クイズマジックアカデミーでエロSS!三回戦at EROPARO
クイズマジックアカデミーでエロSS!三回戦 - 暇つぶし2ch298:名無しさん@ピンキー
06/09/01 01:08:34 Sv4M5s+C
タイガスレの住人へ。(ちょっと借ります。)
何が「びびってんなよチキン」だ?ふざけるにも程が有りすぎるぜ^^
実際警察なんか来なかったし。学校からも電話なんか来なかったし。
バカじゃねーの?俺がそんなことでくじけると思ってんのかよ?
通報とかどこに通報したか書いてなかったから、すぐにガセだと分かったよ。

ちなみに俺の学校には「吉岡」なんて先生居ませんから。副担任って嘘だったから。
俺の学校の奴らが一番よく知ってると思う。

俺は学校でいじめられてるっつーか、周りに相手にされてないだけ。
もういいよ。2学期の3ヶ月間学校では周りのシカトとかに耐えてやるしかない。
俺が周りからキモいと言われているのが原因なんだからな。
2学期からスタイル変えていこうと実際思ってるし。

タイガスレ。あばよ。学校の連中にも俺の気持ちが伝わったし、2学期は胸張って頑張るよ。

299:名無しさん@ピンキー
06/09/01 10:10:00 cGwzlg+O
えーとなんていうか

邪魔くさいからおんもでやってね

300:名無しさん@ピンキー
06/09/01 18:54:27 d9kIV7qd
ウゼェよ中村圭一

301:名無しさん@ピンキー
06/09/02 17:44:32 iW06/gZw
どうして保管庫が更新されないの~??

302:名無しさん@ピンキー
06/09/02 19:53:09 ov/8w0sV
>>301
色々と忙しいんだと思う。
気長に待とうぜ。

303:ライン
06/09/02 20:47:42 XkyW3IyZ
修学旅行編、序盤のみですが投下します。
なお今回は読むに至り、以下の点に注意いただきたいと思います。

※酒が入っていたため、数箇所程壊れ気味な文章になっています。

※ユリがやたらと積極的です。

※甘いかどうかは保証出来かねます。

上記を理解した上で読んで貰えれば幸いです

タイトルは「ロマンシング・メモリアル」等です。

304:ロマンシング・メモリアル
06/09/02 20:49:16 XkyW3IyZ
「海だ・・・」
「水着だ・・」
『おっぱいだー!』
「煩い黙れ」

なんのかんのと事前イベントが多発した修学旅行だが、今しがた無事に現地に到着した途端、タイガとレオンがテンションに任せて暴走した。
押さえはサンダース。
この事で、レオンとタイガは少女たちにペアを切られ、修学旅行中男二人での行動のみと言う哀しすぎる仕置が待っている。


んなこたどうでもいい。

投げやり気味だが、今回の主役はあくまでサンダースとユリだ。


で、その二人だが。
サンダースはレオンとタイガに冷たく突っ込んではいるが、背にはサンダースとユリの分の荷物を背負っており、さらに飛行機内で眠りこけるユリを、お姫様だっこなどしている。
起きていれば夢のような体験なだけに、寝ている事が非常にもったいないぞユリ。

「君の荷物ぐらい持ってやるよ」
「大丈夫だセリオス。この少女は軽い。荷物も然程ではないのでな」
「そうか」

セリオスの声かけにも笑顔で対応のサンダース。
少女でなくて、ユリと呼び捨てにしてやってほしいのは、サンダースを想うユリを知ってのことか。
サンダースのただ一人の親友として、セリオスは彼等を見守ることにした。

で。

一行は、今回の旅で滞在するホテル「魔時亜日」へと到着するやいなや、長旅の疲れもあって当てがわれた部屋で倒れていた。
ユリを抱っこしていたサンダースも例外ではなく、『唯一』あったベッドに彼女を寝かせ、彼も暫くの眠りに身を委ねた。

305:ロマンシング・メモリアル
06/09/02 20:50:38 XkyW3IyZ
さてさて。
飛行機の中から寝ていたユリは、当然の如くサンダースより先に目を覚ます。

(うぅ~ん、ここどこぉ・・・?)

まだ重い瞼をこすりこすり、目を少しだけ開いたそこに・・・。

「・・・・!!」

眠気が一気に吹き飛ぶ。
ユリの隣、唇が触れるか触れないか程の近距離に、サンダースの穏やかな寝顔があった。
一定に保たれる寝息、全くの安全を信じきっている寝顔。
そして、夕焼けに照らされる部屋を少し見て、ここが目的地のホテルだと理解した。

(そっか、サンダースが運んでくれたんだ)

飛行機内で眠気に負けた自分を、ユリは理解していた。
そしてサンダースはユリの事を他人まかせにするほど冷たくない。

(・・・キス、してもいいよね?)

もう我慢出来ない。
ユリは、そうっとサンダースの唇を奪った。

そっと触れ合う唇と唇。
夏休み最終日から抱き続けた切ない想いと、サンダースへの真っ直ぐな想いをいっぱいに伝えるかの如く、そのキスは長くて。

(・・大好き。今はサンダースが寝てる時にしか出来ないけど・・)

必ず、二人で遠慮もなくキスしあえる関係になってみせる。
ユリがそう誓って、唇を離すと。

「・・・・・」
「・・・・え?」

サンダースと、目が合った。
何時もと変わらぬ無機質な目が、逆に痛い。
・・・暗に、ユリを追い詰めている気がして。

「・・・」
「あの、その、ね?」
「・・何だ、今のは?」

人工呼吸か?とか間の抜けた台詞を吐くサンダースに、ユリは拍子抜けする。
そして、そういえばサンダースはこんな男だったと再確認もしてみる。


306:ライン
06/09/02 20:52:18 XkyW3IyZ
取り敢えずここまで。

以下鋭意制作中のため、気長にマターリ待って貰えると嬉しいです

破綻気味な文章にならないように気をつけねば、なラインでした

307:名無しさん@ピンキー
06/09/03 02:06:06 D+inJNtJ
ユウきゅんマダー?

308:名無しさん@ピンキー
06/09/03 23:33:15 mZI+HvXw
誰もー覚えてないだろーけどー
カイルとーヤンヤンのー続きー
未だやろうと引きずってるー

ユウきゅん女装ネタもー考えてるー

ただただ時間が欲しいーorz

309:名無しさん@ピンキー
06/09/04 00:27:59 l3/GASlN
ユウきゅんネタ、以下の内容で考えてる。受けはアロエたん。
まだ前編書き終えてない。時間ほすぃ。
さわり書くのでこんなんで良いかおすえてくんろ。


「僕のアロエちゃん・さわりだけ」

僕はユウ。今は一応マジックアカデミーの生徒なんだ。
というのも、半年前に前に通っていた学校の校長先生から転校の話しが来たんだ。
「ユウ君、君はもう我々の学校で満足できるレベルではない。マジックアカデミーに
 推薦状を書いてあげるから、そこで勉強してみる気はないかね?」
マジックアカデミーは幼なじみのラスクとアロエちゃんが飛び級で入学したってことを
聞いていたから、校長先生からの話しを断る理由なんてなかった。
「え?いいんですか?僕なんかで・・・」
「ユウ君、君は謙遜しすぎるが、君のお姉様のサツキ君と同じく魔力の潜在能力は
一般の生徒とは桁外れに違う。もっと上を目指して勉強してみるのも悪くはないと思うのだが?」
「校長先生がそういうのなら、是非転校させて下さい!!」
「そうか、じゃあ来週末にはマジックアカデミーに転校できるよう私が
 手はずを整えよう。ユウ君は引っ越しの準備をしておいてくれ。」
「僕なんかの為にありがとうございます・・・」
「いいんだよ、マジックアカデミーで賢者になれるよう精進してくれたまえ。」
「はい!!」
そういういきさつがあって、僕はラスクやアロエちゃんと一緒の学校に再び
通学できるようになったんだ。(実際は寮生活なんだけどね)

310:名無しさん@ピンキー
06/09/04 17:28:42 nasmEISB
おおっ前スレ230氏ですか?
カイルとヤンヤンの続き密かに待ってる奴が一人居ますノシ
焦らなくていいので頑張ってください。

311:名無しさん@ピンキー
06/09/04 22:59:04 ueY5zhOe
ありがとう、その一言で頑張れそーだ!

因みに308=309ではないですぜ
文脈的に繋がって見えるので一応

312:名無しさん@ピンキー
06/09/05 01:09:37 qMO27U2k
覚えてます&期待してますよ~>前スレ230氏

オレも短期のバイトが終わったら書きかけのSS完結させないとな・・・
あ、別にここに公開するやつじゃないんで(汗

313:577
06/09/08 05:51:26 YANjd2HH
投下します。

サンダース×マラリヤで、前半小ネタ、後半小説です。
長くなったので前・後に分けました。よろしくお願いします。

314:サンダースさんとマラリヤ姐さん(1/12)
06/09/08 05:53:34 YANjd2HH


あなたと私が夢の国
少し前、マラリヤ姐さんは、サンダースさんと恋人になりました。



「―と、いうわけで、めでたく結ばれてから1ヶ月が経ったわけだが……」

「早いものね……」

「―我々は特になにも変わっていないように思える」

「そりゃまあ……お互いありのままの姿を好きになったのに、
まさか変えるわけにもいかないし……」

「取りあえず、このままではいかんと思い、私なりに小説、映画、漫画
などから恋人としてあるべき姿のノウハウを調べてみたがなんの役にも立たなかった」

「周りが都合よく事件を起こしてくれる媒体で調べてどうするのよ……」

「その通りだ。まったく! 漫画なぞを読んだせいで時間を無駄に潰したわ!」

「ところで、あなたのそばにある開き癖のついたコミックスは何かしら……?」

「……君が昨日見た女性は、実は私の妹で……」

「その言い訳は浮気がばれた時に使うのよ……
別に漫画に夢中になっていたからって軽蔑なんかしないから安心なさい」

「……すまない、少々気が動転した」

「馬鹿ね……」

「ちなみに今日読んだものは 〝ヒロインが転校した学校に行く初日、うっかり遅刻
をしてしまい仕方なく壁をよじ登り乗り越えたところ、着地した地点がこれから
結ばれるであろう男の腕の中〟 というものだった」

「……あなたのペット、見事な魚ね」


(1)


「……で、いきなり外に連れ出して何のつもりかしら?」

「よく聞け、マラリヤ。我々は現在、恋人として交流を深めているわけだが、
お互いに色恋ざたには疎い、この件に関しては修練生といってもいいぐらいだ」


315:サンダースさんとマラリヤ姐さん(2/12)
06/09/08 05:54:48 YANjd2HH

「私もそんなに経験があるわけじゃないし、あなたにしてみたら私が初めてね……」

「今はまだつき合い始めゆえに、さしたる問題は出ないだろう。しかし、これから先、
少しずつ問題が出てくるであろう時期にまで何も知らないままだったらどうする。
知っていさえすれば些細な誤解で済んだものが、我々の致命傷になるやもしれんのだぞ」

「……それで?」

「これから二人で一から愛を学び直す。私は今日までにあらゆるものから調べ上げ、
これはと思うものを抜き出した。今から実際に行動にうつし、よりよい恋人へと
なれるよう訓練をする。何事も経験に勝るものはない」

「何かするの?」

「もちろんだ。まずは『出会い』から始める。正しい出会いは、後の関係の良し悪しを決める。
逆に言えばこれができなければ、次へは進めん。

―さて、ここに食パンを用意した、君はこれを…… ま、待てっ!? どこへ行くマラリヤ!?」


(2)


「まだ説明を終えていないのだが……」

「食パンだけ聞けば充分よ……私くわえないし、走らないし、ぶつからないわよ」

「何故だ? 何が不満だ?」

「当然よ……私たち、出会うどころかもう関係を持っているじゃない……
もうゴールしたのに、なんでスタートに戻ってサイコロを振り直すような真似をするのよ」

「基礎工事のできていない建物はすぐに壊れる、これは人の関係においても同じだ。
面倒だからと怠っては、後の悲劇は免れん」

「……だから私たち、すでにできた関係でしょ?」

「例えすでに関係ができていたとしても、今以上によくなるのなら
始めから組み立て直すべきだ。愛とはいくらでもやり直しが可能なものであるはずだ」

「その意味でこの言葉を聞くのは初めてね……」


316:サンダースさんとマラリヤ姐さん(3/12)
06/09/08 05:56:08 YANjd2HH

「さあ、わかったのならくわえるがいい!」

「嫌よ……大した理由もないのに、食パンくわえて走るだなんて間抜けじゃない……」

「恥じる必要がどこにある? 君なら輝くばかりの萌えヒロインになれる」

「冗談じゃないわ……」

「マラリヤ、勇気を出せ」

「あなたは正気に戻って」


(3)


「頼む、この通りだ……!」

「……仕方ないわね、一回だけよ?」

「よし! ならばただちに始めよう!」

「やれやれ……まずはこれをくわえて……」(ぱくっ)

「―待て。構えが違う」

「……構え?」

「いいか、食パンはこう

 → □ 

ではなくこう

 → ◇ 

ひし形になるようにしてくわえるんだ。やるからには完璧な慌てんぼうさんを目指せ」

「慌ててる時点で完璧でも何でもないじゃない……」


317:サンダースさんとマラリヤ姐さん(4/12)
06/09/08 05:57:29 YANjd2HH

「そして面倒くさがらずにトーストしろ、バターとジャムも忘れるな」

「……遅刻しそうなヒロインって、どうしてわざわざ時間を潰すような真似をするのかしら?」

「なお、ジャムは苺以外は認めん」

「……もう何だっていいわ」


10分後


「パンの用意ができたわよ……」

「さっそく行動に移そう。時計を出せマラリヤ、私が角を曲がってからきっちり
3秒後にぶつかるよう合わせる」

「私こんなところで何をやってるのかしら……」

「合わせたな……よし! 定位置に着け! ただいまより、行動を開始する!

――作戦名、『運命』!」

「作戦にしてはえらく抽象的ね……」



本番10秒前


3、2、1……



 提供:マジックアカデミー


 ドラマ【 運命 ~僕と君のマジカルレッスン~ 】


318:サンダースさんとマラリヤ姐さん(5/12)
06/09/08 05:59:00 YANjd2HH

タタタタ……


スタスタスタ


タタタタ……(何かをくわえながら走るのって辛いわね……)


スタスタスタ(A地点を通過、これから10秒後目標人物と接触)


タタタタ……(あの角から現れたサンダースにぶつかって……)


スタスタスタ(通過確認、この角を曲がり次第衝突を……)


クルッ……



タタタタタタタタタタタタ…………………ガッ!(←小石)


ずべっしゃあっっっ!!!! ごろごろごろ…………!


