【粧裕タン】DEATH NOTEのハァハァ小説【詩織タン】page.5at EROPARO
【粧裕タン】DEATH NOTEのハァハァ小説【詩織タン】page.5 - 暇つぶし2ch132:名無しさん@ピンキー
06/06/15 18:12:36 InJKnvfD
もうこのスレダメポ

133:名無しさん@ピンキー
06/06/15 19:16:35 28p78WGJ
>>132
過去も何度かこういう事あったよ
愉快犯がいるみたいだからスルーしてりゃいい

134:名無しさん@ピンキー
06/06/16 15:30:06 t/4yKvGL
ゆっかいだお♪

135:リッキロ
06/06/16 19:12:37 cNaHr/Mz
川^ー^)<愉快なのはお前のオツム♪

136:リッキロ
06/06/17 20:45:08 TaLZDW08
うんこもらしたぽ

137:名無しさん@ピンキー
06/06/17 23:33:44 RPPDJpYr
黒ミサがサユたんを凌辱とかある?

138:リッキロ ◆iCT8tPyHd6
06/06/18 00:49:21 mZ7P+3pq
面接落ちたお。仕事さがすお(^ω^ )

139:名無しさん@ピンキー
06/06/18 09:22:58 45nsHzZs
ミエミエなりきり、気持悪いお(^ω^)
他にすることないんかww

140:名無しさん@ピンキー
06/06/18 11:55:35 kDJZ+3fM
松ミサ続き、まだパンツ脱いだままで待ってます
放置は勘弁してくれよな!

141:名無しさん@ピンキー
06/06/18 15:11:46 mZ7P+3pq
リッキロはニートだお(^ω^)

142:名無しさん@ピンキー
06/06/18 19:35:58 45nsHzZs
在宅ワークですお(^ω^)☆☆

143:名無しさん@ピンキー
06/06/21 23:21:25 otH5auvZ
スレが止まった

144:名無しさん@ピンキー
06/06/22 02:19:48 9UGUjkdA
リッキロが今ここを見てるのかは分からないけど
読み手を「無能」とまで言い切った以上、作品は投下すべきだと思う。
自分が無能じゃないところ、みせてくれるんだろ?リッキロ

ここまで荒らした以上責任は取れ。他の職人さんがこれるように作品は落として行け。
自分は読まないがな。


145:名無しさん@ピンキー
06/06/22 05:14:43 OupyQX4M
リッキロはクズだからそんな正論通用しないよ

146:リッキロ
06/06/22 09:50:44 2MOo+qQj
だから

「やーめた飽きたサヨナラ」っつってんだろ?

過去ログぐらい読んで欲しいな(^ω^)

147:名無しさん@ピンキー
06/06/22 09:51:36 2MOo+qQj
ムキになってる無能達を見てると癒されるな♪むぷぷ

148:名無しさん@ピンキー
06/06/22 15:16:02 MSd80T0r
トリなきゃ信じられんな

続きが読みてぇよお・・・チンポ乾いてきたお

149:名無しさん@ピンキー
06/06/22 22:13:32 q7IQ8ijD
リッキロ氏はもうこないだろう…。

150:名無しさん@ピンキー
06/06/24 11:40:26 0OKsX0JW
おまいらが来れなくしたんだろーg

151:名無しさん@ピンキー
06/06/25 09:21:10 ZvxZZX2O
一部だろ(自演含む)
俺はラブコールだって送ったし、今でも待っているけどね。

152:名無しさん@ピンキー
06/06/25 22:48:00 6UdqY0zs
リッキロたん好きだお

153:名無しさん@ピンキー
06/06/25 22:51:49 qb8Y9XUo
来れないというが、この雰囲気を作ったのは他ならぬリッキロ自身だろ。
自分が「無能」扱いした読み手の作った雰囲気に負けて投下できないなんて馬鹿にもほどがある。
もう二度と来なくていい。

それよりも自分はリッキロの発言を受けてスレがあれた所為で
他の職人が投下できなくなったことに腹がたつ。

二十一歳以上の人間が自分の発言で自分自身の立場はもとより、
他の職人やスレ住人の以後ことが悪くなることは考えられなかったのか??

いい大人のすることとは思えないよ。

154:名無しさん@ピンキー
06/06/26 09:42:57 ysR7I2qw
>>153
スレの雰囲気が良くなってきたところで、またそんな話題で熱くなるお前もどうかと思うがなw
いい大人としてよww

プゲラ

155:名無しさん@ピンキー
06/06/26 10:39:26 nlPjG9OD
松ミサ続き待ちあげ

156:名無しさん@ピンキー
06/06/26 15:02:33 38pF4pPO
これで雰囲気良くなっていたのか・・・

157:名無しさん@ピンキー
06/06/26 15:45:13 77p0/onN
いちいち煽って掘り返すからいつまでも雰囲気悪いんじゃん。
スレの雰囲気は職人だけが作るもんじゃいだろ。
「リッキロが雰囲気悪くした」って言ってる奴も、実際空気よめてないんだよな。


このスレ終わったな

158:名無しさん@ピンキー
06/06/26 19:45:11 8PcIymdD
リッキロみたいな無能の糞はもういらねーよ
責任取って二度と来るな

159:名無しさん@ピンキー
06/06/26 22:46:05 OVfpirsY
だから、愉快犯がいるんだから、徹底的にスルーした方がいいんだよ
真面目に反論とかしても荒れる一方だから

160:名無しさん@ピンキー
06/06/27 00:25:30 3iUXl0ma
リッキロはどこに行ってもハミ出し者ww

161:名無しさん@ピンキー
06/06/27 09:45:43 YJtnNBrR
電波だけど、才能はあると思うんだよな。
どの作品も、雰囲気造り上手いしさ。
それにしても粘着すげーな

162:名無しさん@ピンキー
06/06/27 11:30:06 4yiFfrvl
粘着=空気を悪くさせていることに気付かないアフォ

スルー汁(・ω・)

163:名無しさん@ピンキー
06/06/27 14:46:00 sCheQLQ1
ヘイヘイヘイヘイ

164:名無しさん@ピンキー
06/06/27 15:40:21 YJtnNBrR
>>162
スマソ

165:名無しさん@ピンキー
06/06/27 23:10:28 C2b02Pcl
松ミサ続き待ちあげ

166:名無しさん@ピンキー
06/06/28 19:32:39 BYmS8ZH/
↓ここで小説投下

167:名無しさん@ピンキー
06/06/29 23:03:18 0fWQA894
│   _、_
│ ヽ( _ノ`)ノ ヒャッホウ!!
│ へノ  /
└→ ωノ
    >
残念 私のオイナリさんだ
チーーン、、、


168:名無しさん@ピンキー
06/07/01 15:43:20 tWJhcxGq
ヘイヘイヘイヘ~イ

169:名無しさん@ピンキー
06/07/06 06:14:28 Ozus9AZn
どこまでも糞化進行中

170:名無しさん@ピンキー
06/07/07 00:58:20 KucuySw/
月サユが読みたいです

171:名無しさん@ピンキー
06/07/07 21:49:30 pmgxqANt
食っちゃうぞ~

172:名無しさん@ピンキー
06/07/12 15:29:20 og0KByN5


173:名無しさん@ピンキー
06/07/14 23:07:35 X5KmcSbB
誰か投下汁

174:名無しさん@ピンキー
06/07/16 00:43:37 v2swChnn
まつみさ…

175:名無しさん@ピンキー
06/07/16 13:42:51 EG/PDLhr
ガッ

176:名無しさん@ピンキー
06/07/16 19:18:58 /BuZq7NE
月ミサがホスィ…

177:名無しさん@ピンキー
06/07/18 00:13:26 geKSxk+t
欲しい物は金で手に入れろ!

178:名無しさん@ピンキー
06/07/18 05:21:54 3A0zbW9P
LミサかLさゆかLウェディかL京子がホスィ
Lが女の子をヒーヒー言わせるのが読みたい

179:名無しさん@ピンキー
06/08/03 13:28:27 5dGuIX6b
ホシュ

180:名無しさん@ピンキー
06/08/03 23:59:55 t3NhAoNi



-----------------終了-----------------

181:名無しさん@ピンキー
06/08/06 02:39:09 GZa/zO8S
-----------------再開---------------------






182:名無しさん@ピンキー
06/08/08 12:22:08 2hNQaQqa
月ミサ

183:名無しさん@ピンキー
06/08/09 03:56:29 JMibStlY
ミササユ希望age

184:名無しさん@ピンキー
06/08/09 06:18:42 qPx2I2zS
Bナオはこっちか西尾スレか

185:名無しさん@ピンキー
06/08/13 04:54:07 2HH04t5f
どこかSS書けるスレはないかと探してるんだがここも駄目か・・・

186:名無しさん@ピンキー
06/08/13 13:34:40 27R4qTLf
まず、何のSS書く気でいるのか言ってもらおうか

801は勘弁な

187:名無しさん@ピンキー
06/08/13 13:46:24 fy9sOL62
スレタイにあるのに詩織タン小説がないじゃないか
誰か投下汁

188:名無しさん@ピンキー
06/08/15 23:01:45 Aeu7LksQ
詩織ねえ…

189:名無しさん@ピンキー
06/08/15 23:04:39 oIVTfZ7z
そういやスレタイなんで詩織なんだろw
ハルとか高田で良かったのに

190:名無しさん@ピンキー
06/08/17 23:53:27 s9EOn32a
ほしゅ

191:名無しさん@ピンキー
06/08/19 12:02:26 bCF8bvsZ
最近急にニアが好きになったもんでエロ妄想を試みているんだが難しいな。
作中まともな接点のある女性キャラはハル姐さん、しかもハル姐さんは
メロとのほうがしっくりくる(個人的嗜好だが)…。

となるとハル以外に唯一言葉を交わしたワイミーズ仲間のリンダしかいねぇ。

リンダ「ニアたまには外で遊ぼー」
ニア「私はいいです」
リンダ「…じゃあ家のなかで身体動かそっか? とっても気持ちイイよ?」
ニア「??」



すまん逝ってくる

192:名無しさん@ピンキー
06/08/19 23:35:53 R5zh87yA
続きは?

193:名無しさん@ピンキー
06/08/20 18:36:24 G1Wh69qK
>>191
続き読みたい

194:名無しさん@ピンキー
06/08/20 23:21:27 AIZakJqV
 Lの後継者。
 それはワイミーズハウスにいる少年・少女全ての目標。でも、自分にはそれが無理だとなんとなく分かっているし、そもそも私には、Lになることより別の目標があった。
 その目標というのは・・とりあえずおいといて。とにかくここはそういう施設だった。
 この施設で、トップと二番手は常に決まっていた。
 二番手のメロは行動派で、おしゃべり。そして身体を動かすのが好きなやんちゃな少年。でも頭はとってもきれる。
 トップの二アは、無口で、友達が全然いない。頭はまさに天才だけど、外出や身体を動かすことを好まず、内向的。
 二人はまさに正反対だった。そして当然のごとく、仲が悪かった。といっても、メロがニアを敵視してるからそう見えてしまうだけなんだけど。
 私は二人ともそれなりに気に入っていたので、よく喧嘩の仲裁に入ることが多かった。
 
 私がはじめてLと会ったのは、もう何年も前の話だ。その日はまさに、感動の一言につきる日だったことを覚えている。
 Lの容貌のある程度は事前に知っていたが、しかし目の前にするとやはりその衝撃はすごかった。
 髪は黒髪のぼさぼさで、細身。そしてその眼は、まるで入ってきた情報を全て閉じ込めてしまうかのような大きな漆黒。
 私の身体はそのオーラに圧され、震えた。
 しかし何より私が感動したのは、L本人と直接会話した時だった。
 時間にすればとても短い時間だったのに、Lの底知れない頭の良さ、勘の鋭さなどをはっきりと感じた。
 Lはまさに、私にとってはまさに神様のような、最高の人だった。

195:名無しさん@ピンキー
06/08/20 23:22:06 AIZakJqV
 そして今日も、Lはここにやってきた。そして、みんなの前で短い話をした。
 今、Lが取り組んでいるのはキラ事件だという。
 犯罪者が殺されていくキラ事件というのは確かに物凄く奇怪な事件で、この事件に挑む人間がL、というのはとてもふさわしい気がした。
「リンダ」
 不意に名前が呼ばれ、私はついピョンッと立ち上がってしまう。
「はい?」
「少し二人だけで話したいんですが、良いですか?」
 そう言ってLは、私の顔をじいっと見つめた。
 Lが自分を見つめているという事実に、私は緊張し、そして軽く赤面した。誰と話す時もこんなことにはならないし、どんなプレッシャーのかかる場面でもこんな風にはならないのに。
 私にとって、Lだけは本当に特別な存在だった。
 私は周りの視線、特に、二アとメロの強い視線に気づいてたが、気づかない振りをしたまま、Lの後についていった。

 着いた先は個室だった。音もれのない、防音の部屋だ。
「リンダ、話というのは・・」
 二人っきりになったところで、Lはそう口火を切った。
「はい!」
 私は大きく返事をした後、一瞬で、次に出てくる言葉を想像した。
『Lの後を継ぐのは君だ』とか。『実はずっと前から君が気になっていた』とか、である。
 しかし現実は、私の妄想と大きく違った。
「実は、二アとメロについてなんですが・・」
 私の喜色満面の顔は、みるみる普段の状態に戻っていった。
「二アとメロ、この二人と仲が良いのは君だけと聞きました。本当ですか?」
 言われてみれば、そうかもしれないと思い、私は頷いた。
「そうですか。では君に頼みがあります」
 Lの頼み!私は再び顔を緊張させた。

196:名無しさん@ピンキー
06/08/20 23:22:42 AIZakJqV
 Lの頼みは、大変難しいものだった。二アとメロの仲たがいをやめさせて欲しい、というのだ。
 どうやらLは、二アにもメロにも足りないものがあるが、二人が協力し合えば、Lを継ぐのにふさわしくなる、と思っているようだった。
 確かにあの二人が協力すればすごいかもしれない、とは思うものの、私はそれでもLに及ぶとは思えなかった。
「L、それはとても難しいと思います」
「分かっています。だから少しずつで良いんです、二人を仲良くさせていってください。私の跡を継ぐのは、まだずっと先の話ですし」
 確かに、まだ若いLが、いきなりLをやめるわけもない。
「分かりました、L。やってみます」
 自信などなかったものの、私は大げさに胸をはった。
「ありがとう。・・何か欲しいものはありますか?お礼です。何でも良いですよ」
 思わぬ言葉だった。私は見返りが欲しくて引き受けたわけではなかったが、しかし遠慮するのももったいないと思ったため、素直に欲しいものを考え始めた。
 そして考えた末、出てきた言葉はとてもシンプルなものだった。
「私が欲しいのはL、あなたです」

