【粧裕タン】DEATH NOTEのハァハァ小説【詩織タン】page.5at EROPARO
【粧裕タン】DEATH NOTEのハァハァ小説【詩織タン】page.5 - 暇つぶし2ch342:327
06/09/30 23:05:27 3jXwFr4i
「いえ、冗談です。あなたにそれだけ信頼してもらっていることは、光栄ですし嬉しいです。喜んで協力します」
 そう言うとLは、ほっとしたような顔をする。その様子につい、かわいい、と感じてしまう。
「そう言ってくれると信じてました」
「でも・・何かお礼ぐらいもらえませんか?L」
 私はじりじりとLに近寄っていく。
「お礼ですか。そうですね、充分な謝礼は払い・・」
 私はLに最後まで言わせないように、その唇を奪った。
「どういうつもりです?」
 Lらしくもなく、ちょっと動揺したような声だった。
「お礼はこれで良いですよ、L」
 私はそのままLの顔、首筋へとキスの雨を降らせ、服を脱がしていった。
 Lは後ろへと体勢を崩しながら、嫌がるでもなく喜ぶでもなく、淡々と私の行為を受け入れていった。

343:327
06/09/30 23:06:07 3jXwFr4i
 透き通るような白い肌に指を這わせ、やがて陰茎に到達する。
 最初はわずかに反応する程度だったが、舌を絡め、指で擦り続けるうちに、ついにそれはちきれんばかりの大きさになった。
「リドナー・・っ・・」
 Lの呼吸が、はっきりと乱れていた。感じている証拠だ。
「ハルって呼んでください、L」
 私は、Lの確かな反応に喜び、次のステップへと進むことにした。
「さあ、L、私も気持ち良くして」
 私はそう言って服とブラを脱ぎ、パンツをひざのところまでずり下げた。そしてそのまま、Lの上にまたがった。
 すでに私のそこは充分に濡れきっていたため、私とLは恐ろしくスムーズにつながることが出来た。
「うっ・・く・・っ!」
 根元まで一気に入ってしまったがために、さすがに声が漏れた。
 しかしLのものを自分の中へと飲み込んだ喜びと、単純なる情欲から、私はすぐに身体を揺らし始めた。
「あっ!うっ・・!ああっ!」
 口から飛び出すのは、自分でも聞いたことのないような、あられもない嬌声だった。
 私の中で脈打つLのものが、私の身体と心の両方にとめどなく快感を送りつづける。私もその感覚をもっと深く味わおうと、まるで獣のようにLを貪った。
「あっ、あっ・・!ああっ・・!!う・・くっっ!!」
 絶頂はすぐにやってきた。そしてその頂は、いつもの絶頂より恐ろしく高い位置にあるように見えた。
 それこそ、まさにそのまま天へと上ってしまうのではないか、というほどに。
「L、わたし、私もう・・っ!」
「・・うっ・・く!」
 私の声に反応するように、Lが押し殺すような声を出し、私を抱きしめた。
 Lもちゃんと感じていた事に私は胸を熱くし、そしてそのまま上り詰める。
 頭からつま先まで、張り詰めていた力が一気に抜けおち、私はそのまま、Lの胸へと崩れ落ちた。
 彼の本能の熱を、自分の身体の中に確かに感じながら。

344:327
06/09/30 23:06:57 3jXwFr4i
 朝目が覚めると、私は裸でベッドの上にいた。
「ここは・・?」
「ホテルですよ」
 その声に振り返ると、そこには淹れたてのコーヒーを持ったLがいた。
「昨日の夜のこと、覚えてます?」
「昨日の・・・夜・・?・・・あ!」
「そうです。二アとメロのことは、確かに約束しましたよ、ハル」 
「いや、そうじゃなくて・・セックスのほう・・」
「・・・・・」
 Lはやや困ったような照れたような顔で、沈黙する。
 私は昨夜の自分のかつてないほどの激しい痴態を鮮明に思い出し、少し赤面した。しかし同時に、顔が緩むのを感じた。
「ねえ・・Lは、気持ちよかったですか?」
「・・・・・・・はい」
 私の言葉に、Lは躊躇いながらも確かに頷いた。
「ふふっ」
 私は笑みを隠さず、差し出されたカップを受け取った。そして身体を起こして、Lにキスをした。

345:327
06/09/30 23:07:26 3jXwFr4i
 しばらくして。
 私は来た時と同じように、きっちりとした服を着ていた。そして、ドアのノブを掴んでいる。
「ハル」
 背後から、Lの声が聞こえてきた。私は振り返って、答える。
「大丈夫よL。約束は守ります。もちろん、そんな状況にならないことを祈りますけど」
「そうですね、私もそう思います」
「・・ねえL、あなたは私の事を・・・」
 私はそこまで呟くと、慌てて言葉をとめた。しかしLは、私の気持ちなどお見通しだったようだ。
「ハル、私は信頼できる人間にしか正体はあかしません。そしてこんな重大な約束を交わせるのは、本当に大切な人だけです」
「L・・」
 私はその暖かい言葉のおかげで、最高の笑顔を浮かべることが出来た。
 そして最後に、私と彼はもう一度長いキスをした。

346:327
06/09/30 23:12:07 3jXwFr4i
「Lの女、だったというわけか」
 ハルの話を聞き終わって、俺は即座にそう言った。
「・・・・・」
「で、Lとの約束を果たそうと、二アの部下として二アに近づいたわけか。なら今日俺が来たのは、さぞ好都合だったろう」
 俺の言葉に、ハルは何も答えなかった。
「俺に黙って抱かれたのも、約束のためか?情を移させて、説得しやすくするために?」
「あははっ」
 不意にハルが笑った。
「あなたと寝たのは、あなたがLの後継者候補のひとりだからよ」
 頭が、大きく揺さぶられるような言葉だった。
「わかるでしょう、Lの代わりってわけ。もちろん、あなたなんかに完全な代わりはつとまらないけど。
でもあなた、ずいぶんと早いのね。二アはもう少し、上手だったわよ」
 天使が悪魔に変わる瞬間を見たような気がした。Lが信頼して寝た女が、こんな女だと!?
 俺はすばやく銃をもち、ハルにつきつけた。
「!!」
 さすがに、ハルの顔にも恐怖の色が走る。
 その引きつった顔を見つめたまま、俺は再びハルの穴に自分のものを差し込んだ。
「はっ・・!あああっっ・・!」
 たまらず、ハルがうめく。しかし俺はそんなのは意に介さず、欲望のままにハルの中を荒らす。
「二アの方が上手いだと!?ふざけるな!おいハル、俺は今日からしばらくここに居座るからな!お前が、俺のほうが良いと言うまでな!」

347:327
06/09/30 23:13:59 3jXwFr4i
 深夜。
 ハルは、すべての力を出し尽くしたかのように眠っているメロを置いて、窓辺にたった。
 二アはきっと、私にメロが接触をすると踏むだろう。
 それまでは二アをここにとどめ、ニアが感づいたときに二人を会わせるのが得策だろう。
「大丈夫よ、L。どんな事をしても、必ずあの二人を・・」
 美しい月を見ながら、ハルは一人、呟いた。

348:327
06/09/30 23:16:30 3jXwFr4i
終わり。
かなり無茶な妄想&設定だけど、こういう無茶なのに一度挑戦してみたかったんでしてみた。
一回じゃなく日をまたいじゃってごめんね。

349:名無しさん@ピンキー
06/10/01 01:04:24 ENGeGK2X
設定が無茶でも描写が十分なら説得力は出るよ

上手い!!! gj!!!

350:名無しさん@ピンキー
06/10/01 02:46:18 XiYL3r2i
メロハルだけだと思って読んでたから(それが悪いって意味じゃないよ)
思わぬところでいきなりLハルまで読めて嬉しかったw

351:名無しさん@ピンキー
06/10/01 12:26:43 x0uBlCk3
二段構えか

352:名無しさん@ピンキー
06/10/01 22:41:43 ta+Kwh7q
>>348
乙です
Lハルいい!

353:名無しさん@ピンキー
06/10/02 20:56:11 q+5iNYvq
そうキタか! でもヨカタっすw

354:名無しさん@ピンキー
06/10/04 05:37:12 6V6jb4rg
月のが読みたい…ミサか高様で。

355:名無しさん@ピンキー
06/10/05 18:12:09 4c6HQ2L+
むしろミサか高様を読みたい

356:名無しさん@ピンキー
06/10/05 19:36:07 lFU8D2Rg
いや、どっちかってーとミサか高様だろ

357:名無しさん@ピンキー
06/10/05 20:04:35 WDWGktyU
むしろミサと高s

358:237
06/10/09 00:59:50 qTUdD7Uc
どうも。前に書くと言っていたL×南空がようやく書き終わりました。
L×リンダに感想をくれた方々、ありがとうですw
あんな長い文章をちゃんと読んで頂いて…多謝!
191さんのリンダ、おいしく頂きますた(;´д`)ハァハァ

L×南空ですが、これまた西尾氏のノベライズの影響受けまくりの内容です(爆
どうしてもLとナオミの繋がりと言えば、このノベライズでしか思い浮かばなかったでつ・゜・(ノД`)・゜・
そうなるとどうしても、まだ未読の住人さんなんかもいらっさると思うので、
その点どうかと思いつつもチャレンジ。
もしまだノベライズを全部読んでない方にはネタバレ要素が含まれる為、
全部とりあえず読んでしまってからの方がよいかと思われます。
別にそんなのどうでもいいぜ!って方、どうぞw

では、いきます。


359:L×南空@237
06/10/09 01:01:49 qTUdD7Uc

抗えなかった。
人を見透かすような目。
人を観察するような目。
人に感情を伝えない目。
漆黒の― 一点の光さえ宿さぬ目。
抗えなかった。
抗うべきだったのだろう。
抗わなければいけなかったのに。
それでも―あの目が、私を捕らえて、離さなかった。
それでも―私が、抵抗したならば、彼は私を離したのだろう。
それでも―私は、動けなかった。   動けなく、なった。

シャワーの蛇口をひねると、さぁっと冷たい水が、全身に雨のように降り注いだ。
無性に水を浴びたかった。身体の奥に、未だ微かに燻る熱を、取除いてしまいたかった。

それでも―その燻りが消えるのが、何故か名残惜しくて。

「……竜崎…さん………―いいえ……」

彼が誰なのか。とっくに私は気付いていたのに。
私の名前を知っていたあの人。
私の質問をはぐらかしたあの人。
私の身体を……抱いたあの人。
彼が誰なのか。結局聞くことが出来なかった。

私が彼の名前―いえ、コードネームを口にしたならば、彼はどう答えたのだろう。
それも、きっとはぐらかされてしまうのだろうけれど。
それでも、聞けばよかった。
私の予想通り、食えない人だったけれど。

360:L×南空@237
06/10/09 01:02:20 qTUdD7Uc

胸が、熱くなる。これではまるで―……いいえ。
これは、愛じゃない。
それならば、恋なのだろうか。―多分違う。
そんな甘い感情では無いと、私自身が感じる。

恋人のレイに酷く罪悪感を感じて、いたたまれない気持ちになった。
しばらくは……会いたくない。
本当は、会う資格もないのだけれど。
彼を好きだと言う気持ちは、今でも変わっていないのに。

―なぜ、こんなにも心がざわめくのだろう。

悪いのは……きっと私自身だ。
私を抱いた彼を、責める気には全くなれなかった。―不思議な程に。

「熱い……」

身体を冷まそうとしているはずなのに。
逆に身体の燻りが、大きくなっていくような錯覚。
忘れなければいけないのに。
忘れなければ―。

「――」

小さく、彼の最も有名とされる呼び名を呟いた。
それは叩きつけるような水音に掻き消され、私自身の耳にも届かなかった。


361:L×南空@237
06/10/09 01:03:21 qTUdD7Uc

*****


「あなたは……本当に『竜崎』と言う名前なのですか?」
「さぁ……どうでしょうね」
「さぁって…!はぐらかさないで下さい。大事な事なんです。
それにあなたは立派な犯罪を犯したんですよ?少しは反省したらどうですか」

出勤途中の彼女に抱きつこうとした彼を、痴漢の現行犯としてオフィスまで
連れて来たものの、午前中は職場復帰の為の事務処理やら
上司への挨拶回りなどで、結局彼の取調べは午後からになってしまった。
その間彼には空いていた取調室で待っていてもらったが、
ようやく彼の所へ戻った時に、コーヒーに砂糖をたっぷりと
注いでいる彼の姿を目撃した。
思わず、それと極めてよく似た光景を思い出し、唖然としてしまった。
「―随分と遅かったですね。流石に待ちくたびれてしまいました。」
言いながら、明らかに砂糖が溶けきっていない(と言うよりも
カップ一杯分のコーヒーに溶ける砂糖の量ではない)であろうコーヒーを啜っていたのだ。
コーヒーを淹れた後は、両膝を抱え込む体勢で椅子に座る。

―似ている。そう思う。
聞きたい事は山ほどあった。けれど。


362:L×南空@237
06/10/09 01:03:54 qTUdD7Uc

「―なぜ、本当の事を話してくれないのですか?」
「私は、正直に話しているつもりですが。確かに貴女に抱きつこうとしたのは
悪かったと思っています。しかし未遂に終わったのですから、今回は見逃してもらえませんか?」
悪びれもせず、飄々とそう答える彼に、彼女は頭を抱えた。
質問ははぐらかされてばっかりで、しかも痴漢行為は見逃せと言う。
―……まぁ、確かに…咄嗟に手加減なしの手厳しい罰を与えてしまったのだから、
私自身も頭が上がらない部分があるのだけれど。
でも、それとこれとは話が別だ。
「残念ですけど、それは無理な話です。今回は私だったから未遂に終わっただけで、
普通の女性ならなす術も無くあなたのワイセツ行為の被害にあっていたのですよ?
そう考えると、未遂なのだからなんて甘い事、通じる道理がないでしょう。
被害に合う者の身にもなって下さい!」
「成る程。そう言われれば確かにそうです。非常に残念です。」
コーヒーを啜りながら。全く残念そうにしていないところに、無性に腹が立った。
一体この男は何を考えているのだろうか。
あの『竜崎』よりも、更に一癖二癖ありそうなこの男に、今日は振り回されて
終わってしまうのだろうか……復職一日目から……。
あまりの運の無さに、思わず溜め息を漏らした、その直後。
「―しかし、貴女以外の女性に抱きついても、意味はありません。」
「……え…?」
予想にもしなかった彼の言葉―意味が、よく理解出来ない。
いや―彼の意図が、汲み取れない。
捉え方によっては、告白とも取れる台詞にも聞こえ、思わず心臓が高鳴る。
―しかし、彼の次の言葉で、その可能性は即座に却下された。
「別に貴女が好きだからとか、そう言う意味ではありません。
誤解が無い様に一応言っておきます。」
―……ああ、そうですか…。別にあなたに好かれても嬉しくもなんともないけど……


363:L×南空@237
06/10/09 01:05:07 qTUdD7Uc

それならそれでもっと他に言い方というものがあるのではないだろうか。
ほんの僅かにでも心を昂ぶらせた自分が馬鹿馬鹿しくなり、彼をキッと睨み付けた。
「……ならばどういう意味ですか、それは。私でなければ意味が
無いと言うのは、何か他に目的があってという事ですか!?」
「…何もそんなに怖い顔をしなくても。若い女性なのですから、
もう少し笑顔を振りまいた方が可愛らしくてよいかと思います。
怒ってばかりでは男性にもてませんよ?
あ、ちなみにその目的はもう果たしましたので、安心してください。」
……何をどう安心しろと言うのだ、何を。
彼の、あまりに暴虐撫人な態度や言動に、もう一度蹴りを入れてやりたくなった。
こうまで言われて、自分でもよく我慢していると褒めてやりたくなる。
自分はこんなに気が長かっただろうか?
「私が怒ろうが笑おうが、男にもてようがもてまいが、あなたには関係ありません!
それよりも、その目的と言うのは一体なんだったんですか。
ちゃんと答えてください!一歩間違えば私は
あなたの痴漢行為の被害者になっていたのですから。」
口調はかなりきつくなってしまったが、内心では半ば懇願する思いだった。
はぐらかされてばかりで、問えば問うほど、答えが返れば返るほど、
謎も増え、苛々も募るこの状況では、そんな心理になっても当然だろう。
……どうせまたはぐらかされるのだろうけど。
「別に大した目的でもありません。貴女のその『カポエラ』の技には
全く感服しました。すばらしかったです。」
――……今、彼は何て言った?『カポエラ』……何故私のあの技がカポエラ、だと?