「ぬうっ!? マラリヤ!!?」


***


「派手に転んだな……大丈夫か?」

「……なわけないでしょう……鼻すりむいたわ……」


319:サンダースさんとマラリヤ姐さん(6/12)
06/09/08 06:00:26 YANjd2HH

「安心しろ、顔に傷を負っても私は変わらず君を愛している」

「愛しているのなら、ケガさせるような真似をさせないでほしかったわ……」

「―ところでマラリヤ」

「……何よ?」

「転んだ君が大変愛らしかったので、ぜひもう一度転んでほしいのだが……」

「いい加減しばくわよ……」


(4)



ビョオオオオォォォォォ……(※IN雪山)


「……サンダース、ここはどこかしら?」

「見ての通り雪山だ」

「……一応聞くけど、何をするの?」

「『遭難』だ。今度は極限の状態の中で愛を鍛える。
まずは雪道を歩き裏寂れた小屋を目指しそれから……」

「もういいわ……さっきのことといい、一体なんの漫画の影響?」

「漫画ではない、映画だ。極限を見事切り抜けた男女は互いの目と目を見つめあい
こう呟くのだ、『こんな時、どんな顔をすればいいの?』『笑えばいい』と……」

「笑えないのはこの状況よ……」


***


ビョオオオオォォォ……


「ふむ……風が強くなってきたな……」

「風もそうだけど、道もよくわからないわ……」


320:サンダースさんとマラリヤ姐さん(7/12)
06/09/08 06:01:39 YANjd2HH

「本来ならそろそろ見えるべき地点がまったく現れん……
何てことだ! マラリヤ、我々はどうやら遭難をしてしまったらしい!」

「……今日のあなた、おそろしく頭が悪いわね……」

「不覚だ……遭難によって君との愛を深めるつもりがまさか本当に遭難
してしまうとは……」

「本末転倒……と言いたいところだけど、本と末の理由が一緒だから転倒しても
大して意味は変わらないわね……」

「こんな吹雪の強い雪山は大変危険だ……せめて風の防ぐ場所でも見つけないと
命にかかわる……」

「そこまで危険を知っていながら何故来たのよ…… あら? ねえ、アレは何かしら……?」

「建物らしきものが見えるな……よし、行ってみよう」


ガサッ…!


「小屋みたいね……」

「定期的に誰かが使っているのだろう、古びてはいるが廃墟ではない……
ありがたい、当初の予定とは違ってしまったがここで休ませてもらおう」

「不法侵入なんて気がひけるわ……」


321:サンダースさんとマラリヤ姐さん(8/12)
06/09/08 06:03:03 YANjd2HH

ガチャ……


「鍵はかかっていないようだ」

「良かったわ……壊す必要がなくて……」


ギィ……


「ほう、なかなかしっかりした造りの………………………………

…………………………………………!!!??」


ゴトッ!


 「 ……だ、誰か……来たのか……!? ……た、頼む……助け……! 」




「…………………………」

「…………………………」

「……サンダース」

「……どうやら、我々よりも先に遭難してしまった人物のようだ」

「…………………………」

「…………………………」

「………こんな時、どんな顔をしたらいいの?」

「………笑ってはいけないことだけは確かだろう」


322:サンダースさんとマラリヤ姐さん(9/12)
06/09/08 06:11:08 YANjd2HH

「ちょっとちょっと!? 聞いた!! あのね、サンダースとマラリヤが……!」
「知ってる、雪山で人命救助でしょ?」

息を切らしながら、教室に飛び込んだユリにルキアが応える。
人の少ない朝にもかかわらず、すでにルキアの机の周りには見慣れた顔が集まって
小さな群れを作っていた。


皆の目当ては机の前に置かれた一枚の新聞、見出しは『お手柄! アカデミー生!』。


「とある旅館の経営者が仲間と一緒に雪山で登山をしていたところ、うっかり皆と
はぐれてしまい遭難。なんとか小屋に避難はできたものの、ひどい衰弱のため
連絡を取ることもできず苦しんでいたところを、サンダース君たちが発見したそうです」

今きたばかりで大した事情を知らないユリのために、カイルが問題の記事の部分を大ざっぱに
拾い読み上げる。だいぶ省略はしてあったものの、重要な部分はきちんと含まれていたため、
この説明だけでユリは理解をすることができた。

「ほへ~……でもさ、確かにすごいけど二人ともなんで雪山なんかにいたの?」

カイルの説明にユリは感心するものの、すぐに首をかしげて当然ともいえる疑問を口にだす。
この疑問は皆が思っていることでもあった。

「訓練とか修行とかじゃねえの? ほら、サンダースってしょっちゅうそんなこと
ばっかやってるしさ」
「でもそれじゃあマラリヤさんを連れて行く必要はないんじゃ……」

レオンがそれらしい理由をあげるも、カイルはあっさり否定。
確かにその推測が正しいのなら、サンダース一人で行くだろう。
マラリヤを連れていく説明にはならない。

「あ! じゃあマラリヤが実験に使うキノコを二人で採りに行ったとか……!」
「……雪山にですか?」

今度はルキアの推測をクララが否定する。
仮に雪山にしか生えていないキノコだとしても、わざわざ遭難しやすい山を選ぶ理由がわからない。


323:サンダースさんとマラリヤ姐さん(10/12)
06/09/08 06:12:29 YANjd2HH

「う~~……なんかもう訳わかんなくなってきた……こうなったら二人に直接……」
「姐さん達なら今日はおらんで」
「え?」

埒があかなくなってきた堂々巡りに、ユリが最終手段を提案しようとした矢先、タイガが
すぱりと言葉を遮った。

「温泉やて、二人で」
「助けられた方のご招待だそうです。その方自身はいま病院にいますけど、その方のご家族
がお礼にぜひと……旅館経営者らしいお礼といえばお礼ですね」

ごく簡潔にタイガが二人の不在の理由を述べ、補足するような形でカイルがその後を続ける。
どうやら最終手段すら叶わぬらしい。

「今日行ったの? 昨日そういうことがあったのに?」

途中を抜かしたような展開のはやさに、ユリが訝しげに眉をよせる。
助けられてお礼をするのは別に珍しいことではないが、昨日の今日ではいくら何でも早すぎる。

「今の時期は割と空いているからだそうです。来月になったらアカデミーはテスト期間に入りますし、
ちょうどいいと思ったんじゃないですかね」

そう外れてはいないであろうカイルの推測に、ユリはもちろん皆も納得の表情を見せた。
あの二人なら突拍子もない選択をしてもなんら不思議はない。
なんせ普段の行動からして突拍子もないのだから。

「ちぇっ、結局あいつらが帰ってくるまで理由はお預けかあ……」
「せめて事前におかしな行動でもしとったらなあ……」

好奇心丸出しのレオンとタイガが残念そうにため息をつく。
その時、二人の間に割り込むように小さな影が現れた。アロエだ。


324:サンダースさんとマラリヤ姐さん(11/12)
06/09/08 06:13:57 YANjd2HH

「あ! アロエ昨日マラリヤお姉ちゃんがおもしろいことしてるの見てたよ」
「うおい!? マジで!?」
「よっしゃでかした! アロエ、はよ言えや!」

突然の言葉に、アロエを中心にして辺りの空気がにわかに活気付く。
皆、意外な人物が情報を持っていたことに驚きつつも、解明に結びつくかも
しれない答えに期待が膨らむ。はやる気持ちを抑えながらアロエの言葉を待った。

そして

「あのね、トーストをくわえながら走ってたの」

皆、の時間が同時に止まった。

「……………………え?」

一番最初に時から解放されたルキアが間の抜けた声を出す。
だがこの声は皆の気持ちの代弁でもある。

「……姐さんがなんやて?」
「……走ってただぁ?」
「……トーストくわえて?……ありえない……」

次々と解放された者たちが思い思いの言葉を口にする。言葉は違うが皆、心は一緒だ。
それは何かの間違いだと。

「いや、腹が空いていたんだろう。それなら何もおかしいことはないよ」
「おかしくない訳ないでしょう!!」

ここにきて、ようやくセリオスが口を開いたものの、かえって場を混乱させるだけの
言葉だったために慌ててカイルがつっこんでせき止める。
それでも混乱が生じないはずがない。


325:サンダースさんとマラリヤ姐さん(12/12)
06/09/08 06:15:30 YANjd2HH

「え~と、トーストをかじっているうちに雪山に行くことを思いついて……」
「クララ、いくら何でもそりゃないってば……」
「僕としては腹が空いたらパンではなくごはんのほうを食べるな。腹持ちが断然いい」
「あ、私も! 運動後のおにぎりなんてもうチョー最高!」
「くおらぁっ!! なんでいきなりメシの話になってんねん!!」

めいめい好き勝手な事を言い始め、和の乱れが徐々に激しくなる。
もはや止めることは不可能だった。

「なあ、パンの特売日だったから食ってたってのはどうだ?」
「意味がわかりませんよ!? 大体なにがしたいんですか!?」
「お姉ちゃんちゃんとジャムを塗ってたよ、苺だよ」
「僕だったらブルーベリーを塗るな、眼精疲労によく効く」
「お前の好みは関係ないやろがぁ!!」

この混乱は授業が始まるまで、治まることはなかった。


326:577
06/09/08 06:17:49 YANjd2HH
以上が前半です。
できる限り早く後半をあげたいです……

327:前スレ506
06/09/08 08:52:12 KbJEHOzt
お久しぶりです。
拙作へのコメント感謝です。

>>ライン様
GJですよ!
十分クオリティ高いですよ。 当方に比べれば。

>>230
カイル×ヤンヤンを待ち侘びて、勃てた首が攣りそうなのがここに一人w
マイペースで行きましょう。

>>577
サンマラ続編GJです!
てか、サンダースがアホすぎてワロスw
…でも、本当に、小説や漫画から愛の言葉をピックアップしてそうですな<軍曹

そろそろ当方もネタを形にしてみますかねぇ…
・ラスク×アロエ(エロ薄め)
・アメリア羞恥
…要りませんか、そうですか…

328:名無しさん@ピンキー
06/09/08 08:58:50 9rQRs681
このスレに神が降臨したようですねww
エロはなくとも十分に楽しめる内容ですた。
577氏は書き物を書くのが上手ですなー。

329:名無しさん@ピンキー
06/09/08 12:42:08 G3ktKx2E
>>577
GJ!面白かったです。
アホ軍曹可愛いです。
それと、カイル復活したんですね。良かった。

330:名無しさん@ピンキー
06/09/08 23:58:37 nIqFm6Rw
GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!

面白い!!早く続きー    頼む

331:名無しさん@ピンキー
06/09/09 17:04:06 pgO0led5
ルキア×ユウを見てみたい

332:名無しさん@ピンキー
06/09/11 16:13:52 pRoc7mUC
>>314
GJ! サンダースバカスwww
奴は確かに少女漫画でもなんでも最初は馬鹿にしてても
のめりこむと物凄い信者になりそうだwww
マラリヤの力ないツッコミにも吹いたw 続き楽しみにしてるよーノシ

333:名無しさん@ピンキー
06/09/12 17:16:31 6KUPp7A1
ここでサンダース×アロエを是非と言ってみる。

334:名無しさん@ピンキー
06/09/12 21:56:44 kESZtNjg
カイル×マテウス

335:ライン
06/09/13 02:01:25 i3BcBUN1
今回もクオリティが微妙な私が来ましたよ



あぁ、今回もシナリオは少ししか進みません。
作風変わってる恐れありますが気にせずに。では。

336:ライン
06/09/13 02:02:12 i3BcBUN1
大きな深呼吸を一つ。
ユリは、よし、と呟いて、サンダースに声をかけてやる。

「あのね、サンダース。今のは、」

顔が熱を増した。

「キスって言ってね、」
「鱚?あれが魚だと言うのか?」

違うよ、と内心だけ否定してみる。
ベタすぎてどうかと思うネタはあるが。

「魚じゃなくて。うん、愛し合う二人の、愛の証みたいなのだよ」

遠回しな告白。
ユリの顔は茹で蛸の如くだし、胸だって壊れたんじゃないかと思うぐらいにドキドキしている。

337:ライン
06/09/13 02:03:10 i3BcBUN1
「愛の証?」

サンダースが、小さく呟いた。
呆れた様な、不思議な様な、困った様な声。

「うん、そう、」
「私と君は愛し合っていないはずだが?」
「・・・うぅ」

全くの正論に、ユリがうめく。
だがヘコンでばかりもいられない。

「それはそうとして!だって、私、サンダースが好きだし・・・」

言った直後、ユリは手で顔を覆い、ぶるんぶるんと首を左右に振り回した。

「君が、私を、好き?」

こくんと頷くユリ。
顔の熱が限界を越えて、燃え尽きそうだ。

「私は、貴方が、大好きなの」
「成程な。君の言い分は良く理解出来た」

あっさりと。
余りにもあっさりと理解されてしまった、ユリの恋心。
はぅ、と両手で頬を覆う萌えっ娘恋愛ポーズをとるユリに、サンダースは『どーだすげーだろ』と言わんばかりに誇らしげだ。


338:ライン
06/09/13 02:05:15 i3BcBUN1
・・・で。

「ふむ、冗談はこれぐらいにしようか。―私は酷く無器用だし、君を独占しなければ気がすまなくなる恐れがあるぞ」
「それって、」
「最終的な決定権は君に委ねよう・・・あぁ、もう夕食の時間か。食堂へと行こうか?」

赤い顔をしたサンダースが、時計に顔を向ける。
一人で部屋を出ようとするその背をめがけて、ユリは思いきりに抱きついた。
後ろからのショルダータックルに、サンダースは思わず倒れてしまう。
腰に抱きついたユリも同様に。

