クイズマジックアカデミーでエロSS!三回戦at EROPARO
クイズマジックアカデミーでエロSS!三回戦 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
06/05/17 00:18:54 JpC2vVaZ
すげえ愛想のない1になってしまった……

3:名無しさん@ピンキー
06/05/17 01:28:12 f6ChxaVj
新スレメダルゲトー

4:名無しさん@ピンキー
06/05/17 01:37:00 v9N7PHjw
1乙です。初一桁。

5:名無しさん@ピンキー
06/05/17 17:53:04 a3wpFqJ0
>>1
乙。よくやった。
時間が空けばオレも何か書いてもいいよん

6:名無しさん@ピンキー
06/05/17 17:55:41 7EXDhOgF
>>1乙ルキアディア

7:名無しさん@ピンキー
06/05/17 20:53:32 ZLxP06jq
1乙

そんな貴方にアロエジュース

8:名無しさん@ピンキー
06/05/18 00:41:17 mwx2Fw8A
>>1乙。

9:名無しさん@ピンキー
06/05/18 17:02:16 3wrtfsZt
>>1
乙シャロンスキー

10:名無しさん@ピンキー
06/05/18 20:52:41 aTDJnHvL
>>1
乙クラランシス

11:名無しさん@ピンキー
06/05/18 21:37:16 1Cla7Vyr
即死は防ぐぞ諸君

12:名無しさん@ピンキー
06/05/18 23:29:39 703A8Jyv
>9
なんでわかったんですか

>6
おまえしんでいいよ

13:名無しさん@ピンキー
06/05/19 15:51:52 ps1gaeEb
さぁ、誰かSSをUPするんだ

14:230
06/05/19 19:11:12 AHm4cE8E
んでは、あんだけ時間あったのに完成してない拙作をば

・前スレからの続きです。
・執筆した時期がかなりズレていますので、変な所多いかも。
・無駄に力んで長ったらしいので、即死防止には良?
・カイル×ヤンヤン。本番までいってないですよー。

こんな感じで。あぼーんは「230」で願いますー。

15:230
06/05/19 19:16:46 AHm4cE8E
※全開までのあらすじ
ヤンヤン、興奮剤をカイルに飲ませようとするも失敗、自爆。
看病してもらった後、お礼代わりにカイルの部屋へと……!?
以下本編↓


 廊下の死角から覗き込むと、こそこそと男子棟へ歩いて行く二つの影が見える。
 そこでマラリヤは、やっと心の荷が下りた。
(どうにか成功したみたいね……頑張ったのね、あの子)
 伸びをして肩を軽く鳴らし、自分の部屋への帰路に向かう。
(これで上手くいかない訳が無い、と。そうね……私も、そろそろあの人に仕掛けてみようかしら……? ふふ)
 足音も立てず、彼女はそのまま去って行った。
 口の端に不敵な笑みを浮かべたまま。

 ふと気付いたら僕の部屋でした。
 僕は彼女に何と答えたのか、僕達がどこをどう通って帰ってきたのか。
 全くさっぱり記憶に無いというこの状況。
「どうしよう……」
 呟きに誰かが答えてくれる訳も無く、さぁぁぁ、という水の音が聞こえてくるだけ。
 そう。彼女は今、僕の部屋のお風呂に入っています。
 いつも鈍感だの朴念仁だの言われている僕だって、いくらなんでもこの状況とこの後の行動は分かる。
「……どうしよう」
 そりゃ、僕だって男の子ですから、ヤンヤンさん可愛いなぁーとか、意外と大きいんだなぁー、とか思ったことはありますけど。
 まさかいきなりこんな事になるとは思ってもいませんでした。
 準備や心構え抜き、なおかつ“初めて”という事も合わさり、僕の頭は限界のようです。煮えてます。
「ど、どうすればいいんだぁぁ!」
「とりあえず、お風呂に入ればいいと思うアル」
「ぎょわっ!?」

16:230
06/05/19 19:17:25 AHm4cE8E
「あ、上がったなら上がったと言って下さい……心臓が鼻から飛び出るかと」
「申し訳ないアル」
 素直にぺこりと謝るヤンヤン。
 その動きに合わせ、ひよこの色に似た長い髪が揺れる。
(うわぁぁ。髪降ろしたヤンヤンさん初めて見た。な、なんだか……)
「その、お、大人っぽい、です、ね?」
 奥手な少年は、そんな小さな違いにもいちいち動揺してしまう。
「そうアルか? えへへ、何か照れるネ」
 目を弓なりに、少女はぽりぽりと照れ臭そうに頭を掻いた。
「っじじじゃあ、僕もお風呂入ってきますね―って、あれ?」
 おかしい。何かとても重要な事件を見逃している気がする。
 何だ。何だ。何だ。……あ。
「っ!! 何でヤンヤンさんが僕のYシャツを着てるんですかっ!? しししししかも下に何も着けずに!!」
「やっと気付いたアルかー。これは家に代々伝わる『男を落とすてくにっく』の一つ、“肌華歪視奴”ネ!」

 ――その昔、中国では騎馬民族が覇権を争っていた。
     そして、ある英雄がその争いを征する。その名を『裸上着』(ら・じょうぎ)という。
     その裸上着が得意とした技が、“肌華歪視奴”である。
     まず上半身に外套だけを羽織り、その間から見える筋骨隆々の身体と、
     肉体から立ち昇る闘気によって相手の注意を引き、その隙をついて奇襲する、というのがこの技の仕組みだ。
     現代には、人知れずこの技を受け継ぎ、意中の相手を陥落させる女性も多数いるとされている――

                                   民明書房刊  『隠されし最終奥義』より


「いやいや男塾ネタでは無くてですね女性はみだりに肌を見せてはいけないと言うか何と言うかあーもうお風呂行って来ます!」
 耳まで真っ赤に染めたカイルは、言うが早いか風呂場へと逃げて行く。
「はは、ちょっとやり過ぎたアルか……って、本当は私が恥ずかしがる物なのにネ?」
 変なカイルー、と呟きつつ、ヤンヤンはベッドに腰掛ける。
 その頬がうっすら色付いているのは見間違いでは無いだろう。
「本当に、しちゃうアルね」
 とくんとくんと高鳴る鼓動。
 不安はある。恐怖はある。
 安堵もある。期待もある。
 そして何よりも、嬉しさに満ち溢れている。
 彼はどうあれ、自分の部屋へ私を連れて来てくれた。
 私を受け入れてくれたのだ。
「これが嬉しく無かったら、女の子じゃ無いネ……」
 かすかにこぼれた声は、風呂からの水音で掻き消される。

17:230
06/05/19 19:18:27 AHm4cE8E
(まずい。あれは非常にまずい)
 勢い良く冷水を被りながら、カイルは瞑想の構えをとる。
 顔を引き締め、不動のままシャワーに打たれ続けるその姿は、まるで修験者の様である。
(いや多分彼女なりのアピールなんだろうけれどあれはまずい)
 しかし内面では、年頃の男の子回路がフル回転中。
 もやもやと、妄想が浮かんでは消えるを繰り返している。
 それはさっきの格好で、とんでもない体勢になったヤンヤ―
(うおおおお静まれ第二の僕よ! いくらツボだからといって既に発射態勢になるんじゃ無いぃぃ!!)
 頭を抱えごろごろと風呂場を転げ回るカイル。
 彼の男の部分は、何と言うか、限界まで張り詰めてしまっている訳で。
 頭を洗っても身体を洗っても冷水を浴びてもさっぱり落ち着いてくれない、聞かん坊っぷりを発揮していた。
(ああああこんな状態で行ったら絶対引かれる! 間違い無く“ヤル気”満々に見られてしまうって!)
 凄まじい葛藤も空しく、一向に主張を続けるカイルの息子さん。
(! そ、そうだ、こんな時はロマノフ先生の事を考えれば……おお、一気にしぼんで行く)
 カイルは老人の持つアンチ海綿体パワーに感謝しつつ、パンパンと自分の頬を叩く。
「さあ、一世一代の勝負です!」
 戦場に向かう勇者の如く、威風堂々と彼は風呂を上がった。

 薄い青の無地のパジャマを着て、部屋へのドアをゆっくりと開ける。
「あ、カイル上がったアルね。はい、お茶注いでおいたヨ」
 居間の椅子にちょこんと腰掛け、足をプラプラ揺らしている彼女を見て、一回は押さえ込んだモノがまた持ち上がりだす。
「あどうもですすいませんお待たせしてしまってはははは」
 完全体になる前に向かいの椅子に急いで座り、テーブルでなんとか誤魔化すカイル。
「? カイル、ちょっと変だネ? どうしたアル?」
「あ、いや気にしないで下さい」(って身を乗り出さないでー! 谷間が! 谷間が!!)
「そう? ……ん。やっぱカイルにお茶の入れ方は負けるヨー。少し苦くなっちゃったネ」
「あ、いや気にしないで下さい」(ここで舌を突き出すとは!? 狙ってるのか? 狙っているのか!?)
「やっぱ変アルね……? そ、そういえばカイルの部屋って全然汚くないアルね。やっぱり性格が出るアルか?」
「あ、いや気にしないで下さい」(あー! 横向いたら見えるようーなーじ! うーなーじ!!)
 同じ言葉しか返さないカイルに、ヤンヤンは妙な異変を感じ取る。
「……カイル、もしかして緊張してるアルか?」
「へあっ!? そんな事は無いですよっ!? ほらこの通り一気飲みまで!」
「あ」
 カラッカラに渇いた喉に、カイルは一気にお茶を流し込む。
 それは確かに少し苦かったが、むしろその風味が自分を落ち着かせてくれた。

(そうだ、落ち着け。何をやってるんだ僕は)
 すぅっと自分の中で何かが変わって行く。
(……多分、この流れだと、行く所まで行ってしまうだろうな。
 だから、だからこそ冷静になるんだ、僕。こういう事は一生の思い出になる。僕にとっても彼女にとっても)
 目の前の彼女を見つめ、彼の決意は言葉となる。

18:230
06/05/19 19:20:28 AHm4cE8E
「ヤンヤンさん。僕から、伝えたい事があります」
 いつに無く真剣な声音で告げる。
「あなたが入学してきてから」
 手に背中に心に汗が。
「あなたの事を、ずっと考えていました」
 脳は白く燃え上がり、想いを残らず吐き出させる。
「一目惚れって奴、ですね」
 顔を上げ、瞳を見せて、彼は。
「あなたの事が好きです。大好きです」
 
 慕う彼からの、いきなりの告白。
 何が起きたのか解らない、といった表情から一転、ヤンヤンの目には涙が浮かび始める。
「う、うぅうぅぅぅ」
 顔を真っ赤にして必死に堪えている様だが、一旦決壊した涙腺は止まらない。
 ぼろぼろと溢れる大粒の涙は頬を伝い、テーブルの上で形を崩す。
「うぅぅ! カイルも、マラリヤも、何で急にこういうコト……!」
 何度もしゃくりあげながら、彼女は必死に自分の気持ちを伝えようとする。
「ひっ、わたしも、うぅ、わたしも、カイルが大好きだヨぉ! ひぐっ、ひぅぅぅ」
 Yシャツの裾でいくら拭っても、その滴は止まる事を知らない。
 肩を震わせ、喉を震わせ、ヤンヤンは感情のままに嗚咽する。

 ―あの時、何故ああいう事をしたのかは、自分でも分からない。

 カイルは彼女の後ろにゆっくり回りこむと、そのまま腕を首に回し、身体全体で抱き締めた。
 その行為はとても静かなもの。
 けれど、どんな言葉や仕草よりも、雄弁に心を伝えていた。

 応えてくれてありがとう。
 泣かせてしまってごめんなさい。
 遅くなってすいません。
 大好きです。愛しています。
 だからもう、泣き止んで下さい。
 恋人からのお願いですよ。
 ね?

 ―でも、それで良かった、と思う。
   そうじゃなきゃ、あんな思い出は作れなかっただろうから。

 席を立ち、ベッドの前でもう一度抱き締めあう。
 ヤンヤンはまだ少しぐずっていたが、カイルの胸元に顔を埋めるとそれもすぐに治まる。
 ぽん・ぽん、と、緩く背中を叩いてあやしてやるカイル。
 甘える猫の様に、顔を胸に擦り付けるヤンヤン。
「カイルぅ」
「はい? んむぅっ!?」
 呼び掛けに応じてこちらを向いた彼に、口付けで奇襲する。
 精一杯背伸びしての、唇同士が触れ合うだけのキス。
 直後にぱっと身を離したヤンヤンは、ベッドにぼふっと飛び込み、真っ赤な耳を隠そうとシーツと格闘する。
「うやぁー!! は、恥かしぃーっ!!」
「……あ……」
 お返しの奇襲を食らい、カイルの頭は悶々モードに再突入する。
(ぷにゅっとした柔らかい物が僕の唇をそれよりももっと柔らかい物が胸に押し付けられてああ僕はもう駄目みたいで)
 鼓動の速さは限界に近く、続く拍動は全身を内から焦がす。
 もう、止まらない。

19:230
06/05/19 19:22:10 AHm4cE8E
 二人分の体重を支え、ベッドが少しの揺れと小さな軋みを起こす。
 カイルは布の擦れる音と共に、シーツを取り払う。
 その下には、自分で自分を抱き締める様に小さく縮こまった少女が一人。
 先程シーツと戯れる内に着ているYシャツもめくれてしまったのか、太ももや胸元がはだけてしまっていた。
 それでもまだ見せたくないと言う様に、大事な部分だけでも手で覆い隠す。
 火照った身体やその動作が、逆にいやらしさを引き立てるとも分からずに。
 荒くなった息が漏れ、自分の頭の中が沸々と煮立つのが分かる。
 心で暴れ狂う劣情は、股間の膨らみという形で表に出ていた。
「わ……」
 パジャマを突き破りかねない勢いのシルエットを見て、彼女は驚きと好奇の溜息をこぼす。
「ちょ、ちょっと待って下さい。今脱ぎますから」
 いつもなら絶対言う事の無い大胆な言葉で答えながら、わたわたと上のパジャマと薄手のシャツを脱ぎ捨てる。
 外見では判らない、きっちりと引き締まった筋肉を纏った上半身。
 無駄な物が殆ど見られない、正に男性の理想的な肉体である。

