06/05/07 23:11:23 nigC6ANp
「これ、イヨが置いたんでしょ!?」
実はあの後、あみが瓶をケンタに差し出すと、どこか不自然に思った彼は秘密探偵のまっちを呼び出し(本当にまっちの本職は分からないものである)、検証の結果、瓶の中身もそれを置いた人も判明したのだった。液体の色を変えても、彼の目は誤魔化せなかったようだ。
「…てへ、イヨ分からない……じゃーねー♪」
とイヨがとぼけてアニ横の世界に戻ろうとするも、ケンタに耳を鷲掴みにされてしまう。
「とぼけるな、イヨ」
「痛いよぉ、急に耳掴まないでよぉ、ケンちゃん!」
「ケンタ、今日は気が済むまでやってもいいよ。というか、私とくーちゃんの分もお願い」
「そんなの言われなくても分かってるって!」
「ケンちゃん、あみちん、ごめんなさい…」
イヨは嘘泣きしながら懇願するも、彼らが許すはずもなく、例によってケンタにボコボコにされるのであった。
ドカッ、ボコ、バキーン!ズゴッ、ドンドン…
(しばらくお待ち下さい)
「ふーっ、やっと腹の虫がおさまった…」
「もうあんなヘンテコな瓶を置かないことね」
「…はーい」
しかし、イヨが反省する様子は全く見受けられなかった。それでこそ彼女らしいのだが。
「イッサを置いていくなんてひどいよ~」
「あ、イッサだ…」
イヨを追っていたイッサが、あみの部屋にようやく到着したようである。彼はいくつものたんこぶをつけたイヨを見て、
「だ、大丈夫!?イヨちゃん!?」
「気にするな、イヨがまた余計なことをしただけだ。イッサは気にしなくていいよ」
「そ…そうそう、いつものドタバタだよ!」
昨日のこともありイヨを気遣うイッサに向かって、慌てて返事をするあみとケンタ。
「いつものドタバタ?ならいいけど…」
なんとかその場をしのぐことができたようだ。
こうして、あみとケンタ、そしてイッサとの間に、互いに言えないような秘密が出来てしまったのである。しかも、いずれもイヨが原因だ。そうなると、エイプリルフールになってしまえば、彼女が黙っているはずがない。
(次のエイプリルフールがとっても楽しみだお…)
果たして、「焼き芋プー太郎」のような名前が最初についてしまうのは誰だろうか。その運命は、全てイヨが握っている。