06/11/11 14:11:47 lXxezM0A
>>623
コテつけろNG対象
629:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/11 20:33:04 M2NwCwmx
628 名無したん(;´Д`)ハァハァ [] Date:2006/11/11(土) 14:11:47 ID:lXxezM0A Be:
>>628
コテつけろNG対象
630:三国 ◆V72uzrF0y2
06/11/11 21:51:39 0kDRyTWU
>>625
エロwwwww
631:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/11 23:07:43 0DBdglKq
>>625
体操服エロスw
632:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/12 13:57:17 5u8KrXNh
629 名無したん(;´Д`)ハァハァ [sage] Date:2006/11/11(土) 20:33:04 ID:M2NwCwmx Be:
628 名無したん(;´Д`)ハァハァ [] Date:2006/11/11(土) 14:11:47 ID:lXxezM0A Be:
>>628
コテつけろNG対象
633:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/12 21:10:08 4e8hEf0K
兄「コテつけろNG対象・・・か」
妹「兄さん、どうしたんです?」
兄「いや・・俺って実世界でもネットの世界でも他人と交流できない
だめ人間なんだなってな・・・」
妹「なに言ってるんですか兄さん。とれてるじゃないですかコミュニケーション。」
兄「?}
妹「私としてるじゃないですか。しかも好感度ばっちりですよ。
所詮仮想でしかないネットの世界より現実の方でできてるんですから
立派なものですよ。」
兄「そう・・・かな。」
妹「そうですよ。 さ、お風呂沸かしましたから入ってください。
背中流してさしあげます。」
兄「ああ。わかったよ。 ~~~♪」
634:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/12 21:13:53 4e8hEf0K
妹(>>628)「・・・・・思い通り!」
635:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/11/13 02:38:57 ge4WDKln
妹の書き込みだったのか!
636:三国 ◆V72uzrF0y2
06/11/13 23:19:54 TMIQirPo
兄「いやぁ、お前にああ言ってもらって何だか自信が出てきてさ
いろんな人と頑張ってコミュニケーションとってみたんだよ」
妹「………で、結果は?」
兄「友達が増えたんだ。女の子の友達も出来たんだぞ」
妹「へぇ……そうなんですか…」
兄「今まで女の子に縁がなかったのが嘘みたいだよ。いよいよ俺にも彼女が出来たりするのかな~」
妹「……ま、頑張ってください…
………兄さんを誘惑する女……許しませんよ……」
(ピポパポピポ……trrrrrrrrrrrrrr)
男『…Devil May Cry?』
637:三国 ◆V72uzrF0y2
06/11/14 22:26:15 c2fC2cN6
兄「ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ…」
妹「一心不乱に何を食べてるんですか?」
兄「…(モグモグモグ)…ポテ○ングだ」
妹「………私にも一本…」
兄「残念、さっきが最後の一本だ」
妹「……………(ジ――ッ)」
兄「………ハッ!まさか…」
妹「では……私は兄さんのポテ○ングを!」
兄「アッ―――!」
妹「ごちそうさまでした」
兄「シクシクシクシク…」
638:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/14 23:06:22 6926QYSl
>>637
妹さんへの質問
兄さんのうまい棒は何味ですか?
639:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/15 16:49:27 xj+/Rt0F
過疎ったな…
640:向230@携帯
06/11/15 18:21:41 ZYNdagmw
一週間後にはSHのアルバム発売か…
すんません仕事片付かないんです(´・ω・`)
来週までに一つ投下できたらいいなぁ…
641:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/15 22:07:20 ATRHox9i
気にすんな。そんなに寂しいなら、明日にでも俺が呪い殺してやるから
642:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/15 22:27:51 kchlorKh
駄小説
643:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/16 18:53:35 y7Yd50ZR
てst
644:彈正 ◆YJAJzJVg5c
06/11/16 23:51:49 XHnkmE7d
浩二(兄)「もうすぐ1年も終わりかぁ、時間が経つのはあっという間だぎゃ」
留衣(妹)「お兄ちゃん、その前にクリスマスがあるじゃない、一年で一番楽しい季節じゃん」
浩二(兄)「そりゃああんたはプレゼントをもらいよるだけだでな」
留衣(妹)「もう、そんなこすい(ずるい)言い方せんくたってええじゃんかぁ」
浩二(兄)「で、あんたは今年は何が欲しいきゃ?」
留衣(妹)「お兄ちゃん、クリスマスまで1ヶ月以上もあんのにムード台無しにする気なん?」
浩二(兄)「はぇ?」
留衣(妹)「普通、プレゼントって自分で考えた物を相手に贈るの。相手に尋ねてどうするの」
浩二(兄)「ああ、そうだったんね。うっかりわやぁする(失敗する)ところだったぎゃ」
留衣(妹)「・・・でも・・・強いて言うなら・・・うちなぁ・・・」
浩二(兄)「ほうれ、やっぱし欲しい物は前もって言うのが吉なんだぎゃ」
留衣(妹)「・・・うちは・・・うちは・・・お兄ちゃんの、カ・ラ・ダ♪」
浩二(兄)「・・・聞いて損したぎゃ」
645:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/18 00:28:14 T9Xiwf5L
いい感じに過疎ってきたな
646:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/19 10:09:32 4LALEBIp
もうここに用はないな
もう片方もあるし
647:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/19 11:59:10 nJF/4VY9
バイバイ、お兄ちゃん
648:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/11/20 07:00:28 +LOfeD4X
生存報告&保守
649:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/20 13:56:39 Xf0ljGN8
イラネ
650:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/22 00:40:32 5U/VPPQt
保守
651:三国 ◆V72uzrF0y2
06/11/22 17:45:59 3y0CRXIg
兄「ここも人が減ったなぁ」
妹「兄さんを誘惑しようとする女狐たちを全員消したからでしょうか?」
兄「いやぁ、静かなのもいいけどちょっと寂しい気もするなぁ」
妹「心も身体も兄さんの愛の奴隷の私をナンパしてきた男共もみんな消したからでしょうか?」
兄「…………」
妹「(ニヤリ)」
652:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/25 21:35:04 web2yy+j
もう少し待ってみよう、誰かが来るまで…
653:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/25 22:29:24 BIPjAQm5
ノ
いや、来てみただけなんだけどさ…
654:三国 ◆V72uzrF0y2
06/11/25 22:36:01 ORSEiLA7
妹「兄さん、今夜は冷えます」
兄「で?」
妹「一緒に寝ましょう、兄さん」
兄「まぁいいけどさ」
妹「うふふ、今日は心も身体もぽかぽかです」
兄(何か……微妙に寝付けないぞ…)
妹「(熟睡中)」
兄「………ま、いいか」
655:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/26 22:21:55 IHPXg0Nq
妹「兄さん、むにゃ~」
656:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/26 22:54:07 MZ6sY1RF
|・ω・`) …
|。∀゚) えちぃくない短編しか書けなくてサーセンwwwwww
↓
657:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/26 22:58:24 MZ6sY1RF
オルガンの音色が降り注ぐ、この大階段を走り抜けていく。
紅い絨毯を黒い銃弾の雨で破りながら。
屋上でこの曲を弾いている彼女を取り返す為に。
聴く者の精神を狂わせ、狂戦士へと変える音姫。
本来の姿、聴く者の心身を安息へと導く旋律の女神。
民の希望、そして、俺の妹。
俺の命に代えてでも、必ず取り戻さなくては――!!
658:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/26 23:00:46 MZ6sY1RF
目前に甲冑の騎士達が立ち塞がる。
その瞳の色は緑、その肌の色は朱、鎧の色は灰。
音色に耐え切れずに、精神を壊された木偶人形。
人外の叫びを上げながら振り下ろす一閃を避けて、
切り返した一閃で、音も無く首がずれ落ちていく。
決して減速することなく駆け続けていく。
659:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/26 23:03:00 MZ6sY1RF
思い返せば未熟だった自分の映像ばかりが巡る。
俺は大男に殴られ蹴られ、妹は犯された挙句に拉致され。
最後に妹の声を聴いてから、もう五年が過ぎた。
決して赦しはしない。
神の御名に於いてでも、魔王の威光に於いてでもない。
俺の怒りに於いて、あいつら全員殺してやる…!!
660:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/26 23:05:09 MZ6sY1RF
妹の為に全てを復習に捧げた兄。
素質の為に兄と引き離された妹。
これは、彼等が再び結ばれ合う『物語』。
訪れない朝が存在せぬように。
明けない夜もまた存在しない。
これは、暗闇を光へ変えた彼の『物語』。
661:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/26 23:07:50 MZ6sY1RF
オルガンの音色が降り注ぐ、この大階段を走り抜けていく。
もう俺の足を止められる奴はいない。
五年の歳月を越えて、俺は全てを取り戻すんだ。
音姫を在るべき姿に、俺達を在るべき居場所に。
もう決して離れないように…。
――これから紡がれるのは、彼等の幸せを謡う『物語』。
662:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/26 23:14:08 MZ6sY1RF
…以上です。僅かに残ってたえちぃ成分も凍り付きました。冬ですし。寒いですし。
早く雨から雪にならないかなぁ…('A`)
作品のほうはCDに引っ張られるような感じでアイデアは出てくるんですが、
えちぃのを書こうとするとリンカーンか遺体にあれこれな展開しか出てこないのですがどうしたもんでしょうか。
エロでグロでハラマセとか読み手の好み考えろよ、俺ヽ(`Д´)ノ
というわけで、眠気が襲い掛かってくるまで色々書こうかと。おやすみなさーい(´・ω・`)ノ
663:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/27 22:08:48 +hw2FuEd
230様におかれましては、たまには甘々エロエロなのを書いて欲しいですw
664:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/28 17:29:01 H32P6Ple
>>655
そんなお決まりの寝言いう奴はいねぇ~
よって655妹は狸寝入りケテーイ
665:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/28 22:24:13 K1eZDR6O
)、._人_人__,.イ.、._人_人_人
<´ マジレスしちゃだめっ !! >
⌒ v'⌒ヽr -、_ ,r v'⌒ヽr ' ⌒
// // ///:: < _,ノ`' 、ヽ、_ ノ ;;;ヽ //
///// /:::: (y○')`ヽ) ( ´(y○') ;;| /
// //,|::: ( ( / ヽ) )+ ;| /
/ // |::: + ) )|~ ̄ ̄~.|( ( ;;;|// ////
/// :|:: ( (||||! i: |||! !| |) ) ;;;|// ///
////|:::: + U | |||| !! !!||| :U ;;; ;;;| ///
////|::::: | |!!||l ll|| !! !!| | ;;;;;;| ////
// / ヽ::::: | ! || | ||!!| ;;;;;;/// //
// // ゝ:::::::: : | `ー-----' |__////
666:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/30 11:03:28 Gs6w8DIL
|・ω・`) …
|`・ω・´) >>663に応えて頑張って書いてみたよ!(今日は休み)
↓
667:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/30 11:06:17 Gs6w8DIL
静かな朝には外へ出て。
あなたと一緒に水を汲みに行くの。
薄い朝霧、眠る小鳥、淡い色をした朝陽。
他に欲しいものなど何もない。
あなたと…兄様と一緒に生きていけるのなら。
首輪の痣はまだうっすらと残っているけれど。
幸せな日々はきっとそれをも忘れさせてくれるはず。
668:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/30 11:09:03 Gs6w8DIL
闇深い夜には夢を見る。
延々と同じ曲を弾き続けた日々。
皮膚の色を朱に染め、瞳の色を緑へ変えて。
先刻まで泣いて争いを拒んでいた兵士達が、
敵を求めて外へ飛び出していく。
あの兵士達が奪った命。
それは、私が殺めてしまったようなもの…。
669:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/30 11:10:32 T4XuLDsx
リアルタイム支援
670:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/30 11:11:07 Gs6w8DIL
晴れた昼には歌を唄う。
向日葵畑の中で、あなたを探しながら。
歩く歩幅が抑違うから追い付けないけど。
唄っていれば、立ち止まっていてくれるから。
もう決して離れたりすることはない。
優しく微笑む黄色い花弁。
私の音色は、ようやく自由になれたのだと想った。
671:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/30 11:15:16 Gs6w8DIL
二人の世界で結ばれる。
五年もの歳月を越えて。
身体を合わせる事がこんなに心地良いなんて。
兄様以外、もう愛せない。
私の中に何かが流れ込んでくるのが分かった。
少し怖くて、凄く愛しかった。
最愛の人の子を宿せるということが。
672:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/30 11:18:29 Gs6w8DIL
静かな朝には外へ出て。
朝霧を越えて水を汲みに行くの。
私の右側にはあなたがいて。
私の左側には幼い手が遊ぶ。
最後まで首輪の痣は消えなかったけど。
この幸せな日々は、二度と消え去る事はないだろう。
――愛しいものと共に流れ続ける『物語』。
673:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/11/30 11:33:04 Gs6w8DIL
…以上です。>>669さんリアルタイム支援㌧クスです!ヾ(*゚∀゚)ノ゙
物を書く者として、長文になればなるほどgdgdになるという致命的欠陥があるのに
気付けば短編集が出来そうなくらい数だけは書いてたりしてます。かれこれ2年半分ほど。
初作「無魂真言」からもう2年半です。三国氏が参入してから2年半経ったともいいますね@w@
作風も昔と比べてがらっと変わってる気もしますし、温故知新で昔の作品も読み返してるところです。
2つの長編は年末ZIPで上げるペースで書き進めてます。ユイネとか御月とか(´・ω・`)
お昼時なので出かけてきます。また次の休日にお逢いしましょう( ・ω・)ノ
674:三国 ◆V72uzrF0y2
06/11/30 21:36:47 J45fHbxU
>>673
あま~~~~~~~~~~~~
くないぞ?wwwwwwwwww
675:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/30 22:48:56 kBiHLbex
>>673
エロエロが抜けてるです230さんwwww
676:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/11/30 22:57:01 AKJEQBIx
>675
HR描写で燃え上がるんだ
いや確かにもーちょっとえろえろよー分がホスィがw
677:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/03 00:37:35 hM66VCXq
保守
678:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/03 21:57:24 +rGomv1s
出勤前保守
書く時間が無い…(´;ω;`)
679:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/04 23:09:16 93nRjzSA
ホシュ!
680:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/07 13:42:39 UfOjThaS
保守
勤務形態がコロコロ変わったせいか、なかなか書けない…今書いてる
続きもアレだが、せめて最近恒例の元旦投下ぐらいは出来ればしたい
所…新ネタでいくか、それとも再び230&三国両氏を採用するか…
>673
>ユイネとか御月とか
密かに期待
681:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/10 01:04:09 43dOfIRp
保守
また過疎ってるな…
682:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/12 02:54:44 QY2fbXJ3
誰もいない…けど途中放棄はしない。
ということで久し振りに>472からの続きを投下します。
683:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/12 02:57:53 QY2fbXJ3
「え…兄ちゃん…お…おい…」
もう遠慮はいらない。俺は日向を抱き上げる。
「何だ?やっぱり嫌なのか??」
「そうじゃないけど…母ちゃんが来たら…」
「じゃあ部屋に行くか。」
「うぉ!ちょっと…わ…」
そして猛スピードで日向の部屋に向かい半ば強引にベッドに降ろす。
「おい、せめてもうちょっと優しく…ぎゃ!」
抵抗する隙を与えないように素早く背後を押さえそのまま両胸に
素早く手を伸ばす。
684:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/12 03:00:49 QY2fbXJ3
「ほほぉ…小さいけど、ちゃんと膨らんでるんだな。」
「うるせぇ!ちっちゃくて悪いか…あぁ!ちょっと…や…あん…」
軽く揉み解すだけでいとも容易く日向の抵抗が弱くなる。
「いやいや…俺は程好いサイズが好みでな。コレ位なら丁度いい
かもな。」
「この…ロリコ…ん…あん…駄目…んぁあぁ!!」
「お~ちゃんと勃ってるな。」
「摘むな…あ…や…や…駄目ぇ…止め…」
か弱い喘ぎ声はやはり立派な女の子そのもの。普段の男勝りな
口調とそれの入り混じる様に俺は興奮を抑えきれない。
「くぅ…う…後ろからなんて…ひ…卑怯な…」
685:支援 ◆orz..c5K0U
06/12/12 03:03:13 fWZG+MFw
(*・∀・*)
686:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/12 03:03:39 QY2fbXJ3
「ほほぉ…それはすまなかった。じゃあ…」
歯を食いしばり全身を強張らせる日向から一旦手を離す。
「これだから兄ちゃんは…あ…きゃあぁあぁ!」
上体が起き上がったのを見計らい俺は素早く右手を股間に滑り
込ませた。
「どうした?真正面から正々堂々攻めてやるんだ。文句有るか?」
「だ…だから…もっとスマートに…あぁ!」
「何を今更…」
「あ…ちょっと待った…あぁ…」
「待たん!」
687:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/12 03:05:52 QY2fbXJ3
一旦手を収めるフリをして再び股間に滑り込ませた。但し今度
はパジャマと下着の隙間を縫って指先は直接割れ目に到達する。
「そ…そんな…く…くあ…あぁ…」
「いいな…いつものお前じゃ見られんその表情。」
「あぁん…駄目…やだ…」
身体を支えきれずゆっくり膝元から崩れ落ちる日向。それでも
俺からは離れず逆に縋り付くように両手を肩に伸ばす。
「兄ちゃん…止めて…もう…耐えられない…」
少し涙ぐむような表情で日向が荒い吐息と共にか弱く囁く。
俺は予定通りに次の段階に移る。
「分かった…じゃあ次は…」
688:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/12 03:08:23 QY2fbXJ3
「あ…あぁ!そ…そんな…」
俺は指で割れ目をこじ開け前後に探りを入れる。
「こっちも大事だが…有ったぞ!」
「ひっ!」
「こうやって摘んで…中指で同時に穴を…」
「やだ…やだ…駄目…駄目ぇえぇ!!!」
「さっきから我侭ばっかりだなぁ~せっかくイかせてやろうっ
てのに…」
「そんな下手糞な…く…う…いやぁ!!!」
言い終わる前に俺は指先を押し付けグリグリと秘所を上下同時
に攻め立てる。
「んぁ…あ…んぁ…んぁ…」
689:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/12 03:10:24 QY2fbXJ3
俺の動きに身を委ね日向が虚空を見つめる。肩を握り締める力
が強まるが俺は屈しない。
「ほら…そろそろかな?」
「あぅ…んぁ…あぁあぁあぁ!!!」
大きな痙攣と共に日向が俺に倒れこむ。
「へへ…イッちまったようだな…。」
「に…兄ちゃんの…馬鹿ぁ…」
見様見真似だが予想外にうまくいった。やや意地悪な感じだが
こいつに遠慮はしたくないのが俺の本音だ。
「あ~あ、エラい事になってるな。」
690:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/12 03:12:46 QY2fbXJ3
半ば放心状態で脱力している日向を一旦ベッドに置き俺はそそくさ
とベルトを外し次の準備に取り掛かる。
「さぁ…次は俺の番だぞ。」
「兄…ちゃん…」
「んん?どうした??」
か細い声で呼びかける日向にそっと近づく。こうやって大人しく
なるとやはり可愛いもの。子供っぽく抱きしめてやりたい衝動に
駆られる。
だがそんな俺の思いとは裏腹に一瞬眼光が鋭く輝く。
「お…?わぁあぁ!」
「この…ど変態野郎がぁあぁ!!」
691:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/12 03:14:55 QY2fbXJ3
今晩はココまでにします。
久し振りなのにリアルタイムで食いついてくれたJCT氏に大感謝です。
感想・リクエストお待ちしています。
692:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/12 03:37:31 ulU7krm8
誰よりも早くGJ!
693:三国 ◆V72uzrF0y2
06/12/12 20:54:22 Rz0G3mqH
普段元気つーか正確キツめの娘さんが攻められてヘナヘナになる
そんなシチュエーションも好物の一つですw
まぁどりんか氏のことだからこの後は(ry
694:三国 ◆V72uzrF0y2
06/12/12 20:58:44 Rz0G3mqH
正確→性格
だから見直せっつーの俺…
695:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/12 22:08:32 w78mg97/
相変わらずエロ明るいなぁ、PCさんの話はw
696:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/12/15 11:10:20 jfQMiOko
>>687
URLリンク(2ch-library.com)
697:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/15 13:54:34 zMXwDxub
>>696(;´Д`)ハァハァ
698:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/15 19:56:58 F1zEj6Uq
>>696(;´Д`)ハァハァ
GJです。
699:PCD@夜勤
06/12/16 00:02:14 ZbEH8t6L
>692-696
レス サンクスです…っていうか人がいてよかったぁ!
>696(;´Д`)ハァハァ
脳内イメージに非常に近いキャラGJです!
700:PC・Drinker@勤務中
06/12/18 18:16:03 EIiu/qBh
保守
701:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/22 07:18:18 v+GwRC7w
誰もいない。保守…orz
702:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/22 09:00:14 EtK5ZlaS
スレリンク(newsplus板)
やりきれない…
703:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/22 21:56:36 TaaIq/Z7
ヤリキレナイ川
704:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/24 15:29:55 xYJCuzqA
久々にスレ帰ってきてみれば夏厨が涌いたり荒れたりしてて(´・ω・`)ショボーン
ロダだと流れるしスレとの関係とか判らなくなるし。
レスで書いてくれれば専ブラでまとめて管理できるし。
愚痴すまん
705:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/12/24 23:24:12 tIRhX+an
|・ω・`) …
|´;ω;`) 睡蓮にかかりっぱなしで新作書けてない…ウッ……
↓
706:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/12/24 23:27:01 tIRhX+an
星々を隔てる星座の河で。
叶わぬ夢と悟りながらも。
彼らは恋へ堕ちていった。
同じ場所から生まれた二人。
同じ場所へと再び沈む宿命。
再び廻り逢う事を願った。
太陽と月と星と花の物語。
707:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/24 23:28:00 TxU+QF0I
支援
708:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/12/24 23:29:53 tIRhX+an
地球という名の星があった。
あらゆる文明を平均的に成長させた代わりに、
宇宙への進出が最も遅れた惑星。
多くの科学者と一部の権力者は他星へ早々と移住し、
徐々に衰退していく生活水準に人々は更に離れていき、
残されたのは故郷に生きることを選んだ者達。
709:支援 ◆orz..c5K0U
06/12/24 23:32:27 zhCAQqY7
(・∀・)
710:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/12/24 23:32:32 tIRhX+an
火星という名の星があった。
厳重なる他星からの進入妨害の下において、
まったく新しい新生命の概念を創り上げた原住民は、
瞬く間に宇宙全域へと進出し、宇宙一の名誉を得た。
多くの他惑星からも移住者が殺到したその星は、
いつしか「第二の故郷」と呼ばれるようになった。
711:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/12/24 23:35:03 tIRhX+an
僕らは物心ついた時に、
身勝手な両親のせいで引き離され。
あれから十五年の歳月が経った今でも、
未だ逢う事すら許されないでいる。
こんなに近くて、こんなに遠い世界。
こんなに愛しく、こんなに曖昧な記憶。
嗚呼…叶うなら、今、この手の温もりを貴方へ――
712:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/12/24 23:37:45 tIRhX+an
星々を隔てる星座の河で。
流星は不規則に流れ続け。
決して最後まで残らない。
叶わぬ夢と悟りながらも。
流星に賭ける想いの様に。
元には戻れないとしても。
彼らは恋へ堕ちていった。
713:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/12/24 23:39:52 tIRhX+an
同じ場所から生まれた二人。
今再び、想いを重ね合って。
同じ場所へと再び沈む宿命。
神々にも止める事は出来ぬ。
全てを否定されたとしても。
再び廻り逢う事を願おう。
運命の女神に祝福された。
太陽と月と星と花の物語。
714:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/12/24 23:42:02 tIRhX+an
over there.
その記憶は、時を越えて語られ。
over their.
その想いは、時を越えて受け継がれる。
――全ての見えざる手と手を繋ぐ『物語』。
715:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/12/24 23:52:00 tIRhX+an
…以上です。結局クリスマス絡みの作品書けなかった(´;ω;`)ウッ…
年末のハードスケジュールで人がばったばった倒れていますが皆様どうでしょうか。
僕の職場では今月だけでもう4人ほど倒れてます。ヒィー仕事片付かないよどうしよう助けて妖精s(ry
他の文士様も毎晩ぶっ倒れてると思いますが無理せず書き進めていきましょー(´・ω・)b
どちらかというと年末年始直後に少し余裕があるのでもう1本投下したいと思ってます。
お屠蘇でエロエロ展開とかいうネタは僕には書けないと思うのでその辺はエロ担当の方におながいします(゚∀。)
でも年越しのサーバーダウンがあるだろうしどうしようかな…特にZIPうぷがすぐ流れそうで怖いです('A`)
今日はこの辺で。クリスマスプレゼントにもならない駄作でごめんよおおおおおお・゚・(ノД`)・゚・
716:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/25 00:29:41 bc10Xu7N
230さん乙です。
717:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/27 16:06:19 kmib3ctR
保守
718:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/30 03:55:33 YmavvAZC
ホシュ
719:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/12/31 10:15:33 N4ck8vB9
時計の針が刻む音だけが響く明かりの消えた暗い部屋、時刻は午前2:00を回ろうとしていた
省電力モードのエアコンの温風が部屋の温度を一定に保ち、冬でも毛布一枚で眠る事が出来る
その薄い毛布の中でじっと眼を閉じ、眠った振りをしながら今か今かと待ち続ける
昨晩は来なかった、一昨晩は徹夜でゲーム、その前の晩に来たのが最後だから
きっと今夜はやって来ると思う、昨日は一日中パソコンに向かってたし
どうせHなゲームをして欲求不満になってるに違いないのだ
カチャリ… と部屋のドアが開く音
きた…
「由紀?」
私の名前を呼ぶ…、そうやって寝ているかどうか確かめてるのだ
720:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/12/31 10:23:20 N4ck8vB9
「おーい、寝てるのか?」
寝てるよー
「…」
そーっと、私のベットに近づいて来るのが気配で分かる
直ぐ隣に居る… 顔を覗き込んでるみたい
頬っぺたをぷにぷにつっついてくる
ここで笑っちゃいけない、くすぐったいのを我慢して無反応を装う
721:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/12/31 10:27:07 N4ck8vB9
しばらく耐えていると熟睡してると判断したのか、ベットが少し沈んで顔に息が掛かる
あ…キスしようとしてるんだ
そう理解した瞬間、唇に押し当てられた柔らかい感触に頭がぽや~っとなる
凄くドキドキする…
スッと離れる唇の感触、思わず追いそうになるのを必死に抑えながら
規則的な呼吸を続けることに集中する
きっと顔は赤くなってると思うけど、暗いからバレてない
722:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/12/31 10:32:37 N4ck8vB9
そ~っと毛布がめくられる
ギシ…、とベットが沈んで身体が揺れた
私の身体を跨ぐようにベットに上がり込んで来たみたい
腰の両側が沈んでるから、ここに膝立ちしてるんだろうなぁと想像する
次はどうするんだろう? って思ってると、パジャマの上から胸を触ってきた
身体がビクンと反応するのを寝返りで誤魔化し、声を漏らしそうになるのを耐える
私が動いたのを警戒してか、軽く触れたままじっとしていた手が、ゆっくりと動き始めた
ブラも付けていないので手の感触と温もりが薄い布地を通して伝わってくる
甘い吐息が零れそうなのをなんとか規則的な呼吸に留めて熟睡中を演じる
723:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/12/31 10:35:59 N4ck8vB9
暫らく私の胸を弄っていた手が、パジャマのボタンを外し始めた
ぷつり、ぷつりと、上から順番に外されていく度に、私のドキドキが大きくなる
脱がされていく事に興奮する
やがて全部のボタンが外され、パジャマの胸を開かれた
やだ… 乳首勃っちゃってる…
直に胸を揉まれる快感はさっきの比ではなく、触れられただけで痺れるようにじんじんする
乳房に息が掛かり、乳首の先が温かい感触に包まれる 舌と唇の感触
ぴちゃっ ちゅっ という淫音と共に、吸い上げられ、転がされ、弄られる
もはや規則的な呼吸の維持など無理、声だけは漏らさないように耐えつつも
呼吸は浅く速く、熱いものになっていく
724:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/12/31 10:40:27 N4ck8vB9
クニュッと甘噛みされ、寝返りでは誤魔化しきれない程に身体が反応する
しかし乳房を味わう事に夢中になっているのかそれに気付かず
弓反りになった身体を抱え込むようにしてむしゃぶりついていた
あああ! ダメッ イきそう! 声が出ちゃう
不意に、我に返ったように動きが止まると、抱え込むように抱き上げられていた身体がそっと降ろされ
荒い息を付きながら捲くり上がったパジャマの裾を整え、ボタンが留められていく
あ… 今日はこれで終わり…?