『カポエラ』なんてマイナーな格闘技、知っている人間を探す方が大変だというのに。


364:L×南空@237
06/10/09 01:06:18 qTUdD7Uc

「竜崎…さん?何故……」
「―それに貴女は間違いなく正義感が強く、優しい人でした。
被害者の立場に立って物事を考える事が出来る警察官はなかなかいません。
―では、そろそろ帰らせて頂きます。」
飄々とした口調で。それだけ言って、彼は椅子を立った。
のたのたと、力の抜けた足取りで。頭が混乱し、呆然としている彼女の横を、彼が通り過ぎる。
通り過ぎる瞬間、彼は小さく囁いた。

「…お元気で。南空ナオミさん。」

――どうして?

どうして、私の名前を?
私は、教えていない。教えた覚えが無い。
どうして、知っている?

いや、そうじゃない。―何故、私は気が付かなかった?

「―ま、待って!!ダメ!!」

ガタンと派手な音と共に、椅子を跳ね除けるように立ち上がり、
ドアノブに手を掛ける彼の腕を、強く掴む。
自然と、ドアの前で、彼と向かい合う体勢になった。

何故、今まで気が付かなかったのだろう。
真実はこんなにも、あからさまで、わかりやすくて。
答えはあまりにも、簡単で、すぐ側にあったのに。
何故―?


365:L×南空@237
06/10/09 01:07:14 qTUdD7Uc

「―やはり、見逃してはもらえませんか…困りましたね。」
掴まれていない方の手の親指の爪を噛み、考え込むような仕草を見せる。
彼女は、確信する。せざるを、得ない。
彼は―

「竜崎さん……あなたは…まさか……っ…!?」
突然、彼が人差し指を立て、彼女の顔の前に突き出した。
黙れ、と言っているのか。彼女は思わず言葉を失い、息を呑んだ。
「あまり大きな声を出さない方がいいですよ、南空さん。
先程から思っていましたが、この部屋は案外外まで声が筒抜けです。
外の廊下を誰かが通るたび、話し声も聞こえてきます。
大事な話はしないに限る。」
…大事な話をする為の取調室ではないのか。そう突っ込みを
いれたくなったが、今はそんな事を言ってる場合では無い事位、
彼女にもわかっていた。
しかし、彼女は、本当の事が知りたかった。彼の口から。
「で、も……そうとしか、思えない……あなた、は……―」

―見なければ、よかったのかも知れない。
先程までは、彼の風貌だとか、仕草だとか、言動だとか。
そんなものに囚われすぎて、―初めて、彼の目を見た。こんなに間近で。

人を見透かすような目。
人を観察するような目。
人に感情を伝えない目。
漆黒の― 一点の光さえ宿さぬ目。


366:L×南空@237
06/10/09 01:08:45 qTUdD7Uc

―引き込まれていく。
目の前に差し出された彼の手が。彼女の顎に添えられて。
絶句した彼女の唇に、彼の唇が、重なった。

どくんっ―心臓が、高鳴る。

口付けを交わしても、お互いに目は合わせたままで。
彼は少し目を細めていたけれど。
それは、官能を求め合う事のない、触れるだけの口付けだった。
―それはほんの数秒の事だったに違いない。
しかし、彼女には今まで感じた事の無い程、長い数秒に思えた。
心拍数の乱れと共に、額から汗が吹き上がる。身体が。熱くなる。

何の抵抗もしない彼女から、彼が唇をそっと離す。
そして、相変わらず動けないでいる彼女に、静かに囁いた。
「―今度は、抵抗しないんですね。何故?」

―それはこっちが聞きたい位だ。いつもの私ならば、こんな事許すはずが無いのに。

脳裏に、恋人の姿が浮かんだ。罪悪感に、打ちひしがれる思いがする。
それなのに。

抗えない。
抗うべきなのに。
抗わなければいけないのに。
それでも―この目が、私を捕らえて、離さない。
それでも―私が、抵抗したならば、彼は私を離してくれるだろう。
それでも―私は、動けない。   動けなく、なった――


367:L×南空@237
06/10/09 01:09:26 qTUdD7Uc

「――っ、ぁ…ふ…ぅ…!」
―それは、獣のような交わりだった。
「ん、ぁ……っ…あ…!」
互いの身体が発散する熱気が、狭い室内に篭る。
彼女は決して広いとは言えないデスクに両手をついて頭を垂れ、かろうじて自分の体を支えていた。
がくがくと揺すぶられ、支える手は覚束なく。
気を抜けば、崩れ落ちそうになる不安を抱えたまま。
上の服は身につけたままで、穿いていた皮のズボンを下着ごと腿まで下げられて。
それは互いの性器を繋げる為の、最低限の露出でしかなかった。
露わになった彼女の白い双丘は後ろから抱えられ、その下の濡れそぼった秘裂は
彼の昂ぶったペニスで一杯に満たされている。
双丘の片側を摘んで寛げると、彼の肉棒が彼女の陰唇にズッポリと咥え込まれている様がよく見えた。

―何て、はしたなくて、淫らで、滑稽な姿だろう。

「ぁ、ぅあ、ああっ…っ…んっ…」
「はっ…南空さん……あまり大きな声を出すと……外に聞こえてしまいますよ……
…別に、私は構いませんが……」
―意地悪く、彼女の耳元で囁く。彼女は口について出る自分の淫らな喘ぎ声を
どうにか押し殺そうと躍起になった。
本当に、聞こえてしまったら。もし、誰かが通りかかりでもしたら―
「ん、んぅ……っ……っ…!!」
いやだ、こんな―
突き上げられる度にしなる身体を右手だけで支え、左の掌で口元を押さえた。
「っ、んぁ…、ぅ…っ…!」
知られたくない。見られたくない。誰にも、誰にも―


368:L×南空@237
06/10/09 01:10:18 qTUdD7Uc

そんな彼女の思いと裏腹に、彼の鋼のように硬い肉塊が、容赦なく奥をえぐる。
―いや、芯は硬いくせに表面はなめらかで、中を擦られる感覚がたまらなく気持ちよくて。
繋がった一点から伝わる痺れるような快楽の波に、自分を見失ってしまいそうで。
―こわく、なった。
「や、ぁ…っ…ア、…だ、めっ…!いや…ぁ…!」
「何故…?貴女の身体は…、相当悦んでいる、みたいですが……」
わかるでしょう?
こんなに、奥まで咥え込んで。
こんなに、いやらしく絡み付いて。
こんなに、淫乱な液いっぱい垂れ流して。
何が、だめなんです?
卑猥な言葉を、何度も彼女の耳元で囁いてやる。
降り注ぐ淫蕩な言葉に、彼女は嫌々をするように激しく頭を振る。
眉を顰めて、きつく唇を噛んで……

その仕草が。その気の強い態度が。

「―わかってないですね……南空さん…」
ますます、彼の嗜虐心を、刺激していく。
「んぁ、ぅあああ…!」
貫かれるような衝撃に、もはや気持ちいいのか苦しいのかすら、彼女には分からなくなっていた。
抑え切れず漏れ出た声は、甘い嬌声ではなく。
まるで獣の咆哮にも似た、低く呻くような、掠れた声。
彼は、それ以上何も言わなかった。
声を、上げる事も無く。


369:L×南空@237
06/10/09 01:10:53 qTUdD7Uc

代わりに、篭った熱を分散させるように、彼女の白いうなじに荒い息を吐きかける。
ゾクリ、と彼女の身体が総毛立った。
途端、きゅう、と吸い付くように窄まる内部の動きに目を細め、彼女の首筋にキスを落とす。
そんな僅かな刺激でさえも、今では互いの快感を高める媚薬にしかならず。

ニチュ、グチュ…ぬちゅ、ぬちゅっ…ずちゅっ…

昂ぶる情欲のままに。濡れた音を立てながら、太い肉茎が彼女の膣襞を擦り上げた。
突き上げては、彼女の熱い肉が彼にねっとりと絡みつき、
引き抜かれては、名残惜しいとでも言うように粘膜がめくれ、彼自身に追いすがった。
その度に、ごぷりと派手な糸を引いて愛液が溢れ、彼の精と交じり合う。
「うあっ…ああ……っ!」
彼女の腰から片手を離し、唾液に濡れ、半開きになった彼女の口元を塞いだ。
高らかになりつつあった彼女の嬌声が、たちまちくぐもった呻きへと質を変える。
「んぅ、ん、…ん…っ…!!」
苦しげに眉根を寄せ、紅潮し、汗ばんだ顔に彼女の長く艶やかな黒髪が張り付き、
常には無い女の妖艶さを醸し出していた。
段々と激しさを増す彼の動きに、自らの身体を支えきれずに肘をついて。
デスクに頬を擦り付け、涙で霞んだ目で見上げた先には、相変わらずの彼の顔が見える。
彼と、目が合った。
人を見透かすような目。
人を観察するような目。
人に感情を伝えない目。
漆黒の― 一点の光さえ宿さぬ目。


370:L×南空@237
06/10/09 01:11:50 qTUdD7Uc

―彼は、どんなつもりで私を抱いているのだろう。
―私は、何故彼に抱かれているのだろう。

せめて。彼の目が私を映し出してくれていたなら―

そんな思いが、同道巡りのように幾度も頭を掠めた。
しかし、彼女の思いなど彼から与えられる苦痛にも似た快楽によって、
考えた数だけ掻き消されていく。
それでも、思わずにはいられない。
そうしなければ、本当にどうにかなってしまいそうだった。
自分を、見失ってしまいそうだった。
―全ては無駄な事だと、わかってはいたけれど。
「んぅっ…うぁぁぁ…!」
そんな彼女の思惑を見透かしたように、彼の、腰の動きが一気に早まった。
その瞬間に、彼女の思考はまたも掻き消される。
彼女の突っ伏したデスクが、きしきしとか細い悲鳴をあげた。
彼のペニスが、彼女の中で体積を増して、狭い膣壁をいっぱいに押し広げる。
彼女の背に覆いかぶさり、額から流れる汗が、彼女の濡れた頬に滴り落ちた。
彼の限界も、近い。
「っ…!南空、さん……!」
「うぁ、あ、うぁぁぁっ…!」

―頭の中が、真っ白になった。
獣の咆哮のような、低い叫びと共に。
これまでに無く、彼女の中がきつく彼を締め上げて。
ねじ切られるような胎内の収縮に短く息を詰め、自身を引き抜いて、
淫液で濡れた彼女の白い双丘に、精を放った。


371:L×南空@237
06/10/09 01:12:28 qTUdD7Uc

「すいません。」

むせ返るような熱気。
生々しい情交の後の、互いの淫液と汗の匂いが鼻をついた。
べとべとに汚れた身体を拭いて、衣服の乱れを整えても、
艶かしい情事の残り香は消えてくれない。
彼女は、未だ虚脱感から抜け切らない体を持て余すように、
椅子に座ってデスクに突っ伏している。
―もしも、誰かにあの声を聞かれていたら。
そう思うと。
恋人を裏切ってしまった罪悪感も重なって、どうしようもなく、憂鬱な気分になった。
そんな彼女の耳に、彼の謝罪の言葉が降り注いだ。
「これは本当に、予定外の事でした。こんなつもりではなかったのですが…」
…今更…と、彼女は思う。
謝ってもらったところで、時間が戻るわけでも、自分達の行為の事実が消えるわけでもない。
それに、本当に悪いのは―私自身だ。
自分の身は自分で守る。その為の護身術も習った。
その彼女が。
彼の目を見て、動けなくなってしまったなんて、言い訳にしかならないではないか。
無理強いをされたわけでもなく。
彼の手は、振り払おうと思えばすぐにでも振り払える程に、優しくて。
自分を責めてでも、彼を責める気にはなれなかった。
「南空さん。恋人はいますか?」
「……え?」
突然何を言い出すのだろう。けだるさが残る中、顔だけを起こし、訝しげに彼を見る。


