07/04/02 19:15:54 CF6tjkXL0
「私が個人的に何でも致します」
小鳥遊は鷹尾に背面座位で抱かれた姿勢でできる精一杯の土下座で、
正面に座る『ゆかわ屋』の専務に深くこうべを垂れた。
「買収の件、何卒、ご容赦ください」
湯川はくすっと嗤うと鷹尾をちらりと見て言った。
「ねえ、たかなし社長?『ゆかわ屋』は良心的な企業ですよ。
廃園した遊園地の遊具や経営不振遊園地を安く買い、再生して
巨額の利益を上げるような、ひとの痛みにつけ込む死体喰いじゃない」
死体喰い、と、指差された鷹尾が拗ねた顔で湯川を軽く睨み、ふっと自嘲した。
「どうにも買い手がつかなくて首をくくる経営者だっているご時世ですよ?
貴方は『ゆかわ屋』に買い上げてもらえることを喜ばないと」
濡れたローライズボクサーの上から小鳥遊を撫で、
湯川は思い出したようにつけたした。
「うちに拾ってもらえることが既に奇跡なんですよ。
お宅の先代が未だご存命なのと同じくらいにね」
「そうそう。それにあんた、『個人的に何でも致します』って言うけど
股開いてご自慢のからだ提供すりゃどうにかなるとか思ってるくちだろ?
会社のために身を挺する俺って健気とか思ってるのが透けて見えるな」