「っ痛・・・」
「ごめんね~?」
「いや、大事はない。無傷だ」
「・・これが、私の答えだからね?」

本来ならば抱きついてキス、とやりたかったらしいが、「抱きつく」が「タックル」になる辺りユリらしさがある。


サンダースに馬乗りになったユリは、もう一度キスをする。
サンダースが、そっとユリを抱き締めて。

二人が結ばれた瞬間だった。

339:ライン
06/09/13 02:07:44 i3BcBUN1
とりゃえずここまで。
次回、二人がお風呂場でえちー(したらいいな)とか、タイガとレオンを不幸にしたいとか思いますね


>>333
果てなく低いクオリティになるので構わないならサンダースとアロエ、書きますぜ?←暇

340:名無しさん@ピンキー
06/09/14 22:29:45 zQjhO4ar
AGEてミルス

341:名無しさん@ピンキー
06/09/15 03:42:11 3Fabx3Gg
wktkwktk

342:名無しさん@ピンキー
06/09/17 01:21:13 HCMDEMZi
「だって私はルキアさんやユリさんみたいに胸が大きくないし・・・。」
「気にする事は無いですよ、貴女は貴女ですよ。」
「だ、だって・・・。」
「・・・胸が薄いほうが貴女の心臓の音がよく聞こえるんです・・・。」

保守。

343:名無しさん@ピンキー
06/09/17 09:29:53 RTSctYST
>>342がいいことを言った。

344:ライン
06/09/17 14:20:44 ZsQRXoJl
何をとち狂ったか、サンダース×アロエを書いてみたラインでっしゅ。
微妙すぎな出来なんで、途中までです。





メインカードなくしたぜ・・・

345:ライン
06/09/17 14:21:36 ZsQRXoJl
サンダースとアロエは恋人同士である。
何故かと聞かれれば本人たちにしか答えは分からないが、兎に角恋人同士である。

ある者はサンダースをロリコンと呼び、腕の関節を両腕共に外された。
彼は激痛と生活出来ない事態に落とされ、サンダースには逆らうまいと心底に誓った。
またある者はアロエを親父好きと評し、サンダースにトーナメントの際に散々な結末にされた。


そんなことはどうでもいい。
アロエは、サンダースと付き合い出した当初より、教師達の了解を得てサンダースと同じ部屋にて暮らしている。
共に学び、共に眠り、共に入浴して。


そして、今晩も短針が10を指したと同時に・・。


「お兄ちゃん、お風呂に入ろう♪」

机に向かい、四国史なる歴史書を読んでいるサンダースに、アロエが抱きついて。
それにびくともせず、サンダースは栞を四国史に挟む。

「む。もうそのような時間か」
「うんっ!だから、一緒にお風呂に行こう♪」

アロエの手には、可愛らしいパジャマと猫がプリントされたタオルが持たれている。
サンダースも椅子を立つと、干していた寝間着とトランクスを手にする。
褌はアロエ渾身のお願いで廃棄された。
かなし・・・喜ばしい事だ。


部屋を出て、ロックをかけるサンダース。
アロエはサンダースの腕にぴったりと引っ付いている上、時折頬擦りなんかもしている。
甘えぐせもここまで行くと行きすぎの気さえするが、二人にとってはむしろ日常。

346:ライン
06/09/17 14:22:59 ZsQRXoJl
脱衣所にて、アロエは毎日の様にバストサイズを測る。
ルキアちゃんみたいなおっきいのじゃなくていいから、せめてユリちゃんぐらいは欲しいと言うのがアロエの本音らしい。
事実ユリのは立派だが、サンダースはアロエに惚れたのであって、きょぬーが好きな訳ではない。
むしろひんぬーマンセーだったりする。


「あ~あ、今日は大きくなってないやぁ」
「・・・気にせずとも、私は今のままの君が好きだぞ?」
「うぅん、もっと女っぽくなりたいの!」

ぐっと拳を握るアロエ。
確かに素晴らしい決意だが、全裸で言うのは如何かと思う。
サンダースはサンダースでアロエが女らしく成長したのを想像して、鼻血なんかを吹き出している。


さてさて。
サンダースの鼻血が収まるのを待って、二人は一緒にお風呂に入る。
毎日の洗いっこは、ないと眠れない程になっているのだ。
事実サンダースが風邪を引いた際に、アロエが一人で風呂に入ったら、洗いっこが無くて寂しいと泣き付かれたこともある。


「アロエ、今日もきちんと勉学を納めたか?」
「うんっ!試験で一番になったよ~♪」
「そうか・・偉いな」

アロエとサンダースは所属クラスが違うため、授業は一緒に受けられない。
アロエはエルフ組、サンダースはケルベロス組。
少しばかり遠い開きではある。

「お兄ちゃんは、浮気しなかった?」
「するか。する相手が居らんわ」
「いたらする?」
「さぁな」

思わせ振りなサンダースの返事に、アロエのなかの幼い嫉妬心がむくむくと頭をもたげる。

347:ライン
06/09/17 14:25:58 ZsQRXoJl
タイトル無し、サンダースが壊れ、アロエがエロっ娘(と書いてエロっこと読むべし!)、ついでにユリでするはずのお風呂場えちーな展開(のはず)な小ネタでっす。

リクした人の期待に沿えれば嬉しいなぁ。


卒論も終わり、就職先も決まったラインでした。

348:前スレ506
06/09/17 15:26:32 rBGUeaEB
>>ライン様
就職オメ!

「四国史」だの「フンドシ廃棄」だのケルとエルフの差が少しとか
小ネタワロスw

サンユリも待ってます!
…電波来ないなぁ…こないだのネタ振りは需要なし、と見做して廃棄…

349:ちょっと相談。
06/09/18 22:20:55 WCdIIE1Z
リアルでまだ中級5、シャロン使いの新参者なんだけど……
過去スレも保管庫も見れないのであえてスレ住民の魔法使い達に聞きたい。

クイズ勝負で負けたら脱衣、というめっさベタなss作ってるんだが、
ベタ過ぎて過去に誰かがやってるよな?
キャラはシャロンとアロエで、これまたベタすぎる選択なんだが……
男性側からはレオンとサンダース。決勝戦形式の話になる予定。

ヌルいえろ描写しかできないヘタレだけど、そんなんで良ければ是非書いてみたい。
完全にネタかぶりならキャラを変えて組みなおそうと思うので、
古くからいる住民の意見を伺いたい。
OKなら、導入部分を投下してみるけど……どう?

350:名無しさん@ピンキー
06/09/18 22:24:21 aOfcjL9C
みた覚えがない

351:mjsk!?
06/09/18 22:45:19 WCdIIE1Z
誰もが真っ先に思いつく、ベタベタな話だと思っただけに一安心。
とりあえずお試し版ってことで少し付き合ってくれると嬉しいです。

352:mjsk!?負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/18 22:48:50 WCdIIE1Z
「うーん……上級魔術師クラスになると、なかなか勝負もつかないね……
今日は魔法少女リリカルリーフの再放送があるから、早く帰りたいんだけどなー」

マロン先生の少々不謹慎な発言とは裏腹に、生徒達の表情は真剣そのものだ。
今回の決勝戦は、間違いなくアカデミーの歴史に残る名勝負になるであろう。
4人全て正解数は同じ。早さも同じ……達人の域に近付くと、紙一重の差が勝負を分けるというが、
今回集まった4人も、そんな才能の片鱗を見せていた。

レオン、サンダース、シャロン、そしてアロエ。
予選を勝ち抜き多少疲れているはずなのに、それを感じさせないほどの勢い。
担当教官であるマロン先生とミランダ先生は、教え子の成長を喜び、同時にこの素晴らしい決勝戦で
司会進行役を務める事に、教員としての生き甲斐を感じていた。

……はずなのだが、3度の飯より大好きな魔法少女アニメの放映がもうすぐとあっては話は別。
延長戦で再試合というのはまっぴらごめんというのがマロン先生の信条であった。
加えて、ざっくばらんで開放的な性格のミランダ先生が加われば、事態は暴走してくれと言ってる様な物。
マロン先生の何か企んだ表情を、ミランダ先生が見逃すはずは無かった。

「ねぇ、ミランダ先生……今回は、特別ルールの決勝戦でいこっか?」
「……また何か企みましたね、マロン先生…………ふむ、ふむふむ……
うん、面白そうじゃないですか。乗りましょ、そのお話」
「おっけー!じゃ、アメリア先生が会場の許可を取って戻ってくる前にはじめましょー」

言うが早いか、マロン先生が女性特有の丸文字で決勝戦のタイトルを決めた。
愛用のステッキで書かれたその特別決勝戦のタイトルは……

『うれし恥ずかし、羞恥心とプレッシャーに打ち勝て!脱衣クイズ杯♪』

会場の使用許可を取ってきたアメリア先生が目を点にするのはそれから5分後。
……すなわち、決勝戦の開催が決定してからの事だった。


353:mjsk!?負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/18 22:49:59 WCdIIE1Z
「一体、どう言う事ですかっ!!」
アメリア先生とシャロンの甲高い声が会場に響き渡る。
「だからー、上級魔術師クラスともなれば、実力が拮抗してくるでしょ?つまり、
純粋な知力だけじゃなくって、プレッシャーとかいろんな条件下での実力を養うカリキュラムなの」

「……」
となりでミランダ先生が『よくもまぁ、ここまで口先三寸を……』と内心思い、肩をすくめる。
が、自他共に認めるお祭り好きであり、若いうちは色事の一つや二つ経験するべきという信条の
彼女だからこそ通った計画であり、決勝戦でもあった。
この状態の二人を止める術は……多分、いや、おそらく無い。
アメリア先生は、せめてロマノフ先生に見つかりませんように、と心から願うしかなかった……

「じゃ、ルールを説明するね。予習と同じ6問形式で1ラウンド終了。得点が一番低い子が罰ゲーム。
男の子は今まで獲得したメダルを、女の子は今着ている服を一つづつ没シュートしちゃいまーす!」

「ちょっと待てよ!俺達はメダル取られるの?不公平じゃね?」
「ふふーん、分かってないねレオン君。それくらい大事なものを賭けての闘いじゃないと、
気合が入らないじゃない?男の子が脱いでも面白くないしー」
「そうよ。女の子からすれば、メダルを取られる方がマシだと思うけどなー」
「ぐ……そ、そりゃそうだけどさ」
正面切ってマロン先生とミランダ先生に説得され、レオンは了承せざるを得なかった。


「ふむ、そう言われては引き下がるわけにはいかん。どのみち優勝はわたしが貰うのだから」
サンダースの反応はいつもと変わらない。
「じ、上等ですわ!……このわたくしが肌を人前に晒すというリスク…確かにメダルより価値があります。
それに、負けなければ一枚も脱がずに特別メダルをこの手に出来る……断る理由はありませんわ」
「うー……どうしてもやらなきゃダメなら、仕方ないけど……恥ずかしいなぁ……
負けたらお嫁にいけなくなっちゃうよぅ……」

354:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/18 22:51:33 WCdIIE1Z
まかせて、とばかりにマロン先生は胸を張って説明を続ける。
「その辺は大丈夫。倫理的な規定もあるし、男の子はメダル4つまで。
女の子は最後の一枚になったらギブアップの権利を認めるわ。
ギブアップが出た時点で最下位が確定。以下、3位、2位と決まっていくサドンデス形式。OK?」
「あの……せめて女子はプラジャーを脱ぐ時点でギブアップの権利を与えた方が……」
アメリア先生が少しでも暴走を止めようとするが、残念ながら焼け石に水にしかならない。
「それだと、メダルを没収するリスクが減るし、ブラを付けてないアロエちゃんが不利でしょう?」
「!?」

保健担当でもあるミランダ先生は、当然ながら生徒達の身体情報も把握している。
言われて真っ赤になるアロエを見ると、どうやら真実のようだ。
「それと、靴とかリボンとか、小物の脱衣は認めません、シャロンが有利になるからね」
「……の、のぞむところですわ!負けなければどうと言う事はありませんっ!」

どんどん悪化する事態を、指をくわえてみていることしか出来ない自分がもどかしい。
隣にいるのがせめてリディア先生だったら……いや、あの人は天然だから流されちゃう。
なら、ガルーダ先生なら……いやいや、勝負と名が付けばあの人は大抵のことは認めてしまう。
アメリア先生は再び、せめてロマノフ先生だけには見つかりませんように、と心の底から星に願った。
もし見つかったら、始末書+減俸処分という事態が、水晶玉無しでもイメージできるから。

「さーて、みんながドコまでプレッシャーに耐えられるか、訓練だよ!決勝戦、はじめ!」
そうして、【違う意味で】アカデミーの歴史に残る決勝戦がはじまった……


■本編へつづく。

355:こんな感じ。
06/09/18 23:07:53 WCdIIE1Z
とりあえずは以上。
全員女生徒だと恥じらいに欠けるし、人数が多いとまとまらなかった。
脱衣による精神的な駆け引きを駆使して勝ち進むシャロンと、
恥じらいながら懸命に喰らいつくアロエ。
あとはメダルを奪われながらも美味しい状況から抜け出せない男性陣を
ゲームの雰囲気に則って表現できたら……と思ってる。
お楽しみに、とはとても言えないけど、見守ってくれると嬉しい……



356:名無しさん@ピンキー
06/09/19 01:09:00 yNzEL15j
GJ!×573
是非、続きをお願いします。


……使用される問題はやはりガチ?

