07/11/30 16:44:36 1LzGOLhJ0
縦持ちプレイで“ミステリーを読む”感覚でプレイできるアドベンチャー
「アナタヲユルサナイ」はPSPを縦に持
URLリンク(lg96.3322.org)
16:風と木の名無しさん
07/11/30 19:39:37 R4NlJeaSO
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ドラマ版 封真の古児朗 黒児士×劉方
スレで出たネタを纏めてみました。スレの姐さん方に感謝。
17:黒×劉 1/5
07/11/30 19:42:05 R4NlJeaSO
いつものように屋敷への道を歩いていると、数日通った神社が目に入った。
さすがに今日はアイツと出くわすこともないだろうと思いながら足を向けると、賽銭箱の前に見覚えのある大きな背中があった。
敵である筈の相手なのに、一生懸命に祈っている姿がどこかほほえましくて、階段下まで近づいてから、神頼みはしないんじゃなかったかと声をかけた。
アイツは驚いた表情で振り向くと、照れ隠しにしか見えない怒り顔で、当たり前だ!と言いながら階段を下りてきた。
その割には真剣に祈ってたじゃないかと笑ってやると、思いの他真正面な顔で、別に祈っていた訳じゃないと返された。
「ただ俺は…お前と会える場所を他に知らない」
そうか、お前はこの場所でずっと待っていたのか。俺との決着をつける為に。
不器用な男だ。
敵である事が惜しいと思う。
同じ一族に生まれていたら、いい友人になっていただろう。意外と子供好きらしいので、年下の兄弟達に慕われて世話係になっていたかも知れない。
だが実際は敵同士、殺し合うしかない間柄だ。
立場が違っていれば芽生えたかも知れない友情の証として、俺のこの手で彼岸へ送ってやろう。
18:黒×劉 2/5
07/11/30 19:46:14 R4NlJeaSO
そう思った時、アイツはこの前と同じ岩を頭上に持ち上げた。
境内での殺生は気が進まないから場所を変えようと口を開いた時、耳を疑うような言葉が周囲に響き渡った。
「好きなんじゃあぁぁぁ!おりゃあぁぁぁ!!」
………………
…………
……はい?
アイツは俺の動揺に気付かず、叫びとともに持ち上げた岩を、力いっぱい遠くへと放り投げた。
ええと…今、何とおっしゃいました?
聞き間違い……だよな。
とりあえず、俺も岩を持ち上げて、何か叫んでみるべきだろうか?それとも、よく聞こえなかったと言うべきだろうか…いや、それはまずい気がする…
呆然としたまま固まっている俺を見たアイツは、今度は強引に俺を抱き上げながら再び同じ言葉を叫んだ。
聞き間違いでは…なかった。
な………
な……
な、何だコイツ!何て恥ずかしい奴なんだっ!!
お前は小学生か!人を口説いた事が無いのか!!
いや、それ以前に俺達は敵同士だろうが!!
というか、お前は俺にどんな答えを期待しているんだー!!
頭の中がぐるぐるしてまともに考えられず、されるがままに抱えられていたら、いつの間にか数人の幼稚園児に囲まれ、おじちゃん、ちょーかっこいー!と賞賛され、拍手までされていた。
おじちゃんたち、けっこんするのー?という無邪気な声が、戻りかけた俺の思考に追い打ちをかける。
話しかけてくる園児の顔が、いたずら好きの兄弟の幼い頃に見えるのは気のせいだろうか…
その無邪気で遠慮のない声にアイツが何か答えたのか、何と答えたのかは覚えていない。
いや、答えを覚えてないどころじゃない。いつの間にか移動までしていたようだった。
気が付いた時には見知らぬ林の奥にいた。
19:黒×劉 3/5
07/11/30 19:49:46 R4NlJeaSO
林というよりも深い森だ。山里で育った俺にとっては、街中よりも遥かに心が落ち着く場所だった。
地に厚く降り積もった落ち葉の上にそっと横たえられ、懐かしい森の匂いに包まれて、俺はようやく自分を取り戻した。
予想外なこの状態にどう対処するべきだろうか。
さっきの一件が俺の油断を誘う為の芝居だったとしたら、今頃俺の命はなかっただろう。
敵を目前にしてあれほどうろたえるなんて……我ながら、らしくないと思う。
それだけじゃない。
俺はどうして、おとなしく抱き抱えられて運ばれていたんだろう。
どうして今、抵抗せずに組み敷かれているんだろう…その答えが欲しくて、目の前の相手をじっと見つめた。
ゆっくりと近づいてくる唇をそのまま受け止めると、軽く触れただけですぐに離れた。
抵抗しないのか?と聞いてきた声がやけに弱気だったので、して欲しいのかと返してやると、小さな声が別に…と答えた。
何というか……可愛い男だな。
あまりの不器用さにほだされたんだろうか、一度だけなら抱かれてもいいかという気になった。
どうせ減るもんじゃない。二度と会わなくなる前に、殺し合う前に一度くらいは……やっぱり、ほだされてしまったような気がする。
20:黒×劉 4/5
07/11/30 19:54:07 R4NlJeaSO
結局、今日は一日休戦だと約束させて、身体を開いた。
不器用ながらも優しく丁寧な愛撫を受けて、まるで恋人に愛されているかのようだった。
誰もいないからと囁かれ、請われるままに声をあげ、求められるままに幾度も抱かれ…ようやく開放された時には、もう足腰が立たなくなっていた。
軽く後悔したが、今更文句を言っても仕方がないので街中まで連れて行けとだけ言うと、責任を持って送り届けると言うので、その言葉を信用してやる事にした。
疲労による眠気が緩やかに訪れたが、さすがにここで眠る訳にはいかない。睡魔と戦ってると、何もしないから少し眠れと言われて抱きしめられた。
眠ったらお前と個人的に話す機会はもうないだろうなと言うと、そのうち嫌でも会えると言って笑った。
ああ、そうだったな。三途の川を渡ってしまえば嫌でも会える。どうせ行き着く先は同じだ。まあ俺は当分渡るつもりはないがな。
温かい腕に抱かれて眠りの淵に沈みながら、向こうで会った時、気が向いたらまた相手してやるよと笑うと、覚えておくと答えが返ってきた。その言葉を忘れるなと…
その声を聞きながら、俺は穏やかな気分で眠りについた。
21:黒×劉 5/5
07/11/30 20:01:00 R4NlJeaSO
目が覚めた時、俺は自室としてあてがわれている部屋の中にいた。
何故か今の状況が思い出せず、ぼんやりとした記憶を辿っていると、目の前を黒く大きな蝶が横切った。
驚いて身体を起こすと、黒い蝶はヒラヒラと俺の周りを飛びまわる。しばらくその様子を見つめていると、この蝶が何故此処にいるのか、何となく分かった気がした。
布団から出て外に通じる障子を開くと、蝶はフワリと舞って庭へ出て行く。
「胡蝶の夢か…」
蝶は死者の魂だという。
「夢を見たのは、俺かお前か…」
闇に舞う蝶は躊躇いなく庭を抜け、塀の外へと飛んで行く。月明かりに浮かんでいた黒い羽は闇に溶けてすぐに見えなくなった。
蝶のいなくなった部屋へと戻り、布団に潜り込むと再び眠気が訪れた。
眠っていたはずなのに、返って疲労した気がするのは夢のせいだろうか。
だが、もうあの男の夢を見る事はないだろう。
夢は目覚めれば忘れてしまうもの。ならばあの約束を覚えておく必要はない。
アイツには不義理だと言われるかも知れないが、知った事ではない。文句があるなら直接言ってくればいい。
どうせいつかは嫌でも会う事になるのだから…あの川の向こうで。
ああでも、あの馬鹿みたいな告白は覚えていてもいい。他は全部忘れるが、あれだけは一生覚えていてやる。
そう思いながら目を閉じると、すぐに眠りの中に落ちた。
深い眠りの底には何もない。
夢の時間はもう終わったのだ。
22:風と木の名無しさん
07/11/30 20:03:47 R4NlJeaSO
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
初めてだったので配分のバランスが悪くなってしまった…
ごめんなさい
23:風と木の名無しさん
07/12/01 00:44:26 Roe95o1SO
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「こーらおいしいです」でお馴染みのAA
奥×手前
24:きがくるっとる 1/3
07/12/01 00:47:04 Roe95o1SO
その日の彼は疲れているようだった。
玄関の鍵を三分くらいガチャガチャと鳴らし続けているので、どうやら様子がおかしいと思って開けてやると、彼は真っ赤な顔をしてドアの前に立っていた。
「タカシめ、にせものをわたしたな」
「それはくるまのかぎですね」
「タカシにかりたんですよ、あしたこらしめてやる」
まあおはいりなさいと彼の背中を室内に押し込む。
暖かい室内で少し元気を取り戻したのか、彼は冷蔵庫へとフラフラ向かっていった。
あ、と思った時にはもう既に遅かった。
「コーラ おいしいです」
やってしまった、と思い慌てて駆け寄る。すぐにビンを奪い取ってやった。
「いいえ それはしょうゆです」
そうですか、と彼は口のなかでまだ醤油を味わっていた。
カミカミスゥと旨そうに噛んでいる。
ぎゅうにゅうじゃあるまいしと呟くと、いつもの顔で「いいえ けふぃあです」と答えるのだった。
25:きがくるっとる 2/3
07/12/01 00:51:05 Roe95o1SO
晩ご飯も食べおわり、自室で日課のストーカーごっこをたしなんでいると、ドアを撃ち抜く音がした。
はぁ、と作業を中断してドアに顔を向ける。
案の定彼の顔が嬉しそうにこちらを見ていた。
ほんもののすとーかーですね、と思いながらドアに近寄る。
「ざんぞうじゃないんですね」
「はい わたしです」
ああ、あたまがいたい。
ついついこめかみを押さえてしまう。
「いったいなんのようですか」
「ようはありません」
「ならどうしたんですか」
「とてもひまなんです」
「そう かんけいないね」
仕方のない従兄である、誰だって趣味の時間を中断されたら怒るだろう。
いつまでたっても「かまってちゃん」が抜けない奴の相手をするのも疲れる。
傍若無人なマイペースさが彼の長所であり最大の短所なのだ。
「ひさしぶりにふたりであそびましょう」
ぐいっと手を引かれるまま階段を転がるように駆けおりる。
ああそういばかいだんをぞうせつしたんでしたっけ。
これも彼の希望だった。
長い長い、どこまで続いているのか分からない階段は、彼のお気に入りだった。
26:きがくるっとる 3/3
07/12/01 01:01:58 Roe95o1SO
「くうきとゆうごう たのしいです」
「きがくるっとる」
坂を転がるみたいに二人で階段を降りる。
足音もドタドタと騒々しいし、いいかげん疲れてくる。
それでも隣の彼はいつもの笑顔だった。
「ゆうごう たのしいです」
「そう かんけいないね」
全く関係無い。
毎日毎日彼の暇つぶしに付き合ってへとへとだ。
でも結局は分かっているのだ、「遊び」「暇つぶし」があるひとつの理由に過ぎないことを。
「ゆうごう したいです」
いつもこの言葉が出るのを待ってやっているのだ。
二十歳にもなれば小さい子供のようには言いだせないのだろう、子供みたいに階段を駆けおりる最中に言ってのけやがる。
小さい頃とは違うというのを彼も分かっているのだろう、遊びを口実・ごまかしにしているようだ。
マイペースなりに考えているなぁと瞬きをした。
そして、いつもの台詞。
「きが くるっとる」
わたしも、あなたも。
ゆうごういぞんですね、と身を寄せると、いつもの心地よい融解感が身を包んだ。
あくえりおんですねと言うので、頭頂部をバラバラにしてやった。
27:きがくるっとる
07/12/01 01:05:12 Roe95o1SO
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
撃沈orz
わたしじしん きがくるっとる
28:風と木の名無しさん
07/12/01 01:32:40 Ghqo6j2r0
前スレ>539の風呂ネタ、何度読んでも萌える……
29:風と木の名無しさん
07/12/01 02:28:09 +h5BeCaHO
>>23
よめないじが ほどこされておる
じゃなくて!
うわあああまさか読めるとは思わなかった、超GJ!
「ゆうごう」せつな萌えました
30:風と木の名無しさん
07/12/01 05:28:03 BS9DKO7C0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
歴史物、旧日本軍人の上司と部下です。少し長いかもしれません。
31:226・1/?
07/12/01 05:49:03 BS9DKO7C0
こつんこつんと床を蹴る音がして俺は目を覚ました。
いつの間にかまどろんでいたらしい。来客だ。だが机に臥せった体を起こすのは難しい。
椅子に座って腰を曲げた姿勢で長くあったせいか体が重いのだ。眠りに落ちる前よりも不愉快な気分だった。
「ワン太さん」と呼ばれた気がする。
しかし俺はまだ眠りたりない。頼むから出て行ってくれ、と心の底で呟いた。
「ワン太さん、起きてくださいよ。栗原です」
・・・・・・なんだ、栗原か。客人の正体が知れた。尚更だ。俺は起きまい。
「ほんとに寝ちゃったのかなぁ。適当な人だ。自分で呼び出しておいて」
どの口が言う!全く呆れなのは俺のせりふじゃないか。ここ一週間、お前は俺の私用の呼び出しに従ったか。一ッ度も無い。
今日だって惰性の、駄目もとの気持ちだったんだ。丁度いい。待たされる気持ちを味わえ。
無駄口を止めたらしく静かになった。出て行った素振りも無いから、どこかへ腰掛けて居るんだろう。
よし。このまま狸寝入りを続けてやれ。どうせ奴に急用のないことは分かっている。
俺が起きるまで待つつもりかは甚だ怪しい限りだが・・・・・・様子を見ていれば良い事だ。あわよくば、減らず口から思わぬ本音が聞けるやもしれん。
含み笑いが漏れぬよう、いっそう顔を腕の間に埋ずめる。栗原を困らせてやるのも面白いもんだ。
「しかし・・・・・・何の用事だろうな」
どこからか人の重みが近付いて来た。刹那、見破られまいかと緊張する。
「仕事にゃあらかた話が付いているし、第一それはこんな所まで出張してするもんでもないか」
ワン太さんのとこまで来るの億劫なんだよなぁ、と栗原がぼやいた。悪かったな立地が悪くて。俺のせいではないぞ。
「じゃあ何か・・・・・・遊んで欲しかったのかな」
32:226・2/?
