07/09/16 04:15:51 aJyvYlDf0
379の足が壊死する前に375続き。
※ ※ ※
「俺、かなりのインドア派ですよ。お外が大嫌いですよ」
と前に冗談交じりに言っていた言葉どおり、夏にもかかわらず白い頬をつまんでみると
ものすごい速度で逃げられた。
あれ、俺、なにかまずいことしたんだろうか。
とりあえず追うことにして俺は走り始めた。
くそ、見た目もやしっ子なのに意外と速いな。
数分追いかけ続けると彼は三階建てのアパートの階段を上り始めた。
ラストスパートをかけて部屋の扉が閉まる寸前に体を割り込ませる。
「えっちょっえええ?」
「…なんか走ってくからつい追いかけちゃった」
思いっきり口をあわあわさせている彼をとりあえず部屋の中に押し込んで俺も中に入る。
部屋の中はあまり物がなく、目立つものは大き目のディスプレイのデスクトップPCと
本棚が無いからかそのまま積んである数十冊の漫画くらいだった。
「な、なんで入ってきてるんですか…」
「なんでいきなり走っていくんですか?…あ、もしかして人に触られるのが嫌いとか、そういう?」
首を振って否定する彼の顔を、違うならなぜ?という風に見ると、途端に真っ赤になって俯いてしまった。
「嫌とかじゃなくて…びっくりして。びっくりしたっていうかなんていうか
あれ?なんで?いや、なんでじゃない、そりゃ違うって…」
自分でも何がなんだか分からなくなっているのか、後半は自問自答になっているのを
無視して問いかけてみる。
「俺に、触られるのが嫌だった?」
「違います!…それは、違う」
「じゃあどうして?」