197:名無しさん@ピンキー
06/08/20 23:23:24 AIZakJqV
 Lの表情がとまった。驚いているのだろう。そんな顔を見るのは初めてだった。
「なんでも良いって、言いましたよね?」
「リンダ、他のお願いにしてください」
 冷静さをすぐにとり戻した様子のLが言う。もちろん私はそんなんで引き下がる気はない。
「L、私のこと嫌い?私は・・ずっとLが好きだった。幼い頃からずっと」
 私がそう言って顔を近づけると、Lは後ろにのけぞり、座っていた安物の椅子と共に倒れてしまった。意外な一面だった。Lならこういう色事にも、落ち着いた反応をすると思っていたのに。
「リンダ、私はもちろん、ここのワイミーズハウスの子供達は、みんな好きですよ」
 いまだ仰向けになったままのLが、かすかに上ずった声で言う。
「ずるい答え方をしないで」
 その時の私は、自分でも驚くほど積極的だった。倒れているLの腰の上にまたがり、両手を押さえた。そしてそのまま、唇を合わせる。
 その瞬間、私の頭の中で何かがはじけるのを感じた。そして、強烈な衝動が湧き上がってくるのも感じていた。
 憧れの、あるいは神のような崇拝の対象のLを、自分の中に取り込みたいという強烈な衝動だ。
 私はLの服を破るように脱がせ、その肌にキスをした。

198:名無しさん@ピンキー
06/08/20 23:24:00 AIZakJqV
 Lは、また驚いた顔のまま凍りついている。きっとこんな事をする女の子に見えなかったんだろう。しかしそういう女だったのだから仕方ない。
 私はLのお腹に指を這わせ、そのまま下腹部へと腕を伸ばしていく。
「リンダ・・」
 そうつぶやくLの顔を、私は決して見なかった。
 かすかに硬さを帯びているそれに触り、私の心臓は張り裂けんばかりに暴れた。
 指に伝わってくるかすかな脈動と、熱。
 私の身体はまるで火のように熱くなり、気づけば、私は全ての衣服を脱ぎ捨てていた。今の私は、本能に完全に支配されているようだ。
 まだ勃起しているとはいいがたかったLを、私は自分の中に強引に取り込んだ。
 Lが何かを言っているのが聞こえる。しかしそれは、まるではるか遠い世界の声のようだった。
 やがて、その声も完全に聞こえなくなる。Lの唇を、私の唇でふさいだからだ。
 まるで麻痺したように、私の下腹部からは快感どころか痛みも感じられなかった。にもかかわらず、私は突き動かされるように腰を上下させていた。
 欲しい、もっと、もっと私の中に欲しい。
 私は、文字通り一心不乱にLを貪り、その精を自分の中に取り込んでいった。

199:名無しさん@ピンキー
06/08/20 23:24:44 AIZakJqV
 行為が終わった後、私は突然我に返った。そして、へたりこんだ。
 服を着始めたLを見ながら、私はなんて事をLにしてしまったのだろうと後悔し、そしてそれ以上に驚愕していた。自分のした事が信じられなかった。
 ふと、目の前に何か差し出された。私の衣服だった。
「落ち着いてください。まずこれを着て」
 その口調は、いつものLにもどっていた。
「L・・私・・」
「大丈夫です」
 何が大丈夫なんだろうか、と思いながらも、私はシャツを羽織った。下半身はいまさらになって痛みだし、その中心からは、行為の証とも言うべき白い液体が垂れてきている。
「なんで・・私・・こんなこと・・・」
 私はそれ以上言葉が出なかった。頬を熱い液体が流れる。
「リンダ、あなたの事を嫌いになったりしませんよ」
 Lの不可思議な言葉に、私は表情を止めた。
「・・エル・・?」
「あなたの好意はずっと前から気づいてました。あなたがもっと大人の女性になったら、私から言おうと思っていたんですが」
 私のぼけきった脳は、Lの言葉の意味をなかなか理解できない。
「ほんとに嫌だったなら、乗っかられた時点であなたを跳ね飛ばしてます。まあ、順番は逆になりましたが・・」
 そう言って、Lは私に手を差し出した。
 信じられない思いだった。あの神様のようなLが、私に好意を?
 混乱しきった頭のままだったが、私はなんとかその差し出された手をつかむことができた。

200:名無しさん@ピンキー
06/08/20 23:25:30 AIZakJqV
 それからの数日間は、私の人生最高の時だった。
 Lに抱かれる度、自分の心、身体の全てが満たされていくようだった。
 やがてLが再びキラ事件のために日本へ旅立つと、私は頼まれていた事に全力を注ぎ込んだ。二アとメロの関係修復だ。
 が、それもなかなか上手くいかなかった。そしてそのうち、二人は施設を出て行ってしまった。

 それからしばらくして。私は二人がキラを追いかけていることを知った。そしてその瞬間になり、ようやく、私はLの死を知ったのだった。
「マーマ?」
 私の悲しい表情を心配したのか、息子は私を見上げて言った。
 私は安心させるために、笑顔を浮かべて言う。
「ううん、大丈夫よ・・エル」
 そうよ、嘆かなくてもいい。エルはここに、生きているもの。
 あの時の自分の衝動は、まさに神の意思だった。私は最近、エルの笑顔を見るたびにそう思うのだ。





                           終

201:名無しさん@ピンキー
06/08/20 23:27:07 AIZakJqV
宣言なし投稿&リンダの性格かなり勝手に決めちゃったりしてごめんね。

202:191
06/08/21 03:03:00 ykyPUUPf
超GJ。徒然なるまま妄想を書いてみた甲斐があったよ!
自分もニアリンダ形にできないか頑張ってみるよ。

ニアに声かけるくらいだから、面倒見のいい女の子なんだろうなリンダ。
しかし似顔絵はメロのほうがいい男に描かれているのは何故なんだリンダ。
というかあの似顔絵のニアってカエルっぽi(ry

203:名無しさん@ピンキー
06/08/21 16:56:27 omEMjxSL
>>194-200
リンダはすごい子だ・・・


204:名無しさん@ピンキー
06/08/24 06:15:00 BbgmFltm
なんだこのちょっといい話は!
Lのワイミ内での神様扱いっぷりとかすごい出てて最高に好きだ

205:名無しさん@ピンキー
06/08/27 16:29:21 RZumEgZi
age

206:名無しさん@ピンキー
06/08/28 02:03:31 KkmzVeSy
良作GJ!!


一つ疑問に思ったのは
たとえ、ワイミーズ・ハウスの者に対してでも
LはLとして姿を現さないような・・・

作品も書かない分際で恐縮だが、これから参考にでもしてもらえれば・・・・


次回作も期待してます!!

207:名無しさん@ピンキー
06/08/28 02:08:21 wHl6MbSi
>>206
一言いいたい ノベライズ版嫁

推測でものを言うのはいかがなものかと思うが

208:名無しさん@ピンキー
06/08/28 05:19:59 AF7Nn/7m
>>207
まぁまぁノベライズも小畑つぐみコンビじゃない以上は原作なわけではないから。
姿を現すのもありだろうけど現さないと思う人がいたっていいじゃん?
そういう上からの言い方はあんまよくないように思うよ。

>>194-200
すごいよかったよありがとう!
最近職人さん来ないからめったにこのスレ覗いてなかった。
登校日からだいぶ日がたってからの感想ですまん…
Lが好きなのでLの出てくるのをまた書いてほしいです。

209:名無しさん@ピンキー
06/08/28 12:34:01 wHl6MbSi
登校日ねぇ…小学生?中学生?

210:名無しさん@ピンキー
06/08/28 20:50:13 75wA00XW
投稿日との間違いだと信じたい

211:名無しさん@ピンキー
06/08/28 23:51:20 AF7Nn/7m
いじわるだなー
投稿の変換ミスに決まってんじゃん悪かったよ

212:名無しさん@ピンキー
06/08/29 00:25:05 0WslQ8dW
ageてるし
厨かと思われたんだよ

213:名無しさん@ピンキー
06/08/29 00:36:26 wZTrPT7h
ageもそうだが文体も厨かと思われたんじゃね?

214:191
06/08/29 01:21:21 JZq4Iwb4
ボコられまくりの208にワロタ

215:名無しさん@ピンキー
06/08/29 01:23:00 JZq4Iwb4
ソシテオレモナマエニスウジイレタママ・・・orz

216:名無しさん@ピンキー
06/08/29 01:33:32 wZTrPT7h
>>215
お前は早く続きを書けとw
結構期待してるんだが

217:名無しさん@ピンキー
06/08/31 21:03:00 3LNVigVW
>>207ノベライズでもLはLとして姿を現してないと思われ

218:名無しさん@ピンキー
06/08/31 21:09:36 Dvj9Fb+G
メロの語りとかモロそうじゃね?
まあ小説は所詮小説っていいたいんだったらいいけどさ

219:名無しさん@ピンキー
06/09/03 06:15:01 k4djIHzp
何でもいいけど面白かったからリンダLの続き書いてよ

220:名無しさん@ピンキー
06/09/03 17:04:57 F9mbdYp1
リンダニアも書いてよ

221:名無しさん@ピンキー
06/09/03 20:22:50 PbWnqzcb
私もリンダニア希望

222:191
06/09/04 04:44:20 OvdzcL40
毎日地味に書き続けてきたニアリンダがようやく完成したので投下します。
191の続きということでショタニアとロリンダで考えてたのに何故か完成品は
大人ニアと大人リンダw
純粋に>191の続きが読みたかった人超ごめん。

223:ニアリンダ
06/09/04 04:45:37 OvdzcL40
2010年春。今や無人となった孤児院ワイミーズハウスの門扉の前に、静かにたたずむ若い女性の姿があった。
彼女の名前はリンダ――偽名だが。

かつてLの後継者候補の一人として育てられた彼女に与えられた通称だ。Lの後継者とならずにこの孤児院を出た後も、
彼女はこの偽名で呼ばれ続けていた。
孤児院の仲間たちからではなく、世間から。画壇から。賞賛の意を込められて。

皮肉な話だと思う。自らの本質を隠すための偽名が、いつの間にか自分を最もよく表す単語となり、
可能性はゼロに限りなく等しかったとしても、ひとつ間違えれば世界を影から動かす存在――Lになっていたかもしれない自分が、表の世界で評価を受け名声を得ているのだから。


リンダは門に手をかけた。無論堅く閉ざされている。
「まあ、当然よね」
開錠用具を取り出し、かちゃかちゃといじる。すぐに鍵は開いた。このくらいのことならこの孤児院で暮らしていたころからできる。
もっとも、彼女は「つかの間の脱走」を企てるような問題児ではなかったが。

孤児院の庭を当て所なく見て回る。自然と浮かんでくる、毎日を一緒に過ごした仲間たちの顔、顔、顔。
その中で最も印象深いのが、メロとニアだった。常に院の中で一番と二番を独占していた二人。
才ある子供たちが集められた院の中でも、彼らは異彩を放っていた。
二人の顔を思い浮かべると、リンダの思考は否が応でも「あの時」に引き戻される。


それは約半年前、2009年の秋。
ワイミーズハウスの責任者ロジャーを通じて日本の警察からコンタクトがあり、リンダはメロとニアの似顔絵を提供した。
何故メロとニアの似顔絵を日本警察が欲しがるのか。詳細は訊かなかったし訊いても明確な答えは返ってこなかっただろうが、
キラ事件の捜査になんらかの関係があるのだろうとリンダは察した。
ほかならぬロジャーを介しているという点に加え、メロとニアの二人が今もキラ事件の捜査をそれぞれ行っているに違いないという確信があったからだ。
世界がキラにひれ伏した中それでもキラを追う日本の捜査員たちに好意を持ったということもあったが、それ以上にメロとニアの安否が判れば…という私情もあったのかもしれない。
しかし、結局今に至るまでメロとニアの行方はわからないままだし、自分の似顔絵が何かの役に立ったのかどうかもわからないままだ。

しかし、世界に変化は起きた。それはキラの裁きの突然の停止。
1月の終わり頃から今日に至るまで、キラによる犯罪者への裁きは一回も起こっていない。
過去にもこのような事例はあったため、人々は様子見を決め込んでいたが――しかし、それも終わりつつある。
世界は、確実にキラが現れる前の姿に戻ろうとしていた。

224:ニアリンダ
06/09/04 04:46:34 OvdzcL40


人気の無い院の廊下をゆっくりと歩く。とても懐かしく、そしてとても寂しい。人間の生活臭がもはや感じられないせいだろう。
ワイミーズハウスから子供たちが消えたのは、リンダが似顔絵を日本警察に渡した直後のことだった。いや、ワイミーズハウスから子供たちが消えただけではない。
かつてこの孤児院で暮らし、自分のように自立して暮らす者までもが一人残らず一斉に世界から消えたのだ。

「これより48時間以内に、リンダがリンダであると示す証拠全てを隠滅してください」

突然発せられた、ワイミーズハウス出身者全てに発せられた緊急メッセージ。
「リンダがリンダであると示す証拠」――すなわち、ワイミーズハウスとの、そしてLとの関係性を匂わせる物的証拠・情報を破棄し、
可能な限り外部との接触を遮断せよという指令。
かつてあのLの後継者候補として育てられていた以上、どんなに一般人として生活したところで思わぬ危機が襲ってくることはある。
リンダの場合多少の名声を得てしまっていたというネックはあったが、行方をくらますこと自体はさして難しいことではなかった。
しかし、リンダの胸には言いようの無い不安が浮かんだ。
自分が似顔絵を描いた直後のこの事態。
自分は知らない間に、何か押してはいけないスイッチを押してしまっていたのではないか。
しかし、発信元不明のメールは何も教えてはくれない。
わかったのは、発信者の名前――――――「N」のみ。




その「N」から、先のメッセージの内容を解除するという旨のメールがあったのが1月の29日だった。
そしてそれ以来、キラの裁きが一度たりとも行われていないという事実。
誰も言ってくれなくてもわかる。詳細はわからなくとも、結論だけはわかる。