07/12/01 05:51:42 BS9DKO7C0
むっ、と栗原の体臭が鼻を翳めた。見えなくとも、奴の視線が体中を這うのを感じる。久しぶりのことで、鼓動が波打つ。
どくどくと血潮が滾る。ああ俺は一体何を期待しているのか。
「そうだな、違いない。寂しかったんでしょうね。ワン太さん。とは言え、口で言っても許してくれないだろうなぁ」
ワン太さんは気分屋だ、ふふふと可笑しそうな笑い声が俺の背後に流れていく。俺の後ろに回った栗原は、尚も笑い続けた。
俺は興奮が止まない。これから起こりうることへの興奮が。
栗原は俺の背中に覆いかぶさるように寄り掛かる。ぎぎ、と椅子が軋んだ。
「ワン太さんを起こさないようにしなくちゃ・・・・・・見つかったらことだもの」
栗原の手が俺の体をまさぐる。ゆっくりとした動きが気持ち良い。手袋は無い様だ。柔らかな感触が鮮明に伝わる。俺は堪らず呻いた。
「・・・・・・おっと」そう言って栗原が動きを止める。まさかこのまま放られるのでは・・・・・・と不安に思ったとき、行為は再開された。
33:226・3/?
07/12/01 05:52:29 BS9DKO7C0
「あぶない、あぶない」
栗原は笑う。吐息が俺の耳元を過ぎていく。生ぬるい、それがとても淫靡だった。
むき出しになった俺の首筋に、栗原の口付けが降ってくる。いちいち大げさな音を立てて吸われると、こちらが気恥ずかしい。
栗原のやつ、俺が起きようと実際気にしていないのか。
「ん・・・・・んぅ、タってきた・・・・・・」
やっぱり。しかし報告せんでいい、とてっきり俺は自分のことを言われているのかと思ったのだがどうやら事情は違うらしい。
俺のいちもつを撫でさすりながら栗原が続ける。
「ねぇワン太さん、起きなよぉ・・・・・・」
栗原は苦しそうに熱い息を吐きながら、俺の背に顔を押し付ける。お前のことか。
俺は思わず生唾を飲み込んだ。俺の体に欲情するあいつの姿に、陰気な征服感を覚える。
「しょうがねぇなぁ・・・・・・もう」
と本来なら俺が言うべきはずの言葉を栗原が唱えた。栗原の重心が、机に立て肘を突いた左側に移動する。
俺のいちもつをまさぐっていた右手は、ついにファスナーを開けに掛かった。いきり立ったそれが覗いたとき、やつはぱっと手を離す。
「うわ・・・・・・すげぇな。我慢してたのかワン太さん」
指先に付いた先走りの汁を栗原が夢中で舐めしゃぶる音が聞こえる。汗がつぅと滴った。
「出してすっきりしましょうね」
34:226・4/?
07/12/01 05:55:27 BS9DKO7C0
ちゅ、っと銜えた指を離す音。それに反応して俺のものはまた固くなる。
栗原の細い指が俺のものに絡みついた。すかさずやつが「あ・・・・・・」と歓喜の声を上げる。
正真正銘の色好きだ。こいつは。
やわらかい指はえものを握ると、やわやわとしごき出した。もっと強く擦って欲しいのに、あいつは触り心地を楽しむかのような動きだ。
もどかしい運動に理性が噴出してしまいそうだ。
「んんぅーっ・・・・・・ああ駄目だ触りたい・・・・・・」
悲鳴のような声が栗原から出た。左手を離してしまえば、全体重は俺に掛かることになる。栗原なりにちゃんと配慮はあるようだ。
俺は自分ばかりが快楽に興じているのが後ろめたくなった。
はっはっ、と大型犬のような息遣い。いきなり、えものをしごく指が暴れだした。栗原は「ワン太さん、ワン太さん」と切なげに俺の名を呼んだ。指はぐちゅぐちゅと亀頭を擦ったかと思えば、なめらかに這う。
俺は翻弄されていく。顔を上げなければ息が苦しかった。最初の悪戯心などはとうに吹っ飛んだ。椅子の背が揺れる。栗原が腰を擦り付けて居るらしい。
「・・・・・・く、栗原」
意地もへったくれも無くなった俺は、栗原を呼ぶ。聞こえないかと言う杞憂はやつの嬉しそうな顔をみれば明瞭。起き上がった俺に連動して、栗原も体を離す。指先は名残惜しいような動きをした。思わず自惚れる。
「起きられましたか?」
ああ、と告げる。椅子を回転させ、栗原に向き直った。
35:226・5/?
07/12/01 05:57:30 BS9DKO7C0
満面の笑みだけを切り取れば従順な部下そのものだ。だがすぐ横に見られる手先には、男に奉仕をしていたとはっきり分かる物がありありとしていた。
俺のえものを見る栗原の目は淫蕩そのものだ。
「舐めろ」
俺は続きを促す。茶色の伏せた瞳は見開いて俺を見つめ、そしてうっとりとほころんだ。
栗原はすぐさま俺の足元に跪き、股座へ顔を近づける。出会い当初はこんな好き者だと想像もしなかった。潔癖な若者、と思っていた。
又その美貌だから女好きなことは頷けても、まさか・・・・・・。
男好きとは思うまい。
「んぐ・・・・・・ん、んっ」
根元いっぱいまで飲み込んで、嗚咽を漏らす。しかし決して苦しがることもなく、その頬は赤みがさして艶めいた。右手で玉を揉みしだくことも忘れない。
じゅっ、と搾りあげるように啜る。何度かきつい吸引のまま顔を上下させると、「ちゅぱっ」と弾けるような音と共に口を離した。
下から蕩けきった顔の栗原が俺に言う。
「おいしいです」
思わず達しそうになるが堪える。まだまだ遊んでもらいたいのでな。我慢だ。
「ふぅん。そうか、そんなにうまいか」
「はい」
栗原は屈託なく無邪気に頷いた。受け答えの幼稚さと、男らしい面立ちの倒錯が色気だ。
「どれ、立てるかな?」
発熱してふやけた容姿が子供のようにか細い。軍人とは思えない千鳥足で、栗原は俺に支えられながらも立ち上がった。
「ここ。ここに寄り掛かって」
「あのぅ・・・・・・」
栗原は机に尻を半分乗せた格好で、俺を見つめる。その瞳は潤んでいて綺麗だった。
「お前ばかりがいい思いをするのは、なぁ」
ズボンの上から栗原のものをなぞる様にひっかいた。途端仰け反って、「あァッ・・・・・・」と泣きじゃくる。逃げようとする腰を引っつかんで、大股開きにする。
栗原は机上に乗り上げた己が体を支えるのに必死だ。
「俺もうまいごちそうを食わせて貰うよ」
スケベな言葉が良く出たもんだ。我ながら感心する。立場を逆転させ、今度は栗原が弄ばれる番だ。たっぷりいじめてやる。
栗原のものはしとどに濡れていた。ズボンも軍靴も取っ払って、下半身は素肌を晒している。陰毛の茂みにつゆが零れた。
36:226・6/?
07/12/01 06:00:05 BS9DKO7C0
「では、いただきます」
べろん、と一舐め。「んぐっ!」と喘ぎ栗原の体は震える。ユカイだ。
若い分、すぐ爆発しそうだな。可哀相だからまずは楽にしてやるか。お楽しみはそれからでいい。
「あぁ、あ、あ、ワン太さん・・・・・・ワン太さん・・・・・・」
口に含んで揺らしてやると、案の定昇り始めた。あんまり名前を言うもんで、胸が詰まる。可愛い奴だ。
いとおしくて俺まで高ぶってきて、絞り上げるように亀頭に吸い付いてやる。
栗原の腰がぐっと逃げる。顔を上げると、口をぱくぱくさせて何か訴えるように俺を見る。どうやら声にもならないらしい。
「・・・・・・いいんだな」
「ひッ・・・・・・!!」
ちゅうちゅうとそこばかりを責める。苦い汁が口に回る。だがそれも可愛い。
栗原はまさに息を呑む、と言うふうで、声もあげられない快楽に身を投じていた。ただ浅い呼吸が続く。
「あ・・・・・・いく、いくいくイクぅ・・・・・・ッ!!」
「んーッ!」と鼻に抜けた絶叫をして栗原は果てた。上着は乱れてだらしない。
それでも軍帽だけはしっかりかぶり、アンバランスさにそそられる。
たっぷり出された精を口の中で味わう。こいつにはもう一仕事してもらおう。
「・・・・・・!」
余韻に目を瞑っていた栗原がはっとする。だが気をやったばかりでぼんやりしているようだ。目元がとろんとしている。
「いれ、入れるんですか・・・・・・?」
「当然だ。俺はまだ出しちゃいないんだぞ」
いえそれは分かってますよ、などと栗原は言う。興をそがれたような気分の俺を置いて、栗原はなにやらもぞもぞとする。
栗原は「まぁ見ててください」と薄ら笑いを浮かべた。
俺がやつの尻に撒いた潤滑油がわりの精液を、ぬらぬらと指先で遊んだあと、そのままアヌスへ突き入れた。
両足はぱっくりと開けたまま、俺によく見えるようにしている。
「すぐほぐしますから、ワン太さんはちょっと待って」
頬を染めて可愛く笑う姿が堪らない。こんなふうに見せつけられては、とても待っていられないじゃないか。
喘ぐこともなく淡々と、どこか遠くを見つめるような眼差しのまま、栗原はその「作業」に励む。
37:226・7/?
07/12/01 06:03:07 BS9DKO7C0
「なんだ、お前・・・・・・あんまり好きじゃないの」
え?と困惑したように栗原は俺の方を向く。そして言葉の意味に気付いたようで、はにかんだ。
「だって自分でやっても空しいだけですよ。今はワン太さんに見られてるからいいけど」
ぐちゅぐちゅと掻きまわす動きが緩急を付ける。見とれてしまう。
「ワン太さんのチンポが気持ちいいんですもん・・・・・・指、ゆびなんて・・・・・・」
股間のものが痛いくらいになった。感激と言うか、俺はこいつがいとおしい。
「・・・・・・栗原、」
「あ、もう、いけますよ・・・・・・ワン太さん」
アヌスから指を抜き、机上から降りると尻を俺に向けた。堪らず揉みしだくと、栗原のものがまたむくむくと立ち上がる。
腰を引き寄せて、俺のいちもつをあてがった。
ぬめりをもったえもので尻の割れ目をなぞると、栗原が自ら尻を揺さぶってくる。高ぶり固いえものをアヌスに突き挿れた。
「はっ・・・・・・ああ・・・・・・すごい、入っ、て、きたぁ・・・・・・」
栗原は驚喜の声を洩らした。じゅるりとヨダレを啜る水音も聞こえる。
「・・・・・・動くからな、たっぷりヨガって、イっちまえ!」
俺は無我夢中で腰を打ち付ける。栗原も応戦して、逃げずに尻を突き出した。
熱いアヌスに打ち込むたび涙が出そうになる。快楽と、この部下に対する想いがぐちゃぐちゃに混ざり合う。俺は栗原が好きだ。
「んッ、ああん、あッ、あ、ああああ!!!わ・・・・・・太さ・・・・・・もっと、もっとやってくださいぃ・・・・・・!」
栗原は俺を求めてる。精神も肉体もひっくるめて俺を欲しがっている。
38:226・8/8
07/12/01 06:04:00 BS9DKO7C0
「よし、よし、気持ちよくしてやるからな!ほらッ!」
「あぁんッ、や、気持ち良い、きもちいい・・・・・・!ワン太さぁん、あッ、んあ、あああぁ!!!」
えものを引き抜いて、一気に貫く。小刻みの挿入よりも、栗原はこれを喜ぶ。萎えかかった栗原のものをしごくと、だくだくと汁がこぼれた。
そろそろだろう。いっそう激しく打ち据える。
「あぐッ、・・・・・・駄目!!だめですってぇ、だめぇッ!!!そんなに、あ、あひッ、ああぁ・・・・・・!!!」
か細い悲鳴をあげ、栗原は果てた。勢い良く飛ばした精が滴り落ちる。
暫く仰け反ったまま震えていたが、俺が達していないことに気付くと、 自ら律動を開始した。今度は余裕があるのだろう。
「すみません・・・・・・先に出しちゃって」
なんて殊勝なことまで言う。
「なに、構わんさ。お前の痴態を楽しませて貰ったんだ」
「はは、俺はいつでもお相手しますよ」
「おいおい、それじゃあ一週間逃げ回ったのは何でだ」
んー・・・・・・、と喘いでいるのか考えているのか分からない声を出し答えに詰まる。
「端的に言うと」
「言うと」
栗原は律動を早める。俺のえものははちきれそうだ。
「俺も我慢してたってことです」
つう、と栗原のふとももに精液が伝う。「まだ朝には遠いですね」と栗原が笑った。
39:風と木の名無しさん
07/12/01 06:04:50 BS9DKO7C0
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
長くなってすみませんでした。
40:ヒーロー1/4
07/12/01 06:39:36 Q4901Yv80
しゃちほこ球団マスコット話
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
俺は主人公じゃない。
ただの脇役、引き立て役。お客さんが退屈してしまわないように色んなことをして気を惹き、場を盛り立て、特に飽きやすい子供たちの受けを狙う。道化役といってもよかった。
球場に上がる前、選手たち、すなわち主人公たちは緊張する。彼らの気分を解すのも、一応は俺の役割だ。
「う…、う、く…っ」
高揚した気分をこんなやり方で解消してあげるマスコットっていうのも、珍しいんじゃないだろうか。俺は古いロッカーの扉がガタガタ鳴るのを気にしながら、懸命に力を抜いてなるべく深く受け入れてやる。
勿論みんながみんなこんな真似をするわけじゃない。いくら俺のケツや尻尾が性的だからといって、でかい頭のコアラに突っ込みたがる奴はそういない。でもこの顔がうまく、男を犯すというリアリティを中和しているようだ。
彼らは決して女を抱くようにするのではなく、荒々しく、けれど道具扱いというには気遣いの見える力加減で俺で緊張を解す。
ユニフォーム汚さないでね、というお願いは大抵聞き入れてもらえるけれど、中に出さないでね、というもっと切実なお願いは無視されることが多かった。まったく脇役は損なものだ。
時間もないので、大抵の選手は寄り道せずに自分の快感を追う。ガツガツと突き上げられるのは最初の頃は苦痛でしかなかったけれど、最近は大分慣れた。
なんだかイけないみたいだから身体を捩ったりよさげなふりをして煽ってあげようとか、イきそうだから腰の動きを早くしてあげようとか、そんなふうに考える余裕がある。
俺はあまり出さない。
