ブレンパワードのエロノベルで射精したい 2スレ目at EROPARO
ブレンパワードのエロノベルで射精したい 2スレ目 - 暇つぶし2ch133:名無しさん@ピンキー
05/01/22 22:44:23 PUdMcTLW
>>132 勇ナニヤッテンノー!負けるなカナンたん!

さて、キチークな勇がデフォな感じのこのスレで、まじめに勇×依衣子SSとか
書きたいなーとか思ってたりするんだけど、うpしてもいい?それなりにヘボだけど。

134:名無しさん@ピンキー
05/01/23 02:03:06 rNk4cfEp
>131-132
来ましたね。
狙った女を落とすためなら、オナーニでもなんでも平然と演じてみせるユウ。
まさに漢の中の漢!

135:名無しさん@ピンキー
05/01/23 17:42:40 Tm6TnBL2
>>134
その通りだが
× 落とす
○ 堕とす

カナンたんはこのSSでは物語開始の時点で既に肉体関係にあるから
「落とし」済み。
ユウが狙ってるのはさらに「堕とす」ことw

136:名無しさん@ピンキー
05/01/23 22:59:16 fj+OVCa7
演技で赤面できるのか? ………恐ろしい子!

ダチョウの上島みたく、カナンが目を逸らした隙に
鼻つまんで息んでたりして。

137:名無しさん@ピンキー
05/01/23 23:46:58 0f3lbddk
読めぬ! このリハクの目をもってしてもユウの次なる手が読めなんだわ!

>>133
さ、かかって参られい!

138:名無しさん@ピンキー
05/01/24 03:56:33 iqBPYj0b
勇 「>>133が…勇×依衣子のSS書く?」
比瑪 「書けばいいんだよ、勇×依衣子SS」


139:名無しさん@ピンキー
05/01/24 12:34:43 zGi9BE7K
新人随時歓迎

>>137
バレバレの罠しか張れない節穴軍師はすっこんどれw

140:Sleeping Beauty
05/01/24 19:15:45 jAlYDxxv
「艦長……どうなんです?」
 勇は、彼女が医務室から出てくるや否や荒々しく問いかけた。その問いかけに対し、こ
こ―国連軍所属戦闘艦ノヴィス・ノアの艦長にして船医を兼任する女傑、アイリーン
・キャリアーの口からは重々しいため息が漏れる。
「正直、芳しくないわね。身体や脳にこれといった以上は見当たらないけれど、その
おかげで何が原因なのかも分からないわ。医学的な処置は必要ないと思うけれど……なにせ
、あんなことになった人間はあとにも先にも彼女だけでしょうし」
 言って、彼女は勇を初めとしてその場に集まっていた皆を医務室に招く。やはり勇は
真っ先に部屋に駆け込み、彼女が寝かされているベッドに駆け寄った。
 ベッドの上では、一人の女性が静かな寝息をたてている。
「オルファンと分離した際の多量のオーガニック・エナジーの減衰……今のところ、
それが一番の原因と考えられているわね。あなたのご両親の診断ですもの、間違いは
ないでしょう」
 アイリーンのしごく冷静な声と、なにより両親、という言葉にかっとなって、勇は
声を荒らげる。
「くそっ、何のための研究者だよ! こんなときに効果的な対処法を考えるのが
研究者って奴じゃないのか!?」
「そんなことを言ってはだめよ、ドクター伊佐未夫妻は第一級のオーガニック研究者
ですもの、彼女をここで養生させることも翠博士の提案なのよ。ここはたぶん、今地球
でもっともオーガニックエナジーに包まれている場所でしょう?」
「お袋が……?」
「ええ。あなたはあまり顔を合わせないようにしているみたいだけれど……あなたの
ご両親もオルファン問題の処理で忙殺されてる中、こうして花を活けに来てくれて
いるのよ?」
 アイリーンはベッドの傍らを指して言う。そこには一鉢の白ユリが飾られていた。


141:Sleeping Beauty
05/01/24 19:19:23 jAlYDxxv
 オーガニック・エナジーに満ち溢れたこの艦、その花弁はみずみずしい生気に満ち溢れている。
「親が子供を見舞うのは当然のことだろう!?」
 言いながら、この行いが以前の両親ならば考えられないものであることも自覚していた。
 自分の子供を研究の道具としか見ていないままの両親であるならば、このようなことは
しなかっただろう。それは勇と、彼の姉が身をもって知っていることだ。
「勇、翠も、研作さんもね、今回のこと、あのひとたちなりに重く受け止めている
のよ。不器用かもしれないけれど、あまり悪く言わないであげてはくれないかしら……」
「直子ばあちゃん……」
 祖母であり、育ての親でもある彼女の悲しげな瞳に見つめられ、勇は落ち着きを
取り戻す。
「それに、ただ毎日黙ってそばにいることだけが思いやりの形ではないわ。あなたも
花くらい摘んできてあげたら? 外に出れば、少しは気分も晴れるというものよ」
「……ほっといてくれ」
 両親の方が思いやりがあるといわれているような気がして、勇はアイリーンから目を
背け、ベッドの上で人形のようにしている人物をみやる。
 昔絵本で読んだ眠り姫のように静かに―死んだように眠っている彼女の姿をみて、
勇は何かを押し込むような声音でつぶやいた。
「姉さん、いったいどうしちまったんだよ……」
 勇の姉、伊佐未依衣子が昏睡状態に陥ってから、もう一週間のときが過ぎていた。


142:書いた奴
05/01/24 19:27:50 jAlYDxxv
お目汚しスイマセン。とりあえずこんな感じです。勇×依衣子。
つかカケラもエロが出てきてないし。つか富野セリフむずいし。つか出来てないし。
あんま文章力がなくてかなり恐縮(((((゚Д゚;)))))ガタガタ ブルブル

143:名無しさん@ピンキー
05/01/24 21:39:00 j5pams9I
導入部なのでまだなんとも言えんが、頑張って。
いい切り口だとは思う。

144:名無しさん@ピンキー
05/01/29 14:19:40 vG/UtU3e
俺も負けてられないぜ!

145:Sleeping Beauty
05/02/04 10:40:00 Fi93XfMS
Sleeping Beauty

 太平洋の真ん中から見るオーロラが珍しいものでなくなって、もうどれだけの月日がたったのだろうか。
 夜空を飾る光のカーテンのその美しさは、しかしそれだけ地球が病んでいることを意味している。
 ―もう夜になってしまったのか。
 医務室の窓から差す夕日が消えていることに気づき、勇は顔を上げた。
 見上げれば、オーロラの向こうに巨大な山脈を見ることが出来た。
 地上40キロほどの空間に浮かぶ、淡い緑色の光をはなつ山脈―オルファンの姿が。
 オルファンと人との和解、リクレイマーとノヴィス・ノアとの決戦、長年にわたる親子の確執の決着……
 各人にとってさまざまな意味をもったあの戦いが終わってから、まだ一週間しか経っていない。
 なのに、姉を連れてこの地球へ、ノヴィス・ノアへと帰ってきてからは一日一日がひどく長いものに感じられた。
 何をするにも気が乗らない。それ以前に、何もすることがない。
 その理由はひどく簡単なことだった。姉―伊佐未依衣子の目覚めを待っている。
「……どうして、こうなってしまうんだ?」
 勇はオルファンの暖かな光を遠目に、あの戦いのことを思い出す。
 あの戦いでオルファンの真の抗体となり、そしてまたオルファンから開放された依衣子。
 最初はただ疲れ切って寝ているだけなのだろうと思っていた。この艦の最新鋭の設備での検査に
おいても、身体にはまったく異常は見られなかった。だが彼女が目覚めぬまま一日が過ぎ、二日が過ぎ、やがて一週間が過ぎて、
それでも依衣子はまぶたを閉じたままだった。
 医学的には、完全にただ寝ているだけという診断が下された。


146:Sleeping Beauty
05/02/04 10:43:13 Fi93XfMS
 すべてが上手くいくと思っていた。オルファンは人類と友に歩むことを選んでくれたし、
人類の持つオーガニック的な力の暖かさをも感じることが出来た。 
 たしかに宇宙へと顔を出したオルファンの政治的な位置づけや、今回の騒動にかかわった
人間たちへの処罰などまだ問題は山ほど残されているが、勇たちにはその累はほとんど及んでいない。
 裏でガバナー・ゲイブリッジやミスターモハマドが事態の収拾に帆走したといわれているが、それが
事実なら非常にありがたいことではあった。おかげで勇やブレンパワードたち、オルファンから放出された
リクレイマーにいたっても、今のところは大した騒動に巻き込まれるでもなく平穏な日々を送ることが出来ている。
 だが、それがゆえに勇は眠り続ける姉の傍らで己の無力を悔いることしか出来ない。
「姉さん……」
 ベッドの脇に戻り、安らかな寝息をたてる姉を見つめる。
 クインシィ・イッサーをやっていた頃の猛々しさは感じられず、その寝顔は安らかなようでもあり、
またひどく冷たいものであるようにも思える。
 返事のない呼びかけにも、もう慣れてしまった。


147:名無しさん@ピンキー
05/02/05 02:16:26 aaO+XBHU
フッフフ、いつエロに入るべきか!? と苦悩しているな?
ガンガレ! 勇と>>133!!

148:End Of The Night
05/02/05 20:52:04 nP65TRt/
アドレナリンが分泌していきりたっていたわたしの頭の中に、冷風が吹き込む。
まったく予想もしていなかったユウの行動。
まただ…。
またいつの間にかわたし達の会話はすれ違っていた。
わたしはあくまでも浮気を告白させ、反省を促すつもりだったのに、ユウが言い
淀んでいたのはまったく違うことだった。
今ユウがしているのは、わたしがぐっすりと熟睡した昨夜にしたことの再現。
つまり、昨夜もユウはこうしてわたしの身体を片手で愛撫しながら。
もう片方の手で自分を慰め…。
「ちょっとユウ、や、やめてっ!」
ようやく頭の中でミッシング・リンクがつながったところで、一気に今目の前で
展開されている光景へのリアクションが始まる。
「嫌っ」
思わずユウを突き放してしまう。
ショックだ。
ユウも男の子だ。
性欲が溜まれば自分で処理することもあるだろう。
でもまさか、こんな風に目の前でされるとは。
「…ごめん…」
ユウが俯く。
「…最低だろ…俺…我慢できなくてこんなこと…」
消え入りそうな弱々しい口調で言う。
返答に困ってしまうわたし。
ユウがこんなことをしたのも、わたしが彼が浮気をしていたと疑って全てを
話せと強要したからなのだから。
それを口に出すのが恥ずかしくて、ユウは…。

149:End Of The Night
05/02/05 20:54:06 nP65TRt/
そしてわたしは。
「ユウのバカ…」
そう呟いてしまった。
今さっき目の前でユウがわたしにしたことを思い出して。
それは昨夜わたしにしたことだという。
昏睡状態のわたしの服を肌蹴させ、片手で身体を撫で回しながらもう片方の
手で自分を…。
考えただけでこっちが恥ずかしくて頭に血が上る。
それでついつい彼をなじってしまう。
「何考えてるのよ、嫌いよ」
心にもないことを口から吐き出してしまう。
その一方で…心の中にまったく別の感情がわきあがってくるのを抑えきれない
でいた。
それは「嬉しい」という感情。
好きでもない男がまったく同じことをしたならおぞましくて寒気がする。
でも、相手はユウだ。
既に何度も身体を許した相手。
わたしにセックスを断られたと誤解して、たまりにたまった精力を持て余して
の行為。
浮気をするでもなく、かと言ってわたしに迫るでもなく。
やむにやまれずの行為。
どこまでもわたしの意志を尊重した結果。
あくまでもわたしだけを性の対象としてくれている。
それを思うと、本来なら唾棄すべきユウの行為が、とても嬉しく感じられて
来た。
けれど、容赦のない不用意な言葉は既にユウに向けて放たれた後だった。

150:名無しさん@ピンキー
05/02/06 00:00:47 DKsBLMn0
>149
GJ!!
ユウの攻撃は的確すぎるくらい、確実にカナンに罪悪感を埋め込みつつありますな。
次は当然、カナンの言葉に逆ギレしてみせるか、あるいは真に受けたフリをして部屋を出て行くか。
ユウの素晴らしい演技を期待。

しかし、ここしばらくは展開がエロから遠ざかってるのに、お話が面白いので不思議と不満が沸かない罠。
エロパロ板なのに。

151:名無しさん@ピンキー
05/02/08 02:14:35 jIcoDmME
勇コエー(((((゚Д゚;)))))ガタガタ ブルブル
なんかガバナーも手玉に取れそうな策士の勇。カナンどうなるどうする!?
うー、続きが気になる……

152:名無しさん@ピンキー
05/02/09 00:04:10 fZYQhQ5z
 何故、自分は毎日ここにいるのだろうか。勇は考える。
 オルファンにいた頃の姉―厳格な指揮官であり、オルファンの抗体として
伊佐未依衣子の名を捨てようとしていた姉、クインシィ・イッサー。
 変わってしまった彼女に対して、勇が抱いていた感情は畏怖と、ある種の怒りだけであったはずだ。
 こちらの話など聞く耳を持たず、オルファンの敵と見るや実の弟に対しても平気で銃を向ける、わからずやで
気性の激しい女。意見して頬を張られたのも一度や二度ではない。昔の面影などかけらも見せずクインシィを
名乗る依衣子を疎ましくさえ思っていた。
 姉さんは変わってしまった、もうあの優しい姉さんはいない。そう思い続けていた。
―けれど、姉さんは本当は何も変わっちゃいなかった
 依衣子の意思がバロンズゥを呼んだとき、彼女は叫んだ。
 家族を、守りたかっただけなのに。
 両親のモルモットとされても。名を捨て、オルファンの女王として畏れられても。
 そこには家族が居たから。
 優しい姉さん。たとえ本当に望むかたちでなくとも、彼女は必死に彼女の家族を守ろうとしていた。
 けれど。
 彼女がそうまでして守ろうとした家族、そこから抜け出したのは他ならない、自分だ。
 嫌になる。姉のことをわからずやなどといっておいて、一番何もわかっていなかったのは自分じゃあないか。


