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>>508
延好という旅の僧が、立山に参籠していたある夜、若い女と遭遇した。
僧は怯えたが、彼女が告げて言うには、自分は京の七条付近の出身で父母兄弟は今もそこ
にいるが、自分は若くして死に、地獄に堕ちた。
ところが、自分は生前、祇陀林寺の地蔵講に参ったことが一度あるだけなのに、地蔵が昼夜
三回来て地獄で自分の苦しみを代わってくれる。
彼女は僧に自分の姿を父母兄弟に伝えてくれるように頼み、彼は上京してそれを果たした。
父母らは仏師を雇って地蔵菩薩を造り、法華経三部を書写したうえで、亭子院の堂で大原の
浄源を講師に頼んで法会を営み供養した。