357:355
06/09/20 00:15:22 nI/zjPAI
一人でも楽しんでくれる人がいて良かった……とまずは一安心。

とういわけで、まずは最下位が決定するまでを書いたよ。
シャロンとアロエが下着姿になるまでの模様です。
生徒達とは別に、教師達の力関係を書くのも結構楽しかった。

では、決勝戦第一ラウンド投下します。

358:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/20 00:17:05 nI/zjPAI
「くっ……このわたくしがっ!?」
最初の罰ゲームを受る事になったのは、意外にもシャロンだった。

しかも、答えが分かっていたのに、パラレル(クイズ用語で言うところのひっかけ問題)に
引っ掛かり、何でもない4択を外してしまった故の敗北。
自らのミスで自爆するという、シャロンにとってもっとも屈辱的な負け方であった。

レオンが生唾を飲み込む音がはっきりと聞こえ、サンダースが冷静を装いつつも汗をかいている。
これから始まる罰ゲームに、場の緊張感が嫌でも高まった。
「ふんっ……罰ゲーム程度、潔く受け入れますわ!一枚くらい、丁度良いハンデだと思えばっ……」
そのまま上着を脱ごうとするシャロンを、マロン先生が制した。
「はい、ストップストップ、先生の話を聞きなさーい!まず、シャロンちゃんが脱ぐ必要は無いの」
「はぁ!?」

いきなり大会のルールを否定するような発言に、一同が静まり返るが……
ミランダ先生のみ、落ち着いた表情をしているところを見ると、どうやらこの事態が初めてではないらしい。
「この広い会場で本当に脱いだら風邪ひいちゃうでしょ?だから、こうするの!!」
マロン先生がステッキを一振りすると、シャロンのスカートが色を薄め……
みるみるうちに、透明色と化し、消えていった。

「………き、きゃぁぁあーっ!!わたくしのスカートっ……どうしてっ……」
「透明化の魔法で見えなくなっただけで、ちゃんと存在してるから安心でしょ?
これなら寒くないし、風邪もひかないし、オールオッケー!!」
「どうして下から脱がすんですかっ!!」
「わたしの趣味♪あと、レオン君がお部屋に隠してるえっちな本が、そういうタイプのだったから……
ちょっとしたサービスよ。これで冷静に普段の実力が出せたら本物よ、レオン君」
「ちょっ……なんで俺の部屋にあるお宝倉庫を知ってるんですかマロン先生!?
それに、お、俺は別にそういうの【だけ】が趣味なワケじゃ……」
苦し紛れに否定するが、いざ目の前でシャロンの下着が見えると、己の分身が即座に反応する。
ストッキング越しであるが故に、白いシルクの高級感が際立ち、シャロンの形の良い尻を強調する。
加えて、上半身は普通の制服姿なのに、下半身がストッキング越しの下着姿という、
何ともいえないフェチズムを感じさせるビジュアルは、かなり彼のツボにはまったようだ。

359:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/20 00:17:51 nI/zjPAI
「うーん、シャロンちゃん自慢の脚線美……羨ましいわぁ」
「あの、ミランダ先生……教師としてもっと他に言うべき事あるんじゃないですか!?」
面白ければOK、というのが信条のこの人に、多くの常識的な観点は期待できない。
脱衣が始まってしまった以上、もう誤魔化しようの無い事態に、アメリア先生は必死に魔力障壁を張り、
通行人の視点を逸らしていた。
一応、一般生徒の視点に干渉できるが、魔力の強い生徒や先生が通りかかったら……
想像しただけでも血の気が引くが、できる事はすべてやっておきたかった。
そうでもしないと、この教師2人は果てしなく暴走すると分かっているから。

「ふん……どうしたレオン?女人の下着程度で集中力を乱すなど、未熟な証拠であるな」
「うっせぇ!!てめぇこそ必死こいてケツをつねって注意を逸らしてるじゃねぇか?」
「ふ、ふん、知らぬ!!シャロン女史の下着ごときでどうにかなるヤワな精神はしておらぬ!」
「ちょっと!!『ごとき』とは何よっ!!わたしの魅力と色気をもっとちゃんと見なさいっ!?」
「知らんな!その細かい2段のレース模様も、真ん中の高級そうなリボンも興味無い!」
「しっかりそんな細かいところまで見ないでよっ!汚らわしいっ……」
「……シャロンちゃん、言ってる事が支離滅裂だよ」

アロエが突っ込みを入れた瞬間だった。
会場に『はずれ』を意味するブザーが鳴り、マロン先生が嬉しそうに全員に不正解の×印を振った。
「な……ありかよそんなん!?」
「ふっふーん♪油断したね。決勝戦ではいかなる場面でも気を抜いちゃダメなんだよー」
レオンが審判の先生達に目で抗議するが、ミランダ先生は笑顔を崩さずに抗議を却下した。
アメリア先生に至っては、生徒に『勘弁して』と拝み倒す始末。
彼女の決断は、この2人を下手に刺激せず、なんでもいいからさっさと決勝戦を終わらせる事。
たとえ、その理由の根本が『マロン先生が魔法少女アニメの放映に間に合うように』という、
少々教員として問題のある行動であったにしても。

全員が、はじかれた様に問題に向き直り、決勝戦が再開された。
そして、大方の予想通り次に罰ゲームとなったのは、シャロンの下半身に意識を取られまくったレオンだった。


360:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/20 00:18:32 nI/zjPAI
「お……俺のゴールドメダル……」
女生徒の恥じらいがどれほどのものかは知らないが、苦心した末に取ったゴールドメダルを没収されるのは、
どうにも言えず悔しく、本能とはいえシャロンの下着にばかり気を取られる自分が情けなかった。
もしも目の前でシャロンやアロエがトンデモナイ事になったら、冷静でいられるだろうか……
なんて事を考えたが、それ以前にシャロンが一枚脱いだ程度でここまで集中力を乱されているのだから、
もっと修練を積まなくてはならない。

決勝戦のルール自体は問題大ありだが、生徒達の真剣さはこれまで見た事も無いほど高い。
図らずしもマロン先生の建て前どおりになった様相を見て、アメリア先生は改めてここにいる生徒達の
秘めた可能性の広さと潜在能力の高さに驚かされた。
生真面目に授業を進めるだけでなく、時には刺激を与えて生徒達を伸ばす。
マロン先生とミランダ先生が始末書の多さに反して優秀な卒業生を多数輩出している理由が、
この状態を見ていると何となく分かるような気がした。
「……だからって、真似しようとは絶っっっ対思わないけど、ね……」

アメリア先生の苦悩をよそに、決勝戦は進んでいく。
このまま行くと、一番動揺しているレオンが最初にメダルを全て失くすと思われたが、
神の助けか悪魔の悪戯か、アロエの苦手とする芸能問題が集中したおかげで、
レオンはあとメダル一個の時点で命拾いし、変わってアロエがはじめて罰ゲームを受ける番になった。

「あらら~残念!苦手ジャンルに当たるとこんなものよねー」
マロン先生は何故かアロエの方を見ず、悪戯を仕掛けるような気体に満ちた表情でサンダースを見た。
「お楽しみタイムのはじまり~♪リリカル、マジカル……」
魔法をかける対象面積が多いためか、いつもより詠唱が長い。

それもそのはずで、アロエの制服は上下一体型……というかスカートをはいていない。
故に、一枚脱いだだけで大変な事になる。
アロエは注射を耐える子供のように、きゅっと目を瞑って恥ずかしさに耐える中、
マロン先生の詠唱により、少しずつ服が透明度を増し、消えていった(ように見えた)

361:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/20 00:19:15 nI/zjPAI
「おい……軍人もどき。鼻血が出てるぞ」
「だ、黙れ未熟者!これは汗だ。時折こんな色の汗が出るのだ!!」
「……思いっきり苦しい言い訳ね。まぁ、あんたのストライクゾーンは思ったより広かったわけね」
「し、知らん!まだ決勝戦は終わっていない!無駄口を叩く暇は無いぞ」

「ひゃうぅ……何だか、服は着てる感触があるのに、下着姿なんて……恥ずかしいですぅ……」
最初は、衣服の少なさゆえに不利と思われていたが、意外にも服の中は枚数が多く、
お腹を冷やさない目的での厚手のパンツに、キャミソールタイプのシャツ。
少なくともあと2回は負けてもいいと思われる服装に、レオンの崖っぷち感は嫌でも強まった。

……だが、それ以上に集中力を乱されまくりな男子生徒が約一名、いた。
「……落ち着け、わたしは世界を制する軍人、婦女子の裸などに……」
心の中で必死に言い訳をしながらも、汗が滝のように流れる。
アロエの下着姿を見れば嫌が応にも意識し、見なければ頭の中がアロエの裸で一杯になり、
問題が一切入ってこない。

上級魔術師とはいえ、精神の修練を積んでいない若者ならある意味当然の反応だった。
そのままサンダースが本来の調子を取り戻せるはずも無く……
得意とするスポーツ関連の問題も落とし、ズルズルとメダルを失った。
もはや、クイズではなく欲望と闘いながらの決勝戦だったが、そんな余計なものと戦っていては
勝てるはずも無く、シャロンが上下の制服を失ったストッキング込みの下着姿、
アロエが暖かい毛糸のパンツを脱ぎ(消え?)下のショーツ姿を見せた時点でサンダースは負けた。
メダルを全て失っての最下位確定だった。

「くっ……止むをえん………退却だ」
4枚目のメダルを差し出し、会場を後にしようとするサンダース。
しかし、マロン先生はそれを許さなかった。

「決勝戦はまだ終わってないよー!最下位のものは、罰としてそのままフリーズの刑ね♪」
「な……せ、先生、せめて手くらいは自由に……」
「だーめ♪目を瞑る事も却下だからね。終わるまでそのまま頑張ってね~」

いつものように【やすめ】の体勢で金縛りにされるサンダース。
手を動かせないので欲情の証である股間を隠す事は出来ず、
服の上からでもはっきり分かるほどに怒張したものが皆の目に晒される。
それを見たシャロンは目を逸らし、アロエは真っ赤になりながらも目が離せない。

「あらら~、サンダース君、体形どおり御立派ねぇ♪」
「……もう、どうでもいいから早く終わって……下手すると全員停学一ヶ月ものよ……」
冷静に辺りを見回せば、半裸の女生徒に股間を起立させている男子生徒。
上級魔術師の高レベルな知力の応酬とはとても思えない。

アメリア先生の泣きそうな表情を無視して、マロン先生は出題準備に掛かった。
リリカルリーフの放映まで……あと3時間の出来事だった。


■3位決定戦へ続く。


362:今日は以上です。
06/09/20 00:23:54 nI/zjPAI
というわけで、下着姿になるまで脱がしてみたが……
肝心な脱衣描写が少ないせいかあんまりえろくなくなった……

今度はもっとえろくなるように頑張るから……
3位決定までに誰がどう脱がされるか、もう一回練り直してくる。

363:名無しさん@ピンキー
06/09/20 00:29:15 YdMdDi+w
サンダースの羞恥プレイに勃起した!
GJ!!!!

364:名無しさん@ピンキー
06/09/20 07:02:23 okKPXG3z
ダムのため埋め立て予定地記念カキコ

365:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/22 02:42:12 KgsjdBrs
「残機はそれぞれシャロンちゃん3、アロエちゃん2、レオン君1かぁ…男の子、頑張れー♪」
「ざ……残機?」
マロン先生が今の状況を、とある会社伝統の横スクロールSTGに例えて説明するが……
当然、アメリア先生に分かるはずも無く。
「ほら……何だっけ?マロン先生のお部屋で一緒にやったゲームよ」
ミランダ先生の補足説明を受けて、ようやくおぼろげな記憶が蘇る。

「えーと……何か、複雑なコマンドを覚えさせられた記憶が……
確か、上、上、下、下、訴訟、権利、訴訟、権利、B、Aでしたっけ……??」
「全然違う!!それはリディア先生が冗談で作った風刺問題!!
次回の試験問題にうっかり提出しちゃって謹慎処分になったトラウマ問題だから忘れなさい」

生徒達が賢者を目指すこの学校だが、教師達も理事会側と色々大変らしい。
今はひとまずその話を置いといて……現在崖っぷちにいるのはレオン。
今度負けたら自分の3位が確定し、さらにはマロン先生にどんな罰ゲームを言い渡されるか。
しかもシャロン、アロエ双方共に気まずくて視線を合わせられない。
ここで彼が苦手とする雑学系のキューブクイズあたりを引いたら状況は絶望的だ。

(くそっ……どうする?ここはやはり、スポーツ系の並べ替えを選んで勝負か……)
3位決定戦を前に、それぞれが希望ジャンルを選ぶターンとなり、ここでは各人の戦略性が出る。
おおまかに自分の得意ジャンルで得点を伸ばすか、またはライバルが苦手なジャンルで妨害するか。

無論、自分の得意ジャンルを選んだ方が確実な得点を見込め、やりやすいのは事実。
しかしながら、もしも会場の空気が読めて、三人が同時に一人の苦手ジャンルを選んだらどうなるか?
自分が得点を伸ばすより、時としてそちらの方が有効な場合もありえる。
はじめのうちは自分の実力が全て、と思っていたレオンだが、クラスが上がって実力が拮抗してくると、
そういう些細な戦略が勝敗を分けると言う事を身をもって知り、戦略面も勉強するようになった。

366:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/22 02:42:49 KgsjdBrs
(シャロンは確実に、雑学で俺を落としに来るよな……だが、もう一人はアロエだ。
あの子はおそらく生き残りを考えて得意ジャンルの学問系で来るはず。
雑学と学問が出題されるなら……多分、数値的にはこんな感じだろうな)

■←有利  アロエ>>>シャロン>>>>>>俺  不利→■

得意ジャンルのスポーツで差を詰めても、おそらく自分の最下位は変わらない。
世間知らずなシャロンが比較的苦手とするのは雑学だが、レオン自身も得意ではないので効果は薄い。
上級魔術師ともなると、それぞれがある程度弱点をカバーしているため、効果は僅かな物になるからだ。
アニメ&ゲームで攻めるという手もあるが、アロエが圧倒的有利になる。
どう考えても、有効な戦略が存在しなかった。

(他人の弱点を責めるのは性に合わねぇ!!こうなったらせめて負けても後悔しない得意ジャンルで……
いや待て!?賢者がそんな考え方でいいとは思えねぇ……)
逆転勝ちを至上の喜びとするレオンにとって、こういう状況は嫌いではなかった。
クラスメイトの悩ましげな姿は一旦置いといて高速で脳を回転させる。

(そうだ……一部、賭けになるが成功したら一気にいける!これでいこう!!)
わずか10秒にも満たないジャンルセレクトの時間だが、上級者クラスはこういうものだ。
そして、発表された勝負内容を聞き、一番驚いたのはシャロンだった。

「雑学×2に、学問ですって!?……アロエが雑学を選ぶって事は無いから……まさか!?」
普通に考えれば、レオンの圧倒的不利。しかし、わざわざ負けるためにジャンルを選ぶとも思えない。
「……何か、あるわね……」
そして、この戦略が及ぼす勝敗により、後の闘い方も大きく変わることになる。



367:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/22 02:43:30 KgsjdBrs
いざ、3位決定戦が始まると、皆の予想を覆す事態が起きた。
レオンが驚くべきスピードで正解を連発。アロエが圧倒的有利になるはずが、
蓋を開けてみれば不思議とレオンが他の二人を引き離していた。