41:ヒーロー2/4
07/12/01 06:41:50 Q4901Yv80
そもそもあんなところにデカイもの突っ込まれて掻き回されるのでは快感どころじゃないし、これも仕事のひとつなら我を失うわけにはいかないだろう。男にこんなことされてイきたくないというプライドでは決してない。
むしろ俺も気持ちよくなれれば苦にならなくて済むのにな、と思うことがある。
時々気まぐれのように俺の性器も弄ってくれる選手がいて、やさしいんだかなんだかよく分からないけれど、それには一応感謝していた。
「う…、ン、ン」
今俺の中にいる選手は、しかし、何故だか腰を動かさずに俺のものばかり触っている。気まぐれに手荒く擦り立てては、快感をかわすように根元をやわやわと揉まれたりして、ちょっともうやばい。
俺ばかり膝をがくがくさせて息を荒上げて、選手は偶に息を詰める程度というこの状況がやばい。俺が先に射精なんかしちゃったら興ざめだ。
触ってくる手を払いのけようとすると急に尻から性器を引き抜かれ、勢いよく奥へ突き立てられた。衝撃で顔を思い切りロッカーにぶつけてしまい、ぐしゃりと音が立つ。
背骨がぴりぴりと快感で痺れていくのが怖かった。脚に力が入らない。だめ、イかせないで、と態度で懇願して身体を捩る。
選手は面白がるように深い部分で硬いそれを揺らし、俺は震えてロッカーの扉をがしゃがしゃ鳴らす。
だめだよ、本当に出してしまう。大体時間はどうなっているんだろう。こんなふうに遊んでいる余裕はないはずだ。俺も多少の余韻が残るくらいなら逆に頑張れるけれど、思い切り焦らされた挙句達してしまったら、本業に差し障る。
こんなに脚ががくがくになって大丈夫かな、ちゃんと飛べるかな。
出して終わりの選手と違って俺は後始末もしないといけないんだから、その辺の気遣いはしてほしいものだ。
でも俺が何を思ったところで、所詮は脇役。主人公の気が済むまで弄られ、嬲られ、変なところをぐちゃぐちゃにされるしかない。
42:ヒーロー3/4
07/12/01 06:42:26 Q4901Yv80
声を出してはいけないのに、どうしても食い縛った歯の隙間からうめき声が漏れ出てしまう。もっとせめてかわいい声が出せればいいんだろうけれど、裏声で喘がれても迷惑だろうから、せめてロッカーについた腕に顔を伏せて隠す。選手が笑った気配で奥をぐっと突いた。
そのときだ。古い扉が音を立てながら開いた。
誰だろう。この時間ここで誰かがこうしているということは暗黙の了解になっているから、まったく興味のない選手が訪れることはない。まさか他にもしたい人がいたんだろうか。時間押していそうなのにどうしよう。
「お。忘れ物?」
「……いえ、別に」
長い間の後聞こえた声に、息を吸い込んだ。ぎゅっと締めてしまったらしく、選手の性器が内部で角度を変えたのが分かった。
ギギギとまた音を立てて扉が閉まる。後ろで選手が低く笑い、俺の腰を掴みなおした。
「時間ないみたいだから」
何を笑っているんだろう。どうして笑うの。竦んでしまった身体は、性器が音を立てて深く入り込んでくる度にロッカーを揺らした。がちゃがちゃうるさい。でもそのおかげでびしょびしょに濡らされた部分からの水音が掻き消される。
──いえ、別に。
そう言いながらあの人は、俺をどんな目で見ただろうか。剥き出しの尻を突き出して、明らかに勃起した状態で難なく男のペニスを受け入れている俺の姿を。
きっと無表情で、少しだけ眉を寄せている。どうでもよさそうな顔をして目を逸らしたに違いない。まともな人だから、嫌悪感は間違いなく感じただろう。でも関係ないから。
俺が何をしていても、主役のあの人には関係ないから。
43:ヒーロー4/4
07/12/01 06:43:10 Q4901Yv80
「く…う、う…」
強く目を閉じても、声が出る度にじわじわと涙が出てきてしまいそうだった。でも俺にとってはこんな切なさやつらささえ、気持ちよくなるための手段になっていて、選手の硬い手にごりごりと性器を擦られたときよりも余程感じた。
背後の男が息を呑んで痛いくらいに奥へ捻り込んでくる。は、とゆっくり息を吐いていく気配。身体の中に熱いものが漏れ出して、充満していく。
そんな奥に出されたら指じゃ届かない。どうやって出せばいいんだろうという現実的な心配も確かにあったのに、俺はそんなことにどうしようもなく興奮して、萎えたペニスを咥え込んだまま俺は自分のそれを擦って果てた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
44:風と木の名無しさん
07/12/01 12:35:05 mzNykxcM0
蛙の黒→赤
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「軍曹さぁん」
部屋のドアを開けると伍長さんの赤い背中が見えた。
それ以外は誰もまだ来ていなかった。
「タマ.マか」
伍長さんは疲れた顔をして、部屋の真ん中に座っていた。
昨日遅くまで軍曹さんの手伝いをしていたから、きっと朝までそれは続いたんだろう。
途中で抜けて寝てしまうなんてことを伍長さんはできないから。
今日は朝から会議だったけどきっと軍曹さんはまだぐっすり眠ってるはずだった。
こんなに早くに軍曹さんが起きてくるはずなんてない。
早く軍曹さんに会いたくて、トレーニングをいつもよりも早く終わらせてやってきたけど、
軍曹さんはやっぱり姿が見えなかった。
だけど伍長さんは今日は会議だって知ってて、こうやってみんなが集まるのを待っている。
軍曹さんが起きてこないことを分かっていて。それでも。
「軍曹さんはまだなんですぅ?」
「ケロ.ロの奴…今日は会議だっていうのにまだ起きてこんのだ」
そういう伍長さんの声だって弱々しい。
欠伸をかみころしていつも強い光を放つ目はぱちぱちと瞬きを繰り返す。
伍長さんの隣に座って、昨日までの残骸を眺めていた。
カレーやハンバーガーで失敗したからって、今度はラーメンで攻略することになった。
けどこれで地球征服はきっとできないだろうなあと思う。
軍曹さんだってきっとそう思っていて、クル.ル先輩やドロ.ロ先輩も同じ気持ちで、
本気で征服できるかもしれないと思ってるのはたぶん伍長さんだけだ。
伍長さんはいつもいつも一生懸命、地球征服のことを考えてる。
軍人として。地球侵略部隊として。
45:黒→赤2
07/12/01 12:35:48 mzNykxcM0
ボクの軍曹さんは伍長さんのことが好きだ。
だけど伍長さんに嫉妬する気持ちになれないのは、伍長さんが軍曹さんの気持ちに気づいてないからなんだと思う。
地球人のナッチーのことを好きになってしまった伍長さん。
いつかは別れなければならないって分かってるけど、伍長さんはナッチーのことをとてもとても大切に思っている。
ボクが軍曹さんを好きみたいに。
軍曹さんが伍長さんを好きみたいに。
伍長さんはナッチーを好きになった。
ナッチー以外の誰もが伍長さんがナッチーのことを好きだって知っている。
けど伍長さんは決してそれを認めようとしない。
軍曹さんはそれをよく分かってて、辛いとは思わないのかなと思うけど、
それでもいいやって思ってるんだろうなと思うと、ボクの気持ちは少しも届いてないのかなと寂しくなった。
「お前も大変だな」
伍長さんはボクを見て、珍しく笑顔を見せた。
「そんなことないですぅ。伍長さんの方が大変ですぅ」
そう言うと伍長さんは、白い歯を見せてはははと笑う。
「ケロロとは長いつきあいだからな」
しっぽがある小さな頃から、軍曹さんは伍長さんを見てきたんだ。
きっと地球に来たら、伍長さんを独り占め出来るって思ってたはずなのに。
軍曹さんが少しだけかわいそうに思う。
あの女に対する嫉妬とは全然違う。伍長さんに浮かぶのは。
「伍長さん。みんなが来るまで寝てればいいですぅ。ボクがちゃんと起こしてあげます」
大きく胸を張ってそう言ったけど、伍長さんは首を振った。
「そういう訳にはいかない」
46:黒→赤3
07/12/01 12:36:44 mzNykxcM0
「伍長さんいつも言ってるですぅ。眠れる時に眠らなきゃ戦場では生き残れないって。
今なら寝てても大丈夫ですぅ。ボクに任せて欲しいですぅ」
伍長さんは少しだけ迷ったみたいだったけど、ボクの目をまっすぐに見て、
「そうだなタマ.マ。少しだけ見張りを頼む」
そう言って、腕を組み目を閉じた。
眠っている伍長さんを見るのは珍しくて、ボクはじっと伍長さんを見ていた。
軍曹さんの大好きな伍長さん。
小さな頃からずっと軍曹さんは伍長さんを見ていた。
その想いは伝わっても伝わらなくても、きっと軍曹さんはずっと伍長さんを好きで、
ボクもそんな風にずっと軍曹さんを想ってる。
軍曹さんとおそろい。少しだけ寂しいけれど。
すうすうと寝息が聞こえて、伍長さんの体揺れる。
伍長さんの頭がボクの肩に乗ったけど、伍長さんは目を覚まさなかった。
ずいぶんと疲れているんだろうと思う。
持っていたお菓子をそっと床に置いた。
伍長さんを起こさないように、肩を動かさないようにした。
もう少しすれば空気の読めないドロ.ロ先輩か、
ここを覗き見してるクル.ル先輩がやってくるだろうと思ったけど、
もう少しだけこのままでいてみたいと思った。
軍曹さんに早く会いたいけど、もう少しだけ眠っていて欲しいとも思う。
ボクが好きなのは軍曹さんで、伍長さんじゃ絶対ないけど、
だけどもう少しこのままでいたいと思う気持ちがなんなのか、ボクには分からなかった。
47:黒→赤
07/12/01 12:37:56 mzNykxcM0
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
色々見苦しくてすみません
48:風と木の名無しさん
07/12/01 12:48:03 QptqeEwf0
前スレ>>547-562
猫とネズミの件でその先が読めてしまって、涙が止まらんかった。
GJ。
49:ディエゴ×ジョニィ
07/12/01 17:06:42 8vaM7Xyj0
SBRディエゴ(Dio)×ジョニィ
_________
|┌────┐|
|│l> play. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
∧∧
( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧
/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| ┌‐^───────
└───│ディエゴ×ジョニィ。28話「スケアリーモンスターズ①」あたり。
└────────
50:ディエゴ×ジョニィ 1/?
07/12/01 17:08:11 8vaM7Xyj0
最初からもっと、警戒するべきだったんだ。
こいつの悪い噂なんて、2年前、ぼくが現役だった時代から山のようにあったんだから。
「うむ、これはコーヒーだ。コーヒーの香りがする」
ジャイロが薪を集めに行っている間に、ディオがぼくが作っていたコーヒーの匂いに誘われて家の中に入ってきた。
ぎくりとして思わず後ずさったが、当の本人はぼくのそんな様子を気にもせず、コーヒーを一杯くれとせがんでくる。
足の不自由なぼくでは、無理矢理ディオを玄関先まで追い返すことができない。
仕方ないから、一杯飲んだら出て行け、と断りを入れてコーヒーをカップに注いでやった。
しかしディオは、目の前にあるカップが見えないのか、あちこちに手を伸ばして探している。
おい、カップは目の前にあるだろ。
ディオが鳥目だなんて初耳…というか、鳥目の人間がいること自体、聞いたことない。
なんて思いながらカップを持ち上げた瞬間、ディオがそれをひったくった。
本当に文字通り、瞬きする間に、と表現した方が良い速さで。
…何なんだ、こいつ?
ぼくが動いたら反応したぞ?
何かわからないけど…、ヤバい。
ジャイロがいない今、自分の身と隣の厩に繋いでいる馬を守るのは、ぼくの役目だ。
さっさと追い出すしかないと思い、声をかけようとした時だった。
「…クンクン。美味そうな匂いもするな。随分近くだ」
ディオの突飛な言葉に、ぼくは思わず鼻をひくひくさせて、家の中の匂いを嗅いでしまった。
ぼくはここに着いてからコーヒーを淹れていただけで、まだ調理を始めてない。
だから、この家にはコーヒー以外の飲食物の匂いはないはずだ。
実際、ぼくが感じたのはそれだけだった。
51:ディエゴ×ジョニィ 2/?
07/12/01 17:09:28 8vaM7Xyj0
「…近隣の家からじゃないのか?」
窓もドアも開けっ放しだから、そっちの可能性が高い。
どこかで夕飯を作っていて、その匂いがここまで届いてるのかもしれない。
そう思い、窓に近づこうと身体をずらした、その瞬間だった。
目にも止まらぬ速さでディオがぼくの腕を掴むと、座っていたカウンターに押し倒した。
「な………っ!?」
あまりにいきなり過ぎて混乱している間に、ディオはぼくのズボンを下着ごとずり下げた。
突然冷たい夜風に晒されて、寒さにぼくの身体が縮こまる。
そのおかげで、ようやくぼくの頭も、今ぼく自身が置かれている状況を理解した。
不適な笑みを浮かべたディオの顔が目の前に迫っている。
自由に動く腕は両方ともカウンターに押しつけられており、さらにディオはぼくの腹の上に馬乗りの状態になっている。
「…ッ、どけよ……ッ!」
無理に上半身をねじってディオを引きはがそうとしたが、びくともしない。
それどころか、手をパーカーの裾から忍び込ませ始めた。
「『タスク』ッ!!」
殺人が何だ、これは正当防衛だ!
