもいっきり紗奈を堪能させてもらうべく、半ば忘れていた
『マムシ&スッポン ゴールデンコンビ』 の力を借りることにしたのだが、これが誤算だった。
いや、精力剤としての効果は抜群だった。胡散臭いと疑っていたことを製薬会社に土下座して謝りたいと
思うほどに。かつてないほどの勃起力と何回戦でもいけそうなタフさをもたらしてくれたのだから。
一回戦が終わっておれがコールド勝ちを収めたときに事件は起こった。姉ちゃんが眠ってしまったのだ……。
前夜は目が冴えて眠れなくて、極度に緊張している……と言われたおれは能天気にもこう思った。
『大丈夫。そんなかわいい嘘をつかなくても、おれが濃厚に愛してあげるからね』
とかおおはりきりだったのだけど、照れ隠しの嘘でもなんでもなく本当だったらしい。

結局、疲れているところを起こして無理やりするという最低なことは考えもせずに、不完全燃焼のまま
初夜を終えてしまった。
その夜は、ギンギンにフィーバーしていたマイサンが、話が違うと暴動を起こして勃起が収まらず、
おれはなかなか寝付けなくて涙目になって悶えるはめとなったのだった。

それ以降もほぼ毎日身体を重ねていたが、バージンを卒業したばかりの姉ちゃんに気を使っていたので、
男としてやり遂げたという満足感は得られていなかった。
とはいっても、嫌がるかもしれない彼女を強引に犯してセックス恐怖症にさせてしまってはいけないし、
夫としてはやっぱり一方通行の快楽ではなくて奥さんにも気持ちよくなってほしいわけで。
紗奈をすみずみまで征服したいというオスとしての欲求と、夫として妻を労わらなきゃというふたつの
矛盾した思いを抱いていたおれは、どうもすっきりできなかった。

だが、今日はなんだか期待できるような気がしていた。だって姉ちゃんが一緒に風呂に入ってくることは
今までなかった。それと、ちょっと嫉妬が混じった言葉。

『……わたしのアソコじゃなきゃイヤよ? ダ・ン・ナ・さ・ま』

―お言葉に甘えて今夜は紗奈を堪能させてもらうとしよう。



701:とある新婚さんの話3-3
07/05/13 23:24:12 I1hZUwSL
扉がノックされる音がする。いやらしい妄想ででれっと緩んでいた顔を引き締めて在室を伝える。ややあって
ドアが開いたのだが、紗奈はなぜか遠慮がちに顔だけで覗くようにしている。
「ごめんね。……待ったよね?」
「う、うん。でもほら、おれのために綺麗になってくれるんだから……」
「えっ!? あ、うん……。そうなんだけれど……トモくん、なんだか目が怖いよ?」
「そ、そうかな?」
寝巻きのズボンの下では分身がすでにいきり立っている。ドリンク剤の効果は今夜もばっちり。極度の興奮
からか目が血走っているようだ。

―そりゃあ奥さんがわざわざ焦らすような真似をするからさ。

「ところで、なんで入ってこないの?」
「えっと、笑わないでね?」

―もしかして何か大胆なお楽しみがあるのか?

「う、うん。笑ったりしないよ」
扉を後ろ手に閉めつつ姉ちゃんが寝室内に入ってきた。
「似合うかな……?」
「…………」
おれは少しの間絶句―気落ちしていた。だって普通のパジャマ姿だったんだもの。相変わらずの盛り上がり
を見せているマイサンはお構いなしみたいだけど……。
「ねっ、かわいいでしょ? 前から通販のカタログ見ていていいなぁーって思っていたんだけれど、
思い切って買っちゃったの♪」
すっかりご満悦状態の紗奈姉ちゃん。デフォルメされたかわいらしい羊が何匹もプリントされたデザイン
のものだ。やっぱり姉ちゃんも女の子ということだろうか。かわいいものに目がないというのは
どの女性も同じことなんだろう。
「……ふーん? トモくんはご不満みたいね……」
「えっ!? いや、そんなことはないよ……」
褒め言葉をなにひとつ口にしていなかったのがまずかったようだ。目に見えて不機嫌そうになる紗奈を
目にして少し慌ててしまう。
「うふふっ……スケベな旦那さまは……こちらのほうがお好みかしら?」
弁解する前に紗奈姉ちゃんはパジャマのボタンを開けていく。
いつもなら―綺麗なおっぱいが現れるのだが、姿を見せたのは実に扇情的な意匠の黒いブラジャーだった。
「……っ」