(どういう……事ですの!?)
レオンを落とすべく狙った雑学だが、計算を完璧に狂わされたシャロン。
その動揺が、ほんの少しではあるが彼女の判断力を奪っていた。
「……あっ!?」

4文字言葉クイズでのタイプミスは、修正不可能。
正解数で並ぶ場合は早さが勝負の鍵となるため、意外と上級者戦でも時間を気にしてのミスは多い。
最初はただの自爆だが、今回は戦略面でレオンの罠に落ちた。
そして、そのミスは残りの問題でもフォローしきれず……
「っしゃあ!!」
一回戦目はレオンがトップで勝ち抜け、シャロンが点数2倍以上の差で大敗北を喫した。

「そんなっ……どうして……」
目の前の罰ゲームより、この敗北自体に納得がいかないシャロンだが、その原因が分かる事も無く。
「んっふっふ~……今回から、ちょっと罰ゲームの内容が変わるよ♪」
生徒達の思惑を知ってか知らずか。マロン先生が物騒な魔法の詠唱をはじめた。
その魔力に、ミランダ先生を除く一同が何事かと息を呑む。

『飛んでけーっ!ディバイン………バスターっ!!』
「っきゃあぁあぁぁぁー!?」
普段のお仕置きより数段上の魔力放出。
マロン先生の身体ほどはあろうかという幅の光が、レーザー状のエネルギーとなって、
シャロンに向って放たれた。その迫力は、殺す気と言っても過言ではない。

「マロン先生っ……生徒に何て事を!?」
「アメリア先生、教師が騙されてどうするんですか……幻術ですよ、幻術」
「ほぇ!?」


368:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/22 02:44:23 KgsjdBrs
ミランダ先生になだめられてよく見ると、確かにシャロンは生きているし、怪我をした様子も無い。
その代わり、膝から上のストッキングが引き裂かれ、純白のショーツが丸見えになっている。

「あぁっ……神聖なコロシアムで、このようなはしたない姿をっ……」
他人によって無理やり脱がされたようなその様子は、普通の下着姿より段違いにいやらしく、
レオンとサンダースの雄としての劣情が嫌でも出てきてしまう。
「い、いやぁ……ショーツ、完全に見えちゃって……っ……」
さすがにシャロン自身も恥ずかしさを隠せないらしく、右手でブラジャーを、
左手でショーツを隠しながら、真っ赤になってうつむいていた。

「安心してね♪破れたように見えるだけで、実際はちゃんと感触あるでしょ?
魔法で模擬戦闘をする時は、こんな風に幻術を併用したりするんだよー」
「そんな事するのは、マロン先生だけだと思うんですけど……」
アメリア先生が突っ込むが、彼女は『それが当然』という顔で切り返す。
「大丈夫!わたしがエクセリオンバスターACSを習得した時よりも手加減してるから」
「だから、マロン先生を基準に考えないで下さいっ!!」

純粋な魔法攻撃力ならロマノフ先生に次ぎ、魔力量(マジックポイント)ならアカデミーの教師で一番。
反面、戦闘系と変身系のみに特化しバリエーションの少ないのがこの小さな先生の特徴だった。

「時間も無いしサクサク行くよー、次は学問。一問多答式クイズGO!」

「……今は集中だ。まだまだ安心できねぇ……気を抜くなよ、俺……」
不得意と思われるジャンルで得点を稼ぎ、シャロンの動揺を誘うこの作戦。
半分は運任せだったがどうやら現状では上手く行ってるらしい。

雑学1を制したことで次の雑学2に向けて大きな精神的優位を保ったまま進めるし、
今回の学問勝負に関しては、アロエ有利な点はいつもどおりだが、シャロンとレオンでは
実力差は少しだけしか変わらない(いつもはシャロンが若干有利)
もし、ここでレオンが勝てば勝負の流れは一気に彼に傾き、
シャロンが負けるようなことがあれば、ブラジャーを剥ぎ取られた上に彼女も崖っぷちに立たされる。

針の穴を抜けるような逆転のシナリオだったが、不可能とも言えない作戦だった。
実力が拮抗している場合、勝負は流れを制したものが勝つ。
球技、格闘技などは特にその傾向が強く、単体での能力に劣っていても、
流れを制する事に長けたものが勝利を手にする事が多い。

369:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/22 02:45:05 KgsjdBrs
レオンは上級魔術師クラスまで成長した事で、理屈ぬきに身体でそれを知っていた。
そして、幸いにも予習していた問題も多く出た事により引き離される事も無く……
最後の一問こそアロエに譲ったものの、レオンは僅差での2位を守りきり、またも生き残った。

「……はぁっ、はぁ……どうだ、こんちきしょうめ!」
「………くっ……ま、また……負けてしまうなんてっ……」
2位通過とはいえ、今、勝負の流れはレオンが握っている。
シャロンは己の作戦が完璧に裏をかかれたことを知り、愛用のハンカチを引き裂かんばかりに悔しがった。
が、悔しがってばかりもいられない状況がすぐにやってくる事も知っている。
隣で物騒な詠唱が、今度はやけに長く聴こえてくるからなおさらだ。

『さあ、罰ゲーム……おしおきだべ~♪最大出力、スターライト……ブレイカー!!』
マロン先生の頭上に、バスケットボール大の魔力球が浮かび上がる。
魔力の集積度合いの高さは、まさに彼女の部屋にある漫画コレクションの格闘漫画の一つに出てくる
【元気玉】と呼べるものにそっくりだった。
その迫力とエネルギーに、幻術と分かっていようと身体がすくむ。
アメリア先生は、どうしてこの人は無駄に凄いところに力を入れるのだろうと思いつつ、
たかがブラジャー一枚を脱がす(幻術だが)ために放たれる極太レーザーを見て、
この人だけは学院長にしてはいけないと確信した。

「あ、あぁっ……わたくしの胸……誰にも見せた事なんて無かったのにっ……」
幻術とはいえ、レベルの高い魔力に晒されたためかその破れ具合はリアルそのものであった。
下着の感触こそ残っているが、控えめな乳房と、綺麗な形をした乳首が白日の下に晒される。
肌の手入れは行き届いていて、下着同様絹のようになめらかで、
羞恥に身体全体を赤く染める様は、育ちの良さと歳相応の可愛らしさを同時に現している。

胸こそ標準より薄いものの、流れるような金髪に、細くしなやかな身体つきは、
モデルやアイドルと言っても決して疑われないほどに魅力的で、
当然の事ながらその裸体も、男の欲望を掻き立てるに十分な威力を持っていた。
しかし………

370:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/22 02:45:55 KgsjdBrs
「どうしよう……恥ずかしくてまともに問題に集中できないっ……」
その美しさに反して、シャロンの心は今にも折れそうなほど羞恥に呑まれていた。
余裕を持ってレオンを追い落とすつもりが、見事に裏を書かれての逆転劇。
想定外の事態と、唯一コンプレックスを持っている小さめの胸を晒す羞恥心。
彼女の中での弱い心が、今すぐにでもギブアップを宣言しろと何度も要求する。
ライバルとはいえ、自分のみを心配してくれるアロエと、
鼻血の水溜りを作りながら血液不足と闘うサンダースが視界に入る。
そんな中、一人だけただまっすぐに自分を見つめているレオンが気になった。

「レオン……何ですのその目は。余計な気を使わず、笑いたいなら笑いなさい!
いつもからかうように、この貧しい胸を、この無様な格好を笑いなさいな!?」

叫びながら、自分でもただの難癖だと分かっていた。それでも止められなかった。
周りを攻撃してでも自分を奮い立たせないと、恥ずかしさに負けて泣き出してしまいそうだったから。
売り言葉に買い言葉で、笑ってくれればいい。馬鹿にしてくれればいい。
喧嘩すれば少しはいつもの自分を取り戻せる。そう思っての八つ当たりだった。
しかし、返ってきた言葉は全然別のもので……


「笑うわけねぇだろ!!むしろすっげー綺麗で、もっと見たい!!」


「………」
「な!?……」
「……レオンお兄ちゃん、凄い事言ってる……」
「うわぁ……レオン君、ちょっとカッコいいわね……」
「うんうん。今、ぴろりろーん♪って、好感度ポイントが上がった音が聞こえたわね」

レオンの発言に、コロシアム全体の時間が止まった。

「でもな……【今の】お前のハダカは見たくない。俺は男だから、女子が裸を見せるのが
どれくらい精神的にキツいことかは知らない。だけど、今のお前は恥ずかしさだけじゃねぇ!
暗くて、絶望的なカオしてて……似合わないったらありゃしねぇ!!
俺は親父のような大賢者になるって決めたんだから、絶対手は抜かねぇぞ。
だから、パンツ一枚になった今が丁度いい機会だ。さっさと降参して舞台から降りちまえ!
今のお前を倒す事に、意味は無ぇ!」

顔を真っ赤に染めながら叫ぶレオンに、嘘や誤魔化しの感情は一切無かった。
その瞳は何処までも真っ直ぐで、何かに押し潰されそうなシャロンの心を正面から捉え、
激しく、しかし心地良いばかりに打ち据えた。
「………」

371:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/22 02:46:29 KgsjdBrs
下着一枚という扇情的な姿で、雷に打たれたようにシャロンが立ち尽くしている。
コロシアムの時間が、レオンからシャロンへ時間の中心軸を移し、ゆっくりと回り始めた。


「……確かに、貴方の言うとおりですわね先程のわたくしはどうかしていました……」
俯いた顔をゆっくり上げ、同時に胸を隠していた両手はまっすぐ下へ。
シャロンの胸が完全に露出し、ささやかながらも綺麗なふくらみと、まだ色も薄いが、
形も整い、ほんのり桜色に染まる乳首が……気のせいか誇らしげに見えた。
先程までの表情とは違い、恥ずかしさは残しつつ3度の敗北と自分の体型を認め……
コロシアムにショーツ一枚の半裸を晒してはいるが、それが神々しいまでに美しい。

「このわたくしの肌……誰にでもほいほい見せていいとは思えませんが、
今の貴方と全力で闘うためなら、ショーツを脱ぐことくらいに躊躇はありませんわよ。
逆にあっけなくミスしたりなんてしたら……本気で怒りますわよ」

本来、相手のミスは喜ぶべきものだが……どうやらシャロンの性格上それは余計な事らしい。
「マロン先生……最後の一枚、賭けさせていただきます。
その事で先生を恨んだり、糾弾したりもしません……ですから、お願いします……
彼と……彼らと、全力で闘わせてください!!」
「ん……OK。野次馬に覗かせたりマジックペットに記録させたりとかは絶対させないから、
思う存分いっちゃいなさいっ!アメリア先生、ヨロシク♪」
「はいはい……ちゃんとやってますよ、さっきから。シャロンちゃん……頑張って!」
「ふふ……ありがとうございます。最高の勝負を御覧に入れますわ」
「アロエちゃんとレオン君もね。悔いの残らない決勝戦にしなさい」

「はぁい!」
「ッス!!」


「さーて盛り上がってきたよ!二人はチェックメイトが掛かってるから気をつけてねー♪
最後の雑学2で、誰かが落ちるか、それとも全員がけっぷちか~GOGO!」
「……絶対、状況を楽しんでるわね……この人」
ノリノリのマロン先生とは対照的に、アメリア先生は魔法障壁でMPを使い、元気が無くなっていく。
出場者全員が羞恥と緊張に耐える中……最後のターンがはじまった。
魔法少女リリカルリーフの放送まで、あと1時間半の出来事だった。


■つづく。

372:355
06/09/22 02:54:10 KgsjdBrs
3位は決まりませんでした……orz

いざ進めてみると、シャロンが思ったより素直でびっくり。
脱衣の心理効果まで計算してレオンを煙に巻くはずだったんですけど……
ですが、後悔はしていません。とりあえず今回でシャロンもリーチ(笑)
次回で優勝が決まり、その後EDとなる予定。

あくまで予定ですので、あまり気にせず読んでやってください。
最初の573ネタも、洒落と思って流してもらえると助かる。
商標、商標、遊戯王、遊戯王、左、右、左、右、B、Aーヽ(`▽´)ノ

373:名無しさん@ピンキー
06/09/22 06:44:38 om/c9FKC
GJ!!!!


凄まじい天賦の才・・・

374:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/23 04:54:56 fPKetVo/
何かにとり憑かれたように全員が正解を連発する様相は、もはや大魔導師や賢者の戦いを連想させる。
知っている問題はもとより、よく分からない問題でも勘と読みで捻じ伏せる離れ業を、
全員がやってのけた。
クイズ勝負の基本は知識量だが、レベルが同程度なら回答の速さも要求され、
それも同じレベルなら、あとは精神面の強さが鍵を握る。
レオン、シャロン共に【絶対に負けたくない】と言う気持ちが全てに打ち勝ち、
気迫で勘と運を引き寄せ、勝利を手繰り寄せる。
全員の本気がぶつかり合い、コロシアムは魔力の波が微妙なバランスで積み重なっていき……
決勝戦を闘うメンバー達にさらなる負荷を掛けた。

「2番だ!!」
「2番ですわ!」
「えっと…2番!」

4択問題をほぼ同時に答え、正解を叩き出したら次の問題へ。
数をこなすうち、それぞれの額には汗が滲み、頬を伝って流れ落ちる。
脳の回転は上がり、熱量は汗となって汗腺から放出され、身体を冷却する。
女性陣の衣服は透明化の魔法が掛けられている為、汗がうかび上気した様子がはっきりと分かる。

ただ一人、外から様子を見ていたサンダースが、シャロンとアロエの真剣ながら……
いや、真剣であるが故に美しく、艶かしい肢体に脳髄を翻弄されていた。

「落ち着け……落ち着け!私はこの世のトップとなる存在。トップ…そう、TOP……
トップレスのシャロン女史……っく、何を考えている!!私の阿呆!!」
激しい知識の応酬も、外面だけ見ると破廉恥極まりない絵面でしかなく……
回答する度はげしく動くシャロンの胸が揺れ、アロエのツインテールと共にキャミソールが上下し、
可愛らしいおへそが見え隠れする。加えて、前からは下着のリボンが、
後ろからは下着のプリント柄である猫のイラストが見え、目が釘付けにされてしまう。
サンダースにとっては、天国と地獄を同時に味わうが如き刺激だった。

375:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/23 04:55:47 fPKetVo/
「うお……い、意識が……あと少しなのだ、我は耐えてみせるっ……」