キラは倒されたのだ。「N」、すなわちニアによって。



憎むべき殺人鬼が倒されたというのにリンダの心がいまひとつ晴れないのは、似顔絵の件に加えてメロとニア――とりわけメロの行方が
結局何もわからなかったせいだ。ロジャーに訊けば何か判るのではないかとも思ったが、彼はNの最初のメールの時に行方をくらませて以来まだ「表」に帰ってきていない。
この孤児院がもぬけの殻のままであることがその証拠だ。


「ひょっとして、もう帰ってこないつもりなのかな…」

Lの後継者を育てるという役目に、一区切りがついたから?
そしてリンダは、もやもやした気持ちをかかえて、半ば不貞腐れ気味に古巣を訪れてみたのである。

225:ニアリンダ
06/09/04 04:47:39 OvdzcL40


ふと違和感を覚えた。左手に見える部屋の扉が少し開いている。
それだけならどうということもないが、かすかに人の気配を感じたのだ。

空き巣? それとも、近所の子供が忍び込んで?
気配を殺し、慎重に歩を進める。どうやら複数の人間ではないようだ。
ゆっくりと部屋を覗き込み、そしてリンダは息を呑んだ。



ふわふわした柔らかそうな髪。横顔の頬は記憶の中の彼と変わらず白く丸い。
ゆったりとしたパジャマ姿で、手にしたロボットを弄んでいる。座る姿勢も昔のままだ。
5年間ずっとそこで遊んでいたのではないかと錯覚するくらい、なにもかもそのままに、ニアがそこにいた。



ゆっくりとこちらを見上げたニアと目があう。
「えっと…ニア?」
そこにニアがいるのがあまりにも唐突過ぎて、つい馬鹿な第一声を発してしまう。彼が彼であることなど、一目でわかったと言うのに。
「はい。そういうあなたはリンダですね」
すでに視線をそらし手元のロボットに関心を向けているのが多少ひっかかるものの、他人に無関心なように見えた彼に名前を覚えていてもらえたことは素直に嬉しかった。
自然と笑みが浮かぶ。

リンダは部屋に入り、少し距離をとって彼と同じようにしゃがみこんだ。自分だけ立っていると、なんだか見下ろしているようで彼に悪い気がしたからだ。
肝心のニアは、そんなリンダの気遣いなどお構いなしに二体のロボットをいじくりまわしている。

「キラ事件解決おめでとう、ニア」
ロボットを持つ手がとまり、ニアの目がリンダを見た。リンダは小さく『勝った』と笑った。
彼のような他人にどう見られようがお構いなしのタイプには、こちらが先手を打って興味のありそうな話題を突きつけてやればいいのだ。
「…ありがとうございます。あなた達にも多少の迷惑はかけてしまいましたが」
詫びているのにあまり申し訳なさそうに見えないのも昔のままだ。
「他の皆がどう思っているかは知らないけど、私に関してはお互い様なんじゃないかしら。あのメールを飛ばす原因になったのって、
私が描いたあなたとメロの似顔絵なんじゃないの?」
「そうですね。それも多少あります」
「やっぱり」
あーあ、私、やっちゃったんだ。
具体的にどうマイナス要因になったのかはわからないが、「もしかして」が現実になった衝撃は大きかった。しかし、すっきりしたのも事実だ。表情には出さない。
他にもニアには訊きたいことがあるのだ。落ち込むのは後でいくらでもできる、と自分に言い聞かせた。
「メロは?」

リンダは単刀直入に尋ねた。ニアを相手に言葉をあれこれ選んでもどうせ無意味なのだ。訊きたいことはさっさと訊いてしまいたかった。
「メロは」
ニアが答えかけたが、少しだけ目が泳いだような気がした。しかし、次の瞬間には視線はリンダに戻っていた。
「メロは、私がキラを捕まえるのに必要な最後の決め手をもたらしてくれました」
「……」
リンダは何も答えなかった。表情も変えなかった。
「メロがいなければ、私も私の仲間もキラに殺されていた」
ニアも表情は変えなかった。視線も、リンダの目からそらさなかった。


226:ニアリンダ
06/09/04 04:48:47 OvdzcL40



死んだのね。

ニアの瞳を見つめながら、リンダは心の中で問うた。尋ねればニアは「はい」と言うだろう。でも、それを彼に言わせて何になるというのか。
自分に対して、メロの死を口に出してはっきり伝えない理由。そんなもの、ひとつしかないではないか。

あの似顔絵が、直接的に、あるいは間接的にメロを殺したのだ。


頭を鈍器で殴られたような衝撃があった。胃の奥底が苦しくなる。
可能性のひとつとして覚悟していたはずなのに、実際のところ自分は何ひとつ覚悟を決めていなかったのだ。

メロ。

メロ。

どんな最期を? 何故? 一人で死んだの? 私のせいで? 


……私のせいで!


「泣かないんですか」
ニアが問う。責める口調ではない。
誰もいない部屋であれば、きっとすぐにでもわんわん泣いていたんだろうけれど。
「一人になってから泣くわ」
リンダは答えた。
「ニア、うるさい女は嫌いでしょう」


ニアは一瞬考え込むような仕草で髪の毛をくるくるといじり、そして言った。
「確かにそれはそうですが」

「感情を素直に表すこと自体は、人間として正しいとも思います」


最初の涙が一筋流れた後は脆かった。喉の奥から嗚咽が出、瞳から大粒の涙を流し、リンダはわんわん泣いた。
何もかもが中途半端な自分がどうしようもなく憎く、記憶の中の少年時代のメロがただただ切なかった。

そして、ニアの不器用な優しさが、たまらなく愛おしくありがたかった。


227:ニアリンダ
06/09/04 04:49:57 OvdzcL40



「…涙が乾いたせいでほっぺがガビガビするわ」
散々泣きじゃくりようやく落ち着いたリンダの第一声に、どう反応したものだろうかとニアは考えた。
5年ぶりに再会した彼女との会話は、どうにもペースをつかみ難かった。昔はそんなことはなかったはずだ。
とはいっても、そんなに多くの時間を彼女とともに過ごしたわけではないのだが。ニアは一人でいることが好きで、リンダはそんな彼を時々遊びに誘う少女。
ただそれだけの関係だったから。

「ところでニア、あなたどうしてこんなところにいるの?」
(今更訊きますか、それを)
やはりつかみ辛い。あまり認めたくない気がしたが、他人から見た自分はこのような印象なのかもしれないとニアは思った。
「でも、別にどんな理由でもいいわ。会えて嬉しかったから」
「そうですか。…そう言われて悪い気はしませんね」
自分はどうだろう。リンダに会えて嬉しかったのだろうか。

「あと…優しくしてくれてありがとう」
何のことかとニアが目をぱちくりさせると、リンダは少し照れたように笑って視線を逸らした。

メロの死をはっきり言葉にしなかったことと、素直に泣くように促したことを言っているのだろうか。
だとすれば、自分と彼女が似ているなどと思ったのはやはり勘違いだった。
自分は他人の些細な好意に、こんなに素直に礼など言えない。…そもそも向けられた好意に気づかないことが多い(らしい)。

「別に、大したことはしていません」
なんとなくリンダの顔を見ていられなくなって、ニアは長らくほったらかしにしていたおもちゃを再び手に取ろうとした。
その手にリンダの手が重なる。
「?」
「感情を素直に表します。許してね」
そう言うと、リンダは優しくニアの唇に口付けた。

「――」
ニアが言葉を紡ごうとするのを待たずにリンダは二度目のキスをし、そして彼を柔らかく抱きしめて押し倒した。




優しくついばむようなキスを何度もおとされた。優しいのに、言葉を発する隙を与えてくれない。
「ん……んぅ………ん」
リンダの舌が催促するようにニアの唇をなぞり、そしてニアを求めて進入してきた。口内を彼女の舌が嬲るが、不快ではない。


228:ニアリンダ
06/09/04 04:51:08 OvdzcL40
ようやく唇を離してくれた彼女に、精一杯不愉快そうな表情を作りながらニアは尋ねた。
「どういうつもりですか」
「嫌だった?」
「そういうことを訊いてるんじゃありません」
嫌だったかと言われれば、嫌ではなかったと答えるしかないではないか。いくらニアが普段動かないとはいえ、女性一人を払いのけることができないわけはない。
また、仮にはねのけなかったとしても、普段の彼なら唇が解放された瞬間相手を罵倒する言葉をお見舞いする。
何故そうしなかったのかは彼自身にもよくわからなかったが、とにかく都合の悪い問いからは逃げた。逆に彼女に尋ねる。
「こういうことは、好きな人にするものではないんですか。誰彼かまわず気安くすることではありません」

リンダはきょとんとし、そして怒ったように唇を尖らせて言った。
「ニア……あなたね。子供のころ、わたしが一体何回あなたのことを遊びに誘ったと思ってるの?」

言われた意味が一瞬理解できず、しかし次の瞬間には全てを理解してニアは絶句した。
確かに彼女はたびたび自分を外遊びに誘った。しかし、それは単に面倒見の良かった彼女が一人でいる子供を放っておけない性質だった、ただそれだけのことだと思っていた。
特別な好意を抱かれているなどとは、今この瞬間まで考えたこともなかった。
「…ニア、たまには自分が周囲にどう見られているのかを意識したほうがいいわよ」
表情から察したのだろう、リンダがすこし拗ねたように言う。
「……そうですね、今度から気をつけることにします。他人の好意悪意に無頓着である自覚はあったんですが」
自覚があるんなら修正しなさいよ、とリンダは笑った。
「ね、このまま続きをしてもいい?」
「続き、というと……」
このままここで、彼女と。
キスが嫌ではなかったように、「嫌なのか」と問われれば別に拒む理由はなかった。しかし良識的には問題があるような気がする。
だがそれを言えば、そもそも自分は世間一般でいうところの良識に基づいて行動する人間ではないか……。

無表情のまま固まってしまったニアに、リンダは彼の頬を撫でながら言った。
「いいじゃない。どうせ私たち、今日ここを出たら多分もう一生会うことはないんだもの」

ニアはリンダの瞳を見つめた。
少し寂しそうな笑顔は、昔誘いを断ったとき――視界の端に少しだけ映った表情と同じだった。
自分には、ワイミーズハウスに対する執着や感傷的な気持ちはほとんどない。
だがリンダは違う。ここでの出来事、ニアとの思い出とも呼べないような思い出、そしてメロの死とそれへの罪悪感はおそらく一生彼女と共にある。

抱くことで、少しは楽にしてやれるのかもしれない。


ニアが返事をしないでいると、リンダの笑顔は次第に苦笑に変わっていった。馬鹿なことを言った、とでも思っているのだろうか。
リンダが前言を撤回しようと口を開いた瞬間、ニアは言った。
「後悔しないでくださいね」
言葉と共に、ニアは自分に体重を預けるリンダの身体を抱きしめ、そのまま床に押し倒した。


229:ニアリンダ
06/09/04 04:51:59 OvdzcL40


舌と舌が優しく絡み合い、お互いを求め合う。ニアはリンダの身体を優しく撫でながら、彼女のシャツのボタンをはずしていった。
「ね…こんなときに訊くのもなんだけど……ニアは少しは経験、あるの?」
単純な好奇心でリンダは尋ねた。
「あるかもしれないし、ないかもしれません」
なんだそりゃ。
心の中でつっこんだが、まあどうでもいい話だ。
ニアの唇は唇から首筋へ移り、手は露になった乳房を弄んだ。
「んっ…」
リンダはニアの背に腕を回し、ぎゅっとしがみついた。鎖骨から胸へと降りてくる彼の舌。彼の柔らかい髪が肌に直接あたり、なんともくすぐったい。
手と舌による愛撫の快感に耐えながら、リンダはニアの頭を撫で、髪を指に絡ませた。子供のころしたいと思っていた、些細な夢だった。
こんな時に、こんな状況で叶うなんて。なんだか泣きたいような気分になる。

「あっ……やぁ…」
リンダを現実に引き戻すかのように快感が走る。乳房の先を吸われ、思わず背をしならせた。
ニアの右手は、既にスカートのファスナーを下ろし彼女の脚を滑らせている。すでにまともな状態で身に着けているものは下着しかない。
(私ばっかり裸でずるい…)
まさぐるようにニアのパジャマのボタンに手をかけ、はずしていく。肌と肌が直接触れ合うのが心地よかった。
外見は五年前と全く変わっていないような印象なのに、やはり身体つきは「男」だ。肌はすべすべしていて、とても気持ちいいけれど。

裸の背に腕をまわし、しがみつくように抱きしめる。子供時代は手すら繋いだこともなかったのに、なんだかおかしな話だ。
ニアの愛撫は、優しいのに激しい。おとなしそうに見えて実は気が強いのがニアだが、愛撫にも性格が反映されているのだろうか。
熱い吐息をもらしながら、リンダはぼんやりと考えた。


「ねぇ…ニア、もう……」
腕に、胸に、腹部に、脚に唇を這わせるニアにリンダはせがんだ。
「そうですね…」
ゆっくりと顔をあげたニアは、そう言いつつすぐにはリンダの欲しいものをくれない。息がかかるほど顔を近づけ、じっと瞳を見つめる。
「やぁ……そんなふうに見ないでよ」
改まって見つめられると何故だか途端に恥ずかしくなり、リンダは羞恥に顔を赤く染めた。思わず顔をそむける。
ニアは一瞬なにか言いたげな顔をしたが、次の瞬間にはリンダの顎をつかみ強引に口付けた。
そしてそのまま、熱く滾った自身をリンダの秘部に押し当てた。


230:ニアリンダ
06/09/04 04:53:34 OvdzcL40


「んっ……あああっ!」
甘い声でリンダは鳴き、ニアの背に爪を立てた。その痛みも今は快感につながる。
息を荒げながら、無言で腰を動かす。ニアは加減など知らなかったし、知っていたとしても出来そうになかった。

こんな状況で快楽に溺れているというのに、ニアの頭には冷静な一部分が常に残っていた。
こういうときは頭の中を空にするのが人間らしいような気もしたが、自分はそれが出来ない人間なのだろう。
その冷静な一部分で考えていたのは、目の前の相手のことだった。


わんわん泣いたかと思えば笑って自分のことを好きだと言い、抱いて欲しいと言う彼女。
好きだと言うくせに、この行為が終われば「もう一生会うことはない」と言う。

理屈が通っていない、筋が通っていない、節度もない。
彼女の行為だけをなぞれば、普段のニアが受け入れる部類の人間ではないはずだった。

しかし、ニアは泣くのを我慢する彼女を慰めた。慰めたいと思った。
「会えて嬉しかった」と言われ、悪い気がしなかった。
キスをされても拒まなかった。
様々な感情に揺れる彼女を、少しでも楽にしてあげたいと思った。
何故自分がそのように思ったのかが、よくわからなかった。