702:とある新婚さんの話3-4
07/05/13 23:25:30 I1hZUwSL
男を誘惑するための下着。胸の頂があともう少しで零れ落ちてきそうなところを見て思わず息を呑む。
「……もう、ホントにスケベなんだから……」
おれの股間の膨らみを目にして艶やかな笑みを浮かべている。
「下はこれなの……」
姉ちゃんの手の動きがとてつもなくスローモーションに見えて早くしろと思いつつも、もっと見ていたい
とも感じる相反した心境。ストリップを見に来た客ってこんな感じなのだろうか。
「……っ!」
ようやくのことで姿を現したそれに目を大きく見開いていた。
女性の脚線美をさらに美しく見せるための小道具。
―ガーターベルトだ。
色は下着と同じ黒。背の高い紗奈姉ちゃん。相応に足も長くて実によく似合っている。
「何日か前、わたしが本社に出向いたときにスカート姿だったでしょう? そのときにパンストを履いて
いたけれど、家に帰ってきたトモくんはじーっと足を見てきたわよね……?」
「……気付いていたの?」
「もちろん。いやらしい目で今にも触りたそうな顔をしていたから……ね。でも、パンストでは味気ない
気もするし、もっとセクシーに見せようと思ってこれを用意したの」
くるっと優雅に一回転して全身を見せてくる。おいしそうなお尻を見て生唾がこみ上げてきていた。
「どう、気に入ってもらえたかしら?」
「……うんっ」
今、気付いた。かわいいパジャマの下にセクシーランジェリー―羊の皮を被った小悪魔という演出
だったのか。
わざとこちらが冷めるように仕向けていて、一気に劣情を煽ってきたわけだ。悔しいけど、フェイントに
見事に引っかかってしまった。

紗奈がこちらに近づいてくる。ベッドのはしに腰掛けていたおれの足元にペタンと座り込むと、ズボンと
下着を脱がせて一物を解放してくる。
「ふふふっ……。いつもより大きいみたい。喜んでもらえたみたいね」
「くうっ……」
反り返る亀頭をピンと指で弾かれる。少し痛さも感じるのだが、それがいい。
「今日は……この立派なオチ○チンを舐めてあげる」
「えっ、いいの?」
思わず聞き返してしまっていた。紗奈にとってフェラチオは初体験となるからだ。
「いつもわたしばかりしてもらっていたから。初めてだから、上手くできないでしょうけれど、そこは
我慢してね?」
上目遣いに、小首を傾げるようにしてフェラチオをする許可を請う妻。

703:とある新婚さんの話3-5
07/05/13 23:27:29 I1hZUwSL
彼女からのご奉仕は初めてということもあるし、いつものお姉さん然とした姿とのギャップと相まって
とても新鮮に思えていた。
「んちゅっ……」
まずはご挨拶とばかりに赤黒く充血している亀頭へと口付けをしてくる。舌を出してチロチロと切れ込みに
這わせてくる。
「んっ……あふぅんっ……ちゅ……ぴちゅん」
丹念に汚れを落とし清めるようにして亀頭周辺を舐めまわすと、今度は裏筋へと向けてくる。
「レロっ……んふっ……はむン……」
「うぅっ……」
棹の部分へと上下にゆっくり舐めながら、手は大事な袋を揉んでくる。やわやわとむず痒くなる刺激のため
腰が浮かび上がりそうな感覚を覚えていた。
「ちゅぷっ……んっ。さあ、わたしのお口のなかに入りましょうね……ダンナさま」
普通にセックスするのとはまた違う口の感触。絡み付いてくる舌、口腔内のあたたかい唾液がたっぷりと
塗されていくと気持ちよさだけではなくて、愛しさがこみ上げてくる。
確かに初めてということでテクニックはまだまだだろう。それでも、おれを気持ちよくさせなきゃという
一生懸命になっている姿に、心にグッとくるものがあった。
「んぐっ……レろ……ちゅっ……あはふぅ……っ」
気持ちいいということをどうにかして伝えたくて、そっと右手で姉ちゃんの頭を撫でることにした。
風呂上りということでサラサラとしたいい感触が増している。美しく艶やかに輝く黒髪をすくっては
撫でていく。
「……んーっ♪ くちゅっ……ぴちゅっ……っ」
「うぅっ……紗奈、そろそろヤバいかも……」
彼女はちらっと視線を上げてきたが、特に構うこともなく舌と手の動きを加速させていく。
「ずちゅるるるっ……ちゅぷん……じゅるるる……っ」
「ダメっ……出しちまうっ……もういいから……」
口のなかはもちろん、顔に出して汚すようなこともしたくなかった。紗奈の頭を掴んで上げさせようとする
ものの、逆に手で払われてしまっていた。
「ふぅん……はぁふ……くちゅるっ……ちゅるるる……っ」
「くっ……!」
「……んんっ!?」

どくっどくっどくっ……ビュルルルっ!