誘惑に負けまいと向き直ったサンダースの目に、アロエの苦悶する表情が見える。
強さを増す魔力の奔流に、その小さな身体が悲鳴を上げていた。
よく見れば、ほんの少しだけ……回答時間がずれて、微妙な点差が開いている。
レオンとシャロンのまったく互角といっていい魔力に、じりじりとアロエが押されていた。
しかし、一問のミスで即座に覆るくらいの点差であり。決定的なものでは無い。

体力に劣りながらも決して諦めず、自分の全てをぶつけるアロエを見ていると、
能力に任せっきりで、実力以上のものを常に出すほど自分は真剣だったか……
そんな風にサンダースは反省させられた。
「わたしに欠けていたものを、この者達は持っているのだな……これでは、落ちて当然だ」

普段の彼に珍しい謙虚な気持ちが芽生えた時……最後の一問が出題され、
全員が回答を終えた。またも答えは全員同じ。オールパーフェクトでのフィニッシュ。
上級魔術師クラスにあるまじきレベルの高い攻防だった。

「レオン君95.2、シャロンちゃん95.2、アロエちゃん……92.8で終了だよ!すっごーい♪」
「見てるほうも疲れるような試合だったわね……みんな、よくやったわ」
「でも、一応ルールだから……ごめんね、アロエちゃん……おまけしておくから勘弁ね。
リリカル、マジカル……ディバイン・シューター!」

マロン先生の言う【おまけ】が普段とどう違うのかは誰も知らないが……
小さめの光球が4つほど浮かび、電撃を帯びながらアロエに向って突進した。

376:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/09/23 04:57:19 fPKetVo/
「ひっ……きゃぁあぁぁっ!」
激しい電撃と共にアロエのキャミソールが引き裂かれ……ほとんど膨らんでいない胸が露出した。
「ひゃぁんっ……だ、だめぇっ……こんなの、恥ずかしいよぅ……」
「ぐほぁうっ!!」
アロエが両の手で胸を隠すと同時に、地響とともに何かが倒れる音がした。
「あらら……サンダース君、リタイアね……可愛そう」
ミランダ先生、のんきな事言わないで!!この出血で倒れたんだから危険ですよ」
「はーい、まぁ、若いから命に別状は無いと思うけどね……保健室に運びますよっと。
アメリア先生、あとの進行はよろしくねー」

(進行って……ミランダ先生、最初から何もしてないんじゃ……)
アメリア先生の頭にそんな疑問が浮かぶが、今は生徒の無事が一番なので突っ込むのは止めておいた。
「さて…アロエちゃん。申し訳ないんだけど一つだけ教えてね……ぱんつ、賭けてもう一回行く?」
質問されて、はじめて自分に続行の選択権があることを思い出す。
だが、今の戦いを終えてアロエには自分の成すべき事が見えていた。

「うぅ……ごめんなさい、降参しますぅ……」
おそらく、今の自分は気迫でこの二人に遠く及ばない。
優勝を賭けて争うのは、きっとこの二人が相応しいのだろうと確信できた。
「そっか……お疲れ様。よく頑張ったわね。そして、はい。メダルをあげるわ…おめでとう」
アメリア先生が自分のマントをアロエに掛けてやり、ブロンズメダルを進呈する。
これで正式に3位が決まり、残るは優勝決定戦のみ。

勝ち残った二人の気合が炎のように会場を奔る。
どちらが勝つかという結果より、今はただこの勝負を見届けたい。
会場にいる全員がそう考えながら、決勝ラウンドの開始を今や遅しと待ち構えていた。
……ただし、一人を除いて。

「うーん、リリカルリーフまであと1時間っ……ちゃっちゃと片付けないとね♪」



■最終戦へつづく。


377:355
06/09/23 05:03:26 fPKetVo/
ちょい短いですけど、3位が決定して切りが良いので投下。

前回レオン、シャロンがメインだったので、今回は軍曹、アロエの番。
どっちを勝たせるか……いや、どっちが勝つかは脳内妄想次第です。
キャラが動くに任せて筋を作っているので、えろSS的に正しいほうに行くなら、
シャロンが最後の一枚を脱ぐべきなのですが……
マジでどうなるか分かりません。もし脱がなくても怒らないでね。
では、また続きが出来たら投下します。

378:名無しさん@ピンキー
06/09/25 16:48:53 OeLhgat+
続きをwktkで待っているよ~wwwww

379:名無しさん@ピンキー
06/09/29 17:54:26 fXAap6Xc
保守!

何かネタでも書こうと思ったが思い浮かばない・・・。

380:名無しさん@ピンキー
06/09/29 19:50:07 vPt3yyv/
4で参入確定になった購買部で仕事してる女生徒のネタとか。

381:規制屋 ◆n7ktedJmA.
06/09/30 17:30:14 TUYfnxl4
このスレッドの>>298は削除ガイドラインに準しました。
準したガイドラインは以下の通りです。
通常削除(削除整理)
5. 掲示板・スレッドの趣旨とは違う投稿
なおこのスレッド>>298は削除依頼されてるため削除されます。
後、この通告を無視したり、通報人に攻撃的な書き込みをすると強行作戦発動しますよ( ̄ー ̄)ニヤリッ

通報人 規制屋

382:名無しさん@ピンキー
06/10/01 04:31:37 jODoqycC
「スレッド>>298」ってなんだ?
ていうか削除依頼したんなら削除依頼したで、削除人に判断を任せればいいのでは?

383:名無しさん@ピンキー
06/10/01 09:34:40 n+QvCcBl
うん、任せておけばいいと思うよ。
これ以降はこの話題はスルーで。

384:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/10/02 18:24:05 uQlX+7VQ
最終戦はマロン先生の意向により、ノンジャンルの12問勝負となった。
全てのジャンルから、形式すらバラバラに出題される混乱っぷりは間違いなく脳に厳しく、
慣れる事を許さない。落とし穴も多く、これで間違えない方がおかしいくらいの難易度だった。
(……絶対、問題を難しくして早く終わらせたがってるわね、マロン先生……)
正解を続けるごとに眉を寄せるマロン先生の表情を見ると、アメリア先生の予想は大方間違っていない。
そんな計略をよそに、二人ともハイペースで正解を叩き出し、決勝戦を盛り上げる。

「……戦い自体は、是非とも記録に残しておきたいんだけどね……」
悩むアメリア先生の後ろに、大きな影がさした。
「ふむ、何か問題でも?アメリア先生」
「ひうっ……が、ガルーダ先生!?」

アメリア先生の魔法障壁は、当然術者よりレベルの高いものには効果が無い。
いつの間にか寄ってきたガルーダ先生が、嬉しそうな顔で勝負を見物していた。
「ガルーダ先生……どうしてここに?」
「名勝負の匂いがしてな……来てみたら面白そうな事をやってるではないか」
「あ、あのっ、ガルーダ先生……お願い!この勝負、他の生徒には言わないでっ……」
「む?……まぁ、何か事情でもあるようだな……承知した。それにしても、上級魔術師のレベルで
ミックスアップを見られるとは……あいつら、やるじゃないか」
「ミックス……アップ?」
あまり聞いた事の無い単語に、アメリア先生がオウム返しに尋ねる。

「試合の中でレベルアップしていく現象だ。普通、知力は毎日の勉強を積み重ねる事で上がっていく。
……しかし、稀に勝負の中で度胸や運を身につけて強くなっていく奴がいるんだ。
極端なまでの緊張感と集中力を二人同時に持っていて、なおかつ相性が良くてはじめて起きるもんだ。
俺も見た事は片手で数える程しかない。よく見ておいた方がいい」
「へぇ……」
「シャロンもずいぶんと真剣なようだな……ああまで脱ぐほどに大量の汗を流して」
「えーっと……そういう訳では……あ、いえ…いいですそれで」

385:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/10/02 18:24:43 uQlX+7VQ
ここで突っ込むと、また話が逸れてしまうのであえて黙っておく。
ただ、言われてみれば二人とも、決勝戦が始まる前とは明らかに雰囲気が違う。
人間の形そのものを表す【顔立ち】自体は変わらずだが、
人間の心の有り様を示す【顔つき】が引き締まり、
レオンは頼れるリーダーとして王者の如き風格を身に纏い……
シャロンは血生臭い戦場にありながら輝き続ける戦乙女の如き美しさを醸し出す。
もはや、大魔道師以下にはとても見えない決勝戦に、見ているもの一同は
呼吸する音すら立てられないほどの緊張を強いられていた。

「わずかだが、レオンが押してるか?……それでも0.3ポイントくらいだな。
たった一つの不正解で状況はひっくり返る……凄い闘いだ」
「そうですね……いえ、たとえ正解でもワンテンポの遅れで逆転します。
わたしは教員になってから日が浅いですが、こんな試合、何度見られる事か……」
「お兄ちゃんたち、すごぉい……降参して正解だったかも……」

凄まじいまでの正解率で二人は一歩も引かずに突き進む。
残す問題もあと1問となり、周囲にもう一段、緊張が重なった。
最後に残った問題は画像4択クイズ。
図に示す像は、どの美術館に収蔵されているでしょう?というものだった。

画像を詳しく見るまでも無くそれは有名なもので、一般的に言う【ミロのヴィーナス】と
呼ばれるものであった。当然、その答えも有名なもので、問題の難易度は低かった。
しかし、重要なのはその問題が、どのタイミングで出たかという事であり。
レオンにとっては問題の難易度より、彫像とはいえ女体を見たという事実こそが、
この瞬間における最高のアクシデントであった。

文字情報より、画像の方が直接的にイメージに響くため、
今まで集中力で押さえ込んでいた劣情が強烈に蘇る。
女性の平均よりは大幅に薄いシャロンの胸。しかしながら肌は染み一つ無く綺麗であり、
瑞々しくも十分に成人女性としての色気を見せる乳首までもがレオンの瞼に焼き付いていた。
こうなると、脳の構造というものは厄介で、次々に関連する記憶を引っ張ってくる。
シャロンの下着に、大事なところを覆うふくらみ。そして、汗にまみれて薄く透けている黄金の茂み。
ほんの一瞬だが、レオンの時間が止まった。
それは普段なら何てことない時間だが、真剣勝負には決定的な時間であった。


386:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/10/02 18:25:22 uQlX+7VQ
「……くっ!?」
何とか正解のパネルを叩くものの、明らかにシャロンより一歩遅れた。
終わってみれば、両者全問正解のパーフェクトフィニッシュ。
いつもならトップは手堅い万全の結果であった。……しかしこれは対戦形式の決勝戦で、
どんなに優れた点を取っても、その上を行くものがいれば勝利の女神はそちらに傾く。

「むぅ……これは俺でも分からんな。最後の最後で逆転か?」
「……結果が楽しみですね。95点クラスは行ったでしょうけど……
マロン先生の採点を待ちましょうか」

「はいはーい、お待たせっ♪採点結果を発表しちゃうよー!!」
時間が押しているためか、さすがに彼女の採点は早かった。
普通なら、発表の際は生徒達に緊張感を持たせるためにある程度の間を置くのだが……
魔法少女アニメを楽しみにするこの先生を前に、そんな決まりは無視しても構わないほど、
些細なものであった。


『結果は……レオン君95.05点、シャロンちゃん95.08点!よって、シャロンちゃんの優勝ー』


高らかなファンファーレと共に、学園で用意された紙ふぶきが表彰台の上に舞う。
今回は特別ルールでの勝利のため、スペシャルメダルおよび前年度仕様の、
真紅の優勝旗がシャロンに手渡された。
「おめでとー♪じゃ、アメリア先生、後はヨロシクー!!やっほーい間に合ったー♪」
「ちょ……ちょっと、マロン先生!?表彰と経験値の割り振りが!!」
「任せるからてきとーに計算して。後で理事会からハンコもら……」

最後まで言い切る前に、テレポートの魔法が発動してマロン先生が消えた。
おそらく、寮内の自分の研究室にある大型魔法ハイビジョンスクリーンの前へ行ったのであろう。
「ああもうっ!しょうがないわね……まず、シャロンちゃんに優勝旗を……うわ!?」
下着一枚で佇むシャロンを見て、アメリア先生は大事な事を思い出した。

387:負けたら脱衣!上級魔術師決戦
06/10/02 18:26:21 uQlX+7VQ
(マロン先生……せめて魔法解除してから帰ってよ!?)
改めて状況を見ると、シャロン、アロエ共にショーツ一枚のあられもない格好で、
シャロンにいたっては大量の汗で下着が透け、白い布の向こうに金色の茂みがうっすらと見えている。
とりあえず、真紅の優勝旗をシャロンに贈呈し、その布地で身体を隠してもらった。
「おめでとう……あと、ごめんなさいね……本人でないと、魔法解除は出来ないから……
後でテレポートで自室まで送るわ。見えなくて大変だけど、自力で着替えてね」
「わかりました……ですが先生、その前に少し、よろしいかしら?」

シャロンは、そのままアメリア先生に背を向け歩き出す。
そして、力の全てを出し切ったレオンが仰向けに倒れている場所へと歩み寄り、手を差し伸べた。
「……本来、対戦相手に言葉をかけるべきでない事は承知しておりますが……
レオン、ありがとう……あなたが檄を飛ばしてくれなければ、恥ずかしさに心が折れていたわ。
そして、あなたが相手でなければ、わたしもここまでは来れなかった……」

本来、シャロンは誰とでも仲良くするタイプではないが……この時ばかりは状況が違った。
力のあるものを認め、素直に健闘を称え感謝するその心に嘘偽りは無く、
普段の尖ったイメージからは考えられないほどに、爽やかな笑顔でレオンに微笑みかけた。

「お、おう……っ!?」
レオンが差し出されたシャロンの手を取って起き上がるが、彼も忘れていた事が一つ。
決勝戦が終わり、集中力が切れてしまえば彼も普通の健康的な男子生徒であり……
優勝旗で隠してはいるものの、赤い布の隙間から見える肩口からスラリと覗く太腿に、
思わず股間が反応してしまう。
さらに、彼の方が低い位置にいるため、ローアングルでシャロンの下着が見えてしまった。
「早くお立ちなさいな……貴方がシルバーメダルを受け取らない事には、進みませんわよ」
「わ、分かってるから……頼む、ちょっと離れてくれ……本当にやばそう……」

緊張感が消えても戦いの感覚はまだ残っているらしく、視覚も嗅覚も鋭いままだ。
このままではシャロンの裸ばかりか、彼女の【女の子】としての匂いに、
さらに下半身が反応して、終始前かがみでいることになりそうだ。

「はっはっはっ……若さだな。実に素晴らしい試合だった」
「ガルーダ先生。お願いですから少し会場の整理を手伝ってくれませんか?
メインの担当が二人とも外れちゃってこっちも大変なんですからっ!!」

会場の収拾にメダルの授与。正解と得点の記録から、理事会への報告、承認……
そして最後に生徒へのケア。
アメリア先生は半分泣きながらそれらの雑務を全てこなしつつ、結界を維持し、
何とかこの決勝戦のスケジュールを全て終わらせた。
今日が週末であることが幸いしたらしく、このあと彼女は寮に帰った後、
丸一日、泥のように寝込む事になったらしい。

アカデミーの歴史に残る、変則ルールの脱衣決戦は、こうして幕を閉じた。


388::名無しさん@ピンキー
06/10/02 18:34:49 uQlX+7VQ
最終戦、何とか書き終わりました……
ごめん。シャロンがどうしても脱いでくれなかったので、
ぱんつが透ける程度のえろしか入れられなかった……

話の流れもキャラも、全部成立させて上でえろくするのって本当に難しいわ。
とりあえず、えろというよりえっちパートはこれで終わりです。
風呂敷を畳むべきエンディングパートは一応考えてるけど、えろ無いしorz

4の発表もあったことだし、シャロンにえろい着せ替えカスタマイズが
できる事を祈ります。
ベタい妄想に付き合ってくれた人たち、ありがとう。

389:名無しさん@ピンキー
06/10/03 00:05:58 3HE68Euf
いやいや、GJでしたよ!