372:L×南空@237
06/10/09 01:13:12 qTUdD7Uc

「……恋人…ですか?」
居たら、どうだと言うのだろう。
真っ先に、レイ=ペンバーの事が頭に浮かんだが、それを彼に
伝えようか否か―言い惑った。
一体何を言い惑う必要があるのか。自分で自分がわからなくなった。
しかし、結局その事実を口に出す事が出来ず、彼女はただ押し黙ったままだった。
「……別にいてもいなくても私はどっちでも構いませんが…
もし居ないのであれば、すぐにでも恋人を作る事をお勧めします。」
「……?どういう、事ですか…?」
「いえ……先程貴女が、ひどく物欲しそうな顔で私を見ていたものですから…」
………!!!!!?なっ…!!!
「ちょっ…何言って…!!」
「あんな目で見詰められてしまったら、世の中の男の
90%は私と同じ行動を取ったと思います。間違いありません。
ですから、今後は恋人以外にあんな表情は見せない方がいいかと思います。」
「な、な、……それじゃまるで、私が欲求不満みたいじゃないですか!?」
「違うんですか?」
「違います!!変な事言わないで下さい!!今回は貴方が…!」
言いかけて、はっと言葉を呑み込む。
彼の目を見たら動けなくなっただなんて、そんな事は口が裂けても言えない。
それこそ、欲求不満だと言い返されてもおかしくないではないか。
「私は、あの時はまだ何もしていませんでしたが…
もしかして、私の事が好きですか?」
「ち、違います、違います!別にそう言う意味では…!!」
「……そんなにはっきりと否定しなくても。―まぁいいですが。
一応忠告しておきます。先程90%の男が私と同じ行動を取る、と言いました。
そして残りの10%の内の、5%―貴女が、殺される確率です。」
「―あ……」


373:L×南空@237
06/10/09 01:14:38 qTUdD7Uc

彼の言葉に、彼女は思わず背筋が粟立った。
そう言われてしまえば、確かに今回の件は、明らかに自分自身の不覚なのだから。
そうなっても、おかしい話ではない。
「相手がもし人の命を何とも思わない殺人鬼ならば、貴女は殺されていました。
確かに、貴女は優秀なFBI捜査官です。勇敢で、正義感も強く、行動力もある。
―しかし、それらが逆に命取りになる事もあります。気をつけた方がいい。
命は大切にしましょう。」
「―!ちょっ……待って……待って下さい!」
言いながら立ち上がり、ポケットに手を突っ込み、けだるい足取りでドアへと向かっていく彼に、
彼女はまたもや待ったを掛ける。
聞きたい事がある。―いや、確かめたい事があった。
これが、最後の質問だと。そう自分を言い聞かせて。
「まだ、何かありますか?……今更逮捕されるのは、嫌ですよ?」
「 一つだけ……答えて下さい。」
耳障りのいい言葉―彼女の価値観を、変えた言葉。
今日FBIへ戻ってきた理由が、そこにはあった。

「―『正義』とは、何だと思いますか?」

彼は、どう答えるだろう?私が求めた答えを、出してくれるのだろうか。
それとも、またはぐらかされてしまうのだろうか。
確かめたかった。
本当は、彼の正体を知ろうとする上では、ひどく不器用な質問だと、わかってはいたけれど。
それでも。
彼は相変わらず表情一つ変えず、のうのうと親指をしゃぶりながら、彼女を見詰めていた。
人を、見透かすような目で。
その『黒』にまた引き込まれそうになるのを耐えながら。


374:L×南空@237
06/10/09 01:15:39 qTUdD7Uc

「正義、ですか。意外です。貴女がそんな質問をしてくるとは。」
彼女は、思わず息を呑んだ。
「私を捕まえる時の貴女の目には一点の曇りも無かった。
迷いがある人間に、そんな目は出来ません。
貴女は―とっくに答えを知っているはずです。」
―……ああ、やはり。
見透かされている。
何も映し出していないようで。彼の目は、私の全てを見抜いている。
この質問に込めた意味も。
きっと、見抜かれているのだろう。
うまいはぐらかし方だ。
結局自身の名乗りをしないまま、彼は私からすり抜けていってしまった。
彼が―『L』であるという確かな証拠を残さずに。
思わず心の中で苦笑する彼女に。
彼は、全てを見透かしたように微笑んで、それでも、と言葉を続けた。
「もし、見出せない答えがあるのならば―ひたすらに考えてみるのも
いいかも知れません。甘いものでも食べながら―ただひたすらに―」



*****―バタン……*****


浴室から出て、バスローブを身につけた私はテレビもつけずにベッドに仰向けで倒れこんだ。
身体の火照りは先程よりは治まったものの、思い返せば返すほど、
今日は大変な一日だったと思い知る。
復職一日目ということで、仕事らしい仕事というのは無かったものの、
誰かにあのあられのない声を聞かれてはいないかと、気が気ではなかったのだ。


375:L×南空@237
06/10/09 01:16:14 qTUdD7Uc

幸い、あの時間帯はほとんどの捜査官が外出していたようで、
私が取調室から出てきた時には、事務係以外は誰も居なかったのが救いだった。
まぁ、明日からは私も朝礼以外はほとんどオフィスで居る事は無くなるのだろうけど。
恋人のレイは海外出張で、今月中は戻らないとの事だった。
レイには悪いけれど、正直今会っても私はうまく笑う事が出来ないだろう。
後ろめたい気持ちと、ざわつく心のせいで―
戻ってくるのが来月だと言うならば、それまでには……まぁ、何とか、
気持ちの整理も、ついているだろう。
いや、つけなければ、いけない。
けれど。
冷静になればなるほど、ふとした疑問が頭をよぎる。
考えまいとすればするほど、彼の事が頭に浮かぶ。

―もし、見出せない答えがあるのならば―ひたすら考えてみるのも
   いいかも知れません。甘いものでも食べながら―ただひたすらに―

……ひたすらに、か。
考えまいとしても考えてしまうのならば、今日はひたすら
考えてしまった方がいいのかもしれない。……甘いもの、あっただろうか?

冷蔵庫の中を覗いても、甘い食べ物らしきものは見当たらない。
仕方なく、私は熱いコーヒーを注ぎ、砂糖をたっぷりと入れてみた。
……もちろん、私が飲める範囲内の甘さには抑えて、だけれど。
それでも普通のジュース等に比べたら、相当な甘ったるさで。
もはやコーヒーとは言えない飲み物を啜りながら、彼の事を思う。


376:L×南空@237
06/10/09 01:17:23 qTUdD7Uc

私は、何故気が付かなかったのだろう。
ヒントはたくさんあった。―というより、あまりにもあからさますぎた気がする。
気付かない私がどうかしているのではないかと思う程に。
多分、それはあまりに私の先入観が強すぎた為だろうと、今になって思う。
世の中で、世紀の名探偵とか、正義の名探偵とか、
そんな数限りない賞賛を集めている傍らで、
引きこもり探偵だとか、卑怯だとか、そんな悪態をつく者もいる。
…実際、私自身も最初は彼をあまり良く思ってはいなかった。
考え方が180度変わったのが、この間の事件だったのだから。
しかし、今回の事を考えると、案外彼はあんな風にひょっこりと
事件を共にした人間の前に、姿を現しているのではないだろうか。
ただ、彼も絶対に名乗る事はしないだろうし、
あまりにも自分達の想像とかけ離れすぎているため、誰も気が付かないだけで……。

だって、一体誰が想像できる?

あの世界一の名探偵と呼ばれる彼が、人通りの多い駅に堂々と突っ立って、
その上、痴漢行為を働こうとするなんて、誰が想像出来るだろう?
彼は私に欲求不満だと言ったけれど、案外彼の方がそうだったんじゃないだろうか。
確かに抵抗しなかった私も私だけど、今考えると何だか確信犯のような気がしてならない。
考えすぎかも、知れないけれど。
彼の目を、思い出す。

人を見透かすような目。
人を観察するような目。
人に感情を伝えない目。
漆黒の― 一点の光さえ宿さぬ目。


377:L×南空@237
06/10/09 01:19:22 qTUdD7Uc

あの目に魅了されたように、私は動けなくなってしまった。
彼はいつもあんな目で、人を見るのだろうか。
だとしたら、どんな美辞麗句を並べ立てるより、確実に女性を落とせるに違いない。
……もしかしたら、落とされたのは私だけかも知れないけれど。

嘘つきで、幼稚で、意外と若くて(私より若いかもしれない)、
意地悪で、ふてぶてしくて、多分負けず嫌いで、それでいて―優しくて。

―あんなに、人間臭い一面があったなんて、思ってもいなかった。

「ふ……ふふっ……」

思わず、笑いが込み上げてきた。

こんなこと、一体誰が想像できる?

世界の、ほとんどの人間が知りえない。
まして、今日の事を知っているのは―彼と、私だけ。

「あは……あはは…!」

そして、そんな自分達を笑えるのは―彼と、私だけなのだから。



END.


378:L×南空@237
06/10/09 01:32:27 qTUdD7Uc
無理矢理な終わらせ方ですいません。
前置きと後書き長くてすいません・゜・(ノД`)・゜・
エロ重視にするとか言いながら結局エロ少な目で、
時間掛かったわりにはこの様かと、自分で自分を小一時間(ry

申し訳ない事だらけですが、最初に書き込んだ当時から予定してた
SSは投下しますた。
また萌え神が降りてきたらなんか書くかもしれませんが。
反省も兼ねて、SS保管庫の歴代の職人さんの素晴らしSSの海へ
ダイヴしに逝ってきまつ;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン


379:名無しさん@ピンキー
06/10/09 12:10:13 LTdsnLAd
GJ!!
綺麗なナオミおねえさんが大好きなので
とても満足しましたハァハァ

380:名無しさん@ピンキー
06/10/09 22:15:45 Q2WvAzUf
>>378
イ㌔、GJだよ!
ダイブしてもまた戻ってきて、ハァハァするお話をおながいしますよ、是非。
ナオミ良かったよ、L良かったよ。

381:名無しさん@ピンキー
06/10/10 15:14:19 AjaMCaDV
小説のあのラストはフラグっぽいとオモタ

382:名無しさん@ピンキー
06/10/10 22:02:17 LeSHxPK6
ちょっと聞きたいんだが、なんでpage.2だけ見れないんだ?

383:名無しさん@ピンキー
06/10/12 01:57:51 rtUlMHzj
照の読みたいなー

384:名無しさん@ピンキー
06/10/12 10:08:36 XtQzXDB8
オリキャラでいいから伊出さんにロマンスを!

385:名無しさん@ピンキー
06/10/14 15:00:05 p9tLCOpX
そこでサユですよ。

386:名無しさん@ピンキー
06/10/14 15:23:14 7CFpD+t3
一瞬、照サユにみえた
犯罪のにおいがした

387:名無しさん@ピンキー
06/10/14 17:54:13 pI18zqXp
ありではないか、と言ってみる

388:名無しさん@ピンキー
06/10/14 21:42:21 LHB/Gnpn
あってもいいのではないか

389:名無しさん@ピンキー
06/10/14 22:52:17 QIu41Mtg
つーか誰か頼むと言ってみる

390:名無しさん@ピンキー
06/10/14 23:10:28 7CFpD+t3
鬼畜系なのかラブラブっぽいのかどっちだ?
書けたら書くよ

391:名無しさん@ピンキー
06/10/15 01:02:26 EhCazn5x
どちらでもカモン!

392:名無しさん@ピンキー
06/10/15 10:44:10 ZKcvSUWc
>>390
ラブラブなのが好き。

393:名無しさん@ピンキー
06/10/15 15:24:52 OWku6IYP
サユたんがひどい目にあうとかわいそうだし
照も死に際不幸だったから一瞬のうちでも幸せなのを頼む

394:名無しさん@ピンキー
06/10/15 23:59:37 QbLwW5jo
最後に愛情があれば
鬼畜でもラブラブでもどっちでも好きだな

395:名無しさん@ピンキー
06/10/16 00:56:12 Pbmet7DL
愛情があるほうがいいんだね了解
ここに落とせるようになるには
月末までずれこむけど、どうか気長に待っててください
その前に照サユ神が現れることを祈っとくよ
あと、384のいう伊出さんもね

396:名無しさん@ピンキー
06/10/16 11:32:53 FnZ+fCLj
待ってまーす!

397:名無しさん@ピンキー
06/10/16 17:06:06 0sWBBC0B
照高田もいいな
この二人は何気に気が合いそう

398:名無しさん@ピンキー
06/10/16 18:01:41 ZwAZj2ai
Lミサで考えたけどどうにもいい方向にもっていけない…

399:名無しさん@ピンキー
06/10/16 18:40:30 QwHKLj5r
ま、松田も忘れないでください

400:名無しさん@ピンキー
06/10/16 21:30:15 Q9aSPFUI
Lミサならどっちも駆け引きって感じかな。
表面上は月に隠れてこっそりラヴラヴを装いつつ、
裏ではお互い利用しようとしてるとか。

401:名無しさん@ピンキー
06/10/17 11:14:20 6Jc4jSLF
Lミサ見てみたい

402:名無しさん@ピンキー
06/10/17 16:28:13 6JOh9MqE
Lとミサは肉体関係とかそういうのとは根本的に違う気がする


403:名無しさん@ピンキー
06/10/17 18:40:49 o7CLFaEi
ニアが粧裕たんにキラ疑惑の濡衣を着せて監禁凌辱

404:名無しさん@ピンキー
06/10/17 20:41:38 r1kG1zkN
Lミサはあれだ。
Lは今、周りに女がいないから、ミサと。
ミサは、月がしてくれなくて。みたいな。愛の無い肉体関係萌え。

ミサ受け読みたい奴は読んでみたら?最後無いけど。
URLリンク(momopeko.chips.jp)

405:名無しさん@ピンキー
06/10/17 20:43:28 r1kG1zkN
月とLが手錠してる中、Lとみさは月が寝てる間にやる。
スリルがあっていいと思うのだが。

406:名無しさん@ピンキー
06/10/17 21:01:00 91NaEA1C
面白そうだねーライト気付いててもいいけどw

407:名無しさん@ピンキー
06/10/17 21:09:18 91NaEA1C
あ、えっと、寝たフリしてたら面白いなって意味で。。。
>404楽しく読ませてもらいましたー

408:名無しさん@ピンキー
06/10/17 22:02:33 HEpL0YZD
13巻のヒエラルキー図とかさ、「女は好きにならないけど家族は大事」とかさ、
なんつーか月がシスコンっぽい感じで萌えた。

409:名無しさん@ピンキー
06/10/17 23:10:02 x9BaHFd8
>>405
それだ!

