06/06/13 00:33:04 nLYt51ff
……ズカァ!!
「……!! うあああああああああああああぁぁ!!!! ……なっ……う……い……石……!!」
悲鳴が上がった。榊の。
神楽は榊のけりをすんでのところでガードしたのだ。丁度榊のすねの部分を狙って、にぎりこぶしを横に。
その手には、突き出た大きな石が握られていた。
つまり、榊は、全力で、自身のすねを、石にぶつけたのだ。
「あ、あ、痛い!! くあああああああ!! い……痛いっ!!」
骨が折れるような痛みが榊を襲った。榊は痛みに慣れていない。ひとたまりもなかった。
―ザッ
「……逆転……かなぁ……榊ちゃぁぁぁぁん!!!!」
涙を流して痛みを必死に耐えようとする榊を、神楽は突き飛ばすように蹴り込みだした。
―ドス ガッ ガッ
腹、腰、頭……蹴られた榊は押されるように後退した。
誰も気付かなかったが、もう二人は公園内に入っていた。榊のあと1m後ろには公衆トイレがあった。
―ガッ!!
蹴り込まれた榊はもんどり打ってトイレの中にころげた。
同じように神楽もトイレに入った。
「なぁ、榊……? さっきの私の言葉、修正するよ……」
「うう……あ……?」
「ここには……私が榊を殺そうとするのを止める……観客さえいないんだぜぇぇぇ!!」
「あ……あ……!! いや……いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
榊の悲鳴がトイレに響いた。しかし誰もトイレに入る者はいなかった。
《続》