本番ありがここのデフォ?な感じでしたが、このようなスタイルもいいと思いますよ。
それに試合中の展開に関しても普通のSSでも活用できると思います。


あー・・・でも、ますます自分の文才に対して自信がなくなってきた。
ここうp用のSS書いてみたいが、今書いてるやつの書き直しが先だ・・・

390:名無しさん@ピンキー
06/10/05 16:38:00 rlcKbn+C
突然ですが恋愛占いです

シャロン(shalon) さん(秘数5)とカイル(kaile) くん(秘数7) ふたりの恋愛を占いました。

~ケンカもするけど、仲良しカップル~

仲がいいときと、悪いときの差が激しくて、ケンカの多い恋になりそうなカップルです。
さっきまでのいい雰囲気が急変、争いごとになってしまったり・・・。
波のある刺激的なお付き合いになるでしょう。

■片思いの場合---効果的なアプローチは?
 大好きな相手に、ついそっけない態度をとったり、つっぱったり・・・なんてことはありませんか?
 恋を進めるためには、さりげない優しさで相手の力になってあげましょう。
■片思いの場合---交際のきっかけは?
 気持ちを伝えるには、手紙とかきちんとした感じは避けて、冗談っぽく「好き!」って伝えてみましょう。短いEメールでも○。
 そのほうが受け入れてもらいやすいでしょう。
■長続きする交際の秘訣は?
 小さなことでも、かくし事や嘘は二人を遠ざけます。
 なんでも話し合ってお互いの信頼感を深めあいましょう。そしていつも自分をみがく努力は忘れずに。
 デートはきちんと計画を立て、健康的な場所で。お金を使いすぎないように注意しましょう。
 ケンカは二人にとって日常茶飯事ですが、必ずルールを守って。いつまでもこだわりつづけるのはバツ。

391:名無しさん@ピンキー
06/10/05 23:17:55 51OA7yYb
>>390
何か的を射ているな・・・。

392:名無しさん@ピンキー
06/10/09 03:19:14 Yw65n4Kn
マロン(MARRON)先生のMってマゾのMなんー?

「も、もう我慢出来ないのだ。は、早く先生を叩いて欲しいのだ・・・。」
・・・保守。

393:名無しさん@ピンキー
06/10/12 19:51:09 iLiUK2+0
何か一気に過疎ったな・・・・・・・

・・・・・保守

394:名無しさん@ピンキー
06/10/15 23:09:45 pu55w5ar
保守

395:577
06/10/18 02:23:18 qAeKRsiz
レスを下さった方、ありがとうございました!
間を空けてしまいましたが、続きを投下します。
思っていた以上に後半が長くなってしまったために、後半をさらに二つに
分けてしまいました……
なお、エロパートとオチは次回です……

396:サンダースさんとマラリヤ姐さん・中編(1/8)
06/10/18 02:25:33 qAeKRsiz


カコンと竹が岩を叩く。空気を縦に切るような、ししおどしの乾いた音。
一つ鳴るたび、辺りの静寂はその深さを増していく。

「いいところだ……」
きゅうすの茶を湯のみに注ぎながら、ふと、サンダースが部屋から見えた
庭園について言葉をこぼす。

「こうしていると、まるで夫婦のようだな……」
「……夫がお茶を淹れるの?」
サンダース自らが淹れた茶を、マラリヤは複雑そうな顔で受け取ってすする。
すでに湯を浴び終えた二人は旅館特有の浴衣と羽織りを着込み、
用意された部屋でくつろいでいた。部屋は和風で統一されている

「どうした? あまり楽しくなさそうに見えるが?」
あまり覇気のなさそうに見えたからだろう、サンダースが声をかけると、
ほんの一瞬分の沈黙を経て、マラリヤが伏せていた顔を上げる。
そして軽くため息をつくと、いつもの抑揚のない声が彼女の口からこぼれでた。

「楽しくないわけじゃないわ……」
正座を組んでいた足を崩して横に流し、額にはりついた洗い立ての髪を指ではがす。
いつもおろしている長く豊かな黒い髪は、今は後ろでまとめて頭の上のほうで留めていた。

「ならばどうした? いささか大人しすぎるように思えるが……」
「……食パンかじりながら走って、雪山に行って遭難して人命救助して……その後、招待されて
今日は温泉……これで疲れない人がいたらお目にかかりたいくらいよ……」

もう一度マラリヤがため息をつくと、どうやらサンダースは何かを感じ取ったらしく、
ああと合点がいったように頷く。

「なるほど……確かに女性の身で雪山はきつかろう、疲れるのは当然だ」
「……言っておくけど、疲れているのは肉体のせいだけじゃないわよ……」
納得はしてくれたようだが、おそらく理由は半分もわかってはいまい。
皮肉や毒舌が通じるような相手ではないし、通じたところでそれを理由に
騒ぐような男でもないからだ。


397:サンダースさんとマラリヤ姐さん・中編(2/8)
06/10/18 02:27:03 qAeKRsiz

それでもマラリヤは仕方ないわねと小さく呟いただけで、その鈍感さを許してやった。
サンダースとつき合っていると、知らないうちに心は寛容になっていくようだ。
立ち上がって彼のそばへと行き、その隣であらためて座りなおす。

「……まあ、いいわ……なんだかんだ言ったけど結構、面白かったし……」
サンダースの骨ばった肩に頭をのせ、甘えるようにして寄り添うと、微かに香る湯の温もり。
ふれあう互いの暖かみは、気配が溶け合うような柔らかい心地がした。

「……ねえ、考えてみれば本当に何も変わっていなかったわね……」
「何のことだ?」
「昨日の最初であなたが言ってたじゃない、『私達は特になにも変わっていない』って」

グッとサンダースの眉間にしわが刻まれる。突然、前日の話題を持ち出すマラリヤに、
おかしなものを感じたからだろう。言葉の続きを待ちながら、真意を探るように耳をすませる。

「君はそれで納得をしていたんじゃないのか?」
「納得とは少し違うわね……こういうものだと思っていたの」
「……どういう意味だ?」
まるで禅問答のような具体的な形を欠いた言葉に、サンダースの眉のしわがますます深くなった。
しかしそれでも急かすような真似はせず、マラリヤのペースに気持ちを合わせる。

「私とあなたなんだから、つき合ったくらいでそうは変わらないだろうって思っていたのよ、
それこそ、あなたが読んだ漫画や映画みたいに、周りが都合よく事件を起こしてくれれば
話は別でしょうけど……」
サンダースの肩に乗せていた頭を離し、髪をなでて少し乱れた部分をならす。
それから相手に対して少し斜めになるように座りなおすと、顔をのぞきこむようにして上半身
を前に出した。

「実際、特に変わったところはないわけだが……」
「だから仕方ないのよ……『私』と『あなた』なんだから……」
もう一度、マラリヤが同じ台詞を繰り返す。
考える時はいつもそうするようにサンダースが目を閉じる。少しの間、訪れる沈黙。
やがて何かに気づいたらしいサンダースが目を開け、言い聞かせるように呟いた。

「……変化がないのは、むしろ当然の結果というわけか」

言葉に導かれるままそうサンダースが結論付けると、隣のマラリヤはゆっくりと微笑んだ。
笑顔の意味は「よくできました」。


398:サンダースさんとマラリヤ姐さん・中編(3/8)
06/10/18 02:28:12 qAeKRsiz

「……なるほど、言われてみれば確かにその通りかもしれん」

自分の言葉に頷き自分の言葉に対して返事をし、そして自分で自分の言葉に納得する。
考えてみればお互い、物事の変化に対する耐性は、級友たちのそれに比べるとずっと高く、
歓喜であれ悲劇であれ、突然の事態に対して心が揺れ動くことは少ない。
また、動いたとしてもそれがそのまま行動に表れることもめったにない。

恋愛に疎いうえに、普段から出来事に対するリアクションが薄く、変化への順応性も早い、
これだけの条件がそろってしまえば、〝ありのまま〟の存在だけに留まってしまうの
は当然のことだった。

「―少し、焦っていたんだ」

サンダースがぽつりと点を打つように言葉を置いた。
外ではししおどしがまた岩を叩いて、場にふさわしい静寂を一つ増やす。

「かなりの日数をかけて交際を続けても、君の態度はさして変わっているようには
見えなかったし、また変わっていくようにも見えなかったからだ」
「……誤解のないように言っておくけど、私すごくうれしかったわよ?
だってやっとふり向いてくれたんだもの……」

ふとマラリヤがうつむいて、一緒になる前の寂しかった日々を思い出す。
サンダースの意中の人物が自分ではないと知った時の絶望感、気持ちを伝えても望む返事が
返ってこなかった苛立ち……むなしさから生ずるやるせなさなど飽きるほど経験した。

「……まあ、私は私で不安だっだけどね……」
「そうか?」
「……あなた、私より先に好きな人がいたじゃない……不安にならないわけないでしょ……」

もう忘れたのかと半ば呆れると、気まずそうにサンダースが目をそらす。
どうやら慌てているらしい。

「いや……その……そ、それこそ誤解のないように言うが、私はもう……」
「わかってるわよ……未練があるならつき合おうだなんて言うはずがないし……
あなた、そういうところはしっかりしているもの……」

すぐに弁明を始めようとしたサンダースをマラリヤが首を振って遮る。
説明などしなくても、同情や憐れみだけを理由に動くような人物ではないことなど知っている。


399:サンダースさんとマラリヤ姐さん・中編(4/8)
06/10/18 02:29:24 qAeKRsiz

「……まだ不安か?」
「今? ―もう平気。あなたがさんざん馬鹿な行動で引っぱり回してくれたおかげで、
そんなの吹っ飛んだうえに、何だかどうでもよくなったわ……」

口調から心配をしているらしいサンダースに対して、優しい言葉で否定をするマラリヤ。
やれやれと子供のいたずらを許すときのような、その柔らかい表情が、
普段の彼女とかけ離れて見えたせいか、色気にも似たその魅力に思わずサンダースの顔が赤くなる。
そんな彼の様子が可愛く見えたのだろう、再び彼の体に寄りかかった。

「そうか……私の行動が何かの役にたったのなら幸いだ」
別にサンダースの提案した数々の珍奇な行動が役にたったわけではなく、
彼なりに自分達の関係のありかたを考えていてくれたことが嬉しかったのだが、黙っておくことにした。
わざわざ伝えなくとも、特に支障はないだろう。

また一つ竹が岩を叩き、辺りの気配を静める。
黙った二人の間に時が流れ、静から生じる柔らかい心地よさが空気を通して伝わってくる。
お互いの心が通じ合っている時の沈黙は、居心地のいいものだった。

しばらくそうやって時をやり過ごす二人。
不意にサンダースが口を開いた。


「―ところで、今夜の我々の行動についてだが……」


ビシリとマラリヤの周囲の空気が固く冷える。

ほんの少し、唇を引きつらせながらマラリヤがサンダースの体から離れると、
なにやらまた何かを企んでいるらしく、はっきりとした決意のようなものが瞳から垣間見えた。
まだ何も聞いていないが断言はできる。ろくでもないことだと。

「……また何かするの?」
「当然だ、二人きりになることなどいつでもできるが、周りに知人がまったくいない
状況などそうそうない。この機会を利用せずにどうする」

いつもの低い声で淡々としかし熱く語る彼の様子に、唇だけだった引きつりが顔全体にまで広がる。


400:サンダースさんとマラリヤ姐さん・中編(5/8)
06/10/18 02:30:47 qAeKRsiz

「……それは夜の営みについて?」
「その通り。今回は『快楽と陥落』だ」
予想通りのろくでもないことの上に、今までの中で一番たちが悪い。
彼が何かをするにしろ自分がするにしろ、ある種の被害が出ることには間違いない。

「……ねえ、今のままでは何か不満かしら?」
「不満はないが君に対しての要望はある。素直に行為に馴染んでいる君も悪くはないが、
私としてはそれだけでは物足りない」
「……どうして欲しいの?」
「単刀直入に言おう、君からの『おねだり』を要求する」

ズザッとマラリヤがサンダースとの間にかなりひらいた距離をとる。
彼が冗談を言っているわけではないことは表情でわかるし、至極、真面目な話をして
いることもその口調でわかる、だから余計に恐い。

「……本気で言っているの?」
「当たり前だ。調べた結果、実に様々な『営み』があることがわかった。
そしてどうやら私は『征服欲』に対して極めて高い興味があるらしい」
「……そのままじゃない」