(うわうわわわわ……は、初めて見たヨ、男の人の裸)
 赤い顔を隠した手の指の隙間から、しっかりと覗くヤンヤン。
 昨日までは想像の内でしか見ていなかったものが、今現在彼女の目の前にある。
 丁度、後ろを向いてパジャマのズボンを脱いでいる彼の腰から下にかけてがあらわにされていた。
 緊張のあまり、ガチガチに固まった尻の筋肉が引きつって動いている。
 ふっと好奇心が打ち勝ったのか、ヤンヤンは硬さを確かめるように、彼の今だひくひく波打つ臀部の筋肉に指先で突きを放つ。
「え、えいっ」
「はうッ!?」
 屈んでズボンを脱ぎ終わろうとした瞬間、無防備な尻に何かが直撃する。
 驚きの余りに海老反りながら前方へジャンプしてしまったカイルは、足首をパジャマにとられ 正 面 から派手に転倒してしまう。
 しかも、手を床に突く事が出来なかったのだ。

 さて、男性読者はお分かりであろう。
 分からない方は、膨張した棒状の筋肉を、平面で急激にサンドイッチされる、と想像して欲しい。
 
 めきょっ!
「――――――――――――――――――ッッッッッ!!!!!!」
 声にならない絶叫が口から放たれ、彼は股間を押さえてごろごろとカーペットの床を転げ回る。
 作者もあんまり考えたくないタイプの痛みを味わい、一瞬で体中に脂汗が滲み出す。
 唯一幸運な事といえば、中途半端な勃ち具合ではなく、腹に付きそうなほどの全開勃起状態だった事であろう。
 とはいえ、一歩間違えば男性として終焉を迎えていたかも知れない事件に、カイルはパニックを起こしていた。
(あ、あれ? 何でお爺ちゃんが川の向こうで大漁旗を振っているんだろう? とりあえず手伝いに行かなきゃいけな)
「カ、カイル!? ごめん、大丈夫アルか?」
 ぺちぺち背中を叩かれて、カイルははっと正気に戻る。
「ヤ、ヤンヤンさん……僕は、もう、もう……」
「わわ、お、落ち着くネ、カイル!」
 ずりずり引っ張られて、ベッドに腰掛けさせられるカイル。
「本当に申し訳ないヨ。……痛いトコはどこアルか?」
 ぺこりと謝るヤンヤンは、続けてカイルの身体中をまさぐり始める。
「わ、や、ちょ、ま、違、そこは、ひょわっ!?」

20:230
06/05/19 19:23:37 AHm4cE8E
「あれ? どこも変になって無いヨー。……! も、もしかして……こ、ここ……アル、か?」
 男性器を軽く握られ、かすかなうめき声と共にそこにまた血が集中し始める。
「うわ、硬くなって……お、おっきくなってきたヨ?」
 カイルのソレは、常人よりも一回り程大きい、彼の体格に見合った代物であった。
 先っぽはちょっと被ってはいたが。
「あ、あの、流石にそれはちょっと……あわわわっ!?」
 両手で陰茎を掴み、こしゅこしゅとゆっくり擦り上げるヤンヤン。
 カイルの弱々しい抗議や抵抗も、全く意に介さない夢中っぷりである。
「……かちかちで、すべすべで、ぴくぴくして、あっついアル」
 彼女はごくりと生唾を飲み込み、ペニス全体のフォルムを撫でる様にして確かめる。

 滑らかな女性の肌という物は、それだけで男に対しての特殊兵器となり得る。
 その感触が、身体の中でもとびっきりに敏感な部位を這いずり回るというのだから、カイルにしてみればもう堪ったものではない。
「くぁ、はぁぁぁ……うう、く、ふぅぅ……」
 しゅにしゅにと乾いた摩擦音を立てながら、股間をまさぐる彼女の手指。
 自分でする時とは全く異なる思いがけない動きに彼は翻弄され、襲い掛かる快悦に声を漏らすだけ。
「びくびくが凄いヨ……そういえば、コレ、咥えると気持ちいいって聞いたアルけど……」
 皮を後退させられ、赤く腫れ上がった切っ先を見つめ、呟くヤンヤン。
 息を段々と荒げ、大きく口を開け、男根を咥内へ迎え
「あ…………やぁぁぁぁ!! やっぱ怖いアルぅぅぅ!!」
 いれない。
 反対に顔を背け、根元をぎちぎちと万力の如く握り締める。
「うあぁぁぁぁ!?」
 ぬめぬめどろどろの快感を予想していたカイルは、予想外の強襲に思いっきり仰け反る。
 ペニスの内圧が一気に高まり、微弱な空気の流れだけでも快感に痺れてしまう程だ。
(流れ……? ああ、これなら……)

「や、ヤンヤンさん……先っぽの所に、ふぅーって、してみてくれますか?」
 薄白く濁った頭の中、そんな言葉が口から出る。
「え、え? こ、こうアルか?」
 不思議な指示の意図が読めず、小首を傾げながらもヤンヤンは指示に従った。
 凶悪な形状を持つ勃起のすぐ近くに、桜の花弁を二つ合わせた様な、小さな彼女の唇が寄せられる。
 すごくいやらしい構図だな、と思ったのも束の間、潤みを含んだ熱波が頂点へ叩きつけられる。
「ふぅーっ……はぁーっ、はぁぁ……」
(く、ぁぁぁぁっ!! やっぱり、これ、凄いっ)
 一撃目は表面を滑らかに通り過ぎ、二撃、三撃目はねっとりと粘膜に絡みつく。
 それは、確かにただの吐息。
 けれども、内側から弾けそうになっているソレにとっては、口淫を用いた愛撫と変わらない。
 擬似的なフェラチオに、カイルは奥歯を噛みしめ、顔面の神経を引き締めて耐える。
 そうでもしないと、もう一回された瞬間に、全部解放してしまいそうだから。

21:230
06/05/19 19:25:48 AHm4cE8E
「はぁっ、はぁ、ふぅーっ、はぁぁ、はぅ、ふぁーっ、はふぅぅぅ……」
 自分のやっている事が、どんなに淫らな事なのか、ヤンヤンは自覚している。
 自覚しながら、目の前で熱く滾っている男に、大きく息を吹きつけている。
 口でするのはちょっと、いや結構怖い。でも、これだったら大丈夫だ。
 これでカイルが喜んでくれるなら、酸欠になったって気にはならない。
 ―そういえば、おとこのひとはきもちよさがげんかいになると『射精』するんだったね。
 いつなんだろう。まだかな。もうすぐかな。とびでてくるのかな。
 めのまえでおおきくふくらんで、あついあついなかみを『射精』するのかな。
 まだかな。まだかな。ちょっとくるしくなってきたけど、かいるのためならわたしは―

 正常な呼吸が保てなくなり、犬の様にはぁはぁと喘ぐヤンヤン。
 その間も細指が根元や袋を弄び、カイルの射精への秒読みを早めさせる。
 酸欠と羞恥で首元まで赤くなったヤンヤン。
 日常の元気な表情と正反対な、淫蕩な笑顔での奉仕。
 カイルはもう、この異常で非常な事態に我慢できない。
「もう、でっ……ますっ……ヤンヤン、さん……!! ひ、ぁっ! あああああぁぁぁあぁぁっ!!!」
 最後の一言を言い終えるが早いか、カイルの肉柱は指を押し退ける位に一瞬で体積を増し、カリ首を広げ、先端から白濁を射出する。
 ぶびゅぅっ! びゅばっ! びゅびゅ、びゅっ! びくん! びゅ、ぴゅる……
 溜めに溜めた男のエキスを、一気に噴出す股間。
 恐ろしいまでの快感は脊髄を瞬時に駆け上り、頭のど真ん中で爆発を起こす。
「ひゃ!? わ、わ! あ、っついっ!? やぁぁ!」
 打ち上げられた子種は、放物線を描いてヤンヤンの顔面に軟着陸。
 そのまま額や鼻筋、降ろされた髪、口元にまで飛び散る。
 睾丸の中でぐつぐつ煮込まれた精液は、鼻孔を突き刺す程に濃密な男の匂いがした。

 真っ白に染まった夢世界から、はっと意識が頭に戻る。
「はっ、はぁっ、ヤ、ヤンヤンさん、すいません……」
 目の前には、顔に大量に付着した精子を指で拭い取ろうとしている彼女の姿があった。
 掌に掻き集められたのを見ると、自分がどれだけ凄まじい量を出したかがはっきり分かる。
 いくらなんでもこれは……。
「凄かったヨ……噴水みたいだったアル」
 と、ヤンヤンはにこやかに微笑む。
 その目元や頬は今だ上気していて、心の奥底がびしびし刺激される。
「これ……ちょっと舐めたけど、苦いし喉に絡むネ。あんまり好きにはなれなさそうアル」
「と言いながら何故指先でちょっと掬って舐めてますかー!? あの、何か猛烈に恥ずかしいのですが」
「そうアルか? うーん……」
 カイルは気恥ずかしさを紛らわそうと、ティッシュを2、3枚とって彼女の顔を拭ってやる。
 ちょっとペタつく気もするが、ネトネトした感触は大体取れた。

22:230
06/05/19 19:27:14 AHm4cE8E
 始末を終え、改めて二人は向き合う。
 今日だけで何度となく繰り返した行為を交わし、ベッドへもたれかかる。
 ヤンヤンは上から迫るカイルの唇に、舌を絡めて対抗。
 唾液を交換、舌を接着。唇から口蓋、歯の裏までお互いに舐め回し、舐め回す。
 自分とは違う味の体液を味わう。それは正に美酒で火酒。
 身体は火照り、汗は吹き出す。
 二人の世界は、未だ終わらない。

 口付け、と言うには淫靡すぎるその行為の途中、カイルの手が恐る恐る彼女の膨らみへと伸びる。
 ふン、と甘い声を漏らしながらも、ヤンヤンは震えるその手を拒まない。
 むしろ触れやすいように、胸をぐっと突き出すようにする。
 ぽふ、と膨らみに手が乗り、ヤンヤンは身体を小さく震わせる。
 綿の硬い肌触りの上からでも、はっきりと自己主張をする柔らかい乳房。
 小柄なヤンヤンには、やはり不釣合いな程の大きさである。
「ん……は、う……」
 ふにっと指を沈ませたり、さわさわ撫ぜてみたり、ゆっくりと圧迫してみたり。
「ん、む……わ、わぁ……」
 カイルはその初めての感触に驚きっぱなしだ。
 そのまま、口付けとソフトタッチを継続する内に、より強い好奇心が湧いてくる。
 ―生で、見て、触って、揉んで、舐めてみたりしたい―
 男として、これだけは譲れないポイントだ。
(急にやるのは何だかマズい気がします……ここは、じわじわと……)
 カイルは手元をちょっとだけずらし、そろりそろりとYシャツの釦に指を掛ける。
 かたつむりとデッドヒートをしそうなスピードで、一つ、二つと外されていく小さな留め具。
 腹の上まで行くと流石にばれ、ヤンヤンにジト目で睨まれたが、カイルは申し訳なさそうな笑みでどうにか誤魔化す。
 程無くして、Yシャツの隙間から赤みを増した肌色が覗く。
 そのまま一番下の釦を外すと、ふるん、と支えを失った生乳が揺れ、綺麗な裸体が露にされた。

 正直、カイルは言葉も出ない程驚愕していた。
 綺麗。美しい。凄い。見惚れる。
 そんなありきたりな言葉じゃあ、この素晴らしさは表現出来やしない、とカイルは思う。
 誰が見ても、うっとりと溜息を漏らす様なヤンヤンの艶姿。
 引き締まる所はきっちりと、膨らむところはゆったりと。
 余す所なく、極上なボディラインを誇示している。
「カイル、あんまり見られると……恥かしいヨ」
 局部は両手でしっかりと隠してはいるが、余計扇情的なポーズになっているのに彼女は気付かない。
「あ、そ、すいません……」
 さっきからカイルは生唾を飲みっぱなしだ。
 緊張を飛び越えて、ある種のトランスに近い精神状態のまま、カイルはヤンヤンの素肌へと触れる。
「ひゃう……!」
 拒否なのか驚きなのか判別しがたい悲鳴もそっちのけ、カイルはおへその近辺を撫で回す。
 温かく、滑らかでもちもちした柔らかい感触を、手の神経をフル活動させて感じ取る。
「カ、カイルぅ……」
「は、はい?」
 どこか切なさを含んだ声で呼び止められ、カイルは何事かと視線を合わせる。
「ごめ、ごめん、見られるの……は、はず……恥かしいから、後ろから触って欲しいアル……」
 ―息を荒げた『お願い』。僕は拒否なんて出来ませんよ。そりゃあ。

23:230
06/05/19 19:29:38 AHm4cE8E
とりあえずはここまでー。
これ以降がなんというかかんというかorz

続きは何時になるやら…。
もしお待ちしていた方がいらっしゃいましたら、本当にすいません。と、詫びを入れます。
それでは、また。

24:前スレ506
06/05/20 15:14:44 4SHs7aEV
>>230
久々に乙です!
くすぐり(民明書房ワロス)あり、初々しい2人の描写といい、GJです!
エロなしと言いながら、空気フェラ、その発想は無かtt(ry
続き、首を勃たせて待ってますw

>>1
乙タイランダ



さて、こちらも1本UPしました。
これから一晩寝かせて、チェックの上お届けできれば、と思います。
カイル×クララですが、需要あんのかな?
あと、差し支えなければ、鳥は付けませんが何か名乗りましょうか?
ウザいなら「前スレ506」で通します。

25:名無しさん@ピンキー
06/05/20 20:56:19 k7a3lQri
>>24 wktkして待ってます。

カイル祭りワショーイ。

26:前スレ506
06/05/21 09:36:50 reAau24/
PN名乗るのはやめときます。
校正完了につき投下。

>>25
口に合いますかどうですか…

注意事項
・カイル×クララ、基本甘。(倉庫置場のカイクラにインスパイア)
・拘束あり、薬使用あり。
・クララがかなりM入ってます。
・時期外れw
・長いです orz

2人のキャライメージ損なう可能性がありますので、嫌な方はスルー推奨。
NGは「506」にて。

27:前スレ506
06/05/21 09:41:25 reAau24/
 『MY GIFT』

1.8月4日(Fri) 3:00 P.M.