(結局私自身も理屈が通っていない、か……)
リンダの唇を貪りながら、心の中だけで笑う。
メロに言わせれば、自分は「冷静で無感情」だったらしい。
しかし、少なくとも目の前の彼女に対して論理的に説明できない感情を抱くぐらいには、自分にも「人間くさい」部分があるらしい。
それが少し、嬉しかった。



熱く締めつけてくる彼女の膣内。互いに限界が近かった。
見下ろす彼女がせっかく乾いた涙を再び流しているのは、快楽のせいだけではないだろう。
「ニア…ニア…」
自分の名を呼びながら泣くリンダに、理屈では説明のつかない感情を――愛しさを募らせ、ニアは彼女の中で果てた。


231:ニアリンダ
06/09/04 04:55:22 OvdzcL40





服を着終えると、それまでの出来事が嘘のように思えた。
さすがにロボットいじりを再開まではしなかったものの、ニアはいつものニアに戻っている。もうリンダには見向きもせず、何かを考え込んでいるようにもみえた。
それでいいのだとリンダは思った。ニアはニアらしく「L」として生きていく。そして、自分にもやるべきことはある。
思い出を振り返るのは、一旦やめにしなければならない。


「今日はありがとう。会えてよかった。……じゃあね」
リンダは立ち上がり、ドアノブに手をかけた。

「はい。またいつか」

ドアノブを捻ろうとするリンダの手が止まった。振り返ると、ニアと目が合った。
「『またいつか』ですよ」
見つめられ、強調するように再び同じ言葉を言われた。


リンダは困惑し、驚き、何かを言いたいのに何も言えなくなり――そして数秒の沈黙のあと、全てを受け入れて困ったように笑った。
天下の「L」が「またいつか」と言うのだ。それならば、いつか何処かでまた自分と彼はこんな風に同じ時を過ごすに違いない。

「うん。またいつか、ね」
見つめるニアの顔が、少し嬉しそうにほころんだような気がした。





232:191
06/09/04 05:02:23 OvdzcL40
以上です。
前置きばかり長くてこれまた超ごめん。コレガオレノゲンカイダ。・゚・(ノД`)・゚・。


メロとほぼ同じ立場なのに作中にマットのマの字もだせなかったよ…


233:名無しさん@ピンキー
06/09/04 12:14:24 VAOQYeRH
すんばらしい

>リンダは小さく『勝った』と笑った
まずここにきゅんときた

234:名無しさん@ピンキー
06/09/04 15:12:05 3w1pmbUm
次はLで頼む

235:名無しさん@ピンキー
06/09/04 15:48:50 aLg8w21e
>>232
GJ!!!


236:名無しさん@ピンキー
06/09/04 16:40:52 lMlxBeSD
すばらしい

237:名無しさん@ピンキー
06/09/04 23:23:27 FOhSFeik
今LのSS書いているんだが、オリキャラ設定でもありですか?
南空ナオミで書くつもりだったんだがそれじゃなかなかつじつまが合わず、
自分の脳内では南空ナオミによく似た感じの女のつもりで書いているんだが…
ダメなら無理矢理ナオミかリンダに切り替えるが、結構書いてしまったんで、
オリキャラでも桶してくれるなら出来次第投下しようかと。


238:名無しさん@ピンキー
06/09/04 23:58:05 3w1pmbUm
>>237
相手誰?

239:名無しさん@ピンキー
06/09/05 11:04:02 rWnxIS2v
>>238
志村ー、2文字目2文字目ー!

240:名無しさん@ピンキー
06/09/05 12:46:38 mnAJHAQi
>>232 GJです

241:名無しさん@ピンキー
06/09/05 16:23:13 Dw1bvoAH
>>237
オリキャラでもいいんでねーか?

242:名無しさん@ピンキー
06/09/05 21:15:12 KldBXCB4
男はオリキャラでもいいんだが、女がオリキャラってのは微妙だな
ナオミで読みたい

243:名無しさん@ピンキー
06/09/05 21:18:11 i1YP28OI
載せる前にL×オリキャラであることを明記した上で
嫌な人は読まないでほしいと記載した上で空白開けて書けば?
そこまでしといてもわざわざ読んで文句言う人がいたらスルーすりゃいい

244:名無しさん@ピンキー
06/09/06 00:38:18 wBJa+vHT
しかしナオミに一票

245:名無しさん@ピンキー
06/09/06 09:44:24 CBHiKfWl
俺もナオミに一票

246:名無しさん@ピンキー
06/09/07 11:00:47 9yZk7DEQ
やはり殿方は女キャラでハァハァなさりたいですか

247:名無しさん@ピンキー
06/09/07 12:57:50 658cEEqy
記念カキコ(^ω^)

248:恐縮ですが宣伝です
06/09/08 11:31:19 0/fgUvFr
したらば
男女カプ萌え板(試験運用)
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

249:名無しさん@ピンキー
06/09/08 23:43:45 DDV42N2o
Lなら何でもいい

250:名無しさん@ピンキー
06/09/09 14:46:50 D9/OZ8XQ
粧裕ミサナオミ高田ハルリンダ幸子ならなんでもいい

251:名無しさん@ピンキー
06/09/09 18:02:03 Fc2emgCu
Lキボンヌ

252:名無しさん@ピンキー
06/09/09 18:15:22 Fc2emgCu
>>237
じゃあ既出でなければ
L×京子ちゃん

253:連投スマソ
06/09/09 18:18:11 Fc2emgCu
私は断然右だな~の
きょこタンは
眼鏡をはずすと美人という設定で


254:名無しさん@ピンキー
06/09/09 19:42:00 0K4s63+T
京子ちゃんかよww

255:名無しさん@ピンキー
06/09/09 20:46:40 q/4ME8DQ
>>237
ナオミ(仮)ってことで。
(作中には(仮)はいらんよw)

256:名無しさん@ピンキー
06/09/10 10:31:43 vceqabaC
L京子は神がいたな
あれは最高だった

つうかここは男萌えの方が多そうだな・・・

257:名無しさん@ピンキー
06/09/10 12:25:47 rOv0A1mc
Lハルがいいな

258:名無しさん@ピンキー
06/09/10 19:23:17 FVLooSgC
男読者は女が実在キャラなら男はオリキャラでかまわない
女読者は男が実在キャラなら女はオリキャラでかまわない
男女どちらにも受け入れられようと思ったら男も女も実在キャラにしといた方が間違いないよ

259:名無しさん@ピンキー
06/09/10 22:04:12 jLuXMi9w
オリ伽羅はやめといた方がいいと思う。ドリと紙一重だし。

260:名無しさん@ピンキー
06/09/10 22:49:39 aluzlIXI
京子×Lが読みたい
ふたなりチンポでLをガンガン犯してほしい

261:名無しさん@ピンキー
06/09/10 23:23:13 aQPaEck0
>>258
私は女読者だけど、女もやっぱり実在キャラじゃないとイヤ。
オリキャラはなんか萎える。

262:名無しさん@ピンキー
06/09/10 23:44:47 r/tkTzoL
ていうか、マダー?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

263:名無しさん@ピンキー
06/09/11 09:59:12 mX7bC68g
誰もつっこまないのでひとつ

>>257
ねぇよwwwwwwwww

264:名無しさん@ピンキー
06/09/11 20:38:46 3hzEb70t
過去ログ探しの旅にでて
L×京子読んできました
イイネあれ
続き書いてくれないかなー

265:237
06/09/11 23:37:03 zDufGCf7
色々意見を出してくれたようでw
やはり実在キャラがいいという事で固まりつつあるようなので、
只今書き直し中です。
L×リンダとL×ナオミの二つのSSを書いてるんで、
もうちょっと時間もらいます。スマソです。


266:名無しさん@ピンキー
06/09/11 23:56:37 vXfPFkpg
ワクテカしながら待ってるよー

267:名無しさん@ピンキー
06/09/12 00:15:19 FjvHipuc
オマンコ濡らしながら待ってるよー

268:名無しさん@ピンキー
06/09/12 15:14:05 LJQ86VsT
237に期待しつつリンダ描いてみたよ
URLリンク(2sen.dip.jp:81)

…似ないorz


269:名無しさん@ピンキー
06/09/12 17:48:24 INTWd/qz
>>268のリンダに萌えつつ待ってるよー

270:名無しさん@ピンキー
06/09/12 22:17:18 z54/prSn
リンダリンダ~リンダリンダリンダ~ああ♪

271:名無しさん@ピンキー
06/09/13 05:52:49 KTHY608N
>>268
ちょっ、うまいしw萌えた…ご馳走様

272:名無しさん@ピンキー
06/09/13 12:27:09 vjV902p3
「神」って言われてるL×京子って、ウーパールーパーとか言ってるあれ?

273:名無しさん@ピンキー
06/09/15 22:34:43 SJGUWHLc
まだー?

274:名無しさん@ピンキー
06/09/16 12:20:34 YcMlde5r
この数日書き込みが少ないのは
みんな息をひそめて投下を待ってるからなのかw

275:名無しさん@ピンキー
06/09/18 13:25:44 Pa60/pHQ
Lナオミまだ?

276:名無しさん@ピンキー
06/09/19 00:35:27 T6iFo+Nx
まだー?wktk

277:名無しさん@ピンキー
06/09/19 00:38:29 15tXu/5l
そろそろ干からびそうです

278:237
06/09/19 23:00:26 +KdDWMir
どうも、思ったより時間がかかってしまいスマソでした(苦
結局まだLナオミは書けてません…
今回はLリンダのみになります。Lナオミはまた来週中か再来週位にでも
落としにきます。

で、Lリンダですが、思ったよりも長くなってしまい、しかも
前置きがかなり長いです。その分エロもがんばったつもりではありますが、
もしエロ部分だけでいいという方は前置き飛ばしてやってくださいw
後、設定がLが顔を見せる直前の話です。
リンダやLの設定も勝手に想像で書いてます。
西尾氏のノベライズの影響もかなり受けてますんで、
原作しか読んでない人にはちと伝わりにくい部分もあるかと思いますが、
それでもいいと言う方は読んでやって下さいw

興味ない方はスルーの方向で頼みますw では行きます。


279:237@L×リンダ
06/09/19 23:02:48 +KdDWMir
絶対に認めるわけにはいかなかった。
何があっても。
キラ。
名前と顔がわかるだけで、人を殺せる能力を持った『人間』。
自らを神と驕り、救世主として世間を沸かせる―殺人鬼。
一体その能力がどのようなものであるのか、見当もつかない。
二日前、またも嫌な知らせが入ってきた。
日本に送られたFBI捜査官が全員殺されたという。
―結果としてFBIはキラ事件から手を引いた。
つまり―キラに―悪に屈したという事。
正義が悪人を殺すこと?馬鹿馬鹿しい事この上ない。
幼稚で自己陶酔した人間の、単なる独りよがりにすぎない。
神である自分に盾突く者はたとえ罪の無い者でも殺す、か。
そんな正義は、絶対に認めるわけにはいかなかった。
何があっても。
おそらく、キラを捕まえる事の出来る者がいるとすれば、自分―もしくは自分の後継者達だろう。
みすみす命を捨てる気はない。
だが命を賭ける事はしよう。
『正義』の名に賭けて。

真の『正義』とは、絶対的な『強さ』を持っているのだから。

肩越しに、後ろのソファーで眠っている少女を見やる。
気持ちよさそうに、静かな寝息を立てていた。

―それは、当時10歳だった彼女が教えてくれた真実だった。


280:237@L×リンダ
06/09/19 23:03:48 +KdDWMir

****

―久しぶりに、夢を見た。
と、いうより、睡眠自体を随分長い間摂っていなかった気がする。
一体彼は最後にいつ寝ただろうか。
キラ事件の捜査を始めてから、前以上に睡眠時間が短縮されてしまった。
今まではどれだけ多くの事件を抱えていても、ここまで眠れぬ日々を
過ごすことは稀だった(それでも一日に二時間眠れば良い方だったが)。
それが、事件件数自体は愕然と減ったというのに、たった一つの―
否、一人が巻き起こす事件がこれまで以上に彼を振り回しているのだ。
そして今、いつの間にか眠っていたのであろう彼が、自分が夢を見ていた事に気が付いた。
少女の、夢だった。
少女は夢の中で、何かを彼に訴えていたような気がした。
泣きながら。あの明るい笑顔は無く。
もう、1年近くも会っていない。
もともと、頻繁に会っていたわけでもなかったが、それでも数ヶ月に一度は
彼女の―いや、彼らの住む施設に足を運んでいた。
彼女に初めて会ったのは六年前、孤児施設、ワイミーズハウス―
彼の後継者を育てる施設で、彼女が8歳の時だった。
彼女は一般のレベルで言うと、非常に優秀であったと思う。
ワイミーズハウスで行うテストでは、常にトップクラスだった。
時々ワイミーズハウスに足を運べば、そこには十数人の子供達の中の、
ほんの一握りの子供達の名前が羅列した紙が、廊下の踊場に貼ってあった。
目を通すと、御馴染みの子供達の名前が目に留まる。
ワイミーズハウスでは、子供達の年齢は全く関係なかった。
孤児院の生徒全員に、同じレベルの、極めて難易度の高いテストが一斉に行われるのだ。


281:237@L×リンダ
06/09/19 23:04:34 +KdDWMir

そしてその中で最も優秀な人間こそ、彼の―『L』のコードネームを引き継ぐことが出来る。
もちろんそれだけが目的ではなく、『L』を継ぐことが出来ぬほとんどの子供達が個性を磨き、
社会に出、自分なりの道を歩んでいけるように養育を施されていた。

1 ニア
2 メロ


ニアとメロ……具体的な年齢は聞いてないが、おそらくは十歳そこそこだろう。
いや、ニアに関して言えばそれ以下かもしれない。
しかし驚く程の事ではない。彼もそれ位には既にアメリカの一流大学のテストで
満点を取れる程度には物事を理解していたし、ワタリと出会ったのも8歳の時だった。