410:名無しさん@ピンキー
06/10/18 00:35:28 m4ek3MWk
月のシスコン!! 萌えですな!! めっちゃ読みたいww

411:名無しさん@ピンキー
06/10/18 10:25:34 W/kEcUI7
>>404
個人サイト貼るなよバカか?しかも直リンかよ

更にそれまとめサイトにもあるヤツだバカ
あとsageろ半年ROMれ

412:名無しさん@ピンキー
06/10/18 16:00:45 WBO7kf6G
Lナオミすげー良かった
やっぱLは言葉攻めが似合うなぁ

413:名無しさん@ピンキー
06/10/18 16:18:11 m4ek3MWk
「直リン」「まとめサイト」「sageる」「ROMる」って何だ?
パソの知識低くてゴメン。

414:名無しさん@ピンキー
06/10/18 18:44:01 CwE0dCh6
初心者は初心者板行って来い、それとググれ

415:名無しさん@ピンキー
06/10/18 20:51:47 GO0nxJ5L
>>414
ググれもわからない予感

>>413
「直リン」 アドレスの最初のhを抜けっつーの
「まとめサイト」 >>1を見ろや
「sageる」 メール欄に半角でsageと書け
「ROMる」 書かずに読んでろ
「ググれ」 まず検索せんかい

という意味でございます
お分かりいただけたでしょうか

416:名無しさん@ピンキー
06/10/18 21:19:18 i8YhtEoO
ニアハルなんてどうだろう。無理かな。

417:名無しさん@ピンキー
06/10/18 21:24:07 GO0nxJ5L
いくつかあったよ、ニアハル
まて、ニアが積極的に攻めるのはなかった気がする

418:名無しさん@ピンキー
06/10/18 22:55:31 eIDL/qgo
ニアが鬼畜上司セクハラプレイでハルをガンガン攻めてるの読みたい。

419:名無しさん@ピンキー
06/10/18 23:08:45 m4ek3MWk
おぉ、面白そう。オフィスプレイ?

420:名無しさん@ピンキー
06/10/19 06:57:32 Xi5GAdz9
これはワザとですかそうですか

421:名無しさん@ピンキー
06/10/19 16:49:40 9TIDyMFQ
ニアハル、ニアが積極的にハルを攻めるのは面白そうです
読んでみたいですね

422:名無しさん@ピンキー
06/10/19 17:17:25 m4EM1JFl
問題は身長差です

423:名無しさん@ピンキー
06/10/19 18:21:57 rBPhOhwy
ニア、ちっちゃすぎて飛びついているようにしかみえないだろうな・・・
それはそれでかわいいがw

424:名無しさん@ピンキー
06/10/19 20:54:50 EmS57as0
かわいいか…

425:名無しさん@ピンキー
06/10/20 17:24:34 cUJkMEHC
._. <むしろ格好いいと言われたいです

426:名無しさん@ピンキー
06/10/20 21:27:51 QiMnVITX
あげてみよう

427:名無しさん@ピンキー
06/10/20 22:58:14 puGvKJNG
まさか映画のLが自分の名前を自分でノートに書くなんて

428:名無しさん@ピンキー
06/10/20 23:57:21 cUJkMEHC
>>427
死ねばいいと思うよ

429:名無しさん@ピンキー
06/10/21 04:09:32 rKdwSvCr
たまに覗いたら大失敗。不愉快だ。

430:名無しさん@ピンキー
06/10/21 14:50:10 mViET6q3
今の時期に2ちゃん覗く方がバカ

431:名無しさん@ピンキー
06/10/21 16:21:56 5j9Yt3P7
そんなこといいから誰かSSを!

432:名無しさん@ピンキー
06/10/22 01:00:05 L/dZ+ptb
ニアハル準備します。あんま激しいのは得意でないので、要望に
そわんかもしれんが

433:名無しさん@ピンキー
06/10/22 01:07:32 agMQ6igg
Lが自分の名前を書くようにと月があんなトリックを考たなんてビックリだったよ!

434:名無しさん@ピンキー
06/10/22 09:13:56 XuDM6z3C
>>432
待ってまーす!
>>433
バーカバーカ

435:名無しさん@ピンキー
06/10/22 11:39:59 WngmkQzF
ニアハル!

436:名無しさん@ピンキー
06/10/23 22:15:55 WC7ldHUy
職人様来ないかしら

437:名無しさん@ピンキー
06/10/23 23:12:37 LiOLPzt5
ニアハルとテルサユを正座して待ってる。
イデの大恋愛も待ってる。
イデはキラ事件終わった後にハルと大恋愛すれば良い。

438:237
06/10/23 23:59:51 mXzM9esS
ども、浮上して帰ってきました。
ここ最近のカキコを見ていると、ニアハル、テルサユ、
イデSSやらのリクがありますが、そのどれでもないSSを投下
しまつ……禿しく申し訳無い・゜・(ノД`)・゜・
ただニアハルテルサユはちゃんと書いて下さる職人様が
いらっしゃるようなので、激激しくお待ちしておりますw

んで、何の要望も無く、既に神SSが何度も投下されている
Lサユ、玉砕覚悟で落としていきます。

ちょっと暗めのSSなんで、苦手な方はスルーでよろです。
では、いきます。


439:L×粧裕@237
06/10/24 00:02:20 mXzM9esS

『嘘を、ついていました。』

…知ってる…

『私は嘘つきです。―ずっと、貴女を騙してきました。』

名前、も…?

『はい。名前も、です。』

…何で、そんな事教えてくれたの?

『……さぁ、どうしてでしょうか。私自身でも、わかりません。』

そんな事を言いに、会いに来てくれたの…?もう、会えないって、言ってたのに。

『…わかりません。しかし、今度こそ、もう会う事はないでしょう。私の事は……忘れて下さい。』

何で忘れなくちゃいけないの?どうして?

『もう、…無理なんです。私に残された道は、死ぬか―貴女を不幸にするか、どちらか一つです。』

どういう事なの!?わからない、わからないよ!
何で竜崎さんが死ななくちゃならないの!?そんなの、嫌だよ…!
竜崎さんが居なきゃ……私は幸せになんてなれない……!

『……何故?私は、ずっと貴女を騙していたのですよ?』

いいの、嘘でも、よかったの……だって、私は……―



440:L×粧裕@237
06/10/24 00:03:05 PNNFqnmc


ザァァァァ……―


早朝から町全体をけぶるように降っていた冷たい霧雨が、
夕暮れが近づくにつれ激しいそれへと様相を変える。
午後五時過ぎには既に日は落ちかけ、雨空であることも手伝い
すっかり街灯に照らされた、11月。
気温も低く、街行く人は皆温かそうな上着を羽織い、
冷たい雨の下家への帰路を急いでいる。
家に帰りついた者達の、明るい燈が一つ一つ灯る中。
明りも灯さず、外からほんのりと押し入る、陽炎のように儚げな光を頼りにして。
薄暗い部屋の中。
くぐもった声が―どこか艶のある、掠れた声が、少女の唇から紡がれる。
「ッ……あっ……!」
そのか細く、儚げな身体をぶるりと震わせ、幾度目かの絶頂を男に伝えた。
男は常には大きく見開いた目を、その時ばかりは薄っすらと閉じて、
少女から与えられる痛みにも似た快楽に耐える。
身体の奥から込み上げる熱をどうにか押さえ込んで、力無く、くたりと
シーツに沈み込んだ少女の滑らかな首筋を、節だった指先で愛でる。
既に一度彼女の中に吐き出された白濁が、彼女の腿に刻印を印すようにこびりついている。
繋がった一点に絡む糸を指先で掬い、舐めてみると口の中に妙な味が広がった。
それが自分の精液の味だと理解して、自嘲気味に溜め息をついた。
「…っん……は…ぁ…」
眉を顰め、焦れるように、少女が僅かに身を揺する。
未だ自分の中で昂ぶったままの男の熱が。
もどかしくて。愛しくて。切なくて。やるせなくて。
哀しげな慟哭にも似た男の鼓動が、再び少女の身体に燈を灯した。
じくじくと疼く内部が、まるで意思を持っているかのように、
男を強く、優しく包み込む。

441:L×粧裕@237
06/10/24 00:03:57 mXzM9esS

「…粧裕、さん……」
消え入るような声で、名前を呼んだ。
途切れがちになる己の情けない声に、心の中で嘲笑う。
名前を呼ぶと、上気した桃色の顔に薄っすらと幸せそうな笑みを
浮かべる粧裕に、―初めて、罪悪感が込み上げ、胸がじり、と痛んだ。
こんな感情は知らない。
こんな自分は知らない。
―セックスとは、こんなにも切ないものだったか?―
湧き上がる激情を振り切るように、粧裕の身体を、再び揺らし始める。
「…はっ……ぁ、あ……りゅ、ざき…さ…っ…」
途切れ途切れで呼ぶ声は、もはや男の名をはっきりと示す事も無い。
いや、喩え粧裕がはっきりとその名を口にしたとしても。
そんな名前に、意味など無いはずなのに。
それなのに、何故こうまで。心が、ざわつくのだろう。
「粧裕さん……」
少女の白く汗ばんだ喉元に唇を落とし、紅い舌先でねっとりと舐め上げて、耳元で囁く。
微かな、本当に微かな声で囁かれる睦言に、少女の瞳からしとど零れる涙がシーツを濡らす。
その涙に、胸を貫かれるような罪を感じた。
嘘に塗り固められた自分。
何一つ、本当の事を打ち明ける事の無い自分。
嘘から始まり、嘘で終わる。
彼女は、こんなにも素直に、自分に全てを曝け出してくれているというのに。
曝け出す覚悟を、くれたと言うのに。


442:L×粧裕@237
06/10/24 00:06:03 PNNFqnmc

「竜崎…さん…っ……あっ…っ…」
今度は、はっきりと、彼を呼ぶ。それが偽りの名だとわかっていても。
呼ばずにはいられなかった。
胸を蝕む切なさが、狂おしい程の愛しさが。
込み上げる幾つもの激情に、やり場を無くした手が空を彷徨う。
男がその華奢な手首を掴み、自らの首へと回させる。
すると、まるで人の温もりをようやく手に入れた幼子のように、
安らかな表情で彼にしがみついたのだった。
粧裕の熱っぽい吐息が男の首筋にかかり、男は込み上げる何かから
逃れるように、目を伏せる。
―私は、彼女を愛してしまったとでも言うのだろうか。。
   自分より、一回り近くも年下の、この少女に?―
こんなはずでは無かった。こんなはずでは―……
どれだけ後悔しても、己の罪を憎んでも、もう、何もかも手遅れなのに。
逃げるな、と。冷静な自分が囁いている。
―人を試そうとした……これは罰か?
再び目を開けて、自分の下で喘ぐ少女を思う。
先程まで、穢れの無かった無垢な少女が。今は自分の手の中で、
自分の雄を咥え込み、こんなにも、乱れている。
一度染め上げてしまったものは、二度とは元に戻らない。
もう、二度と。
「粧裕…さん……よく、聞いて下さい……」
「っ…ぁ…な、に…?」
涙に濡れた粧裕の瞳は、歪んだ自分を映し出し、
儚げで、それでも確かな情欲の色に染まっている。
紅色の頬に張り付いた艶のある黒髪を払い、ひそやかに、囁く。
「一度しか、言いません……―私の…名前は…―――」


443:L×粧裕@237
06/10/24 00:06:59 PNNFqnmc


ザァァァ―


雨は、更に激しさを増す。
ガラス窓を叩きつけるような雨音が、互いの耳を犯した。
信じられないものでも見たような表情を浮かべる粧裕に、
男は心臓を鷲づかみにされたような息苦しさに襲われ、粧裕の肩に己の額を擦り付けた。
「……え…る…?Lっ…て、言ったの…?
よく、聞こえない、よ……もう、一度……」
震える声で、男に哀願する。しかし、男は少女の望みを叶える事は無い。
「…一度しか、言わないと言った筈です…。これが…私の限界です…。」
男の、懺悔にも似た呟きは、少女の目に新たな水を湧かせ、絡ませる腕に力が込もる。

「……L…って……名探偵の、名前、みたい……」
「――…………」

―否定、しないんだね……―

男の身体の強張りをその身に感じ、受け取って。
「…そんなわけ、ないよね…」
泣き笑いに、心に浮かんだ真実を押し隠して、少女は男の全てを。
許そうと、思った。

自分の肩に顔を埋めている男の耳元で、次々と湧き出る涙を精一杯堪えながら。
濡れた声で、小さく、呟く。
「…すき……」
『L』―と。
彼にしか届かない。ともすれば、雨音に掻き消されてしまいそうな、つつましい声で。


444:L×粧裕@237
06/10/24 00:08:21 PNNFqnmc

たった、アルファベットの一文字。
自分を知っている者達からは、当たり前のように呼ばれ続けた、コードネーム。
そして―誰にも明かした事の無い、真実の、名前。
甘美な響きを持った声が、彼―Lを襲い、胸に湧く狂おしいまでの激情が、
彼を支配した。
「っ!…ひぁっ…!」
突如訪れた激しい抽出に、びくり、と少女の身体が跳ねる。
ベッドのスプリングがギシギシと悲鳴を上げて、その激しさを如実に訴える。
「ア…っ……っ…うぁ…!え、…っ…んぅ…!」
その名を、呼ばせまいとするかのように、少女の唇を自らのそれで塞いだ。
言葉にならないくぐもった響きは、互いの唾液の絡まる音に掻き消され、
僅かな名残に少女は思わず涙ぐんだ。
「ん、…んぅ…っ…、ふ…」
深い口付けを交わす間も、胎内を犯す彼の欲はその激しさを増すばかりで。
粘膜の擦れ合う卑猥な旋律が、少女の羞恥を煽り、悦楽を誘う。
その水音は、雨音よりも大きく、雨音よりもいやらしく。
溢れる蜜は、男の精と混じり合い、真っ白なシーツを艶めかしく汚していく。
まだ幼さの残る乳房に大きな掌を添えて、ゆっくりと揉みしだくと、
小さいけれど確かな柔らかさを持つ膨らみは、彼の指の動きに合わせ
奇妙に形が歪んでいく。
張り詰めた先端の彩りを人差し指で嬲ると、小さな肩を震わせて、
苦しそうに眉を顰める。
唇を解放すると、途端に彼女の淫らな声が、部屋中に響いた。
「はっ……あ、アっ…  っん…くぅ…!」


445:L×粧裕@237
06/10/24 00:09:12 PNNFqnmc

泣きそうな、切なそうな、喜んでいるような、壊れてしまいそうな……
そんな、声を上げる。
その声に溺れながら、深く、深く、粧裕の胎内を突き上げた。
少女のざらついた奥壁に先端が当たり、自身がきゅんと締め付けられ、
追いつめられていく自分の持続時間に、下唇を噛んで耐える。
「は…ぁっ……」
肌にかかる男の熱い吐息に、もどかしげな声を上げて、思わず身をよじる。
やるせない思いが胸を締め付け、男の背を掻き抱いた。
「粧裕……」
「っ…は……」

―私が貴女の兄を死刑台に送れば、貴女は私を憎むだろうか―

「ひぅっ…あ、アッ!ああっ…!」

心で問うてみたところで、答えなど返りはしないのはわかっている。
けれど。
「はっ、あ…!あっ…あッ!L……Lっ…!」

―嘘をも真実をも、全て受け入れて、許してくれるなら―

内部への律動が一際強いものへと変わり、少女は涙に濡れた目をきつく瞑って衝撃に耐える。
下腹の奥から響く快感が、身体全体へと伝わり、少女の一つ一つの神経が悦びに打ち震え
粧裕、と彼の苦しげな声を受け取って、少女は高らかな嬌声を上げながら、背を引き攣らせた。
「あぁぁぁっ…!」
「っ…!」


