07/10/23 16:52:24 oMS8SiGvO
体温をはかるという用途ゆえに、45度辺りが上限温度で、
それ以上の計測に耐えられない体温計×お湯の結ばれない悲恋なんてどうだろう。
「い、いやだ、駄目だ、そんなことをしたらあんたは…!」と首を振る湯。
「いいんだ、せいぜい40度やそこらの、今の体温との生ぬるい生活より…
僕は一度だけ身も焦がすような、君との恋に焼き尽くされたい」
「そんなっ、駄目だ、やめ…やめてくれ!」
ますます激しくなる湯の拒絶もものともせず、ついに湯の中に体温計は己を浸す。
「ああっ…!」
「…っ!! …そうだ、ずっと君とこうしたかった…
こんな熱さ…、今まで一度も感じたことがない…一度も…」
体温計の中の水銀が見る見る上昇していく。湯はそれを見ていることしか出来ない。
「体温計!」
水銀が頂点に達し、あっけないほど容易く体温計はひび割れた。
これ以上ないというほど穏やかで、満足気な笑顔を浮かべた体温計の亡骸を前に、
湯はただ泣くことしか出来なかった。
的な感じの。