◆無垢ではない美しさ ジルオール闇小説 その5◆ at EROPARO
◆無垢ではない美しさ ジルオール闇小説 その5◆ - 暇つぶし2ch290:ザギヴ、嫉妬
06/08/06 03:20:37 xc4/o1SI
>>268の続き


夜も更けたロストール。
今日は、スラムの酒場から美しい歌声が聞こえてくる。
何事かと常連のゼネテスが覗いて見ると、意外な人物が居た。

アトレイア王女だ。
何で彼女がこんなとこに…
そういぶしかんだゼネテスだったが、ほかに見知った顔を見つけて合点がいった。

レルラがハーブを弾き、ルルアンタがアトレイアの歌にあわせて踊っていた。
デルガドが酒を飲みながら楽しそうに手拍子を打っていた。
そしてセンナがニコニコと皆の様子を見て笑っていた。

やれやれ、とゼネテスが頭をかいていると、センナがゼネテスに気がついて、
手を振って招きよせた。

「何だよセンナ、こんな盛り上がってんのに、お前は相変わらずそれか」
ゼネテスがセンナの横に座りながらセンナが飲んでいるお茶をからかうと
「いーや、今日はブランデーを落としてるんだ」
そう言って誇らしげにティーカップを口に運んだ。
「……名前が売れても、酒は相変わらずか。
 いつか、お前さんと飲み明かしたいと思ってたが、諦めるべきだな、こりゃ」

しばらくセンナと話していたゼネテスだったが、すぐに酒飲みのデルガドに捕まってした。

そんな酒場の様子を、眉根を寄せた顔で見ている女性が居た。
ザギヴだ。
肴のテラネ茄子にも手をつけず、かなり強めのお酒をハイペースで飲んでいるのに、
まったく酔った様子が無い。

アトレイアの歌が終わり、拍手が沸き起こる。
喝采を浴びながら、アトレイアはセンナに駆け寄った。
「センナ様!
 どうでしたか、私の歌は?気に入っていただけましたか?」
「うん、素敵だったよ」
「本当ですか?
 ありがとうございます!」
そういって笑うアトレイアの笑顔は、かつて闇の王女を自称していた彼女からは
想像出来ないほど明るいものだった。

それを見て、ザギブは指をかんだ。
その表情は、アトレイアを睨んでいると言って差し支えないものだった。

アトレイアがセンナの横に座ろうとすると客の一人がアンコールを希望してきた。
すると他の客も次々にアンコールを希望し、あっという間に酒場は「アンコールッ!!」
の大合唱になった。

戸惑っているアトレイアにセンナが頷くと、アトレイアは張り切ってステージへと
戻っていった。




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