446:L×粧裕@237
06/10/24 00:10:23 PNNFqnmc

自らの熱が迸る感覚に、少女の身体を、きつく掻き抱いた。
彼の熱をその身に宿し、びくびくと小さな身体を震わせる少女が、
―あまりにもいじらしくて、愛しくて。
「…っ…粧…裕……!」
「ぁっ……あっ……!」
―あまりにも稚拙で、刹那的で。

自分の全てを―生きた証を、彼女の中に注ぎ込む。
目が眩むような快感と共に、微かに不安が頭を過ぎったけれど。
それでも。
身の内に巣食う切なさに、互いの熱だけが、凍えた心を満たしてくれて。
薄れゆく意識の中で、少女の自分を呼ぶ声が、雨音に混じり微かに耳に残った。

互いの秘め事を押し隠すように降り続いていた雨は、
押し迫る夜の闇と共に、静けさを取り戻し、やがて止んでしまうのだろう。
それが互いの別れの刻だと、心に誓いながら―





447:L×粧裕@237
06/10/24 00:11:04 PNNFqnmc


*****


―思い返してみれば、何てたくさんのヒントがあった事だろう。
これが、兄や竜崎ならば、僅かなヒントを手掛かりに、答えを導き出せたのだろうか。
彼の言葉の節々に、彼さえも気が付かないヒントを、私に与えてくれていたのに。
否、本当はわざとだったのかもしれないけれど。
今はもう、わからない。聞くことも出来ない。

珍しくその日提出のレポートを忘れたと言う兄の知らせで、
折角創立記念で休みだった 私がしぶしぶ足を運んだ東応のキャンバスで。
あまりの広さと人の多さに戸惑い、講義の最中か電話もメールも繋がらない兄を責めながら、
一人立ち尽くしていた講堂前で、突然声を掛けられた。
『―どうかしましたか?』
少し怖くて、何でも無いと言ったのだけれど。
しつこく聞いてくるのに、兄の名前とレポートを届けに来たのだと言うと。
『月君なら知っています。私が渡しておいてあげます。』
そう言って、私の持ってきたレポートを、まるで汚いものでも触るかのような手つきで
ひょいと摘み上げて、持って行ってしまった。
しばらくは唖然と彼の猫背がかった後ろ姿を眺めていたのだけれど、
後になって自分の失態に気付き、慌てて兄に電話を掛けると、
どうやらちゃんと渡してくれていたようで、安心したのだ。



448:L×粧裕@237
06/10/24 00:11:49 PNNFqnmc


二度目の会合。
父の着替えや生活用具を入れたバッグを警視庁に届けに行くと、
また、後ろから声を掛けられたのだ。
『夜神粧裕さん?』
何故、私の名前を、と聞けば、返って来る答えは『月君から聞きました。』で。
何となく、そのまま素通りできない雰囲気で、父の荷物を持ってきたのだと言うと、
『キラ事件の捜査をしているんですね』と。
驚いて、何故知っているのかと問うと、返って来る答えはまた『月君から聞きました。』だった。
まさかあの兄が、友達にそこまでの話をしているなんて。
それは驚きと共に、私にどこか安心感をもたらし、警戒をほぐして彼と話した。
父である総一郎が、長い間キラ事件の捜査の為に家に居ない寂しさと、
それによるキラに対しての嫌悪感。兄に彼女が出来て、前のように
家に居る機会が愕然と減ってしまった事。
積もりに積もった不満を、どこからどう見ても普通には見えないあの人に、
まるで誘導されるように話してしまったのだ。
彼は興味深そうに相槌を打ってくれて、私はまるで兄と話をしているような
気持ちで、そんな事を打ち明けたのだ。
しばらく経って、はっと時計を見ると、随分長い間警察庁のロビーのソファを
陣取っていた事に気がついて、私は慌てて立ち上がろうとしたら。
『一つだけ、聞かせて欲しい事があります。』
そう言われ、私は、何を?と問い返した。
『先程からの貴女の話を聞いていると、キラに対する憎しみは、
全て貴女の父親への気遣いや寂しさからきているものでした。
では、もし貴女が警察官の父親を持っていなかったら、貴女はキラを認めますか?』


449:L×粧裕@237
06/10/24 00:13:57 PNNFqnmc

突然、彼がそんな事を真剣に問いかけてくるので、私は戸惑った。
まるで、人を試すような口振りだったのが気になったけれど。
でも、もし本当にそうだったなら、と思いなおし、彼に告げた。
認めない、と。
キラによる一方的な粛清なんて、やっぱり間違っていると思うし、
犯罪者とは言え、人間を虫けらのように殺し続ける事が出来る
キラの心理が、元々私にはわからなかったからだ。
殺された犯罪者の中には、きっと自らの犯した罪を悔いている人たちだっていただろうに。
そんな事を、しどろもどろに告げると、彼はにっこりと―優しく微笑んで。
『成る程。貴女は優しい人ですね』
と、私に言ってくれた。ソファから立ち上がり、私の前から去ろうとした彼に、
私は咄嗟に、また会って欲しい、と願った。
自分でも何故そんな気持ちになったのかわからない。
彼との話は確かに楽しかったし、久しぶりに色んな事が吹っ切れたような気分にもなった。
それでも、この、心から湧き上がる感情は、まるで。
『―そうですね。では、またいずれ。それともう一つ。
私とこうして話したこと、私に会った事。月君にも他の家族の人にも、誰にも言わないで下さい。
月君は貴女をひどく可愛がっているようです。もしこうして貴女に近づいた事が
ばれてしまうと、月君に殺されかねませんからね。』
それを聞いて、私は思わず笑ってしまったけれど。
でも、今なら、わかる気がする。
彼が、『L』だと知ってしまった今なら。
私に近づいたのも、最初は捜査の一環だったのかもしれない。
警察やLが、どんな捜査をしているかなんて、私にはわからないし、わかる術も無い。
いくら考えたところで、私が推測できる範囲なんて知れているし、
真実を知らされる事も無いのだろうから。


450:L×粧裕@237
06/10/24 00:14:43 PNNFqnmc

それから何度か、私達は時々会って、
話をしたり、お茶を飲んだり、時には勉強を教えてもらったりして、
次第にそれが当たり前のようになっていった。
彼はかなりの甘党で、私以上に甘いものを平らげるものだから、
最初は驚いたけれど、段々とその光景にも慣れていった。
彼に対する想いが何であるかを自覚するのに、時間はかからなかった。
けれど。
『もう、今日限りで貴女と会う事はありません。』
突如告げられた別れの言葉に、私は目の前が真っ白になった。
何故?という思いばかりが頭の中を倒錯し、取り乱して彼に問うた。
私は彼に何かをしただろうか?彼との約束だってちゃんと守っている。
誰にも言った事など無い。
それなのに。
『貴女のせいではありません。全て私の勝手な都合です。
これ以上貴女と居ると、決心が鈍ってしまいそうなのです。』
淡々とした口振りだったけれど、いつもは感情を映さない彼の漆黒の目は、
その時ばかりはなぜか酷く揺らいで見えて。
その目を見ると、私は何も言えず、ただ立ち竦み、彼の背を見送った。
それは初めて会った時の後姿と同じはずなのに。
涙で霞んだ私の目には、それがひどく、哀しげに映った。


451:L×粧裕@237
06/10/24 00:16:36 PNNFqnmc

母は、その日は実家に用事があるとかで、明日まで戻らないとの事だった。
それは全くの、偶然だったのだ。
11月の始め、冷たい雨がそぼ降る中、もう何ヶ月も会っていない―
いや、もう会う事も無い彼を想いながら、一人家への帰り道を歩いていた。
私は何も知らなかった。彼の事を何一つ理解してはいなかった。
確かなものを、何一つ持ってはいなかったのだ。
東大のキャンパスに足を運び、尋ねてみても、『竜崎』という生徒は
存在さえしていなかった。
彼が私の前から姿を消してから間もなくして、
兄も彼女と同棲するとかで姿を眩ませてしまった。
いえ、例え兄が家に居たとしても、多分私は聞かなかっただろう。
彼との約束が、ずっと私を縛り付けていて。
口に出してしまえば、本当に全てが終わってしまう気がした。
『竜崎』……本当の名前かどうかも、疑わしい。
名前は日本の名字のようなのに、私の目には、彼の顔立ちは
どこか日本人離れしているようにも見えた。
もう、考えても仕方のない事なのに。
忘れようとすればするほど、無意識に想うのは彼の事ばかりで。
昇華出来ない寂しさをどうすればいいのか、途方に暮れていたその時。
私の家の前で―彼は私を待っていた。
激しさを増す雨の中で、傘も差さずに―




452:L×粧裕@237
06/10/24 00:18:36 PNNFqnmc


*****

「痛ッ…!」
身体のあちこちが痛む。苦痛に眉を顰め、ベッドからゆっくり上半身を起こし時計を見ると、
既に時間は真夜中の十二時を指していた。
雨はとうに止み、窓からは薄っすらと月の光が射して、
電気もつけていないというのに妙に明るくて。
部屋を見渡したが、彼の姿はもうどこにも見当たらなかった。
互いの体液で汚れ、皺だらけになったシーツだけが、彼の名残を伝えてくれる。
もともと覚悟をしていた事ではあったけれど。
いざその時が来てしまえば、想像以上の喪失感が、彼女の胸の内を凍えさせる。
空虚な心のまま、無意識に身体を起こした時。
彼女の胎内から、彼の生が、腿を伝って流れ落ちた。
「あ……」
自身の中に留まる彼の名残をかばうように、彼女は立ち上がる事を拒み、
そのままぺたりと座り込む。
震える指で、自身の腿を伝うものにそっと触れた。
彼女の中でようやく保つ事の出来た彼の熱が、外気の冷たい空気に触れ、
その温度を急激に失っていく。
あまりにも刹那的で―儚くて、切なくて、愛しくて。

―恋が、終わる。

  嘘でも、よかったのに。
  嘘でもいいから、側にいて欲しかったのに。

「ふっ……ぅ……!」
紡がれた真珠のような涙が、
乾いてしまったシーツの上で千切れ、新たな染みを作った。


453:L×粧裕@237
06/10/24 00:19:20 PNNFqnmc

  貴方なしの、幸せなんて、私にあるのかな?

「竜…崎さん……」

―だって…私は、貴方の事が好きなのに―

『私は、……貴女が好きで一緒に居たわけではありません』

自身の中に残る彼を失うまいとするかのように、自分の身体を抱きしめながら。
小さく、微かな声で、祈るように、呟いた。
「嘘つき」、と。

  でも、そんな嘘つきの貴方が  どうしようもなく、好きでした。
  だから。

       ―生きて、下さい―

  せめて、この想いが、月明りの下の貴方に届きますように。
  せめて、貴方をずっと好きでいる事だけは許してもらえますように。


―貴方が居ない寂しさを、断ち切る事が出来るその日まで。

END.



454:237
06/10/24 00:22:32 PNNFqnmc
後書き長くてスマソです。

Lばっかり書いてるので次もしまた機会があれば、
違うキャラで書いてみたいと思いつつ。

取り合えず書き逃げしときます;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン

455:補足@237
06/10/24 00:30:37 PNNFqnmc
忘れてました…

デスノート13巻で、Lがミサを解放たのが十月三十日、
Lが死んだのが十一月四日だと書かれていたので、
原作を読んだ限りでもどうやら空白の時間が最低三日間は
あったようなので、そのあたりを利用させてもらいますた。
自分の脳内ではLが死ぬ三日前位の設定でつ。
では。

456:名無しさん@ピンキー
06/10/24 02:14:15 ljZXC4VI
セツナス…

457:名無しさん@ピンキー
06/10/24 21:12:13 izbZxXqK
>>237さん
Lサユサユごちそうさま(*´Д`)


Lミサと月粧裕を正座して待ってます。


458:名無しさん@ピンキー
06/10/25 01:12:20 G93FC1J0
L粧裕ってそんなに過去いくつもの神SSが投下されてるん?

459:名無しさん@ピンキー
06/10/25 02:35:14 dH7pr/Rp
倉庫にあるんじゃね?
Lサユごちそう様~
またヨロシクお願いします。

460:名無しさん@ピンキー
06/10/25 02:36:05 dH7pr/Rp
過去のSSは倉庫にあるんじゃね?