もし彼の後を継げるとするならば―この二人のどちらかだろうか。
そうなれば、3位と4位を入れ替わり立代わりしている彼女は、
やはり『L』を継げぬ、『ほとんどの子供達の中の一人』という事になる。
それは仕様の無い事であり、彼がどうにかしてやる事も出来ない。
しかし、彼女は明るく、優しい性質の持ち主で、それを僻む事も、ましてや妬む事もなく。
しかも彼女は絵を描く事に関して、非常に優れた才能を持っていた。
彼がワイミーズハウスを訪ねると、いつも嬉しそうな笑顔を見せて。
「最初のLの印象は最悪でした」
「………。」
物事をはっきり言う性格でもあった。
彼女がワイミーズハウスに引き取られたのは8歳の時だった。
他の孤児院でその英才ぶりを発揮していたのを見て、ワタリが引き抜いてきたらしい。


282:237@L×リンダ
06/09/19 23:05:41 +KdDWMir

「だってどう見ても変人っぽいし…」
「………………そうですか…」
傷つく言葉を平気で笑いながら言う彼女に、釈然としないままそう答えるのがやっとだった。
「―でも優しいですよね、Lは」
「―?私は別に自分を優しいとは思いませんよ」
「いいえ、優しいです。少なくとも―私の価値観の中で。」
「あなたの価値観とは、何でしょう?」
「きっと、Lと同じだと思います」
「…私と同じ…ですか」
「わかりませんか?」
「わかりませんね」
彼女は―リンダは悪戯っぽい笑みを浮かべ、からかうように言った。
「Lにも、わからない事があるんですね」



283:237@L×リンダ
06/09/19 23:08:25 +KdDWMir

*****


夜の七時も回った頃。帝東ホテルの一室。
凍てつくような空気の、暖房のついた部屋ですら、肌寒さを感じる日だった。
年末も近づき、窓から外を見ると東京の―様々な色の、幾千ものネオンが
暗闇の中綺麗に散りばめられて、輝いている。
忙しなく通るたくさんの車、巨大なビル郡の一つ一つの部屋の明りが、
彼の目に留まる。
考える事が多すぎて、今まで気が付かなかったが、こうして見ると
ここからの眺めも悪くはない、と思う。
だが、やはり彼の思考は次第に事件の捜査へと傾いていく。
『死神はりんごしかたべない』
キラの残したメッセージ。
残したのはこれだけなのだろうか?
否―キラは必ず大きな手がかりを残しているはずだ。
見落としている点は無いか。他に何か。
何か、ひとつ―

そこまで思い至ったとき、開いていたパソコンから、人の声が聞こえた。
彼のパソコンに直接語りかけてくる人間は、今の所一人しかいない。



284:237@L×リンダ
06/09/19 23:09:14 +KdDWMir

「L―実はLに会いたいと言う者が訪ねてきております」
「ワタリか……私に会いたい者?それは…警察の人間か?」
「いいえ…全くの部外者です。しかし…Lもよくご存知の者です。
その者もLをよくご存知でいらっしゃいます。通しても大丈夫かとは思いますが……
今の状態でLに会わせてもよいものかと判断しかねます」
まわりくどいいい方だ。ワタリらしくない。
大体、会いたいと言う者の名前さえ明かしていない。
彼が知っている人間。相手も彼をよく知っている人間。
怪しい気がする。
だが、彼が知っている人物と言う事は、ワタリもその人物をよく知っているはず。
そのワタリが通しても大丈夫だというのなら、きっと大丈夫なのだろう。
それだけの信頼を、彼には寄せていた。
いいだろう。
客人というのが誰かは知らないが、少しの間事件から離れて見るのも一興かも知れない。
彼をLだと知った上で会いに来る者。ワタリの妙な言い回し。
それが彼の好奇心を誘った。
「―すぐに案内を」
「了解しました。L」
通信が途絶えた。
自分を知っている者……世界中探しても自分をLと知るのは数える程しかいないはず。

だが、よもやキラというわけではあるまい。
次々と見知った顔を思い浮かべながら、熱いコーヒーを煎れ直し、
砂糖をスプーン5杯程入れる。
甘さは頭の回転をよくしてくれる。間もなくやってくる客人の為にも
コーヒーを注ぎ、
二つのコーヒーカップを持って、パソコンの前にいつもの足を抱え込む
体勢に座りなおした。
幾許もかからぬうちに、二つの足音が部屋の前で止まり、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
こちらです、とワタリの声が聞こえ、ドアが静かに開いた。


285:237@L×リンダ
06/09/19 23:10:07 +KdDWMir


―ああ、彼女だったのか。

「…お久しぶりです。…L…」
「貴女でしたか……全く思ってもいませんでした」
意外だった。まさかワイミーズハウスを抜け出してまで、自分に会いにくるとは。
「ごめんなさい…L…規則破りは承知してます。」
「申し訳ありません、L。警察庁の外でうろついていたのをたまたま私が
見掛けました。聞けばLに会わせて欲しい、と言うものですから…」
一度ワイミーズハウスに入った者―『L』の姿を確認した者は、院長の許可が無い限り、
その広い敷地内から出ることは出来ない。
まして、自分からLに会いにくるなどという事は。
Lの素顔を知ると言う事は、それだけ重い責任と危険を伴うと言う事なのだから。
それを知っていての―彼女―リンダの訪問に、彼は少なからず驚いた。
「…外にあまり出たこともないのによくこの東京まで来れましたね、リンダ。
規則破りは褒められた事では無いですが……その行動力は認めましょう。
―まあ立ち話もなんです。好きな所に座って下さい。」
彼は彼女をこの部屋まで案内したスーツに身を包んだ老人―ワタリに目配せした。
ワタリは軽く会釈し、ドアを閉める。
残された彼女は申し訳なさそうな表情で彼を一瞥し、彼とテーブルを挟んでの
真正面の席についた。
周りには、少し前まで甘いものを包み込んでいたのであろう包装紙やカップ等が
大量に散乱していた。
とても客人を迎え入れる部屋とは思えない有様だったが、彼女は特に気にも留めず、
俯き、何かを言い迷っているようだった。
彼は―彼女の夢を見た理由がわかった気がした。
予知夢というのは本当にあるのだ、と実感せずにいられなかった。


286:237@L×リンダ
06/09/19 23:10:56 +KdDWMir


****

Lでもわからない事があるんですね。

笑いながら言う彼女に、彼は答えた。
「もちろんです。だから―考えるんですよ。ただひたすらに。」
「ずっと何かを考えるって、疲れないの?」
「確かに疲れますが…答えが出るまで考えずにはいられないんですよ。
私の悪い癖みたいなものです」
「…今も、考えてるの?」
「何年かかっても出ない答えもあります。」
「例えばどんな?」
「…そうですね。今私が考えていること―いや、悩んでいることだと
言った方が正しいでしょうか。何年も悩んでいる、と言うより……
事件が起こる度に―事件を解決する度に思うのですよ」
何年も………このLをそれ程に悩ます問題とは一体どんな
難しいものなのだろう。
それは彼女の好奇心をひどくそそられ、真剣な眼差しで、彼を見る。
彼女の、深く碧みがかった綺麗な瞳の中に、彼が映っていた。
「―『正義』とは、一体何なのでしょう?」
「……え?」
あまりに予想しなかった彼の―Lの問いに、彼女は目を丸くした。

世紀の名探偵 L。
正義の名探偵 L。

そう世間で称えられる彼の、予想だにしなかった悩みに
彼女は驚きの表情を浮かべて、まじまじと彼を見る。



287:237@L×リンダ
06/09/19 23:11:28 +KdDWMir

「…L?」
「わからないのです。何年考えても。事件を解決しても解決しても、
犯罪は減ることがありません。それどころか、増えていく傾向にさえある。
しかし、だからと言って、被害者の事を考えると悪を見過ごすわけにもいきません。
悪は許せない。それは事実です。
ただ、時々私は自分がしている事の―正義の本当の意味が
わからなくなるんですよ。」
彼にこんな感情があるとは、彼女は全く思ってもいなかった。
ずば抜けた推理力によって数々の難事件を解決してきた裏側で、
こんな思いを抱いていたとは。
彼の人間らしい一面を垣間見た気がして、驚きとともに嬉しさが
込み上げてきた。
「…意外と普通なんですね、L」
「……そんなに私は普通に見えませんか?」
はい、という失礼極まりない言葉を飲み込んで。
いつも気の強い彼女が、今まで見せたことも無い優しい笑みを浮かべて。
「私、その答え知ってます」
「……答え、ですか…」
「刑事だった私の父が、小さかった頃の私に教えてくれました。
正義は何よりも強い力を持っているって。」
「……その力、とは?」
「…その力とは―――」



288:237@L×リンダ
06/09/19 23:12:21 +KdDWMir


***


「何か余程の事でもありましたか?わざわざイギリスから
東京までやってきたんです。それなりの理由があっての事でしょう。
黙ってたんではわかりませんよ…」
彼女が部屋に入ってから、既に5分以上が経っていた。
その間何かを言いたそうで、しかし言えずに結局固まったまま時間が
過ぎていく。
「……リンダ、言わなければ何も始まりません。私も時間が惜しい。
知っているでしょう?キラ事件の捜査を…」
「―!」
彼女の顔が僅かに強張った。―もちろん彼も、それを見逃すはずもなく。
「………キラに関する事ですか?」
頷くとも、否定するともせずに。ただ彼女が口を開くきっかけ
にはなったかもしれない。
沈黙を守り続けた彼女が、一つ溜め息をついて、
真っ直ぐLを見た。深い碧がかかった、綺麗な目で。
「…Lは…ずっとキラの事件を担当するつもりですか…?」
「……?おかしな事を聞きますね。事件はまだ解決していないのだから
当然でしょう。」
「殺されるかも知れない、のに?」
「……リンダ?」
「私、…昨日知ったんです。日本に送られてきたFBI捜査官が…
全員殺されたって……、 Lの指示で動いてたって……」
「………どこでそんな情報を?」



289:237@L×リンダ
06/09/19 23:12:50 +KdDWMir


Lの表情が僅かに険しくなった。
それは現在においては全ての警察機構間のトップシークレットであり、
インターネットの極秘サイトでしか流れていないはずだ。
「…ごめんなさいっ、昨日の朝メロとインターネットで遊んでて…!」
「……ハッキングですか…成る程、貴方達ならそれ位は容易いでしょうが……
これも褒められた話ではありませんね……」
呆れたように呟いて、温くなりかけのコーヒーをすする。
「メロも私もLの指示でFBIが動いてたという事を信じてはいません。
でも……キラは本物の殺人鬼だと言うのはよくわかりました!
どんな能力で人を殺すのか……いいえ、名前と顔がわかるだけで
殺せるなんて、普通の人間じゃないもの…!」
「その能力を明らかにしていくのも私の仕事です。今はまだ
何もわかってはいませんが……今回FBI捜査官達の尊い犠牲に
よって……何かがわかりそうなのです。うまく行けば、
可能性のある者にたどりつく事が出来るかも知れません。
そのためには…私が動くしかないでしょうね。」
「それって……まさか………!」
「はい。流石に察しがいいですね。明日、私は貴方達以外では初めて
人前に『L』として姿を見せようと思っています。」
さぁっ―と、血の気が引いていくような感覚に襲われた。
もしも―いや、彼にしてもその可能性が無いとは思っていないはずだ。
それなのに。


290:237@L×リンダ
06/09/19 23:14:18 +KdDWMir

「人前に、って…それは警察の人たちにですか!?…もし、その中に
キラがいたら……!」
「その可能性は承知しています。今まで警察の情報はキラに筒抜けでしたからね。
それでも―」
かちゃり、と陶器同士が擦れる音を立てる。まだ半分以上中身が残っている
コーヒーカップを置いて。強い口調で。彼は言う。
「私は、負けました。―だから、最後に勝つ為に、捜査本部内の信用できる
一握りの人間には姿を見せておく事が必要だと私は考えます。
それに私の本当の名前を知ることはキラと言えど不可能でしょうから。」
「で、でも!命がけの捜査になる事は間違いないじゃないですか!
危険すぎます!もしLが殺されたりしたら…私……私……!」
「―…わかりませんね……何故貴女はそこまで私を止めようと
するのでしょう?今の私は自分が信じる正義に従って行動しているに過ぎません。」
「……正義……」
「教えてくれたのは貴女だったはず。正義とは絶対的な強さを持っている、と。
強さとは―『優しさ』だ、と。」
「あ……」
確かに、記憶があった。4年前、彼とワイミーズハウスの裏庭で、たまたま
二人きりで話した時だった。



291:237@L×リンダ
06/09/19 23:15:15 +KdDWMir


 あの時から、彼女は。

「刑事であった貴女の父親が、貴女に遺した言葉であったはず―その貴女が、私に
キラの捜査から手を引け、と?偽りの正義の仮面を被った『悪』に屈しろ、と?」
涙が、零れそうになった。確かにあの時、彼女は彼に、そう告げた。

 その時から、彼女は。

「だって……だって……!」
目が霞む。頬が温かい液体で、濡れてきた気がした。
零れ落ちそうになるものを堪えるように、唇をぎゅっと噛み締めて。
「私は……Lの事愛してるから……!」

 その時から、彼女は。     恋をしてしまった。

「だから……いなくなって欲しくないもの!死んでなんて欲しくない…絶対に…!
だから……ここに来たの……」
絞り出すように、ようやくそこまで彼に告げる。
霞んだ視界に彼が映った。目は逸らさなかった。彼の表情からはその感情が
読み取れない。今の自分は彼の目にどう映っているだろう?
「…………困りましたね……」
溜め息まじりに、呟いた。
先に目を逸らしたのは彼の方だった。ふい、と彼女から視線をずらし、
いつもの、親指の爪を噛む癖。何かを考えている時のシグナル。
その言葉に、彼女は自分が言った事の重大さに気がつき、愕然とした。


292:237@L×リンダ
06/09/19 23:16:31 +KdDWMir

彼は―目の前にいる男は、あの『L』なのだ。
世界最高の探偵、L。個人でありながら、世界の警察機構を
全て動かすことが出来るという。
その両肩にとてつもない数の重責を背負い―日々それらと戦う事を
運命づけられた者。

 ―彼は、自分に課せられた使命を果たそうとしているだけ―

その、信念のままに。

―そんな彼に、彼女は、自分の感情のままに、とんでも無いことを
口走ってしまった。彼の使命を、止めようとした。
感情の、ままに。
よりにもよって、これまで秘めてきた想いまでも。
絶対に、言うつもりなど無かったのに。
自分の想いなど、彼の負担になるだけだろうに。
「……そ…うですよね……L…。私勝手な事ばかり言って…!
でも…信じて…Lを困らせるつもりなんて無かったの…ごめんなさい…!」
言いながら、涙が零れ落ちた。
堪えているつもりなのに。どうしようもなく、零れ落ちた。
その場からすぐにも立ち去りたい思いに駆られ、彼女が勢いよくソファから立ち上がった時。
「―別に貴女が勝手な事を言ったから困っているわけではありません。」
「……え…?」
彼は―別に困っているようにも見えなかった。しかしいつもよりも少し目を細めて。