「そういや、みんな来週からどうするの?」
「うーん、アタシはタイガと旅行、かな。 ツーリングと食い倒れになりそうだけどね。
 そういうルキアは?」
「私? 実家に一旦戻ってから、テキトーにブラブラするつもり」
「あれ? レオンは放っとくの?」
「アイツも実家。 ま、戻ってきたら、夏祭りにでも行くわ。 マラりんは?」
「…その呼び方やめなさい…」
「えー、かわいいと思うけどなぁ」
「………。 私も実家。 家の手伝いと、地元の祭に顔を出すから…」
「セリオスは連れて行くの?」
「勿論」
周りに誰もいないカフェに座って、お茶を飲みながら、つれづれに休みについての井戸端会議。
マジック・アカデミーは既に夏休み。 生徒は早々に実家に戻ったり、補習を受けたりと、思い思いに過ごしている。
今この場にいるルキア、ユリ、マラリヤ、クララの4人も今週いっぱいは寮で過ごしている。
ちなみに、アロエは既に実家に戻り、ラスクとユウは2人(?)でリゾートへ旅行、
ヤンヤンは寮に残って自習とバイト漬け、といった按配である。
また、シャロンも避暑地の別荘で過ごしている。 半ば強引に招待されたサンダースも一緒だ。
「私も実家ですね…めったに戻れないですから」
「そーいや、クララの実家って、結構遠いんだよねぇ」
「でも、転送陣を使えるから、まだ楽ですよ」
「カイルとは旅行とかしないの?」
「カイル君も、久々の実家みたいなんです。 出発は一緒なんですけど」
「カイルといえば、来週早々誕生日じゃなかったっけ?」
「はい、一応その日は2人で街へお出掛けします」
少し頬を染めて、クララは返事をする。
「へー、やるねぇ、クララ。 で、プレゼントとかは決めたの?」
「手作りのお菓子とか…」
「料理上手だもんね、クララ…って言いたいとこだけど」
とルキアとユリが意地悪く笑いを浮かべる。
「折角だから、『私を食べて♪』 とか迫っちゃいなよ」
クララの顔が爆発したように真っ赤になる。
「そ、そんな…」
ウブな反応を楽しむかのように、ルキアとユリはさらに茶々をいれる。
「ほら、ハダカにリボン巻いて『プレゼント♪』とか」
「逆にカイルに襲いかかっちゃうとか…って、初めてじゃ、ムリか」
「………」


28:前スレ506
06/05/21 09:43:28 reAau24/
「…何を馬鹿言ってるの…この娘、もう処女じゃないわよ。 相手は勿論カイル君ね…」
黙ってしまったクララにマラリヤが助け舟(?)。
「マジ!? いつ?」
「ってか、何でマラりんが知ってんの!?」
クララは赤くなったまま俯いている。 マラリヤは一瞥して、
「…クララの誕生日の翌日かしら、痛み止めを処方したから…すぐバレるわよ」
「うっそー、こないだ!? クララ、やるじゃん!」
「…でもさぁ、その割に全然フンイキ変わんないよねー、2人とも。 
恋人同士ならもっとアツアツな感じになるもんだけど」
クララ当人をよそに盛り上がる3人。
「…あ、あのぅ…」
ようやく、声を発するクララ。
「あ、ゴメン。 ちょっとからかい過ぎたね」
ユリが謝る。
「…いえ、それはもういいんですけど…ひとつ皆さんにお聞きしたい事があるんですけど…」
相変わらず顔が赤いままだ。
「なーに?」
「皆さん…あの…2回目って…どうでした?」
「はい?」
「ですから…その…」
内気な彼女らしく、なかなかはっきりとは言えないらしい。
「…初めてシてから、次いつシたか、って事?」
ユリが尋ねる。
恥ずかしそうにコクリと頷くクララ。
「うーん、どうだろ、私は1週間ぐらいしてからかなぁ、確かデートの後の流れだったし…」
「そうなの? アタシ、その日から向こう、ほぼ毎日なんだけど…」
「…やり過ぎよ…私はルキアと似たようなものかしら…」
ルキア、ユリ、マラリヤがそれぞれ応える。
「そ、そうなんですか…」
少しヘコんだように言ってまた俯く。


29:前スレ506
06/05/21 09:44:11 reAau24/
「…クララ、ひょっとして、誕生日の時以来…してないの?」
ルキアが尋ねる。
「…はい」
「ありえなーい! カイルって、甲斐性なし!?」
「でも、カイルなら有り得るよ、ソッチ淡白そうだし、優しすぎてなかなか手が出せないとか…」
「…セックスに甲斐性って変だけど…それはともかく、セカンド・ヴァージンってわけね…」
「でもさぁ、クララとしては、それでいいの?」
「いえ…正直、不安なんです。 もちろん、それが全てではないし、カイル君も優しくして
くれているけど、本当にそれでいいと思っているのか…」
「いや、カイルじゃなくってさ、クララ、あなたの事。 カイルの事好きなんでしょ?
ユリみたいに毎日、とは言わなくても、彼とエッチしたいんでしょ?」
「一言余計だよ」
「黙って。 クララ、そこんとこ、どーなのよ?」
不安な様子のクララにルキアはストレートに畳み掛ける。 
しばらく沈黙した後、か細い声で、
「……はい……」
クララが応える。
「じゃあさ、カイルの誕生日なんだし、いい機会じゃない?
まぁ、クララの性格だから、ガッつくのって難しいとは思うけど、押しの一手で迫っちゃえば」
「…直球がいいかはわからないけど、ここでウジウジしてるよりはマシね。 何か必要なら応援はするわよ」
「そーそー、頑張れ!」
次々に後押しするようなセリフが出る。
「…ありがとうございます。 いえ、迫る覚悟はできているんですけど…その…」
「ちょっと、なら悩む必要ないじゃん!」
「…その中身が問題、というわけね」
「…は、はい。 皆さん、応援いただけるということで、少しお手伝いいただきたい事が…」
まがいなりにも気持ちを少し吐き出したためか、クララの声と内容に力が戻っている。
「中身によるけど…なーに?」
「実は…」
声を潜めて紡がれるその内容に、3人の目が大きく見開かれた。
…恋する魔女たちの茶会が終了したのは、そこから更に2時間以上経ってからだった。


30:前スレ506
06/05/21 09:44:51 reAau24/
2.8月7日(Mon) 4:00 P.M.

「ふぅ、今日はこれくらいにしますか」
カイルが図書室で独りごちる。
時計はそろそろ夕方4時を指している。
図書室での自習は、予習と復習のプログラムを日々繰り返すカイルにとって、もはや日課である。 
夏休みということもあり、人気はない。
2時間ほど前に、ルキアが本を探しがてら、課題でわからない点を彼に質問してきたくらいで、
彼女もほどなく電話で呼び出されたのか、既に図書室を立ち去っている。
「さて、明日ですか…」
ふと、自分の誕生日が頭をよぎる。 寮に入ってから特に意識はしなかったが、今年は特別だ。
恋人となったクララと2人で過ごす誕生日である。
約2ヶ月前のクララの誕生日の夜、ここで告白された。 自分自身、彼女が好きだったから、
内気な彼女の泣きそうになりながらの決死の告白に、精一杯の勇気で応えた。
…まさかその日のうちに彼女を抱くとは思ってもみなかったが。
そして表面上は普段変わらぬ関係を続けている…が、カイル自身悩んでいる。
このままでいいのか、もっと恋人然としていいのか。
しかし、元来気が優しすぎるカイルは、まず、クララのことを考える。 
この恋によって、クララの賢者修行の足を引っ張る事になれば、本末転倒だ、と。
しかし、自分自身無理にでもそう制御しないと、おそらく彼女への色情に溺れるだろう、とも思う。
実際、夜毎に頭のなかであらぬ欲望を巡らしているのは事実だ。
「…詮の無い話ですね」
思考を打ち切る。
夕飯の準備にかかろう。 ロマノフ寮にある自室へゆっくりと戻る。

自室の鍵を開け、カイルは、不思議な香りを感じた。 フローラルなジャスミンの香り。
普段変わらぬ整った自分の部屋だが、芳香剤の類は置いていないし、アロマの趣味はない。
「誰か来たのですかね?」
鍵を掛けた部屋に入ることのできるのは、合鍵を持つクララ以外にはないだろうが、
彼女は、今日はマラリヤ達と外出している筈だ。
不審に思いながら、自分の机にノートと書物を置こうとして、淡いピンク色の封筒に気付く。
『カイル君へ』
紛れも無く、クララの文字だ。
封を開ける。 1枚のグリーティング・カードが入っている。
『1日早いけど、プレゼントです』
短い文字。 よく見ると、その文字列は不自然にカードの上方に書かれている。
そして、すぐ下に矢印が書かれているが、矢印の先は余白があるばかりだ。
「? 何でしょうかね」
部屋を見回す限り、プレゼントとおぼしき物はない。
まさか、このカードとジャスミンの香りがプレゼントでもないだろう。
キッチンを見る。 朝方と何ら変わりは無い。 冷蔵庫の中身も今日の夕飯の材料があるだけだ。
飲みかけのボトルのミネラルウォーターを少し飲んでから部屋に戻り、そして寝室へ。
ベッドとサイドテーブルとクローゼットのみの部屋。
カイルは、眼に飛び込んで来たものに、しばし呆然とした。


31:前スレ506
06/05/21 09:46:17 reAau24/
ベッドの上には、クララが眠っている。
しかし、彼女は全裸である。 しかも、両手を上にして枷を取り付けられベッドに固定されている。
さらに言えば、アイマスクで目を、ヘッドホンで耳を、テープで口を塞がれている。
あまりに現実離れした光景に理解が追いつかない。
「…! ク、クララさん! 大丈夫ですかっ!?」
ようやく我に返り、慌ててクララのもとへ駆け寄り、戒めを解こうとして…携帯電話が鳴る。
とりあえずタオルケットを彼女に掛けて、電話を見る。 見覚えのない番号だ。
「…はい」
『カイル君だね、1日早いがお誕生日おめでとう。 プレゼントは気に入ってもらえたかい?』
「!?」
聞きなれない低い声。 男の声のようにも聞こえる。
『どうした? そんなにポカンとして? 君が大事に想っているクララをプレゼントしてるのに』
「誰ですか、あなたは? クララさんに何をしたんです! いや、どうやって僕の部屋に…」
電話の主の正体もわからない、どうやってこの状況を作りあげているかもわからず、カイルは混乱する。
しかも、自分が戻ってきた頃合いを見計らったような電話。
電話を持ちながら、忙しなくカイルは部屋を見回す。
『まぁ、落ち着きなよ。 別に彼女に危害は加えてないよ。 ただ、君の返事次第では…』
「…目的は何なのですか、一体!」
『…話が早い、と言いたいが、最初に言った通り、バースデー・プレゼントといったろう?
 で、早速プレゼントで楽しん…』
「ふざけてるのですか? クララさんを物みたいに…!」
電話の主の発言に、カイルはいきりたつ。 恋人に蔑ろなマネをされて黙ってはいられない。
『気に召さなかったかな? ただ、カード見ただろう? 彼女が自分で書いたものだよ。
 君の部屋に入れたのも、彼女の協力あってこそさ』
「…クララさんが自分から? 信用できませんね」
『信用する、しないは勝手さ。 で、プレゼントが気に入らないなら…こうするけど?』
低い詠唱。
クララが眠っている上で、気流が発生し、先程掛けたタオルケットを無残に引き裂く。
再び、クララの裸体が露わになる。 カイルは青ざめるとともに、しかし、一方で、体の奥が不思議な熱さに囚われる。
『…次は体を狙うよ』
「ま、待ってください! 僕にどうしろと?」
相手はクララに危害を加えようとすればできる状況のようだ。 明らかに見られている。
相手の出方がわからない以上、まずはクララの安全確保が第一、とカイルは考える。
そのためなら、自分の体が傷つくくらいはなんでもない。
しかし。
『簡単なことさ。 据え膳食わぬは何とやら、って言うだろ? 君は君の思うままに、クララとセックスすればいいのさ』
「…は?」


32:前スレ506
06/05/21 09:48:23 reAau24/
あまりの展開にカイルはまたしても混乱する。
バースデー・プレゼントといってクララを拘束してみたり、呪文をぶつけて脅してみたり、挙句、抵抗も敵わない彼女とセックスしろ、だ?
「何をわけのわからないことを…」
『何を躊躇うんだい? 恋人同士だろ? たまにはこんな刺激もあってもいいだろ』
「そんな趣味はない!」
『…フフ、君はそうだろうね。 でも、彼女はどうかな? 本当はこんな感じで犯されたい、と思ってんじゃない?』
低い声がからかうように続ける。
『知っているんだよ。 君が、初体験してからこのかた、彼女に手を出していないことは。
 もう、かれこれ2ヶ月だよな? クララも不安がってたよ。 愛されてないのかってね。
 でも、内気な娘だから、自分からセックスをねだれないじゃない? で、こっちがそのお手伝いしてるってわけ』
電話の声は正確に2人の関係を把握している。 誰だ。
『無理やりにクララを拘束したんじゃないよ。 ほら、服だって几帳面に畳んであるだろ?』
確かに、丁寧にクララの制服やらが畳まれて置かれている。 破られたり、ボタンが綻んだりはしていない。
「でも、こんな無理強いめいたマネまでして、僕は彼女を抱きたくない! 普通に僕から誘いますよ!」
『でも、実際、してないよな? 2ヶ月も。 その間、誘うチャンスはいくらでもあったのに』
「こっちの恋愛のペースにまで指図するんですか?」
『そりゃあ、恋に悩む女の子の方を応援するさ、朴念仁』
やりとりを続けながら、カイルは自分の急速な異変に気付いた。
熱い。 脳の奥も、口の中も、体も、そして…ペニスも。
動作がそぞろになったのを見透かしたのか、電話の声がこう言う。
『ほら、そろそろ効いてきたね。 さっき飲んだ水に、ちょっと仕掛けをしたんだ』
「…一服盛ったんですね…」
『不本意だけどさ、こうでもしなきゃ、君はソノ気にならんだろ?』
「卑怯だ!」
『彼女を放っておく方もどうかと思うよ? さ、胸の奥にしまっていたクララへの欲望、ぶつけちゃえば?』
そのセリフに従うように、カイルの視線がクララへ再び注がれる。
拘束されている事を除けば、焦がれてやまないクララの裸体がそこにある。
奥底が熱を帯びる。 …いや、だめだ。 こんなのは…
心の中の葛藤を突き崩すように、声がする。
『本当は、彼女と爛れるような刻を過ごしたいんだろ? 頭の中で犯していたように、さ』
…その通りだ。
『さ、もう我慢する事はないさ。 ぐちゃぐちゃに犯して、彼女を啼かせてあげなよ』
………。
「………」
カイルの脳裏で何かが爆ぜた。
…ごめんなさい、クララさん。 僕は、弱くて下劣な、最低な男のようです。
操り人形のようにカイルは、クララへ近寄る。


33:前スレ506
06/05/21 09:52:14 reAau24/
3.8月7日(Mon) 4:30 P.M.