毛布を掛け、最後にキスをして私の部屋から出て行った
きっと自分の部屋で最後の処理をするのだろう
725:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/12/31 10:46:33 N4ck8vB9
毛布を掛け、最後にキスをして私の部屋から出て行った
きっと自分の部屋で最後の処理をするのだろう
はぁ…っと溜息とも吐息ともつかない息を吐き
火照った身体を鎮める為にショーツの中へと指を這わせた
そこは既に大洪水だった
726:支援 ◆orz..c5K0U
06/12/31 10:48:00 UFTzHbgZ
(*・∀・*)
727:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/12/31 10:50:42 N4ck8vB9
翌朝、キッチンでパンをかじってるお兄ちゃんにオハヨウの挨拶をする
「おっはよ~~お兄ちゃん♪」
「んー、おはよ…朝から元気だな」
「昨日の夜さぁ」
「…ぶっ」
「すっごいエッチィな夢みちゃったよ~ もう、きゃーーっよ きゃーー」
「…ふ、ふ~ん」
ちょっぴりからかってみたりする
728:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/12/31 10:53:29 N4ck8vB9
初めて私に悪戯した時はパジャマの上から身体を触るだけだったけど
最近は少しづつ過激になって来てるし、次はどんなコトされるのか
今では私も楽しみでドキドキしてたりするだよね
私、お兄ちゃんのコト好きだし…
でも、もう暫らくはこのまま知らない振りを続けるつもり
だって凄くエッチな気分になって興奮して、気持ちいいんだもん
「さ、さーて学校行くか」
「うん♪」
ふふっ お兄ちゃんが私にしてるコト、ほんとは全部知ってるって事を知ったら、どんな顔するのかな~
ねえ? お兄ちゃん?
729:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/12/31 10:55:55 N4ck8vB9 BE:498028984-2BP(0)
しまった、また誤字ってた
>>726
支援ども~
730:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/12/31 11:55:57 uTEpKxyW
支援‥‥には遅かったw
731:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/12/31 18:42:49 FKUvYmY3
弾の灯氏、歳末投下乙です。
双方共に羨まし…じゃない、いけない兄妹ですな。
そして俺も年跨ぎ短編執筆中。果たして間に合うかどうか…
732:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:00:01 OZgT8GtC
新年おめ。
やっぱり完成には間に合わなかった…orz
とりあえず新年向け短編を書けた所まで投下します。
タイトルは「猪突猛進」です。
733:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:02:03 8ntm3NZu
「さて、あと少し…」
「お兄ちゃん、蜜柑取ってぇ~♪」
「やれやれ、人使いが荒いな。」
「ちゃんと未来の妻に御奉仕するのが良き夫の務めだよ♪」
大村・西堀両家の両親不在で二人っきりの歳末をゆっくりと…と
言うワケにはいかなかった。何時もなら積極的に家事全般をこなす
フランも今日は違った。
「なぁ、何で今日はこんなにダラけてるんだ?」
「初稽古まで体力温存するの♪」
そう言って蜜柑を手に取りゴロリと炬燵で寝返りを打つフラン。
さながら泥浴びをする猪の如く大きく身体を揺さぶり座標合わせを
している。
734:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:04:28 8ntm3NZu
「おぉ!いい感じ♪」
動きが停まったかと思えば今度は豪快に蜜柑を齧り酷くご機嫌な
様子だ。
「お前なぁ…何で一房ずつ食わないんだ?」
「いいじゃない。あ、お湯が沸いたんじゃない?」
「おぉっと、来たか!」
慌てて俺は台所に戻り蕎麦を解す。
------------------------------
「あ、来たよ♪」
「コラッ!持ち場を離れるな!!」
「じゃあ順番ね。あたし先行♪」
735:支援 ◆orz..c5K0U
07/01/01 00:04:57 UFTzHbgZ
(・∀・)
736:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:06:40 FKUvYmY3
「あ、待て!」
予定通り神社に到着。
直ぐにコチラに何人もの外国人が駆け寄っている姿が見えた。
「先生、待ってたよ♪」
「おや、皆さんお揃いで。」
「ロジャーの生徒達?」
「その通りです。みなさん、お元気そうで何よりです。」
「へぇ~こうやって見ると…色んな人種の人が集まってるのね。」
皆が見守る最中、代表者らしき人物が登場。一先ず一歩離れよう
とする所へ私達四人に向かい挨拶をして来た。
737:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:08:47 FKUvYmY3
「初めまして皆様。アレクサンドラ・ホールデンです。先生には
何時もお世話になっています。以後お見知りおきを。」
「まぁ、上手な日本語ですね。」
「コレも人ゆえに西堀先生の…」
「まぁまぁ、そう固くならずに。それにしても…ココで会うと言う
事は…皆さんも…」
「そうだよ。初詣の支度と…」
「夜警もやってるんだよ♪」
皆ここぞとばかりにロジャーの前に立って出る。どさくさまぎれに
先生に抱きつく者もいる。相変わらず生徒に人気が有るのが一目で
分かる。
「コラ、止めんか行儀悪い!!」
残念ながらアレックスさんの一括にも誰も動じない。
738:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:11:39 8ntm3NZu
「皆さん、話は作業が終わってからにしましょう。いいですね?」
「は~い♪」
一同が同時に元気良く返事する。何やらアレックスさんが少し
不機嫌そうだが仕方が無い。
「よ~し、先生の言うとおりだ。分かったら全員作業に戻れ。あ、
アナリーには一つ大事な作業が有ったぞ。」
「了解。」
意味深な合図に合わせ件の人物が足音を殺し仮説テントに近づく。
739:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:13:43 8ntm3NZu
「さぁ、聞こえたでしょ?今の内に出ないと大変よ、いいの?」
その合図にすごすごとテーブルクロスに隠れていた二人が登場。
予想通りその手には紙コップが…
「うぅ~何で…」
「幾ら何でも…バレるのが早いよ~。」
確か何年か前にもコレと同じ光景を見たような…最も、その時は
この子達ではなく我が娘が現れたのだが。
「さて…甘酒を先に飲んだからにはエレンとレベッカにはもっと
働いて貰わないと…」
「ひえぇえぇ…そ…そんなぁ…」
「お…お慈悲を…」
740:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:15:49 8ntm3NZu
連行される二人を見るにつけ笑いを抑えきれない。
「やっぱり思い出したか?」
「えぇ、まるでフランシーヌの…」
------------------------------
「ふぇっくしょん!」
「ん?まだ寒いのか??」
「そう思うんなら、早く~!」
年越し蕎麦を待ちきれない人物がココに一人いる。
だが俺は慌てず仕上げに掛かる。
741:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:18:53 8ntm3NZu
------------------------------
いざ出来上がった蕎麦を食べ始めても落ち着かない。理由はただ
一つ。その視線が痛い位に突き刺さる。
「うぅ~…うぅ~…」
「何を唸ってるんだ?」
「どう見ても…お兄ちゃんの持ってる海老天の方が大きい…」
「気のせいじゃ…あぁ分かったよ!ほら…」
「えへへ…やったぁ♪」
「全く…何で今日はこんなに手間取らせるんだ?」
「ボクだってたまにはお兄ちゃんに甘えたい時が有るの♪」
「仕方ないな…その代わり…交換だ…あぁあぁ!!!」
時既に遅くフランの口には二本の海老天が銜えられていた。
742:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:21:00 8ntm3NZu
------------------------------
丼を洗い終えてようやく俺も炬燵に潜り込む。
「さてと…これで後は年が明けるまでゆっくりと…」
「ゆっくりと…?」
「楽しもうか!!」
「きゃあ!!」
ここぞとばかりに俺は寛ぐフランに飛び付く。
「ちょっと…また…あぁ!」
「さてと…新年を迎える用意は出来てるかな~?」
慣れてきたのかさほどギャアギャアと騒がないが、それでもフラン
の抵抗は続く。
743:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:23:01 8ntm3NZu
「ど…どうして…毎回こう…」
「おぉ…まるで舂きたての餅だ。」
「んぁ…く…う…」
とりあえず両胸を軽く揉み抵抗の力を弱めておく。そして直ぐに
乳首への攻撃に移行する。
「おっと…コレは蜜柑だったかなぁ~こんな所に蔕が…」
「いやぁ!やだ…あ…だ…駄目ぇ!!」
頃合を見計らい俺はフランを抱き上げる。
「こんな美味そうなモノを目の前に突きつけられて俺が我慢出来る
ワケないだろ?」
「うぅ…強引なのは…やだ…んん…」
「じゃあ…少しソフトに…」
744:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:25:21 8ntm3NZu
泣きそうな表情のフランを他所に俺はすかさず唇を重ねる。さすが
にこの時はフランも抵抗はしない。
「うぅ…卑怯だぁ…」
舌をゆっくり重ね合わせるとフランは更に力が抜けていく。しかも
アレだけ嫌がっていたのに俺の背中に手を回し手堅くその感触を堪能
している。
「何だ…その気になったか?」
「うぅ…そんなんじゃない!」
「ははっまぁイイ。少なくとも海老天の分はコレで返して貰う
からな。」
「そ…そんなぁ…」
745:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:27:52 8ntm3NZu
赤らめた顔を逸らし落ち着かない様子で暫し黙り込むフラン。
「ち…ちゃんと…付けてくれる?」
「あぁ…構わん。」
「じゃあ…今日は…い…一回だけだよ。」
「そう来なくっちゃ♪」
強引ながら同意を得た所で俺は改めてフランにキスをしてから
準備に取り掛かる。
「うぅ…ボクって海老天程度の価値なのかな…」
「馬鹿を言うな。そんな事よりもっと考え直すべき事が有るだろ?