293:237@L×リンダ
06/09/19 23:17:28 +KdDWMir

それは、4年前、正義の意味について考えていると言っていた時の
彼の表情とよく似ていた。
漠然とした、形の無い答えを求めて―途方に暮れていたあの時と。
彼女の胸が―にわかに高鳴った。
「わからないのです。私はこれまで『憧憬』・『尊敬』・『批判』・『敵意』……
そういった類の目にはいくらでも晒されて来ました。しかし―」
一つ呼吸を置いて。まるで言葉を選んでいるかのように。
この、『L』が。
「―愛された事は、ありませんでした。」
彼の口から出てきたあまりに意外な言葉に、彼女は思わず息を呑んだ。
涙は知らず、止まっていた。
「私は両親というものも生まれてすぐに亡くしましたし、愛情を注いで
くれる人間も居なかった。―だから、わからないのです。
人の愛し方を、私を愛してくれると言う人間に、どう接したらいいのかを。
それで私は今困っているのですよ……」
それはあまりに飄々とした口調だった。本当に困っているのかと思わんばかりに。
けれど。彼女には。それで、十分だった。
「……L……」
彼は世紀の探偵、L。
   正義の探偵、L。  そして、あまりに孤独な人。



294:237@L×リンダ
06/09/19 23:18:19 +KdDWMir

いつの間にか、彼女は彼を抱きしめていた。
「……リンダ?」
初めて、彼の感情が伺えた気がした。僅かに驚きを孕んだ声で、彼女の名を呼ぶ。
「…よく私のお父さんやお母さんが、小さかった私をこうやって抱いてくれました。
こうすると、その人の気持ちがよくわかるの。ああ、愛してくれてるって。」
「…優しいご両親だったようですね」
「はい。すごく」
さっきまでの泣き顔は消え失せて、その表情には以前の彼女の明るい笑みが
浮かんでいた。―四年前、正義とは優しさだと、教えてくれた時のあの時の。
「……今年で、いくつになりますか?」
「?どうしたの、急に……」
腕は彼の首に絡めたまま、顔だけ向かい合って。
「いえ……貴女の年齢がいくつだったかが気になりまして。」
「…?ついこの前14歳になったばっかりですけど…」
彼の問いに、不自然さを感じながらも彼女は答えた。
彼は、目を逸らし、14ですか、と呟いた。
「L…?」
「―内緒ですよ?誰にも―」



295:237@L×リンダ
06/09/19 23:18:55 +KdDWMir

「っ、―!?」
何が起こったのか、彼女は一瞬理解出来なかった。
目の前に―彼の顔がある。今までにない、近い距離で。
そして、唇同士が触れている。
胸が高鳴り、自分の顔がみるみる紅潮していくのを感じた。
Lが、自分に―
考えるだけで眩暈がする。きつく目を閉じ、感覚だけで彼を感じる。
最初は触れ合っていただけだった彼の唇から、何かが自分の中に
入り込んできた。
「っん…!?ん、ぁ… んぅ…!」
ざらり、とした感触と共に、口膣を嬲られるような息苦しさに襲われ、
思わず声が上擦った。
クチュ……ピチャ……
唾液が混ざり合い、漏れる音。それはまだ14歳の彼女には、ひどく
淫靡で、何かイケナイ事をしているような罪悪感に襲われた。
彼の舌は丁寧に彼女の歯列をなぞり、彼女の舌を絡ませて。
息が詰まる苦しさに、彼女は彼の長袖のTシャツの胸元をぎゅうっと握り締めた。
それを合図のように、彼は彼女から唇を離した。
唾液の糸が、つぅ…と名残惜しげに互いを繋ぎ、やがて途切れた。
「……L……」
はぁ、と圧迫感から解放された安堵の息が漏れる。
彼女の碧い瞳は濡れていた。それは先程の涙とはまた別のものだった。
「…私はこういうやり方しか知りません。他に貴女を満足させる
愛情の示し方を知っていればよかったのですが……」
―愛情の示し方。
それは彼なりに、自分に答えてくれようとしているのだろうか。
だとしたら、それはあまりに不器用なやり方のように、彼女には思えた。
不器用で、―ひどく愛おしい。


296:237@L×リンダ
06/09/19 23:21:35 +KdDWMir

「…っ…う…… んっ…!」
長いソファの上に、寝かされて。また息苦しいキスをされる。
自分がこれからどうなるのか、全く分からないわけではなかった。
テレビや本などで、思春期の少女なら誰もが知っている程度の知識はある。
しかし、それが現実に自分の身に起こりうるとは思ってもいなかったが。
「ぷ、は…… はぁ…」
再びその息苦しさから解放されて、彼女は目を開いて彼を見た。
いつもの―彼と違っている気がする。
何を考えているか、わざとわからなくさせているのでは無いかと
思うほど大きく開いた目を、今はすっと細め、彼女を見つめていた。
こんな真剣な表情の彼を、彼女は初めて知った。
「…後悔しませんか?」
何に対しての後悔だというのか。
彼を愛してしまった事か、それともこの行為に対しての後悔だろうか。
確かに、罪悪感が無いわけではない。まだ14歳の自分が、
幾つも歳の離れた男と行為に及ぼうとしているのだ。
しかし。
拒絶すれば、もっと後悔する気がした。
「……L……」
目をぎゅうっと閉じて、彼の行動を待った。心拍数が上がるのを感じた。
このまま、心臓が止まってしまうのでは無いかと思うほどに。
「リンダ」
名前を呼んで。彼は彼女の首筋に口付け、舌を這わせた。



297:237@L×リンダ
06/09/19 23:22:23 +KdDWMir

「っ…!」
びくり、と彼女の身体が強張る。彼の舌が、つ…と白く細い首筋をなぞる。
蛍光灯に照らされて、彼の唾液の後が艶かしく光っている。
息をすることさえ忘れて、彼の舌の感覚に神経を集中させた。
身体が、熱くなっていく。
彼は彼女の着てきたフード付コートのボタンを外していく。
すると下には、薄い長袖のTシャツを一枚着ていただけだった事に気がついた。
「……随分と薄着で来たんですね。寒かったでしょう。」
「っ…急いで、たから……部屋に帰って厚着に着替えたら…、出かけるのが
皆にばれちゃう…から……」
「……いい判断です。」
言って、彼は彼女のコートを脱がし、節くれだった指を、Tシャツの下に滑り込ませた。

「っ……!!や…っ…!」
素肌に触れられる恥ずかしさに、思わず抵抗とも取れる声が漏れる。
しかし彼は気にも留めず、冷たい指先をゆっくりと奥へと滑り込ませていく。
まるで彼女の肌の滑らかさを楽しんでいるかのように。
彼女の身体は強張ったまま、声を上げること―いや、呼吸をすることさえもままならず、
彼の指先によってもたらされる感覚に耐える。
ゆっくりと、じらすように。
彼女の女性的な膨らみに、下着越しに触れた。
「っあ…!い、いやぁ、L…待って……」
身を僅かにゆすり、両目を小さな手で覆って、泣きそうなような声で彼に訴える。


298:237@L×リンダ
06/09/19 23:23:11 +KdDWMir

彼は彼女の胸に触れたまま、ぴたりと手を止めて、何かを考え
込むようにじっとしている。
そのまま、どれ位の時間が経っただろう。
三十秒―いや、もう一分位はゆうに経っている気がする。
どうしたと言うのだろう。何をするわけでも無く、ただ黙っているだけの
時間がひどく重苦しい。
だが彼女自身が彼に何かを問うというのも、まるで次の行動を
期待しているように思われそうで、嫌だった。
まさか「待って」と言ったものの、本当に待ってくれているとでも言うのだろうか。
いや、それよりも、何もせずにただこうして胸に触れられていると言うのも
辛いものがある。
彼女はおそるおそる手を除けて、真っ直ぐに彼を見上げた。
「…L……」
不安な気持ちで彼を呼ぶ。何かを言って欲しい―黙っていられたのでは
不安になるばかりではないか。
「……リンダ…」
ようやく沈黙が破られ、僅かに安堵した次の瞬間。
「……小さいですね」
「…………え?」
彼の言葉に、彼女は思わず素っ頓狂な声を上げた。
数コンマ後、彼の視線の先を追うことで、彼女はその意味をはっきりと理解した。
「え…Lっ…!!」
「ぎりぎりでBというところでしょうか。もう少しあるかと思っていたのですが」
悪びれもせずに、彼女自身が最も気にしていたことをはっきり言う。
彼女は彼のあまりにデリカシーの無い言葉に、顔が熱くなっていくのを感じた。
上半身を起こし、彼に抗議する。


299:237@L×リンダ
06/09/19 23:24:00 +KdDWMir

「なっ…何よっ、私はまだ14歳になったばっかりなのよっ……
大きくなくて当たり前じゃないの!」
もともと勝気な彼女なだけに、プライドがズタズタにされたような気分になる。
「当たり前でしょうか……私は貴女位の女性を相手にしたことが
なかったのでよくは分かりませんが…十四歳位になると、大きくなる人は既に
大きくなっているような気がしますが……」
「っ…!!わ、私はただ成長が遅いだけよっ!三年後にはきっと、
Lだってびっくりするくらいグラマーな大人の女になってるんだからっ!」
「…三年後、ですか」
「そうよ…絶対、なってるんだから…!」
何の根拠も無い自信だったが、少なくとも今よりはマシになっている
だろうと思っての、彼女の精一杯の強がりだった。
しかし、彼から返ってきた言葉は―彼女にとって、意外なものだった。
「…成る程。では―」
初めて、彼は彼女に笑顔のような表情を見せて。

「―三年後を、楽しみにしていましょう。」

その言葉の意味を悟り―彼女は全身がこれまでになく熱くなるのを感じた。
絶句した彼女の胸に再び触れて、今度はその手を彼女の背中に回す。
「っ…」
ひやりとした感触が、彼女の神経を刺激する。
だが、何故か先程までの身体の緊張が、少し解れているような気がした。
片手で器用に、ブラのホックを外す。はらり、と彼女の胸を―その先端の
彩りを隠していたものが、零れ落ちた。


300:237@L×リンダ
06/09/19 23:24:45 +KdDWMir

「あ……」
彼女の白い小さな膨らみが露わになる。
先端の淡い飾りは既に硬くなっていて、まるで彼を誘っているように思えた。
「―っ!あ……!」
甘くしびれるような快感が、彼女を襲う。
彼の舌が、彼女の突起を嬲るように弄っていた。
「L… っ…ぅ……っ…!」
再びソファに仰向けにされ、彼の愛撫に身を任せる。
彼の大きな掌は、彼女の小さな膨らみを丁寧に揉みしだき、舌先でもう片方の
膨らみの先端をころころと転がすように舐め上げる。
わざと、水音を立てながら。
羞恥心が、より一層甘美な彩りを与える。
呼吸さえもままならなかった先程までとは違い、今は気を抜くと
甘い吐息の合間に淫らな声を上げてしまいそうになる。
まるで、自分の声ではないかのような、甘い甘い、声。
「ぁ…、ぅん……ふ、ぅ…!」
閉じた唇の隙間から漏れ出る声を、必死に押さえ込む。
す、と彼の掌が彼女の胸よりも下に降りていく。ゆっくりと、肌に滑らすように。
「っ、……は……っ…」
「…声、我慢しないで出したらどうです?」
「…ぅ……や、いや…っ…」
いやいやをするように首を揺らす彼女に、彼は耳元で囁いた。
「何故です?気持ちいいんでしょう?」


301:237@L×リンダ
06/09/19 23:25:30 +KdDWMir


―くちゅ

「ひっ…!や、やだっ……何っ…?」
彼の手は、彼女のスカートの奥の―その下着の中に滑り込んでいた。
既に何かの液体で濡れそぼったその部分は、彼の手によって容易に淫靡な水音を奏でた。
「っ…!っふ……!」
「……前にも言いましたが、私はかなり幼稚で負けず嫌いな性格です。」
「…っ…な、に……?」
「…そうやって我慢されると、―もっと苛めたくなってしまいます。」
「っあ…?ア、やぁっ… !」
彼は彼女の小さなショーツに手をかけ、するりとそれを剥ぎ取る。
「L……やぁ……」
見られている。彼に、自分の全てを。羞恥に、思わず目を覆った。
すっかり露わになった彼女の其処はしっとりと蜜を湛え、熱を帯びていた。
「……濡れてますね。」
言いながら。彼女の、ひっそりと息づくクリトリスを指先でくにゅ、と押さえる。
「あ…ぁ……っ…アっ……」
びくん、と彼女の身体が痙攣する。
敏感なその突起を口に咥え、舌先で嬲る。それは、彼女にとって、
あまりにも、卑猥な光景だった。
「ひ、ぁっ…あっ…!Lっ…、やっ…!」
わざといやらしい音を立てて、彼女の膨張した突起を弄り続ける。
痺れるような快感に、彼女の胸は震えた。
その突起の下の割れ目からは艶めかしい程の蜜がとろりと垂れて、
その情欲の程を訴えている。


302:237@L×リンダ
06/09/19 23:26:32 +KdDWMir

彼は、彼女の、まだ誰にも侵されたことの無いその泥濘を。
指先でゆっくりと寛げていく。
「ひぁっ……っ、んっ……だ、めぇっ……!」
すすり泣くように喘ぎながら、彼のぼさぼさの頭を抱え込む。
彼はその小さく震える身体を片手で抱きとめて、首へと手を回させる。
しかしその間も、彼女への愛撫はやめようとはしなかった。
深さを確かめるように、彼女の蜜壷の中に手を差し込む。
「…狭いですね。貴女の中は…」
「あああっ、いや、ああっ…!」
彼女がダメと訴えても、彼はそこを弄り続けた。
指での抜き差しを繰り返し、彼女の呼吸が段々と切迫したものになっていく頃には。
冷静なようでいて―もう彼自身も自分を止める事が出来なかったのかも知れない。
溢れる愛液に、突き入れる指を増やしても、彼女には苦痛はないように見えた。
内壁を押し広げるように指先をくねらせて、ぬるっとした感触に、指を擦りつけた。
一際大きな喘ぎとともに、彼女の身体がびくり、と跳ねた。
「―リンダ」
身体はぐったりと力を失い、彼に身に着けていた服を全て剥ぎ取られても、
もはや何も感じなかった。
霞がかった目で、彼が自身のTシャツを脱ぎ捨て、ズボンのジッパーを下げる様を、
眺めていた。
取り出された彼の猛った楔が彼女の芯を捕らえる。
くちゃり―彼の物が、彼女の割れ目と触れ合った。
「あ……」