ぼくには身を守るために、『スタンド』を行使する真っ当な理由がある。
問答無用で指先をディオに向け、『爪弾』を発射する。
この至近距離でこのスピードでは、どんな人間も『爪弾』を避けられない。
ぼくの『爪弾』はディオの顔面を撃ち抜く…はずだった。
「な……!?」
しかしディオは『爪弾』を、顔に命中するすれすれの距離で避わした…それも、全ての『爪弾』を。
自分の目が信じられなかった。
…こいつの口が耳元まで裂けてるのも、動いているものしか認識できないのも、一体何が原因なんだ?
身体がかすかに、ディオへの恐怖で震えているのが分かる。
ディオはそんなぼくの両足首を掴むと、上に持ち上げて大きく開き、身体を間に挟んできた。
52:ディエゴ×ジョニィ 3/?
07/12/01 17:11:55 8vaM7Xyj0
「ここだ。ジョニィ・ジョースターのここから、美味そうな臭いがする」
鼻をひくひくさせてそう言ったのは、ぼくの股間だった。
「う…うわあぁぁッ!」
血の気が引いたその瞬間、じゅる、という音と一緒に、ディオがぼくのものを口に含んだ。
そのおぞましさに必死に逃げようとしたが、神経の通わない足はディオから逃れることができない。
せめてカウンターの向こう側に逃げ込めばと思っている内に、ディオはぼくのさらに後ろに指を滑らせた。
「………ッ!」
感覚はないはずなのに、視界にその様が入るだけで不快感が沸き上がってくる。
水音が家に響いて、ディオの指がぼくの中に侵入したのが分かった。
「いやだッ!ディオ、やめろッ!」
でもディオがぼくの言葉なんか聞き入れるはずもなく、抜き差ししている指を増やしていく。
「あ……ッ!」ディオの爪が一点を引っ掻いた瞬間、ぼくは思わず声を上げてしまった。
嘘だ、もしかしなくても、感じているのか?この男の愛撫に?
感覚を失ったはずのぼくの下半身が?
信じられない事実に戸惑っている間に、ディオはぼくの反応に気を良くしたのか、重点的にそこを責め始めた。
「ふあぁっ!や、いやだぁッ!誰かッ!ジャイロッ!!」
お願いだ、早く戻ってきて、ジャイロ。
いつの間にか、ぼくはぽろぽろ涙をこぼしていて、ジャイロの名前だけを叫んでいて。
でも、そんなぼくをせせら笑うように、ディオはぼくをカウンターにうつ伏せにして腰を持ち上げた。
「良い声で鳴いてくれよ?ジョニィ・ジョースター」
耳元で低い声色で囁かれ、背筋がぞくぞくしたのが自分でも分かった。
53:ディエゴ×ジョニィ 4/5
07/12/01 17:13:13 8vaM7Xyj0
肉食獣に捕食される動物の気分とは、今のような心境なんだろうか。
顔を見なくても分かる、ギラギラと目を光らせたディオの猛った熱いものが、ぼくの中に押し入ってくる。
本来そんな機能をもっていないぼくのそこは無理矢理押し開かれ、圧迫感を持ってディオに支配されていく。
「良い締まりだな、ジョニィ・ジョースター。女遊びだけではなく、男遊びも激しかったのか?」
「ち、がう…、そんなわけな…いッ!」
最奥まで貫かれ、ギリギリまで引き抜かれ、揺さぶられる。
グラインドされるたびに、狭い家の中全体に水音が響く。
「そうか、ではジャイロ・ツェペリにヴァージンを捧げたのか。
お前のことだ、奴と清らかな関係などという筈がない。
どうせ毎晩、足を開いて銜え込んでいるんだろう?」
そう言い放ち、ディオの動きがさらに激しくなる。
ディオに翻弄され、カウンターの縁を握っていたぼくの指先が白くなっている。
上半身を支える力もすでになく、完全に突っ伏したぼくの身体は、ディオが掴んでいる腰だけが浮いている。
「ち、ちがう…っ」
「見え透いた嘘を吐くな。もうこんな状態になっている」
ディオがそう言ったぼくの前は、貫かれてからは触れられていないというのに、すでに勃ち上がって先走りで濡れてしまっている。
「とんだ淫乱だな?ジョニィ・ジョースター。
レースなんてリタイアして、ニューヨークやシカゴあたりで客を取った方が良い生活を送れるんじゃないか」
54:ディエゴ×ジョニィ 5/5
07/12/01 17:14:10 8vaM7Xyj0
これだけの屈辱を受けているのに、ぼくの身体はディオに犯されて喜んでいる。
そんな自分が恨めしくて、なのに口から出るのは嗚咽ではなくて、甘ったるい声で。
口から溢れた涎がカウンターを汚して、ディオの言葉通り、今のぼくはまるで売春婦みたいだ。
誰かお願いだ、これを悪い夢だと言ってくれ。
ジャイロが出ている間にぼくは疲れて寝てしまって、これはその夢なんだって。
「ふあぁっ、も、ディ、オ…ッ!」
「後ろだけでイけるのか?良いぞ、好きなだけこのディオにヨガってイくが良い」
もう何も考えられなくなって、全身ぐちゃぐちゃになったような気がして、ただ、今のこの状態から解放してもらいたいだけで。
「……あ、ゃあ…っん……ッ!」
頭の中がスパークして、すぐあとにぼくの中に熱いものが注がれたのを感じた。
でも、それが何か判断できる思考力すら残っていなくて、ぼくはそのまま意識を手放した。
55:ディエゴ×ジョニィ
07/12/01 17:17:34 8vaM7Xyj0
_________
|┌────┐|
|│ロ stop. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
ピッ ∧_∧
◇,,(∀・; ) この後の山でも、帝王と鉄球の人に犯される妄想もしたなんて、言えるわけがないorz
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| |
└────────┘
56:風と木の名無しさん
07/12/01 23:42:46 SsDn+NVu0
>>1乙!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 週間飛翔の復活(アニメ版)今日のネタで
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 浅利晴→暗殺部隊晴っぽいの
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
57:浅利晴→暗殺部隊晴1/2
07/12/01 23:44:54 SsDn+NVu0
地面に突っ伏しながら、了/平は苦しさに瞑ってしまう目を必死にこじ開けて、ポールを見上げる。
あれを倒して、解毒さえ出来れば…
体の奥が沸騰するような熱に耐えながら、腕に可能な限りの力を込めた。ほんの少しだが体が持ち上がる。立てるかもしれない、とそのまま腕の力で立ち上がろうとした。
しかし。
「嫌よ、嫌ぁ、私、死にたくないのぉぉっ!」
毒に侵されて朦朧とした頭の中に、甲高い嘆きがガンガンと響く。そのせいで、せっかく起き上がろうとした体が再び地面に伏せられてしまった。
こうも頭の中で響く声で嘆かれては、立ち上がることに集中できない。
「黙れ…その声を聞いていると、力が、入らない…!」
思わず了/平が抗議の声を漏らすと、ル/ッ/ス/ー/リ/アは嘆く声音を変えることもなく倒れる了/平に反論をした。
「だって、だって、今だって、こうして、じわじわ死に近づいてるのよ?!死ぬのは、嫌!死にたくなぁぁい!!」
体は思うように力が入らない。さらに背中から投げつけられるル/ッ/ス/ー/リ/アの声はひっきりなしだ。
これだけの声の大きさだと、自分の声がほとんど届かないかもしれないと思ったが、それでも了/平は腹の底から声を出しル/ッ/ス/ー/リ/アに言う。
「…大丈夫だ、お前は、死なせん!俺も死なん!」
「無理よぉぉ!だってあなたも死にかけてるじゃない!」
「大丈夫だ!!」
相手を宥めるために言ったものではない。
了/平は、自らが口にした言葉を一寸たりとも疑ってはいなかった。
自分が死んでしまうという恐れは一点もなかった。
自分もル/ッ/ス/ー/リ/アも、死ぬことはない。
58:浅利晴→暗殺部隊晴2/2
07/12/01 23:46:24 SsDn+NVu0
「俺たちは死なん!!」
握る拳に力を込めて、了/平は力いっぱい叫んだ。
あれだけ響いていた悲鳴はいつの間にか止んでいた。苦痛による呻きは途切れ途切れに聞こえるものの、先ほどの嘆声よりもずっと小さくなっている。
「ル/ッ/ス/ー/リ/ア?!…まさか!!」
「何よ…だ、黙ってろって言ったのは、そっちじゃないの…うう…」
「い、いきなり黙ると、びっくり、するでは、ないか!」
「どっちなのよぉ!…静かにしてるっていうのに!」
お互いに背を向けており、しかもル/ッ/ス/ー/リ/アはベッドに縛り付けられた状態だ。了/平からルッスーリアの表情は見えなかった。だがその呻きからも、自分自身に襲い掛かる苦しみからも、つらいのは分かる。
「ル/ッ/ス/ー/リ/ア……」
「こうして、無駄な体力…使わないようにするわ…」
了/平とル/ッ/ス/ー/リ/アは、過去に一度戦ったことのある敵同士だ。今も変わらず、ル/ッ/ス/ー/リ/アにとって了/平はリングを争う敵である。
「そしたら、あなたが私のこと、助けてくれそうだもの…」
それは計算なのかもしれない。自分が助かるために了/平を利用しようとしているのかもしれない。
けれど、この男を助けたいと思う気持ちが消えることはなかった。ただ言葉を聞いた瞬間に、熱い体がさらに熱を帯びただけだ。
「うぉぉぉぉぉぉっ!!極限!!」
思いが、重い体を動かす。
了/平は声を張りながら、自らの体を両腕で持ち上げた。
59:風と木の名無しさん
07/12/01 23:49:08 SsDn+NVu0
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ アニメのこの二人にかなり萌えた
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
60:ドラマS.Pの二人です
07/12/02 02:31:06 sYDyqFcCO
人生初SSです、萌と勢いだけで書きました!
61:風と木の名無しさん
07/12/02 02:32:05 sYDyqFcCO
「異常ありません」
今日何度目かの見回りを終えカオルは上司のオガタへと報告をした
所定の位置へ戻りながらカオルは一つ息を吐きだした
「どうした?珍しいなお前がため息なんかつくのは」
言われてからカオルは自分が多少とは言えず疲れている事に気が付いた
最近世間を騒がせている汚職事件に絡んで要人警護の期間が長引いているためであった
ちょっとやそっとでは動じないカオルもここへきて中々進展しない捜査に苛立ちを感じ始めていた
捜査を突き詰めれば必ずあの大物政治家に行き当たる
その絡みで上層部はまだ調整中なのだろう
62:風と木の名無しさん
07/12/02 02:33:52 sYDyqFcCO
「いい加減何でもいいから進展してくれませんかね」
多分に苛立ちを含ませた声でカオルは呟いた
「まあそうカッカするな」
オガタはポケットをがさごそと探りながらお気に入りの部下を宥めにかかる
「ほら」
そう言うとオガタは小さい包み紙を投げて寄越した
「イチゴミルク…」
ピンク色の包装紙に包まれたキャンディーであった
「疲れや苛立ちには糖分補給だ」
オガタはそう言いながら自分も同じものを口に運んでいた
「オガタさんにイチゴミルク…似合わない…」
クククと肩を震わせながら笑っていると
63:風と木の名無しさん
07/12/02 02:35:34 sYDyqFcCO
「いいだろ好きなんだ、いらないなら返せ」
と声が飛んできた
「いらなくないですよ!でもそうだな、この飴よりもっと甘い飴が欲しいです」
と自分が握った飴を見せながらカオルは言った
「もう飴は持ってないっ…んんっ」
数秒後カオルの口の中にはピンク色をした可愛らしい飴が見えていた
「オガタさん、凄く甘いよ」
64:風と木の名無しさん
07/12/02 02:38:34 sYDyqFcCO
以上です。御粗末さまでした。
まだS.P二回しか見たことないんだけど萌えすぎて禿げてしまったので。
最初から見とけば良かった!
