【水木総合】鬼太郎・三平・悪魔くん【6怪】at EROPARO
【水木総合】鬼太郎・三平・悪魔くん【6怪】 - 暇つぶし2ch501:『身代わり』-5/446
06/11/18 10:06:31 IJP4qC3j
裂かれた布の切れ端が風に舞い散る。
引き裂かれたのは服だけでなく、ちぎれたサラシでかろうじて胸を隠せはしているもののその膨らみは傍目にも明らかになり。
少女もそれに気付き慌てて学童服の前を合わせるが、既に曝された事実は誤魔化しようが無く。
眼前の妖怪は、にぃ…と好色な笑みを浮かべた。
「童かと思うたが、これはこれは…鬼太郎より先に喰われに来たか、娘。」
その言葉に、もう演技を続ける事に意味は無いと悟った少女が本来の口調で言葉を返す。
「…鬼太郎はあんたになんか負けないわ。馬鹿にしないで。」
服が裂けたせいか身体の熱は少し引いた様だが、動きは変わらず重い。
それでも恐怖は抱かぬまま、きっと睨みつければ化け物は尚更楽しそうに顔を歪ませた。
「気の強い女子だな…その顔が絶望に変えるはきっと堪らぬ愉悦だろう。」
下卑た笑みと共にゆっくりと近付いてくる化け物を、しかしネコ娘は身じろぎもせずに真っ直ぐ見つめた。
それは対峙する妖怪からは逃げるのを諦め覚悟を決めたものに映ったが、だが、真実は違う。
彼女は計っていたのだ、この一瞬を待っていたのだ。
ここで自分が動いてしまったら、全てが無駄に終わる。
視線を微塵も逸らさずに眼前の妖怪と自分の距離が詰まるのを待ち望む。
そして少女の鼻先まで近づいた化け物は、にやりと口端を歪めながら少女の顎に手をかける。
「気丈なものだな、娘…その瞳で鬼太郎もかどわかしたのか?」
しかし少女は自分の顎を掴み顔を上げさせた妖怪の戯言には耳も貸さず、声を限りに叫んだ。

「今よ、鬼太郎ーーー!!!!」
「何…!?」

少女の声に慌てて上を見上げた刹那、頭上から飛び降りてきた何者かが突き立てたオカリナから伸びた剣が妖怪の眉間に深々と突き刺さった。
声にならぬ声を残し崩れ行く化け物の影から、少年の姿を見とめると緊張の糸が切れたのか少女の意識は闇へと落ち。


薄れいく意識の中、少女は抱き上げられ唇に柔らかな何かが触れたような、そんな気がした。


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