とうとう限界を超えて精液を紗奈の口内に放出してしまっていた。
あまりの気持ちよさのため半ば放心状態に陥っていたところ、はっと気付いて脇に用意していたティッシュ
を手繰り寄せて渡そうとしたところ。

704:とある新婚さんの話3-6
07/05/13 23:28:48 I1hZUwSL
「……っ。……ごくっ」
「えっ、のんだの!?」
姉ちゃんは口いっぱいに頬張っていた精液を喉の奥に流し込んでいた。
「うーっ……おいしくない……」
ちょっと眉根を寄せて渋そうな顔をしている紗奈を見詰めていた。こちらに気付いた姉ちゃんも顔を上げて
視線をあわせてくる。
「どうしたの?」
心底不思議そうな顔。おれが何に驚いているのかまったく見当もつかないと言わんばかりだ。
「いや……だって、精液のんでくれるなんて……」
「……? のむものじゃないの?」
「人によっては……というか、のむのは嫌いな人が多いらしいから。喉にからみつく独特な味わい
らしくて気持ち悪いものだって」
「あーっ、喉にからみつくっていうのはわかった。確かにこれはちょっと慣れないときついかも」
「…………」
どうなっているのか正直わからなかった。確かに紗奈姉ちゃんはフェラ初体験のはずで、本人もそう言って
いたし、だとすれば咳き込んで吐き出してしまうはずだろうし……。
「えっとね、今日のお昼は家事も仕事も早く片付いてしまって、暇だったの。それで午前中のお掃除のときに
見つけたトモくんのDVDを思い出して見てみることにしたの」
「えっ……」
「それを見ていてフェラチオを知ったの。DVDのなかの男の人すごく気持ちよさそうだった。……わたしも
トモくんにアソコを舐めてもらって気持ちよくしてもらっていたよね。
自分がしてもらって気持ちいいことはパートナーにとっても気持ちいいはずだから……」
「はあ……それでフェラチオしてくれたんだ……」
コクリと紗奈は首肯してくる。どことなく得意げな笑顔がかわいらしい。
それと、褒めて褒めてというオーラを感じる。お礼に優しく頭を撫でてあげることとした。
「……っ♪ ……でもあのDVDは嘘つきだね。女の人はおいしいって言っていたのにおいしくなんか
なかった」
「あれは……なんていえばいいのか、男の欲望に都合よくあわせて作ったものだから」
「都合よく……?」
「うん。もっと簡単にいえばオナニーで抜くためのオカズってことかな。盛り上がって見ているところで
おいしくないとかまずいとか言われたら興醒めしちゃうんだよ」
「ふーん? そういうものなんだ……」
どことなくまだ納得のいかないというような顔をしている紗奈を、強引にベッドへと引き上げて抱き寄せる。
「きゃっ」
「今度はおれが気持ちよくしてあげるから」

705:とある新婚さんの話3-7
07/05/13 23:30:24 I1hZUwSL
ベッドにそっと紗奈を横たえて潤んだ瞳で見詰めてくる彼女の額へとそっと唇をおく。
「あっ……」
そこじゃないと言いたげな姉ちゃんを焦らすように、今度はプルプルな耳たぶを甘噛みして息をそっと
吹き込んだ。
「んんっ……。そ、そこもいいけれど……」
「わかってる……」
まるで特別にあつらえたかのような絶妙な厚さの唇に吸い付いていく。上下ともに優しく舐めて、
そして―深く、深く押し入っていく。
「んっ……くちゅん……あンっ」
そっと紗奈の舌をすくって丁寧に絡ませる。先ほどまでおれの分身を気持ちよくするためにがんばってくれた
それ。そのお返しに、口腔内をくまなく舐め尽していく。
「はぁんっ……あくっ……んん……っ」
深いキスはそのままに、セクシーなブラジャーへと手をやって上から軽く撫でていく。びくっと身体を震わせる
紗奈の反応に気をよくしたおれは、外さずにそっとたくし上げるだけに留めておいた。
「んっ……。ぬ、脱がすんじゃないの……?」
「せっかく盛り上げてくれた衣装だからね。もったいない」
「くうっ……トモくんのこね回してくる手……ふぅん……感じちゃう」
ゆっくり周囲から揉み解すようにしていく。頂に位置するかわいらしい宝石に目を奪われがちとなって、
そこに手を、舌を這わせてくなるがそこはまだ我慢。
お楽しみは少しでも先にとっておくほうが、おれにとっても、もちろん紗奈にとっても快感が増すのだから。
決して乳首には触れずにかといって快感を与えないというようなこともせずに、微妙に揉みかたの強弱を
つけていく。
一旦、紗奈の魅力的な唇とは別れて頬、首筋、浮き出た鎖骨へと唾液で線を引いていく。
「あぁふぅ……こ、今夜のトモくん、なんだか……んっ。ねちっこいよ……?」
「んー? フェラチオに挑戦してくれた奥さんにご褒美を……ね」
「くっ……んンっ」
ようやくのことで指の腹で乳首に刺激を与える。少し乱暴に押してみたり、その興奮のために大きくなって
きたところを親指と人差し指でキュっと摘んで弄ぶ。
「あっ……そ、そこがいいの……」
やはり待っていたんだろう。どことなく控えめながらも、期待の眼差しでおねだりしてくる。
「……わかった」
「はぁん……いいのっ。もっとぺろぺろして……っ」
ご要望に応えて右の乳首へと吸い付き、残ったほうは手のひらで揉み転がす。
「あはっ……気持ちいいけれど……トモくん、かわいい。赤ちゃんみたい……」
「…………」
「ひぐ……っ!?」
照れ臭さを隠すためにコリッとした先端を痛すぎない程度に軽く噛む。
そりゃあ、おっぱいが嫌いな男なんていない。これが嫌いなんて変人がいたら説教してやりたいぐらいだ。
「くはぁあああ……っ」
手の愛撫のみで待たせていたほうの乳首に狙いを移す。ピンピンに期待して立っているところを
かわいがっていった。