『やっとソノ気になったみたいだね』
楽しそうに、しかしどこか安堵したような声がする。
「…まだ、電話は切らせてもらえないんですか?」
欲情に濡れつつも、抑揚をなくした声でカイルが言う。
『いや、本番が始まったら切るよ。 そこまで野暮じゃないしさ。 ただ、その前にいくつか注意事項を伝えたいから、少し待ってくれ』
「手短にしてください」
『ハハッ、素直だね。 まず、耳のヘッドホンと口のテープは外していいよ。 手枷とアイマスクはそのままだ。 で、あと、声は変えておけ』
「…最後に抱き締め合いたいんですが」
『気持ちはわかるが、それは辛抱してくれ。 で、そこにある小箱に色々入ってるから』
カイルは小箱を開ける。 どう見ても、媚薬の類いが揃っている。
『1つだけ、挿れる前にそのチューブの膏薬だけは塗ってあげてくれ。 まだ妊娠させたくないだろ?』
チューブを見ると、どうやら避妊薬のようだ。 互いの局部に塗布するらしい。
『他は使うなり何なり好きにしてくれればいい。 副作用はないから大丈夫さ』
「…そんなことより、その後、どうしろと?」
『また電話で指示するさ。 電話は切るけど、見てるから。 じゃ、プレゼントを堪能してくれ』
電話は切れた。
カイルは電話をサイドテーブルに投げ出した。
そして、もどかしげに服を全て脱ぎ捨てる。 
ベッドに飛び乗るように移動して、クララを見つめる。 まだ眠ったままだが、心なしか、肌が上気しているようにも見える。
「まずは、と…」
ヘッドホンを外し、口のテープをはがす。 薄紅色の唇が姿を現す。 安らかな呼吸音。
上質な人形のようなたたずまい。 しかし、手枷とアイマスクのアクセントが淫らで、黒い劣情を催す。
小箱を改めて見ると、喉用の噴霧薬のようなものがある。 ラベルを見ると変声効果があるようだ。
噴霧。 苦い刺激。 普段の柔和な声が一変して、低くしわがれる。
「…起きてもらいますか」
なにか、別の人格を持ったような気分である。 そして、頭の中が欲望で塗りつぶされる。
あとは、思うがまま、彼女の体を、弄ぶだけ。


34:前スレ506
06/05/21 09:54:31 reAau24/
薄く開いたクララの唇。
カイルは、覆いかぶさるようになり、両手で軽く彼女の顔を挟む。 そして一息にキスをする。
普段の優しく愛情を込めた軽いキスではなく、欲望に忠実なディープキス。
口腔内に舌を侵入させ、激しくかき回す。
「!?」
眠っているはずなのに、まるで待っていたかのように、クララの舌が的確にカイルを迎撃する。
不意打ちに動揺しながらも、カイルは負けじと舌を絡め、上顎を舐める。
「…あ…ふ…ぅ…」
クララの吐息が艶っぽい音を立てる。
キスだけでも痺れそうな快感がカイルに疾る。 このままキスだけで溶けてしまいたくなる。
名残惜しそうに、キスを解き、カイルはそのまま唇を首筋から胸元へ滑らせる。
「…んっ…」
まだ目を覚ます風ではないが、寝息は甘い。
唇が乳房にたどり着く。 やや小ぶりだが、美しい丘を形成している。 そして、頂点では乳首は控えめながら尖り始めている。
一旦唇を肌から離し、カイルはクララの乳房を強く揉みしだいた。
クララの体がビクリ、と震える。 それでもまだ目は覚まさない。
激しく揉みながら、カイルは左の乳首を丁寧に咥えて転がす。 そして右。
彼女の乳房が固く張り詰め、小さな乳首がこれ以上ないくらいに尖り、存在を主張する。
「あ……んっ……えっ」
ここに至り、ようやくクララが目覚めたようだ。
「な、何…?」
「お目覚めですか、お姫様」
事態をまだ把握しきれていない様子のクララに、カイルは芝居っ気を込めて声を掛ける。
「だ、誰…?」
…違和感。 電話の声は『クララの協力のもと』と言っていた。 しかし、彼女にそんな様子は微塵もない。
騙され…たか?
しかし、すでに行為に没入していたカイルはその考えを振り捨てる。
「気持ちよくして差し上げますよ、お望みどおりに、ね」
自分の発言だが、自分の声ではない。
クララの問いは無視して、さらに愛撫を続ける。
すでに欲情して熟れている乳房を擽るように弄り、乳首を摘む。
「あうんっ!」
クララの声が半オクターブは跳ね上がる。 乳首をこねる度に、彼女の体がベッドで跳ね、身をよじる。
その反応に妙な征服感を味わいながら、カイルは臍のあたりに唇を落とす。
「…あんっ…」
控えめながら、上気した彼女の声。
唇を下へ滑らせながら、緩く開いた彼女の両足を持ち、一気に押し開く。
「きゃっ!」
激しく体をよじる。 反射的に手を下ろそうとしたのだろう、手枷が鈍い音を立てる。 無論、拘束された手はその位置を変えない。
カイルはまじまじとクララの秘部を見る。
すでに感じているのだろう、ラビアが充血している。 そして、既にそこは蜜で溢れている。
怯えとも快感ともつかぬ吐息をついているクララにさらに嗜虐的に欲情していくのがわかる。
「さて…」
カイルは次のステップへ移行する。


35:前スレ506
06/05/21 09:57:54 reAau24/
カイルの指が充血したラビアを開く。 蜜に溢れ、てらてらと妖しく光っている。
「…きれいな色だな…」
飲まされた薬も手伝ってか、口調をややぞんざいにして呟く。
「い、いや、見ないでぇ…」
クララが懇願するが、言っている側から、ヴァギナの奥から新たな蜜がとめどなく湧き出るのがわかる。
「見られただけで、これかい…」
言って、指を外し、ラビアに舌を這わせる。
「あああんっ!」
一際大きい声で彼女が啼く。
舌で無遠慮に舐め回す。 その度に、ぴちゃぴちゃと粘った水音を立てる。
「あっ、あっ、ダ、ダメぇ…あん!」
視界が利かないのも手伝うのか、クララの反応は激しい。 普段の可愛らしいトーンと無縁の淫らな声だ。
啼き声を堪能しながら、しばらくラビアを往復した舌を、ヴァギナへ挿し込んだ。
「あんっ!」
腰が高く跳ね、カイルの顔に押し付けられる。
「…ここが、いいんだね…?」
意地悪く言って、カイルは舌で鋭く突き刺したり、突き入れだ舌を泳がせて蹂躙する。
「ふぅ…あ……あむんっ…」
返事の代わりに喘ぎ声。
舌を抜き、紅玉のように濡れ輝くクリトリスを唇で挟む。
「い、いやぁっ!」
悲鳴にも似た啼き声。 もちろん、言葉と裏腹に、彼女は腰を突き出し、内腿までしとどに蜜で濡らして快感を示している。
ふ、とクリトリスへの刺激を止める。


36:前スレ506
06/05/21 09:59:42 reAau24/
「……え…?」
戸惑い気味にクララが声を発する。
「嫌なんだろう? しょうがない、止めますか」
「え、あ…そんな…」
「では、どうしたらいいのかな? 言ってごらん」
反応を楽しむように、言葉で責めてみる。
クララの顔が紅潮している。 次の言葉を待ち、一切の愛撫を止める。
「………て、……ください…」
消え入りそうな声。
「聞こえないよ。 はっきり言ってごらん」
「…お願いです。 もっと弄って…いじめてください…」
本人の口から聞かされる、淫らなおねだり。
「…よく言えました。 では、お望み通り…」
カイルは愛撫を再開する。
舌ではなく、中指をゆっくり挿入する。 濡れているから、スムーズに侵入する。
きつい肉の締め付けと柔らかく溶けた襞の感触が同居している。
「あ…あ……んんっ…!」
鼻にかかった声でクララが快感を訴える。
カイルは指の動きを複雑にする。 深く突き立て、指先の関節を伸縮させ掻き回す。
「あんっ、あんっ、ああっ…!」
クララは指の動きに合わせて激しく悶える。
指を抜く。 吐き出された蜜が指先からしたたり落ちる。
「はぁ…はぁ…お願いです…から…も、もう…」
どこまでも淫らになるのか、クララが懇願する。
カイルは無言で、再びヴァギナに指を押し込んだ。 今度は2本。
クララの体に痙攣が走る。 深く挿し込んだ指を荒々しく往復させ、奥で捻る。
淫猥な水音が粘る。 そして、指を動かしながら、親指で限界まで腫れたクリトリスを同時に刺激する。
「あああっ、もう、もう…!」
クララが激しく息をついて喘ぐ。
中指の腹が、襞の敏感な箇所を擦る。
「…ああああああっ!」
クララが全身を震わせながら絶頂を告げる。
同時にヴァギナが激しく収縮して、カイルの指を噛む。
締め付けに逆らい勢いよく指を抜き去ると、後を追うように、大量の液体がクララの奥から迸り、シーツを染め上げた。


37:前スレ506
06/05/21 10:02:24 reAau24/
全身を紅潮させ、荒い吐息で胸を上下させているクララ。
カイルは、少し我に返り、絶頂に導いた指を見ている。 …どう考えても自分の業とは思えない。
少し罪悪感が込み上げる。
でも今更「ごめん」と声は掛けられないし、やめられない。
せめて、とカイルは、優しく体に触れ、荒い呼吸を繰り返すクララの唇に軽くキスをする。
今度は、こっちも気持ちよくなる番。
力が抜けたクララの足を押し開き、限界まで勃起したペニスを挿入…しようとして思い出す。
「…これを塗るんでしたっけ…」
膏薬を取り出し、少し絞り出す。 まず自分のペニスの亀頭部分に塗りつける。
粘膜に軽い刺激。 恐らく、本来の目的―殺精子剤―とは別の薬品も入っている。
そして彼女のヴァギナにも丁寧に摺りこむ。 クララの体がまた反応する。
準備完了。
「…行きますよ」
自由の利かない華奢なクララの体を組み敷くことに軽い嫌悪感を覚えながらカイルは囁く。
「…はい…存分に…嬲って…ください…」
快楽に従順な返事。
腹に当たる程猛り狂った自分のペニスを、コントロールに苦労しながらとば口に当てる。
少し腰を前に押し出すと、吸い込まれるようにペニスが呑み込まれる。
「あうんっ!」
クララの体が敏感に反応する。
まだ中ほどまでしか挿入していないが、彼女のヴァギナが奥へいざなうように蠢く。
その感触に痺れるような快感を覚えながらも、カイルは一旦ゆっくりと入り口あたりまでペニスを戻す。
そして、一気に体重をかけ、根元まで押し込む。
「あああああぅ…んっ!」
クララが絶叫する。
「うっ…!」
カイルも思わず呻く。 それほど甘い快感が走る。
その状態で静止して、カイルはクララの頬に手を当てる。そしてキスを落と…そうとして、
アイマスクからこぼれる涙に気付く。


38:前スレ506
06/05/21 10:04:30 reAau24/
「痛い…のか…?」
少し不安になるが、クララはゆっくり頭を振る。
「いいえ…こ、こんなに…気持ちいい、なんて…ぁはぁ…」
いわゆる「よがり泣き」というものらしい。 軽い驚きを禁じえない。
しかし、淫らな色に塗りつぶされた彼女の声に、嘘はない。
しかも、じっとしていても、彼女の襞は間断なく、カイルのペニスを悦ばせるかのようにうねっている。
激しく動きだしたい衝動に駆られるが、恐らく、そうすれば自分はあっさり臨界点を迎えることは明白だ。
それほど淫靡な感触が粘膜を伝っている。
唇に軽くキスを落とし、カイルはゆっくりと律動を開始する。
「はぁん、あん、あん、あんっ…!」
動きに合わせてクララが啼く。 結合部からはぐちょぐちょと粘った水音が響く。
クララの華奢な体が不自由に舞う。 たまらず、乳房を鷲摑みして揉みしだく。
「もっと、もっと…奥まで、突いてっ…!」
はしたないセリフで強くせがむ。
その言葉に導かれ、カイルはさらに深く早く、クララを貫く。
その度に、ヴァギナはスムーズにペニスを呑み込んだかと思えば、引く際には絡み付いて離さない。
熱く絡みつかれて、カイルは次第に込み上げてきた。
(…まずい、こちらが先に終わりそうだ…)
一旦奥に突き立てたペニスをのろのろと引き抜く。 ビクビクと脈打ち、蜜の糸を垂らす。
「あん…ぬ、抜かないでぇ」
クララの口から、普段からはまずありえないほどの浅ましいくらい淫らなセリフが零れる。
「…最後は、こうしてあげる…」
必死にセリフで芝居して、カイルはクララをうつぶせ気味に反転させる。
もちろん、手が拘束されているから、枷と頭の位置を調節してあげて、何とかうつぶせさせる。
そして、臀部を高く掲げさせて、後ろからインサートした。
「ひぅうっ! いい、それ、いいっ…!」
そこにいるのは、普段の内気な優等生のクララではもはやなかった。
被虐の快感を心ゆくまで享受する、淫らな一匹の、雌。
そして、後ろから快感の赴くまま責め立てるカイルも、柔和な秀才ではなく一匹の、牡。
そう自覚した途端、視界と脳が灼けてくる。
「はぁ、はぁ、クララ…いく…よっ!」
カイルは彼女を初めて呼び捨てる。
「あん、あぁ、もう、来て…っ! い、いいっ!」
クララももう快感で何も考えられない状態だ。 すぐにでも昇りつめるだろう。
カイルはピッチを早めた。 ヴァギナが激しく収縮し、ペニスを甘く締め上げ、突き崩す。
「も、もうダメっ、い、いっちゃうぅっ! ああああっ……!」
全身を痙攣させ、口から涎を垂らせて、クララが絶頂を迎える。
「くっ……!」
同時に、カイルも呻き、激しく精液を噴き上げた。 彼女の奥底で、何度も、何度も。
最大級の快感が、2人の足場を消失させ、2人は同時に崩れ落ちた。


39:前スレ506
06/05/21 10:11:49 reAau24/
4.8月7日(Mon) 6:00 P.M.