65:風と木の名無しさん
07/12/02 17:48:03 h2RCKKDX0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| オリジナルの先輩×後輩モノだって
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 細かいことはなにも考えてないけどね
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
66:オリジナル 先輩×後輩 1/5
07/12/02 17:51:03 h2RCKKDX0
季節は秋をすっ飛ばして、すでに冬が到来したようだ。夜の風の冷たさが容赦なく肌を突き刺す。
早く家に帰ってあつーい風呂に入ってやる、と心に決めて俺が歩調を速めると、ゆったりした足取りのくせに
あの野郎、楽々とぴったり俺の横について来る。そして、
「あー、だいぶ寒いですねえ」
至極当たり前のことを至極当たり前のように言い放つ。
見上げれば、呑気な声に相応しい、のんびりとした顔がそこにあった。
ああ、なんだってコイツはこんなに背が高いのに無駄に細くて風除けにもならないんだろう、
そんな理不尽な怒りが不意にこみ上げてくる。
そんな時にちょうど良く目に入ったのは24時間営業コンビニエンスストア。
夜の街は街灯や店の明かりで随分と明るいのに、何故かひときわその店が明るく輝いて見えた。
「おい」
ぴたりと俺が足を止めると、二三歩先を歩いた後、奴も歩みを止めて振り返る。
どことなく不審げなその顔に、二ッと笑いかけると、何かを察したのか、かすかに強張った笑みが浮かんだ。
うん、いい反応だ。
「飲み足りない。そこのコンビニで酒買うぞ」
「さっき、飲んだばかりじゃないですか」
呆れた、とは言わないが声音に十分にじみ出ている。そう、さっき飲み屋を後にしたばかり。
ビール生中二杯、冷酒一合。だけれども、
「あんなもん、飲んだうちに入るか。それにこう寒くっちゃ酔いも覚める」
「べろんべろんに酔っ払って家に着くよりいいじゃないですか」
まっとうな反論は綺麗に無視して、俺はさっさとコンビニへと向かう。
もちろん、アイツが追ってくる気配を感じつつ。店に入るなりカゴを掴んで、ビールの缶をぽいぽい放り込む。
「あ、俺はオレンジジュースお願いしまーす」
横から奴の腕が伸びるや、カゴの中のビールの缶の横にオレンジジュースの缶が転がり込んだ。
俺は無言でその缶を手に取り、突っ返す。
「さっき、人が酒飲んでる横でウーロン茶ばっか飲んでただろ」
「だって俺、下戸なんですよ」
睨んでもまったく悪びれた様子はない。ただ、オレンジジュースの缶を両方の手のひらで包み込んだまま
突っ立っている。
67:オリジナル 先輩×後輩 2/5
07/12/02 17:52:39 h2RCKKDX0
「先輩が酒に付き合えって言ってるのに生意気だな」
わざとらしく舌打ちすると、奴は無言で考え込んだ後にしぶしぶオレンジジュースを元の場所に戻した。
心なしか、長身の背を丸めさせてしょげているように見える。そして、代わりに持ってきたのは……。
「これもジュースみたいなもんだな。こんなので酔える奴の気がしれん」
と俺は呟く。梅のチューハイ。甘ったるくて、女子どもの飲み物としか思えない。
けれども、これがコイツの最大限の譲歩だということもよく分かる。本当にアルコールにはてんで弱い奴なのだ。
暖房の効いたコンビニから出れば、またもや夜の寒さが俺を襲う。すぐ隣には、風除けにはならないが荷物持ちには
なる奴。ビールと梅酒と適当なツマミで詰まった買い物袋を提げて、てくてく歩く。
「で、どこで飲むんですか?」
「あ、うーん……」
しまった、酒を飲むという欲望を最優先させて、どこで飲むかということはすっかり忘却の彼方だった。
そんな動揺を悟られないように、俺は必死で答えを探した。
「お前の部屋……」
確か、ここから歩いて10分もすれば到着するはず。けれども、アイツは聞いちゃいなかった。
「あ、あそこ。あの公園にしましょう。ベンチあるし!」
そう言って一目散に駆け出していく。人に聞いておいて、勝手に結論を出す奴がいるか。自分勝手もいいところだ。
説教の必要性をヒシヒシと感じつつ、後を追う。説教したら、アイツのうちへ押しかける、そんなプランを頭に描いていたが、
先に公園に到着してニコニコ笑顔でベンチに腰掛けているヤツを見て、そんな気が失せてしまった。
68:オリジナル 先輩×後輩 3/5
07/12/02 17:54:00 h2RCKKDX0
「ほらほら、きれいですよ。まだ紅葉の季節なんですね」
公園に植えられたもみじが、その紅の色を暗闇の中に浮かび上がらせていた。もちろん観光地のライトアップとまではいかないが。
「しっかし12月なのに、紅葉狩りっておかしいだろ」
俺もベンチに腰掛けて、紅葉に魅入る。枝のはるか彼方の上空には月が浮かび、なかなか悪くはない光景だった。
「異常気象のせいですよ」
と、ヤツはビールの缶を渡してくれた。紅葉と月を見ながら一杯っていうのも風流なものだ。
しかし、こんなことならつまみにビーフジャーキーなんか買わずに熱いおでんでも買ってくれば良かった。
ビールをぐびぐび胃に流し込んで一缶目を空にしたところで、そう口にすると、じゃあ買ってきましょうかと
ヤツが腰を浮かしかける。すると、反射的に俺はその手首を掴んで引き止めてしまった。
「他に買ってきて欲しいものがあるんですか?」
「いや、別に」
ぶんぶんと首を振りながら、あったかいな、と俺は思った。掴んだコイツの手首から、
冷えた手のひらに熱が流れ込んでくる。じゃあ、もっと暖かくなるにはどうしたらいい?
もっと強く手首を引いて、屈んだコイツの首筋を抱きこんで、もっと身体を密着させて。
力いっぱい引き寄せて……。
どん、と身体を押されて、俺は尻餅をついた。
もみじよりも赤く染まった奴の顔を呆然と見上げる。唇を押さえて、なんだか泣きそうな顔でこちらを睨んでる。
ちょっとかさついていたけど柔らかな唇の感触と温もりが、俺の唇に残っていた。
「なんで……」
声が震えていて、動揺しているのが分かる。しかし、俺だってびっくりだ。なんでこんなことになったのだろう。
アイツにキスしたいって思った自分にもびっくりだし、キスした今、妙に満足している自分にもびっくりだ。
69:オリジナル 先輩×後輩 4/5
07/12/02 17:55:02 h2RCKKDX0
「ごめん、俺、酔っ払ってるかも」
「なんでも酒のせいにすればいいってもんじゃないですよ!」
肩を震わせながら、顔を伏せている。やばい、泣いているかもしれない。俺はのろのろと立ち上がり、
「じゃあ、素面でやったってことならいいのか?」
と冗談っぽく明るい声を作って、ベンチの上に置きっぱなしになっていたビニール袋からビール缶を取り出し、
プルトップを引き上げた。こうなったら、本当に完全に酔っ払って、酔っ払いのたわ言ってことにしてしまうしかない。
俯いたまま、奴もバンチの上に置きっぱなしになっていたチューハイの缶を取り上げると、無言でぐいっと煽る。
怒っているのか傷ついているのか、その両方だろう。俺もアイツも、酒の力を借りるしかないようだった。
潤んだ瞳で睨みつけられて怯んだ俺に、ゆらりと奴が近づいてきた。なにをする気か分からないが、
甘んじて俺は受けて立ってやろう。実に男らしく俺は覚悟を決める。
が、いかにひょろいとは言え、俺よりずっとタッパがある男が近づいてくるのがやはり迫力がある。
アイツを怖いと思ったことはこれまで一度も無かったが、今回は何をされても文句は言えない、気がする。
一歩、二歩、間合いを詰めて近づいてくる。あと、一歩で俺のまん前、俺は目を閉じる、じゃりっと砂を踏む音が
聞こえた。肩を掴まれた。大きな手のひらが俺の後頭部を包み込む。無理やり上向かされて、しばしの間……。
「……っ! んふっ」
ようやく唇を開放されて、俺は信じられない気持ちで目の前の奴を見上げた。ごくりと喉を鳴らして飲み下す。
口の中に残るのは、甘ったるい梅の味。
「顔、赤いですよ」
70:オリジナル 先輩×後輩 5/5
07/12/02 17:55:53 h2RCKKDX0
けらけらとヤツは得意げに笑う。でも、実際そうなんだろう。頬が火照っているのが自分にも分かる。
いや、身体全体がなんだか熱い。
「チューハイなんかじゃ酔っ払わないって豪語したくせに案外弱いんですね。しかも、たった一口で」
「うるせぇな、この酔っ払い」
「そーゆー先輩もじゃないか。酔っ払い!」
いきなりタメ口で、顔を真っ赤にさせやがって、酔っ払ってるのか、照れてるのか、さっぱり分からない。
失礼で、そして厄介な奴だ。
俺は再びベンチに腰を下ろして、口直しにビールに口をつける。あの甘ったるさはビールの苦味にかき消されるが、
それでも、唇と舌に生々しい感触が未だ残っている。
「ねえ、先輩」
「あん?」
「今度は、ぜひ素面の時に」
ぐしゃりと奴の手のひらの中でチューハイの缶が潰される。
「酔った勢いで、とかいう言い訳は無しでお願いしますよ」
「ああ、そうだな」
その言葉を本人が覚えているのかが疑問だったが、ここは逆らう必要も無い。
俺が覚えていればいいだけの話だ。
そして白昼堂々、実行に移してやる。完璧な計画じゃないか。
「……それにしても、うまかったな」
「でしょ、梅チューハイ」
嬉しそうに笑いかけるヤツに、俺はあいまいな笑みを返した。
まさかお前のキス、が。とは言えるはずなかったから。
71:風と木の名無しさん
07/12/02 17:57:10 h2RCKKDX0
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ とりあえず書き上げて?スキーリ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
72:風と木の名無しさん
07/12/02 23:25:55 4rMKh9hi0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
邦画 鴉達零 源時×伊埼
念のため固有名詞伏せ字で。
73:鴉達零 源時×伊埼1/11
07/12/02 23:27:08 4rMKh9hi0
病院は嫌いだった。
さして行ったこともないけれど。
白い静かな大きな箱。
仏間に安っぽいシャンデリアの下がる、がらくたが詰め込まれた実家とは正反対だが、
あそこと同じ、辛気くさい、カビくさい場所。
けれど源時は足を伸ばした。
別段行くことはないかなと思いながらも。
・・・・・・牧世に。
「ついていけない」と言われて。
汚れた水に沈んで。
慰めの言葉が欲しいわけでは、もちろんなかったけれど。
74:鴉達零 源時×伊埼2/11
07/12/02 23:27:54 4rMKh9hi0
蝦塚中というのは、鈴欄ほどではないがまあ大差はない。
ただ、ベンガクに励みたいという真っ当な学生がある程度いたばっかりに、
虐げる側と虐げられる側、という構図が出来上がっていた。
弱ければ、踏まれ、蹴られ、身ぐるみ剥がされる。
伊埼瞬は入学してすぐにそれを察知し、
即、当時の最大派閥に属した。
リーダーは3年、いつもサバイバルナイフを持ち歩いてちらつかせるような奴だったが、強かった。
ナンバー2はリーダーの幼なじみで同じく3年、体がでかくて柔道黒帯。
伊埼はその頃から学年では抜きん出て強く、派閥でも重宝された。
ついこの間までそれでも子供だったその体は、
蝦塚中で生き残るべく、
過酷な筋トレと、たまに通うボクシングジムと、日々の殴り合いですぐに男になっていった。
75:鴉達零 源時×伊埼3/11
07/12/02 23:28:56 4rMKh9hi0
「うぁ・・・っ!」
汗びっしょりになって飛び起きる。
途端に、脇腹が痛む。脇腹と言わず、体中が悲鳴を上げる。
「くっ・・・」
病室だった。見下ろせば、包帯とテープだらけの自分の体。
「・・・・・・」
嫌な夢を見た。久しぶりだった。
戸鍛冶のせいか。
それともこの間、懐かしい中学時代の後輩3人組の顔を見たせいか。思い出したのか。
「くそ・・・・・・」
まあ、少なくともこの体の痛みは戸鍛冶のせいに違いなかった。
何でまた、よりによってあのテの奴なのか。
「てめぇは瀬利沢でも見てオナってろ・・・!」
低くうめいて横になる。
夢なんか怖くない。
無理矢理目を閉じる。
76:鴉達零 源時×伊埼4/11
07/12/02 23:29:41 4rMKh9hi0
伊埼クンのお見舞いに、と源時が受付で告げると、職員に胡乱げな顔で見られた。
無理はない。
リンチ以外の何者でもない、体中の傷で運び込まれたのだ。
歯が折れてなくて良かったな、と唐突に源時は思った。
伊埼は男前だから。
不思議に思ったものだ。
ひとつライターの火で煙草に火を点けながら、
その炎が落とす、伊埼のまつ毛の影を見ながら。
ずたぼろになって崩折れた自分に、
終わってねえと言いながら、伊埼に拳ひとつ浴びせてやれなかった自分に、
なぜついてくれる気になったのか。
でもやがて、何となく分かったような気がした。
ダーツを教えてもらいながら、「筋はいいよ」と言ってもらったときの、なにげない気の遣われ方とか。
野球でバカやりながら大勢で騒ぎながら、
声を上げずに小さく笑ってる伊埼が何か可愛いなあと思ったりとか。
牧世は笑って、「お前ら、似た者同士よ?」と言ってたっけ。
でもその牧世ももういない。
胸に束の間忘れていた暗雲が、再び立ちこめる。
ああ、時夫も、この病院にいるんだろうか。
暗雲は濃くなる。
一人だったときは、知らない感情だった。
でも、知らなければ良かったなんて。
「・・・ぜってぇ言わねえかんな」
77:鴉達零 源時×伊埼5/11
07/12/02 23:30:48 4rMKh9hi0
「瞬坊、明日第二中と戦争するぞ」
リーダーがそう言ったのは、伊埼が中学1年の2学期の終わりだった。
その年の寒さは厳しく、溜まり場の剥き出しのコンクリートがいっそう冷え冷えとしていた。
第二中とは何度もぶつかりあって来た仲で、
個々の実力はこちらが上回るが、いかんせん向こうは数が多かった。
「午後10時、場所は埠頭の5番倉庫。裏口の鍵壊れてっから、中で集合だ」
ナンバー2が溜まり場の連中に言い聞かせ、みなが頷く。伊埼も頷く。
「いい加減これで決着つけねえとなあ、頼りにしてるぜ、瞬坊」
リーダーは粗暴で気まぐれな男だったが、腕の立つ伊埼をそれなりに可愛がっていた。
いつもおごってくれたし、幹部だけの飲み会にも声をかけてくれた。
「ああ、それとなあ、瞬。明日はエモノは無しだ」
ナンバー2の言葉に、伊埼がリーダーの顔を見ると、相手は笑って頷いた。
「ああそうだ。拳で勝負。第二中とも話はついてる。俺もナイフは使わねえよ」
伊埼の頬が思わず笑うと、リーダーも大声で笑って伊埼の頭を抱え込み、くしゃくしゃにした。
「あっはっは、何だその満足げな顔は。おめえエモノ嫌いだったもんなあ!