153:Sleeping Beauty
05/02/09 00:07:23 fZYQhQ5z
 ひどく胸がむかむかした。姉のことなど考えもせずに行動してきた自分の浅はかさが
悔やまれる。誕生日の花だって、一言「覚えている」とだけ言っていれば、あるいは姉さんは
こんなことにならなくて済んだのかもしれない。
 オルファンの抗体となった依衣子が、やり直すことを望んで帰ってきてくれたというのに。
―もう二度と、姉さんは目覚めないかもしれない
 急に世界が暗くなった気がした。
「姉さん」
 返事はない。
「姉さん?」
 今まで何度も呼びかけた。結果は同じだった。これからもずっと同じことが繰り返されるのか。
 そんなことを考えてしまって、不意に猛烈な寒気に襲われた。
 もう、平静を装うのは限界らしい。もう一度呼びかけようとして、出てきた声は言葉にならない嗚咽だった。
「あ、あ、ああぁぁぁ……ねえ、さん、ねえさん……っ」
 涙腺が熱かった。気づけば、勇の頬からこぼれた水が依衣子の顔を濡らしている。
「ちくしょう、こんなこと、こんなことになるなんて……」
 横隔膜が痙攣し、呼吸が乱れる。
「姉さん、ごめん、ごめんなさい、僕は……」
 子供の頃に戻ったように、勇はしゃくりあげた。両手で目を覆っても、流れる涙は
止まってくれない。力なく、依衣子の身体の上に倒れこんだ。
 ふと、幼い頃の記憶がよみがえる。両親がいつまでも帰らない日、勇は決まってこんな風に大声で
泣いていた。そんなとき、泣きつかれて眠ってしまうまで、姉は自分を優しく抱きしめていてくれていた。
依衣子の胸の中で、勇は底知れぬ安堵感を感じたものだった。
 けれど、もう二度とそんなやすらぎを得ることは出来ないのかもしれない。あの懐かしいぬくもりを―


154:名無しさん@ピンキー
05/02/09 00:12:13 fZYQhQ5z
>>152、題名入れ忘れたorz 一応「Sleeping Beauty」です
なんかまだエロに入れない……ぶっちゃけ勇がウジウジしてるだけなんで
このあたりは読み飛ばし可です。
つか、勇の話なんか誰も期待してないわな……さっさとエロに入らなきゃ

155: Virgin Heart
05/02/10 22:29:34 aSpnX7eW
「いいんですか、初対面の相手を信用して」
余裕の笑み、正確には余裕を装った笑みを浮かべていた三尾だったが、落ち着き
を取り戻したカントが、妙に取り澄ました顔で言った言葉に面食らう。
普通なら「子供」がこんなことを言えば、生意気と思うか、背伸びをして可愛い
と思うだろう。
しかし先ほどのような狼狽もなく、しかも真顔で言われてはどう受け止めていい
ものやら。
何しろ相手は天才少年、外見がどれほど子供らしくても、知能だけでなく精神的
にも成熟していないとは限らない。
思わず相手の様子を伺うような顔になってしまった。
自然体で大人の余裕ではなく、実際は余裕を装っているだけなのが如実に現れた
形だ。
だが相手のカントも、知能とは裏腹に子供らしい心根の持ち主。
旺盛な知識で無理に大人びた態度を形作っているだけ。
自らが無理をしているのだから、三尾の無理を見抜くことは出来ない。
彼女の顔から余裕の笑みが消え、なにやら訝しげな表情になったことで焦燥感に
かられてしまう。
「い、いえ、嬉しいんですよ、信用してもらえるのは…ただ」
ただ、ただなんなんだろう。
自分でも明確な答えのないままに話し出したため、とりあえず思いついたことを
そのまま口にしてしまう。
「ただ、あなたみたいに綺麗な人は迂闊なことをしない方がいいですよ」
言い終わってから、カントは顔を赤らめる。
(な、何を言ってるだろう僕は…)
子ども扱いされたくないと背伸びしたはいいが、その背伸びがあさっての方向へ
向いてしまっているのを彼の優れた知性は経験値なしでも理解していた。
だがそれは偽らざる気持ちでもあった。
客観的に見ても、今夜の三尾は元々悪くない容姿を精一杯に飾り立てていて少年
の目には眩しいほどだったのだ。

156: Virgin Heart
05/02/10 22:30:37 aSpnX7eW
(あらあら、顔を赤くしちゃって、気障な台詞もそんな顔で言っちゃ意味ないわ)
男女の機微に詳しいとはお世辞にも言えない三尾だったが、そこは年の功。
先に相手の無理を見抜いたのは彼女の方だった。
少年の精一杯の背伸び。
それを促したのが自分だということが、自尊心をくすぐる。
ましてや自分がカントのような少年が好みだと自覚した後である。
いささか愚かしいともいえる自尊心の満足は、すぐにより真摯な想いへと姿を
変える。
再び薄化粧越しに、頬が赤くなっているのをカントに悟られまいと焦る。
(もしかして…)
自分自身も期待しているのか、これから先に何が起こるかを。
そう考えて三尾はなおさら顔が熱くなる。
もしこれから先にそういう展開になるとしたら。
客観的に見れば自分のやっていることはかなり痛い。
日頃はしない精一杯のお洒落をして、年端もいかない少年を誘惑する女…。
自己嫌悪に陥りたくなるほどの痛さ。
だがその一方で開き直った感情もまたある。
別に男に相手にされないから少年に走ってるわけじゃない。
少年が好きだから、少年に迫る。
それのどこが悪いの?と。
青少年育成保護条例に思いっきり抵触していることには気づかず、自らの性癖
を少なくとも心のうちでは隠すことをしない三尾だった。

しばしの沈黙の後。
無言のままではあるが、同意を得たかのように部屋へと足を運び出す二人。
三尾とカント、二人の考えていることは同じ。
このまま夜が更けていくに連れて、二人がどんどん親密度を増していき、最終
的には…。
そんなことへの、期待と不安が同時に湧き上がっていた。

157:名無しさん@ピンキー
05/02/12 17:12:40 rAEocB8P
フッ、期待させてくれるぜ。
ゆっくりでもいい、続きを、フフ、頼んだぜ?

158:End Of The Night
05/02/12 21:17:54 B/vLgqkY
ユウは叱られた子供のような。
いや捨てられた子犬のような上目使いでわたしを見ている。
わたしが混乱してつい口走ってしまった罵詈をまともに受け止めてしまったよう
だわ。
本当はそんなに怒ってはいない…それは少しは怒っているけど…決して嫌いに
なんてなってない。
そう伝えようとして、わたしはふと思いとどまる。
ここであっさりと許すよりも、少し怒ったふりを続けてみようかな、と。
いつもいつもわたしをいいように玩具にするユウに反撃するいい機会のように
思えたから。
自分でも、現金だなと思う。
ちょっと前までユウが浮気をしている物と思い込み、捨てられはしまいかと戦々
恐々としていたくせに。
ユウがわたし一筋なのだとわかった途端に、彼の気持ちを弄ぶような行為をする
なんて。
少し調子に乗りすぎているかもしれない。
でもわたしは心の内からの欲求には逆らえなかった。
この時をおいてはユウを年上らしくリードする機会は来ない、ずっと好き勝手に
いじられ続けるような気がするし。
彼がわたしを愛してくれるのならそれでもいいけれど、やっぱり時にはわたしの
方が彼を可愛がってあげたい。
何よりも今目の前でしょんぼりとしているユウは可愛いから。
思わず抱きしめてあげたくなるほどに可愛い。
母性本能というのか、彼を抱きしめ、乳房を口に含ませてあげたいという気持ち
と同時に。
もっともっと困らせてあげたい、困ってなきそうな可愛い顔を気持ちがますます
強くなっていく。
ああ、親に捨てられて愛に飢えていたわたしにこんな母性が備わっているなんて
信じられない。
そしてまた、こんな意地悪な面が自分にあったことも。


159:名無しさん@ピンキー
05/02/19 14:17:18 W5ZnNyZQ
すべての作品に対し、期待age

160:名無しさん@ピンキー
05/02/19 19:45:09 +hMvnbsQ
光臨

161:End Of The Night
05/02/19 19:59:57 91k3qGxV
そうよ。
わたしは今まで年下のユウにさんざん玩具にされてきた。
お尻を高く上げた恥ずかしい格好をさせられて、失神するまで貫かれたり。
ユウのモノを挿れられたまま、恥ずかしい言葉を言わされたこともあった。

「あっ、あうっ」
「カナン…」
「な、何、ゆ、ゆうっ」
「今、俺達は何をしてるの?」
喘ぐわたしに突然投げかけられたユウの言葉。
こんな時に何を?
快感のせいでそんな疑問もぼやけていると、不意にユウがわたしの秘部へと
差し込んだモノの抽送を止める。
「?」
「言わないと、辞めちゃうよ」
「え?」
「だからほら、言ってごらん、今カナンは俺と何をしているの?俺の何を
どこに入れられてるの?言わないともう辞めるよ」

一度火のついた身体を止められる筈もない。
わたしはユウに言うがままに、恥ずかしい事を口走った。
誰も見ても、聞いてもいなかったけれど。
涙が出るほど恥ずかしかった。
言葉そのものより、気持ちよくしてもらうためにはどんなことにでも従う
自分の淫欲が恥ずかしかった。
もちろんユウのことを恨んだり、憎んだりはしていない。
ユウの意地悪もわたしを愛してくれていればこそなんだから。
でも…だったらわたしも同じ
愛しい、可愛いユウに、たっぷり意地悪して泣き顔にしたい。
わたしがそうされたように。

162:名無しさん@ピンキー
05/02/20 06:22:07 V5DaGJRk
ああっ、ダメだよカナンたん。それはユウの罠だ。
ユウを鳴かせてみたいなんて、自分から危地に飛び込むようなものだ~。

163:名無しさん@ピンキー
05/02/22 08:06:52 049gyXov
カナンがなかされてしまうよ...
もちろん期待してるが

164:End Of The Night otherside
05/02/26 22:09:11 xR2uwMBK
その夜、クインシィ・イッサーは寝つかれなかった。
目を閉じて、ベッドに横たわってみても、なかなか睡魔が襲ってこない。
昨夜もそうだった。
ベッドに入ってから起き上がるまでの時間は六時間以上あったが、実際の睡眠時間
は半分の三時間にも満たなかったろう。
このままでは今夜も同じことになりそうだ。
「なんで…気にかかるんだ…こんなこと」

昨夜、クインシィは同じグランチャー乗りであるカナン・ギモスと口論の末に手を
上げてしまった。
それ自体は気にかけるような事でもない。
問題は口論の原因だった。
些細なこととか、取るに足らないことであればまだいい。
「わからない」
それが正直な感想だった。
何故カナンに急に腹が立って引っ叩いてしまったのか…。
確かに平素から、カナンは気に入らない方だ。
リクレイマーのリーダーである自分に従わないから。
かと言って積極的に反抗するわけでもない。
反抗的なのは彼女ではなく、いつも彼女と一緒にいる伊佐未勇の方。
そう、勇。
(あいつは生意気だ…一々わたしに歯向かうし、人のことを姉貴姉貴と…姉貴?そういえば
わたしはあいつ…ううん、あの子の姉…伊佐未依々子…」
クインシィが不意に閉じていた目を開ける。
昼間の間、好戦的に輝いていた目が、温和な光を放っていた。
「まただわ…またわたしは「クインシィ」に「なりきって」いたのね…」
苦渋に満ちた呟きをもらすクインシィ、いや、イイコがそこにいた。
(もうクインシィでいる時間の方が比較にならないほど長くなってる…)
自分の内面で起きている現象に慄きながら、クインシィとして体験した記憶を反芻する。
不意に、イイコの温和な目が、一瞬クインシィよりもギラついた殺意に満ちた目となった。
昨日の出来事を思い出して。

165:名無しさん@ピンキー
05/02/27 18:42:10 l2yp4uKH
姉弟フラグ、ついにキタ━(゚∀゚)━ !!!!!
近親! 近親!

166:名無しさん@ピンキー
05/02/27 23:37:57 oygBMFeV
イイコ姉さんキタ―――

167:End Of The Night otherside
05/03/05 19:25:23 1lslUIVr
イイコはここしばらく不機嫌だった。
最愛の弟、ユウが自分以外の女といつも行動をともにしていたから。
カナン・ギモス。
何度かユウとペアを組むうちに、プライベートな時間でも一緒に過ごすようになっている。
それを見る度に歯噛みするイイコだが、何一つそれに対して打つ手を持たない。
何故なら彼女は普段、クインシィ・イッサーという別人格に自らの肉体を委ねていたから。

はじめは演技だった。
親のエゴで可愛いユウと引きはなされ、このオルファンの中でグランチャーを動かすこと
を強要されたまだ幼さの残る少女だったイイコ・イサミには、自分の運命を儚むことしか
出来なかった。
幸い見た目はただの巨像のようなグランチャーには「心」があり、それと触れ合えること
で多少なりと心を癒せるのが救いであった。
そして彼女を責め苛んだのは孤独感だけではない。
オルファンの中にはリクレイマーと呼ばれる人々のそれぞれの思惑が渦巻いていた
感受性の強いイイコは、その剥き出しのエゴを感じ取って苦悶した。
彼女には自分自身の弱い心を守る鎧が必要だった。
そうして彼女は弱い自分を覆い隠す「クインシィ」という鎧を手に入れた。
クインシィは強い、寂しくないし、他人の考えなんてどうでもいい。
ただ一つ、自分に対し無償の行為を寄せてくれるグランチャーにのみ、心を開き。
彼らとオルファンのためには全てを蹴散らし、踏み潰していく。
それで良かった。
いつか全てを手にした時に、ユウを迎えに行くその日までは。
だが。
会いたい会いたいと願っていたユウが、遅れてオルファンに連れて来られた時クインシィ
という名の心の鎧は、自ら意思を持っているがごとく、いや、明確な意思を持ってイイコ
の肉体を支配していた。
元々はイイコの意志で演技でやっていたことが、そのイイコ自身を無視して勝手に行われる。
そう、彼女は二重人格に成り果てていたのだ。

168:End Of The Night otherside
05/03/05 19:26:49 1lslUIVr
ただの二重人格であればまだ良かった。
イイコの場合、新人格が主として表層に現れ、元の人格は完全に従として深層に引っ込んで
しまっていた。
クインシィとして経験したことを、イイコとしての自我を取り戻しす短い時間に思い起こして
は落胆する日々。
何故ならクインシィは久しぶりに姉に会えて嬉々として駆け寄ってきたユウを邪険に振り払い
その後も健気に近づいてくるユウを冷たく拒絶し続けたのだ。
やがてユウは、姉がすっかり変わってしまった物だと思ってしまった。
無理もないことだった。
そして自らも態度を硬化させた。
イイコだけでなく、全てに。
殊に自分と姉を引き離した両親への隔意は甚だしかった。
(もっとも父はそんなユウの態度に眉を曇らせたものの、母はユウの隔意にすら気づいていない
ようだったが)
日に日に生意気で気が荒い少年になっていくユウに、イイコは自我を取り戻すたびに煩悶した。
「あの可愛くて素直だったわたしのユウが…」
しかもそれが、別人格とはいえ自分が冷たくしたせいなのだから、その苦悩は一際。
クインシィとしての意識を封じ込めるその度に、ユウの元へと飛んでいって彼を抱きしめたい
衝動に駆られた。
だが出来なかった。
事情を知らないユウに、何を今更とばかりに拒絶されるのが怖かった。
肉体は自分であっても心は自分ではない、クインシィに対して向けられる敵愾心ある目を後から
思い起こすだけで泣きたい気分になるイイコ。
それが直接ユウから罵倒されようものなら、悲しみで悶死しかねない。
涙を呑んで、諦めるしかなかった。
そんなイイコの悲しみはいまや主人格の座を乗っ取ったクインシィにも当然のごとく伝播しより
一層苛立った態度にさせることになる。
クインシィの慰めはグランチャーで、物言わぬパートナーにだけはクインシィはイイコと変らぬ
優しい笑顔を向ける。
イイコにはその慰めすらなかった。