303:237@L×リンダ
06/09/19 23:27:30 +KdDWMir

期待と不安が混在し、どうしようもない焦燥感に駆られた。
伴うように内部の疼きが増し、彼自身を受け入れようと、身体を僅かにくねらせた。
それは彼女自身の意思とは全く無関係な行動だったとしても。
彼を誘う行為には、他ならなかった。

「ひ あっ…    あ、   んァ    ああっ…!」
「っ……!」
ひくつく花びらを押し広げながら、彼は自らの猛ったものを、ゆっくりと彼女の中に挿し込んでいった。
彼女の中は、狭く、熱く。
抵抗したのは最初だけで。
入口の、複雑な肉の合わせ目を少し強引に解きほぐすと、後はずっとそれを待っていたかのように、
彼を容易に迎え入れた。
内部の熱い潤みは、身体が痺れるほどに甘美で。
奥まで全てを収めたとき、いつもは冷静な彼の額から、つ…と一筋の汗が流れた。
「あ、ぁ……L…っ!」
彼女の瞳からぽろぽろと真珠のような涙が零れ落ちる。
思っていたほどの痛みは無かったものの、内部への圧迫感と、
破瓜による鈍い痛みに、荒い呼吸を幾度も繰り返した。
同時に、膣内で脈打つ彼の鼓動に、彼の熱さに、狂おしい程の切なさが湧き上がり。
どうしようもなく。 彼に必死にしがみついた。
「…痛いですか?すいません……少し強引だったようです」
「っ……、L……」
いつも人に謝るときも、どこまで本気で謝っているのかが理解しにくい彼なのに、
今回ばかりは彼女を本気で気遣っていたように思えた。


304:237@L×リンダ
06/09/19 23:28:20 +KdDWMir

泣きながらしがみつく彼女の金色の髪の毛を、まるで子供をあやすように
撫ぜ上げ、彼女の腰を抱える。
繋がった部分からは、溢れる蜜とともに、ほんのりと紅い血が微かに流れ、
彼はそれを指先でぬぐった。
「L………L…っ…」
「っ…!リンダ……」
きゅう、と彼自身を締め上げる。
彼女の苦痛が和らぐのを待っていようとも思っていたが、 もう彼自身が限界だった。

動きたい―と。

彼を呼ぶ彼女の唇をそっと塞ぐ。
今度は、彼女の方から貪欲に彼の唇を吸ってきた。
まるで、子供が甘えるようなキスだった。
それに応えながら、彼は、彼女の腰を揺すった。
「んぁ、あっ!」
「……っ…!」
自分でも、呆れる位。余裕なんてどこにも無かった。
一度動いてしまえば、後はもうめちゃくちゃで。
「あっ…あ、ああっ…!いぁっ…え、るっ……!」
彼女の小さな身体を揺さぶり続け、彼女の奥に、何度も自身を送り込む。
彼女の一番奥深くまでねじ込んで、また引き抜いて、また根元まで沈める。
段々と彼自身に絡む蜜の量が、艶めいたものへと変化した。
「やっ…?な、に…っ?ふぁ、ん……ぁ…」
彼女の声に甘い色が帯びる。初めての、快感だった。
零れる涙は、もはや苦痛によるものでは無く。
彼女の変化を見て取った彼は、抜き差しのスピードを僅かに緩めた。
絡みつくような彼女の膣内の動きに、気を抜けば負けそうになる。

305:237@L×リンダ
06/09/19 23:29:02 +KdDWMir

「…は…っ…すごい、ですね……、もう、こんなに……聞こえる、でしょう?」
「あ、やだ……あっ ああっ……!」

―じゅぷっ…くちゅ… くちゅっ、…ぬぷ……

彼が動くたび、互いの性器が擦れる音が、部屋中に響いた。
その淫靡な水音は、否応無しに彼女の耳にも届き、羞恥心を掻き立てられる。
しかし、それをも凌駕する快感に、ともすれば意識を奪われそうになる。
男のものをきゅう、と締め上げる胎内の動きが、自分でもわかった。
ハナシタクナイ―身体も、心も、そう訴えている。
内部で脈打つ彼自身も、首筋にかかる熱い吐息も。
しっとりと汗ばむ彼の身体も。常には見せぬ余裕の無い表情も。
何もかもが。

切なくて、甘くて、狂おしくて、愛しい。

「あっ、あぁ…っ…ん、あっ…ああっ!」
熱に浮かされたように、ひたすらに、甘い啼き声を上げ続ける。
その声が、もっと聞きたくて。
彼女の愛液に濡れて光る怒張を、膨張したクリトリスに擦り付けるように角度を
変えて突き入れると、断続的な喘ぎ声が漏れる。
結合部は互いの液体が絡まり、白く粘い糸を引いて、
くちゃくちゃといやらしい音を奏でている。


306:237@L×リンダ
06/09/19 23:29:45 +KdDWMir

「っ、はっ…や、やぁっ……!何、や、やぁぁっ……」
彼女の内部がせり上がってくるのを感じた。肉襞が彼自身を貪るように
締め上げて、彼女の絶頂が近い事を教えていた。
「…リンダ……」
彼ももう限界だった。身体の奥から熱いものが込み上げ、
最後の理性で以って、彼女から身体を離そうとした。
そんな彼に、彼女はぴったりとくっついて、それを阻む。
「ダメ、です……リンダ、離れないと……」
「や……離れ、っ…ないで…っ…おねがい…っぁ…!」
彼にしがみつき、漏れる喘ぎの間に、彼に懇願する。
― 一瞬、彼は惑った。それでもいつもの彼ならば、冷静に、無感情に、
何の抵抗も無く、理性の行動をとっただろう。
しかし、彼女の言葉に、彼は理性ではなく、自身の衝動に身を任せた。
彼女の小さい体を抱いて、彼女の一番奥深くに、幾度も自身を穿った。
「んぁぁっ……、っ…、Lっ…あああっっ……っ!」
「っ…!リン…っ…!」
一際大きな啼き声と共に、背を大きく引き攣らせ、彼をキツク締め付ける。
崩れ落ちそうになる華奢な身体を最後の力で支えてやると、同時に彼にも限界が訪れた。



              …………どく …っ……!


―彼の肉茎が大きく脈打ち、堪えていたものを吐き出す解放感に、
眩暈さえも感じながら。
彼は。びくびくと痙攣を繰り返す彼女の胎内に、長く長く生を放った。
何度も、何度も。


307:237@L×リンダ
06/09/19 23:30:29 +KdDWMir

注ぎ込まれる彼の熱を愛おしく思いながら、意識を失う寸前、彼女は彼の耳元で、囁いた。
「……いなくならないで……お願い…」
―それは、まるで、彼自身の未来を暗示しているようで。
霞がかった頭の中で、縁起でもないと思いながら。
力を失い、ぐったりとした彼女をソファに、まるで壊れ物を扱うかのように丁寧に横たえた。
先程まで彼女と触れ合っていた部分に、ひやりとした空気がかすめる。
呼吸を整えながら、彼女の胎内から自身を引き抜く。
たちまち彼が放った白濁が、彼女の透明な液体と混ざり合い、零れ落ちていった。

それが何故か、妙に虚しくて。物悲しくて。

―そんな感情は、とっくの昔に無くしたと思っていたのに。

寝息を立て始めた彼女から離れ、ベッドの上の毛布を引き剥がして彼女に被せた。
先程までは、服を着ていても肌寒かったはずなのに。
今は、そのひやりとした感覚が、篭った熱をさますのに丁度いい。
すっかり冷たくなっていたコーヒーを一気に飲み干し、
快楽の後にくる体の虚脱感から、どうにか抜け出そうと試みた。

―まだ、考えるべき事は山ほど残っている。

しかし、僅かに残る後悔が―彼の思考を妨げた。

―後悔をすることになったのは自分自身だったのか。

自嘲気味に溜め息をついて、パソコンに触れる。
たちまちワタリへと通信が繋がり、彼に幾つかの指示を出した。
自分の気も知らないで幸せそうに眠っている彼女を少し恨めしく思いながら。


308:237@L×リンダ
06/09/19 23:31:08 +KdDWMir


***

どれ位時間が経ったのだろうか。
目を覚ますと、そこはいつも自分が眠っているワイミーズハウスの一室ではなかった。

覚めぬ眠気に、もう一度目を瞑ると、数時間前までの事がフラッシュバックの
ように頭を掠めて―

「!!え、Lっ…?」
「―やっと目が覚めましたか。後一時間眠っていたら無理矢理起こす所でした。」
がばっと身体を起こすと、毛布がはらりと落ちる。自分が全裸だという事に
気がついて、急いで毛布を被りなおした。
―夢じゃなかった。本当に、彼に―Lに、抱かれていたのだ。
その行為の始終を思い出し、顔が熱くなる。
彼は自分が眠るソファのすぐ側の床に直に座り、パソコンと睨めっこしていた。
画面には、よくわからないメッセージ性のある―暗号だろうか?
ぱっと見だったが、そこには上の行に『えるしっているか』と書かれているように見えた。
しかし、自分に背を向けるように座っているため、その表情は伺えない。
「L…私…ごめんなさいっ…ずっと眠って…!」
時計を見れば、時間はもう午前五時を回っていた。
眠った時間は具体的にはわからないが、七時間以上眠っていた事は間違いない。
彼の大事な時間を潰してしまった挙句、事件に追われ、
眠る時間さえ無い彼の側で、事もあろうに完全に熟睡していたのだから、
性質が悪い事この上ない。
「別にそれは構いません。事件のことは貴女には関係ないですから。
―ただ、出来たらもう少し早く目を覚まして、服くらいは着て欲しかったですけどね。」


309:237@L×リンダ
06/09/19 23:31:52 +KdDWMir

……構わないと言いながらも、皮肉を付け足すのも彼らしい。
そう心の中で思いながら、彼の横に脱ぎ捨ててあった服に手を伸ばした。
服を着ながら、思った。もう、これで、彼と先程のような時間を共有することは無いかも知れない、と。
それは彼の立場上の都合と、自分の都合とで。

彼女はまだ十四歳―しかし裏を返して見れば、もう十四歳なのだ。
ワイミーズハウスでは十五歳、通常の義務教育が終わる頃には、人生の選択を余儀なくされる。
ワイミーズハウスにそのまま十八歳までは残る事も出来る。―だが、Lを継げないほとんどの
院生達が、十五歳を境に新しい人生を歩み始めるのだ。
彼女も、Lの後継者としての夢は、とうに捨てていた。
努力しても、無理な事はある。いくら頑張っても、彼らには敵わなかった。
しかし彼女には、他に夢があった。大好きなものがあった。
後、一年。後一年経てば、その夢を叶える為に孤児院を出なければいけない。
―同時に、二度と、彼に会う事は出来ないだろう。
一度ワイミーズハウスを出た者は、その時点で『L』との繋がりを断ち切られる事になる。
それは『L』を守る為であり、Lについての情報が外部へ漏れるのを防ぐ為でもある。

それがワイミーズハウスを出る際の、たった一つの条件であり、義務でもあった。
胸が苦しくなる。もう、これで最後かも知れない。
思いっきり、泣きたい衝動に駆られた時。
「…朝九時の便でイギリス行きの飛行機を取ってあります。それに乗って
ワイミーズハウスへ帰ればいい。
ロジャーへも連絡してあります。貴女はあくまで、私が直に貴女を呼び出し、
捜査協力してもらったという事になっています。よってお咎めはないでしょうし、
捜査については何も聞かないように言ってあります。他の院生達には
別の理由を話してくれているはずですから、安心して下さい。」
「―……」


310:237@L×リンダ
06/09/19 23:33:23 +KdDWMir

自分が眠っている間に、そこまで手を回してくれていたなんて。
感謝と共に、申し訳ない気持ちで胸が一杯になる。
そして再び、彼との繋がりが断ち切られる切なさに、心が引き裂かれてしまいそうだ。

「ありがとう、ございます……L……私……」
「―リンダ。」
消え入りそうな彼女の言葉をさえぎるように、名前を呼ぶ。
突然名前を呼ばれて、彼女は次の言葉を失った。
彼の続く言葉を待ったが、なかなか口に出してくれない。
また沈黙が訪れ、不安が湧き上がってきた時。
彼は肩越しに振り向いて、―笑顔のような表情で。

「―三年後を、楽しみにしています」

「――……!」

三年後。―その言葉の意味を悟る。
ああ、そうだった。約束と言うほど強くはないけれど。
でも、きっと。
―Lと、私は、まだ繋がっている。
「……私も…楽しみにしています……L……」
嬉しくて。嬉しくて。目一杯の笑顔をしているはずなのに。
何故か涙が、零れ落ちた。まるで天気雨の空模様みたいに。

願わくば。彼が無事でありますように。

―そう思わずには、居られなかった。

END


311:237
06/09/19 23:37:14 +KdDWMir
本当に長くなってスマソでした…自分でびっくりです。
32レス分とは…(爆

>>268さんの描いたリンダに禿萌えしながら書いてましたw

今度はもっと簡潔にエロ重視で書きたいと思います。
ではこれにて。

312:名無しさん@ピンキー
06/09/20 00:31:59 DmbU6skv
神キテタ―――――――!!

「三年後を楽しみにしています」が切なすぎて泣けたよ…。
GJ!

313:名無しさん@ピンキー
06/09/20 02:54:15 /iYTZP+D
ちょ、良すぎwwwww
あんま魅上みたいでこれ言いたくないんだけど237氏は神認定
ありがとう、ありがとう、パンツ脱いで待ってた甲斐があった!

314:名無しさん@ピンキー
06/09/20 03:13:04 nHOXKEoX
よし、じゃあ俺が言おう

「あなたが神か?」

315:名無しさん@ピンキー
06/09/20 11:08:48 MLtEdWKi
ホント待っていた甲斐があった(*゜∀゜)=3 ムッハー!