食い意地…」
「ボクは育ち盛りなの!!!」
746:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/01 00:30:22 8ntm3NZu
前半投下終了
>735
新年初支援 サンクスです。
感想・リクエストお待ちしています。
747:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/03 10:12:40 V5ziOax5
フランの外見容姿の詳細を求む…
748:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/03 12:48:24 0+jOAAw4
脳内で保管するんだぜ
749:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/03 23:26:43 WvMqK4U7
>747
フランシーヌの長めの金髪&青い瞳とその父ロジャーのハゲ頭
だけは最低必須要素。
ちなみに通常は>748氏の言うとおりで読者の脳内最適化の為に
そういった部分は可能な限り避けて書いてます。
750:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/04 12:34:05 2WBgJW6w
了解&サンキュ
751:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/07 13:32:07 HwBplM7j
正月ネタなのに未だ終わらない…とりあえず書けた所だけ投下。
752:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/07 13:34:10 HwBplM7j
------------------------------
「さぁ…お前も充分に楽しめよ。」
「うぅ…お…お手柔らかに…」
「そう遠慮するな。うりゃ!」
「わ…ちょっと…きゃあ!」
覚悟を決め服を脱ぎつつも怯えながら鎮座するフランを転ばせる
ように倒す。慌てて体制を整え直す前に両足を大きく開かせる。
「先ずは一足早めの御屠蘇を…」
「いやぁ!そんな所舐めちゃ…あ…あん…駄目…駄目ぇ…」
「お?何だココはもう準備万端じゃねぇか。」
「いやぁあぁ!!」
753:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/07 13:36:22 HwBplM7j
既に溢れ返る液体を一滴も残さんと俺は夢中でフランの秘所に
吸い付く。
「次は…御節料理の定番…おぉ!凄い締め付け!!」
「んぁ!あ・・・あ…んぁ…止め…んぁ…」
「へへ…“数の子”とは巧く例えたもんだな。」
ゆっくりと膣壁を掻き回しその熱い感触を堪能する。やや意地悪く
時々指先をクイッと上げるのに合わせフランが堪らず腰を上げる。
「や…あ…掻き回しちゃ…あぁ!」
「へへ…コレだけは誰にも渡さんぞ。さぁ…もう我慢出来ない頃
だな?それじゃあ…」
「もうやだ…何で…こんなのばっかり…」
754:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/07 13:38:33 HwBplM7j
また泣きそうな表情でフランが呟く。
いかん…少しやり過ぎたか…。一旦俺は手を止める。
「悪いとは思う。けどな…時々何ていうか…性欲とは別の…違う
衝動に駆られる言うか…」
「何なのそれ?」
「つまり…お前を独占したくなるんだぁ!!」
言葉通りに抑えきれなくなった自分を鎮める為にあえてフランに
飛びつき抱きしめる。
「ちょ…ちょっと…痛たた…」
「おっと悪い。けどもう少し…こう…これならいいだろ?」
「うぅ…ん…いいけど…」
755:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/07 13:41:01 HwBplM7j
そのまま暫くお互いの肌の温もりと心拍を感じ合う。
幼い頃同様に触れ合ったまま止まっているという効果は絶大。俺達
は少しずつ落ち着きを取り戻す。
------------------------------
「先生、フランシーヌはまだ~?」
「まぁまぁ…初詣には来ると言ってましたから。年が明けるまで
待ちましょう。」
「うぅ…あたし未だ逢ってないの~。」
休憩所は非常に賑やかだ。一頻り話しをして皆が落ち着いたと
思ったら今度は我が娘フランシーヌの話で再び盛り上がっていた。
どうやら逢いたくて堪らないと思っている人が殆どのようだ。
756:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/07 13:44:15 HwBplM7j
「慌てるな。それより準備は万端なのか?」
「やぁアレックスさん。貴方もそろそろ休憩ですか?」
「そうしてもいいのですが…どうもあの二人が…」
「成る程…後で酔い覚ましを用意しましょう。」
「うぅ…何かくらくらする~。」
「ベッキー、呑み過ぎじゃない?あ~さっきから顔が熱い~。」
「あんたも人の事言えないじゃない!」
------------------------------
「あぁ…そう言えば…抱っこなんて滅多に無かったな。」
「ん?そうだね…ボクお兄ちゃんにおんぶされた事は有ったけど
抱っこされた事無かったかも…。」
757:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/07 13:46:22 HwBplM7j
「俺はおんぶさえ無かったけどな。」
俺達は遊び疲れてお互いの家で眠りこけた懐かしい日々を思い
出していた。
隣同士だから当初はそのまま次の日まで起こされる事無く朝を
迎えていたがやがて俺が先に目覚めフランをおぶさって隣まで
運ぶようになった。
西堀家の引越しも再開して俺達が結ばれたあの日もそれ程経って
いないのに全てが遠い昔のように懐かしい。
「ねぇ…お兄ちゃん。」
やがてフランが口を開く。
758:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/07 13:49:22 HwBplM7j
「今度からは…ちゃんと誘ってくれる?」
「ん?あ…あぁ…分かった。」
返事と同時にフランが俺の下腹部を探っていた。
「あ…あの…ちょっと…」
「い…一回だけだよ…」
「ま…待て…未だ…あ…あ!」
「ひ…姫納めだよ♪」
「だから…あぁあぁ!!」
未だ装着していないのにフランが先端を潜らせる。
「ちょっと…生はまずいだろ…あ…だから待て…」
「待たない。」
759:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/07 13:52:29 HwBplM7j
今日はここまで。
感想・リクエストお待ちしています。
760:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/07 15:58:26 sw5zkw4C
中出しと孕ませ台詞に期待してます
761:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/09 10:10:40 vn04sTjB
>>753-754 辺り
URLリンク(2ch-library.com)
762:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/09 23:37:33 eGYuxTvH
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
( ⊂彡
| |
し ⌒J
763:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/10 00:10:08 sQDo0AcI
>>759
遅ればせながら、「数の子」「お屠蘇」をからめたお正月バージョン投下乙です。
>>761
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
( ⊂彡
| |
し ⌒J
764:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/14 21:00:59 UIYidzUn
出勤前保守
>761
おっぱい!おっぱい!(AA略
いやこの愛すべきアホキャラをこうも可愛く描いてくれるとは…GJです!
>763
餅と蜜柑と猪もお忘れなく…と言うかそれに気付いてくれて感謝。
765:向230@携帯
07/01/15 23:31:26 7yRlVgJh
残業会場から保守。
某騒動のせいで投下しづらいなぁ…困ったちゃん(´・ω・`)
766:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/19 04:11:32 9kRkuem+
ho
767:三国 ◆V72uzrF0y2
07/01/20 14:31:51 JRiYrlvX
妹「ぅおにーちゃーーーーん!」
兄「その言い方は止めなさい」
768:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/20 15:34:15 crBxqxFE
妹「おにぃ~ ゲームしよー」
兄「お前の宿題が終わってからな」<<どさっ>>
妹「こんなん今日中に終わらへんわーーっ」
兄「サボったお前の自業自得だ、ほれ始めろ」
妹「う~…」
~
~
妹「…お腹すいた」
兄「それ一冊終わったらな」
妹「おにぃーのオニーー!」
兄「うむ、いかにも俺は兄である」
妹「う~…」
769:何かのネトゲかとw ◆orz..c5K0U
07/01/20 16:28:05 CHKf4Lg2
SYSTEM: 天空橋花月(morip123)さんよりパーティー加入の依頼を受けました。
兄「…誰やねんこいつ…morip123ってID適当杉w」
内藤地平(boonboonboon): PT厨乙
天空橋花月(morip123)さんからのメッセージ: おにいちゃん、あたしあたし
兄「…オンゲーで妹と遭遇しました、と」
SYSTEM: 天空橋花月(morip123)さんからのパーティー加入依頼を無視しました。
天空橋花月(morip123): ちょwwヒドスwww
兄「…とりあえずここらで稼ぐか」
天空橋花月(morip123): てつだうよー
SYSTEM: 攻撃できません。
兄「…ちょww横殴りすんなw」
内藤地平(boonboonboon): 横殴り厨乙
770:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/24 00:22:06 2+cIvs5Z
いま妹は遠くバリの地……
地震あったとき空の上でやんの 悪運の強いやっちゃ
771:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/27 03:32:06 iupnaxIr
ほしゅ
772:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/27 16:03:12 6oCo+DKA
…PiPiPiPiPi
「んー…」
目覚ましの不快な電子音に起床を促され、目を閉じたまま手を伸ばしてスイッチを叩く。
馴れてしまえばこの音を聞きながらでも眠りの世界に戻れるが、二度寝の誘惑に乗ると後が大変
お腹を空かせたままバス停まで走らなくてはならなくなる。
そんな荒行は御免だと身体を起こし、タイマーで10分前から稼動するエアコンの暖房を浴びつつ
ベットから降りて制服に着替えを済ませると、エアコンのスイッチを切ってから鞄を持って部屋を出る。
「あ…」
「あ」
まだ寝てるかと思ったのに…、洗面所から出てきた兄と顔を合わせてしまった。
773:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/27 16:06:29 6oCo+DKA
どちらとも無く顔を逸らせると、挨拶も無く素通り。
これが、今の私と兄との関係…。 あの日の夜から、お互いを避け続けている。
「はぁ…」
父も母も同じ職場で働いていて、朝は私達が起きる前に出勤
夜は私達が眠りに付いてから帰宅、そんな我が家の朝食はいつもパンとコーヒーで済ませているけど
ここ最近は朝食も夕食も一人で食べる事が多い。 それ以外は友人の千鶴ちゃんと偶に外食。
今日も一人で味気ない朝食を済ませて家を出ると、時間で計ったようにクラスメイトの千鶴ちゃんが現れた。
「おっはよー みっちゃん」
「おはよー… 千鶴ちゃん」
いつも元気な千鶴ちゃんとは対照的にテンションの低い挨拶を返す私。
774:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/27 16:10:29 6oCo+DKA
「あれ、またエライ元気ないなぁ?」
「健にぃと顔合わせた…」
あ~と納得する千鶴ちゃん。 やれやれと呆れたように首を振って見せる。
「まだ喧嘩しとったん? はよ仲直りすりゃイイのに」
「ん~…喧嘩とは、違うんやけどね…」
そう、喧嘩とは違う。
喧嘩ならもっと簡単に片付いてるし、ここまで引きずる事も無かったと思う。
「な~んか気まずくて、中々ねー…」
「ふーん… 前にも聞いたケド、ホンマに何が原因なんよ?」
「ん、いや‥ それはちょっと」
心配してくれる千鶴ちゃんには悪いけど、ちょっとこればっかりは話せない。
775:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/27 16:28:34 aXmfA7Uy
「まあ、人様の家庭の事情に他人のあたしが首突っ込むのもアレなんやけどさぁ」
「ううん、そんなこと無いよ ただちょっと人には言えない事情というかなんというか…」
気を使ってくれる友人に申し訳なく思いながら、事の原因を思い起こす
―ほんとに、なんであんな事したんだろう…―
妹の美樹が学校に出かけたのを部屋の窓越しに確認してからリビングに下りると
空になったカップとお皿をキッチンで浸し、冷蔵庫からジュースを取り出した。
中身が少ない、そろそろ買出しに行っておかないと等と考えながらコップに注ぐ。
「ほんとに… なんで俺は、あんな事したんだろうな…」
一週間前の夜、俺は美樹を泣かせた。 今日、俺は未だに謝れないでいる。
776:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/27 16:31:23 aXmfA7Uy
ここ最近はこのレースゲームの対戦にハマっている。
今日も何時ものように対戦前のウォーミングアップ、美樹はまだ風呂から上がらない。
もう暫らくは時間があるだろうから、仕掛け所のコーナーワークをチェックしておこうと
ショートコースで周回をセレクト、三週周った辺りで美樹が風呂から上がって来た。
『あーーーっ 健にぃまた一人で先にやってるし!』
『ウォーミングアップだウォーミングアップ』
バスタオルを巻いた姿で、濡れ髪から水滴を落としながらテレビの前に陣取り、コントローラーを引っ手繰る。
『じゃあたしもウォーミングアップ、何週やった?』
『三週、つーか先に着替えて来い』
格闘アクション系だと俺の方が腕は上なのだが、レースゲームではほぼ互角
負けず嫌いな美樹はまだ両者馴れきっていないこのゲームで差を付けられまいと闘志を剥き出しにしている。
777:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/27 16:34:00 aXmfA7Uy
『やっぱここがポイントやね』
俺と同じショートコースを選び、コーナーワークをチェックする美樹。
風呂上りでほんのり上気した美樹の身体から石鹸の香りが漂って来る。
操作に夢中になり、カーブを曲がる時に自分の身体も傾ける癖は相変わらずで
対戦中はそれで態と身体をぶつけて来たりする。
俺が隣に居る時はそうやっていつも壁代わりに凭れて来る、そして俺はそれを肩で押し返す
何時ものやり取り、兄妹の他愛ない戯れ、 ただ 今日は何時もと少し違っていた。
バスタオル一枚で隔てた美樹の身体から発せられる香りには、雄を引き寄せるフェロモンでも混じっていたのか
俺は美樹の体温に惹かれ、香りに痺れ、肌理の細かい肌に目を奪われ、僅かに覗く胸の谷間に意識を囚われていた
そして、得意げに振り返る美樹の笑顔。 その桜色の唇に、気が付けば吸い寄せられていた。
778:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/27 16:35:11 Yazky7BW
っ④
779:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/27 16:36:52 aXmfA7Uy
最高ラップを更新して「どうよ?」とばかりに健にぃに笑顔を向ける。
次の瞬間、唇を奪われていた。
最初は何が起きたのか判らなかった、唇に柔らかい感触
健にぃの顔が目の前にあって、息が苦しくて、びっくりして…
思わずコントローラーを投げ出して後ずさりすると、私の肩を掴んでさらに強く唇を押し付けてきた
混乱して、頭が真っ白になって、身体が浮ぶようにふわふわして、それが怖くて両手を思いっきり突き出すと
尻餅をついて呆然とこちらを見る健にぃ、呆然とするのは私の方だ ―キスされた? 健にぃ に?―
いきなり何でこんな… ムードもへったくれも無い不意打ちで…、いや そもそも何で急に? なにこれ?