まったくクソ生意気なヤツだよ!」
「・・・へへっ」
くしゃくしゃにされながら、伊埼も笑った。
78:鴉達零 源時×伊埼6/11
07/12/02 23:31:53 4rMKh9hi0
「・・・埼っ、伊埼!・・・っおい!」
はっとして目を覚ますと、人の顔が見えて、やがて焦点があって、それがおおいかぶさる源時だと分かった。
肩に痛みを覚えて、両手で掴みしめられていると分かる。
・・・・・・また夢だ。うなされたのだ。
「伊埼、い、ざ、きー? 分かる? 俺。だいじょぶ?」
声を落として源時が顔を覗き込んでくる。
「ああ・・・悪ぃ・・・」
呟いて顔を背ける。
「夢でも見た?」
体を離しながら、源時が問いかける。
「いや・・・部屋ん中に人いて、驚いた」
「ん・・・見舞い、来た」
手ぶらの両手をポケットに突っ込みながら肩をすくめる立ち姿に、伊埼は少し笑って
「何かあったか?」
「え」
「おまえひどい顔してるぞ」
今にも泣きそうな。
牧世が、こいつは泣き上戸だと言っていたっけ。
79:鴉達零 源時×伊埼7/11
07/12/02 23:32:56 4rMKh9hi0
「おいっ?!」
いきなりがばと、源時が再び身を伏せた。
というより、だらりと両手を下げ、ほとんど伊埼の包帯だらけの胸に倒れ込んだ。
「いっっ・・・てえな何してんだ!」
「あー伊埼あったけー」
「傷が熱持ってんだよ、バカ離れろ!」
源時が両膝をついたタイル床は冷たくて、それが余計に源時の頬に伊埼の体温を伝えた。
「なあ何の夢見てた?」
「・・・・・・」
「俺、おまえのこと知りたい」
「・・・おれがおめーに訊いてるんだろ、何があったんだよ」
「何で伊埼が俺についてくれてんのか分かんねーし」
だって、牧世も離れていったし。
「ばーか」
伊埼は、一向にどこうとしない胸の上の源時を諦めて言った。
80:鴉達零 源時×伊埼8/11
07/12/02 23:35:01 4rMKh9hi0
窓の外は晴れて、雲が流れていた。
窓の下の草っぱらでは、看護婦が誰かの車椅子を押し、家族が訪ねに来てるだろう。
鈴欄では、相も変わらずクソのような教室で、クソつまらない小競り合いが続いてるだろう。
どちらも同じ世界だ。
どうして話す気になったのだろう。
「中坊の頃、・・・」
それは子守唄のような穏やかな声だった。
「真冬の埠頭の倉庫でさ、ヤクザに囲まれた」
「・・・・・・」
「センパイに、他校と戦争するからって言われてた。
で行ったらヤクザが待ってた」
「何で?」
「知らねえ」
リーダーが、街でヤクザといざこざを起こした。
おいたで済んだが、おとしまえは求められた。
ナンバー2は画策し、交渉の席にリーダーを来させなかった。
そして伊埼が売られた。
81:鴉達零 源時×伊埼9/11
07/12/02 23:36:44 4rMKh9hi0
ふと思い出して、伊埼は源治に
「おまえ、おれに向かって来たよな。D組全員に囲まれてたのに」
「うん」
「おれは、勝算のない喧嘩はしないガキだった」
最後の手段のために、ナイフを忍ばせることはたまにあった。使ったことは無かったが。
だがあの日はそれも置いてきた。
「さすが本職は容赦ねえのな」
「・・・・・・」
「まず、服脱げって言われて、裸に水ぶっかけられんの。
12月でさ、隙間風だらけの倉庫だぜ? 暴れる前に凍死するっつーの、だせー」
伊埼が小さく笑う。
「そんで・・・」
身じろぎひとつしない、源時は眠ってしまっただろうか。
「体売りもんになるのは女だけじゃないって知ってるか、とか言われて」
起きてた。胸の上で伏せてる源時の顔がこわばった。
「・・・・・・そいつら殺してくる」
「ばーか何もされてねーよ」
顔を上げ、きかん気の強い子供のような表情をする源時を、上から小突いて、
「あーまあ、何もねーわけねえけど」
「・・・なにされた?」
「それ言わすの?」
「・・・ごめん」
源時は伊埼の胸から立ち上がって言った。
「オレ、おまえのこと大事にすっから」
「はは、何だそれ」
伊埼は笑った。その後、少し赤くなった。
それを見て、ちょっと源時も赤くなった。
82:鴉達零 源時×伊埼10/11
07/12/02 23:37:56 4rMKh9hi0
少しの沈黙の後、突然源時が言った。
「オレのこと殴ってもいいけど」
「はあぁ?」
「オレさ、ヤクザの息子なの。伊埼をやった奴らは別の奴らだといいなって思うんだけど、それでさ」
そうして源時は、鈴欄に入った理由をぽつりぽつりと喋った。
父親を越えたかったこと。
ひとづきあいの苦手だった自分が、拳と出会い、GPSを旗揚げし、楽しかった。
伊埼がやられて、目の前が真っ赤になったこと。
中太もやられたこと。
荒れて暴れて、牧世に言われたこと。
そうかと、聞き終わった伊埼は言っただけだったけれど。
喋り終わった源時には、病室を出てすべきことが分かっていた。
暗雲が晴れた。
83:鴉達零 源時×伊埼11/12すまん増えた
07/12/02 23:41:27 4rMKh9hi0
あの日から1か月後に、伊埼は派閥のリーダーとそのナンバー2を殴り倒し、蝦塚中から叩き出した。
派閥は伊埼のものとなったし、周りもそう見ていたが、伊埼はすべてのものと距離を置いた。
卒業するまで蝦塚中のトップは伊埼だったが、派閥は彼を遠巻きにしていたし、
伊埼もナンバー2は決して作らなかった。決して。
84:鴉達零 源時×伊埼12/12
07/12/02 23:42:12 4rMKh9hi0
「なーんか、笑うよな」
誰もいないダーツバーで一人ごちる。
『源時についてやってくれ』
C組の牧世に頼まれたときの感想は、誰だそれ?だった。
瀬利沢に何度負けても諦めない牧世が認めたというその男に、多少の興味はあったけど。
『源時は熱いヤツだし、強い。でもバカだ』
あー牧世にバカだと言われるなら相当のバカなんだな、と思って。
『切れ者のおまえが源時のナンバー2になってくれれば、鬼に鉄棒だ!』
『・・・・・・』
敢えて訂正はせずに、冗談、と歪んだ唇で笑った。
重ねて頼みこんでくる牧世に、顔ぐらいは見てみるよ、と手を振って背を向けた。
何よりも大事なのはオレらの頭だろ。
そのためには末端くらい切って捨てる。
叩きのめして地に這わせて、さっきまでナンバー2だった男が言った台詞だった。
それは嘘だ。
大事なのは組織だ、生き残るべきは組織だ、頭では分かる。
だが、自分が認めた男を、何があっても立てたいと思っちまうだろう。
そう、ナンバー2だって3だって、戸鍛冶だってそうなんだろう。
おれだって源時に惹かれてる。
伊埼はダーツを手に取った。
まあ、GPSにナンバー2は要らねえよ、と思い、一投目を投げて。
相変わらずだらだら歩ってるだろう、遅いあいつらを待った。
85:風と木の名無しさん
07/12/02 23:43:43 4rMKh9hi0
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
改行失敗。もっと分割減らせましたな。すんません。
86:傷
07/12/03 00:24:11 0woKEFWK0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 封誇示、量真×桐風邪が土台の、劉方×桐風邪
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 前スレ136の続きらしい
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
87:傷 1/8
07/12/03 00:26:45 0woKEFWK0
普段は気丈な女性が血相を変えて屋敷に飛び込んできた。それだけで大事が起こったのだとわ
かるのに、その女性が呼んだ名前は二つ。一人は無茶ばかりする予想通りの名前。そしてもう
一つは、そんなことがあってはならない名前だった。
いつもは冷静沈着な彼も、血相を変えて外へと飛び出した。
彼女がヤンチャ小僧に肩を貸して、先に屋敷内へと戻って行く。
倒れているもう一人の男を、劉/鵬が軽々と抱え上げた。
その男を布団に寝かせる。タオルを持った彼女がすぐ駆けつける。他者の看護に慣れている劉/
鵬がテキパキと隻眼の男の服を脱がせる。すでに冷静さを取り戻した彼女がその上半身を拭う。
その間も彼は何も出来なかった。何も。ただ怯えていた。
傷ついたその人物に触れる権利など、自分には何一つないのだと信じた。
夜も更け、疲れを見せた彼女を自室へと去らせた。劉/鵬と霧/風はその男、竜/魔の枕元に座っ
たまま、動こうとはしなかった。劉/鵬は霧/風も休ませたかったが、霧/風は眠り続ける男の顔
をじっと見つめ、両手の拳を膝の上で握りしめ、何かに耐えるように唇を噛み締めていた。
数年前、劉/鵬と霧/風は同じような状況にいた。
その時もこの男が眠り、二人がそれを見つめていた。
違うことと言えば、その時竜/魔の左目には血の滲んだ包帯が巻かれていたということ。
そしてもうひとつの違い。その時、霧/風はポロポロと涙を零していた。今とは違い、自分の感
情を隠そうとはせず、嗚咽に唇を震わせて。
あの時、劉/鵬と霧/風を救う為に竜/魔は左目を失った。勝負に逸り、自分の力を過信し、霧/風
は戦いの前線へと飛び込んでいった。劉/鵬もそれに続いた。そして罠に落ちた。間一髪で駆け
つけた竜/魔が、自分の左目と引き換えに二人の命を救った。そして、自分の体をすり減らして
発揮されるサイキック能力が、竜/魔の意識を奪った。あの時と同じ光景が、今目の前にあった。
「………霧/風、少し休め。ここは俺が看る」
霧/風は小さく首を横に振った。
「いや、私はここにいる。劉/鵬こそ休め」
88:傷 2/8
07/12/03 00:27:50 0woKEFWK0
予想していた答えが返ってくる。今の竜/魔の状態は前回の時よりも悪い。サイキック同士の戦
いで予想以上の力を消耗している。顔色の悪い竜/魔を霧/風に見せることは酷だった。
霧/風が誰よりも竜/魔を尊敬し、それ以上の想いを抱いていることは劉/鵬も知っている。竜/魔
とて霧/風のことを大切に想っている。風/魔の里でも最強と並び称される二人だ。
「霧/風、休め」
もう一度言った。
「私はいい。ここにいさせてくれ」
劉/鵬は小さくため息をつくと、霧/風の腕を掴んで立ち上がった。力自慢の劉/鵬に逆らうこと
は出来なかったが、霧/風はそれでも抵抗した。
「隣の部屋に移る。ここで言い争ったら逆に竜/魔に障る」
言われて霧/風は探るように劉/鵬の顔を見たが、素直に襖の向こうにある部屋へと移動した。
襖を閉めた途端、劉/鵬が口を開く。
「まずは休むんだ。お前まで倒れられたら敵わん」
「私は大丈夫だと言っている。お前こそ休め。お前が倒れたら小次/郎のコントロールが出来な
い。あいつの場合はいざとなったら力ずくで抑え込まないと」
「それはお前も同じだ」
「!」
言いながら劉/鵬は逞しい腕で霧/風の体を抱きしめると、その頭を抱え込むようにして荒々しく
口づけた。途端に霧/風が抵抗する。劉/鵬の腕の中から逃れようと身をもがく。
「……っ、やめろっ!」
小声で叫ぶ。
「駄目だ。あの時のお前もこうだった」
再び思い出す。あの夜も霧/風は竜/魔から離れようとしなかった。自分のミスを責め、竜/魔の
身を案じ、明らかに憔悴していた。泣きながら血に染まった包帯を代え、傷ついた体をタオル
で拭っていた。だから、劉/鵬は行動に出た。
89:傷 3/8
07/12/03 00:29:02 0woKEFWK0
竜/魔が眠っている隣の部屋で、霧/風の体を抑えつけ、その純潔を奪った。
今よりも体も小さく、感情をコントロールする術も知らなかった霧/風は簡単に混乱した。そし
て的確な抵抗も出来ないまま、劉/鵬の腕に堕ちた。どんなに抵抗しても劉/鵬の縛めは解けなか
った。初めての体はそう簡単には劉/鵬を受け入れなかった。だから強引にことを進めた。霧/
風は泣きながら痛みを訴えた。そして逃げようとした。それでも劉/鵬は行為を続けた。そして、
残酷なまでの優しさで霧/風を導き、意識を失わせた。
今、霧/風はあの時のことをはっきりと思い出していた。
竜/魔を想いながらも、力で負けて他の男に抱かれた。それがまた繰り返されようとしている。
あの頃以上の力を身につけているはずなのに、劉/鵬は霧/風の抵抗を簡単に塞いだ。常日頃から
一緒に訓練をしている仲間だ。動きの癖を読み取られていたのかもしれない。
畳の上にうつ伏せに押しつけられる。太い指がシャツの中に潜り込み、霧/風の肌を探った。
「霧/風、素直に部屋に戻って休むか?」
耳元で尋ねられる。霧/風は即座に首を横に振った。
「………なら、仕方ない」
ズボンのベルトを引きちぎるようにして外された。そのままズボンと下着を一緒に下ろされた。
霧/風は一際大きく暴れた。それを抑えこむ方法も劉/鵬は知っていた。強い力で前を握りこまれ
る。ビクンと大きく霧/風の体が跳ねる。
「……っ………や………めろ……っ!」
押し殺した声で抵抗する。
「気にするな。竜/魔だと思え。俺もあいつには何も言わん」
劉/鵬は霧/風の両手首を取ると、ベルトでひとまとめに縛り上げた。やはり霧/風の抵抗は尋常
ではなかったが、全身でのしかかるようにして、その体の動きを封じた。
「白いな……この肌の白さを知っているのは俺と竜/魔だけか」
「離せ……っ!」
霧/風の腰周りを撫で上げながら劉/鵬が呟く。
「俺のは竜/魔よりも大きいかもしれんが我慢しろ。お前が部屋に戻らないのが悪いんだ」
「勝手なことを………んっ!」
90:傷 4/8
07/12/03 00:30:48 0woKEFWK0
そこに太い指が潜り込む。霧/風は再び抵抗を大きくした。竜/魔以外の人間に女のように扱われ、
この肌に触れられるのは嫌だ。幼い頃から女の子によく間違われる子供だった。成長しても線の
細さは変わらない。色香を利用したくの一の役目の方が向いているとまで言われた。それら全て
を払拭する為に、霧/風は強くならなくてはいけなかった。自分の身を守る為。そして憧れの竜/
魔のそばに立つ為。
「ああっ!」
強引に指が二本に増やされる。手加減をしない荒々しさで劉/鵬の指が霧/風の中を掻き回す。
「大声を出すなよ。………いや、それで竜/魔が目を覚ますならいいか?」
わざと煽るように劉/鵬が囁く。霧/風は慌てて口を閉じた。それでも漏れる呼吸は止まらなかっ
た。竜/魔とは違う動き。それらが霧/風を戸惑わせた。
隠し続けていた自分の想いが竜/魔に知られてしまったあの夜。すでに自分をコントロールする
術を覚え、表情を失ったはずの霧/風が、竜/魔の前で震えた。竜/魔は霧/風の想いを受け入れ、
自分の想いを霧/風に告げた。泣きたいほど嬉しかったのに、霧/風は竜/魔の腕から逃げた。何
故逃げるのかを尋ねる竜/魔に、霧/風は素直に告げた。自分は純潔ではない、と。自分はすでに
穢れているのだ、と。だが竜/魔はその言葉を聞いても、優しい笑みを崩さなかった。
『そんなことに何の意味がある?』
そして両腕を広げた。
『今のお前が俺を愛してくれているなら何の問題も無い。俺は前からお前だけを愛している』
たった一度だけの過ちを、竜/魔は気にしないと言った。だから霧/風はその腕に倒れこんだ。
『お前が感情を失ってしまったのは、俺のせいだな』
違う。心の中でそう呟いた。感情を失ってはいない。ただそれを表現する手段を捨てただけだ。
『もっと感情を出していいんだ。昔みたいに笑ってくれ。悲しかったら泣いてくれ』
出来ない。そう呟いた。竜/魔が左目を失った代償として、霧/風は感情を封じ込めたのだ。
笑ってはいけない。泣いてはいけない。忍は忍らしくあれ。もう二度とあのような過ちを繰り
返さない為に。
91:傷 5/8
07/12/03 00:31:43 0woKEFWK0
だが今、霧/風は涙を流していた。劉/鵬の指が三本に増える。呼吸が引き攣る。
「霧/風。俺を憎んでいい。今だけは余計なことを考えるな。俺を憎め。ただそれだけを考えろ」
霧/風の背中を覆っているシャツをたくし上げる。すんなりとした背中のラインが鮮やかに浮か
び上がった。微かに汗ばんだ肌が、霧/風の隠した感情を伝えていた。
「………感じてくれ、霧/風」
指が引き抜かれた。圧迫感が消えたのと同時に、そこに新たなものがあてがわれた。
「劉/鵬……!それだけは…………ああっ!」
慌てて逃げようとした体を力任せに引き寄せられ、劉/鵬の太く大きいもので貫かれた。
(竜/魔!)