Lサユごちそう様~
またヨロシクお願いします。

461:名無しさん@ピンキー
06/10/25 02:37:12 dH7pr/Rp
ごめwwwミスったwww

462:名無しさん@ピンキー
06/10/25 03:35:56 DSLbllvv
Lさゆ良かった~
この人のLすごい好きなんだよね

463:名無しさん@ピンキー
06/10/25 10:01:28 y/aXoZhC
Lさゆは何故か多いな。実に喜ばしいことだ
Lミサも希望

464:名無しさん@ピンキー
06/10/25 10:12:51 omuM9kuG
女キャラに萌えるスレなのにL萌えの人がいるね
まあいいけど

465:名無しさん@ピンキー
06/10/25 13:55:18 DLw/Nh4L
しかしデスノートは不幸なキャラ多いな…良い奴ほど馬鹿を見てる。
粧裕とか拉致られた時何されたんだ?車椅子にまでなって…

466:名無しさん@ピンキー
06/10/25 22:52:29 FrhpXikP
エルいいよエル
だがやっぱりミサミサ

467:名無しさん@ピンキー
06/10/25 23:09:17 vSdL9NWn
松田・・・はダメか、うん、ダメだなあいつは。

468:照粧裕@395
06/10/26 21:43:20 ERdmafKI
今から照粧裕投下します。
全部で14個ぐらい投稿します。嫌いな方は14ほどスルーで。
テキスト全体では8000文字ぐらいです。

照粧裕の出会いと幸せそうな部分がひきたつように書いたので、
エロはぬるいほうかもしれません。

誤字脱字あったらごめんなさい。


469:照粧裕@395
06/10/26 21:44:25 ERdmafKI
「体調も良くなってきたみたいだし、そろそろ外出もいいかもしれませんね」
そんな心療内科の医者の提案もあって、粧裕は旅行に出てみることにした。
行き先は紅葉の時季ということもあり、京都を選んだ。
だが、当初は母の幸子も付添うはずだったのに、予定が変わり、
行くのは粧裕ひとりになってしまった。
「おじいちゃんおばあちゃんの法事なら粧裕も行かなきゃいけないけど、今度のはおじさんだから」
粧裕まで出なくてもいいと言いながらも、幸子は、未だ気鬱をひきずっている娘のひとり旅を心配した。

「粧裕。やっぱり、今回は止めといたら?」
「ううん。ここまで来たし、行ってみる。ひとり旅も憧れだったし」
「せっかく行動的になれたんだから、止めたくないけど……。
とにかく、身体が辛かったらすぐに帰ってきなさいね」
粧裕は、電車のホームでしきりに心配だと繰り返す母を宥めすかして、新幹線に乗った。

京都に着くと、旅館に荷物を置いてから、日中は観光に出かけた。
夜には部屋の檜風呂に浸かり、部屋で食事をしたが、見事な懐石にかえって独りを持て余した。
そして、とても疲れていると感じたので、早めに薬を飲んだ。
体力が無くなっているのにはしゃいであちこち出歩きすぎたのだろう。
だから、早く眠ろう―と、
医者から渡されている睡眠導入剤を服用したのだった。

470:照粧裕@395
06/10/26 21:45:23 ERdmafKI
酩酊しているらしい若い女性が、柄の悪そうな男達に絡まれているのを、仕事帰りの照が目撃した。
その男達は、このごろ繁華街で迷惑行為や窃盗などを繰り返している
ちんぴらグループのメンバーだと気づき、躊躇うことなく削除した。

―彦。―男。―郎。―時―分。若い女性に絡むも飽きて繁華街から立ち去る。
人気の少ない路上まで行くと心臓麻痺で死亡

「削除」

ノートに書き終えると、男達は女性をベンチに放り出し、黙ってその場を立ち去った。

次は酔っている女性のほうだと、照は近寄った。
「大丈夫ですか?」
問い掛けても女性は答えは無い。
顔色が悪く、ほとんど眠っているようにみえた。
―顔面蒼白だ。ひどい酔い方を……。
と思ったところで、息から酒の臭いがしないと気づいた。
「何か飲まされたかしたのですか?……聞こえてますか?」
とさらに聞いても、やはり答えはない。
救急車と警察を呼ぼうかと思ったが、照は、個人的に警察とは関わりたくないと、考えなおした。

「失礼ですが、身分証を見せていただきますよ?」

ショルダーバッグに入っている財布や手帳から、身分の手がかりになる免許証などを探す。
保険証と病院のカードををみつけた。掛かっている科は心療内科とあった。
名は夜神粧裕。住所は東京。宿の鍵もみつけた。旅行でこちらにきているらしい。
そして、心療内科という文字から、酩酊の理由が分かった照だった。

471:照粧裕@395
06/10/26 21:46:24 ERdmafKI
「夜神粧裕さん、ですね?ホテルにお送りしますよ?どうですか、起きられますか?」
肩などを軽く叩いて反応をみる。触れると嫌がる素振りをみせた。
気怠い動作だが意識はあると分かり、救急車の必要は無さそうだと、ほっとした。
とはいえ、「やめて」と呻くことから、どうやら照のことまで絡んだ男達と勘違いしているようだった。
照は、その場でしばらく困っていた。
薬はそのうち切れるだろうが、こうまで異常な様子だと、このまま放りだすこともできない。
―かといって警察は……。さて、どうしたものか。
結局、気が引けたたものの、粧裕を自宅に引き取るしかなかった。

タクシーを使って自宅に戻り、粧裕をベッドに寝かせつけると、もう一度バッグをあらためる。
身分証を探したときに携帯電話があったと照は記憶していたのだった。
案の定家族らしきネックネームで、『お父さん』『お母さん」『兄』の登録があった。
時刻が深夜をまわっていないのを確認すると、まずは母親に電話をしてみた。
だが、タイミングが悪かったのか、出てくれない。
父親の電話番号はというとなぜか不通で、新規登録すら無いのが妙だと思った。
最後の頼みである「兄」のほうも、残念なことに出なかった。
心療内科に通うほどなら訳ありの家庭なのかもしれないと考え、そのうち、照もあきらめた。
夜神粧裕を、ひとまず朝までこのまま寝かせることにした。

472:照粧裕@395
06/10/26 21:47:19 ERdmafKI
翌朝。かなりの早朝に、気配から照は目覚めた。
リビングのソファーから寝室に行くと、粧裕は起きていた。
だが、照をみてあきらかに怯えていた。
「ここはどこなんですか?あなたは誰です?なんで私はここにいるの?また私は誘拐されたの?」
驚いて怯えるのは当然だろうと思った照は、なるべく柔和な表情を作ってみせた。
「誘拐ではありません。落ち着いてください。
私は、京都地検の検事です。名前は魅上照。今、名刺をお見せします」
照が近づくと、粧裕はますます怯えたが、それでも名刺を受け取った。

「名刺、ありがとうございます。一応信じます。だけど、どうして検事さんが…」
「あなたは繁華街で倒れていたのです。ただ、飲酒ではなく薬物を飲んで酩酊しているとみて、
無闇に救急車も呼べなかった。ですから、ひとまずこちらで保護を」
と言うと、粧裕は驚いた表情をみせた。
「嘘です。だって、私は旅館にいたんです。もう寝る仕度をして。それがどうして外に出て?」
「繁華街で倒れていた―それ以前のことは分かりかねます」
粧裕は憮然とした。
「ただ、失礼ですが念のため身分証などを拝見しましたところ、病院のカードが出て来ました。
差し出がましいことですが、今回徘徊した原因は心療内科から処方された薬の為では?」

粧裕はぴくりと震え、「あ」と小さく呟いた。
心当たりがあったのだろう。
というよりも、それこそ信じたくなかったのだろう。 
傷ついたような顔をした。そして、突然涙を零した。
「少し自覚が出て来ましたか?」
「はい…ごめんなさい。そうですよね、検事さんが誘拐犯なわけ……」
照は、泣き震えながら己を責めて苦しんでいる粧裕を可哀想に思い、ベッドに寝かせた。

473:照粧裕@395
06/10/26 21:48:05 ERdmafKI
―誘拐されたのか。
この娘も犯罪の犠牲者なのかと、照は深く同情した。
粧裕の頬を伝う涙と微かな嗚咽が、照の心に響いた。

照は、粧裕の側にいて不思議な気分を味わっていた。
直感で「愛しい」と思っていた。
だから、泣きじゃくる背を支えていたはずが、なぜか身体ごと抱きしめていた。

「あ、あの…」

さすがに雰囲気を察して、粧裕も、惰性の嗚咽までは止められないでいるものの、泣きやんだ。
身を固くして、抱擁を拒絶する。
抱擁を受けながら、粧裕は青ざめていた。
やはり誘拐や強姦目的で連れ込まれたのか―と、様々な最悪のパターンが脳裏に浮かんでならない。
辛い格好で拘束され、銃を突きつけられた恐怖がよみがえる。
「―いやっ!」
またパニックになりそうだった。頭痛と眩暈から逃れたくて、
声にならぬ悲鳴を上げ、頭を抱えて泣きだした。

「失礼を。つい、同情してしまいました。もう少し寝ているといい。それでいいですか?」

粧裕は、とにかく側を離れて欲しい…といったふうに闇雲に頷いた。
照は、粧裕を寝室に置いて、再びリビングに戻った。

474:照粧裕@395
06/10/26 21:48:51 ERdmafKI
時間はそれから一時間ほど経った。
リビングにいる照のところに、粧裕のほうがやってきた。
「さっきはすみませんでした。怖くなって」
「こちらこそ、失礼を」
「あの。疲れているのに、眠れなくて」
「私もです」
「それで、そろそろ旅館へ帰ろうと思うのですが……」
「動けるのでしたらかまいませんよ。宿まで送りましょう。
ただ、もうしばらくしたら、ご家族の方へ連絡しようと思ってましたが」
「母へ?えっ、だって…」
と呟きながら、粧裕は慌ててバッグを確認する。
携帯が入っていないと分かり、照を見遣ると、その手に残されていた。
「勝手に触ってすみません」
携帯の発信履歴を確認すると、たしかに深夜前に母、父、兄の順でかけていると分かる。
他にいじった形跡は無かった。少し不愉快であったが、ちょっと考えるとやむを得まいとも思った。
「……いえ。私を思ってくださってのことでしょうから」
「いずれも履歴が残っているでしょうから、ご家族も掛け直してくださるかと思います。
ただ…こんなことまで尋ねるのは立ち入り過ぎかもしれませんが、お父様の番号が不通のようで」
「ああ。父のは……」
「お父様は?」
言い澱む粧裕に、照は微笑むことで促した。
「父は、死んだものですから」

475:照粧裕@395
06/10/26 21:49:32 ERdmafKI
「ああ。……それは、また気の利かぬ質問を」
というと、「いえ」と粧裕は照の謝罪を打ち消した。
同時にたちまち唇がわななき、泣くというよりも怒っているような表情をした。
「無理に答えなくていいんですよ。立ち入ったことをお伺いしてしまった」
「いえ、いいんです。この際、話したいんです。
私、この父の番号は消したくなくて、わざと残してあるんです。
検事さん……父は警察関係者でキラを追ってたんです。警察本体がキラに屈しても、なお、父達だけは。
でも、私がキラとの取引のコマとして誘拐されたばかりに、殉職したんです。
こんなことってあっていいのかしら?正義の人だったのに!」
「お辛い目に遇われましたね。……気の毒に」
心療内科に通う理由は、もはや聞くまでも無いと照は思った。
キラこそ神と崇めている照だが、その周辺は信じられたものではないと常々感じている。
さぞや陰謀が渦巻いているのだろう。

許せぬと思った。
神なるキラを利用する者を。
罪の無い人を悲しませることを。
―夜神粧裕を、こんなにも苦しめていることを。

476:照粧裕@395
06/10/26 21:50:06 ERdmafKI
「許してください」

そう言うと、照は粧裕を抱きよせた。
だが、粧裕は、内心ではこの男を嫌ではないと思っていた。
照の誠実そうな人柄と清潔感と、そして仕草などに、父や兄に似たものを見いだしていたからだった。
安心感があった。だから、父のことも話せてしまった。
とはいえ、この魅上照という人物は、家族ではない。他人であるうえに、いわば見知らぬ男だ。
雰囲気に流されて良いはずがないと理性は警鐘を鳴らす。
しかし、
「あ…」
口づけを受けて、異性への未知なる怖れと期待が、好奇心に変わった。
この人を知ってもいい、と思った。胸の疼きは恋心であると覚った。


照もまた、自分の軽率な行動に戸惑っていた。
よく知りもしない女性を感情のまま抱きしめるなど、初めてのことであった。
無体なことをしていると我ながら思うが、その手を放せそうも無かった。
口づけは、受け入れてもらえると分かると、いっそう深めてしまうばかりだった。

気づけば粧裕をソファーに押し倒しており、細い首筋にキスをしていた。
シャツのボタンを外し、ブラをずらし、乳房に触れていた。
粧裕は愛撫に息を飲んだ。びくりと震えて、微かに肌を粟立たせる。
と同時に、乳首が固く尖った。
「あ……ん……」
その小さな先を、照が舌で転がすと、粧裕が身をよじらせる。
そうしているうちにシャツが脱げて、女性らしい薄くてまるい肩があらわになった。

477:照粧裕@395
06/10/26 21:50:44 ERdmafKI
なんて細い身体だろうと、照は思った。
痩身の粧裕の乳房は、たわわとはいえない。
だが、肌は美しく、その肉は頼りないながらも優しく柔らかい。
触れ続けていると、照の男に疼きが走った。
たまらなくなって、彼女のジーンズのファスナーに手をかけ、下ろす。
細い腰と、繊細な淡いピンクの下着に包まれた谷が目に入った。
その谷の間に指をやると、粧裕は身体を強ばらせた。
乳房を愛撫するのとは違った緊張をみせた。
「恐い…ですか?」
粧裕はこくりと首を縦にふった。
黒く艶のある髪は猫っ毛のようで、それは柔らかく彼女の輪郭を縁取っているが、頷いたことで乱れた。
照は前髪を指で整えてやり、かたち良い額にキスをした。
下着の中に手を入れた。
ささやかな恥毛の感触のその下には、柔らかな肉と湿り気があった。
軽く差し入れてみると、そこは少しぬるついている。
そうと照が考えていると、粧裕も気づいた。
「恥ずかしい…」
かわいらしいと照は思った。
愛しさと、粧裕への好奇心から、指を先に進める。
湿り気の源は、照の指の関節をひとつ受け入れて、たちまち拒絶した。
「あっ、いきなりは嫌。……痛い、です」
「はじめてですか?」
粧裕は心細そうに頷いた。
照は、自身の疼きが先を急かせるのを押しとどめ、粧裕への愛撫を続けた。
谷間を指の腹で擦り、反応の良いところを探る。
敏感であった肉芽にあたると、小さな悲鳴のような声を発した。
それを繰り返すうちに、指に絡まる愛液が溢れはじめる。
谷間の奥を再び探ると、ぴちゃりと濡れた音を立てた。

478:照粧裕@395
06/10/26 21:51:15 ERdmafKI
粧裕は、すっかり身体の緊張を解いていた。
手の指や足先は、この冬のことだからまだ冷たい。
けれど、その胸元や額には汗が浮かんでいる。
頬を紅潮させ、吐息をつむぐ唇は赤く染まっていた。
彼女の体液を味わいたいと、照は思った。
口づけを求め、汗を舐め、そして、指での愛撫をやめて、谷に舌をのばす。
指よりも軟らかな動きであったのだろう、粧裕は、次第にあえぎはじめた。

「ん……あ、あっ!あっ……あ!」

舌ですくい、啜り、飲み込むよりもはやく、粧裕の身体は、愛液を滴らせた。
それはソファーのカバーに点々と染みを作った。
潔癖症のてらいがある照は一瞬目には止まったが、それもかまわないと思った。
粧裕のものだから、愛しかった。

「んん―!んっ…!あ、あ―!だめ!」

膣の入り口と肉芽を交互に攻めると、粧裕は脚を立てて全身をこわばらせ、やがて達した。

「検事さ……魅上、さん……」
「私のことは、照と」

粧裕は、うっとりと微笑んだ。
恍惚となる粧裕の表情を眺めていると、粧裕が視線に気づく。
伸びやかな腕と、それに似合う伸びやかて白い指が照の頬に触れた。
粧裕のほうからキスを欲したので、照はそれに応えた。
たどたどしい舌使いながらも、情熱の込められたキスだった。