「はぁ、はぁ…」
激しく息をつきながら、カイルがようやく体を起こす。
クララは深い快感に失神しているようだ。 弛緩した口元といい、力なく投げ出された体といい、淫らで、愛おしい。
そっと、抱き締める。 緩んだ口元の涎を舐め取るようにして、口付ける。
しかし、目を覚ます気配はない。
(…これで、良かったんだろうか…)
薬による極度の興奮状態から醒めて、カイルは急速に冷静さを取り戻す。
そして、一度はかなぐり捨てた、罪悪感。
…電話が鳴る。 先程と同じ番号だ。
『…改めて、誕生日おめでとう。 いいものを見させてもらったよ』
「…悪趣味ですね」
カイルの声は元に戻っている。
『…さて、一旦服を着て、部屋を出てほしい。 そうだな、図書館で1時間ほど時間をつぶしてくれ』
「このままいたら、駄目なんですか?」
『後始末はこちらでする。 で、図書室に『スイーツ一覧』という本があるから、それを読んでくれ』
「…よくわかりませんが、従えば、クララさんは無事解放されるのですね?」
『もちろん。 というか、そもそも誘拐したわけじゃないし。 じゃ、最後に、明日の誕生日は仲良く過ごしなよ』
言うだけ言って電話はまた切れた。
カイルは手短にシャワーを浴びて服を着替え、図書室へ向かった。
図書室の鍵を借りて入る。 そして、『スイーツ一覧』を探す。 本はすぐに見つかった。
「この本が何なんだろう?」
明日のケーキのレシピでもあるのか、とやや的外れな事を考えながら、表紙を開くと、そこには封筒があった。
『カイル君へ』
クララの文字だ。 急いで封を開くと、かわいらしい便箋にクララの文字が走る。

『 カイル君へ

今日はありがとう、そして、ごめんなさい。
今日のこの一件は、全て、私のシナリオによるものです。
電話の主は、私の信頼する友人です。 私が無理にお願いしました。
ですから、友人には何の悪意も罪もありません。
責められるのは、他ならぬ私自身です。

『なぜこんな回りくどい事を』とお思いでしょう。
私から抱いてください、といえば済む話ですから。
でも、私は、こんな女です。
愛する人に犯され、弄ばれ、悦ぶ。 そんな女です。
でも、そんなこと、言い出せなくて。

もし、愛想が尽きたのなら、そのまま私を突き放してください。
もし捨てられても、私の気持ちは変わりません。

…願わくば、私の勝手なわがままを、許してください…
         
                                         クララ 』


40:前スレ506
06/05/21 10:13:35 reAau24/
「………」
カイルは声もなく短い手紙を繰り返し眺める。
確かに、電話の主は本当のことを言っていたのだ。
そして、クララは全て承知で、見知らぬ他人のフリをした自分に抱かれたのだ。
カイルはしばらく茫然と立ち尽くしていた…

またもや電話が鳴る。 あの声だ。
『もう部屋に戻っていいよ』
「………」
『ショックだった? でも、彼女を責めないで…』
「…責められるのは、僕でしょう」
『カイル、自分を責めるのもやめておいたら? 部屋に戻って、もう一度カードを読んで』
それだけ言って電話が切れる。
「………」
力なく自室へ戻る。
もちろん、クララの姿はなく、彼女の服もない。 ベッドも乱れた様子は消え、普段の自分の寝室に戻っている。
机の上のカードを読む。 先程の余白に、新しい筆跡。

『今日はありがとう。 嬉しかったです。
                 そして、誕生日おめでとう』

一言、クララの文字。 
不意にドアが開く。 振り返ると、そこにはクララがいる。
「あ、あの…」
カイルが言葉を紡ぐより早く、クララが胸に飛び込んできて、顔を埋める。
「…ごめんなさい」
うっすらと涙を浮かべてクララが囁く。
「…いいえ。 僕に勇気がなかったばっかりに、苦労を掛けました…。 責められるのは僕です」
カイルがおずおずとクララを抱き締め返す。
「…!」
クララが弾かれるように顔を上げる。
「カイルくん、自分を責めないで…カイルくんのことを考えなかったのは私だから…」
「クララ…さん…」
これ以上傷つけたくない。 それほどに彼女が愛しい。 
「こんな僕を…許してください」
強く抱き締める。 勝手だが、この気持ちには何も代えられない。
クララの目から涙が溢れ落ちる。
「ううん、私こそ…こんな不束な私でも…」
クララの言葉を遮り、カイルは深くキスをした。
そしてそのまましばらく時が過ぎる…
「…クララさん、これからも、よろしくお願いします」
「…私こそ…あと、クララ、って呼んでください…」

― Fin. ―


41:前スレ506
06/05/21 10:31:33 reAau24/
以上、相変わらず長くて申し訳ない orz
正直、この2人は難しいです;
感想、不平不満は受け付けます。

さて、残る脳内勝手カップルはサンダース&シャロン。
…さらにハードル高いじゃんよ…orz
どない妄想しよ…

42:名無しさん@ピンキー
06/05/21 12:29:38 mMErrsCQ
即死回避どころかGJすぎるではないか
サンシャロもwktkで待ってる

43:230
06/05/21 13:40:43 OVQGETCq
うわー俺足元にも及んでねーorz
すんげー作品でしたGJゥ!

描写、心情等的確かつしっかりと書いているのがやっぱりいいですね。
しかも長くなりすぎないときている。見習いたいですorz

44:前スレ506
06/05/22 09:14:34 dQt93+XD
早速感想ありがとうございます。
こんな拙文にどうもです、サンシャロもぼちぼち頑張ってみますよ。

>>230
そんな事ありませんってw
自分は、明るめの掛け合い路線を読むのが好きなのですが、
いざ自分では全く描けないですから、氏の作風がうらやましいですよ!
なお上記のカイクラ、本当は後ろがもう少し長い予定でしたが、
切り捨てました(再度クララ&女3人の座談会)。

あと、お詫びです。
「鷲摑み」が携帯から見ると化けてしまうというミスが発覚orz
以降、旧字体は避けます。

45:名無しさん@ピンキー
06/05/23 00:09:07 uTTxEjbo
>45
携帯に限らず、マッキントッシュなんかでも化けます。(「つかむ」)
それほど使用頻度の低い字ではないと思うのですが unicode 外のようです。
「掴む」だとどことなく間が抜けた感じになって個人的には好きじゃない
んですが、仕方ないですね。
ともあれ 230 氏、前スレ506 氏ともにGJ。

46:名無しさん@ピンキー
06/05/23 09:52:04 GSnPxrIc
GJ過ぎて射精が止まらないんですが異常ですか?

47:ライン
06/05/23 19:25:45 2I5mfjbs
私も続いて・・・。
前スレのラストに投下したサンダースネタの続きです

48:ライン
06/05/23 19:26:52 2I5mfjbs
サンダースが一人決意を固めているのを見ていたのは、彼のクラスメイトのシャロンだった。
サンダースがユリに惚れている、なんてクラスメイト達は先刻承知の話で、でも彼が必死なのが酷く滑稽に思えて、見ているだけにとどまっていたが。

(最低ですわね・・)

ぼそりと小さく、自虐してみる。
サンダースの必死さは滑稽などころか、羨ましいとさえ思える。
シャロンは、今まで何一つの不自由さえない生活を送っていた。
人の心さえも金で動かせると教えられた。
―そして、それを真実と信じて疑わなかった。

「・・・サンダースさん、貴方にお話があるの」
「・・・」

気が付いたら、彼に声をかけていた。
鬱陶しい、とでも言いたげな目を向けられた。

「貴方、ユリにフラれたのでしょう?」
「笑いたければ笑え。馬鹿にしたければ馬鹿にするがいい」

49:ライン
06/05/23 19:27:52 2I5mfjbs
馬鹿になど、と言いかけて、シャロンは口を閉ざした。
このまま話をしていても埓があかない。
―ならば。

「それより、こんな―教室で言い合いをするのも不毛ですわ。良ければ私の部屋へいらっしゃいな」

そうすれば、何の遠慮もしないで話せる。
誰かに見られるという恐れも最大限なくなる。

「・・良かろう、貴様が何を企んでいるか知らんが付き合おう」
「当然ですわ。では早速行きますわよ」

シャロンの口ぶりに刺激されたサンダースが、シャロンの後ろについて歩き出す。
シャロンの部屋までの道中、二人は全くと言って良いほど喋らない。


50:ライン
06/05/23 19:29:04 2I5mfjbs
「お父様から届いたジュースですわ」
「気を使わなくてもいい。・・・話をするのだろう?」
「そうですわね・・」

グレープジュースだろうか、深い紫の飲み物をグラスに注いだシャロンは、サンダースの隣に座る。
椅子ではなく、ベッドにだが。

「貴方はユリさんの他に誰か好きな相手がいるのですか?」
「おらんよ。いわゆる初恋というやつだった」
「・・・それで諦めますの?」

冷ややかなシャロンの視線に、サンダースは溜め息をついた。

「彼女の幸せを考えればな。私などより奴の方がいいはずだ」
「・・・それは、ただの言い訳ですわ。貴方は負け犬なんですの。逃げることをユリさんの幸せに見せかえただけですわ」

シャロンの言葉に、サンダースは口をつぐむ。
シャロンの言うことも正論だった。
だが・・・。

51:ライン
06/05/23 19:29:50 2I5mfjbs
「―私は近々戦場に赴かねばならん。その際に死ぬ恐れがあるのだ、なれば彼女を手に入れても不幸にするだけだろう」
「・・・許しませんわよ。死ぬなんて、この私が許さないから・・!」

欝とした表情のサンダースを少しみて、シャロンはグラスの液体をちびりちびりと飲む。
喉越しがいい。
シャロンは好き嫌いが多く、それは飲み物にも反映されているが、それを差し引いてもこれは美味しいと思えたらしい。
一杯、二杯と次々にグラスを空ける度、テンションが上がって、体が熱くなってくる――。

「しにゅらんて、あたしゅがゆるしゃないかりゃ・・」
「・・・ろれつが回ってないぞ。これは、やはりワインか・・・」

グラスの液体を指先に付け、舐めてみたサンダースは、ほんのりと漂うアルコールの匂いと、過去飲んだワインの味から飲み物を当てた。

52:ライン
06/05/23 19:31:05 2I5mfjbs
「君は―ベッドで少し眠るといい。私はこれで失礼するから・・・」
「らめれしゅ!あたしゅをれっろまれはこりなしゃい!(意訳:駄目です!私をベッドまで運びなさい!)」
「・・・何を言っているのか解らんのだが・・」
「うぅー・・・・」

理解しきれない言語を語るシャロンが、退室しようとするサンダースを引き止めて早くも三十分。
サンダースは今更ながらに酒の力の恐ろしさ、シャロンの変貌に驚いた。
一方『酒に溺れたお嬢様』シャロンは、変な唸り声をあげると、肉食獣が獲物を補足した時のような目でサンダースを見て。



――不意に、飛びかかった。

53:ライン
06/05/23 19:31:56 2I5mfjbs
一応ここまででス。
賑わってきたみたいで嬉しいなぁ(何

54:名無しさん@ピンキー
06/05/24 01:56:31 M+TtZ7p6
>ライン氏
おお、話が動き始めましたね。続き楽しみにしてます。

未熟者の自分だけどSSを書いてみようと思う。
今はタイガ×リディアに猛烈ーなので、それを。

ところで女子×女体化はここでもヨロシ?
もしかして腐女子…いや、腐男子になっちまう?(w
分類がよくわからないので、とにかく聞いてみようと思って。

55:54
06/05/24 02:15:06 M+TtZ7p6
ごめん、無事自己解決した。
TSスレに行ってくる。

56:名無しさん@ピンキー
06/05/24 16:29:40 vOg2wPNF
>>48-52 ライン氏乙です。続きまってます。

57:うぶぎー
06/05/24 16:49:32 NgZ0j9Jk
新スレおめでとうございます。
最近QMAから離れてましたが今日久々にやったら相変わらず面白かったです。
今執筆中のがあるのですが書き終わったら投稿してよろしいでしょうか?

58:名無しさん@ピンキー
06/05/24 17:15:52 zOFQUC6T
いいよ~。
投下待ってます。

59:うぶぎー
06/05/24 19:53:26 NgZ0j9Jk
ちょっと危ない位置にいるので保守ageします。

60:名無しさん@ピンキー
06/05/24 20:42:02 DaUYzj7v
保守乙。

61:577
06/05/25 02:02:55 8DIgAlNa
前スレの577です。後半を投下します。

62:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(1/23)
06/05/25 02:04:57 8DIgAlNa

「――ずいぶん、気持ちのいい笑顔をするものだと思った」

突然、切り出されて、一瞬なにを話しているのかわからなかったがすぐに思い当たった。
ユリのことだ。

「行動も表情も開放的で、躍動に満ちている……初めて彼女に会ったときから常にそう感じていた」

カップのお茶はもう冷めていた。
淹れなおそうかと尋ねたが、これでいいと断られた。
飲む気がないのか、あるいは冷えたもののほうが飲みたかったのかわからないが、
彼自身はカップを取り替える気はないようだった。仕方なくマラリヤは自分の分だけの茶を注ぐ。

「……一目惚れだったの?」
「今思えばな。あの時はまったく気がつかなかったが」
淡々とした口調だったが、語尾まではっきり発音をしてくれるので、聞き取りやすかった。
時おり、言葉を選んでいるのか、口を閉ざす場面もしばしばだったが、それでも辛抱強く待つ。
ゆっくりと、しかし確実に言葉は過去の出来事の輪郭を形作っていった。

「姿が見えるだけでいつも心が弾んだものだ、いつ見ても何度見ても飽きなかった。
しまいには想像だけで姿を思い描けるようにさえなった。その想像の彼女の姿をより完璧なものに
しようと、私が今まさに初めてみる彼女の表情を見つけたさいには、付け加えるようにしていた」

ここで、一旦言葉を切ると冷えた茶を一口含み、喉を休ませた。
つられてマラリヤのほうも茶を含む。

「ある日、彼女にまた私の知らない表情が表れた。だが今までとは少し趣が違う。躍動というよりかは
衝動にちかく、開放というよりかは高揚にちかい。笑顔ではあったが彼女らしさはなく、むしろ別人の
ようにさえ思える………不審に思ってその場で彼女をよく観察してみた。
―――視線の先に、あの男がいた」


63:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(2/23)
06/05/25 02:05:57 8DIgAlNa

ああ、とマラリヤがため息のような相槌を打つ。
最後の言葉に込められたサンダースの感情をちゃんと読み取っていた。

「仲がいいと思っていたものだ。だがそれは似たような性格だから馬が合うのだろうぐらいに
しか考えていなかった―あるいは、そう考えたかっただけかもしれないが―とにかく、
同性ならば相棒になっていただろうと、彼女とあの男の関係をそんな風に簡単に片付けていた」

『彼女』『あの男』と、登場人物が代名詞の話は、抽象的で身内の話という感じがしない。
恐らく、今は名前を口に出すのが辛いのだろう。暗く沈んだ目の色から、そう判断することができた。

「でもそうじゃなかったのね? ……まあ今の二人の関係を見ればそうなんでしょうけど」
「最初のうちは彼女のほうも己の変化に気づかなかったらしく、あの男に会うたびに生じる感情に戸惑って
いるようだった。だが、一旦、自覚をするとすぐに行動を起こした。……今まで以上にあの男に近づく
ようになった」
「でしょうね……」

行動派のユリに、ためらいや躊躇という選択をすることはまずない。
心がこれだと求めるものを見つければ、良くも悪くも体当たりするようにろくに何も考えずに飛び込んでいく。
そういえばある時期を境に、彼ら二人だけでどこかへ出かけることが多くなっていたような気がすると、
ふと思い当たった。