鼻の奥がツンとなって目頭が熱くなって来る、遅れて顔も熱くなって来る、さらに頭も熱くなって来る
780:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/27 16:38:53 aXmfA7Uy
『ばかぁっ!!』
そう叫んでリビングから逃げ出した。
それ以来、健にぃとは口を聞いていない
顔すらまともに合わせられない、別に私がその事で健にぃの事を嫌悪しているわけじゃないけれど…
確かに私の方にもちょっと行動に問題があったかもしれないし
健にぃもそりゃあ健全な男の子だし、あんな格好でじゃれ付いたりしたから
その気にさせちゃったのかもしれないし…。
「はぁ…」
「溜息止まらんなぁ? 今ので29回目やで」
「あはは…」
バスを降りて通学路を歩きながら30回目の溜息を飲み込んだ時、千鶴ちゃんがポンと手を打った。
781:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/27 16:41:16 aXmfA7Uy
「みっちゃんさぁ、彼氏作ってみぃひん?」
「は?」
いきなり何を言い出すのかと振り返るが、冗談を言ってる顔ではなかった。
「あたし彼女募集中の知り合い多いから、イイ男の子紹介するで?」
「いやあ別にあたし、彼氏とかそういう気分じゃないし…」
千鶴ちゃんはよく他の学校の生徒達と知り合う合コンに出ていて、彼方此方に知り合いが居る。
時々誰かと「付き合ってるの~」と惚気話を聞かされるけど、暫らくするとアッサリ「別れた」と言って
また出会いを求め、「合コンよー 出会いがあたしを求めてるのよー」と嘯く恋多き乙女ちゃん。
多分、本当の恋愛とかじゃなく、遊びの一環なんだろうなぁとは思うけど…。
「だからー、気分転換の意味でも ほら、みっちゃん男の子と付き合った事とかないっしょ?」
782:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/27 16:45:10 aXmfA7Uy
「う、そりゃまあ… ないけど、やっぱりそんな気軽にって訳にはいかないし」
「ん~身持ち堅いなぁ~ ほんならダブルデートで行こうや」
「ダブルデート?」
「うん、今狙ってる子が居てるんやけどね、その子紹介して貰う代わりにこっちからも一人紹介する約束でー」
「ほほー…」
呆れた口調で半目を向ける。 やけに熱心に誘ってくると思ったら、そういう事ね。
「お願~い みっちゃん、協力して~~~」
「だから… あたしはそういうの興味ないんだってば」
「そこをなんとか~~」
拝み倒してくる千鶴ちゃんに、出会いに協力するだけと念を押し、渋々ダブルデートを承諾した。
「まあ、これで気分転換出来たらさ、健一さんとも仲直り出来るかもしれんやん?」
783:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/27 16:48:24 aXmfA7Uy
「ダブルデートと健にぃとの仲直りがどう繋がるんよ…」
約束をとり付けて上機嫌の千鶴ちゃんに少しばかり脱力しながらごちる。
「みっちゃんもさ、そろそろお兄さん離れせなアカンのとちゃうん?って事や」
その言葉に、私はドキリとした。
----------------------------------------------------------------
今日はここまで
>>778
支援どもー
784:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/28 02:53:02 wMo4qoCw
おもすれー
785:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/29 14:05:44 ZIlUW9g5
家の前に見覚えのある人物が立っていた。 美樹のクラスメイトで、家にも何度か遊びに来た事がある。
「小野原さんじゃないか」
「あ、健一さん こんにちはー」
随分とめかし込んだ服装のようだ、軽くメイクも入っていて
唇に引かれたルージュが水晶のような光沢を出して輝いている。
「気合入ってるね」
「えへへー 今日遊園地でデートするんですよー」
「へー」
時刻は昼を少し回った時間、今日は休日で空も良く晴れているようだ。
「健一さんは何処かに出かけてたんですか?」
「ああ、ちょっと大学まで忘れ物を取りにね」
786:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/29 14:08:06 ZIlUW9g5
しかし遊園地に行くなら方向が逆じゃないかと問い掛けようとした時、家のドアが開いた。
「ごめーん リボン結ぶのに手間取っ…」 URLリンク(2ch-library.com)
はたと目が合い、言葉が途切れる。 そしてどちらとも無く目線を逸らす。 今の二人の、何時もの距離。
そんな気まずげな雰囲気に「あやや…」と察するような視線を両者の間に往復させるも
直ぐに気を取り直して明るい声で美樹を迎える小野原さん。
「よーーし、じゃあ今日のダブルデートにレッツゴーー♪」
ダブルデートという単語に反応して思わず美樹に目をやる
成る程、普段見慣れない余所行きの服装に大きなリボンで髪を結いでいる。
視線を向けた事に気付かれないよう直ぐに目を逸らし
そのまま背を向けると、急かされるように家の中へと逃げ込んだ。
787:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/29 14:10:18 ZIlUW9g5
動揺していた。 何故? 美樹がデートする… 誰と?
そりゃデートなんだからボーイフレンドの誰かだろう、小野原さんには男友達が大勢居る事を知っている。
「落ち着け、俺」
何を動揺してんだ、美樹だって年頃の女の子だ。 デートぐらい普通にするだろう。
― でも 兄とキスしたりはしないよな、普通 ―
気持ちがズーーンと沈みこむ。 美樹を傷付けた…。
「はあ…」
ちゃんと謝らなきゃなぁと、罪悪感に苛み
このまま一生、会話が出来ないのではないかという不安に怯む心に渇を入れる。
「明日…、今週中 ぐらいには謝ろう…」
788:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/29 14:12:55 ZIlUW9g5
遊園地に向かうバスの中、窓の景色をぼ~と眺める私に千鶴ちゃんが声をかけて来る。
「随分深そうやねー?」
「ちょっとね…」
千鶴ちゃんが健にぃの前でダブルデート発言をした時
慌てるのと同時に、健にぃの反応が気になった。
どんな顔するかな? とか、どう思うかな? とか、
何か慌てたり、動揺するリアクションを期待していたのかもしれない。
でも結果は何時も通り…、おめかしした私に目もくれずにさっさと家に入ってしまった。
「まあ、そう暗い顔せんと 折角のデートなんやから、楽しもうや」
デートって言っても、私はあくまでも単なる協力者、手筈通り事が済んだらさっさと帰るつもりだ。
789:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/29 14:15:05 ZIlUW9g5
「初めまして、『端学』の『日高 伸男』言います、こっちが連れの―…」
遊園地の入り口脇で待ち合わせた男の子達と自己紹介
家族連れが行きかう入園ゲート前の改札機にはカップルの姿もちらほら見える。
「じゃあ今日はよろしくねー」
千鶴ちゃんはお目当ての男の子とペアを組んで早速モーションを仕掛けようと自然に手を繋いでる
手馴れてるなぁと半ば感心しながら、お相手の男の子の事を観察してみた。
二人とも『坂ノ端学園』というこの街の学園の生徒で、『端学』は略称。 他『学園』と呼ぶこともある。
私達が通ってる『坂ノ街大学付属高等学校』より後に出来た、比較的新しい学校に通ってるらしい。
(ちなみに健にぃは私と同じ学校の卒業生で、そのまま大学に上がっている)
「それじゃあ、僕達もいこうか 綾瀬さん」
790:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/29 14:17:11 ZIlUW9g5
「あ、はい」
声を掛けて来た私のお相手、日高さんと並んで千鶴ちゃん達の後に続く。
休日だから結構人が多く、これなら直ぐに逸れる事が出来そうだった。
前を歩く千鶴ちゃんは終始楽しそうに隣の男の子と話してる
本当に楽しんでるって雰囲気が伝わってきて、ちょっぴり羨ましく感じた。
「綾瀬さんはこういうデートとかは初めてなんやって?」
「ええ、まあ…」
日高さんが気さくに話しかけて来るけど、やっぱりちょっと警戒してしまってどもってしまう。
「ははは そんなに緊張せでもいいよ、気楽に行こうや でも…信じられんなぁ」
「え? 何がですか?」
「綾瀬さんみたいな可愛い子が今までデートする機会が無かったやなんて」
791:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/29 14:20:03 ZIlUW9g5
「え…、ええ!?」
「いやホンマ、周りの男はなにしとったんやっちゅーねんってな ハハハー」
さらっとそんな事を言って笑う日高さん、この人も手馴れてる? っていうーか…可愛いなんて言われたのって
同い年の男の子からそんな言葉を掛けられたのは初めてで、思わず顔が紅潮してしまう。
その後も適当なアトラクションを物色しながら他愛無い会話を続ける。
もっとも喋っているのは殆ど日高さんで、私は時々相槌を打ったり、質問に答えたりするくらい。
「じゃあ次はあのコースター行ってみよーー」
千鶴ちゃんから合図が来た。
予め決めておいた作戦、千鶴ちゃんが提案したジェットコースターに並ぶ時にペアで逸れるというモノ。
相手の男の子の手を引きながら急かす様に走り出す千鶴ちゃん。
ちらっとこちらに顔を向けると「手筈どおり宜しく」という意味のウィンク一つ。 様になってるなぁ…
792:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/29 14:22:14 ZIlUW9g5
二人の後を追おうとしたら髪を結っていたリボンが解け、拾ってる間に逸れてしまった。 …というシナリオ。
「上手く逸れたみたいやね」
「え? 知ってたんですか?」
「まあ、小野原とも付き合い長いから」
そう言って苦笑を見せる日高さん、でもそれなら話は早い。
「そうだったんですか、それじゃあ私はこれで失礼しますね」
「えっ ちょ、ちょっとまってーな」
帰る事を告げて出口のゲートへ向おうとした私の手を掴み、引き止めようとする日高さん
急に手を掴まれた事に驚いて身を強張らせると、慌てて手を離してくれた。
「ああっ ゴメン、…でもこのまま帰るってのは ちょっと酷くない?」
「え、でも…」
793:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/29 14:23:46 gZHgpmiy
おまえはブログにでもかけよ
794:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/29 14:25:06 ZIlUW9g5
途惑う私に、バツの悪そうな顔をしながら話しを続ける。
「なんか利用するだけしといて、用が済んだらポイっていうかさー」
「でも、私は協力するだけって約束だったし…」
「いや、なんつーか 一応お互いに紹介するっていう等価交換が条件なんやから…」
「…」
そんな事を私に言われても困る。 だって千鶴ちゃんは出会いに協力するだけでいいって…。
「せめて一緒に食事ぐらいはして貰えないと格好付かないし、哀し過ぎるし…」
うーん… そう言われると、確かにちょっと可哀想かもしれない…。
「…食事するだけですよ?」
日高さんの言い分にも一理あるし、利用した事に良心の呵責を覚えた私は食事に付き合う事にした。
795:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/29 14:30:58 ZIlUW9g5
今回ここまで
796:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/30 07:44:11 OAyBcVjV
―翌日―
「みっちゃ~ん、ここここ~」
奥の四人掛けテーブルから手を振る千鶴ちゃん
今日は学校帰りの寄り道で商店街のファミレスに来ている。
「千鶴ちゃん、今日学校来なかったけど…」
「うん、サボリ」
困った子だ。
「昨日はありがとうな~、ちゃんと報告するから」
「いや、別にいいけど…」
昨日意図的に逸れたあと、千鶴ちゃんは彼と二人で暫らく遊園地を周り、食事を終えて夕方から夜まで公園で散歩
797:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/30 07:46:55 OAyBcVjV
「以上、報告おわりー」
「え、それだけ?」
唐突に終わった報告についうっかり疑問の声を上げてしまった、興味なかったのに。
「うん~、顔も感じも良かったやけどね~ なんというか今ひとつグッと来るもんがなかったわ」
「ふーん」
「あ~ もっとイイ男居らんかな~」
恋多き乙女ちゃんは贅沢な悩みに唸っている。
「んで、みっちゃんのほうはどうやった?」
「え? あたし?」
私の方は手筈通り逸れた後そのまま帰る予定だったのが色々あって、日高さんとの食事に付き合う事になった。
ただそれだけだ。 その後は恙無く帰宅した。 もちろん携帯番号もメールアドレスも教えていない。
798:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/30 07:49:06 OAyBcVjV
「え、それだけ?」
不満そうに私の台詞を投げ返す千鶴ちゃん。
「そうだよ? っていうーか、利用するだけしといて用が済んだらポイなんて酷いとか言われて、それで仕方なく」
「うーん、思いっきり渋々やね、それ…」
「だって最初からすぐ帰るつもりだったんだもん… でもあんな事言われてそのまま帰ったら、なんか後味悪いし」
千鶴ちゃんのせいだよ~と暗に批難してみる。 でも返って来た答えは意外な言葉だった。
「むー、みっちゃんのコト元気付けよう思って紹介したつもりやったんやけど…失敗やったか ゴメンなー?」
「う、ううん ちゃんと気分転換になったからいいよ、それなりに楽しかったし」
そう殊勝な態度に出られるとこっちが恐縮してしまう。
軽い子に見られ勝ちだけど、千鶴ちゃんは結構人情深い所があるのだ。
799:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/30 07:53:53 OAyBcVjV
「日高はまぁまぁ誠実で引っ張って行けるタイプやからね、身堅いみっちゃんには丁度ええかと思ったんやけど」
「そんな事考えてたの? まあ、確かに悪い人じゃあ無さそうな感じはしたけどね」
昨日食事した後、携帯番号やメールアドレスの交換を断ったらすんなり引き下がってくれた。
「日高がダメでもみっちゃんに合いそうな男の子は何人か知ってるし、みっちゃんも彼氏つくろーや」
「えー 私はいいよぉ」
夕食前のデザートを食べながらそんな会話に興じる。
ふいに、千鶴ちゃんが店の入り口の方を指して声を上げた。
「あ、日高や」
「え?」
釣られて店の入り口に振り向くと、日高さんと並んで店に入ってくる女の子の姿。
二人とも同じ学園の制服、坂ノ端学園のブレザーを着ている。
800:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/30 07:58:22 OAyBcVjV
「おー日高が女連れやー」
「ちょ…っ 千鶴ちゃん!」
慌てて千鶴ちゃんの口を塞ごうとするも、時既に遅し。
「げっ 小野原! …と、綾瀬さん」
「ん? 知り合い?」
あからさまに動揺する日高さんにそう尋ねる隣の女の子。
眼鏡を掛けたセミロングの、千鶴ちゃんとは違った意味で利発そうな印象を受けた。
「知り合いというかなんと言うか、この前連れを紹介した時に偶々知り合った子というか」
「ふ~ん?」
日高さんの彼女かな? なんだか誤魔化そうとしてるみたいだけど…。
801:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/30 08:00:34 OAyBcVjV
「その子、日高の彼女?」
「ちゃうちゃうっ 全然そんなんとちゃう!」
臆面も無くそんな事を聞く千鶴ちゃんにぶんぶん首を振って否定する日高さん。
「ほっほう~ これはまたいい所でネタが拾えたかな~?」
「オイオイ、勘弁しろよ~…」
眼鏡の女の子はニヤリと笑って値踏みするような目を日高さんに向け、日高さんはその視線に恐々としてる
そんな二人のやり取りを千鶴ちゃんと私はキョトンとして見ていた。
「とにかくっ この二人とは単なる知り合い! あんま絡むと迷惑になるから、あっち行くぞ ほらっ」
そう言って二人掛けのテーブル席へと引っ張っていった。
「結構親しそうやね、普通の友達ってとこかな」
802:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/30 08:03:07 OAyBcVjV
千鶴ちゃんが二人の関係をそう分析した。 千鶴ちゃんのこの手の勘はよく当る。
「…」
単なる知り合い、確かにその通りなんだけど…
なんだろう? 微妙に不満というか、がっかりしたような気持ちになる。
千鶴ちゃんの付き合いでデートして、可愛いとか言われたりして、成り行きで一緒に食事して…
別にそれだけだと思ってたけど、もしかしたら多少は何か期待してる気持ちがあったのかもしれない。
「ん? みっちゃん、どしたん?」
「ううん、別に」
私は笑って誤魔化した。
その後、夕飯の材料を買いに千鶴ちゃんと別れて商店街へ、健にぃの好きなカレーの材料を買って帰宅した。
803:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/30 08:05:27 OAyBcVjV
お風呂から上がって部屋で髪を乾かしている。 今日も健にぃと話が出来なかった。
夕食中、何度か話し掛けようとする素振りは見せたものの、結局会話に至らず。
「あたしの方から何か言った方がいいのかなぁ…」
以前なら今頃の時間は二人でぎゃーぎゃー言い合いながら対戦ゲームをやっていたのに
アレから一度も遊んでない。 当然だ、今の私達は会話すら出来ないでいるのだから。
…健にぃは遊んでるのかなぁ なんて止め処も無い事を考えていると、ふいに机の上で携帯が鳴った。
「知らない番号だ… 誰だろう? <<ピッ>>…もしもし」
「あ、綾瀬さん? 僕、日高やけど」
「え!? 日高さん?」
びっくりした、どうして日高さんが私の携帯に電話を…?
