07/05/19 03:01:09 zQKDdy7p0
□取り残された夜、(麒麟川島×中山功太)
『サンタなんていないんだよ。』幼い頃、ショックを受けたその一言。でも現に今、欲しいものは手に入りそうにない。
【取り残された夜、】
イブの夜、寝転がって天井を見ながら一人部屋で呟く。「・・・暇や。」外では浮かれたカップルが腕でも組んで歩いてるのだろう。
それを少しだけ羨ましく思う自分がとてつもなく嫌で、半ば無理やり目を閉じた。川島さんは俺のことなんて忘れてるだろう。
もちろん、それは当然の事だけど。でも もしかしたら、という期待がくすぶっているのも事実で。
「・・・もう、嫌や。」何も考えたくなくて、右手で探り当てた毛布にくるまった。クリスマスなんて早く終わってしまえばいい。
こんな、苦しい思いをするだけの時間なんて。「まぶし・・・。」目を開けると、窓からの光がちょうど顔に当たっていた。
立ち上がってカーテンを半分だけ閉めて枕元に置いておいた携帯を開く。
「・・・はは。」自嘲するように笑う。ほら、いないんだ。サンタなんか。
ひやりとした寒さを肌に感じながら、また毛布に潜り込んだ。
ピンポーン「・・・。」ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン。
「・・・うるさい」ピリリリリ「何やねん、ほんま・・・。」
チャイムの次に鳴りだした携帯を手に取り、通話ボタンを押す。
「もしもし、功太?ちょおドア開けて。」「・・・川島さん?!」
左手に携帯を持ったまま、急いで玄関のドアを開けに走る。