479:照粧裕@395
06/10/26 21:52:11 ERdmafKI
照が粧裕の脚に手をやると、粧裕は素直に従った。
粧裕の脚の間に照が入り込むと、硬いモノがあたる。
粧裕の表情から蕩けた様子が薄まった。
覚悟を決めたようであっても、恐いものは恐い。
男がどれだけ優しく接したところで、それは、
一度も交わったことの無い身体にとって凶器であり、脅しであった。

照は、粧裕に教えようと、手を導いて触れさせた。
初めて触れた男性器の感触に、粧裕の手が戸惑う。どうしたものかと、指は動かない。
触れ方は愛撫とはとてもいえたものではないが、恋しい人の指先だから照のモノは反応した。
ぴくりと起き上がると、粧裕の谷間を滑った。
「あっ」
指とも舌とも違う感触に、粧裕はまた表情を変える。
白い粧裕の手が、よりどころを探して、照の肩にしがみついた。
「照さん……照…さ…―私……」
全体重が粧裕にかかっているように思えた。
不安と期待がないまぜになって、心臓は今にも止まりそうなくらい鼓動が早い。
息が苦しくてならなかった。
「痛っ………!」
彼女の入り口を刺激したらしい。
破瓜の傷みと恐怖から、気持ちでは迎え入れようとしているのに、腰が逃げてしまう。
それでも粧裕は完全に止めて欲しいとは請わぬし、照としても、止めたくは無かった。


「あ―あ…………!」
ようやく粧裕を追いつめた。
狭い肉壁の感触があった。照のモノは、やっと粧裕の奥を許されていた。
肉壁は何度となく照を異物として拒否を繰り返すが、貫いた今は、そんな抵抗も刺激でしかない。

480:照粧裕@395
06/10/26 21:54:21 ERdmafKI
愛液は一旦乾いてしまったが、中で動かすと、次第に滑りが溢れた。
とはいえ、それは舌で刺激したときのようにはならない。
さぞ苦しいのだろうと理性は己を責め同情もするが、性の快感を味わう
身体のほうは、犯すに値する身勝手な理由を探していた。

「あ……あ、っ!」
ひりつく傷みが繰り返される。
止められるのならば止めて欲しいと思う。
そんな苦しみ耐えながらも、粧裕は照の動きにのみ、合わせた。
自分を犯している男の顔を見上げると、愛していると感じた。
それだけで、この苦痛もなにもかもを許せるような気がした。

「……あっ、あ、あ!」
揺さぶられる度に呼吸は切迫してゆく。
それがただの息切れではないことを、粧裕自身は自覚した。

「あっあっ……あ、あ――!」


「……粧裕……っ!」
粧裕の嬌声に照の荒い呼吸が入れ乱れる。
繋がっているそこは粧裕の淫らな湿潤によって水音を発していた。
ほんの少しの粘り気を含みながら、照の肉欲に絡まりながら床まで滴った。
照も限界を迎えそうだった。
いつ崩壊してもおかしくない状態で、粧裕の中でいっぱいに膨らみながら、
亀頭は子宮の入り口を突いた。
その最奥の一点は、粧裕を絶頂に導いたらしい。

「だめ……ああ、わたし…私……もう!」
粧裕の甘い声を合図に、照も熱いものをほとぼらせた。

481:照粧裕@395
06/10/26 21:55:01 ERdmafKI
ソファーには体液の染みが残された。
粧裕の脚の間からは、照の精液が漏れ伝っていた。

着ていたシャツやら下着やらが散乱するひどい光景を、照も粧裕もぼんやりしていた。
窓の外の様子は、もはや朝ではない。昼近いのだろうと考えると、たしかにそうだった。
粧裕は、シャツを肩に羽織って、バッグをたぐり寄せると、携帯を確認した。
母親からの着信履歴に気づいた。
「お母様には早く連絡したほうがいい」
「うん。きっと心配してますよね。でも、もうちょっとだけこのまま照さんの側に居たいんです」
「……そうですか」
胸に頬を寄せて甘える粧裕の頭を、照は優しく撫でた。

「ねえ、照さん」
「はい」
「私『一目惚れってしたことある?』って、兄の婚約者に以前聞かれたことがあるんです。
そのときはまだ中学だったから、ちっとも答えられなかった。
今なら答えられそうだなと、思いました。照さんはどうですか?一目惚れ……でした?」
少し考えるように、照は間を置いた。
その時間を粧裕が不安そうに見つめると、照は抱きしめた。
「そうですね。一目惚れかどうかは分かりませんが、
こうして粧裕さんと出会えた偶然は、神にってもたらされたものではないかと」
ふふと、粧裕が笑った。
「一目惚れって言ってもらえないの、残念です。
でも、神様のお引き合わせだなんて思うのは、私よりずっとロマンチックですね」
それは心からくつろいでいる、とても美しい微笑みだった。

粧裕は母親に連絡を取った。
夕方前までには京都に着くのでそれまでに駅で待ってなさいと言われ、
旅館にも行かねばならないと、仕度をととのえはじめた。
照のほうも付添と見送りをするべく、仕度した。

482:照粧裕@395
06/10/26 21:55:40 ERdmafKI
京都駅に行くと、母親は法事用の喪服姿で待っていた。
「もう、連絡が取れなくて心配したわ!本当に夜は無事だったのね?」
「うん。この通り無事よ。どうにか旅館に戻ったし…」
粧裕は嘘をついた。
「まったく、どうにか、って……ちゃんとひとりで戻れたの?」
「それはさっき説明したじゃないの。そのときこちらの魅上さんに送ってもらったって」
と粧裕が言うと、幸子は照に向って深く頭を下げた。
「この度は、お手数をおかけ致しまして申し訳ございませんでした。
本当に、本当に、娘のことをありがとうございました。
介抱して下さったのが検事さんと伺って、こちらもほっとしてましたところです……」
「気になさらないでください。たいしたことはしておりません。
なによりもお嬢さんの身に何事も無くて良かったですね」
と返すと、幸子が再三頭を下げている間に、粧裕はいたずらっぽく笑った。
結構ちゃっかりしているのだなと、照は、軽く嗜めながら、微笑みを返した。


新幹線のホームで、見送る照を粧裕は後ろ髪引かれる思いで見つめた。
新幹線が動き出して、比較的すぐに、粧裕はトイレに行くと行ってデッキに向かった。
着歴は、母親を除いて兄のものもあった。さっそく兄の月に電話をかけた。
「粧裕か。お母さんに聞いたけど、本当になんでもないんだな?」
「うん。心配かけてごめんね。あの、お兄ちゃんだけには大事なご報告がしたくて。
…私、好きな人が出来た」
「は?」
さすがの兄も驚いたらしい。電話口からでも戸惑いぶりが窺えた。
「…そうか。まあ、詳しいことは今度だ。がんばれよ」
「うん。がんばる。お兄ちゃんもがんばって」
粧裕は電話を切った。

483:照粧裕@395
06/10/26 21:56:34 ERdmafKI
入れ替わるようにして、照からも電話があった。
「照さん!」
「さっそく連絡してしまってすみません。お母様は私達のこと疑ってませんか?」
「大丈夫ですよ。あの…電話が嬉しいです。私、さっきからとても寂しくて。
分かっていただけますか?こんな気持ちは初めてなんですよ」
「私も…同じです。粧裕さんが側に居ないのは」
「またすぐ会ってくださいますね?こんなふうに連絡もたくさん下さいますね?」
「はい。電話はマメにします。東京へ行く用事は多いので――」



―そのとき、携帯の電波が遮断された。
トンネルに入ったからだろう。
どう掛け直しても繋がらなくなったので、しかたなくメールを返した。


 大好きな照さんへ。
 東京で待ってます。


電波は、粧裕が席についてしばらくしてから、繋がったらしい。
メールの返信を受信する。


必ず。またどうか
会ってください。

愛しい粧裕さんへ




―とあった。

484:照粧裕@395
06/10/26 22:00:04 ERdmafKI
〆忘れた。
照粧裕、以上です。
ちょっとでも喜んでもらえるといいです…。では。

485:名無しさん@ピンキー
06/10/26 22:16:45 PkJijwA6
にょはーーー!GJ!!なんだかセツナス。でも(;∀;)キュンキュン

486:名無しさん@ピンキー
06/10/26 23:00:38 ssBaGm5/
サユ、カワユス。そしてセツナス。GJ!!

487:名無しさん@ピンキー
06/10/27 00:23:14 krkH0naT
GJ!せつねぇなぁ
さゆかわいいよさゆ


そろそろミサも見たいな
職人さんはおらんかね

488:名無しさん@ピンキー
06/10/27 21:21:31 423bTPkI
照とサユはデスノの世界でなかったら
案外普通に幸せになれる組み合わせだったかもしれない…

489:名無しさん@ピンキー
06/10/28 17:05:38 aIx87Ahh
粧裕はとにかく、照はどうかな…

490:名無しさん@ピンキー
06/10/28 20:28:28 9FdrCo4k
× とにかく
○ ともかく

491:照粧裕@395
06/10/28 20:34:32 3mUpB15t
照粧裕投下した者です。
GJコメントどうもありがとうございます。

たしかに照と粧裕はデスノの世界でなければ幸せになれたかもですねー。
お互い無理が要らないというか、照にとって粧裕は安心できそう。

>>489
キラへの信仰が妨げなのかな?


492:照粧裕@395
06/10/28 20:37:45 3mUpB15t
あ。台詞に抜けがありました。すみません。
>>481
○ 神によってもたらされたものではないかと」

では名無しに戻ります。

493:名無しさん@ピンキー
06/10/29 02:34:59 7l2crXjj
キラ崇拝がなくっても、悪人は死ぬべきと思ってるような男に娘はやれん と総一郎が交際を認めなさそう

494:名無しさん@ピンキー
06/10/29 07:31:57 2sKouLQp
表面はまともな人間なんじゃないの?照さん検事な訳だし。

495:名無しさん@ピンキー
06/10/29 15:31:18 7l2crXjj
表面なら、月だってまともな人間だと思う

496:名無しさん@ピンキー
06/10/29 15:46:33 fPuTUmW5
そろそろコメディータッチのやつとか読みたい

497:名無しさん@ピンキー
06/10/29 19:04:49 2sKouLQp
実は裏ではヤバイ子な粧裕ってのも良いかも

498:名無しさん@ピンキー
06/10/29 22:26:37 fo2HXVB0
ミサミサ読みたいだぜ?

499:名無しさん@ピンキー
06/10/30 00:34:22 dLveJhcV
クールに装いながら、内心童貞卒業しようと必死な月が見たい。


500:名無しさん@ピンキー
06/10/30 01:15:27 08se8za5
500get

501:名無しさん@ピンキー
06/10/30 23:28:58 hivQYwQB
ひっさびさにL京子とか来ねーかな

502:名無しさん@ピンキー
06/10/30 23:32:58 YMzWkuzS
>>499>>496なのを誰かおながい

503:名無しさん@ピンキー
06/10/31 00:40:32 6pSJuhLh
月はデスノートで狂った所があるように見えるが
照は元々やばかったように思う
過去が過去だから仕方ないかもしれんが

504:名無しさん@ピンキー
06/10/31 01:06:40 adLJRwkH
Lって何歳?

505:名無しさん@ピンキー
06/10/31 15:18:01 N9hjs5uw
亡くなった時は24,5歳だったような

506:名無しさん@ピンキー
06/11/01 01:53:30 aOIrKFDW
>>207
超亀レスでスマンが
コミックス2巻64Pに・・・・





うん。煽りとかじゃなくて、

こういう細かいのが好きなだけだから
あんま意味はないw

507:名無しさん@ピンキー
06/11/01 09:20:39 W0zRkyMs
>>506
多分ワイミーズハウスの人間位にはLとして姿を見せていると思う。
でなきゃニアがLに似たのお面を作れるわけがないし、
あの頃は作者自体もここまで考えてたわけでは無いと思うので、
このスレ的にはせめてワイミーズハウスの面々位には
姿を見せている方がおいしい……と言ってみるw

508:名無しさん@ピンキー
06/11/01 22:13:26 ee7FcTMa
別に原作でLがワイミーズの前に顔を出していたかどうかなんて
どうでもいいじゃん
エロパロという時点で大きなIfなんだからさ
「会っていた」という前提のSSがあってもいいだろう

逆に「会っていたに違いない」とか「このスレ的にはあり」
とか決める必要もないと思うけどね


509:名無しさん@ピンキー
06/11/02 11:34:54 oJMl7dYn
そもそもLハルとか普通考え付かないのもあるんだしね

510:名無しさん@ピンキー
06/11/03 07:54:51 3B1aYs0i
倉庫にLハルある?読んでみたいんだが。

511:名無しさん@ピンキー
06/11/03 13:37:57 X+jpKVCM
だってそれはハルに自己投影してるLヲタだから
ここに女キャラヲタはどれだけいるんだろうね
男キャラは添え物でしかない板なのに

512:名無しさん@ピンキー
06/11/03 20:46:57 17WUx/Ao
初期にいたナオミヲタは女キャラヲタだろう

513:名無しさん@ピンキー
06/11/03 22:41:59 3B1aYs0i
なんでも良いけど投下希望。

514:名無しさん@ピンキー
06/11/03 23:03:08 phti8oS5
なんでも良いけどミサミサ希望。

515:名無しさん@ピンキー
06/11/04 02:08:19 jlYQ9A53
粧裕が可愛いSSどれか教えてくれ
保管庫たくさんありすぎて

516:名無しさん@ピンキー
06/11/06 10:25:30 9iyZ4kTs
保守してみる

517:名無しさん@ピンキー
06/11/07 23:55:57 PX36f4Dk
保管庫のL京子SS、面白かったぞコンチクショウ保守

518:名無しさん@ピンキー
06/11/09 01:34:36 mV7tnY2J
L京子GJ!!
美人相手じゃないとこにリアリティあって萌える。

ここの職人さんたちは皆レベル高いでつね。

519:名無しさん@ピンキー
06/11/09 01:40:47 lxKynQ3K
L京子以外でそんなに傑作はなかったような…
それなりには面白いけど

520:名無しさん@ピンキー
06/11/09 10:05:37 jbw5JxpU
>>519
「L京子は傑作」だけでおk
他文は余計。職人さんに失礼だ

521:名無しさん@ピンキー
06/11/11 00:51:26 oXTaFLN8
ハルジェバンニ書いて~

522:名無しさん@ピンキー
06/11/12 01:23:13 E/VZrGO+
死帳映画で801 page.2
スレリンク(801板)


523:名無しさん@ピンキー
06/11/13 22:26:26 G6K8rTtX
まとめサイトに追加入ったね

524:名無しさん@ピンキー
06/11/14 12:17:42 7nmaK5Kf
ハルニアかハルメロかハルマットかハルエルで

525:名無しさん@ピンキー
06/11/14 18:44:50 +HlsUosD
メロハルに一票

526:名無しさん@ピンキー
06/11/14 23:20:19 JHTIwXFF
何でもいいから投下希望


527:名無しさん@ピンキー
06/11/15 22:26:41 Zu+vpVOW
このスレはじめてきたのだが
439~453の粧裕にめちゃ萌えたんすけど!
耳元で「好き」やで!かわいすぎ!個人的にLサユは俺の中で一番好きな
組み合わせだったんでよけいに感動した 兄を殺そうとしている相手が
好きな人って切ねえ。てなわけでLサユ誰か書いて

528:名無しさん@ピンキー
06/11/15 22:28:00 Zu+vpVOW
スマソ つい興奮してageてしまったわけだが
ここsageたほうがいいのかね?