169:End Of The Night otherside
05/03/05 19:29:00 1lslUIVr
いかに性格に難があっても、容貌が整った少年であるユウ。
ましてや閉鎖された狭い社会。
グランチャーとの親和性を見込んで連れて来られた同年代の少女達に、彼はモテた。
悪友と言うか、悪いことを教える兄貴分のジョナサン・グレーンの存在もあり、ユウは十代半ば
にしていっぱしのプレイボーイとなった。
それを見てイイコは嫉妬はしたが、ユウに逢えない悲しみ、クインシィとして彼に嫌われている
という絶望の前では何程の事でもなかった。
そんな感情が、カナンという女の出現で、劇的に変化した
カナンはユウよりもむしろ自分と同年代の女。
そんなカナンに、ユウが無意識の上に姉の面影を見ているのをイイコは見て取った。
(わたしという本当の姉がいるのに、そのわたしの目の前で、そんな「代用品」を相手にするの
ユウ!)
増幅されていく嫉妬心が臆病な心を打ち払ったのは一週間前のこと。
クインシィとしての自分を意志の力で屈服させたイイコは、ある夜ユウの部屋を訪ねた。
イイコの主観としては何年かぶりの対面だった。
部屋をノックすると。
「カナン、いいよ、入って」
プツン。
比喩で無しに、顔面の毛細血管が数本切れた。
これが脳の太い血管なら脳内出血になっていたところだ。
イイコが訪れたのは夜更け。
そんな夜中の来訪者を、カナンだと考えると言うことは既に何度も夜に逢引をしているということ
になる。
煮えくり返る腸を何とか抑えつけたイイコだが、ドアを開けたユウが一瞬驚いた顔をした後に言い
放った言葉には耐えられなかった。
「あんたか、何のようだよ」
その素っ気無い言葉。
(もう、ダメ…)
いぶかしげな顔を驚愕に変えるユウ。
その視線の先にあったのは涙。
ダムが決壊するが如く、イイコの涙腺は限界に達し、涙が零れ出したのだ。


170:名無しさん@ピンキー
05/03/05 20:54:36 HTTPshoJ
イイコ姉さんを慰めたいんですが、何処に行けばイイコ姉さんに会えますか?

171:名無しさん@ピンキー
05/03/05 23:49:43 vPA7OVXC
>>170に全米が泣いた。

172:名無しさん@ピンキー
05/03/08 16:10:05 4n8UUQcx
>「あの可愛くて素直だったわたしのユウが…」

わたしのユウが・・・
わたしのユウが・・・
わたしの・・・

ネエ━━(゜∀゜)サ━━ンッッ!!!!!



173:名無しさん@ピンキー
05/03/09 00:38:24 MW/zo01O
イイコ姉さんは最強の姉キャラと確信しました。
もう最高。

174:名無しさん@ピンキー
05/03/09 05:08:17 n0+SWUFd
姉さんが愛おしくてしかたありません
GJ!>169

175:名無しさん@ピンキー
05/03/09 17:44:57 HXHq4a3I
イイコ姉さま最高です

176:End Of The Night otherside
05/03/12 23:49:19 nEJRtHzT
「俺って最低だよな…」
自らを卑下する言葉を吐くのは、そうすることで自分の心の重荷を少しでも軽くしたい時。
そんな話が、今のユウには真理に思えた。
自分からカナンの部屋に行こうか、来るのを待とうか決めかねている間、彼は自己嫌悪に浸って
いた。
カナンと肉体関係になって大分時が経つ。
初めのうちは何の下心もなかった。
少なくともそのつもりだった。
そう、あくまで彼女の豊満な肉体が目当てだった。
男としてしごく当然、まっとうな理由であり、何のやましさも感じることはない。
もちろん彼女と一緒に任務を任され共に行動するうちに、その派手目な外見とは裏腹に生真面目
で奥ゆかしい性格は好ましく思え、一緒にいていやな気分にさせられることはないという要素は
大きかったが。
だが今では…。
「カナンにバレたら…怒るだろうな…」
今のユウにはわかっている。
カナンの肉体に耽溺していた本当の理由が。

自分より少し年上のカナン。
これがもしかなり年上の相手だったとしたら、話は早い。
研究ばかりで長い間自分を放置し、やっと呼んだと思ったら今度はモルモットか何かと勘違いして
いるんじゃないかと疑ってしまうような対応をする実母翠に代り、母性を求めているのだろう。
その場合は話は簡単だ。
その美熟女に「ママの代り」になってもらえばいい。
少年、いや男にとって必要なのは「母性」であり、それが血の繋がった実母である必要などない。
しかも実母と違って肉体関係をもっても何も差し支えはないのだ。
だがカナンの年代は…ユウが永年慕っていた姉イイコとほぼ同じ。
そう、ここオルファンに連れてこられるまで、会いたくて会いたくて仕方が無かった最愛の姉と。


177:End Of The Night otherside
05/03/12 23:50:37 nEJRtHzT

豊満で大柄な肉体のカナンだが、心根が繊細なせいかどこか儚げな雰囲気がある。
それは姉イイコと共通する。
最初の経緯はどうあれ(無意識のうちに姉の面影を求めていた可能性も否定は出来ないが)いつ
の間にか姉の代用品としてカナンを見ていた。
カナンが知ればどんなに悲しみ、怒るか想像もつかない。
自分が誰か他人の身代わりにされていたなんて。
だが、それなら母親の代用品でも、姉の代用品でも同じこと。
何故姉の代用品がマズいのか。
その理由は当の姉の存在にあった。
翠同様、同じオルファンに姉イイコはいるが
そのイイコは自分の知っているイイコではなかった。
クインシィ・イッサーと名乗る、ヒステリックなプチ・ディクテイター。
とても甘えさせてくれるような相手ではなかった。
それでもなお。
ほとんど疎遠になった母親と違い、祖母の庇護の元とはいえ姉弟二人きりで過ごした日々はそう
簡単にユウに姉のことを諦めさせたり、嫌いにさせたりはしなかった。
表面的には仲が最悪の姉弟関係に見える。
クインシィはもちろん、ユウの方も刺刺しい態度を隠さないから。
だがそれは姉への嫌悪を意味しない。
決して演技ではないが、それは姉自身と言うより彼女が変わり果ててしまったということに対して
の憤りの表れなのだ。
もし姉がもはや自分のことなど路傍の石程度に思っていなくても、ユウとしては姉の身代りとして
カナンと愛しあってることに関しては、カナン本人のみならず姉に対しても後ろめたい気持ちを抑え
きれないのだった。
「カナン、いいよ、入って」
部屋のドアがノックされ、自己嫌悪から現実に引き戻されたユウが声をかける。
反応が無いことを怪訝に感じてドアを自ら開けると、そこにたっていたのは。
「あんたか、何のようだよ」
代用品、ではなく本物の姉だった。


178:名無しさん@ピンキー
05/03/13 01:28:42 ang1YYjz
よかった。ユウにもまともな感情があったんだ。

イイコ姉さんのとの逢瀬が楽しみです。

ほんと、萌え頭かかえてゴロゴロ転げまわれそう。

179:名無しさん@ピンキー
05/03/13 01:42:01 p2mcIJUs
何故、俺の家にイイコ姉さんがいないんだろう。
ちょっと真剣に考えてみようと思う。

180:名無しさん@ピンキー
05/03/13 13:45:51 IjCQ0tyI
本当に居たら、それはそれで大変だけどな 

181:名無しさん@ピンキー
05/03/14 07:15:38 AHuMiwyD
よかったよ。ユウも黒いだけではなかったんだな。

182:End Of The Night otherside
05/03/19 20:14:00 JtfW7XSt
ユウの口から飛び出した素っ気無いというよりむしろ冷たい言葉。
それはここ最近姉に、いやクインシィ・イッサーに接する時はそういう態度が常であったがため
の反射的言動だった。
直後にしまったと思う。
わざわざ自分を尋ねてきた以上何か用があったに違いない。
確かに態度が一向に軟化しないどころか硬化する一方のクインシィに媚びる気はないが。
向こうから歩み寄りを見せようというのにこちらが頑なになっては意味がない。
所詮ユウのクインシィへの冷たい態度など、言ってみれば構ってくれない姉に対するあてつけで
しかないのだ。
そしてその失敗したなという感情が、すぐによりはっきりとした後悔に代わる。
クインシィの、いや、イイコの目から零れる大粒の涙を見て。
「ちょ、ちょっと、どうしたの姉さん!」
慌ててクインシィの肩を掴むユウ。
咄嗟であったので相手に拒否されたり、または怒ったりするなどとは考えもしなかった。
結果としてそれが良かった。
久々に弟に触れられたことで、イイコに戻っていた姉は少しだけ気分を落ち着けた。
涙を掌の端で拭うと、少し恨めし気な顔で自分よりほんの少し背が高くなってしまった弟を睨む。
(この子がこんなに大きくなる間、わたしは側にいれなかったんだ…)
改めて弟の成長を確認すると共に、これも改めて寂しさを感じる。
(そしてやっと一緒の場所にいられることになったのに、今までずっといがみ合うだけで…)
悲しくなって、一度は涙を拭った目から再び涙が零れる。
「ああっ、もう何で泣くんだよ、とにかく中へ」
姉の肩を抱くようにして、部屋へと誘うユウ。
繰り返すが慌てていたため、この後カナンが来たらどうなるかなどとは考えなかった。

ちなみに幸運にもこの夜は珍しくカナンはユウを訪れなかったが、それは単なる「問題の先送り」
以外の何物でもなかった。

「どうしちゃったんだよ、いきなり人のところに押しかけてきて泣き出すなんて」
ユウの問いかけに対し、泣き腫らした目を向けたイイコは答える。
「ユウ…あんたはもうお姉ちゃんが嫌いになっちゃったの…」

183:名無しさん@ピンキー
05/03/19 23:36:37 bXTjRQ3R
イイコ姉さん可愛いよイイコ姉さん

184:名無しさん@ピンキー
05/03/19 23:54:54 uKgOO/oA
やばいいいこだよいいこねえさん。

185:名無しさん@ピンキー
05/03/20 06:25:15 QlJmE3Hv
今だけで良いから勇。
俺と代われ。

186:名無しさん@ピンキー
05/03/20 08:03:42 jdt1JiCG
このスレがイイコ姉さん萌え+ユウはひどいヤツという概念はやっぱ「あね・おとうと」の影響がスゴクでかいんだなと実感する今日この頃。
「あね・おとうと」の作者様、気が向かれたらまたよろしくお願いします。
鬼畜なユウとけなげな姉さんでハァハァしたいです。


187:名無しさん@ピンキー
05/03/20 10:59:28 /5rapHw1
>End Of~
イイコ姉さんが切なくてたまらん
ユウ、優しくしてやってくれ

>186
1つだけ反論しよう
イイコ姉さんはアニメの段階から萌えるよ
「私は家族を守りたかっただけなのに!」の叫びはきゅんきゅんきた

>Sleeping Beauty
イイコ姉さんが目覚めるのを待ってます。続きガンガレ

188:名無しさん@ピンキー
05/03/20 13:17:17 GxsaLa8I
>>186
いや「あね、おとうと」の方もユウの姉への愛は何も変わってないぞ。
愛情表現のプレイがエスカレートして歪んでしまってるだけでw

189:名無しさん@ピンキー
05/03/22 18:06:53 +tWgyMz6
そうそう、あの歪んでしまってる愛情表現が「あね、おとうと」の魅力なんだよな。
声優つながりで「∀」を持ってきたのにはワロタw。

190:End Of The Night otherside
05/03/26 23:46:11 OQVPeWAy
涙を浮かべて、弟の先ほどの冷たい態度に恨み言を言う姉。
「えっ?俺っ?」
ユウにしてみれば話が反対だ。
久々に会ったのに嬉しそうな顔一つせず、逆に自分を邪険にしたのはイイコの方なのだから。
「何言ってんだよ、姉さんの方こそ、今までずっと俺に冷たかったじゃないか」
当然の答えではある。
言い返されたイイコの方でも、ユウの立場からすればもっともだとは思う。
言葉にしなくてもわたしの気持ちを察してくれてもいいのに…と多少は思いもするが。
それでも速やかに誤解を解こうと今までのいきさつを話そうとして、ふと思いとどまる。
クインシィという別人格が生まれてしまったことをユウに話せば確かに誤解は解けるだろうが、
その後のユウの反応はどうだろうか、と。
多重人格など精神疾患のようにものである。
そんな心の病を抱えた姉を、ユウは疎ましく思うのではないか。
今までの反撥心からの隔意ではない、本当に心から自分を避けるユウ。
そんな恐ろしい想像が脳裏をよぎる。
(で…でも…)
ようやくユウと話を出来る時が来たのだ。
この期を逃してしまえばもう機会は当分無いかもしれない。
(ユウはそんな子じゃない…)
そう自分に言い聞かせ、イイコは口を開いた。

「なんだよそれっ!」
全てを耳に入れた後、激昂するユウ。
「いくら専門外といっても、オフクロもオヤジも学者だろつ、娘がそんなになってるのに気づき
もしないなんてっ!」
ユウの剣幕に一瞬気圧されたイイコだったが、それが姉である自分を大切に思うが故の怒りだと
気づくと、嬉しさがこみ上げてくる。
「いいの、ユウ」
そう言ってユウの手を握るイイコ。
「ユウがわかってくれれば、あれがわたしの本意じゃないってわかってくれればそれでいいの、
ほんとうのわたしはずっとユウと一緒に居たいんだって、それさえわかってもらえれば」

191:名無しさん@ピンキー
05/03/27 01:17:15 k2skAvga
>>190
GJ!