「今日は本当ゴメン! 一緒に居た連れの子はクラスメイトなんやけどさ…」
804:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/30 08:13:05 OAyBcVjV
日高さんの話によると、一緒に居た眼鏡の女の子は日高さんのクラスメイトで(智子さんというらしい)
学級委員長をやっている彼女は学園の情報通で、遅刻やサボリを代価に応じて先生に誤魔化してくれたりもする。
今日二人で店に来たのはその代価を支払う為だったらしい。
「僕が合コンとか出まくって軟派君やってる事とか、誰と付き合って何回振られたとかいう情報も抑えられてて…」
有益な情報を得られる変わりに、ネタを握られると非常~に厄介な相手なのだそうだ。
「だからさ、咄嗟に誤魔化して素っ気無い態度とった事謝るよ、その代わりちゃんと埋め合わせするからさ」
「え、いいよ別にそんな…気にしなくても」
態々そんな事の為に電話して来てくれたんだ… きっと携帯の番号は千鶴ちゃんにでも聞いたのかも。
「今度近場の商店街でかなりレベルの高い合コンやる事になってるからさ、その枠どうにかして空けとくから」
「えっ あ、あたしそんなっ 合コンなんて…!」
「これから主催者捕まえて交渉するんで、詳細は明日にでも小野原に聞いといて、それじゃっ」
805:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/30 08:16:28 OAyBcVjV
「ちょ、ちょっと日高さん?」
ツーツーだって…。
「合コンて、私が…? なんか、ありえへん」
どうしよう? なんだか強引に約束されちゃった
交渉して枠空けるとか言ってたし、行かないと日高さんに悪いかなぁ…。
「はぁ…」
健にぃと気まずい状態が続いてるのに…、合コンなんか出てていいのかなぁ
「…健にぃも誘ってみるとか って、アホかあたしは」
速攻で却下。 うーん…ほんとに、どうしよう?
806:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/30 08:19:04 OAyBcVjV
綾瀬 美樹に合コン参加の約束を取り付けた日高 伸男は、すぐさま携帯を操作して馴染みの番号を呼び出した。
「はいはーい、どないやった?」
「なんとなく手応えはあったように思う アドバイスさんきゅな」
「うむうむ、みっちゃんは引込み思案な所があるから ちょっと強引なくらいがええと思うンよ」
小野原 千鶴のアドバイスに従って美樹に電話を掛けた日高は、彼なりの勘に手応えを感じていた。
「ああ、なんか染まってなくていい子だよな~綾瀬さん… 彼女となら本気で付き合えるかも」
「言っとくけどみっちゃん傷つけるようなマネしたら許さへんで?」
「分かってるって」
両者の友人として、互いを良く知る千鶴は改めてそう念を押しておく。
一応、彼女なりに日高の事は信頼しているので美樹の件はそれで納得し、もう一つの本題に入った。
「それで、和哉君の方は大丈夫なんやろね?」
807:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/30 08:21:16 OAyBcVjV
今度の合コンにはスペシャルゲストとして『端学のプリンス』を呼ぶ計画があり、千鶴もその彼を狙っているのだ。
「和哉なー… なんとか頼み込んで顔だけでも出してくれる事になったけど…」
「おーっけーーい♪ 良くやった日高!」
「でもなぁ、あいつ もの凄えーシスコンだぞ? 絶対誰の相手もしないと思うけどなぁ」
「ほうほう だったら尚の事、妹離れさせてあげないとねー♪ このあ・た・し・がっ」
大企業の社長の息子、容姿・性格共にランクS、学園内にファンクラブがある程だ、でもって彼女は居ないときた。
色々と悪い噂も聞かれるが、大半はモテない君達の僻みだろう。 正否不明の噂など一々気にするつもりは無い。
「ふっふっふ~ 『端学のプリンス・如月 和哉』君…、ぜーったいモノにしちゃるわ~~」
「まあ、頑張ってくれ…」
久々の大物狙いで燃える千鶴に、日高は溜息混じりの声援を送っておくのだった。
808:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/30 08:24:09 OAyBcVjV
今回ここまで
ちょっと練り直しするので次回はだいぶ先になるかも
809:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/30 22:28:24 vszboI+G
>>808
どうもおつかれさまです。
あえて難点を言えば設定とか前振りに凝り過ぎな感が…ね。
トリアーエズ続き待ってます。
810:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/31 04:53:23 fPpSZANs
>>808
お疲れ様です
続き、楽しみにしてます
811:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/31 06:25:30 CbzRgawF
>>809
あっさり風味な方がいいですかね~
>>810
どもっす
練り直しが終わったので書き上ったら随時上げていきます
812:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 09:24:25 jMw7K36h
弾の灯氏・新作乙です。
そして年跨ぎ作品に時間を掛けすぎた俺が来ました…orz
続きを投下します。
813:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 09:26:42 jMw7K36h
「ところで、レイチェルさんは…」
「未だ伴角家にいる筈です。ココへは年が明けてから来る予定に
なっています。」
「なるほど。お友達の家で年越しですか。」
------------------------------
「さぁ今度はレイちゃんの番だよ。」
「あの…何でこんなにせかす…痛てて…放せくそ…」
「グズグズしてると年が明けちゃうよ。」
「そうですわね。虹乃さんの言うとおりですわ。」
「次はレイちゃんの姫収めだよ♪」
「お兄様、姫収めですわ♪」
「ちょっとぉおぉおぉ!!!」
------------------------------
814:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 09:28:45 jMw7K36h
「お…おい…き…今日は…安全日なのか…」
「そんなの知らな~い♪」
良く見れば陶酔したかの表情でフランは挿入を続けていた。
「ボ…ボクだって…ずっと…我慢…してるのに…」
「わ…分かった…お・・・俺が悪かった…あ…あぁ!!!」
ついに根元まで飲み込まれた。ついつい俺は後ずさりするが
両肩を握られ逃げられない。
まずい…この勢いで続けたら絶対に膣(なか)出しに成りかねん。
「お兄ちゃん…続けないの?」
俺の迷いを見透かすかのように嬉しそうに耳元でフランが囁く。
815:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 09:35:23 jMw7K36h
「く…くそぉ!もう…どうにでもなれぇ!!!」
「んあぁ!!!」
もう我慢の限界。俺はフランを押し倒そうとしたが…
「い…いいの・・・ねぇ?お兄ちゃん…い…いいの?」
「あ…あれ?ちょ…ちょっと…」
「あはは…気持ちいいんだ♪」
逆にフランが押し返す。その雰囲気に呑まれ押し倒されたのは
俺の方だ。
「キスしちゃえ♪」
「何…んぐ…」
816:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/31 09:36:21 fy8Xs7t7
リアル遭遇支援
|・)
817:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 09:38:09 jMw7K36h
ガッチリと顔を両手で握られ半ば強制的に唇が重ねられる。
大胆にフランの舌が蠢き俺に絡み呼吸がままならない。
「ん…くはっ…んぉ…おぉ…」
「お兄ちゃん…何で遠慮するの?」
「い…いや違…うぐ…ん…」
いかん…完全に向こうにリードされている。
「あ…慌て…わ…あ…」
「えへへ…ねぇ…こんな感じ?」
「うぉおぉ!!」
亀頭を弄ぶように膣壁が絶妙な感覚で俺を締め付ける。半ば逃げ腰
な俺の動きを止めるのには必要充分だ。
818:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 09:41:07 jMw7K36h
「お兄ちゃん…ねぇ…こ…こう…かな…ん…ん…」
「こ…これはこれで…イイけど…って違ぁあぁう!!!」
「じゃあ…もっと…」
「あぁあぁあぁ!!!」
戸惑う俺を尻目に加速するフラン。時折大きく仰け反り大きく喘ぎ、
同時に眺めの金髪が俺の顔を掠める。
「あぁ…こ…この…」
ここで俺はフランをもう一度抱き上げようと再び両腕を伸ばす。
「あ・・・あは…お兄ちゃん♪」
嬉しそうな表情でその手を取りフランが繋がったまま俺を起こそう
とするが…
819:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 09:43:12 jMw7K36h
「うぅ…んしょ…きゃあ!!!」
「が・・・あ・・・あ…」
フランの悲鳴と同時に膣口がぎゅうぎゅうと締め付けられる。原因
は即座に理解出来た。俺が背中に回した指が髪に引っ掛ったせいだ。
「あぁ!や…あ…あぁあぁ!!」
「ぐおぉおぉ!!!」
締め付けが治まらない。今の動きで偶然にも俺がフランの感じる
場所を突いているらしい。悶える度に腰が振り回すようにガクガク
と大きく揺さぶられる。
「そ…そんな…あ…は…あ…あぁ!!!」
「い…いやぁあぁあぁ!!!」
820:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/31 09:45:19 fy8Xs7t7
支援2
821:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 09:45:22 jMw7K36h
お互いに痛いぐらいに抱きしめあいながら俺達は頂点に達する。
「んぁ・・・あ…あ・・・」
「は…あぁ…あん…あん…」
長い禁欲生活のせいも有り直ぐに射精が収まらない。果敢にも
フランはそれが終わるまで堪えてくれた。だがやがてそれが終わる
頃には脱力してズルズルと俺に打ち掛かる。
「あ…お…お、おい…」
「お…お兄…ひゃん…い…今の・・・す…凄い…」
朦朧とした表情でフランがかろうじて話し暫く動かない。
------------------------------
822:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 09:48:22 jMw7K36h
勢いに流されたとはいえど、結果として膣内射精に至った事で
俺は少し後悔の念に駆られていた。
「あうぅ…何で…こんな…何で…」
俺の心配をよそに我に帰ったフランは全身を丸め顔どころか耳
まで紅潮させていた。太股を滴る俺の精液の事もすっかり忘れて
顔を隠しながら身悶えしている。
「うぅ…恥ずかしい…。」
「まぁまぁ…落ち着けって。」
「いやぁ!」
「とりあえず…もう一回抱っこさせろ。」
「あぁん!」
823:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/01/31 09:49:18 CbzRgawF
支援
824:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 09:50:40 jMw7K36h
抱き上げたフランの背中をポンポンと叩き赤子をあやすような
要領で暫く落ち着くのを待つ事にした。
「いや…攻めるばっかりで嫌われてるんじゃないかって心配してた
けど…あれだけお前が夢中に…」
「いやぁ!もう言わないで!!」
「だから落ち着けって。あぁ…可愛いぞチクチョー!!!」
「え?可愛い??」
「あぁ…さっきのあの姿、とっても可愛かったぞ♪」
「あ…う・・・あぅ…う…うぅ…」
「お?おい…ちょっと…フラン…」
俺から咄嗟に離れ再び蹲り呻きだすフラン。
825:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 09:53:12 jMw7K36h
