07/03/07 11:20:23 PcM5RE1i
遅いシャワーを浴びた二人はリビングで向かい合って座り、コーヒーを飲んでいる。
少し憮然として呆れた表情の美樹と、何処かおどおどとして落ち着きの無い健一。
「まったく、健にぃは… 吸血鬼やないんやからさ~」
「いやぁ~ ほんとに自分でもよく分からん」
美樹の首筋には絆創膏が貼られている。 健一が噛み付いた痕がくっきり残っている為、それを隠す為の処置だ。
「中で思いっきり出すしさ~」
「うう…、スンマセン」
「子供出来たらどーするんよ」
「…産みたかったら、俺、ちゃんと責任とるぞ?」
「………まぁ、それやったら 別にいいケド… って そんな簡単な話ちゃうやろ!」
思わず流され掛けて持ち直し、ぴしゃりと叱り付ける美樹。
950:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/03/07 11:22:56 PcM5RE1i
「お前にその気があるんなら、家出て一緒に暮らしてもいいぞ? 俺は」
「…本気?」
真剣な表情でそんな事を言い出す健一に、美樹は戸惑いと喜びとが入り混じってよく分からない気持ちになる。
まだ学校にも通っている身でそういった具体的な話は、実感が沸かない為に如何ともし難い。
「まあ、イザとなったらその位の覚悟はあるぞって話だ。 どうも俺、美樹の事が本当に好きみたいだし」
「!…なっ そ、そういうコトを サラッと言うかな~ もぉ~」
紅くなって俯き、ニヤける口元を愛用のマグカップで隠しながら、美樹は呟くように言った。
「あたしも… 健にぃのコト 本当に好きやったみたい」
「…そ、そうか …ははっ 変だな俺達。 兄妹なのにな?」
「そうだね…」
「…うん」
951:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/03/07 11:25:38 PcM5RE1i
それっきり、会話は無くなった。 そろそろ両親が帰宅する時刻だったので、二人はどちらからとも無く席を立つ。
其々の部屋へと別れる廊下を歩きながら、健一が言った。
「まぁ、今は それで良いんじゃないかな」
「? それって?」
「俺はお前の事が好き、お前は俺の事が好き。 だからお互いに好き。 今はそれで良いんじゃないかな」
「…うん、そうやね」
美樹の部屋の前に着く。 健一の部屋は廊下の奥なのでもう少し先だ。
部屋に入る美樹におやすみのキスをねだられ、それに応じながら、耳元で囁く。
「可愛かったぞ …また、しような?」
「!っ も、もぉっ 健一にぃのエッチ!」
バタンッと扉を閉め、その扉に背中を預けながら、美樹は扉越しに了承の返事を返した。
聞えたかどうかは分からないが、求められれば応じてしまうだろうなぁと、子宮の疼きを自覚する美樹だった。
952:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/03/07 11:28:17 PcM5RE1i
ある晴れた日の日曜日、小野原 千鶴は駅前で恋人と共に親友の到着を待っていた。
今日は学生時代から計画していた”フォースデート”の決行日、新しく出来た遊園地で遊び倒す所存だ。
理力でも使うのかと下らない冗談を言う隣の日高を蹴りつつ、待ち人達の到着に目を光らせる。
「おまたせーー」
「遅れてすまぬ、って他は?」
長身でがっちりした体格の男性と、その腕にぶら下がるような格好で活発そうなショートヘアの女性がやって来た。
「よぅ」
「すみません、バスが混んでいたもので」
線の細そうな優男風の男性と、長い黒髪の美しい大人しそうな女性が連れ添ってやって来た。
二組のカップルの到着で途端に賑やかになる一帯、そこへもう一組。
普通の大学生風の男性と、大きなリボンで括ったポニーテールを揺らしながら走る女性。
953:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/03/07 11:30:44 PcM5RE1i
「もぉ~ 健にぃが何時までも食べてるからやでっ」
「全部食えって言ったじゃないか」
口喧嘩をしながらも 手を繋いで走ってくる千鶴の親友とその兄。
二人は千鶴達の姿を見つけると、笑顔で手を振ってきた。
友人の皆も振り替えす。
四組のカップルは皆、幸せそうだった。
~END~
954:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/03/07 11:33:54 PcM5RE1i
これにて終了~
URLリンク(uproda11.2ch-library.com)
955:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
07/03/08 00:50:22 Sv9Mc2Lh
|`・ω・´) >>954 完結乙です!