192:名無しさん@ピンキー
05/03/27 16:11:26 VpapMk4l
こらこら。
カナンたんはどうなるんだ。
おれが貰っちゃうぞ。

193:名無しさん@ピンキー
05/03/27 23:00:36 k2skAvga
じゃあ俺はヒメを。

194:名無しさん@ピンキー
05/03/27 23:04:21 tc793dl+
んじゃ俺は、ユウとイイコたんのためにムードミュージックを流すよ

195:名無しさん@ピンキー
05/03/31 09:51:49 a4UtxHaZ
超GJ(o^ー')b

ついでにスレ違いだが誰かブレンのお薦め二次創作教えてくれ

196:End Of The Night otherside
05/04/03 00:04:07 AC2pPjd2
「姉さん…」
昔、共に過ごした日々のまま変っていなかった。
そしてずっといじらしく想いを秘めていた。
そんな姉を、ユウは優しく抱き寄せた。
「ずっとこうしたかった、姉さん…」
「ユウ…」
イイコもユウの首に腕を回してしがみつく。
「わたしも…ユウと一緒にいたくて…いたくて…」
「いいんだよ姉さん、もういいんだ…」
やっと想いの通じた姉弟、しかしユウの感慨は、姉が漏らした言葉によって一気に醒まされる。
「…ずっと悔しかった、わたしがユウと一緒にいれないのに、カナンがずっとユウの側にいて…」
「!」
その言葉で、自分が今おかれている立場を思い出すユウ。
そう、今の自分はカナンと付き合ってる。
通常ならば恋人がいることと、姉弟仲良くすることは別に相反しない。
だが。
自分は明らかにカナンに対し姉への思慕の代償行為を求めていたし。
イイコのユウへの感情は、一般的な姉の弟に対するそれを逸脱している。
カナンの存在をイイコは快く思わないどころか、はっきりと嫉妬するだろうし。
それはカナンも同じ。
別に彼女の前で演技をしていたわけではないが、自分に優しくしてくれない「クインシィ」への
反撥から荒々しく刺々しい態度を取っていたユウを見て、姉が嫌いだと思い込んでいるだろう。
それが。
もし今ここにカナンが来て二人が一緒にいる所をみればどう思うだろうが。
色々と事情はあるが、とりあえず今夜和解したことは事実。
それを正直に言うべきか。
いや、それはマズい。
何故ならユウが本当は姉思いを通り越してもはや姉萌えと言ってもよい属性だったということが
わかれば、カナンに対して姉の代用品のような役割を期待していたということを感づかれてしまう
可能性もある。
それだけは避けたかった。

197:名無しさん@ピンキー
05/04/03 00:32:51 LmgI6rIk
姉萌え のところで野菜ジュース吹いちまった。GJ!

198:名無しさん@ピンキー
05/04/03 15:34:27 NmIiLLQG
毎週土曜日が楽しみだ(*´д`*)
GJ!

199:Sleeping Beauty
05/04/03 19:23:27 YpWsrOcP
 そんな暖かさを今になって思い出したのは、ただ優しい姉の思い出に浸りたかったからではない。
 最初は、たんなる錯覚だと思った。思い出が作り上げる空虚な錯覚だと。
 誰かの胸に抱かれる幻覚―その感触を確かめるように、いやむしろそれが錯覚であることを確かめるため、
勇はゆっくりと己の頭に触れているものに手を伸ばす。
 柔らかな感触が指先に触れた。そのたわいのない一触れに、勇の心臓ははじけそうに高鳴る。
 高鳴る鼓動を無理やりに押さえ込んで、勇はゆっくりと顔を上げた。
 白く細く、慈しむように勇の頭をなでるその手に、覚えがないはずはなかった。
「姉……さん?」
 ゆっくりと顔を上げ、呼びかけた。答えの期待できないはずのその問いかけを。
「ゆ……う……」
 時間をかけ、搾り出すようにして、彼女は―依衣子は弟の名を呼んだ。
「姉さんっ……!? 姉さん、依衣子姉さんっ……!」
 その呼びかけが、ぬくもりが、吐息が、それらすべてが幻想でないことを確かめるように、
勇もまた何度も姉の名を呼ぶ。
 か細い声で、しかしはっきりと、依衣子はその呼びかけに応える。
 存外にあっけないものだな、と思った。目覚めてしまえば何のことはなく、自分の心配も
多少度が過ぎていたのではないかと気恥ずかしくもなる。彼女がもう目覚めぬものと、根拠もないのに
思い込んでしまっていた。
 けれど、本当に、姉に二度と会えないかもしれないと思ってしまったとき、全身が凍るような悪寒を感じた。
 その冷たさを暖めてくれる人がいなくなることを、本気で恐れてしまったのだ。
だが、そんな感情もすぐに喜びへと変わっていく。
姉が自分の名を呼んでくれる―たったそれだけのことが、なにより嬉しかった。


200:Sleeping Beauty
05/04/03 19:37:09 YpWsrOcP
 依衣子はまだ覚醒しきっていないのか、穏やかな様子で再度勇を抱きなおす。
「勇、泣いてるの? 大丈夫、怖くないよ、お姉ちゃんがついてるから……」
 あやすような声音で勇の頭を撫でる依衣子の姿は、あの頃の、優しかったお姉ちゃんそのものだった。
「ねえさん……」
 自分が今までどうなっていたのか、何故ここにいるのか―そんなことは二の次にして弟を気遣う姉を
、勇はたまらなく痛ましく、そして愛おしいと感じてしまう。
「泣かないで、お姉ちゃんがいるから、守ってあげるから、泣かないで……」
 ふと、姉の身体が震えていることに気づく。見れば、いつの間にか依衣子の瞳からは大粒の涙がこぼれていた。
溜め込んでいた感情を噴出させるように、依衣子は勇に懇願する。
「だから、どこへも行かないで、あたしのそばにいて、お願い、行かないで……」
依衣子はまるでしがみつくように、固く強く勇を抱きしめた。声にならない嗚咽が姉の喉から漏れる。
クインシィ・イッサーをやっていた頃からは想像もつかないその姿に、勇は困惑の色を隠せない。
 記憶が混乱しているのか―勇は思う。だが、そうではないことにすぐに気づいた。
 オルファンを飛び出した勇に対する願いが、依衣子の言葉には含まれている。
握り締められたこぶしはひどく震えていた。今度こそ離れたくない……そんな願いの込められた抱擁だった。
 きっと、姉さんは寂しかったのだろう。勇がここ数日感じていた喪失感を、姉はオルファンでずっと感じて
いたのかもしれない。そう思うと情けなさと申し訳なさで泣き出しそうになるが、ここでさらに涙を流せば
姉はもっと悲しむだろう。
「姉さん……ごめん、大丈夫だよ。僕はここにいる、どこへもいきやしないさ」
 そっと包むように、しかし力強く、勇も依衣子を抱きしめた。
「勇……」
 胸の中でしゃくりあげる姉は、厳格な指揮官でもなければオルファンのアンチボディでもなく―
可愛らしく、そしてはかない少女だった。


201:名無しさん@ピンキー
05/04/03 21:59:49 KI1H0tP5
すまんみんな・・・勃起した

202:名無しさん@ピンキー
05/04/04 00:06:48 pB19AfW+
キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!
本編最終回後のif話として楽しみにしてます

203:名無しさん@ピンキー
05/04/06 01:53:51 Eu8mTErZ
2人の細かい心情にほろりと来た・・・

作者さま乙です。

204:End Of The Night otherside
05/04/09 23:55:53 LTSNbrc6
「ユウがね…」
動揺を隠し切れないユウに、イイコの言葉が続けざまに告げられる。
「ユウが女の子と付き合うのは別にかまわないよ」
自分の胸に顔を埋めたままの姉の言葉にに少し意外な気もする。
「もう、ユウもそういう年頃だし…」
「本当に?」
思わず聞き返してしまうユウ。
そしてそう言ってしまってからふと思う。
一体何を聞いているのかと。
自分とイイコは姉弟であり、゜恋人ではないのだからお互いが恋人や、後々
には伴侶を見つけてもおかしくないどころかむしろそれが当たり前だ。
だがユウはイイコが自分以外の男と一緒にいるなど想像も出来なかった。
そして今夜真意を知った以上は姉もそういう風に思って当然だと感じていた。
「でも…」
イイコはユウの質問を聞き流したのか、あえて無視したのか言葉を続ける。
「でもカナンはだめ、あの女はいや」
「なんでさ?」
クインシィの時はともかく、今のイイコがカナンを嫌う理由は思いつかない。
自分と一緒にいること自体が気に入らないというなら先ほどの言葉と矛盾する。
しばしの沈黙の後、意を決したようにイイコは言った。
「だってユウのお姉ちゃんはあたしだけだもの」




205:End Of The Night otherside
05/04/09 23:56:55 LTSNbrc6
「ねっ、姉さん?」
「お姉ちゃんはあたしだよ、カナンじゃないよ…」
ギクリッ。
その言葉は一聴して質問に答えていないようで、見事にユウの急所を突く言葉
であった。
当のカナン自身も知る由は無いだろう感情をズバリと言い当てられた。
それはまさについ先ほど、カナンにバレるとマズいと考えていたことだ。
イイコには見事に見抜かれていた。
恐らくは表層人格の下から、イイコはユウとカナンの仲睦まじい姿を見ていたの
だろう。
そしてユウがカナンに向ける眼差しから、その真意を見抜いていたのだ。
「な、何を言ってるんだよ姉さん、あたりまえじゃないか!」
焦りがつい語気を荒げる。
「だったらどうして、カナンを…」
「か、カナンは彼女、そ、そう彼女だよ、彼女なら作ってもいいってさっき姉さんが
言ったばかりだろ?」
「言ったよ、そう言った、じゃあ聞くけど、カナンのどこがよくて一緒にいるの」
未だに顔を伏せたままさらに質問をして来るイイコ。
「そ…それは」
姉の前で今付き合ってる女の子の惚気を言うのは気が引けた。
だがふと思い立つことがあってユウは口を開く。
「そうだね、やっぱり性格と身体、どっちもいいからかな」
そう口走った瞬間、自分にしがみついたイイコの握力が強まったのをユウは確か
に感じていた。

206:名無しさん@ピンキー
05/04/10 00:03:12 PNadEIzN
GJ!!

207:名無しさん@ピンキー
05/04/10 01:04:02 X0/b06xg
ユウの言葉を姉さんがどう捉えたのか気になる
良い方に転んでくれればいいけど
ああもう早く続きが読みたい!

208:名無しさん@ピンキー
05/04/10 23:55:02 HBtlq23B
>「だってユウのお姉ちゃんはあたしだけだもの」
すごい破壊力のセリフですな。

209:名無しさん@ピンキー
05/04/11 22:11:36 gQ+qaHWo
☆ゅ

210:End Of The Night otherside
05/04/17 00:03:58 bCLpAVJl
再会から既に一年以上は経つのに、今になってやっとこうして抱きしめ合えた姉
イイコ。
かつて幼い日々、常に自分のため頑張っていた最愛の姉。
だが、今の自分はかつてイイコが愛したかわいい弟ではない。
イイコと引き離された数年、そしてやっと再会した姉にすげなくされた一年余りの
日々がユウの心を荒ませていた。
こうしてイイコと抱き合っていても、その場の安らぎは得られる物の既に抉れた心
の傷は塞がらない。
もはやイイコ一人では自分の心を埋める事は出来ない。
既に自分にとってはなくてはならない存在であるカナンとの仲はなんとしても認め
させなくてはいけない。
そのためには、自分がカナンに求めている物がイイコに対して求めているものとは
違うとはっきりさせる必要があった。
ズバリ、彼女の豊満な肢体が目当てなのだと。
もちろん性格もいいのだということは言い添えるが。
しかし、その言葉に姉は思わぬ反応を見せた。
腕にこめられた力、そして一瞬その目に宿った殺気。
(…もしかして…姉さん…)
それは恐ろしくも甘美なる推察。
もしかして姉さんは。
自分がカナンを姉代わりにしていたことを怒っていたのではなく。
カナンと付き合ってたこと自体を憤っていたのかと。
それならばカナンとの関係が深いものであることを誇示したのは逆効果ではなかった
のか。
そういう戦々恐々とした思いとは同時に。
姉さんは、俺を弟じゃなく男としてみてくれているのか?
そんな甘美な考えもまたわきあがっていた。


211:End Of The Night otherside
05/04/17 00:09:40 CIk2dQk8
今の今まで、カナンに対して感じていた嫉妬は姉としてのものだと思っていた。
いや、そう思い込んでいた。
自分こそがユウの姉なのに、どうして彼女がユウと…という反撥だと。
だが今ユウが口にした言葉。
カナンと既に肉体関係にあるということを認める言葉。
それを聞いた途端、頭の中が真っ白になり、気がつけば俯いたままユウの腕をギュッ
と強く握っていた。

ユウはまだ16歳の誕生日を迎えていない。
それで身体の関係のある相手がいるとは確かにませてはいるが、決しておかしく
はない。
おかしくはないが、納得できない。
(そんな…)
しかし、これ以上は自分で自分に嘘はつけない。
カナンに対する「ユウの姉はあたしなのに」という対抗意識。
それが単なるカモフラージュで、本当は単純にユウを取られたことに嫉妬していたのだ。
そう。
自分はユウのことを単なる弟として好きなのではなく、異性として愛していたのだと。
それならば今までの自分の苦しみも理解できる。
愛する相手に心ならずも冷たい態度を取り続け。
そしてその相手が別の女と一緒のところを散々見せつけられて来たのだから。
そして今、決定的な言葉を聞いたしまった。
イイコの心はざわめく。
自分が禁忌を犯していることへの畏れりより、女としての妬心の自覚の方が上回る。
わたしのユウを。
あの大きな胸やお尻を揺らして誘惑したのね。
何て女なのカナン。
そんな理不尽な怒りが。


212:名無しさん@ピンキー
05/04/17 00:28:04 5cdKTL0r
GJ!

213:名無しさん@ピンキー
05/04/17 00:41:49 6I/3FGyf
GJ!
こ、これは、ユウ×イイコ姉さんの本番を期待しちゃってもいいのか!?

