06/05/03 21:58:08 j7AUKET5
「どき☆どき ちょっと新しい物語の巻」
ここは禁断(以下略)の森。知る人ぞ知る、「幸せの花」の産地である。
ここに、一羽のウサギと一頭のパンダがやってきた。ウサギは楽しそうだが、パンダは何かに脅えているようである。
「やだよー、イヨちゃん…」
「何が嫌なの?」
「また、あの怪物みたいなのに襲われてもいいの?」
「だから、イヨ、レタリング検定持ってるっていったでしょ?」
(だからそれは関係無いって…)
ウサギ、すなわちイヨの馬鹿馬鹿しい言動についていけるパンダ、すなわちイッサではなかった。いつものことなのだが。
前にこの森を訪れた時には、イヨは触手を持った怪物に襲われた。この時は、幸い彼女の必殺技で瞬殺することができたが、イッサは、もし必殺技の効かない魔物に出くわしたらどうしよう、と心配していた。
そもそも、何故わざわざこの森に足を踏み入れたのかと言うと…
数日前のこと。
「ケンちゃん、チラシ取っていい?」
「ん?…あー、どうせ見ないからいいよ」
「ありがとー」
こうしてパラ、パラ、とチラシをめくるも、つまらないバーゲンセールばかり…と思ったその時。
『どこかに咲くと言う「幸せの花」をゲットしたあなたに、先着一名様限定で100万円プレゼント
ヤマナミ闇通販主催』
「!!」
「どうしたんだ、イヨ」
「ケンちゃんには関係ないおー!!」
ケンタにチラシを見せることもなく、そのチラシだけを持っていって一目散に走っていくイヨだった。彼に知られたら、何をするか分からないからだ。前は例の花でその場を取り繕うことができたが…
「ま、まあ、あいつのことだからな…」
ケンタはその後もイヨを気にすることはなかった。
そして、イッサにはチラシのことは何も言わず、ただ「花をとりたい」とだけ言って連れてきたのである。
「で、でも、花は50年に一回しか咲かないんだよ?」
「イッサちゃん、前とってきてから既に一年ぐらいたってるでしょ?もう咲いてるものがあったっておかしくないお」
「けど、あみちゃんはまだ5歳だし…」
「そんなところに首を突っ込んじゃいけないよ!イヨたち年をとらないでしょ、漫画だから」
「……」