07/06/12 19:08:16 go6zFvPD
猛虎姉と大角煮人
猛虎姉にはたくさん憧れるものがある。そのひとつが、特撮ヒーローであった。
そして今宵のお話しは、虎の穴星雲からやってきたとあるヒーローの小さな活躍についてだ。
「はい、はい、ありがとうございました！ 」
携帯電話をしながら、何度もおじぎをする猛虎姉。
なにをそんなに喜んでいるのだろうか、と揚妖狐は首と尻尾をかしげた。
長い長い電話の間、じゃまになるだろうとはしゃぐ猛虎姉の姿を、揚妖狐はもどかしく見つめていた。
あまりに長くてせんべいを食べ始める揚妖狐。しかも彼女のこだわりなのか、表面をなめるだけで齧ったりしない。
ただ、純粋にしょうゆ味を楽しむだけだ。やがてふにゃりとなったせんべいを、「バリッ」という音も立てずモムモム食べる。それがこだわりであった。
結局、そんな果てしなくスローペースな食べ方において二枚分もの時間を、猛虎姉はひたすらおじぎしていた。