214:名無しさん@ピンキー
05/04/19 02:13:41 t7/nSOcj
姉さん中心が見たい

215:Sleeping Beauty
05/04/19 22:25:49 aT6R+JNZ
「姉さん、身体、大丈夫? その、オルファンで……」
 落ち着いた様子の彼女を見て、勇はたずねた。だが、こちらの問いかけに
依衣子はまったく別の言葉で返す。
「本当は、ね……」
「姉さん……?」
 うつむいた姉の表情は見えないが、どこか様子がおかしい。
ふと、彼女の震えが止まっていないことに気づく。
「本当は、……あたし、すごく、すごく怖かった。全部捨ててしまえたらって
ずっと思ってたのに、でも、オルファンとひとつになって、すごく気持ちが
よくて、でもすごく寂しくて……!」
 依衣子は堰を切ったように喋りだした。その勢いに押され、勇は何も言うことができない。
「本当は、ただ勇と話がしたかった! 戻ってきて欲しかった! でも、でも……!」
 興奮した様子でまくしたてる依衣子をなだめようと、勇は声を張り上げる。
「ごめん、ごめんよ、姉さん……俺、なんにも分かっちゃいなかったんだ。姉さんが
どんな気持ちでいるのか、分かろうともしなかった」
 だが、勇の言葉も今の依衣子には聞こえていないようだった。散乱していた意識が戻り始め、
軽い錯乱状態に陥っているらしい。
「守りたかったのに、それだけだったのに、なのに、なのにあたし、勇を、勇を……!」
 依衣子の瞳が、何か恐ろしいものを見てしまったかのように大きく見開かれる。
 いや、確かに彼女は見ているのだろう。自分が弟に銃を向けるさまを。
 激しい言葉を投げかけ、弟を討とうとやっきになっていたかつての自分の姿、その記憶を。
 悲しいほどに怯え、狼狽する姉の姿を見るのは、拳銃を向けられるより何倍も辛かった。


216:Sleeping Beauty
05/04/19 22:29:21 aT6R+JNZ
「勇を、こ―」
 姉さん、それ以上喋ったら駄目だ。
 彼女が次の言葉を発する前に、勇は行動に出た。
 姉の肩を掴んで引き寄せる。
 一気に間近に迫った姉の瞳が、いっそう大きく見開かれるのが見えた。
「―っ!」
 瞬間、すべての音が消えうせた。
 依衣子は言いかけた言葉とともに息を呑む。
 姉の震えは止まり、驚きのあまり彼女の全身は硬直してしまっている。
 だが、勇がその身体を抱きなおしてやると、少しの躊躇のあと、安心した
ように依衣子もまた勇を抱きしめた。
 正直賭けであったが、どうやら姉は落ち着いてくれたようだ―そう思って
安心すると、突然唇に触れる柔らかな感触が意識された。
 途端、自分が何をしているのか自覚する。
 無我夢中でやったこととはいえ、姉の唇を奪っている。
 多様な人種が混在するオルファンでは、キスは単なる挨拶であるはずだったのだが、
それでもオルファンでクインシィにそれをするものはいなかった。
 それ以前に、これは挨拶などという次元のものでもない。
 夕日の差す部屋で抱き合い口付けを交わす男女を、誰が姉弟と思うだろうか。
 離れようかとも思ったが、先ほどまでの怯える姉の姿や、そして何より唇を通して
感じるぬくもりの心地よさにおされ、勇は余計なことを考えるのを止め、ただやわらかな
快感に身を浸す。
 ぬくもりを感じる。もう十年以上も忘れていた、あの頃のお姉ちゃんの暖かさ。
 その暖かさにもう一度触れられたことがただ嬉しくて、勇は姉の首に手を回す。
 きっと、姉さんも同じ気持ち気持ちのはずだ―


217:名無しさん@ピンキー
05/04/21 02:38:37 FpESam37
キタ━(゚∀゚)━!!
GJ(o^ー')b続きに期待

218:名無しさん@ピンキー
05/04/21 23:38:14 Pp6q/In9
おねえちゃんかわええ(*´Д`*)

219:名無しさん@ピンキー
05/04/23 00:38:10 mjN0GU/h
さすがキス魔だ!

220:End Of The Night otherside
05/04/23 20:02:29 AW3XjExP
カナンの豊満な肉体が男性に対してどのような効果を発揮するか。
イイコにも知識としてはわかっていた。
かつてイイコと同年代の若い女性の間には不自然で不健康、しかも肝心の男性相手に
は逆効果としかいいようのない過剰なダイエット信仰が蔓延していたが、オルファン
の震動による混乱期を経た今ではそのようなマスコミ主導の俗信は消えうせてる。
ふと、視線を落として自分の年相応で過不足の無い乳房のふくらみを見つめる。
今の今まで、イイコは自分の女性としての魅力には無頓着だった。
クインシィの時はもちろん、イイコに戻る時も。
ジョナサン・グレーンをはじめ、自分にモーションをかけて来る相手はいたが、みな
リクレイマーの指導者たるイサミ・ファミリーの一員でかつグランチャー乗りの自分
の権力に擦り寄ってきているのだと解釈していた。
あらゆる能力が高く、こちら側からも利用価値のあるジョナサン以外はみな手厳しく
撥ね退けているが。
ジョナサンにだけは曖昧な態度を取っているのはクインシィとしての意識だけでなく
イイコ自身も賛成していることだ。
そのくらいの腹芸が出来ないほどイイコは純真でも子供でもない。
だが。
ことユウ相手にはまさしく純真な子供に戻ってしまうイイコ。
そして一方でそのユウに色目を使ってまんまとモノにしてしまったカナンに関して
は大人の猜疑心が働く。
「ユウを誘惑してどうするつもりなのよ…まさか…」
男達が自分に取り入ってるのと同様。
カナンはやはりイサミファミリーであるユウに身体で取り入ることで何かを狙って
いるのでは…。
用が済んだらユウは捨てられるのでは…。
それはあくまでも推論というか、ほとんど妄想である。
しかし頭に血の上ったイイコの中ではそれは確信に変わってしまう。
(純粋なユウを騙すなんて…許せない)
それには別の嫉妬が上乗せされていた。
(胸がデカいからって好き勝手にはさせないわよ!)

221:名無しさん@ピンキー
05/04/24 20:18:58 vWyDFqoC
イイコ姉ちゃん、爆発してるな。
ユウLOVEゲージがふりきれたんだな、きっと。

222:名無しさん@ピンキー
05/04/25 01:17:57 LqsOTScp
イイコ姉さん、胸の大小にこだわらなくていいんだ!
ユウは女なら誰でもい(ry

223:名無しさん@ピンキー
05/04/26 22:10:35 Vd1fylp0
久しぶりに来てみたらカナンたんがいなくなってル━━━!
作者さま、カナンたんはやはり幸せにはなれんのでしょか…

224:名無しさん@ピンキー
05/04/27 16:32:15 IiyOmMS/
ほら、カナンはリクレイマー辞めてラッセに出逢ってから幸せを掴むから
それまでちょっと我慢しる

225:Sleeping Beauty
05/04/30 00:36:57 OsTExrMO
 たっぷりと時間をかけてお互いを感じたあと、姉弟の唇は糸を引いて離れた。
 勇は姉の顔を見つめた。彼女は頬を朱に染めて伏し目がちにこちらを見ている。
いきなりあのようなことをされれば無理もないだろうが、先ほどまでの狼狽振りが
嘘のようだ。平静を取り戻したかどうかはともかく、とりあえず彼女の気を
逸らすことには成功したようだった。
と、姉は勇の肩に手を回し、再度力強く抱きしめてきた。
「……勇、ごめんね。もう、落ち着いたから」
「うん、その……俺のほうこそ、ごめん。いきなりであんなこと―」
 言い終える前に、今度は依衣子が行動を起こしていた。勇の頬に両手を
添えて、その唇で勇の口を塞ぐ。
 こちらが先にしたこととはいえ、不意にこのようなことをされると驚きの
あまり動けなくなる。するとされるでは大違いだ。勇の身体は彫像のようになって動かない。
「これでおあいこ。だから、謝らなくていいよ」
 照れ隠しのつもりか、あやすような口調で微笑む姉のそんな表情に、勇の心臓がはねた。


226:Sleeping Beauty
05/04/30 00:39:11 OsTExrMO
 早鐘を打つ心臓を必死に抑えて、勇はやんわりと姉の手を振りほどく。
「じゃ、じゃあ、アイリーン艦長―ここの船医なんだ。姉さんが眼を覚ましたって伝えてくる」
 勇は、うろたえてしまっていた。姉の予想外の行動は勇を刺激したが、そんな衝撃を誰かから
与えられることに慣れていない勇はかえって臆病になってしまっていた。
 そそくさと、勇は立ち上がろうとする。
「あ、待って―」
 短く叫び、依衣子は勇に追いすがるようにしてベッドから半身を乗り出そうとする。
 が、短期間とはいえずっとベッドの上で寝ていた身体だ。アイリーン館長が定期的に
その身体をマッサージしていたとはいえ、依衣子の細い腕はその体重のすべてを支えきれる
ほどには回復していなかった。ついた腕がかくんと曲がり、依衣子はベッドから身を乗り出した
ままくず折れる。頭から、軍艦の固い床に落ち込む格好だった。
「きゃ―」
「姉さん!」
 勇の反応はすばやかった。とっさに依衣子の身体を両腕で支える。だが、今度は
勇がバランスを崩した。無理な体勢で姉を支えたため、足がもつれる。
このまま後ろに倒れれば、自分が危険だ。かといって姉を放り出すわけにも
いかない―瞬時に、勇は判断を下した。先ほどまで自分が座っていた椅子に思い切り
片手をつき、その反動で姉ごと自分の身体をベッドのほうへ押し戻す。
 ぎし、とベッドが大きくきしんだ。


227:名無しさん@ピンキー
05/04/30 02:20:57 6BCHHXF9
イイコ姉さん可愛いよイイコ姉さん

228:End Of The Night otherside
05/04/30 20:24:49 EStA+pw4
イイコが自分の本当の気持ちを認識している間、ユウの方もまた考えることがあった。
(姉さんはカナンに嫉妬してる、姉代わりにしたことじゃなくて、つきあってること自体…)
それ自体は実に嬉しいことだ。
そこまで自分を想ってくれているのだから。
だが困る。
既にカナンとは離れ難い間柄になってしまっている。
カナンといると心が安らぐと言ったのは、決して彼女の肉体を飽食したくて懐柔するための
でまかせではない。
ほんの少し前までそれはイイコの代わりだと想っていたが、いざこうして本物のイイコと抱き
あってみるとその違いがはっきりとわかった。
イイコにはイイコの、カナンにはカナンの、それぞれに彼女達だけしか持たない独特のオーラが
ありそれが自分をのささくれた心を和らげてくれる。
イイコに言われたからといって、はいそうですかとカナンと別れるわけにはいかない。
じっくりと時間をかけて、カナンの存在を認めさせなくてはならない。
そして…懐柔しなくてはならないのはカナンも同じだった。
彼女は自分とイイコの仲は完全に冷え切っていると思っている。
顔を合わせれば憎まれ口を叩いていたのだから当然といえるが。
だがそれは決して演技ではない、姉に対しての思慕を胸に秘めつつも、それゆえに自分に優しく
してくれない姉に苛立ち憎まれ口を叩いていたのは事実なのだ。
だがもしも。
たとえばたった今カナンがここに来たらどう思うだろう?
イイコの二重人格など信じてもらえないだろう。
自分が疑いもなくその事実を受け入れたのは姉が自分に嘘などつくはずが無いという確信あって
のこと。
赤の他人であるカナンがそう簡単にこんな奇怪な事実を受け入れるとは思えない。
多分カナンは、自分とイイコが今まで共謀して仲が悪いと周囲に思わせていたのだと考えるはず。
そしてわざわざそんなカモフラージュをする理由は一つくらいしか思い浮かぶまい。
本当は仲が良い事を誤魔化すため。
もちろん姉弟が普通に仲が良いことを誤魔化す必要など無い。
当然カナンは思うだろう。
「姉弟以上の関係だから、それを知られたくなくて仲悪いフリをしていたのね」と。

229:End Of The Night otherside
05/04/30 20:25:59 EStA+pw4
全てはユウの脳内シミュレーションに過ぎない。
だが今まで、カナンの肉体を余すことなく堪能するためいいように操ってきたユウである。
彼女の思考パターンはほぼ熟知している。
間違いなく、彼女はそういう結論に達するだろう。
冷汗がユウの額から垂れる。
そしてとんでもない状況に自分がいることに気がつく。
イイコが部屋を訪れた時にカナンかと思ったように、今夜自分の部屋にはいつカナンが訪れても
不思議はないのだ。
名残惜しいが、今夜は姉弟の絆が失われていないこと。
それどころか姉弟の一線を越えかねないあやういラインにまで感情の喫水線が上がっていること。
それを確認できただけで充分だ。
「姉さん」
ユウが意を決して口を開く。

ユウに呼ばれて、俯いていたイイコは一瞬身体を強張らせる。
きっと今の自分は醜い顔をしている。
男を誘惑できる肉体を持ったカナンへの嫉妬。
最愛の弟と既にただならぬ関係にあるらしいカナンへの嫉妬。
嫉妬心で顔が醜く歪んでいるに違いない。
だから深呼吸して、心を落ち着かせる。
ユウに醜い顔を見せたくないから。
身体も心も緊張したまま、どうにか顔の力だけは抜くことに成功して、イイコは顔を上げた。
「今夜はこれからカナンが来るかもしれない」
後頭部をハンマーで叩かれたようなショックがイイコを襲う。
(もしかして、邪魔だから帰れって言うの、ユウ?)
涙腺が緩みかけたところでユウは言葉をつなげた。
「俺たちは仲が悪いと思われてる、こうしてまた昔みたいに仲良しに戻れたのはいいんだけど、
いきなり他人にそんな姿見せたら変に思われるよ、今まで周りを騙してたんだろって」
ユウの言葉を道理では理解しつつも、今ひとつ感情では納得しがたいイイコ。
「だから、こうして仲良くするのは二人だけの時にしようよ」

230:名無しさん@ピンキー
05/05/01 01:24:39 DRPUXguz
イイコ姉さんがけなげな分、ユウの腹黒さが…

231:名無しさん@ピンキー
05/05/03 16:49:48 TZHawid2
あぁああ・・・・カナンが憎いw

232:名無しさん@ピンキー
05/05/07 18:43:22 UJIw2L8T
落ちそうだ・・・

233:End Of The Night otherside
05/05/08 00:08:07 OgY2ztdS
ユウの言葉に一瞬ショックを受けるイイコ。
(そんな…ユウはお姉ちゃんと一緒にいるのを見られたくないの?恥ずかしいの?)
続いて考える。
(それとも、カナンに見られたくないの?)
イイコの頬が目に見えて膨れていく。
ぎゅうっ。
昂ぶった感情が、再びユウの二の腕を掴む指に力を与える。

膨れ面のイイコが自分の言葉に不満なのは一目瞭然だった。
だがユウは予定を変える気は無い。
クインシィという固い殻の下に昔のままの姉がいたことがわかったのだから。
ユウはイイコに怒られたことは殆ど無い。
もちろんかつてのユウが今のようなひねた少年ではなく、聞き分けがよい上に姉思いの良い子で
あったということもあるが。
基本的にイイコは、ユウのすることは何でも受け入れてくれた。
それが長い空白期間を経て、弟への渇望に近い思いを抱いていたイイコなら尚更だ。
クインシィとしての人格を抜きにしても、かなり気が強くはなっているが自分の言うことは結局
は聞いてくれるだろうという確信があった。
これはもう理屈ではない、感覚的なものだ。
それに比べてカナンに関しては慎重な対応が必要だった。
後ろの処女を奪い、着実な夜毎の「調教」を進めてはいるが、どこまで言っても他人に過ぎない。
死が二人を分かつまで永遠に切れない姉弟の絆と違い、赤の他人である男女の仲は脆くうつろい
易い物だ。
いつかは別れる時が来るやもしれない。
だがそれを座して待つつもりも無い。
関係を出来得る限り長く続けるためには今以上の努力が必要になる。
そのためには姉がいつもいつも側にいては困るのだ。
(それにしても…)
頬を膨らませている姉が、無性に可愛く思えて仕方が無いユウだった。
打算的な感情は一切抜きで、発作的にその頬に顔を近づけると、膨らんだ部分に軽く口付けを
した。


234:名無しさん@ピンキー
05/05/08 01:15:57 HGW78gbq
ぎゃああああああGJ!姉さんかわいいよ姉さん!

