06/09/08 05:53:34 YANjd2HH
あなたと私が夢の国
少し前、マラリヤ姐さんは、サンダースさんと恋人になりました。
「―と、いうわけで、めでたく結ばれてから1ヶ月が経ったわけだが……」
「早いものね……」
「―我々は特になにも変わっていないように思える」
「そりゃまあ……お互いありのままの姿を好きになったのに、
まさか変えるわけにもいかないし……」
「取りあえず、このままではいかんと思い、私なりに小説、映画、漫画
などから恋人としてあるべき姿のノウハウを調べてみたがなんの役にも立たなかった」
「周りが都合よく事件を起こしてくれる媒体で調べてどうするのよ……」
「その通りだ。まったく! 漫画なぞを読んだせいで時間を無駄に潰したわ!」
「ところで、あなたのそばにある開き癖のついたコミックスは何かしら……?」
「……君が昨日見た女性は、実は私の妹で……」
「その言い訳は浮気がばれた時に使うのよ……
別に漫画に夢中になっていたからって軽蔑なんかしないから安心なさい」
「……すまない、少々気が動転した」
「馬鹿ね……」
「ちなみに今日読んだものは 〝ヒロインが転校した学校に行く初日、うっかり遅刻
をしてしまい仕方なく壁をよじ登り乗り越えたところ、着地した地点がこれから
結ばれるであろう男の腕の中〟 というものだった」
「……あなたのペット、見事な魚ね」
(1)
「……で、いきなり外に連れ出して何のつもりかしら?」
「よく聞け、マラリヤ。我々は現在、恋人として交流を深めているわけだが、
お互いに色恋ざたには疎い、この件に関しては修練生といってもいいぐらいだ」