さて、相棒も恥ずかしいぐらいに先走り汁を垂らし始めてきていることだし、姉ちゃんの股間へといく。
ショーツの上から中指でちょんっと軽く触れたところ、


706:とある新婚さんの話3-8
07/05/13 23:31:48 I1hZUwSL
―もうたっぷり濡れてる? まだオマ○コにはまったく触れてもいないのに?

ちょっと意地悪したい気がしてきたおれは、手はそのままにショーツの上から弄りながら姉ちゃんの顔を
覗き込んでいた。
「紗奈……すごく濡れているけど、これっておれが愛撫しはじめてからって量じゃないよね? もしかして
おれのチン○ン舐めているときから興奮して濡らしちゃってた?」
「んっ……そうかも……ぅんっ……しれないけれど、でも……」
「……でも? ……んっ!?」
余裕たっぷりな様子を装おうとしていたおれの口に姉ちゃんの柔らかい唇が当てられていた。両手でおれの
後頭部をがっちり抱え込んでの強引なキス。
目を白黒させているおれを見ている紗奈姉ちゃんの瞳が細められて―笑っていた。
「んっ……ちゅぷっ。はぁ……トモくんのことがダイスキだから……だよ」
「……っ!」
なんという男心を狂わせるようなことを口にしてくるのだろうか。このひとは。
「あー、そのありがと」
「うふふ……」
自然と出る感謝の言葉。なんだかなーと思う。セックスのときぐらいは主導権を握りたいものなんだが。
どこまで一枚上手でいく気なんだろうね、紗奈姉ちゃんは。

気を取り直して黒のショーツを脱がす。そして紗奈の女性としての大事な部分に手を滑り込ませて
親指と人差し指でぐいっと開いた。
発情しきった女性器。濡れそぼったそこからは淫らな液がトロリと溢れてくる。何度見ても息を呑んでしまう
光景。そっと姉ちゃんの顔に視線を向けるが、恥ずかしげに背けたままだった。
「れろっ……」
「んん……っ」
股間が痛いほど疼いているが、自分自身に自制を言い聞かせるようにして熱心に舐めしゃぶる。
ひくひくと物欲しげに蠢いている膣穴めがけて唇ごと吸い付く。
「あぁあああぁっ……ダメっ。そんないやらしい舐め方しちゃダメなの……っ」
吸っても吸っても絶え間なく分泌されてくる愛液。しばらくの間、夢中になっておれは紗奈姉ちゃんの
オマ○コにしゃぶりついていた。


「と、トモくん……。わたし、もうトモくんが欲しい……」
「おれもそろそろ我慢が利かなくなってきたところだったんだ。……いくよ?」
卑猥な音をたてて紗奈の胎内へと潜り込んでいく。
「くうぅぅぅんんん……っ」
お互いの股間がくっ付き合う。ザラザラとした内部の壁がおれのモノを溶かそうとするかのように愛液を
浴びせかけて包み込んでくる。
「……動くよ」
「くっはあぁ……当たってるっ! トモくんのオチ○チンがわたしの膣内でゴツゴツしてくる……っ!」
おれの背中へと腕を伸ばして抱きしめようとしてくる紗奈に応える。おれは頭を抱いて艶のある黒髪を梳きながら
口付けていった。
「んんっ……はむン……あはふ……ふぅっ……くちゅ……っ」
決して単調な動きにはならないように、かといって暴走をするわけでもなく、緩やかにほんの少しだけ激しく
リズムを変えて腰を振る。
「ぷはっ……そ、そんなにいやらしく動いちゃダメっ! わたし……おかしくっ……なりそう……っ」



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