「あれだけ積極的にアピールをしていれば、どんな鈍い男だって気がつく。ましてやあの男は、少なくとも
私よりかはそういった鋭さには長けている。やはりというか、しばらくすると彼女の態度の意味に気がついて
彼女と同じ視線で彼女を見るようになった………時折り、好色さも交ざっていたがな」
「だからあんなに、彼につっかかっていたのね……」

想いを寄せた異性をそんな眼で見られれば、いい気持ちはしないだろう。
例え彼自身もそういった邪な眼で見ていたとしてもだ。


64:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(3/23)
06/05/25 02:07:00 8DIgAlNa

「……告白、先にされていたわね」

恐らく、サンダースが話すの最もためらっているであろう部分を、先にマラリヤが口に出す。
自分から話したほうがいいと思ってのことだ。多分、彼が話して楽になりたい部分もそこであろうから。

「……彼女を探していたら、偶然その場に居合わせた」
「間が悪いわね……」
「申し合わせたような光景だった、台本にそってやっているのではないかと思ったぐらいだ。
奴が好きだと伝えて彼女がはいと答える、それから抱擁、口付け、だいたい十数分くらいで済んでいたな」

まるで単純作業の説明のように、その時二人が起こしていた行動の単語だけを起こした順番に淡々と並べる。
具体的になことには極力ふれず、なるべく短い言葉で済ませようとしているようにもみえた。

まさかあの二人が舞台のような、非常にあからさまで甘ったるい告白などするはずはなかっただろうが、
大げさであろうが淡白であろうが、大した違いはなかった。少なくとも、自分の意思以外の理由で想いを
潰えることになってしまったサンダースにとっては。

「ちなみに君が私のところに来たのは、その次の日だ」
「あら、私も間が悪かったわ……」
いつの間にかサンダースのカップの茶はなくなっていた。
今度は尋ねることはせず、黙って茶を注いだ。多分、話はまだ続く。

「今日のことだが……」
「あなたらしい行動ではなかったわね」
「気持ちを伝えたら、もうこれで終わりにするつもりだった。本来なら秘めたまま己の中で解決するべき
なのだろうが、そうするには気持ちは育ちすぎていた。……ひょっとしたら万が一があるかもしれないと
考えていたことも否定できないが」
「動機としてはそんなにおかしいことじゃないわ……でも、断られたとき、どうしてすぐ立ち去らずに、
あんなに食い下がっていたの?」


65:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(4/23)
06/05/25 02:08:09 8DIgAlNa

今日のサンダースの行動で、最も彼らしくなかった点を問うと、彼は一瞬気まずそうに顔を伏せた。
出す声がやや口ごもる。

「……聞いたら多分呆れてしまうだろうが……」
「これ以上、呆れやしないわよ……」
何を言っても気にしないとでもいうように、マラリヤがゆるく穏やかに促す。
その促し方がうまかったのか、サンダースの口ごもっていた口調はすっかり消え、元のはっきりした言葉
に直っていた。

「『あの男が好きだから』と、彼女はそういって断った」
「それがどうしたの?」
「………………その台詞が丸ごと気に入らなかった」

グッと彼の持つカップの手に力が入る。
割れるのではないかと冷や冷やしたが、幸いそうはならなかった。手加減してくれたらしい。

「『そういう対象としては思えない』『その気はない』、単に私を選ばないといった理由なら別に
何ともなかった。だが、『奴が好きだ』『心に決めた相手がいる』そういった類の言葉は駄目だった。
……自分以外に慕う男がいるという事実を聴きたくなかった……」

馬鹿ねとつぶやいて、マラリヤが軽く目を閉じまた開く。
カップの茶はなくなっていたが、もうポットのほうにもなかった。

「彼女のその言葉を聞いた瞬間、私の中で何かが吹っ切れた。無理にでもイエスと答えさせなければ
気が済まなくなっていた。それがどんなに無意味なものであるかを知った上でだ」
「そして電話越しの会話につながると……」
「君達が来るのがもう少し遅かったのなら、取り返しのつかない事態になっていたかもしれない……
なんせ彼女は首を縦にふらない、頑なにあの男の名を呼び続ける、自己中心的な男の心を苛立たせるには
充分だったからな……」
「『実力行使』に出て、何もかも滅茶苦茶にしようとしたのね……」


66:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(5/23)
06/05/25 02:09:24 8DIgAlNa

具体的なことは言わず、暗にほのめかすだけにとどめておいたが、それでも伝わったようだった。
頷いて彼女の推測の正しさを証明する。

「あの男を好きになったことを後悔させてやりたいと思った……」
「馬鹿ね……後悔するのはあの子じゃなくてあなたでしょうに……あなたが馬鹿なこと仕出かす前に
間に合って本当に良かったわ……」
おもむろにマラリヤが椅子から立ち上がり、サンダースの側まで行く。
そして彼を座らせたまま両腕をのばすと、その頭を抱えるようにして抱きしめた。

「すまん……」
「本当に馬鹿……」
彼自身は特に抱き返すような真似はしなかったが、かといって離れようともしなかった。
どこかすがりつくように頭をマラリヤの胸に預ける。そのままの姿勢で二人はいくらかの時をやり過ごした。

「……運がなかったのよ」
しばらくして、マラリヤが沈黙を破った。ささやくような小さな声だった。

「あの子が自分の気持ちに気づく前にあなたが告白をしていれば、案外うまくいっていたかもよ?
……まあその場合は、私が今のあなたの立場に立つんでしょうけど」
「……それはどうだろうな」
自嘲気味にサンダースが笑う。その笑い方が少し奇妙に思えて、マラリヤは片眉をひそませた。

「覚えているか? ずっと前、箒の応用実習の時、えらく不真面目な教師の怠惰であらかじめ用意されていた
箒の半分以上が不良品だった時のことを」
「ああ、今年、懲戒免職になった教師ね……前半と後半の組に分けて速度を競って……確かあの時、
箒に乗っていた前半組の半分が落ちていたわ……それもかなりの高さから……」
「怪我人だけで済んだのが不思議だといっても大げさではない。その時の怪我人の中には彼女も含まれていた」
「そうだったわね……あとルキアとクララもだったかしら? 先に乗るか後に乗るかで運命が分かれたわ」
「私はすぐにその教師に詰め寄った、『これはもう過失などではない、立派な事故だ』と」
「怖かったわね、あの時のあなた……怒鳴りはしないものの、凄みをきかせていたんだもの……
どっちが先生だかわからなかったわ……」


67:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(6/23)
06/05/25 02:10:55 8DIgAlNa

「私がそうやって詰め寄っていた時、あの男はというと真っ先に彼女のもとへと走っていった。
……何よりもまず先に彼女の身を案じた」
ふとマラリヤの脳裏にさっきのあの場面が浮かび上がる。ユリが倒れたあの時だ。
なぜあの時、急にサンダースは自ら敗北宣言をしたのかわからなかったが、
ここでやっと理解することができた。いま話してくれた時のことを思い出したのだろう。

「あの男が彼女にふさわしいのかどうかそれはわからん、だが少なくとも私はふさわしくなさそうだ。
――感情に任せたまま自分勝手に動くような男だからな」

ここまで言い終えると長く深いため息がサンダースの口からもれた。
寂しそうに、しかしどこか満足そうに見えるその様子から、話したかった全てを話しきったことがわかる。

「サンダース……」
抱きしめていた腕を放し、マラリヤもまた寂しそうな眼で彼の顔を見つめた。
何か言って楽にさせたかったが、何も思いつけなかった。

「駄目ね、私も……何を言えばいいのかわからないわ……」
「充分、助かった。恐らく君以外の話し相手ではこうはいくまい」
今度は逆にサンダースがマラリヤをなぐさめる。
やはり淡々とした口調だったが、それでもその言葉には暖かさがあった。

「そう言ってくれると嬉しい……あなたを好きでよかった……」
「馬鹿だと言っても、まだこんな男が好きか?」
「好きな人の馬鹿な部分は、案外、愛しいものよ……」
ふふっとマラリヤが軽く笑うと、つられてサンダースも口元をゆるませる。
ここに来て、ようやく彼は今日初めての笑みをみせた。

「とにかく礼をいう。もし君に何か手伝って欲しいことができたのなら、今度は私が君を助けよう」
「そうねえ……今手伝って欲しいことはないけれど、なぐさめさせては欲しいわね」
「……それはどういう意味だ?」
しかしマラリヤはその問いには答えず、体をかがめるようにして顔を近づけると、
有無を言わせぬ速さで唇を重ね合わせた。


68:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(7/23)
06/05/25 02:12:49 8DIgAlNa

こういうことよと言いながら唇を離したのは、きっちり十秒後のことだった。
もう一度笑ってみせるマラリヤとは対照的に、サンダースの表情は少し固まっている。

「……そこまで面倒をみてもらうのはどうかと思うが?」
「でも私がやりたいことよ」
「その…私の気持ちは……」
「言わないで……ちゃんとわかってるわ。わかってて言ってるの」

静かに首を横にふって、サンダースの言葉を封じ込める。何もかもを承知の上での言葉だった。

「…………今夜だけ、君に甘えてもいいだろうか?」
「さっきも言ったでしょ? ――頼ってくれるのは嬉しいの」

再び唇を重ねた。






「あら…?」
バスローブを羽織って浴室から出ると、先に湯を浴び終えていたサンダースがベットのわきに立っていた。
ズボンだけをはいた上半身裸の姿のままで、両腕を後ろに組みながら毅然とした態度で今来たマラリヤを
見据えている。びしりとした姿勢のまま微塵たりとも動かない。

「ベッドに入るか座るかしていればよかったのに……」
「部屋の主人よりも先に入るのは失礼かと考えた」
「だからといってそんな隙のないポーズで待つことはないでしょう? ……今度は私と闘うのかと思ったわ」

やれやれと呆れたようにため息をつきながら、マラリヤはベットのふちに座ると、ぽんぽんとその隣を
叩いて彼をここに座るように促した。やはり両腕を後ろに組んだまま頷いて、それにならう。


69:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(8/23)
06/05/25 02:15:02 8DIgAlNa

「さてと……率直に聞くけど、やり方は知ってる?」
「一通りの手順と知識はある。ところで私は避妊するようなものを何も持っていないのだが……」
黙ってベットから立ち上がり、すぐそばの机の引き出しから小さな箱を取り出すと、彼に渡した。
コンドームだった。

「……何故君が持っている?」
「いつかあなたと関係を持ったときのことを考えて念のために。多分あなたのことだから、こういう類の
準備は何もしてないと思ったの。使わなければ誰かにあげていたかもね」
「君は薬を使うものだと思っていた……」
「一応、飲んではいるけど、さらにつけておいたほうが安心じゃないかしら? ………あなたが」

ねえと問いかけると、どうやら図星だったらしく気まずそうに顔を背けた。
そんな部分が何だか可愛く思えて、硬く骨ばった肩に頭を寄せる。
互いの体から湯の匂いがした。どうやら両者共々、準備はできたようだ。

「さあ、いつでもどうぞ……」

艶かしく誘いをかけると、すぐに頬に手がそえられた。
今度はサンダースのほうから唇を重ねる。濡れたような弾力が唇を通して返ってきた。


最初は軽く押し付けあうだけだったものが、次第に貪るように深いものへと移っていく。
少し顔を傾けるように角度を変え、唇で唇をかむように半開きのまま上下の開閉を繰り返す。
マラリヤの両頬にそえられていた手のうち、右手のほうをあごにまでずらし、下あごを押すように
してより大きく口を開けさせるとひと息に舌を捻りこませた。口内に男の舌が侵入する。

「ふ……んぅ……むぅ……」
歯列を割って入ってくる舌の感触に、思わずマラリヤの口から鼻にかかった甘い声がもれた。
ぴちゃちゃぷちゃぷ……舌の裏側を舐められ、上あごをなぞられ、さらには舌先を舌先で丹念に擦られて、
どうにもたまらない。体は細かく震え始め、何とか沈めようとバスローブのすそを強く握り締める。
だが、一度異常を感じた体がそう簡単に元にもどるはずもなく、震えは体に依存し続けた。


70:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(9/23)
06/05/25 02:16:52 8DIgAlNa

「ふ…ぁ……っ!」
舌でかき混ぜあう音が激しくなり、口内が二人分の唾液であふれる。そして唇の端からひと筋の流れとなって
漏れ出した頃、ようやく唇が離れた。マラリヤが大きく息を吸い肺に新鮮な空気を送ると、それにともない
体の力も抜ける。がくりと無意識のうちに隣いる男の胸へとしだれかかっていた。

「大丈夫か?」
「……サンダース……あなた経験があるの……?」
「正直な話、君が初めてだ。過去それに類するような行為は一切ない」
「……そんな簡単にするような人じゃ、一途に一人の女性を追いかけたりはしないわね……」

まだ口で息をしているマラリヤの背中をさすりながら、その後頭部に手を置きぐっと引き寄せ抱きしめる。

――慕う相手の腕の中という幸せ

閉じ込められる一種の束縛感が、今ある立場の位置をあらためて教えられ、その官能に満ちた幸福感に
体ごと浸すように思う存分酔いしれた。

「……大したものね……あなたその手の才があるんじゃないかしら……?」
「何も不思議なことではない。行動はあらかじめ行うべき計画を想定しておくだけで、迅速にかつ正確に
行えるものだ。いうなれば、いつどこで何を判断すべきかが極めて重要で……」
「ストップ……もう、ムードぶち壊しじゃない……」
理路整然と話し始めたサンダースを、マラリヤが慌てて止める。
これ以上、空気に合わない台詞で雰囲気を壊されてはたまったものではない。

「ふむ、確かに野暮であったかもしれん……しかし、ならばこういう時はなんと言えばいいのだ?
『君は綺麗だ』か?」
「それは服を脱がせた後よ……あなた、しゃべるほうはてんで駄目ね……」

どうも台詞のほうは行為ほど達者ではないらしい。サンダースの性格が言葉を通して顕著に表れる。
『いつ』『どこで』『何を』話すべきかがまるでできていない。
それでもそんな彼らしい拙さは嫌ではなく、むしろ好感の持てる部分の一つだった。


71:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(10/23)
06/05/25 02:18:12 8DIgAlNa

「……マラリヤ、続けてもいいか?」
「お願いするわ……あと会話はしばらく控えましょうか……」
積極的になり始めたサンダースの変化を、胸のうちでマラリヤは喜んだ。
腰に結ばれているバスローブのヒモをほどかれ、重なっていた合わせ目が左右に開く。
身体の真ん中に、柔らかそうな白い肌が一本の道のように現れた。