529:名無しさん@ピンキー
06/11/15 22:40:09 MZO4IfhO

URLリンク(www.yuko2ch.net)

ぁ、ぅあ、ああっ…っ…んっ…


駅弁抱っこ―何て、はしたなくて、淫らで、滑稽な姿だろう。

URLリンク(www.yuko2ch.net)

530:名無しさん@ピンキー
06/11/17 19:36:31 w5MNmcw4
もうすぐクリスマスだからクリスマスで月ミサでも書いてみようかな
でも月の前でエルにやられる粧裕たんも書きたい

よし、リュークと幸子にしよう

531:名無しさん@ピンキー
06/11/17 20:13:37 8YhY5y6U
>530
IDにはメロニアとでてるよw

532:名無しさん@ピンキー
06/11/17 22:32:46 kQFzwgQg
メロ×ニアってことですか…w
ていうか、>>530さま
上2行のが読みたいです、wktkしてていいですか?

533:名無しさん@ピンキー
06/11/18 03:30:41 DHjy7nho
誘拐された粧裕がメロに犯されるの誰か作ってw

534:名無しさん@ピンキー
06/11/18 19:38:50 US3aHMpR
え!?リュークと幸子は!?

535:名無しさん@ピンキー
06/11/19 01:20:15 J2DPho6x
映画見て幸せな月ミサを読みたくなった
誰か書いてくれませんか…?

536:名無しさん@ピンキー
06/11/19 09:52:12 xhwup1kD
ミサはいらないマジで

537:名無しさん@ピンキー
06/11/19 21:29:35 kT/VWwKX
なんでもいいから投下町

538:名無しさん@ピンキー
06/11/20 02:12:18 4ui47U44
照清美がいい

539:名無しさん@ピンキー
06/11/21 11:05:26 yTx6yym3
コメディなのを書きたいけど
エロは書けない どうやったらよいのが書けるか職人さん教えて
書けるようになったらなあ

540:名無しさん@ピンキー
06/11/21 20:41:40 Jf22W9+U
「よいのが書ける」という表現は主観的だし漠然としていてよくわからない
まあ、書きたいシーンがあれば書けるはずだよ 

541:名無しさん@ピンキー
06/11/21 20:47:35 2pf4z72V
どの組み合わせでもよいから座位キボン

542:名無しさん@ピンキー
06/11/22 11:03:20 7r3xH4AU
>>541
このスレじゃなくてもいいリクだな

543:名無しさん@ピンキー
06/11/22 11:30:51 aE/JGKLU
>>542
デスノキャラで

544:名無しさん@ピンキー
06/11/22 22:27:05 tckb5GlH
愛のない月清美がいい

545:名無しさん@ピンキー
06/11/23 12:05:41 CLxkYndd
むしろ総一郎幸子で

546:名無しさん@ピンキー
06/11/23 21:27:37 0KeKbsOC
じゃあ総一郎粧裕を希望

547:名無しさん@ピンキー
06/11/23 22:34:53 v+c9PSL0
ここは無理難題をふっかけるスレになりました

548:名無しさん@ピンキー
06/11/24 09:17:28 IwQvS94h
じゃあ、純情シブタクとサユはどうだろうか。

549:名無しさん@ピンキー
06/11/24 20:44:58 TY9TtY/I
んじゃリュークとレム

550:名無しさん@ピンキー
06/11/24 21:52:37 13fImEcU
えー

551:名無しさん@ピンキー
06/11/24 22:06:07 2XEqP0bd
神待ち

552:名無しさん@ピンキー
06/11/25 10:13:04 c+2KtWHU
そういや死神とセックルって今まで無かったな
死神は性交はしないってのが公式設定とはいえ
レムとミサとか読んでもたいかも

553:名無しさん@ピンキー
06/11/26 04:41:55 KKpxAEio
>>533
禿げ同
誰か神きて!

554:名無しさん@ピンキー
06/11/26 13:44:53 eynucC97
漏れも>>533に禿げ同。
>>552のも見てみたいな。
というか以外にも百合が無いのな。てなわけで百合キボン。
マターリとネ申降臨街してます。

555:名無しさん@ピンキー
06/11/26 14:27:43 sm7Fgfc1
神の降臨を待ち続ける魅上のような住人達


556:名無しさん@ピンキー
06/11/28 17:12:29 SATOYmVI
神!!!

557:名無しさん@ピンキー
06/11/29 01:14:38 cYShzyQ4
変態Lミサが好きなんだけどみんなは愛がない系は好きじゃない?…

558:名無しさん@ピンキー
06/11/29 02:23:44 5DzApt7s
南空ナオミとセックスしたい
とりあえずDEATH NOTEに誰もいない場所で、身体に外傷がない方法で自殺するように書いて、
南空ナオミが死んだ後、死体と姦通するぜ
思う存分

559:名無しさん@ピンキー
06/11/29 02:34:10 Y+KrT4Pb
>>558
お前さんには下半身スレのほうが向いているかと思われ


560:名無しさん@ピンキー
06/11/29 08:10:12 WjlwxdrZ
>>557

 と  て  も  好  き  で  す
純愛より陵辱派だ

職人さんか?wktk

561:名無しさん@ピンキー
06/11/29 08:53:09 /uMf9IoM
>>557
・・・!!
ノシ
漏れも大好物です!!
ワクテカ

562:名無しさん@ピンキー
06/11/29 18:13:05 99r3F2YW
誰か粧裕ちゃんをいじめて下さい

563:名無しさん@ピンキー
06/11/29 20:03:10 wBbF91SX
>>557
大 好 物 !
愛はあってもなくてもおいしく頂けます。
Lミサ見たい・・・

564:名無しさん@ピンキー
06/12/01 17:18:10 JmL+eRPg
照清美がいい

565:名無しさん@ピンキー
06/12/02 07:35:47 bJrsHCn0
マンガの清美モエタ

566:名無しさん@ピンキー
06/12/04 22:17:19 l7dbaOBY
映画のほうから来た人か

567:名無しさん@ピンキー
06/12/04 23:07:37 uMrM2zoa
Lミサいいかもなwwっうぇwwwwww

568:名無しさん@ピンキー
06/12/05 09:46:16 9aKMFRFr
保管庫にあるLミサ月が良かった。
あんな感じのキボン

569:237
06/12/05 23:50:02 tqDyKlST
ども、お久しぶりです。
一ヶ月以上前に>>502さんのコメディータッチでかつ童貞卒業
しようと必死な月をと言うリクがあったので、すぐに書き始めたんですが
先月から忙しくなって、一ヶ月以上かかってようやくさっき書きあがったので
今から投下しまつ。
遅筆な上、童貞卒業しようと~の下り、若干自分のSSニュアンスが
変わってきてるんで、期待に沿えた出来では無いかもでつが、
勝手に>>499>>496>>502さんに捧げときます(ぉ
では興味の無い方はスルーでよろしく。


570:月×ミサ@237
06/12/05 23:51:14 tqDyKlST

その日は月にとっても海砂にとっても待ちに待った引越しの前日であった。
現人神を目指す月にとって邪魔な邪魔な存在だった
世界一の探偵『L』亡き今、もはや月をキラだと疑う者は誰も居なくなった。
ようやく自分の家に数ヶ月ぶりに戻った月だったが、十日を待たずに
引越しを決めてしまったのだ。
折角帰って来たのに、と母親には反対されたが、
そうは言っても月のバイブルとも言えるデスノート、母が居て妹が居て、
万が一触れられる事があろうものなら、
たちまち死神リュークの姿を目撃されて、ノートに名前を書くまでもなく
心臓麻痺で死なれてしまっては困る。
やはり、新世界の神を目指すなら、この家は出た方がいいと考えたのだ。
そうすれば誰にも気兼ねなく裁きが出来る……クールに振る舞いながらも
その表情は心なしか嬉しそうに見えた。
ミサはミサで、いよいよ明日からは愛しい月との同棲生活が待っているのだ。
同棲……つまり月との新婚さながらの、めくるめく甘い甘い生活が約束されている。
そう思うとミサは嬉しさを隠し切れず(いやもともと隠そうとも思っていない)、
いつも以上のハイテンションぶりである。
「ね~月、この卒業アルバムって月の中学生の時のだよね?!可愛い~!」
「月ってこんな難しい本ばっかり読んでるんだ。すっごーい」
「あ、これって月が描いた絵?上手~!」
引越しの手伝いだと無理矢理家に上がりこんだミサだったが、
その大部分の時間を月の持ち物検査に費やしていた。
結局段ボールに荷物を詰め込む作業もほとんど月一人頑張っている状態である。
最初はそんなミサを放置していた月だったが、一時間もすると流石に
話しかけられること自体も億劫になり、次第に苛々が募っていく有様で。


571:月×ミサ@237
06/12/05 23:52:39 tqDyKlST

「ミサ……手伝う気が無いなら少し黙っていてくれないか?
気が散って仕方が無いんだが……」
「あ、ごめんごめん月!私手伝いに来てたのについ。
今からは真面目に手伝うからぁ!」
注意されて、てへっと苦笑いながら可愛らしく舌を出す彼女に、
月はやれやれと言った面持ちで再び作業を再開する。
「じゃあ、私はこの引き出しの中片付けるね~」
「ん?…ちょっと待て!そこはっ…!!」
…………遅かった。
「あ……これって…」
そこは月の下着類を入れた引き出しで、中にはトランクスやらシャツやらが
几帳面な月らしく綺麗に整頓された状態で並べられていた。
「…勝手に人の引き出しを開けるなと教育されなかったのか、お前は…」
流石に女性に自分の下着を見られるのが恥ずかしい年頃である。
「ごめーん!でも明日からは私たち一緒に住むんだから、
これからはミサが月の下着とか服とかお洗濯するんだよ?
別に今見たって変わらないじゃん!」
「そういう問題か!?」
「あ~月照れてるんだ!可愛い~!」
全く反省の色を見せないミサに、いい加減キレ気味の月だったが、
ここでキレたところで作業が進むわけでも無い。
我慢だ、我慢。
「…とにかく、ここは僕が片付けるから、ミサはあの本棚の本を
段ボールに詰めておいてくれ……もう遊ぶなよ?」
「まっかせて!ミサ頑張って月の役に立ってみせるから!」


572:月×ミサ@237
06/12/05 23:53:27 tqDyKlST

ざっと計算すると、おそらくミサが手伝い改め邪魔をしに来た事で約三十分程
作業時間のロスが生じているはずである。
自分一人だけで作業するならばもう少し手早く出来ただろうに……心の中で嘆いた。
それでもようやくミサも真面目に手伝う気になったらしく、今までと比べて
倍以上のスピードで作業がはかどっていく。
遅れた時間を取り戻す事が出来ると、安堵した矢先である。
「月、この本おも~い!月ってこんなのばっかり読んでるのね。
何書いてるのかさっぱりわかんない。」
……またか。
「建築の本かな?月って本当に何でも興味あるんだね~尊敬しちゃう!
漫画とか読まないんだ~」
…どうやら彼女の集中力は三十分持たないらしい。
あんまりうるさいようなら追い出そう。そう考えていた時、
彼女の言葉に、忘れていた何かを思い出しそうになった。
『建築の本』?そう言えば……
「ん?何これ、カバーの中に薄い本がいっぱい……え?」

ドサドサドサ……

月は明らかに何冊もの本らしき物体が床に落ちたのであろう音を聞いて、
はっきりと思い出したのである。
顔が一気に青ざめていった。
「み、ミサ、ダメだそれは…!!」
「やだ…月、これって…!」
ミサよりも先に取り上げようと慌てて手を伸ばすが、残念な事に
一瞬早くミサがその本を拾い上げる。
「ミサ、返せ!」
「きゃー、これって、もしかしてえっちな本!?月ってこんなの読んでるの!?」


573:月×ミサ@237
06/12/05 23:54:27 tqDyKlST

表紙はどこかで見た事あるようなグラビアアイドル、
中には裸の女性が魅惑的なポーズで写った写真や官能小説等……
その他の本も似たり寄ったりの内容で、中には最近活躍中の
アイドル特集などが載っている。
「うわー…すっごい……月もやっぱりこんなのに興味あったのね…
その上意外とミーハー……?」
顔を赤らめエロ本を凝視するミサ。
「ミサ…断じて違う。いいか、よく聞いてくれ。それは以前Lに監視されていた時に
部屋に誰も入れないのはそんな本を隠している自分を知られたくなかった
という、言わばカムフラージュのようなもので……」
「月……言い訳なんてしなくていいのよ?私はそんな事で月を嫌ったり
しないから安心して?」
「だから違うんだ!人の話をちゃんと聞いているのか!?」
「もう、月ったら…こんなのに興味があるんなら、いつでもミサが
見せてあげたのに……本当に照れ屋さんなんだから」
「……」
ダメだ、人の話を聞く娘じゃない……。月は確信した。
確かに普通の高校生や大学生ならば、そんな本の一冊二冊隠し持ってて当たり前なのだろう。
しかし、何と言っても彼は新世界の神を目指す崇高なる人間なのだ。
そんな自分が、部屋にエロ本……なんというイメージダウン。
「ミサ……僕は本当にそんなものに興味は……」
「○○は××に獣のようにまたがり、下着を脱がし…」
「そんなもの真剣に声に出して読むなぁぁ!!」
あああああもう、何だかどうでもよくなってきた。エロ本を持ってて何が悪い。
僕だって一応17歳の男だ、エロ本の数冊位普通に持ってて当たり前なんだ。
そう自分に言い聞かせ、ミサに背を向けて作業に戻る。
それに僕は何もやましい事なんてしていないのだ、これはあくまで疑いから
逃れる為の一つのカムフラージュだったのだ。
間違っても他の奴らのように性欲の為に購入したわけでは無い。
乱暴に荷物を段ボールに詰めながら、自分自身を納得させる月。



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