235:名無しさん@ピンキー
05/05/08 10:08:15 uoMiwH0o
姉さんはいつまでも純だ・・可愛すぎる

236:名無しさん@ピンキー
05/05/08 14:30:39 UkhhbZlf
グッジョブ(*´д`*)

237:Sleeping Beauty
05/05/11 00:07:20 km7Inm4g
「姉さん、大丈夫?」
 頭でも打ってやしないか、それだけが気がかりだった。だが、依衣子はその
問いかけに申し訳なさそうにして答える。
「う、うん……ごめん、ごめんね、勇」
「大丈夫だよ。姉さんが無事でよかった」
 安心して、はたと気づく。勇は姉に覆いかぶさるようにしていた。密着した
姉の体温を感じて勇はあわてて離れようとするが、背中に回された依衣子の
手が硬く勇の衣服を掴み、それを離そうとしない。
 勇は観念する。今姉さんから離れるわけにはいかない。そして、やはり勇も
離れたくはないと思ってしまっていた。
 姉の瞳を見つめた。潤んだその眼の中に勇の姿があった。
 ゆっくりと、どちらともなく近づき、またキスをした。
 言葉などいらない。
 温かい―これまで感じたことのないような安堵感を、勇は感じた。遠い昔に
なくした何かを見つけたような、一つだけ欠けたパズルのピースをはめたときのような。


238:Sleeping Beauty
05/05/11 00:11:49 km7Inm4g
 何物にも変えがたい圧倒的な一体感―アンチボディと一体化するのにも
似た、しかしそれよりもはるかに優しい暖かさを持ったそれに対して、勇も、
そして依衣子も抗うすべを持たない。
 ―誰かの肌の温もりを、こんなにも愛おしく感じたことなどなかった。
 胸の奥が熱くなる。鼓動が加速していく。
 ―ねえさん。あたたかくて、いいにおいだ。
 己の中で湧き上がる衝動に、勇は激しく揺さぶられる。
 涙で濡れた瞳、上気した頬、濡れた唇。
 柔らかな感触、伝わってくる体温、間近に感じる熱い吐息。
 それらのすべてが一体となって、勇の心を冒していく。
(綺麗だ……)
 我知らず、勇は心の中でつぶやいた。その言葉の中に含まれる己の感情を自覚して、
とても恐ろしくなる。
 姉弟なんだ―必死に自分自身に言い聞かせるが、その姉に対する狂おしいほどの愛おしさが
膨れ上がり、自制の声もほどなく呑み込まれてしまった。

239:名無しさん@ピンキー
05/05/12 23:45:11 npwoWNS6
イイヨイイヨー(;´д`)

240:名無しさん@ピンキー
05/05/14 13:20:21 Jc4eQUS8
かわいい姉さんにユウもほぐれてる。いいなぁこの姉弟は・・

241:名無しさん@ピンキー
05/05/16 00:29:20 9dP7rVEb
GJ!

242:名無しさん@ピンキー
05/05/17 23:59:02 wchKLtVa
姉保守。

243:名無しさん@ピンキー
05/05/18 01:25:32 pNDeLzpZ
クインシィ保守

244:名無しさん@ピンキー
05/05/18 02:09:13 TrkZCF6v
やっと全話見たほしゅ

245:名無しさん@ピンキー
05/05/18 15:04:10 wzEd0IWc
ブレンは2回目からが・・・尚面白い

246:名無しさん@ピンキー
05/05/19 22:17:22 HRo5yAgb
何かギリギリなのでageさせてくださいね

247:名無しさん@ピンキー
05/05/21 15:29:33 6PhavXUJ
待ち

248:名無しさん@ピンキー
05/05/25 01:01:05 uOhjjQDl
作者殿、まさか氏んでしまったのd(ry

249:名無しさん@ピンキー
05/05/26 00:02:52 LB/EKZtb
>>248

近日復帰予定
面目ない

250:名無しさん@ピンキー
05/05/26 13:39:38 q8SLqeNZ
>>249
お待ちしてます( ^ω^)

251:248
05/05/27 01:38:53 FsqMd14r
いえ、こちらこそスマソ。伸びたり縮んだりしながら待ってます。

252:名無しさん@ピンキー
05/05/27 20:47:54 4g/g0Wxs
じゃあ、復帰までのつなぎを僭越ながら。死んじゃいません。


253:Sleeping Beauty
05/05/27 20:51:33 4g/g0Wxs
 勇の心臓は、それこそ飛び出さんばかりに拍動していた。早まる呼吸を無理やりに
押し込めても、昂ぶる精神は落ち着いてはくれない。
 もはや隠すことも目を逸らすこともできまい。その腕に抱く実の姉に対して、肉親に
対して決して抱いてはならないはずの情動がどうしようもないほど激しく渦巻いていることを
勇は自覚する。
 そしてそれは、依衣子もまた同じであった。
 依衣子の呼吸が荒くなっていく。頬を朱に染めて、怯えているような、それでいて何かを
期待するような眼差しを、勇はひどく艶かしいと感じる。
 しかし、高揚する気分とは裏腹に、二人は見つめあったまま動かない。
 お互いに、ずっとこうしていたいと思う反面で、あと一歩前へ進んでしまいたいと思っている。
けれど、どこに足を踏み出せばいいのか。そして、踏み出したとしてその先にあるものは、引き返す
ことの出来ない深い深い闇なのではないか。そこへ堕ちてしまえば、もう戻れないのではないか。
 それはある意味で、家族を裏切る行為なのかもしれない。伊佐未家はお世辞にもまっとうな家庭を
築いていたわけではないし、勇の心の中では今も両親に対するわだかまりが消えてはいない。
 それでも、直子ばあちゃんや、なによりも姉を大事に思う勇の心に偽りはない。そんな姉を一人の女性
として見はじめてしまっている自分の心に、勇は激しい矛盾を感じていた。


254:Sleeping Beauty
05/05/27 20:54:12 4g/g0Wxs
 しかし、今姉弟は互いを求めあっていることもまた事実だった。
 ノヴィス・ノアのブレンパワード隊の一員としてオルファンと敵対し、姉とも
幾度となく刃を交えた。互いにすれ違いを繰り返して、傷つけあって、それでも、また
一緒になりたいと―帰ってきて欲しいと願った。
 もう一度やり直したいと心から望み、オルファンはそれに応えてくれた。
 そして、今やっと、途切れてしまっていた姉弟の絆が十数年ぶりにつながろうとしている。
 あの機能不全の家庭で、依衣子と勇は親の愛情などほとんど感じることも出来ないまま、その
寂しさを埋め合わすかのように、二人は互いを庇いあうように、あるいは傷を
舐めあうように、互いに気持ちを通じ合わせていた。
 姉が弟を想い、弟が姉を想う。
 あの頃は、それが当たり前だった。
 道をたがえて、命さえ落としかねない諍いをするなんて、夢にも思わなかった。
 それでも、幾多のすれ違いを乗り越えて、二人は今こうして子供の頃のように
こころを通じ合わせている。
 けれど。
 もう、二人とも無邪気な子供ではない。いろいろなものを知って、いろいろなものを背負った。
そんな互いの気持ちを確かめ合うのに―互いに触れ合うだけでは、足りない。


255:名無しさん@ピンキー
05/05/28 02:18:45 7b0GlkRG
イイヨイイヨー
一歩踏み出すか踏み出さないかの感情描写が好きだ

256:End Of The Night otherside
05/05/28 19:58:05 FKGJEk+9
ちゅぷっ。
ごくごく軽い物、それも頬にだったが。
突然の接吻を受けて、一瞬呆然とするイイコ。
空白の意識の中で最初に再起動した感情は「動揺」だった。
「な、何するの、ユウ?」
ユウにしがみついてた手を放し、自らの肩を抱き締めながら警戒心を露にして聞く。

ユウに姉弟の域を超えた感情を抱いていることを自覚したイイコであったが。
そのユウの方から姉弟の枠を踏み越えてくるとは思わなかったのだ。
実際には他意はなく、ただ純粋にイイコの仕草が可愛かったせいで辛抱たまらなくなったユウが
思わず唇を寄せてしまっただけなのだが。
そんなことはイイコには知りようが無い。
従って「ユウは姉=わたしに欲情したのだ」と思ってしまっても、決して彼女の自意識過剰とは
言えない。
もっとも。
もしも本当にユウが欲情したのなら、頬へのキスなどという可愛らしいスキンシップなどしない。
そんなステップはすっ飛ばし、いきなり激しく淫猥な行為を仕掛けてくる。
それを後には文字通り自らの肉体で知ることになるイイコだが、この時点ではそんなことは想像
だにしていない。

一方そんな姉のリアクションを見て、彼女がどんな勘違いをしたのかすぐに悟ったユウ。
しくじったと思った。
せっかく自分に以前よりも執着している姉の想いを覚ますことになったかと。
だが。
「ユウ、悪い子ね」
上目遣いで睨むイイコだが、その目に恐れと戸惑いはあっても嫌悪の色はない。
いきなりの弟の行為に困惑しているだけ、そして姉弟の枠を踏み越えて人倫を踏み外すことを
躊躇しているに過ぎない。
ならば自分の考えているこれからのプランにとっては何も不都合はないどころか、逆に好都合
ですらあった。

257:End Of The Night otherside
05/05/28 19:59:31 FKGJEk+9
スッ。
姉に向けてユウは手を伸ばす。
ビクッ。
思わず肩を抱いたまま、目を瞑って身体を固くするイイコ。
「バカだなぁ姉さん、俺が姉さんの嫌がることをするわけないだろ?」
そのユウの言葉に、イイコが恐る恐る目を開けると。
爽やかな笑顔のユウ。
「今のは印だよ」
「しるし?」
「そう、俺たちが昔と同じ仲の良い姉弟に戻った印、だからほら」
顔を近づけて、今度はイイコの額に唇をつける。
逃げる間はなかった。
「ユ、ユウ…」
イイコの顔がさらに紅く染まる。
「次は姉さんの方から…」
続けてイイコに横顔を向けるユウ。
「ほら」
ユウが何を要求しているのか、イイコにはよくわかった。
そして弟が純粋にスキンシップとしてしたことに、よこしまな勘繰りをしたことを恥じる。
その謝意を、そして愛情をこめてユウの頬に口付けした。
そしてユウに抱きつく。
「ごめんねユウ、そうだよね、わたしたち姉弟だよね」
「ああ、もちろんだよ」
「…ユウ、大好き…」
「俺も好きだよ姉さん」
ユウが抱擁し返す。
だがイイコは心の中で思っていた。
(好きだよ、か、でも、でもきっとわたしの好きとユウの好きは違う、きっと、だってわたしは
ユウのことを…)

258:名無しさん@ピンキー
05/05/28 22:18:32 Qgo7JeMl
キタ━━(゚∀゚)━━!! 
よっ!待ってました!

259:名無しさん@ピンキー
05/05/29 00:16:11 04VpvVVW
思えばこの姉弟で姉属性がついたんだよなぁ・・・
ふたりの葛藤が良すぎ。作者様いつも乙です。

260:名無しさん@ピンキー
05/05/29 00:24:39 a1YtLbNy
姉さんイイヨー!
そして勇のプランが気になるよー

261:名無しさん@ピンキー
05/05/29 20:14:50 x2Ly65wh
姉かわいいよ姉。
強さと弱さがいい具合に溶け込んでるなぁ。

262:名無しさん@ピンキー
05/05/31 02:45:58 H5V8CDZa
恐ろしいな…
カナンが萌えないのでは決してない…
ただイイコ姉さんが萌えすぎるだけなのだという現実が…

263:名無しさん@ピンキー
05/06/03 18:43:15 w3KRYwkp
姉さん(*´д`*)
アイリーン艦長(*´д`*)

264:名無しさん@ピンキー
05/06/04 21:34:38 HohhdnIM
話を整理するために始めた「 End Of The Night otherside 」ですが。
よりわかりやすくするため今回からユウとイイコの視点に分けていきます。

265: End Of The Night Iikoside
05/06/04 21:34:59 HohhdnIM
 「不安だった」
ユウと姉弟の絆を取り戻した時のことを回想していたイイコ。
 「不安だったけど幸せだった」
 ユウに抱きしめられて。
 ユウにキスをしてもらって。
 そしてユウにキスをして。
 ユウにカナンという相手がいても、自分はコレだけ大事にされているのだから満足だ、とその時
は思った。
 でもそれは、ユウのぬくもりで満足感に浸っていたが故の甘い考えだった。
 その甘い考えは立て続けに打ち砕かれることになった。
 そう、ユウに自分の置かれている状況、二重人格という魂の檻に閉じ込められている事を告白し。
 まだユウを愛してる事を告げたそのすぐ次の日に。

 朝目覚めればクインシィに戻っていたイイコが、自我を取り戻した時にはもう既にクインシィは
いつものように他のグランチャー乗りの前でユウと口論していた。
 だが、ユウの言葉だけは相変わらず容赦ないが、その瞳が前とは違って優しげなのに気づく。
 (ユウ、今わたしの身体を奪っているのがクインシィで、わたしではないことをちゃんと理解して
くれてる…周りの目を憚ってすいつもどおりにしてくれてるんだ…)
 嬉しくなった途端、クインシィの支配力が弱まり、身体の主導権はイイコが握った。
 そして当惑した。
 こんな状態でイイコに戻っても、人前で、しかもたった今言い争っていたユウ相手にどういう態度
を取ればいいのか。
 当惑しているところに。
 「まあまあ二人とも、姉弟喧嘩はプライベートルームでやってくれないか?」
 いきなり現れたジョナサンが、イイコの手を握った。
 何をするのよ、ユウの前で!と動揺し憤慨する。
 「…は、離せっ!」
  精一杯クインシィらしい態度で、イイコはジョナサンの手を振り払った。
 そしてユウの方へ目を向けたが。
 いつのまにかユウの隣にはカナンがいた。


266: End Of The Night Yuuside
05/06/04 21:35:44 HohhdnIM
名残惜しそうな顔のイイコが帰った後。
ユウはこれからのプランを練る。
イイコとはたまに今の様に元の人格の時にスキンシップを取って絆を深めていくとして。
問題はカナンだった。
現在、ユウはかなりカナンの肉体を開発している。
既に菊門への挿入で快感に喘ぐほどまでに。
だがこの営みを、しばらくは中断する必要があるだろう。