1ヶ月空いて新作投下。 ↓
956:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
07/03/08 00:52:39 Sv9Mc2Lh
例えば僕らが街中ですれ違ったとしても、
君は気付かずに過ぎ去っていくんだろう。
覚えていないのも当然か。
君が物心付く前に、僕ら兄妹は離れ離れになったから。
呪うは運命の女神。
愛すべきは君に気付いた僕自身。
誓うは最愛の女性へのドミナント・フェイス。
957:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
07/03/08 00:54:52 Sv9Mc2Lh
例えば君が僕に気付かず過ぎ去っていっても、
僕はそこに立ち止まって涙を流すだろう。
理解されなくてもいい。
この胸を焦がす、背徳の焔の朱の色を忘れない。
冷めた親のエゴイスト。
何を吹き込まれようと忘れない。
僕が愛した最初で最後で最愛のミッシング・ピュア。
958:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
07/03/08 00:58:19 Sv9Mc2Lh
この白黒の街中に散らばった色とりどりのビーズの、
その数多の宝石の中から君色を探し当てる物語。
俗物の♂には同じ色にしか見えないだろうが、
俺には見えるんだ、あの輝きが。
幾度見失い、それを手放そうとも。
幾度となく、僕は君を見つけよう。
――君の宝石がジャンクになっていようとも。
959:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
07/03/08 01:00:33 Sv9Mc2Lh
僕の周りに寄ってくる♀を振り切ってでも、
求めるのは妹という名のラヴ・ドール。
アンタらには到底理解できないだろうが、
俺には見えるんだ、僕らを結ぶ赤い糸が。
幾度引き離されようとも。
幾度も引き寄せ合うんだ。
――その赤い糸が騙られたダミーだとしても。
960:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
07/03/08 01:02:38 Sv9Mc2Lh
例えば僕らが街中ですれ違ったとしても、
君は気付かずに過ぎ去っていくんだろう。
――その展開がすでに偽者、白黒のフェイス。
例えば君が僕に気付かず過ぎ去ろうとしても、
僕は迷うことなく君の手を握るだろう。
――迷うなんて展開自体が、逃避のフェイク。
961:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
07/03/08 01:07:42 Sv9Mc2Lh
…以上です。しかし1ヶ月物も考えず生活すると勘が鈍りますね('A`)
3月になって余裕…かと思いきや決算じゃないですか奥さん(;゚д゚)
あれやこれやと書類を漁る日々を送っております。風邪?当然引きましたが何か?
今月中にもう1本くらい納得の行く1本を書いて投下したいところ!ヾ(o゚ω゚o)ノ゙
昔の作品でも感想とかあったら飛び跳ねますwww(ι゜ω゜)
962:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/03/13 00:01:54 aEZAgSVm
保守
963:z33
07/03/15 21:33:01 pei7QB1c
絶対★妹至上主義!!
964:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/03/21 09:20:35 c1BoF0Vx
ほしゅ
965:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/03/23 00:56:26 RlZKTxKt
まったく……
兄さんは私がいないと何も出来ないダメな人なんですね…
えへへ…
966:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/03/24 18:10:05 KK0hYpID
>>965
URLリンク(akm.cx)
ゴホゴホ…
967:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/03/25 09:38:01 kAnNeFnf
これが、副作用の幻覚というやつか…
968:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/03/25 09:52:01 SKyuPp8Z
タミフりゃぁああ!
969:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/04/01 15:36:20 P2Cn15UF
保守
970:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/04/04 01:28:11 MVeeTePP
URLリンク(www.sweetnote.com)
971:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/04/06 11:10:45 3A3OI0vO
URLリンク(up.mugitya.com)
URLリンク(up.mugitya.com)
972:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/04/07 04:15:07 xl7YIjcc
ホシュ
973:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/04/07 16:42:10 flnrBNWs
>972 ホシュたん乙
974:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/04/09 21:52:08 Fw9JktGg
不覚にも吹いたwww
URLリンク(imihu.blog30.fc2.com)
975:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/04/10 06:40:23 Ap1L2MfL
>>974
でっけぇかなでっけえかなw
976:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/04/15 09:30:25 CxX6XtaJ
キモ姉&キモウト小説を書こう!
スレリンク(eroparo板)
いいぞいいぞ
977:lim → 五日野梟 ◆yD.LvL/296
07/04/16 01:54:51 B8nL0xxG
暗闇怖さに豆電球を消さない妹の部屋はカーテンを閉めてもうす明るいから、
音を立てないようにゆっくりと、ほんとうに、自分で自分が止まっているのでは
ないかと錯覚するほどゆっくりと、時間をかけながらドアノブを下げ、ドアを押
し、体を滑りこませて、あきれるほど速く打つ心臓の音を飽きるほど聞きながら
ドアを閉める、ずっと押し下げたままだったドアノブから静かに静かに力を抜い
ていく、抜いていって、離して、目を閉じる、それはせいぜい二十秒程度のほん
の短い、けれど心拍を数えるともう、50回も打っているほど長い長い時間、目を
閉じて、開くと、この部屋のなかにあるものすべてが、はっきりと見通せる。
978:lim → / 五日野梟 ◆yD.LvL/296
07/04/16 01:56:16 B8nL0xxG
それはたとえば、寝入ったままの妹の、洗い髪を乾かしてばらり広がった強い
髪や、前髪が額にかかる様、目元、淡い光を受けてわずかに影を落とす長いまつ
げ、じいと見ているとわずかにひくりとする小鼻、ふくりと力なく、指一本が入
らないくらいのすき間だけ開いた口元や、首筋から鎖骨への骨のつながり、パジ
ャマに覆われて歳のわりに張った乳房とすらりとした腹、それはほんとうに、あ
まりにもすべらかで、そのたるみ一つない腹の皮膚のすぐ下に薄く腹筋の張るの
を、触れなくてさえ見てとることができるほど美しい腹が、パジャマのズボンへ
入れた裾が寝乱れて露わになっているのも、そうして秘所を覆って太股から足指
まで、すべて見通せるという意味で、私がこうして、妹の部屋に忍びこむのが何
度目か、もう数えるのも止すようになってさえ、その美しさに私の鼓動はさらに
速まる。
一歩。足音を消すように履いた靴下のまま、冷たいフローリングを踏んで、一
歩が一歩で終わらずに、次々の一歩が私を妹に近づける。
あと1メートル。
979:lim → / 五日野梟 ◆yD.LvL/296
07/04/16 01:58:01 B8nL0xxG
ベッドの縁に立って、妹の肢体を舐めるように見た。夏の暑さにタオルケット
もかけない大雑把さが、普段の機敏さの影のようだった。
あと70センチメートル。
もうじきに手が届く、そう思うと耐え得ず、早くも腕を伸ばしている私がいる
。妹の上半身を覆うパジャマまであと5センチメートル。それを自由にできるま
であと15センチメートル。
40センチメートル。
これ以上近づくと、ベッドに乗らなくてはならない。私はスプリングを軋ませ
ないように、慎重に慎重に片膝を乗せる。体重をグラム単位で預ける、そうしな
がら妹のパジャマの上着のボタンを下から外している。妹は起きる気配もない。