下にショーツをつけているだけで、上半身は何もない。
重力にしたがってこぼれ落ちた大きな乳房が空気中にさらけ出される。
バスローブの合わせ目辺りの布がかろうじて乳頭を隠してはいたが、それでも乳輪のほうまでは全てを
覆うことはできなかったらしく、ちらりと赤い半円がはみだしていた。

「あ……!」
両襟に手をかけ、後ろに剥くように一気に引きずりおろす。
脱がされるときの背中と腕を布に擦られる感触が軽い刺激が肌に駆け抜け、思わず喘いだ。

ひじに引っ掛かっていた袖を丁寧に取り、バスローブを床に投げ捨てるとあらわになるシミ一つない肢体。
細い両肩をつかむとゆっくりと後ろに倒し、手始めにと言わんばかりに豊満な乳房に手をのばした。

「きゃ…っ! あ…あぁ……!」
たぷりと下から持ち上げるように乳房の根元をつかみ、掌をいっぱいに広げて揉みしだく。
ぐにゅりと大きく形を変え、無骨な指のすき間からは白い肉がしぼりだされるようにとびだしている。
深い谷間ができるほどきつく寄せ、すべらかな肌を感じ取るようにさすり、見えなくなるほど指を乳房に埋め
ると、マラリヤの体にはどうにもならない快感がわきあがり一旦は治まりかけていた震えが再び生じ始めた。

「あっ…!?」
ぴちゃりと右の乳首を舐められて、マラリヤはびくりと腰を浮かせる。
赤い円をなぞり、舌先で頂点をつつくと、唐突に口に含んだ。

「あっ! あっ! や……っ! あんっ……はぁ……!」
口の中で乳首が硬くなっていくのがわかる。
舌を擦りつけ、きつく吸い、軽く噛む、それら一通りの動作を終えると今度は左の乳首を同じ目に遭わせる。


72:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(11/23)
06/05/25 02:19:29 8DIgAlNa

その後、できる限り乳房を寄せ、さらに乳首どうしをも中心に集まるように寄せると、横に広げるように
口を開けて二つ同時に咥えこんだ。

「はぁんっ!? やぁ……っ!!」
片側だけでも責められるのは充分な刺激なのに、それが両方だとたまらない。
さすがに片方の時と比べると動きこそ大雑把だったが、それでもすでに敏感になっていた突起を同時に愛撫
されると快感は倍になって襲い掛かった。熱い舌で線を引くように何度も左右の突起をなぞられて、
じくじくと膣の奥が熱をはらむ。すでに受け入れるための準備が始まっていた。

「ん…! そこばかり……! いや………」
しつこく乳首への愛撫が続くせいか、とうとうマラリヤの口から懇願めいた言葉がでる。
唾液で滑りがよくなった両の乳頭を親指と人さし指の腹で捏ねられて、無意識のうちに腰をくねらすように
体を震わせる。内股をすり合わせると、すでにしみだしだ粘液がじゅぷりと音をたてた。

「……は……あ…あ…あぁ……」
もう胸は充分に堪能したのか、今度は鎖骨を舌でなぞり、そのまま乳房を分けるようにして下半身のほう
へと下がると、腰の出っ張った骨をちゅっと吸い上げた。
すでにショーツの股にはさまれた部分の布はぐしょぐしょに濡れ、濃いシミをつくっている。
濡れぼそったショーツに指をひっかけ、真っ直ぐにおろして脱がせると、足を大きく開かせて
ためらいもせずに、秘部に顔を近づけた。

「!? あ…っ!? ちょっと待っ……っあああぁっ!!?」
さすがに直接的な部分を口に触れられるのには抵抗があるのか、一時的に理性を取り戻し、行為の中断を
求める。しかし、時はすでに遅く顔ごと埋めるように深く舌を挿れられ、なぶり始めていた。
ひときわ高い悲鳴があがる。

「きゃあっ!? あ! ああっ!? はああぁぁんっ!!」
ぴちゃぴちゃと割れ目の周りを舐め、赤くびらびらした部分を吸い、尖ったクリトリスを舌で押しつぶす。
あまりの快感に、割れ目の蜜は止まることなくあふれ続け、そして濡らし続けた。


73:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(12/23)
06/05/25 02:20:49 8DIgAlNa

「ああっ! あんっ! いやあぁ……っっ!!」
ビクビクと体を震わせ、出せるだけの声を出しても昂ぶりは少しも治まらない。
神経までもがひどく犯されているような感覚に、何もかもがおかしくなる。

その内に割れ目をずずっと勢いよく吸い上げられて、突き抜けるような快楽が四肢をいっせいに痺れさせた。

「ふあっ……!? 指……太い……! んぅぅっ!? 広げないでぇっ……!!」
ぐちゅぐちゅと二本に束ねた指が内壁を執拗に擦る。
奥まで挿れて指を開くと、狭い膣が横に広がり、より多くの蜜があふれ出る。
もうこれ以上は耐えられないといった風に首を激しくふり何度も背を浮かせるが、指は止まらずに
マラリヤの鋭敏な場所を責め続けた。

やがて体の奥に変調がくる。
指は三本に増やされ、中をばらばらに探られ、空いた手でクリトリスを捻ねり引っ張られ、貪欲になぶられる。
もはや嬌声は言葉ではなくなり、五感の全てが狂ったように悶え、体を激しくのた打ち回らせる。
のけぞるようにきつく背を浮かせたその瞬間、どくんと膣の奥が弾けた。

「うあああああぁぁぁぁっっ!!?」

激しい絶叫とともに、赤い割れ目からびゅるっと透明な液がふきだした。




不規則な荒い息はまだ続いている。
目じりにはかなりの量の涙が溜まっていたが、それを拭き取るだけの気力はなかった。
体中が汗ばんで、今身に起こった突き落とされたような刺激の強さを物語っている。

不意に親指が近づいて目の端の涙を拭われた。サンダースだった。
指に押し寄せられた涙のしずくが、耳のそばを通り抜けるように真下に落ちる。


74:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(13/23)
06/05/25 02:22:06 8DIgAlNa

「……大丈夫か?」
サンダースの低い声が耳に届いて何故だか少し安心する。久しぶりに聞いたような気さえした。
うまく声が出せなかったので、微かに頷いて応えるとそうかと彼も答えを返す。

「マラリヤ……その…そろそろ……」
「……聞かなくてもいいわよ……好きな時にきて………」
表情のほうには大した変化はなかったが、チャックのある辺りの布はぎちぎちと張り詰めている。
彼は彼で気を昂ぶらせていたのかと思うと、胸にじわりとした高揚が広がった。

「少し遅れてしまったが……君は綺麗だ」
「若干タイミングが悪いわね……でもいいわ、嘘でも嬉しい……」
律儀にたどたどしく、そしてかなり下手な甘い言葉をつぶやくサンダースにマラリヤは思わず笑いそうになる。
それでも必死にこらえると、その不恰好な優しさに礼を言った。
下手でも何でも、彼の気持ちが嬉しかった。

「……嘘を言ったつもりはないのだが」
「でも私はあなたの好きな人じゃないもの……」
寂しそうに、だけどそれでも構わないと好意を伝える彼女の表情はひどく柔らかい。
それ以上サンダースは何も言わず、箱からコンドームの袋を一枚取り出すと、ピッと開け口を切った。

大きく膨張した少々グロテスクなソレに、薄いゴムの膜が包みこむ。
今からそれが自分の中に挿れられるのだと思うと、さしものマラリヤにも緊張が走り不安の色が隠せない。
そんなマラリヤの心を知ってか知らずか、つけ終わるとすぐに女性の部分が丸見えになるほど大きく
彼女の足を開かせ、一気に捻りこませた。

「!!? あああああっっ!!?」

再び言葉は悲鳴に変わる。


75:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(14/23)
06/05/25 02:23:47 8DIgAlNa

ずちゅっ! ぐじゅぐじゅじゅぷちゃぷ……

淫猥な水音が割れ目を音源にして響き渡った。
すでに充分な硬度を持っている肉棒は、狭い膣内の中を前後に移動しながらかき回す。
心の準備もできないまま追い詰められ、逃げ場のない快感からの責めがマラリヤの体を蝕んでいく。

「ふあああっ……!? 激しっ…!! いやああぁっっ……!!!」
抜け落ちそうなくらい腰を引き、ズンと根元まで挿れるように強く突く。
与えられる膣への衝撃が度を過ぎていて、もう自分の身に何が起こっているのかわからない。
耐えられないと本能までもが悲鳴をあげる。

ずっ! ずっ! ぐじゅぬちゅっ!!

打ち付ける腰の強さがより速くなる。
腰の動きに合わせて彼女の大きな乳房が上下に揺れる。それに目を止めると、おもむろに彼女の足から手を
放し、目的のものへ伸ばすと滅茶苦茶に揉みしだいた。快感が助長され、マラリヤの嬌声がずっと高くなる。

「はあああん…っ!! 胸……弄らないでぇ………っっっ!! だめえ……っっ!!!」
無論、本心からの懇願は聞き届けられない。
ぶんぶんと首を振り、シーツをつかみ、出せるだけの声を出す、何とかしてこの昂ぶりから逃れようと
する。しかし内壁の敏感な部分を擦る肉棒がそれを許さない。どこまでもしつこく彼女を責め続ける。

「ああんっっ! 熱い……!! 体……熱い……のぉ……!!」
中のモノはますます膨張し、逆に内壁は縮小する。
きつくなった膣内を押し広げるように、硬い昂ぶりが何度も往復する。
もうこれ以上は駄目だと限界を感じたその時、不意にサンダースの顔が耳元へと寄せられた。

「!」

ささやかれた言葉に、マラリヤは一瞬だけ理性を取り戻す。
瞳が瞠目で小さくなった。


76:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(15/23)
06/05/25 02:26:30 8DIgAlNa

「……馬鹿ね」
消え入りそうな声でつぶやくと、ちょうど彼と目が合う。

「変なところで嘘がうまいんだから………」

そう言って口元だけ笑うと、目の前の男も笑ったような気がした。


意味の通じる言葉をかわすのはこれが最後だった。
緩んでいた腰の動きが再び強くなり、マラリヤの意識は頭から追い出される。


「はうんっ……!! うああぁぁっ……!!」
足を広げられるだけ広げてしまうと衝撃の威力を落とすことなく腰を打ちつけ追い込む。
そして何度か往復したあと、最後に一際たかく突き挿れると、膣内の壁はこれ以上は無理だと思えるほど
収縮し男性の部分を締め付けた。


――どくんと、もう一度奥が弾ける。


「やあああああぁぁぁぁ……っっっ!!!!」

びくびくと激しい悪寒に体が襲われ、さっきよりも多量の熱い粘液を膣から吐き出し、そして達した。


77:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(16/23)
06/05/25 02:28:12 8DIgAlNa


目が覚めると隣にサンダースの姿はなかった。しかし部屋の気配は消えてはいない。
不審に思って上半身だけ体を起こすと、ベットの足元側のほうの床で、彼がいつものように
腕を後ろに組みながら、見据えるようにこっちを見ていた。
相変わらず上半身裸のズボン姿のままだ。

「……何をしているの?」
「うむ、君の寝顔を見ていた」
「…………布団の中で見ればいいじゃない」
「女性の顔を近くで無遠慮にじろじろ見るのは失礼だと考えたからだ」
「だからといってそんな遠くで、しかも隙のないポーズで見ることはないでしょう?
……見張られているのかと思ったわ」

今度は別の意味でやれやれとため息をつくと、毛布で体を隠すように巻きつけてからベットのふちに
腰掛けた。体はだるかったが、動けないほどではない。

「体調は大丈夫か?」
「何とかね……」
行為前の時と同じようにぽんぽんと隣を叩いて横に座るよう促す。
やはり最初の時と同じように頷くと、彼女の隣に腰掛けた。

「今、何時かしら?」
「午前4時12分、もうすぐ夜が明ける頃だ」
「そう……朝食にはまだ早いわね……」

軽くついた寝癖を直すように長い髪をかきあげる。すでに二人の口調も表情も元に戻っていた。

「マラリヤ……」
「何かしら?」
「……いろいろ世話になった。礼をいう」
「………表情が少し晴れたわね」


78:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(17/23)
06/05/25 02:29:44 8DIgAlNa

ふっとマラリヤの口元が緩む。
サンダースの顔にもう影はない。暗い気配が取れると、いつもの彼らしい無骨な顔が現れた。

「どう? 初めての女性との経験は?」
「悪くはない。何故夢中になる輩が多いのか少しわかった。恐らくは達する瞬間の一際強い昂ぶりが……」
「ストップ。……そもそもムードが何かをわかっていないみたいね」
またしてもため息。どうやらサンダースにはこの手のことは苦手科目らしい。
実践は合格、だけど理論は不合格といったところだろうか。しかし彼の色気のない性格を考えれば、
むしろ実践だけでも合格という状況は大したものだと言わざるを得ない。

「………嬉しかったわ、私」
不意にマラリヤが静かに言葉をこぼす。柔らかく儚げな気配が表情ににじみ出ていた。

「綺麗だって言ってくれたこととか、一番最後の『君でよかった』っていう台詞とか……あなたの口から
聞ける日がくるなんて思わなかったもの……」

つい数時間前の出来事をまるで昔を思い出すかのような口調で話す。
その顔は幸福そうで明るい。

「本当に嬉しかった……たとえ嘘でもね」

ありがとうとつぶやいたその表情に、皮肉や毒といったものはまるで含まれていない。
心からの感謝をしていることがそれでわかる。


しかし、返ってくると思われた『どういたしまして』の返答は何故かなかった。


あら、とマラリヤは不思議そうな顔で首を傾ける。
すぐ隣の男は、彼女以上の複雑そうな顔でマラリヤを凝視していた。


79:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(18/23)
06/05/25 02:31:27 8DIgAlNa

「……どうしたの?」
「…………マラリヤ」
彼女の会話を遮るようにして出した声も、表情のままの複雑さを孕んでいる。
何かおかしなことでも言っただろうかと、浮かんだ疑問をそのまま言葉に直そうとしたその時、
マラリヤよりも先にサンダースが口を開いた。


「――私がこの部屋に入ってから今に至るまで、嘘をついたのは一度だけだ」


今度はマラリヤのほうが顔を複雑に歪める番だった。
言われた台詞の意味がわからず、困惑する。

「……それはどっちの言葉かしら?」
「行為中の言葉ではない。もっと前だ」
サンダースの言葉が足らな過ぎて、理解がちっともはかどらない。
どうも彼のペースに合わせないと、話は早く進んではくれないようだ。