カナンと付き合いながら姉と仲良くする。
そのユウのささやかと言えばささやか、図々しいと言えば図々しい願いを叶えるにはカナンとの
関係をある方向に修正しておく必要があった。
それは簡単に言えば「攻め」から「受け」へのターン。
自分からカナンの肉体を貪っているのではなく、カナンの方から肉の交わりを求めているという
形に持っていかなくてはならない。
ユウが一方的にカナンを抱いていれば、イイコとの関係~今はまだ姉弟にしては熱く濡れ過ぎて
いる関係に過ぎないが、姉の反応を見た限りでは時間の問題~を知った時に「身体だけが目当て」
で弄ばれたと取るだろう。
その点、カナンから求めてそれに応じている場合はその限りではない。
カナンら見て「浮気」なのは同じでも、捨てられるとか弄ばれているといった思いから捨て鉢に
なることは避けられる。
むしろ「負けまい」として一層濃厚な関係を求めるはず。
そうユウはカナンの性格から判断していた。
そして。
豊満な上に感度のいい肉体とは裏腹に、特に淫蕩というほどの性質でもないカナンを自ら求める
ように仕向けるには、ある時期から関係を絶って飢餓状態にもっていくのが最も効果的と思えた
のだ。
もちろんその間も肉体関係を断つだけで、それ以外の関わりは積極的にしていく。
こうすれば、何しろカナンを大切に思ってること自体は嘘ではないから、絶対に演技がバレること
はないだろうと。
しかし、予定通りに全てのことが運ぶほど、甘くはなかった。

267:名無しさん@ピンキー
05/06/04 22:56:25 267bNYk9
俺は・・・俺は・・・

ユウになりたい

268:名無しさん@ピンキー
05/06/05 00:41:04 z+jIoZ+i
やべ、次が気になりまくり・・
やっぱこの姉弟は最高だ

269:名無しさん@ピンキー
05/06/05 02:01:32 sGfQT+vK
うわああぁああGJ!!!
作者さんサイコーですよ(゚∀゚)

270:名無しさん@ピンキー
05/06/06 22:02:29 9T4TqRR2
ユウはどこまでも黒いなw

271:End Of The Night Iiko
05/06/11 19:11:50 XN84R2zg
「落ち着いてユウ、こんなところで言い争っても仕方ないでしょ」
そう言ってユウの腕を取るカナン。
わ、わたしの目の前で、わたしのユウに…なにすんのよっ!

もちろんカナンはわたしに対して悪意を持っているわけではないだろう。
口煩いヒステリー女として煙たがってはいるだろうけど…。
知らないだろうから、わたしが本当はユウをどんなに大切に思ってるかなんて。
だけど…でも…だからと言ってわたしの前でこんなことを…。
わかってる、自分がどんなに理不尽な事を思ってるか。
たとえクインシィがわたしの弱い心を守るための虚勢の鎧であることをカナンが知ったとしても。
あくまでも「姉」であるわたしがユウの「彼女」に、ベタベタするななどと言う権利などはない
ことを。
それでも…理性ではわかっていても、我慢の出来ないこともある。
続いてわたしは視線をユウに向ける。
訴えかけるような目で。

ユウはユウで、クインシィの奥に本当のわたしがいることがわかっているからその態度は以前の石
のような固さからくらべれば幾分柔らかい。
他人が見れば相変わらずに見えるだろうが、ユウの「クインシィ」への荒れた態度に心痛めていた
わたしにはその微妙な違いがわかる。
一方のユウは…。
「!」
わたしの目を見て、その顔にあからさまな同様の色が浮かぶ。
どうやら気づいてくれたようだ、わたしが本当の「イイコ」に戻っていることを。
そうだよユウ、カナンと別れろなんて無理は言わないから、せめてお姉ちゃんの前でイチャイチャ
するのだけはやめて…。
そんなせつない願いをこめた目を浴びせていると、ユウはさらに動揺し、パニック寸前の表情に。
何事かと思って視線をズラすと、軽く取っていただけのユウの腕を、カナンがぎゅっと抱きしめて
いたのだ。

272:End Of The Night Iiko
05/06/11 19:12:38 XN84R2zg
ユウはやめてくれと言わんばかりにカナンを見るけど、彼女は気づかず、故意か偶然かその牛のよう
な乳房を押し付けるように強くユウの腕を抱く。
それは胸が育たないわたしへのあてつけかぁ!カナンッ!
そしてユウの腕をとって部屋から出て行く。
これからどこへ行くのよ…。
人の前でこんなことするくらいだから、二人きりになったらそれはもう何の遠慮もなく…。
ブチッ。
何かが切れた音がした。
ああっ、もう我慢の限界。
「なにしてっ!ひとのまっ!やめっ!どこいっ!もどれっ!」
もう言葉にならない絶叫が、わたしの口から吐き出される。
けれど周囲は別に奇異に思わずに、またいつものクインシィのヒステリーか、と言った感じの目で見て
いるだけ。
怒り狂ったわたしは、周囲にはクインシィにしか見えないのか…。
この時わたしは理解した。
ああ、やっぱりクインシィもわたしそのもののなんだなと。
彼女はわたしの怒りや攻撃性の具現化に過ぎず、決してどこかから紛れ込んできたまったく別の人格で
はないんだと。
そう思うと、今まではわたしとユウの仲を邪魔していたと忌まわしさすら感じていたクインシィという
存在にシンパシーを感じ始める。
「おいおいクインシィ、あれじゃまるで弟の彼女に嫉妬してるみたいだよ」
ジョナサンがわたしの後ろで冗談めかして言う。
そう、あくまで軽口だったけど、彼は本音と建前の区別が他人から窺い知れない人間だ。
通常の人間なら、仲の悪い弟と仲の良い相手に、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い的に当り散らしているよう
にしか見えないはずなのに…。
ま、まさか、気づいているの?
思わず振り返って彼を睨むと。
「お、おいおい、冗談だよ、本気にしたのか?」
いかにも怯んだ様な顔をするが、これとてどこまでが本気でどこまでが演技がわからない。
ジョナサン、彼は危険だ…距離を置いておかないと…。


273:名無しさん@ピンキー
05/06/11 19:43:12 40Y12OzI
キタ━━(゚∀゚)━━!! 
作者さんグッジョブ!!!

274:名無しさん@ピンキー
05/06/11 23:48:46 32/h/CQc
嫉妬に狂う姉さん・・(*´д`*)
少女らしい姉さん・・(*´д`*)

275:名無しさん@ピンキー
05/06/12 08:16:09 WIBBcUWr
>わ、わたしの目の前で、わたしのユウに…なにすんのよっ!
>「なにしてっ!ひとのまっ!やめっ!どこいっ!もどれっ!」

ああもう愛しいなぁちくしょう


276:名無しさん@ピンキー
05/06/12 17:16:31 7qiBxhGy
イイコ姉さんはツンデレ界のホームラン王です。

277:名無しさん@ピンキー
05/06/13 09:57:13 DXNBT6Xo
今回の姉さんワロタw

このスレ見てると、久々にブレン観たくなってくるなあ
今日、借りてこよう

278:End Of The Night Yu-U
05/06/18 19:42:43 mMmlq1a2
翌朝、顔をあわせて見ると、姉さんはクインシィに戻ってというか、なってしまっていた。
仕方がないことだ。
周囲の目があるから、いつもの通り言い争っておく。
俺が言ったことを姉さんは覚えていると言うから、姉さんが傷つくような事は避けて適当に罵って
いると。
「まあまあ二人とも、姉弟喧嘩はプライベートルームでやってくれないか?」
ジョナサンがしゃしゃり出てきた。
昔はいい奴だと思ってた。
姉さんに冷たくされて寂しがってた俺を弟みたいに可愛がってくれてたのに。
俺が頭角を現してくると次第に隔意を持って接するようになってきた。
それだけならまだしも、姉さんにあからさまに色目使い出したのが気に入らない。
昨夜までは姉さんはもう俺の知らないクインシィになってしまった、クインシィが誰とくっつこうと
俺には関係ない、なんて思ってはいたがやはり面白くはなかった。
「ちっ」
そう、今も姉さんの手を握ろうとする。
荒々しく振り払われた、ざまぁみろ。
「落ち着いてユウ、こんなところで言い争っても仕方ないでしょ」
カナンがいつの間にか俺の側に来た。
ありがとうカナン、やっぱり俺は君が好きだよ。
これから色々と仕掛けさせてもらうけど、決して君を弄ぶわけじゃない。
二人の仲を長続きさせ、より深め、潤いを持たせるために必要なんだ。
君を騙す俺を許してく…れ…。
いや、カナン、気持ちは嬉しいんだけど。
出来ればこの場で俺の腕を取ったりして欲しくなかったなぁ。
姉さんの前ではあまりベタベタしないほうがいいんだ。
昨夜は何とか宥めたけど、まだ俺と君との仲を姉さんは納得していない。
それにクインシィになってても、決して何も覚えていないわけじゃないんだ、
後でこの事ですねられたりしたら大変………はぁ、後で大変どころじゃなかったよ…。
い、いつの間に?
俺を見てる姉さんのあの目、クインシィじゃないよ、いつの間にか姉さんに戻ってるよ!

279:End Of The Night Yu-U
05/06/18 19:43:17 mMmlq1a2
一見するとクインシィかと思わせるような鋭い目。
けれどクインシィの怒気はもっと乾いている、例えるなら熱風あるいは炎そのもの。
今俺とクインシィに向けられているのは、煮えたぎる熱湯、いや、溶岩のような粘着質の熱が
こめられた視線だった。
昨夜までならともかく、昨日で姉さんの状態を知った俺には見分けがつく。
と、言うことは、俺は今、姉さんの目の前でクインシィとイチャついているという最悪の状況
ということに…。
数秒間、異世界に意識が飛んでしまったけど、すぐに回復する。
そう、現実逃避している余裕はない。
何しろ姉さんの視線を見て不安になったのか、あるいは反撥したのか。
カナンがその豊かな乳房を押し付けるかのように、俺の腕をさらに強く抱きしめたから。
思わず視線を下にして俯いてしまう。
ああ、怖い、姉さんの目を見るのが怖い。
まずカナンを見て、目で離してくれと訴えかけるがもちろん全く通用せず、潤んだ目で俺を
見てる…ああ、何か艶っぽいよカナン…やっぱり君は素晴らしい…自分で自分をどう思って
いるのか知らないが、君は褐色の宝石…なんて惚気てる場合じゃない。
勇気を振り絞って姉さんに視線を向けると…。
さっきよりエスカレートした、物凄い視線でカナンを見ている。
カナンに視線を移すと、そんな姉さんに負けまいと睨み返している。
また姉さん、またカナンと、様子を伺っていると、カナンが先にそんな俺の様子に気づいた。
「さぁ、行こう」
そう行って俺の手を引っ張って行く。
後ろ髪を引かれる思いで振り向こうとすると、背後から姉さんの血を吐くような叫びが。
こ、怖い…。
ただのヒステリーであるクインシィの怒鳴り声なんて煩いだけだけど、嫉妬心が外に噴出した
姉さんの叫びは血も凍るような恐ろしさだ。

コレじゃダメだ。
まだまだ準備をしていないけど「計画」は前倒しの必要がある。
それもたった今から…。

280:名無しさん@ピンキー
05/06/18 22:37:24 mYaRLVjC
キタ━━(゚∀゚)━━!!!!!
さすがユウww黒いな

281:名無しさん@ピンキー
05/06/19 00:29:29 pNlukF/m
勇の黒さは血の黒さ。

282:名無しさん@ピンキー
05/06/20 01:04:00 V/rHU/BT
修羅場の予感

283:名無しさん@ピンキー
05/06/20 06:37:11 0FjTLw1C
>俺は今、姉さんの目の前でクインシィとイチャついてる

??

クインシィ→カナン
と脳内変換しておけばいいのかな?

284:End Of The Night Yu-U
05/06/25 22:02:31 eVSPCrXe
「ちょ、ちょっと、カナン?」
妙に積極的というか、ムキになっているカナンに声をかける。
「…」
答えはない。
まさか俺と姉さんのことに気がついたわけでもないだろうけど、何か変だ。
そのまま俺を、人気のない空きブロックまで引っ張って来た。
「どうしたんだよカナン、もう少しバカ姉貴をからかっ…」
「そんなことどうでもいいわ」
いきなりカナンは俺の身体に両脚で挟み込むように体重をかけて押し倒し、そのまま腹の上に
座る。
しかも手四つで両手の動きも封じる…ル、ルー・○ーズ・プレス?
触り心地も、顔の埋め心地も、ついでに挿れ心地もいい尻の感触が腹に。
「な、何だよ、こんなとこ誰かに見られたら…」
まあ誰かにって、ぶっちゃけ他の人間はどうでも良くて、もし姉さんが追っかけてきたら怖い
だけなんだけど。
「いやなの…」
「え?」
「あたしとのこと、人に知られるの、嫌なの?」
カナン、俺の言うこと真に受けてしまいました。
そして次に彼女が口走った言葉は。
「いつでも、あたしを捨てられるように」
「バカッ、何言ってんだよ!」
ああ、関係を薄めていこうとするとこういう勘違いはされると思ってはいたけど。
実際に言われると結構腹が立つものでつい怒鳴ってしまう。
俺が君をどれだけ大事に思っているか、君にはわからないのか?
他人に知られるくらい何が嫌なもんか。
俺はただ姉さんに見られて嫉妬されるのが嫌なだけなんだ!
そんな俺の男心を理解してくれないカナン。
不信感に満ちた目を俺に向けてきた。

285:End Of The Night Yu-U
05/06/25 22:03:44 eVSPCrXe
「だったらなんであんなに焦るのよ」
「…そ、それは…」
…姉さんが…。
「必死だったじゃない」
「…だ、だから…」
…怖いだけで…。
「答えて、ユ…キャッ」
突然悲鳴をあげるカナン。
「え?」
しまった。
駆け引きをしつつ腹でカナンの絶品ヒップの感触を味わっているうちに、身体が勝手に反応
して、俺の自慢のチャクラソードが元気良く立ち上がり、カナンの尻を突いてしまった。
「ユ、ユウ…」
恥らっているカナン。
そりゃそうだよな。
いくら何度も俺に抱かれたとは言っても、こんな時に勃ちあがった物を身体に押し付けられ
たりしたら。
とりあえず気まずさを誤魔化すように。
「カ、カナン、ど、どいてくれないか、こんなところを見られたら…」
「見られたらどうだっていうの…」
「え?」
取り繕うような言葉が、カナンに遮られる。
ああ、ここは詭弁を持ってペースを変えるしかない。
さっき決断したんだからな。
カナンの豊潤な肉体がしばらく抱けないなんて名残惜しいけど、それに溺れて大局を見失って
はいけない。
俺の目標はカナンと姉さん、両方と仲良くすると言う実にささやかながらいざ実現するとなる
と意外と難易度の高いことなんだから。


