06/08/20 22:03:04 vPwdfFN1
暑くなってきた頃、初夏とでも言いましょうか。
放課後、日も暮れたころ、私は忘れ物に気づいて
教室に忘れ物を取りにいったんです。
教室に近づくにつれ泣き声が聞こえてきました。
オーンとかアーンとかそんな感じではありません。
しくしく、しくしく、
物悲しい泣き声です。そしてその声は教室に近づく度にだんだん大きくなっていきました
この先にいるのか・・・
少しためらいましたが、意を決してドアを開けると
私の泣き黒子の女子が教卓の中で体育座りしながら泣いていました
「あっあなたは加賀さん!」
「しくしく、しくしく、あ、先生、こんにちは、しくしく、しくしく」
「こんにちは加賀さん。じゃなくて、
どうしていきなり?あなたはこんなところで何を泣いているんですか?」
「それは・・・しくしく、しくしく、うっうっうぇ~ん」
・・・なんだか面倒なことに巻き込まれてしまったと気がついた時には
もう遅かったようです。ですが立場上放っておくわけにもいきません。
自傷?自殺?そんなの困ります。
「わかりました。なんだか困り果ててるようですね。もう遅いですし、
良かったら家まで来ませんか?話ぐらいは聞きますよ。」