「もう少し具体的に話してもらえる?」
「率直に言ってしまえば君が私を誘った辺り、『今夜だけ君に甘えてもいいだろうか』のくだりがそうだ」
ぴくりとマラリヤの眉が上がる。
不意打ちをくらった心の軽い衝撃に、一瞬言葉を失った彼女を尻目に、サンダースはなおも先を続けた。

「その、勝手な男だと思うかもしれないが……今回だけでなくこれからも、つきあってはもらえない
だろうか? もちろん体のほうではなく、心を通い合わせるという意味のほうだが……」

眉はこれ以上は無理だと思えるほど、上がりに上がる。
知らないうちに、その手の薬でも飲ませてしまったかと、ありえないはずの仮定を少し真剣に考える。
もちろん、そんなことはない。


80:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(19/23)
06/05/25 02:32:32 8DIgAlNa

「……サンダース?」
「私としては、君のことをもっと深く知りたい。もし、体目当てではないのかと考えてしまうのなら、
君からの了承を得るまでは控えたっていい。とにかく私は……」
「サンダース、少し落ち着いて」

だんだん早口になり始めた口調をマラリヤが一旦、せき止める。
よく見れば、彼の顔はひどく紅潮し耳まで赤く染まっていた。本気の話らしい。

「……理由を聞かせてもらえる?」

今までいくら好意を伝えても、決して気持ちには応えてくれなかった。
それがここに来て突然の交際宣言、たとえマラリヤでなくとも驚く。
とにかく心変わりの原因を追究したい、次にくるサンダースの言葉を辛抱強く待った。

「………本当のところ君の真っ直ぐな一途さには、常々心が動いていた」
「真っ直ぐねえ……失恋した人をうまく口車に乗せて誘った私が?」
「いいや、君は真っ直ぐでそして優しい。君は相手が自分に好意をもたないからといって責めたりはしない、
相手の想いを寄せる異性を非難したりはしない、ましてや無理に引き剥がすような真似は絶対にしない」

一度止まったのが良かったのか、サンダースの口調は元のリズムに戻った。
やはり聞き取りやすい、語尾まではっきりとした発音だ。

「駄々をこねて馬鹿な行動など起こしはしないし、気持ちを考えての行動がちゃんとできている。
――私のような歪んだ一途さなどでは決してない」

ここまでを一息に言ってしまうと、マラリヤのほうに向き直る。
そして、きちんと眼を合わせるとサンダースにとって最も言いたい言葉をこれ以上にないくらいの
はっきりした発音で声を出した。


81:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(20/23)
06/05/25 02:34:04 8DIgAlNa

「もう一度言う。どうか私とつきあってはもらえないだろう?」

長く、間が空いた。
サンダースのその言葉を境にして、息を潜めたように空気がしんと静まる。
だがそれも一時的のことで、だいぶ経ってからようやく言葉が活動を始めた。
マラリヤからだった。

「………少なくとも、あなたは同情で動くような人ではないわね」
「当たり前だ。感じはしても行動に移すなどもってのほかだ」
「……失恋したすぐ後は、どんな異性でも結構良く見えるものよ?」
「今回に関しての失恋は、すでに一度過去に起こっている。昨日の件は認めないと愚かな真似をした
ゆえの結果にすぎん」
「……私、一度手に入れたらなかなか捨てないわよ?」
「むしろ、勝手な我がままを聞き届けてくれるのかどうかのほうが極めて重要な問題だ」

三度の問答、変わらない表情と口調、そしてどうやら変わらないらしい彼の想い。


「…………あなたって、本当に馬鹿ね」


とうとう呆れたように大きくため息をつく。まぎれもない『了承』の合図だった。

「いいのか?」
「当然よ、好きな人につきあってくれと言われて断る人がいると思う? 理由がないなら尚更ね」
「……礼を言う」
「感謝しているのは私も同じよ……ありがとう。――あら? やっと5時になったわね。
いいわ、少し早いけど朝食にしましょうか?」
おもむろにベットから立ち上がるとすぐにクローゼットへと向かい、適当な服を出す。
学業で着る時の服は今は選ばないことにした。


82:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(21/23)
06/05/25 02:35:19 8DIgAlNa

「サンダース、あなた何か食べられないものはあるかしら?」
「特にない。何を出されても舌を口に合わせよう」
「……そういう時は『君が作ったものなら何でも食べる』よ」

言葉のほうはまだまだねと軽く笑いながら、冷蔵庫の中を確認する。
そしていくつかの材料を取り出すと今度はキッチンのほうへと向かった。

「すまん、精進する」
「当分そのままでもいいわ」
「それと………君は綺麗だ」
「…………タイミングのほうは少しマシになったみたいね」

本当に久しぶりに、マラリヤは鼻歌を歌った。









「タイガ、ちょっと………アイヤー……」
朝一番、教室で彼を探したヤンヤンは、見つけた彼の姿に少し瞠目した。
彼の特有さを表す、いつものツナギを着ていない。


83:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(22/23)
06/05/25 02:36:35 8DIgAlNa

「その格好どうしたネ? 生活費でもなくなって売ったアルカ?」
「お前と一緒にすんなアホ。……訳あって破れよった」

正確にいうのなら『破かれた』のだが、昨日のアレを一から説明する気にはどうしてもなれなかった。
胸元を大きく開けたシャツにピタリとしたズボン、一応、制服もあるにはあったが、あまりにも
似合わなすぎて止めた。自分でも似合わないと思うものを他人が見たら、どんな反応が返ってくるのか
確かめなくてもわかりきっている。

「そいうえばさっきカイルから聞いたヨ。ユリともめたって……」
「ああ……つけるのは別にええけど、重ねることはないやろ言うてな………」
「つける? 重ねる?? 餃子でも作ったアルカ? あれは中の具よりも、むしろ皮が命ネ」
「いや、皮はとっくにむけてる………ってそやなくて、お前、俺に用あってきたんちゃうか?
はよ言えや」
「おお、忘れるとこだったネ! はい、これ受け取るヨロシ」

そういって一枚の封筒をタイガに渡す。
女の子が選ぶような可愛らしい封筒だった。

「……これ、なん?」
「もち、みたまんまのラブレターネ。コイツにはもう女がいるヨと言ったけど、『友達に頼まれたから一応
受け取ってくれ』と言われて取りあえず受け取ってきたアル」

うんうんと一人で頷くヤンヤンをを尻目に、品定めするようにじっくりと封筒を眺める。
今の時代にしては古風だなと考えながら、取りあえず封を開けて中の便箋を取り出した。

「お前に熱をあげるなんて、つくづくこの学校の女は男を見る眼がないネ」
「やかましい! しばくぞ!」


84:タイガくんとマラリヤ姐さん・後半(23/23)
06/05/25 02:38:00 8DIgAlNa

からかうヤンヤンを黙らせて、三つに畳んだ折り目を開いた。一行、二行、三行……一定のリズムと速度で
目を下に滑らせる。すぐ隣ではヤンヤンが非常にわくわくした様子で文を読むタイガを観察していた。

「タイガ、何が書いてアルネ? さっさと言うヨロシ」
待ちきれないといった風に手紙の中身をせがむ。
何だかんだいって、こういうのはいつでも人をひどく興奮させるものだ。

―しかし、タイガがある行に目を止めると、びくりとその顔がひどく強張った。

「……タイガ? どうしたネ?」
「……………………」
不審思って声をかけるも返事はない。もう一度声をかけようとしたその時、目の前の男はみるみるうちに
顔を青ざめさせ、そして奈落の底に落ちるような悲鳴をあげた。


「…………#$=&%+**@#*<>%&’#$=&%+**@##*>%&*@$=&%+*@##*@
#$=&%+*@##*@<%&#$=&%+&%+**@#*<>%&’#$=&%+**@##*>%$
**@##*>%&ッッッ!!!!????」

「アイヤーーッッ!!? 悲鳴が文字化けしてるアル!!?」

もはや人間の言語ではない叫びに、本能的に彼に尋常でない事態が起こったことを悟る。

「タイガ!? 何があったネ!? 『命を狙う』みたいなことでも書いてあったアルカ!?」


手紙の文面自体は普通のラブレターであった。


――宛て名が男の名前であったことを除けば。




85:577
06/05/25 02:45:33 8DIgAlNa

以上です。

前スレ656様
レスをありがとうございます。返事が遅れてすみません。
当方、一応、生物学上では女に属します。同じQMA仲間と一緒に酒を飲みながら
QMAを語るのがもっぱらです。

「アロエたんと一緒にお風呂に入りたい~~」 (私)
「あーー俺サンダースかタイガにだったら抱かれてもいいーー!
つーか抱きてぇーー!!」 (QMA仲間・男)

取りあえず、サンダースは守る。


86:名無しさん@ピンキー
06/05/25 02:46:31 a1HEDr6+
>>85
GJ
これは素晴らしいサンマラですね

87:前スレ506
06/05/25 09:17:27 U5Sokn50
>>577
いやはや、大作GJです!
サンダースの愚直なまでの性格不器用っぷりといい、
マラリヤの駆け引きと本音の綾成しっぷりといい、
この2つの絡み具合がスバラとしか言いようがありません!
エロの部分もきっちり描かれていて、これまた楽しく読ませていただきました。
当方も精進せねば…



88:230
06/05/25 23:38:37 p9s9izo1
ヴァーーーーーー
なんつーか僕はもう、もう!

正にキャラが「生きている」感に満ち溢れていて、
全く違和感無しの文句なしの大作でしたよーっ! GJーっ!

89:名無しさん@ピンキー
06/05/28 20:34:59 mhfz45iw
ほしゅ?
ほしゅ!

90:前スレ506
06/05/31 09:01:20 dwZOuIXj
保守がてら。

月末で忙しすぎorz
SSもなかなか捗らない状況&ヘタなカップリングを描いているばかりに、
ちょっとハマり気味ですorz
既に2案ボツらせた…
まあ、なんとか原点回帰のエロで進めるメドは立ちましたので
近日中にはUPします。

91:名無しさん@ピンキー
06/05/31 09:03:11 aKn6TNv+
>>90 wktk

92:名無しさん@ピンキー
06/06/01 17:10:32 3kRnqiYT
保守

93:前スレ506
06/06/03 10:37:45 SCJ4zTH2
完了。

注意書き。
・サンダース×シャロン(軍曹視点、基本軍曹受け)
・コス要素あり
・一部勝手設定あり

NG指定は「506」で。




94:前スレ506
06/06/03 10:38:39 SCJ4zTH2
『Sir,Yes Sir!』

「どうしたのかしら? こんなになって…?」
私の上から声がする。 ひどく攻撃的で、扇情的だ。
私は、全裸でベッドに横たわって…いや押さえつけられている。
そして、私に跨り睥睨しながら言葉を投げかけている女性もまた全裸である。
…いや、正確には素肌に軍服のジャケットを羽織っている。
肩口の階級章は「中尉」、私の階級が「軍曹」であるから、上官と一兵卒の主従関係が成り立つ。
力ずくで脱出するのは簡単だが、抗えない。
いや、抗う気にもならない。
長く伸ばした金髪、上品な美貌、磨かれたような白い肌、細身の艶めかしい肢体…
乳房は小振りだが、いささかも気にならない。
そんな女性が自分の上にいて、あまつさえ甘美な快楽を与えようというのだ。
誰が抵抗できよう。
「答えなさいな。 ここをこんなにして、どうしたの…?」
彼女は私を詰問しながら、細くしなやかな指で私のペニスをさすっている。
既に、これ以上はない位に固く反り返って、刺激の一つ一つに脈動している。
「う…ちゅ、中尉…」
私は甘い刺激にまともに答えられない。
「命令よ」
「…中尉の…その美しく、淫らな…うっ…姿に、無礼にも、欲情しております」
ペニスへの刺激に脳が灼け、途切れ途切れに私は言葉を紡ぐ。
彼女は少し満足げな表情を浮かべて、さらに続ける。
「フフ…どうして欲しいのか、言ってごらんなさい」
彼女はゆるゆるとした愛撫を止めることなく言葉を続ける。
「…はい、自分をもっと、気持ちよく…うっ…させていただきたい…、で、あります」
…そう伝えた時の彼女の表情を何と表現すればよいのだろう。
戦地に降り立つ女神とは、かように美しく、淫らなものなのか。
「最初から素直にそうおっしゃいなさい。 では、サンダース軍曹、これよりいやらしい貴方に『指導』するわね。
 あと、これからは、『中尉』はやめて。 名前で呼びなさい」
至福の表情を浮かべて彼女がこう言う。
私の答えは一つだ。
「了解しました…シャロン…様」
「…様、もいらないわよ」
そう言って、彼女の顔が、体ごと私の股間へと移動する。


95:前スレ506
06/06/03 10:39:33 SCJ4zTH2
「フフ…いつ見ても立派ね…」
シャロンは、私のペニスを弄りながら、視線でも舐め回す。
その視線といえば、喩えるなら、大好物の菓子を与えられた子供の無邪気な喜びと、獲物を手にした女豹の淫蕩さを同時に内包している。
で、私はと言えばただ、微妙な快感に呻くだけだ。
そして、『指導』とやらが始まる。
薄紅色の唇が私のペニスに触れる。 触れられた箇所から、波紋が広がるように快感が全身にわたる。
「くっ…!」
私の反応に悦びの表情を浮かべて、シャロンはさらに唇を這わせる。
亀頭から雁首、竿の裏側を根元の方まで滑る。 唇が通った跡は唾液で濡れて光る。
そして、細い指をも駆使して唇での責めがじわじわと続く。
まるで、長笛を演奏するかのようだ。
快感に痺れていると、唇と指が外される。
支えを失い、無様に勃起した私のペニスは、天井を向くどころか自らの腹へ勢い余ってぶち当たる。
「咥えて欲しいの…?」
またしても問われる。 …だから、答えは一つだ。
「是非、シャロンさ…いや、シャロンの口で、蕩かせていただきたく…」
命令違反の口調が出そうになるのを何とか堪え、私は懇願する。
「では、そうしてさしあげましょう、サンダース軍曹」
本当に嬉しそうだ。 一瞬だけ、彼女の口調が平生に戻る。
しかし、そんな事を悠長に考える間もなく、私のペニスが再び指で捕捉され、敏感な先端に舌を突きつけられる。
「うおっ!」
我ながら、無様な声だ。 だが、耐えられる訳がない。
先程までと違い、舌を駆使しているため、動きが激しいのだ。 その烈しさに比例して、与えられる快感も暴力的なのだ。
瞬く間に、ペニス全体がてらてらと光る。 唾液だけではなく、既にだらしなく溢れる自分の体液も混ざっている。
「熱いのね…」
とろんと薄い膜がかかった瞳でシャロンが呟き、その小さい口がペニスを一息に呑み込む。
全体が柔らかく熱い感触に包まれる。
私は思わず腰を浮かせた。



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