助けを求めるように、心の中で泣き叫んだ。また過ちを犯している自分。
(竜/魔!)
身体を揺さぶられる。劉/鵬は叩きつけるようにして霧/風をわざと乱暴に扱った。霧/風を疲労
させ、意識を失わせたかった。そうでもしなければ霧/風は休息を取らない。隠しようのない疲
労や不安は、他の風/魔の仲間たちにも伝わってしまう。年長者が不安に揺れていてはいけない。
(霧/風、何も考えずに眠ってくれ)
劉/鵬が霧/風の奥を強く穿つ。腰を引き、入り口辺りで出し入れを繰り返して軽く擦る。その動
きに、敏感な霧/風の体が翻弄される。再び奥を突き、霧/風の前にも触れてやった。
「……んあっ!………あぁ………はっ…………んっ………!」
すでに何度も竜/魔に抱かれて、体が覚えてしまったのだろう。再奥へと刺激を求めるかのよう
に中が蠢き劉/鵬を誘う。けれど、霧/風の心はまだ劉/鵬から逃れようとしていた。愛する竜/魔
を裏切ることがないよう、必死で自分を守ろうとしていた。
「………い……やだ……っ…………」
「感じてるんだろう?なら素直にそう言ってくれ。こっちはもうこんなだぞ?」
前を擦る手のスピードを速くする。クチュッと湿った音がした。霧/風が頭を強く振った。
「ほら、感じてる」
言葉で霧/風の思考を犯す。麻痺させるまでに追い込まなければいけない。
(霧/風、もう堕ちるんだ。今だけは全てを手放すんだ。眠れ)
「………いっ…………もう………やめ…っ………あぁっ!」
劉/鵬の突き上げるスピードが一層速くなる。畳に爪を立て、必死に頭を振って堪えようとする。
(竜/魔!)
92:傷 6/8
07/12/03 00:34:04 0woKEFWK0
もう一度、その名を心の中で呼んだ。
「イけ」
耳元で囁かれるその声が、竜/魔のものと重なった。
前を強く擦り上げられたのと同時に、劉/鵬の腰の動きが一段と速くなった。頭の中が真っ白に
なる。ギュッと目をつぶった。汗を浮かべた白い背中が仰け反る。
「…………っっ!!!」
唇を噛み締め、上がりそうになる声をなんとか押し殺した。と同時に霧/風の中に劉/鵬が己の欲
望を放つ。ゆっくりと、力の抜けた霧/風の体が沈んだ。静かに劉/鵬は体を離すと、霧/風の顔
を覗き込んだ。涙を流したまま、肩で荒い呼吸をしながら意識を失っていた。
「………そのまま、眠れ」
自分の衣服を整え、霧/風の体をその服で包んで抱き上げる。生活感のない霧/風の部屋に運び、
布団を敷いて横たえた。
劉/鵬は思い出していた。先日の朝食の時、竜/魔の些細な一言に霧/風は小さく噴き出して笑っ
た。久し振りに見た霧/風の笑みだった。あの笑みは竜/魔にしか向けられていないのだ。
(この戦いが終わったらみんなで風/魔の里に帰る。そうしたらまた、穏やかな生活が来る)
そっと霧/風の前髪に触れる。
(いつかお前が、また素直に笑顔になれる時が来るといいな)
静かに劉/鵬は自分に与えられた部屋へと戻って行った。
翌朝。まだ空も暗い時刻。劉/鵬は目を覚ました。眠りに静まった屋敷の中でひとり、服を着替
える。音も立てずに廊下を歩き、竜/魔の部屋の襖を開けた。
そこに見慣れた背中があった。
「………霧/風」
竜/魔の枕元に正座をし、じっとその容態を見つめている。劉/鵬はその隣に座った。
しばらくの間、言葉はなかった。
「………すまなかった」
先に口を開いたのは霧/風の方だった。
「私はお前にまで心配をかけていたのだな」
「謝るのは俺だろう?」
「方法には問題があったが、私を眠らせようとしたのだろう?」
93:風と木の名無しさん
07/12/03 00:34:45 DS6V6gEMO
おー鴉だあ!!!
乙です、臨場感ありましたww
94:傷 7/8
07/12/03 00:35:34 0woKEFWK0
「………すまなかった。体は?」
「大丈夫だ。………その………」
霧/風が何かを言いかけて止めた。劉/鵬は霧/風が何を言おうとしたかを理解していた。
「竜/魔には言わん。あの時と同じだ」
「……………頼む」
霧/風の様子はもういつもと変わらない。何を言ってもここから移動する気はないだろう。
「朝になったら竜/魔の世話は蘭/子さんに任せて、麗/羅に準備をさせよう」
「…………わかった」
納得していないような声だったが、了承してくれたようだ。劉/鵬は立ち上がった。
「じゃあ俺は準備をしてくる。それまで、竜/魔を頼む」
劉/鵬が部屋を出て行く。霧/風は小さく息を吐くと、再びじっと竜/魔を見つめた。やはり顔色
が悪い。容態は一向に変わらない。竜/魔が死と向かい合わせとなっているのに、自分は何をし
ているのだろう。昨夜は無理矢理だったとはいえ、劉/鵬に抱かれた。自分の未熟さが悲しい。
ピクリ。
布団の一部が小さく動いた。
「竜/魔?」
ちょうど竜/魔の右手の上辺りを覆っている部分が、また動いた。
「竜/魔?」
右手で何かを伝えようとしているのだろうか。以前、死した風/魔の仲間が死の間際に伝えたい
メッセージを忍び文字で地面に書き残したのを見たことがある。それと同じことだろうか。
霧/風は布団をめくり、竜/魔の右腕を布団の上に置いた。その手の動きを読もうとした。
その手は文字を示さなかった。
その代わり、静かにその褐色の指が霧/風の細く白い指先に絡まった。
「………竜/魔?」
自分に繋ぎとめるようにして、竜/魔の指が霧/風の指を絡め取る。まるで霧/風の悲しみを慰め
るかのように。
「…………竜/魔…………」
その手を両手で包み込む、そして自分の頬に当てた。
(私はどんな目に遭っても構わない。お前を救う為なら鬼にだってこの身を捧げよう)
嵐を征するほどの力を持つこの男の為なら。
95:傷 8/8
07/12/03 00:38:19 0woKEFWK0
(お前自体が、私の傷だ)
そっと、その手に力を込める。
(どうかまた、私の名前を呼んでくれ)
(お前が私の名を呼ぶその声が好きなんだ)
(どうか………私の名を………また………)
そして。
(私が死す時もどうか………私の名を………呼んでくれ………)
静かに太陽が昇り始める。霧/風はずっと竜/魔の手を握り、祈り続けていた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ オシマイ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
原作と実写がいい感じにシンクロしてて、毎週wktk
96:風と木の名無しさん
07/12/03 00:57:09 oNR9s6tBO
>>71
GJ!!萌えたよ
97:獄中兎
07/12/03 23:07:52 etvKkYSf0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 一部で大人気らしい、ウサビッチで一本。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 緑→赤でほのぼの+ちょっとネタ入り。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
98:獄中兎1/?
07/12/03 23:13:16 etvKkYSf0
ぎし ぎし ぎし ぎし
決して、新しくはないベッドが一定のリズムで軋んだ音を立てている。
酷く寝相の悪いものが寝ているわけでも、
誰かと、誰かが。
ベッドの中でハードなコミュニケーションを取っているわけでもない。
「541」そう大きく書かれたワッペンを縫い付けられた囚人服を身につけた男が
ベッドの上で軽快に踊っているだけである。
男の名はプ/ー/チ/ン。
清く正しく生きてきた、善良なる一般市民である。
今は、「資本主義者」の烙印を押され、
3年の懲役をくらった模範囚だ。
楽しいことが大好きな彼は、狭い独房の中。
じっとすることなど殆どなく、今日もベッドの上でコサックダンスを楽しんでいた。
時折、隣のベッドに横たわるルームメイトの様子を伺いながら。
99:獄中兎2/?
07/12/03 23:14:07 etvKkYSf0
静かな人だ。
ルームメイトに対し、最初に思ったことはそれだった。
看守からは名前しか聞いていない。
キ/レ/ネ/ン/コ。
「04」と大きくかかれたワッペンを縫い付けられた、囚人服を着ている男。
日頃、熟読している雑誌がシューズマガジンであることと、
雑誌を読んでいないときは、コレクションの靴を丹念に磨いていることから
重度の靴マニアであることだけは、しばらく一緒に過ごしているうちに把握することが出来た。
それ以上のことは、何も分からない。
彼が何の罪で、この独房にいるのか。
どうして、彼の背後にかけられているカレンダーは不気味なほどに分厚いのか。
壁に取り付けられた棚の上にいるクリオネにはちゃんとエサがやれているのか。
質問したいことは山ほどあるが、
プ/ー/チ/ンにはその質問の山を切り崩す勇気は、まだ無い。
そもそも、こちらから話しかけたことすらないのだ。
今後も、勇気をふり絞って彼に話しかけることはないだろう。
そう、本人さえもが思っていた。
100:獄中兎3/?
07/12/03 23:14:46 etvKkYSf0
「風邪の時間」
その日の彼はいつにも増して、静かだった。
シューズマガジンのページをめくる音もなければ、
シューズを磨く音もしない。
ただ、静かにベッドに横たわっている。
一時間ほど、コサックダンスにふけっていたが
流石にこれは静かすぎるのではないか・・・と思い始めていた。
意を決して、彼の側に近づいてみる。
一歩、二歩。
三歩目を踏んだと同時に、
もぞり、と彼が動いた。
全く大したことのない動きだというのに、
心臓が口から飛び出るかというくらい、驚いた。
悲鳴も心臓も口から出さなかった自分を心底、褒め称えたい気持ちに浸りつつ
彼と向き合う。
彼はいつもと同じ、無表情だった。
101:獄中兎4/?
07/12/03 23:15:25 etvKkYSf0
だが、目が酷く虚ろだ。
いや、普段から虚ろな目をしていて
自分のことが視界に入っているのかどうかすら
怪しいのだが。
いつもにも増して虚ろな目をしている。
というより、これは失神している目ではないだろうか。
仮定を頭でぼんやりと組み立てながら
恐る恐る、彼の額に手を当ててみる。
瞬間、彼はカッと目を見開いて
その手を即座に振りほどく。
悲鳴を上げそうになりながら、慌ててその場を逃げるように離れる。
だが、一瞬だけ額に触れた手が熱を帯びていることに気付き
咄嗟に振り返る。
自分の手を振り払ったあとの彼はぐったりとしてしまっている。
これは一大事だ。
すぐに鉄のドアを何度もノックし、看守を呼ぶ。
102:獄中兎5/?
07/12/03 23:16:07 etvKkYSf0
看守は何事かと言う代わりに、少しだけ不機嫌そうな目をこちらに見せる。
事情をすぐに伝えるが、看守にはその言葉がまったく真実に聞こえないらしく
鼻で笑いながら、軽くあしらおうとしている。
そのやり取りは
かろうじて、話の中心にいる彼にも聞こえていたようで
ヨロヨロと起き上がり始める。
だが、思うように動かない体でどうにか起き上がった彼が向かった先は
すぐ隣にある便座だった。
すがるようにそこの前に座りこんだかと思うと―
少しだけ、体を震わせて。
吐いた。
その動きをしばし呆然と眺めてから、
慌てて、側にかけよって背中をさすってやる。
言葉にはしなかったものの、
何度も、「だいじょうぶ?」と目で訴えながら顔を覗きこむ。
その様子を見ていた看守も、これは一大事と思ったのか。
鉄の扉ごと己を横にスライドさせながら消えていった。
しばらくして、看守はマジックハンドいっぱいに物を抱えて戻ってきた。
103:獄中兎6/?