よく考えれば兄妹同然のフランには直接“可愛い”なんて褒め言葉
を使った覚えが無い。どうやら今はそれに過剰に反応しているらしい。
顔が先程以上に赤くなっている。
「やれやれ…悶えるわ赤くなるわ…まるで烏賊焼き…」
「う…うるさぁあぁい!!!」
「あ、そうだ。初詣の帰りにでも食うか?」
「えぇ?奢ってくれるの??」
フランの表情が一変・嬉しそうに俺に近づく。相変わらずこいつは
食い物には弱い。
「その前に…新年おめでとう、フラン。」
「え?あ…お…おめでとう、お兄ちゃん。」
既に時刻は0時を過ぎ年が明けていた。
826:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 09:56:04 jMw7K36h
------------------------------
「お兄ちゃん、レイちゃん、はっぴ~にゅ~いや~♪」
「おめでとうございます。今年も宜しくお願いします。」
「お…おめでと…うぅ…もう…出ないぞ…くっそぉ~・・・」
「はんぐ いん ぜぁ~♪」
「ぎゃあぁ!止め…あ…あぁ…」
「お兄ちゃん、今度は姫始めだよ。」
「お兄様、姫始めですわ。」
「頼む…せめてインターバル…わぁあぁあぁ!!!」
------------------------------
827:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 10:01:41 jMw7K36h
よく考えれば双方の両親公認なのだから妊娠したからといって躊躇
する理由は少なくとも俺にとっては全く無い。
そして今、食べ物の話に釣られ警戒心をあっさり解き屈託の無い
笑顔で俺を見つめるフラン。
俺が取る行動は唯一つのみ。
「ん?お兄ちゃん…早く初詣に…え…ちょっと…」
「さてと…一度出せば…二度も三度も同じだな♪」
「あ…ま…まさか…」
「初詣の前に…姫始めといきますか♪」
「わぁあぁ!さっ…さっきの約束は…きゃあ!!!」
「おっと…危ない。お前“達”の身にもしもの…」
「勝手に妊娠したって決め付けるなぁ!」
828:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 10:05:47 jMw7K36h
逃げる直前にすかさず足首を握りそれを阻止する。もちろん転倒
寸前に受け止めるフォローは忘れない。
「あと勘違いしてるようだから言っておくが…ぬぉ…とと…こら
そんなに暴れるな!」
「も…もう読めた…あ…お兄ちゃんの事だから…」
「日付も年も変わったから、さっきの約束は無事終了。と、言う
事で…もう一回♪」
「ひ…卑怯者!!!」
------------------------------
「いやぁ~ん、先生、行かないで~♪」
「あ…あの…」
「うぅ~今からでも…先生の子供になりた~い♪」
「はは…困りましたね…これじゃ…」
829:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 10:07:54 jMw7K36h
酔い覚ましを取りに自宅へ戻ろうと立ち上がったロジャーを悪酔い
した二人が離そうとしない。
「あぁ…母さん。すまないが…」
「はいはい、出番ですね。」
「申し訳ありません。せめてものお詫びにこちらで車を出します。」
「気にしなくてもいいのよ。うちは一人っ子だからたまにはこんな
のも悪くないわ。」
「それでは暫くお待ち下さい。」
------------------------------
「何だか賑やかな声が…えぇと…確かこの家ですよね?」
「まさか…あの子達…また…」
830:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/01/31 10:09:03 fy8Xs7t7
支援3 ゲホゲホ
831:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 10:09:57 jMw7K36h
「笑顔咲ク~君~と~つ~ながって~たい~♪」
「そのつながるは違う、絶対違…いぃ~~やぁ~~!!!」
そして新年初のお説教タイムが始まろうとしているのを俺達は
知る由も無かった。
---THE END(?)---
832:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
07/01/31 10:14:45 jMw7K36h
終了。あのドサクサ紛れにあの三人を書いたせいでセルフパロディ
っぽくなったような気も…。
ちなみにフランシーヌはもう2つネタが有るので機会が有ればまた書く
かもしれません。
そして>816(=>820=>830)氏、弾の灯氏、支援感謝します。
感想・リクエストお待ちしています。
833:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 09:27:35 2ANBaeF1
部屋に戻って来るなり、ガックリとベットにもたれ掛かる。
「今日も謝れなかった…」
夕食中、何度か話しかけようと試みたものの結局言い出せず、そのまま食事が終わってしまった。
中々切っ掛けを掴めない事に悶々としていたが
「何時までもこんなんじゃ駄目だ…」
やおら立ち上がり、決意を込めた足取りで部屋を出た。
しかし、美樹の部屋の前まで来てその足取りは鈍る。
時刻は夜の9時を回っており、事が事だっただけに、こんな時間に女の子の部屋に来るのは拙いのではないか?
扉の前でそんな風に思い悩んでいると、部屋の中から携帯の呼び出し音が聞えた。 反射的に耳を澄ます。
「え!? 日高さん?」
834:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 09:30:25 2ANBaeF1
携帯に出た美樹の口から聞き覚えの無い名前が呼ばれる。
声の感じからして予期せぬ相手だったのか、慌てているような、緊張しているような、そんな雰囲気だった。
ふいに、昨日の小野原さんが言った『Wデート』発言を思い出し、ついつい耳を欹て、立ち聞きしてしまう。
「えっ あ、あたしそんなっ 合コンなんて…!」
合コン!?
「美樹が合コン? ありえねぇ…」
呟いてから思う。TVのチャンネルを奪い合い、対戦ゲームで大騒ぎし合う まだまだ子供だと思っていた筈の妹。
今まで浮いた話の一つもなく、男っ気もなかった美樹が合コンやWデート… 自分の知らない美樹の姿。
そんな美樹との間に距離を感じ始めて途惑う自分。 結局、電話の終わりそうな気配を察して部屋へ引き返した。
「何をやってんだ俺は…」
835:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 09:34:16 2ANBaeF1
***
今日は合コンの日。 あれから千鶴ちゃんに話して参加のキャンセルを頼もうとしたけど
千鶴ちゃんに強く勧められて結局押し通された。 なんだか最近こんなのばっかりな気もする…。
「今日あたし遅くなるから」
キッチンに居るだろう健にぃに一応声を掛けておく。
未だに仲直り出来ていないけど、黙って帰りが遅くなったら心配させちゃうしね。
もちろん合コンに出るなんて事は言わない。
そんな事がバレたら絶対「似合わねぇ」って笑われるに決まってる。
あ… それをネタにして話す切っ掛けにすれば良かったかも…。
そんな事を思いながら、商店街の待ち合わせ場所に向った。
836:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 09:39:42 2ANBaeF1
***
キッチンでコーヒーのお湯を沸かしている時、玄関から美樹の声が掛かる。
「今日あたし遅くなるから」
一瞬ドキッとする、未だに謝れないでいる俺は美樹から声を掛けられる事に妙に敏感になっていた。
率直に嬉しかった。 それから掛けられた言葉の意味を考え、複雑な気分になる。
「…そうか、今日か」
美樹が合コン…。 やっぱりどうやってもイメージが結びつかない。 「ありえねぇ」というのが感想だが…。
自分が知らなかっただけで、美樹も普通に今時の女子高生をしていたのだろう。 そう想うと少し淋しい。
「それにしても…」
Wデートやら合コンやらと、最近になって急にそういった行動が目立ち始めたのは…。
837:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/02/05 09:42:03 hxIfPtbF
|・)リアル遭遇支援
838:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/02/05 09:45:25 KRugMr7O
久々にリアル支援~
839:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 09:46:08 2ANBaeF1
「やっぱ俺のせいなのかな…」
あのキスが切っ掛けでそういう事に目覚めたとか?
「…いや、自意識過剰だな」
自分にそんな大した影響力は無いだろうと自嘲する。
自己嫌悪と罪悪感に苛まれる環境が続いている為か、どうにも後ろ向きに考え勝ちになっている。
何時も一緒に居た『兄という家族の男性』と距離が出来た為に、家の外に代わりを求め始めたのかもしれない。
兄からの卒業、成長の過程によくある話だ。 親離れとか、子離れ、今で言うなら兄離れ…
常に身近にいる家族からの自立、精神的依存からの脱却。 それは美樹が成長したという事なのだろう。
それは喜ばしい事の筈、だが…
「なんだろうな… この喪失感は」
840:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 09:48:28 2ANBaeF1
***
「みっちゃ~ん、こっちこっち~」
「へぇ~ 綾瀬さんもこういうの来る方なんだー?」
待ち合わせ場所には千鶴ちゃんの他数人の『女性陣』が集まっていて
同学年の知ってる子や、学校で何度か見かけた事のある先輩の姿があった
千鶴ちゃんとよく男の子の話をしている先輩だ。
「結構多いんだね?」
「うん、今日はちょっと多い目かな?」
「綾瀬さんは初めてなん?」
会場に入る時間まで暫らく雑談をして過していると、『男性陣』の準備が出来たらしく
幹事さんが呼びに来たので皆の後に続いて会場のお座敷レストランに入る。
う~ん、ちょっとドキドキしてきた…
841:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 09:51:14 2ANBaeF1
「ねぇねぇ、和哉君ってさー…」
会場の大広間に入ってそこで男性陣、女性陣の順に軽く自己紹介。
その後は自由に飲んだり食べたりしながら気に入った相手とお話して過すフリータイムって事になってるけど
千鶴ちゃんは真っ直ぐある男の子の所へ行って積極的に話しかけてる。
なんでも『端学のプリンス』とかって異名を持ってる坂ノ端学園の有名なイケメン君らしくて
千鶴ちゃんの他にも四人くらいがその男の子を囲っていて、質問攻めにされてるみたい。
「うーむ、流石に和哉も引いてるなー」
「あ、日高さん」
誰と話すでもなく、オレンジジュースをちびちびやりながら
ぼ~ッと千鶴ちゃん達の方を眺めていると、日高さんが隣にやって来た。
「隣、座ってええかな?」
842:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/02/05 09:57:13 hxIfPtbF
支援2~
843:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 10:02:41 2ANBaeF1
どうぞ、と横に少し動いて場所を空ける。 空けなくちゃならないほど狭くは無いけれど一応気分の問題で。
「どない? 雰囲気にも馴れた?」
「はい、流石に知らない人とは話せませんけど」
「そっか、じゃあ僕と話そう~」
「ふふ、いいですよー」
それから暫らくの間、千鶴ちゃん達をネタに日高さんと雑談に興じる。
カラオケタイムとかあったけど私は参加せず、凄く上手い人も居たけど皆聞いてるのか聞いてないのか
一応歌が終わったら拍手してやんややんや言ってるけど、歌ってる最中は飲み食いしながら雑談してるし
そういうモノなのかな? と思ったけど、私は今一そんな雰囲気がしっくり来なかった。
「はっはっはっ なるほど、綾瀬さんは真面目なんやなぁ」
そうなん…?
844:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 10:07:52 2ANBaeF1
「それでは、二次会に出席するグループはこちらに集まってくださーい」
予定の時間を少し過ぎてお開きになり、会場になった店の前で帰宅組と二次会組に別れると
其々余韻を楽しみつつ、携帯の番号やアドレスを意中の相手に伝え合う。 宛ら交換会のようになっていた。
「美樹ちゃんはこのまま帰るの?」
「うん、あんまり遅くまで遊ばれへんし」
日高の問い掛けに幾分砕けた口調で返答する美樹。
合コンの間中ずっと日高との雑談に興じていた為か、随分打ち解けた雰囲気を見せていた。
「千鶴ちゃんはー…」
「ああ、小野原なら ほら」
そう言って指差す先で、千鶴が『端学のプリンス』からアドレスを聞き出そうとオネダリ攻撃を敢行していた。
845:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 10:10:02 2ANBaeF1
「他の子はもう皆諦めてるのに、小野原はまだ粘ってるみたいやな」
「うーん、流石は千鶴ちゃん… あ、そういえば日高さんってあの和哉君って人と知り合いなん?」
「うんまあ、一応クラスメイトで少しは喋る方かな? もしかして和哉に興味あんの?」
「え!?違う違うっ 何かあの人だけ他の人より浮いてる感じがしてたけど、日高さんだけ普通に話してたから…」
変な誤解をされまいと両手をぶんぶん振りながら否定しつつ、和哉に感じた異質感を口にする。
「あ~ アイツなぁ…、最近ちょっと色々あって学園でもかなり微妙な位置に居るんだけど…」
転校してきた日から随分モテては居たそうだが、女性関係等でちょっとした事件があり
今は変わらず好意を寄せる者半分、様子見半分に嫌悪少々という良くも悪くも目立つ存在で
「変に大人びてる部分が在るかと思えば、やたら世間知らずな所があったり、まあ 色々変わった奴なんだ」
「ふーん…」
二人の視線の先では、とうとう根負けした和哉から携帯アドレスをせしめた千鶴がガッツポーズを取っていた。
846:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 10:13:17 2ANBaeF1
「和哉さん」
控えめで透き通ったような声に呼ばれた和哉が振り返り、そこに紺のワンピースを着た長い黒髪の少女を見つけた。
和哉を囲っていた女性陣からの訝しむような視線を意に介さず、真っ直ぐ和哉の前に歩みよる少女と
バツの悪そうな表情で頭を掻々向かい合う和哉に、合コンに参加していた他の人達も何事かと注目する。
事情を知っている日高だけが、それを面白そうに観ていた。
「帰りが遅いので迎えに来ました」
「あ~…すまん」
綺麗な子だな~…と見とれている美樹に、日高がそっと耳打ちする
「あの子な、和哉の妹さん」
「え、そうなんだ?」
847:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 10:16:07 2ANBaeF1
やがて二人並んで帰っていく如月兄妹。
腕など組んで、ぴったり寄り添って歩く仲睦まじい姿に羨望の眼差しを向ける美樹。
そんな美樹の様子を傍で窺う日高に、何時の間にか隣に来ていた千鶴が軽く肘で突きながら「行け」と指示を出す。
「(ヒソヒソ)ほらっ 今が攻め時や、家まで送ったり」
「(ヒソヒソ)お、おうっ そうか…」
「あ~ 美樹ちゃんはもう帰るんやったね、じゃあ家まで送るよ」
「え? いいですよそんな、日高さん二次会に行くんでしょう?」
家まで送るという日高の申し出は素直に嬉しかったものの
今回の馴れない合コンの間中、ずっと自分の相手をさせてしまった事を申し訳無く思っており
そこまで自分に付き合わせる訳には行かないと、申し出を断る美樹だったが
「ええから ええから、僕が送って行きたいねん」
848:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 10:19:02 2ANBaeF1
「まあ日高がこう言ってるんやから、送って貰っとき~」
千鶴の後押しの助け舟もあり、それならと厚意に甘える事にするのだった。
「んじゃ、二人とも気つけてな~ 日高ーちゃんとみっちゃん送って帰りや?」
「分かってるって」
「千鶴ちゃんも気つけてなー」
既に移動を始めた二次会組みに飛び込んでいく千鶴を見送り、美樹は日高に送られて帰宅の途についた。
時刻は夜の8時を過ぎた頃。
普段、夜に出歩く機会の少ない美樹にとって、ライトアップされた街の様子はとても新鮮に映る。
「夜の街ってなんかそれだけで楽しい感じがするねぇ」
「あ~あるある、僕も中学の頃とか夜中出歩いた時は妙に楽しかった」
849:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 10:22:55 2ANBaeF1
日高と他愛無い会話を続けながら、美樹は先程の如月兄妹の事を考えていた。 帰りの遅い兄を迎えに来た妹。
女の勘とでも言うのだろうか、あの二人の間からは何か特別な強い絆のようなモノを感じとった。
翻って自分と兄の健一の事を考える。 果たして、普段の健一なら自分を迎えに来てくれるだろうか? と。
『う~ん、まず合コンに出るって言った時点で大笑いされそうやな~』
それに今頃の時間なら二人で対戦ゲームをやってる筈だと考え至り、もう一週間以上続く兄との現状に憂鬱になる。
『はぁ~… 健にぃとゲームしたいなぁ…』
「ん? どうしたの、美樹ちゃん? 溜息なんかついて」
「!? う、ううんっ 何でもないよ? ちょっと考え事してただけ」
健一の事を考えて没頭し過ぎるあまり、態々こうして家まで送ってくれている日高の存在を蔑ろにするのは失礼だと
慌てて頭の中を整理する。 とりあえず、自分が健一と仲直りしたがっている事ははっきりしたのだと再認識した。
850:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 10:25:22 2ANBaeF1
帰宅路の途中、公園脇に差し掛かった時だった。
「美樹ちゃん、ちょっとええかな?」
「はい?」
日高は親指で公園を指し示すと、中央に立つ街灯の辺りへと歩いて行く。
二対のブランコと低い鉄棒、それにカラフルなタイヤが何本か埋まっているだけの小さな公園。
子供の頃には美樹も健一と一緒にここで遊んだ事がある。
美樹は懐かしさを感じつつ、『なんだろう?』と日高の後に続いて公園の中に入っていった。
***
「あ、ジュース切れてるんだった…」
冷蔵庫から空のペットボトルを破棄した健一は、財布を持っている事を確認するとコンビニに向うべく家を出た。
851:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/02/05 10:25:33 KRugMr7O
つ④
852:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 10:28:38 2ANBaeF1
今回ここまで
>>837
>>838 >>842
支援ども~ 日日 オチャドゾー
 ̄ ̄
853:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/05 10:32:06 2ANBaeF1
うあ、並べ方間違えてた
>>851
④ ども~
`)ノ
854:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/07 16:28:53 Fl6qEkVn
『そろそろ美樹が帰ってくるかもしれないな』
買い物を終えてコンビニを出た健一は足早に帰宅の道を急いでいた。
近道をしようと公園を抜ける小道に入った所で、公園内に人の気配を感じる。
『…!』
街灯の明かりの下、向かい合う若い男女の姿。
出掛け際にちらりと見えた、お洒落な格好をした美樹。
この前見た時のような『女らしさ』を感じさせる美樹の姿があった。
向かい合っているのは美樹と同年代位の男。
『誰だ… この前のデート相手? 夜中に電話して来た奴か…?』
855:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/07 16:31:35 Fl6qEkVn
小さなコンクリートブロックが等間隔に並べられただけの小道は公園を囲う樹木と茂みの間を通っていて
街灯付近からは照明の関係もあり、死角になっている。 健一は引き返すべきか様子を見守るべきかと迷っていた。
「美樹ちゃんに 僕の気持ちを伝えとこうと思って…」
向かい合っている男がそう言って美樹の肩に手を置いた。
『なんだ!? 告白か!? 告白なのか!?』
いよいよこの場に居続ける事が憚れる雰囲気になって来たと感じた健一はゆっくりと後退りを始める。
***
振って沸いたような突然の甘い雰囲気に美樹は混乱していた。 両肩に置かれた日高の手がやけに熱く感じられる。
「あ、あの… 日高さん?」
856:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/07 16:35:15 Fl6qEkVn
うわーうわー 何これ? 何なのこの雰囲気はーーっ 気持ちを伝えるってなにーーーっ???
「僕な、美樹ちゃんの事、好きになったみたいや …その、君とやったら本気で付き合えると思うねん」
「え… ええっ」
これって やっぱり告白!? うそ… あたしが? まさか
「美樹ちゃん 僕と付き合って欲しい」
「…あ」
告白されるなんて、初めてだったから… 混乱して どうしたらいいのか分からなくなって…
だから 日高さんの顔が近づいて来る意味を理解するのが遅れてしまって だから 拒めなかった
私は日高さんにキスされた。
857:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/07 16:37:56 Fl6qEkVn
「美樹ちゃん…」
呆然としている私を抱き締めようと、腕を回して来る日高さんの胸を押して止める。
少し途惑ってたけど、ゆっくり離れてくれた。 よかった…、強引に抱き締められたらどうしようかと思った…。
「あ、えっとね? 好きって言ってくれるのは嬉しいけど、ちょっと考えさせて欲しい…んだけど」
少し声が上擦ったけど、ちゃんと言えた。 まだ頭が混乱気味で心臓がどきどき言ってるし。
「そっか、うん ゴメン、ちょっと急ぎ過ぎたね 返事はゆっくりでいいから」
「うん…」
頭を掻きながら照れた表情で微笑み向ける日高さん。 うわーこんな顔もする人なんだ…。
「えーと それじゃあ、家まで送ろうか?」
「ううん、もう直ぐそこだから…ここでええよ」
858:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/07 16:40:30 Fl6qEkVn
公園を出る日高さんを見送った後、一人ブランコに腰掛けて気持ちを落ち着かせる。
合コンに出て、帰りに送って貰って、告白されて、キスまでされた。 しかもまた不意打ちかぁ~。
「ふぅ~… びっくりした」
にしても、告白して即キスしたりするものなのかな? 今時はそんなもんなんだろうか? …まだ顔が熱い。
「でも…、健にぃの時とは違ってたな」
確かにどきどきしたし、顔も熱いけど…何だか妙に冷静で居られたというか …そりゃ混乱はしてたけど
健にぃにされた時みたいに頭が真っ白になったりフワフワした感じがしなかった。
二回目だったから馴れただけとか? …ううん、違う アレは何か違ってた。
「そっか… 違うんだ…」
日高さんにされたのは、唇を合わせる行為…。 健にぃとのは唇を重ねる行為…、只合わせるのとは全然違う。
859:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/07 16:43:23 Fl6qEkVn
一週間以上前の事なのに、はっきりと思い出せる。 あの夜、突然訪れたキスの味。
唇の感触から伝わってくる感覚、体温、息遣い、全部が健にぃのは特別な感じがする…。
「…もう一回、健にぃとキスしたいなぁ…」
ポツリと呟いてから赤くなる。
「何言ってねん あたしは…」
誰に向けるでもなく照れ隠しに咳払いをしてブランコを降りると、家に帰宅すべく公園を後にした。
日高さんには明日にでも返事しよう。
「あ~ その前に千鶴ちゃんから色々聞かれるかも…」
告白されたけど断るつもり、とだけ言っておけばいいかな?
860:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/07 16:45:45 Fl6qEkVn
今回此処まで
ちょっと自問自答のトコが強引だったかな
861:名無したん(;´Д`)ハァハァ
07/02/07 16:48:31 n74/QsY+
支援ミスorz
862:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/11 10:01:34 XIC3gc9t
***
「…」
どのくらいこうしていたのだろうか… 気が付くと俺は、電気も付けずにリビングに突っ立っていた。
コンビニの袋を下げたまま、握りしめていた手が痺れて冷たくなって来ている。
引き返そうと小道を後退りしながらも目が離せず、見てしまった美樹と美樹に告白した相手とのキスシーン。
「美樹に、恋人が出来たのか…」
最近感じ始めていた喪失感が一層大きくなったような気がした。
「ただいまー」
「!?」
飛び上がる程驚いた俺は慌てて冷蔵庫の扉を開け、ジュースのボトルを袋から移し始める。
863:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/11 10:04:17 XIC3gc9t
「あ、ジュース切れてたんだ? アップルはあった?」
ここ暫らく聞かなかった美樹の明るい声。 さっきのシーンを思い出し、何故だか気分が沈む。
そんな自分の気持ちに混乱を覚え、上機嫌な美樹にイライラする。
「知るかよ」
素っ気無く答えてから『しまった』と、美樹の様子を盗み見ると。
しゅんと、萎んでしまったような表情で俯いていた。
馬鹿か俺は! せっかく機嫌よく帰って来て… 以前みたいに話しかけてくれたのに…
イライラする。 不甲斐無い自分にも。 上機嫌な美樹にも。 謝れない自分にも。 怒らない美樹にも。
居た堪れなくなった俺は、結局その場から逃げ出した。 これ以上下手な事を口走って美樹を傷付けない為に。
864:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/11 10:14:06 XIC3gc9t
**
いつもより不機嫌そうな返事をかえした健にぃはそのまま部屋に戻って行ってしまった。
「…」
失敗した…。
健にぃもずっと気まずい状況の中で苦しんでいただろうに、寧ろ健にぃの方があたしに …キスしたんやから
その事でずっと気に病んでたかもしれないのに。 私だけ楽しい時間を過してて…。
『あたし… 自分の事しか考えてなかった』
色々あって、初めて告白されたりして ちょっと浮かれてた自分に自己嫌悪。
「健にぃ… あたし、嫌われちゃったのかなぁ…」
865:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/11 10:18:48 XIC3gc9t
**
部屋に戻った俺はそのままベットに潜り込んで布団を被る。
美樹に彼氏が出来た。
公園で見た感じでは、相手は中々の好青年のようだったし、兄として本来祝福してやるべき所の筈だ。
それなのに、俺は何故こんなに苛ついてるんだ? 分からない…
答えの出ない自問自答と自己嫌悪に意識を埋没させながら、逃れるように眠りに付いた。
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翌朝。 気分は重く、目覚めは最悪だ。 焦燥感に駆られるようにベットから起き出し、洗面所に向かう。
顔を洗い、僅かに残っていた眠気を振り払っても気分は冴えない。 訳の分からない焦燥感に不安が募る。
天気予報を見る為にテレビのスイッチを入れようとして、テレビ台の棚に収まってるゲーム機が目に留まる。
あの日、片付けたままのゲーム機を見ていると、美樹と一緒に遊んでいたのが随分昔のような感じがした。
そして、唐突に思い至る。 あの日、何故あんな事をしたのか…
866:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
07/02/11 10:29:03 XIC3gc9t
「…そうか」
美樹はもう子供じゃなかったんだ… 昔と違って、美樹も俺も。
世間的、年齢的にはまだ子供の範疇だろうけど、そういう事じゃなく
性差を気にせずじゃれ合える時期は、過ぎていたんだ。
それに気付かず近づき過ぎてしまった為に、惹き寄せられてしまった
美樹の女としての性に、俺の男としての性が。
胸の内を暗雲となって覆っていた焦燥感が、一気に吹き抜けるように晴れて行く。
所謂『腑に落ちる』という奴だろうか、逆に不安を覚えそうな程スーッと心が澄み渡っていく感覚。
そこへ美樹がやって来た。 リビングに立つ俺を見つけると、寝癖を弄っていた手がハタと止まる。
顔を見合す俺と美樹。 今なら言える…
「美樹、…ごめんな」