316:名無しさん@ピンキー
06/09/20 17:45:36 oQET7M2c
ものすごいツボ
内緒~のくだりとかLっぽい萌えた
待ってて良かった!
これだからエロパロスレ覗くのはやめられん

317:名無しさん@ピンキー
06/09/20 23:13:51 azHn436f
>>311
いつのまにか来てたー!
乙です

318:名無しさん@ピンキー
06/09/20 23:14:51 PMek9pcQ
およよ!よよよ良かったよーーー!!!!!!1
GJ! ネ申!!!

319:名無しさん@ピンキー
06/09/21 16:32:23 76lsiEeD
レベルたけぇぇぇぇ
L好きってのもあるけど読み物としても凄く良かったよ!
ありがとう待ってて良かった。

320:名無しさん@ピンキー
06/09/21 16:49:18 AKqDrUCE
>>191の続き誰か書いて

321:名無しさん@ピンキー
06/09/21 20:15:39 wf5ApS7M
リンダは人気者だな

322:名無しさん@ピンキー
06/09/22 01:46:58 /rz8KHFa
くだらねー

323:191(268)
06/09/22 03:20:39 2v8pOiDz
8月にアフォな書き込みしてから早一ヶ月、まさかリンダがこんなに
無限の可能性を秘めた娘だとは思わなかったよ

237神の作品を読んでたらどうにも描きたくなってしまったエロ絵投下
URLリンク(2sen.dip.jp:81)

>191の続きは今のところ思いつかないので気が向いた神おながいします

324:名無しさん@ピンキー
06/09/22 18:54:35 /xZVMnKA
ええジャマイカ!ええジャマイカ!

325:名無しさん@ピンキー
06/09/23 01:35:40 22imMAhZ
かわいすぎてエロに見えない
でもごちそうさま

326:名無しさん@ピンキー
06/09/25 19:20:40 /lxvWO7y
>>323ウマ

327:名無しさん@ピンキー
06/09/27 23:05:34 gV5uEzwg
「ハル・リドナーだな?」
 俺は固くて重いものをハルの頭に押し付けながら、抑揚のない声で言った。
「・・誰かしら?」
 さすがというべきか、声に動揺の色は薄い。
「お前らが必死になって探してるメロだよ。まずは部屋の鍵を外し、中に入れ」
 そう言うと、ハルは意外なほどあっさりと言われたとおりにした。そしてさっさと部屋の奥へと入っていく。
 俺は多少驚きながらも、その後についていく。もちろん、相手の部屋へ入るのだから、あたりに充分警戒しながら。
「それで、一体私に何の用?」
「SPKの持ってる情報をよこせ」
 話は至極簡単だ。もちろん、断らせるつもりはない。俺は銃をさらにハルに近づける。
「そうね、協力はするべきね、お互い同じ相手を追ってるんだから」
 やや強張った笑みで、ハルはそう言った。
「協力だと?」
「そうよ、あなたも二アも、意地を張ってる場合じゃないでしょう?相手は、あなた達の尊敬するLを殺した相手なのよ」
 その言葉に、つい俺は一瞬考え込んでしまう。
 確かにLは俺の目標だったし、二アの目標でもあった。Lの凄さは知ってる。解決した事件の話だけじゃない。Lと実際に会話した時感じたあの衝撃は、抱いた憧れは、今でも色あせない。
 だからこそ、俺はその後継者を目指したし、仇もとりたかった。
 しかし同時に、俺には常に持ち続けた疑念がある。自分が、Lに及んでいないのではないか、ということだ。
 あの施設で一度だけ、俺は二アにそれをたずねたことがある。二アの答えは・・

328:名無しさん@ピンキー
06/09/27 23:06:07 gV5uEzwg
 そこで回想は途切れた。銃を持っていた手に、衝撃を感じたからだ。
「うっ!」
 気づけば拳銃が取り上げられ、その銃口が自分のほうに向いていた。
「くそっ!」
「動かないで!動けば撃つ!」
 俺はその言葉で動きを止めた。普段の俺なら何とかしていただろうが、今は自分の馬鹿さ加減にあきれ、やる気をなくしてしまっていた。
 二アの手下に銃をも奪われ、ホールドアップ?最低だ。
「くくっ、俺は何をしてるんだ・・」
 いや、この建物に入る前から、俺はぬぐいきれない敗北感を感じていた。建物をつきとめられ、さらには襲撃された時点で、俺は負けたようなものだ。
 キラは、俺が思う以上に強大な相手だった。そして同時に、ちょっとだけ安心していた。Lが敗れた相手が、取るに足りない相手ではなく、本当に凄い奴だと実感できたからだ。
「良いぜ、撃てよ」
 俺はもう、どうでも良くなっていた。俺にはキラを倒せなかった。そしてこんな所ですら、みっともないドジを踏んだ。俺なんて、そんなもんかもしれない。
 クスクスッ、とハルの笑い声が聞こえた。俺は生気の弱い目でその顔を見る。
「殺す気なんてないわよ、言ったでしょう、協力すべきだって」
「・・・俺にはそんな気はない」
「そう・・じゃあとりあえずそれはおいておいてメロ、聞きたいことがあるの。ノートで私を殺さなかった理由を教えて」
「何人か残しておくほうが便利だったからだ。いざという時のためにな」
「本当に、それだけ?」
「・・・・・」
「もう良いじゃない、私は知っているのよ」
 知っている・・?まさか。いや、しかしあの事を知っているのなら、ハルが何故余裕を持って俺と対峙していたのかということに説明がつく。
「ねえ?」
 ハルが妖美に笑う。その笑みに、俺は思わず息を呑んだ。そして同時に、新しい確信を持つことができた。
「やっぱり・・そうなのか」
「え・・?・・んっ・・・!」
 俺はいつの間にか、ハルに近づいてその唇を奪っていた。
 それは、自分でも信じられない行動だった。
 

    続く

329:名無しさん@ピンキー
06/09/27 23:09:02 gV5uEzwg
あー、また宣言なし投稿してた。ごめんなさい。
そしてかなり脳内設定多くてごめんなさい。
そして今日完結させられずに、明日以降に続かせてごめんなさい。

そして特に需要も微妙な組み合わせ・・かもしれないけど、
そんなこと気にしない俺でごめんなさい。

330:名無しさん@ピンキー
06/09/27 23:30:59 z3hagJqF
メロハルキター!

331:名無しさん@ピンキー
06/09/28 02:24:23 L3JjQ+7V
謝る時間があるなら続きを書くんだ

332:名無しさん@ピンキー
06/09/28 20:35:56 ocPREswG
続きを書くんだ!

333:327
06/09/28 21:54:43 ryUvduam
 自分でも信じられない行動のはずなのに、まるでそうすることが必然かのように、俺はハルの身体に触れていた。
「っ・・!メロッ・・」
 ハルは唇を離し、驚いた声を出す。その手も俺の体を引き離そうとするが、俺にはどこか白々しく思えた。本当に跳ね除けたいなら、拳銃を使えば良いはずだ。
「うくっ・・」
 俺は再びその唇を奪い、両手首をつかんでハルを押し倒した。
「まっ、て・・!」
 ハルの小さな抗議などまったく聞かず、俺はその衣服を、下着を、引き裂くように脱がしていく。やがて現れたのは、白い肌をもった美しい裸体。
 だがその姿に見とれる間も置かず、俺はその膨らみをもみしだき、乳首に唇を寄せた。
「・・ふふっ。もう、そんなに急がなくても良いのに」
 その言葉に、俺はいきなり頭を殴られたような思いがした。俺のやってることなどすべて、ショックを受けるに値しない、とでも言うのだろうか。
 俺は体の中の血が一気に熱くなるのを感じ、たまらずハルの身体を床へと思い切りぶつけた。
「あうっ!」
 小さな叫び声。この行動はさすがに意外だったのだろう。ほんのわずかな余裕を取り戻した俺は、まだ動きが止まったままのハルの股を無理やり開き、唇を近づけた。
「・・・っ・・!」

334:327
06/09/28 21:55:40 ryUvduam
 ハルの目が見開く。初めてハルが、動揺の色を見せた。
 俺はさらにペースを自分のほうへ引き寄せようと、一心不乱にその部分を貪る。考える隙を与えないつもりだった。
「うっ・・!あっ・・・・・!」
 両手でしっかりと掴んでいるハルの脚が、行き場を失ったように悶え、暴れる。
 やがて、その脚の動きも弱弱しくなった頃、いよいよ俺は自分のモノを取り出し、そこへあてがった。俺の唾液と、性的な分泌物により、充分過ぎるほどに濡れていた。
「ぁ・・ああああああっっっ!!!」
 ハルは身体と叫び声で、一気に刺し込まれたその衝撃を表現した。俺はその衝撃を持続させてやるために、間髪いれずに腰を振り始める。
「あっ、あっ!ああっっっ・・!!」
 身体を突かれるたび、ハルは悲鳴のような声を上げ、全身を震わせる。
 中の熱さ、こすれ具合。
 包み込み、吸いつくような、ハルの中。
 それは、俺が今まで体験したどの女よりも気持ちよく、どの女よりも衝撃的だった。
「・・・っ!」
 つい、俺は声に出さない叫びを上げた。信じられなかった。まだ入れてからほんのわずかな時間しか経っていないのに、すでに限界が目の前まで来ていた。
 そして考える間もなく、それは一気に膨れあがった。
「!!」
 次の瞬間、俺の目の前が真っ白になった。絶頂という単語を、俺は初めて信じた。


335:327
06/09/28 21:58:00 ryUvduam
言うまでもないだろうけど、>>333-334は>>327-328の続きです。
今日で決着つけようと思ったのに、思ったより長い話が頭の中でできてしまってるため、まだ続いてしまう。
また明日ね。

336:名無しさん@ピンキー
06/09/28 23:56:31 6+FXFo2X
早漏メロいいよーいいよー
名器ハルいいよーいいよー

337:327
06/09/29 20:35:10 SB1oV5sc
ごめん、今日書ききるはずだったけど、今日はぜんぜん時間ないので無理そうです。
小出しで引き伸ばしなんて、見てて邪魔くさいとは思うが、許してほしい。ごめんね。


338:名無しさん@ピンキー
06/09/30 00:42:26 lkLqM/XJ
いいから続きを(ry

339:名無しさん@ピンキー
06/09/30 01:12:32 0Mh/3DKa
メロハルGJ!ガンガレ!

340:327
06/09/30 23:03:21 3jXwFr4i
「お前は・・Lを直接知ってるな?」
 俺はまだ息も整わないうちに、ハルに聞いた。
 ノートに、SPK連中の名を書こうと考えたあの時。
 そのメンバーの中に、確かに聞き覚えのある名があった。ハル・リドナー。記憶を辿り、なんとか思い出したのは、Lの事件についてのことだった。
 あの施設では、時々Lの解決した事件について話を聞くことがあった。固有名詞などは避けて説明されることが多かったが、時々、個人名が出てくることがあった。
 その中に、Lに協力した人間の一人としてハルの名があった。
「え?」
「お前はLの駒として動いていた時があったはずだ」
「・・ええ、そうね」
 ハルの視線が、空中をさまいはじめる。過去を思い出しているのだろうか。
「そのLから聞いているわ、あなたたちのことを」
「なんて?」
「有望な二人だけど、それぞれ欠点を持ってるって」
「・・・・・」
 その通りかもしれない、と思った。二アにあの疑問を投げかけたときのことを思い出す。
『及んでないですね。少なくとも総合力においては。私も、あなたも』
 二アと、はじめて意見が合致した瞬間だった。
「ねえ、どうしても協力する気はないの?二アと」
「・・ないな」
「Lが、悲しむわよ」
 ぎくりとして、俺はハルの顔を見た。ハルは相変わらず微笑を浮かべている。
「私はLがキラを追っている時、一度だけ会っているの」
 ハルが、うっとりした目で語り始めた。

341:327
06/09/30 23:04:22 3jXwFr4i
「久しぶりですね、L。でも素顔を見せてくれるなんて、どういう風の吹き回しですか?」
「今は色々な人に顔を見せていますよ。もちろん、私がLだということを知っているのは、本部の数人だけですが」
 そこはLの指定した一室で、バックに美しい夜景が見える部屋だった。
「実は・・今キラと思わしき人間を見つけ、接触しているんです」
「さすがですね、L」
 これがL以外の人間だったら見当違いをまず疑うが、Lの場合、むしろ疑うことが馬鹿らしく思えてしまう。
「しかし、恐ろしい頭脳をもった相手です。ひょっとすると、私は死ぬかもしれません」
 私は耳を疑った。
「何を・・言っているんです?あなたらしくもない」
「事実は事実です。まあもちろん私は勝つつもりではいます。ですが・・死ぬ可能性もわずかにある、ということです。そこで、一つ保険をかけておきたいんです」
 そう言ってLは、私の顔をじっと見つめた。その常人離れした強烈な眼のせいで、私は身体が硬直してしまう。
「私が死ねば、私の後継者候補である少年達、とくに二アとメロがキラを追うでしょう。しかし彼らは仲が悪く、協力することは恐らくない。だからあなたには、いざという時二人の橋渡しをしてほしいんです」
「私に、その二人の仲を取り持てと?」
「はい。私の解決した事件についての講義の際、あなたの名はわざと教えるように、ワイミーズハウスに伝えています。
きっとキラを追うことになれば、どちらか、あるいは両方が、あなたに接触を図ってくるはずです」
「手回しの良い事ですね。そうなると、私にはもう協力する選択肢しかないじゃないですか」
 少し意地悪く言ってみると、Lは少しだけ目を伏せ、すまなそうな顔をした。
「確かに、あなたに無断でやってしまったのは悪かったと思います。すみません」
 その答えを聞き、私はついクスクスと笑ってしまう。
「・・・リドナー?」

342:327
06/09/30 23:05:27 3jXwFr4i
「いえ、冗談です。あなたにそれだけ信頼してもらっていることは、光栄ですし嬉しいです。喜んで協力します」
 そう言うとLは、ほっとしたような顔をする。その様子につい、かわいい、と感じてしまう。
「そう言ってくれると信じてました」
「でも・・何かお礼ぐらいもらえませんか?L」
 私はじりじりとLに近寄っていく。
「お礼ですか。そうですね、充分な謝礼は払い・・」
 私はLに最後まで言わせないように、その唇を奪った。
「どういうつもりです?」
 Lらしくもなく、ちょっと動揺したような声だった。
「お礼はこれで良いですよ、L」
 私はそのままLの顔、首筋へとキスの雨を降らせ、服を脱がしていった。
 Lは後ろへと体勢を崩しながら、嫌がるでもなく喜ぶでもなく、淡々と私の行為を受け入れていった。


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