286:名無しさん@ピンキー
05/06/26 01:32:51 MIE5TjPx
すげえぜユウ
なんて計画的な奴だ

287:名無しさん@ピンキー
05/06/26 13:40:11 usf0WGXw
どこがささやかな目標なんだよwwwwwwwwwwwwwww

288:名無しさん@ピンキー
05/06/28 18:33:19 5bF7p7Yf
GJ!!
いや、もうユウすげえよ。ホントたくましすぎるよw
このユウならジョナサンでさえ相手にならんわな。

289:End Of The Night Yu-U
05/07/02 19:56:00 buofUHBv
「わたしはかまわないわよ、ユウは嫌なの?」
かまわない、か。
何をどうかまわないのか、目的語が欠けてるよね。
もちろんカナンの言ってることは俺にはわかっている。
このまま抱き合ってるところを他人に見られてもかまわないってことだ。
場合によってはキスくらい含むかもしれないな。
でも、はっきりと言ってないんだから、俺が誤解しても仕方ないよカナン。
誤解したフリ、しちゃおっと。
「かまわないって、カナン…そんな趣味が?」
「え?」
俺の言葉の意図が掴めないのか、カナンがきょとんとした顔になる。
可愛いんだよな、こういう顔した時のカナン、普段の大人びた感じと違って。
カナンが「この場でセックスしてもかまわない」と言ったと俺が誤解した、まあ正確には
誤解したフリなんだけど、とにかくそう取ったと悟ったのは数十秒後。
カナンの顔にどんどん赤みがさして来る。
「ち、違うわよ、何考えてるのユウ!大体こんな時にそんなに興奮したりしてっ!」
恥ずしいのか、叫びだすカナン。
ついついチャクラソードを大きくしてしまったことまで今頃糾弾ですか。
そうとう混乱してるね、これはチャンス。
「いやらしいわっ!」
はい、いやらしいです俺。
「わかった…」
再び、誤解したフリ。
今度はどう曲解(したふり)とのかすぐに言ってみる。
「要するにカナンは、俺がカナンの身体だけが目当てだと思ってるんだ」
おい。
いま少し動揺してなかったカナン。
まさか、本当におれが「体目当て」で君と付き合ってると、チラッとでも疑ってるってこと
なのかな?
少しショックだな、カナンがほんの少しでもそう考えてるなんて。
そんなこと夢にも思われないように色々と段取りしてるのに。
これは早めに計画を発動させて正解だったかもしれない。

290:End Of The Night Yu-U
05/07/02 19:57:02 buofUHBv
俺は君自身が好きなんであって。
君の素晴らしいカラダを堪能するのはあくまで君と付き合うことに付随するオマケでしかない
と言うのに…。
…ま、おまけにしてはあまりにも素晴らしく美味しいことだけどさ。
「…わかったよ、カナンがそう思うなら…」
しばらく、抱いてあげないよカナン。
本当はもう少し間をおいて、ゆっくりと間隔を開けていくつもりだったけど。
「もう止めようか…」
俺のことを少しでも疑ったお仕置きだ。
今日からいきなり禁エッチ期間に突入だ。
前はいざ知らず、俺にいろいろと「開発」された身体。
どの程度我慢できるか、楽しみにさせてもらうよ。
カナンを乱暴にならない程度に引き離そうと、ゆっくりと立ち上がろうとした瞬間。
「あっ」
カナンが俺の身体の上から転げ落ちそうになる。
「おっと」
慌てて抱く止める。
どうしたのカナンそんなにショックだった?
ふふふっ、君って存外いやらしい女だね、まあ俺がそうしたのかもしれないけど。
ン?
カナンが不意に、俺の首に腕を回して抱きついて来た。
「そんなこと言わないで…」
ちょっとちょっと、なんて潤んだ目で俺を見るんだ?
そんなに俺に抱いてもらえなくなるのがイヤなわけ?
いやーっ、カナンにそんな風に思って貰えるなんて男冥利に尽きるよ。
思わず顔が緩みそうになるのを、意志の力で堪えて。
「…でも、嫌なんだろ?」
意地悪な質問をする。
だって君は俺を完全に信じてくれなかったんだ。
そう簡単に許してあげないよ。


291:名無しさん@ピンキー
05/07/02 21:24:03 YH8mr+Ld
GJなんだけど…なんか作者変わってない?

292:名無しさん@ピンキー
05/07/02 23:05:28 sOnAThAm
GJ
若干違う希ガス

293:名無しさん@ピンキー
05/07/03 01:15:38 iK+KpJoX
ユウ視点ということで意図的にノリを変えてるんだと思うが

294:名無しさん@ピンキー
05/07/03 04:41:18 mxVtrkL+
なるほど、タイトルが示しておるわ!

295:名無しさん@ピンキー
05/07/05 12:18:15 rOQmZqwK
GJ!
最初はカナン視点だったからね。ユウがホント何考えてるのかわからない究極の腹黒キャラで
カナンいったいどうされちゃうのー!?みたいに思えてたんだけど、
いざユウ視点になったら思ってたより何つーか、こう
>はい、いやらしいです俺 が全てのキャラだったって感じでまさにエロパロなんだよ実は!
という作者さんの最初からの思惑なんじゃないかな。途中で路線変更したのかもしれないけどね。
長文スマソ。

296:名無しさん@ピンキー
05/07/06 23:50:51 402j/bHT
俺らの予想が暴走しすぎてただけって気もするけどなw
それにしてもカナン視点もユウ視点も面白いw

297:名無しさん@ピンキー
05/07/07 10:42:28 BnBR9Aeg
カナン視点の時点でユウの思惑は後から明かすと既に予告されてるから全部予定通り

298:名無しさん@ピンキー
05/07/07 10:51:07 0y0a9YJp
ユウ「予想どおり…すべて予想どおりだ」

299:名無しさん@ピンキー
05/07/08 00:01:48 7F11rFwF
>>298
なんか堕ちたカナンを抱きしめながら
「計画通り」
とかいうセリフを夜神君なみの表情でつぶやいている勇の顔が思い浮かぶw

300:End Of The Night 作者
05/07/09 23:12:09 Q1hXa+Rt
作者(脳内)海外取材のため休載します

301:名無しさん@ピンキー
05/07/09 23:14:34 EdpkqSNI
早く帰ってきてね!
ぐっとラック!

302:名無しさん@ピンキー
05/07/10 00:23:22 wzfppIMw
ぶっちゃけもう飽きたんでもういいです
それとここは貴方の日記帳ではありませんよ?
正直うざいんでマジ勘弁してください

303:名無しさん@ピンキー
05/07/10 01:22:09 VBG773Bd
プッ
SSと連絡事項以外は何も語らない職人しかいないスレで何その煽り?
スレをよく見て煽り文句くらい変えようねw

304:名無しさん@ピンキー
05/07/10 01:36:04 IJ0zejKc
そのSSが日記だと、未成熟なコミニケーション能力で必死で伝えてるんだよw
察してやれよ、可哀想な子なんだ。

305:名無しさん@ピンキー
05/07/10 01:49:32 GWn6MhQp
ま、スレを私物化するのも程々にな?
自サイトでやれや

306:名無しさん@ピンキー
05/07/10 03:05:38 YjBnOYwD
ブレンパワードDVD買ってきて観てるが、
ブレン可愛いなあ。ブレンに萌えてきたよ。特にユウブレン。

307:名無しさん@ピンキー
05/07/10 03:29:33 VBG773Bd
>>305
だからさ。
SSスレでSS書くのが何でスレの私物化なんだ?
よくある職人と常連の馴れ合いレスの応酬があるようなスレで通用する煽りが
どこでも通用するわけじゃないんだぞ。
意味の通る言葉を書いてくれないと煽りにもならないって。
素直に「ツマンネエ、ヤメロ」とか書けばいいのに、無理に正論ぶろうとするから
赤っ恥かくんだよw

308:名無しさん@ピンキー
05/07/10 03:51:46 bMy00oT1
投下が自分しかないのをいいことに
まるで自分の庭みたいな振る舞いで調子に乗んなってことだよ
読解力の無い低脳君w
あと細切れ投下でこっちの顔色をいちいち伺うような姿勢も虫酸が走る
ぶっちゃけ
「うざいからやめろ」

309:名無しさん@ピンキー
05/07/10 04:54:43 0X3hH0pG
         _,,..,,,,_,,
        ./ ,  /⌒-、__ 
       /l ,3 /      /
         `'ー-|___/ナツトウライ

310:名無しさん@ピンキー
05/07/10 06:43:37 QWzvJX44
この手の荒らしの文言って、ホントに独創性が無いよね。
どっかからのコピペなのか?

311:名無しさん@ピンキー
05/07/10 11:14:19 IJ0zejKc
一人マジレスしてる奴もいい加減にしとけと。
2ちゃんなれしてないのか知れんが、ID変えまくってるくせに複数装う演技も出来ない奴にむきになってどーすんのw

312:名無しさん@ピンキー
05/07/10 17:16:49 MWvQTXvc
わかった。俺が脱ぐ

313:名無しさん@ピンキー
05/07/10 21:18:10 JsLFYu93
じゃあ俺も。

314:名無しさん@ピンキー
05/07/10 21:34:49 N/PCCXoi
糞スレ晒しage♪

315:名無しさん@ピンキー
05/07/12 04:17:03 LYUDdtiF
すごくあたまのわるいこがまぎれこんでますねw

316:名無しさん@ピンキー
05/07/12 05:39:54 Qw6ICVkL
うざい書き手が自ら退場してくれてせいせいしたよw
これでようやく創作に打ちこめる。
正直目ざわりだったんで本当に良かった。
お願いですから2度と来ないでくださいね?

317:名無しさん@ピンキー
05/07/12 12:20:02 7rlSy/K/
          _,,..,,,,_,,
        ./ ,  /⌒-、__ 
       /l ,3 /      /
         `'ー-|___/ホイ、ホイ、エロスエロス。

318:名無しさん@ピンキー
05/07/12 20:54:32 gjogK3nb
わかった、広げればいいんだな?
満足か!脱いで広げればいいんだな!

319:名無しさん@ピンキー
05/07/16 07:29:57 JLqjiAG0
久々に来てみたら……何故そのような口が邪悪な心で言えるのです!

これで職人さんの手が止まってしまわないか心配だ。
中断してる方々のも続きが気になるし。

あと、>>318のセリフが依衣子姉さんのものだと考えたら激しくエロス


320:名無しさん@ピンキー
05/07/16 14:41:33 enQxlttw
ホントだ、すげぇ!>>318の台詞が輝いて見える!!!

321:名無しさん@ピンキー
05/07/16 15:27:46 CGrRobDC
>>319
お前頭良いな!

322:名無しさん@ピンキー
05/07/16 19:44:26 VWzu2g5n
>>318の書き込み主ですけど、そういう読み方できるおまいらGJ

うーんクインシィが逆上して言ったと考えるとその後元に戻ったときの姉さんの表情を考えると萌える

(;´Д`)ハァハァ

323:End Of The Night Yu-U
05/07/16 19:45:21 HuHK5hsA
「ユウのこと、そんな風に思ってなんかいないよ…」
またまたーっ、チラっとはそう思ったんでしょ、あの動揺は。
俺が君の身体だけが目あてだって、一瞬疑ったんでしょ?
ふっ、いいよ、これからはもうそんな邪推は欠片も浮かびはしなくなるんだから。
「…お願いだから、そんなこと言わないで…ユウと別れたくない」
え?何を言い出すんですか?カナン・ギモスさん?
何か、話が食い違ってないか?
そうか、やめようとか、イヤなんだろとか、俺たちの付き合いそのもののことだと
思ったんだなカナン…。
そんなわけないだろ…。
「別れる?何の話?」
その俺の言葉に、カナンは意外そうな顔をしたけど、とにかく俺に別れるきがないこと
を理解して、安心したように大きなため息をついた。
それから改めて俺に向き直る。
「じゃあ、止めようって、何を?」
誤解が解けたようだね、なら作戦第一段階、改めて始動。
「何って、カナンの身体が目当てじゃないって証明するって言ったろ?」
きょとんとした顔になるカナン。
大人びているけど、こんな時の顔にはと幼さが垣間見えて可愛い。
セクシーで、可愛く、健気で、でも包容力もある。
こんな女、簡単に手放すわけにはいかない。
そのために、俺は笑顔のままで血を吐くような一言を言った。
「もう無理に俺とセックスしなくたっていいよ、カナン」
それを聞いた途端、俺の首に回っていたカナンの腕から力が抜け、離れていく。
相当ショックなの?
おれとのセックスが出来なくなるのが?
ふふふ、意外とエッチだねカナンは、でもね…
本当に辛いのは俺なんだよっ!

324:End Of The Night Yu-U
05/07/16 19:46:05 HuHK5hsA
カナンの瑞々しい肉体を味わうことが出来ないなんて、多分しばらくの間、俺は毎晩
禁断症状を起すかもしれない。
いや、きっと起こすはず。
「別に俺はカナンを抱きたいから会ってるわけじゃない、カナンといると安心できる
からなんだ」
嘘じゃない、抱きたいから会ってるわけじゃない。
でも抱きたいのは確かなんだよ…。
「これからもカナンとはできるだけ一緒にいたい」
そう、一緒にいるのは嬉しいさ、だけど…。
「だから今までどおりカナンのところに行くし、カナンの方からも俺のところへ来て
ほしい」
不安は残るんだよな…。
「だけどカナンが嫌なら、これからはああいうことはナシにしよう」
俺からこんなことを言い出しておきながら。
「俺の気持ちが真剣だって伝えたくて、色々としてきたんだけど…ごめんねカナンの
気持ちも考えないで…嫌だったのに、俺を喜ばせようと我慢していたんだね…俺って
こういう性格だろ?なかなか人の気持ちって察せなくてさ、カナンがわざわざ気持ち
よさそうな演技までするから、てっきり喜んでくれてると勘違いしたよ」
あくまでカナンが俺との肉体関係は望んでいない、と勘違いしているふりをして。
しばらくはプラトニックな関係を保つ。
俺が決して身体目当ての軽い気持ちじゃないと心底からわからせると同時に、渇望状態
に陥ったカナンに自ら俺に抱かれることを請わせる。
それによって俺たちの関係は強固になりつつも、俺のイニシアチヴはまし、多少姉さん
といちゃいちゃ…もとい仲良くしても疑われないし。
万一不満に感じても、身体でそれを黙らせることの出来る関係を構築できる。
成功すれば、まさに願ったり、かなったり。
けれどそのためにはカナンを抱くことをしばらく禁止するという苦行を自らに課すこと
になるんだ。
それも会わないんじゃなく、普通に一緒に過ごしながらセックスだけ我慢する。
耐えられるだろうか、俺に…。


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