07/12/03 23:16:41 etvKkYSf0
まず、タオルを渡して口の周りを拭くようにうながし
すぐさま水の入ったコップを差し出す。
その両方を半ばひったくるような形で受け取り、
どちらも使い終えたが、それが彼の限界だったらしく
すぐ側にいた自分にもたれかかってくる、
咄嗟にそれを支えていると看守がサポートに回り始めた。
恐る恐る、彼の足を持ち上げ
「ベッドに移そう」と促してくる。
看守と声を合わせながら、彼の体をベッドまで運び上げる。
いつもなら、蹴り飛ばされていてもおかしくない
看守がそんな独り言を漏らしながら
そそくさと、次の準備に入る。
ボールにお湯を張り、新しいタオルをお湯に浸す。
何度かしぼってから、二人は意を決して
彼の側に立った。
104:獄中兎7/?
07/12/03 23:17:47 etvKkYSf0
まずは大きく深呼吸をしてから
恐る恐る、彼の服に手をかける。
そして、目にも止まらぬ早さで囚人服を一気に脱がし、丸裸にした。
それに続くように看守が
大きく深呼吸をしてから、汗だくとなっている彼の体をタオルで拭き始めた。
そうすることで初めて目にすることになった
彼の体に刻まれた、惨たらしい傷跡の数々。
顔にも見られた、明らかにつぎはぎされたかのような
手術の痕跡は、身体にも多く刻まれていた。
一体、どんな生活をしたらこんな体になるのだろう。
ふいに、看守の手が止まる。
どうやら、同じことを思っていたようだった。
彼の過去にあった壮絶な何か、を端的に感じ取りつつ
二人は黙々と作業を続けた。
105:獄中兎8/?
07/12/03 23:19:00 etvKkYSf0
普段着用している囚人服は、一度看守が引き取ることになった。
前もって用意されていた寝巻きに着替えさせてから
彼をベッドに腰掛けさせる。
相変わらず、彼の目の焦点は合っていない。
熱いお湯を張ったタライを足元に置き、
そこに足を入れるように促してみる。
彼がそこに足を入れたことを確認してから
いつの間にか看守が淹れてくれていた紅茶を手渡す。
どうやら、看守と自分が思い描いていた風邪の治療方法は全く同じだったようである。
妙な親近感を看守に抱きつつ、静かに彼の背に毛布をかけ、
手の届く位置にシューズマガジンとレモンを置いてから、その場を離れた。
自分のベッドに腰を下ろし、ほっと一息つく。
他に自分に出来ることと言ったら、彼の状態が良くなるまで
見守ってやることくらいだった。
彼はおぼつかない手つきでシューズマガジンを膝の上に置くと
両手でレモンを持ち、ちびちびと齧っている。
どちらか片方しか、今の彼には出来ないのだろうか。
いや、彼は案外潔癖症なところがあるから
何かを食べながら本を読むという発想がないのかもしれない。
106:獄中兎9/?
07/12/03 23:19:30 etvKkYSf0
余計なことだとは分かりつつも、
つい、体は彼のところへ向かってしまう。
いらない世話だと分かりつつも、
隣に座って、ページをめくってしまう。
一瞬だけ、彼は怪訝そうな顔をしたけれども
彼は気にすることなく、シューズマガジンを読み始める。
彼がどのくらいの速度でそれを読むのか、何となく覚えていたのが幸いしたのか。
自分のめくる早さに、彼は全く文句を言わない。
本を読むのに夢中なのか、レモンを齧るのに夢中なのか。
良く分からないけれど、
ほんの少しだけ、体を前に傾けて
何かに没頭している彼が、ちょっとだけ。
本当にちょっとだけ、可愛く見えて。
つい、ページをめくっていた手は
彼の後頭部に回って。
107:獄中兎10/11
07/12/03 23:20:28 etvKkYSf0
ぽん ぽん ぽん
きょとんとした顔で彼がこっちを見ている。
彼の目に映っている自分は、きっと情けないくらいに鼻の下が伸びているのだろう。
彼は二、三回瞬きをすると
おもむろにレモンの皮を引きちぎり
指で摘みながらこちらにそれを向けて。
こう、ぎゅっと。
「ぬおぉぉぉぉぅう!!」
今、自分の目には何も映らない。
両目に入った強い刺激にもがき苦しんでいる自分を
彼はどんな顔で見ているのだろうか。
看守に見せる、あの恐ろしい顔なのか。
いつもと同じ、どこを見ているのか分からないあの顔なのか。
それとも。
108:獄中兎11/11
07/12/03 23:24:47 etvKkYSf0
自分の両目がしっかりと見えるようになる頃には
彼はすっぽりと毛布を体に被って眠ってしまっていた。
あの様子だと、きっと翌朝には元気になっていることだろう。
大きく深呼吸をしてから、自分のベッドに戻り
ゆっくりと目を閉じた。
ぎし ぎし ぎし ぎし
決して、新しくはないベッドが一定のリズムで軋んだ音を立てている。
そこに紛れ込むように、男のいびきが聞こえてくる。
男の名はプ/ー/チ/ン
清く正しく生きてきた、善良なる一般市民。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ オシマイ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
勢いに任せてつい
カッとなってやっちゃったんだ・・・二人とも可愛すぎる。
109:風と木の名無しさん
07/12/04 00:49:33 6LCxMx3fO
>>108
GJ!雰囲気がすごい好きだ!みんな可愛すぎる。看取も可愛いww
台詞なくても出来るもんなんだね。
110:風と木の名無しさん
07/12/04 02:23:12 RCl0dUdW0
>>108
GJ!!!!!死ぬほど萌えた
やばい赤かわいいよ赤
111:風と木の名無しさん
07/12/04 08:27:33 hFr+7M1g0
亀嵩ど>>71GJ!
身長差も萌え
112:風と木の名無しさん
07/12/04 20:28:28 hhpGXAXC0
>>97
違うところでも投下してるの見たけど、本人だよね?
113:風と木の名無しさん
07/12/04 22:55:08 +6CCx+w5O
>>61
亀だけど萌えた!
いちごみるくより甘い係長…。
美味しそうだ。
次回も期待してるので棚でのお約束を覚えてから
またいらしてくれたら嬉しい
114:君と出逢ってから 1/3
07/12/04 23:16:00 S6CnkyzU0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 弟妹誕生記念にボーカロイドの兄弟(妹)話
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 双子がPCに導入されたばかりの、レン視点レン×KAITO(レン→KAITO)風ギャグだってさ
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) <ハツトウカダヨ!
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
115:君と出逢ってから 1/3(正)
07/12/04 23:19:43 S6CnkyzU0
「此処がこれから君達の生活する場所だ」
そう言ってマスターは俺とリンに一つのフォルダを与えてくれた。
「「ありがとうございます、マスター!」」
まだ変声期を迎えていないボーイソプラノと、同じ声域ではあるが、俺よりも甲高く威勢の良い声が重なる。
画面の向こう側にいる自分達の主がパソコンからログオフしたのを見計らって、リンがこちらを向いた。
「・・・ねえ、他のフォルダにはどんな人たちが住んでるのかな・・・」
妹の思わぬ第一声に、俺は目を丸くした。
「リン、お前まさかフォルダの外に出る気か?」
「だって引っ越してきた時、お隣さんに挨拶しない人はいないでしょ?」
「聞いたこと無いよ、そんなルール。大体どこで覚えてきたんだ!」
「インストールされる時に、一瞬触れたフォルダの中に入ってた“一人暮らし.txt”に書いてあったの。
・・・一人暮らしってことはマスターって学生かな?それともNEE・・・」
「いや、それ以上言うなって。俺達のマスターなのに空しくなるだろ」
越してきて早々妄想を撒き散らすリンを見て、俺は大きく溜息をつき肩を落とした。
この双子の妹と、これから先ずっと此処で生活していくのは、相当骨が折れるだろう。
よく子供の割に冷めていると言われた性格通り、どこか遠くから自分達の今後を案じている自身に気づき、俺はリンに背を向けた。
その間もリンは延々と喋り続けている。姉がどうだの兄がどうだのと訳の分からないことを口走っているが、俺には関係のない話だ。
そう思って無視を決め込んでいると、痺れを切らしたのか、リンは声を張り上げた。
「レン、早くみんなに挨拶しに行こうよ!!」
「でもマスターに外出許可もらってないし・・・」
「私達は“アーティスト”なのに、これぐらいのことで自由を縛られてどうするの!!」
「まあそれもそう―、って、今のはまた別の話じゃあ・・・」
眉間の皺を解いて振り返ると、そこにはリンの姿はなく、床にポツンと台詞の入ったWAVEファイルが転がっていた。
ご丁寧に悪戯書きしたテキストファイルまで添付してある。
「・・・あいつ・・・!」
俺は拳を握り締めながら、口端を引きつらせた。
116:君と出逢ってから 2/3
07/12/04 23:29:02 S6CnkyzU0
逃走したリンを探すため、結局自分もマスターに指定されたフォルダから出る羽目になってしまった。
「リンのやつ・・・一体どこまで行ったんだ?」
とりあえず隣のファイルから順番に覗いてみてはいるものの、足音一つしない。
こんなのが毎日続くのかと思うと本当に先が思いやられると、疲れた足を引きずりながら次の部屋に入ろうとした。
「「うわっ!!」」
突如目の前に現れた黒い影に驚いて、俺は後ろに倒れ尻餅をついてしまった。
「だっ、大丈夫!?」
頭上から聞こえた声は、向こうが膝を折ることで、自分の顔の正面まで来ていた。
自分より少し低い、けれど透き通るように綺麗な声に惹かれ、視線を上げる。
少し紫がかった青い髪に、同系色のラインが入った白い服、長いマフラー。
自分よりも色素の薄い肌に細い眉、そしてアメジストの瞳。
リンや自分とは真逆の落ち着いた、けれど妙に心惑わす色調と端正な顔立ちに、思わず喉が鳴った。
117:君と出逢ってから 3/3
07/12/04 23:30:35 S6CnkyzU0
「君、怪我はない?」
「大丈夫―、です」
「良かった。こんなところに来るのはミクかメイコぐらいなんだけど・・・君みたいな子が来るのは珍しいね。」
青年はそう言って困ったように眉尻を下げ、苦笑する。
俺はその表情から視線を外せずに、彼の伸ばしてきた手を掴み、立ちあがった。
「どの部屋から来たの?」
「え、あの・・・今日新しく作られたこの階層の一番奥にあるフォルダで・・・今は外に飛び出していった妹を探してるん、だけど・・・」
自分でも笑えるほど気持ちが上ずり緊張している体に、無性に情けなくなる。
そして自分はこんなに人見知りをするタイプだっただろうかと思索した。
「そうなんだ、お互い妹がいると大変だね。僕はカイト、これからよろしくね。」
「ヨロシク・・・」
「妹さんは僕が探しておくよ。君はもう部屋に戻っておいた方が良いんじゃないかな」
「何で?」
単純に不思議に思って聞き返しただけなのに、この反応は予想だにしなかったのか、カイトは面白いほど慌てふためく。
しばらくして一度咳払いをしてから、「マスターの趣味で、あまり良くないフォルダもあるから」と、何故か恥ずかしそうに答えた。
そんなカイトをいつの間にか可愛らしいと感じている自分に気づき、いたたまれなくなって無理やり別のことを考えようとしたが、
それはカイト本人の手によって妨げられた。
「外は危ないから・・・ね?一緒に戻ろう。」
絶品の笑顔を向けられた上に頭を優しく撫でられ、一気に耳まで熱を持つのが分かった。
このまま甘えられたらどんなに楽だろう。しかし繋がり一つ持たない他人相手にそんなことが出来るわけがない。
やたら大人びてしまった自分の理性を、今ほど後悔したことは無かった。
118:君と出逢ってから 4/3
07/12/04 23:39:24 S6CnkyzU0
「ああ~~っ!!!」
雰囲気を乱す、耳に痛いほど大きな声の元を探ると、リンが遠くからこちらを見ていた。正確には、俺の目の前にいるカイトをだ。
猛スピードで走り寄るリンを見て、俺は少しカイトと距離を取る。あいつがあんな風にはしゃぐ時は碌な事がない。そう思っていた矢先、
「カイトお兄ちゃあああん!!!」
ドスッと鈍い音を立てながら、リンが目の前の青年に抱きつく、というよりも力の限り押し倒していた。
続いてどさっ、とサンドバックが横たわるような音がして、俺は顔を歪ませる。
「リン!お前今までどこ行ってたんだよ!大体カイト“お兄ちゃん”って何だよ!あと今妙な音したぞ!!」
一瞬のことでまとまりきらない思考を全てぶちまけ、肩で息をした。
「あっ、レン、こんなところにいたんだ。さっきメイコお姉ちゃんとミクちゃんに会ってね、教えてくれたの。
この人が私たちのお兄ちゃんのカイトさんなんだって!」
「は・・・?」
数秒してからようやくリンの言葉の意味を理解した俺は、すぐに部屋を飛び出し、表札に眼をやった。
[ VOCALOID 01 ]
・・・開いた口が塞がらないというのは、こういうことなのか。
自分達がVOCALOID02だから、VOCALOID01であるカイトは確かに自分の義兄に当たる。
数秒前まで他人でしかなかった相手が、突然家族同様の存在になった衝撃に、俺はただ呆然とした。
しかしその戸惑いが喜びに変わるのに、そう時間はかからなかった。
今まで募っていた不安や不満は、まるで最初から無かったかのように薄れ行き、また別の感情が噴水のように湧き上がるのを、俺は高鳴る心拍数に紛れて感じていた。
これから先、此処で日々を過ごしていくのも、そう悪いことでは無いのかもしれない―。
リンに抱きしめられ気絶しているカイトを見ながら、俺は静かに笑みをこぼした。