ガンガンと危険を知らせる警報が脳内で鳴り響く。
無論、その警報がすぐにこの場を離れることを示唆していることなどわかっていたが、
状況的に逃げられそうもない。

「ところで今夜の行為についての簡単なプロットだが、
(1)君が嫌がりながら抵抗。
(2)しかし徐々に快感を感じて陥落。
(3)快感に翻弄されおねだり。
……という風に考えているのだがどうだろう?」
「どうだろうじゃないわよ……ただの強姦イメクラプレイじゃないの……」

どこで道を間違えたのか、あらぬ方向に突き抜けていくサンダースにもはやマラリヤは
強張った笑みを浮かべることしかできない。
一応、つっこんではみたが、それも無駄な抵抗でしかないだろう。


401:サンダースさんとマラリヤ姐さん・中編(6/8)
06/10/18 02:32:02 qAeKRsiz

「イメクラか……ふむ、その類も調べてみたがなかなか興味深かった。
機会があればぜひ試したいものだ」
「冗談じゃないわ……大体、私とあなたで何をするのよ……
まさか病院の医師と患者だとか教師と生徒でとか言うんじゃないでしょうね……」
「いや、町娘と悪代官だ」
「どうしてそんなマニアックなものを……」

段々、話がおかしなほうへと流れていくが、それでもマラリヤはつっこみを忘れない。
止めたら最後、恐らく食われる。

「嫌か? ならば借金のかたに連れてこられたという前提での、長屋の娘と借金取りはどうだ?」
「……取りあえず、あなたが私を悲惨な目に遭わせたいことだけはわかったわ……
あとその言い方だと、すぐにでも始めるように聞こえるんだけど……」

すでに話している内容自体がろくでもないことになっていることなど、
当にわかりきっていたが、もはやこの流れを止める術はない。
とうとうマラリヤが、おぼろげに考えていた最終手段を決心する。

―逃げよう。今すぐここから。

あまり良い策とは言えないが、他に事態をを打破する案などない。
このまま進めばサンダースの言葉通りのことを実行せざるをえなく、
それはすなわち、もっとも避けたい最悪の事態を受け入れることに他ならない。

「これも不満か? うむ……他に君が気に入りそうなものは……」

サンダースが顎に手を添え、視線をマラリヤからはずす。

―今だ。

一瞬できた隙をマラリヤは見逃さない。
すぐさま膝を立てて立ち上がり、体を出入り口のほうへと向けそれから……

「――――ッ!!?」

ドクンと身体の深い部分で熱が弾ける。

「―え……!?」

一瞬のことだった。
突如、湧き上がった体内の激しい違和感に、瞳を驚愕の形に変えながら自分の体を抱きしめる。
全ての筋力を失ったかのような感覚にたまらずその場にへたり込むが、生じた異常は消える気配は
一向にない。……全身が焼けるように熱い。


402:サンダースさんとマラリヤ姐さん・中編(7/8)
06/10/18 02:33:30 qAeKRsiz

「な、何……!?」
「効いてきたか……」
今だ戸惑いの解けないマラリヤとは対照的に、サンダースの態度はいつもと同じでまったく崩れない。
むしろ、あらかじめこうなる事がわかっていたかのような口ぶりだ。
おかしい……マラリヤの瞳が歪み、恐怖にも似た疑惑を胸に孕ませる。
その時、ふと目の端に先ほどまで自分が使っていた湯飲みが映った。
思考がある直感を捉える。

「……お茶に何か入れたの?」
「少々な。今、君が考えているようなものを入れたと思ってくれればいい」
はずれていて欲しかった予感が当たる。
徐々に体を蝕んでいく熱に懸命に耐えながら、何とか気丈に振舞うもそれもいつまでもつか。
サンダースがマラリヤに近づく。

「今までのことから推測するに、君が私の提案をそのまま受けいることは難しいと考えた。
なので少し強引な手を使わせてもらうことにした」
「手段はともかく……どうやって薬を手に入れたのよ……私のところから盗んだわけでも
なさそうだし、他にあてがあるとも思えないし、作るにしろあなたにそこまで深い薬の知識
あるとも思えない……」
「簡単なことだ、君のCOMアザリンに作ってもらったんだ。
実験になりえるだろう茸を土産に持っていったら、すぐに渡してくれた」

なんてことしてくれるのよと、マラリヤが心の内で物につられた自分のCOMに毒つく。
COMを利用したサンダースの頭の巡りに、ある意味で感心しつつも、この行為を実行する
ためだけにそこまでする彼に頭が痛くなる。どうやら自分は、まだまだ彼を甘くみていたらしい。

「……ねえ、ここまでしてやりたい事なの?」
「当然だ。私は何事においても、実行にうつすさいには決して手を抜かん。
なお、今回参考にしたものは……」
「言わなくていいわよ……出かけにあなたのペットが花に変わっていたこと、
すっかり忘れていたわ……」

あの時、一瞬でも感じた疑問をなぜ今の今まで忘れていたのか、それが悔やまれる。
参考にした資料も気になったが、あえて好奇心を押さえた。
聞いたら多分、立ち直れないような気がする。


403:サンダースさんとマラリヤ姐さん・中編(8/8)
06/10/18 02:34:39 qAeKRsiz

「本当に聞きたくないのか? あるDVDの……」
「黙りなさい。これ以上言った……――ッ!?」

再び何かが弾けるようなものを感じて、マラリヤがビクリと体を震わせる。

―熱い熱い熱い。

さっき以上に、理性で抑えなければいけないほどに。
過ぎた時間の分だけ、薬はより深くその効果を体に根付かせていた。

「頃合か……」
「……っ!」
マラリヤの二度目の変化を見て、行動に移すべき時期がきたことを知ったサンダースがにじり寄る。
反射的に後ろへ下がろうとしたが、腕も足も力が入らない。
どうやら薬の効果は熱を与えるだけでなく、ある程度の筋力を奪う効果もあるようだ。

「さて……」
「……来ないで……っ!」
「うむ、なかなかうまいな」
「……演技じゃない上にあなたの提案にのったわけでもないわよ……!」
いまいち危機感が持てないのは、薬で弱っているせいだけでは多分ない。
彼とつき合う上では、こんな状態の時でもうまいことを言わなければいけなくなるらしい。

「なに、いずれ散る花、先であろうが今であろうが変わりはなかろう」
「……どうして急に悪代官みたいな台詞を言うのよ……」
「ならば今この時この場で散らすのみ!」
「きゃあぁぁっ!?」
がばりと獲物を襲う肉食獣のようにサンダースが抱きつく。
無論、突然の事態にマラリヤが対応できるはずもなく、あっさりと捕らえられた。

「は、離しなさい……! きゃっ!」
「ふははははっ! 声をあげたところで助けなど来ぬわ! 大人しくわが手に堕ちるがいい!」
「だからどうして代官口調に……きゃああぁぁっ!!? ま、待ちなさい! 待って!
それは帯じゃな……………………ああれえぇぇっっ!!」

抵抗むなしく、衣類を剥ぎ取られる即席の町娘。悪代官の乱心を止める術はもはやない。

今から好きな人に犯される今から好きな人に犯される今から好きな人に犯される今から好きな人に犯される
今から好きな人に犯される今から好きな人に犯される今から好きな人に犯される今から好きな人に犯される
今から好きな人に犯される今から好きな人に犯される……

できることといえば、頭の中で何度も何度も精神ダメージを軽減する呪文を唱えることだけだった……


404:577
06/10/18 02:36:42 qAeKRsiz
以上です。
最後の残りは土曜日に投下できればと考えております。

405:名無しさん@ピンキー
06/10/18 11:40:03 KM+eF9fo
土曜日wktk
サンダース暴走しすぎですってw

406:前スレ506
06/10/18 19:49:11 C+3OsLso
久しぶりに覗いてみました。

>>脱衣決戦の方
GJです!
…確かにここのSSは比較的「本番」まで書くケースが多いようですが、
(実際、自分も「本番なし」は書いてませんから)
本番なしでも、「魔法学園もののパロディ」として高いクオリティだと思いますよ!
明るいノリで楽しく読ませていただきました。
次作を書かれるのを楽しみにしております!

>>577姐様
続編ktkr
たった1日足らずで魚→花にペットを変えたり、薬の手配を済ませている
軍曹の行動力…もとい妄執スゴスw
つーか、悪代官シチュにハマる軍曹…マジで何歳なんだwww
ああ、マラ様はこのまま毒牙(?)にかかるのか、それとも………w
続きwktkでお待ちしております!

忙しくてなかなか筆が進んでませんが、月内に1本あげてみます。
(容量的に、このスレでは最後…かな?)

407:名無しさん@ピンキー
06/10/23 22:17:42 k+IubNz4
GJ!
マラリヤが何気に乗ってるのが吹いたw
何かしらやらかしてくれそうで期待して待ってる

408:名無しさん@ピンキー
06/10/25 15:46:34 ra8eEFcm
アロエのうんちの穴を思い切り舐めまわしたい。
それで「やぁん…ダメだよ、そこ汚いよ~?」と全然困ってない様子で言われたい。
うぎぎ!勃ってきた!

409:名無しさん@ピンキー
06/10/26 14:04:03 7958ZCXO
アロエたんは、う ん ち だ さ な い![・∀・]


410:名無しさん@ピンキー
06/10/26 15:58:11 /MQPrnq+
>>409
待て。それって人間じゃないって事だろう

たとえ冗談でもそんな萎えること言ったら次は許さないからねッ

411:名無しさん@ピンキー
06/10/26 21:15:31 oulLcPyU
>>408
なんというか、そのアロエはQMAよりも
どっちかというとツインビーやサラマンダ、A-JAXなんかに出そうな…

すまない。忘れてくれ。

412:名無しさん@ピンキー
06/10/27 09:02:41 AFijuP2V
>>404
土曜日っていつの土曜日?
明日なのか??

413:名無しさん@ピンキー
06/10/27 10:53:19 WV4dDpdb
>>412
まあ、落ち着きなさいよ。
職人さんにも都合あるわけだし。
マターリ待ちましょうよ。

>>409
何か輪郭が違うが…言った方がいいのか?w

414:577
06/10/29 03:32:31 4CP8BadR
自分で書いた期限に遅れてしまい、本当にすみません……
続きを投下します。

415:サンダースさんとマラリヤ姐さん・後編(1/13)
06/10/29 03:34:16 4CP8BadR


― アカデミー (カイルの部屋) ―


「……と、いけないもうこんな時間か。マラリヤさんのペットにご飯をあげないと……
蝙蝠くーん、ご飯ですよー、どこですかー! ……いないな、知らない人の部屋に預けられて
緊張をしているのかなあ……」

バタバタ! バタバタ!

「ってうわあっ!? ドアに挟まれて……今助けます! 
よいしょ……ああ、よかった、ケガはないな……でもどうしたんですか? 
外に出たかったのなら窓から……え? ご主人さまがピンチ?大丈夫ですよ、だってマラリヤさんには
サンダース君がついていますし……そうじゃない? サンダース君が危険? だからご主人さまがピンチ?
……すみません、窮地に立っているのはどっちですか……?」





白い肌を無骨な男の指が滑る。

「……っ……は…ぁ…んぅ…ふぁぁっ…!」

あぐらをかいたサンダースの膝の上で、後ろから抱きすくめられるような形で愛撫が行われている。
マラリヤの白い肌に纏っているものはブラジャーとショーツの下着のみ。
どちらも彼女の特徴を表す黒い色だ。

「…く……ふぅ……んぅ……」
丸みを帯びた肩、胸の豊かなふくらみ、白い腹、すらりと伸びた足、
そして背中……あちこちに手を這わせ、快感を煽る。
ただ触れるだけ、ただなぞるだけの非常に程度の弱い行為だけが、ずっと続いていた。

「……ぁ…ぁ……ひぅっ!?」
耳の裏を舌でなぞる不意打ちに、マラリヤの体がびくりとはねる。
軽く耳たぶを噛んだあと耳紋を通って孔に舌を捻りこませる。喉からしぼり出される短くも鋭い嬌声。
顔をそらして逃げられないよう、頭を手でしっかりと固定してさらに嬲った。


416:サンダースさんとマラリヤ姐さん・後編(2/13)
06/10/29 03:35:53 4CP8BadR

「…あ、あ、あ……はぁん!?」
「撫でるだけでもうこの反応か……なるほど、よく効く薬だ」
「んっ……今日はずいぶん……繊細に動くじゃない……」
マラリヤにとっては、理不尽ともいえる理由で犯される行為に憤りを感じていたのか、
舌ったらずな口調で皮肉をぶつける。
だがサンダースがその毒に気づくことはなく、ただの問いかけと実にのんきな解釈をし、
崩れぬ態度で律儀に答えを返した。

「聞くところによると、相手からのおねだりが欲しいのなら、できる限りじらすのがもっとも効果的らしい。
しばらく前からある人物に、その手ほどきを受けた」
「……誰よ……そんなろくでもない事を教えた人は……」
「それは言えん。名前は伏せるが、その人物によると最初は局部を避け、じらすだけじらした後、
集中的に責めるのがいいらしい、『思っているより時間をかけるのがコツやで』とも言っていたな……」
「……伏せた意味ないじゃない……」

最後の一言で、いともあっさりわれる正体。
少なくともサンダースよりかはその手の経験が豊富であろう、独特の方言を使うあの男を思い出して、
ただでさえ治まらない怒りがますます増幅される。

(こんな状況でなければ……呪ってやるとこよ……)
あるいは、もう少し怒っていたのなら、この状況でも始めていたかもしれない。
取りあえず、呪われるはずだった男の運命はぎりぎりで回避されて……

「ああ、ちなみに……」
「…何……?」
「イメクラなどの知識及び、DVDを含むその他の資料を提供したのも奴だ」




― アカデミー (カイルの部屋) ―


「良かった……取りあえず蝙蝠くんは落ち着いたようですね……」

ドンドン

「ノック……? 誰だろうこんな時間に? よいしょ……ああ、タイガ君」
「カイル~辞書かしてぇな。ジュースこぼして使い物にならんねん」
「しょうがないですね、ちょっと待ってて下さい……あったあった、さあどうぞ」

バタッ!

「んなぁぁっっ!!? タイガ君!!?」
「……か、体……動かな……」
「ちょ、ちょっとタイガ君!? しっかりして下さい! しっか……うおわっっ!!?
額になんかダビデの星みたいなのがうかんでるーーっっ!!? い、医者を……医者でいいのかな…?」
「……かゆ……うま……」
「感染してるーーーっっ!!? と、とにかく誰かぁーーーっっ!!?」



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