30センチメートル。
片膝が完全にベッドに乗り、尻を預ける。安定した姿勢を手に入れてボタンを
外す手がかえって焦るのを相当な気力をもって押さえる。あくまでゆっくりと、
焦らすほどまでにゆっくりと妹の上着のボタンを外す、第2ボタンから上は最初
から止まっていない。ふさと布がこすれて、妹の胸の谷間からへそへ向けて、う
っすらと流れる細い線が見える、心臓がとくりと深く打ったのを私は自覚する。
980:lim → / 五日野梟 ◆yD.LvL/296
07/04/16 01:59:22 B8nL0xxG
30センチメートル。
妹の上着を両側へ、腕のほうへ寄せて妹の体を眺める。これほど美しい上半身
を、私は知らない。形よく膨らんだ胸の下をなだらかに流れる腹部。肋骨はわず
かに起伏をつくるだけで、まったくその造形を阻害せず、ただみぞおちから腹に
かけての少しく窪んだ部分への、それは見事なスロープによって隠されるのだが
、段差を形作るのみにとどまる。乾いたままでこれほどまでに艶やかに光る、水
分を含んだ恐ろしいまでに透明な肌。私は思わずかがみこんでまじまじと眺める
。20センチメートル。
そうしてまた、ズボンとショーツに隠されて見えない、下腹部から恥丘へ向け
ての曲線は、しかしそれらを覆う二重の布によってかえって強調される。私は妹
のズボンを、そうしてショーツを少しだけ下げる、腰骨が見えるところまで下ろ
してそのままにする。そこへ続く曲線が露わになる、そうしてそこへ続く肌も。
15センチメートル。
981:lim → / 五日野梟 ◆yD.LvL/296
07/04/16 02:00:11 B8nL0xxG
触りたい欲望をこらえたまま私は妹の腹部をただ眺める、逸物などとうに勃起
している。手指はあくまで妹の腰の両側へ下ろし、私の体重を支えさせる。息を
止める、顔を近づける、礼拝するような心持ちにさえなる。妹の腹は何故こんな
にも美しいのだろう。8センチメートル。
触りたい、と改めて思う、同時に触ってはいけないとも改めて。堪らないほど
興奮している、心拍と逸物が裏付けている。息をしない喉が苦しい、しかし体感
する時間が次第にゆっくりとなっていく感覚が、私を窒息の恐怖から解放する。
6センチメートル。5センチメートル。4センチメートル。3センチメートル。ああ
、もう三十分も経ったろうか。そんなはずはない、未だこの部屋に入ってから5
分も過ぎていないと思う。2センチメートル。
982:lim → / 五日野梟 ◆yD.LvL/296
07/04/16 02:01:48 B8nL0xxG
次第に思考すら追いつかなくなってくる、4ミリメートル、3ミリメートル。
ああ、もう、2ミリメートル。
ほんとうに、
1ミリメートル。
この唇で、
0.5ミリメートル。
妹に、
0.1ミリメートル。
触
983:lim → / 五日野梟 ◆yD.LvL/296
07/04/16 02:03:10 B8nL0xxG
衝撃とともに、急激に体感時間が加速するのが分かった。私は弾かれるように
上体を起こした、ベッドをぎしりとも言わせないままに。
予めコンドームをかぶせてあった私の逸物はびくびくと震えて私の精を放出し
ていた。私は荒い息をついた。深くゆっくりと、しかし確実に荒かった。私は息
を整えると、情けない格好のまま妹の服を戻して、入るときよりは随分とぞんざ
いに妹の部屋を出る。コンドームを結わえて捨てた。
「おはよう」
妹が起きてきて、私は朝食を食べている。ブラジャーしかしない上にセーラー
服を羽織った妹の腹が折に触れてのぞく、そのたびに私は妹の腹へどうしても目
をやる。妹が朝食を食べる、歯を磨いて出ていく。私はまだ勃起している。
: "lim → " 終
984:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/04/16 18:13:10 8ukBxU2K
>983
GJです
なんかなまなましくてエロいです
985:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/04/16 23:39:14 jdChCGJu
物理的には
lim d(兄妹間の距離)
d→0
なのだろうけど、兄の心の中は
(兄妹間の見えない壁)
lim ─────
d→0 d
なのかも。兄の心の傾きが見えるGJな作品です。
ちなみに次回作は「∫f(x)dx 」だろうか。
jealous
突如湧いて出てきた邪魔者、不定積分定数「C」と兄妹との熱い闘い…ダメだ俺にゃ∞年早いわ。
986:Joke Comes True ◆orz..c5K0U
07/04/17 00:18:45 Hlg/uUXh
兄妹間の距離と愛をε-δ論法で考察せよ(15点)